説明

半導体駆動装置

【課題】半導体素子のミラー期間を精度良く検出できない場合でもサージとスイッチング損失の低減を図ることが可能な半導体駆動装置の提供。
【解決手段】本発明は、半導体素子Q2と、前記半導体素子のゲート端子と電源又はグランドの間に設けられるスイッチング素子MOS1,MOS2と、入力される制御信号に基づいて前記スイッチング素子を駆動して、前記半導体素子を駆動制御する駆動制御手段62と備える半導体駆動装置50であって、前記駆動制御手段は、前記制御信号に基づいて前記半導体素子のオン/オフ状態を1回反転させる際に、複数個のパルスを持つパルス信号を生成し、該生成したパルス信号により前記スイッチング素子をPWM制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子と、前記半導体素子のゲート端子と電源又はグランドの間に設けられるスイッチング素子と、入力される制御信号に基づいて前記スイッチング素子を駆動して、前記半導体素子を駆動制御する半導体駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)駆動回路においてサージとスイッチング損失の低減を図る技術として、アクティブゲート駆動方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。アクティブゲート駆動方法の狙いは、図1に概念的に示すように、サージの発生するミラー期間まではIGBTのターンオンを穏やか(ゲート抵抗大)に行うことでコレクタ電流の時間変化率dic/dtを小さくしサージの発生を抑えつつ、サージの発生するミラー期間を超えた時点でターンオンを高速(ゲート抵抗小)に行うことでスイッチング損失を減らそうとするものである。
【0003】
特許文献1には、半導体素子のバラツキの影響を受けないようにゲート電圧の変化率dvage/dtからミラー期間を検知し、ミラー期間検知後の所定のタイマ時間経過したタイミングで、ゲート抵抗の切替を行うことでアクティブゲート駆動を行う技術が開示されている。
【0004】
特許文献2には、ターンオン時にミラー電圧検出信号の立ち上がリに応答して所定パルス幅のパルス信号を付加することで、ターンオン動作を速めてスイッチング損失を減らそうとする技術が開示されている。
【特許文献1】特許第4023336号
【特許文献2】特開平11−262243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実際には、サージが発生するミラー期間を精度良く検出するのは困難であり、ミラー期間の検出精度が悪いと、特許文献1,2におけるゲート抵抗の切替タイミングやパルス信号の付加タイミング(図2のゲート抵抗切替タイミング信号の立ち上がりタイミングに相当)が理想的なタイミングからずれてしまい、図2に模式的に示すように、過大なサージが発生する虞がある。他方、これを防ぐために、ミラー期間の検出誤差を吸収できるような時間的に余分なマージンを取ると、図3に模式的に示すように、サージを抑えることができるものの、結局スイッチング損失の低減効果が少なくなってしまう。
【0006】
そこで、本発明は、ミラー期間を精度良く検出できない場合でもサージとスイッチング損失の低減を図ることが可能な半導体駆動装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一局面によれば、半導体素子と、前記半導体素子のゲート端子と電源又はグランドの間に設けられるスイッチング素子と、入力される制御信号に基づいて前記スイッチング素子を駆動して、前記半導体素子を駆動制御する駆動制御手段とを備える半導体駆動装置であって、
前記駆動制御手段は、前記制御信号に基づいて前記半導体素子のオン/オフ状態を1回反転させる際に、複数個のパルスを持つパルス信号を生成し、該生成したパルス信号により前記スイッチング素子をPWM制御することを特徴とする、半導体駆動装置が提供される。尚、スイッチング素子は、典型的には、例えばMOSFET(metal oxide semiconductor field-effect transistor)のような電界効果トランジスタである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ミラー期間を精度良く検出できない場合でもサージとスイッチング損失の低減を図ることが可能な半導体駆動装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0010】
以下では、先ず本発明による実施例の説明に先立って、図4及び図5を参照して半導体素子(本例ではIGBT)のターンオン時及びターンオフ時におけるサージの発生メカニズムを説明する。
【0011】
図4(A)〜図4(C)は、ターンオン動作に関連する各状態を示し、図4(D)は、図4(A)〜図4(C)の状態に対応するタイミングチャートを示す。図5(A)〜図5(C)は、ターンオフ動作に関連する各状態を示し、図5(D)は、図5(A)〜図5(C)の状態に対応するタイミングチャートを示す。
【0012】
先ず、図4を参照して、上側のダイオードD1に電流が転流している状態(図4(A)参照)から下側のIGBT(Q2)をオフからオンにした場合のターンオン時の動作を先ず説明する。尚、ここでは説明の便宜上、バスバーのインダクタをD1の上部及びQ2の下部に示しているが、実際のインダクタ成分は各配線やQ1とQ2の間等にも存在する。
【0013】
図4(A)に示す状態では、スイッチSW2がオンしているため、Q2はオフとなる。そのため、モータ電流が全てD1に流れる転流状態が形成される。尚、この状態では、図中のA点の電位は略電源電圧となる。この状態からスイッチSW1がオンすると、図4(B)に示すように、Q2のゲートに充電電流が流れ込み、Q2が次第にオン状態に遷移する。その際、Q2にコレクタ電流が流れ始めるため、D1に流れる電流が減少する(図中のA点の電位が電源電圧から低下していく)。その後、完全にQ2がオンすると、図4(C)に示すように、モータ電流は全てQ2に流れD1の電流は流れなくなりターンオン動作が終了する。尚、この状態では、図中のA点の電位は、略接地電位まで低下する。
【0014】
ここで、充電電流が急速であるほど、Q2のコレクタ電流が急速に上昇するため、その変化率dIce/dtが大きくなる。コレクタ電流の変化が大きいと、インダクタL1に発生する逆起電力VL1=−L1×dIce/dtが大きくなり、D1のアノードとカソード間のサージ電圧が大きくなる。このような原理により、Q2のターンオン時のサージが発生する。
【0015】
次に、図5を参照して、下側のIGBT(Q2)に電流が流れた状態(図5(A)参照)から下側のIGBT(Q2)をオンからオフにした場合のターンオフ時の動作を説明する。尚、同様に、ここでは説明の便宜上、バスバーのインダクタをD1の上部及びQ2の下部に示しているが、実際のインダクタ成分は各配線やQ1とQ2の間等にも存在する。
【0016】
図5(A)に示す状態では、スイッチSW1がオンした状態であるため、Q2はオンとなる。そのため、モータ電流が全てQ2に流れている状態が形成される。尚、この状態では、図中のA点の電位は略接地電圧となる。この状態からスイッチSW2がオンすると、図5(B)に示すように、Q2のゲートに蓄積されていた電荷が、Q2のゲート容量Cと抵抗R2の時定数に従い放電される。そのため、Q2は次第にオフ状態に遷移し、コレクタ電流が減少する(図中のA点の電位が接地電位から上昇していく)。その後、完全にQ2がオフすると、図5(C)に示すように、モータ電流はD1へと転流し、ターンオフ動作が終了する。尚、この状態では、図中のA点の電位は、略電源電位まで上昇する。
【0017】
ここで、Q2のゲート容量Cと抵抗R2の時定数が小さい場合、Q2のゲート電荷の放電が早くなり、Q2のコレクタ電流が急速に減少するため、その変化率dIce/dtが大きくなる。コレクタ電流の変化が大きいと、インダクタL2に発生する逆起電力VL2=−L2×dIce/dtが大きくなり、Q2のコレクタ・エミッタ間のサージ電圧が大きくなる。このような原理により、Q2のターンオフ時のサージが発生する。
【0018】
ここから、以上の原理を踏まえつつ、本実施例の説明に入る。
【0019】
図6は、本実施例の半導体駆動装置50を含むハイブリッド車両用モータ駆動システム1の全体構成の一例を示す図である。モータ駆動システム1は、バッテリ10の電力を用いて走行用モータ40を駆動することにより車両を駆動させるシステムである。尚、電気自動車は、電力を用いて走行用モータ40を駆動して走行するものであれば、その方式や構成の詳細は任意である。電気自動車は、典型的には、動力源がエンジンと走行用モータ40であるハイブリッド自動車(HV),動力源が走行用モータ40のみである電気自動車を含む。
【0020】
モータ駆動システム1は、図1に示すように、バッテリ10、DC/DCコンバータ20、インバータ30、走行用モータ40、及び、半導体駆動装置50を備える。
【0021】
バッテリ10は、電力を蓄積して直流電圧を出力する任意の蓄電装置であり、ニッケル水素バッテリ、リチウムイオンバッテリや電気2重層キャパシタ等の容量性負荷から構成されてもよい。
【0022】
DC/DCコンバータ20は、双方向のDC/DCコンバータ(可逆チョッパ方式の昇圧DC/DCコンバータ)であり、例えば14Vから42Vへの昇圧変換、及び、42Vから14Vへの降圧変換が可能である。
【0023】
インバータ30は、電源ラインとアースラインとの間に互いに並列に配置されるU相、V相、W相の各アームから構成される。U相アームはスイッチング素子(本例ではIGBT)Q3,Q4の直列接続からなり、V相アームはスイッチング素子(本例ではIGBT)Q1,Q2の直列接続からなり、W相アームはスイッチング素子(本例ではIGBT)Q5,Q6の直列接続からなる。また、各スイッチング素子Q1〜Q6のコレクタ−エミッタ間には、それぞれ、エミッタ側からコレクタ側に電流を流すようにダイオードD1〜D6が配置される。
【0024】
走行用モータ40は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点で共通接続されている。U相コイルの他端は、スイッチング素子Q3,Q4の中間点に接続され、V相コイルの他端は、スイッチング素子Q1,Q2の中間点に接続され、W相コイルの他端は、スイッチング素子Q5,Q6の中間点に接続される。
【0025】
半導体駆動装置50は、インバータ30を制御する。半導体駆動装置50は、例えばCPU,ROM、メインメモリなどを含み、半導体駆動装置50の各種機能は、ROM等に記録された制御プログラムがメインメモリに読み出されてCPUにより実行されることによって実現される。但し、半導体駆動装置50の一部又は全部は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。また、半導体駆動装置50は、物理的に複数の装置により構成されてもよい。また、半導体駆動装置50は、DC/DCコンバータ20をも制御する装置であってもよい。
【0026】
半導体駆動装置50は、例えば図7に示すような態様で、インバータ30を制御してもよい。図7に示す制御態様は、可変電圧可変周波数制御(VVVF:variable voltage variable frequency)インバータ制御と称されるものであり、モータ回転数の増加と共に(モータトルク(モータ電流)の減少とともに)、IGBT制御信号のキャリア周波数が大きくなる。
【0027】
半導体駆動装置50は、インバータ30を制御する際、以下で説明するアクティブゲート駆動方法により各スイッチング素子Q1〜Q6を駆動する。
【0028】
図8は、本実施例の半導体駆動装置50におけるアクティブゲート駆動方法を実現する主要構成を示す図である。図8に示す構成は、説明の便宜上、一例としてV相アームの下アームにおけるスイッチング素子Q2のターンオン動作に係る部分を示す。
【0029】
半導体駆動装置50は、図8に示すように、スイッチング素子(IGBT)Q2をオン動作させるパワーMOS(MOS1)と、スイッチング素子Q2をオフ動作させるパワーMOS(MOS2)と、マイコン側からのIGBT駆動指令であるIGBT制御信号(imin)に基づいてパワーMOSを駆動するIGBT駆動制御部62と、ミラー領域検知部66と、周波数検知部68と、電圧重畳部69とを含む。
【0030】
IGBT駆動制御部62は、オン制御部64を含み、オン制御部64は、PWM信号出力部64a、PWM信号生成部64b、メモリアクセスコントローラ64c、及び、パルス幅格納メモリ64dを含む。IGBT駆動制御部62の機能は後に詳説する。
【0031】
ミラー領域検知部66は、スイッチング素子Q2の動作状態が遷移する際のミラー領域を検知する。即ち、ミラー領域検知部66は、スイッチング素子Q2の動作状態がオフ状態からオン状態に遷移する際のミラー領域、及び、スイッチング素子Q2の動作状態がオン状態からオフ状態に遷移する際のミラー領域を検知する。ミラー領域の検知方法は、多種多様であり、任意の方法が採用されてもよい。また、ミラー領域の検知方法は、精度の低い方法でもよく、例えば、IGBT制御信号の立ち下がり若しくは立ち上がり後の所定タイマ時間後にミラー領域に入るという仮定に基づく決め打ち的な検知方法であってもよい。これは、ミラー領域の検知結果にある程度の誤差があったとしても、後述するように本実施例のアクティブゲート駆動方法により、かかる誤差が適切に補償されるためである。図示の例では、ミラー領域検知部66は、スイッチング素子Q2のゲート電圧と、所定の電圧E1とが入力されるコンパレータ(Comp1)を含み、コンパレータは、スイッチング素子Q2のゲート電圧が所定の電圧E1を上回ったときにミラー領域検知信号(PWM制御開始信号)をPWM信号生成部64bに入力する。所定の電圧E1は、好ましくは、スイッチング素子Q2の閾値電圧よりも僅かに低い程度の電圧に設定される。
【0032】
周波数検知部68は、IGBT制御信号のキャリア周波数を検知する。IGBT制御信号のキャリア周波数の検知方法は、多種多様であり、任意の方法が採用されてもよい。周波数検知部68は、例えばIGBT制御信号のキャリア周波数を直接的に表す情報に基づいて検知してもよい。図示の例では、周波数検知部68は、内部クロックによってカウントされるカウンタ68aによってIGBT制御信号のキャリア周波数を計測しており、比較回路68bは、周波数検知部68で検知されたキャリア周波数が所定の通常範囲内にあるかそれよりも高いか低いかといった比較結果を出力し、メモリアクセスコントローラ64cは、周波数検知部68で検知されたキャリア周波数(比較回路68bの比較結果)に基づいてパルス幅格納メモリ64dにアクセスする。
【0033】
電圧重畳部69は、後述のIGBT駆動制御部62によるPWM制御に連動して、MOS1のドレイン側に(スイッチング素子Q2のゲートに)、グランド電位よりも大きく電源電位Vccよりも小さい所定電圧E1を印加する。図示の例では、電圧重畳部69は、電源電圧E1と、スイッチ69aとを備える。スイッチ69aは、MOS2のドレイン側とスイッチング素子Q2のゲートの間に設けられ、端子A,端子B間で切り替ることで、スイッチング素子Q2のゲートを選択的にMOS2又は電源(所定電圧E1)に接続する。スイッチ69aが端子Aに接続されたときに、MOS1のドレイン側に所定電圧E1が印加される。スイッチ69aの端子A側への切替は、IGBT制御信号に基づいて実現されてもよい。具体的には、スイッチ69aは、IGBT制御信号の立ち上がり時に端子A側に接続される。
【0034】
次に、スイッチング素子Q2のターンオン時のタイミングチャートである図9及び図10を参照しつつ、本実施例のIGBT駆動制御部62により実現されるアクティブゲート駆動方法の要部を説明する。
【0035】
図9では、上段から、スイッチング素子Q2のゲート電圧Vge(IGBTゲート電圧Vge)の波形、IGBT制御信号(imin)の波形、MOS1に印加されるゲート入力信号(PWM信号+オン/オフ信号)の波形、スイッチング素子Q2のコレクタ電流Iceの波形、スイッチング素子Q2のコレクタ−エミッタ電圧Vceの波形、及び、スイッチング素子Q2におけるスイッチング損失の波形が概略的に示されている。
【0036】
図10は、図9のMOS1に印加されるゲート入力信号の波形のX部の拡大図であり、図10には、スイッチング素子Q2のゲートインピーダンス成分を表す波形が、ゲート入力信号と共に示されている。
【0037】
図9の状態1では、マイコン側からのIGBT制御信号(imin)がオフ指令であり、IGBT駆動制御部62は、オフ信号(電圧Vcc)をMOS1に印加してMOS1をオフ状態に維持し、MOS2をオン状態に維持している。このとき、スイッチ69aは端子B側に接続されており、MOS2はグランドに接続されているため、スイッチング素子Q2のゲートはグランドに固定され、スイッチング素子Q2はオフ状態を維持する。
【0038】
次に、状態2になり、IGBT制御信号がオン指令になると、IGBT駆動制御部62は、オン信号をMOS1に印加してMOS1をオンすると同時に、スイッチ69aが端子A側に接続され、スイッチング素子Q2のゲートには所定電圧E1が印加される。ここでは、所定電圧E1は、スイッチング素子Q2の閾値電圧よりも僅かに低い程度の電圧に設定される。このような電圧E1を重畳させることの意義は、重畳させない場合に比べて、スイッチング素子Q2のスイッチングを高速に行うことを可能とすること等であり、これについては後述する。
【0039】
次に、状態3になり、ミラー領域検知部66によってスイッチング素子Q2のゲート電圧が所定電圧E1達したことが検出されると、IGBT駆動制御部62は、PWM信号生成部64bで生成されるPWM信号によってMOS1のPWM制御を開始する。ここで上述の如くスイッチ69aが端子A側に接続され、スイッチング素子Q2のゲートには所定電圧E1が印加されているので、PWM制御での電圧変動(図10に示すようにVccとVthの間の変動)を小さくすることができるので、より精度良くインピーダンスの調整を行うことができる。即ち、PWM制御での電圧変動は、高速制御を可能とするためにMOS1の閾値電圧Vth程度で行われる。PWM信号は、メモリアクセスコントローラ64cによって、パルス幅格納メモリ64dに予め記憶されている基準パルス幅(基準デューティ)に基づいて設定される。基準パルス幅の好ましい設定方法については後述する。PWM信号生成部64bは、メモリアクセスコントローラ64cから供給される基準パルス幅に基づいて、図10に示すような態様で、スイッチング素子Q2のゲートインピーダンスが段階的に低くなるように、パルス信号のパルス幅を基準パルス幅から段階的に小さくなるように変化させる。即ち、スイッチング素子Q2のゲート電圧が閾値電圧付近でのパルス幅は、サージが発生し難くなるようにスイッチング素子Q2のゲートが高インピーダンスとなるように高デューティに設定し、ミラー期間が終了する付近でのパルス幅は、スイッチング損失が低減されるようにスイッチング素子Q2のゲートが低インピーダンスとなるように低デューティに設定する。図10に示す例では、PWM信号のパルス幅は、ミラー期間内で基準パルス幅A1からA2(<A1)、A3(<A2)へと段階的に小さく調整(変化)されている。尚、このようなPWM信号のパルス幅の段階的な変化タイミングは、例えばミラー期間の長さの試験データ等に基づいて、予め設定された固定タイミングであってもよく、この場合、基準パルス幅に応じて異なる固定タイミングであってもよい。
【0040】
最後に、状態4になりミラー期間が終了すると、IGBT駆動制御部62は、PWM制御を停止すると共に、スイッチ69aを端子Aから切り離し(端子B側に接続し)、MOS1のゲート入力信号をグランド(オン信号)に固定し、速やかにスイッチング素子Q2のゲート電圧を電圧Vccまで上昇させる。尚、ミラー期間の終了は、適切な方法で推定・検出されてもよいし、或いは、簡易的に、例えばミラー期間の長さの試験データ等に基づいて、ミラー領域の開始時点から所定時間経過後に検出されるようにしてもよい。
【0041】
このようにして図8乃至図10に示す制御によれば、スイッチング素子Q2の閾値に多少のバラツキがあった場合やスイッチング素子Q2のミラー期間を精度良く検出できない場合でもスイッチング素子Q2のターンオン時のサージの発生を抑えるための調整を必要とせず、且つ、スイッチング素子Q2のターンオン時のスイッチング損失についても低減できる小型のアクティブゲート駆動回路を実現することができる。
【0042】
また、ターンオン時間は非常に短いため、スイッチング素子Q2を駆動するパワーMOS(MOS1)をグランド−Vccの電圧フルスイングで動作させる場合は、極めて高速なPWM信号が必要となるが、図8乃至図10に示す制御によれば、スイッチング素子Q2のターンオン動作中に所定電圧E1(例えばスイッチング素子Q2の閾値電圧付近の電圧)に重畳させてゲート入力信号波形を閾値電圧−VccでPWM制御するので、極めて高速なPWM信号を用いることなく、高速なPWM制御が可能となり、高性能なアクティブゲート駆動を実現することができる。尚、以上の観点からも明らかなように、所定電圧E1は、好ましくは、上述の如く閾値電圧よりも僅かに小さい電圧に設定されるが、グランド電位よりも高ければよく、この場合も、グランド電位よりも高い分だけ電圧フルスイングが低減されるという効果が得られる。
【0043】
次に、図11乃至図13を参照して、スイッチング素子Q2のターンオフ動作に係る部分の構成について説明する。
【0044】
図11は、本実施例の半導体駆動装置50におけるアクティブゲート駆動方法を実現する主要構成であって、スイッチング素子Q2のターンオフ動作に係る部分を示す図である。
【0045】
半導体駆動装置50は、図11に示すように、スイッチング素子(IGBT)Q2をオン動作させるパワーMOS(MOS1)と、スイッチング素子Q2をオフ動作させるパワーMOS(MOS2)と、マイコン側からのIGBT駆動指令であるIGBT制御信号(imin)に基づいてパワーMOSを駆動するIGBT駆動制御部62と、ミラー領域検知部66と、周波数検知部68とを含む。
【0046】
IGBT駆動制御部62は、オフ制御部63を含み、オフ制御部63は、PWM信号出力部64a、PWM信号生成部64b、メモリアクセスコントローラ64c、及び、パルス幅格納メモリ64dを含む。IGBT駆動制御部62の機能は後に詳説し、他の各部は特に言及しない限り、図8を参照して上述した対応する各部と同様であってよい。
【0047】
ミラー領域検知部66は、スイッチング素子Q2の動作状態が遷移する際のミラー領域を検知する。図示の例では、ミラー領域検知部66は、スイッチング素子Q2のゲート電圧と、所定の電圧E2とが入力されるコンパレータ(Comp2)を含み、コンパレータは、スイッチング素子Q2のゲート電圧が所定の電圧E2を下回ったときにミラー領域検知信号をPWM信号生成部64bに入力する。所定の電圧E2は、好ましくは、スイッチング素子Q2のミラー電位よりも僅かに高い程度の電圧に設定される。
【0048】
スイッチ69bは、MOS1とスイッチング素子Q2のゲートの間に設けられ、端子A,B間で切り替ることで、スイッチング素子Q2のゲートを選択的にMOS1又は電源電圧E2に接続する。
【0049】
図12は、スイッチング素子Q2のターンオフ時のタイミングチャートであり、図13は、図12のMOS2に印加されるゲート入力信号のX部の拡大図である。図12には、上段から、スイッチング素子Q2のゲート電圧Vge(IGBTゲート電圧Vge)の波形、IGBT制御信号(imin)の波形、MOS2に印加されるゲート入力信号(PWM信号+オン/オフ信号)の波形、スイッチング素子Q2のコレクタ電流Iceの波形、スイッチング素子Q2のコレクタ−エミッタ電圧Vceの波形、及び、スイッチング素子Q2におけるスイッチング損失の波形が概略的に示されている。図13には、スイッチング素子Q2のゲートインピーダンス成分を表す波形が、ゲート入力信号と共に示されている。
【0050】
図12の状態1では、マイコン側からのIGBT制御信号(imin)がオン指令(Hi)であり、IGBT駆動制御部62は、オン信号をMOS1に印加してMOS1をオン状態に維持し、オフ信号(グランド電位)をMOS2に印加してMOS2をオフ状態に維持している。このとき、スイッチ69bは端子B側に接続されており、MOS1は電源電圧Vccに接続されているため、スイッチング素子Q2はオン状態を維持する。
【0051】
次に、状態2になり、IGBT制御信号がオフ指令(Lo)になると、スイッチ69bは端子A側に接続され、スイッチング素子Q2のゲートには所定電圧E2が印加される。ここでは、所定電圧E2は、スイッチング素子Q2のミラー電位よりも僅かに高い程度の電圧に設定される。
【0052】
次に、状態3になり、ミラー領域検知部66によってスイッチング素子Q2のゲート電圧が所定電圧E2まで下降したこと(即ちミラー領域)が検出されると、IGBT駆動制御部62は、スイッチ69bを端子B側に接続すると共に、PWM信号によってMOS2のPWM制御を開始する。PWM信号は、メモリアクセスコントローラ64cによって、パルス幅格納メモリ64dに予め記憶されている基準パルス幅に基づいて設定される。基準パルス幅の好ましい設定方法については後述する。PWM信号生成部64bは、メモリアクセスコントローラ64cから供給される基準パルス幅に基づいて、図13に示すような態様で、スイッチング素子Q2のゲートインピーダンスが段階的に高くなるように、パルス信号のパルス幅を基準パルス幅から段階的に小さくなるように変化させる。即ち、パルス幅は、ミラー期間当初ではスイッチング素子Q2のゲートが低インピーダンスとなるように高デューティに設定し、閾値電圧付近でのパルス幅は、サージが発生し難くなるようにスイッチング素子Q2のゲートが高インピーダンスとなるように低デューティに設定する。図12に示す例では、PWM信号のパルス幅は、ミラー期間内で基準パルス幅A1からA2(<A1)、A3(<A2)へと段階的に小さく調整(変化)されている。尚、このようなPWM信号のパルス幅の段階的な変化タイミングは、例えばミラー期間の長さの試験データ等に基づいて、予め設定された固定タイミングであってもよく、この場合、基準パルス幅に応じて異なる固定タイミングであってもよい。
【0053】
最後に、状態4になりミラー期間が終了すると、PWM制御を停止すると共に、MOS2のゲート入力信号をオン信号に固定し、速やかにスイッチング素子Q2のゲート電圧をグランド電位まで下降させる。尚、ミラー期間の終了は、適切な方法で推定・検出されてもよいし、或いは、簡易的に、例えばミラー期間の長さの試験データ等に基づいて、ミラー領域の開始時点から所定時間経過後に検出されるようにしてもよい。
【0054】
このようにして図11乃至図13に示す制御によれば、スイッチング素子Q2の閾値に多少のバラツキがあった場合やスイッチング素子Q2のミラー期間を精度良く検出できない場合でもスイッチング素子Q2のターンオフ時のサージの発生を抑えるための調整を必要とせず、且つ、スイッチング素子Q2のターンオフ時のスイッチング損失についても低減できる小型のアクティブゲート駆動回路を実現することができる。
【0055】
次に、図14及び図15を参照して、周波数検知部68によるIGBT制御信号のキャリア周波数の周波数検知結果に応じた基準パルス幅A1の設定方法について説明する。
【0056】
図14は、スイッチング素子Q2のターンオン時のMOS1に印加されるPWM信号の波形を示し、図10に示した図に相当する。図14では、3つ波形が代表的に示されており、上から順に、IGBT制御信号のキャリア周波数が高いとき(図7のB点参照)のPWM信号のデューティ、IGBT制御信号のキャリア周波数が通常範囲内の時のPWM信号のデューティ、IGBT制御信号のキャリア周波数が低いとき(図7のA点参照)のPWM信号のデューティが示されている。
【0057】
図15は、スイッチング素子Q2のターンオフ時のMOS2に印加されるPWM信号の波形を示し、図13に示した図に相当する。同様に、図15では、3つ波形が代表的に示されており、上から順に、IGBT制御信号のキャリア周波数が高いとき(図7のB点参照)のPWM信号のデューティ、IGBT制御信号のキャリア周波数が通常範囲内の時のPWM信号のデューティ、IGBT制御信号のキャリア周波数が低いとき(図7のA点参照)のPWM信号のデューティが示されている。
【0058】
ターンオン時用の基準パルス幅A1は、図14に示すように、キャリア周波数が高周波数になるにつれて大きくなる態様でパルス幅格納メモリ64dに格納される。即ち、高キャリア周波数の場合は、スイッチング素子Q2のコレクタ電流が小さくなるため、インピーダンスが比較的高くなるように基準パルス幅A1が設定されている。これは、ターンオン時のリカバリーサージ(図4参照)は、ダイオードの特性上、一般的に電流が低い場合(キャリア周波数が高い場合)に大きくなるためである。
【0059】
ターンオフ時用の基準パルス幅A1は、図15に示すように、キャリア周波数が低周波数になるにつれて大きくなる態様でパルス幅格納メモリ64dに格納される。即ち、低キャリア周波数の場合は、ターンオン時の場合とは逆に、インピーダンスが比較的高くなるように基準パルス幅A1が設定されている。これは、コレクタ電流がミラー電圧と相関があり、ターンオフ時はコレクタ電流が高いほど高サージが発生し易いためである。
【0060】
このように、IGBT制御信号のキャリア周波数(即ちスイッチング素子Q2のコレクタ電流)に応じて基準パルス幅A1を可変とすることで、より最適にサージとスイッチング損失の低減を図ることが可能となる。即ち、ターンオフ時には、コレクタ電流が大きい場合に基準パルス幅A1を狭く設定し(即ちゲート抵抗を大きくし)、ターンオン時には、コレクタ電流が小さい場合に基準パルス幅A1を狭く設定することで、より効率的にサージとスイッチング損失の低減を図ることが可能となる。
【0061】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0062】
例えば、上述の実施例では、好ましい実施例として、コレクタ電流とIGBT制御信号のキャリア周波数との間に相関があることを利用して、IGBT制御信号のキャリア周波数を簡易な構成で検知している。しかしながら、ホールIC等でコレクタ電流を検知するような構成も可能である。
【0063】
また、上述の実施例では、好ましい実施例として、IGBT制御信号のキャリア周波数に応じて基準パルス幅A1を可変しているが、IGBT制御信号のキャリア周波数の如何に係わらず基準パルス幅A1を固定する構成も可能である。
【0064】
また、上述の実施例では、好ましい実施例として、スイッチング素子Q2のターンオン動作中に所定電圧E1を重畳させてゲート入力信号波形を閾値電圧−VccでPWM制御しているが、所定電圧E1の重畳を省略してもよい。また、スイッチング素子Q2のターンオフ動作中に同様の重畳を行うことも可能である。
【0065】
また、上述の実施例では、好ましい実施例として、IGBT制御信号のキャリア周波数に応じて基準パルス幅A1を可変し、且つ、基準パルス幅A1を基準に段階的にPWM信号のパルス幅を小さくしているが、いずれか一方のみが実行される構成も可能である。例えば前者のみを実行する構成の場合、IGBT制御信号のキャリア周波数(又はコレクタ電流)に応じた基準パルス幅A1で固定してPWM制御が実行されることになる。
【0066】
また、上述の実施例では、PWM制御中にパルス幅をA1,A2,A3と3段階で変化させているが、2段階で変化させてもよいし、4段階以上で変化させてもよい。また、基準パルス幅A1の大きさに応じて段階数を可変してもよい。
【0067】
また、上述の実施例では、IGBT制御信号の各キャリア周波数に対応する基準パルス幅A1をパルス幅格納メモリ64dから読み出しているが、演算変換処理等により基準のパルス幅をキャリア周波数に応じて補正して用いてもよい。
【0068】
また、上述の実施例では、MOS1としてPチャネルのMOSが用いられ、MOS2としてNチャネルのMOSが用いられているが、他の形態のスイッチング素子が用いられてもよいことは言うまでもなく、例えばNチャネルとPチャネルが反転すればそれに応じてパルス幅の変化態様が上述の態様と反転する。
【0069】
また、上述の実施例では、好ましい実施例として、スイッチング素子Q2のターンオン時とターンオフ時の双方に対して本発明によるアクティブゲート駆動方法を適用しているが、ターンオン時とターンオフ時のいずれか一方のみに適用する構成も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】アクティブゲート駆動方法の狙いの動作を示すタイミングチャートである。
【図2】ゲート抵抗切替タイミング信号の立ち上がりタイミングが理想的なタイミングから遅れた場合のタイミングチャートである。
【図3】ゲート抵抗切替タイミング信号の立ち上がりタイミングにマージンを持たせた場合のタイミングチャートである。
【図4】ターンオン時におけるサージの発生メカニズムの説明図である。
【図5】ターンオフ時におけるサージの発生メカニズムの説明図である。
【図6】本実施例の半導体駆動装置50を含むハイブリッド車両用モータ駆動システム1の全体構成の一例を示す図である。
【図7】可変電圧可変周波数制御におけるキャリア周波数とモータ回転数等との関係を示す図である。
【図8】本実施例の半導体駆動装置50におけるアクティブゲート駆動方法を実現する主要構成であって、スイッチング素子Q2のターンオン動作に係る部分を示す図である。
【図9】スイッチング素子Q2のターンオン時のタイミングチャートである
【図10】図9のX部の拡大図である。
【図11】本実施例の半導体駆動装置50におけるアクティブゲート駆動方法を実現する主要構成であって、スイッチング素子Q2のターンオフ動作に係る部分を示す図である。
【図12】スイッチング素子Q2のターンオフ時のタイミングチャートである。
【図13】図12のX部の拡大図である。
【図14】キャリア周波数に応じて異なる、スイッチング素子Q2のターンオン時のMOS1に印加されるPWM信号の波形を示す図である。
【図15】キャリア周波数に応じて異なる、スイッチング素子Q2のターンオフ時のMOS2に印加されるPWM信号の波形を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
1 モータ駆動システム
10 バッテリ
20 DC/DCコンバータ
30 インバータ
40 走行用モータ
50 半導体駆動装置
62 IGBT駆動制御部
64 オン/オフ制御部
64a PWM信号出力部
64b PWM信号生成部
64c メモリアクセスコントローラ
64d パルス幅格納メモリ
66 ミラー領域検知部
68 周波数検知部
68a カウンタ
69 電圧重畳部
69a スイッチ
69b スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子と、前記半導体素子のゲート端子と電源又はグランドの間に設けられるスイッチング素子と、入力される制御信号に基づいて前記スイッチング素子を駆動して、前記半導体素子を駆動制御する駆動制御手段とを備える半導体駆動装置であって、
前記駆動制御手段は、前記制御信号に基づいて前記半導体素子のオン/オフ状態を1回反転させる際に、複数個のパルスを持つパルス信号を生成し、該生成したパルス信号により前記スイッチング素子をPWM制御することを特徴とする、半導体駆動装置。
【請求項2】
前記半導体素子の動作状態が遷移する際のミラー領域を検知するミラー領域検知手段を更に備え、
前記駆動制御手段は、前記ミラー領域検知手段の検知結果に基づいて、前記PWM制御を開始する、請求項1に記載の半導体駆動装置。
【請求項3】
前記駆動制御手段は、前記制御信号のHiとLow間の反転後から所定時間経過後に、前記PWM制御を開始する、請求項1に記載の半導体駆動装置。
【請求項4】
前記駆動制御手段は、前記PWM制御中に前記パルス信号のパルス幅を変化させる、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の半導体駆動装置。
【請求項5】
前記駆動制御手段は、前記制御信号に基づいて前記半導体素子をオフ状態からオン状態に反転させる際に、前記半導体素子のゲートインピーダンスが段階的に低くなるように、前記パルス信号のパルス幅を段階的に変化させる、請求項4に記載の半導体駆動装置。
【請求項6】
前記駆動制御手段は、前記制御信号に基づいて前記半導体素子をオン状態からオフ状態に反転させる際に、前記半導体素子のゲートインピーダンスが段階的に高くなるように、前記パルス信号のパルス幅を段階的に変化させる、請求項4に記載の半導体駆動装置。
【請求項7】
前記スイッチング素子は、電界効果トランジスタであり、
前記駆動制御手段は、前記PWM制御中に、前記スイッチング素子のゲート入力信号波形に、電源電位よりも低く接地電位よりも高い所定電位を重畳する、請求項1に記載の半導体駆動装置。
【請求項8】
前記所定電位は、前記半導体素子の閾値電圧付近の電圧に設定される、請求項7に記載の半導体駆動装置。
【請求項9】
前記半導体素子の駆動により生成される電流がモータの駆動に使用される電気自動車又はハイブリッド車における半導体駆動装置であり、
前記制御信号の周波数と最適な基準パルス幅との関係を表す情報を記憶する記憶手段と、
前記制御信号の周波数を検知する周波数検知手段と、
前記駆動制御手段は、前記周波数検知手段により検知された周波数に対応する前記記憶手段内の最適な基準パルス幅を読み出し、該読み出した最適な基準パルス幅に応じて前記パルス信号のパルス幅を調整する、請求項1に記載の半導体駆動装置。
【請求項10】
前記モータは、可変電圧可変周波数制御されており、
前記記憶手段に記憶される前記基準パルス幅は、前記制御信号の周波数が高い場合に前記制御信号の周波数が低い場合よりも前記半導体素子のターンオン時の前記半導体素子のゲートインピーダンスが高くなるように設定されている、請求項9に記載の半導体駆動装置。
【請求項11】
前記モータは、可変電圧可変周波数制御されており、
前記記憶手段に記憶される前記基準パルス幅は、前記制御信号の周波数が低い場合に前記制御信号の周波数が高い場合よりも前記半導体素子のターンオフ時の前記半導体素子のゲートインピーダンスが高くなるように設定されている、請求項9又は10に記載の半導体駆動装置。
【請求項12】
前記半導体素子の駆動により生成される電流がモータの駆動に使用される電気自動車又はハイブリッド車における半導体駆動装置であり、
前記駆動制御手段は、前記電流が小さい場合に前記電流が大きい場合よりも前記半導体素子のターンオン時の前記半導体素子のゲートインピーダンスが高くなるように、前記パルス信号のパルス幅を可変する、請求項1に記載の半導体駆動装置。
【請求項13】
前記駆動制御手段は、前記電流が大きい場合に前記電流が小さい場合よりも前記半導体素子のターンオフ時の前記半導体素子のゲートインピーダンスが高くなるように、前記パルス信号のパルス幅を可変する、請求項1又は12に記載の半導体駆動装置。
【請求項14】
前記半導体素子は、IGBTであり、前記スイッチング素子は、MOSFETである、請求項1〜13のうちのいずれか1項に記載の半導体駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−119184(P2010−119184A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−289614(P2008−289614)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】