説明

半導体製造検査装置の遠隔保守システムおよび遠隔保守方法

【課題】エラー保守依頼取り決め事項に則って保守依頼が決められることに加え、エラーの状況に応じて半導体製造検査装置を使用する使用者の意思により保守依頼ができる使い勝手の良い半導体製造検査装置の遠隔保守システムを提供すること。
【解決手段】エラー保守依頼取り決め事項は、エラー種別毎に、保守センタ側にエラーの保守依頼をする/しない、無料保証期間、保守料金を含む項目が定められ、発生したエラーが、製造検査装置用端末機によりエラー保守依頼取り決め事項でのエラーの保守依頼をする方に選択され、かつ保守料金の有料/無料および無料保証期間の内/外に関する前記項目に照らして保守料金の支払い対象に決められたときには、半導体製造検査装置を使用するユーザ側の判断で保守依頼の取り止めにするか、エラーの保守依頼を実行するか、選択できる選択手段を設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造検査装置の遠隔保守方法やシステムに関わり、特に、電子メールやボイスメールなどの通信技術により、半導体製造検査装置の情報を半導体製造検査装置の使用者が許可する範囲内で積極的に活用し、かつ保守することを可能とした遠隔保守方法やシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、メーカの半導体製造検査装置と装置供給ベンダの保守センタとはインターネットを介して接続され、保守センタから遠隔で半導体製造検査装置を保守することが提案されている。特開平11−15520号公報(特許文献1)にも、インターネットを用いた遠隔保守システムが提案されており、このシステムを利用すれば半導体製造装置検査装置の設置地域を問わずに半導体製造装置検査装置の保守を行うことができる。
【0003】
特開平11−175139号公報(特許文献2)は、鉄鋼、圧延、発電等のプラントに係わるもので、異常や事故等のイベントが発生したときに、それぞれの発生イベントに応じてイベント送信先が選択されるようになっている。これは、それぞれの発生イベントに対応する送信データの送信先を予めイベント別送信先設定部として設定していることで、発生イベントに応じた送信先が自動的に選択されるのである。
【0004】
【特許文献1】特開平11−15520号公報
【特許文献2】特開平11−175139号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体製造装置検査装置において、半導体製造装置検査装置のユーザ側だけでは対応できないエラーやトラブルが発生した場合には、装置供給ベンダによる保守が必要となる。しかし、実際にエラーが発生した場合に、そのエラーの解決には装置供給ベンダによる保守が必要であるかどうか、保守契約の内容(有償/無償の期間や料金)や半導体製造検査装置のユーザ側の対応能力によって違ってくるケースが多い。
【0006】
つまり、同機種の半導体製造検査装置で同じエラーが発生した場合でも、半導体製造検査装置を使うユーザと半導体製造検査装置を作って供給する機器装置供給ベンダ(保守センタを兼ねる場合が多い)で交わした保守契約の内容や半導体製造検査装置の使用者の対応能力によって、機器装置供給ベンダによる保守が必要な場合と必要でない場合が有る。そのため、同機種の半導体製造検査装置で同じエラーが発生した場合でも機器装置供給ベンダの保守センタにエラー発生を通知したり、通知しなかったりする必要があった。
【0007】
また、計算機を内蔵した半導体製造検査装置では、半導体製造検査装置の動作履歴などを表す機器情報を個々の半導体製造検査装置で蓄積することが可能である。このような機器情報は、エラーの原因を特定するためには有用であり、保守を行う上で非常に価値のある情報となる。
【0008】
例えば、どのようなプログラムをいつ実行し、半導体製造検査装置の各部位がどのように状態遷移し、どのような処理結果を得たかという機器情報を参照することができれば、エラーの原因がプログラムの内容に有るか否か,プログラムの実行順序に有るか否か,機器装置の特定部位に有るか否かといったことや,処理の結果が所望のもので有るか否かといったことを把握することができる。エラーの原因を特定するためには、この機器情報を取得することが重要となっている。
【0009】
しかしながら、複雑な処理を行う半導体製造検査装置の機器情報は膨大な量であり、全て機器情報を保守センタの保守装置に送ることは困難である。また、実際にエラーの原因究明を行うために有用な機器情報は、エラーの種類毎に異なっており、エラーの内容によっては、最初はどの機器情報データが必要か解らず、エラーの原因を解析しながら必要な機器情報データを探し出し原因究明を行う場合もある。また、機器情報には半導体製造検査装置上で実際にプログラム実行などを行わないと得られない情報もある。そのため、保守側から必要な機器情報を指定して取得する必要があった。
【0010】
また、エラー発生の報告・通知を機器装置供給ベンダの保守センタの端末機1ヶ所だけにしか送れないような場合、その端末機の画面(表示部)などを常時監視している保守員がいないと、エラー発生の発見が遅れてしまい、保守が送れてしまう事が有った。そのため、保守センタの端末機の近くにいる保守員へは音やランプによりエラー発生を通知し、近くにいない場合も考慮して、保守員や顧客の携帯電話および携帯端末など複数ヶ所への報告ができる必要があった。
【0011】
また、軽微なエラーは半導体製造検査装置の使用者(ユーザ)側で対応できるため、使用者側の端末機のみに報告するとか、重大エラーは全通知先に報告するとか、エラーの種類毎によって通知先が変えられる必要が有った。
【0012】
しかしながら、前記のように半導体製造検査装置と情報を自由に交換をしたい反面、エラーの原因究明には不可欠な機器情報には半導体製造検査装置が製造する製品の製造計画や製品の仕様などに関する機密情報が含まれることが多いため、第三者も利用できるインターネットを介しての機器情報の公開がされることは少なく、迅速にエラーに対処するための機器情報を取得することは必ずしも容易なことではなかった。このため、インターネットを利用した遠隔保守システムでは、いかに機器情報を安全に取得して保守に活用するかが大きな課題となっていた。そこで、より高いセキュリティーレベルの通信方法が必要とされ、暗号化などにより第三者への情報の漏洩を防ぐ必要が有った。
【0013】
また、エラーの原因究明に不可欠な機器情報のデータ量は増大する傾向にあり、通信経路の制限によっては、一回の通信では大量の機器情報を送ることができない事が有った。
【0014】
また、半導体製造検査装置は、お互いに関係を持って共同稼動している場合が多く、エラーの状態によっては相手機器装置を制御または停止する必要が有った。例えば、半導体製造検査装置Aから半導体製造検査装置Bへ製造物を渡して製造するシステムが有った場合、半導体製造検査装置Bがエラーによって停止した場合、半導体製造検査装置Aを止めないと、半導体製造検査装置Aから半導体製造検査装置Bに製造物を渡そうとして、半導体製造検査装置や製造物を壊してしまう場合がある。このような時、半導体製造装置検査装置Bでエラーが発生した事により、半導体製造検査装置Aを停止する手段が必要で有った。
【0015】
また、半導体製造検査装置は、複数台で関係を持って動いている場合が多く、自分の状態だけで相手を制御できない場合がある。そのような場合は、各半導体製造検査装置の状態をホストコンピュータで監視し、全体を制御するシステムが必要となり、システムとして全体を制御するためには、各半導体製造検査装置の状態の統計や結果を集計し、各半導体製造検査装置を制御する機能も必要であった。
【0016】
通常、簡単に復旧できるエラーが発生した場合には、ユーザ側の操作者が復旧を行うための操作を行い復旧させることができるが、何回やっても復旧しない場合は、機器装置供給ベンダ(保守センタ)による保守を行う必要がある。また、プログラムが停止してしまった場合などエラーそのものが発生しない場合もある。そのような時や操作者が保守の必要があると判断した場合に、簡単に保守依頼を行える必要があった。
【0017】
従来から、半導体製造検査装置を遠隔から保守するために、インターネットを利用したソケット通信などの通信技術による保守が考えられてきたが、実際に実施するためには電話回線の設置やインターネット環境の整備の問題や、セキュリティーの問題があり、あまり普及していないのが現状であった。そこで、既存の環境を使った高セキュリティー通信技術が必要であった。
【0018】
一方、最近の半導体製造検査装置はLANで接続されている場合が多く、また電子メールも簡単に接続できるようになっている場合が多い。今まで、電子メールは人から人への情報伝達手段で有ったが、この通信手段を半導体製造検査装置と半導体製造検査装置または半導体製造検査装置と保守装置との情報の伝達手段に採用できれば、特に新しい通信のための通信機材を設置することなく、既存の環境だけで高セキュリティーの遠隔保守を行うことができる。
【0019】
遠隔保守を行うための保守装置は、通常パーソナルコンピュータなどの情報処理機器であり、通常保守センタの事務所などに設置されているが、半導体製造検査装置でエラーなどが発生し保守装置の画面(表示部)に保守依頼を表示しても、保守装置の画面を常時監視して見ていないと保守依頼が即座には解らず、保守が遅れる原因となってしまう。そのため、何らかの手段により、保守装置の画面を見ていなくても保守依頼が解るようにする必要があった。
【0020】
また、保守者の休日や外出中に保守依頼を携帯電話や携帯端末機などに転送・通信し、保守依頼が有ったことを保守者に知らせる必要があった。
【0021】
また、最初に述べたように、半導体製造検査装置でエラーが発生した場合、保守装置にエラー発生を通知したり、通知しなかったり設定する必要があるが、その設定や変更を半導体製造検査装置毎に行う事は大変であり、保守装置側で一括して実施し、保守装置側で報告内容の拒否をするか、半導体製造検査装置にその設定内容を送付し、その設定内容に従って報告させる必要があった。
【0022】
通常、保守には有料と無料の保守があり、有料保守に関してはユーザに確認してから行う必要がある。また、保証期間切れにより、最初は無料だった保守がある時期から有料に変わる事もあった。
【0023】
本発明は、上述した課題に鑑み、予め取り交わされた取り決めに従ってエラーの保守依頼をする/しないが決められることに加え、エラーの状況に応じて半導体製造検査装置を使用する使用者の意思により保守依頼ができる半導体製造検査装置の遠隔保守システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明によれば、半導体製造検査装置を備える製造施設と、この製造施設の半導体製造検査装置で生じるエラーの復旧支援を担う保守センタと、エラーに関するエラー情報や復旧支援に関する復旧支援情報を前記製造施設と前記保守センタとの間で交わすのに使うインターネットを含む通信手段と、エラーの復旧を依頼するために結んだエラー保守依頼取り決め事項を管理する製造検査装置用端末機を有し、前記エラー保守依頼取り決め事項に則って前記製造検査装置用端末機がエラーの保守依頼を決める半導体製造検査装置の遠隔保守システムにおいて、前記エラー保守依頼取り決め事項は、エラー種別毎に、保守センタ側にエラーの保守依頼をする/しない、無料保証期間、保守料金を含む項目が定められ、発生したエラーが、前記製造検査装置用端末機により前記エラー保守依頼取り決め事項でのエラーの保守依頼をする方に選択され、かつ保守料金の有料/無料および無料保証期間の内/外に関する前記項目に照らして保守料金の支払い対象に決められたときには、半導体製造検査装置を使用するユーザ側の判断で保守依頼の取り止めにするか、エラーの保守依頼を実行するか、選択できる選択手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
以上述べたように、本発明によれば、エラー保守依頼取り決め事項に則って保守依頼が決められることに加え、エラーの状況に応じて半導体製造検査装置を使用する使用者の意思により保守依頼ができる使い勝手の良い半導体製造検査装置の遠隔保守システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の実施形態を図面を引用して以下詳細に説明する。
【0027】
この実施形態は、本発明を適用した半導体製造装置検査装置の遠隔保守システムおよび遠隔保守方法である。このシステムは、半導体製造検査装置上でのトラブルやエラー発生時に、半導体製造検査装置の使用者が許可する範囲内で、個々の半導体製造検査装置に蓄積された機器情報を保守員に対して安全に公開し、迅速にエラーから復帰することを可能とするものである。
【0028】
なお、エラーは、半導体製造検査装置の端末機のディスプレーに表示されるエラーはもちろん半導体製造検査装置全体が止まるシステムダウンのような大きなエラ−も含む。
【0029】
本発明が扱える半導体製造検査装置には、計算機を内蔵していること以外に制限はないが、本実施形態の説明では半導体製造検査装置として半導体製造工場(製造施設)で使用する露光装置、塗布現像装置、熱処理装置、組み立て装置、検査装置などの半導体製造に用いられる各種装置やシステムを想定する。
【0030】
以下では、これらの装置やシステムを半導体製造検査装置と総称する。また、本発明が扱える機器情報には半導体製造検査装置の状態や履歴を表すデータであること以外には制限がないが、本実施形態の説明では、プログラムの実行履歴、センサの状態履歴、ウェーハの処理結果を機器情報として想定する。以下では、これらの情報を表すデータを機器データと総称する。
【0031】
まず、図1を引用して半導体製造検査装置の遠隔保守システムの概略から述べる。
【0032】
100は、半導体製造検査装置を供給する会社(以下、機器装置供給ベンダと記す)の保守センタである。200は、半導体製造検査装置を使用して半導体デバイスを製造する会社(以下、半導体製造メーカと記す)の製造工場(製造施設)である。
【0033】
図1に示したシステムでは1つの製造施設200が示されているが、実際には2つ以上の製造施設200があってもよい。また製造施設200は、互いに異なる半導体製造メーカに属する工場であっても同一の半導体製造メーカに属する工場であってもよい。
【0034】
製造施設200には、複数の半導体製造検査装置201がイントラネット203で結ばれている。またイントラネット203には、メールサーバ202、ホストコンピュータ205が結ばれている。イントラネット203はファイアウォール/ゲートウェイ204を介してインタネット300に接続され、このインタネット300を介して保守センタ100側に接続されている。
【0035】
保守センタ100は、半導体製造検査装置の保守を行う1つ以上の保守装置101と、保守センタ内で電子メールの送受信を行うためのメールサーバ102と、保守センタ内のイントラネット103と、インターネット300を接続するためのファイアウォール/ゲートウェイ104とを有する。
【0036】
保守センタ100の各機器は、イントラネット103を介して接続されている。また、保守装置101は、保守依頼の電子メールが届いた事を保守員に知らせるためのブザー報知/ランプ報知105が接続されている。
【0037】
保守センタ100に設けられたファイアウォール/ゲートウェイ104と、製造工場200に設けられたファイアウォール/ゲートウェイ204は、インターネット300を介して接続されている。
【0038】
半導体製造検査装置201は、半導体製造検査機器本体210と半導体製造検査装置用の端末機220を有する。端末機220は、CPU221、管理用データテーブル222、入力部223、表示部224、通信部225を有する。CPU221で各種の演算処理が行われる。管理用データテーブル222は、エラー保守依頼取り決め事項等を格納する。入力部223は、キーボード、マウス等を含み、入力、切り替え等の操作信号を入力する。表示部224は、エラーの発生、有料、料金等の表示を行う。通信部225は、半導体製造検査機器本体210やイントラネット203と情報をやり取りする。
【0039】
図3の(イ)エラー保守依頼取り決め事項を示している。
【0040】
このエラー保守依頼取り決め事項は、半導体製造検査装置を使用するユーザ側と、半導体製造検査装置を供給する会社(機器装置供給ベンダまたは保守センタ)とが、半導体製造検査装置に発生するエラーの保守に関して結ぶ契約である。
【0041】
エラー保守依頼取り決め事項は、発生エラーの種別、保守依頼、無料保証期間、保守料金、報告先等の項目に分けられる。各エラー別に保守依頼をする/しない、無料保証の期限、保守料金の金額、保守依頼の送り先が、ユーザ側と保守センタ側で取り決められ、このエラー保守依頼取り決め事項は、半導体製造検査装置201の端末機220の管理用データテーブル222に格納される。
【0042】
また発生エラーの種別によっては、保守依頼が二つの内容になっているものもある。(1)では保守依頼を(しない)であるが、(2)では(自主復旧不可時には依頼する)である。これは、本来ならユーザ側の操作スタッフが復旧できるはずであるが、部品等の故障で本来の復旧で対応できない場合がある。このようなことが予想されるエラーには、(2)を予備につける。また操作スタッフが不在のため、自主復旧ができない非常時にも(自主復旧不可時には依頼する)と同等の扱いを受ける取り決めを結ぶこともできる。
【0043】
図5に沿って発生したエラーの処理について述べる。
【0044】
この処理フローは、図3の(イ)の前記(1)に対応する。
【0045】
ここでの処理は、ステップS501で始まる。半導体製造検査装置201でエラーが発生した場合、エラー発生有りと認識され(ステップS502)、端末機220の表示部224にエラー表示(ステップS503)がされる。これとともに管理用データテーブル222に格納されているエラー保守依頼取り決め事項の項目に則って、発生したエラーとエラー保守依頼取り決め事項との対比(ステップS504)が行われる。保守依頼をしない方に判定された場合には、処理の終りのステップS510で処理終了する。
【0046】
保守依頼をする方に判定された場合には、保守料金の有料/無料(ステップS505)が判定される。保守料金が無料の方に判定された場合には、保守依頼を送信する(ステップS509)を踏んで、処理の終りのステップS510に至る。
【0047】
ステップS505で、保守料金が有料の方に判定された場合には、さらに無料保証期間の内/外(ステップS507)が判定される。無料保証期間内の方に判定された場合には、保守依頼を送信する(ステップS509)を踏んで、処理の終りのステップS510に至る。
【0048】
無料保証期間外の方に判定された場合には、端末機220の表示部224に保守料金の金額が表示される(ステップS506)。
【0049】
ユーザは、表示部224に表示されている保守料金の金額等を考慮して保守依頼する/しない(ステップS508)を判断し、端末機220の入力部223(選択手段)を用いて保守依頼の取り止めをするか、エラーの保守依頼するかのいずれかを選択実行する。保守依頼をしない方を選択手段で選択実行したときは、処理の終りのステップS510で処理終了する。保守依頼をする方を選択手段で選択実行したときは、保守依頼を送信する(ステップS509)を踏んで、処理の終りのステップS510に至る。
【0050】
このように、発生したエラーの保守依頼は、端末機に備わるエラー保守依頼取り決め事項に則って決められる。これに加え、エラーの保守依頼をする方に判定され、かつ保守料金の有料/無料および無料保証期間の内/外に関する前記項目に照らして保守料金の支払い対象になるときには、最終判断は半導体製造検査装置を使用するユーザ側に求められる。保守料金がかかる最終判断では、ユーザ側の意思が反映され、使い勝手が向上する。
【0051】
図6に沿って発生したエラーの他の処理について述べる。
【0052】
この処理フローは、図3の(イ)の前記(2)に対応する。
【0053】
図6の処理は、図5の処理と共通するところが多い。共通するところは図5と同じ符号を付して重複説明は、できるだけ省略する。
【0054】
さて、ステップS503で保守依頼しない方に判定されると、保守依頼しないは実行が留保される。この留保の状態で第1回自主復旧実行(ステップS601)が行なわれる。この自主復旧でエラーが回復したときは、処理の終りのステップS510で処理終了する。
【0055】
エラーが回復しないときは、第2回自主復旧実行(ステップS602)が行なわれる。エラーが回復したときは、処理の終りのステップS510で処理終了する。エラーが回復しないときは、第3回自主復旧実行(ステップS603)が行なわれる。
【0056】
第3回自主復旧実行(ステップS603)でエラーが回復したときは、処理の終りのステップS510で処理終了する。エラーが回復しないときは、ユーザが保守依頼する/しない(ステップS604)でユーザ側に判断が求められる。ステップS604で、保守依頼しない方を選択したときは処理の終りのステップS510で処理終了する。ステップS604で、保守依頼する方を選択したときは前述したステップS505の判定を受けるフローに移り、その先は前述した処理フローをたどる。
【0057】
ステップ(S601.S602.S603)が含まれる自主復旧コース601と、ステップ(S604.S508)が含まれるユーザによる保守依頼判断ステップ606は、ユーザ側の意思により選択判断が行なわれる。この選択操作は、前述したように端末機220の入力部223(選択手段)を用いて実行される。
【0058】
この処理フローによれば、自主復旧コースを行うことができ、復旧ができないときに保守センタに保守依頼ができるので、ユーザ側にとって保守費用の節約と、保守依頼の双方が実現でき、さらに使い勝手が向上する。
【0059】
保守依頼は半導体製造検査装置201の端末機220から送られ、イントラネット203を経由してメールサーバ202に入る。この後、保守依頼はメールサーバ202から再度、イントラネット203を経由して製造施設200側のファイアウォール/ゲートウェイ204を通過し、インターネット300に送られる。このインターネット300を流れ保守依頼は保守センタ100側に届く。
【0060】
保守依頼は、保守センタ100のファイアウォール/ゲートウェイ104を通過してイントラネット103に入り、ここを経てメールサーバ102に入る。この後、保守依頼は、メールサーバ102からイントラネット103を経て保守装置101に届く。保守装置101がメールサーバ102に保守依頼の有無を随時、読みに行くようにしても良い。
【0061】
保守依頼は、保守装置の報告先が図3の(イ)に示すように、予めエラー保守依頼取り決め事項によって決っているので、所定のところに届く。保守依頼の内容は、図4に示す電子メールの表示形式で表示される。
【0062】
また、保守依頼は半導体製造検査装置201の端末機220のディスプレイーには、図3の(ロ)に示すようなエラーの表示が行われ、この表示上の(保守依頼する)、(保守依頼しない)のボタンを含むアイコンをクリックすることで何れかを選択実行できる。
【0063】
この保守依頼を含む情報の機密保護が計られるように講じられている。
【0064】
製造施設200と保守センタ100とでの交わす保守依頼を含む情報の送受信は、インタネット300を介して行われるので、第三から傍受される恐れがある。
【0065】
そこで、保守依頼内容を含むメッセージや機器データを暗号化して送付する事により、機密保護を計られる。また、保守装置側で暗号化してある保守依頼本文を受信した場合に、復元できるように、暗号化を行った時の暗号化鍵を保守依頼本文とは別メール(以下、鍵メールと記す)で送っておく。メールサーバ202は、半導体製造検査装置201から送られた保守依頼と機器データおよび鍵メールを宛先である保守装置101の在るメールサーバ102に、イントラネット203とファイアウォール/ゲートウェイ204とインターネット300とファイアウォール/ゲートウェイ104とイントラネット103を順に通って送付される。
【0066】
保守センタ100に設けられた保守装置101は、半導体製造装置検査装置201からの保守依頼が無いかどうかメールサーバ102から読み込み、保守装置101に保守依頼と機器データおよび鍵メールが受信される。この時、鍵メールにより暗号化された保守依頼本文や機器データを復元する。このようにして機密保護が計られるのである。
【0067】
上記では、本文の暗号化と復元を半導体製造検査装置201および保守装置101で行った例を示したが、メールサーバ202で本文を暗号化して、本文と鍵メールとを別宛先で送信し、メールサーバ102で受信後に本文と鍵メールにより復元するなど、サーバ自体に暗号化の仕組みを持たせてもよい。
【0068】
保守装置は、保守依頼を含む情報を受けると、図8に示すような処理を行う。
【0069】
保守装置は、通常、パーソナルコンピュータなどの情報処理機器や端末機の類である。この保守装置には、エラー保守依頼取り決め事項を格納しなくてもよいが、ここではエラー保守依頼取り決め事項を格納し、代わりに半導体製造検査装置の端末機にエラー保守依頼取り決め事項を備えない場合を例に説明する。
【0070】
半導体製造検査装置の端末機は、エラー保守依頼取り決め事項を格納していないので、半導体製造検査装置の発生されたエラーは全部が保守装置に送られるものとする。
【0071】
さて、保守装置101は、ステップS801で処理が開始される。ステップS802では、保守装置101に来る情報を(イ)保守依頼、(ロ)情報要求の返信、(ハ)その他の区分けで判別する。
【0072】
ステップS802で、(ハ)その他に判定されたときは、処理の終りのステップS807で処理終了する。(ロ)情報要求の返信(後で詳しく述べる)に判別されたときは、ステップS804でブザーが鳴るブザー報知が行われ、ステップS805でランプ点灯のランプ報知が行われ、さらにステップS806で保守員の携帯電話や携帯端末機に通知される。これにより、保守装置101のところに待機している場合はもちろん、保守装置101からは離れているときでも、保守員は(ロ)情報要求の返信があったことを知ることができる。保守員は保守装置を操作して情報要求の返信の内容や機器データの内容を確認できる。
【0073】
ステップS802で、(イ)保守依頼に判定されたときにはステップS803に進む。ステップS803では、保守依頼の発生エラーとエラー保守依頼取り決め事項との対比が行われ、その発生エラーがエラー保守依頼取り決め事項の該当外のときは、保守依頼該当しないと判定され、処理の終りのステップS807で処理終了する。
【0074】
その対比で、保守依頼該当すると判定されると、ステップS804(ブザー報知)、ステップS805(ランプ報知)、ステップS806(保守員の携帯電話や携帯端末機に通知)により、保守員は保守依頼を知る。保守員は保守装置を操作して保守依頼の内容や機器データの内容を確認できる。ステップS806の通知を経てステップS807で処理は終了する。
【0075】
なお、保守依頼に含まれるデータには、半導体製造装置検査装置の識別子を表す装置ID、トラブルの症状を表すエラーコードやメッセージとがある。機器データには、半導体製造装置検査装置の動作履歴などが含まれる。また保守依頼には、トラブルが発生した日時を表すデータ、半導体製造工場の識別子を表すデータ、当該半導体製造装置検査装置の種別を表すデータなども含まれる。
【0076】
保守装置が、トラブルやエラーの原因や対処方法が解らない場合の対応について述べる。
【0077】
保守依頼と機器データの内容だけでは情報不足で、エラーの原因や対処方法が解らない場合には、エラーの原因究明に必要な機器データなどを半導体製造検査装置201から送ってもらう。この求めは、電子メールを用いてする。保守装置101から送付する情報の要求を表すメッセージ(以下、情報要求と記す)は、保守装置101からメールサーバ102に送られる。また、この情報要求には半導体製造検査装置201上で情報を収集するためのプログラム(以下、収集プログラムと記す)を添付してもよい。この情報要求本文や収集プログラムを暗号化して送付する事により、機密保護できる。また、半導体製造検査装置201で暗号化してある保守依頼本文や収集プログラムを受信した場合に、復元できるように、鍵メールを情報要求本文とは別メールで送っておく。メールサーバ102は、保守装置101から送られた情報要求と収集プログラムおよび鍵メールを宛先である半導体製造検査装置201の在るメールサーバ202に、イントラネット103とファイアウォール/ゲートウェイ104とインターネット300とファイアウォール/ゲートウェイ204とイントラネット203を順に通って送付される。製造工場200に設けられた半導体製造検査装置201は、保守装置101からの情報要求が無いかどうかメールサーバ202から読み込み、半導体製造検査装置201に情報要求と収集プログラムおよび鍵メールを受信する。この時、鍵メールにより暗号化された情報要求本文や収集プログラムを復元する。
【0078】
保守装置の情報要求に応じた半導体製造検査装置側の情報収集について、図7に沿って説明する。
【0079】
半導体製造検査装置201の情報収集は、端末機220で行われる。
【0080】
情報収集の処理は、ステップS701で開始される。ステップS702で保守装置からの情報要求がないと判定されると、ステップS709で処理は終了する。
【0081】
ステップS702で保守装置からの情報要求があると判定されると、ステップS703に進む。ステップ703では情報要求内容の解読・把握が行われる。
【0082】
指定された機器情報の取得(S704)に関する要求に対しては、それに関するファイル等が開示され、要求に該当する情報の収集(S707)が行われる。また制御動作の実行(S705)に関する要求に対しては、該当する制御作動を行って要求される情報の収集(S705)が行われる。さらに収集プログラムの実行(S706)に関する要求に対しては保守装置から送り届けられた収集プログラムを用いて要求情報の収集(S707)が行われる。
【0083】
こうして収集された情報はステップ(S708)で、保守装置宛に返信され、ステップS709で処理は終了する。このステップ(S708)の保守装置宛返信が前述した図8の(ロ)情報要求の返信に該当する。
【0084】
保守装置側では、半導体製造検査装置から届けられた(ロ)情報要求の返信に基づく種々の情報を手がかりエラーの原因や対処方法の検討を重ね、半導体製造検査装置を復旧させる的確なエラー復旧解決方法を見出すことができる。
【0085】
ユーザ側は、このエラー復旧解決方法を用いて半導体製造検査装置のエラーを復旧させることができる。
【0086】
半導体製造検査装置の共同稼動運転について、図9に示す処理フローに沿って述べる。
【0087】
この処理フローは、複数台の半導体製造検査装置が共同稼動して製造検査している作業中に発生したエラーの対処を示している。
【0088】
ステップS901で処理が開始する。(A)半導体製造検査装置と、(B)半導体製造検査装置が共同稼動運転中に(A)半導体製造検査装置にエラーが発生(S902)したときには、自ら稼動運転の停止を行う。それと併せて、共同稼動相手である(B)半導体製造検査装置にも運転停止指示(S903)を行って処理終了(S904)する。
【0089】
こうすることで、一方の半導体製造検査装置が止まっているときに他方の半導体製造検査装置が動くことはなく、製造検査中の製品や半導体製造検査装置の破損を未然に防止できる。
【0090】
複数の半導体製造検査装置の全体的な運転管理について図10の処理フローに沿って説明する。
【0091】
ステップS1001で処理が開始する。(C)半導体製造検査装置201でエラーが発生(ステップS1002)すると、複数の半導体製造検査装置201の全体的な運転管理を司るホストコンピュータ205は、ステップS1003で発生したエラーの重要度を判定する。エラーの重要度が(大)と判定されると、他の半導体製造検査装置の運転停止指示(ステップS1004)をする。そして、ステップS1006で処理を終了する。
【0092】
エラーの重要度が(小)と判定されると、他の半導体製造検査装置の運転継続指示(ステップS1005)をする。そして、ステップS1006で処理を終了する。
【0093】
ホストコンピュータ205は、製造施設200で稼動する半導体製造検査装置の全体的の運転状況を把握管理する。半導体製造検査装置で、発生する種々のエラーについて分析、集計、統計等のデータを作成し、これらのデータをも考慮してホストコンピュータ205は、半導体製造検査装置の全体的な運転管理を行う。
【0094】
このように半導体製造検査装置に発生するエラーの内容の重要度を判定することにより、製造施設で稼動する半導体製造検査装置の全体的な運転維持管理を良く行なうことができる。
【0095】
先にエラー保守依頼取り決め事項の管理について、半導体製造検査装置の端末機側でしたり、保守装置側でしたりすることを述べた。
【0096】
ここでは、エラー保守依頼取り決め事項を半導体製造検査装置の端末機側で管理しないで、保守装置側で管理する場合のメリットについて述べる。
【0097】
保守装置は、通常パーソナルコンピュータなどの情報処理機器や端末機の類である。保守装置は、前述したように、通常、パーソナルコンピュータなどの情報処理機器や端末機の類であるが、保守に関する情報を主に扱う。この保守装置は、複数の半導体製造検査装置に対する保守を担うので、各半導体製造検査装置毎のエラー保守依頼取り決め事項を個々に管理する管理用データテーブルを備えている。
【0098】
保守するエラーの追加変更や保守料金等の変更に関する管理用データテーブルへのデータの入れ替えは、そのことに熟知した保守装置側で行なわれるので、そのことに不慣れな半導体製造検査装置側ですることはない。半導体製造検査装置を使用するユーザへのサービスになるとともにデータの入れ替えミスもなくなる。
【0099】
保守依頼や情報要求に関する情報量は多く、電子メールで一度に送れない。数多く分割して送ることになる。これを一つの纏まった情報に作り直すのは、半導体製造検査装置と保守装置に行なわせたり、メールサーバ同士に行なわせるので、エラー復旧に必要な情報を十分に送ることができる。
【0100】
半導体製造検査装置の端末機側で管理するエラー保守依頼取り決め事項の更新変更について述べる。
【0101】
保守するエラーの追加変更や保守料金等に関するエラー保守依頼取り決め事項の変更は保守装置で行なう。変更されたエラー保守依頼取り決め事項を電子メールで半導体製造検査装置側に送り、そこの端末機の管理用データテーブルに格納されていたエラー保守依頼取り決め事項と入れ替える。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の実施形態に係わるもので、製造施設と保守センタをインタネットで結んだ半導体製造検査装置の遠隔保守システムの概略ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係わるもので、半導体製造検査装置の概略を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係わるもので、エラー保守依頼取り決め事項の内訳を表にまとめて表す図と、端末機のディスプレイーに表示されるエラーの図とを示す。
【図4】本発明の実施形態に係わるもので、保守センタ側に送られたエラー保守依頼の内容を示す電子メール本文である。
【図5】本発明の実施形態に係わるもので、半導体製造検査装置に発生したエラーの処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係わるもので、半導体製造検査装置に発生したエラーの処理を示す他のフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係わるもので、保守センタ側から要求された情報要求の処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係わるもので、半導体製造検査装置側から送られた保守依頼を含む機器情報を保守装置が処理するフローを示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係わるもので、2台または数台の半導体製造検査装置が共同稼動中にエラーが発生したときに、相手側の半導体製造検査装置にも稼動を止める指示のフローを示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態に係わるもので、製造施設の半導体製造検査装置に発生したエラーを重要度を判定して他の半導体製造検査装置の運転停止/運転継続を指示するフローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0103】
100…保守センタ、101…保守装置、102…メールサーバ、103…イントラネット、104…ファイアウォール/ゲートウェイ、105…ブザー/ランプ、200…製造工場(製造施設)、201…半導体製造検査装置、202…メールサーバ、203…イントラネット、204…ファイアウォール/ゲートウェイ、300…インターネット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体製造検査装置を備える製造施設と、この製造施設の半導体製造検査装置で生じるエラーの復旧支援を担う保守センタと、エラーに関するエラー情報や復旧支援に関する復旧支援情報を前記製造施設と前記保守センタとの間で交わすのに使うインターネットを含む通信手段と、エラーの復旧を依頼するために結んだエラー保守依頼取り決め事項を管理する製造検査装置用の端末機を有し、前記エラー保守依頼取り決め事項に則って前記端末機がエラーの保守依頼を決める半導体製造検査装置の遠隔保守システムにおいて、
前記エラー保守依頼取り決め事項は、エラー種別毎に、保守センタ側にエラーの保守依頼をする/しない、無料保証期間、保守料金を含む項目が定められ、
発生したエラーが、前記端末機により前記エラー保守依頼取り決め事項でのエラーの保守依頼をする方に選択され、かつ保守料金の有料/無料および無料保証期間の内/外に関する前記項目に照らして保守料金の支払い対象に決められたときには、半導体製造検査装置を使用するユーザ側の判断で保守依頼の取り止めにするか、エラーの保守依頼を実行するか、選択できる選択手段を設けたことを特徴とする半導体製造検査装置の遠隔保守システム。
【請求項2】
半導体の製造または/および検査を行う半導体製造検査装置の遠隔保守システムにおいて、
前記半導体製造検査装置で発生するエラーの復旧支援を担う保守センタ側が、半導体製造検査装置を備える製造施設側との間でインターネットを含む通信手段を用いて交わすエラー情報や復旧支援情報のやり取りは締結されているエラー保守依頼取り決め事項に則って行なわれ、
前記エラー保守依頼取り決め事項は、エラー種別毎に、保守センタ側にエラーの保守依頼をする/しない、無料保証期間、保守料金を含む項目が定められ、
発生したエラーが、前記端末機により前記エラー保守依頼取り決め事項でのエラーの保守依頼をする方に選択され、かつ保守料金の有料/無料および無料保証期間の内/外に関する前記項目に照らして保守料金の支払い対象に決められたときには、半導体製造検査装置を使用するユーザ側の判断で保守依頼の取り止めにするか、エラーの保守依頼を実行するか、選択できる選択手段を設けたことを特徴とする半導体製造検査装置の遠隔保守システム。
【請求項3】
請求項2記載の半導体製造検査装置の遠隔保守システムにおいて、
発生したエラーが、前記半導体製造検査装置の端末機により前記エラー保守依頼取り決め事項内のエラーの保守依頼をしない方に選択されたときには、保守依頼をしない方の実行が留保され、
実行が留保されているもとで、半導体製造検査装置を使用するユーザ側が自主的なエラーの復旧操作を行い、
前記ユーザ側がエラーの復旧を成し遂げることが出来ないときには、ユーザ側の判断で前記留保から保守センタ側にエラーの保守依頼をする方に選択できることを特徴とする半導体製造検査装置の遠隔保守システム。
【請求項4】
請求項2記載の半導体製造検査装置の遠隔保守システムにおいて、
前記製造検査装置の端末機は表示部を有し、
前記表示部にエラーの発生や保守料金を表示することを特徴とする半導体製造検査装置の遠隔保守システム。
【請求項5】
請求項2に記載された半導体製造検査装置の遠隔保守システムにおいて、
前記エラー情報は、前記半導体製造検査装置を特定する装置ID、エラーコード、エラーの内容/前記半導体製造検査装置の運転状況、エラー発生の時期および運転履歴に関する運転関連情報/半導体製造検査装置の種別に関する機器関連情報を含むことを特徴とする半導体製造検査装置の遠隔保守システム。
【請求項6】
請求項2に記載された半導体製造検査装置の遠隔保守システムにおいて、
前記復旧支援情報は、復旧支援に向け前記半導体製造検査装置の運転関連情報および機器関連情報の提供を半導体製造検査装置に求める機器情報報告要求を含むことを特徴とする半導体製造検査装置の遠隔保守システム。
【請求項7】
請求項6に記載された半導体製造検査装置の遠隔保守システムにおいて、
前記復旧支援情報の機器情報報告要求は、前記半導体製造装置検査装置の指示試行作動による復旧支援情報収集を含むことを特徴とする半導体製造検査装置の遠隔保守システム。
【請求項8】
請求項6に記載された半導体製造検査装置の遠隔保守システムにおいて、
前記復旧支援情報の機器情報報告要求は、保守センタが提供する復旧支援情報収集プログラムを用いて前記半導体製造装置検査装置より収集する情報収集を含むことを特徴とする半導体製造検査装置の遠隔保守システム。
【請求項9】
請求項2に記載された半導体製造検査装置の遠隔保守システムにおいて、
前記製造施設に複数の前記半導体製造検査装置が備えられ、かつ半導体製造検査装置はイントラネットで結ばれ、
前記半導体製造検査装置は、自らの前記エラー情報を他の半導体製造検査装置にイントラネットを介して配送できることを特徴とする半導体製造検査装置の遠隔保守システム。
【請求項10】
請求項2に記載された半導体製造検査装置の遠隔保守システムにおいて、
前記保守センタは複数の保守装置を有し、
前記エラー保守依頼取り決め事項には、問い合わせ先の前記保守装置がエラー種別毎に定められ、
発生するエラーの種別に応じて保守依頼する前記保守装置が選択されることを特徴とする半導体製造検査装置の遠隔保守システム。
【請求項11】
請求項2に記載された半導体製造検査装置の遠隔保守システムにおいて、
前記エラー情報や前記復旧支援情報を送信元で暗号化し、暗号化された暗号情報と暗号化鍵を別送し、受信元では暗号化鍵を用いて暗号情報を復元することを特徴とする半導体製造検査装置の遠隔保守システム。
【請求項12】
請求項2に記載された半導体製造検査装置の遠隔保守システムにおいて、
必要に応じ前記エラー情報や前記復旧支援情報を分割して送り、受け取った方で復元することを特徴とする半導体製造検査装置の遠隔保守システム。
【請求項13】
請求項2に記載された半導体製造検査装置の遠隔保守システムにおいて、
前記製造施設に複数の前記半導体製造検査装置が備えられ、かつ半導体製造検査装置は
イントラネットで結ばれ、
2台または数台の半導体製造検査装置が共同稼動中にエラーが発生したときには、エラーを起こした半導体製造検査装置が自ら稼動を止めるとともに相手側の半導体製造検査装置にも稼動を止める指示をすることを特徴とする半導体製造検査装置の遠隔保守システム。
【請求項14】
請求項2に記載された半導体製造検査装置の遠隔保守システムにおいて、
前記製造施設に複数の前記半導体製造検査装置が備えられ、かつ半導体製造検査装置はイントラネットで結ばれ、このイントラネットにつながるホストコンピュータを有し、
前記ホストコンピュータは、複数の前記半導体製造検査装置で発生する種々のエラーについて分析、集計、統計等のデータを作成し、これらのデータをも考慮して半導体製造検査装置全体の運転管理を行うことを特徴とする半導体製造検査装置の遠隔保守システム。
【請求項15】
請求項2に記載された半導体製造検査装置の遠隔保守システムにおいて、
前記通信手段として電子メールやボイスメールを利用することを特徴とする半導体製造検査装置の遠隔保守システム。
【請求項16】
請求項2に記載された半導体製造検査装置の遠隔保守システムにおいて、
前記保守センタに保守装置を設け、この保守装置にエラーの保守依頼が届いた際にブザーや音声などの音で報知したり、ランプの点灯で報知したりする報知手段を保守装置に設けたことを特徴とする半導体製造検査装置の遠隔保守システム。
【請求項17】
請求項2に記載された半導体製造検査装置の遠隔保守システムにおいて、
前記保守センタに保守装置を設け、この保守装置にエラーの保守依頼が届いた際に保守員の携帯電話や携帯端末にも保守依頼の通報をすることを特徴とする半導体製造検査装置の遠隔保守システム。
【請求項18】
半導体の製造または/および検査を行う半導体製造検査装置の遠隔保守方法において、
前記半導体製造検査装置で生じるエラー情報や復旧支援情報を半導体製造検査装置が備わる製造施設側と保守センタ側との間でインターネットを含む通信手段により交わされ、エラーの復旧を依頼するために結んだエラー保守依頼取り決め事項を管理する半導体製造検査装置の端末機が、前記エラー保守依頼取り決め事項に則ってエラーの保守依頼を決め、
発生したエラーが、前記端末機により前記エラー保守依頼取り決め事項でのエラーの保守依頼をする方に選択され、かつ無料保証期間外で保守料金の支払い対象に決められたときには、半導体製造検査装置を使用するユーザ側の判断で選択手段により保守依頼の取り止めにするか、エラーの保守依頼を実行するか、選択できることを特徴とする半導体製造検査装置の遠隔保守方法。
【請求項19】
半導体の製造または/および検査を行う半導体製造検査装置の遠隔保守方法において、
前記半導体製造検査装置で発生するエラーの復旧支援を担う保守センタ側が、半導体製造検査装置を備える製造施設側との間でインターネットを含む通信手段を用いて交わすエラー情報や復旧支援情報のやり取りは締結されているエラー保守依頼取り決め事項に則って行なわれ、
エラー保守依頼取り決め事項は前記保守装置で管理され、前記製造施設側から送られ手来るエラーの保守依頼を請負か、否かを保守装置側がエラー保守依頼取り決め事項に則って決めることを特徴と半導体製造検査装置の遠隔保守方法。
【請求項20】
半導体の製造または/および検査を行う半導体製造検査装置の遠隔保守方法において、
前記半導体製造検査装置で発生するエラーの復旧支援を担う保守センタ側が、半導体製造検査装置を備える製造施設側との間でインターネットを含む通信手段を用いて交わすエラー情報や復旧支援情報のやり取りは締結されているエラー保守依頼取り決め事項に則って行なわれ、
前記エラー保守依頼取り決め事項を前記保守装置と前記半導体製造検査装置の端末機とで管理し、
前記エラー保守依頼取り決め事項の更新にともなう手直し作業を前記保守装置で行い、
手直したエラー保守依頼取り決め事項が前記保守装置から前記端末機に送付され、前のエラー保守依頼取り決め事項と入れ替えが行なわれることを特徴とする半導体製造検査装置の遠隔保守方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−13282(P2006−13282A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−190829(P2004−190829)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】