説明

半導体製造装置及び半導体装置の搬送方法

【課題】半導体装置の静電破壊の低減化を図る。
【解決手段】吸着パッド12における支持部12cの肉厚が吸着部12aの肉厚より薄く、かつ支持部12cが屈曲可能に形成されていることにより、吸着パッド12によってIC13を真空吸着した際に、支持部12cが屈曲することで、IC13と接触する吸着部12aの滑りを抑えてIC13の表面と吸着部12aとの間で起こる摩擦を低減することができ、IC13の表面での帯電を少なくすることができる。その結果、IC13の静電気放電による破壊を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置及び半導体装置の搬送技術に関し、特に、半導体装置の静電破壊の低減化に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体パッケージを吸着搬送する搬送装置において、半導体パッケージを吸着パッドにより吸い上げ、上下移動用シリンダー、及び上下移動用ガイドと、前後移動用シリンダー、及び前後移動用ガイドにより半導体パッケージを移載する技術が、例えば、特開平5−77185号公報(特許文献1)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−77185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
静電気放電(ESD:Electro Static Discharge) による半導体デバイス「以下、半導体デバイスをIC(Integrated Circuit)または半導体装置ともいう」の破壊防止のために、後工程(組立て〜テスト)設備での対策が求められている。
【0005】
パッケージングされた工程以降での半導体装置(IC)の帯電要因は「工程間搬送時のトレイ等との摩擦帯電」と「設備内の吸着パッドによる摩擦帯電」のみと言っても過言ではない。
【0006】
その際、「工程間搬送時の摩擦帯電」の場合は発生源対策や事後対策の選択肢があるが、「設備内の吸着パッドによる摩擦帯電」に関しては発生源を無くさなければ、対策が出来ないことが分かった。
【0007】
そこで、本発明者は、真空吸着により吸着パッドを介して吸着保持された半導体装置の搬送について検討を行った。
【0008】
図29は、本発明者が比較検討した半導体製造装置(テストハンドラ)の構成を示す斜視図、図30は図29のA部の構造を拡大して示す部分断面図、図31は図29のテストハンドラに設けられた吸着パッドのスリーブとの結合状態を示す断面図、図32は図31に示す吸着パッドのスリーブとの結合後の構造を示す断面図、図33は図32に示す吸着パッドの構造を示す外観斜視図、図34は図33に示す吸着パッドの構造を示す断面図である。
【0009】
また、図35は図29に示すテストハンドラを用いて半導体装置を吸着搬送する際の吸着前の構造を示す部分断面図、図36は図29に示す吸着パッドによって半導体装置を吸着搬送する際のパッド接触時の構造を示す部分断面図、図37は図29に示す吸着パッドによって半導体装置を吸着している時の構造を示す部分断面図、図38は図29に示す吸着パッドによって半導体装置を吸着搬送している時の構造を示す部分断面図である。
【0010】
さらに、図39は図29に示す吸着パッドによる半導体装置の吸着を停止した際の構造を示す部分断面図、図40は図29に示す吸着パッドを半導体装置から離反させた際の構造を示す部分断面図、図41はテスト終了後の半導体装置を図29に示す吸着パッドによって吸着した際の構造を示す部分断面図である。
【0011】
まず、図29及び図30を用いて本発明者が検討した比較例のテストハンドラ100の構成について説明する。テストハンドラ100は、吸着パッド30が設けられた吸着ヘッド部101を有する供給トランスファ3を備えており、さらに供給トランスファ3とは別に供給トランスファ3と同様の機構を持つ、コンタクト供給トランスファ4、コンタクト排出トランスファ6、及び収納トランスファ7を備えている。
【0012】
さらに、テストハンドラ100は、空きトレイを格納する空トレイ格納1,10、テスト結果に基づいて良品ICを格納する良品IC格納8及び不良品ICを格納する不良品IC格納9等を備えている。
【0013】
また、図31〜図34に吸着パッド30と吸着パッド30が固定される吸着スリーブ11の構造を示す。図31に示すように、吸着パッド30は、吸着スリーブ11に矢印B方向に押し込まれて装着される。吸着パッド30の先端のIC接触面30bを備えた吸着部30aはラッパ型である。なお、吸着パッド30は、非金属製であり、吸着スリーブ11は、金属製である。
【0014】
テストを未だ実施していない未測定のIC(半導体装置)13をテストする際には、未測定のIC13を格納する未測定IC格納2から、供給トランスファ3によってIC13を搬送し、コンタクト供給トランスファ4を経由してIC測定部5に搬送する。その際、吸着・離脱動作で帯電したIC13のリード14は、IC測定部5の接地された図40に示す測定コンタクトピン16に触れ、一瞬にして静電気放電が発生し破壊されるという問題がある。
【0015】
その吸着・離脱動作でIC13が帯電するメカニズムとリード14が測定コンタクトピン16に触れ、静電気放電が発生して破壊される詳細メカニズムを図35〜図40に示す。
【0016】
図35はIC13を吸着する前の状態である。図36に示すように吸着スリーブ11の下降Cにより吸着パッド30も降下し、吸着パッド30の吸着部30aのIC接触面30bがIC13の表面を滑りながら押し付けられるため、吸着パッド30とIC13の表面は「パッドの滑り」によって摩擦し、例えばIC13の表面には−(マイナス)電荷が発生し帯電する。
【0017】
図37は、吸着パッド30が、IC13を押し付けた状態で、電磁弁17の開放により吸着パッド30の内部が真空源18の負圧(矢印D)により、真空排気状態となりIC13を吸着している状態である。図38はIC13を吸着パッド30が吸着保持し、この状態でIC13を搬送している構造を示している。
【0018】
このテストハンドラ100では、図35〜図38の一連の動作を供給トランスファ3とコンタクト供給トランスファ4で2回行い、IC13をIC測定部5まで運ぶ。
【0019】
図39は、例えばIC測定部5に運ばれたIC13は電磁弁17の遮断で真空排気が遮断され、IC13が離脱する際の状態を示している。吸着パッド30は元の形に戻ろうとする為、吸着パッド30の吸着部30aのIC接触面30bはIC13の表面を滑り、IC接触面30bとIC13の表面は「パッドの滑り」によって再度摩擦して、例えばIC13の表面は−電荷が更に帯電する。
【0020】
図40はIC13が離脱(離反)し、吸着パッド30が矢印Eの方向に上昇して、IC13のリード14が測定コンタクトピン16に触れる状態を示している。この時、IC13の表面に帯電した例えば−(マイナス)電荷は、測定コンタクトピン16を介して静電気放電し、IC13のゲート部が破壊される。このようにIC13が吸着パッド30から離反してから直ぐに測定コンタクトピン16に触れるため、イオナイザーによる除電のタイミングがなく、また、搬送先が測定コンタクトピン16であることから、放電を防ぐための絶縁や高抵抗表面処理も出来ず、対策方法がない。
【0021】
なお、IC13の帯電を抑えるために、カーボンを混ぜた「導電性のゴム吸着パッド」や「金属製パッド」等がある。
【0022】
ところが、前者の「導電性のゴム吸着パッド」は前述の内容と同様に、IC吸着/離脱時に摩擦により帯電する。
【0023】
また、劣化により常時吸着時の形状(縮んだ状態)となるため、高さ不足で吸着ミスが発生しない様に押え込み量を強くする必要がある。これにより摩擦力はより大きくなって、IC13の表面はより高帯電(200V以上)となり、高帯電に弱いIC13は破壊されることが課題である。
【0024】
また、ラッパ型の吸着部30aはIC13の中心(重心)を外れると、図41に示すように吸着姿勢が傾き、吸着が安定せず、搬送先で離脱する際に位置ズレが引き起こされることが課題である。
【0025】
後者の「金属製パッド」はIC13もほとんど帯電することもなく、静電気に関しては問題ないが、搬送中に吸着パッド30−IC13間に滑りが起こり、IC13の位置ズレが多発することが課題である。
【0026】
また、IC13の表面や金属性パッドの表面に異物等があると吸着ミスが頻繁して吸着保持が不安定になることが課題である。
【0027】
なお、前記特許文献1(特開平5−77185号公報)には、搬送装置の吸着ヘッドについての技術が開示されているが、そこに記載された吸着パッドによって半導体パッケージを吸着した際にも吸着パッドと半導体パッケージの間で摩擦が発生し、この摩擦により半導体パッケージ上で帯電が起こることが懸念される。
【0028】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、静電気放電を少なくして、半導体装置の破壊の低減化を図ることができる技術を提供することにある。
【0029】
また、本発明の他の目的は、吸着パッドによって半導体装置を吸着する際の半導体装置の吸着姿勢の安定化を図ることができる技術を提供することにある。
【0030】
さらに、本発明の他の目的は、半導体装置の吸着搬送におけるリードの変形を抑制することができる技術を提供することにある。
【0031】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0033】
代表的な実施の形態による半導体製造装置は、真空排気系に連通する中空部を形成し、かつ真空排気方向に沿って延びる筒状の吸着部と、前記吸着部と交差する方向に延在し、かつ前記吸着部を支持する支持部とを有する吸着パッドと、前記吸着パッドを備え、前記吸着パッドを介して半導体装置を真空吸着して搬送する吸着ヘッド部と、を有し、前記吸着パッドにおける前記支持部の肉厚は、前記吸着部の肉厚より薄く形成され、前記支持部は屈曲可能に形成されているものである。
【0034】
また、代表的な実施の形態による半導体装置の搬送方法は、(a)真空排気系に連通する中空部を形成し、かつ真空排気方向に沿って延びる筒状の吸着部と、前記吸着部と交差する方向に延在し、かつ前記吸着部を支持する支持部とを有する吸着パッドを備えた半導体製造装置において、前記真空排気系によって真空排気を行って前記吸着パッドの前記吸着部によって半導体装置を吸着保持する工程と、(b)前記半導体製造装置において、前記半導体装置を前記吸着パッドによって吸着保持した状態で搬送する工程と、を有し、前記吸着パッドにおける前記支持部の肉厚は、前記吸着部の肉厚より薄く形成され、前記(a)工程において前記真空排気系によって真空排気した際に、前記支持部が屈曲して前記吸着部によって前記半導体装置を真空吸着するものである。
【発明の効果】
【0035】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0036】
半導体装置を吸着保持する際に半導体装置の表面での帯電を少なくすることができ、半導体装置の静電気放電による破壊を低減することができる。
【0037】
また、真空吸着時の半導体装置の表面での帯電を少なくすることができるため、半導体装置の吸着姿勢の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態1の半導体製造装置の構造の一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示すA部の構造を拡大して示す部分断面図である。
【図3】図2に示す吸着パッドの構造の一例を示す外観斜視図である。
【図4】図3に示す吸着パッドの構造の一例を示す断面図である。
【図5】図3に示す吸着パッドのスリーブとの結合後の構造の一例を示す断面図である。
【図6】図3に示す吸着パッドの特徴部分の大きさの関係の一例を示す断面図である。
【図7】図3に示す吸着パッドの特徴部分の大きさの関係の一例を示す断面図である。
【図8】図3に示す吸着パッドの特徴部分の大きさの関係の一例を示す断面図である。
【図9】図3に示す吸着パッドの半導体装置吸着時の構造の一例を示す部分断面図である。
【図10】図3に示す吸着パッドによって半導体装置を吸着搬送する際のパッド接触時の構造を示す部分断面図である。
【図11】図3に示す吸着パッドによって半導体装置を吸着している時の構造を示す部分断面図である。
【図12】図3に示す吸着パッドによって半導体装置を吸着搬送している時の構造を示す部分断面図である。
【図13】本発明の実施の形態1の吸着パッドの第1変形例の構造を示す拡大部分断面図である。
【図14】本発明の実施の形態1の吸着パッドの第2変形例の構造を示す拡大部分断面図である。
【図15】図14に示す吸着パッドの詳細構造を示す拡大部分断面図である。
【図16】本発明の実施の形態2の吸着パッドの構造の一例を示す外観斜視図である。
【図17】図16に示す吸着パッドの構造の一例を示す断面図である。
【図18】図16に示す吸着パッドのスリーブとの結合後の構造の一例を示す断面図である。
【図19】図16に示す吸着パッドの特徴部分の大きさの関係の一例を示す断面図である。
【図20】図16に示す吸着パッドの特徴部分の大きさの関係の一例を示す断面図である。
【図21】図16に示す吸着パッドの特徴部分の大きさの関係の一例を示す断面図である。
【図22】図16に示す吸着パッドの半導体装置吸着時の構造の一例を示す部分断面図である。
【図23】図16に示す吸着パッドによって半導体装置を吸着搬送する際のパッド接触時の構造を示す部分断面図である。
【図24】図16に示す吸着パッドによって半導体装置を吸着している時の構造を示す部分断面図である。
【図25】図16に示す吸着パッドによって半導体装置を吸着搬送している時の構造を示す部分断面図である。
【図26】本発明の実施の形態の吸着パッドのIC接触面の他の第1変形例の構造を示す裏面図である。
【図27】本発明の実施の形態の吸着パッドのIC接触面の他の第2変形例の構造を示す裏面図である。
【図28】本発明の実施の形態の吸着パッドのIC接触面の他の第3変形例の構造を示す裏面図である。
【図29】比較例の半導体製造装置(テストハンドラ)の構成を示す斜視図である。
【図30】図29のA部の構造を拡大して示す部分断面図である。
【図31】図29のテストハンドラに設けられた吸着パッドのスリーブとの結合状態を示す断面図である。
【図32】図31に示す吸着パッドのスリーブとの結合後の構造を示す断面図である。
【図33】図32に示す吸着パッドの構造を示す外観斜視図である。
【図34】図33に示す吸着パッドの構造を示す断面図である。
【図35】図29に示すテストハンドラを用いて半導体装置を吸着搬送する際の吸着前の構造を示す部分断面図である。
【図36】図29に示す吸着パッドによって半導体装置を吸着搬送する際のパッド接触時の構造を示す部分断面図である。
【図37】図29に示す吸着パッドによって半導体装置を吸着している時の構造を示す部分断面図である。
【図38】図29に示す吸着パッドによって半導体装置を吸着搬送している時の構造を示す部分断面図である。
【図39】図29に示す吸着パッドによる半導体装置の吸着を停止した際の構造を示す部分断面図である。
【図40】図29に示す吸着パッドを半導体装置から離反させた際の構造を示す部分断面図である。
【図41】図29に示す吸着パッドによってテスト終了後の半導体装置を吸着した際の構造を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下の実施の形態では特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0040】
さらに、以下の実施の形態では便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
【0041】
また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
【0042】
また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0043】
また、以下の実施の形態において、構成要素等について、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0044】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0045】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の半導体製造装置の構造の一例を示す斜視図、図2は図1に示すA部の構造を拡大して示す部分断面図である。
【0046】
本実施の形態1の半導体製造装置は、半導体製造工程の後工程等で組み立てられた半導体装置(半導体パッケージまたは半導体デバイス等ともいう)を吸着保持して搬送する機構を備えたものであり、ここでは、前記半導体製造装置の一例として、図1に示すテストハンドラ50を例に挙げて説明する。
【0047】
すなわち、テストハンドラ50は、組み立てられた半導体装置であるIC13のテスト(測定)を行うとともに、テスト結果に基づいてIC13を良品・不良品に選別して格納する製造装置であり、IC測定部5へのIC13の搬送やテスト後の所定箇所への格納の際に、IC13を真空吸着によって保持しながら搬送することが可能な機構を備えているものである。
【0048】
本実施の形態1のテストハンドラ50の構成について説明すると、IC13を真空吸着して保持可能な吸着パッド12が設けられた吸着ヘッド部51を有する供給トランスファ3を備えている。吸着ヘッド部51は、吸着パッド12を備え、この吸着パッド12を介してIC13を真空吸着して搬送するものである。なお、吸着ヘッド部51には、真空排気を行うための真空排気系19が接続されている。この真空排気系19には、真空排気のON/OFFを行う電磁弁17と真空源18とが設けられており、真空排気系19は、吸着パッド12が取り付けられる吸着スリーブ11に連通している。
【0049】
さらに、供給トランスファ3は、図2に示すように吸着ヘッド部51を図1のX、Y、Z方向に移動自在な機構を備えており、これによって、吸着パッド12によって吸着保持されたIC13をX、YまたはZ方向に搬送することができる。
【0050】
さらに、テストハンドラ50は、供給トランスファ3とは別に供給トランスファ3と同様の機構を持つ、コンタクト供給トランスファ4、コンタクト排出トランスファ6、及び収納トランスファ7を備えているとともに、IC13のテスト(測定)を行うIC測定部5を備えている。
【0051】
また、テストハンドラ50は、空きトレイを格納する空トレイ格納1,10、IC測定部5で行ったテストの結果に基づいて良品ICを格納する良品IC格納8及び不良品ICを格納する不良品IC格納9等を備えている。
【0052】
次に、テストハンドラ50においてテスト(測定)される半導体装置であるIC13の構造について説明する。
【0053】
IC13は、後工程で組み立てられた半導体装置(半導体パッケージ)であり、図2に示すようにタブ21上にダイボンド材を介して搭載された半導体チップ20と、半導体チップ20とリード14のインナリード部分とを電気的に接続する複数のワイヤ22と、半導体チップ20や複数のワイヤ22を樹脂封止する封止体23とを有しており、封止体23の天面側の表面は、吸着パッド12によって真空吸着可能な平坦面となっている。複数のリード14それぞれの封止体23から露出するアウタリード部分は、ガルウィング状に曲げ成形されている。
【0054】
すなわち、IC13は、例えば、QFP(Quad Flat Package)やSOP(Small Outline Package)等の半導体装置であるが、半導体チップ20とリード14との電気的な接続方法や、各リード14のアウタリード部分の形状等については、特に限定されるものではなく、QFPやSOP以外の他の半導体装置であってもよい。
【0055】
次に、テストハンドラ50の吸着ヘッド部51に設けられた図3及び図4に示す吸着パッド12の構造について説明する。
【0056】
図3は図2に示す吸着パッドの構造の一例を示す外観斜視図、図4は図3に示す吸着パッドの構造の一例を示す断面図、図5は図3に示す吸着パッドのスリーブとの結合後の構造の一例を示す断面図である。さらに、図6は図3に示す吸着パッドの特徴部分の大きさの関係の一例を示す断面図、図7は図3に示す吸着パッドの特徴部分の大きさの関係の一例を示す断面図、図8は図3に示す吸着パッドの特徴部分の大きさの関係の一例を示す断面図、図9は図3に示す吸着パッドの半導体装置吸着時の構造の一例を示す部分断面図である。
【0057】
本実施の形態1の吸着パッド12は、図2の真空排気系19に連通する中空部である第1中空部12dを形成し、かつ真空排気方向Fに沿って延びる筒状の吸着部12aと、吸着部12aと交差する方向で、かつ円周方向に延在し、さらに吸着部12aを支持する円板状の支持部12cと、吸着スリーブ11と接続するスリーブ接続部12eと、吸着部12aとスリーブ接続部12eとを連結する連結部12fとから成る。すなわち、第1中空部12dは、吸着部12aと支持部12cとによって囲まれた空間部である。さらに、連結部12fは、支持部12cとスリーブ接続部12eとに接合し、かつ支持部12cの吸着部12aと反対側の領域において図4の真空排気方向Fに沿って延びる筒状構造となっている。
【0058】
したがって、図3に示すように、吸着部12aと連結部12fとスリーブ接続部12eは、それぞれ円筒形を成し、それぞれの内部には、図4に示すように第1中空部12d、第2中空部12g、第3中空部12hが形成されており、第1中空部12d、第2中空部12g及び第3中空部12hは連通している。吸着部12aとスリーブ接続部12eの円筒形の外周の直径は、略同じであり、両者の間に配置される連結部12fの円筒形の外周の直径は、吸着部12aやスリーブ接続部12eより小さいため、吸着部12aとスリーブ接続部12eとの間に挟まれた領域の連結部12fの外側には、溝状の空間部となる荷重吸収溝部12iが形成されている。
【0059】
また、円筒形の吸着部12aの先端は、IC13を吸着する際にIC13の表面に当圧する円形のIC接触面12bとなっており、真空排気方向Fに真空排気が行われた際には、吸着部12aとIC13の封止体23の表面とによって覆われた第1中空部12dを真空状態にしてIC13を真空吸着する。
【0060】
なお、円筒形のスリーブ接続部12eの内部の第3中空部12hは、図5に示すように、吸着スリーブ11が嵌め込まれる空間であり、吸着スリーブ11の内部のスリーブ中空部11aが吸着部12aの第1中空部12dと第2中空部12gを介して連通する構造となっている。図2に示すように、この吸着スリーブ11に対して真空排気系19が接続されている。
【0061】
また、本実施の形態1の吸着パッド12では、図6に示すように吸着部12aと支持部12cにおいて、支持部12cの肉厚Xは、吸着部12aの肉厚Yより薄く形成されており、支持部12cは、図9に示すように屈曲可能に形成されている。すなわち、図6に示すように、支持部12cの肉厚Xと吸着部12aの肉厚Yは、X<Yの関係となっている。つまり、支持部12cの肉厚Xは、非常に薄く形成されて、剛性が低い形状となっており、一方、吸着部12aの肉厚Yは、真空排気によって荷重が掛かっても変形しない程度の高い剛性を有する厚さとなっている。
【0062】
なお、吸着パッド12は、導電性ゴム、例えば、導電性の粒子を混ぜたシリコーンゴム(以降、単に導電性シリコーンゴムともいう)によって形成されており、これにより、静電気放電による帯電が起こりにくくなっている。
【0063】
このように吸着パッド12が導電性シリコーンゴムによって形成され、さらに支持部12cの肉厚が薄くて剛性が低く形成されていることにより、図9に示すように真空排気を行って第1中空部12dを真空雰囲気にする際には、IC13の封止体23や吸着部12aより支持部12cの方が剛性が遥かに低いため、連結部12fがIC13の封止体23に近づくように支持部12cが屈曲する。別の言い方をすると、吸着部12aが荷重吸収溝部12iに配置されるように支持部12cで屈曲する。
【0064】
その際、荷重吸収溝部12iの上側のスリーブ接続部12eの側面である荷重吸収溝上面12jと、荷重吸収溝部12iの下側の吸着部12aの側面である荷重吸収溝下面12kとの距離が0になる(スリーブ接続部12eと吸着部12aとが密着する)ように支持部12cが屈曲する。つまり、支持部12cを屈曲して吸着部12aとスリーブ接続部12eとを密着させることで、剛性が高い吸着部12aと同じく剛性が高いスリーブ接続部12eとが一体化するため、吸着パッド12が1つの剛性体となって真空排気の荷重に耐えることができ、IC13を吸着保持することができる。
【0065】
ここで、真空排気時、吸着部12aは支持部12cより遥かに肉厚が厚く剛性が高いため、IC13の封止体23に密着した状態を維持して封止体23の表面上で滑らなくなる。これにより、吸着部12aと封止体23との間で摩擦は起こらず、静電気放電には至らない。したがって、封止体23で帯電が起こることを低減または防止できる。
【0066】
さらに、IC13の吸着時に、スリーブ接続部12eと吸着部12aとを密着させることで、吸着部12aとスリーブ接続部12eとが一体化して吸着部12aの形を安定させることができ、IC13の吸着姿勢の安定化を図ることができる。
【0067】
また、吸着パッド12においては、図7に示すように、その連結部12fの真空排気方向Fの長さAは、吸着部12aの中空部である第1中空部12dの真空排気方向Fの長さ(深さ)Bより短く形成されている。すなわち、連結部12fの長さA<第1中空部12dの深さBとなっている(A<B)。
【0068】
これにより、真空排気によってIC13を吸着した際に、図11に示すように吸着天板12mがIC13の封止体23の表面に接触することを防止できる。
【0069】
また、吸着パッド12においては、図8に示すように、その連結部12fの外周方向の大きさ(直径)Cは、吸着部12aの内周方向の大きさ(第1中空部12dの直径)Dより小さく形成されている。すなわち、連結部12fの外周部の直径C<第1中空部12dの直径Dとなっている(C<D)。
【0070】
これにより、真空排気によってIC13を吸着した際に、図11に示すように吸着天板12mを撓み易くする(吸着天板12mを含む支持部12cを変形し易くする)ことができる。
【0071】
したがって、吸着パッド12の形状が、連結部12fの長さA<第1中空部12dの深さBであるとともに、連結部12fの外周部の直径C<第1中空部12dの直径Dであることにより、IC13の吸着時に、図9に示すようにスリーブ接続部12eと吸着部12aとを確実に密着させることができ、IC13の吸着姿勢の安定化を更に図ることができる。
【0072】
次に、図10〜図12に示す本実施の形態1の半導体装置の搬送方法について説明する。
【0073】
図10は図3に示す吸着パッドによって半導体装置を吸着搬送する際のパッド接触時の構造を示す部分断面図、図11は図3に示す吸着パッドによって半導体装置を吸着している時の構造を示す部分断面図、図12は図3に示す吸着パッドによって半導体装置を吸着搬送している時の構造を示す部分断面図である。
【0074】
本実施の形態1では、導電性のトレイ上に載置された半導体装置であるIC13を吸着パッド12によって吸着保持して搬送する場合について説明する。
【0075】
まず、図10に示すように、真空排気系19に連通する中空部である第1中空部12dを形成し、かつ真空排気方向Fに沿って延びる筒状の吸着部12aと、吸着部12aと交差する方向に延在し、かつ吸着部12aを支持する支持部12cとを有する吸着パッド12を備えた図1に示す半導体製造装置であるテストハンドラ50において、真空排気系19によって真空排気を行って吸着パッド12の吸着部12aにより、導電性のトレイ15上に載置されたIC13を吸着保持する。
【0076】
その際、吸着パッド12は、導電性シリコーンゴムによって形成されているとともに、図6に示すように吸着パッド12における支持部12cの肉厚Xは、吸着部12aの肉厚Yより薄く形成されている(X<Y)。また、図7に示すように連結部12fの長さA<第1中空部12dの深さBであり(A<B)、さらに、図8に示すように連結部12fの外周部の直径C<第1中空部12dの直径Dである(C<D)。
【0077】
まず、図10に示すように、真空排気系19の電磁弁17を開いて吸着スリーブ11を介して真空源18から真空排気を開始するとともに、吸着パッド12を下降(E方向)させてIC13の封止体23の表面に吸着パッド12の吸着部12aを押し付ける。
【0078】
その後、真空源18からの負圧により、吸着部12aの第1中空部12dが真空雰囲気になり、図11に示すようにIC13を吸着保持することができる。その際、吸着パッド12が導電性シリコーンゴムによって形成され、さらに支持部12cの肉厚が薄くて吸着部12aより剛性が低く形成されているため、真空排気方向Fの荷重が吸着パッド12に掛かった際に、連結部12fがIC13の封止体23に近づくように支持部12cが屈曲する。別の言い方をすると、吸着部12aが図10に示す荷重吸収溝部12iに配置されるように支持部12cで屈曲が行われる。
【0079】
つまり、吸着パッド12に対して真空排気方向Fに沿ってかかる荷重(上下方向に掛かる荷重)を荷重吸収溝部12iによって吸収している。
【0080】
さらに、吸着パッド12の荷重吸収溝上面12jと荷重吸収溝下面12kとの距離が0mmになる(スリーブ接続部12eと吸着部12aとが密着する)ように支持部12cが屈曲する。つまり、支持部12cを屈曲させて吸着部12aとスリーブ接続部12eとを密着させることで、剛性が高い吸着部12aと同じく剛性が高いスリーブ接続部12eとが一体化するため、吸着パッド12が1つの剛性体となって真空排気方向Fの荷重に耐えることができ、IC13を吸着保持することができる。
【0081】
ここで、吸着部12aは支持部12cより遥かに肉厚が厚く剛性が高いことと、真空排気時に吸着パッド12に対して真空排気方向Fに沿ってかかる荷重を荷重吸収溝部12iによって吸収するため、吸着部12aは、IC13の封止体23に密着した状態を維持して封止体23の表面上で滑らなくなる。
【0082】
その結果、吸着部12aと封止体23との間で摩擦はほとんど起こらず、静電気放電には至らない。したがって、封止体23で帯電が起こることを低減または防止できる。
【0083】
この状態で、図12に示すようにIC13を吸着パッド12によって吸着保持して所定位置まで搬送する。
【0084】
なお、吸着パッド12の形状が、連結部12fの長さA<第1中空部12dの深さBであるとともに、連結部12fの外周部の直径C<第1中空部12dの直径Dであることにより、IC13の吸着時に、支持部12cの吸着天板12mがIC13の封止体23の表面に接触することを防止できるとともに、吸着天板12mを含む支持部12cを変形し易くすることができる。
【0085】
その結果、スリーブ接続部12eと吸着部12aとをより確実に密着させることができ、IC13の吸着姿勢の安定化を更に図ることができる。
【0086】
本実施の形態1の半導体製造装置(テストハンドラ50)及び半導体装置の搬送方法によれば、吸着パッド12における支持部12cの肉厚Xが吸着部12aの肉厚Yより薄く、かつ屈曲可能に形成されていることにより、吸着パッド12によってIC13を真空吸着した際に、支持部12cが屈曲することで、IC13と接触する吸着部12aの移動(滑り)を抑えてIC13の封止体23の表面と吸着部12aとの間で起こる摩擦を低減することができる。
【0087】
これにより、IC13の封止体23の表面での帯電を少なくすることができ、テストハンドラ50の接地された図39に示す測定コンタクトピン16等の金属部材にIC13のリード14が触れても静電気放電の量を少なくすることができる。
【0088】
その結果、IC13の静電気放電による破壊を低減することができる。
【0089】
また、吸着パッド12による真空吸着時のIC13の封止体23の表面での帯電を少なくすることができるため、真空吸着時のIC13の位置ずれや吸着ミスを低減することができる。
【0090】
これにより、IC13の吸着姿勢の安定化を図ることができる。
【0091】
さらに、IC13の吸着保持の際の吸着姿勢の安定化を図ることができるため、IC13の搬送先での位置ずれによるリード曲がりを低減することができる。すなわち、IC13の吸着搬送におけるリード14の変形を抑制することができる。
【0092】
次に、本実施の形態1の変形例について説明する。図13は本発明の実施の形態1の吸着パッドの第1変形例の構造を示す拡大部分断面図、図14は本発明の実施の形態1の吸着パッドの第2変形例の構造を示す拡大部分断面図、図15は図14に示す吸着パッドの詳細構造を示す拡大部分断面図である。
【0093】
図13に示す第1変形例は、吸着パッド12の先端部が、硬度が異なる2層構造となっているものである。すなわち、吸着パッド12の吸着部12aの先端が真空排気方向Fに対して第1先端部12nと第2先端部12pとから成る2層構造に形成され、IC接触面12bを有する先端側の第1先端部12nの硬度が基端側の第2先端部12pの硬度より高く形成されている。
【0094】
その際、先端側の第1先端部12nは、機械的な抵抗値が小さい材料によって形成されていることが好ましい。第1先端部12n及び第2先端部12pとも、例えば、導電性シリコーンゴム等によって形成されており、その場合、先端側の第1先端部12nの硬度が、例えば、75°±5°であり、一方、基端側の第2先端部12pの硬度が、例えば、40°±5°である。ただし、導電性シリコーンゴムの硬度は、これらに限定されるものではない。
【0095】
また、先端側の第1先端部12nのIC接触面12bは、鏡面に形成されていることが好ましく、したがって、IC接触面12bの硬度をより高くして、かつ鏡面に形成することで、IC13を吸着保持する際の吸着部12aとIC13の封止体23との摩擦係数を更に小さくして、IC13上での帯電量を更に低減することができる。
【0096】
次に、図14及び図15に示す第2変形例は、吸着パッド12の吸着部12aの先端をくさび形にしたものである。その際、くさび形の先端形状であるため、吸着部12aの先端が前記先端に向かって先細の形状に形成されており、さらに先端の突端部12qから吸着部12aの内側に向かって形成された第1テーパ面12rの真空排気方向Fと直交する仮想面24との成す第1角度(θ1)は、前記先端の突端部12qから吸着部12aの外側に向かって形成された第2テーパ面12sの仮想面24との成す第2角度(θ2)と、θ1≦θ2の関係となっている。
【0097】
すなわち、くさび形の先端の円周方向の内側に向かう第1テーパ面12rの仮想面24との成す第1角度(θ1)は、先端の円周方向の外側に向かう第2テーパ面12sの仮想面24との成す第2角度(θ2)より小さく、θ1(内側)≦θ2(足側)の関係となっている。なお、仮想面24は、ここでは水平面である。より好ましくは、θ1(内側)<θ2(外側)である。
【0098】
このように吸着部12aの先端の形状をくさび形にすることで、吸着部12aとIC13の接触面積を小さくして摩擦量を少なくし、これによって、IC13上での帯電量の低減化を図ることができる。
【0099】
また、くさび形の内側の第1テーパ面12rの角度(θ1)<くさび形の外側の第2テーパ面12sの角度(θ2)とすることで、真空排気時に吸着部12aが傾く場合においても内側に傾き易くして強い吸着を維持することができる。
【0100】
これによって、IC13の真空吸着において低帯電と強い吸着の両者を実現させることができる。
【0101】
本実施の形態1の第1変形例及び第2変形例によって得られるその他の効果については、前述の図1〜図12に示す半導体製造装置及び半導体装置の搬送方法によって得られる効果と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0102】
(実施の形態2)
図16は本発明の実施の形態2の吸着パッドの構造の一例を示す外観斜視図、図17は図16に示す吸着パッドの構造の一例を示す断面図、図18は図16に示す吸着パッドのスリーブとの結合後の構造の一例を示す断面図である。また、図19は図16に示す吸着パッドの特徴部分の大きさの関係の一例を示す断面図、図20は図16に示す吸着パッドの特徴部分の大きさの関係の一例を示す断面図、図21は図16に示す吸着パッドの特徴部分の大きさの関係の一例を示す断面図、図22は図16に示す吸着パッドの半導体装置吸着時の構造の一例を示す部分断面図である。
【0103】
本実施の形態2では、小型の半導体装置である小型IC25を真空吸着によって吸着保持することが可能な小型IC対応の吸着パッド26について説明する。
【0104】
図16及び図17に示す吸着パッド26は、吸着部12aの大きさを小型化することで、小型IC25を吸着可能にしたものであり、その基本構造は、実施の形態1の吸着パッド12と略同様である。吸着パッド26の構成は、真空排気系19(図10参照)に連通する中空部である第1中空部12dを形成し、かつ真空排気方向Fに沿って延びる筒状の吸着部12aと、吸着部12aと交差する方向で、かつ円周方向に延在し、さらに吸着部12aを支持する円板状の支持部12cと、図18に示す吸着スリーブ11と接続するスリーブ接続部12eと、吸着部12aとスリーブ接続部12eとを連結する連結部12fとから成る。
【0105】
ここで、第1中空部12dは、円筒形の吸着部12aの内部の空間部分である。さらに、連結部12fは、支持部12cとスリーブ接続部12eとに接合し、かつ支持部12cの吸着部12aと反対側の領域において真空排気方向Fに沿って延びる筒状構造のものである。
【0106】
したがって、図16に示すように、吸着部12aと連結部12fとスリーブ接続部12eは、それぞれ円筒形を成し、それぞれの内部には、図17に示すように第1中空部12d、第2中空部12g、第3中空部12hが形成されており、第1中空部12d、第2中空部12g及び第3中空部12hは連通している。
【0107】
なお、吸着パッド26においては、スリーブ接続部12eと連結部12fとがその外周の大きさが同じ直径であり、また、吸着部12aの外周の直径は、連結部12fの外周の直径より小さい。
【0108】
また、吸着パッド26においては、筒状の連結部12fの内部の空間部である第2中空部12gが、吸着時の真空排気方向F(上下方向)の荷重を吸収する荷重吸収溝部12iとなっている。
【0109】
また、小型の円筒形の吸着部12aの先端は、小型IC25を吸着する際に小型IC25の表面に当圧する円形のIC接触面12bとなっており、真空排気方向Fに真空排気が行われた際には、吸着部12aの内部である第1中空部12dを真空状態にして小型IC25を真空吸着する。
【0110】
なお、円筒形のスリーブ接続部12eの内部の第3中空部12hは、図18に示すように、吸着スリーブ11が嵌め込まれる空間であり、吸着スリーブ11の内部のスリーブ中空部11aが吸着部12aの第1中空部12dと第2中空部12gを介して連通する構造となっている。図10に示す構造と同様に、この吸着スリーブ11に対して真空排気系19が接続されている。
【0111】
また、本実施の形態2の吸着パッド26においても、実施の形態1の吸着パッド12と同様に、図19に示すように吸着部12aと支持部12cにおいて、支持部12cの肉厚Xは、吸着部12aの肉厚Yより薄く形成されており、支持部12cは、図22に示すように屈曲可能に形成されている。すなわち、図19に示すように、支持部12cの肉厚Xと吸着部12aの肉厚Yは、X<Yの関係となっている。つまり、支持部12cの肉厚Xは、非常に薄く形成されて、剛性が低い形状となっており、一方、吸着部12aの肉厚Yは、真空排気によって荷重が掛かっても変形しない程度の高い剛性を有する厚さとなっている。
【0112】
なお、吸着パッド26は、導電性ゴム、例えば、導電性の粒子を混ぜたシリコーンゴム(以降、単に導電性シリコーンゴムともいう)によって形成されており、これにより、静電気放電による帯電が起こりにくくなっている。
【0113】
このように吸着パッド26が導電性シリコーンゴムによって形成され、さらに支持部12cの肉厚が薄くて剛性が低く形成されていることにより、図22に示すように真空排気を行って第1中空部12dを真空雰囲気にする際には、小型IC25の封止体23や吸着部12aより支持部12cの方が剛性が遥かに低いため、吸着部12aが上方のスリーブ接続部12eに近づくように支持部12cが屈曲する。別の言い方をすると、吸着部12aが荷重吸収溝部12iに配置されるように支持部12cで屈曲する。
【0114】
その際、第2中空部12gである荷重吸収溝部12iの上面の荷重吸収溝上面12jと、荷重吸収溝部12iの下面の荷重吸収溝下面12kとの距離が0になる(スリーブ接続部12eと吸着部12aとが密着する)ように支持部12cが屈曲する。つまり、支持部12cを屈曲させて吸着部12aとスリーブ接続部12eとを密着させることで、剛性が高い吸着部12aと同じく剛性が高いスリーブ接続部12eとが一体化するため、吸着パッド26が1つの剛性体となって真空排気の荷重に耐えることができ、小型IC25を吸着保持することができる。
【0115】
ここで、真空排気時、吸着部12aは支持部12cより遥かに肉厚が厚く剛性が高いため、小型IC25の封止体23に密着した状態を維持して封止体23の表面上で滑らなくなる。これにより、吸着部12aと封止体23との間で摩擦は起こらず、静電気放電には至らない。したがって、封止体23で帯電が起こることを低減または防止できる。
【0116】
さらに、小型IC25の吸着時に、スリーブ接続部12eと吸着部12aとを密着させることで、吸着部12aとスリーブ接続部12eとが一体化して吸着部12aの形を安定させることができ、小型IC25の吸着姿勢の安定化を図ることができる。
【0117】
また、吸着パッド26においては、図20に示すように、その連結部12fの真空排気方向Fの長さAは、吸着部12aの中空部である第1中空部12dの真空排気方向Fの長さ(深さ)Bより短く形成されている。すなわち、連結部12fの長さA<第1中空部12dの深さBとなっている(A<B)。
【0118】
これにより、真空排気によって小型IC25を吸着した際に、図22に示すように荷重吸収溝上面12jと荷重吸収溝下面12kとが密着するため、小型IC25の吸着姿勢を保つことができる。
【0119】
さらに、吸着パッド26においては、図21に示すように、吸着部12aの外周方向の大きさ(直径)Cは、連結部12fの内周方向の大きさ(第2中空部12gの直径)Dより小さく形成されている。すなわち、吸着部12aの外周部の直径C<第2中空部12gの直径Dとなっている(C<D)。
【0120】
これにより、真空排気によって小型IC25を吸着した際に、支持部12cである吸着天板12mを撓み易くすることができる。
【0121】
したがって、吸着パッド26の形状が、連結部12fの長さA<第1中空部12dの深さBであるとともに、吸着部12aの外周部の直径C<第2中空部12gの直径Dであることにより、小型IC25の吸着時に、図22に示すようにスリーブ接続部12eと吸着部12aとを確実に密着させることができ、小型IC25の吸着姿勢の安定化を更に図ることができる。
【0122】
次に、図23〜図25に示す本実施の形態2の半導体装置の搬送方法について説明する。
【0123】
図23は図16に示す吸着パッドによって半導体装置を吸着搬送する際のパッド接触時の構造を示す部分断面図、図24は図16に示す吸着パッドによって半導体装置を吸着している時の構造を示す部分断面図、図25は図16に示す吸着パッドによって半導体装置を吸着搬送している時の構造を示す部分断面図である。
【0124】
本実施の形態2の半導体装置の搬送方法においても、導電性のトレイ上に載置された小型の半導体装置である小型IC25を吸着パッド26によって吸着保持して搬送する場合について説明する。
【0125】
まず、図23に示すように、真空排気系19に連通する中空部である第1中空部12dを備え、かつ真空排気方向Fに沿って延びる筒状の吸着部12aと、吸着部12aと交差する方向に延在し、かつ吸着部12aを支持する支持部12cとを有する吸着パッド26を備えた図1に示すテストハンドラ50において、真空排気系19によって真空排気を行って吸着パッド26の吸着部12aにより、導電性のトレイ15上に載置された小型IC25を吸着保持する。
【0126】
その際、吸着パッド26は、導電性シリコーンゴムによって形成されているとともに、図19に示すように吸着パッド26における支持部12cの肉厚Xは、吸着部12aの肉厚Yより薄く形成されている(X<Y)。また、図20に示すように連結部12fの長さA<第1中空部12dの深さBであり(A<B)、さらに、図21に示すように吸着部12aの外周部の直径C<第2中空部12gの直径Dである(C<D)。
【0127】
まず、図23に示すように、真空排気系19の電磁弁17を開いて吸着スリーブ11を介して真空源18から真空排気を開始するとともに、吸着パッド26を下降(E方向)させて小型IC25の封止体23の表面に吸着パッド26の吸着部12aを押し付ける。
【0128】
その後、真空源18からの負圧により、吸着部12aの第1中空部12dが真空雰囲気になり、図24に示すように小型IC25を吸着保持する。その際、吸着パッド26が導電性シリコーンゴムによって形成され、さらに支持部12cの肉厚が薄くて吸着部12aより剛性が低く形成されているため、真空排気方向Fの荷重が吸着パッド26に掛かった際に、吸着部12aがスリーブ接続部12eに近づくように支持部12cが屈曲する。別の言い方をすると、吸着部12aが図23に示す荷重吸収溝部12iに配置されるように支持部12cで屈曲が行われる。
【0129】
つまり、吸着パッド26に対して真空排気方向Fに沿ってかかる荷重(上下方向に掛かる荷重)を荷重吸収溝部12iである第2中空部12gによって吸収している。
【0130】
さらに、図24に示すように吸着パッド26の荷重吸収溝上面12jと荷重吸収溝下面12kとの距離が0になる(スリーブ接続部12eと吸着部12aとが密着する)ように支持部12cが屈曲する。つまり、支持部12cを屈曲させて吸着部12aとスリーブ接続部12eとを密着させることで、吸着部12aとスリーブ接続部12eとが一体化するため、吸着パッド26が1つの剛性体となって真空排気方向Fの荷重に耐えることができ、小型IC25を吸着保持することができる。
【0131】
ここで、吸着部12aは支持部12cより遥かに肉厚が厚く剛性が高いことと、真空排気時に吸着パッド26に対して真空排気方向Fに沿ってかかる荷重を荷重吸収溝部12iによって吸収するため、吸着部12aは、小型IC25の封止体23に密着した状態を維持して封止体23の表面上で滑らなくなる。
【0132】
その結果、吸着部12aと封止体23との間で摩擦はほとんど起こらず、静電気放電には至らない。したがって、封止体23で帯電が起こることを低減または防止できる。
【0133】
この状態で、図25に示すように小型IC25を吸着パッド26によって吸着保持して所定位置まで搬送する。
【0134】
なお、吸着パッド26の形状が、連結部12fの長さA<第1中空部12dの深さBであるとともに、吸着部12aの外周部の直径C<第2中空部12gの直径Dであることにより、小型IC25の吸着時に、図23に示す吸着天板12mである支持部12cを変形し易くすることができる。
【0135】
その結果、スリーブ接続部12eと吸着部12aとをより確実に密着させることができ、小型IC25の吸着姿勢の安定化を更に図ることができる。
【0136】
本実施の形態2の半導体製造装置及び半導体装置の搬送方法によれば、吸着パッド26における支持部12cの肉厚Xが吸着部12aの肉厚Yより薄く、かつ屈曲可能に形成されていることにより、吸着パッド26によって小型IC25を真空吸着した際に、支持部12cが屈曲することで、小型IC25と接触する吸着部12aの移動(滑り)を抑えて小型IC25の封止体23の表面と吸着部12aとの間で起こる摩擦を低減することができる。
【0137】
これにより、小型IC25の封止体23の表面での帯電を少なくすることができる。
【0138】
本実施の形態2の半導体製造装置及び半導体装置の搬送方法によって得られるその他の効果については、実施の形態1の半導体製造装置及び半導体装置の搬送方法によって得られる効果と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0139】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0140】
例えば、前記実施の形態1,2では、吸着パッド12,26の吸着部12aが円筒状であり、IC接触面12bが円形を成す場合を説明したが、図26、図27及び図28の各変形例に示すように、吸着部12aはそのIC接触面12bが他の形状を成すような筒状に形成されていてもよい。
【0141】
図26に示す他の第1変形例は、吸着部12aが楕円の筒状を成すものであり、IC接触面12bが楕円形となっている。また、図27に示す他の第2変形例は、吸着部12aが長方形の筒状を成すものであり、IC接触面12bが長方形となっている。さらに、図28に示す他の第3変形例は、吸着部12aが多角形の筒状を成すものであり、IC接触面12bが多角形となっている。
【0142】
このような各変形例に示すように、吸着部12aは、内部に中空部を有した筒状を成すものであれば、その外周の形状は、円形、楕円形、長方形もしくは多角形等であってもよく、特に限定されるものではない。
【0143】
また、前記実施の形態1,2では、真空吸着される半導体装置がQFPまたはSOP型の半導体装置の場合について説明したが、前記半導体装置は、真空吸着によって吸着保持可能なものであれば、特に限定されるものではなく、他の半導体装置であってもよい。
【0144】
さらに、前記実施の形態1,2では、半導体製造装置がテストハンドラ50の場合について説明したが、前記半導体製造装置は、半導体装置を真空吸着によって吸着保持可能な機構を備えたものであれば、ハンドラに限定されるものではなく、他の製造装置であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明は、真空吸着を用いた電子装置の搬送技術に好適である。
【符号の説明】
【0146】
1 空トレイ格納
2 未測定IC格納
3 供給トランスファ
4 コンタクト供給トランスファ
5 IC測定部
6 コンタクト排出トランスファ
7 収納トランスファ
8 良品IC格納
9 不良品IC格納
10 空トレイ格納
11 吸着スリーブ
11a スリーブ中空部
12 吸着パッド
12a 吸着部
12b IC接触面
12c 支持部
12d 第1中空部
12e スリーブ接続部
12f 連結部
12g 第2中空部
12h 第3中空部
12i 荷重吸収溝部
12j 荷重吸収溝上面
12k 荷重吸収溝下面
12m 吸着天板
12n 第1先端部
12p 第2先端部
12q 突端部
12r 第1テーパ面
12s 第2テーパ面
13 IC(半導体装置)
14 リード
15 トレイ
16 測定コンタクトピン
17 電磁弁
18 真空源
19 真空排気系
20 半導体チップ
21 タブ
22 ワイヤ
23 封止体
24 仮想面
25 小型IC(半導体装置)
26 吸着パッド
30 吸着パッド
30a 吸着部
30b IC接触面
50 テストハンドラ(半導体製造装置)
51 吸着ヘッド部
100 テストハンドラ
101 吸着ヘッド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置を吸着保持して搬送する半導体製造装置であって、
真空排気系に連通する中空部を形成し、かつ真空排気方向に沿って延びる筒状の吸着部と、前記吸着部と交差する方向に延在し、かつ前記吸着部を支持する支持部とを有する吸着パッドと、
前記吸着パッドを備え、前記吸着パッドを介して前記半導体装置を真空吸着して搬送する吸着ヘッド部と、
を有し、
前記吸着パッドにおける前記支持部の肉厚は、前記吸着部の肉厚より薄く形成され、前記支持部は屈曲可能に形成されていることを特徴とする半導体製造装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体製造装置において、前記吸着パッドには、前記支持部と接合し、かつ前記支持部の前記吸着部と反対側の領域において前記真空排気方向に沿って延びる筒状の連結部が形成されており、前記連結部の前記真空排気方向の長さは前記吸着部の前記中空部の前記真空排気方向の長さより短いことを特徴とする半導体製造装置。
【請求項3】
請求項2記載の半導体製造装置において、前記吸着パッドは、導電性ゴムによって形成されていることを特徴とする半導体製造装置。
【請求項4】
請求項1記載の半導体製造装置において、前記吸着パッドには、前記支持部と接合し、かつ前記支持部の前記吸着部と反対側の領域において前記真空排気方向に沿って延びる筒状の連結部が形成されており、前記連結部の外周方向の大きさは、前記吸着部の内周方向の大きさより小さいことを特徴とする半導体製造装置。
【請求項5】
請求項1記載の半導体製造装置において、前記吸着部の外周方向の大きさは、前記吸着パッドには、前記支持部と接合し、かつ前記支持部の前記吸着部と反対側の領域において前記真空排気方向に沿って延びる筒状の連結部が形成されており、前記連結部の内周方向の大きさより小さいことを特徴とする半導体製造装置。
【請求項6】
請求項1記載の半導体製造装置において、前記吸着部の先端が前記真空排気方向に対して第1先端部と第2先端部とから成る2層構造に形成され、先端側の前記第1先端部の硬度が基端側の前記第2先端部の硬度より高いことを特徴とする半導体製造装置。
【請求項7】
請求項1記載の半導体製造装置において、前記吸着部の先端が前記先端に向かって先細の形状に形成され、前記先端の突端部から前記吸着部の内側に向かって形成された第1テーパ面の前記真空排気方向と直交する仮想面との成す第1角度(θ1)は、前記先端の突端部から前記吸着部の外側に向かって形成された第2テーパ面の前記仮想面との成す第2角度(θ2)と、θ1≦θ2の関係であることを特徴とする半導体製造装置。
【請求項8】
半導体装置を吸着保持して搬送する前記半導体装置の搬送方法であって、
(a)真空排気系に連通する中空部を形成し、かつ真空排気方向に沿って延びる筒状の吸着部と、前記吸着部と交差する方向に延在し、かつ前記吸着部を支持する支持部とを有する吸着パッドを備えた半導体製造装置において、前記真空排気系によって真空排気を行って前記吸着パッドの前記吸着部によって前記半導体装置を吸着保持する工程と、
(b)前記半導体製造装置において、前記半導体装置を前記吸着パッドによって吸着保持した状態で搬送する工程と、
を有し、
前記吸着パッドにおける前記支持部の肉厚は、前記吸着部の肉厚より薄く形成され、前記(a)工程において前記真空排気系によって真空排気した際に、前記支持部が屈曲して前記吸着部によって前記半導体装置を真空吸着することを特徴とする半導体装置の搬送方法。
【請求項9】
請求項8記載の半導体装置の搬送方法において、前記吸着パッドには、前記支持部と接合し、かつ前記支持部の前記吸着部と反対側の領域において前記真空排気方向に沿って延びる筒状の連結部が形成されており、前記連結部の前記真空排気方向の長さは前記吸着部の前記中空部の前記真空排気方向の長さより短いことを特徴とする半導体装置の搬送方法。
【請求項10】
請求項9記載の半導体装置の搬送方法において、前記吸着パッドは、導電性ゴムによって形成されていることを特徴とする半導体装置の搬送方法。
【請求項11】
請求項8記載の半導体装置の搬送方法において、前記吸着パッドには、前記支持部と接合し、かつ前記支持部の前記吸着部と反対側の領域において前記真空排気方向に沿って延びる筒状の連結部が形成されており、前記連結部の外周方向の大きさは、前記吸着部の内周方向の大きさより小さいことを特徴とする半導体装置の搬送方法。
【請求項12】
請求項8記載の半導体装置の搬送方法において、前記吸着部の外周方向の大きさは、前記吸着パッドには、前記支持部と接合し、かつ前記支持部の前記吸着部と反対側の領域において前記真空排気方向に沿って延びる筒状の連結部が形成されており、前記連結部の内周方向の大きさより小さいことを特徴とする半導体装置の搬送方法。
【請求項13】
請求項8記載の半導体装置の搬送方法において、前記吸着部の先端が前記真空排気方向に対して第1先端部と第2先端部とから成る2層構造に形成され、先端側の前記第1先端部の硬度が基端側の前記第2先端部の硬度より高いことを特徴とする半導体装置の搬送方法。
【請求項14】
請求項8記載の半導体装置の搬送方法において、前記吸着部の先端が前記先端に向かって先細の形状に形成され、前記先端の突端部から前記吸着部の内側に向かって形成された第1テーパ面の前記真空排気方向と直交する仮想面との成す第1角度(θ1)は、前記先端の突端部から前記吸着部の外側に向かって形成された第2テーパ面の前記仮想面との成す第2角度(θ2)と、θ1≦θ2の関係であることを特徴とする半導体装置の搬送方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate


【公開番号】特開2012−18969(P2012−18969A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153879(P2010−153879)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】