説明

半導体装置及びその製造方法並びに電子部品

【課題】アンテナ搭載ICチップの小型化、低コスト化、高機能化が可能な半導体装置とその製造方法、および当該半導体装置を具備した電子部品を提供する。
【解決手段】電極3を一方の面に有する半導体基板2の所定位置に、一方の面から他方の面へ連通する一つ以上の貫通孔4を形成する。次に、形成した各貫通孔4内に第一絶縁部5を介して貫通電極6をそれぞれ形成する。次いで、半導体基板2の一方の面側に第二絶縁部7を介し、一端が第一の電極3と電気的に直接接続すると共に、他端が貫通電極6の一つと電気的に接続する第一アンテナ回路8を形成すると共に、半導体基板2の他方の面側に第三絶縁部17を介し、一端が貫通電極6の一つを介して第一アンテナ回路8の他端と電気的に接続すると共に、他端が貫通電極6の他の一つを介して第二の電極(図示せず)と電気的に接続する第二アンテナ回路18を形成することにより、半導体装置1とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触式ICタグなどに用いられる半導体基板上に無線通信用アンテナ配線が一体形成された半導体装置及びその製造方法、並びに当該半導体装置を具備した電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から無線通信用アンテナ配線をICチップ等の半導体基板上に形成することによって小型化、微細化を図ったアンテナ搭載ICチップが提案されている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
特に、近年は非接触式ICタグ用としての用途が急速に拡大しており、アンテナ搭載ICチップの小型化、低コスト化、高機能化がこれまで以上に重要になっている。
【0003】
このようなアンテナ搭載ICチップは、たとえば、図14に示すように、電極103を有するICチップ102の回路形成面にのみ絶縁樹脂層107を介してアンテナ配線108を形成することにより半導体装置101を構成している。
ところが、長い配線長のものを限られた面積上に形成することは、チップの小型化などの点で困難である。
したがって、アンテナを搭載するためのICチップの小型化、低コスト化は今後もいっそう進んでいくことが考えられるが、従来の手法では、小型化、低コスト化、高機能化には限界があった。
【0004】
また、IDタグの構成を薄形化する手段として、フレキシブルプリント基板の平板部の両面にパターンコイルを設け、フレキシブルプリント基板の両面にパターンコイルを覆うように絶縁層を設け、フレキシブルプリント基板を折り畳んだときに、パターンコイルのうちのフレキシブルプリント基板または絶縁層を挟んで隣り合う2個のパターンコイルの巻き方向が逆向きとなるように構成し、パターンコイルから同一方向に順列巻きされた1つのコイルが構成されるようにパターンコイルの各端部を接続し、1つのコイルでアンテナを構成したリモートIDタグが提案されている(特許文献3参照)。
また、プリント基板上のアンテナのはんだ付けによる短絡を防止する手段として、両面プリント基板の各面にそれぞれアームを設け、一方の面のアーム用の給電点であるランドを同じ一方の面に設け、他方の面のアーム用のランドは他方の面のアームから両面プリント基板を貫通するスルーホールを介して一方の面に設けるか、または、両面プリント基板の一方の面にそれぞれのアームを設け、一方の面のそれぞれのアーム用の給電点である各対応するランドを他方の面に設け、他方の面のランドと一方の面のアームとは両面プリント基板を貫通する各スルーホールで接続を行うようにしたスパイラルアンテナが提案されている(特許文献4参照)。
【0005】
しかしながら、上記特許文献3及び特許文献4に記載の技術は、何れもプリント基板を備えるものに関し、無線通信用アンテナ配線をICチップ等の半導体基板上に搭載して一体形成された半導体装置に関するものではない。しかも、上記記載の技術は、配線パターンなどの設計が限られたものとなってしまい、半導体装置には到底応用できるものではない。したがって、ICチップの小型化や低コスト化、高機能化を図るようにした手段は、今のところ何ら提案されていない。
【特許文献1】特許第2982286号公報
【特許文献2】特開2002−92566号公報
【特許文献3】特開平11−168406号公報
【特許文献4】特開平09−135117号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、無線通信用アンテナ配線をICチップ等の半導体基板上に形成する半導体装置において、アンテナ搭載ICチップの小型化、低コスト化、高機能化を図ることが可能な半導体装置及びその製造方法、並びに当該半導体装置を具備した電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る半導体装置は、電極を一方の面に有する半導体基板と、前記半導体基板の一方の面から他方の面へ連通するように、所定の位置に設けられた貫通孔の内に第一絶縁部を介し配された、一つ以上の貫通電極と、前記一方の面側に形成され、第二絶縁部を介し配された第一アンテナ回路と、前記他方の面側に形成され、第三絶縁部を介し配された第二アンテナ回路と、を少なくとも備えており、前記第一アンテナ回路及び/又は前記第二アンテナ回路は、前記電極に直接又は前記貫通電極の一つを介して、電気的に接続されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に係る半導体装置は、請求項1に係る半導体装置において、前記貫通電極と前記第一アンテナ回路及び/又は前記第二アンテナ回路との間には、バリアメタル層が配されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3に係る半導体装置は、請求項1または2に係る半導体装置において、前記第一アンテナ回路と前記第二アンテナ回路は、前記貫通電極の他の一つを介して電気的に接続されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4に係る半導体装置は、請求項1乃至3のいずれか1項に係る半導体装置において、前記第一アンテナ回路と前記第二アンテナ回路は、異なる特性を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5に係る電子部品は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置を実装したことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項6に係る第一の半導体装置の製造方法は、電極を一方の面に有する半導体基板と、前記半導体基板の一方の面から他方の面へ連通するように、所定の位置に設けられた貫通孔の内に第一絶縁部を介し配された、一つ以上の貫通電極と、前記一方の面側に形成され、第二絶縁部を介し配された第一アンテナ回路と、前記他方の面側に形成され、第三絶縁部を介し配された第二アンテナ回路と、を少なくとも備えており、前記第一アンテナ回路及び/又は前記第二アンテナ回路は、前記電極に直接又は前記貫通電極の一つを介して、電気的に接続されている半導体装置の製造方法であって、前記半導体基板の所定の位置に、一方の面から他方の面へ連通するように一つ以上の貫通孔を形成する工程と、前記各貫通孔内に第一絶縁部を介して貫通電極をそれぞれ形成する工程と、前記半導体基板の一方の面側に第二絶縁部を介し、一端が前記第一の電極と電気的に直接接続すると共に、他端が前記貫通電極の一つと電気的に接続する第一アンテナ回路を形成する工程と、前記半導体基板の他方の面側に第三絶縁部を介し、一端が前記貫通電極の一つを介して前記第一アンテナ回路の他端と電気的に接続すると共に、他端が前記貫通電極の他の一つを介して前記第二の電極と電気的に接続する第二アンテナ回路を形成する工程と、を少なくとも備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項7に係る第二の半導体装置の製造方法は、電極を一方の面に有する半導体基板と、前記半導体基板の一方の面から他方の面へ連通するように、所定の位置に設けられた貫通孔の内に第一絶縁部を介し配された、一つ以上の貫通電極と、前記一方の面側に形成され、第二絶縁部を介し配された第一アンテナ回路と、前記他方の面側に形成され、第三絶縁部を介し配された第二アンテナ回路と、を少なくとも備えており、前記第一アンテナ回路及び/又は前記第二アンテナ回路は、前記電極に直接又は前記貫通電極の一つを介して、電気的に接続されている半導体装置の製造方法であって、前記半導体基板の所定の位置に、一方の面から他方の面へ連通するように一つ以上の貫通孔を形成する工程と、前記各貫通孔内に第一絶縁部を介して貫通電極をそれぞれ形成する工程と、前記半導体基板の一方の面側に第二絶縁部を介し、一端が前記第一の電極と電気的に直接接続すると共に、他端が前記第二の電極と電気的に直接接続する第一アンテナ回路を形成する工程と、前記半導体基板の他方の面側に第三絶縁部を介し、一端が前記貫通電極の一つを介して前記第三の電極と電気的に接続すると共に、他端が前記貫通電極の他の一つを介して前記第四の電極と電気的に接続する第二アンテナ回路を形成する工程と、を少なくとも備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1に係る半導体装置は、電極を一方の面に有する半導体基板の一方の面から他方の面へ連通するように設けられた貫通孔の内に第一絶縁部を介し配された、一つ以上の貫通電極を有し、前記一方の面側に第二絶縁部を介して第一アンテナ回路と、前記他方の面側に第三絶縁部を介して第二アンテナ回路とが配され、さらに、前記第一アンテナ回路及び/又は前記第二アンテナ回路は、前記電極に直接又は前記貫通電極の一つを介して、電気的に接続されている。ゆえに、ICチップ等の半導体基板において、前記貫通電極を通して電極を有する回路形成面の裏側にも、第一アンテナ回路に直列接続してなる第二アンテナ回路を設けたり、あるいは第一アンテナ回路とは独立した異なる第二アンテナ回路を設けることができる。
したがって、本発明は、半導体基板の表裏両面を利用することにより、アンテナ回路の設置面積を縮小できるので、小型化を図った半導体装置を提供することができる。また、アンテナ回路搭載チップの大きさを変えることなくアンテナの配線長を調整することができるので、各種の周波数に対応させた半導体装置の提供にも本発明は寄与する。さらに、第一アンテナ回路と第二アンテナ回路とは独立した構成とすることができるので、個別にアンテナ特性を設定した複数のアンテナを組み合わせることができ、高機能化に寄与する半導体装置の提供にも本発明は貢献する。
【0015】
また、本発明の請求項6に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板の一方の面から他方の面へ連通するように設けられた一つ以上の貫通孔内に第一絶縁部を介して貫通電極をそれぞれ形成し、前記半導体基板の一方の面側に第二絶縁部を介し、一端が前記第一の電極と電気的に直接接続すると共に、他端が前記貫通電極の一つと電気的に接続する第一アンテナ回路と、前記半導体基板の他方の面側に第三絶縁部を介し、一端が前記貫通電極の一つを介して前記第一アンテナ回路の他端と電気的に接続すると共に、他端が前記貫通電極の他の一つを介して前記第二の電極と電気的に接続する第二アンテナ回路を形成する構成とした。この構成は、第一アンテナ回路と第二アンテナ回路が、貫通電極によって電気的に接続された一つのアンテナをもたらす。したがって、本発明は、一つの半導体基板上に搭載されるアンテナの配線長を調整することが可能な半導体装置の製造に貢献する。
【0016】
また、本発明の請求項7に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板の一方の面から他方の面へ連通するように設けられた一つ以上の貫通孔内に第一絶縁部を介して貫通電極をそれぞれ形成し、前記半導体基板の一方の面側に第二絶縁部を介し、一端が前記第一の電極と電気的に直接接続すると共に、他端が前記第二の電極と電気的に直接接続する第一アンテナ回路と、前記半導体基板の他方の面側に第三絶縁部を介し、一端が前記貫通電極の一つを介して前記第三の電極と電気的に接続すると共に、他端が前記貫通電極の他の一つを介して前記第四の電極と電気的に接続する第二アンテナ回路を形成する構成とした。この構成は、半導体基板の表裏にそれぞれ電気的に独立したアンテナ回路をもたらす。したがって、本発明は、一つの半導体基板上に、個別にアンテナ特性を設定した複数のアンテナを組み合わせて搭載することが可能な半導体装置の製造に貢献する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
本発明の半導体装置は、半導体基板としてのICチップ上に一つのアンテナが搭載された第一の構造と、ICチップ上に二つ以上複数のアンテナが搭載された第二の構造とに大きく分けることができる。
図1は、半導体装置の第一の構造を概念的に示す断面図であり、また、図2は、半導体装置の第二の構造を概念的に示す断面図である。なお、後述する実施形態においては、本実施形態と同様の構成部分については同じ符合を用い、その説明は省略することとし、特に説明しない限り同じであるものとする。
【0018】
まず、本発明の半導体装置の第一の構造は、一つのアンテナが貫通電極を介してICチップの回路形成面の裏側にも伸びるものであり、図1に示すとおり、本実施形態における半導体装置1は、電極3を一方の面に有する半導体基板2と、前記半導体基板2の所定の位置に設けられた貫通孔4の内に形成された、一つ以上の貫通電極6,6と、前記一方の面側に形成され、第二絶縁部7を介して配された第一アンテナ回路8と、前記他方の面側に形成され、第三絶縁部17を介し配された第二アンテナ回路18を少なくとも備えている。
そして、この半導体装置1は、前記第一アンテナ回路8が前記電極3に直接電気的に接続されていると共に、前記第二アンテナ回路18が、前記貫通電極6の一つを介して前記第一アンテナ回路8と、また、前記貫通電極6の他の一つを介して前記電極3の他の一つとそれぞれ電気的に接続されている。
すなわち、第一アンテナ回路8と第二アンテナ回路18は、貫通電極6によって電気的に接続され、一つのアンテナを構成する。
【0019】
半導体基板2は、半導体ウエハをチップ寸法に切断(ダイシング)した半導体チップ(ICチップ)であり、たとえば厚みが500μmをしたウエハ(基板)におけるICチップ領域に、メモリ、CPU及び外部からの入力に応答して信号を発生する半導体回路を有する。半導体基板2は、外部機器と非接触で通信により応答する場合、メモリ内の特定情報を変調してアンテナ回路から出力するように構成されている。
【0020】
電極3は、前記半導体基板2の半導体回路に電気的に接続されている。
貫通孔4は、前記半導体基板2の一方の面から他方の面へ連通するように形成された中空部であり、たとえば直径は15μmを有する。
第一絶縁部5は、たとえば酸化膜等からなり、その厚さは、所要の絶縁性を具備可能な厚さに設定される。
貫通電極6は、前記貫通孔4内に前記第一絶縁部5を介して導電性材料を充填することにより形成された配線層である。
【0021】
第二絶縁部7は、第一絶縁部5と同様、たとえばポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等からなる樹脂層であり、その厚さはたとえば1μm〜30μmとすると良い。この第二絶縁部7は、たとえばフォトリソグラフィ技術を利用したパターニングなどにより形成することができる。
【0022】
第一アンテナ回路8は、前記半導体基板2の一方の面側に、第二絶縁部7を介して形成された配線層であり、第一アンテナ回路8の一端8aは、第一の電極3と電気的に直接接続し、その他端8bは、第1の貫通電極6Aと電気的に接続している。この第一アンテナ回路8の材料としては、たとえばCuが用いられ、その厚さは、たとえば1μm〜20μmである。これにより充分な導電性が得られる。この第一アンテナ回路8はAu等によって形成しても良い。また、第一アンテナ回路8は、たとえば電解銅メッキ法等のメッキ法などにより形成することができる。
【0023】
第三絶縁部17は、前記第二絶縁部7と同様、たとえばポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等からなる樹脂層であり、その厚さはたとえば1μm〜30μmである。この第三絶縁部17も、たとえばフォトリソグラフィ技術を利用したパターニングなどにより形成することができる。
【0024】
第二アンテナ回路18は、前記半導体基板2の他方の面側に、第三絶縁部17を介して形成された配線層であり、第二アンテナ回路18の一端18aは、前記第1の貫通電極6Aを介して前記第一アンテナ回路8の他端8bと電気的に接続し、その他端18bは、第2の貫通電極6Bを介して第二の電極(図示せず)と電気的に接続している。この第二アンテナ回路18の材料としては、前記第一アンテナ回路8と同様、たとえばCuやAu等が用いられ、その厚さは、たとえば1μm〜20μmである。これにより充分な導電性が得られる。この第一アンテナ回路8は、たとえば電解銅メッキ法等のメッキ法などにより形成することができる。
【0025】
また、前記貫通電極6と前記アンテナ回路8、18との間には、バリアメタル層10を配しても良い。このバリアメタル層10は、2種類の異なる層相互の反応を抑制するために、またはこれらの層間での密着性を向上させるために用いられる薄膜層であり、たとえばスッパタリング法により形成される。これにより、Cuからなるアンテナ回路8,18の層間での拡散を抑えることができるので、接続部の信頼性が向上する。
さらに、第一アンテナ回路8及び第二アンテナ回路18の上には、必要に応じて封止樹脂層9,19をそれぞれ設けることができる。この封止樹脂層9,19は、上記各絶縁部5,7,17と同様、たとえばポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等からなる。
【0026】
なお、本発明では、前記第二絶縁部7と前記第一アンテナ回路8とを多層構造に形成したり、前記第三絶縁部17と前記第二アンテナ回路18とを多層構造に形成したりしても良い。これにより、アンテナ回路のターン数を多くすることができる。
【0027】
次に、本発明における第一の構造の半導体装置の製造方法の一例について説明する。
図3乃至図6は、本発明による第一の構造の半導体装置を製造する工程の一例を示す断面図である。
まず、図3に示すように、半導体基板2を用意する[(a)参照]。この半導体基板2としては、たとえば、表面に電極3Aを有するICチップがある。図中電極3Aは一つしか示されていないが、奥行き方向に対となる電極をもう一つ有する。
次いで、半導体基板2の所定の位置に、一方の面から他方の面へ連通するように二つの貫通孔4,4を形成する[(b)参照]。
次に、前記各貫通孔4,4内に第一絶縁部5を形成し、該第一絶縁部5を介して二つの貫通電極6A,6Bをそれぞれ形成する[(c)参照]。
【0028】
また、半導体基板2の一方の面側に、全体的に第二絶縁部7を形成する[(d)参照]。第二絶縁部7は、たとえばポリイミド系、エポキシ系又はシリコーン系の液状樹脂からなり、その厚さは、たとえば10μm程度である。第二絶縁部7に使われる材料は感光性をもち、フォトリソグラフィ技術を利用してパターニングすることができる。
そして、図4に示すように、第二絶縁部7が形成された半導体基板2の上に、フォトリソグラフィ技術等を利用したパターニングなどにより、前記電極3Aと整合する位置に第1の開口部7a、及び貫通電極6A,6Bと整合する位置に第2の開口部7b,7bをそれぞれ形成する[(a)参照]。
【0029】
次に、前記第二絶縁部7を介し、一端8aが前記電極3Aと電気的に直接接続すると共に、他端8bが前記一つの貫通電極6Aと電気的に接続する第一アンテナ回路8を形成する[(b)参照]。この際、バリアメタル層10を介して第一アンテナ回路8を形成しても良い。また、図示しないが、下地の第二絶縁部7との密着性を確保するため、めっき層の種となるシード層を形成すると共に、このシード層上に、第一アンテナ回路8の形成領域を除いてレジスト膜を形成する。
その後、第一アンテナ回路8の上に封止樹脂層9を設ける[(c)参照]。この封止樹脂層9は、たとえば、前記第二絶縁部7と同様、ポリイミド系、エポキシ系又はシリコーン系の液状樹脂により形成することができるので、詳しい説明は省略する。
【0030】
また、図5に示すように、引き続き半導体基板2の他方の面側に、全体的に第三絶縁部17を形成する[(a)参照]。第三絶縁部17は、前記第二絶縁部7と同様、ポリイミド系、エポキシ系又はシリコーン系の液状樹脂により形成することができる。
次いで、第三絶縁部17が形成された半導体基板2の上に、フォトリソグラフィ技術等を利用したパターニングなどにより、前記貫通電極6A,6Bと整合する位置に第3の開口部17b,17bをそれぞれ形成する[(b)参照]。
【0031】
次に、前記第三絶縁部17を介し、一端18aが前記一つの貫通電極6Aを介して前記第一アンテナ回路8の他端8bと電気的に接続すると共に、他端18bが前記他の一つの貫通電極6Bを介して前記図示しない他の電極と電気的に接続する第二アンテナ回路18を形成する[(c)参照]。この際、バリアメタル層10を介して第二アンテナ回路18を形成しても良い。また、図示しないが、下地の第三絶縁部17との密着性を確保するため、めっき層の種となるシード層を形成すると共に、このシード層上に、第二アンテナ回路18の形成領域を除いてレジスト膜を形成する。
【0032】
その後、第二アンテナ回路18の上に、前記第三絶縁部17と同様、たとえば、ポリイミド系、エポキシ系又はシリコーン系の液状樹脂による封止樹脂層19を設けることにより、図1に示すような半導体装置1を得ることができる。
なお、上記製法では、第一アンテナ回路8を形成した後、第二アンテナ回路18を形成した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、第二アンテナ回路18を先に形成してから第一アンテナ回路8を形成するようにしても良い。
【0033】
これにより、第一アンテナ回路8と第二アンテナ回路18とが貫通配線6Aによって直列接続され、回路形成面の裏側にまでアンテナ回路を有する半導体装置とすることができる。
したがって、半導体基板2の片面では実装不可能な配線長の回路形成が要求された場合においても、貫通配線6Aを介して回路形成面の裏面側にもアンテナ配線を伸ばすことができるので、半導体装置の小型化を可能にすることができる。
【0034】
また、本発明の半導体装置の第二の構造は、ICチップの回路形成面の裏側にも独立した別のアンテナが設けられた、二つのアンテナ配線を有するものであり、図2に示すとおり、本実施形態における半導体装置11は、前記半導体装置1と同様に、電極3を一方の面に有する半導体基板2と、前記半導体基板2の所定の位置に設けられた貫通孔4の内に第一絶縁部5を介し配された一つ以上の貫通電極6,6と、前記一方の面側に形成され、第二絶縁部7を介し配された第一アンテナ回路8と、前記他方の面側に形成され、第三絶縁部17を介し配された第二アンテナ回路18を少なくとも備えている。
そして、この半導体装置11は、前記第一アンテナ回路8が前記電極3に直接電気的に接続されていると共に、前記第二アンテナ回路18が、前記貫通電極6を介して前記電極3の他の一つとそれぞれ電気的に接続されている。
すなわち、第一アンテナ回路8と第二アンテナ回路18は、半導体基板2における回路形成面側とその裏側にそれぞれ独立して形成され、第一アンテナ回路8は、前記回路形成面側の電極と電気的に直接接続して構成し、第二アンテナ回路18は、貫通電極6によって電極と電気的に接続して構成する。
【0035】
次に、本発明における導電部の製造方法の一例について説明する。
図6至図8は、本発明による第二の構造の半導体装置を製造する工程の一例を示す断面図である。
まず、図6に示すように、半導体基板2を用意する[(a)参照]。この半導体基板2としては、たとえば、表面に電極3A,3Cを有するICチップがある。図中電極3A,3Cは二つしか示されていないが、奥行き方向に対となる電極を一つずつ有する。
次いで、半導体基板2の所定の位置に、一方の面から他方の面へ連通するように二つの貫通孔4,4を形成する[(b)参照]。
次に、前記各貫通孔4,4内に第一絶縁部5を形成し、該第一絶縁部5を介して貫通電極6A,6Bをそれぞれ形成する[(c)参照]。
【0036】
また、半導体基板2の一方の面側に、全体的に第二絶縁部7Aを形成する[(d)参照]。
そして、図7に示すように、第二絶縁部7Aが形成された半導体基板2の上に、フォトリソグラフィ技術等を利用したパターニングなどにより、前記電極3A,3Cと整合する位置に第1の開口部7a,7a、及び貫通電極6と整合する位置に第2の開口部7bをそれぞれ形成する[(a)参照]。
次に、前記第二絶縁部7Aを介し、一端8aが前記電極3Aと電気的に直接接続する配線層と、一端8aが前記貫通電極6と電気的に接続する配線層をそれぞれ形成する[(b)参照]。
また、前記配線層の上に、該配線層の一部と整合する位置に開口部7cを設けた第二絶縁部7Bを形成する[(c)参照]。
次いで、その一端が前記配線層の一部と電気的に直接接続すると共に、他端が図示しない前記他の電極と電気的に直接接続する第一アンテナ回路8を形成する[(d)参照]。この際、第一アンテナ回路8は、バリアメタル層10を介して形成するようにしても良い。
その後、図8に示すように、第一アンテナ回路8の上に封止樹脂層9を設ける[(a)参照]。
【0037】
また、引き続き半導体基板2の他方の面側に、全体的に第三絶縁部17を形成し、前記貫通電極6と整合する位置に第3の開口部17aを形成する[(b)参照]。
次に、前記第三絶縁部17を介し、一端18aが前記貫通電極6を介して前記電極3と電気的に接続すると共に、他端(図示せず)も前記他の貫通電極(図示せず)を介して前記図示しない他の電極と電気的に接続する第二アンテナ回路18を形成する[(c)参照]。また、第二アンテナ回路18もバリアメタル層10を介してするようにしても良い。
【0038】
その後、第二アンテナ回路18の上に、前記第三絶縁部17と同様、たとえば、ポリイミド系、エポキシ系又はシリコーン系の液状樹脂による封止樹脂層19を設けることにより、図2に示すような半導体装置11を得ることができる。
なお、上記製法でも、第一アンテナ回路8を形成した後、第二アンテナ回路18を形成した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、第二アンテナ回路18を先に形成してから第一アンテナ回路8を形成するようにしても良い。
【0039】
これにより、貫通配線6によって回路形成面の裏側にまでアンテナ回路を有する半導体装置とすることができる。
したがって、一つの半導体基板上に、個別にアンテナ特性を設定した複数のアンテナを組み合わせて搭載することができるので、高機能化した半導体装置とすることができる。
【0040】
また、本発明に半導体装置は、第一アンテナ回路と第二アンテナ回路とが異なる特性を有するもの、すなわち個別にアンテナ特性を設定したものとすることができる。このアンテナ特性の個々の設定は、たとえば第一アンテナ回路と第二アンテナ回路のパターン形状を互いに異なるものとしたり、第一アンテナ回路と第二アンテナ回路の配線長さを互いに異なるものとしたり、第一アンテナ回路と第二アンテナ回路の磁束の方向が互いに異なるものとしたりすることにより達成される。
【0041】
次に、本発明における半導体装置の第一アンテナ回路と第二アンテナ回路の特性を個別に設定した場合の配線パターンについて説明する。
まず、本発明による第一の構造の半導体装置におけるアンテナ回路の配線パターンについて説明する。
図9及び図10は、本発明の半導体装置の第一の構造に基づく回路パターンの一例をそれぞれ示す模式的平面図であり、また、図11乃至図13は、本発明の半導体装置の第二の構造に基づく回路パターンの一例をそれぞれ示す模式的平面図である。そして、何れも半導体基板の回路形成面側から見た(A)が第一アンテナ回路を示す横断面図、(B)が半導体基板を示す横断面図、(C)が第二アンテナ回路を示す横断面図である。したがって、半導体基板の回路形成面側から見ると(C)の上に(B)、(B)の上に(A)が重なった状態となる。
【0042】
まず、第1のパターンは、図9に示すように、(B)に示すような半導体基板2の回路形成面側に、第二絶縁部7を介して第1電極3Aと第2電極3Bの二つの電極を有すると共に、第1の貫通電極6Aと第2の貫通電極6Bを有し、外周側から中央に向かって当該基板の一面に沿って渦巻き型に形成された第一アンテナ回路8を有する[(A)参照]。この第一アンテナ回路8は、一端が前記第1電極3Aと電気的に直接接続され、他端が前記第1の貫通電極6Aと電気的に接続されている。
また、上記半導体基板2の回路形成面の裏側に、第三絶縁部17を介して前記回路形成面側に有する第一アンテナ回路8と同形の第二アンテナ回路18を有する[(C)参照]。この第二アンテナ回路18は、一端が前記第1の貫通電極6Aと電気的に接続され、他端が前記第2の貫通電極6Bを介して前記回路形成面側の前記第2電極3Bと電気的に接続されている。
【0043】
これにより、第一アンテナ回路8が前記第1の貫通電極6Aを介して第二アンテナ回路18と直列に接続されるため、配線長の調整可能な一つのアンテナ回路を構成している半導体装置1Aとすることができる。したがって、半導体装置の小型化を可能にすることができる。
【0044】
また、第2のパターンは、図10に示すように、(B)に示すような半導体基板2の回路形成面側に、第二絶縁部7を介して第1電極3Aと第2電極3Bの二つの電極を有すると共に、第1の貫通電極6Aと第2の貫通電極6Bを有し、一方の縁部側から他方の縁部側に向かって当該基板の一面に沿って蛇行するミアンダ型に形成された第一アンテナ回路8を有する[(A)参照]。この第一アンテナ回路8は、一端が前記第1電極3Aと電気的に直接接続され、他端が前記第1の貫通電極6Aと電気的に接続されている。
また、上記半導体基板2の回路形成面の裏側に、第三絶縁部17を介して前記回路形成面側に有する第一アンテナ回路8と同形の第二アンテナ回路18を有する[(C)参照]。この第二アンテナ回路18は、一端が前記第1の貫通電極6Aと電気的に接続され、他端が前記第2の貫通電極6Bを介して前記回路形成面側の前記第2電極3Bと電気的に接続されている。
【0045】
これによっても、前記半導体装置1Aと同様、第一アンテナ回路8は前記第1の貫通電極6Aを介して第二アンテナ回路18と直列に接続されるため、配線長の調整可能な一つのアンテナ回路を構成している半導体装置1Bとすることができる。したがって、半導体装置の小型化を可能にすることができる。
【0046】
次に、本発明による第二の構造の半導体装置におけるアンテナ回路の配線パターンについて説明する。
まず、第1のパターンは、図11に示すように、(B)に示すような半導体基板2の回路形成面側に、第二絶縁部7を介して第1から第4の四つの電極3A,3B,3C,3Dを有すると共に、第1の貫通電極6Aと第2の貫通電極6Bを有し、外周側から中央に向かって当該基板の一面に沿って渦巻き型に形成された第一アンテナ回路8を有する[(A)参照]。この第一アンテナ回路8は、一端が前記第1電極3Aと電気的に直接接続され、他端が前記前記第2電極3Bと電気的に直接接続されている。
また、上記半導体基板2の回路形成面の裏側に、第三絶縁部17を介して一方の縁部側から他方の縁部側に向かって当該基板の一面に沿って蛇行するミアンダ型に形成された第二アンテナ回路18を有する[(C)参照]。この第二アンテナ回路18は、一端が前記第1の貫通電極6Aを介して前記回路形成面側の前記第3電極3Cと電気的に接続され、他端が前記第2の貫通電極6Bを介して前記回路形成面側の前記第4電極3Dと電気的に接続されている。
【0047】
これにより、導体基板の裏側に形成された第二アンテナ回路18は、前記第1の貫通電極6A及び前記第2の貫通電極6Bを介して、当該導体基板の表側に形成された電極とそれぞれ電気的に接続されるため、当該半導体基板の表裏に、それぞれ個別にアンテナ特性を設定した電気的に独立する複数のアンテナ回路を構成している半導体装置11Aとすることができる。
したがって、一つの半導体基板上に、異なる周波数特性を持つアンテナを組み合わせて搭載する半導体装置とすることができる。
【0048】
また、第2のパターンは、図12に示すように、(B)に示すような半導体基板2の回路形成面側に、第二絶縁部7を介して第1から第4の四つの電極3A,3B,3C,3Dを有すると共に、第1の貫通電極6Aと第2の貫通電極6Bを有し、外周側から中央に向かって当該基板の一面に沿って渦巻き型に形成された第一アンテナ回路8を有する[(A)参照]。この第一アンテナ回路8は、一端が前記第1電極3Aと電気的に直接接続され、他端が前記前記第2電極3Bと電気的に直接接続されている。
また、上記半導体基板2の回路形成面の裏側に、第三絶縁部17を介して前記回路形成面側に有する第一アンテナ回路8と同様渦巻き型であるが配線長の短い第二アンテナ回路18を有する[(C)参照]。この第二アンテナ回路18は、一端が前記第1の貫通電極6Aを介して前記回路形成面側の前記第3電極3Cと電気的に接続され、他端が前記第2の貫通電極6Bを介して前記回路形成面側の前記第4電極3Dと電気的に接続されている。
【0049】
これによっても、半導体基板の裏側に形成された第二アンテナ回路18は、前記第1の貫通電極6A及び前記第2の貫通電極6Bを介して、当該導体基板の表側に形成された電極とそれぞれ電気的に接続されるため、当該半導体基板の表裏に、それぞれ電気的に独立した複数のアンテナ回路を構成している半導体装置11Bとすることができる。
したがって、一つの半導体基板上に、配線長が異なるアンテナを組み合わせて搭載する半導体装置とすることができる。
【0050】
また、第3のパターンは、図13に示すように、(B)に示すような半導体基板2の回路形成面側に、第二絶縁部7を介して第1から第4の四つの電極3A,3B,3C,3Dを有すると共に、第1の貫通電極6Aと第2の貫通電極6Bを有し、外周側から中央に向かって当該基板の一面に沿って渦巻き型に形成された第一アンテナ回路8を有する[(A)参照]。この第一アンテナ回路8は、一端が前記第1電極3Aと電気的に直接接続され、他端が前記前記第2電極3Bと電気的に直接接続されている。
また、上記半導体基板2の回路形成面の裏側に、第三絶縁部17を介して一方の縁部側から他方の縁部側に向かって当該基板の一面と直交する方向に略螺旋(スパイラル)型に形成された第二アンテナ回路18を有する[(C)参照]。この第二アンテナ回路18は、一端が前記第1の貫通電極6Aを介して前記回路形成面側の前記第3電極3Cと電気的に接続され、他端が前記第2の貫通電極6Bを介して前記回路形成面側の前記第4電極3Dと電気的に接続されている。
【0051】
これによっても、半導体基板の裏側に形成された第二アンテナ回路18は、前記第1の貫通電極6A及び前記第2の貫通電極6Bを介して、当該半導体基板の表側に形成された電極とそれぞれ電気的に接続されるため、当該半導体基板の表裏に、それぞれ個別にアンテナ特性を設定した電気的に独立する複数のアンテナ回路を構成している半導体装置11Cとすることができる。
したがって、従来の半導体装置では一基板一アンテナであるため、アンテナが電波に対して平行になっていたり、電波の進行方向の影に位置していたりする場合は検知することができなかったが、一つの半導体基板上に磁束の方向が互いに異なるアンテナを組み合わせて搭載することができるので、複数の方向に感度を有する半導体装置とすることができる。さらに、上記第3のパターンによって、特定の方向からの検知を遮蔽させるようにすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、無線通信用アンテナ配線をICチップ等の半導体基板上に搭載する、たとえば非接触ICタグなどの各種半導体装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の半導体装置の第一の構造を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の半導体装置の第二の構造を模式的に示す断面図である。
【図3】第一の構造の半導体装置を製造する一例を示す断面図である。
【図4】図3に示す工程を示す断面図である。
【図5】図4に示す工程を示す断面図である。
【図6】第二の構造の半導体装置を製造する一例を示す断面図である。
【図7】図6に示す工程を示す断面図である。
【図8】図7に示す工程を示す断面図である。
【図9】第一の構造に基づく第一の回路パターン例を模式的に示す平面図である。
【図10】第一の構造に基づく第二の回路パターン例を模式的に示す平面図である。
【図11】第二の構造に基づく第一の回路パターン例を模式的に示す平面図である。
【図12】第二の構造に基づく第二の回路パターン例を模式的に示す平面図である。
【図13】第二の構造に基づく第三の回路パターン例を模式的に示す平面図である。
【図14】従来の半導体装置の構造を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 半導体装置、2 半導体基板(ICチップ)、3 電極、4 貫通孔、5 第一絶縁部、6(6A,6B) 貫通電極溝部、7 第二絶縁部、8 第一アンテナ回路、9 封止樹脂部(第二絶縁部)、10 バリアメタル層、17 第三絶縁部、18 第二アンテナ回路、19 封止樹脂部(第三絶縁部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極を一方の面に有する半導体基板と、
前記半導体基板の一方の面から他方の面へ連通するように、所定の位置に設けられた貫通孔の内に第一絶縁部を介し配された、一つ以上の貫通電極と、
前記一方の面側に設けられ、第二絶縁部を介し配された第一アンテナ回路と、
前記他方の面側に設けられ、第三絶縁部を介し配された第二アンテナ回路と、
を少なくとも備えており、
前記第一アンテナ回路及び/又は前記第二アンテナ回路は、前記電極に直接又は前記貫通電極の一つを介して、電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記貫通電極と前記第一アンテナ回路及び/又は前記第二アンテナ回路との間には、バリアメタル層が配されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第一アンテナ回路と前記第二アンテナ回路は、前記貫通電極の他の一つを介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第一アンテナ回路と前記第二アンテナ回路は、異なる特性を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置を実装したことを特徴とする電子部品。
【請求項6】
電極を一方の面に有する半導体基板と、前記半導体基板の一方の面から他方の面へ連通するように、所定の位置に設けられた貫通孔の内に第一絶縁部を介し配された、一つ以上の貫通電極と、前記一方の面側に設けられ、第二絶縁部を介し配された第一アンテナ回路と、前記他方の面側に設けられ、第三絶縁部を介し配された第二アンテナ回路と、
を少なくとも備えており、前記第一アンテナ回路及び/又は前記第二アンテナ回路は、前記電極に直接又は前記貫通電極の一つを介して、電気的に接続されている半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板の所定の位置に、一方の面から他方の面へ連通するように一つ以上の貫通孔を形成する工程と、
前記貫通孔内に第一絶縁部を介して貫通電極をそれぞれ形成する工程と、
前記半導体基板の一方の面側に第二絶縁部を介し、一端が前記第一の電極と電気的に直接接続すると共に、他端が前記貫通電極の一つと電気的に接続する第一アンテナ回路を形成する工程と、
前記半導体基板の他方の面側に第三絶縁部を介し、一端が前記貫通電極の一つを介して前記第一アンテナ回路の他端と電気的に接続すると共に、他端が前記貫通電極の他の一つを介して前記第二の電極と電気的に接続する第二アンテナ回路を形成する工程と、
を少なくとも備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
電極を一方の面に有する半導体基板と、前記半導体基板の一方の面から他方の面へ連通するように、所定の位置に設けられた貫通孔の内に第一絶縁部を介し配された、一つ以上の貫通電極と、前記一方の面側に設けられ、第二絶縁部を介し配された第一アンテナ回路と、前記他方の面側に設けられ、第三絶縁部を介し配された第二アンテナ回路と、
を少なくとも備えており、前記第一アンテナ回路及び/又は前記第二アンテナ回路は、前記電極に直接又は前記貫通電極の一つを介して、電気的に接続されている半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板の所定の位置に、一方の面から他方の面へ連通するように一つ以上の貫通孔を形成する工程と、
前記貫通孔内に第一絶縁部を介して貫通電極をそれぞれ形成する工程と、
前記半導体基板の一方の面側に第二絶縁部を介し、一端が前記第一の電極と電気的に直接接続すると共に、他端が前記第二の電極と電気的に直接接続する第一アンテナ回路を形成する工程と、
前記半導体基板の他方の面側に第三絶縁部を介し、一端が前記貫通電極の一つを介して前記第三の電極と電気的に接続すると共に、他端が戦記貫通電極の他の一つを介して前記第四の電極と電気的に接続する第二アンテナ回路を形成する工程と、
を少なくとも備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−115181(P2007−115181A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−308506(P2005−308506)
【出願日】平成17年10月24日(2005.10.24)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】