説明

単一のアクスルチューブハウジング組立体

【課題】
【解決手段】デファレンシャル組立体のためのアクスルチューブハウジングを製造する方法は、単一のチューブ状ブランク(102)の局部エリア(108)を加熱することを有する。マンドレルがこのチューブ状ブランク中に挿入され、そして、局部エリア(108)は、増加した壁厚を与えるように変形される。圧縮力が、スピンドルセクションを形成するように、鍛造ダイ(126)を使用して、単一のチューブ状ブランクの局部エリアに与えられる。このスピンドルセクションは、鍛造ダイ及びマンドレル(116)の少なくとも一方に非常に一致する。そして、単一のチューブ状ブランクの残った部分は、キャリアセクションを形成するために冷却により減じられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、アクスルチューブ組立体に関するもので、特に、単一部材で一体的に形成されたアクスルチューブハウジングに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術に良く知られているように、モータ車両には、回転式の電力が異なる1対のアクスルシャフトによって供給される動力電動システムがよく用いられている。代表的に、これらアクスルシャフトは、これらを囲み入れるアクスルチューブハウジング中に配置されている。通常のアクスルチューブハウジングは、切断、鍛造、切り取り、溶接、及び切削加工の組合せによって、代表的に形成される。
【0003】
図1ないし図18を特に参照すると、フルフロートアクスルチューブの通常の製造方法が、連続して与えられている。図1ないし図18(工程50)によく見られるように、この通常の方法は、厚い壁のチューブを第1のセクション10と第2のセクション12とに最初に切断することを有する。この第1のセクション10は、ハウジングの本体、即ちキャリアを製造するために使用され、一方、第2のセクション12は、スピンドルを製造するために使用されるであろう。図2ないし図18(工程52)に見られるように、第1のセクション10は、変更可能な厚さの壁部を有する細長い部材を形成するために押し出される。図3ないし図18(工程54)で、第2のセクション12は、スピンドルブランクを形成するように、2工程で温間加工される。図4ないし図18(工程56)に係われば、第1のセクション10並びに/若しくは第2のセクション12の端部は、許容できる溶接ジョイントを形成するために切り込まれる。図5ないし図18(工程58)に見られるように、第1のセクション10及び第2のセクション12は、アクスルチューブハウジングブランク14を形成するために、一緒になるように溶接される。第1のセクション10及び第2のセクション12の溶接処理の副産物として、結果的に生じた「ラムホーン」16が、図6ないし図18(工程60)に見られるように、切削加工されるか、又はアクスルチューブハウジングブランクから外されなければならない。
【0004】
図7ないし図10、並びに図18を特に参照すると、幾つかの溶接工程が、必要なブランケット等を装着するために必要とされる。例えば、鍛造された溶接フランジ18が、図7ないし図18(工程62)に示されているように、所定の位置でアクスルチューブハウジングブランク14に押し付けられる。この鍛造された溶接フランジ18は、所定の位置で、アクスルチューブハウジングブランク14に連続して溶接される。図8、図9、並びに図18(工程64)に示されているように、ばね座20及び緩衝マウント22のような残りのアクスルチューブブランケットは、所定の位置で、アクスルチューブハウジングブランク14に都合よく溶接される。最後に、図10ないし図18(工程66)に示されているように、アクスルチューブハウジングブランク14は、必要に応じて真っ直ぐにされる。
【0005】
図11ないし図18を参照すると、前記アクスルチューブハウジングブランク14は、製造プロセスの必要な完成工程を与えるために切削加工される。このために、アクスルチューブハウジングブランク14のスピンドル端部24と後方端部26とは一方に向けられ、既知の技術に従ってセンタリングされる(工程68、70、及び72)。また、アクスルチューブハウジングブランク14のスピンドル12と、溶接フランジ18の面と、後方端部26の外径とは、回転並びに/若しくはねじ切りされる(工程74、76、78、及び80)。溶接フランジ18は、穿孔されたされ、この結果として生じた孔部がバリ取りされる(工程82)。そして最後に、アクスルチューブハウジングブランク14の軸受け面並びにシール面が、最終的に確立され、キー方法で切断され、最終的なアクスルチューブハウジング組立体は、洗浄され、錆止めされ、包装され、そして出荷される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前述のものから理解さえ得るように、フルフロートアクスルチューブの通常の製造方法は、いくつかの欠点を有している。非限定的な実施形態として、この通常の製造方法は、前記アクスルチューブハウジングブランクを切断し、鍛造し、押し出し、溶接し、真っ直ぐにし、一方に向け、回転させ、そして完成させるための、非常に長いサイクル時間を必要とする。これは、関連する製造コスト並びに複雑さを増やす。
【0007】
従って、上述された通常の製造プロセスの必須工程の多くを、少なくとも一部を不用にするアクスルチューブハウジング組立体の製造方法を、関連する技術で提供する必要がある。さらに、チューブ状ブランクを最初に切断し、これらセクションを別々に処理し、そしてこれらセクションを後で一緒に溶接する必要なく、アクスルチューブハウジング組立体を迅速かつ便利に製造する方法を、関連する技術で提供する必要がある。またさらに、単一部材からアクスルチューブハウジングを製造する方法を、関連した技術で提供する必要がある。さらに、従来技術の欠点を克服するアクスルチューブハウジング組立体を製造する方法を、関連する技術で提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の原則に従って、通常の製造方法より独特で多くの利点を有する、デファレンシャル組立体のためのアクスルチューブハウジングを製造する方法が開示されている。本発明の方法は、単一のチューブ状ブランクの局部エリアを加熱することを有している。マンドレルが、前記チューブ状ブランク中に挿入され、かくして、前記局部エリアは、増加した壁厚を与えるように変形される。圧縮力が、スピンドルセクションを形成するために、鍛造ダイを使用して単一のチューブ状ブランクの局部エリアに与えられる。このスピンドルセクションは、鍛造ダイ及びマンドレルの少なくとも一方に非常に一致する。かくして、単一のチューブ状ブランクの残りの部分は、キャリアセクションを形成するように、冷却により減じられる。
【0009】
さらに、本発明の適用可能なエリアは、以下に与えられる詳細な説明から明らかとなるであろう。本発明の好ましい実施形態を示しながら、詳細な説明並びに特定の実施形態は、図解のためのみに意図されているのであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0010】
本発明は、詳細な説明並びに添付図面から、充分に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
好ましい実施形態の以下の説明は、単なる例示であり、本発明、本発明の適用範囲、又は使用を制限するために意図されたものでは全くない。
【0012】
図19ないし図26を特に参照すると、アクスルチューブハウジング100(図26)の好ましい製造方法が、本発明に従って提供されている。以下の説明で容易に理解されるように、本発明は、前に述べられた通常の製造方法より多くの効果を与える。非限定的な実施形態により、本発明は、通常の製造方法に必要とされる幾つかの処理工程を不用とするアクスルチューブハウジング100の製造方法を提供している。これら処理工程とは、例えば、チューブ状ブランクの初期の切断(工程50)と、第1のセクション10の押し出し(工程52)と、第2のセクション12の温間加工(工程54)と、第1のセクション10並びに/若しくは第2のセクション12の端部の切り取り(cropping)(工程56)と、第1のセクション10及び第2のセクション12の摩擦溶接(工程58)と、「ラムのホーン(ram’s horn)」16の切削加工、若しくは剪断加工(工程60)と、第1のセクション10のスピンドル端部のセンタリング(工程70)と、溶接フランジ面の回転(工程76)と、第1のセクション10の外径の回転(turning of the outer diameter)(工程78)と、溶接フランジ中への穿孔された及びばり取り(工程82)とである。従って、本発明は、製造プロセスの効率性を最大にし、これによって、製造プロセスの関連した製造コストを減じることは理解されるべきである。
【0013】
図19ないし26を参照すると、アクスルチューブハウジング100の連続した製造工程を示している一連の平面図が、本発明の原則に従って与えられている。好ましい実施形態に係われば、通常の鍛造プロセスが単純化されており、このことは、広範囲にわたる溶接又は切削加工の必要性の多くを減じている。図19ないし図26に良く見られるように、本発明に係われば、初期のチューブ状ブランクは、分離した処理セクションへと切断されることはなく、かくして、これらセクションを後で一緒に連結させるための溶接又は切削加工を必要としないことは容易に理解されるべきである。この目的のために、図19に見られるように、第1の端部104と第2の端部106とを有するチューブ状ブランク102が最初に与えられている。このチューブ状ブランク102は、初期の外径(OD)と、初期の内径(ID)と、ほぼ均一な壁厚(T)とを更に規定している。
【0014】
図19に一般的に示された初期の処理工程の間に、チューブ状ブランク102の第1の端部104は、この端部の形成を容易にするように加熱される。好ましくは、この第1の端部104は、誘導加熱部材110を使用して、所定の局部エリア108で加熱される。この誘導加熱部材110は、所定の局部エリア108の迅速で、便利で、かつ分離した加熱を与える。しかし、加熱オーブンや、火炎使用等の、チューブ状ブランク102の可鍛性を促進する加熱システムが使用されることは理解されるべきである。
【0015】
図20に良く見られるように、前記所定の局部エリア108が、充分に加熱されると、第1の物理的なストッパー112が、チューブ状ブランク102の第1の端部104と接するように位置されて、係合される。同様に、第2の物理的なストッパー114が、チューブ状ブランク102の反対側の第2の端部106と接するように位置されて、係合される。好ましくは、第1の物理的なストッパー112と第2の物理的なストッパー114との少なくとも一方は、チューブ状ブランク102にクランプ力を生じさせるように、他方に対して移動可能である。
【0016】
図20を更に参照すると、本デザイン基準によって規定された断面形状を有している成形マンドレル116が与えられている。しかし、成形マンドレル116の特定の断面形状は、夫々異なるアクスルチューブハウジングの組立体の使用に対応して変更され得ることは理解されるべきである。この実施形態において、前記成形マンドレル116は、第1の外径(ODfm1)を有している。この外径は、アクスルチューブハウジング100のキャリアセクション118(図26)の、最終的な所望の内径(IDfc)に非常に一致するような大きさであることが好ましい。この成形マンドレル116は、第2の外径(ODfm2)を更に有している。この外径は、アクスルチューブハウジング100のスピンドルセクション120(図26)の、最終的な所望の内径(IDfs)に非常に一致するような大きさであることが好ましい。ショルダー部分122が、第1の外径(ODfm1)部と第2の外径(ODfm2)部との間に延びている。最初は、成形マンドレル116が、成形マンドレル116のショルダー部分122が、局部エリア108にほぼ近くなるように、局部的に加熱されたチューブ状ブランク102中に挿入される。
【0017】
クランプジャー124が、成形マンドレル116と第2の物理的なストッパー114とに対して所定の位置で、チューブ状ブランク102を保持するように、チューブ状ブランク102の第2の端部106に係合する。ほぼ平らなセクション128とほぼ成形されたセクション130とを規定している内側の鍛造の外形を有している鍛造ダイ126が設けられている。この鍛造ダイ126は、動作において一般的に通常であり、かくして、簡潔のために、この特定の構造は、この明細書中に説明されていないだろう。
【0018】
図20を更に参照すると、本発明の鍛造プロセスに係われば、チューブ状ブランク102は、第1の物理的なストッパー112が第1の端部104に係合し、第2の物理的なストッパー114が第2の端部106に係合し、クランプジャー124が第2の端部106に係合し、そして、成形マンドレル116が第2の端部中に挿入されるように、最初に位置される。そして、鍛造ダイ126のほぼ平らなセクション128は、局部エリア108近くに一般的に位置される。この時点で、第1の物理的なストッパー112並びに/若しくは第2の物理的なストッパー114は、チューブ状ブランク102の長手方向に沿って、圧縮力を与えるように動作される。図20に見られ得るように、この長手方向への圧縮力によって、加熱された局部エリア108が、隙間132中へと内方に変形される。この隙間は、鍛造ダイ126のほぼ平らなセクション128と、成形マンドレル116のショルダー部分122と、第1の物理的なストッパー112とによって規定されている。この動作は、チューブ状ブランク102の壁厚を、局部エリア108に沿って一般的に増加させる。この増加した壁厚は、後の形成動作のための必要な材料を与える。
【0019】
図21を参照すると、前記第1の物理的なストッパー112は外され、成形マンドレル116は、(図21の右方向に)部分的に引き込まれ得ることは理解されることができる。この結果、鍛造ダイ126は、ほぼ平らなセクション128の一部が、第1の端部104近くにくるように(図21の左方向に)再び位置される。図22に見られるように、鍛造ダイ126は、成形マンドレル116の周りで内方に、並びにショルダー部分122に対して右方向に、別々又は同時に移動するように駆動される。この動作により、チューブ状ブランク102の第1の端部104が、成形マンドレル116と鍛造ダイ126のほぼ成形されたセクション130とに非常に一致するように、最初に減じられたり成形されたりする。この技術は、さらに、スピンドルセクション120の壁厚全体に渡って、非常に大きな制御を与えることも理解されるべきである。言い換えると、鍛造ダイ126と成形マンドレル116との相対的な位置は、追加の材料(即ち、金属材料)が集中され得るエリアを規定する。このことは、知られた不具合な位置(即ち、コーナ、支持位置等)に、改良された強度性を与えるのに特に有益である。
【0020】
図23を参照すると、前記鍛造ダイ126は、チューブ状ブランク102から後退され、鍛造ダイ126に類似した構造を有する第2の鍛造ダイ134が、前に説明されたような類似した動作で、スピンドルセクション120に最終的な形状を形成するために使用され得ることは理解されることができる。しかし、この第2の鍛造ダイ134が、全ての使用に際して、必ずしも必要とされるわけではないことは理解されるべきである。
【0021】
図23を更に参照すると、鍛造ダイ126のほぼ平らなセクション128は、チューブ状ブランク102のキャリアセクション118近くに位置されている。従って、図23及び図24に見られるように、鍛造ダイ126は、キャリアセクション118の少なくとも一部の壁厚(T)を減じるように冷却し、さらに、成形マンドレル116の外径(ODfm1)にキャリアセクション118の内径(ID)を非常に一致させるように、キャリアセクション118の少なくとも一部に沿って引っ張られる。従って、この動作(図24)によって、キャリアセクション118の壁厚(T)は、初期の壁厚(T)より小さく、キャリアセクション118の外径(OD)は、初期の外径(OD)より小さく、そして、キャリアセクション118の内径(ID)は、初期の内径(ID)より小さい。
【0022】
好ましくは、図24に見られるように、前記キャリアセクション118の冷却による減少は、キャリアセクション118の一部に沿ってのみ果たされ、これによって、初期の(厚い)壁厚(T)を有するセクション136はそのまま維持される。好ましくは、このセクション136の外径(OD136)は、キャリアセクション118の冷却によって減じられた部分の近くのセクション(OD)と整合性が取れるように減じられることができる。つまり、成形マンドレル116は、この成形マンドレル116がセクション118の内径(ID136)部に係合しないように後退され(図25の右方向に移動される)ことができる。この結果、鍛造ダイ126は、セクション136の壁厚(T136)に大きく影響することなく、セクション136の外径を冷却によって減じさせるように、セクション136に沿って引っ張られる。このプロセスの結果の効果によって、キャリアセクション118に沿った位置が与えられる。この位置で、壁厚は、必要とされる構造的な負荷の必要に従って増加又は減少され得る。従って、構造的な負荷能力ほどに付与しないエリアは、比較的薄くされることができ、これによって、組立体の総重量は減じられる。逆に、構造的な負荷能力以上に付与するエリアは、厚くされることができ、これによって、全体的な構造の一体性が改善される。キャリアセクション118の厚さが、重量及びコストを最小にしながら、一体性を最大にする必要性に応じて、キャリアセクションの長さに沿って変更され得ることは理解されるべきである。
【0023】
図26から理解され得るように、以上の動作の結果、前記アクスルチューブハウジング100は、1つの一体的なチューブ状ブランクから鍛造される。かくして、最終的に鍛造されたアクスルチューブハウジング100は、以下のスピンドルセクション120を有する。このスピンドルセクションは、壁厚の異なる断面形状と、ほぼ均一な壁厚を有するキャリアセクション118の第1の部分と、この第1の部分より厚い、ほぼ均一な壁厚を有するキャリアセクション118の第2の部分とを有する。
【0024】
更に、図27に見られるように、アクスルチューブハウジング100のさらなるプロセスは、特定の使用並びに車両のデザインに依存した複数のブラケット溶接工程を有することができる。重要なプロセス工程を減じる1つの特徴は、従来技術によって形成され、未完成で、穿孔されたされていない溶接フランジブラケット18のための代用として、装着孔部を備えた、正確で精密に打ち抜きされたブレーキバッキングプレート180を有する、平らなスチールプレートを提供することである。このプレート180は、確立されたデータに基づいた所定の位置で、アクスルチューブハウジング100に押し付けられる(工程620)。このプレート180は、この後に、さらなるセンタリング又は切削加工を必要としないで、最終的な位置でアクスルチューブハウジング100に溶接される。つまり、通常のフランジ18は、最初にセンタリングされ(厚さは、フランジ18とデータとの間の相対的な距離を確立するように、切削加工されない)、この後、使用の前に穿孔され、バリ取りされなければならない。しかし、前記プレート180は、難しく時間のかかるセンタリングや穿孔されたを必要とせずに、完成された部材としてアクスルチューブハウジング100に都合よく装着されることができる。この結果、ばね座及び緩衝マウント(shock mount)のような残りのアクスルチューブブランケットは、所定の位置で、アクスルチューブハウジング100に溶接されることができる(工程640)。
【0025】
そして最後に、前記アクスルチューブハウジング100は、必要に応じて真っ直ぐにされることができる(工程660)。
【0026】
図27を更に参照すると、前記アクスルチューブハウジング100は、製造プロセスでの必要な最終工程を果たすために切削加工されることができる。この目的のために、スピンドルセクション120は、一方に向けられ(faced)(工程680)、本発明の単一構造のためだが、スピンドルセクション120は、通常の製造プロセスによって必要とされるような、センタリングされる必要がない(全ての連続的なスピンドル回転動作のためのデータラインは、アクスルチューブハウジング100の後端部の中心ラインを通り、精密に打ち抜きされた溶接フランジプレート180のチューブの係合孔部の中心を通って延びているラインによって規定されることができる)。また、キャリアセクション118の第2の端部106は、一方に向けられ、センタリングされる(工程720)。アクスルチューブハウジング100のスピンドルセクション120は、回転並びに/若しくはねじ切りされる(roll threaded)(工程740及び800)。そして最後に、アクスルチューブハウジング100の軸受け面並びにシール面(bearing and seal surfaces)は、仕上げに研削され、鍵形状に切断され、そして、最終的なアクスルチューブハウジング組立体は、洗浄され、錆止めされ、包装され、出荷される(工程840及び860)。
【0027】
前述したことから、本発明の製造方法は、通常の製造方法より多くの利点を与え、本発明が、1つの単一な部材を使用して、アクスルチューブハウジングの構造的な一体性を改良し、複数のセクションの切断、処理、及び溶接の必要性を省き、複雑な機械の必要性を減じ、そして最後に、サイクルの時間及びこれに関連したコストを最小にすることは、この技術における当業者によって理解されるであろう。さらに、粒子レベルにおいて、本発明に係わる製造方法が、この単一構造の効果によって、ハウジングの全長に渡ってほぼ同質の粒状構造を使用し、これによって、より一貫性のある、予測可能な部材が与えられているアクスルチューブハウジングを提供することは理解されるべきである。
【0028】
本発明の説明は、単なる例示であり、かくして、本発明の趣旨から逸れない変形例が、本発明の範囲内で意図される。このような変形例は、本発明の精神と範囲から逸れるように考えられたものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】従来技術の原則に係わるアクスルチューブハウジング組立体の連続した製造工程を示している平面図の1つである。
【図2】従来技術の原則に係わるアクスルチューブハウジング組立体の連続した製造工程を示している平面図の1つである。
【図3】従来技術の原則に係わるアクスルチューブハウジング組立体の連続した製造工程を示している平面図の1つである。
【図4】従来技術の原則に係わるアクスルチューブハウジング組立体の連続した製造工程を示している平面図の1つである。
【図5】従来技術の原則に係わるアクスルチューブハウジング組立体の連続した製造工程を示している平面図の1つである。
【図6】従来技術の原則に係わるアクスルチューブハウジング組立体の連続した製造工程を示している平面図の1つである。
【図7】従来技術の原則に係わるアクスルチューブハウジング組立体の連続した製造工程を示している平面図の1つである。
【図8】従来技術の原則に係わるアクスルチューブハウジング組立体の連続した製造工程を示している平面図の1つである。
【図9】従来技術の原則に係わるアクスルチューブハウジング組立体の連続した製造工程を示している平面図の1つである。
【図10】従来技術の原則に係わるアクスルチューブハウジング組立体の連続した製造工程を示している平面図の1つである。
【図11】従来技術の原則に係わるアクスルチューブハウジング組立体の連続した製造工程を示している平面図の1つである。
【図12】従来技術の原則に係わるアクスルチューブハウジング組立体の連続した製造工程を示している平面図の1つである。
【図13】従来技術の原則に係わるアクスルチューブハウジング組立体の連続した製造工程を示している平面図の1つである。
【図14】従来技術の原則に係わるアクスルチューブハウジング組立体の連続した製造工程を示している平面図の1つである。
【図15】従来技術の原則に係わるアクスルチューブハウジング組立体の連続した製造工程を示している平面図の1つである。
【図16】従来技術の原則に係わるアクスルチューブハウジング組立体の連続した製造工程を示している平面図の1つである。
【図17】従来技術の原則に係わるアクスルチューブハウジング組立体の連続した製造工程を示している平面図の1つである。
【図18】従来技術の原則に係わるアクスルチューブハウジングの連続した製造工程を示しているフローチャートである。
【図19】本発明の原則に従ったアクスルチューブハウジングの連続的な製造工程を示す一連の平面図の1つである。
【図20】本発明の原則に従ったアクスルチューブハウジングの連続的な製造工程を示す一連の平面図の1つである。
【図21】本発明の原則に従ったアクスルチューブハウジングの連続的な製造工程を示す一連の平面図の1つである。
【図22】本発明の原則に従ったアクスルチューブハウジングの連続的な製造工程を示す一連の平面図の1つである。
【図23】本発明の原則に従ったアクスルチューブハウジングの連続的な製造工程を示す一連の平面図の1つである。
【図24】本発明の原則に従ったアクスルチューブハウジングの連続的な製造工程を示す一連の平面図の1つである。
【図25】本発明の原則に従ったアクスルチューブハウジングの連続的な製造工程を示す一連の平面図の1つである。
【図26】本発明の原則に従ったアクスルチューブハウジングの連続的な製造工程を示す一連の平面図の1つである。
【図27】本発明の原則に従ったアクスルチューブハウジング組立体お一連の製造工程を示しているフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンドレルを単一のチューブ状ブランク中に挿入することと、
この単一のチューブ状ブランクの第1のセグメントに、軸方向の圧縮力を与えることと、
前記マンドレル及び鍛造ダイの少なくとも一方と密接するスピンドルセクションを規定するように、前記単一のチューブ状ブランクの第1のセグメントに横の圧縮力を与えることと、
キャリアセクションを規定するように、前記単一のチューブ状ブランクの第2のセグメントの少なくとも一部の壁厚を減じることとを具備する、デファレンシャル組立体のためのアクスルチューブハウジングを製造する方法。
【請求項2】
前記軸方向の圧縮力を与えることによって、前記第1のセグメントを変形する前に、前記単一のチューブ状ブランクの第1のセグメントを加熱することとをさらに具備する請求項1の方法。
【請求項3】
所定の位置で、前記単一のチューブ状ブランクに予め成形されたプレートを装着することをさらに具備し、この装着することの前に、前記予め成形されたプレートは、最終的な厚さを規定する請求項1の方法。
【請求項4】
前記所定の位置で、前記単一のチューブ状ブランクに予め成形されたプレートを装着することは、前記予め成形されたプレートを通る少なくとも1つの孔部を形成することと、
この少なくとも1つの孔部を成形した後に、前記単一のチューブ状ブランクに、前記予め成形されたプレートを溶接することとを有する請求項3の方法。
【請求項5】
前記第1のセグメントを変形することは、冷間加工を有する請求項1の方法。
【請求項6】
前記第1のセグメントを変形することは、温間加工を有する請求項1の方法。
【請求項7】
単一のチューブ状ブランクのスピンドルセグメントを加熱することと、
この単一のチューブ状ブランク中にマンドレルを挿入することと、
この単一のチューブ状ブランクのスピンドルセグメントを変形することと、
鍛造ダイ及び前記マンドレルの少なくとも一方と密接するように、前記単一のチューブ状ブランクのスピンドルセグメントに、横の圧縮力を与えることと、
前記単一のチューブ状ブランクのキャリアセグメントの少なくとも一部の壁厚を減じることとを具備する、デファレンシャル組立体のためのアクスルチューブハウジングを製造する方法。
【請求項8】
所定の位置で、前記単一のチューブ状ブランクに予め一方に向けられ、かつ穿孔されたプレートを装着することをさらに具備する請求項7の方法。
【請求項9】
前記所定の位置で、単一のチューブ状ブランクに予め一方に向けられ、かつ穿孔されたプレートを装着する前記工程は、前記単一のチューブ状ブランクに、前記予め一方に向けられ、かつ穿孔されたプレートを溶接することを有する請求項8の方法。
【請求項10】
前記スピンドルセグメントを変形することは、冷間加工を有する請求項7の方法。
【請求項11】
前記スピンドルセグメントを変形することは、温間加工を有する請求項7の方法。
【請求項12】
単一のチューブ状ブランクのスピンドルセグメントを加熱することと、
この単一のチューブ状ブランク中にマンドレルを挿入することと、
鍛造ダイ及び前記マンドレルの少なくとも一方と密接するように、単一のチューブ状ブランクの前記スピンドルセグメントに圧縮力を与えることと、
前記鍛造ダイを少なくとも使用して、単一のチューブ状ブランクの前記スピンドルセグメントを形成することと、
前記単一のチューブ状ブランクのキャリアセグメントの第1の部分の壁厚を減じることとを具備する、デファレンシャル組立体のためのアクスルチューブハウジングを製造する方法。
【請求項13】
前記単一のチューブ状ブランク中から前記マンドレルを少なくとも部分的に取り出すことと、
前記キャリアセグメントの第2の部分の壁厚が、キャリアセグメントの前記第1の部分の壁厚よりも大きいように、キャリアセグメントの前記第2の部分の外径を減じることとを更に具備する請求項12の方法。
【請求項14】
前記キャリアセグメントの第2の部分の外径を減じることは、冷間加工を有する請求項13の方法。
【請求項15】
所定の位置で、前記単一のチューブ状ブランクに、予め一方に向けられ、かつ穿孔されたプレートを装着することを更に具備する請求項12の方法。
【請求項16】
前記所定の位置で、前記単一のチューブ状ブランクに、予め一方に向けられ、かつ穿孔されたプレートを装着する前記工程は、前記単一のチューブ状ブランクに、前記一方に向けられ、かつ穿孔されたプレートを溶接することを有する請求項15の方法。
【請求項17】
スピンドルセグメントと、
このスピンドルセグメントと一体的に形成されたキャリアセグメントとを具備し、このキャリアセグメントと前記スピンドルセグメントとは、ほぼ同質の粒状構造を有するアクスルチューブハウジング。
【請求項18】
前記スピンドルセグメントは、壁厚を変えることを有する請求項17のアクスルチューブハウジング。
【請求項19】
前記キャリアセグメントは、壁厚を変えることを有する請求項17のアクスルチューブハウジング。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンドレルを単一のチューブ状ブランク中に挿入することと、
この単一のチューブ状ブランクの第1のセグメントに、軸方向の圧縮力を与えることと、
鍛造ダイ及び前記マンドレルの少なくとも一方と密接するスピンドルセクションを規定するように、鍛造ダイを横方向に変位させることによって、前記単一のチューブ状ブランクの第1のセグメントに横方向の圧縮力を与えることと、
キャリアセクションを規定するように、前記鍛造ダイを軸方向に変位させることによって、前記単一のチューブ状ブランクの第2のセグメントの少なくとも一部の壁厚を減じることとを具備する、デファレンシャル組立体のためのアクスルチューブハウジングを製造する方法。
【請求項2】
前記軸方向の圧縮力を与える前に、単一のチューブ状ブランクの前記第1のセグメントを加熱することをさらに具備する請求項1の方法。
【請求項3】
所定の位置で、前記単一のチューブ状ブランクに予め成形されたプレートを装着することをさらに具備し、この予め成形されたプレートは、前記装着することの前に、最終的な厚さを規定する請求項1の方法。
【請求項4】
前記所定の位置で、単一のチューブ状ブランクに予め成形されたプレートを装着する前記工程は、前記予め成形されたプレートを通る少なくとも1つの孔部を形成することと、
この少なくとも1つの孔部を形成した後に、前記単一のチューブ状ブランクに、前記予め成形されたプレートを溶接することとを有する請求項3の方法。
【請求項5】
前記壁厚を減じることは、冷間加工を有する請求項1の方法。
【請求項6】
前記壁厚を減じることは、温間加工を有する請求項1の方法。
【請求項7】
単一のチューブ状ブランクのスピンドルセグメントを加熱することと、
この単一のチューブ状ブランク中にマンドレルを挿入することと、
この単一のチューブ状ブランクの前記スピンドルセグメントを変形することとを具備し、
前記単一のチューブ状ブランクの前記スピンドルセグメントを変形することは、鍛造ダイ及び前記マンドレルの少なくとも一方と密接するように、この鍛造ダイを横方向に変位させることによって、単一のチューブ状ブランクの前記スピンドルセグメントに、横の圧縮力を与えることと、
前記鍛造ダイを軸方向に変位させることによって、単一のチューブ状ブランクのキャリアセグメントの少なくとも一部の壁厚を減じることとを有する、デファレンシャル組立体のためのアクスルチューブハウジングを製造する方法。
【請求項8】
所定の位置で、前記単一のチューブ状ブランクに、予め一方に向けられ、かつ穿孔されたプレートを装着することをさらに具備する請求項7の方法。
【請求項9】
前記所定の位置で、前記単一のチューブ状ブランクに予め一方に向けられ、かつ穿孔されたプレートを装着することは、前記単一のチューブ状ブランクに、前記予め一方に向けられ、かつ穿孔されたプレートを溶接することを有する請求項8の方法。
【請求項10】
前記スピンドルセグメントを変形することは、冷間加工を有する請求項7の方法。
【請求項11】
前記スピンドルセグメントを変形することは、温間加工を有する請求項7の方法。
【請求項12】
単一のチューブ状ブランクのスピンドルセグメントを加熱することと、
この単一のチューブ状ブランク中にマンドレルを挿入することと、
前記単一のチューブ状ブランクの前記スピンドルセグメントに軸方向の圧縮力を与えることと、
前記スピンドルセグメントを、鍛造ダイ及び前記マンドレルの少なくとも一方と密接するように、少なくとも1つの鍛造ダイを使用して、単一のチューブ状ブランクの前記スピンドルセグメントを形成することと、
前記鍛造ダイを軸方向に変位させることによって、前記単一のチューブ状ブランクのキャリアセグメントの第1の部分の壁厚を減じることとを具備する、デファレンシャル組立体のためのアクスルチューブハウジングを製造する方法。
【請求項13】
前記単一のチューブ状ブランク中から前記マンドレルを少なくとも部分的に取り出すことと、
前記キャリアセグメントの第2の部分の壁厚が、キャリアセグメントの前記第1の部分の壁厚よりも厚くなるように、キャリアセグメントの前記第2の部分の内径を減じることとを更に具備する請求項12の方法。
【請求項14】
前記キャリアセグメントの第2の部分の内径を減じることは、冷間加工を有する請求項13の方法。
【請求項15】
所定の位置で、前記単一のチューブ状ブランクに、予め一方に向けられ、かつ穿孔されたプレートを装着することを更に具備する請求項12の方法。
【請求項16】
前記所定の位置で、前記単一のチューブ状ブランクに、予め一方に向けられ、かつ穿孔されたプレートを装着することは、前記単一のチューブ状ブランクに、前記一方に向けられ、かつ穿孔されたプレートを溶接することを有する請求項15の方法。
【請求項17】
単一のチューブ状ブランクを受けるためのマンドレルと、
このマンドレルと同軸で並び、また、前記ブランクの第1のセグメントを横方向に圧縮するために横方向に、並びにこのブランクの第2のセグメントの壁厚を減じるために軸方向に置き換えられるように動作可能な鍛造ダイとを具備する、単一のチューブ状ブランクからアクスルチューブハウジングを形成するための装置。
【請求項18】
前記単一のチューブ状ブランクの第1の端部に係合するようになっている第1のストッパーと、前記単一のチューブ状ブランクの第2の端部に係合するようになっている第2のストッパーとを更に具備し、この第1のストッパーおよび第2のストッパーの少なくとも一方は、前記単一のチューブ状ブランクの少なくとも一部を軸方向に圧縮するように、軸方向に変位させることができる請求項17の装置。
【請求項19】
前記単一のチューブ状ブランクの第1のセグメントを加熱するようになっている過熱部材を更に具備する請求項17の装置。
【請求項20】
前記加熱部材は、誘導加熱部材を含んでいる請求項19の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2006−500218(P2006−500218A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−536528(P2004−536528)
【出願日】平成15年9月11日(2003.9.11)
【国際出願番号】PCT/US2003/028607
【国際公開番号】WO2004/024366
【国際公開日】平成16年3月25日(2004.3.25)
【出願人】(501090308)アメリカン アクスル アンド マニュファクチャリング,インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】