説明

印刷制御装置、印刷制御方法およびプログラム

【課題】指定時間に印刷を完了させる。
【解決手段】印刷装置で印刷する印刷データを取得する印刷データ取得部と、印刷データを媒体上に印刷した場合のページ毎の予想時間を算出する予想時間算出部と、外部から指定時間を受け付ける指定時間受付部と、ページ毎の予想時間の合計が指定時間に対する所定の時間範囲内に入るか否かを判断する時間判断部と、印刷開始前に、予想時間の合計が所定の時間範囲内に入ると判断されるまで印刷の品質に影響を与える可変なパラメータの値を変更し、印刷が開始された後に、未印刷データについて、予想時間の合計が所定の時間範囲内に入ると判断されるまで、パラメータの値を変更するパラメータ変更部と、予想時間の合計が所定の時間範囲内に入ると判断されたパラメータの値で印刷すべき旨を印刷装置に出力するパラメータ出力部とを備える印刷制御装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷制御装置、印刷制御方法およびプログラムに関する。特に本発明は、印刷装置の印刷時間を制御する印刷制御装置、印刷制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷データから出力完了時間を予測して、その予測時間がユーザの要求を満たしていない場合、画像の品質を低下させ速度の向上を図るプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−362125号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、印刷内容の違い等により印刷速度が異なるので、従来のプリンタは、出力完了時間を正確に予測することは困難であった。さらに、従来のプリンタは、出力完了時間を正確に予測できないので、過剰に品質を低下させてしまうという可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態においては、印刷装置を制御する印刷制御装置であって、印刷装置で印刷する印刷データを取得する印刷データ取得部と、印刷データ取得部により取得された印刷データに基づいて、印刷データを媒体上に印刷した場合のページ毎の予想時間を算出する予想時間算出部と、外部から指定時間を受け付ける指定時間受付部と、予想時間算出部により算出されたページ毎の予想時間の合計が、指定時間受付部が受け付けた指定時間に対する所定の時間範囲内に入るか否かを判断する時間判断部と、印刷の品質に影響を与える可変なパラメータの値を変更するパラメータ変更部とを備え、時間判断部により予想時間の合計が所定の時間範囲内に入らないと判断された場合に、時間判断部により予想時間の合計が所定の時間範囲内に入ると判断されるまで、パラメータ変更部は、可変なパラメータの値を変更し、時間判断部により予想時間の合計が所定の時間範囲内に入ると判断されたパラメータの値で印刷すべき旨を印刷装置に出力するパラメータ出力部をさらに備え、印刷装置により印刷が開始された後に、パラメータ変更部は、未だ印刷されていない印刷データについて、時間判断部による予想時間の合計が、指定時間受付部が受け付けた指定時間から印刷開始時刻からの経過時間を引いた残時間に対する所定の時間範囲内に入ると判断されるまで、パラメータの値を変更し、パラメータ出力部は、印刷装置により印刷が開始された後に、未だ印刷されていない印刷データについて、時間判断部により予想時間の合計が所定の時間範囲内に入ると判断されたパラメータの値で印刷すべき旨を印刷装置に出力する。
【0005】
本発明の第1の形態は、指定時間に対する所定の時間範囲に印刷を完了させるべく印刷の開始前に印刷の品質を制御するとともに、指定時間に対する所定の時間範囲に印刷を完了させるべく印刷が開始された後にも印刷の品質を制御する。これにより、本発明の第1の形態によれば、高い精度で指定時間に印刷を完了させることができる。
【0006】
上記印刷制御装置において、時間判断部により予想時間の合計が所定の時間範囲よりも長いと判断された場合に、パラメータ変更部は、印刷の品質を下げる方向にパラメータを変更する。高い精度で指定時間に印刷を完了することができるとともに、より高い品質で印刷することができる。
【0007】
上記印刷制御装置において、時間判断部により予想時間の合計が所定の時間範囲よりも短いと判断された場合に、パラメータ変更部は、印刷の品質を上げる方向にパラメータを変更してもよい。高い精度で指定時間に印刷を完了することができるとともに、より高い品質で印刷することができる。
【0008】
上記印刷制御装置において、複数のパラメータに対応付けて、パラメータを変更する優先順位を格納した優先順位格納部をさらに備え、時間判断部により予想時間の合計が所定の時間範囲よりも長いと判断された場合に、パラメータ変更部は、優先順位格納部に格納された優先順位の順および逆順のいずれか一方の順にパラメータを変更し、時間判断部により予想時間の合計が所定の時間範囲よりも短いと判断された場合に、パラメータ変更部は、優先順位格納部に格納された優先順位の順および逆順の他方の順にパラメータを変更してもよい。これにより、効率よく印刷の品質を変更することができる。
【0009】
上記印刷制御装置において、所定の順位以下のパラメータを変更する場合に、その旨を警告する警告出力部をさらに備えてよい。印刷の品質を変更して指定期間に印刷を完了させるか、または、印刷の品質を変更せずに指定期間に印刷を完了しないかを、ユーザ等の指示に応じて制御することができる。
【0010】
本発明の第2の形態においては、印刷装置を制御する印刷制御方法であって、印刷装置で印刷する印刷データを取得する手順と、印刷データに基づいて、印刷データを媒体上に印刷した場合のページ毎の予想時間を算出する手順と、外部から指定時間を受け付ける手順と、ページ毎の予想時間の合計が、指定時間に対する所定の時間範囲内に入るか否かを判断する手順と、印刷の品質に影響を与える可変なパラメータの値を変更する手順と、予想時間の合計が所定の時間範囲内に入らないと判断された場合に、予想時間の合計が所定の時間範囲内に入ると判断されるまで、可変なパラメータの値を変更する手順と、予想時間の合計が所定の時間範囲内に入ると判断されたパラメータの値で印刷すべき旨を印刷装置に出力する手順と、印刷装置により印刷が開始された後に、未だ印刷されていない印刷データについて、予想時間の合計が、指定時間から印刷開始時刻からの経過時間を引いた残時間に対する所定の時間範囲内に入ると判断されるまで、パラメータの値を変更する手順と、印刷装置により印刷が開始された後に、未だ印刷されていない印刷データについて、予想時間の合計が所定の時間範囲内に入ると判断されたパラメータの値で印刷すべき旨を印刷装置に出力する手順とを備える。これにより、本発明の第2の形態によれば、第1の形態と同様の効果をえることができる。
【0011】
本発明の第3の形態においては、印刷装置を制御するプログラムであって、印刷装置に、印刷装置で印刷する印刷データを取得する手順、印刷データに基づいて、印刷データを媒体上に印刷した場合のページ毎の予想時間を算出する手順、外部から指定時間を受け付ける手順、ページ毎の予想時間の合計が、指定時間に対する所定の時間範囲内に入るか否かを判断する手順、印刷の品質に影響を与える可変なパラメータの値を変更する手順、予想時間の合計が所定の時間範囲内に入らないと判断された場合に、予想時間の合計が所定の時間範囲内に入ると判断されるまで、可変なパラメータの値を変更する手順、予想時間の合計が所定の時間範囲内に入ると判断されたパラメータの値で印刷すべき旨を印刷装置に出力する手順、印刷装置により印刷が開始された後に、未だ印刷されていない印刷データについて、予想時間の合計が、指定時間から印刷開始時刻からの経過時間を引いた残時間に対する所定の時間範囲内に入ると判断されるまで、パラメータの値を変更する手順、および、印刷装置により印刷が開始された後に、未だ印刷されていない印刷データについて、予想時間の合計が所定の時間範囲内に入ると判断されたパラメータの値で印刷すべき旨を印刷装置に出力する手順を実行させる。これにより、本発明の第3の形態によれば、第1の形態と同様の効果をえることができる。
【0012】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
図1は、印刷装置10および本発明の実施形態に係る印刷制御装置20の一例を示す。印刷装置10は、印刷データに示された文字および画像等を媒体30に印刷する。印刷制御装置20は、印刷データを印刷装置10に供給するとともに、印刷装置10の動作を制御する。印刷制御装置20は、印刷制御装置20を制御するプログラムを実行する制御装置本体22を備える。印刷制御装置20は、さらに、ユーザに対して制御装置本体22からの出力に基づく表示をするディスプレイ24と、ユーザから制御装置本体22に対する入力手段の一例としてのキーボード26およびマウス28とを備えてよい。
【0015】
図2は、印刷装置10の外観斜視図である。図2の印刷装置10は、本体100からカバー110を開けた状態を示している。印刷装置10は、媒体30にインクを吐出することにより、媒体30に印刷をする。この場合に、印刷装置10は、当該印刷装置10と通信可能な画像配信サーバまたはPC等から画像データまたは印刷ジョブを受け取ってもよいし、印刷装置10にメモリカードを挿入する挿入口を設け、当該挿入口に差し込まれたメモリカードから読み出した画像データを印刷装置10で展開して印刷ジョブにして印刷してもよい。
【0016】
図2の印刷装置10は、媒体30の搬送方向から順に、媒体30を載置する載置部120と、載置部120に載置された媒体30を搬送方向に搬送する媒体搬送部130と、媒体搬送部130により搬送された媒体30にインクを吐出して印刷をする媒体印刷部150とを備える。
【0017】
図3は、印刷装置10の媒体搬送部130および媒体印刷部150を模式的に示す側面図であり、図4は、媒体印刷部150を媒体30側から見た底面図である。図3に示すように、媒体搬送部130は、媒体30の搬送方向について上流側に互いに対向して配された搬送駆動ローラ132、搬送従動ローラ134、および、下流側に互いに対向して配された排出駆動ローラ136、排出従動ローラ138を有する。図2の載置部120に載置された媒体30を搬送駆動ローラ132および搬送従動ローラ134が挟む。この状態で搬送駆動ローラ132がモータ等に回転駆動されることにより、搬送駆動ローラ132および搬送従動ローラ134が媒体30を媒体印刷部150の下方へ搬送する。媒体30がさらに搬送されて排出駆動ローラ136、排出従動ローラ138に到達すると、排出駆動ローラ136および排出従動ローラ138が媒体30を挟む。さらにこの状態で排出駆動ローラ136がモータ等により回転駆動されることにより媒体30を印刷装置10から排出する。
【0018】
また、媒体印刷部150は、印刷装置10の横方向に掛け渡されたガイド板152と、このガイド板152に沿って、不図示のモータに掛け渡されたベルトにより、媒体30の搬送方向に交差する方向に往復駆動されるキャリッジ154と、インクを収容しキャリッジ154に着脱自在に装着されるカートリッジ156と、カートリッジ156から供給されたインクを媒体30に向けて吐出する印刷ヘッド158とを有する。図4に示すように、印刷ヘッド158は、複数のノズル160を有し、これらのノズル160から所定のタイミングでインクが吐出される。これにより、媒体印刷部150は、媒体30に印刷すべき文字および印刷画像等を媒体30上に印刷する。
【0019】
図5は、制御装置本体22の機能ブロックの構成を印刷装置10とともに示す。制御装置本体22は、アプリケーション部210と、印刷制御部220とを備える。アプリケーション部210は、媒体30に対して印刷する画像および文字等を含む印刷データを生成する。印刷制御部220は、アプリケーション部210により生成された印刷データを入力して、印刷装置10に出力する。さらに、印刷制御部220は、印刷装置10の動作を制御するパラメータの値を変更して、当該パラメータの値により印刷すべき旨を印刷装置10に出力する。印刷制御部220は、アプリケーション部210により生成された印刷データに代えて、アプリケーション部210以外から入力された印刷データを印刷装置10に出力してもよい。また、印刷装置10がCPU(Central Processing Unit)等を有していれば、印刷制御部220は、印刷装置10内に備えられてもよい。
【0020】
印刷制御部220は、より具体的には、パラメータ格納部224と、印刷データ取得部226と、予想時間算出部228と、パラメータ変更部229と、指定時間受付部230と、時間判断部232と、パラメータ出力部234と、優先順位格納部236と、警告出力部238と、印刷速度特性取得部240と、印刷速度特性格納部242とを有する。パラメータ格納部224は、印刷の品質に影響を与える可変なパラメータの値を格納する。パラメータ格納部224は、一例として、インタレース印刷をするかしないか、双方向印刷をするかしないか、自動画質調整をするかしないか、画質モード(解像度・紙送り量、ノズル数)、縁あり縁なしの区別、用紙種類、カラー白黒の区別、コンポジットブラックの使用の有無等を、パラメータの値として格納する。
【0021】
印刷データ取得部226は、印刷装置10で印刷する印刷データを取得する。予想時間算出部228は、印刷データ取得部226により取得された印刷データおよびパラメータ格納部224に格納されたパラメータに基づいて、印刷データを媒体30上に印刷した場合のページ毎の予想時間を算出する。即ち、予想時間算出部228は、それぞれのページについて、印刷を開始してから印刷が完了するまでの予想時間を算出する。パラメータ変更部229は、時間判断部232による判断結果に基づき、パラメータ格納部224に格納された印刷の品質に影響を与える可変なパラメータの値を変更する。そして、パラメータの値を変更した場合、予想時間算出部228は、再度、印刷データ取得部226により取得された印刷データおよび変更したパラメータの値に基づいて、印刷データを媒体30上に印刷した場合のページ毎の予想時間を算出する。
【0022】
指定時間受付部230は、外部から指定時間を受け付ける。指定時間受付部230は、一例として、ユーザ等により設定された印刷開始から印刷完了までの希望の印刷時間を、指定時間として受け付ける。時間判断部232は、予想時間算出部228により算出されたページ毎の予想時間の合計が、指定時間受付部230が受け付けた指定時間に対する所定の時間範囲内に入るか否かを判断する。即ち、時間判断部232は、指定時間に対してマージン時間を考慮した時間範囲を所定の時間範囲として、当該所定の時間範囲内に、予想時間の合計(印刷データを全てのページについて印刷した場合にかかる時間の予想値)が入るか否かを判断する。
【0023】
時間判断部232は、所定の時間範囲内に予想時間の合計が入らない場合、その旨をパラメータ変更部229にフィードバックする。パラメータ変更部229は、所定の時間範囲内に予想時間の合計が入らない場合には、印刷の品質に影響を与える可変なパラメータの値を変更する。そして、予想時間算出部228は、パラメータ変更部229により変更されたパラメータに基づき、再度ページ毎の予想時間を算出して、時間判断部232に出力する。時間判断部232は、ページ毎の予想時間を再度入力すると、予想時間の合計が所定の時間範囲内に入るか否かを再度判断する。そして、予想時間算出部228、パラメータ変更部229および時間判断部232は、所定の時間範囲内に予想時間の合計が入るまで以上の処理を繰り返す。時間判断部232は、所定の時間範囲内に予想時間の合計が入ると、その旨をパラメータ出力部234に通知する。
【0024】
パラメータ出力部234は、所定の時間範囲内に予想時間の合計が入るとの通知を受けると、時間判断部232により予想時間の合計が所定の時間範囲内に入ると判断されたパラメータの値で印刷すべき旨を印刷装置10に出力する。即ち、パラメータ出力部234は、時間判断部232により予想時間の合計が所定の時間範囲内に入ると判断された時におけるパラメータ格納部224に格納されたパラメータの値で印刷すべき旨を印刷装置10に出力する。
【0025】
優先順位格納部236は、パラメータ変更部229により値が変更される複数のパラメータに対応付けて、パラメータを変更する優先順位を格納する。パラメータ変更部229は、印刷の品質に影響を与えるパラメータの値を変更する場合、優先順位格納部236に格納された優先順位に従って、変更するパラメータを選択する。警告出力部238は、優先順位格納部236に格納された所定の順位以下のパラメータをパラメータ変更部229が変更する場合に、その旨を警告する。
【0026】
印刷速度特性取得部240は、印刷速度に関する印刷装置10の特性(以下、印刷速度特性と呼ぶ。)を、印刷装置10から取得して、印刷速度特性格納部242に書き込む。印刷速度特性格納部242は、印刷速度特性取得部240により取得した印刷速度特性を格納する。印刷速度特性格納部242は、予想時間の算出時において、予想時間算出部228によって格納された印刷速度特性が読み出される。予想時間算出部228は、印刷速度特性格納部242に書き込まれた印刷速度特性を参照して、ページ毎の予想速度を算出してよい。
【0027】
図6は、優先順位格納部236が格納するパラメータの優先順位の一例を示す。パラメータ変更部229が印刷の品質を上下させることを目的として複数のパラメータを変更する場合、優先順位格納部236は、当該複数のパラメータについての変更の優先順位を格納してよい。優先順位格納部236は、一例として、変更の前後で印刷結果の違いがより目立たない順を、品質を下げる方向に値を変更した場合における優先順位としてよい。
【0028】
優先順位格納部236は、品質を下げる方向に値を変更した場合おける優先順位の一例として、インタレースをするかしないか(第1順位)、双方向印刷をするかしないか(第2順位)、自動画質補正をするかしないか(第3順位)、画質モード(解像度・紙送り量の変更)の変更(第4順位)、画質モード(ノズル数) の変更(第5順位)、縁あり・縁なしの印刷(第6順位)、用紙種類の変更(第7順位)、カラー・白黒の変更(第8順位)、コンポジットブラックの使用の有無(第9順位)を格納してよい。また、優先順位格納部236は、品質を上げる方向に値を変更した場合における優先順位の一例として、品質を下げる方向に値を変更した場合における優先順位の逆の順を格納してよい。
【0029】
印刷制御部220は、このように優先順位に従ってパラメータを変更することにより、有効なパラメータから順番に値を変更できるので、この結果、効率よく印刷の品質を変更することができる。
【0030】
また、警告出力部238は、パラメータ変更部229が所定の順位以下のパラメータを変更する場合に、その旨を警告してよい。警告出力部238は、一例として、ディスプレイ24上に警告画面を表示することにより、その旨を警告する。さらに、警告出力部238は、例えば警告に応じたパラメータの変更の許可/不許可をユーザから受け付けてよい。そして、警告出力部238は、ユーザが許可した場合に、当該パラメータをパラメータ変更部229に対して変更させ、また、ユーザが許可しなかった場合に、当該パラメータをパラメータ変更部229に変更させない、という制御をしてよい。
【0031】
警告出力部238は、図6に示すパラメータが設定されている例であれば、一例として、第4優先順位以下のパラメータを変更する場合に、警告をしてよい。すなわち、警告出力部238は、画質モード(解像度・紙送り量の変更)の変更(第4順位)、画質モード(ノズル数) の変更(第5順位)、縁あり・縁なしの印刷(第6順位)、用紙種類の変更(第7順位)、カラー・白黒の変更(第8順位)、コンポジットブラックの使用の有無(第9順位)を変更する場合において、警告をしてよい。
【0032】
このように警告することにより印刷制御部220によれば、品質を変更して指定期間に印刷を完了するか、または、印刷の品質を変更せずに指定期間に印刷を完了しないかを、ユーザ等の指示に応じて制御することができる。
【0033】
図7は、印刷時における印刷制御部220の処理を示すフローチャートである。印刷制御部220は、媒体30に対する印刷が要求されることにより、図7に示すフローチャートの動作を開始する。
【0034】
まず、印刷データ取得部226は、外部から印刷データを取得する(S110)。次に、予想時間算出部228は、現在設定されている基準品質のパラメータの値を、パラメータ格納部224から取得する(S120)。次に、予想時間算出部228は、印刷データ取得部226により取得された印刷データおよびパラメータ格納部224から取得したパラメータの値に基づき、ページ毎の予想時間(当該ページについての印刷開始から完了までの時間)を算出する。
【0035】
予想時間算出部228は、一例として、下記式(1)に基づき、ページ毎の予想時間を算出してよい。
1ページの予想時間=(設定品質における基準印刷時間)×(印刷データの用紙面積)/(基準用紙の用紙面積) …(1)
なお、(設定品質における基準印刷時間)は、現在設定されているパラメータにより、基準用紙に対して印刷した場合の印刷時間をいう。予想時間算出部228は、例えば、設定可能なパラメータの組合せパターン毎に、予め、(設定品質における基準印刷時間)を記憶してもよい。
【0036】
次に、指定時間受付部230は、例えばユーザ等により入力された指定時間を外部から受け付ける(S130)。次に、時間判断部232は、指定時間受付部230により受け付けられた指定時間から、所定の時間範囲(指定時間に対してマージン時間を考慮した時間範囲)を算出する(S140)。
【0037】
次に、時間判断部232は、ステップS130において算出された各ページの予想時間の合計が、ステップS140で算出した所定の時間範囲内に、入るか否かを判断する(S150)。さらに、ステップS150において、パラメータ変更部229は、時間判断部232により予想時間の合計が所定の時間範囲内に入らないと判断された場合に、時間判断部232により予想時間の合計が所定の時間範囲内に入ると判断されるまで、パラメータ格納部224に格納された印刷の品質に影響を与える可変なパラメータの値を変更する。そして、予想時間算出部228は、変更したパラメータに基づき再度予想時間を算出する。
【0038】
ここで、印刷の品質と印刷時間との間には相関関係がある。具体的には、印刷の品質が下がると印刷時間は短くなり、印刷の品質が上がると印刷時間は長くなる関係がある。そこで、ステップS150において、パラメータ変更部229は、時間判断部232により予想時間の合計が所定の時間範囲よりも長いと判断された場合に、印刷の品質を下げる方向に、パラメータ格納部224に格納されたパラメータを変更してよい。一方、パラメータ変更部229は、時間判断部232により予想時間の合計が所定の時間範囲よりも短いと判断された場合に、印刷の品質を上げる方向に、パラメータ格納部224に格納されたパラメータを変更してよい。
【0039】
さらに、ステップS150において、パラメータ変更部229は、時間判断部232により予想時間の合計が所定の時間範囲よりも長いと判断された場合に、優先順位格納部236に格納された優先順位の順および逆順のいずれか一方の順にパラメータを一つずつ選択して値を変更し、これを予想時間の合計が所定の時間範囲に入るまで繰り返してよい。より具体的には、予想時間の合計が所定の時間範囲よりも長いと判断された場合、優先順位格納部236が品質を下げる方向に値を変更した場合における優先順位を格納していれば、パラメータ変更部229は、優先順位格納部236に格納された優先順位の順に一つずつパラメータを選択して、選択した値を順番に変更する。また、優先順位格納部236が品質を上げる方向に値を変更した場合における優先順位を格納していれば、パラメータ変更部229は、優先順位格納部236に格納された優先順位の逆順にパラメータを一つずつ選択して、選択した値を順番に変更する。
【0040】
また、パラメータ変更部229は、時間判断部232により予想時間の合計が所定の時間範囲よりも短いと判断された場合に、優先順位格納部236に格納された優先順位の順および逆順の他方の順にパラメータを一つずつ選択して値を変更し、これを予想時間の合計が所定の時間範囲に入るまで繰り返してよい。より具体的には、予想時間の合計が所定の時間範囲よりも短いと判断された場合、優先順位格納部236が品質を下げる方向に値を変更した場合における優先順位を格納していれば、パラメータ変更部229は、優先順位格納部236に格納された優先順位の逆順にパラメータを一つずつ選択して、選択した値を変更する。また、優先順位格納部236が品質を上げる方向に値を変更した場合おける優先順位を格納していれば、パラメータ変更部229は、優先順位格納部236に格納された優先順位の順にパラメータを一つずつ選択して、選択した値を変更する。
【0041】
ステップS150の処理を終えると、次に、パラメータ出力部234は、印刷処理を開始する(S160)。具体的には、パラメータ出力部234は、印刷データ取得部226により取得した印刷データを印刷装置10に出力するとともに、ステップS150において設定されたパラメータの値で印刷すべき旨を印刷装置10に出力する。これにより、印刷装置10は、媒体30に対する印刷を開始する。
【0042】
次に、印刷装置10により印刷が開始され、その後、1ページ分または所定数ページ分の印刷が完了した場合、予想時間算出部228は、印刷が完了したページの実際の印刷時間に基づき、未だ印刷されていないページについてのページ毎の予想時間を再度算出する(S170)。予想時間算出部228は、一例として、印刷が完了したページの実際の印刷時間と、当該印刷が完了したページについての予想時間との差を算出して、当該差に基づき未だ印刷がされていない各ページについての予想時間を修正する。
【0043】
次に、時間判断部232は、指定時間受付部230により受け付けられた指定時間から、印刷開始時刻からの経過時間を引くことにより、残時間を算出する。そして、時間判断部232は、算出した残時間から、所定の時間範囲を算出する(S180)。
【0044】
次に、時間判断部232は、ステップS170において算出された各ページの再計算された予想時間の合計が、ステップS180で算出した所定の時間範囲内に、入るか否かを判断する(S190)。そして、印刷装置10により印刷が開始された後に、パラメータ変更部229は、未だ印刷されていない印刷データについて、時間判断部232による予想時間の合計が、指定時間受付部230が受け付けた指定時間から印刷開始時刻からの経過時間を引いた残時間に対する所定の時間範囲内に入ると判断されるまで、パラメータの値を変更する。そして、予想時間算出部228は、変更されたパラメータに基づき予想時間を算出する(S190)。予想時間算出部228、パラメータ変更部229および時間判断部232は、ステップS150と同じ処理を行うことにより、ステップS190の処理を行うことができる。
【0045】
ステップS190の処理を終えると、予想時間算出部228は、処理をステップS160に戻す。次に、指定時間受付部230は、未だ印刷されていない印刷データについて、ステップS190において時間判断部232により予想時間の合計が所定の時間範囲内に入ると判断されたパラメータの値で印刷すべき旨を印刷装置10に出力する(S160)。そして、印刷制御部220は、全てのページについて印刷が完了するまで、以上のステップS160からステップS190までの処理を繰り返す。
【0046】
以上のように印刷制御部220は、所定の時間範囲に印刷が完了するように、まず印刷の開始前に印刷の品質を制御する。さらに、印刷制御部220は、印刷が開始された後にも、指定時間に対する所定の時間範囲に印刷が完了するように、実際の印刷時間に基づき、未だ印刷がされていないページについて印刷の品質を制御する。これにより、印刷制御部220によれば、正確に指定時間に対する所定の時間範囲内に印刷を完了させることができる。
【0047】
また、印刷制御部220は、印刷開始前および印刷開始後において、予想時間の合計が指定時間に対する所定の時間範囲内よりも長いと判断する場合には印刷の品質を下げ、予想時間の合計が指定時間に対する所定の時間範囲内よりも短いと判断する場合には印刷の品質を上げる。これにより、印刷制御部220によれば、高い精度で所定の時間範囲内に印刷を完了することができるとともに、過剰に品質を下げずに、所定の時間範囲内で印刷が完了する範囲でより高い品質で印刷することができる。
【0048】
図8は、図7のステップS150およびステップS190の処理の一例を示すフローチャートである。まず、時間判断部232は、各ページの予想時間の合計が、所定の時間範囲内に入るか否かを判断する(S151)。各ページの予想時間の合計が所定の時間範囲内に入らない場合(S151のNo)、次に、時間判断部232は、予想時間の合計が所定の時間範囲よりも長いか、短いかを判断する(S152)。
【0049】
時間判断部232により予想時間の合計が所定の時間範囲よりも長いと判断された場合に(S152のYes)、パラメータ変更部229は、優先順位格納部236に格納された優先順位を読み出して、先に変更されたパラメータの次の優先順位のパラメータを選択する。そして、パラメータ変更部229は、選択したパラメータについて、印刷の品質を下げる方向にパラメータ格納部224に格納された値を変更する(S153)。また、ステップS153におけるパラメータの変更にあたり、警告が必要な場合、警告出力部238は警告を出力してよい。
【0050】
一方、時間判断部232により予想時間の合計が所定の時間範囲よりも短いと判断された場合に(S152のNo)、パラメータ変更部229は、優先順位格納部236に格納された優先順位を読み出して、先に変更されたパラメータの次の優先順位のパラメータを選択する。そして、パラメータ変更部229は、選択したパラメータについて、印刷の品質を上げる方向に、パラメータ格納部224に格納された値を変更する(S154)。また、ステップS154におけるパラメータの変更にあたり、警告が必要な場合、警告出力部238は警告を出力してよい。
【0051】
なお、ステップS153およびステップS154において、パラメータ変更部229は、一例として、「インタレース印刷をする」から「インタレース印刷をしない」に変更することにより品質を下げ、逆に変更することにより品質を上げてよい。また、「双方向印刷をする」から「双方向印刷をしない」に変更することにより品質を下げ、逆に変更することにより品質を上げてよい。また、「自動画質調整をする」から「自動画質調整をしない」に変更することにより品質を下げ、逆に変更することにより品質を上げてよい。また、「画質モード(解像度・紙送り量、ノズル数)」を低画質の方向に変更することにより品質を下げ、高画質の方向に変更することにより品質を上げてよい。
【0052】
また、パラメータ変更部229は、「縁ありの印刷」から「縁なしの印刷」に変更することにより品質を下げ、逆に変更することにより品質を上げてよい。また、媒体30の種類を「専用紙」から「普通紙」に変更することにより品質を下げ、逆に変更することにより品質を上げてよい。また、「カラー印刷」から「白黒印刷」に変更することにより品質を下げ、印刷データがカラーであった場合において逆に変更することにより品質を上げてよい。また、印刷データがカラーである場合において、「コンポジットブラックを使用する」から「コンポジットブラックを使用しない」に変更することにより品質を下げ、逆に変更することにより品質を上げてよい。
【0053】
ステップS153またはステップS154でパラメータの変更が完了すると、次に、予想時間算出部228は、変更したパラメータの値により、再度、予想時間を算出する(S155)。そして、ステップS155の処理を終えると予想時間算出部228は、処理をステップS151に戻し、以後、予想時間算出部228、パラメータ変更部229および時間判断部232は、ステップS151において予想時間の合計が所定の時間範囲内に入るまで(S151のYes)、ステップS152〜S155を繰り返す。これにより、印刷制御部220は、パラメータの値を、予想時間の合計が所定の時間範囲内に入るように変更することができる。
【0054】
図9は、印刷装置10から印刷速度特性を取得する処理を示すフローチャートである。印刷制御部220は、印刷速度特性の取得処理を開始すると図9に示すフローチャートを開始する。
【0055】
まず、印刷速度特性取得部240は、印刷速度特性を印刷装置10から取得する(S210)。この場合において、印刷速度特性取得部240は、一例として、印刷装置10の出荷時等に予め印刷速度特性が測定されて、印刷装置10内のメモリ等に予め格納された情報を読み出す。また、個体に応じて印刷速度特性が異なり、この値の修正を必要とする場合には、印刷速度特性取得部240は、印刷装置10をテスト動作させて印刷速度特性を計測してもよいし、なんらかの印刷データの印刷中に印刷速度特性を計測してもよい。
【0056】
印刷速度特性取得部240は、印刷速度特性の一例として、印刷装置10により変更可能な品質に関するパラメータの段階数、パラメータの段階に応じた1副走査あたり主走査回数、基準用紙における1主走査あたりの時間、基準用紙における1副走査あたりの時間、基準用紙における用紙開始時処理時間、基準用紙における用紙終端処理時間等を取得してよい。また、印刷速度特性取得部240は、縁なし印刷時における上端部および下端部についての処理が縁あり印刷時と特性が異なる場合には、これに加えて、縁なし印刷時におけるそれぞれの印刷速度特性を取得してもよい。
【0057】
次に、印刷速度特性格納部242は、印刷速度特性取得部240により取得した印刷速度特性を記憶する(S220)。印刷速度特性格納部242に記憶された印刷速度特性は、予想時間の算出時において、予想時間算出部228によって読み出される。
【0058】
予想時間算出部228は、読み出した印刷速度特性を用いて、印刷データについての予想時間を算出する。予想時間算出部228は、例えば、印刷データの用紙幅と基準用紙幅との比から当該印刷データの1主走査あたりの時間を求め、印刷データの用紙高さと基準用紙高さとの比から当該印刷データの1副走査あたりの時間を求める。そして、予想時間算出部228は、これらの時間を利用して予想時間を算出してよい。また、用紙開始時処理時間および用紙終端処理時間は用紙の違いによる影響が少ないので、予想時間算出部228は、用紙開始時処理時間および用紙終端処理時間を補正せずに予想時間の算出に利用してよい。このように印刷速度特性を取得することにより、印刷制御部220は、より正確に予想時間を算出することができる。
【0059】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】印刷装置10および印刷制御装置20の外観斜視図である。
【図2】カバー110を開けた状態の印刷装置10の外観斜視図である。
【図3】印刷装置10の媒体搬送部130および媒体印刷部150を模式的に示す側面図である。
【図4】媒体印刷部150を媒体30側から見た底面図である。
【図5】制御装置本体22の機能ブロックの構成を印刷装置10とともに示す。
【図6】時間判断部232が格納するパラメータの優先順位の一例を示す。
【図7】印刷制御部220の印刷時における処理を示すフローチャートである。
【図8】図7のステップS150およびステップS190の処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】印刷装置10から印刷速度特性を取得する処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
10 印刷装置、20 印刷制御装置、22 制御装置本体、24 ディスプレイ、26 キーボード、28 マウス、30 媒体、100 本体、110 カバー、120 載置部、130 媒体搬送部、132 搬送駆動ローラ、134 搬送従動ローラ、136 排出駆動ローラ、138 排出従動ローラ、150 媒体印刷部、152 ガイド板、154 キャリッジ、156 カートリッジ、158 印刷ヘッド、160 ノズル、210 アプリケーション部、220 印刷制御部、224 パラメータ格納部、226 印刷データ取得部、228 予想時間算出部、229 パラメータ変更部、230 指定時間受付部、232 時間判断部、234 パラメータ出力部、236 優先順位格納部、238 警告出力部、240 印刷速度特性取得部、242 印刷速度特性格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置を制御する印刷制御装置であって、
前記印刷装置で印刷する印刷データを取得する印刷データ取得部と、
前記印刷データ取得部により取得された前記印刷データに基づいて、前記印刷データを媒体上に印刷した場合のページ毎の予想時間を算出する予想時間算出部と、
外部から指定時間を受け付ける指定時間受付部と、
前記予想時間算出部により算出された前記ページ毎の前記予想時間の合計が、前記指定時間受付部が受け付けた前記指定時間に対する所定の時間範囲内に入るか否かを判断する時間判断部と、
印刷の品質に影響を与える可変なパラメータの値を変更するパラメータ変更部と
を備え、
前記時間判断部により前記予想時間の合計が前記所定の時間範囲内に入らないと判断された場合に、前記時間判断部により前記予想時間の合計が前記所定の時間範囲内に入ると判断されるまで、前記パラメータ変更部は、可変なパラメータの値を変更し、
前記時間判断部により前記予想時間の合計が前記所定の時間範囲内に入ると判断された前記パラメータの値で印刷すべき旨を前記印刷装置に出力するパラメータ出力部をさらに備え、
前記印刷装置により印刷が開始された後に、前記パラメータ変更部は、未だ印刷されていない印刷データについて、前記時間判断部による予想時間の合計が、前記指定時間受付部が受け付けた前記指定時間から印刷開始時刻からの経過時間を引いた残時間に対する所定の時間範囲内に入ると判断されるまで、前記パラメータの値を変更し、
前記パラメータ出力部は、前記印刷装置により印刷が開始された後に、前記未だ印刷されていない印刷データについて、前記時間判断部により前記予想時間の合計が前記所定の時間範囲内に入ると判断された前記パラメータの値で印刷すべき旨を前記印刷装置に出力する印刷制御装置。
【請求項2】
前記時間判断部により前記予想時間の合計が前記所定の時間範囲よりも長いと判断された場合に、前記パラメータ変更部は、前記印刷の品質を下げる方向に前記パラメータを変更する請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記時間判断部により前記予想時間の合計が前記所定の時間範囲よりも短いと判断された場合に、前記パラメータ変更部は、前記印刷の品質を上げる方向に前記パラメータを変更する請求項1または2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
複数の前記パラメータに対応付けて、前記パラメータを変更する優先順位を格納した優先順位格納部をさらに備え、
前記時間判断部により前記予想時間の合計が前記所定の時間範囲よりも長いと判断された場合に、前記パラメータ変更部は、前記優先順位格納部に格納された前記優先順位の順および逆順のいずれか一方の順に前記パラメータを変更し、
前記時間判断部により前記予想時間の合計が前記所定の時間範囲よりも短いと判断された場合に、前記パラメータ変更部は、前記優先順位格納部に格納された前記優先順位の順および逆順の他方の順に前記パラメータを変更する請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
所定の順位以下の前記パラメータを変更する場合に、その旨を警告する警告出力部をさらに備える請求項4に記載の印刷制御装置。
【請求項6】
印刷装置を制御する印刷制御方法であって、
前記印刷装置で印刷する印刷データを取得する手順と、
前記印刷データに基づいて、前記印刷データを媒体上に印刷した場合のページ毎の予想時間を算出する手順と、
外部から指定時間を受け付ける手順と、
前記ページ毎の前記予想時間の合計が、前記指定時間に対する所定の時間範囲内に入るか否かを判断する手順と、
印刷の品質に影響を与える可変なパラメータの値を変更する手順と、
前記予想時間の合計が前記所定の時間範囲内に入らないと判断された場合に、前記予想時間の合計が前記所定の時間範囲内に入ると判断されるまで、前記可変なパラメータの値を変更する手順と、
前記予想時間の合計が前記所定の時間範囲内に入ると判断された前記パラメータの値で印刷すべき旨を前記印刷装置に出力する手順と、
前記印刷装置により印刷が開始された後に、未だ印刷されていない印刷データについて、前記予想時間の合計が、前記指定時間から印刷開始時刻からの経過時間を引いた残時間に対する所定の時間範囲内に入ると判断されるまで、前記パラメータの値を変更する手順と、
前記印刷装置により印刷が開始された後に、前記未だ印刷されていない印刷データについて、前記予想時間の合計が前記所定の時間範囲内に入ると判断された前記パラメータの値で印刷すべき旨を前記印刷装置に出力する手順と
を備える印刷制御方法。
【請求項7】
印刷装置を制御するプログラムであって、前記印刷装置に、
前記印刷装置で印刷する印刷データを取得する手順、
前記印刷データに基づいて、前記印刷データを媒体上に印刷した場合のページ毎の予想時間を算出する手順、
外部から指定時間を受け付ける手順、
前記ページ毎の前記予想時間の合計が、前記指定時間に対する所定の時間範囲内に入るか否かを判断する手順、
印刷の品質に影響を与える可変なパラメータの値を変更する手順と、
前記予想時間の合計が前記所定の時間範囲内に入らないと判断された場合に、前記予想時間の合計が前記所定の時間範囲内に入ると判断されるまで、前記可変なパラメータの値を変更する手順、
前記予想時間の合計が前記所定の時間範囲内に入ると判断された前記パラメータの値で印刷すべき旨を前記印刷装置に出力する手順、
前記印刷装置により印刷が開始された後に、未だ印刷されていない印刷データについて、前記予想時間の合計が、前記指定時間から印刷開始時刻からの経過時間を引いた残時間に対する所定の時間範囲内に入ると判断されるまで、前記パラメータの値を変更する手順、および、
前記印刷装置により印刷が開始された後に、前記未だ印刷されていない印刷データについて、前記予想時間の合計が前記所定の時間範囲内に入ると判断された前記パラメータの値で印刷すべき旨を前記印刷装置に出力する手順
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−213254(P2007−213254A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−31579(P2006−31579)
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】