印刷システムおよび印刷データ同期方法
【課題】複数の印刷装置と通信インターフェースを介して接続された情報処理装置上の印刷システムにおいて、情報処理装置上に記憶されている印刷データを容易に利用出来るようにする。
【解決手段】情報処理装置は、システム設定情報記憶領域390に記憶されたシステム設定情報が変化した後、印刷データ記憶領域360に記憶されている各印刷データについて当該システム設定情報を確認する。このシステム設定情報がシステム設定情報記憶領域390に格納されている現在のシステム設定情報と異なる場合に、元画像記憶領域380内の元画像データに対して当該現在のシステム設定情報に基づき、マスクパターンデータ記憶領域365内の指定された台数およびマスクパターンに基づいて当該印刷データを再生成する。
【解決手段】情報処理装置は、システム設定情報記憶領域390に記憶されたシステム設定情報が変化した後、印刷データ記憶領域360に記憶されている各印刷データについて当該システム設定情報を確認する。このシステム設定情報がシステム設定情報記憶領域390に格納されている現在のシステム設定情報と異なる場合に、元画像記憶領域380内の元画像データに対して当該現在のシステム設定情報に基づき、マスクパターンデータ記憶領域365内の指定された台数およびマスクパターンに基づいて当該印刷データを再生成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の印刷装置を用いて1枚の記録媒体に印刷を行う印刷システムに関し、特に複数の印刷装置と通信可能な情報処理装置上で、記憶されている印刷データの同期をとる印刷システムおよび印刷データ同期方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、産業用印刷分野においては、様々なサイズの記録媒体が使用されている。その中でA2判以上(壁紙、ポスター、ダンボール等)のサイズの記録媒体に画像形成を行う方法として、複数のラインプリンタ形態のインクジェット印刷装置を使用する方法がある。例えば、600mm幅の記録媒体に印刷する場合は、4インチ幅のラインプリンタ形態のインクジェット印刷装置を6台使用する構成が想定される。
【0003】
このような複数の印刷装置と通信インターフェースを介して接続された情報処理装置上の印刷システムでは、接続されている印刷装置の台数分に分割された印刷データを生成する機能、生成した印刷データを記憶する機能、隣接する印刷装置の記録領域同士が重なり合う部分の印刷データにマスクパターンを掛ける機能等が想定される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の印刷システムにおいて、接続されている印刷装置の台数やマスクパターンを変更した場合、変更後に生成される印刷データに対しては反映されるが、変更前に記憶されている印刷データに対しては反映されない為、分割数が異なってしまい印刷できない、或いは適正でないマスクパターンで印刷されることにより印刷品位が劣化する、といった問題が生じる。
【0005】
またユーザが、既に生成され記憶部に記憶されている印刷データを印刷したい場合、接続されている印刷装置の台数やマスクパターンを元の設定に戻す、或いは印刷データを生成し直すといった方法が考え得るが、記憶されている印刷データは何台分に分割されているか、どのようなマスクパターンが掛けられているかについて判別する手段がなかった。
【0006】
また、どの印刷データを生成し直さなければならないか分からない為、ユーザが全ての印刷データを再生成しなければならなかった。
【0007】
以上から、接続されている印刷装置の台数やマスクパターンを変更した場合、記憶されている印刷データを利用することは困難であった。
【0008】
本発明はこのような背景においてなされたものであり、複数の印刷装置と通信インターフェースを介して接続された情報処理装置上の印刷システムにおいて、情報処理装置上に記憶されている印刷データを容易に利用出来るようにする印刷システムおよび印刷データ同期方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による印刷システムは、情報処理装置が複数の印刷装置を用いて1枚の記録媒体に印刷を行う印刷システムであって、前記複数の印刷装置のうち、隣接する印刷装置は境界部で互いに重複する重複記録領域を有する。前記情報処理装置は、前記複数の印刷装置の台数と、これらの印刷装置のうち隣接する印刷装置の種々の位置関係に応じて一方の印刷装置の出力ドットをマスクするための特定のマスクパターンを識別するマスクパターン識別情報とをシステム設定情報として記憶するシステム設定情報記憶部と、元画像データに基づいて各印刷装置に与えるべき印刷データを生成する印刷データ生成部と、生成された印刷データを記憶する印刷データ記憶部と、前記生成された各印刷データに対応して当該印刷データが生成された際の前記システム設定情報を関連情報として記憶する関連情報記憶部と、隣接する印刷装置の種々の位置関係に応じた複数のマスクパターンを記憶した記憶部と、前記システム設定情報記憶部に記憶されたシステム設定情報が変化した後、前記印刷データ記憶部に記憶されている各印刷データについて当該システム設定情報を確認し、このシステム設定情報が前記システム設定情報記憶部に格納されている現在のシステム設定情報と異なる場合に、前記元画像データに対して当該現在のシステム設定情報に基づき指定された台数およびマスクパターンに基づいて当該印刷データを再生成して前記印刷データ記憶部内の当該印刷データを更新するとともに前記関連情報記憶部の当該内容を更新する印刷データ再生成部とを有する。
【0010】
情報処理装置は、既に生成済みの印刷データについて、それが生成された際のシステム設定情報(関連情報)を共に記憶しておき、システム設定情報記憶部に記憶されたシステム設定情報が変化した後、前記印刷データ記憶部に記憶されている各印刷データについて当該システム設定情報を確認し、このシステム設定情報が前記システム設定情報記憶部に格納されている現在のシステム設定情報と異なる場合に、前記元画像データに対して当該現在のシステム設定情報に基づき指定された台数およびマスクパターンに基づいて当該印刷データを再生成する。これにより、印刷データ記憶部に記憶されている生成済みの印刷データについて、システム設定情報の変化後に、新たなシステム設定に合うように同期化が行われる。
【0011】
この印刷システムにおいて、さらに、印刷データ記憶部内の印刷データを当該関連情報とともに外部の記憶装置にバックアップのため転送するバックアップ部と、バックアップされた印刷データおよび当該関連情報をそれぞれ前記印刷データ記憶部および前記関連情報記憶部に復帰させるリストア部とをさらに備える場合、前記印刷データ再生成部は、前記リストア部により印刷データの復帰が行われる際、復帰される各印刷データについて当該システム設定情報を確認し、このシステム設定情報が前記システム設定情報記憶部に格納されている現在のシステム設定情報と異なる場合に、前記元画像データに対して当該現在のシステム設定情報に基づき指定された台数およびマスクパターンに基づいて当該印刷データを再生成して前記印刷データ記憶部内に格納するとともに前記現在のシステム設定情報を前記関連情報記憶部に格納する。これにより、外部の記憶装置にバックアップした印刷データについても、その復帰時に、現在のシステム設定と異なるシステム設定で生成されている印刷データについて、新たなシステム設定に合うように同期化が行われる。
【0012】
本発明による印刷データ同期方法は、境界部で互いに重複する重複記録領域を有する複数の印刷装置を用いて1枚の記録媒体に印刷を行う印刷システムにおける印刷データ同期方法であって、印刷システムの構築時および変更時に、前記複数の印刷装置の台数と、これらの印刷装置のうち隣接する印刷装置の種々の位置関係に応じて一方の印刷装置の出力ドットをマスクするための特定のマスクパターンを識別するマスクパターン識別情報とをシステム設定情報として記憶するステップと、元画像データに基づいて各印刷装置に与えるべき印刷データを生成するステップと、生成された印刷データとともに、この生成された印刷データに対応して当該印刷データが生成された際の前記システム設定情報を関連情報として記憶するステップと、前記記憶されたシステム設定情報が変化した後、印刷データ記憶部に記憶されている各印刷データについて当該システム設定情報を確認するステップと、この確認されたシステム設定情報が前記記憶されている現在のシステム設定情報と異なる場合に、前記元画像データに対して当該現在のシステム設定情報に基づき指定された台数およびマスクパターンに基づいて当該印刷データを再生成するステップとを備えたことを特徴とする。これにより、印刷データ記憶部に記憶されている生成済みの印刷データについて、システム設定情報の変化後に、新たなシステム設定に合うように同期化が行われる。
【0013】
上記印刷データ同期方法において、さらに、印刷データ記憶部内の印刷データを当該関連情報とともに外部の記憶装置にバックアップのため転送するステップと、バックアップされた印刷データを当該関連情報とともに前記印刷データ記憶部に復帰させるステップと、前記リストア部により印刷データの復帰が行われる際、復帰される各印刷データについて当該システム設定情報を確認し、このシステム設定情報が前記システム設定情報記憶部に格納されている現在のシステム設定情報と異なる場合に、前記元画像データに対して当該現在のシステム設定情報に基づき指定された台数およびマスクパターンに基づいて当該印刷データを再生成して前記印刷データ記憶部内に格納するとともに前記現在のシステム設定情報を前記関連情報記憶部に格納するステップとを備えてもよい。これにより、外部の記憶装置にバックアップした印刷データについても、その復帰時に、現在のシステム設定と異なるシステム設定で生成されている印刷データについて、新たなシステム設定に合うように同期化が行われる。
【0014】
前記関連情報を記憶するステップにおいて、印刷データのファイル名、印刷装置の台数、マスクパターン識別情報は、例えば、1レコードとして記憶する。これにより印刷データ毎に、その分割数および必要なマスクパターンを特定することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、生成済みの印刷データの記憶時にその生成時のシステム設定情報を共に記憶しておくことにより、システム設定の変化時や外部にバックアップしていた印刷データの復帰時に、現在のシステム設定情報と各印刷データのシステム設定情報を比較して、システム設定情報の一致/不一致をシステムが判断して、不一致時に印刷データの再生成を行うことができる。これにより、ユーザは各印刷データについてそのシステム設定を意識することなく、現在のシステム設定に合った印刷を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は本実施の形態に係る印刷システム200の概略構成を、情報処理装置であるPC100とともに示したものである。この印刷システム200は、複数(ここでは6台)の印刷装置201〜206からなり、これらがそれぞれ個別の通信インタフェース201a〜206a(例えばUSB:Universal Serial Bus)を介してPC100と接続されている。通信インタフェースとしては、ネットワークケーブル、USBケーブル、無線LAN等を採用することが出来る。PC100は、印刷対象の画像データを分割して印刷データとして印刷装置201〜206に送る。
【0018】
記録媒体Pは、媒体搬送装置(図3で後述)によって図1中の矢印方向に搬送される。印刷装置201〜206は、その記録媒体Pの幅方向に並ぶように配置され、記録媒体Pの幅方向における異なる領域(幅部分)の記録を分担して行うよう構成されている。すなわち、印刷装置201〜206は、共同して一つの画像を形成する印刷システムを構成している。印刷装置201〜206を記録媒体の幅方向に並べる際には、隣接する記録ヘッドの端部の数ドットが相互に重なるように千鳥状に配置する。この場合、記録ヘッドは記録媒体搬送方向と直交する方向に配置された複数のノズルを有するラインヘッドである。各記録ヘッドの端部における重複記録領域内のどのノズルまでを有効にするかは予め定めておくことにより、隣接する記録ヘッドの境界において画像に空白および重複が生じないように制御することができる。
【0019】
本実施の形態における印刷装置201〜206の各々は、独立したエンジンであるプリンタユニット(印刷装置)を構成し、記録媒体Pの幅方向にノズル列が延在するインクジェット記録ヘッドを備えており、PC100から受信する画像データに基づいて、インクジェット記録ヘッドからインクを吐出する。この例では、フルカラーの画像を記録すべく、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)のインクを吐出するための4つのインクジェット記録ヘッドを並列配置している。
【0020】
このように複数の独立した印刷装置201〜206を組み合わせて用いることにより、1個の印刷装置の記録幅を単位記録幅(例えば4インチ)として、利用する印刷装置の個数を変えて、種々の用紙幅に対応した印刷システムを構成できる。また、個々の印刷装置の故障や不具合が発生したときには、当該印刷装置のみを交換することができる。そのため、システム全体が大きくなってもメンテナンスコストが比較的に軽減される。このような印刷システムは業務用の用途に適している。
【0021】
図2に、隣接する印刷装置の同一インク色(図ではK)の記録ヘッドのノズル列の相互の位置関係を示す。ヘッドユニットなどの取り付け誤差等により記録ヘッドの横方向の相互の位置関係がずれた場合に対応するため、隣接する記録ヘッドの相互に重複する端部(重複記録領域)にレジ調整用のノズル群が設けられている。図では説明の簡略化のためレジ調整用のノズル群の個数が8個の場合を示すが、これに限るものではない。両記録ヘッドで位置的に重複しているノズルについては、いずれか一方のノズルが印刷を担当するよう、ノズルの記録データが後述するマスクパターンによりマスクされる。
【0022】
例えば、図2(a)はヘッドユニットの取り付け誤差等がない場合を示しており、図示の例では、画像230の左側部分237を左側の記録ヘッド220Lのノズル群234で記録し、画像230の右側部分238を右側の記録ヘッド220Rのノズル群236で記録している。(なお、220L,220Rという表記におけるL,Rは隣接する1対の記録ヘッドの一方を示すための相対的な表記であり、特定の記録ヘッドは同時に220Lにも220Rにもなりうる。)両記録ヘッドのレジ調整用のノズル群で使用されないノズルに対する印刷データはマスクされる。この例では、記録ヘッド220Lのノズル群233および記録ヘッド220Rのノズル群235の印刷データはマスクされる(図中、白丸で表したノズルがマスクされる)。
【0023】
図2(b)に示すように、記録ヘッド220Lが左方向に1ドットずれていた場合は、画像230の左側部分237をノズル群234の右から3ノズルと、ノズル群233の一番左の1ノズルを使用して記録する。画像230の右側部分238は図2(a)の場合と同様、右側の記録ヘッド220Rのノズル群236で記録している。この場合も両記録ヘッドのレジ調整用のノズル群で使用されないノズルに対する印刷データはマスクされる。
【0024】
図3は図1に示したPC100の内部構成例を示している。PC100は、本実施の形態では、オペレーティングシステムの制御下において、画像データを生成するアプリケーション(プログラム)や印刷制御プログラム(プリンタドライバ)等を実行する。本例においては、オペレーティングシステムとして「Windows(登録商標)」を用いる。具体的には、PC100は、その各部の制御を行う制御部を構成するCPU(Central Processing Unit)102と、このCPU102用の作業領域および一時記憶領域を提供するメモリであるRAM(Random Access Memory)103と、CPU102が初期的に実行するブートプログラム等を格納する不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)104とを備え、これらはシステムバス109を介して相互に接続されている。表示装置であるディスプレイ110はビデオインタフェース108を介してシステムバス109に接続されている。ポインティングデバイスの一種であるマウス111は、マウスインタフェース105を介してシステムバス109に接続されている。オペレーティングシステムや各種プログラムが格納されている大容量の外部記憶装置であるハードディスク装置113は、ハードディスクインタフェース107を介してシステムバス109に接続されている。また、システムバス109はプリンタインタフェース101(上述した通信インタフェース201a〜206aに対応)を介して印刷装置201〜206に接続される。
【0025】
PC100において、印刷システム200を制御する場合は、ハードディスク装置113に格納されているプログラムがRAM103にロードされてCPU102によって実行される。
【0026】
図4に、図1の印刷システム200の一部である印刷装置201の構成例を示す。また、各印刷装置に共通の媒体搬送装置218とPC100とを併せて示す。印刷装置202〜206の各々の構成は印刷装置201と同じであり、図示を省略する。
【0027】
CPU210はこの印刷装置201の全体の動作を制御する制御部を構成し、バスを介してメモリコントローラ212、インタフェースコントローラ213、プログラムROM214、ワークRAM215、EEPROM216、記録ヘッド制御回路219、I/Oポート221と接続されている。
【0028】
メモリコントローラ212は、印刷データを格納するメモリであるVRAM211に接続され、CPU210の制御下でVRAM211への印刷データの書き込みを行うとともに、同期化回路217からの出力信号に同期してVRAM211からの読み出しを行う。同期化回路217は、媒体搬送装置218での記録媒体の搬送状態に同期してメモリコントローラ212への信号を生成する機能を有する。媒体搬送装置218は記録媒体の最大幅に対応したものを全印刷装置で共有するか、あるいは、個々の印刷装置の搬送装置を連動して動作するよう構成する。なお、同期化回路217の「同期化」は本発明における印刷データの同期化とは直接関係ないので、留意されたい。
【0029】
インタフェースコントローラ213は、CPU210の制御下で、PC100と通信インタフェース(図ではUSBの例)を介してデータ通信を行う部位である。
【0030】
プログラムROM214は、この印刷装置201の動作を実現するためのコンピュータプログラムを格納した不揮発性のメモリである。ワークRAM215は、CPU210により利用されるワーク領域やデータの一時記憶領域を提供する読み書き可能なメモリである。EEPROM216は、再書き込み可能な不揮発性のメモリであり、例えばユーザの設定データなどを不揮発的に記録するために利用される。
【0031】
記録ヘッド制御回路219は、CPU210の制御下で、メモリコントローラ212からの印刷データを受信し、CMYKの各色の記録ヘッド220へ、対応する印刷データを転送する。
【0032】
I/Oポート221は、CPU210の制御下で、モータ駆動部222に制御信号を与えて、キャッピングモータ223やポンプモータ224のような外部の出力装置を制御する。キャッピングモータ223は、不使用時に記録ヘッド220にキャップをしてインクの乾燥を防ぐための機構を駆動する動力源である。ポンプモータ224は記録ヘッド中のインクに圧力を掛けて記録ヘッドの回復動作等を行うための動力源である。
【0033】
図5は、本実施の形態に係るPC100上で動作するアプリケーション300の概略構成を示したものである。このアプリケーション300は、印刷データ登録部310、転送部320、メンテナンス部330、バックアップ部340、リストア部350の各機能部を有する。
【0034】
印刷データ登録部310は、元画像記憶領域380に記憶されている印刷対象の元画像データ(例えばPDFファイル)からRGBデータ、さらにはCMYKへの画像データ形式の変換、およびCMYKから印刷データの生成を行う。この際、マスクパターンデータ記憶領域365に格納されているマスクパターンデータの中から指定されたマスクパターンを選択して、各記録ヘッド端部のレジ調整用ノズル群に対応するデータに適用する。印刷データは、印刷装置に対する命令および画像(CMYK)データがシステム設定情報記憶領域390に記憶されている印刷装置台数分だけ記述されているファイルになる。印刷データを生成後、印刷データの圧縮(圧縮方式としては例えば、"PackBits")を行い、印刷データ記憶領域360に保存する。その際、印刷データのファイル名と、システム設定情報記憶領域390に記憶されている印刷装置台数とマスクパターン値を関連情報記憶領域370に保存する。なお、元画像はPC100内で生成されるか、または、外部からPC100内に取り込まれたものである。
【0035】
転送部320は、印刷データ記憶領域360に保存されている中からユーザが選択した印刷データを取り出し、各印刷装置201〜206と接続されているUSBポート114に印刷データを分割して出力する。印刷装置201〜206では、受信した印刷データを解凍し、データの内容を解読して動作する。
【0036】
メンテナンス部330は、各印刷装置にメンテナンスを行う命令を送る。メンテナンスは記録ヘッドのクリーニング処理、印刷装置間記録ヘッド同士および印刷装置内記録ヘッド同士のレジストレーション調整(レジ調整)等を含む。また、印刷装置台数の設定、マスクパターン値の設定を変更したときには、それらの新たな情報をシステム設定情報記憶領域390に保存する。
【0037】
バックアップ部340は、印刷データを待避するための機能部であり、印刷データ記憶領域360に保存されている印刷データと関連情報記憶領域370に保存されているデータを外部の記憶装置395(例えばHDD、あるいはDVD、CD−ROM等)にバックアップする。この例では、バックアップされたデータはPC100内から消去される。
【0038】
リストア部350は、バックアップ部340によって外部の記憶装置395にバックアップされたデータを、印刷データ記憶領域360と関連情報記憶領域370にリストア(復帰)するための機能部である。
【0039】
なお、記憶領域365,370,380,390は、別個の記憶装置内の記録領域であっても、単一の記憶装置内の異なる記憶領域であってもよい。
【0040】
図6(a)はシステム設定情報記憶領域390の記憶内容を示している。本実施の形態では、システム設定情報記憶領域390には、印刷システム200を構成する印刷装置の台数を表す「印刷装置台数」と、隣接する印刷装置間のつなぎ部に適用されるマスクパターンに対応する「マスクパターン識別情報」が記憶される。マスクパターンは1対の印刷装置の境界のつなぎ目に1組適用されるので、n台の印刷装置の場合には、(n−1)組のマスクパターンが適用される。図6(a)では(n−1)個のマスクパターンM1,M2,・・・Mnをマスクパターン識別情報としている。「マスクパターン識別情報」はつなぎ補正値であっても、マスクパターンの通し番号等の数値であっても、あるいはマスクパターン値そのものであってもよい。1組のマスクパターンは、それに対応する1個の数値すなわちつなぎ補正値で表わすことができる。この例では、つなぎ補正値は「−3から+5」の範囲で0.25きざみの数値で表される。したがって、「つなぎ補正値」はマスクパターン識別情報として用いることもできる。
【0041】
図6(b)は、関連情報記憶領域370の記憶内容を示している。本実施の形態では、関連情報記憶領域370は、印刷データ毎に1レコードを記憶する。各レコードには、「レコードNo.」と、印刷データの元画像データを識別するためのファイル名等の「元画像データID」と、元画像データから生成された印刷データを識別するためのファイル名等の「印刷データID」と、当該印刷データの生成時の印刷装置の台数を表す「印刷装置台数」と、当該印刷データに適用されるマスクパターンを定める「マスクパターン識別情報」とを含む。
【0042】
図7により各つなぎ補正値と、それに対応するマスクパターンの構成例を示す。この例は、図7(b)に示すように、記録ヘッド220Lと220Rの重複するレジ調整用ノズル群の個数は各ヘッドあたり16個の場合を示している。図7(a)は本実施の形態における隣接する1対の記録ヘッドのつなぎ目における両記録ヘッドの重複記録領域(レジ調整用ノズル群)に対して予め定めたマスクパターンとして、33組のマスクパターンの例を表している。記録ヘッド220Lの16個のレジ調整用ノズル群に対するマスクパターン値(左−左、および左−右)は2桁の16進数(2進数で16ビット)で表している。同様に、記録ヘッド220Rの16個のレジ調整用ノズル群に対するマスクパターン値(右−左、および右−右)も2桁の16進数(2進数で16ビット)で表している。
【0043】
具体的に、ある1対の記録ヘッドのつなぎ目に対してどのマスクパターンを適用するかは、つなぎ補正値のテストパターン印刷を行った結果に基づいて決めることができる。つなぎ補正値のテストパターン印刷では、上述した「−3から+5」の各つなぎ補正値による実際のサンプルが出力される。そのサンプルを目視、或いは検査用装置を使ってつなぎ目が目立たないサンプルの補正値に設定する。
【0044】
図8は、本実施の形態において、PC100の表示部に表示されるつなぎ補正画面の一例を示している。このつなぎ補正画面700は、ユーザが印刷システム200の印刷装置間の各つなぎ目のつなぎ補正値を確認したり、修正したりするためのユーザインタフェース画面である。この画面には、印刷装置の台数および配置を模擬的に示す表示領域701を有する。図の例は、図1の場合に対応して印刷システムは6台の印刷装置により構成された場合に対応している。したがって、5個のつなぎ目が存在し、各つなぎ目について、各インク色の記録ヘッド毎に「つなぎ補正値」の表示欄602およびそのスライダコントロール部703が表示されている。画面右下の「取得」ボタンが指示されると、システム設定情報記憶領域390に設定されている印刷装置台数およびつなぎ補正値が取得されて、この画面に反映される。その後、この画面のいずれかのつなぎ補正値が修正されたときには、「OK」ボタンが使用可となる。この「OK」ボタンの押下により、この画面で設定された新たなつなぎ補正値により、システム設定情報記憶領域390の内容が更新される。つなぎ補正値の修正は、印刷装置(ヘッド)や搬送装置の設置を行った場合に必要となる。「OK」ボタンが押下される前に「キャンセル」ボタンが押されたら、何もせずにこの画面が閉じられる。
【0045】
図9は、PC100において、メンテナンス部330により、印刷装置台数、またはいずれかのマスクパターン識別情報が変更された場合に実行される処理を表すフローチャートである。この処理はCPU102によるプログラム実行により実現される。後述する他のフローチャートの処理についても同様である。
【0046】
まず、システム設定情報記憶領域390に保存されている印刷装置台数またはマスクパターン識別情報を確認する(S11)。次に、印刷データ記憶領域に保存されている印刷データ全件に対して、S13〜S18のループ処理を行う(S12,S19)。
【0047】
印刷データ記憶領域360に保存されている印刷データについて、対応する関連情報を、関連情報記憶領域370(図6)から取得する(S13)。関連情報を取得する際には、印刷データのファイル名をキーとして関連情報記憶領域370を検索する。
【0048】
取得した関連情報の印刷装置台数およびマスクパターン識別情報を、システム設定情報記憶領域390に保存されている印刷装置台数およびマスクパターン識別情報とそれぞれ比較する(S14)。いずれかが変更されている場合は、S15〜S18の処理を行う。変更されていない場合は印刷データ再生成の必要がない為、S15〜S18を迂回してS19へ移行する。
【0049】
変更されている場合は、まず、印刷データ再生成の前に、ユーザに再生成をしてよいかメッセージボックスなどを出力して確認し、その確認結果を受け付ける(S15)。再生成が必要なデータの場合、毎回メッセージで確認するのではなく、1回目だけ確認し、OKなら以降の再生成が必要なデータについては確認しないで再生成を行うようにしてもよい。
【0050】
ユーザの確認の後、印刷データ再生成処理を実行する(S16)。この処理の詳細については後で詳述する。ついで、印刷データ記憶領域360に保存されている印刷データを再生成した印刷データに更新する(S17)。さらに、再生成した印刷データに対応する関連情報をシステム設定情報記憶領域390に保存されている印刷装置台数およびマスクパターン識別情報に更新する(S18)。
【0051】
図9の処理では、印刷データの登録データ数分のすべてについて処理を行うようにしたが、初期設定またはその都度のユーザの指定により特定の印刷データについてのみ処理を行うようにしてもよい。
【0052】
図10は、リストア部350により、バックアップされた印刷データ等をリストアする処理を表すフローチャートである。まず、システム設定情報記憶領域390に保存されているデータ、すなわち印刷装置台数およびマスクパターン識別情報を取得する(S21)。次に、バックアップされている印刷データ全件に対して、S23〜S28のループ処理を行う(S22、S29)。
【0053】
ループ処理では、まず、バックアップされている印刷データの関連情報を取得する(S23)。関連情報を取得する際には、印刷データのファイル名をキーとして検索する。取得した関連情報の印刷装置台数およびマスクパターン識別情報を、システム設定情報記憶領域に保存されている印刷装置台数およびマスクパターン識別情報と比較する(S24)。変更されていない場合は印刷データ再生成の必要がない為、S29へ移行する。なお、印刷装置の台数が変化すれば必然的にマスクパターン識別情報の個数や値が変化するので、システム設定の変化の検出には、マスクパターン識別情報のみを比較するようにしてもよい。変更されている場合は、S25〜S27の処理を行う。
【0054】
印刷データ再生成の前に、ユーザに再生成をしてよいかメッセージボックスなどを出力してユーザ確認結果を受け付ける(S25)。再生成が必要なデータの場合、毎回メッセージで確認するのではなく、1回目だけ確認し、OKなら以降の再生成が必要なデータについては確認しないで再生成を行ってもよい。
【0055】
そこで、印刷データ再生成を実行する(S26)。ついで、再生成した印刷データを印刷データ記憶領域360に登録する(S27)。関連情報記憶領域370に、再生成した印刷データのファイル名と、システム設定情報記憶領域に保存されている印刷装置台数およびマスクパターン識別情報を登録する(S28)。
【0056】
図9のS16および図10のS26の「印刷データ再生成」の詳細な処理フローを図11に示す。また、この処理の概要を図12に示す。
【0057】
まず、印刷対象の元画像のデータを取得する(S31)。この例では、元画像はPDFフォーマットの画像である(図12(a))。この元画像データをラスタデータ(図12(b))に展開するRIP処理を行う(S32)。ついで、印刷可能な最大幅に基づいて、画像サイズをチェックする(S33)。印刷可能な最大幅は次式で求められる。
【0058】
印刷可能な最大幅=印刷装置の印刷幅×台数
サイズエラーであれば、変倍するか否かをユーザに確認し、または初期設定に基づき判断する(S41)。変倍する場合には、画像変倍処理を行う(S42)。例えば、画像の横幅が印刷可能な最大幅を超える場合には、画像幅が印刷可能最大幅に収容されるように、画像を縮小する。変倍を行わない場合は図11の処理を終了する。なお、S42の処理は必須ではなく、常にサイズエラーとして処理を終了する実施の形態も考えられる。
【0059】
画像サイズのチェック結果がOKであれば、バンディング処理を行う(S34)。このバンディング処理は、以下のループ処理の負荷を軽減するために、図12(c)に示すように所定のラスタ数分の画像領域(バンド)に分割する処理である。
【0060】
バンディング処理の後、各バンドについて、以下のループ処理を実行する(S35,S40)。
【0061】
ループ処理内では、まず、上記画像サイズチェックの結果に基づいて、印刷対象の画像のサイズが印刷可能な最大幅より小さい場合には、画像を記録媒体の中央に位置させるために、画像の左右に空白領域を挿入するよう、センタリングを行う(S36)。次に、各画素のRGB値を印刷用のCMYK値に変換する(S37)。ついで、図12(d)に示すように、画像データを印刷装置の台数分に縦割りに分割する(S38)。このとき、各印刷装置の端部のつなぎ目において、隣接する印刷装置とデータが重複するように分割を行う。このように縦割りデータ分割の後、つなぎ目のレジ調整用ノズル群に対する画像データを、そのつなぎ目に対して指定されたマスクパターンでマスクする(S39)。これにより、当該バンドについて各印刷装置に転送する印刷データ(印刷コマンド+分割データ)が完成する。また、すべてのバンドの処理が終了したら、印刷データが完成する。
【0062】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、上記で言及した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。例えば、1台の印刷装置で用いる記録ヘッドの個数は6個としたが、これより少なくても多くてもよい。また、インクジェット記録方式の印刷装置について説明したが、記録方式はインクジェットに限るものではない。さらに、各印刷装置は記録ヘッドとしてラインヘッドを用いる例を示したが、記録媒体操作方向に走査されるシリアル型の記録ヘッドを用いるものであってもよい。元画像はPDFフォーマットの画像としたが、これに限るものではない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態に係る印刷システムの概略構成を、情報処理装置であるPCとともに示した図である。
【図2】図1の印刷システムにおいて隣接する印刷装置の同一インク色(図ではK)の記録ヘッドのノズル列の相互の位置関係を示す図である。
【図3】図1に示したPCの内部構成例を示す図である。
【図4】図1の印刷システムの一部である印刷装置の構成例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るPC上で動作するアプリケーションの概略構成を示した図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるシステム設定情報記憶領域および関連情報記憶領域の記憶内容を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における各つなぎ補正値と、それに対応するマスクパターンの構成例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態においてPC内の表示部に表示されるつなぎ補正画面の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態においてPC内のメンテナンス部により、印刷装置台数、またはいずれかのマスクパターン識別情報が変更された場合に実行される処理を表すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態においてPC内のリストア部によりバックアップされた印刷データをリストアする処理を表すフローチャートである。
【図11】図9のS16および図10のS26の「印刷データ再生成」の詳細な処理フローを示すフローチャートである。
【図12】図11の処理の概要の説明図である。
【符号の説明】
【0064】
100…PC
101…プリンタインタフェース
200…印刷システム
201〜206…印刷装置
201a〜206a…通信インタフェース
212…メモリコントローラ
213…インタフェースコントローラ
218…媒体搬送装置
219…記録ヘッド制御回路
220,220L,220R…記録ヘッド
221…I/Oポート
230…画像
233〜236…レジ調整用ノズル群
237…画像の左側部分
238…画像の右側部分
300…アプリケーション
310…印刷データ登録部
320…転送部
330…メンテナンス部
340…バックアップ部
350…リストア部
360…印刷データ記憶領域
365…マスクパターンデータ記憶領域
370…関連情報記憶領域
380…元画像記憶領域
390…システム設定情報記憶領域
395…記憶装置
602…表示欄
700…補正画面
701…表示領域
703…スライダコントロール部
P…記録媒体
M1,M2,・・・Mn…マスクパターン
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の印刷装置を用いて1枚の記録媒体に印刷を行う印刷システムに関し、特に複数の印刷装置と通信可能な情報処理装置上で、記憶されている印刷データの同期をとる印刷システムおよび印刷データ同期方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、産業用印刷分野においては、様々なサイズの記録媒体が使用されている。その中でA2判以上(壁紙、ポスター、ダンボール等)のサイズの記録媒体に画像形成を行う方法として、複数のラインプリンタ形態のインクジェット印刷装置を使用する方法がある。例えば、600mm幅の記録媒体に印刷する場合は、4インチ幅のラインプリンタ形態のインクジェット印刷装置を6台使用する構成が想定される。
【0003】
このような複数の印刷装置と通信インターフェースを介して接続された情報処理装置上の印刷システムでは、接続されている印刷装置の台数分に分割された印刷データを生成する機能、生成した印刷データを記憶する機能、隣接する印刷装置の記録領域同士が重なり合う部分の印刷データにマスクパターンを掛ける機能等が想定される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の印刷システムにおいて、接続されている印刷装置の台数やマスクパターンを変更した場合、変更後に生成される印刷データに対しては反映されるが、変更前に記憶されている印刷データに対しては反映されない為、分割数が異なってしまい印刷できない、或いは適正でないマスクパターンで印刷されることにより印刷品位が劣化する、といった問題が生じる。
【0005】
またユーザが、既に生成され記憶部に記憶されている印刷データを印刷したい場合、接続されている印刷装置の台数やマスクパターンを元の設定に戻す、或いは印刷データを生成し直すといった方法が考え得るが、記憶されている印刷データは何台分に分割されているか、どのようなマスクパターンが掛けられているかについて判別する手段がなかった。
【0006】
また、どの印刷データを生成し直さなければならないか分からない為、ユーザが全ての印刷データを再生成しなければならなかった。
【0007】
以上から、接続されている印刷装置の台数やマスクパターンを変更した場合、記憶されている印刷データを利用することは困難であった。
【0008】
本発明はこのような背景においてなされたものであり、複数の印刷装置と通信インターフェースを介して接続された情報処理装置上の印刷システムにおいて、情報処理装置上に記憶されている印刷データを容易に利用出来るようにする印刷システムおよび印刷データ同期方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による印刷システムは、情報処理装置が複数の印刷装置を用いて1枚の記録媒体に印刷を行う印刷システムであって、前記複数の印刷装置のうち、隣接する印刷装置は境界部で互いに重複する重複記録領域を有する。前記情報処理装置は、前記複数の印刷装置の台数と、これらの印刷装置のうち隣接する印刷装置の種々の位置関係に応じて一方の印刷装置の出力ドットをマスクするための特定のマスクパターンを識別するマスクパターン識別情報とをシステム設定情報として記憶するシステム設定情報記憶部と、元画像データに基づいて各印刷装置に与えるべき印刷データを生成する印刷データ生成部と、生成された印刷データを記憶する印刷データ記憶部と、前記生成された各印刷データに対応して当該印刷データが生成された際の前記システム設定情報を関連情報として記憶する関連情報記憶部と、隣接する印刷装置の種々の位置関係に応じた複数のマスクパターンを記憶した記憶部と、前記システム設定情報記憶部に記憶されたシステム設定情報が変化した後、前記印刷データ記憶部に記憶されている各印刷データについて当該システム設定情報を確認し、このシステム設定情報が前記システム設定情報記憶部に格納されている現在のシステム設定情報と異なる場合に、前記元画像データに対して当該現在のシステム設定情報に基づき指定された台数およびマスクパターンに基づいて当該印刷データを再生成して前記印刷データ記憶部内の当該印刷データを更新するとともに前記関連情報記憶部の当該内容を更新する印刷データ再生成部とを有する。
【0010】
情報処理装置は、既に生成済みの印刷データについて、それが生成された際のシステム設定情報(関連情報)を共に記憶しておき、システム設定情報記憶部に記憶されたシステム設定情報が変化した後、前記印刷データ記憶部に記憶されている各印刷データについて当該システム設定情報を確認し、このシステム設定情報が前記システム設定情報記憶部に格納されている現在のシステム設定情報と異なる場合に、前記元画像データに対して当該現在のシステム設定情報に基づき指定された台数およびマスクパターンに基づいて当該印刷データを再生成する。これにより、印刷データ記憶部に記憶されている生成済みの印刷データについて、システム設定情報の変化後に、新たなシステム設定に合うように同期化が行われる。
【0011】
この印刷システムにおいて、さらに、印刷データ記憶部内の印刷データを当該関連情報とともに外部の記憶装置にバックアップのため転送するバックアップ部と、バックアップされた印刷データおよび当該関連情報をそれぞれ前記印刷データ記憶部および前記関連情報記憶部に復帰させるリストア部とをさらに備える場合、前記印刷データ再生成部は、前記リストア部により印刷データの復帰が行われる際、復帰される各印刷データについて当該システム設定情報を確認し、このシステム設定情報が前記システム設定情報記憶部に格納されている現在のシステム設定情報と異なる場合に、前記元画像データに対して当該現在のシステム設定情報に基づき指定された台数およびマスクパターンに基づいて当該印刷データを再生成して前記印刷データ記憶部内に格納するとともに前記現在のシステム設定情報を前記関連情報記憶部に格納する。これにより、外部の記憶装置にバックアップした印刷データについても、その復帰時に、現在のシステム設定と異なるシステム設定で生成されている印刷データについて、新たなシステム設定に合うように同期化が行われる。
【0012】
本発明による印刷データ同期方法は、境界部で互いに重複する重複記録領域を有する複数の印刷装置を用いて1枚の記録媒体に印刷を行う印刷システムにおける印刷データ同期方法であって、印刷システムの構築時および変更時に、前記複数の印刷装置の台数と、これらの印刷装置のうち隣接する印刷装置の種々の位置関係に応じて一方の印刷装置の出力ドットをマスクするための特定のマスクパターンを識別するマスクパターン識別情報とをシステム設定情報として記憶するステップと、元画像データに基づいて各印刷装置に与えるべき印刷データを生成するステップと、生成された印刷データとともに、この生成された印刷データに対応して当該印刷データが生成された際の前記システム設定情報を関連情報として記憶するステップと、前記記憶されたシステム設定情報が変化した後、印刷データ記憶部に記憶されている各印刷データについて当該システム設定情報を確認するステップと、この確認されたシステム設定情報が前記記憶されている現在のシステム設定情報と異なる場合に、前記元画像データに対して当該現在のシステム設定情報に基づき指定された台数およびマスクパターンに基づいて当該印刷データを再生成するステップとを備えたことを特徴とする。これにより、印刷データ記憶部に記憶されている生成済みの印刷データについて、システム設定情報の変化後に、新たなシステム設定に合うように同期化が行われる。
【0013】
上記印刷データ同期方法において、さらに、印刷データ記憶部内の印刷データを当該関連情報とともに外部の記憶装置にバックアップのため転送するステップと、バックアップされた印刷データを当該関連情報とともに前記印刷データ記憶部に復帰させるステップと、前記リストア部により印刷データの復帰が行われる際、復帰される各印刷データについて当該システム設定情報を確認し、このシステム設定情報が前記システム設定情報記憶部に格納されている現在のシステム設定情報と異なる場合に、前記元画像データに対して当該現在のシステム設定情報に基づき指定された台数およびマスクパターンに基づいて当該印刷データを再生成して前記印刷データ記憶部内に格納するとともに前記現在のシステム設定情報を前記関連情報記憶部に格納するステップとを備えてもよい。これにより、外部の記憶装置にバックアップした印刷データについても、その復帰時に、現在のシステム設定と異なるシステム設定で生成されている印刷データについて、新たなシステム設定に合うように同期化が行われる。
【0014】
前記関連情報を記憶するステップにおいて、印刷データのファイル名、印刷装置の台数、マスクパターン識別情報は、例えば、1レコードとして記憶する。これにより印刷データ毎に、その分割数および必要なマスクパターンを特定することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、生成済みの印刷データの記憶時にその生成時のシステム設定情報を共に記憶しておくことにより、システム設定の変化時や外部にバックアップしていた印刷データの復帰時に、現在のシステム設定情報と各印刷データのシステム設定情報を比較して、システム設定情報の一致/不一致をシステムが判断して、不一致時に印刷データの再生成を行うことができる。これにより、ユーザは各印刷データについてそのシステム設定を意識することなく、現在のシステム設定に合った印刷を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は本実施の形態に係る印刷システム200の概略構成を、情報処理装置であるPC100とともに示したものである。この印刷システム200は、複数(ここでは6台)の印刷装置201〜206からなり、これらがそれぞれ個別の通信インタフェース201a〜206a(例えばUSB:Universal Serial Bus)を介してPC100と接続されている。通信インタフェースとしては、ネットワークケーブル、USBケーブル、無線LAN等を採用することが出来る。PC100は、印刷対象の画像データを分割して印刷データとして印刷装置201〜206に送る。
【0018】
記録媒体Pは、媒体搬送装置(図3で後述)によって図1中の矢印方向に搬送される。印刷装置201〜206は、その記録媒体Pの幅方向に並ぶように配置され、記録媒体Pの幅方向における異なる領域(幅部分)の記録を分担して行うよう構成されている。すなわち、印刷装置201〜206は、共同して一つの画像を形成する印刷システムを構成している。印刷装置201〜206を記録媒体の幅方向に並べる際には、隣接する記録ヘッドの端部の数ドットが相互に重なるように千鳥状に配置する。この場合、記録ヘッドは記録媒体搬送方向と直交する方向に配置された複数のノズルを有するラインヘッドである。各記録ヘッドの端部における重複記録領域内のどのノズルまでを有効にするかは予め定めておくことにより、隣接する記録ヘッドの境界において画像に空白および重複が生じないように制御することができる。
【0019】
本実施の形態における印刷装置201〜206の各々は、独立したエンジンであるプリンタユニット(印刷装置)を構成し、記録媒体Pの幅方向にノズル列が延在するインクジェット記録ヘッドを備えており、PC100から受信する画像データに基づいて、インクジェット記録ヘッドからインクを吐出する。この例では、フルカラーの画像を記録すべく、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)のインクを吐出するための4つのインクジェット記録ヘッドを並列配置している。
【0020】
このように複数の独立した印刷装置201〜206を組み合わせて用いることにより、1個の印刷装置の記録幅を単位記録幅(例えば4インチ)として、利用する印刷装置の個数を変えて、種々の用紙幅に対応した印刷システムを構成できる。また、個々の印刷装置の故障や不具合が発生したときには、当該印刷装置のみを交換することができる。そのため、システム全体が大きくなってもメンテナンスコストが比較的に軽減される。このような印刷システムは業務用の用途に適している。
【0021】
図2に、隣接する印刷装置の同一インク色(図ではK)の記録ヘッドのノズル列の相互の位置関係を示す。ヘッドユニットなどの取り付け誤差等により記録ヘッドの横方向の相互の位置関係がずれた場合に対応するため、隣接する記録ヘッドの相互に重複する端部(重複記録領域)にレジ調整用のノズル群が設けられている。図では説明の簡略化のためレジ調整用のノズル群の個数が8個の場合を示すが、これに限るものではない。両記録ヘッドで位置的に重複しているノズルについては、いずれか一方のノズルが印刷を担当するよう、ノズルの記録データが後述するマスクパターンによりマスクされる。
【0022】
例えば、図2(a)はヘッドユニットの取り付け誤差等がない場合を示しており、図示の例では、画像230の左側部分237を左側の記録ヘッド220Lのノズル群234で記録し、画像230の右側部分238を右側の記録ヘッド220Rのノズル群236で記録している。(なお、220L,220Rという表記におけるL,Rは隣接する1対の記録ヘッドの一方を示すための相対的な表記であり、特定の記録ヘッドは同時に220Lにも220Rにもなりうる。)両記録ヘッドのレジ調整用のノズル群で使用されないノズルに対する印刷データはマスクされる。この例では、記録ヘッド220Lのノズル群233および記録ヘッド220Rのノズル群235の印刷データはマスクされる(図中、白丸で表したノズルがマスクされる)。
【0023】
図2(b)に示すように、記録ヘッド220Lが左方向に1ドットずれていた場合は、画像230の左側部分237をノズル群234の右から3ノズルと、ノズル群233の一番左の1ノズルを使用して記録する。画像230の右側部分238は図2(a)の場合と同様、右側の記録ヘッド220Rのノズル群236で記録している。この場合も両記録ヘッドのレジ調整用のノズル群で使用されないノズルに対する印刷データはマスクされる。
【0024】
図3は図1に示したPC100の内部構成例を示している。PC100は、本実施の形態では、オペレーティングシステムの制御下において、画像データを生成するアプリケーション(プログラム)や印刷制御プログラム(プリンタドライバ)等を実行する。本例においては、オペレーティングシステムとして「Windows(登録商標)」を用いる。具体的には、PC100は、その各部の制御を行う制御部を構成するCPU(Central Processing Unit)102と、このCPU102用の作業領域および一時記憶領域を提供するメモリであるRAM(Random Access Memory)103と、CPU102が初期的に実行するブートプログラム等を格納する不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)104とを備え、これらはシステムバス109を介して相互に接続されている。表示装置であるディスプレイ110はビデオインタフェース108を介してシステムバス109に接続されている。ポインティングデバイスの一種であるマウス111は、マウスインタフェース105を介してシステムバス109に接続されている。オペレーティングシステムや各種プログラムが格納されている大容量の外部記憶装置であるハードディスク装置113は、ハードディスクインタフェース107を介してシステムバス109に接続されている。また、システムバス109はプリンタインタフェース101(上述した通信インタフェース201a〜206aに対応)を介して印刷装置201〜206に接続される。
【0025】
PC100において、印刷システム200を制御する場合は、ハードディスク装置113に格納されているプログラムがRAM103にロードされてCPU102によって実行される。
【0026】
図4に、図1の印刷システム200の一部である印刷装置201の構成例を示す。また、各印刷装置に共通の媒体搬送装置218とPC100とを併せて示す。印刷装置202〜206の各々の構成は印刷装置201と同じであり、図示を省略する。
【0027】
CPU210はこの印刷装置201の全体の動作を制御する制御部を構成し、バスを介してメモリコントローラ212、インタフェースコントローラ213、プログラムROM214、ワークRAM215、EEPROM216、記録ヘッド制御回路219、I/Oポート221と接続されている。
【0028】
メモリコントローラ212は、印刷データを格納するメモリであるVRAM211に接続され、CPU210の制御下でVRAM211への印刷データの書き込みを行うとともに、同期化回路217からの出力信号に同期してVRAM211からの読み出しを行う。同期化回路217は、媒体搬送装置218での記録媒体の搬送状態に同期してメモリコントローラ212への信号を生成する機能を有する。媒体搬送装置218は記録媒体の最大幅に対応したものを全印刷装置で共有するか、あるいは、個々の印刷装置の搬送装置を連動して動作するよう構成する。なお、同期化回路217の「同期化」は本発明における印刷データの同期化とは直接関係ないので、留意されたい。
【0029】
インタフェースコントローラ213は、CPU210の制御下で、PC100と通信インタフェース(図ではUSBの例)を介してデータ通信を行う部位である。
【0030】
プログラムROM214は、この印刷装置201の動作を実現するためのコンピュータプログラムを格納した不揮発性のメモリである。ワークRAM215は、CPU210により利用されるワーク領域やデータの一時記憶領域を提供する読み書き可能なメモリである。EEPROM216は、再書き込み可能な不揮発性のメモリであり、例えばユーザの設定データなどを不揮発的に記録するために利用される。
【0031】
記録ヘッド制御回路219は、CPU210の制御下で、メモリコントローラ212からの印刷データを受信し、CMYKの各色の記録ヘッド220へ、対応する印刷データを転送する。
【0032】
I/Oポート221は、CPU210の制御下で、モータ駆動部222に制御信号を与えて、キャッピングモータ223やポンプモータ224のような外部の出力装置を制御する。キャッピングモータ223は、不使用時に記録ヘッド220にキャップをしてインクの乾燥を防ぐための機構を駆動する動力源である。ポンプモータ224は記録ヘッド中のインクに圧力を掛けて記録ヘッドの回復動作等を行うための動力源である。
【0033】
図5は、本実施の形態に係るPC100上で動作するアプリケーション300の概略構成を示したものである。このアプリケーション300は、印刷データ登録部310、転送部320、メンテナンス部330、バックアップ部340、リストア部350の各機能部を有する。
【0034】
印刷データ登録部310は、元画像記憶領域380に記憶されている印刷対象の元画像データ(例えばPDFファイル)からRGBデータ、さらにはCMYKへの画像データ形式の変換、およびCMYKから印刷データの生成を行う。この際、マスクパターンデータ記憶領域365に格納されているマスクパターンデータの中から指定されたマスクパターンを選択して、各記録ヘッド端部のレジ調整用ノズル群に対応するデータに適用する。印刷データは、印刷装置に対する命令および画像(CMYK)データがシステム設定情報記憶領域390に記憶されている印刷装置台数分だけ記述されているファイルになる。印刷データを生成後、印刷データの圧縮(圧縮方式としては例えば、"PackBits")を行い、印刷データ記憶領域360に保存する。その際、印刷データのファイル名と、システム設定情報記憶領域390に記憶されている印刷装置台数とマスクパターン値を関連情報記憶領域370に保存する。なお、元画像はPC100内で生成されるか、または、外部からPC100内に取り込まれたものである。
【0035】
転送部320は、印刷データ記憶領域360に保存されている中からユーザが選択した印刷データを取り出し、各印刷装置201〜206と接続されているUSBポート114に印刷データを分割して出力する。印刷装置201〜206では、受信した印刷データを解凍し、データの内容を解読して動作する。
【0036】
メンテナンス部330は、各印刷装置にメンテナンスを行う命令を送る。メンテナンスは記録ヘッドのクリーニング処理、印刷装置間記録ヘッド同士および印刷装置内記録ヘッド同士のレジストレーション調整(レジ調整)等を含む。また、印刷装置台数の設定、マスクパターン値の設定を変更したときには、それらの新たな情報をシステム設定情報記憶領域390に保存する。
【0037】
バックアップ部340は、印刷データを待避するための機能部であり、印刷データ記憶領域360に保存されている印刷データと関連情報記憶領域370に保存されているデータを外部の記憶装置395(例えばHDD、あるいはDVD、CD−ROM等)にバックアップする。この例では、バックアップされたデータはPC100内から消去される。
【0038】
リストア部350は、バックアップ部340によって外部の記憶装置395にバックアップされたデータを、印刷データ記憶領域360と関連情報記憶領域370にリストア(復帰)するための機能部である。
【0039】
なお、記憶領域365,370,380,390は、別個の記憶装置内の記録領域であっても、単一の記憶装置内の異なる記憶領域であってもよい。
【0040】
図6(a)はシステム設定情報記憶領域390の記憶内容を示している。本実施の形態では、システム設定情報記憶領域390には、印刷システム200を構成する印刷装置の台数を表す「印刷装置台数」と、隣接する印刷装置間のつなぎ部に適用されるマスクパターンに対応する「マスクパターン識別情報」が記憶される。マスクパターンは1対の印刷装置の境界のつなぎ目に1組適用されるので、n台の印刷装置の場合には、(n−1)組のマスクパターンが適用される。図6(a)では(n−1)個のマスクパターンM1,M2,・・・Mnをマスクパターン識別情報としている。「マスクパターン識別情報」はつなぎ補正値であっても、マスクパターンの通し番号等の数値であっても、あるいはマスクパターン値そのものであってもよい。1組のマスクパターンは、それに対応する1個の数値すなわちつなぎ補正値で表わすことができる。この例では、つなぎ補正値は「−3から+5」の範囲で0.25きざみの数値で表される。したがって、「つなぎ補正値」はマスクパターン識別情報として用いることもできる。
【0041】
図6(b)は、関連情報記憶領域370の記憶内容を示している。本実施の形態では、関連情報記憶領域370は、印刷データ毎に1レコードを記憶する。各レコードには、「レコードNo.」と、印刷データの元画像データを識別するためのファイル名等の「元画像データID」と、元画像データから生成された印刷データを識別するためのファイル名等の「印刷データID」と、当該印刷データの生成時の印刷装置の台数を表す「印刷装置台数」と、当該印刷データに適用されるマスクパターンを定める「マスクパターン識別情報」とを含む。
【0042】
図7により各つなぎ補正値と、それに対応するマスクパターンの構成例を示す。この例は、図7(b)に示すように、記録ヘッド220Lと220Rの重複するレジ調整用ノズル群の個数は各ヘッドあたり16個の場合を示している。図7(a)は本実施の形態における隣接する1対の記録ヘッドのつなぎ目における両記録ヘッドの重複記録領域(レジ調整用ノズル群)に対して予め定めたマスクパターンとして、33組のマスクパターンの例を表している。記録ヘッド220Lの16個のレジ調整用ノズル群に対するマスクパターン値(左−左、および左−右)は2桁の16進数(2進数で16ビット)で表している。同様に、記録ヘッド220Rの16個のレジ調整用ノズル群に対するマスクパターン値(右−左、および右−右)も2桁の16進数(2進数で16ビット)で表している。
【0043】
具体的に、ある1対の記録ヘッドのつなぎ目に対してどのマスクパターンを適用するかは、つなぎ補正値のテストパターン印刷を行った結果に基づいて決めることができる。つなぎ補正値のテストパターン印刷では、上述した「−3から+5」の各つなぎ補正値による実際のサンプルが出力される。そのサンプルを目視、或いは検査用装置を使ってつなぎ目が目立たないサンプルの補正値に設定する。
【0044】
図8は、本実施の形態において、PC100の表示部に表示されるつなぎ補正画面の一例を示している。このつなぎ補正画面700は、ユーザが印刷システム200の印刷装置間の各つなぎ目のつなぎ補正値を確認したり、修正したりするためのユーザインタフェース画面である。この画面には、印刷装置の台数および配置を模擬的に示す表示領域701を有する。図の例は、図1の場合に対応して印刷システムは6台の印刷装置により構成された場合に対応している。したがって、5個のつなぎ目が存在し、各つなぎ目について、各インク色の記録ヘッド毎に「つなぎ補正値」の表示欄602およびそのスライダコントロール部703が表示されている。画面右下の「取得」ボタンが指示されると、システム設定情報記憶領域390に設定されている印刷装置台数およびつなぎ補正値が取得されて、この画面に反映される。その後、この画面のいずれかのつなぎ補正値が修正されたときには、「OK」ボタンが使用可となる。この「OK」ボタンの押下により、この画面で設定された新たなつなぎ補正値により、システム設定情報記憶領域390の内容が更新される。つなぎ補正値の修正は、印刷装置(ヘッド)や搬送装置の設置を行った場合に必要となる。「OK」ボタンが押下される前に「キャンセル」ボタンが押されたら、何もせずにこの画面が閉じられる。
【0045】
図9は、PC100において、メンテナンス部330により、印刷装置台数、またはいずれかのマスクパターン識別情報が変更された場合に実行される処理を表すフローチャートである。この処理はCPU102によるプログラム実行により実現される。後述する他のフローチャートの処理についても同様である。
【0046】
まず、システム設定情報記憶領域390に保存されている印刷装置台数またはマスクパターン識別情報を確認する(S11)。次に、印刷データ記憶領域に保存されている印刷データ全件に対して、S13〜S18のループ処理を行う(S12,S19)。
【0047】
印刷データ記憶領域360に保存されている印刷データについて、対応する関連情報を、関連情報記憶領域370(図6)から取得する(S13)。関連情報を取得する際には、印刷データのファイル名をキーとして関連情報記憶領域370を検索する。
【0048】
取得した関連情報の印刷装置台数およびマスクパターン識別情報を、システム設定情報記憶領域390に保存されている印刷装置台数およびマスクパターン識別情報とそれぞれ比較する(S14)。いずれかが変更されている場合は、S15〜S18の処理を行う。変更されていない場合は印刷データ再生成の必要がない為、S15〜S18を迂回してS19へ移行する。
【0049】
変更されている場合は、まず、印刷データ再生成の前に、ユーザに再生成をしてよいかメッセージボックスなどを出力して確認し、その確認結果を受け付ける(S15)。再生成が必要なデータの場合、毎回メッセージで確認するのではなく、1回目だけ確認し、OKなら以降の再生成が必要なデータについては確認しないで再生成を行うようにしてもよい。
【0050】
ユーザの確認の後、印刷データ再生成処理を実行する(S16)。この処理の詳細については後で詳述する。ついで、印刷データ記憶領域360に保存されている印刷データを再生成した印刷データに更新する(S17)。さらに、再生成した印刷データに対応する関連情報をシステム設定情報記憶領域390に保存されている印刷装置台数およびマスクパターン識別情報に更新する(S18)。
【0051】
図9の処理では、印刷データの登録データ数分のすべてについて処理を行うようにしたが、初期設定またはその都度のユーザの指定により特定の印刷データについてのみ処理を行うようにしてもよい。
【0052】
図10は、リストア部350により、バックアップされた印刷データ等をリストアする処理を表すフローチャートである。まず、システム設定情報記憶領域390に保存されているデータ、すなわち印刷装置台数およびマスクパターン識別情報を取得する(S21)。次に、バックアップされている印刷データ全件に対して、S23〜S28のループ処理を行う(S22、S29)。
【0053】
ループ処理では、まず、バックアップされている印刷データの関連情報を取得する(S23)。関連情報を取得する際には、印刷データのファイル名をキーとして検索する。取得した関連情報の印刷装置台数およびマスクパターン識別情報を、システム設定情報記憶領域に保存されている印刷装置台数およびマスクパターン識別情報と比較する(S24)。変更されていない場合は印刷データ再生成の必要がない為、S29へ移行する。なお、印刷装置の台数が変化すれば必然的にマスクパターン識別情報の個数や値が変化するので、システム設定の変化の検出には、マスクパターン識別情報のみを比較するようにしてもよい。変更されている場合は、S25〜S27の処理を行う。
【0054】
印刷データ再生成の前に、ユーザに再生成をしてよいかメッセージボックスなどを出力してユーザ確認結果を受け付ける(S25)。再生成が必要なデータの場合、毎回メッセージで確認するのではなく、1回目だけ確認し、OKなら以降の再生成が必要なデータについては確認しないで再生成を行ってもよい。
【0055】
そこで、印刷データ再生成を実行する(S26)。ついで、再生成した印刷データを印刷データ記憶領域360に登録する(S27)。関連情報記憶領域370に、再生成した印刷データのファイル名と、システム設定情報記憶領域に保存されている印刷装置台数およびマスクパターン識別情報を登録する(S28)。
【0056】
図9のS16および図10のS26の「印刷データ再生成」の詳細な処理フローを図11に示す。また、この処理の概要を図12に示す。
【0057】
まず、印刷対象の元画像のデータを取得する(S31)。この例では、元画像はPDFフォーマットの画像である(図12(a))。この元画像データをラスタデータ(図12(b))に展開するRIP処理を行う(S32)。ついで、印刷可能な最大幅に基づいて、画像サイズをチェックする(S33)。印刷可能な最大幅は次式で求められる。
【0058】
印刷可能な最大幅=印刷装置の印刷幅×台数
サイズエラーであれば、変倍するか否かをユーザに確認し、または初期設定に基づき判断する(S41)。変倍する場合には、画像変倍処理を行う(S42)。例えば、画像の横幅が印刷可能な最大幅を超える場合には、画像幅が印刷可能最大幅に収容されるように、画像を縮小する。変倍を行わない場合は図11の処理を終了する。なお、S42の処理は必須ではなく、常にサイズエラーとして処理を終了する実施の形態も考えられる。
【0059】
画像サイズのチェック結果がOKであれば、バンディング処理を行う(S34)。このバンディング処理は、以下のループ処理の負荷を軽減するために、図12(c)に示すように所定のラスタ数分の画像領域(バンド)に分割する処理である。
【0060】
バンディング処理の後、各バンドについて、以下のループ処理を実行する(S35,S40)。
【0061】
ループ処理内では、まず、上記画像サイズチェックの結果に基づいて、印刷対象の画像のサイズが印刷可能な最大幅より小さい場合には、画像を記録媒体の中央に位置させるために、画像の左右に空白領域を挿入するよう、センタリングを行う(S36)。次に、各画素のRGB値を印刷用のCMYK値に変換する(S37)。ついで、図12(d)に示すように、画像データを印刷装置の台数分に縦割りに分割する(S38)。このとき、各印刷装置の端部のつなぎ目において、隣接する印刷装置とデータが重複するように分割を行う。このように縦割りデータ分割の後、つなぎ目のレジ調整用ノズル群に対する画像データを、そのつなぎ目に対して指定されたマスクパターンでマスクする(S39)。これにより、当該バンドについて各印刷装置に転送する印刷データ(印刷コマンド+分割データ)が完成する。また、すべてのバンドの処理が終了したら、印刷データが完成する。
【0062】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、上記で言及した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。例えば、1台の印刷装置で用いる記録ヘッドの個数は6個としたが、これより少なくても多くてもよい。また、インクジェット記録方式の印刷装置について説明したが、記録方式はインクジェットに限るものではない。さらに、各印刷装置は記録ヘッドとしてラインヘッドを用いる例を示したが、記録媒体操作方向に走査されるシリアル型の記録ヘッドを用いるものであってもよい。元画像はPDFフォーマットの画像としたが、これに限るものではない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態に係る印刷システムの概略構成を、情報処理装置であるPCとともに示した図である。
【図2】図1の印刷システムにおいて隣接する印刷装置の同一インク色(図ではK)の記録ヘッドのノズル列の相互の位置関係を示す図である。
【図3】図1に示したPCの内部構成例を示す図である。
【図4】図1の印刷システムの一部である印刷装置の構成例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るPC上で動作するアプリケーションの概略構成を示した図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるシステム設定情報記憶領域および関連情報記憶領域の記憶内容を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における各つなぎ補正値と、それに対応するマスクパターンの構成例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態においてPC内の表示部に表示されるつなぎ補正画面の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態においてPC内のメンテナンス部により、印刷装置台数、またはいずれかのマスクパターン識別情報が変更された場合に実行される処理を表すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態においてPC内のリストア部によりバックアップされた印刷データをリストアする処理を表すフローチャートである。
【図11】図9のS16および図10のS26の「印刷データ再生成」の詳細な処理フローを示すフローチャートである。
【図12】図11の処理の概要の説明図である。
【符号の説明】
【0064】
100…PC
101…プリンタインタフェース
200…印刷システム
201〜206…印刷装置
201a〜206a…通信インタフェース
212…メモリコントローラ
213…インタフェースコントローラ
218…媒体搬送装置
219…記録ヘッド制御回路
220,220L,220R…記録ヘッド
221…I/Oポート
230…画像
233〜236…レジ調整用ノズル群
237…画像の左側部分
238…画像の右側部分
300…アプリケーション
310…印刷データ登録部
320…転送部
330…メンテナンス部
340…バックアップ部
350…リストア部
360…印刷データ記憶領域
365…マスクパターンデータ記憶領域
370…関連情報記憶領域
380…元画像記憶領域
390…システム設定情報記憶領域
395…記憶装置
602…表示欄
700…補正画面
701…表示領域
703…スライダコントロール部
P…記録媒体
M1,M2,・・・Mn…マスクパターン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が複数の印刷装置を用いて1枚の記録媒体に印刷を行う印刷システムであって、
前記複数の印刷装置のうち、隣接する印刷装置は境界部で互いに重複する重複記録領域を有し、
前記情報処理装置は、
前記複数の印刷装置の台数と、これらの印刷装置のうち隣接する印刷装置の種々の位置関係に応じて一方の印刷装置の出力ドットをマスクするための特定のマスクパターンを識別するマスクパターン識別情報とをシステム設定情報として記憶するシステム設定情報記憶部と、
前記現在のシステム設定情報に基づいて元画像データから前記複数の印刷装置に与えるべき印刷データを生成する印刷データ生成部と、
生成された印刷データを記憶する印刷データ記憶部と、
前記生成された各印刷データに対応して当該印刷データが生成された際の前記システム設定情報を関連情報として記憶する関連情報記憶部と、
隣接する印刷装置の種々の位置関係に応じた複数のマスクパターンを記憶した記憶部と、
前記システム設定情報記憶部に記憶されたシステム設定情報が変化した後、前記印刷データ記憶部に記憶されている各印刷データについて当該システム設定情報を確認し、このシステム設定情報が前記システム設定情報記憶部に格納されている現在のシステム設定情報と異なる場合に、前記元画像データに対して当該現在のシステム設定情報に基づき指定された台数およびマスクパターンに基づいて当該印刷データを再生成して前記印刷データ記憶部内の当該印刷データを更新するとともに前記関連情報記憶部の当該内容を更新する印刷データ再生成部と
を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
印刷データ記憶部内の印刷データを当該関連情報とともに外部の記憶装置にバックアップのため転送するバックアップ部と、
バックアップされた印刷データおよび当該関連情報をそれぞれ前記印刷データ記憶部および前記関連情報記憶部に復帰させるリストア部とをさらに備え、
前記印刷データ再生成部は、前記リストア部により印刷データの復帰が行われる際、復帰される各印刷データについて当該システム設定情報を確認し、このシステム設定情報が前記システム設定情報記憶部に格納されている現在のシステム設定情報と異なる場合に、前記元画像データに対して当該現在のシステム設定情報に基づき指定された台数およびマスクパターンに基づいて当該印刷データを再生成して前記印刷データ記憶部内に格納するとともに前記現在のシステム設定情報を前記関連情報記憶部に格納することを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項3】
境界部で互いに重複する重複記録領域を有する複数の印刷装置を用いて1枚の記録媒体に印刷を行う印刷システムにおける印刷データ同期方法であって、
印刷システムの構築時および変更時に、前記複数の印刷装置の台数と、これらの印刷装置のうち隣接する印刷装置の種々の位置関係に応じて一方の印刷装置の出力ドットをマスクするための特定のマスクパターンを識別するマスクパターン識別情報とをシステム設定情報として記憶するステップと、
前記現在のシステム設定情報に基づいて元画像データから前記複数の印刷装置に与えるべき印刷データを生成するステップと、
生成された印刷データとともに、この生成された印刷データに対応して当該印刷データが生成された際の前記システム設定情報を関連情報として記憶するステップと、
前記記憶されたシステム設定情報が変化した後、印刷データ記憶部に記憶されている各印刷データについて当該システム設定情報を確認するステップと、
この確認されたシステム設定情報が前記記憶されている現在のシステム設定情報と異なる場合に、前記元画像データに対して当該現在のシステム設定情報に基づき指定された台数およびマスクパターンに基づいて当該印刷データを再生成し前記印刷データ記憶部内の当該印刷データを更新するとともに前記関連情報記憶部の当該内容を更新するステップと
を備えたことを特徴とする印刷データ同期方法。
【請求項4】
印刷データ記憶部内の印刷データを当該関連情報とともに外部の記憶装置にバックアップのため転送するステップと、
バックアップされた印刷データおよび当該関連情報をそれぞれ前記印刷データ記憶部および前記関連情報記憶部に復帰させるステップと、
前記リストア部により印刷データの復帰が行われる際、復帰される各印刷データについて当該システム設定情報を確認し、このシステム設定情報が前記システム設定情報記憶部に格納されている現在のシステム設定情報と異なる場合に、前記元画像データに対して当該現在のシステム設定情報に基づき指定された台数およびマスクパターンに基づいて当該印刷データを再生成して前記印刷データ記憶部内に格納するとともに前記現在のシステム設定情報を前記関連情報記憶部に格納するステップと
をさらに備えたことを特徴とする請求項3記載の印刷データ同期方法。
【請求項5】
前記関連情報を記憶するステップにおいて、印刷データのファイル名、印刷装置の台数、マスクパターン識別情報を1レコードとして記憶することを特徴とする請求項3または4記載の印刷データ同期方法。
【請求項6】
前記印刷データを再生成するステップにおいて、再生成を行うか否かの判定条件として、前記システム設定情報を更新し、前記現在のシステム設定情報の印刷装置台数と前記関連情報の印刷装置台数とを比較することを特徴とする請求項3または4記載の印刷データ同期方法。
【請求項7】
前記印刷データを再生成するステップにおいて、再生成を行うか否かの判定条件として、前記システム設定情報を更新し、前記現在のシステム設定情報のマスクパターン識別情報と前記関連情報のマスクパターン識別情報とを比較することを特徴とする請求項3または4記載の印刷データ同期方法。
【請求項8】
前記印刷データを再生成するステップにおいて、再生成を行うかどうかをユーザに確認することを特徴とする請求項3または4記載の印刷データ同期方法。
【請求項1】
情報処理装置が複数の印刷装置を用いて1枚の記録媒体に印刷を行う印刷システムであって、
前記複数の印刷装置のうち、隣接する印刷装置は境界部で互いに重複する重複記録領域を有し、
前記情報処理装置は、
前記複数の印刷装置の台数と、これらの印刷装置のうち隣接する印刷装置の種々の位置関係に応じて一方の印刷装置の出力ドットをマスクするための特定のマスクパターンを識別するマスクパターン識別情報とをシステム設定情報として記憶するシステム設定情報記憶部と、
前記現在のシステム設定情報に基づいて元画像データから前記複数の印刷装置に与えるべき印刷データを生成する印刷データ生成部と、
生成された印刷データを記憶する印刷データ記憶部と、
前記生成された各印刷データに対応して当該印刷データが生成された際の前記システム設定情報を関連情報として記憶する関連情報記憶部と、
隣接する印刷装置の種々の位置関係に応じた複数のマスクパターンを記憶した記憶部と、
前記システム設定情報記憶部に記憶されたシステム設定情報が変化した後、前記印刷データ記憶部に記憶されている各印刷データについて当該システム設定情報を確認し、このシステム設定情報が前記システム設定情報記憶部に格納されている現在のシステム設定情報と異なる場合に、前記元画像データに対して当該現在のシステム設定情報に基づき指定された台数およびマスクパターンに基づいて当該印刷データを再生成して前記印刷データ記憶部内の当該印刷データを更新するとともに前記関連情報記憶部の当該内容を更新する印刷データ再生成部と
を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
印刷データ記憶部内の印刷データを当該関連情報とともに外部の記憶装置にバックアップのため転送するバックアップ部と、
バックアップされた印刷データおよび当該関連情報をそれぞれ前記印刷データ記憶部および前記関連情報記憶部に復帰させるリストア部とをさらに備え、
前記印刷データ再生成部は、前記リストア部により印刷データの復帰が行われる際、復帰される各印刷データについて当該システム設定情報を確認し、このシステム設定情報が前記システム設定情報記憶部に格納されている現在のシステム設定情報と異なる場合に、前記元画像データに対して当該現在のシステム設定情報に基づき指定された台数およびマスクパターンに基づいて当該印刷データを再生成して前記印刷データ記憶部内に格納するとともに前記現在のシステム設定情報を前記関連情報記憶部に格納することを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項3】
境界部で互いに重複する重複記録領域を有する複数の印刷装置を用いて1枚の記録媒体に印刷を行う印刷システムにおける印刷データ同期方法であって、
印刷システムの構築時および変更時に、前記複数の印刷装置の台数と、これらの印刷装置のうち隣接する印刷装置の種々の位置関係に応じて一方の印刷装置の出力ドットをマスクするための特定のマスクパターンを識別するマスクパターン識別情報とをシステム設定情報として記憶するステップと、
前記現在のシステム設定情報に基づいて元画像データから前記複数の印刷装置に与えるべき印刷データを生成するステップと、
生成された印刷データとともに、この生成された印刷データに対応して当該印刷データが生成された際の前記システム設定情報を関連情報として記憶するステップと、
前記記憶されたシステム設定情報が変化した後、印刷データ記憶部に記憶されている各印刷データについて当該システム設定情報を確認するステップと、
この確認されたシステム設定情報が前記記憶されている現在のシステム設定情報と異なる場合に、前記元画像データに対して当該現在のシステム設定情報に基づき指定された台数およびマスクパターンに基づいて当該印刷データを再生成し前記印刷データ記憶部内の当該印刷データを更新するとともに前記関連情報記憶部の当該内容を更新するステップと
を備えたことを特徴とする印刷データ同期方法。
【請求項4】
印刷データ記憶部内の印刷データを当該関連情報とともに外部の記憶装置にバックアップのため転送するステップと、
バックアップされた印刷データおよび当該関連情報をそれぞれ前記印刷データ記憶部および前記関連情報記憶部に復帰させるステップと、
前記リストア部により印刷データの復帰が行われる際、復帰される各印刷データについて当該システム設定情報を確認し、このシステム設定情報が前記システム設定情報記憶部に格納されている現在のシステム設定情報と異なる場合に、前記元画像データに対して当該現在のシステム設定情報に基づき指定された台数およびマスクパターンに基づいて当該印刷データを再生成して前記印刷データ記憶部内に格納するとともに前記現在のシステム設定情報を前記関連情報記憶部に格納するステップと
をさらに備えたことを特徴とする請求項3記載の印刷データ同期方法。
【請求項5】
前記関連情報を記憶するステップにおいて、印刷データのファイル名、印刷装置の台数、マスクパターン識別情報を1レコードとして記憶することを特徴とする請求項3または4記載の印刷データ同期方法。
【請求項6】
前記印刷データを再生成するステップにおいて、再生成を行うか否かの判定条件として、前記システム設定情報を更新し、前記現在のシステム設定情報の印刷装置台数と前記関連情報の印刷装置台数とを比較することを特徴とする請求項3または4記載の印刷データ同期方法。
【請求項7】
前記印刷データを再生成するステップにおいて、再生成を行うか否かの判定条件として、前記システム設定情報を更新し、前記現在のシステム設定情報のマスクパターン識別情報と前記関連情報のマスクパターン識別情報とを比較することを特徴とする請求項3または4記載の印刷データ同期方法。
【請求項8】
前記印刷データを再生成するステップにおいて、再生成を行うかどうかをユーザに確認することを特徴とする請求項3または4記載の印刷データ同期方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図8】
【公開番号】特開2008−87319(P2008−87319A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−270364(P2006−270364)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【出願人】(000208743)キヤノンファインテック株式会社 (1,218)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【出願人】(000208743)キヤノンファインテック株式会社 (1,218)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]