説明

半導体装置及び半導体装置検査方法

【課題】半導体チップの外周部からの割れや、欠け等の検査のみならず、半導体チップの裏面電極とパッケージ底面端子との結合の不完全も検査可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体チップ2がモールドされたパッケージで形成され、パッケージ底面端子30とパッケージ端子とを備え、半導体チップ2の表面に、欠陥検出導電体3と、該欠陥検出導電体3の一端に接続された始点ボンディングパッド11、及び、他端に接続された終点ボンディングパッド12とを形成して、該半導体装置1のパッケージ端子の一つである検査用端子31と、パッケージ底面端子30との間に、検査用端子31からスタートして、始点ボンディングパッド11、欠陥検出導電体3、終点ボンディングパッド12、貫通導電体4、及び、裏面電極6が、直列に接続されて、パッケージ底面端子30に至る直列回路が形成されるようにして、半導体装置1を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップがモールドされたパッケージで形成されている半導体装置、及び、該半導体装置の良否を判定する半導体装置検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は、半導体チップがモールドされたパッケージで形成されているが、近年、この半導体装置に用いられている半導体チップは、半導体チップ内の半導体集積回路の大型化に伴い、素子端部と回路パターンとの間隔が小さくなっているために、半導体チップの割れや欠け等が、特に大きな問題となっている。
【0003】
この半導体装置における半導体チップの割れや欠け等の検査は、従来は、例えば、ダイシングやワイヤボンディング等の工程毎に、外観検査によって、不良半導体チップのスクリーニングを行っていた。
【0004】
ところが、半導体チップの外観検査は、顕微鏡を使用した人による目視検査であるので、半導体チップの樹脂モールド後の不良半導体チップの検出は、不可能である。そのため、顕微鏡を使用した人による目視検査では見つけることができないような欠陥を、見つけることができるような方法、或いは、そのような方法を用いることが可能な構造の半導体装置が、模索されている。
【0005】
そのような方法による検査が可能な構造の半導体装置として、例えば、半導体チップの表面に、該半導体チップの欠陥の有無を検査するのに用いられる帯状の欠陥検出導電体を形成した半導体チップを用いた半導体装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
特許文献1に記載の半導体装置では、半導体チップの表面に形成された帯状の欠陥検出導電体の両端の抵抗値を測定することにより、半導体チップの外周部からの割れや、欠け等を検査することが可能である。
【特許文献1】特開平6−347509号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、最近、半導体装置を実装するプリント基板等の高密度実装化が進んでおり、このため、半導体装置の小型化や、実装に要するスペースの縮小化が要請されている。このような要請に対処するために、半導体装置に対しても、上記のような要請に応じることが可能な構造の半導体装置が求められている。その結果、例えば、次のような構造の半導体装置が、開発され、使用されている。
【0008】
即ち、半導体チップをモールドして形成されるパッケージでなる半導体装置であって、このパッケージの底面の中央に配置されたパッケージ底面端子と、このパッケージの底面の周囲に配置されたパッケージ端子とを備えた構造の半導体装置である。
【0009】
このような半導体装置では、半導体チップの裏面に裏面電極が形成されており、この裏面電極が上記のパッケージ底面端子に、導電性の接着剤等で結合されている構造が採用されている。
【0010】
このような構造の半導体装置では、半導体チップの裏面電極と、半導体装置のパッケージ底面端子との電気的な結合が完全でない半導体装置は、不良品であり、このような、半導体チップの裏面電極と、パッケージ底面端子との電気的な結合が完全でない半導体装置を、良品と区別するために、検出する必要がある。
【0011】
しかしながら、上述した特許文献1に記載のような半導体装置では、半導体チップの外周部からの割れや、欠け等を検査することは可能であるにしても、半導体チップの裏面電極と、半導体装置のパッケージ底面端子とが結合されているような構造の半導体装置に対しては、半導体チップの裏面電極と、パッケージ底面端子との結合が不完全な半導体装置を検出することができないという問題があった。
【0012】
そこで、この発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、半導体チップの裏面電極と、半導体装置のパッケージ底面端子とが結合されている構造の半導体装置に対して、半導体チップの外周部からの割れや、欠け等を検査することができるのみならず、半導体チップの裏面電極と、パッケージ底面端子との結合が不完全であることも検査することが可能な構造の半導体装置、及び、このような半導体装置の検査方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
最初に、本発明の半導体装置について説明する。本発明の半導体装置は、半導体チップがモールドされたパッケージで形成されており、該パッケージの底面に配置されたパッケージ底面端子と、該パッケージの周囲に配置されたパッケージ端子とを備えている半導体装置である。
【0014】
上記の半導体装置では、半導体チップの表面に、該半導体チップの欠陥の有無を検査するのに用いられる帯状の欠陥検出導電体と、該欠陥検出導電体の両端の一方に接続された始点ボンディングパッド、及び、両端の他方に接続された終点ボンディングパッドとが形成されている。
【0015】
又、始点ボンディングパッドとパッケージ端子の1つである検査用端子とが、ボンディングワイヤで接続されている。又、半導体チップの裏面に、裏面電極が形成されており、該裏面電極がパッケージ底面端子に導電性の接着剤等で結合されている。
【0016】
上記の半導体装置は、半導体チップの終点ボンディングパッドと、半導体装置の裏面電極とが、半導体チップを貫通する貫通導電体で、相互に接続されていることを特徴としている。
【0017】
そのため、上記の半導体装置では、該半導体装置の検査用端子と、パッケージ底面端子との間に、検査用端子からスタートして、始点ボンディングパッド、欠陥検出導電体、終点ボンディングパッド、貫通導電体、及び、裏面電極が、直列に接続されてパッケージ底面端子に至る直列回路が形成されている。又、この直列回路には、上記の説明からわかるように、裏面電極とパッケージ底面端子とが、導電性の接着剤等で結合されている結合部分が含まれている。
【0018】
そこで、この直列回路は、全てが正常に形成されていると、この直列回路全体は、電気抵抗が小さい導電性回路となる。そのため、上記の半導体装置の検査用端子とパッケージ底面端子との間の抵抗値は、上記の直列回路が全て正常に形成されている限り、小さい値を示す。
【0019】
しかし、上記の半導体装置の半導体チップに、この半導体チップの外周部からの割れや、欠け等が発生していると、上記の直列回路を構成する一部である帯状の欠陥検出導電体にクラック等が生じて、上記の半導体装置の検査用端子とパッケージ底面端子との間の抵抗値が、大きくなる。
【0020】
又、上記の半導体装置の半導体チップにおける裏面電極とパッケージ底面端子との結合部分の結合が完全でないと、この結合部分の抵抗値が大きくなり、この場合も、上記の半導体装置の検査用端子とパッケージ底面端子との間の抵抗値が、大きくなる。
【0021】
従って、上記の半導体装置に対しては、後述するように、該半導体装置の検査用端子とパッケージ底面端子との間の抵抗値を測定することにより、半導体装置の良否を判定することができる。
【0022】
即ち、上記の抵抗値が小さい場合は、半導体チップの外周部からの割れや、欠け等は生じておらず、又、半導体チップにおける裏面電極とパッケージ底面端子との結合部分の結合も完全であり、上記の半導体装置は、良品であることがわかる。
【0023】
これに対して、上記の抵抗値が大きい場合は、半導体チップの外周部からの割れや、欠け等が生じているか、或いは、半導体チップにおける裏面電極とパッケージ底面端子との結合部分の結合が不完全であるかのいずれか、或いは、双方が生じており、上記の半導体装置は、不良品であることがわかる。
【0024】
上記の半導体装置において、欠陥検出導電体は、半導体チップの周辺に沿って形成するのが好適である。このようにすることにより、本来、半導体チップに必要な半導体デバイスを形成するエリアであるアクティブエリアを、最大限広く確保することができる。
【0025】
次に、本発明の半導体装置検査方法について説明する。本発明の半導体装置検査方法は、上述した半導体装置に対する検査方法である。この検査方法では、上記の半導体装置の検査用端子とパッケージ底面端子との間の抵抗値を測定することにより、半導体装置の良否を判定することを特徴としている。
【0026】
即ち、上述したように、上記の半導体装置では、該半導体装置の検査用端子と、パッケージ底面端子との間に、検査用端子からスタートして、始点ボンディングパッド、欠陥検出導電体、終点ボンディングパッド、貫通導電体、及び、裏面電極が、直列に接続されてパッケージ底面端子に至る直列回路が形成されている。そして、この直列回路には、裏面電極とパッケージ底面端子とが、導電性の接着剤等で結合されている結合部分が含まれている。
【0027】
そこで、この直列回路は、全てが正常に形成されていると、この直列回路全体は、電気抵抗が小さい導電性回路となる。そのため、上記の半導体装置の検査用端子とパッケージ底面端子との間の抵抗値は、上記の直列回路が全て正常に形成されている限り、小さい値を示す。
【0028】
しかし、上記の半導体装置の半導体チップに、半導体チップの外周部からの割れや、欠け等が発生していると、上記の直列回路を構成する一部である帯状の欠陥検出導電体にクラック等が生じて、上記の半導体装置の検査用端子とパッケージ底面端子との間の抵抗値が、大きくなる。
【0029】
又、上記の半導体装置の半導体チップにおける裏面電極とパッケージ底面端子との結合部分の結合が完全でないと、この結合部分の抵抗値が大きくなり、この場合も、上記の半導体装置の検査用端子とパッケージ底面端子との間の抵抗値が、大きくなる。
【0030】
そこで、上記の抵抗値が小さい場合は、半導体チップの外周部からの割れや、欠け等は生じておらず、又、半導体チップにおける裏面電極とパッケージ底面端子との結合部分の結合も完全であり、上記の半導体装置は、良品であることがわかる。
【0031】
これに対して、上記の抵抗値が大きい場合は、半導体チップの外周部からの割れや、欠け等が生じているか、或いは、半導体チップにおける裏面電極とパッケージ底面端子との結合部分の結合が不完全であるかのいずれか、或いは、双方が生じており、上記の半導体装置は、不良品であることがわかる。
【0032】
従って、上記の半導体装置に対して、該半導体装置の検査用端子とパッケージ底面端子との間の抵抗値を測定することにより、半導体装置の良否を判定することができる。
【0033】
上記の半導体装置検査方法では、具体的には、半導体装置の検査用端子とパッケージ底面端子との間の抵抗値が、所定の範囲内の値であると、良と判定する。この所定の範囲内の値は、上記の半導体装置の量産品に対して求められた上記の半導体装置の検査用端子とパッケージ底面端子との間の抵抗値の量的な統計処理結果により、求めることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、半導体装置の検査用端子と、パッケージ底面端子との間に、検査用端子からスタートして、始点ボンディングパッド、欠陥検出導電体、終点ボンディングパッド、貫通導電体、及び、裏面電極が、直列に接続されてパッケージ底面端子に至る直列回路が形成されている。そして、この直列回路には、裏面電極とパッケージ底面端子とが、導電性の接着剤等で結合されている結合部分が含まれている。
【0035】
そこで、この直列回路は、全てが正常に形成されていると、この直列回路全体は、電気抵抗が小さい導電性回路となる。そのため、上記の半導体装置の検査用端子とパッケージ底面端子との間の抵抗値は、上記の直列回路が全て正常に形成されている限り、小さい値を示す。
【0036】
しかし、上記の半導体装置の半導体チップに、半導体チップの外周部からの割れや、欠け等が発生していると、上記の直列回路を構成する一部である帯状の欠陥検出導電体にクラック等が生じて、上記の半導体装置の検査用端子とパッケージ底面端子との間の抵抗値が、大きくなる。
【0037】
又、上記の半導体装置の半導体チップにおける裏面電極とパッケージ底面端子との結合部分の結合が完全でないと、この結合部分の抵抗値が大きくなり、この場合も、上記の半導体装置の検査用端子とパッケージ底面端子との間の抵抗値が、大きくなる。
【0038】
そこで、上記の抵抗値が小さい場合は、半導体チップの外周部からの割れや、欠け等は生じておらず、又、半導体チップにおける裏面電極とパッケージ底面端子との結合部分の結合も完全であり、上記の半導体装置は、良品であることがわかる。
【0039】
これに対して、上記の抵抗値が大きい場合は、半導体チップの外周部からの割れや、欠け等が生じているか、或いは、半導体チップにおける裏面電極とパッケージ底面端子との結合部分の結合が不完全であるかのいずれか、或いは、双方が生じており、上記の半導体装置は、不良品であることがわかる。
【0040】
従って、上記の半導体装置に対して、該半導体装置の検査用端子とパッケージ底面端子との間の抵抗値を測定することにより、半導体装置の良否を判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
次に、本発明の実施の形態における半導体装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態における半導体装置は、半導体チップがモールドされたパッケージで形成されており、該パッケージの底面の中央に配置されたパッケージ底面端子と、該パッケージの周囲に配置されたパッケージ端子とを備えている半導体装置である。
【0042】
図1は、本実施の形態における半導体装置1の半導体チップの平面図、図2は、図1のX―X断面図、図3は、本実施の形態における半導体装置に使用されるリードフレームの断片平面図、図4は、本実施の形態における半導体装置1の平面図、図5は、図4のY―Y断面図、そして、図6は、半導体装置1の底面図である。
【0043】
図1、図2において、上記の半導体装置1の半導体チップ2は、方形状をしており、この方形状の半導体チップ2の表面には、周辺に沿って、欠陥検出導電体3が形成されている。この欠陥検出導電体3は、Al、TaN、NiCr等の金属、或いは、n型GaAs層、p型GaAs層等の半導体層によって形成されている。
【0044】
又、半導体チップ2の表面には、ボンディングパッド11、及び、ボンディングパッド12が形成されており、ボンディングパッド11(前述の始点ボンディングパッドに相当)には、欠陥検出導電体3の両端の一方が接続され、ボンディングパッド12(前述の終点ボンディングパッドに相当)には、欠陥検出導電体3の両端の他方が接続されている。
【0045】
又、欠陥検出導電体3の内側は、アクティブエリア5であり(図1に示す点線の内側のエリア)、このアクティブエリア5には、多数の半導体デバイスが形成され、その周囲には、ボンディングパッド13〜ボンディングパッド22が形成されている。
【0046】
このように、欠陥検出導電体3が、半導体チップ2の周辺に沿って形成されているので、本来、半導体チップ2に必要な半導体デバイスを形成するエリアであるアクティブエリアを、最大限広く確保することができる。
【0047】
上記のボンディングパッド11、及び、ボンディングパッド12は、Ti、Pt、及び、Auがこの順に、層を成して形成されている。これらのTi層、Pt層、及び、Au層は、それぞれ、略、0.1μm、0.1μm、及び1.0μmである。
【0048】
又、ボンディングパッド12の下には、半導体チップ2を上下に貫通して形成された導電体でなる、貫通導電体4が形成されている。この貫通導電体4は、Auメッキ(メッキ厚み:5μm)で形成されている。
【0049】
又、半導体チップ2の裏面には、裏面電極6が形成されている。この裏面電極6は、半導体チップ2に形成される半導体デバイスのグランドとして用いられ、Ti層とAu層とで形成されており、それぞれの層の厚さは、0.1μm、及び、5μmである。又、この裏面電極6は、上記の貫通導電体4と接続されているので、この裏面電極6は、貫通導電体4を介して、ボンディングパッド12と接続されている。
【0050】
上記のように形成された半導体チップ2は、図3に示すような、パッケージ底面端子30、及び、パッケージ端子31〜パッケージ端子46を備えた、金属製のリードフレーム8の上記のパッケージ底面端子30の上に、載置される。
【0051】
尚、図3では、リードフレーム8の内、パッケージ底面端子30、及び、パッケージ端子31〜パッケージ端子46のみが示されているが、実際には、これらのパッケージ底面端子30、及び、パッケージ端子31〜パッケージ端子46は、図示されていない金属片で連結されている。
【0052】
リードフレーム8のパッケージ底面端子30の上に載置された半導体チップ2は、この半導体チップ2の裏面に形成されている裏面電極6が、リードフレーム8のパッケージ底面端子30に密着して接面するようにして、導電性の接着剤(例えば、Agペースト)等で結合される。
【0053】
そして、図4、図5に示すように、ボンディングパッド11とパッケージ端子31(前述の検査用端子に相当)との間をボンディングワイヤ10で接続される。又、ボンディングパッド13〜22とパッケージ端子33〜42との間も、それぞれ、ボンディングワイヤ10で接続される。
【0054】
ボンディングワイヤ10によるワイヤ接続がなされると、パッケージ底面端子30、及び、パッケージ端子31〜パッケージ端子46の下面が露出するようにして、パッケージ底面端子30、及び、パッケージ端子31〜パッケージ端子46と、半導体チップ2とを、絶縁性の樹脂でモールドして、モールド体7を形成することにより、半導体装置1が形成される。このようにして形成された半導体装置1の底面には、図6に示すように、パッケージ底面端子30、及び、パッケージ端子31〜パッケージ端子46が露出している。
【0055】
上記の半導体装置1では、該半導体装置1のパッケージ端子31と、パッケージ底面端子30との間に、パッケージ端子31からスタートして、半導体チップ2のボンディングパッド11、欠陥検出導電体3、ボンディングパッド12、貫通導電体4、及び、裏面電極6が、直列に接続されてパッケージ底面端子30に至る直列回路が形成されている。又、この直列回路には、上記の説明からわかるように、半導体チップ2の裏面電極6とパッケージ底面端子30とが、導電性の接着剤等で結合されている結合部分が含まれている。
【0056】
そこで、この直列回路は、全てが正常に形成されていると、この直列回路全体は、電気抵抗が小さい導電性回路となる。そのため、上記の半導体装置1のパッケージ端子31とパッケージ底面端子30との間の抵抗値は、上記の直列回路が全て正常に形成されている限り、小さい値を示す。
【0057】
しかし、上記の半導体装置1の半導体チップ2に、この半導体チップ2の外周部からの割れや、欠け等が発生していると、上記の直列回路を構成する一部である帯状の欠陥検出導電体3にクラック等が生じて、上記の半導体装置1のパッケージ端子31とパッケージ底面端子30との間の抵抗値が、大きくなる。
【0058】
又、上記の半導体装置1の半導体チップ2における裏面電極6とパッケージ底面端子30との結合部分の結合が完全でないと、この結合部分の抵抗値が大きくなり、この場合も、上記の半導体装置1のパッケージ端子31とパッケージ底面端子30との間の抵抗値が、大きくなる。
【0059】
従って、上記の半導体装置1に対しては、この半導体装置1のパッケージ端子31とパッケージ底面端子30との間の抵抗値を測定することにより、半導体装置1の良否を判定することができる。
【0060】
図7は、上記の半導体装置1の量産品に対して、半導体装置1のパッケージ端子31とパッケージ底面端子30との間の抵抗値を測定した結果を示したグラフである。図7において、縦軸は、個数、横軸は、上記の抵抗値(Ω)である。正常に生産された半導体装置1の上記の抵抗値は、10Ω〜15Ωの間にあり、概ね、13Ω前後である。
【0061】
これに対して、半導体装置1の半導体チップ2に、外周部からの割れや、欠け等が発生している半導体装置1は、上記の抵抗値が、100Ω以上の値を示していることが、不良品の分析により、判明した。
【0062】
又、上記の抵抗値が、16Ω〜30Ωの値を示している半導体装置1は、不良品の分析の結果、半導体チップ2の裏面電極6とパッケージ底面端子30との結合部分の結合が完全でない半導体装置1が多いことが、判明した。
【0063】
従って、上記の場合は、半導体装置1のパッケージ端子31とパッケージ底面端子30との間の抵抗値が、10Ω〜15Ωの範囲内の値であると、良と判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本実施の形態における半導体装置の半導体チップの平面図である。
【図2】図1のX―X断面図である。
【図3】本実施の形態における半導体装置に使用されるリードフレームの断片平面図である。
【図4】本実施の形態における半導体装置の平面図である。
【図5】図4のY―Y断面図である。
【図6】本実施の形態における半導体装置の裏面図である。
【図7】本実施の形態における半導体装置の量産品の抵抗値を測定した結果を示したグラフである。
【符号の説明】
【0065】
1 半導体装置
2 半導体チップ
3 欠陥検出導電体
4 貫通導電体
5 アクティブエリア
6 裏面電極
7 モールド体
8 リードフレーム
10 ボンディングワイヤ
11〜22 ボンディングパッド
30 パッケージ底面端子
31〜46 パッケージ端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップがモールドされたパッケージで形成されており、該パッケージの底面に配置されたパッケージ底面端子と、該パッケージの周囲に配置されたパッケージ端子とを備えており、
前記半導体チップの表面に、該半導体チップの欠陥の有無を検査するのに用いられる帯状の欠陥検出導電体と、該欠陥検出導電体の両端の一方に接続された始点ボンディングパッド、及び、前記両端の他方に接続された終点ボンディングパッドとが形成されており、前記始点ボンディングパッドと前記パッケージ端子の1つである検査用端子とが、ボンディングワイヤで接続されていると共に、
前記半導体チップの裏面に、裏面電極が形成されており、該裏面電極が前記パッケージ底面端子に結合されている半導体装置であって、
前記半導体チップの前記終点ボンディングパッドと、前記裏面電極とが、前記半導体チップを貫通する貫通導電体で相互に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記欠陥検出導電体は、前記半導体チップの周辺に沿って形成されている半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の半導体装置の検査方法であって、
前記半導体装置の前記検査用端子と前記パッケージ底面端子との間の抵抗値を測定することにより、前記半導体装置の良否を判定することを特徴とする半導体装置検査方法。
【請求項4】
請求項3記載の半導体装置検査方法において、
前記半導体装置の前記検査用端子と前記パッケージ底面端子との間の抵抗値が、所定の範囲内の値であると、良と判定する半導体装置検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−92924(P2010−92924A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−258660(P2008−258660)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】