説明

半導体装置及び遅延量調整方法

【課題】クロック信号の位相を遅延させる遅延回路とその遅延量を調整する回路とを備えた半導体装置において遅延量がクロック信号の周期的なジッタの影響を受けないようにする半導体装置及び遅延量調整方法を提供する。
【解決手段】第1のクロック信号を遅延させた第2のクロック信号を出力する可変遅延回路と、可変遅延回路における遅延量を制御する制御信号を出力する遅延量調整回路と、遅延量調整回路が制御信号を更新するタイミングを決定するタイミング信号を出力するタイミング信号発生回路と、を備えた半導体装置であって、タイミング信号発生回路は連続してタイミング信号を出力するものであって、互いに隣接するタイミング信号の間隔の内、少なくとも2つの間隔が互いに異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び遅延量調整方法に関する。特に、クロック信号などの周期的な信号の位相を遅延させる遅延回路とその遅延量を調整する回路とを搭載した半導体装置及びその遅延量調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の半導体装置間で外部クロック信号に同期してデータの送受信を行う場合、半導体装置内部の遅延時間のばらつきに依存せずに外部クロック信号に精度よく同期した内部クロック信号を生成し、その内部クロック信号に基づいてデータを入出力する必要がある。一例をあげれば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)やDDR(Double Data Rate)−SDRAM、DDR2−SDRAMなどの同期式DRAMでは、外部から供給されるクロックに精度よく同期してデータの入出力を行う必要がある。たとえば、DDR2−SDRAMではメモリコントローラとの間で高速にデータの伝送を行うため、外部クロック信号に対してスペックtACで規定される時間内にデータを出力する必要がある。上記tACは、DDR2−SDRAMの規格の一つであるDDR2−667MHZであれば約450ps程度で規定されるのが一般的である。このように、精度の高いスペックに対応するためには内部クロック信号を外部クロック信号に精度良く一致させる必要があり、そのための回路としてDLL(Delay Locked Loop)回路が広く用いられる。
【0003】
図5は、従来のSDRAMなどの半導体装置に搭載されているDLL回路の一例である。DLL回路120は、外部クロック信号CLK1を受ける入力バッファ21と、入力バッファ21でバッファリングした中間クロック信号CLKIを4分周して4分周クロック信号CLKQを出力する4分周回路150と、中間クロック信号CLKIを遅延させる可変遅延回路30と、4分周クロック信号CLKQのエッジに同期して外部クロックCLK1と内部クロックCLK2との位相を比較しその結果に基づいて可変遅延回路30の遅延量を制御する遅延量調整回路40と、可変遅延回路30の出力クロックをバッファリングする出力バッファ22と、を備え、出力バッファ22の出力信号が内部クロック信号CLK2として出力される。
【0004】
なお、遅延量調整回路40は、位相判定回路41と、位相調整カウンタ42、D/A変換回路43を備えている。位相判定回路41は外部クロック信号CLK1と内部クロック信号CLK2との位相差を判定し、判定結果に基づいて、位相判定信号UPを出力する。位相調整カウンタ42は、4分周クロック信号CLKQのエッジに同期してそのときの位相判定信号UPの論理レベルに応じて、カウント値をアップまたはダウンする。D/A変換回路43は、位相調整カウンタ42のカウント値に応じた電圧を制御信号CONTとして可変遅延回路30へ出力し可変遅延回路30の遅延時間を制御する。
【0005】
次に、図6の動作タイミング図を用いて図5の従来のDLL回路の動作を説明する。図6において、CLK1は外部クロック信号、CLK2はDLL回路120で生成する内部クロック信号、UPは位相判定回路41が出力する位相判定信号、CLKIは中間クロック信号、カウンタ出力は4分周回路の状態、CLKQは4分周クロック信号である。
【0006】
位相判定回路41は、外部クロック信号CLK1より内部クロックCLK2の位相が遅れている場合は、位相判定信号UPとしてハイレベルを出力する。一方、外部クロックCLK1より内部クロック信号CLK2の位相が進んでいる場合は、位相判定信号UPとしてロウレベルを出力する。4分周回路150は、入力バッファ21が出力する中間クロック信号CLKIを4分周し、中間クロック信号CLKIの4サイクル毎(t0−1、t0−2、t0−3、t0−4)に4分周クロック信号CLKQをワンショットで出力する。位相調整カウンタ42は、4分周クロック信号CLKQの立ち上がり時に位相判定信号UPがハイレベルであればカウント値をアップし、位相判定信号UPがロウレベルであればカウント値をダウンする。D/A変換回路43は、位相調整カウンタ42のカウント値をアナログ電圧に変換した電圧を制御信号CONTとして可変遅延回路30へ出力する。すなわち、4分周クロック信号CLKQは、可変遅延回路30の遅延量を制御する制御信号CONTを更新するタイミング信号である。
【0007】
図6において、タイミングt0−1では、内部クロック信号CLK2の位相が外部クロック信号CLK1より遅れているので位相判定信号UPはハイレベルである。すると、4分周クロック信号CLKQの立ち上がりに同期して位相調整カウンタ42はカウンタアップする。D/A変換回路43は、位相調整カウンタ42のカウントアップに対応して制御信号CONTの電圧値を上昇させる。制御信号CONTの電圧値が上昇すると、可変遅延回路30の電流源回路に流れる電流が増加し、可変遅延回路30の遅延時間は短くなり、内部クロック信号CLK2の位相が早まる方向に調整される。同様にタイミングt−2、タイミングt0−3でも外部クロック信号CLK1より内部クロック信号CLK2の位相が遅れているので、タイミングt0−1と同様に可変遅延回路30の遅延量が減少し、内部クロック信号CLK2の位相が早くなるように調整される。
【0008】
次にタイミングt0−3では、外部クロック信号CLK1より内部クロック信号CLK2の位相が進んでいるので、位相判定信号UPはロウレベルとなる。すると、4分周クロック信号CLKQの立ち上がりに同期して位相調整カウンタ42はカウンタダウンする。D/A変換回路43は、位相調整カウンタ42のカウントダウンした値を電圧値に変換し、制御信号CONTとして出力する。すなわち、制御信号CONTの電圧値は下降することになる。制御信号CONTの電圧値が下降すると、可変遅延回路の電流源回路に流れる電流が減少し、可変遅延回路30の遅延時間は長くなる方向に調整される。このようにして、内部クロック信号CLK2が外部クロックCLK1と所定の周期(例えば1周期)遅れで位相が揃うように、可変遅延回路30の遅延量が調整される。
【0009】
なお、中間クロック信号CLKIを4分周回路により分周して4分周クロック信号CLKQを生成し、そのCLKQを可変遅延回路の遅延時間を更新するタイミング信号としているのは、遅延量調整回路40と可変遅延回路30の応答時間を考慮しているためである。遅延量調整回路40と可変遅延回路30の応答時間が短ければ、中間クロック信号CLKIの一周期毎に可変遅延回路の遅延量を更新してもよい。可変遅延回路の遅延量更新の周期(CLKQの周期)は、遅延量調整回路40と可変遅延回路30の応答時間を考慮して適宜決められる。可変遅延回路の遅延量更新の周期(CLKQの周期)が短すぎれば、位相判定結果が可変遅延回路の遅延時間の調整に反映される前に過剰に可変遅延回路の遅延量を調整してしまうことによって、内部クロック信号CLK2の周波数は安定せず、内部クロック信号CLK2のジッタが大きくなる。また、タイミング信号TRIGの周期が長すぎれば、外部クロック信号CLK1が与えられてから、内部クロック信号CLK2が外部クロック信号CLK1と同期が取れて位相が揃うまでの時間が長くなり、内部クロック信号CLK2が外部クロック信号CLK1と同期が取れるまでは外部クロック信号CLK1に同期してデータの入出力ができないため、システムの応答性が悪くなる。
【0010】
また、遅延量の調整を4分周クロック信号CLKQが立ち上がったときのみ行うことにより、遅延量調整回路40を通常時はスタンバイ状態に設定しておき、4分周クロック信号CLKQが立ち上がったときだけ遅延量調整回路40を動作させることにより、遅延量調整回路の消費電力を削減することも可能である。
【0011】
なお、DLL回路に関連する先行技術として特許文献1には、パワーダウンモード動作の際に安定した動作を行うDLL回路が記載されている。また、特許文献2には、可変遅延回路を構成する直列接続されるインバータの数を可変にする粗調整遅延回路と、制御電圧によって遅延時間を制御する微調整遅延回路(補間回路)を設けたDLL回路において、補間回路の最小動作周期を低減し、DLLの最大動作周波数を向上させるDLL回路が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−95265号公報
【特許文献2】特開2009−284266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
以下の分析は本発明により与えられる。本発明者の検討によれば、図7に示すように、DLLを搭載した半導体が使用されるシステムの構成によっては、外部クロックの周波数や電源電圧が固有の周期Tjでノイズにより変動する場合がある。そのような場合、その周期Tjが可変遅延回路の遅延量を更新する周期(図7ではTRIGタイミングとして示す)が周期Tjと一致してしまった場合には、外部クロックに対する内部クロックの位相ずれが増大してしまう場合がある。すなわち、外部クロックの位相がノイズ等により周期的に変動する場合、常に位相が進んだ状態(または遅れた状態)で位相判定、遅延量の調整が行われると本来の正常な外部クロックの位相(すなわち外部クロックの位相の平均)から常に一方向にずれた外部クロック信号の位相に内部クロック信号の位相を合わせようとするために、内部クロック信号の位相ずれが増大してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の側面による半導体装置は、第1のクロック信号を遅延させた第2のクロック信号を出力する可変遅延回路と、前記可変遅延回路における遅延量を制御する制御信号を出力する遅延量調整回路と、前記遅延量調整回路が制御信号を更新するタイミングを決定するタイミング信号を出力するタイミング信号発生回路と、を備えた半導体装置であって、前記タイミング信号発生回路は連続して前記タイミング信号を出力するものであって、互いに隣接するタイミング信号の間隔の内、少なくとも2つの間隔が互いに異なる。
【0015】
また、本発明の第2の側面による遅延量調整方法は、第1のタイミングで可変遅延回路における遅延量を第1の遅延量に調整し、第2のタイミングで前記可変遅延回路における前記遅延量を前記第1の遅延量から第2の遅延量に調整し、第3のタイミングで前記可変遅延回路における前記遅延量を前記第2の遅延量から第3の遅延量に調整する遅延量調整方法であって、前記第1のタイミングから前記第2のタイミングまでの時間差は前記第2のタイミングから前記第3のタイミングまでの時間差と異なる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、可変遅延回路の遅延量を制御する制御信号を更新するタイミングが固定の周期にならないようなタイミングで更新するので、外部クロックの周波数や電源電圧が周期的に変動した場合であっても、安定して外部クロックと内部クロックとの位相差を一定の範囲内に収束させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例によるDLL回路のブロック図である。
【図2】図1におけるタイミング信号発生回路の内部回路の構成の一例を示す回路ブロック図である。
【図3】一実施例におけるDLL回路の動作タイミング図である。
【図4】一実施例によるDLL回路を搭載した半導体装置のブロック図である。
【図5】従来のDLL回路のブロック図である。
【図6】従来のDLL回路の動作タイミング図である。
【図7】従来のDLL回路における問題点を説明する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
最初の本発明の実施形態の概要について説明する。本発明によれば、タイミング信号発生回路(例えば、図1の50)は、連続してタイミング信号(例えば図1のTRIG)を出力するものであって、互いに隣接するタイミング信号の間隔の内、少なくとも2つの間隔を互いに異なる。すなわち、複数回タイミング信号を出力するうち、タイミング信号の間隔が互いに等しくない間隔が存在する。したがって、図7に示すような外部クロックや電源電圧のゆらぎの周期と可変遅延回路の遅延量を更新する周期がたまたま一致してしまう状態の発生を防ぐことができる。
【0019】
また、タイミング信号発生回路は、制御信号(例えば図1のCONT)を更新するタイミングが固定の周期にならずに、かつ、平均して一定の周期になるようにタイミング信号を出力するものであることが好ましい。制御信号(例えば図1のCONT)を更新するタイミングが固定の周期にならなければ、外部クロックや電源電圧のゆらぎの周期と可変遅延回路の遅延量を更新するタイミングが常に一致してしまう状態の発生を防ぐことができる。また、遅延量の更新が平均して一定の周期になるように制御すれば、位相判定結果が可変遅延回路の遅延量に反映される前に過剰に遅延量を調整してしまって第2のクロック信号(例えば図1のCLK2)のジッタが大きくなったり、可変遅延回路の遅延量の調整が遅すぎてシステムの応答性が悪くなったりすることを避けることができる。
【0020】
以下、本発明のより具体的な実施例について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、実施例1のDLL回路20の回路ブロック図である。DLL回路20は半導体装置に搭載される。DLL回路20は、外部クロック信号CLK1を入力し中間クロック信号CLKIを出力する入力バッファ21と、中間クロック信号CLKIを入力して遅延量調整回路40が可変遅延回路30の遅延量を制御する制御信号CONTを更新するタイミング信号TRIGを生成するタイミング信号発生回路50と、中間クロック信号CLKIを遅延させる可変遅延回路30と、タイミング信号TRIGのエッジに同期して外部クロックCLK1と内部クロックCLK2との位相を比較しその結果に基づいて可変遅延回路30の遅延量を制御する遅延量調整回路40と、可変遅延回路30の出力クロックをバッファリングする出力バッファ22と、を備え、出力バッファ22の出力信号が内部クロック信号CLK2として出力される。
【0022】
なお、遅延量調整回路40は、任意な構成とすることができるが、その構成の一例をあげれば、位相判定回路41と、位相調整カウンタ42、D/A変換回路43を備えている。位相判定回路41は外部クロック信号CLK1と内部クロック信号CLK2とを入力し、両者の位相差を判定する。位相判定回路41は、内部クロック信号CLK2の位相が外部クロック信号CLK1より遅れている場合は、位相判定信号UPとしてハイレベルを出力し、内部クロック信号CLK2の位相が外部クロック信号CLK1より進んでいる場合は、位相判定信号UPとしてロウレベルを出力する。
【0023】
位相調整カウンタ42は、タイミング信号発生回路50が出力するタイミング信号TRIGの立ち上がりに同期してそのときの位相判定信号UPの論理レベルに応じて、自身のカウント値をアップまたはダウンするアップダウンカウンタである。位相調整カウンタ42は、タイミング信号TRIGが立ち上がったときに、位相判定信号UPがハイレベルであるときは、カウントアップを行い、位相判定信号UPがロウレベルであるときは、カウントダウンを行う。
【0024】
D/A変換回路43は、位相調整カウンタ42のカウント値に応じた電圧を制御信号CONTとして可変遅延回路30へ出力し可変遅延回路30の遅延量を制御する。D/A変換回路43は、位相調整カウンタのカウント値が増加すれば、制御信号CONTの電圧値を上昇させ、位相調整カウンタのカウント値が減少すれば、制御信号CONTの電圧値を下降させる。
【0025】
可変遅延回路30は、制御信号CONTの電圧値により遅延量が制御される可変遅延回路である。可変遅延回路30の内部回路は、周知の回路であるので、図示は省略するが、概略を述べれば以下のとおりである。可変遅延回路30は、電流源回路から電源電流が供給される複数の縦続接続された遅延回路(例えばインバータ回路)により構成され、縦続接続された遅延回路の初段の入力として中間クロック信号CLKIが接続され、縦続接続された遅延回路の最終段の出力が出力バッファ22の入力端子に接続されている。また、可変遅延回路30の電流源回路には、電流量を制御する信号として制御信号CONTが接続されており、制御信号CONTの電圧値により電流源回路に流れる電流値が制御され、その電流値に基づいて、可変遅延回路30を構成する縦続接続された各遅延回路の遅延値が制御される。すなわち、制御信号CONTに印加される電圧値が増加すれば、可変遅延回路30の電流源回路に流れる電流値は増加し、可変遅延回路30の遅延量は減少する。一方、制御信号CONTに印加される電圧値が減少すれば、可変遅延回路30の電流源回路に流れる電流値は減少し、可変遅延回路30の遅延量は増大する。
【0026】
次に、図2を参照して、タイミング信号発生回路50の内部回路の構成の一例を説明する。タイミング信号発生回路50は、4ビットのカウンタ回路51とカウンタ回路51のカウント出力信号B0〜B3を受けてタイミング信号TRIGを生成するタイミング信号出力回路52を含んで構成される。カウンタ回路51は、中間クロック信号CLKIがクロック信号として入力され、4ビットのカウント出力信号B0〜B3を出力する。カウンタ回路51は、中間クロック信号CLKIが立ち上がる毎にカウンタアップし、カウンタ出力信号B0〜B3のうち、B3をMSB、B0をLSBとする4ビットの出力信号として出力する。カウンタ出力信号B0〜B3は、カウント値0からスタートし、中間クロック信号CLKIが立ち上がる毎にカウントアップし、15(10進数)までカウントした後は、0に戻り、再び、カウントアップする。カウンタ回路51は、中間クロック信号CLKIが入力される限りこの動作を繰り返す。また、カウンタ回路51は各カウンタのビットを保持する保持回路を備えている。
【0027】
タイミング信号出力回路52は、デコード回路(AND回路)53〜56とOR回路57とフリップフロップ58とを含んで構成される。デコード回路53〜56はそれぞれ4ビットのカウンタ出力信号B0〜B3の正転信号または、反転信号が入力される4入力AND回路であり、デコード回路53〜56は、それぞれ、4ビットのカウンタ出力信号B0〜B3が「0」、「5」、「11」、「14」(いずれも10進数)のとき、ハイレベルを出力し、それ以外のときはロウレベルを出力する。OR回路57は、デコード回路53〜56の出力信号が入力される4入力OR回路であり、デコード回路53〜56のいずれかがハイレベルを出力するときにハイレベルを出力し、デコード回路53〜56のいずれもがロウレベルを出力するときにロウレベルを出力する。フリップフロップ回路58は、OR回路57の出力信号を中間クロック信号CLKIの立ち上がりに同期して取り込んで出力し、取り込んだ論理レベルを次に中間クロック信号CLKIが立ち上がるまで保持する。
【0028】
次に、図1と図2に示す実施例1のDLL回路の動作について図3の動作タイミング図を用いて説明する。図3において、CLK1は外部クロック信号、CLK2は内部クロック信号、UPは位相判定回路41(図1参照)が出力する位相判定信号、CLKIは中間クロック信号、「カウンタ出力」はカウンタ回路51(図2参照)が出力するカウンタ出力信号B0〜B3をビット毎に重み付けしてコード化した値である。また、TRIGは、タイミング信号発生回路50が出力するタイミング信号である。
【0029】
図3において、まず最初にカウンタ出力のカウンタ値が0のとき、図2のデコード回路(AND回路)53がハイレベルとなるので、OR回路57もハイレベルを出力する。フリップフロップ58は、タイミングt0の中間クロック信号CLKIの立ち上がりでこのOR回路57のハイレベルを取り込んで、タイミング信号TRIGにハイレベルを出力する。一方、このとき、内部クロック信号CLK2は、外部クロック信号CLK1より位相が遅れているので、位相判定回路41は位相判定信号UPとしてハイレベルを出力する。位相調整カウンタ42は、タイミング信号TRIGがタイミングt0で立ち上がったときに位相判定信号UPがハイレベルであるので、位相調整カウンタ42自身のカウンタ値をカウントアップする。D/A変換回路43は、位相調整カウンタ42のカウント値が増加したことに伴って、制御信号CONTの電圧値を一段階上昇させる。可変遅延回路30は、制御信号CONTの電圧値の上昇に伴って、電源源回路に流れる電流が増加するので、可変遅延回路30による遅延量は減少する。可変遅延回路30の遅延量の減少に伴い、内部クロック信号CLK2の位相は早まり、外部クロック信号CLK1との位相差は減少する。なお、タイミン信号TRIGが立ち上がってから位相判定回路41の判定結果に基づいて位相調整カウンタ42のカウント値を更新し、位相調整カウンタのカウント値に基づいてD/A変換回路が制御信号CONTとして出力する電圧値を更新し、その電圧値の更新に応答して可変遅延回路の遅延量が調整されるまでには、一定の処理時間を要する。
【0030】
なお、タイミングt0の次の中間クロック信号CLKIの立ち上がりでは、デコード回路53〜56の出力はいずれもロウレベルとなり、OR回路57の出力もロウレベルとなるのでタイミング信号TRIGはハイレベルからロウレベルに立ち下がる。
【0031】
次に、カウンタ回路51のカウンタ出力信号B0〜B3の値が「5(10進数)」になると、デコード回路54がロウレベルからハイレベルに立ち上がる。するとOR回路57の出力もハイレベルに立ち上がり、タイミングt5の中間クロック信号CLKIの立ち上がりに同期してタイミング信号TRIGが再びロウレベルからハイレベルに立ち上がる。このとき、内部クロック信号CLK2は外部クロック信号CLK1よりまだ位相が遅れているので、位相判定回路41は位相判定信号UPとしてハイレベルを出力する。従って、位相調整カウンタ42は、カウントアップし、D/A変換回路43は、位相調整カウンタ42がカウントアップした計数値に応答して制御信号CONTの電圧レベルを上昇させる。可変遅延回路30は、制御信号CONTの電圧上昇に伴って遅延量を減少させ、外部クロック信号CLK1に対する内部クロック信号CLK2の相対的な位相遅れは減少する。タイミング信号TRIGは、タイミングt5の次の中間クロック信号CLKIの立ち上がりでハイレベルからロウレベルに立ち下がる。
【0032】
次に、カウンタ回路51のカウンタ出力信号B0〜B3の値が「11(10進数)」になると、デコード回路55がロウレベルからハイレベルに立ち上がる。するとOR回路57の出力もハイレベルに立ち上がり、タイミングt11の中間クロック信号CLKIの立ち上がりに同期してタイミング信号TRIGが再びロウレベルからハイレベルに立ち上がる。このとき、内部クロック信号CLK2は外部クロック信号CLK1よりまだ位相が遅れているので、位相判定回路41は位相判定信号UPとしてハイレベルを出力する。従って、位相調整カウンタ42は、カウントアップし、D/A変換回路43は、位相調整カウンタ42がカウントアップした計数値に応答して制御信号CONTの電圧レベルを上昇させる。可変遅延回路30は、制御信号CONTの電圧上昇に伴って遅延量を減少させ、外部クロック信号CLK1に対する内部クロック信号CLK2の相対的な位相遅れはさらに減少する。タイミング信号TRIGは、タイミングt11の次の中間クロック信号CLKIの立ち上がりでハイレベルからロウレベルに立ち下がる。
【0033】
さらに、カウンタ回路51のカウンタ出力信号B0〜B3の値が「14(10進数)」になると、デコード回路56がロウレベルからハイレベルに立ち上がる。するとOR回路57の出力もハイレベルに立ち上がり、タイミングt14の中間クロック信号CLKIの立ち上がりに同期してタイミング信号TRIGが再びロウレベルからハイレベルに立ち上がる。
【0034】
このとき、タイミングt0、t5、t11と異なり、内部クロック信号CLK2は、外部クロック信号CLK1より位相が進んでいる。したがって、位相判定回路41は位相判定信号UPとしてロウレベルを出力する。タイミング信号TRIGがハイレベルに立ち上がったときに、位相判定信号UPがロウレベルであるとき、位相調整カウンタ42は、カウントダウンする。位相調整カウンタ42がカウントダウンすると、D/A変換回路43は、位相調整カウンタ42がカウントダウンした計数値に応答して制御信号CONTの電圧レベルを下降させる。可変遅延回路30は、制御信号CONTの電圧下降に伴って電流源回路の流す電流を減少させ、遅延回路の遅延量を増大させる。そうすると、可変遅延回路により位相が遅らされた内部クロック信号CLK2は、外部クロック信号CLK1に対する位相が遅れる方向に調整される。このようにして、外部クロック信号CLK1に対して内部クロック信号CLK2の位相が揃うように調整される。
【0035】
次に、中間クロック信号CLKIがロウレベルからハイレベルに立ち上がり、カウンタ回路51のカウント値が「15」から「0」に更新されると、デコード回路56がハイレベルからロウレベルに立ち下がるのでタイミング信号TRIGはハイレベルからロウレベルに立ち下がる。カウンタ回路51のカウント値が「0」に戻ったので、タイミング信号発生回路50の動作は初期状態に戻り、カウント値が「0」からの動作を繰り返す。ただし、遅延量調整回路40、可変遅延回路30の動作は、外部クロック信号CLK1と内部クロック信号CLK2との位相差に基づいて動作するので、遅延量調整回路40と、可変遅延回路30の動作は、同じ動作を繰り返すわけではない。
【0036】
図3を見れば容易に理解できるように、タイミングt0でタイミング信号TRIGが出力されてからタイミングt5で次にタイミング信号TRIGが出力されるまでは中間クロックCLKIのサイクル数で5クロックサイクルである。それに対して、タイミングt5でタイミング信号TRIGが出力されてからタイミングt11で次にタイミング信号TRIGが出力されるまでは6クロックサイクル、さらに次のタイミングt14でタイミング信号TRIGが出力されるまでは3クロックサイクル、その次のタイミングt0でタイミング信号TRIGが出力されるまでは2クロックサイクルと、タイミング信号TRIGが出力される間隔は一定の固定した周期ではない。タイミング信号TRIGが立ち上がるとそのときの外部クロック信号CLK1と内部クロック信号CLK2との位相差に基づいて可変遅延回路の遅延量が更新されるので、タイミング信号TRIGが出力される周期が一定でないということは、外部クロック信号CLK1と内部クロック信号CLK2との位相差の判定と可変遅延回路30の遅延量の更新の周期が固定ではないことになる。
【0037】
図7を用いて、すでに説明したように、外部クロック信号CLK2が周期的なノイズ等により一定の周期Tjを持って変動している場合、この周期Tjとタイミング信号TRIGの周期が一致してしまい、かつ、外部クロック信号CLK2の周波数が高め、または低めに変動したときに、タイミング信号TRIGにより外部クロック信号CLK1と内部クロック信号CLK2との位相差の判定と可変遅延回路30の遅延量の更新が行われると、内部クロック信号CLK2を外部クロック信号CLK1の平均周波数からずれた周波数(位相)に位相を合わせようとすることになる。このような状態に陥ると、外部クロック信号CLK1に対する内部クロック信号CLK2の位相ずれが増大してしまう。
【0038】
また、外部クロック信号CLK2が変動していなくとも、可変遅延回路やD/A変換回路の電源電圧がノイズ等によって周期的に変動し、その変動周期がタイミング信号TRIGの周期と一致してしまった場合も同様な問題が生じ、外部クロック信号CLK1に対する内部クロック信号CLK2の位相ずれが増大してしまう。
【0039】
上記実施例1では、タイミング信号TRIGの周期を一定の周期に固定せずに変化させているので、上述した従来技術における外部クロック信号CLK1と内部クロック信号CLK2との位相差の判定と可変遅延回路30の遅延量の更新の周期と、外部クロックCLK1のノイズ等による変動周期、または、半導体装置内部のD/A変換回路43や可変遅延回路30の電源電圧変動周期とが一致し、内部クロック信号CLK2の位相ずれが増大
する問題の発生を防ぐことができる。
【0040】
なお、実施例1において、タイミング信号発生回路50は、外部クロック信号CLK1と内部クロック信号CLK2との位相判定、及び可変遅延回路の遅延時間の更新が一定の周期にならないようにするものであれば、どのような構成のタイミング信号発生回路を用いてもよい。タイミング信号TRIGの周期は実施例1のように毎回異なることがより望ましいが、例えば、何回かに1回タイミング信号TRIGの発生周期を短くしたり長くしたりするものであってもよい。
【実施例2】
【0041】
なお、上記実施例1では、説明を簡単にするために内部クロック信号CLK2の位相を外部クロック信号CLK1の位相と一致させるように制御する例について説明したが、DLL回路を用いれば、外部クロック信号CLK1に対して内部クロック信号CLK2を一定の位相差を有するクロック信号とすることもできる。図4は、例えば、同期式のDRAMのように、外部クロックCLK1に対して半導体装置内部の遅延量の大きさのばらつきに依存せずに外部クロックCLK1に同期してデータを出力する半導体装置10において、実施例1の遅延量を調整する回路を適用する実施例2の半導体装置10のブロック図である。図4において、半導体装置10は、外部から入力する外部クロック信号CLK1に精度よく同期してデータ出力端子DOUTからデータを出力する。DLL回路20Aは、レプリカ遅延回路23が付加されていることを除いて実施例1のDLL回路20と同一である。また、半導体装置10は、出力回路70を備えている。出力回路70は、データ入力端子DINから入力したデータを内部クロック信号CLK2に基づいて加工し、外部出力端子DOUTから半導体装置10の外部へ出力する。出力回路70において、データ入力信号DINを内部クロック信号CLK2に同期して取り込んでからデータを加工してデータ出力端子DOUTから出力するまでに一定の遅延が発生する。内部クロック信号CLK2は、この出力回路70のデータ遅延を考慮し、出力回路70で発生する遅延量だけ外部クロック信号CLK1より位相の早い内部クロック信号CLK2を生成して出力回路に与える。これにより、出力回路70で生じる遅延量だけ、内部クロック信号CLK2の位相を外部クロック信号CLK1より早まる。従って、半導体装置10の内部遅延時間のばらつきに依存せずに、外部出力端子DOUTから出力されるデータの位相が外部クロック信号CLK1と揃えられる。すなわち、出力回路70で生じる遅延をレプリカ遅延回路23により補償している。レプリカ遅延回路23は、出力回路70において内部クロック信号CLK2のエッジからデータ出力信号DOUTが出力されるまでの遅延時間と同等な遅延時間を有する遅延回路である。実施例2の半導体装置10では、内部クロック信号CLK2をレプリカ遅延回路23により遅延させた内部クロック信号と外部クロック信号CLK1との位相が揃うようにDLL回路20Aは動作するので、外部データ出力信号DOUTは、外部クロック信号CLK1に精度よく同期して出力することができる。この実施例2においても、タイミング信号発生回路50により、内部クロック信号と外部クロック信号との位相判定、可変遅延回路30の遅延時間の調整が一定周期にならないように行われるので、たまたま、ノイズの周期と可変遅延回路の遅延周期が一致してしまう問題が発生する恐れはない。したがって、実施例2でも実施例1と同様に効果が得られる。
【0042】
なお、図1、図4の各実施例では、位相判定回路41の判定結果は、外部クロック信号CLK1に比較して内部クロック信号CLK2の位相が遅いか早いかによって1つの位相判定信号UPをハイレベルとするかロウレベルとするかに基づいて遅延量を調整している。すなわち、位相調整カウンタ42は、タイミング信号TRIGが立ち上がったときに、位相判定信号UPをハイレベルであれば、カウントアップし、位相判定信号UPをロウレベルであれば、カウントダウンするように制御している。
【0043】
しかし、タイミング信号TRIGが立ち上がったときに、外部クロック信号CLK1と内部クロック信号CLK2との位相差が充分小さく、位相差が一定の範囲内に収まっている場合は、位相調整カウンタ42のカウンタアップもカウントダウンも行わずにそのときのカウント値を維持するように制御することもできる。そのような制御を行う場合は、位相判定回路41から位相調整カウンタ42に出力する信号として、位相判定信号UPの他に位相判定信号DOWNを設ければよい。位相判定回路41は、外部クロック信号CLK1に対して内部クロック信号CLK2の位相が一定以上遅れているときに、位相判定信号UPをハイレベルにする。一方、外部クロック信号CLK1に対して内部クロック信号CLK2の位相が一定以上進んでいるときに、位相判定信号DOWNをハイレベルにする。外部クロック信号CLK1と内部クロック信号CLK2との位相差が一定の範囲内にあるときには、位相判定信号UP、DOWNは、共にロウレベルを出力することとする。そして、位相調整カウンタ42のカウントアップは、タイミング信号TRIGが立ち上がったときに位相判定信号UPがハイレベルであるときに行う。また、位相調整カウンタ42のカウントダウンは、タイミング信号TRIGが立ち上がったときに位相判定信号DOWNがハイレベルであるときに行う。外部クロック信号CLK1と内部クロック信号CLK2との位相差が一定の範囲内に収まっている場合は、位相判定信号UP、DOWNのいずれもロウレベルを出力するので、位相調整カウンタ42はカウントアップ、カウントダウンのいずれも行わないように制御すればよい。
【0044】
なお、遅延量調整回路40の構成は、図1に示した構成以外にも様々な構成の遅延量調整回路を用いることができる。たとえば、図1では、D/A変換回路43の出力電圧を制御信号CONTとして用いる例について説明したが、D/A変換回路43を電流出力型のD/A変換回路として、D/A変換回路の出力する電流を直接、または、カレントミラー回路等を通して可変遅延回路30の電流源に流れる電流量を制御することもできる。
【0045】
さらには、特許文献2のように、位相調整カウンタの計数値をそのまま、ディジタル信号として可変遅延回路30を構成するインバータ回路等の直列接続される遅延回路の段数を制御することもできる。また、特許文献2のように、可変遅延回路の粗調整を上記ディジタル信号により制御し、その補間をD/A変換回路43の出力する電圧によって行うこともできる。
【0046】
また、D/A変換回路43や位相調整カウンタ42に代えて、チャージポンプ回路と容量とを設け、位相判定回路41で判定した判定結果に基づいて、チャージポンプ回路により容量の電荷を充放電し、その容量の端子間電圧を可変遅延回路30を制御する制御信号CONTとすることができる。この場合、DLL回路の同期が取れているときは、タイミング信号TRIGを受けたときだけ、位相判定回路41やチャージポンプ回路を動作させることにより、遅延量調整回路の消費電力を削減することもできる。
【0047】
以上、実施例について説明したが、本発明は上記実施例の構成にのみ制限されるものでなく、本発明の範囲内で当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、同期式半導体記憶装置のDLL回路に用いることができるだけでなく、周期的な信号の遅延量を調整する機能を有する半導体装置において広く用いることができる。
【符号の説明】
【0049】
10:半導体装置
20、20A、120:DLL回路
21:入力バッファ
22:出力バッファ
23:レプリカ遅延回路
30:可変遅延回路
40:遅延量調整回路
41:位相判定回路
42:位相調整カウンタ
43:D/A変換回路
50:タイミング信号発生回路
51:カウンタ回路(4ビットカウンタ回路)
52:タイミング信号出力回路
53〜56:デコード回路(AND回路)
57:OR回路
58:フリップフロップ
70:出力回路
150:4分周回路
B0〜B3:カウンタ出力信号
CLK1:外部クロック信号
CLK2:内部クロック信号
CLKI:中間クロック信号
CLKQ:4分周クロック信号
CONT:制御信号(可変遅延回路における遅延量を制御する制御信号)
TRIG:タイミング信号(遅延量調整回路が可変遅延回路の遅延量を制御する制御信号を更新するタイミング信号)
UP:位相判定信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のクロック信号を遅延させた第2のクロック信号を出力する可変遅延回路と、前記可変遅延回路における遅延量を制御する制御信号を出力する遅延量調整回路と、前記遅延量調整回路が制御信号を更新するタイミングを決定するタイミング信号を出力するタイミング信号発生回路と、を備えた半導体装置であって、
前記タイミング信号発生回路は連続して前記タイミング信号を出力するものであって、互いに隣接するタイミング信号の間隔の内、少なくとも2つの間隔が互いに異なることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記タイミング信号発生回路は、第1の回数毎の平均の周期が互いに等しくなるように前記タイミング信号を出力することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記タイミング信号発生回路は、
前記第1のクロック信号の立ち上がり又は立ち下がりエッジの一方をカウントし、そのカウント値の一部を其々保持する複数の保持回路を含むカウンタ回路と、
前記複数の保持回路から其々出力される複数の保持信号を受けて、互いに異なるカウント値に対応して其々第1、第2及び第3の活性信号を出力する第1、第2及び第3のデコーダ回路と、を備え、
前記第1の活性信号の出力から前記第2の活性信号の出力までの期間と前記第2の活性信号の出力から前記第3の活性信号の出力までの期間とは互いに異なることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記遅延量調整回路は、前記第1のクロック信号と前記第2のクロック信号との位相差を判定する位相判定回路を含み、前記遅延量調整回路は、前記タイミング信号発生回路が出力するタイミング信号を受けて前記位相判定回路の判定結果に基づいて前記制御信号を更新することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の半導体装置。
【請求項5】
前記遅延量調整回路は、
前記タイミング信号を受ける毎に位相判定回路の判定結果に基づいてカウンタ値を更新する位相調整カウンタと、
前記位相調整カウンタのカウンタ値を制御電圧に変換して前記可変遅延回路の遅延量を制御するD/A変換回路と、
をさらに含むことを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2のクロック信号に同期してデータを出力する出力回路と、
前記第2のクロック信号を入力し、前記第2のクロック信号を前記出力回路の出力遅延時間に相当する時間遅延させるレプリカ遅延回路と、
を更に備え、
前記位相判定回路は前記レプリカ遅延回路により遅延された前記第2のクロック信号と前記第1のクロック信号とを入力し、両者の位相差を判定し、
前記遅延量調整回路は、前記両者の位相差が少なくなるように前記可変遅延回路の遅延量を制御することを特徴とする請求項4または5記載の半導体装置。
【請求項7】
第1のタイミングで可変遅延回路における遅延量を第1の遅延量に調整し、
第2のタイミングで前記可変遅延回路における前記遅延量を前記第1の遅延量から第2の遅延量に調整し、
第3のタイミングで前記可変遅延回路における前記遅延量を前記第2の遅延量から第3の遅延量に調整する遅延量調整方法であって、
前記第1のタイミングから前記第2のタイミングまでの時間差は前記第2のタイミングから前記第3のタイミングまでの時間差と異なることを特徴とする遅延量調整方法。
【請求項8】
前記第1乃至第3のタイミングにおける遅延量の調整が前記可変遅延回路に入力されるクロック信号と前記可変遅延回路から出力されるクロック信号との位相差に基づいて行われることを特徴とする請求項7記載の遅延量調整方法。
【請求項9】
前記第1乃至第3のタイミングを含む遅延量の調整を行うタイミングの周期が固定されずに、かつ、平均して一定の周期で遅延量の調整を行うことを特徴とする請求項7または8記載の遅延量調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−205165(P2011−205165A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67494(P2010−67494)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】