説明

半導体装置

【課題】シリカアルミナゲルを含有する材料を使用し、防湿及び吸湿機能を有する半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体チップ101と、前記半導体チップを封止するパッケージ104乃至144とを備える半導体装置100であって、前記パッケージ104乃至144は、シリカアルミナゲルを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特にシリカアルミナゲルを含有する材料を使用し、防湿および吸湿機能を有するパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造プロセスは、イオン注入等からなるドーピング、絶縁膜の形成、リソグラフィ、エッチング等からなる前工程と、ダイシング、マウント、ボンディング、モールド、マーキング等の後工程とに分類され、後工程においては、ICチップをパッケージに収納する半導体パッケージ技術がある。特に、半導体装置においてパッケージ技術は、高温、高湿等の外部環境からICチップを保護する機能を果している。
【0003】
ところで、湿気は、半導体装置に様々な弊害をもたらしている。例えば、半導体装置においては、湿気により、パッケージを組み立てた後、表面実装での加熱において水分が気化し、パッケージ内部に剥離があると剥離面に水蒸気圧が印加されて、内圧として作用する。この圧力によりパッケージに膨れを生じたり、樹脂が内圧に耐えられずにクラックを生じたりする。表面実装後のパッケージにクラックが発生すると水分や不純物が侵入し、チップを腐蝕させるという、パッケージクラックの弊害がある。
また、半導体装置に使用されるパッケージのリードフレームの酸化、およびボールグリットアレイ等に用いられる配線基板の配線箇所の酸化による接触不良等の弊害がある。これらの弊害により、湿気は半導体装置の誤動作および半導体装置の故障、低寿命の原因となっている。
【0004】
これらの弊害を防止するために、パッケージ内部に半導体チップの主面を除いた箇所にシリカゲル等の乾燥剤と暗色顔料を充填したシリコーン製のゲル状吸湿性樹脂を滴下塗布することで、パッケージ内部の結露を取り除き吸湿を行うことが提案されている(特許文献1)。
【0005】
また、パッケージ内部に半導体チップとリードフレームをダイボンドする際、ダイボンド剤に乾燥剤を混合することで、パッケージ内部の結露を取り除き吸湿を行うことが提案されている(特許文献2)。
【0006】
さらに、パッケージ内部に半導体チップを設置するリードフレームのワイヤーボンディングされる箇所の下部に乾燥剤を封入することで、パッケージ内部の結露を取り除き吸湿を行うことが提案されている(特許文献3)。
【0007】
加えて、パッケージの製造に使用されるリードフレームの経時安定性を維持するために酸素および水分を取り去ったガスバリア性容器内に密封することで、リードフレームの保存を行うことが提案されている(特許文献4)。
【0008】
加えて、包装用樹脂フィルムを製袋した袋内半導体封止用エポキシ樹脂成形材料を用いた半導体チップを包装するとともに、乾燥剤も同一袋に包装して封緘することを特徴とするような半導体封止用のエポキシ樹脂成形材料を用いた梱包方法が提案されている(特許文献5)。
【特許文献1】特開2004−22928号公報
【特許文献2】特開平10−242336号公報
【特許文献3】特開平10−289963号公報
【特許文献4】特開平9−207966号公報
【特許文献5】特開2004−90971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示した半導体装置では、乾燥剤が半導体チップを覆う箇所が少ないため、パッケージ内部の結露を取り除き、吸湿を行うことにつき限界がある。
【0010】
また、特許文献2に開示した半導体装置では、ダイボンド剤に乾燥剤を混合することにより、吸湿効果が低下する可能性がある。
【0011】
さらに、特許文献3に開示した半導体装置では、乾燥剤が半導体チップを覆う箇所が少ないところ、吸湿が完全ではないという問題がある。
【0012】
加えて、特許文献4に開示した半導体装置では、リードフレームの保存に際し、容器の大きさが要求されるため、保管スペースが必要となるという問題がある。また、ガスバリア性容器から取り出し、パッケージにリードフレームを格納すれば吸湿効果がなくなるという問題がある。
【0013】
加えて、特許文献5に開示した技術では、梱包開封後に、吸湿を行うことが困難であり、パッケージにリードフレームを格納すれば吸湿効果がなくなるという問題がある。
【0014】
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、外部からの湿気に対して防湿および吸湿に絶大な効果を発揮するとともに、どの様なパッケージ形態にも対応可能であり、面倒な乾燥剤等の添付も行わずに、低コストでかつ環境にも配慮しつつ防湿吸湿を行う半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明のある実施の態様によれば、基板に接合された半導体チップと、該半導体チップを封止するパッケージとを備える半導体装置であって、前記パッケージは、シリカアルミナゲルを含むことを特徴とする半導体装置が提供される。
【0016】
このような構成とすることにより、外部からの湿気の進入を防ぐことから半導体装置の吸湿効果を高め、パッケージ廃棄においても無害であることから容易に廃棄することが可能になる。なお、該材料は安価なコストで実現することが可能である。
【0017】
このとき、前記パッケージは、シリカアルミナゲルを含有する材料をパッケージ構成材料に混合または配合して形成されることを特徴としてもよい。
【0018】
このような構成とすることにより、パッケージの成型時にシリカアルミナゲルを含有する材料をプラスチックまたはセラミックと混合してパッケージを作成することができ、防湿吸湿効果を得ることが可能である。
【0019】
このとき、前記パッケージは、シリカアルミナゲルを含まないパッケージ構成部材の表面側にシリカアルミナゲルを含有する部材を配したことを特徴としてもよい。
【0020】
なお、前記パッケージは、シリカアルミナゲルを含まないパッケージ構成部材の表面側にシリカアルミナゲルを含有するシート部材を接着または接合したことを特徴としてもよい。
【0021】
なお、前記パッケージは、シリカアルミナゲルを含まないパッケージ構成部材の表面側にシリカアルミナゲルを含有するシート部材を内包することを特徴としてもよい。
【0022】
かかる構成とすることにより、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質を材料として作成した半導体装置パッケージと同程度の吸湿効果を得ることが可能である。
【0023】
このとき、前記パッケージは、半導体チップと基板の間にシリカアルミナゲルを含有するシート部材を配して形成されたことを特徴としてもよい。
【0024】
かかる構成とすることにより、半導体チップと基板の間にシリカアルミナゲルを含有するシート部材を配して形成することで、吸湿効果を高めることが可能である。
【0025】
また、基板に接合された半導体チップをパッケージにより封止する半導体装置の製造方法であって、パッケージ金型内に基板接合された半導体チップを設置する工程と、シリカアルミナゲルを含有しないパッケージ材料をパッケージ金型に流し込む工程と、焼成硬化させる工程と、金型から取り出したパッケージ表面にシリカアルミナゲルを含有するシート部材を接着または接合する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0026】
さらに、基板に接合された半導体チップをパッケージにより封止する半導体装置の製造方法であって、パッケージ金型内に基板接合された半導体チップを設置するとともに、該パッケージ金型の内面にシリカアルミナゲルを含有するシート部材を貼り付ける工程と、シリカアルミナゲルを含有しないパッケージ材料をパッケージ金型に流し込む工程と、焼成硬化させる工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0027】
加えて、基板に接合された半導体チップをパッケージにより封止する半導体装置の製造方法であって、パッケージ金型内に基板接合された半導体チップを設置する工程と、シリカアルミナゲルを含有しないパッケージ材料をパッケージ金型に流し込み、続いて、シリカアルミナゲルを含有するシート部材を入れ、その後、再度、シリカアルミナゲルを含有しないパッケージ材料をパッケージ金型に流し込む工程と、焼成硬化させる工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように本発明によれば、シリカアルミナゲルを含有するパッケージを供給することで、安価な費用で湿気の侵入による半導体装置の酸化の抑制および湿気の除去を実現する。また、本発明に係る半導体装置を使用した後の廃棄においても、環境に配慮した天然材質を用いる材料の使用により、無公害での該半導体装置を処分することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0030】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の半導体装置の構成について、図面を使用しながら説明する。図1(a)および(b)、ならびに、図2(a)および(b)は、本発明における半導体装置の第1の実施の形態の構成を説明するための断面図である。
【0031】
図1(a)に示されるように、本実施の形態における半導体装置201は、半導体チップ101、リードフレーム102、パッケージ104、ボンディングワイヤー106を備えている。半導体チップ101、リードフレーム102およびボンディングワイヤー106は、パッケージ104で封止される。図1(b)に示されるように、半導体装置202は、半導体チップ101、パッケージ基板103、パッケージ104、ボンディングワイヤー106、さらに半田ボール107を備えてもよい。半導体チップ101、パッケージ基板103およびボンディングワイヤー106は、パッケージ104で封止される。
【0032】
また、図2(a)に示されるように、半導体装置203は、半導体チップ101、リードフレーム102、パッケージ114、ボンディングワイヤー106を備えている。半導体チップ101、リードフレーム102およびボンディングワイヤー106は、パッケージ114で封止される。図2(b)に示されるように、半導体装置204は、半導体チップ101、パッケージ基板103、パッケージ114、ボンディングワイヤー106、さらに半田ボール107を備えてもよい。半導体チップ101、パッケージ基板103およびボンディングワイヤー106は、パッケージ114で封止される。
【0033】
リードフレーム102は、QFP等のパッケージに使用されるものであり、例えば、銅合金またはニッケル合金等が材料として選択される。リードフレーム102は、銅合金またはニッケル合金からなる金属板を加工して成形される。
【0034】
パッケージ基板103は、CSP等の半導体パッケージに使用されるプリント基板であり、例えば、セラミックまたは樹脂等が材料として選択される。
【0035】
ボンディングワイヤー106は、半導体チップ101とリードフレーム102を接続するための金属細線であり、直径30μmの金細線等が用いられる。
【0036】
半田ボール107は、半導体チップ101からの入出力インターフェイスであり、パッケージ基板103に接合されている。例えば、半田ボール107とパッケージ基板103は、高温により溶けて接合される。
【0037】
パッケージ104は、一般的に半導体チップ101を収納するための特殊な容器であり、材料としてモールド、ガラス、セラミック、プラスチック、シリカアルミナゲル等が選択される。なお、シリカアルミナゲルと混合する材料としては、例えば、珪素、炭化珪素、ジルコニアまたは窒化アルミニウム等が挙げられる。また、接着または接合する場合のシリカアルミナゲルと混合する材料としては、例えば、エポキシ樹脂、メラミン樹脂またはフェノール樹脂等が挙げられる。
【0038】
パッケージ114は、半導体チップ101を収納するための特殊な容器であり、材料として、プラスチック、セラミック、シリカアルミナゲル等が選択される。
【0039】
シリカアルミナゲルについて説明する。シリカアルミナゲルは、シリカアルミナともアルミナゲルとも呼ばれ、シリカアルミナ系の粘土類に由来する。多孔質の物質であり、孔の内に水分を吸収し、保持する力(ヒステリレス作用)が強い。発熱はほとんどなく、潮解性もない。利点としては、湿度、温度の多少の変化では吸水した水分を放出しないこと、低温度から高温度まで一定した吸水力を持っていること、腐食に強いことが挙げられる。また、安全な乾燥剤であり、低コストで入手することができる。
【0040】
ここで、本発明の実施形態1の特徴とするところは、半導体装置を製造する過程でシリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質を材料として、その粘土物質をパッケージの金型に流し込み、焼成工程にて硬化することでパッケージを製造し、該パッケージで半導体チップ101を覆う点にある。ここで、かかる点に関して、本発明に係る実施形態の半導体製造プロセスの後工程における封止工程について説明する。
【0041】
まず、封止工程の前段階として、ダイボンディング工程、ワイヤボンディング工程について説明する。ダイボンディング工程では、半導体チップ101をリードフレーム102またはパッケージ基板103の上に載せて固定する。例えば、リードフレーム102またはパッケージ基板103の上に、あらかじめポリイミド樹脂等の耐熱性のある接着剤を塗布する。そして、前記リードフレーム102またはパッケージ基板103の上に半導体チップ101が載せられ、加熱硬化されて固定される。ワイヤボンディング工程では、リードフレーム102と半導体チップ101との間をボンディングワイヤー106を用いてワイヤボンディングを行う。
【0042】
封止工程では、パッケージ金型内に、ダイボンディング済みリードフレーム102またはパッケージ基板103に基板接合された半導体チップを設置する工程がある。次に、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質を材料として、その粘土物質をパッケージ金型に流し込む工程がある。該粘土物質をブランジャーで加圧し、その中で該粘土物質が高圧で押し込まれ、流動化した該粘土物質を移送し、該粘土物質を焼成硬化する工程がある。このような封止工程により、パッケージ104を形成して、該パッケージ104で半導体チップ101を覆うことで防湿性の高い半導体装置を完成することができる(図1(a)および(b)参照)。
【0043】
また、封止工程では、パッケージ金型内に、ダイボンディング済みリードフレーム102またはパッケージ基板103に基板接合された半導体チップ101を設置する工程がある。次に、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質を材料として、その粘土物質とプラスチックまたはセラミックと混合したものをパッケージ金型に流し込む工程がある。次に、該粘土物質をブランジャーで加圧し、その中で該粘土物質が高圧で押し込まれ、流動化した該粘土物質を移送し、該粘土物質を焼成硬化する工程がある。このような封止工程により、パッケージ114を形成して、該パッケージ114で半導体チップ101を覆うことで防湿性の高い半導体装置を完成することができる(図2(a)および(b)参照)。
【0044】
(第2の実施の形態)
本発明の半導体装置の構成について、図面を使用しながら説明する。図3(a)および(b)、ならびに図4(a)および(b)は、本発明における半導体装置の第2の実施の形態の構成を説明するための断面図である。
【0045】
図3(a)に示されるように、本実施の形態における半導体装置205は、半導体チップ101、リードフレーム102、パッケージ構成部材108、ボンディングワイヤー106、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105を備えている。パッケージ124は、パッケージ構成部材108と、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105とを含む。
図3(b)に示されるように、半導体装置206は、半導体チップ101、パッケージ基板103、パッケージ構成部材108、ボンディングワイヤー106、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105、さらに半田ボール107を備えてもよい。パッケージ124は、パッケージ構成部材108と、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105とを含む。
なお、半導体チップ101、リードフレーム102またはパッケージ基板103、およびボンディングワイヤー106は、パッケージ124で封止される。
【0046】
また、図4(a)に示されるように、半導体装置207は、半導体チップ101、リードフレーム102、パッケージ構成部材108、ボンディングワイヤー106、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105を備えている。パッケージ124は、パッケージ構成部材108と、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105とを含む。
図4(b)に示されるように、半導体装置208は、半導体チップ101、パッケージ構成部材108、ボンディングワイヤー106、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105、さらに半田ボール107を備えてもよい。パッケージ124は、パッケージ構成部材108と、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105とを含む。
なお、半導体チップ101、リードフレーム102またはパッケージ基板103、およびボンディングワイヤー106は、パッケージ124で封止される。
【0047】
半導体チップ101、リードフレーム102、パッケージ基板103、ボンディングワイヤー106、半田ボール107は、本発明に係る実施形態1と同様である。パッケージ124は、パッケージ構成部材108と、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105とを含み、パッケージ構成部材108の表面側に前記シリカアルミナゲルを含有する部材105を配してなるものである。パッケージ構成部材108は、例えば、プラスチックまたはセラミック等を材料として構成される。105は、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したものである。なお、105は、好ましくは粘着性を有することが望ましい。かかるシート部材の粘着性により、前記シート部材105がパッケージ144内において、固定され、半導体チップ101のところに落ちるのを防止することができる。
【0048】
ここで、本発明の実施形態2の特徴とするところは、図3(a)および(b)に示されるように、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105をパッケージ金型にはめ込み、その後に、例えば、プラスチックまたはセラミックをパッケージ金型に流し込み、焼成工程にて硬化することで、該プラスチックまたはセラミックを材料とするパッケージ構成部材108の表面側に、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105を接着または接合した点にある。
また、本発明の実施形態2の特徴とするところは、図4(a)および(b)に示されるように、半導体製造プロセスの後工程において、例えば、プラスチックまたはセラミックをパッケージ124の金型に流し込み、焼成工程にて硬化したその後に、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105を、該プラスチックまたはセラミックを材料とするパッケージ構成部材108の表面側に配する点にある。
【0049】
本発明に係る実施形態の半導体製造プロセスの後工程における封止工程について説明するが、封止工程の前段階として、ダイボンディング工程、ワイヤボンディング工程については、本発明に係る実施形態1と同様である。
【0050】
封止工程では、パッケージ金型内に、ダイボンディング済みリードフレーム102またはパッケージ基板103に基板接合された半導体チップ101を設置する工程がある。次に、例えば、プラスチックまたはセラミックをパッケージ124の金型に流し込む工程がある。該プラスチックまたはセラミックをブランジャーで加圧し、その中で該プラスチックまたはセラミックが高圧で押し込まれ、流動化した該プラスチックまたはセラミックを移送し、該プラスチックまたはセラミックを焼成硬化する工程がある。次に、パッケージ金型から取り出したパッケージ124の表面にシリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105を接着または接合する工程がある。例えば、接着または接合は、絶縁性透明樹脂および銀ペースト等を用いて行う。このような封止工程により、パッケージ124を形成して、該パッケージ124で半導体チップ101を覆うことで防湿性の高い半導体装置を完成することができる(図3(a)および(b)参照)。
【0051】
また、封止工程では、パッケージ金型内に基板接合された半導体チップを設置するとともに、該パッケージ金型の内面にシリカアルミナゲルを含有するシート状に加工したもの105を貼り付ける工程がある。次に、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質を材料として、その粘土物質をパッケージ124の金型に流し込む工程がある。次に、例えば、プラスチックまたはセラミックをパッケージ124の金型に流し込む工程がある。次に、該プラスチックまたはセラミックをブランジャーで加圧し、その中で該プラスチックまたはセラミックが高圧で押し込まれ、流動化した該プラスチックまたはセラミックを移送し、該プラスチックまたはセラミックを焼成硬化する工程がある。かかる工程により、パッケージ124を形成して、該パッケージ124で半導体チップ101を覆うことで防湿性の高い半導体装置を完成することができる(図4(a)および(b)参照)。
【0052】
(第3の実施の形態)
本発明の半導体装置の構成について、図面を使用しながら説明する。図5(a)および(b)は、本発明に係る半導体装置の実施例3を示す断面図である。
【0053】
図5(a)に示されるように、本実施の形態における半導体装置209は、半導体チップ101、リードフレーム102、パッケージ構成部材109、ボンディングワイヤー106、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105を備えている。パッケージ134は、パッケージ構成部材109と、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105とを含む。
図5(b)に示されるように、半導体装置210は、半導体チップ101、パッケージ基板103、パッケージ構成部材109、ボンディングワイヤー106、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105、さらに半田ボール107を備えてもよい。パッケージ134は、パッケージ構成部材109と、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105とを含む。
なお、半導体チップ101、リードフレーム102またはパッケージ基板103、およびボンディングワイヤー106は、パッケージ134で封止されている。
【0054】
半導体チップ101、リードフレーム102、パッケージ基板103、ボンディングワイヤー106、半田ボール107は、本発明に係る実施形態1と同様である。パッケージ134は、パッケージ構成部材109と、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105とを含む。パッケージ構成部材109は、例えば、材料としてモールド、ガラス、セラミック、プラスチック等が選択される。105は、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したものである。
【0055】
ここで、本発明の実施形態3の特徴とするところは、図5(a)および(b)に示されるように、半導体製造プロセスの後工程において、半導体チップ101とリードフレーム102またはパッケージ基板103の間に、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105を配して形成される点にある。本発明に係る実施形態の半導体製造プロセスの後工程における封止工程について説明する
【0056】
封止工程の前段階として、ダイボンディング工程、ワイヤボンディング工程について説明する。ダイボンディング工程では、半導体チップ101をリードフレーム102またはパッケージ基板103の上に載せる。半導体チップ101とリードフレーム102またはパッケージ基板103の間に、半導体チップ101の裏面にシリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105を入れる。例えば、上方向から熱と圧力をかけて、半導体チップ101の裏面に、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105をダイボンディングする。ワイヤボンディング工程では、リードフレーム102と半導体チップ101との間をワイヤボンディングする。
【0057】
封止工程では、パッケージ金型内に、ダイボンディング済みリードフレーム102またはパッケージ基板103に基板接合された半導体チップ101を設置する工程がある。次に、例えば、プラスチック、セラミックまたは樹脂をパッケージ134の金型に流し込む工程がある。該プラスチック、セラミックまたは樹脂をブランジャーで加圧し、その中で該プラスチック、セラミックまたは樹脂が高圧で押し込まれ、流動化した該プラスチック、セラミックまたは樹脂を移送し、該プラスチック、セラミックまたは樹脂を焼成硬化する工程がある。このような封止工程により、パッケージ134を形成して、防湿性の高い半導体装置を完成することができる(図5(a)および(b)参照)。
【0058】
(第4の実施の形態)
本発明の半導体装置の構成について、図面を使用しながら説明する。図6(a)および(b)は、本発明に係る半導体装置の実施例4を示す断面図である。
【0059】
図6(a)に示されるように、本実施の形態における半導体装置211は、半導体チップ101、リードフレーム102、パッケージ構成部材110、ボンディングワイヤー106、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105を備えている。パッケージ144は、パッケージ構成部材110と、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105とを含む。
図6(b)に示されるように、半導体装置212は、半導体チップ101、パッケージ基板103、パッケージ構成部材110、ボンディングワイヤー106、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105、さらに半田ボール107を備えてもよい。
なお、半導体チップ101、リードフレーム102またはパッケージ基板103、およびボンディングワイヤー106は、パッケージ144で封止される。
【0060】
半導体チップ101、リードフレーム102、パッケージ基板103、ボンディングワイヤー106、半田ボール107は、本発明に係る実施形態1と同様である。パッケージ144は、パッケージ構成部材110と、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105とを含み、例えば、パッケージ構成部材110の表面側に、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105を内包するものである。パッケージ構成部材110は、例えば、プラスチックまたはセラミック等を材料として構成される。105は、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したものである。なお、105は、好ましくは粘着性を有することが望ましい。かかるシート部材の粘着性により、前記シート部材105がパッケージ144内において、固定され、半導体チップ101のところに落ちるのを防止することができる。
【0061】
ここで、本発明の実施形態4の特徴としては、半導体製造プロセスの後工程において、例えば、プラスチックまたはセラミックをパッケージ144の金型に流し込み、続いてシリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105を入れ、その後、再度、プラスチックまたはセラミックをパッケージ144の金型に流し込み、焼成工程にて硬化する。すなわち、本発明の実施形態4の特徴とするところは、例えば、プラスチックまたはセラミックを材料とするパッケージ構成部材110の表面側に、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105を内包する点にある。
【0062】
本発明に係る実施形態の半導体製造プロセスの後工程における封止工程について説明するが、封止工程の前段階として、ダイボンディング工程、ワイヤボンディング工程については、本発明に係る実施形態1と同様である。
【0063】
封止工程では、封止工程では、パッケージ金型内に、ダイボンディング済みリードフレーム102またはパッケージ基板103に基板接合された半導体チップ101を設置する工程がある。次に、例えば、プラスチックまたはセラミックをパッケージ144の金型に流し込み、続いてシリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの105を入れ、その後、再度、プラスチックまたはセラミックをパッケージ144の金型に流し込む工程がある。流し込まれた前記プラスチックまたはセラミック等をブランジャーで加圧し、その中で該プラスチックまたはセラミック等が高圧で押し込まれ、流動化した該プラスチックまたはセラミック等を移送し、該プラスチックまたはセラミック等を
焼成硬化する工程がある。このような封止工程により、パッケージ144を形成して、該パッケージ144で半導体チップ101を覆うことで防湿性の高い半導体装置を完成することができる。
【0064】
ところで、環境問題という観点より、上記実施の形態に係る半導体装置は、鉛やハロゲン化合物を含むものでなく、シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質を材料として用いているので、環境に配慮した材料を使用している。
【0065】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明における半導体装置の第1の実施の形態の構成を説明するための断面図である。
【図2】本発明における半導体装置の第1の実施の形態の構成を説明するための断面図である。
【図3】本発明における半導体装置の第2の実施の形態の構成を説明するための断面図である。
【図4】本発明における半導体装置の第2の実施の形態の構成を説明するための断面図である。
【図5】本発明における半導体装置の第3の実施の形態の構成を説明するための断面図である。
【図6】本発明における半導体装置の第4の実施の形態の構成を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0067】
101 半導体チップ
102 リードフレーム
103 パッケージ基板
104 パッケージ
105 シリカアルミナゲルを含有する天然の粘土物質をシート状に加工したもの
106 ボンディングワイヤー
107 半田ボール
108 パッケージ構成部材
109 パッケージ構成部材
110 パッケージ構成部材
114 パッケージ
124 パッケージ
134 パッケージ
144 パッケージ
201 半導体装置
202 半導体装置
203 半導体装置
204 半導体装置
205 半導体装置
206 半導体装置
207 半導体装置
208 半導体装置
209 半導体装置
210 半導体装置
211 半導体装置
212 半導体装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に接合された半導体チップと、該半導体チップを封止するパッケージとを備える半導体装置であって、
前記パッケージは、シリカアルミナゲルを含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記パッケージは、シリカアルミナゲルを含有する材料をパッケージ構成材料に混合または配合して形成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記パッケージは、シリカアルミナゲルを含まないパッケージ構成部材の表面側にシリカアルミナゲルを含有する部材を配したことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記パッケージは、シリカアルミナゲルを含まないパッケージ構成部材の表面側にシリカアルミナゲルを含有するシート部材を接着または接合したことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記パッケージは、シリカアルミナゲルを含まないパッケージ構成部材の表面側にシリカアルミナゲルを含有するシート部材を内包することを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記パッケージは、半導体チップと基板の間にシリカアルミナゲルを含有するシート部材を配して形成されたことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
基板に接合された半導体チップをパッケージにより封止する半導体装置の製造方法であって、
パッケージ金型内に基板接合された半導体チップを設置する工程と、
シリカアルミナゲルを含有しないパッケージ材料をパッケージ金型に流し込む工程と、
焼成硬化させる工程と、
金型から取り出したパッケージ表面にシリカアルミナゲルを含有するシート部材を接着または接合する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
基板に接合された半導体チップをパッケージにより封止する半導体装置の製造方法であって、
パッケージ金型内に基板接合された半導体チップを設置するとともに、該パッケージ金型の内面にシリカアルミナゲルを含有するシート部材を貼り付ける工程と、
シリカアルミナゲルを含有しないパッケージ材料をパッケージ金型に流し込む工程と、
焼成硬化させる工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
基板に接合された半導体チップをパッケージにより封止する半導体装置の製造方法であって、
パッケージ金型内に基板接合された半導体チップを設置する工程と、
シリカアルミナゲルを含有しないパッケージ材料をパッケージ金型に流し込み、続いて、シリカアルミナゲルを含有するシート部材を入れ、その後、再度、シリカアルミナゲルを含有しないパッケージ材料をパッケージ金型に流し込む工程と、
焼成硬化させる工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate