半導体記憶装置のテスト装置およびテスト方法
【課題】 ウェハテストにおけるバーンインを含むテストの時間を短縮する。
【解決手段】 ウェハテスト時において、バーンイン実施前に、テスタ用のプロ-バに接触するテスト対象デバイス単位でバーンイン回数を決定するテストを行なう(ステップSP4)。この回数決定テストにおいて決定されたバーンイン回数のバーンインを実施し、その後、テスト対象デバイス単位で機能テストを行なって、バーンイン不良率をモニタする(ステップSP5,SP6)。
【解決手段】 ウェハテスト時において、バーンイン実施前に、テスタ用のプロ-バに接触するテスト対象デバイス単位でバーンイン回数を決定するテストを行なう(ステップSP4)。この回数決定テストにおいて決定されたバーンイン回数のバーンインを実施し、その後、テスト対象デバイス単位で機能テストを行なって、バーンイン不良率をモニタする(ステップSP5,SP6)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体記憶装置のウェハレベルでのテストに関し、特に、メモリセルが容量素子を有する半導体記憶装置のバーンインと呼ばれる加速試験装置および方法に関する。より特定的には、この発明は、ウェハテストにおいてバーンイン不良率の高いウェハのテスト時間を短縮する手法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置の1つのDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)は、情報を電荷の形態で容量素子に記憶する。この情報蓄積用容量素子(メモリセルキャパシタと以下称する)を含むメモリセルが、行および列のマトリクス状にメモリセルアレイ内に配置される。メモリセルは、メモリセルキャパシタに直列に接続されるメモリセル選択用電界効果トランジスタ(アクセストランジスタ)を含む。アクセストランジスタは、半導体基板領域表面に形成され、ビット線(ディジット線)に接続される不純物領域と、メモリセルキャパシタに接続される不純物領域(ストレージノード)と、これらの不純物領域の間のチャネル形成領域と、チャネル形成領域上に形成されるゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜上に形成されるワード線と一体化されたゲート電極とを有する。
【0003】
メモリセルキャパシタは、メモリセルの平面レイアウト面積の縮小化を図るために、アクセストランジスタ上部に配置され、アクセストランジスタの不純物領域(ストレージノード)に接続される下部電極と、容量絶縁膜と、この容量絶縁膜を介して下部電極と対向する上部電極を有する。通常、上部電極には一定のレベルの電圧(セルプレート電圧)が供給され、下部電極に、記憶情報に応じた電荷が蓄積される。
【0004】
容量素子を情報記憶のために用いる半導体記憶装置としては、また、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリ)がある。このSRAMにおいては、メモリセルは、フリップフロップ回路と、このフリップフロップ回路の相補ノードにそれぞれ接続される容量素子を含む。SRAMセルは、1対のドライブトランジスタ素子と、1対の負荷トランジスタ素子と、メモリセル選択用の1対のアクセストランジスタを含む。負荷トランジスタ対およびドライブトランジスタ対によりフリップフロップ回路(インバータラッチ)が構成され、フリップフロップ回路の相補入出力ノード(相補ストレージノード)に、互いに相補な論理レベルのデータが格納される。
【0005】
このようなSRAMにおいては、メモリセルサイズの低減化に伴ってストレージノードの容量が小さくなった場合に、アルファ線照射によりストレージノードのデータの論理レベルが反転するソフトエラーが発生するのを防止するために、容量素子がアルファ線照射により発生する電子を吸収するために設けられる。
【0006】
このようなSRAMにおいても、メモリセルは、行列状に配列され、応じて、メモリセルの容量素子も行列状に配列される。
【0007】
一方、半導体記憶装置においては、製品の信頼性を保証するために、通常の不良検出テストで検出されなかった潜在的な欠陥がある装置を除去して出荷するために、バーンイン試験と呼ばれる加速試験が行なわれる。この加速試験においては、実際の使用条件よりも厳しい条件、たとえば電源電圧および/または周辺(雰囲気)温度を高くした状態で、製造後の装置(チップ)を一定期間動作させる。加速試験により、潜在的な欠陥を顕在化させ、初期不良のある装置(チップ)を取除くことにより、製品の品質を保証する。
【0008】
バーンイン試験は、パッケージに実装された状態において製品出荷前に行なわれるだけでなく、ウェハレベルで半導体記憶装置のテストを行なうウェハテストにおいても実施される。
【0009】
このようなバーンインのテスト方法としては、種々な仕様が存在する。基本的なバーンインの仕様として、DRAMの場合、高温状態において高電圧を印加し、通常の動作モードと同様にして、アドレスを択一的に指定することにより、ワード線などにストレスを印加する方法がある。しかしながら、DRAMの大容量化が進んだ近年においては、ワード線を順次選択する場合、以下の問題が生じる。すなわち、限られた時間内で順次ワード線を選択するため、ワード線等に対するストレス印加時間が短くなり、応じてストレスデューティが記憶容量に反比例して小さくなり、障害検出率が低下する。また、十分なストレスデューティを確保しようとする場合、バーンイン時間が長くなり、テスト時間が応じて長くなり、コスト低減に対する大きな障害となる。
【0010】
このワード線等に対するストレスデューティを高くするために、たとえば特許文献1(特開平05−159568号公報)においては、バーンイン動作時、複数のワード線を同時に選択し、これらの同時に選択されたワード線に対し外部からの電圧を伝達する構成が示されている。この特許文献1に示される構成においては、複数のワード線が同時に選択され、外部からの電圧に従って選択ワード線に電圧ストレスが印加されるため、ワード線の電圧ストレス印加時間を増大させることができ、パーティクル(異物)または製造プロセスバラツキのマージン不良に起因するワード線の形状異常等による不良を迅速に検出することを図る。
【0011】
また、DRAMにおいて、メモリセルキャパシタに対してバーンイン試験を行なう構成が、特許文献2(特開2001−203336号公報)に示されている。この特許文献2に示される構成においては、ビット線1列おきにHレベルに設定し、間のビット線をLレベルに設定する構成が示されている。隣接ビット線がビット線対を構成しており、ビット線(BL)に接続されるメモリセルのキャパシタのストレージノード(下部電極)と補のビット線(/BL)に接続されるメモリセルのキャパシタのストレージノードの間に互いに相補な論理レベルのデータを格納する。これにより、隣接メモリセルキャパシタの下部電極間に電圧ストレスを印加し、同様、このメモリセルキャパシタのパーティクルまたは製造プロセスゆらぎに起因する形状異常(短絡)を迅速に検出することを図る。
【特許文献1】特開平05−159568号公報
【特許文献2】特開2001−203336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
コスト低減を実現するために、ウェハテストの時間短縮は必須要件となっている。通常、バーンイン試験は、以下の手順で実行される。すなわち、まずインターフェイス(IF)テストが行なわれる。このIFテストにおいては、チップ外部から電源線および信号線が正常に機能しているか、すなわちボンディングパッドに対してコンタクトが正常に形成されているかを判定する。次いで、DCテストが行なわれる。このDCテストにおいては、各半導体記憶装置の入出力端子のリーク電流等の直流特性が評価される。次いで、メモリセルが正常に記憶動作を行なうかを判定する機能テストが実行される。この機能テスト完了後、半導体記憶装置のバーンインが実行され、電圧および温度のストレスが加速される。
【0013】
このバーンインにおいては、メモリセルキャパシタのバーンインを行なう場合、メモリセルキャパシタ間の異常を効率的にスクリーニングするために、上述の特許文献1に示される構成においては、隣接列のメモリセルキャパシタに異なる論理レベルのデータ、すなわち高電位のHデータおよび低電位のLデータを格納し、この電位差をメモリセルキャパシタ下部電極の電圧ストレスとして設定する。電圧ストレスの大きさおよびストレス印加時間は、予め前もって固定条件として設定されており、テスト実施中においてこのバーンインの条件を変化させることは行なわれない。
【0014】
しかしながら、最近の情報機器等の小型軽量化に伴って、半導体記憶装置のサイズの縮小が加速され、応じてメモリセルも微細化される。したがって、メモリセルキャパシタの間隔が極めて小さくなり、製造プロセスばらつきや製造プロセスにおけるトラブルにより、このメモリセルキャパシタ間に微小なパーティクル(異物)またはメモリセルキャパシタの形状異常が発生してショート発生源となり、このようなショート発生源により、メモリセルキャパシタ間にマイクロショートが発生する。また、マスク位置合わせ、エッチングおよび露光(写真製版)等の製造プロセスマージンの不良等により、メモリセルキャパシタ間距離が設計値よりも短くなり、キャパシタ間で短絡が発生する場合が多くなってきている。
【0015】
この半導体記憶装置の縮小(サイズ低減)に応じて、メモリセルキャパシタが微細化された場合、メモリセルキャパシタの下部電極の体積が微小となり、導電性が低下する。この様な高抵抗のマイクロショートが生じた場合、設計段階において設定された電位差(電圧ストレス)およびストレス印加時間に従ってバーンインを行なった場合、バーンイン後の機能テストにおいて不良品となる割合(バーンイン不良率と以下称する)が、量産工場または設計部門の管理規格値よりも高くなる。これは、機能テストにおいては、マイクロショートは高抵抗であり、短絡不良が検出されず、バーンインによりマイクロショートが顕在化するためである。これは、1回の規定値によるバーンインを行なっただけでは、十分に不良をスクリーニングすることができないことを意味する。
【0016】
したがって、バーンイン不良率が管理規格値よりも高くなった場合、潜在的な不良が顕在化していない可能性が高いと判断して、ウェハテスト終了後、このウェハ上の全チップ(半導体記憶装置)に追加バーンインを再度実行する。この追加バーンイン後に不良品となる装置(チップ)がほとんど発生しない、すなわち、バーンインにより全ての不良装置(チップ)がスクリーニングされた状態となり、バーンイン不良率が増加しないことを確認した後に、チップ実装工程へ送出され、チップ実装後の最終テストが行なわれる。この最終テスト時においても同様バーンインテストが行なわれ、不良品を除去した後に、製品が出荷される。
【0017】
また、メモリセルキャパシタが、表面積の拡大のために、種々の方法で、その表面に微小な凹凸が形成される構造の場合、メモリセルキャパシタの下部電極表面のエッチング時の切片が、ショート発生体を構成する場合が多い。このような場合、このショート発生源の体積はかなり微小となりまた導電性も低いため、同様、1回のバーンインを行なった後の機能テストにおいて不良品となる割合(バーンイン不良率)が管理規格値よりも高くなる事が多い。この場合においても、1回のバーンインで不良がすべてスクリーニングされていない可能性が高いことを示しており、同様、追加のバーンインが実行され、再試験が実施される。
【0018】
また、同様に、メモリセルキャパシタが微細化された場合、メモリセルが整列している面を基準面としたとき、その基準面に対してメモリセルキャパシタの下部電極の面積は小さくなる。したがって、メモリセルキャパシタ下部電極自体の導電性がこの面積が小さくなった分低下する。したがって、1回のバーンインにおいて、ある数のメモリセルキャパシタ間短絡の不良が顕在化されても、すべての不良を1度のバーンインで顕在化させるのが困難である。したがって、この場合においても、バーンイン後の機能テストで不良品となる割合(バーンイン不良率)が管理規格値よりも高くなり、同様、追加のバーンインを行なって、再度機能テストを行ない、バーンイン不良率が管理規格値以下であることを確認する必要がある。
【0019】
上述の特許文献1および2においては、ストレス加速を効率的に行うことは考慮しているものの、このようなプロセスのばらつきまたは高抵抗のショート発生源が存在する場合にバーンイン不良率が管理規格値よりも高くなる可能性およびバーンイン不良率が規格値よりも高くなった場合の処置については何ら考慮していない。
【0020】
このようなショート発生源、すなわちマイクロショートまたはメモリセルキャパシタ間形状異常による電極間短絡が生じる事態は、製品の量産立上げ時またはプロセス装置におけるトラブル等により突発的に発生する。このような事態を解決するためには、量産工場において日々のプロセス安定活動の積み重ねが必要であり、この解決には、半年から数年を要することがある。
【0021】
このような状況から、微細化されたメモリセルキャパシタを有する半導体記憶装置、すなわちDRAMおよびSRAM等の量産ウェハテストにおいて、バーンイン不良率が高いウェハが突発的に発生し、そのウェハのテスト時間を短縮することがコスト低減およびテスト時間短縮の観点から重要な課題となる。すなわち、このようなバーンイン不良率が突発的に高いウェハが発生した場合、製造ラインにおける品質管理値(管理規格値)を超えた場合、出荷を一時停止して、少なくともバーンイン不良率が高いウェハの全チップ(半導体記憶装置)に対してバーンイン不良収束性(バーンイン不良率が増加しない)を評価するために、追加バーンインを実施して、出荷工程に転送するかの判定を行なう必要がある。このような追加作業を行なうため、対象のウェハは、少なくとも2倍のウェハテスト時間を必要とし、これがコストを上昇させる原因となる。
【0022】
それゆえ、この発明の目的は、ウェハのテスト時間を短縮することのできる半導体記憶装置のテスト装置および方法を提供することである。
【0023】
この発明の他の目的は、ウェハレベルでのバーンイン収束性を保証することのできかつバーンイン不良率の増大を抑制することのできる半導体記憶装置のテスト装置およびテスト方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
この発明に係る半導体記憶装置のテスト方法は、ウェハ上に形成され、各々が情報を記憶する容量素子を含む複数のメモリセルを備える半導体記憶装置のテスト方法であって、この半導体記憶装置において注目メモリセルの容量素子に第1の論理レベルのデータを記憶させかつこの注目セルの容量素子に隣接する複数の容量素子に第2の論理レベルのデータを記憶させるデータ書込ステップと、このデータ書込ステップの後、この半導体記憶装置の機能テストを行ない、この機能テスト結果に基づいてバーンイン回数を決定するステップと、この決定されたバーンイン回数半導体記憶装置に対してバーンインを行なうステップとを備える。
【0025】
この発明に係る半導体記憶装置のテスト装置は、ウェハ上の半導体装置において注目メモリセルの容量素子に第1の論理レベルのデータを記憶させかつこの注目セルの容量素子に隣接する複数の容量素子に第2の論理レベルのデータを記憶させる様にテストデータを書込む手段と、このテストデータ書込の後、該半導体記憶装置の機能テストを行ない、この機能テスト結果に基づいてバーンイン回数を決定する手段と、この決定されたバーンイン回数半導体記憶装置に対してバーンインを行なう手段とを備える。
【発明の効果】
【0026】
バーンイン実施前に、バーンイン回数決定のテストを行ない、このテスト結果に基づいてバーンインの実行回数を算出して、この算出されたバーンイン回数バーンインを実施する。したがって、ウェハテスト1回において、事前に必要な回数分のバーンインを実施することができ、ほぼすべての初期不良をスクリーニングできたと判定することができ、バーンイン不良率が収束したと判定することができる。したがって、ウェハ上の全装置(チップ)に対して追加のバーンインを実施して再度の機能試験を行うことが不要となり、ウェハテストに要する時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
[実施の形態1]
図1は、この発明が適用される半導体記憶装置のメモリセルの電気的等価回路を示す図である。図1において、メモリセル1は、情報を電荷の形態で記憶する容量素子(メモリセルキャパシタ)2と、ワード線WL上の信号電位に従ってメモリセルキャパシタ2をビット線BL(または/BL)に結合するNチャネルMOSトランジスタで構成されるアクセストランジスタ3を含む。
【0028】
メモリセルキャパシタ2は、その構造は後に説明するがスタック型構造を有し、ストレージノード7に結合される下部電極4と、下部電極4とキャパシタ絶縁膜6を介して対向して配置されるセルプレート電極(上部電極)5を含む。上部電極5には、一定のセルプレート電圧Vcpが供給される。ストレージノード7に、記憶情報に応じた電荷が蓄積され、Hレベルの電位またはLレベルの電位に設定される。メモリセル1は、メモリセルアレイ内に行列状に配列され、メモリセル行に対応してワード線WLが配設され、メモリセル列に対応してビット線BL(/BL)が配設される。
【0029】
図2(A)−図2(D)は、メモリセルキャパシタのストレージノード電極(下部電極)4の構造の例を示す図である。図2(A)において、下部電極4は、中空の筒状の形状を有する。下部電極4のその断面4aは、U字型形状を有している。この下部電極4の筒状形状は、円筒形状または中空角柱形状のいずれであってもよい。この下部電極4の凹部形状により、外側表面および内部表面をメモリセルキャパシタ電極として利用することにより、キャパシタレイアウト面積(平面レイアウト面積)を増大させることなく、容量値を増大させる。
【0030】
図2(B)は、下部電極4の他の構造を示す図である。図2(B)に示す下部電極4は、図2(A)に示す構造と同様、断面U字形状を有する中空の筒形状であるが、その側壁外部および内部ともに表面に凹凸部4bが形成される。下部電極4形成時、処理工程においてたとえばポリシリコン表面に球状の粒子が生成されるように処理することにより、表面に凹凸部4bを形成する。図2(A)に比べて、図2(B)の下部電極4の構造においては、粒子部4bの表面により、さらに下部電極4の表面面積が増大し、容量値をさらに増大させることができる。
【0031】
図2(C)は、下部電極4のさらに他の構造を示す図である。図2(C)に示すキャパシタ構造においては、下部電極4は、円柱または角柱形状に形成され、その断面4cは、矩形形状を有する。この図2(C)の構造の場合、下部電極4を高くすることにより、表面面積を増大して、側壁および上側表面を容量素子電極として利用することができ、メモリセルキャパシタの容量値を増大させることができる。
【0032】
図2(D)は、下部電極4のさらに他の構成を示す図である。図2(D)において、下部電極4は、図2(C)に示す下部電極の構成に加えて、さらに、側壁および上部表面に凹凸部4dが形成される。断面4cは、矩形形状を有する。このキャパシタ構造においては、図2(C)に示す下部電極4に比べて、凹凸部4dにより、さらに表面面積が増大する。
【0033】
これらの図2(A)から図2(D)に示す下部電極の構造に加えて、さらに、他の構造のキャパシタが用いられてもよい。
【0034】
図3は、メモリセル1の断面構造を概略的に示す図である。図3においては、同一ビット線BLに接続されるメモリセル1aおよび1bの断面構造を示す。
【0035】
図3において、メモリセル1aおよび1bは、p型半導体基板領域(ウェル領域;基板領域)10上に形成される。この基板領域10の表面に間をおいてn型不純物領域11a、11b、および11cが形成される。不純物領域11aには、ビット線BLを構成する導電層16が接続される。不純物領域11bおよび11cには、下部電極を形成するストレージノード電極層14aおよび14bがそれぞれ分離して形成される。図3においては、下部電極であるストレージ電極層14aおよび14bが中空構造を有する場合を一例として示す。下部電極層14aおよび14bは、容量素子を構成する中空円筒部分と、この容量素子部分をストレージノードに接続するプラグ部分とを有する。
【0036】
ストレージノード電極層14aおよび14bの上部側壁および内部領域に、キャパシタ絶縁膜15aおよび15bがそれぞれ形成される。キャパシタ絶縁膜15aおよび15bと対向して、上部電極であるセルプレート電極層13が形成される。セルプレート電極層13は、典型的には、メモリセルアレイ内のメモリセルキャパシタ2に共通に配設される。
【0037】
不純物領域11aおよび11bの間の基板領域表面上にワード線を構成する導電層12aが配設され、不純物領域11aおよび11cの間の基板領域上に別のワード線を構成する導電層12bが配設される。
【0038】
不純物領域11aおよび11bと導電層12aにより、メモリセル1aのアクセストランジスタ(3)が構成され、ストレージノード電極層14a、キャパシタ絶縁膜15aおよびセルプレート電極層13により、メモリセル1aのメモリセルキャパシタ2aが形成される。
【0039】
一方、不純物領域11aおよび11cと導電層12bにより、メモリセル1bのアクセストランジスタが形成され、ストレージノード電極層14b、キャパシタ絶縁膜15bおよびセルプレート電極層13により、メモリセル1bのキャパシタ2bが形成される。
【0040】
図3においては、セルプレート電極層13が、ビット線を構成する導電層16よりも下部に形成されるキャパシタ・アンダー・ビット線(CUB)構造が一例として示される。しかしながら、メモリセルキャパシタを構成する部分がビット線を構成する導電層16より上部に構成されるキャパシタ・オーバー・ビット線(COB)構造が、メモリセルキャパシタ構造として用いられてもよい。
【0041】
図3に示すように、メモリセル1(1a,1b)においては、下部電極4は、ワード線上部に形成され、メモリセルサイズが低減される場合、これらのメモリセルキャパシタ2aおよび2bの下部電極間の距離が短くなる。
【0042】
図4は、メモリセルアレイにおけるメモリセルの配列の一例を示す図である。図4において、メモリセル1は行列状に配列され、メモリセル1の行に対応してワード線WL(WL0−WL6)が配設される。セル1の各列に対応してビット線BL(BL0−BL3、…)が配設される。メモリセル1は、先の図1において示すように、アクセストランジスタとメモリセルキャパシタ2とを有し、メモリセルキャパシタ2は、下部電極4と上部電極5とを含む。図4において、メモリセルキャパシタ2の領域が、上部電極5と下部電極4の対向する領域(平面レイアウトにおいては下部電極4のレイアウト領域)に対応し、この上部電極5と下部電極4の対向部分の面積により、メモリセルキャパシタ2の容量値が決定される。
【0043】
この図4に示すメモリセルアレイにおいては、ワード線WL(WL0−WL6、…)の1つが選択状態へ駆動され、ビット線BL(BL0−BL3、…)それぞれに、選択ワード線に接続されるメモリセルの対応のキャパシタ2が接続される。この場合、ビット線BL(BL0−BL3、…)各々の一方端部にセンスアンプが設けられており、各センスアンプが、図示しない非選択状態のメモリセルアレイのビット線を参照ビット線として差動増幅動作を行なう。
【0044】
すなわち、図5に示すように、メモリセルアレイMAaにおいてメモリセル1が行列状に配列され、またメモリセルアレイMAbにおいてもメモリセル1が行列状に配列される。この図5において、メモリセルアレイMAaのワード線WLaおよびビット線BLaとメモリセルアレイMAbにおけるワード線WLbおよびビット線BLbを代表的に示す。ビット線BLaおよびBLbは、それらの間に配置されるセンスアンプSAに接続される。データアクセス時、ワード線WLaおよびWLbの一方が選択状態へ駆動される。たとえば、メモリセルアレイMAaのメモリセル1に対してデータの書込または読出を行なう場合、ワード線WLaが選択状態へ駆動され、一方、ワード線WLbは非選択状態に維持される。ビット線BLaには、対応のメモリセル1の記憶データに応じた電位変化が生じる。一方、メモリセルアレイMAbにおいては、ワード線WLbが非選択状態であり、ビット線BLbは、メモリセルのデータは伝達されず、所定の電圧レベルのプリチャージ電圧レベルに維持される。センスアンプSAが、これらのビット線BLaおよびBLbの電位を差動増幅し、メモリセルアレイMAaのメモリセル1の記憶データを検知し、増幅する。このセンスアンプSAがデータの増幅後にラッチ状態となると、列(ビット線)を選択して(センスアンプに対応して配置される列選択ゲートにより)、選択列のビット線に対してデータの書込または読出が実行される。
【0045】
図4に示すような、ワード線WLおよびビット線BLの交差部それぞれに対応してメモリセル1が配設され、センスアンプSAが両側のビット線の電位を差動増幅する構成は、通常、「オープンビット線」構成と呼ばれ、高密度でメモリセル1を配設することができる。
【0046】
図6は、メモリセルアレイのメモリセルの配置の他の構成を示す図である。図6においても、メモリセル1は、アクセストランジスタ3およびメモリセルキャパシタ2を有し、メモリセルキャパシタ2が、下部電極4および上部電極5を含む。
【0047】
図6に示すメモリセルアレイにおいては、メモリセル列それぞれに対応してビット線BL(BL0−BL3、…)が配設され、一方、ワード線WL(WL0−WL7、…)は、1列おきのメモリセルのアクセストランジスタ3に結合される。図6に示すメモリセルの配置の場合、1つのワード線WLが選択された場合、1列おきのビット線にメモリセルキャパシタが結合される。
【0048】
この場合、各隣接ビット線で構成されるビット線対に対してセンスアンプが設けられる。すなわち図7に示すように、対をなすビット線BLおよび/BLに対しセンスアンプSAが設けられる。1つのワード線とビット線対BLおよび/BLの一方との交差部にメモリセル1が配設される。図7においては、ワード線WLcとビット線BLの交差部に対応してメモリセル1が配設され、ワード線WLdとビット線/BLの交差部に対してメモリセル1が配設される。この配置の場合、ワード線WLcが選択状態へ駆動されると、ワード線WLcに接続されるメモリセル1の記憶データがビット線BLに伝達され、ビット線BLの電位が変化する。一方、ビット線/BLは、ワード線WLcの選択時、メモリセルの記憶データは伝達されないため、所定のプリチャージ電圧レベルを維持する。センスアンプSAが、これらのビット線BLおよび/BLの電位を差動的に増幅し、ワード線WLcに接続されるメモリセル1の記憶データの検知および増幅を行なう。この後、図4に示すメモリセル配置と同様に、データの書込または読出が、図示しない列選択ゲートを介して実行される。
【0049】
この図7に示すビット線構成は、通常、「折返しビット線」構成と呼ばれ、ビット線BLおよび/BLにノイズが発生しても、そのノイズは同相であり、センスアンプSAにおいてこの同相ノイズがキャンセルされるため、ノイズ耐性に優れたメモリセル配列である。
【0050】
図4および図6に示すメモリセル配列のいずれにおいても、メモリセルキャパシタ2は、行列状に配列され、このメモリセル配列は、オープンビット線構成および折返しビット線構成のいずれを用いられてもよい。
【0051】
以下では、メモリセルキャパシタが行および列状に配列される状態を強調するために、メモリセルがオープンビット線構成に配設される場合を一例として説明するが、メモリセルは、上述のように,折返しビット線構成で配設される場合においても、同様の議論が成立し、本発明は適用可能である。
【0052】
図8は、メモリセルキャパシタの下部電極4の配列の斜視図を概略的に示す図である。図8において、下部電極4は、中空円筒形状を有し、X方向およびY方向に整列して配列される。下部電極4においては、図3に示すように、中空円筒形状の容量素子部分をストレージノード(アクセストランジスタとの接続ノード)に電気的に接続するプラグ部分が、この中空円筒形状下部に配設されるが、図8においては、図面を簡略化するために、プラグ部分は示していない。キャパシタ間の短絡が問題となるのは、この容量素子部分を構成する中空円筒部分であり、下部電極の構造が中空円筒形状として、以下においては説明する。また、X方向およびY方向は、直交する方向であれば良い。このX方向およびY方向については、必要に応じて、その方向を規定するが、ここでは、それぞれ、ワード線の延在方向(行方向)およびビット線の延在方向(列方向)を示すものとする。
【0053】
図9は、この図8に示すメモリセルキャパシタの下部電極4の配列の平面レイアウトを具体的に示す図である。この図9に示すように、下部電極4が、楕円状のリング形状を有し、X方向およびY方向に沿って整列して配置される。
【0054】
図10は、メモリキャパシタの他の配列例を示す図であり、図10においても、中空円筒形状の下部電極の配列の斜視図を示す。この図10に示す構成においては、下部電極4は、Y方向に沿って整列して配置され、一方、X方向に沿っては、下部電極4のY方向のピッチの1/2倍の距離ずれて配列される。
【0055】
図11は、図10に示す下部電極4の配列の平面レイアウトを示す図である。図11において、Y方向に沿って下部電極4が整列して各列ごとに配列され、X方向においては、下部電極4は、下部電極のY方向のピッチLpの1/2倍、Lp/2ずれて配列される。
【0056】
メモリセルの配置においては、通常、ビット線コンタクトを低減するため、各列方向(Y方向)に配列されるメモリセルのアクセストランジスタは、ビット線との電気的コンタクトをとるためのビット線コンタクトを共有するように配列される。メモリセルの配置に応じて、メモリセルキャパシタの配置も決定される。図8から図11に示すメモリセルキャパシタの配置のいずれかが、オープンビット線構成および折返しビット線構成において用いられる。以下の説明においては、メモリセルキャパシタの下部電極のショートのスクリーニングを対象としており、以下では、下部電極4の容量素子を構成する部分の配列に重点をおいて説明を行なう。従って、以下の説明においては、下部電極4は、メモリセルキャパシタの容量素子を構成する部分を参照するものとする。
【0057】
図12から図16は、隣接メモリセルキャパシタ(下部電極)間のショートの例を示す図である。これらの図12から図16においては、3行3列に配列されるメモリセルキャパシタ2a−2iにおける可能なショート発生源の態様について示す。メモリセルキャパシタの短絡(ショート)は、キャパシタ下部電極4の短絡と同義であり、メモリセルキャパシタ間短絡とメモリセルキャパシタ下部電極間短絡とを、特に断らない限り、同様の意味で用いる。
【0058】
図12においては、メモリセルキャパシタ2eおよび2bにおいてショート発生体10aが存在し、このメモリセルキャパシタ2bおよび2e間にショートが発生する。
【0059】
図13においては、メモリセルキャパシタ2eおよび2fの間にショート発生体10bが存在し、メモリセルキャパシタ2eおよび2fが、そのショート発生体10bを介して電気的に結合される。
【0060】
図14においては、メモリセルキャパシタ2e、2fおよび2cにわたるショート発生体10cが存在し、これらのメモリセルキャパシタ2e、2cおよび2fがショート発生体10cにより電気的に結合される。
【0061】
図15においては、メモリセルキャパシタ2b、2c、2eおよび2fを相互接続するショート発生体10dが存在し、これらのメモリセルキャパシタ2b、2c、2eおよび2fにおいて電気的な短絡が生じる。
【0062】
図16においては、メモリセルキャパシタ2bおよび2fの間にショート発生体10eが存在し、メモリセルキャパシタ2bおよび2fが電気的に短絡される。
【0063】
これらの図12から図16に示すショート発生体10a−10eは、それぞれ、中央のメモリセルキャパシタ(注目セルキャパシタ)2eについて上下左右対称な位置に存在する可能性がある。ショート発生体は、エッチング時の飛散切片または異物であり、抵抗値が高く、マイクロショートを形成することが多い。ショート発生体10a−10eの抵抗値が高い場合、リーク電流が小さく、機能テストにおいてメモリ動作に対して影響を及ぼさずに短絡異常が検出されない可能性がある。
【0064】
これらのショート発生体10a−10eを、電圧ストレスによりスクリーニングする。すなわち、ショート発生体10a−10eに対し電圧ストレスを印加し、そのショート発生体10a−10eの電圧ストレスにより破壊し、このショート発生体10a−10eの間に絶縁破壊を生じさせ、その短絡を顕在化させる。この場合、ショート発生体10a−10eが前述のように、高抵抗体の場合、電圧ストレスを1回印加しただけで、十分にジュール熱等により破壊せず、このショートを顕在化させるのが困難である。これらのショート発生体10a−10eを、確実に、破壊して、短絡状態を顕在化させるために、バーンイン回数を、本発明において予め決定し、その後に、決定された回数だけバーンインを実行する。
【0065】
図12から図16に示すメモリセルキャパシタ2a−2iにおいて、隣接メモリセルキャパシタで短絡が生じるのは、下部電極(ストレージ電極)であり、下部電極の形状は、中空の筒状形状および非中空の柱状形状のいずれであってもよい。
【0066】
図17から図22は、プロセス時におけるマージン不良による隣接メモリセルキャパシタ間短絡の態様を示す図である。図17から図22においても、3行3列に配列されるメモリセルキャパシタ2a−2iを示す。
【0067】
図17においては、メモリセルキャパシタ2eが、写真製版工程またはエッチング工程時のプロセスマージン不足により、位置ずれが生じた場合、その位置ずれマージンが不足しているため、隣接メモリセルキャパシタ2bに接触し、短絡12aが発生する。
【0068】
図18においても、同様、メモリセルキャパシタ2eにおける写真製版またはエッチング工程時のプロセスマージン不足により、位置ずれが生じた場合、隣接メモリセルキャパシタ2eに接触し、短絡12bが発生する。この場合、図18においては、またメモリセルキャパシタ2dの位置もずれているものの、メモリセルキャパシタ2dおよび2eが同一方向にずれており、これらのメモリセルキャパシタ2dおよび2eにおいては短絡は生じていない。
【0069】
図19においても、同様、写真製版またはエッチング工程時のプロセスマージン不足により、メモリセルキャパシタ2eが位置ずれを起こした場合に、隣接メモリセルキャパシタ2fおよび2hに接触し、短絡12cが発生する。
【0070】
図20においては、写真製版工程またはエッチング工程時におけるプロセスマージン不足により、その形状異常が発生した場合、隣接メモリセルキャパシタ2fとメモリセルキャパシタ2eが接触し、短絡12dが発生する。
【0071】
図21においても、同様、メモリセルキャパシタ2eの形状異常が発生した場合、マージン不足により、メモリセルキャパシタ2eおよび2hに短絡12eが発生する。図22においても、写真製版工程およびエッチング工程時におけるプロセスマージン不足により、メモリセルキャパシタ2eの形状異常が発生し、メモリセルキャパシタ2iと接触し、短絡12dが発生する。
【0072】
図22においても、写真製版工程およびエッチング工程時におけるプロセスマージン不足により、メモリセルキャパシタ2eの形状異常が発生し、メモリセルキャパシタ2iと接触し、短絡12fが発生する。
【0073】
このような図17から図22に示すようなメモリセルキャパシタ(下部電極)の短絡が生じた場合においても、電圧ストレスを印加し、この接触抵抗部分を完全に低抵抗状態(絶縁破壊状態)に設定し、この短絡状態を露顕させる。
【0074】
これらの図12から図22に示す隣接メモリセルキャパシタ間の短絡状態10a−10eおよび12a−12fは、メモリセルキャパシタが、図11に示すように、1列ごとにずれて配列される場合においても同様に生じる。
【0075】
すなわち、通常のプロセス時においては、メモリセルキャパシタの形状および位置に対しては、設計段階において設定される許容誤差が存在し、その許容誤差範囲内での位置ずれまたは形状異常では、不良が生じないように設計される。しかしながら、プロセス時におけるパラメータの変動またはトラブル等により、この許容誤差範囲を超えた場合、隣接メモリセルキャパシタ間での短絡が発生し、特に、この隣接メモリセル間の距離が微細化により短くなった場合、マージンが小さくなり、このような不良が発生する可能性が高くなる。この短絡を効率的に検出するために、バーンイン実行前に、短絡不良を検出し、その検出結果に基づいて、実際のバーンインの実行回数を決定し、この決定回数だけバーンインを実行する。これにより、顕在化しにくい状態の短絡状態を効率的に顕在化させる。
【0076】
図23は、この発明の実施の形態1に従う半導体記憶装置のテスト方法を示すフロー図である。以下、図23を参照して、この発明の実施の形態1に従うテスト方法について説明する。
【0077】
まず、ウェハレベルにおいて、半導体記憶装置(チップ)が製造された後、IF(インターフェイス)テストが行なわれる(ステップSP1)。このIFテストにおいては、ボンディングパッドに対するコンタクト不良の有無などが検出される。
【0078】
次いで、リーク電流などのDC(直流)テストが行なわれ、各半導体記憶装置の直流特性の評価が行なわれる(ステップSP2)。DCテストにおいては、各端子のリーク電流などの直流特性が評価される。
【0079】
これらのIFテストおよびDCテストが行なわれた後、以上の検出されない半導体記憶装置に対して、ファンクションテスト(機能テスト)が行なわれ、半導体記憶装置が、正常にメモリ動作をするかの判定が行なわれる(ステップSP3)。すなわち、ファンクションテストにおいては、通常の動作条件下において、メモリセルにテストデータを書込み、その書込んだデータを読出して、読出データを期待値(テストデータ)と比較し、この比較結果に基づいて、半導体記憶装置が正常にメモリ動作をしているかを判定する。この機能テストにおいては、不良セルのアドレスの検出および不良セルの冗長置換による救済可否も合わせて判定され、救済可能な半導体記憶装置は、正常な半導体記憶装置であると判定される。
【0080】
次いで、このファンクションテストの完了後、本発明の実施の形態1において、バーンイン回数決定テストが行なわれる(ステップSP4)。このステップSP4のバーンイン回数決定テストについては、後に詳細に説明するが、回数決定用の特定のデータパターンをメモリセルに書込んで、隣接メモリセルキャパシタ間の短絡を検出し、その検出結果に基づいて、バーンイン回数をバーンイン実行前に算出する。
【0081】
次いで、ステップSP4において決定されたバーンイン回数だけ、バーンインを実行する(ステップSP5)。ステップSP4でバーンイン回数を決定し、その決定された回数バーンインを実行することにより、ステップSP5の処理完了後、この半導体記憶装置における潜在的な不良はすべて顕在化されたと判定される。バーンイン回数決定およびバーンインは、テスタからのプロ−バを対象チップに接続した状態で実行され、プロ−バの脱着時間を短縮する。また、プロ−バに接続される半導体記憶装置単位で回数の決定およびバーンインの実行であり、ウェハ上の半導体記憶装置全数が全て同一回数バーンインされる事がなく、必要装置に対してのみ必要回数バーンインが実行され、応じて、追加のバーンインを全数に対して実行する場合に比べて、テスト時間を短縮することができる。
【0082】
次いで、バーンイン実行後、再びファンクションテストが行なわれ(ステップSP6)、バーンイン不良率がモニタされる。このバーンイン不良率が、管理規格値よりも高い場合においても、ステップSP4においてバーンイン回数バーンインを実行しており、すべての潜在的な不良が顕在化されており、追加のバーンインを行なわなくても、バーンイン不良が収束していると判定される。
【0083】
なお、ステップSP5におけるバーンインにおいては、温度加速により不良部を効率的にスクリーニングするために、60℃ないし130℃前後の雰囲気温度で実施される。
【0084】
このファンクションテストを実行した後(ステップSP6)、不良救済などのヒューズプログラム処理などを行った後に、半導体記憶装置が、ダイシング工程を経てチップごとに分離されて、パッケージ実装工程へ転送される。このパッケージ実装後において最終テスト(ファイナルテスト)が再び行なわれ、初期不良をバーンイン等により除去した後(不良製品を取除いた後に)、製品の出荷が行なわれる(ステップSP7)。
【0085】
図24は、図13に示すバーンイン回数決定テストを実行するステップSP4の詳細処理を示すフロー図である。図24に示すように、バーンイン回数決定テストステップSP4においては、まず、半導体記憶装置に対し特定のパターンを有するデータが格納される(ステップST1)。この特定のパターンは、メモリセルアレイ内において隣接メモリセルキャパシタ間の短絡を効率的に検出するデータ配列となるパターンである。
【0086】
次いで、この書込データを読出パターンデータに対する期待値として、メモリセルから読出したデータと期待値との比較が行なわれる(ステップST2)。期待値との比較結果に従って半導体記憶装置におけるメモリセルの良/不良が判定される。不良メモリセルの分布に基づいて、不良セルを有する半導体記憶装置が、不良セルをスペアセルで置換する冗長置換などで救済可能であるかの判定が行なわれ、救済不能と判定された半導体記憶装置(チップ)は不良品として判定され、その不良装置(チップ)の数がカウントされる(ステップST3)。また、この不良品カウント時において、単に、不良セルが検出された半導体装置を、不良装置としてカウントすることが行われても良い。
【0087】
この不良装置のカウント数に基づいて、次工程において実行すべきバーンインの回数が決定される(ステップST4)。
【0088】
この不良装置がカウントされる場合、半導体記憶装置は、ウェハ上に配置された状態であり、不良半導体記憶装置に対しても、不良装置の状態でバーンインが実行される。不良品の数に応じてバーンイン回数を決定した場合、潜在的な不良を確実に顕在化させ、決定された回数バーンインを実行した後には、ほとんどの潜在的な不良が顕在化して、不良のチップ(装置)が検出され、バーンイン不良率が収束していると判定する。
【0089】
図25は、図24に示すステップST1における格納データのメモリセルアレイ内のパターンの一例を示す図である。図25においては、オープンビット線構成にメモリセル1が配列される場合を示すものの、折返しビット線構成でメモリセルが配設される場合においてもメモリセルキャパシタの格納データのパターンは、同様である。
【0090】
図25において、偶数ワード線WL0、WL2、WL4、およびWL6に接続されるメモリセル1のキャパシタ2のストレージノードには、Hデータ(高電位のデータ)が格納される。メモリセルのストレージノードは、メモリセルキャパシタの下部電極と電気的に接続されており、ストレージノードの電位は、下部電極の電位とほぼ同じである。
【0091】
奇数ワード線WL1、WL3、およびWL5に接続されるメモリセルにおいては、偶数ビット線BL0、BL2に接続されるメモリセルのキャパシタ2のストレージノード(下部電極)には、Hデータが格納され、奇数ワード線WL1、WL3およびWL5に接続されるメモリセルにおいて奇数ビット線BL1およびBL3に接続されるメモリセルには、Lデータ(低電位のデータ)がメモリセルのストレージノードに格納される。
【0092】
Lデータを格納するメモリセルを注目セル1rとする。この場合、注目セル1rのメモリセルキャパシタ2r(下部電極4r)は、その周辺メモリセルキャパシタ(下部電極)P1−P8により取囲まれ、これらの周辺メモリセルキャパシタP1−P8には、Hデータが格納される。注目メモリセルキャパシタ2r(下部電極4r)に対しては、周辺メモリセルキャパシタP2およびP7により、行方向において隣接するメモリセルキャパシタ間異常を検出し、周辺メモリセルキャパシタP4およびP5により、同様、列方向における隣接メモリセルキャパシタ間異常を検出する。隣接メモリセルキャパシタP1、P3、P6およびP8により、この注目メモリセルキャパシタ2r(下部電極4r)に対する斜め方向の隣接メモリセルキャパシタ間異常を検出する。
【0093】
このキャパシタ間の短絡異常を検出する場合、注目メモリセルキャパシタと周辺メモリセルキャパシタとは格納データの論理レベルが異なり、応じて、電圧レベルが異なる。したがって、短絡異常が存在する場合、短絡キャパシタの電圧レベルが同程度となり、記憶データの反転が生じる。注目メモリセルキャパシタと短絡する周辺メモリセルキャパシタの数が多い場合においては、周辺メモリセルキャパシタの電位変化が小さく、記憶データの反転が生じない場合においても、注目メモリセルキャパシタの電圧レベルが変化し、応じて、その記憶データの反転が生じ、短絡異常を検出することができる。
【0094】
図26は、バーンイン回数決定テストにおける他のパターンデータを示す図である。この図26に示すデータパターンにおいては、偶数ワード線WL0、WL2、およびWL4、およびWL6と奇数ビット線BL1、BL3に接続されるメモリセル1に対してLデータが格納され、残りのメモリセルキャパシタ、すなわち奇数ワード線WL1、WL3およびWL5に接続されるセルのキャパシタ2のストレージノードに、Hデータが格納され、また、さらに、偶数ワード線WL0、WL2、WL4およびWL6と偶数ビット線BL0、BL2の交差部に対応して配置されるメモリセルのキャパシタ2のストレージノードに、Hデータが格納される。
【0095】
このデータパターンの場合、注目メモリセルキャパシタ2r(下部電極4r)の位置が、図25に示す配置から、1行ずれ、偶数ワード線に接続されかつ奇数ビット線に接続されるメモリセルのキャパシタが、注目メモリセルキャパシタ2rとなる。この場合においても、図25に示す構成と同様、周辺メモリセルキャパシタP1−P8には、注目メモリセルキャパシタ2rと逆の論理レベルのデータ、すなわちHデータが格納されており、この注目メモリセルキャパシタ2r(下部電極4r)に対して行方向および列方向および斜め方向における隣接メモリセルキャパシタ間異常を検出することができる。
【0096】
図27は、このバーンイン回数決定テストにおいて用いられるデータパターンの他の例を示す図である。この図27に示すデータパターンにおいては、偶数ワード線WL0、WL2、WL4およびWL6と偶数ビット線BL0およびBL2の交差部に対応して配置されるメモリセルのキャパシタ2r(下部電極4r)が注目セルキャパシタとして用いられて、Lデータが格納される。残りのメモリセルキャパシタ、すなわち、偶数ワード線WL0、WL2、WL4およびWL6と奇数ビット線BL1およびBL3の交差部に対応して配置されるメモリセルのキャパシタ2および奇数ワード線WL1、WL3およびWL5に接続されるメモリセルのキャパシタ2には、Hデータが格納される。
【0097】
このデータ配列の場合、注目メモリセルキャパシタ2r(下部電極4r)は、偶数ワード線と偶数ビット線の交差部に対応して配置され、その周辺メモリセルキャパシタP1−P8は、すべてHデータを格納している。したがって、図27に示すデータパターンにおいても、図において双方向矢印で示すように、行方向および列方向および斜め方向の隣接メモリセルキャパシタ間の異常を検出することができる。
【0098】
図28は、バーンイン回数決定テストにおいて用いられるメモリセルアレイ内のデータパターンのさらに他の構成を示す図である。この図28に示すデータパターンにおいては、奇数ワード線WL1、WL3およびWL5と偶数ビット線BL0、およびBL2の交差部に対応して配置されるメモリセルが注目セル1rとして用いられ、Lデータが格納される。注目メモリセルキャパシタ2r(下部電極4r)の周辺メモリセルキャパシタP1−P8には、Hデータが格納される。すなわち、偶数ワード線WL0、WL2、WL4およびWL6に接続されるメモリセルおよび奇数ワード線WL1、WL3、およびWL5と奇数ビット線BL1およびBL3の交差部に対応して配置されるメモリセルのキャパシタ2には、Hデータが格納される。
【0099】
このデータパターン配列において、注目メモリセルキャパシタ2r(下部電極4r)にLデータが格納され、周辺メモリセルキャパシタP1−P8には、Hデータが格納される。したがって、短絡によりメモリセル間リーク電流が存在する場合、これまでのデータパターンと同様、ストレージノード電圧の変化によるデータ反転により、隣接メモリセルキャパシタ間異常を検出することができる。
【0100】
これらの図25から図28に示すデータパターンにより、偶数ワード線と偶数ビット線の交差部に配置されるメモリセルキャパシタ、偶数ワード線と偶数ビット線の交差部に対応して配置されるメモリセルキャパシタ、奇数ワード線と奇数ビット線の交差部に対応して配置されるメモリセル、キャパシタ、および奇数ワード線および奇数ビット線の交差部に対応して配置されるメモリセルキャパシタをそれぞれ注目セルとして、その8個の隣接メモリセルキャパシタとの間の短絡異常を検出することができ、すべてのメモリセルを注目セルとして、隣接メモリセル間キャパシタ間異常を検出することができる。
【0101】
次に、図25から図28に示すデータパターンを格納した場合におけるバーンイン回数決定テストの適切さについて説明する。
【0102】
データパターンを用いた機能テストにおいては、初期状態として、注目セル1rのメモリセルキャパシタ2rにストレージノードにLデータを格納し、その周辺セルのメモリセルキャパシタP1−P8をすべてHデータを格納する状態に設定する。この初期状態の格納データは期待値として用いられる。この状態において、隣接メモリセル間において、ショート発生体(10a−10eのいずれか)が存在する場合、注目メモリセルキャパシタ2rのストレージノード電位に近い電位レベルまたは同電位レベルとなり、この短絡を生じたメモリセルキャパシタの少なくとも一方が、記憶データが反転した状態となり、期待値との不一致により不良セルとして判定される。
【0103】
このバーンイン回数決定テストにおける機能テストにより、不良セルと判定された場合、前述のように冗長置換の可能性を判定することなく、不良デバイス(チップ)としてカウントしても良く、また、冗長可能性の判定を行って、冗長置換不可能と判定される装置を不良品としてカウントしても良い。
【0104】
カウントされた不良装置(チップ)の数が、事前に設定された基準値を超えた場合に、次工程におけるバーンイン実行前に、バーンイン回数を増加させるように設定する。このバーンイン回数の決定処理ステップを、図25から図28に示すデータパターンそれぞれにおいて実行する。全データパターンに対する不良品の合計値を、基準値との比較値として用いる。
【0105】
図25から図28に示すように、4種類のデータパターンをすべて用いた回数決定テスト、バーンイン回数決定テストにおいて実施することが必要とされる。しかしながら、たとえばメモリセルの数が1MビットのDRAMにおいては、メモリセルキャパシタ2の数は、2の20乗であり、約104万個である。したがって、たとえば図25から図28におけるデータパターンのうち1つのデータパターンのみを用いた場合でも、4個のメモリセル当たり1つのメモリセルを注目メモリセルとして用いることができ、応じて、約26万個のメモリセルキャパシタを注目セルキャパシタとして設定することができる。したがって、1種類のデータパターンを用いてバーンイン回数決定テストを実施しても、統計的には、十分に、異物による隣接メモリセル間キャパシタ間短絡およびプロセスマージン不足による隣接メモリセルキャパシタ間短絡の発生割合を評価することができる。したがって、図25から図28に示す合計4種類のデータパターンすべてを用いて回数決定テストを実施することは特に要求されない。
【0106】
このデータパターンの書込においては、オープンビット線構成および折返しビット線構成いずれにおいても、このメモリセルキャパシタの位置に応じて、書込データを決定して各対応のビット線を介してメモリセルに書込む。
【0107】
図29は、下部電極における記憶データのパターンを示す図である。図29においては、下部電極4がX方向およびY方向に整列して配置される場合を示す。この図29に示す下部電極4に表わされるデータパターンとしては、先の図25から図28のいずれのデータパターンであってもよい。すなわち、注目下部電極4r(注目メモリセルキャパシタ2r)にLデータが格納され、8個の隣接周辺下部電極P1−P8に、Hデータが格納される。したがって、この注目下部電極4r(注目メモリセルキャパシタ2r)については、隣接周辺下部電極P1−P8との間に電圧差が有り、隣接メモリセルキャパシタ間短絡異常を検出することができる。
【0108】
なお、図29においては、中空円筒形状の下部電極の構成が一例として示される。しかしながら、先に説明したように、この下部電極4の形状は、任意であり、先の図2(A)−(D)に示す構成のいずれが用いられてもよく、スタックトメモリセルキャパシタ構造が用いられればよい。以下、可能なデータパターンと検出可能短絡異常の対応について簡単に説明し、上述の4種類のデータパターンが、短絡異常検出において利用することの適切さについて検証する。
【0109】
図30(A)は、図29に示すメモリセルキャパシタの配列における注目メモリセルキャパシタ2r(下部電極4r)と周辺メモリセルキャパシタ(下部電極)P1−P8の電位および短絡部位の分布を模式的に示す図である。この図30(A)においては、注目メモリセルキャパシタ下部電極4rにLデータ(電位0V)が格納され、周辺の8個の隣接メモリセルキャパシタの下部電極P1−P8に対し、Hデータ(電位3V)が格納される。このHデータの電位の3Vは、DRAMにおいて仕様で要求される電源電圧が、3Vであり、通常動作時の電源電圧であり、動作上問題は生じない電圧レベルである。しかしながら、このHデータ電位は、対象DRAMの電源電圧のレベルおよび素子耐圧に応じて適切な値に設定されればよく、特に3Vに限定されない(機能テスト実行時の電圧レベルであればよい)。
【0110】
注目メモリセルキャパシタ(下部電極4r)の周辺において、短絡発生可能部位がその周辺に12個存在する場合を考える。各発生部位に番号1から12を付す。この場合、図30(B)に、注目セル(下部電極4r)とショート(短絡)を発生する部位との電位差およびこの短絡不良検出可否を一覧にして示す。図30(A)に示す電位分布の場合、注目セルキャパシタ下部電極4rと周辺セルキャパシタ下部電極P1−P8の電位差は、それぞれ、3Vである。したがって、図30(B)において示すように、短絡発生部位が番号1から12のいずれにおいても、注目セルの電位が上昇するため、短絡(ショート)不良を検出することができる。
【0111】
図31(A)は、注目メモリセルキャパシタ(下部電極4r)にHデータ(電位3V)を格納し、周辺メモリセルキャパシタ(下部電極)P1−P8に、Lデータ(電位0V)を格納した場合の電圧分布状態を示す図である。この場合においても、注目セルキャパシタ下部電極4rにおいて短絡発生可能部位に対し番号1から番号12を付す。
【0112】
図31(B)に、図31(A)に示すデータパターンの場合の短絡(ショート)発生可能部位とその短絡の電位差および短絡異常の検出可否を一覧して示す。この場合においても、注目メモリセルキャパシタ電極4rと周辺メモリセルキャパシタ下部電極P1−P8の電位差は3Vである。したがって、番号1から番号12のいずれかの部位においてショートが発生している場合、いずれのショート発生部位においても、電位差は、3Vである。したがって、注目メモリセルキャパシタ(下部電極)の保持電位が低下し、その記憶データの論理レベルが反転し、また、周辺メモリセルキャパシタにおいて短絡が生じているメモリセルキャパシタの記憶データの論理レベルの反転が生じ、これらにより、ショート発生の有無を検出することができる。
【0113】
しかしながら、この図31(A)に示すデータパターンを用いて機能テストを実施した場合、テスト環境は、いわゆる高温保持状態であり(温度加速下でのスクリーニングのため、ウェハテストは高温で実施される場合が多い)、このメモリセルキャパシタのストレージノードの保持電荷は、熱電子として、メモリセルキャパシタ外部にリークする可能性が高く、時間の経過とともに注目セルキャパシタの保持電位が低電位に移行する可能性が高くなる場合がある。したがって、この場合においては、注目メモリセルキャパシタ下部電極4rの保持電位が低下するため、ショート発生の有無を検出する能力は、図30(A)に示すデータパターンの場合よりも低いと考えられる。
【0114】
図32から図35は、この注目セルに対するデータパターンの他の例を示す図である。図32(A)においては、注目セル(下部電極4r)に対してLデータを格納する。周辺メモリセルキャパシタ下部電極において、行および列方向に隣接するメモリセルキャパシタP2、P4、P5およびP7にHデータを格納し、斜め方向に隣接する周辺セルキャパシタP1、P3、P6およびP8に、Lデータを格納する。
【0115】
図32(B)に一覧にして示すように、図32(A)のデータパターンの場合、番号1、番号4、番号7および番号10のショートにおいては、斜め方向に隣接する周辺セルキャパシタP1、P3、P6およびP8に対しては、注目セルキャパシタ下部電極と同一電位となるため、ショート発生の有無を検出することはできない。
【0116】
図33(A)に示すデータパターンにおいては、メモリセルキャパシタ下部電極4rに、Hデータ(電位3V)を格納する。斜め方向に隣接する周辺キャパシタP1、P3、P6およびP8にHデータを格納し、上下左右の周辺セルキャパシタP2、P4、P5およびP7にLデータ(電位0V)を格納する。この場合、図33(B)に示すように、ショート発生位が番号1、4、7および10に有り、斜め方向に隣接するキャパシタP1、P3、P6およびP8と短絡する場合、短絡部位の両端が同一電位となり、ショートによる電圧変化が生じず、ショートの検出を行なうことができない。
【0117】
図34(A)に示すデータパターン配列においては、注目セルキャパシタ下部電極4rは、Lデータ(電位0V)を格納し、同一列の隣接セルキャパシタ下部電極P4およびP5に、Lデータを格納する。隣接列の周辺セルキャパシタP1、P2、P3、P6、P7およびP8に、Hデータ(電位3V)を格納する。
【0118】
この場合、図34(B)に示すように、同一列の周辺セルキャパシタP4およびP5の間の短絡は同一電圧間のショートであり、短絡(ショート)異常の検出は行なうことができず、隣接列の周辺セルキャパシタP1−P3およびP6−P8に対する短絡異常を検出することができるだけである。
【0119】
図35(A)においては、注目セルキャパシタ下部電極4rにHデータを格納し、同一列の隣接セルキャパシタ下部電極P4およびP5にHデータを格納する。一方、隣接列の周辺セルキャパシタ下部電極P1−P3およびP6−P8にLデータ(電位0V)を格納する。この場合、図35(B)に示すように、同一列の隣接セルキャパシタ下部電極P4およびP5に対する短絡場所番号5、6、11および12において短絡が発生していても、これらのセルキャパシタ下部電極が同一電位であるため、短絡異常は検出することができない。この場合、隣接列の周辺セルキャパシタP1−P3およびP6−P8に対する短絡異常を検出することができるだけである。
【0120】
したがって、図30(A)から図35(A)に示すデータパターンのうち、すべての短絡異常を検出することのできる最適なデータパターンは、図30(A)に示すデータパターンであり、注目セルキャパシタ下部電極にLデータを格納し、周辺8隣接メモリセルキャパシタ下部電極にHデータを格納するデータパターンである。したがって、行または列方向に整列して配列されるセルキャパシタに対して、図30(A)のデータパターンを用いて短絡異常の検出を行なうことが、最も適していることが判明する。
【0121】
図36は、メモリセルキャパシタ下部電極が、X方向においてキャパシタセルピッチの1/2倍Y方向にずれて配列される場合の電圧分布を模式的に示す図である。図36に示すように、メモリセル1のキャパシタ下部電極4は、Y方向に整列して配列され、X方向においてメモリセルキャパシタ下部電極の1/2ピッチずれて配列される。このキャパシタ配列の場合、注目セルキャパシタ下部電極4rの周辺セルキャパシタ下部電極としては、PS1−PS6の6個の隣接セルキャパシタ下部電極が存在する。この場合、図36において、注目セルキャパシタ下部電極4rにLデータを格納し、その6隣接セルキャパシタ下部電極PS1−PS6にHデータを格納することにより、図36において双方向矢印で示すように、上下左右および斜め方向の短絡発生異常を検出することができる。
【0122】
図37から図42は、図36に示すメモリセルキャパシタ下部電極の配置における可能なデータパターンおよび短絡異常検出可能性を示す図である。
【0123】
図37(A)においては、注目セルキャパシタ下部電極4rにLデータ(電位0V)を格納し、6隣接周辺セルキャパシタ下部電極PS1−PS6に、Hデータ(電位3V)を格納する。この場合、注目セルキャパシタ下部電極4rのショート発生可能部位番号1から番号12において、いずれの箇所において短絡異常が発生しても、この短絡において電位差(3V)が生じており、短絡異常を検出することができる。
【0124】
図38(A)において、注目セルキャパシタ下部電極4rにHデータ(電位3V)を格納し、6個の隣接セルキャパシタ下部電極PS1−PS6にLデータ(電位0V)を格納する。この場合、番号1から12を付された注目セルキャパシタ下部電極4rの周辺領域のいずれの部位において短絡が発生しても、図38(B)に示すように、すべてこの短絡発生可能部位において電位差(3V)が生じるため、すべて短絡異常を検出することができる。
【0125】
しかしながら、この図38(A)に示す注目セルキャパシタ下部電極4rにHデータを格納する場合、先の図31(A)において示されるデータパターンにおいて説明したように、注目セルキャパシタ下部電極4rのリーク電流により、その保持電圧レベルが低下し、短絡異常を検出することができなくなる可能性がある。
【0126】
図39(A)は、注目セルキャパシタ下部電極4rにLデータ(電位0V)を格納し、周辺セルキャパシタ下部電極PS1、PS5、PS3およびPS4に対してHデータ(電位3V)を格納する。周辺セルキャパシタ下部電極PS2およびPS6にLデータを格納する。この場合、図39(B)に示すように、注目セルキャパシタ下部電極4rの周辺部位3,4,7および8の領域における短絡は、その注目セルキャパシタ下部電極の保持電位と同じ電位の間の短絡であり、その部位における短絡異常を検出することはできない。
【0127】
図40(A)に示すデータパターンにおいては、注目セルキャパシタ下部電極4rにHデータ(電位3V)を格納する。隣接メモリセルキャパシタ下部電極PS1、PS3、pS4およびPS5にLデータを格納し、斜め方向の隣接セルキャパシタ下部電極PS2およびPS6に、Hデータを格納する。この場合、図40(B)に示すように、隣接セルキャパシタ下部電極PS1、PS3、PS4およびPS5に対する短絡可能部位で電位差が生じ、短絡異常を検出することができる。一方、斜め方向の隣接するキャパシタ下部電極PS2およびPS6に対する短絡可能部位3,4,7および8におけるショートにおいては、電位差が生じず、短絡異常を検出することはできない。
【0128】
図41(A)に示すデータパターンにおいては、注目セルキャパシタ下部電極4rに、Lデータ(電位0V)を格納する。列方向に隣接するセルキャパシタ下部電極PS3およびPS4にも同様、Lデータを格納し、隣接列の隣接セルキャパシタ下部電極PS1、pS2、PS5およびPS6に、Hデータ(電位3V)を格納する。
【0129】
この場合、図41(B)に示すように、注目セルキャパシタ下部電極4rの周辺部位において、番号5、6、11および12におけるショートは、電位差が生じていないため、検出を行なうことができず、隣接列に対するセルキャパシタ下部電極に対する短絡異常を検出することができるだけである。
【0130】
図42(A)に示すデータパターンにおいては、注目セルキャパシタ下部電極4rにHデータを格納し、また隣接列キャパシタ下部電極PS3、PS4にHデータを格納する。隣接列の隣接セルキャパシタ下部電極PS1、PS2、PS5およびPS6にLデータを格納する。この場合、図42(B)に示すように、先の図41(A)に示すデータパターンと同様、同一列の隣接セルキャパシタPS3およびPS4に対する短絡検出部位番号5、6、11および12においては、電位差が生じていないため、短絡異常を検出することはできず、隣接列のメモリセルキャパシタに対する短絡異常を検出することができるだけである。
【0131】
したがって、これらの図37から図42に示すデータパターンから明らかなように、注目セルキャパシタ下部電極に対する短絡異常は、図37(A)に示すデータパターンのときに、全ての可能な短絡異常を検出することができる。したがって、バーンイン回数決定テスト時においては、メモリセルキャパシタ下部電極が整列して配置される場合およびずれて配置される場合いずれにおいても、注目セルキャパシタ下部電極のすべてのセルキャパシタ下部電極が、注目セルキャパシタ下部電極と逆論理レベルのデータを格納しているパターンを設定して、機能テストを実行する。
【0132】
ウェハテストであるため、温度加速による不良部の効率的なスクリーニングを行なうために、このバーンイン回数決定テスト時においても、60℃から130℃前後の雰囲気温度で実施する。
【0133】
図43は、この発明の実施の形態1における半導体記憶装置のテスト方法を実現するテスト環境の構成の一例を概略的に示す図である。図43において、ウェハWF上には、チップCHが形成される。このウェハWFの所定数のチップCHに対し、プロ−バ(プローブカード)20が配置され、この所定数のチップ(CH)に対し、並行して電気的接続を行なって所定のウェハレベルでのテストを行なう。
【0134】
このプローバ20は、ケーブル27を介してテスタ25に結合される。このテスタ25は、IFテスト、バーンインテストおよびファンクションテストなどDCテストを行なう機能を備える。図43において、テスタ25においてバーンイン回数決定に関連する部分の構成の機能的部分を代表的に示す。
【0135】
テスタ25は、プロ−バ20との間で信号/電圧の転送を行うインタフェース部38と、ファンクションテスト実行部30とを含む。ファンクションテスト実行部30は、通常のファンクションテストを行なうとともに、バーンイン回数決定テストを行なう。
【0136】
ファンクションテスト実行部30は、各種ファンクションテストの手順および条件を記述するテストプログラムを記憶するテストプログラム記憶部31と、各テストに用いられるパターンデータを記憶するパターンデータ記憶部32と、プローバを介して半導体記憶装置から読出されたデータとパターンデータ記憶部32において生成されたパターンデータ(期待値)とを比較する比較部33を含む。このファンクションテスト実行部30はインターフェイス部38を介して、ケーブル27から所定の電圧の組合せの信号/データをプローバ20との間で送受する。
【0137】
テストプログラム記憶部31において、バーンイン回数決定テストのためのテスト手順を記述するプログラムが格納される。パターンデータ記憶部32において、バーンイン回数決定テストにおいて用いられるパターンデータが格納される。バーンイン回数決定テストにおいて用いられるパターンデータは、図30(A)または図37(A)に示すパターンデータであり、注目セルキャパシタ下部電極と隣接周辺キャパシタ下部電極の保持電圧(記憶データ)の論理レベルが異なるようなデータパターンである。この場合、各メモリセルキャパシタの配置位置と各メモリセルが接続するビット線(物理アドレス)との対応関係が予めわかっており、各物理アドレスに応じて、データの書込を実行し、パターンデータの設定を行なう。
【0138】
テスタ25は、さらに、比較部33にからの不一致指示をカウントするカウンタ35と、カウンタ35のカウント値に従ってテーブル36を参照して、バーンイン回数を決定する回数決定部37を含む。テーブル36には、不良装置(チップ)の数と実行すべきバーンイン回数との対応を示す関係が一覧にして表形態で格納される。
【0139】
したがって、ファンクションテスト機能実行部30において、通常のファンクションテストと同様に、プローバ20を介して半導体記憶装置に対し、機能テストを予め定められたパターンデータに基づいて実行する。比較部33において、このプローバ20が同時に測定する半導体記憶装置(チップ)において不良が検出された装置(チップ)の数をカウントし、そのカウント値に基づいて、回数決定部37がテーブル36を参照してバーンイン回数を決定する。
【0140】
図44は、ウェハ上でのプローバの移動方向を概略的に示す図である。ウェハWF上には、チップCHが多数整列して形成される。プローバ20は、このウェハWF上の領域50内に配置されるチップCHに対し並行して同時にテストを行なう。すなわち、プローバ20は、ウェハWF上のチップCHすべてに対し同時にテストを行うことはできない。プローバ20のプローブ針を対象のチップCHのボンディングパッドに接触させ、この領域50内に含まれるチップCHに対しバーンイン回数テストを実行する。
【0141】
通常は、図44に示される矢印に沿って、ウェハWFのチップCHすべてについて、プローバ20を用いてバーンイン後の機能テストを実行する。ウェハWF上のチップCH全てに対するファンクションテスト完了後においてバーンイン不良率が高い場合、バーンインにおいて不良が収束しているかを判定するために、再び、プローバ20をウェハWF上を全面に渡って順次移動させて、追加のバーンインを行なっている(電圧ストレス印加は、プローバ20を用いて行なうため、領域50の単位で、このバーンインが実行される)。したがって、バーンイン不良率が高い場合、この追加のバーンインに要する時間が1回目のバーンインと同様の時間を要することとなり、追加のバーンイン後の機能テストと併せて、最低2回のバーンインおよび機能テストを行なう必要があり、テスト時間が、バーンインが1回ですむ場合のほぼ2倍となり、テスト時間が長くなる。
【0142】
本実施の形態1においては、プローバ20が接触する領域50単位で、バーンイン回数を決定し、決定された回数だけバーンインを行なう。したがって、追加のバーンインが行なわれる場合には、プローバ20のプローブ針の脱着などの処理がウェハ上の領域50各々において行なわれることがない。プロ−バ20の位置を固定して必要な領域に対してのみ、必要な回数バーンインを繰返すだけである。したがって、従来の全チップCHに対し追加のバーンインを行なう場合に比べて、テスト時間を短縮することができる。
【0143】
すなわち、いま、不良領域の数がN個で、不良領域のバーンイン回数が平均M回とする。ウェハWF上の領域50の走査領域の数がKとすると、本実施の形態1においては、バーンイン回数はM・N+(K−N)=(M−1)・N+Kとなり、ファンクションテストの実行回数はKである。従来において1回の追加のバーンインを行う場合には、バーンインの回数は2・Kとなり、ファンクションテストの回数が2・Kとなる。(M−1)・NがKより小さければ従来よりもバーンインの回数を低減することができる。特に、従来手法では、決定されたバーンイン回数の最大値に近い値のバーンインを追加バーンインとして実行する必要がある可能性が高く、さらに、バーンインテストに要する時間を短縮することができる。
【0144】
また、ウェハ上の領域50すべてにおいて2回のバーンインを行っても、本実施の形態1に従えば、ファンクションテストの回数がKであり、従来の手法と比べて時間が短縮され、また、バーンインおよびファンクションテストをプロ−バを固定して連続して実行するため、プロ−バの脱着の時間が不要であり、その分、時間が短縮される。
【0145】
したがって、バーンイン回数決定テストを行うためにテスト工程が増加しても、この回数決定のために、データの書込および読出を行うとともに一致判定を行うステップが増加するだけであり、半導体記憶装置の高速アクセスモードを利用することにより、この回数決定テスト時間は短縮することができ、応じて、ウェハレベルでのバーンインテストに要する時間を短縮することができる。
【0146】
すなわち、必要とされるバーンイン回数だけテストを実行した場合、バーンイン不良率が高い場合でも、このバーンイン不良においては、すべて潜在的な不良が顕在化されて、不良は収束していると判定することが可能となるため、追加のバーンインは不要とされるため、バーンインテストに要する時間を短縮することができる。
【0147】
図45は、この図43に示すテーブル36において格納される不良チップ数とバーンイン回数との対応を一覧にしてい示す図である。図45においては、従来例における追加のバーンインを行なうバーンイン不良率をも併せて示す。
【0148】
図45に示すように、従来例においては、ウェハ当たりのバーンイン不良率が、1%から8%の場合には、規格管理値以下であと判定され、追加バーンインが不要とされる。ウェハ当たりのバーンイン不良率(%)、すなわちバーンイン不良率(%)/ウェハが1%から8%の領域は、ウェハ当たりのバーンイン不良チップの数が9個から72個の場合に対応する。ここで、1ウェハあたりチップが900個形成される場合を想定する。
【0149】
一方、ウェハあたりのバーンイン不良率(%)が8%を超える場合には、追加のバーンインを行ない、バーンイン不良率が収束しているかの判定が行なわれる(追加のバーンイン実施後、さらにファンクションテストを行ない、不良チップが存在するかおよび規格値以下であるかの判定が行なわれる)。
【0150】
一方、本実施の形態1において、各プローバ20が接触する領域50単位で、バーンイン回数を決定して、決定された回数バーンインを実施する。ウェハWFにおいて、領域50の数は、合計36個設定することができる。したがって、バーンイン不良チップの数はたとえば9個の場合、バーンイン不良率が1%であるため、1つの領域50におけるバーンイン不良チップの数は、(900/36)×0.01=0.25=0.3となる。ウェハ当たりのバーンイン不良率が8%の場合には、領域50内におけるバーンイン不良チップの数は、同様、(900/36)×0.08=2.0となる。同様の計算を行なうことにより、ウェハ当たりのバーンイン不良率に対応して、領域50内において、不良となるチップの数を推定することができる。すなわち、平均バーンイン不良チップの数が0.3から2.0の場合、バーンイン回数決定テストにおいて不良となるチップの数は、バーンイン実施前であり、1個である。
【0151】
領域50内における平均バーンイン不良チップ数が、2.3から4.0の場合には、2個であり、平均バーンイン不良チップの数が4.3から6.0の領域には、領域50内においてバーンイン回数決定テストで不良となるチップの数が3個である。同様、平均バーンイン不良チップの数が6.3から8.0個の場合、バーンイン回数決定テストで不良となるチップの数は4個である。すなわちバーンイン回数決定テストにおいてはバーンインはまだ行なわれていないため、このバーンイン回数分の不良チップの数が、低減される。
【0152】
したがって、各バーンイン回数決定テストで不良となるチップの数が1、2、3および4個の場合、バーンイン回数決定テストでは、バーンイン回数を1回、2回、3回および4回に順次増大させる様に設定する。
【0153】
このバーンイン回数決定テストにおいて不良チップの数が1個の場合に、バーンイン回数を1回と決めた根拠は、以下の実測定結果に基づいている。すなわち、バーンイン回数決定テストにより、1個の不良テストが検出された場合に、バーンイン実施後、同一領域においては2個の不良チップが発生した。したがって、1個しか不良チップが検出されない場合、その領域50内において1回のバーンインを行なった場合、2個の不良チップが検出される可能性が高いと判定される。したがって、バーンイン回数テストにおいてN個の不良チップが検出された場合、N回バーンインを実施することにより、N個の不良チップそれぞれに付随する潜在的な不良チップを顕在化させることが可能となる。この決定された回数に基づいてバーンインを実行することにより、確実に、このバーンインにより潜在的な不良がすべて顕在化され、領域50内において、すべての潜在的な不良がスクリーニングされたと判定することができる。
【0154】
このバーンイン回数の決定は、プローバ20が接触する領域50単位で実行される。すなわち、1つの領域50において、バーンイン回数決定テストを行ない、バーンイン回数を決定する。この決定されたバーンイン回数、同じ領域50に対して電圧ストレスを印加して、バーンインテストを実行する(温度加速は、通常のウェハテストと同様、行なわれている)。その後、ファンクションテストを実行し、不良チップを除去する。この手順を、図44に示す矢印方向のシーケンスに従って各領域50ごとに順次実行する。したがって、ウェハWFにおいて、領域50ごとに必要回数のバーンインが実行されており、ウェハWF上のチップCHすべてに対して、追加のバーンインを行なうことを繰返すことは要求されず、プローバ20の移動および設定処理を含む時間を考えることにより、大幅に、このバーンインテストに要する時間を短縮することができる。
【0155】
図46から図49は、このバーンイン回数決定テストにおいて決定された回数のバーンインを行なう際のバーンインストレスパターンの例を示す図である。図46から図49においては、オープンビット線配置にメモリセル1が配列される場合のメモリセルキャパシタ2(ストレージノード)の電位分布を示す。
【0156】
図46においては、偶数ビット線BL0、BL2に接続されるメモリセルには、Hデータ(高電位)が格納され、奇数ビット線BL1およびBL3に接続されるメモリセルキャパシタ(下部電極)には、Lデータ(低電位)が格納される。このストレスパターン格納時において、各隣接メモリセルキャパシタのパターンに応じて、ビット線を選択して、各ビット線に、HデータおよびLデータを格納する。この図46に示すパターンの場合、図46において、ワード線WL5とビット線BL1に接続されるメモリセルに対して代表的に示すように、ワード線延在方向に隣接するメモリセル2(下部電極4)の間に電圧ストレスが印加される。ビット線延在方向(Y方向)において隣接するメモリセル間においては、この下部電極4は電位が同じであり、電圧ストレスは印加されない。上部電極5には、この電圧ストレス時においても、所定の電圧レベルが印加される。
【0157】
このバーンイン時において、電圧ストレスを印加するため、このHデータの電位レベルが3Vよりも高い電圧レベルに設定されて、加速試験が実行される。
【0158】
図47に示す電圧ストレスパターンにおいては、図46と逆に、奇数ビット線BL1およびBL3に接続されるメモリセルのキャパシタ2には、Hデータが格納され、偶数ビット線BL0およびBL2に接続さけるメモリセルのキャパシタ2には、Lデータが格納される。この場合、隣接メモリセルキャパシタ2の下部電極(ストレージノード)4において図47においてワード線WL5とビット線BL1に接続されるメモリセルに説明するように、双方向矢印で示しているように、ワード線延在方向(X方向)に隣接するメモリセルキャパシタ間に電圧ストレスが印加され、Y方向(ビット線延在方向)に隣接するメモリセルキャパシタ(下部電極)間には、電圧ストレスは印加されない。
【0159】
なお、図46および図47において、メモリセル1において、アクセストランジスタ3が設けられており、このアクセストランジスタ3をオン状態とすることにより、所定の電圧レベルのデータが格納される。このバーンインストレスデータ格納時、データの電圧レベルが高くされた状態で(電源電圧が高くされた状態で)各下部電極(ストレージノード)にデータが格納されてもよい。このバーンインテストにおいては、従来と同様の方法に従ってデータの格納および電圧下側が行われれば良い。このバーンインテストは、図43に示すテスタ25を用いて実施される。
【0160】
図48に示す電位パターンにおいては、チェッカーボードパターンの電圧ストレスパターンが用いられる。すなわち、偶数ワード線WL0、WL2、WL4と偶数ビット線BL0、BL2の交差部に対応して配置されるメモリセルキャパシタ2および奇数ワード線WL1、WL3およびWL5と奇数ビット線Bl1、BL3の交差部に対応して配置されるメモリセルキャパシタ2に対し、Hデータが格納され、残りのメモリセルキャパシタ2に対してはLデータが格納される。したがって、いわゆる「市松模様」に電圧分布が存在する。
【0161】
この場合、図48において、ワード線WL5とビット線BL1の交差部に対応して配置されるメモリセルのキャパシタに対して双方向矢印で示すように、X方向およびY方向(ビット線延在方向およびワード線延在方向)に隣接するメモリセルキャパシタ3で電圧ストレスが印加される。図49は、図48に示す電圧ストレスパターンと電圧レベルが逆の電圧パターンであり、偶数ワード線WL0、WL2、WL4およびWL6と偶数ビット線BL0およびBL2の交差部に対応して配置されるメモリセル1のキャパシタ2(下部電極4)および奇数ワード線WL1、WL3、およびWL5と奇数ビット線BL1、BL3の交差部に対応して配置されるメモリセル1のキャパシタ2の下部電極4にLデータが格納され、残りのメモリセルの下部電極4には、Hデータが格納される。この場合においても、図49において、双方向矢印で、ワード線WL5とビット線BL1に接続されるメモリセルのキャパシタに対して示すように、ビット線延在方向およびワード線延在方向において隣接するメモリセルキャパシタ間(下部電極)間において電圧ストレスを印加することができる。
【0162】
なお、上部電極5は、セルプレート電極であり、通常1つのメモリセルアレイ(メモリセルアレイブロック)に共通に延在して設けられており、セルプレート自体においては、隣接セルプレートという概念は存在せず、電圧ストレスが印加されない(下部電極と上部電極の間には電圧ストレスが印加される)。
【0163】
この電圧ストレスパターンを用いてバーンインを実行した後、ファンクションテスト(機能テスト)を行ない、不良チップ(冗長救済を行なえないチップ)を除去する。ウェハレベルでのテストで、冗長置換による救済可能なチップの救済を完了した後、チップに分割され(ダイシングされ)、最終工程でチップのパッケージ実装および最終テストが行なわれ手初期不良が除去された後に出荷される。
【0164】
上述の説明においては、バーンイン回数決定テスト時において、4種類のテストパターンを用いて不良チップを検出している。しかしながら、この4種類のデータパターンのうち1つまたは任意の数のテストデータパターンを用いてバーンイン回数テストが実施されてもよい。
【0165】
[変更例]
図50は、この実施の形態1に従う半導体記憶装置の変更例のメモリセルの構成を示す図である。図50において、SRAMセル60は、電源ノードとストレージノードSN1の間に接続されかつそのゲートがストレージノードSN2に接続されるPチャネルMOSトランジスタPQ1と、セル電源ノードとストレージノードSN2の間に接続されかつそのゲートがストレージノードSN1に接続されるPチャネルMOSトランジスタPQ2と、ストレージノードSN1と接地ノードの間に接続されかつそのゲートがストレージノードSN2に接続されるNチャネルMOSトランジスタNQ1と、ストレージノードSN2と接地ノードの間に接続されかつそのゲートがストレージノードSN1に接続されるNチャネルMOSトランジスタNQ2を含む。
【0166】
このSRAMセル60は、MOSトランジスタPQ1およびNQ1の組およびMOSトランジスタPQ2およびNQ2の組がそれぞれCMOSインバータを構成し、それらの入力および出力が交差結合されてインバータラッチ(フリップフロップ回路)を構成し、ストレージノードSN1およびSN2に相補データを格納する。
【0167】
SRAMセル60は、さらに、ワード線WL上の信号電位に応答して選択的に導通し、導通時ストレージノードSN1およびSN2をビット線BLおよび/BLに接続するNチャネルMOSトランジスタNQ3およびNQ4と、ストレージノードSN1と接地ノードの間に接続される容量素子Cs1と、ストレージノードSN2と接地ノードの間に接続される容量素子Cs2を含む。
【0168】
このSRAMセル60は、この容量素子Cs1およびCs2により、相補データを格納し、アルファ線照射時に生成される電子を吸収し、ドライブトランジスタNQ1およびNQ2のサイズが微小化され、ストレージノードSN1およびSN2の寄生容量が小さい場合においても安定に相補データを保持する。
【0169】
図50に示すように、SRAMセル60において、容量素子Cs1およびCs2が、データの記憶のために用いられる。容量素子は、上部電極が接地ノードに結合され、下部電極がストレージノードSN1およびSN2にそれぞれ結合される。したがってこのSRAMセル60においても、メモリセルサイズの微小化に伴って、メモリセルキャパシタCs1およびCs2のピッチが厳しくなり、隣接メモリセルキャパシタ間において、短絡が生じる可能性が高くなる。
【0170】
このようなSRAMセル60においても、行列状に配列される。メモリセル列に対応してビット線対BL,/BLが配設され、メモリセル行に対応してワード線WLが配設される。
【0171】
図51は、図50に示すSRAMセル60の下部電極64の電位分布および平面レイアウトを概略的に示す図である。図51において、このメモリセルキャパシタCs1およびCs2の下部電極を、それぞれ符号64aおよび64bで示す。図51において、Y方向にSRAMセル60が整列して配置され、X方向(ワード線WLの延在方向)においては、このメモリセルキャパシタCs1およびCs2のピッチの1/2ずれて配列される。各メモリセル60において、キャパシタ下部電極64aおよび64bには、相補データが格納される。この場合、1つのメモリセルキャパシタの隣接する6個のメモリセルキャパシタを、この記憶データの論理レベルを逆に設定することができる。図51において、注目メモリセルキャパシタ下部電極64rに対して、その周辺メモリセルキャパシタにHデータを格納させることにより、この注目メモリセルキャパシタ64rに対する、すべての隣接メモリセルキャパシタの論理レベルを反対に設定することができ、これらの注目メモリセルキャパシタ64rに対する隣接メモリセルキャパシタ下部電極との間の短絡異常を検出することができる。すなわち、Y方向において、隣接行のメモリセルの境界位置に配列されるメモリセルを注目セルキャパシタ下部電極64rに設定することにより、この6個の隣接メモリセルキャパシタ下部電極を異なる電圧レベルに設定することができる。
【0172】
図51においては、行RW1およびRW3およびRW5において、行RW0、RW2、RW4およびRW6のメモリセル境界に対応して配置されるメモリセルにおいて1個おきのSRAMセル60の一方のキャパシタを、注目セルキャパシタとして用いることができる。
【0173】
図52は、この電位分布の他の例を示す図である。この図50に示す電位分布においては、図51に示す行RW1、RW3およびRW5におけるメモリセルの記憶データは同じである。一方行RW0、RW2、RW5に含まれるメモリセル60の記憶データをすべて反転させる。これにより、図51において示すSRAMセルのキャパシタにおいて注目セルキャパシタとして利用されなかった残りのメモリセルキャパシタ下部電極64rbを注目セルキャパシタ下部電極として、周辺の隣接メモリセルキャパシタ下部電極と異なる電位レベルに設定することができる。
【0174】
これにより、同じデータ配列を、行RW0、RW2、RW4の記憶データを固定して、行RW1、RW3およびRW5の記憶データを相補的に変化させることにより、偶数行のメモリセルキャパシタ下部電極を注目セルキャパシタ下部電極としてバーンイン回数検出テストを行なうことができる。
【0175】
このSRAMセルに対するバーンイン回数決定テスト時においても、先DRAMセルにおいて参照したものと同様のテスト手順が実行され、1回のウェハテストだけで、バーンイン不良を十分にスクリーニングすることができ、ウェハの全チップに対する追加バーンインを不要とすることができる。
【0176】
図53および図54に示すように、偶数行RW2およびRW4のメモリセルの記憶データをX方向においてすべて同一とし、奇数行RW1、RW3、RW5のデータを、各X方向に沿って交互に反転論理レベルに設定する。このように、図53に示す電圧分布においては、注目セルキャパシタ下部電極64rcは、その周辺の6個の隣接メモリセルキャパシタ下部電極の間に電圧差を生じさせることができ、一方、図54に示す電圧分布においては、注目キャパシタ下部電極64rdに対し、隣接する6個のメモリセルキャパシタ下部電極に対して電圧差を生成することができる。
【0177】
しかしながら、図51から図54に示すメモリセルキャパシタの配置において、周辺の6個のメモリセルキャパシタとの間に電圧差を生じさせることができるのは、隣接行のメモリセル境界に対応して配置されるメモリセルキャパシタにおいてであり、各メモリセルにおいて、一方のメモリセルキャパシタにおいてのみ6個の隣接メモリセルキャパシタとの間に電圧差を生じさせて短絡行を検出することができる。したがって、SRAMの場合、すべてのメモリセルキャパシタを注目セルキャパシタとして用いることはできない。図51に示すデータパターンを用いた場合すべてのメモリセルキャパシタの数の2/24=1/12倍の数のメモリセルキャパシタを注目セルキャパシタとして利用することができる(3行4列に配列されるメモリセルのうち、2個のメモリセルキャパシタのみが、注目セルとして利用することができる)。
【0178】
したがって、図51および図52に示すデータパターンを利用した場合、すべてのメモリセルキャパシタの数の1/6倍のメモリセルキャパシタを注目セルとして、短絡異常を検出することができる。この場合、メモリセルの数が1MビットのSRAMにおいては、メモリセルキャパシタの数は、2Mビットであり、約208万個となる。したがって、図51および図52に示すデータパターンを用いた場合、約34万個のメモリセルキャパシタに注目してバーンイン回数決定テストを行なうことができる。また、図51および図52の一方のみでも、約17万個のメモリセルキャパシタに注目してバーンイン回数決定テストを実施することができる。したがって、注目セルキャパシタの数が多く、短絡異常の発生割合を統計的に十分見積もることができ、DRAMと同様の効果を得ることができる。この場合、図51から図54に示すデータパターンをすべて利用した場合、4/12=1/3倍の数のメモリセルキャパシタを注目セルとして利用することができ、より高精度で、短絡異常の発生確率を見積もることができる。
【0179】
このSRAMセルを用いる場合においても、先のDRAMセルに用いたテストシーケンスにおけるバーンイン回数決定テストと同様のテストが実施される。
【0180】
このメモリセルSRAMセルを利用する場合においても、データ書込時においては、キャパシタの配置位置(レイアウト位置)に応じて、各ビット線との接続関係に応じてデータが、ビット線対BL,/BLに転送される。
【0181】
以上のように、この発明の実施の形態1に従えば、ウェハテスト時においてバーンイン開始前に、半導体記憶装置において注目メモリセルキャパシタと隣接キャパシタ間に電圧差が生じるようにデータパターンを印加して、その不良チップ発生割合に基づいて、バーンイン回数を決定している。したがって、テスト対象領域(プロ−バ接触領域)単位で、必要な回数が決定されて、決定された回数のバーンインが実施されており、異常発生時、ウェハ上の全チップに対して追加のバーンインを実行する必要がなく、ウェハテストの時間を短縮することができる(追加バーンインおよび以後の機能テストを不要とすることができるため)。
【0182】
[実施の形態2]
図55は、この発明の実施の形態2に従う半導体記憶装置のテスト方法におけるデータパターンを概略的に示す図である。この図55においては、バーンイン回数決定テスト実行後行なわれるバーンインにおいて用いられるデータパターンを示す。この図55に示すデータパターンにおいては、メモリセル1のメモリセルキャパシタ下部電極4に対し、先のバーンイン回数決定テストで用いたデータパターンを電圧ストレス印加データパターンとして利用する。すなわち、メモリセルキャパシタ下部電極4lの周辺の8メモリセルキャパシタ下部電極4hにHデータを格納する。この場合、メモリセルキャパシタ下部電極4lに対し、その周辺メモリセルキャパシタ下部電極4hから電位差が存在しており、確実に、電圧ストレスを印加することができ、短絡異常の可能性のある部位に対し、バーンインにより電圧ストレス加速を行なって、確実に、短絡異常をスクリーニングすることができる。
【0183】
したがって、このバーンイン回数決定テストにおいて用いられたデータパターンを、電圧ストレス加速におけるバーンインテスト実行時のデータパターンとして利用することにより、ウェハテスト段階で短絡異常を十分に、スクリーニングすることができる。
【0184】
なお、このバーンイン実施時において用いられるデータパターンとしては、先の実施の形態1において説明した4種類の回数決定テストデータパターンのうちの1種類のテストデータパターンを用いて電圧ストレス印加パターンとして利用する。この場合、回数決定時においては電圧加速の必要性はなく、電圧レベルは通常動作時と同じであり、一方、バーンイン時においては電圧加速のために電圧レベルが高くされる。したがって、データのパターンが同一であり、電圧レベルは回数決定テストおよび次工程のバーンイン時で異なる。
【0185】
[変更例]
図56は、この発明の実施の形態2に従う半導体記憶装置のテスト方法のバーンイン時の電圧ストレスパターンの変更例を示す図である。この図56において、メモリセル1のキャパシタ下部電極4が、X方向においてキャパシタのピッチの1/2倍ずれて配置される。この場合においても、バーンイン回数決定テストにおいて用いたデータパターンを、電圧ストレス印加データパターンとして利用する。この場合、1つのメモリセルキャパシタ下部電極4lにLデータを格納し、周囲の6個の隣接メモリセルキャパシタ下部電極4hにHデータを格納する。これにより、図56において双方向矢印で示すように、6隣接キャパシタ下部電極4hから、この注目メモリセルキャパシタ下部電極4lに対し電圧ストレスを印加することができ、効率的に短絡異常をスクリーニングすることができる。
【0186】
なお、SRAMセルにおいても、図51から図54に示すデータパターンを、電圧ストレス印加パターンとして利用してバーンインを実施することにより、効率的に、短絡異常をスクリーニングすることができる。
【0187】
以上のように、この発明の実施の形態2に従えば、バーンイン実施時において、バーンイン回数決定テストおいて用いられたデータパターンをストレス印加パターンとして設定してバーンインを実施している。したがって、バーンイン時に効率的に隣接メモリセルキャパシタ下部電極間異常をスクリーニングすることができる。特に、実施の形態1において設定されたバーンイン回数決定時のデータパターンをバーンイン時の電圧ストレス印加パターンとして設定してバーンインを行なうことにより、確実に、ウェハテスト段階でメモリセルキャパシタ間の異常を確実にスクリーニングすることができ、バーンイン不良率を確実に収束させることができ、追加のバーンインが不要となり、テスト時間を短縮することができ、コストを低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0188】
この発明は、容量素子を情報記憶素子として利用するメモリセルに対して適用することができる。上述の説明において、1つのメモリセルで1ビットのデータを格納するDRAMセルが説明されている。しかしながら、2つのDRAMセルを用いて1ビットのデータを記憶するツインセル構造のDRAM、すなわち1つのメモリセルユニットが、2つのアクセストランジスタおよび2つのメモリセルキャパシタで構成され、ビット線BLおよび/BLに、これらの2つのメモリセルキャパシタの格納データがそれぞれ伝達され、常にビット線BLおよび/BLに相補データが伝達される構成のDRAMに対しても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0189】
【図1】この発明が適用されるDRAMセルの電気的等価回路を示す図である。
【図2】(A)から(D)は、メモリセルキャパシタの下部電極の断面構造および斜視図を概略的に示す図である。
【図3】図1に示すDRAMセルの断面構造を概略的に示す図である。
【図4】DRAMセルアレイのメモリセルの配置を概略的に示す図である。
【図5】図4に示すメモリセルアレイにおけるデータ読出に関連する部分の構成を概略的に示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1において用いられるDRAMセルアレイの他のメモリセル配置を示す図である。
【図7】図6に示すメモリセル配置におけるデータ読出に関連する部分の構成を概略的に示す図である。
【図8】DRAMセルアレイの下部電極の配列を模式的に示す斜視図である。
【図9】図8に示すメモリセルキャパシタ下部電極の平面レイアウトを示す図である。
【図10】DRAMセルアレイのメモリセルキャパシタ下部電極の配列の他の構成を示す斜視図である。
【図11】図10に示すメモリセルキャパシタ下部電極の配列の平面レイアウトを示す図である。
【図12】説明をするキャパシタ(下部電極)間の短絡の一例を示す図である。
【図13】隣接メモリセルキャパシタ間の短絡の他の例を示す図である。
【図14】隣接メモリセルキャパシタ間の短絡の他の形状を模式的に示す図である。
【図15】隣接メモリセルキャパシタ間の短絡異常のさらに他の例を示す図である。
【図16】隣接メモリセルキャパシタ間の短絡異常のさらに他の異常を示す図である。
【図17】隣接メモリセルキャパシタ間の短絡の例を示す図である。
【図18】隣接メモリセルキャパシタ間の位置ずれによる短絡の例を示す図である。
【図19】隣接メモリセルキャパシタ間の位置ずれによる短絡の他の例を示す図である。
【図20】隣接メモリセルキャパシタ間の形状異常による短絡の例を示す図である。
【図21】隣接メモリセルキャパシタ間の形状異常による短絡の他の例を示す図である。
【図22】隣接メモリセルキャパシタ間の形状異常による短絡のさらに他の例を示す図である。
【図23】この発明の実施の形態1におけるウェハレベルでのテストの工程を示すフロー図である。
【図24】図23に示すバーンイン回数決定テストの操作内容を示すフロー図である。
【図25】この発明の実施の形態1におけるバーンイン回数決定テストにおいて用いられるデータパターンの一例を示す図である。
【図26】バーンイン回数決定テストにおいて用いられるデータパターンの他の例を示す図である。
【図27】バーンイン回数決定テストにおいて用いられるデータパターンのさらに他の例を示す図である。
【図28】バーンイン回数決定テストにおいて用いられるデータパターンのさらに他の例を示す図である。
【図29】バーンイン回数決定テストにおけるメモリセル下部電極の電位分布を示す図である。
【図30】注目セルキャパシタ下部電極に対する隣接キャパシタ下部電極の電圧分布および短絡異常を検出可否を示す図である。
【図31】(A)は、注目メモリセルキャパシタ下部電極に対する周辺セルキャパシタ下部電極の電圧分布を示し、(B)は、(A)に示す電圧分布における短絡異常検出可否を一覧にして示す図である。
【図32】(A)は、注目セルキャパシタ下部電極に対する隣接メモリセルキャパシタ下部電極の電圧分布のさらに他の例を示し、(B)は、(A)に示す電圧分布における短絡異常検出の可否を一覧にして示す図である。
【図33】(A)は、注目セルキャパシタ下部電極に対する周辺隣接メモリセルキャパシタ下部電極の電圧分布のさらに他の例を示し、(B)は、(A)に示す電圧分布における短絡異常の検出可否を一覧にして示す図である。
【図34】(A)は、注目セルキャパシタ下部電極に対する隣接セルキャパシタ電極の電圧分布のさらに他の例を示し、(B)は、(A)に示す電圧分布における短絡異常検出の可否を一覧にして示す図である。
【図35】(A)は、注目セルキャパシタ下部電極に対する電圧分布のさらに他の例を示し、(B)は、(A)に示す電圧分布における短絡異常検出の可否を一覧にして示す図である。
【図36】バーンイン回数決定テストにおける隣接メモリセルキャパシタの電圧分布を、他のキャパシタ配列について説明する図である。
【図37】(A)は、図36に示すキャパシタ配列におけるメモリセルキャパシタ下部電極に対する周辺キャパシタ電極の電圧分布を示し、(B)は、(A)における電圧分布における短絡異常検出可否を一覧にして示す図である。
【図38】(A)は、図36に示すキャパシタ配列における注目セルキャパシタおよび周辺キャパシタ下部電極の電圧分布を示し、(B)は、(A)における電圧分布における短絡異常検出可否を一覧にして示す図である。
【図39】(A)は、図36に示すキャパシタ配列における注目セルキャパシタ下部電極と周辺隣接セルキャパシタ下部電極は電圧分布のさらに他の例を示し、(B)は、(A)に示す電圧分布における短絡異常検出可否を一覧にして示す図である。
【図40】(A)は、図36に示すキャパシタ配列におけるメモリセルキャパシタ下部電極および周辺隣接セルキャパシタ下部電極の電圧分布のさらに他の例を示し、(B)は、(A)に示す電圧分布における短絡異常検出可否を一覧にして示す図である。
【図41】(A)は、図36に示すキャパシタ配列におけるメモリセルキャパシタに対する周辺隣接セルキャパシタの電圧分布のさらに他の例を示し、(B)は、(A)に示す電圧分布における短絡異常検出可否を一覧にして示す図である。
【図42】(A)は、図36に示すキャパシタ配列におけるキャパシタ下部電極の電圧分布のさらに他の例を示す図であり、(B)は、(A)に示す電圧分布における短絡異常検出可否を一覧にして示す図である。
【図43】この発明の実施の形態1におけるテスト環境の構成を概略的に示す図である。
【図44】この発明の実施の形態1におけるウェハテストにおけるプローバの移動方向を示す図である。
【図45】この発明の実施の形態1において用いられるバーンイン回数決定部と決定基準を一覧にして示す図である。
【図46】バーンイン実行時の電圧ストレスパターンの一例を示す図である。
【図47】回数決定後のバーンイン指示における電圧ストレスパターンの他の例を示す図である。
【図48】回数決定後のバーンイン実施時の電圧ストレスパターンのさらに他の例を示す図である。
【図49】回数決定後のバーンイン実施時の電圧ストレスパターンのさらに他の例を示す図である。
【図50】この発明の実施の形態1の変更例におけるSRAMセルの電気的等価回路を示す図である。
【図51】図50に示すSRAMセルのキャパシタの配列における電圧分布の一例を示す図である。
【図52】SRAMセルのキャパシタ配列における電圧分布の他の例を示す図である。
【図53】SRAMセルのキャパシタ配列における電圧分布のさらに他の例を示す図である。
【図54】SRAMセルのおけるキャパシタ配列の各キャパシタの電圧分布のさらに他の例を示す図である。
【図55】この発明の実施の形態2における電圧ストレスパターンの印加時の下部電極の電圧分布を示す図である。
【図56】この発明の実施の形態2におけるバーンイン実施時における電圧ストレスパターンを他のキャパシタ配列において示す図である。
【符号の説明】
【0190】
1 メモリセル、2 メモリセルキャパシタ、3 アクセストランジスタ、4,4a−4c キャパシタ下部電極、5 キャパシタ上部電極、2a,2b メモリセルキャパシタ、2a−2i メモリセルキャパシタ、10a−10e ショート発生体、12a−12d 短絡部位、P1−P8 隣接メモリセルキャパシタ下部電極、2r 注目セルキャパシタ、4r 注目セルキャパシタ下部電極、20 プローバ、25 テスタ、30 ファンクションテスト実行部、31 テストプログラム記憶部、32 パターンデータ記憶部、33 比較部、35 カウンタ、36 テーブル、37 回数決定部、60 SRAMセル、64,64a,64b メモリセルキャパシタ、64ra,64rb,64rc,64rd 注目メモリセルキャパシタ下部電極、4l Lデータ格納メモリセルキャパシタ下部電極、4h Hデータ格納メモリセルキャパシタ下部電極。
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体記憶装置のウェハレベルでのテストに関し、特に、メモリセルが容量素子を有する半導体記憶装置のバーンインと呼ばれる加速試験装置および方法に関する。より特定的には、この発明は、ウェハテストにおいてバーンイン不良率の高いウェハのテスト時間を短縮する手法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置の1つのDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)は、情報を電荷の形態で容量素子に記憶する。この情報蓄積用容量素子(メモリセルキャパシタと以下称する)を含むメモリセルが、行および列のマトリクス状にメモリセルアレイ内に配置される。メモリセルは、メモリセルキャパシタに直列に接続されるメモリセル選択用電界効果トランジスタ(アクセストランジスタ)を含む。アクセストランジスタは、半導体基板領域表面に形成され、ビット線(ディジット線)に接続される不純物領域と、メモリセルキャパシタに接続される不純物領域(ストレージノード)と、これらの不純物領域の間のチャネル形成領域と、チャネル形成領域上に形成されるゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜上に形成されるワード線と一体化されたゲート電極とを有する。
【0003】
メモリセルキャパシタは、メモリセルの平面レイアウト面積の縮小化を図るために、アクセストランジスタ上部に配置され、アクセストランジスタの不純物領域(ストレージノード)に接続される下部電極と、容量絶縁膜と、この容量絶縁膜を介して下部電極と対向する上部電極を有する。通常、上部電極には一定のレベルの電圧(セルプレート電圧)が供給され、下部電極に、記憶情報に応じた電荷が蓄積される。
【0004】
容量素子を情報記憶のために用いる半導体記憶装置としては、また、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリ)がある。このSRAMにおいては、メモリセルは、フリップフロップ回路と、このフリップフロップ回路の相補ノードにそれぞれ接続される容量素子を含む。SRAMセルは、1対のドライブトランジスタ素子と、1対の負荷トランジスタ素子と、メモリセル選択用の1対のアクセストランジスタを含む。負荷トランジスタ対およびドライブトランジスタ対によりフリップフロップ回路(インバータラッチ)が構成され、フリップフロップ回路の相補入出力ノード(相補ストレージノード)に、互いに相補な論理レベルのデータが格納される。
【0005】
このようなSRAMにおいては、メモリセルサイズの低減化に伴ってストレージノードの容量が小さくなった場合に、アルファ線照射によりストレージノードのデータの論理レベルが反転するソフトエラーが発生するのを防止するために、容量素子がアルファ線照射により発生する電子を吸収するために設けられる。
【0006】
このようなSRAMにおいても、メモリセルは、行列状に配列され、応じて、メモリセルの容量素子も行列状に配列される。
【0007】
一方、半導体記憶装置においては、製品の信頼性を保証するために、通常の不良検出テストで検出されなかった潜在的な欠陥がある装置を除去して出荷するために、バーンイン試験と呼ばれる加速試験が行なわれる。この加速試験においては、実際の使用条件よりも厳しい条件、たとえば電源電圧および/または周辺(雰囲気)温度を高くした状態で、製造後の装置(チップ)を一定期間動作させる。加速試験により、潜在的な欠陥を顕在化させ、初期不良のある装置(チップ)を取除くことにより、製品の品質を保証する。
【0008】
バーンイン試験は、パッケージに実装された状態において製品出荷前に行なわれるだけでなく、ウェハレベルで半導体記憶装置のテストを行なうウェハテストにおいても実施される。
【0009】
このようなバーンインのテスト方法としては、種々な仕様が存在する。基本的なバーンインの仕様として、DRAMの場合、高温状態において高電圧を印加し、通常の動作モードと同様にして、アドレスを択一的に指定することにより、ワード線などにストレスを印加する方法がある。しかしながら、DRAMの大容量化が進んだ近年においては、ワード線を順次選択する場合、以下の問題が生じる。すなわち、限られた時間内で順次ワード線を選択するため、ワード線等に対するストレス印加時間が短くなり、応じてストレスデューティが記憶容量に反比例して小さくなり、障害検出率が低下する。また、十分なストレスデューティを確保しようとする場合、バーンイン時間が長くなり、テスト時間が応じて長くなり、コスト低減に対する大きな障害となる。
【0010】
このワード線等に対するストレスデューティを高くするために、たとえば特許文献1(特開平05−159568号公報)においては、バーンイン動作時、複数のワード線を同時に選択し、これらの同時に選択されたワード線に対し外部からの電圧を伝達する構成が示されている。この特許文献1に示される構成においては、複数のワード線が同時に選択され、外部からの電圧に従って選択ワード線に電圧ストレスが印加されるため、ワード線の電圧ストレス印加時間を増大させることができ、パーティクル(異物)または製造プロセスバラツキのマージン不良に起因するワード線の形状異常等による不良を迅速に検出することを図る。
【0011】
また、DRAMにおいて、メモリセルキャパシタに対してバーンイン試験を行なう構成が、特許文献2(特開2001−203336号公報)に示されている。この特許文献2に示される構成においては、ビット線1列おきにHレベルに設定し、間のビット線をLレベルに設定する構成が示されている。隣接ビット線がビット線対を構成しており、ビット線(BL)に接続されるメモリセルのキャパシタのストレージノード(下部電極)と補のビット線(/BL)に接続されるメモリセルのキャパシタのストレージノードの間に互いに相補な論理レベルのデータを格納する。これにより、隣接メモリセルキャパシタの下部電極間に電圧ストレスを印加し、同様、このメモリセルキャパシタのパーティクルまたは製造プロセスゆらぎに起因する形状異常(短絡)を迅速に検出することを図る。
【特許文献1】特開平05−159568号公報
【特許文献2】特開2001−203336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
コスト低減を実現するために、ウェハテストの時間短縮は必須要件となっている。通常、バーンイン試験は、以下の手順で実行される。すなわち、まずインターフェイス(IF)テストが行なわれる。このIFテストにおいては、チップ外部から電源線および信号線が正常に機能しているか、すなわちボンディングパッドに対してコンタクトが正常に形成されているかを判定する。次いで、DCテストが行なわれる。このDCテストにおいては、各半導体記憶装置の入出力端子のリーク電流等の直流特性が評価される。次いで、メモリセルが正常に記憶動作を行なうかを判定する機能テストが実行される。この機能テスト完了後、半導体記憶装置のバーンインが実行され、電圧および温度のストレスが加速される。
【0013】
このバーンインにおいては、メモリセルキャパシタのバーンインを行なう場合、メモリセルキャパシタ間の異常を効率的にスクリーニングするために、上述の特許文献1に示される構成においては、隣接列のメモリセルキャパシタに異なる論理レベルのデータ、すなわち高電位のHデータおよび低電位のLデータを格納し、この電位差をメモリセルキャパシタ下部電極の電圧ストレスとして設定する。電圧ストレスの大きさおよびストレス印加時間は、予め前もって固定条件として設定されており、テスト実施中においてこのバーンインの条件を変化させることは行なわれない。
【0014】
しかしながら、最近の情報機器等の小型軽量化に伴って、半導体記憶装置のサイズの縮小が加速され、応じてメモリセルも微細化される。したがって、メモリセルキャパシタの間隔が極めて小さくなり、製造プロセスばらつきや製造プロセスにおけるトラブルにより、このメモリセルキャパシタ間に微小なパーティクル(異物)またはメモリセルキャパシタの形状異常が発生してショート発生源となり、このようなショート発生源により、メモリセルキャパシタ間にマイクロショートが発生する。また、マスク位置合わせ、エッチングおよび露光(写真製版)等の製造プロセスマージンの不良等により、メモリセルキャパシタ間距離が設計値よりも短くなり、キャパシタ間で短絡が発生する場合が多くなってきている。
【0015】
この半導体記憶装置の縮小(サイズ低減)に応じて、メモリセルキャパシタが微細化された場合、メモリセルキャパシタの下部電極の体積が微小となり、導電性が低下する。この様な高抵抗のマイクロショートが生じた場合、設計段階において設定された電位差(電圧ストレス)およびストレス印加時間に従ってバーンインを行なった場合、バーンイン後の機能テストにおいて不良品となる割合(バーンイン不良率と以下称する)が、量産工場または設計部門の管理規格値よりも高くなる。これは、機能テストにおいては、マイクロショートは高抵抗であり、短絡不良が検出されず、バーンインによりマイクロショートが顕在化するためである。これは、1回の規定値によるバーンインを行なっただけでは、十分に不良をスクリーニングすることができないことを意味する。
【0016】
したがって、バーンイン不良率が管理規格値よりも高くなった場合、潜在的な不良が顕在化していない可能性が高いと判断して、ウェハテスト終了後、このウェハ上の全チップ(半導体記憶装置)に追加バーンインを再度実行する。この追加バーンイン後に不良品となる装置(チップ)がほとんど発生しない、すなわち、バーンインにより全ての不良装置(チップ)がスクリーニングされた状態となり、バーンイン不良率が増加しないことを確認した後に、チップ実装工程へ送出され、チップ実装後の最終テストが行なわれる。この最終テスト時においても同様バーンインテストが行なわれ、不良品を除去した後に、製品が出荷される。
【0017】
また、メモリセルキャパシタが、表面積の拡大のために、種々の方法で、その表面に微小な凹凸が形成される構造の場合、メモリセルキャパシタの下部電極表面のエッチング時の切片が、ショート発生体を構成する場合が多い。このような場合、このショート発生源の体積はかなり微小となりまた導電性も低いため、同様、1回のバーンインを行なった後の機能テストにおいて不良品となる割合(バーンイン不良率)が管理規格値よりも高くなる事が多い。この場合においても、1回のバーンインで不良がすべてスクリーニングされていない可能性が高いことを示しており、同様、追加のバーンインが実行され、再試験が実施される。
【0018】
また、同様に、メモリセルキャパシタが微細化された場合、メモリセルが整列している面を基準面としたとき、その基準面に対してメモリセルキャパシタの下部電極の面積は小さくなる。したがって、メモリセルキャパシタ下部電極自体の導電性がこの面積が小さくなった分低下する。したがって、1回のバーンインにおいて、ある数のメモリセルキャパシタ間短絡の不良が顕在化されても、すべての不良を1度のバーンインで顕在化させるのが困難である。したがって、この場合においても、バーンイン後の機能テストで不良品となる割合(バーンイン不良率)が管理規格値よりも高くなり、同様、追加のバーンインを行なって、再度機能テストを行ない、バーンイン不良率が管理規格値以下であることを確認する必要がある。
【0019】
上述の特許文献1および2においては、ストレス加速を効率的に行うことは考慮しているものの、このようなプロセスのばらつきまたは高抵抗のショート発生源が存在する場合にバーンイン不良率が管理規格値よりも高くなる可能性およびバーンイン不良率が規格値よりも高くなった場合の処置については何ら考慮していない。
【0020】
このようなショート発生源、すなわちマイクロショートまたはメモリセルキャパシタ間形状異常による電極間短絡が生じる事態は、製品の量産立上げ時またはプロセス装置におけるトラブル等により突発的に発生する。このような事態を解決するためには、量産工場において日々のプロセス安定活動の積み重ねが必要であり、この解決には、半年から数年を要することがある。
【0021】
このような状況から、微細化されたメモリセルキャパシタを有する半導体記憶装置、すなわちDRAMおよびSRAM等の量産ウェハテストにおいて、バーンイン不良率が高いウェハが突発的に発生し、そのウェハのテスト時間を短縮することがコスト低減およびテスト時間短縮の観点から重要な課題となる。すなわち、このようなバーンイン不良率が突発的に高いウェハが発生した場合、製造ラインにおける品質管理値(管理規格値)を超えた場合、出荷を一時停止して、少なくともバーンイン不良率が高いウェハの全チップ(半導体記憶装置)に対してバーンイン不良収束性(バーンイン不良率が増加しない)を評価するために、追加バーンインを実施して、出荷工程に転送するかの判定を行なう必要がある。このような追加作業を行なうため、対象のウェハは、少なくとも2倍のウェハテスト時間を必要とし、これがコストを上昇させる原因となる。
【0022】
それゆえ、この発明の目的は、ウェハのテスト時間を短縮することのできる半導体記憶装置のテスト装置および方法を提供することである。
【0023】
この発明の他の目的は、ウェハレベルでのバーンイン収束性を保証することのできかつバーンイン不良率の増大を抑制することのできる半導体記憶装置のテスト装置およびテスト方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
この発明に係る半導体記憶装置のテスト方法は、ウェハ上に形成され、各々が情報を記憶する容量素子を含む複数のメモリセルを備える半導体記憶装置のテスト方法であって、この半導体記憶装置において注目メモリセルの容量素子に第1の論理レベルのデータを記憶させかつこの注目セルの容量素子に隣接する複数の容量素子に第2の論理レベルのデータを記憶させるデータ書込ステップと、このデータ書込ステップの後、この半導体記憶装置の機能テストを行ない、この機能テスト結果に基づいてバーンイン回数を決定するステップと、この決定されたバーンイン回数半導体記憶装置に対してバーンインを行なうステップとを備える。
【0025】
この発明に係る半導体記憶装置のテスト装置は、ウェハ上の半導体装置において注目メモリセルの容量素子に第1の論理レベルのデータを記憶させかつこの注目セルの容量素子に隣接する複数の容量素子に第2の論理レベルのデータを記憶させる様にテストデータを書込む手段と、このテストデータ書込の後、該半導体記憶装置の機能テストを行ない、この機能テスト結果に基づいてバーンイン回数を決定する手段と、この決定されたバーンイン回数半導体記憶装置に対してバーンインを行なう手段とを備える。
【発明の効果】
【0026】
バーンイン実施前に、バーンイン回数決定のテストを行ない、このテスト結果に基づいてバーンインの実行回数を算出して、この算出されたバーンイン回数バーンインを実施する。したがって、ウェハテスト1回において、事前に必要な回数分のバーンインを実施することができ、ほぼすべての初期不良をスクリーニングできたと判定することができ、バーンイン不良率が収束したと判定することができる。したがって、ウェハ上の全装置(チップ)に対して追加のバーンインを実施して再度の機能試験を行うことが不要となり、ウェハテストに要する時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
[実施の形態1]
図1は、この発明が適用される半導体記憶装置のメモリセルの電気的等価回路を示す図である。図1において、メモリセル1は、情報を電荷の形態で記憶する容量素子(メモリセルキャパシタ)2と、ワード線WL上の信号電位に従ってメモリセルキャパシタ2をビット線BL(または/BL)に結合するNチャネルMOSトランジスタで構成されるアクセストランジスタ3を含む。
【0028】
メモリセルキャパシタ2は、その構造は後に説明するがスタック型構造を有し、ストレージノード7に結合される下部電極4と、下部電極4とキャパシタ絶縁膜6を介して対向して配置されるセルプレート電極(上部電極)5を含む。上部電極5には、一定のセルプレート電圧Vcpが供給される。ストレージノード7に、記憶情報に応じた電荷が蓄積され、Hレベルの電位またはLレベルの電位に設定される。メモリセル1は、メモリセルアレイ内に行列状に配列され、メモリセル行に対応してワード線WLが配設され、メモリセル列に対応してビット線BL(/BL)が配設される。
【0029】
図2(A)−図2(D)は、メモリセルキャパシタのストレージノード電極(下部電極)4の構造の例を示す図である。図2(A)において、下部電極4は、中空の筒状の形状を有する。下部電極4のその断面4aは、U字型形状を有している。この下部電極4の筒状形状は、円筒形状または中空角柱形状のいずれであってもよい。この下部電極4の凹部形状により、外側表面および内部表面をメモリセルキャパシタ電極として利用することにより、キャパシタレイアウト面積(平面レイアウト面積)を増大させることなく、容量値を増大させる。
【0030】
図2(B)は、下部電極4の他の構造を示す図である。図2(B)に示す下部電極4は、図2(A)に示す構造と同様、断面U字形状を有する中空の筒形状であるが、その側壁外部および内部ともに表面に凹凸部4bが形成される。下部電極4形成時、処理工程においてたとえばポリシリコン表面に球状の粒子が生成されるように処理することにより、表面に凹凸部4bを形成する。図2(A)に比べて、図2(B)の下部電極4の構造においては、粒子部4bの表面により、さらに下部電極4の表面面積が増大し、容量値をさらに増大させることができる。
【0031】
図2(C)は、下部電極4のさらに他の構造を示す図である。図2(C)に示すキャパシタ構造においては、下部電極4は、円柱または角柱形状に形成され、その断面4cは、矩形形状を有する。この図2(C)の構造の場合、下部電極4を高くすることにより、表面面積を増大して、側壁および上側表面を容量素子電極として利用することができ、メモリセルキャパシタの容量値を増大させることができる。
【0032】
図2(D)は、下部電極4のさらに他の構成を示す図である。図2(D)において、下部電極4は、図2(C)に示す下部電極の構成に加えて、さらに、側壁および上部表面に凹凸部4dが形成される。断面4cは、矩形形状を有する。このキャパシタ構造においては、図2(C)に示す下部電極4に比べて、凹凸部4dにより、さらに表面面積が増大する。
【0033】
これらの図2(A)から図2(D)に示す下部電極の構造に加えて、さらに、他の構造のキャパシタが用いられてもよい。
【0034】
図3は、メモリセル1の断面構造を概略的に示す図である。図3においては、同一ビット線BLに接続されるメモリセル1aおよび1bの断面構造を示す。
【0035】
図3において、メモリセル1aおよび1bは、p型半導体基板領域(ウェル領域;基板領域)10上に形成される。この基板領域10の表面に間をおいてn型不純物領域11a、11b、および11cが形成される。不純物領域11aには、ビット線BLを構成する導電層16が接続される。不純物領域11bおよび11cには、下部電極を形成するストレージノード電極層14aおよび14bがそれぞれ分離して形成される。図3においては、下部電極であるストレージ電極層14aおよび14bが中空構造を有する場合を一例として示す。下部電極層14aおよび14bは、容量素子を構成する中空円筒部分と、この容量素子部分をストレージノードに接続するプラグ部分とを有する。
【0036】
ストレージノード電極層14aおよび14bの上部側壁および内部領域に、キャパシタ絶縁膜15aおよび15bがそれぞれ形成される。キャパシタ絶縁膜15aおよび15bと対向して、上部電極であるセルプレート電極層13が形成される。セルプレート電極層13は、典型的には、メモリセルアレイ内のメモリセルキャパシタ2に共通に配設される。
【0037】
不純物領域11aおよび11bの間の基板領域表面上にワード線を構成する導電層12aが配設され、不純物領域11aおよび11cの間の基板領域上に別のワード線を構成する導電層12bが配設される。
【0038】
不純物領域11aおよび11bと導電層12aにより、メモリセル1aのアクセストランジスタ(3)が構成され、ストレージノード電極層14a、キャパシタ絶縁膜15aおよびセルプレート電極層13により、メモリセル1aのメモリセルキャパシタ2aが形成される。
【0039】
一方、不純物領域11aおよび11cと導電層12bにより、メモリセル1bのアクセストランジスタが形成され、ストレージノード電極層14b、キャパシタ絶縁膜15bおよびセルプレート電極層13により、メモリセル1bのキャパシタ2bが形成される。
【0040】
図3においては、セルプレート電極層13が、ビット線を構成する導電層16よりも下部に形成されるキャパシタ・アンダー・ビット線(CUB)構造が一例として示される。しかしながら、メモリセルキャパシタを構成する部分がビット線を構成する導電層16より上部に構成されるキャパシタ・オーバー・ビット線(COB)構造が、メモリセルキャパシタ構造として用いられてもよい。
【0041】
図3に示すように、メモリセル1(1a,1b)においては、下部電極4は、ワード線上部に形成され、メモリセルサイズが低減される場合、これらのメモリセルキャパシタ2aおよび2bの下部電極間の距離が短くなる。
【0042】
図4は、メモリセルアレイにおけるメモリセルの配列の一例を示す図である。図4において、メモリセル1は行列状に配列され、メモリセル1の行に対応してワード線WL(WL0−WL6)が配設される。セル1の各列に対応してビット線BL(BL0−BL3、…)が配設される。メモリセル1は、先の図1において示すように、アクセストランジスタとメモリセルキャパシタ2とを有し、メモリセルキャパシタ2は、下部電極4と上部電極5とを含む。図4において、メモリセルキャパシタ2の領域が、上部電極5と下部電極4の対向する領域(平面レイアウトにおいては下部電極4のレイアウト領域)に対応し、この上部電極5と下部電極4の対向部分の面積により、メモリセルキャパシタ2の容量値が決定される。
【0043】
この図4に示すメモリセルアレイにおいては、ワード線WL(WL0−WL6、…)の1つが選択状態へ駆動され、ビット線BL(BL0−BL3、…)それぞれに、選択ワード線に接続されるメモリセルの対応のキャパシタ2が接続される。この場合、ビット線BL(BL0−BL3、…)各々の一方端部にセンスアンプが設けられており、各センスアンプが、図示しない非選択状態のメモリセルアレイのビット線を参照ビット線として差動増幅動作を行なう。
【0044】
すなわち、図5に示すように、メモリセルアレイMAaにおいてメモリセル1が行列状に配列され、またメモリセルアレイMAbにおいてもメモリセル1が行列状に配列される。この図5において、メモリセルアレイMAaのワード線WLaおよびビット線BLaとメモリセルアレイMAbにおけるワード線WLbおよびビット線BLbを代表的に示す。ビット線BLaおよびBLbは、それらの間に配置されるセンスアンプSAに接続される。データアクセス時、ワード線WLaおよびWLbの一方が選択状態へ駆動される。たとえば、メモリセルアレイMAaのメモリセル1に対してデータの書込または読出を行なう場合、ワード線WLaが選択状態へ駆動され、一方、ワード線WLbは非選択状態に維持される。ビット線BLaには、対応のメモリセル1の記憶データに応じた電位変化が生じる。一方、メモリセルアレイMAbにおいては、ワード線WLbが非選択状態であり、ビット線BLbは、メモリセルのデータは伝達されず、所定の電圧レベルのプリチャージ電圧レベルに維持される。センスアンプSAが、これらのビット線BLaおよびBLbの電位を差動増幅し、メモリセルアレイMAaのメモリセル1の記憶データを検知し、増幅する。このセンスアンプSAがデータの増幅後にラッチ状態となると、列(ビット線)を選択して(センスアンプに対応して配置される列選択ゲートにより)、選択列のビット線に対してデータの書込または読出が実行される。
【0045】
図4に示すような、ワード線WLおよびビット線BLの交差部それぞれに対応してメモリセル1が配設され、センスアンプSAが両側のビット線の電位を差動増幅する構成は、通常、「オープンビット線」構成と呼ばれ、高密度でメモリセル1を配設することができる。
【0046】
図6は、メモリセルアレイのメモリセルの配置の他の構成を示す図である。図6においても、メモリセル1は、アクセストランジスタ3およびメモリセルキャパシタ2を有し、メモリセルキャパシタ2が、下部電極4および上部電極5を含む。
【0047】
図6に示すメモリセルアレイにおいては、メモリセル列それぞれに対応してビット線BL(BL0−BL3、…)が配設され、一方、ワード線WL(WL0−WL7、…)は、1列おきのメモリセルのアクセストランジスタ3に結合される。図6に示すメモリセルの配置の場合、1つのワード線WLが選択された場合、1列おきのビット線にメモリセルキャパシタが結合される。
【0048】
この場合、各隣接ビット線で構成されるビット線対に対してセンスアンプが設けられる。すなわち図7に示すように、対をなすビット線BLおよび/BLに対しセンスアンプSAが設けられる。1つのワード線とビット線対BLおよび/BLの一方との交差部にメモリセル1が配設される。図7においては、ワード線WLcとビット線BLの交差部に対応してメモリセル1が配設され、ワード線WLdとビット線/BLの交差部に対してメモリセル1が配設される。この配置の場合、ワード線WLcが選択状態へ駆動されると、ワード線WLcに接続されるメモリセル1の記憶データがビット線BLに伝達され、ビット線BLの電位が変化する。一方、ビット線/BLは、ワード線WLcの選択時、メモリセルの記憶データは伝達されないため、所定のプリチャージ電圧レベルを維持する。センスアンプSAが、これらのビット線BLおよび/BLの電位を差動的に増幅し、ワード線WLcに接続されるメモリセル1の記憶データの検知および増幅を行なう。この後、図4に示すメモリセル配置と同様に、データの書込または読出が、図示しない列選択ゲートを介して実行される。
【0049】
この図7に示すビット線構成は、通常、「折返しビット線」構成と呼ばれ、ビット線BLおよび/BLにノイズが発生しても、そのノイズは同相であり、センスアンプSAにおいてこの同相ノイズがキャンセルされるため、ノイズ耐性に優れたメモリセル配列である。
【0050】
図4および図6に示すメモリセル配列のいずれにおいても、メモリセルキャパシタ2は、行列状に配列され、このメモリセル配列は、オープンビット線構成および折返しビット線構成のいずれを用いられてもよい。
【0051】
以下では、メモリセルキャパシタが行および列状に配列される状態を強調するために、メモリセルがオープンビット線構成に配設される場合を一例として説明するが、メモリセルは、上述のように,折返しビット線構成で配設される場合においても、同様の議論が成立し、本発明は適用可能である。
【0052】
図8は、メモリセルキャパシタの下部電極4の配列の斜視図を概略的に示す図である。図8において、下部電極4は、中空円筒形状を有し、X方向およびY方向に整列して配列される。下部電極4においては、図3に示すように、中空円筒形状の容量素子部分をストレージノード(アクセストランジスタとの接続ノード)に電気的に接続するプラグ部分が、この中空円筒形状下部に配設されるが、図8においては、図面を簡略化するために、プラグ部分は示していない。キャパシタ間の短絡が問題となるのは、この容量素子部分を構成する中空円筒部分であり、下部電極の構造が中空円筒形状として、以下においては説明する。また、X方向およびY方向は、直交する方向であれば良い。このX方向およびY方向については、必要に応じて、その方向を規定するが、ここでは、それぞれ、ワード線の延在方向(行方向)およびビット線の延在方向(列方向)を示すものとする。
【0053】
図9は、この図8に示すメモリセルキャパシタの下部電極4の配列の平面レイアウトを具体的に示す図である。この図9に示すように、下部電極4が、楕円状のリング形状を有し、X方向およびY方向に沿って整列して配置される。
【0054】
図10は、メモリキャパシタの他の配列例を示す図であり、図10においても、中空円筒形状の下部電極の配列の斜視図を示す。この図10に示す構成においては、下部電極4は、Y方向に沿って整列して配置され、一方、X方向に沿っては、下部電極4のY方向のピッチの1/2倍の距離ずれて配列される。
【0055】
図11は、図10に示す下部電極4の配列の平面レイアウトを示す図である。図11において、Y方向に沿って下部電極4が整列して各列ごとに配列され、X方向においては、下部電極4は、下部電極のY方向のピッチLpの1/2倍、Lp/2ずれて配列される。
【0056】
メモリセルの配置においては、通常、ビット線コンタクトを低減するため、各列方向(Y方向)に配列されるメモリセルのアクセストランジスタは、ビット線との電気的コンタクトをとるためのビット線コンタクトを共有するように配列される。メモリセルの配置に応じて、メモリセルキャパシタの配置も決定される。図8から図11に示すメモリセルキャパシタの配置のいずれかが、オープンビット線構成および折返しビット線構成において用いられる。以下の説明においては、メモリセルキャパシタの下部電極のショートのスクリーニングを対象としており、以下では、下部電極4の容量素子を構成する部分の配列に重点をおいて説明を行なう。従って、以下の説明においては、下部電極4は、メモリセルキャパシタの容量素子を構成する部分を参照するものとする。
【0057】
図12から図16は、隣接メモリセルキャパシタ(下部電極)間のショートの例を示す図である。これらの図12から図16においては、3行3列に配列されるメモリセルキャパシタ2a−2iにおける可能なショート発生源の態様について示す。メモリセルキャパシタの短絡(ショート)は、キャパシタ下部電極4の短絡と同義であり、メモリセルキャパシタ間短絡とメモリセルキャパシタ下部電極間短絡とを、特に断らない限り、同様の意味で用いる。
【0058】
図12においては、メモリセルキャパシタ2eおよび2bにおいてショート発生体10aが存在し、このメモリセルキャパシタ2bおよび2e間にショートが発生する。
【0059】
図13においては、メモリセルキャパシタ2eおよび2fの間にショート発生体10bが存在し、メモリセルキャパシタ2eおよび2fが、そのショート発生体10bを介して電気的に結合される。
【0060】
図14においては、メモリセルキャパシタ2e、2fおよび2cにわたるショート発生体10cが存在し、これらのメモリセルキャパシタ2e、2cおよび2fがショート発生体10cにより電気的に結合される。
【0061】
図15においては、メモリセルキャパシタ2b、2c、2eおよび2fを相互接続するショート発生体10dが存在し、これらのメモリセルキャパシタ2b、2c、2eおよび2fにおいて電気的な短絡が生じる。
【0062】
図16においては、メモリセルキャパシタ2bおよび2fの間にショート発生体10eが存在し、メモリセルキャパシタ2bおよび2fが電気的に短絡される。
【0063】
これらの図12から図16に示すショート発生体10a−10eは、それぞれ、中央のメモリセルキャパシタ(注目セルキャパシタ)2eについて上下左右対称な位置に存在する可能性がある。ショート発生体は、エッチング時の飛散切片または異物であり、抵抗値が高く、マイクロショートを形成することが多い。ショート発生体10a−10eの抵抗値が高い場合、リーク電流が小さく、機能テストにおいてメモリ動作に対して影響を及ぼさずに短絡異常が検出されない可能性がある。
【0064】
これらのショート発生体10a−10eを、電圧ストレスによりスクリーニングする。すなわち、ショート発生体10a−10eに対し電圧ストレスを印加し、そのショート発生体10a−10eの電圧ストレスにより破壊し、このショート発生体10a−10eの間に絶縁破壊を生じさせ、その短絡を顕在化させる。この場合、ショート発生体10a−10eが前述のように、高抵抗体の場合、電圧ストレスを1回印加しただけで、十分にジュール熱等により破壊せず、このショートを顕在化させるのが困難である。これらのショート発生体10a−10eを、確実に、破壊して、短絡状態を顕在化させるために、バーンイン回数を、本発明において予め決定し、その後に、決定された回数だけバーンインを実行する。
【0065】
図12から図16に示すメモリセルキャパシタ2a−2iにおいて、隣接メモリセルキャパシタで短絡が生じるのは、下部電極(ストレージ電極)であり、下部電極の形状は、中空の筒状形状および非中空の柱状形状のいずれであってもよい。
【0066】
図17から図22は、プロセス時におけるマージン不良による隣接メモリセルキャパシタ間短絡の態様を示す図である。図17から図22においても、3行3列に配列されるメモリセルキャパシタ2a−2iを示す。
【0067】
図17においては、メモリセルキャパシタ2eが、写真製版工程またはエッチング工程時のプロセスマージン不足により、位置ずれが生じた場合、その位置ずれマージンが不足しているため、隣接メモリセルキャパシタ2bに接触し、短絡12aが発生する。
【0068】
図18においても、同様、メモリセルキャパシタ2eにおける写真製版またはエッチング工程時のプロセスマージン不足により、位置ずれが生じた場合、隣接メモリセルキャパシタ2eに接触し、短絡12bが発生する。この場合、図18においては、またメモリセルキャパシタ2dの位置もずれているものの、メモリセルキャパシタ2dおよび2eが同一方向にずれており、これらのメモリセルキャパシタ2dおよび2eにおいては短絡は生じていない。
【0069】
図19においても、同様、写真製版またはエッチング工程時のプロセスマージン不足により、メモリセルキャパシタ2eが位置ずれを起こした場合に、隣接メモリセルキャパシタ2fおよび2hに接触し、短絡12cが発生する。
【0070】
図20においては、写真製版工程またはエッチング工程時におけるプロセスマージン不足により、その形状異常が発生した場合、隣接メモリセルキャパシタ2fとメモリセルキャパシタ2eが接触し、短絡12dが発生する。
【0071】
図21においても、同様、メモリセルキャパシタ2eの形状異常が発生した場合、マージン不足により、メモリセルキャパシタ2eおよび2hに短絡12eが発生する。図22においても、写真製版工程およびエッチング工程時におけるプロセスマージン不足により、メモリセルキャパシタ2eの形状異常が発生し、メモリセルキャパシタ2iと接触し、短絡12dが発生する。
【0072】
図22においても、写真製版工程およびエッチング工程時におけるプロセスマージン不足により、メモリセルキャパシタ2eの形状異常が発生し、メモリセルキャパシタ2iと接触し、短絡12fが発生する。
【0073】
このような図17から図22に示すようなメモリセルキャパシタ(下部電極)の短絡が生じた場合においても、電圧ストレスを印加し、この接触抵抗部分を完全に低抵抗状態(絶縁破壊状態)に設定し、この短絡状態を露顕させる。
【0074】
これらの図12から図22に示す隣接メモリセルキャパシタ間の短絡状態10a−10eおよび12a−12fは、メモリセルキャパシタが、図11に示すように、1列ごとにずれて配列される場合においても同様に生じる。
【0075】
すなわち、通常のプロセス時においては、メモリセルキャパシタの形状および位置に対しては、設計段階において設定される許容誤差が存在し、その許容誤差範囲内での位置ずれまたは形状異常では、不良が生じないように設計される。しかしながら、プロセス時におけるパラメータの変動またはトラブル等により、この許容誤差範囲を超えた場合、隣接メモリセルキャパシタ間での短絡が発生し、特に、この隣接メモリセル間の距離が微細化により短くなった場合、マージンが小さくなり、このような不良が発生する可能性が高くなる。この短絡を効率的に検出するために、バーンイン実行前に、短絡不良を検出し、その検出結果に基づいて、実際のバーンインの実行回数を決定し、この決定回数だけバーンインを実行する。これにより、顕在化しにくい状態の短絡状態を効率的に顕在化させる。
【0076】
図23は、この発明の実施の形態1に従う半導体記憶装置のテスト方法を示すフロー図である。以下、図23を参照して、この発明の実施の形態1に従うテスト方法について説明する。
【0077】
まず、ウェハレベルにおいて、半導体記憶装置(チップ)が製造された後、IF(インターフェイス)テストが行なわれる(ステップSP1)。このIFテストにおいては、ボンディングパッドに対するコンタクト不良の有無などが検出される。
【0078】
次いで、リーク電流などのDC(直流)テストが行なわれ、各半導体記憶装置の直流特性の評価が行なわれる(ステップSP2)。DCテストにおいては、各端子のリーク電流などの直流特性が評価される。
【0079】
これらのIFテストおよびDCテストが行なわれた後、以上の検出されない半導体記憶装置に対して、ファンクションテスト(機能テスト)が行なわれ、半導体記憶装置が、正常にメモリ動作をするかの判定が行なわれる(ステップSP3)。すなわち、ファンクションテストにおいては、通常の動作条件下において、メモリセルにテストデータを書込み、その書込んだデータを読出して、読出データを期待値(テストデータ)と比較し、この比較結果に基づいて、半導体記憶装置が正常にメモリ動作をしているかを判定する。この機能テストにおいては、不良セルのアドレスの検出および不良セルの冗長置換による救済可否も合わせて判定され、救済可能な半導体記憶装置は、正常な半導体記憶装置であると判定される。
【0080】
次いで、このファンクションテストの完了後、本発明の実施の形態1において、バーンイン回数決定テストが行なわれる(ステップSP4)。このステップSP4のバーンイン回数決定テストについては、後に詳細に説明するが、回数決定用の特定のデータパターンをメモリセルに書込んで、隣接メモリセルキャパシタ間の短絡を検出し、その検出結果に基づいて、バーンイン回数をバーンイン実行前に算出する。
【0081】
次いで、ステップSP4において決定されたバーンイン回数だけ、バーンインを実行する(ステップSP5)。ステップSP4でバーンイン回数を決定し、その決定された回数バーンインを実行することにより、ステップSP5の処理完了後、この半導体記憶装置における潜在的な不良はすべて顕在化されたと判定される。バーンイン回数決定およびバーンインは、テスタからのプロ−バを対象チップに接続した状態で実行され、プロ−バの脱着時間を短縮する。また、プロ−バに接続される半導体記憶装置単位で回数の決定およびバーンインの実行であり、ウェハ上の半導体記憶装置全数が全て同一回数バーンインされる事がなく、必要装置に対してのみ必要回数バーンインが実行され、応じて、追加のバーンインを全数に対して実行する場合に比べて、テスト時間を短縮することができる。
【0082】
次いで、バーンイン実行後、再びファンクションテストが行なわれ(ステップSP6)、バーンイン不良率がモニタされる。このバーンイン不良率が、管理規格値よりも高い場合においても、ステップSP4においてバーンイン回数バーンインを実行しており、すべての潜在的な不良が顕在化されており、追加のバーンインを行なわなくても、バーンイン不良が収束していると判定される。
【0083】
なお、ステップSP5におけるバーンインにおいては、温度加速により不良部を効率的にスクリーニングするために、60℃ないし130℃前後の雰囲気温度で実施される。
【0084】
このファンクションテストを実行した後(ステップSP6)、不良救済などのヒューズプログラム処理などを行った後に、半導体記憶装置が、ダイシング工程を経てチップごとに分離されて、パッケージ実装工程へ転送される。このパッケージ実装後において最終テスト(ファイナルテスト)が再び行なわれ、初期不良をバーンイン等により除去した後(不良製品を取除いた後に)、製品の出荷が行なわれる(ステップSP7)。
【0085】
図24は、図13に示すバーンイン回数決定テストを実行するステップSP4の詳細処理を示すフロー図である。図24に示すように、バーンイン回数決定テストステップSP4においては、まず、半導体記憶装置に対し特定のパターンを有するデータが格納される(ステップST1)。この特定のパターンは、メモリセルアレイ内において隣接メモリセルキャパシタ間の短絡を効率的に検出するデータ配列となるパターンである。
【0086】
次いで、この書込データを読出パターンデータに対する期待値として、メモリセルから読出したデータと期待値との比較が行なわれる(ステップST2)。期待値との比較結果に従って半導体記憶装置におけるメモリセルの良/不良が判定される。不良メモリセルの分布に基づいて、不良セルを有する半導体記憶装置が、不良セルをスペアセルで置換する冗長置換などで救済可能であるかの判定が行なわれ、救済不能と判定された半導体記憶装置(チップ)は不良品として判定され、その不良装置(チップ)の数がカウントされる(ステップST3)。また、この不良品カウント時において、単に、不良セルが検出された半導体装置を、不良装置としてカウントすることが行われても良い。
【0087】
この不良装置のカウント数に基づいて、次工程において実行すべきバーンインの回数が決定される(ステップST4)。
【0088】
この不良装置がカウントされる場合、半導体記憶装置は、ウェハ上に配置された状態であり、不良半導体記憶装置に対しても、不良装置の状態でバーンインが実行される。不良品の数に応じてバーンイン回数を決定した場合、潜在的な不良を確実に顕在化させ、決定された回数バーンインを実行した後には、ほとんどの潜在的な不良が顕在化して、不良のチップ(装置)が検出され、バーンイン不良率が収束していると判定する。
【0089】
図25は、図24に示すステップST1における格納データのメモリセルアレイ内のパターンの一例を示す図である。図25においては、オープンビット線構成にメモリセル1が配列される場合を示すものの、折返しビット線構成でメモリセルが配設される場合においてもメモリセルキャパシタの格納データのパターンは、同様である。
【0090】
図25において、偶数ワード線WL0、WL2、WL4、およびWL6に接続されるメモリセル1のキャパシタ2のストレージノードには、Hデータ(高電位のデータ)が格納される。メモリセルのストレージノードは、メモリセルキャパシタの下部電極と電気的に接続されており、ストレージノードの電位は、下部電極の電位とほぼ同じである。
【0091】
奇数ワード線WL1、WL3、およびWL5に接続されるメモリセルにおいては、偶数ビット線BL0、BL2に接続されるメモリセルのキャパシタ2のストレージノード(下部電極)には、Hデータが格納され、奇数ワード線WL1、WL3およびWL5に接続されるメモリセルにおいて奇数ビット線BL1およびBL3に接続されるメモリセルには、Lデータ(低電位のデータ)がメモリセルのストレージノードに格納される。
【0092】
Lデータを格納するメモリセルを注目セル1rとする。この場合、注目セル1rのメモリセルキャパシタ2r(下部電極4r)は、その周辺メモリセルキャパシタ(下部電極)P1−P8により取囲まれ、これらの周辺メモリセルキャパシタP1−P8には、Hデータが格納される。注目メモリセルキャパシタ2r(下部電極4r)に対しては、周辺メモリセルキャパシタP2およびP7により、行方向において隣接するメモリセルキャパシタ間異常を検出し、周辺メモリセルキャパシタP4およびP5により、同様、列方向における隣接メモリセルキャパシタ間異常を検出する。隣接メモリセルキャパシタP1、P3、P6およびP8により、この注目メモリセルキャパシタ2r(下部電極4r)に対する斜め方向の隣接メモリセルキャパシタ間異常を検出する。
【0093】
このキャパシタ間の短絡異常を検出する場合、注目メモリセルキャパシタと周辺メモリセルキャパシタとは格納データの論理レベルが異なり、応じて、電圧レベルが異なる。したがって、短絡異常が存在する場合、短絡キャパシタの電圧レベルが同程度となり、記憶データの反転が生じる。注目メモリセルキャパシタと短絡する周辺メモリセルキャパシタの数が多い場合においては、周辺メモリセルキャパシタの電位変化が小さく、記憶データの反転が生じない場合においても、注目メモリセルキャパシタの電圧レベルが変化し、応じて、その記憶データの反転が生じ、短絡異常を検出することができる。
【0094】
図26は、バーンイン回数決定テストにおける他のパターンデータを示す図である。この図26に示すデータパターンにおいては、偶数ワード線WL0、WL2、およびWL4、およびWL6と奇数ビット線BL1、BL3に接続されるメモリセル1に対してLデータが格納され、残りのメモリセルキャパシタ、すなわち奇数ワード線WL1、WL3およびWL5に接続されるセルのキャパシタ2のストレージノードに、Hデータが格納され、また、さらに、偶数ワード線WL0、WL2、WL4およびWL6と偶数ビット線BL0、BL2の交差部に対応して配置されるメモリセルのキャパシタ2のストレージノードに、Hデータが格納される。
【0095】
このデータパターンの場合、注目メモリセルキャパシタ2r(下部電極4r)の位置が、図25に示す配置から、1行ずれ、偶数ワード線に接続されかつ奇数ビット線に接続されるメモリセルのキャパシタが、注目メモリセルキャパシタ2rとなる。この場合においても、図25に示す構成と同様、周辺メモリセルキャパシタP1−P8には、注目メモリセルキャパシタ2rと逆の論理レベルのデータ、すなわちHデータが格納されており、この注目メモリセルキャパシタ2r(下部電極4r)に対して行方向および列方向および斜め方向における隣接メモリセルキャパシタ間異常を検出することができる。
【0096】
図27は、このバーンイン回数決定テストにおいて用いられるデータパターンの他の例を示す図である。この図27に示すデータパターンにおいては、偶数ワード線WL0、WL2、WL4およびWL6と偶数ビット線BL0およびBL2の交差部に対応して配置されるメモリセルのキャパシタ2r(下部電極4r)が注目セルキャパシタとして用いられて、Lデータが格納される。残りのメモリセルキャパシタ、すなわち、偶数ワード線WL0、WL2、WL4およびWL6と奇数ビット線BL1およびBL3の交差部に対応して配置されるメモリセルのキャパシタ2および奇数ワード線WL1、WL3およびWL5に接続されるメモリセルのキャパシタ2には、Hデータが格納される。
【0097】
このデータ配列の場合、注目メモリセルキャパシタ2r(下部電極4r)は、偶数ワード線と偶数ビット線の交差部に対応して配置され、その周辺メモリセルキャパシタP1−P8は、すべてHデータを格納している。したがって、図27に示すデータパターンにおいても、図において双方向矢印で示すように、行方向および列方向および斜め方向の隣接メモリセルキャパシタ間の異常を検出することができる。
【0098】
図28は、バーンイン回数決定テストにおいて用いられるメモリセルアレイ内のデータパターンのさらに他の構成を示す図である。この図28に示すデータパターンにおいては、奇数ワード線WL1、WL3およびWL5と偶数ビット線BL0、およびBL2の交差部に対応して配置されるメモリセルが注目セル1rとして用いられ、Lデータが格納される。注目メモリセルキャパシタ2r(下部電極4r)の周辺メモリセルキャパシタP1−P8には、Hデータが格納される。すなわち、偶数ワード線WL0、WL2、WL4およびWL6に接続されるメモリセルおよび奇数ワード線WL1、WL3、およびWL5と奇数ビット線BL1およびBL3の交差部に対応して配置されるメモリセルのキャパシタ2には、Hデータが格納される。
【0099】
このデータパターン配列において、注目メモリセルキャパシタ2r(下部電極4r)にLデータが格納され、周辺メモリセルキャパシタP1−P8には、Hデータが格納される。したがって、短絡によりメモリセル間リーク電流が存在する場合、これまでのデータパターンと同様、ストレージノード電圧の変化によるデータ反転により、隣接メモリセルキャパシタ間異常を検出することができる。
【0100】
これらの図25から図28に示すデータパターンにより、偶数ワード線と偶数ビット線の交差部に配置されるメモリセルキャパシタ、偶数ワード線と偶数ビット線の交差部に対応して配置されるメモリセルキャパシタ、奇数ワード線と奇数ビット線の交差部に対応して配置されるメモリセル、キャパシタ、および奇数ワード線および奇数ビット線の交差部に対応して配置されるメモリセルキャパシタをそれぞれ注目セルとして、その8個の隣接メモリセルキャパシタとの間の短絡異常を検出することができ、すべてのメモリセルを注目セルとして、隣接メモリセル間キャパシタ間異常を検出することができる。
【0101】
次に、図25から図28に示すデータパターンを格納した場合におけるバーンイン回数決定テストの適切さについて説明する。
【0102】
データパターンを用いた機能テストにおいては、初期状態として、注目セル1rのメモリセルキャパシタ2rにストレージノードにLデータを格納し、その周辺セルのメモリセルキャパシタP1−P8をすべてHデータを格納する状態に設定する。この初期状態の格納データは期待値として用いられる。この状態において、隣接メモリセル間において、ショート発生体(10a−10eのいずれか)が存在する場合、注目メモリセルキャパシタ2rのストレージノード電位に近い電位レベルまたは同電位レベルとなり、この短絡を生じたメモリセルキャパシタの少なくとも一方が、記憶データが反転した状態となり、期待値との不一致により不良セルとして判定される。
【0103】
このバーンイン回数決定テストにおける機能テストにより、不良セルと判定された場合、前述のように冗長置換の可能性を判定することなく、不良デバイス(チップ)としてカウントしても良く、また、冗長可能性の判定を行って、冗長置換不可能と判定される装置を不良品としてカウントしても良い。
【0104】
カウントされた不良装置(チップ)の数が、事前に設定された基準値を超えた場合に、次工程におけるバーンイン実行前に、バーンイン回数を増加させるように設定する。このバーンイン回数の決定処理ステップを、図25から図28に示すデータパターンそれぞれにおいて実行する。全データパターンに対する不良品の合計値を、基準値との比較値として用いる。
【0105】
図25から図28に示すように、4種類のデータパターンをすべて用いた回数決定テスト、バーンイン回数決定テストにおいて実施することが必要とされる。しかしながら、たとえばメモリセルの数が1MビットのDRAMにおいては、メモリセルキャパシタ2の数は、2の20乗であり、約104万個である。したがって、たとえば図25から図28におけるデータパターンのうち1つのデータパターンのみを用いた場合でも、4個のメモリセル当たり1つのメモリセルを注目メモリセルとして用いることができ、応じて、約26万個のメモリセルキャパシタを注目セルキャパシタとして設定することができる。したがって、1種類のデータパターンを用いてバーンイン回数決定テストを実施しても、統計的には、十分に、異物による隣接メモリセル間キャパシタ間短絡およびプロセスマージン不足による隣接メモリセルキャパシタ間短絡の発生割合を評価することができる。したがって、図25から図28に示す合計4種類のデータパターンすべてを用いて回数決定テストを実施することは特に要求されない。
【0106】
このデータパターンの書込においては、オープンビット線構成および折返しビット線構成いずれにおいても、このメモリセルキャパシタの位置に応じて、書込データを決定して各対応のビット線を介してメモリセルに書込む。
【0107】
図29は、下部電極における記憶データのパターンを示す図である。図29においては、下部電極4がX方向およびY方向に整列して配置される場合を示す。この図29に示す下部電極4に表わされるデータパターンとしては、先の図25から図28のいずれのデータパターンであってもよい。すなわち、注目下部電極4r(注目メモリセルキャパシタ2r)にLデータが格納され、8個の隣接周辺下部電極P1−P8に、Hデータが格納される。したがって、この注目下部電極4r(注目メモリセルキャパシタ2r)については、隣接周辺下部電極P1−P8との間に電圧差が有り、隣接メモリセルキャパシタ間短絡異常を検出することができる。
【0108】
なお、図29においては、中空円筒形状の下部電極の構成が一例として示される。しかしながら、先に説明したように、この下部電極4の形状は、任意であり、先の図2(A)−(D)に示す構成のいずれが用いられてもよく、スタックトメモリセルキャパシタ構造が用いられればよい。以下、可能なデータパターンと検出可能短絡異常の対応について簡単に説明し、上述の4種類のデータパターンが、短絡異常検出において利用することの適切さについて検証する。
【0109】
図30(A)は、図29に示すメモリセルキャパシタの配列における注目メモリセルキャパシタ2r(下部電極4r)と周辺メモリセルキャパシタ(下部電極)P1−P8の電位および短絡部位の分布を模式的に示す図である。この図30(A)においては、注目メモリセルキャパシタ下部電極4rにLデータ(電位0V)が格納され、周辺の8個の隣接メモリセルキャパシタの下部電極P1−P8に対し、Hデータ(電位3V)が格納される。このHデータの電位の3Vは、DRAMにおいて仕様で要求される電源電圧が、3Vであり、通常動作時の電源電圧であり、動作上問題は生じない電圧レベルである。しかしながら、このHデータ電位は、対象DRAMの電源電圧のレベルおよび素子耐圧に応じて適切な値に設定されればよく、特に3Vに限定されない(機能テスト実行時の電圧レベルであればよい)。
【0110】
注目メモリセルキャパシタ(下部電極4r)の周辺において、短絡発生可能部位がその周辺に12個存在する場合を考える。各発生部位に番号1から12を付す。この場合、図30(B)に、注目セル(下部電極4r)とショート(短絡)を発生する部位との電位差およびこの短絡不良検出可否を一覧にして示す。図30(A)に示す電位分布の場合、注目セルキャパシタ下部電極4rと周辺セルキャパシタ下部電極P1−P8の電位差は、それぞれ、3Vである。したがって、図30(B)において示すように、短絡発生部位が番号1から12のいずれにおいても、注目セルの電位が上昇するため、短絡(ショート)不良を検出することができる。
【0111】
図31(A)は、注目メモリセルキャパシタ(下部電極4r)にHデータ(電位3V)を格納し、周辺メモリセルキャパシタ(下部電極)P1−P8に、Lデータ(電位0V)を格納した場合の電圧分布状態を示す図である。この場合においても、注目セルキャパシタ下部電極4rにおいて短絡発生可能部位に対し番号1から番号12を付す。
【0112】
図31(B)に、図31(A)に示すデータパターンの場合の短絡(ショート)発生可能部位とその短絡の電位差および短絡異常の検出可否を一覧して示す。この場合においても、注目メモリセルキャパシタ電極4rと周辺メモリセルキャパシタ下部電極P1−P8の電位差は3Vである。したがって、番号1から番号12のいずれかの部位においてショートが発生している場合、いずれのショート発生部位においても、電位差は、3Vである。したがって、注目メモリセルキャパシタ(下部電極)の保持電位が低下し、その記憶データの論理レベルが反転し、また、周辺メモリセルキャパシタにおいて短絡が生じているメモリセルキャパシタの記憶データの論理レベルの反転が生じ、これらにより、ショート発生の有無を検出することができる。
【0113】
しかしながら、この図31(A)に示すデータパターンを用いて機能テストを実施した場合、テスト環境は、いわゆる高温保持状態であり(温度加速下でのスクリーニングのため、ウェハテストは高温で実施される場合が多い)、このメモリセルキャパシタのストレージノードの保持電荷は、熱電子として、メモリセルキャパシタ外部にリークする可能性が高く、時間の経過とともに注目セルキャパシタの保持電位が低電位に移行する可能性が高くなる場合がある。したがって、この場合においては、注目メモリセルキャパシタ下部電極4rの保持電位が低下するため、ショート発生の有無を検出する能力は、図30(A)に示すデータパターンの場合よりも低いと考えられる。
【0114】
図32から図35は、この注目セルに対するデータパターンの他の例を示す図である。図32(A)においては、注目セル(下部電極4r)に対してLデータを格納する。周辺メモリセルキャパシタ下部電極において、行および列方向に隣接するメモリセルキャパシタP2、P4、P5およびP7にHデータを格納し、斜め方向に隣接する周辺セルキャパシタP1、P3、P6およびP8に、Lデータを格納する。
【0115】
図32(B)に一覧にして示すように、図32(A)のデータパターンの場合、番号1、番号4、番号7および番号10のショートにおいては、斜め方向に隣接する周辺セルキャパシタP1、P3、P6およびP8に対しては、注目セルキャパシタ下部電極と同一電位となるため、ショート発生の有無を検出することはできない。
【0116】
図33(A)に示すデータパターンにおいては、メモリセルキャパシタ下部電極4rに、Hデータ(電位3V)を格納する。斜め方向に隣接する周辺キャパシタP1、P3、P6およびP8にHデータを格納し、上下左右の周辺セルキャパシタP2、P4、P5およびP7にLデータ(電位0V)を格納する。この場合、図33(B)に示すように、ショート発生位が番号1、4、7および10に有り、斜め方向に隣接するキャパシタP1、P3、P6およびP8と短絡する場合、短絡部位の両端が同一電位となり、ショートによる電圧変化が生じず、ショートの検出を行なうことができない。
【0117】
図34(A)に示すデータパターン配列においては、注目セルキャパシタ下部電極4rは、Lデータ(電位0V)を格納し、同一列の隣接セルキャパシタ下部電極P4およびP5に、Lデータを格納する。隣接列の周辺セルキャパシタP1、P2、P3、P6、P7およびP8に、Hデータ(電位3V)を格納する。
【0118】
この場合、図34(B)に示すように、同一列の周辺セルキャパシタP4およびP5の間の短絡は同一電圧間のショートであり、短絡(ショート)異常の検出は行なうことができず、隣接列の周辺セルキャパシタP1−P3およびP6−P8に対する短絡異常を検出することができるだけである。
【0119】
図35(A)においては、注目セルキャパシタ下部電極4rにHデータを格納し、同一列の隣接セルキャパシタ下部電極P4およびP5にHデータを格納する。一方、隣接列の周辺セルキャパシタ下部電極P1−P3およびP6−P8にLデータ(電位0V)を格納する。この場合、図35(B)に示すように、同一列の隣接セルキャパシタ下部電極P4およびP5に対する短絡場所番号5、6、11および12において短絡が発生していても、これらのセルキャパシタ下部電極が同一電位であるため、短絡異常は検出することができない。この場合、隣接列の周辺セルキャパシタP1−P3およびP6−P8に対する短絡異常を検出することができるだけである。
【0120】
したがって、図30(A)から図35(A)に示すデータパターンのうち、すべての短絡異常を検出することのできる最適なデータパターンは、図30(A)に示すデータパターンであり、注目セルキャパシタ下部電極にLデータを格納し、周辺8隣接メモリセルキャパシタ下部電極にHデータを格納するデータパターンである。したがって、行または列方向に整列して配列されるセルキャパシタに対して、図30(A)のデータパターンを用いて短絡異常の検出を行なうことが、最も適していることが判明する。
【0121】
図36は、メモリセルキャパシタ下部電極が、X方向においてキャパシタセルピッチの1/2倍Y方向にずれて配列される場合の電圧分布を模式的に示す図である。図36に示すように、メモリセル1のキャパシタ下部電極4は、Y方向に整列して配列され、X方向においてメモリセルキャパシタ下部電極の1/2ピッチずれて配列される。このキャパシタ配列の場合、注目セルキャパシタ下部電極4rの周辺セルキャパシタ下部電極としては、PS1−PS6の6個の隣接セルキャパシタ下部電極が存在する。この場合、図36において、注目セルキャパシタ下部電極4rにLデータを格納し、その6隣接セルキャパシタ下部電極PS1−PS6にHデータを格納することにより、図36において双方向矢印で示すように、上下左右および斜め方向の短絡発生異常を検出することができる。
【0122】
図37から図42は、図36に示すメモリセルキャパシタ下部電極の配置における可能なデータパターンおよび短絡異常検出可能性を示す図である。
【0123】
図37(A)においては、注目セルキャパシタ下部電極4rにLデータ(電位0V)を格納し、6隣接周辺セルキャパシタ下部電極PS1−PS6に、Hデータ(電位3V)を格納する。この場合、注目セルキャパシタ下部電極4rのショート発生可能部位番号1から番号12において、いずれの箇所において短絡異常が発生しても、この短絡において電位差(3V)が生じており、短絡異常を検出することができる。
【0124】
図38(A)において、注目セルキャパシタ下部電極4rにHデータ(電位3V)を格納し、6個の隣接セルキャパシタ下部電極PS1−PS6にLデータ(電位0V)を格納する。この場合、番号1から12を付された注目セルキャパシタ下部電極4rの周辺領域のいずれの部位において短絡が発生しても、図38(B)に示すように、すべてこの短絡発生可能部位において電位差(3V)が生じるため、すべて短絡異常を検出することができる。
【0125】
しかしながら、この図38(A)に示す注目セルキャパシタ下部電極4rにHデータを格納する場合、先の図31(A)において示されるデータパターンにおいて説明したように、注目セルキャパシタ下部電極4rのリーク電流により、その保持電圧レベルが低下し、短絡異常を検出することができなくなる可能性がある。
【0126】
図39(A)は、注目セルキャパシタ下部電極4rにLデータ(電位0V)を格納し、周辺セルキャパシタ下部電極PS1、PS5、PS3およびPS4に対してHデータ(電位3V)を格納する。周辺セルキャパシタ下部電極PS2およびPS6にLデータを格納する。この場合、図39(B)に示すように、注目セルキャパシタ下部電極4rの周辺部位3,4,7および8の領域における短絡は、その注目セルキャパシタ下部電極の保持電位と同じ電位の間の短絡であり、その部位における短絡異常を検出することはできない。
【0127】
図40(A)に示すデータパターンにおいては、注目セルキャパシタ下部電極4rにHデータ(電位3V)を格納する。隣接メモリセルキャパシタ下部電極PS1、PS3、pS4およびPS5にLデータを格納し、斜め方向の隣接セルキャパシタ下部電極PS2およびPS6に、Hデータを格納する。この場合、図40(B)に示すように、隣接セルキャパシタ下部電極PS1、PS3、PS4およびPS5に対する短絡可能部位で電位差が生じ、短絡異常を検出することができる。一方、斜め方向の隣接するキャパシタ下部電極PS2およびPS6に対する短絡可能部位3,4,7および8におけるショートにおいては、電位差が生じず、短絡異常を検出することはできない。
【0128】
図41(A)に示すデータパターンにおいては、注目セルキャパシタ下部電極4rに、Lデータ(電位0V)を格納する。列方向に隣接するセルキャパシタ下部電極PS3およびPS4にも同様、Lデータを格納し、隣接列の隣接セルキャパシタ下部電極PS1、pS2、PS5およびPS6に、Hデータ(電位3V)を格納する。
【0129】
この場合、図41(B)に示すように、注目セルキャパシタ下部電極4rの周辺部位において、番号5、6、11および12におけるショートは、電位差が生じていないため、検出を行なうことができず、隣接列に対するセルキャパシタ下部電極に対する短絡異常を検出することができるだけである。
【0130】
図42(A)に示すデータパターンにおいては、注目セルキャパシタ下部電極4rにHデータを格納し、また隣接列キャパシタ下部電極PS3、PS4にHデータを格納する。隣接列の隣接セルキャパシタ下部電極PS1、PS2、PS5およびPS6にLデータを格納する。この場合、図42(B)に示すように、先の図41(A)に示すデータパターンと同様、同一列の隣接セルキャパシタPS3およびPS4に対する短絡検出部位番号5、6、11および12においては、電位差が生じていないため、短絡異常を検出することはできず、隣接列のメモリセルキャパシタに対する短絡異常を検出することができるだけである。
【0131】
したがって、これらの図37から図42に示すデータパターンから明らかなように、注目セルキャパシタ下部電極に対する短絡異常は、図37(A)に示すデータパターンのときに、全ての可能な短絡異常を検出することができる。したがって、バーンイン回数決定テスト時においては、メモリセルキャパシタ下部電極が整列して配置される場合およびずれて配置される場合いずれにおいても、注目セルキャパシタ下部電極のすべてのセルキャパシタ下部電極が、注目セルキャパシタ下部電極と逆論理レベルのデータを格納しているパターンを設定して、機能テストを実行する。
【0132】
ウェハテストであるため、温度加速による不良部の効率的なスクリーニングを行なうために、このバーンイン回数決定テスト時においても、60℃から130℃前後の雰囲気温度で実施する。
【0133】
図43は、この発明の実施の形態1における半導体記憶装置のテスト方法を実現するテスト環境の構成の一例を概略的に示す図である。図43において、ウェハWF上には、チップCHが形成される。このウェハWFの所定数のチップCHに対し、プロ−バ(プローブカード)20が配置され、この所定数のチップ(CH)に対し、並行して電気的接続を行なって所定のウェハレベルでのテストを行なう。
【0134】
このプローバ20は、ケーブル27を介してテスタ25に結合される。このテスタ25は、IFテスト、バーンインテストおよびファンクションテストなどDCテストを行なう機能を備える。図43において、テスタ25においてバーンイン回数決定に関連する部分の構成の機能的部分を代表的に示す。
【0135】
テスタ25は、プロ−バ20との間で信号/電圧の転送を行うインタフェース部38と、ファンクションテスト実行部30とを含む。ファンクションテスト実行部30は、通常のファンクションテストを行なうとともに、バーンイン回数決定テストを行なう。
【0136】
ファンクションテスト実行部30は、各種ファンクションテストの手順および条件を記述するテストプログラムを記憶するテストプログラム記憶部31と、各テストに用いられるパターンデータを記憶するパターンデータ記憶部32と、プローバを介して半導体記憶装置から読出されたデータとパターンデータ記憶部32において生成されたパターンデータ(期待値)とを比較する比較部33を含む。このファンクションテスト実行部30はインターフェイス部38を介して、ケーブル27から所定の電圧の組合せの信号/データをプローバ20との間で送受する。
【0137】
テストプログラム記憶部31において、バーンイン回数決定テストのためのテスト手順を記述するプログラムが格納される。パターンデータ記憶部32において、バーンイン回数決定テストにおいて用いられるパターンデータが格納される。バーンイン回数決定テストにおいて用いられるパターンデータは、図30(A)または図37(A)に示すパターンデータであり、注目セルキャパシタ下部電極と隣接周辺キャパシタ下部電極の保持電圧(記憶データ)の論理レベルが異なるようなデータパターンである。この場合、各メモリセルキャパシタの配置位置と各メモリセルが接続するビット線(物理アドレス)との対応関係が予めわかっており、各物理アドレスに応じて、データの書込を実行し、パターンデータの設定を行なう。
【0138】
テスタ25は、さらに、比較部33にからの不一致指示をカウントするカウンタ35と、カウンタ35のカウント値に従ってテーブル36を参照して、バーンイン回数を決定する回数決定部37を含む。テーブル36には、不良装置(チップ)の数と実行すべきバーンイン回数との対応を示す関係が一覧にして表形態で格納される。
【0139】
したがって、ファンクションテスト機能実行部30において、通常のファンクションテストと同様に、プローバ20を介して半導体記憶装置に対し、機能テストを予め定められたパターンデータに基づいて実行する。比較部33において、このプローバ20が同時に測定する半導体記憶装置(チップ)において不良が検出された装置(チップ)の数をカウントし、そのカウント値に基づいて、回数決定部37がテーブル36を参照してバーンイン回数を決定する。
【0140】
図44は、ウェハ上でのプローバの移動方向を概略的に示す図である。ウェハWF上には、チップCHが多数整列して形成される。プローバ20は、このウェハWF上の領域50内に配置されるチップCHに対し並行して同時にテストを行なう。すなわち、プローバ20は、ウェハWF上のチップCHすべてに対し同時にテストを行うことはできない。プローバ20のプローブ針を対象のチップCHのボンディングパッドに接触させ、この領域50内に含まれるチップCHに対しバーンイン回数テストを実行する。
【0141】
通常は、図44に示される矢印に沿って、ウェハWFのチップCHすべてについて、プローバ20を用いてバーンイン後の機能テストを実行する。ウェハWF上のチップCH全てに対するファンクションテスト完了後においてバーンイン不良率が高い場合、バーンインにおいて不良が収束しているかを判定するために、再び、プローバ20をウェハWF上を全面に渡って順次移動させて、追加のバーンインを行なっている(電圧ストレス印加は、プローバ20を用いて行なうため、領域50の単位で、このバーンインが実行される)。したがって、バーンイン不良率が高い場合、この追加のバーンインに要する時間が1回目のバーンインと同様の時間を要することとなり、追加のバーンイン後の機能テストと併せて、最低2回のバーンインおよび機能テストを行なう必要があり、テスト時間が、バーンインが1回ですむ場合のほぼ2倍となり、テスト時間が長くなる。
【0142】
本実施の形態1においては、プローバ20が接触する領域50単位で、バーンイン回数を決定し、決定された回数だけバーンインを行なう。したがって、追加のバーンインが行なわれる場合には、プローバ20のプローブ針の脱着などの処理がウェハ上の領域50各々において行なわれることがない。プロ−バ20の位置を固定して必要な領域に対してのみ、必要な回数バーンインを繰返すだけである。したがって、従来の全チップCHに対し追加のバーンインを行なう場合に比べて、テスト時間を短縮することができる。
【0143】
すなわち、いま、不良領域の数がN個で、不良領域のバーンイン回数が平均M回とする。ウェハWF上の領域50の走査領域の数がKとすると、本実施の形態1においては、バーンイン回数はM・N+(K−N)=(M−1)・N+Kとなり、ファンクションテストの実行回数はKである。従来において1回の追加のバーンインを行う場合には、バーンインの回数は2・Kとなり、ファンクションテストの回数が2・Kとなる。(M−1)・NがKより小さければ従来よりもバーンインの回数を低減することができる。特に、従来手法では、決定されたバーンイン回数の最大値に近い値のバーンインを追加バーンインとして実行する必要がある可能性が高く、さらに、バーンインテストに要する時間を短縮することができる。
【0144】
また、ウェハ上の領域50すべてにおいて2回のバーンインを行っても、本実施の形態1に従えば、ファンクションテストの回数がKであり、従来の手法と比べて時間が短縮され、また、バーンインおよびファンクションテストをプロ−バを固定して連続して実行するため、プロ−バの脱着の時間が不要であり、その分、時間が短縮される。
【0145】
したがって、バーンイン回数決定テストを行うためにテスト工程が増加しても、この回数決定のために、データの書込および読出を行うとともに一致判定を行うステップが増加するだけであり、半導体記憶装置の高速アクセスモードを利用することにより、この回数決定テスト時間は短縮することができ、応じて、ウェハレベルでのバーンインテストに要する時間を短縮することができる。
【0146】
すなわち、必要とされるバーンイン回数だけテストを実行した場合、バーンイン不良率が高い場合でも、このバーンイン不良においては、すべて潜在的な不良が顕在化されて、不良は収束していると判定することが可能となるため、追加のバーンインは不要とされるため、バーンインテストに要する時間を短縮することができる。
【0147】
図45は、この図43に示すテーブル36において格納される不良チップ数とバーンイン回数との対応を一覧にしてい示す図である。図45においては、従来例における追加のバーンインを行なうバーンイン不良率をも併せて示す。
【0148】
図45に示すように、従来例においては、ウェハ当たりのバーンイン不良率が、1%から8%の場合には、規格管理値以下であと判定され、追加バーンインが不要とされる。ウェハ当たりのバーンイン不良率(%)、すなわちバーンイン不良率(%)/ウェハが1%から8%の領域は、ウェハ当たりのバーンイン不良チップの数が9個から72個の場合に対応する。ここで、1ウェハあたりチップが900個形成される場合を想定する。
【0149】
一方、ウェハあたりのバーンイン不良率(%)が8%を超える場合には、追加のバーンインを行ない、バーンイン不良率が収束しているかの判定が行なわれる(追加のバーンイン実施後、さらにファンクションテストを行ない、不良チップが存在するかおよび規格値以下であるかの判定が行なわれる)。
【0150】
一方、本実施の形態1において、各プローバ20が接触する領域50単位で、バーンイン回数を決定して、決定された回数バーンインを実施する。ウェハWFにおいて、領域50の数は、合計36個設定することができる。したがって、バーンイン不良チップの数はたとえば9個の場合、バーンイン不良率が1%であるため、1つの領域50におけるバーンイン不良チップの数は、(900/36)×0.01=0.25=0.3となる。ウェハ当たりのバーンイン不良率が8%の場合には、領域50内におけるバーンイン不良チップの数は、同様、(900/36)×0.08=2.0となる。同様の計算を行なうことにより、ウェハ当たりのバーンイン不良率に対応して、領域50内において、不良となるチップの数を推定することができる。すなわち、平均バーンイン不良チップの数が0.3から2.0の場合、バーンイン回数決定テストにおいて不良となるチップの数は、バーンイン実施前であり、1個である。
【0151】
領域50内における平均バーンイン不良チップ数が、2.3から4.0の場合には、2個であり、平均バーンイン不良チップの数が4.3から6.0の領域には、領域50内においてバーンイン回数決定テストで不良となるチップの数が3個である。同様、平均バーンイン不良チップの数が6.3から8.0個の場合、バーンイン回数決定テストで不良となるチップの数は4個である。すなわちバーンイン回数決定テストにおいてはバーンインはまだ行なわれていないため、このバーンイン回数分の不良チップの数が、低減される。
【0152】
したがって、各バーンイン回数決定テストで不良となるチップの数が1、2、3および4個の場合、バーンイン回数決定テストでは、バーンイン回数を1回、2回、3回および4回に順次増大させる様に設定する。
【0153】
このバーンイン回数決定テストにおいて不良チップの数が1個の場合に、バーンイン回数を1回と決めた根拠は、以下の実測定結果に基づいている。すなわち、バーンイン回数決定テストにより、1個の不良テストが検出された場合に、バーンイン実施後、同一領域においては2個の不良チップが発生した。したがって、1個しか不良チップが検出されない場合、その領域50内において1回のバーンインを行なった場合、2個の不良チップが検出される可能性が高いと判定される。したがって、バーンイン回数テストにおいてN個の不良チップが検出された場合、N回バーンインを実施することにより、N個の不良チップそれぞれに付随する潜在的な不良チップを顕在化させることが可能となる。この決定された回数に基づいてバーンインを実行することにより、確実に、このバーンインにより潜在的な不良がすべて顕在化され、領域50内において、すべての潜在的な不良がスクリーニングされたと判定することができる。
【0154】
このバーンイン回数の決定は、プローバ20が接触する領域50単位で実行される。すなわち、1つの領域50において、バーンイン回数決定テストを行ない、バーンイン回数を決定する。この決定されたバーンイン回数、同じ領域50に対して電圧ストレスを印加して、バーンインテストを実行する(温度加速は、通常のウェハテストと同様、行なわれている)。その後、ファンクションテストを実行し、不良チップを除去する。この手順を、図44に示す矢印方向のシーケンスに従って各領域50ごとに順次実行する。したがって、ウェハWFにおいて、領域50ごとに必要回数のバーンインが実行されており、ウェハWF上のチップCHすべてに対して、追加のバーンインを行なうことを繰返すことは要求されず、プローバ20の移動および設定処理を含む時間を考えることにより、大幅に、このバーンインテストに要する時間を短縮することができる。
【0155】
図46から図49は、このバーンイン回数決定テストにおいて決定された回数のバーンインを行なう際のバーンインストレスパターンの例を示す図である。図46から図49においては、オープンビット線配置にメモリセル1が配列される場合のメモリセルキャパシタ2(ストレージノード)の電位分布を示す。
【0156】
図46においては、偶数ビット線BL0、BL2に接続されるメモリセルには、Hデータ(高電位)が格納され、奇数ビット線BL1およびBL3に接続されるメモリセルキャパシタ(下部電極)には、Lデータ(低電位)が格納される。このストレスパターン格納時において、各隣接メモリセルキャパシタのパターンに応じて、ビット線を選択して、各ビット線に、HデータおよびLデータを格納する。この図46に示すパターンの場合、図46において、ワード線WL5とビット線BL1に接続されるメモリセルに対して代表的に示すように、ワード線延在方向に隣接するメモリセル2(下部電極4)の間に電圧ストレスが印加される。ビット線延在方向(Y方向)において隣接するメモリセル間においては、この下部電極4は電位が同じであり、電圧ストレスは印加されない。上部電極5には、この電圧ストレス時においても、所定の電圧レベルが印加される。
【0157】
このバーンイン時において、電圧ストレスを印加するため、このHデータの電位レベルが3Vよりも高い電圧レベルに設定されて、加速試験が実行される。
【0158】
図47に示す電圧ストレスパターンにおいては、図46と逆に、奇数ビット線BL1およびBL3に接続されるメモリセルのキャパシタ2には、Hデータが格納され、偶数ビット線BL0およびBL2に接続さけるメモリセルのキャパシタ2には、Lデータが格納される。この場合、隣接メモリセルキャパシタ2の下部電極(ストレージノード)4において図47においてワード線WL5とビット線BL1に接続されるメモリセルに説明するように、双方向矢印で示しているように、ワード線延在方向(X方向)に隣接するメモリセルキャパシタ間に電圧ストレスが印加され、Y方向(ビット線延在方向)に隣接するメモリセルキャパシタ(下部電極)間には、電圧ストレスは印加されない。
【0159】
なお、図46および図47において、メモリセル1において、アクセストランジスタ3が設けられており、このアクセストランジスタ3をオン状態とすることにより、所定の電圧レベルのデータが格納される。このバーンインストレスデータ格納時、データの電圧レベルが高くされた状態で(電源電圧が高くされた状態で)各下部電極(ストレージノード)にデータが格納されてもよい。このバーンインテストにおいては、従来と同様の方法に従ってデータの格納および電圧下側が行われれば良い。このバーンインテストは、図43に示すテスタ25を用いて実施される。
【0160】
図48に示す電位パターンにおいては、チェッカーボードパターンの電圧ストレスパターンが用いられる。すなわち、偶数ワード線WL0、WL2、WL4と偶数ビット線BL0、BL2の交差部に対応して配置されるメモリセルキャパシタ2および奇数ワード線WL1、WL3およびWL5と奇数ビット線Bl1、BL3の交差部に対応して配置されるメモリセルキャパシタ2に対し、Hデータが格納され、残りのメモリセルキャパシタ2に対してはLデータが格納される。したがって、いわゆる「市松模様」に電圧分布が存在する。
【0161】
この場合、図48において、ワード線WL5とビット線BL1の交差部に対応して配置されるメモリセルのキャパシタに対して双方向矢印で示すように、X方向およびY方向(ビット線延在方向およびワード線延在方向)に隣接するメモリセルキャパシタ3で電圧ストレスが印加される。図49は、図48に示す電圧ストレスパターンと電圧レベルが逆の電圧パターンであり、偶数ワード線WL0、WL2、WL4およびWL6と偶数ビット線BL0およびBL2の交差部に対応して配置されるメモリセル1のキャパシタ2(下部電極4)および奇数ワード線WL1、WL3、およびWL5と奇数ビット線BL1、BL3の交差部に対応して配置されるメモリセル1のキャパシタ2の下部電極4にLデータが格納され、残りのメモリセルの下部電極4には、Hデータが格納される。この場合においても、図49において、双方向矢印で、ワード線WL5とビット線BL1に接続されるメモリセルのキャパシタに対して示すように、ビット線延在方向およびワード線延在方向において隣接するメモリセルキャパシタ間(下部電極)間において電圧ストレスを印加することができる。
【0162】
なお、上部電極5は、セルプレート電極であり、通常1つのメモリセルアレイ(メモリセルアレイブロック)に共通に延在して設けられており、セルプレート自体においては、隣接セルプレートという概念は存在せず、電圧ストレスが印加されない(下部電極と上部電極の間には電圧ストレスが印加される)。
【0163】
この電圧ストレスパターンを用いてバーンインを実行した後、ファンクションテスト(機能テスト)を行ない、不良チップ(冗長救済を行なえないチップ)を除去する。ウェハレベルでのテストで、冗長置換による救済可能なチップの救済を完了した後、チップに分割され(ダイシングされ)、最終工程でチップのパッケージ実装および最終テストが行なわれ手初期不良が除去された後に出荷される。
【0164】
上述の説明においては、バーンイン回数決定テスト時において、4種類のテストパターンを用いて不良チップを検出している。しかしながら、この4種類のデータパターンのうち1つまたは任意の数のテストデータパターンを用いてバーンイン回数テストが実施されてもよい。
【0165】
[変更例]
図50は、この実施の形態1に従う半導体記憶装置の変更例のメモリセルの構成を示す図である。図50において、SRAMセル60は、電源ノードとストレージノードSN1の間に接続されかつそのゲートがストレージノードSN2に接続されるPチャネルMOSトランジスタPQ1と、セル電源ノードとストレージノードSN2の間に接続されかつそのゲートがストレージノードSN1に接続されるPチャネルMOSトランジスタPQ2と、ストレージノードSN1と接地ノードの間に接続されかつそのゲートがストレージノードSN2に接続されるNチャネルMOSトランジスタNQ1と、ストレージノードSN2と接地ノードの間に接続されかつそのゲートがストレージノードSN1に接続されるNチャネルMOSトランジスタNQ2を含む。
【0166】
このSRAMセル60は、MOSトランジスタPQ1およびNQ1の組およびMOSトランジスタPQ2およびNQ2の組がそれぞれCMOSインバータを構成し、それらの入力および出力が交差結合されてインバータラッチ(フリップフロップ回路)を構成し、ストレージノードSN1およびSN2に相補データを格納する。
【0167】
SRAMセル60は、さらに、ワード線WL上の信号電位に応答して選択的に導通し、導通時ストレージノードSN1およびSN2をビット線BLおよび/BLに接続するNチャネルMOSトランジスタNQ3およびNQ4と、ストレージノードSN1と接地ノードの間に接続される容量素子Cs1と、ストレージノードSN2と接地ノードの間に接続される容量素子Cs2を含む。
【0168】
このSRAMセル60は、この容量素子Cs1およびCs2により、相補データを格納し、アルファ線照射時に生成される電子を吸収し、ドライブトランジスタNQ1およびNQ2のサイズが微小化され、ストレージノードSN1およびSN2の寄生容量が小さい場合においても安定に相補データを保持する。
【0169】
図50に示すように、SRAMセル60において、容量素子Cs1およびCs2が、データの記憶のために用いられる。容量素子は、上部電極が接地ノードに結合され、下部電極がストレージノードSN1およびSN2にそれぞれ結合される。したがってこのSRAMセル60においても、メモリセルサイズの微小化に伴って、メモリセルキャパシタCs1およびCs2のピッチが厳しくなり、隣接メモリセルキャパシタ間において、短絡が生じる可能性が高くなる。
【0170】
このようなSRAMセル60においても、行列状に配列される。メモリセル列に対応してビット線対BL,/BLが配設され、メモリセル行に対応してワード線WLが配設される。
【0171】
図51は、図50に示すSRAMセル60の下部電極64の電位分布および平面レイアウトを概略的に示す図である。図51において、このメモリセルキャパシタCs1およびCs2の下部電極を、それぞれ符号64aおよび64bで示す。図51において、Y方向にSRAMセル60が整列して配置され、X方向(ワード線WLの延在方向)においては、このメモリセルキャパシタCs1およびCs2のピッチの1/2ずれて配列される。各メモリセル60において、キャパシタ下部電極64aおよび64bには、相補データが格納される。この場合、1つのメモリセルキャパシタの隣接する6個のメモリセルキャパシタを、この記憶データの論理レベルを逆に設定することができる。図51において、注目メモリセルキャパシタ下部電極64rに対して、その周辺メモリセルキャパシタにHデータを格納させることにより、この注目メモリセルキャパシタ64rに対する、すべての隣接メモリセルキャパシタの論理レベルを反対に設定することができ、これらの注目メモリセルキャパシタ64rに対する隣接メモリセルキャパシタ下部電極との間の短絡異常を検出することができる。すなわち、Y方向において、隣接行のメモリセルの境界位置に配列されるメモリセルを注目セルキャパシタ下部電極64rに設定することにより、この6個の隣接メモリセルキャパシタ下部電極を異なる電圧レベルに設定することができる。
【0172】
図51においては、行RW1およびRW3およびRW5において、行RW0、RW2、RW4およびRW6のメモリセル境界に対応して配置されるメモリセルにおいて1個おきのSRAMセル60の一方のキャパシタを、注目セルキャパシタとして用いることができる。
【0173】
図52は、この電位分布の他の例を示す図である。この図50に示す電位分布においては、図51に示す行RW1、RW3およびRW5におけるメモリセルの記憶データは同じである。一方行RW0、RW2、RW5に含まれるメモリセル60の記憶データをすべて反転させる。これにより、図51において示すSRAMセルのキャパシタにおいて注目セルキャパシタとして利用されなかった残りのメモリセルキャパシタ下部電極64rbを注目セルキャパシタ下部電極として、周辺の隣接メモリセルキャパシタ下部電極と異なる電位レベルに設定することができる。
【0174】
これにより、同じデータ配列を、行RW0、RW2、RW4の記憶データを固定して、行RW1、RW3およびRW5の記憶データを相補的に変化させることにより、偶数行のメモリセルキャパシタ下部電極を注目セルキャパシタ下部電極としてバーンイン回数検出テストを行なうことができる。
【0175】
このSRAMセルに対するバーンイン回数決定テスト時においても、先DRAMセルにおいて参照したものと同様のテスト手順が実行され、1回のウェハテストだけで、バーンイン不良を十分にスクリーニングすることができ、ウェハの全チップに対する追加バーンインを不要とすることができる。
【0176】
図53および図54に示すように、偶数行RW2およびRW4のメモリセルの記憶データをX方向においてすべて同一とし、奇数行RW1、RW3、RW5のデータを、各X方向に沿って交互に反転論理レベルに設定する。このように、図53に示す電圧分布においては、注目セルキャパシタ下部電極64rcは、その周辺の6個の隣接メモリセルキャパシタ下部電極の間に電圧差を生じさせることができ、一方、図54に示す電圧分布においては、注目キャパシタ下部電極64rdに対し、隣接する6個のメモリセルキャパシタ下部電極に対して電圧差を生成することができる。
【0177】
しかしながら、図51から図54に示すメモリセルキャパシタの配置において、周辺の6個のメモリセルキャパシタとの間に電圧差を生じさせることができるのは、隣接行のメモリセル境界に対応して配置されるメモリセルキャパシタにおいてであり、各メモリセルにおいて、一方のメモリセルキャパシタにおいてのみ6個の隣接メモリセルキャパシタとの間に電圧差を生じさせて短絡行を検出することができる。したがって、SRAMの場合、すべてのメモリセルキャパシタを注目セルキャパシタとして用いることはできない。図51に示すデータパターンを用いた場合すべてのメモリセルキャパシタの数の2/24=1/12倍の数のメモリセルキャパシタを注目セルキャパシタとして利用することができる(3行4列に配列されるメモリセルのうち、2個のメモリセルキャパシタのみが、注目セルとして利用することができる)。
【0178】
したがって、図51および図52に示すデータパターンを利用した場合、すべてのメモリセルキャパシタの数の1/6倍のメモリセルキャパシタを注目セルとして、短絡異常を検出することができる。この場合、メモリセルの数が1MビットのSRAMにおいては、メモリセルキャパシタの数は、2Mビットであり、約208万個となる。したがって、図51および図52に示すデータパターンを用いた場合、約34万個のメモリセルキャパシタに注目してバーンイン回数決定テストを行なうことができる。また、図51および図52の一方のみでも、約17万個のメモリセルキャパシタに注目してバーンイン回数決定テストを実施することができる。したがって、注目セルキャパシタの数が多く、短絡異常の発生割合を統計的に十分見積もることができ、DRAMと同様の効果を得ることができる。この場合、図51から図54に示すデータパターンをすべて利用した場合、4/12=1/3倍の数のメモリセルキャパシタを注目セルとして利用することができ、より高精度で、短絡異常の発生確率を見積もることができる。
【0179】
このSRAMセルを用いる場合においても、先のDRAMセルに用いたテストシーケンスにおけるバーンイン回数決定テストと同様のテストが実施される。
【0180】
このメモリセルSRAMセルを利用する場合においても、データ書込時においては、キャパシタの配置位置(レイアウト位置)に応じて、各ビット線との接続関係に応じてデータが、ビット線対BL,/BLに転送される。
【0181】
以上のように、この発明の実施の形態1に従えば、ウェハテスト時においてバーンイン開始前に、半導体記憶装置において注目メモリセルキャパシタと隣接キャパシタ間に電圧差が生じるようにデータパターンを印加して、その不良チップ発生割合に基づいて、バーンイン回数を決定している。したがって、テスト対象領域(プロ−バ接触領域)単位で、必要な回数が決定されて、決定された回数のバーンインが実施されており、異常発生時、ウェハ上の全チップに対して追加のバーンインを実行する必要がなく、ウェハテストの時間を短縮することができる(追加バーンインおよび以後の機能テストを不要とすることができるため)。
【0182】
[実施の形態2]
図55は、この発明の実施の形態2に従う半導体記憶装置のテスト方法におけるデータパターンを概略的に示す図である。この図55においては、バーンイン回数決定テスト実行後行なわれるバーンインにおいて用いられるデータパターンを示す。この図55に示すデータパターンにおいては、メモリセル1のメモリセルキャパシタ下部電極4に対し、先のバーンイン回数決定テストで用いたデータパターンを電圧ストレス印加データパターンとして利用する。すなわち、メモリセルキャパシタ下部電極4lの周辺の8メモリセルキャパシタ下部電極4hにHデータを格納する。この場合、メモリセルキャパシタ下部電極4lに対し、その周辺メモリセルキャパシタ下部電極4hから電位差が存在しており、確実に、電圧ストレスを印加することができ、短絡異常の可能性のある部位に対し、バーンインにより電圧ストレス加速を行なって、確実に、短絡異常をスクリーニングすることができる。
【0183】
したがって、このバーンイン回数決定テストにおいて用いられたデータパターンを、電圧ストレス加速におけるバーンインテスト実行時のデータパターンとして利用することにより、ウェハテスト段階で短絡異常を十分に、スクリーニングすることができる。
【0184】
なお、このバーンイン実施時において用いられるデータパターンとしては、先の実施の形態1において説明した4種類の回数決定テストデータパターンのうちの1種類のテストデータパターンを用いて電圧ストレス印加パターンとして利用する。この場合、回数決定時においては電圧加速の必要性はなく、電圧レベルは通常動作時と同じであり、一方、バーンイン時においては電圧加速のために電圧レベルが高くされる。したがって、データのパターンが同一であり、電圧レベルは回数決定テストおよび次工程のバーンイン時で異なる。
【0185】
[変更例]
図56は、この発明の実施の形態2に従う半導体記憶装置のテスト方法のバーンイン時の電圧ストレスパターンの変更例を示す図である。この図56において、メモリセル1のキャパシタ下部電極4が、X方向においてキャパシタのピッチの1/2倍ずれて配置される。この場合においても、バーンイン回数決定テストにおいて用いたデータパターンを、電圧ストレス印加データパターンとして利用する。この場合、1つのメモリセルキャパシタ下部電極4lにLデータを格納し、周囲の6個の隣接メモリセルキャパシタ下部電極4hにHデータを格納する。これにより、図56において双方向矢印で示すように、6隣接キャパシタ下部電極4hから、この注目メモリセルキャパシタ下部電極4lに対し電圧ストレスを印加することができ、効率的に短絡異常をスクリーニングすることができる。
【0186】
なお、SRAMセルにおいても、図51から図54に示すデータパターンを、電圧ストレス印加パターンとして利用してバーンインを実施することにより、効率的に、短絡異常をスクリーニングすることができる。
【0187】
以上のように、この発明の実施の形態2に従えば、バーンイン実施時において、バーンイン回数決定テストおいて用いられたデータパターンをストレス印加パターンとして設定してバーンインを実施している。したがって、バーンイン時に効率的に隣接メモリセルキャパシタ下部電極間異常をスクリーニングすることができる。特に、実施の形態1において設定されたバーンイン回数決定時のデータパターンをバーンイン時の電圧ストレス印加パターンとして設定してバーンインを行なうことにより、確実に、ウェハテスト段階でメモリセルキャパシタ間の異常を確実にスクリーニングすることができ、バーンイン不良率を確実に収束させることができ、追加のバーンインが不要となり、テスト時間を短縮することができ、コストを低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0188】
この発明は、容量素子を情報記憶素子として利用するメモリセルに対して適用することができる。上述の説明において、1つのメモリセルで1ビットのデータを格納するDRAMセルが説明されている。しかしながら、2つのDRAMセルを用いて1ビットのデータを記憶するツインセル構造のDRAM、すなわち1つのメモリセルユニットが、2つのアクセストランジスタおよび2つのメモリセルキャパシタで構成され、ビット線BLおよび/BLに、これらの2つのメモリセルキャパシタの格納データがそれぞれ伝達され、常にビット線BLおよび/BLに相補データが伝達される構成のDRAMに対しても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0189】
【図1】この発明が適用されるDRAMセルの電気的等価回路を示す図である。
【図2】(A)から(D)は、メモリセルキャパシタの下部電極の断面構造および斜視図を概略的に示す図である。
【図3】図1に示すDRAMセルの断面構造を概略的に示す図である。
【図4】DRAMセルアレイのメモリセルの配置を概略的に示す図である。
【図5】図4に示すメモリセルアレイにおけるデータ読出に関連する部分の構成を概略的に示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1において用いられるDRAMセルアレイの他のメモリセル配置を示す図である。
【図7】図6に示すメモリセル配置におけるデータ読出に関連する部分の構成を概略的に示す図である。
【図8】DRAMセルアレイの下部電極の配列を模式的に示す斜視図である。
【図9】図8に示すメモリセルキャパシタ下部電極の平面レイアウトを示す図である。
【図10】DRAMセルアレイのメモリセルキャパシタ下部電極の配列の他の構成を示す斜視図である。
【図11】図10に示すメモリセルキャパシタ下部電極の配列の平面レイアウトを示す図である。
【図12】説明をするキャパシタ(下部電極)間の短絡の一例を示す図である。
【図13】隣接メモリセルキャパシタ間の短絡の他の例を示す図である。
【図14】隣接メモリセルキャパシタ間の短絡の他の形状を模式的に示す図である。
【図15】隣接メモリセルキャパシタ間の短絡異常のさらに他の例を示す図である。
【図16】隣接メモリセルキャパシタ間の短絡異常のさらに他の異常を示す図である。
【図17】隣接メモリセルキャパシタ間の短絡の例を示す図である。
【図18】隣接メモリセルキャパシタ間の位置ずれによる短絡の例を示す図である。
【図19】隣接メモリセルキャパシタ間の位置ずれによる短絡の他の例を示す図である。
【図20】隣接メモリセルキャパシタ間の形状異常による短絡の例を示す図である。
【図21】隣接メモリセルキャパシタ間の形状異常による短絡の他の例を示す図である。
【図22】隣接メモリセルキャパシタ間の形状異常による短絡のさらに他の例を示す図である。
【図23】この発明の実施の形態1におけるウェハレベルでのテストの工程を示すフロー図である。
【図24】図23に示すバーンイン回数決定テストの操作内容を示すフロー図である。
【図25】この発明の実施の形態1におけるバーンイン回数決定テストにおいて用いられるデータパターンの一例を示す図である。
【図26】バーンイン回数決定テストにおいて用いられるデータパターンの他の例を示す図である。
【図27】バーンイン回数決定テストにおいて用いられるデータパターンのさらに他の例を示す図である。
【図28】バーンイン回数決定テストにおいて用いられるデータパターンのさらに他の例を示す図である。
【図29】バーンイン回数決定テストにおけるメモリセル下部電極の電位分布を示す図である。
【図30】注目セルキャパシタ下部電極に対する隣接キャパシタ下部電極の電圧分布および短絡異常を検出可否を示す図である。
【図31】(A)は、注目メモリセルキャパシタ下部電極に対する周辺セルキャパシタ下部電極の電圧分布を示し、(B)は、(A)に示す電圧分布における短絡異常検出可否を一覧にして示す図である。
【図32】(A)は、注目セルキャパシタ下部電極に対する隣接メモリセルキャパシタ下部電極の電圧分布のさらに他の例を示し、(B)は、(A)に示す電圧分布における短絡異常検出の可否を一覧にして示す図である。
【図33】(A)は、注目セルキャパシタ下部電極に対する周辺隣接メモリセルキャパシタ下部電極の電圧分布のさらに他の例を示し、(B)は、(A)に示す電圧分布における短絡異常の検出可否を一覧にして示す図である。
【図34】(A)は、注目セルキャパシタ下部電極に対する隣接セルキャパシタ電極の電圧分布のさらに他の例を示し、(B)は、(A)に示す電圧分布における短絡異常検出の可否を一覧にして示す図である。
【図35】(A)は、注目セルキャパシタ下部電極に対する電圧分布のさらに他の例を示し、(B)は、(A)に示す電圧分布における短絡異常検出の可否を一覧にして示す図である。
【図36】バーンイン回数決定テストにおける隣接メモリセルキャパシタの電圧分布を、他のキャパシタ配列について説明する図である。
【図37】(A)は、図36に示すキャパシタ配列におけるメモリセルキャパシタ下部電極に対する周辺キャパシタ電極の電圧分布を示し、(B)は、(A)における電圧分布における短絡異常検出可否を一覧にして示す図である。
【図38】(A)は、図36に示すキャパシタ配列における注目セルキャパシタおよび周辺キャパシタ下部電極の電圧分布を示し、(B)は、(A)における電圧分布における短絡異常検出可否を一覧にして示す図である。
【図39】(A)は、図36に示すキャパシタ配列における注目セルキャパシタ下部電極と周辺隣接セルキャパシタ下部電極は電圧分布のさらに他の例を示し、(B)は、(A)に示す電圧分布における短絡異常検出可否を一覧にして示す図である。
【図40】(A)は、図36に示すキャパシタ配列におけるメモリセルキャパシタ下部電極および周辺隣接セルキャパシタ下部電極の電圧分布のさらに他の例を示し、(B)は、(A)に示す電圧分布における短絡異常検出可否を一覧にして示す図である。
【図41】(A)は、図36に示すキャパシタ配列におけるメモリセルキャパシタに対する周辺隣接セルキャパシタの電圧分布のさらに他の例を示し、(B)は、(A)に示す電圧分布における短絡異常検出可否を一覧にして示す図である。
【図42】(A)は、図36に示すキャパシタ配列におけるキャパシタ下部電極の電圧分布のさらに他の例を示す図であり、(B)は、(A)に示す電圧分布における短絡異常検出可否を一覧にして示す図である。
【図43】この発明の実施の形態1におけるテスト環境の構成を概略的に示す図である。
【図44】この発明の実施の形態1におけるウェハテストにおけるプローバの移動方向を示す図である。
【図45】この発明の実施の形態1において用いられるバーンイン回数決定部と決定基準を一覧にして示す図である。
【図46】バーンイン実行時の電圧ストレスパターンの一例を示す図である。
【図47】回数決定後のバーンイン指示における電圧ストレスパターンの他の例を示す図である。
【図48】回数決定後のバーンイン実施時の電圧ストレスパターンのさらに他の例を示す図である。
【図49】回数決定後のバーンイン実施時の電圧ストレスパターンのさらに他の例を示す図である。
【図50】この発明の実施の形態1の変更例におけるSRAMセルの電気的等価回路を示す図である。
【図51】図50に示すSRAMセルのキャパシタの配列における電圧分布の一例を示す図である。
【図52】SRAMセルのキャパシタ配列における電圧分布の他の例を示す図である。
【図53】SRAMセルのキャパシタ配列における電圧分布のさらに他の例を示す図である。
【図54】SRAMセルのおけるキャパシタ配列の各キャパシタの電圧分布のさらに他の例を示す図である。
【図55】この発明の実施の形態2における電圧ストレスパターンの印加時の下部電極の電圧分布を示す図である。
【図56】この発明の実施の形態2におけるバーンイン実施時における電圧ストレスパターンを他のキャパシタ配列において示す図である。
【符号の説明】
【0190】
1 メモリセル、2 メモリセルキャパシタ、3 アクセストランジスタ、4,4a−4c キャパシタ下部電極、5 キャパシタ上部電極、2a,2b メモリセルキャパシタ、2a−2i メモリセルキャパシタ、10a−10e ショート発生体、12a−12d 短絡部位、P1−P8 隣接メモリセルキャパシタ下部電極、2r 注目セルキャパシタ、4r 注目セルキャパシタ下部電極、20 プローバ、25 テスタ、30 ファンクションテスト実行部、31 テストプログラム記憶部、32 パターンデータ記憶部、33 比較部、35 カウンタ、36 テーブル、37 回数決定部、60 SRAMセル、64,64a,64b メモリセルキャパシタ、64ra,64rb,64rc,64rd 注目メモリセルキャパシタ下部電極、4l Lデータ格納メモリセルキャパシタ下部電極、4h Hデータ格納メモリセルキャパシタ下部電極。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハ上に形成されて、各々が情報を記憶する容量素子を含む複数のメモリセルを備える半導体記憶装置のテスト方法であって、
前記半導体記憶装置において注目メモリセルの容量素子に第1の論理レベルのデータを記憶させかつ前記注目セルの容量素子に隣接する複数の容量素子に第2の論理レベルのデータを記憶させるデータ書込ステップと、
前記データ書込ステップの後、前記半導体記憶装置の機能テストを行ない、該機能テスト結果に基づいてバーンイン回数を決定するステップと、
前記決定されたバーンイン回数前記半導体記憶装置にバーンインを行なうステップとを備える、半導体記憶装置のテスト方法。
【請求項2】
前記メモリセルの容量素子は、記憶情報に対応する電荷を蓄積する下部電極を有し、
前記下部電極は、行および列方向において整列して配置され、
前記隣接する複数の容量素子は、下部電極が前記注目セルの容量素子の行および列方向ならびに斜め方向において隣接する8個の隣接容量素子を備える、請求項1記載の半導体記憶装置のテスト方法。
【請求項3】
前記メモリセルの容量素子は、記憶情報に対応する電荷を蓄積する下部電極を有し、
前記下部電極は、第1の方向において第2の方向に所定距離ずれるように配置され、
前記隣接する複数の容量素子は、下部電極が前記注目セルの容量素子の下部電極を取り囲むように配置される6個の隣接する容量素子を含む、請求項1記載の半導体記憶装置のテスト方法。
【請求項4】
前記メモリセルの容量素子は、記憶情報に対応する電荷を蓄積する下部電極を有し、
前記複数の容量素子は、下部電極が前記注目メモリセルの容量素子の下部電極を取り囲むように配置される容量素子を備える、請求項1記載の半導体記憶装置のテスト方法。
【請求項5】
前記バーンインを行なうステップは、前記データ書込ステップにおいて書込まれたデータパターンを前記複数のメモリセルに書込むステップを備える、請求項1記載の半導体記憶装置のテスト方法。
【請求項6】
前記半導体記憶装置は、テスタとの電気的接続を取るプロ−バを介して前記テスタに結合され、
前記バーンイン回数を決定するステップおよび前記バーンインを実行するステップは、前記プロ−バに結合される複数の半導体記憶装置を単位として連続して実行される、請求項1記載の半導体記憶装置のテスト方法。
【請求項7】
ウェハ上に形成されかつ、各々が情報を記憶する容量素子を含む複数のメモリセルを備える半導体記憶装置のテスト装置であって、
前記ウェファ上の前記半導体記憶装置において注目メモリセルの容量素子に第1の論理レベルのデータを記憶させかつ前記注目セルの容量素子に隣接する複数の容量素子に第2の論理レベルのデータを記憶させる様にテストデータを書込む手段と、
前記テストデータの書込の後、前記半導体記憶装置の機能テストを行ない、該機能テスト結果に基づいてバーンイン回数を決定する手段と、
前記決定されたバーンイン回数前記半導体記憶装置にバーンインを行なう手段とを備える、半導体記憶装置のテスト装置。
【請求項1】
ウェハ上に形成されて、各々が情報を記憶する容量素子を含む複数のメモリセルを備える半導体記憶装置のテスト方法であって、
前記半導体記憶装置において注目メモリセルの容量素子に第1の論理レベルのデータを記憶させかつ前記注目セルの容量素子に隣接する複数の容量素子に第2の論理レベルのデータを記憶させるデータ書込ステップと、
前記データ書込ステップの後、前記半導体記憶装置の機能テストを行ない、該機能テスト結果に基づいてバーンイン回数を決定するステップと、
前記決定されたバーンイン回数前記半導体記憶装置にバーンインを行なうステップとを備える、半導体記憶装置のテスト方法。
【請求項2】
前記メモリセルの容量素子は、記憶情報に対応する電荷を蓄積する下部電極を有し、
前記下部電極は、行および列方向において整列して配置され、
前記隣接する複数の容量素子は、下部電極が前記注目セルの容量素子の行および列方向ならびに斜め方向において隣接する8個の隣接容量素子を備える、請求項1記載の半導体記憶装置のテスト方法。
【請求項3】
前記メモリセルの容量素子は、記憶情報に対応する電荷を蓄積する下部電極を有し、
前記下部電極は、第1の方向において第2の方向に所定距離ずれるように配置され、
前記隣接する複数の容量素子は、下部電極が前記注目セルの容量素子の下部電極を取り囲むように配置される6個の隣接する容量素子を含む、請求項1記載の半導体記憶装置のテスト方法。
【請求項4】
前記メモリセルの容量素子は、記憶情報に対応する電荷を蓄積する下部電極を有し、
前記複数の容量素子は、下部電極が前記注目メモリセルの容量素子の下部電極を取り囲むように配置される容量素子を備える、請求項1記載の半導体記憶装置のテスト方法。
【請求項5】
前記バーンインを行なうステップは、前記データ書込ステップにおいて書込まれたデータパターンを前記複数のメモリセルに書込むステップを備える、請求項1記載の半導体記憶装置のテスト方法。
【請求項6】
前記半導体記憶装置は、テスタとの電気的接続を取るプロ−バを介して前記テスタに結合され、
前記バーンイン回数を決定するステップおよび前記バーンインを実行するステップは、前記プロ−バに結合される複数の半導体記憶装置を単位として連続して実行される、請求項1記載の半導体記憶装置のテスト方法。
【請求項7】
ウェハ上に形成されかつ、各々が情報を記憶する容量素子を含む複数のメモリセルを備える半導体記憶装置のテスト装置であって、
前記ウェファ上の前記半導体記憶装置において注目メモリセルの容量素子に第1の論理レベルのデータを記憶させかつ前記注目セルの容量素子に隣接する複数の容量素子に第2の論理レベルのデータを記憶させる様にテストデータを書込む手段と、
前記テストデータの書込の後、前記半導体記憶装置の機能テストを行ない、該機能テスト結果に基づいてバーンイン回数を決定する手段と、
前記決定されたバーンイン回数前記半導体記憶装置にバーンインを行なう手段とを備える、半導体記憶装置のテスト装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【公開番号】特開2006−351141(P2006−351141A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−178824(P2005−178824)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
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