説明

印刷機において色調整を行う方法

本発明は、印刷機において色調整を行う方法に関し、被印刷物(09)に印刷機の印刷プロセス進行中に継続的に印刷を行い、少なくとも1つの印刷インキを、複数のインキ帯域(22;22A;22B;22C;22D)で被印刷物(09)に塗布し、被印刷物(09)に塗布される少なくとも1つの印刷インキに関して、印刷機内で印刷プロセス中に、色濃度を表す測定値を求め、特定の印刷インキに関する選択されたインキ帯域(22;22B)で求められる色濃度の測定値と、同じ印刷インキの別の少なくとも1つのインキ帯域(22;22A;22C)で求められる色濃度の測定値との間の関係を形成し、異なるインキ帯域(22;22A;22B;22C;22D)の間の色濃度に関する測定値の関係を形成し、それも、印刷機の特定のインキ装置(07)に関して設けられるインキ帯域(22;22A;22B;22C;22D)の多数が、それぞれインキ装置(07)から供給される印刷インキの色濃度に関する測定値を提供し、該測定値が、各インキ帯域(22;22A;22B;22C;22D)において前調節された目標値の少なくとも予め規定された割合に到達する場合にだけ、前記色濃度に関する測定値の関係を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載された、印刷機において色調整を行う方法に関する。
【0002】
国際公開第2005/092613号パンフレットにおいて、調量装置を備えた少なくとも1つのインキ装置を有する、好適には多色刷りで印刷を行う印刷機が公知であり、ここではインキ装置の調量装置が、調整装置によって調整され、調整装置は、好適には光学的な検出装置と接続されており、検出装置は、印刷機内で印刷される被印刷物の表面に向けられたセンサによって、印刷の品質を検出する。
【0003】
欧州特許公開第1437222号明細書において、複数の測定領域を備えた色測定ストリップを印刷する方法が公知であり、ここでは、個々の測定領域において、被印刷物に塗布された色濃度が測定され、印刷機の色調整に用いられ、その際、被印刷物の搬送方向に沿って延在する同じインキ帯域の内側に、被印刷物の搬送方向に対して横向きに相並んで配置された測定領域が、それぞれ3つの測定位置のグループに配置されており、その際、各グループに、印刷に関与する印刷インキに割り当てられた測定領域が、それぞれ同じ順番で相並んで配置されており、その際、特定の色の、別の両方のグループの測定領域で測定された両方の別の色濃度に対する、同じ色の、中央のグループの測定領域で測定された色濃度の比または差が形成され、その際、求められた比または求められた差が、予め規定された許容限度内に位置するか検査される。規定の限度の外側に位置する結果は、たとえば地汚れまたは塗布による汚れとして評価される。
【0004】
欧州特許出願公開第1084843号明細書において、印刷製品を濃度計によって測定するための装置が公知であり、ここでは、濃度計−測定ヘッドの、所定の目標値を用いて計算された測定結果が、印刷機のインキガイドに関する調節命令に用いられ、その際、濃度計に後置された、計算ユニットを備えた評価ユニットによって、1つの測定領域と、同じインキで同じ測定領域タイプ(フルトーン(ベタ)もしくはハーフトーン)の、隣接する測定領域との色濃度値の比較が行われる。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第102004003612号明細書において、印刷製品の所定部分の画像を評価する方法が公知であり、ここでは印刷製品の所定部分の画像が、電子式のエリア画像センサを有するカメラによって記録され、画像センサによって把握される画像は、電子評価ユニットによって読み取られ、処理され、その際、所定部分の内側で所定の第1の領域から記録された強度信号は、計算により規準データ値と関係付けされる。規準データ値は、印刷製品の未印刷領域の光拡散反射の強度に関する値を表しており、その際、はじめに白色規準の画像が記録され、この画像の強度信号から、全体部分に関する基本規準データが導き出され、その際、所定部分の画像を評価する際に、所定部分の内側で所定の第2の領域から修正データが導き出され、所定部分の内側で所定の第1の領域から記録された強度信号を基準データと計算により関係付けするまえに、規準データは、基本規準データと修正データとの計算による関係付けによって、求められる。
【0006】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第102004021601号明細書において、少なくとも1つのインキ装置を備えた印刷機に用いる方法が公知であり、ここでは、相応のインキ装置の少なくとも1つの調節が、印刷機の、被印刷物の表面に印刷する印刷プロセスの進行中に、印刷プロセス中に印刷機内で検出される少なくとも1つの測定値に基づいて、調整装置によって変化可能であり、その際、調整装置は、検出された測定値の妥当性を、相応のインキ装置の調節を変化させるまえに検査する。測定値の妥当性に関して、たとえばたとえば色濃度範囲で差に関する限度値が規定される。限度値は、連続する2つの測定値または位置的に隣接する関連する2つの測定値が超過してはならない値である。
【0007】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第3829341号明細書において、データを形成するための濃度計、データを収集するためのメモリ、または分光光度計、および区域ごとに分割された色調量装置を制御するためのデータを評価する計算機を用いた、印刷機におけるインキ供給を調整するために印刷画像のデータを検出するための方法が公知であり、ここでは、印刷画像が、その構成に応じて、画像区域に分割され、各画像区域は、インキ調量装置の多くの区域にわたって様々に延在することができ、その際、各画像区域データは、画像区域メモリに格納され、その際、各画像区域の画像領域において、濃度計もしくは分光光度計によって色濃度が測定され、その際、得られたデータは計算機に伝達され、計算機は、データの完全性および正確性を検査し、その際、データは、有効な検査に際して画像データメモリに格納され、濃度計もしくは分光光度計が次の測定のために作動させられ、後続のステップが測定サイクル内で行われるか、または、データの有効な検査が得られない場合、エラー通知が出力され、濃度計は、測定サイクル内で、再度同じステップのために作動させられる。
【0008】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第3543444号明細書において、網版法で作動する多色刷り印刷機において均等な印刷結果を得るための方法が公知であり、ここでは、被印刷物の隣接するインキ帯域への印刷インキの供給が、調節部材によって変化可能であり、その際、印刷過程を調節するために、インキ帯域の内側に印刷される測定領域でフルトーン(ベタ)濃度および/または網点サイズが検出され、フルトーン濃度および/または網点サイズが、これらに割り当てられた許容範囲から逸脱する場合、調節部材の作動によって修正して印刷過程に影響が及ぼされ、その際、印刷過程の間に色の平衡を維持するために、異なる印刷インキのフルトーン濃度および/または網点サイズの、繰り返し選択された関係が求められ、選択された関係が、割り当てられた許容範囲から逸脱する場合、制御機構の作動によって修正して印刷過程に影響が及ぼされる。
【0009】
旧東ドイツ国経済特許第80046号明細書において、輪転印刷機において損紙のサンプルを検出する方法が公知であり、ここでは、単数または複数の光電式のスキャナまたは照明放射および測定放射が、片側から、紙の未印刷面の拡散反射特性を測定し、その際、この方法により、過度に少量のインキが供給された未印刷のサンプル等を検出するまえに、測定信号が考慮される。
【0010】
本発明の課題は、印刷機の色調整の方法を提供することである。
【0011】
本発明によれば、この課題は、請求項1の特徴部に記載した構成によって解決される。
【0012】
本発明により得られる利点によれば、印刷機の内側で印刷プロセス進行中に自動的、つまりオペレータによる作業なく行われる色調整が、能動的で自動の色調整にとって実際に効果的である印刷機の運転状態でしか行われない。見出された構成により、自動の色調整が行われる条件が規定される。したがって印刷機のあらゆる運転状態で能動的で自動の色調整が有効であるということはなく、つまり、はじめて作動する時点(その時点でインキ伝達過程がはじめて行われる)では有効でない。このような条件は、好適には印刷プロセスのまえに規定される。条件は、好適には自由にパラメータ化可能であり、インキ装置を調整する調整装置に記憶される。さらにたとえば関係が形成され、この関係に基づいて、同じ印刷インキの、別のインキ帯域で求められる色濃度の各測定値に対する、選択されたインキ帯域で求められる印刷インキの色濃度の、印刷機内で検出された少なくとも1つの測定値の妥当性が検査され、その際、インキ帯域は、被印刷物の搬送方向に対して横向きに好適には相並んで配置されている。色調整のために、専ら、同じ印刷インキにおいて求められる別の測定値に関して妥当であるとされる測定値が用いられる。このような方法は、短時間的で特異な妨害が、色調整を行う調整装置の調整動作を不要に不安定化することがないように、役立つ。その都度の色濃度を表す測定値から形成される前述の少なくとも1つの関係は、インキ装置をたとえば電子式にかつ/またはプログラムによって調整する調整装置によって、印刷機の印刷プロセス進行中に、好適には変化について検査される。印刷機の内側で印刷プロセス進行中に好適には継続的に行われる、測定値の妥当性に関する検査、ならびに検査に続く、選択的な、色調整に関する相応の測定値の使用は、主にインキ装置を調整する調整装置の安定した調整動作に役立ち、このことは、高い経済性を有する高品質な印刷製品の形成を助勢して、印刷運転の不要な中断を回避するのに役立つ。
【0013】
本発明の実施の形態を図示して、以下に詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】オフセット印刷機の概略図である。
【図2】測定ストリップを備えたシートの一部を示す図である。
【図3】付属の照射装置を備えた、シートから拡散反射される光を検出する検出装置の概略図である。
【図4】1つの測定ストリップと複数のインキ帯域とを備えたシートを示す図である。
【0015】
図1は、枚葉印刷機として形成された印刷機を例示している。択一的に、印刷機は、ウェブ印刷機として形成してもよい。印刷機は、特にオフセット印刷機として構成されており、印刷機は、従来慣用の、または水なしの、つまり湿し媒体を供給することなく印刷するオフセット印刷法を用いて印刷することができる。
【0016】
印刷機は、好適には複数の、同じ被印刷物09(図2)をそれぞれ1つの色相(ブラック、シアン、マゼンタまたはイエロー)の印刷インキで印刷する印刷部01を備えている。図1の実施の形態では、矢印で示唆する被印刷物09の搬送方向Tにみて、タンデム型で相前後して5つの印刷部01が設けられており、各印刷部01は、それぞれたとえばブランケット胴14と協働する少なくとも1つの版胴08を備えている。各版胴08に、それぞれインキを版胴08に塗布する(付着させる)インキ装置07が対応して配置されている。印刷部01に続いて、被印刷物09の搬送方向Tにみて、ラッカタワー02として構成されたラッカ着け装置ならびにデリバリ搬送部03およびデリバリ04が設けられている。枚葉印刷機の反対側の端部に、シートのフィーダ06が配置されている。相前後して配置された印刷部01の数は、必要に応じて、図1に示す実施の形態よりも大小してよい。したがって10個まで拡張して印刷部01を設けてもよい。複数の印刷部01の少なくとも1つは、インプリンタとして形成することができるので、印刷機において、瞬間的な刷版交換、つまり印刷工程の進行から該当する版胴08を分離することに基づいて、印刷機の生産中に、該当する印刷部01の各版胴08で刷版の交換が可能である。表面および裏面を印刷するための、つまり枚葉印刷機を通走する被印刷物09に両面印刷するための枚葉印刷機を設けてもよく、この機能を実現するために、たとえば反転装置を備えることができる。インプリンタ機能は、表面および裏面に印刷するために、つまり被印刷物09の両側に設けることができる。インプリンタとして構成可能な印刷ユニット01は、装飾用インキまたは特殊インキで印刷するために使用することもできる。列状に印刷部01を配置する構造の他に、被印刷物09が略鉛直にガイドされるタワーとして構成された配置構造にしてもよい。多くの場合、被印刷物09の搬送方向Tにみて、明色の印刷インキ、たとえばイエローまたはマゼンタを塗布するまえに、先ず暗色の印刷インキ、たとえばブラックまたはシアンが塗布される。
【0017】
被印刷物09は、使用される印刷機のタイプに応じて、分解された植物繊維から製造される材料から成るウェブまたはシート09であり、使用方式および製品の種類の坪量に応じて、紙(<150g/m2)、厚紙(150〜600g/m2)または段ボール(>600g/m2)に分類される。シート09のサイズは、印刷機を通走する搬送方向T(図4)に沿ってたとえば1000mm以上であり、搬送方向Tに対して横向きにたとえば700mm以上であってよい。ウェブは、印刷機を通走する搬送方向Tに沿って1000mm以上の幅を有していてよい。ウェブ印刷では、たとえば2600mmまでの幅が実現される。
【0018】
被印刷物09の印刷性を改善するために、紙から成る被印刷物09は、片側または両側の表面に塗工することができ、つまり顔料、結合剤、添加物、たとえば光学的に高明度化させる材料から成る、単層または多層に塗布される白色の塗工物を有することができ、これによって色相の明度および/または製造に起因する構造または粗さに関して被印刷物09の表面に所望の影響が及ぼされる。塗工量は、面積あたりの重量で、5〜20g/m2、好適には5g/m2〜10g/m2の範囲である。被印刷物09の表面を塗工したあとで、艶出し、つまりカレンダー内で被印刷物09の表面の光沢化を行うことができ、艶出しは、被印刷物09の光学特性および被印刷物09の印刷性に影響を及ぼす。被印刷物09の表面は、たとえば銀行券または証書として使用するために、凹凸加工(エンボス加工または圧刻加工)された構造を有してもよく、構造は、比較的平らであっても、また浮き彫り(レリーフ)であってもよい。
【0019】
印刷機を被印刷物09が通走する際に、被印刷物を取り囲む空気、被印刷物の表面に塗布される印刷インキまたは印刷プロセスに供給される湿し媒体からの湿気による影響、または機械式の力の作用による影響は不可避である。被印刷物09の状態に応じて、これらの影響は、印刷機を通走する搬送方向Tに対して横向きおよび/または搬送方向Tに沿って、被印刷物09の表面の伸張度に様々に作用し、その際、要因に応じて、湿気による伸張および/または機械による伸張との間で区別が行われる。被印刷物09に現れる作用は、被印刷物09の印刷に影響を及ぼす。
【0020】
印刷に少なくとも複数の印刷インキが関与しており、印刷インキは、網版における色混合プロセスで複数の色相を重ねて印刷して補正したあとで、多色の印刷像21が形成され、その際、各色分解において、印刷に関与する1色の印刷インキがそれぞれ被印刷物09に印刷される。多くの場合原色の印刷インキとしてマゼンタ、シアンおよびイエローの色相で印刷インキが用いられ、これらの色が混合され別の色相が形成される。前述の3つのカラーインキからの混合物としてのグレートーンまたはブラックを形成するための技術的な手間を減じるため、ひいては高価なカラーインキを節約するために、多くの場合、追加的にブラックの色相の印刷インキが用いられる。さらに単数または複数の特殊インキで印刷が行われ、これにより印刷に顧客特有の色相または効果を形成することができる。印刷に用いられる印刷インキの測色による特性が、印刷機内で印刷インキが塗布される被印刷物09の性質と関連して、印刷時に再現可能な色域に多大な影響を及ぼす。印刷インキの測色による特性は、とりわけインキ顔料の化学組成にも影響される。多くの場合、比較的高価なインキ顔料は、たとえば印刷インキで再現可能な色空間を拡張することができる。さらに使用される被印刷物09によって、たとえば印刷インキで表現可能な色コントラストが影響される。塗工紙では、原色の重ね刷りで、フルトーンに関して、約2密度単位(略して2D)の光学濃度が得られ、特にブラックの印刷インキに関して得られる。
【0021】
網版の色混合プロセスでは、多色の印刷像21は、それぞれ網点を有する色分解によって印刷技術的にまとめられ、その際、印刷に関与する全ての印刷インキのためにそれぞれ1つの色分解が設けられており、異なる色分解の網点が被印刷物09上にそれぞれ独立して(間隔を有して)相並んで、また重ね合わせて塗布される。印刷品質は、スクリーンの種類および自由度、つまり網点の形状および配列に影響される。オフセット印刷法では、網点は、典型的には、10μmのサイズから確実に転移することができ、その際、多色刷りで、1cmあたり50〜80線のスクリーン幅が一般的である。線細工構造を表現するための微細なスクリーンは、1cmあたり150線まで有しており、したがってスクリーンが細かいほど、印刷の解像度が高くなり、ひいては微細な構造の再現機能が高くなる。多色刷りにおいてモアレ、つまり干渉現象またはロゼッタ発生を回避するために、望ましくはスクリーンが非周期的に形成される。周期的なスクリーンと非周期的なスクリーンとの組み合わせによって、印刷の品質がさらに高められる。たとえばそれぞれ15度の角度間隔の、印刷に関与する色分解の適切なスクリーン角度によって、モアレはほぼ回避される。
【0022】
網点は、たとえば円形、正方形または楕円形の形状を有してよく、振幅変調スクリーン、周波数変調スクリーンまたは強度変調スクリーンに配置されている。振幅変調スクリーンでは、個々の網点は、一定の中心点距離を有していて、面積の広がりで変化しており、これに対して周波数変調スクリーンでは、個々の網点は、中心点距離が変化する一定の面積の広がりを有している。強度変調スクリーンでは、被印刷物09に転移される網点の層厚さが変化され、これによって網点の光学濃度が変化される。多次元の変調によるスクリーンの混成した構成も実現可能である。多色刷りでは、印刷に関与する異なる色分解の網点の相対的な位置決めならびに各色分解における網点のエリアごとの分布の程度が、網点の重ね刷りに際して印刷品質に影響を及ぼす。重ね刷りに際して、色分解の相対位置は、色レジスタまたは見当合わせとも呼ばれる。
【0023】
印刷に用いられる印刷インキの特性は、印刷品質に持続的に作用する。印刷インキの特性に、レオロジー特性も数えられ、つまり、被印刷物09ならびにまえもって印刷された少なくとも1つの色分解の網点における流動性および付着性が考慮される。印刷インキの流動性は、粘性によって特定される。印刷インキの粘性が高くなるほど、印刷インキは、より粘りつきが高く、その結果、印刷インキは滲みにくく、分配して均質の膜を形成するのが困難である。印刷インキの付着性は、粘りつきによって明記される。タック値として表された印刷インキの粘りつきが高いほど、ヒビ割れしにくいので、印刷インキの膜を回転体の配置構造を介して搬送して被印刷物09に転移させるために、比較的高い力が要求され、これにより、高い摩擦抵抗に基づいて印刷機に熱が形成されることになる。
【0024】
印刷インキの粘性および粘りつきは、温度に影響される。たとえば枚葉印刷機では18000枚/hであり、またはウェブ印刷機では16m/sであってよい印刷機の生産速度(この速度で被印刷物09が印刷機を通って搬送される)も、少なくとも間接的に印刷インキの粘性および粘りつきに作用する。複数の印刷インキを重ね刷りする際に、あとで印刷される印刷インキが予め印刷された印刷インキに付着する(乗る)ようにするためには、あとで印刷される印刷インキが、比較的低いタック値を有する必要がある(トラッピング)。
【0025】
図1に示す印刷機は、少なくとも1つの印刷部01に、好適には光学的な少なくとも1つのセンサ24(図3)を設けた少なくとも1つの検出装置11を備えており、センサ24は、印刷機内で印刷される被印刷物09の表面に向けられていて、印刷品質に関連する少なくとも1つの測定値を検出する。この測定値から得られる好適にはデジタルのデータは、光学的な検出装置11から調整装置12に送信され、したがって調整装置12は、少なくとも1つのインキ装置07を調節して、目標値として設定された印刷品質と光学的な検出装置11によって検出される印刷品質の実際値との間の差に応じて、差が好適には許容されるトレランス限度に達するか、またはこれを超えると、目標値と実際値との間の差を減じるようにする。調整装置12によって行われる、インキ装置07から被印刷物09に転移される印刷インキに関する調整は、検出装置11から調整装置12に送られるデータに直接に依存している。
【0026】
各インキ装置07は、被印刷物09に転移しようとする印刷インキの量を調整するための調量装置を備えている。この調量装置は、版胴08の軸方向にみて、相並んで複数、たとえば30〜60またはそれ以上の、好適にはそれぞれ同幅の帯域(ゾーン)22、いわゆるインキ帯域(インキゾーン)22を有しており(図2)、被印刷物09に転移しようとする印刷インキの調量は、調整装置12によって、様々な帯域22で多様に調節可能であり、必要な場合後調節可能である。調量装置は、たとえば制御可能なねじを備えており、多色刷りで印刷を行う印刷機では、全体として、それぞれ個別に制御可能な数百のねじを設けることができる。調量装置は、調整装置12によって与えられる規準値に応じて、被印刷物09に転移しようとする印刷インキの量を、層厚および/または塗布時間の調節によって調量する。したがって調量装置は、少なくとも1つのインキポンプを用いるインキ供給系として、たとえばポンプ式インキ装置として形成してもよく、印刷インキは、インキ装置07のインキドクタに向かってガイドされ、インキドクタで、好適には帯域ごとに、個別に異なるインキ帯域22に作用する調節手段によって調量可能であり、その際、調節手段は、たとえば電動式の少なくとも1つの調節駆動装置によって駆動可能なインキ調量手段、たとえば少なくとも1つのインキ出し調節ブレードまたはインキ出し調節スライダを備えており、その際、調節駆動装置は、たとえば調節装置12によって調節可能な調節モータとして形成されている。インキ装置07は、インキ搬送経路が短い短路型インキ装置として、また、インキ搬送経路にたとえば5つ以上のローラを備えた慣用のローラ式インキ装置として形成してよい。
【0027】
印刷機では、版胴08および版胴08に対応して配置されたブランケット胴14は、好適にはそれぞれ独立して、たとえば好適には位置調整式の電気駆動装置によって駆動される。したがって印刷機は、好適にはシャフトレス式に形成されており、その際、版胴08および/またはブランケット胴14の駆動装置は、対応する圧胴16の駆動装置から機械的に分離されている。版胴08およびブランケット胴14は、たとえば歯車と機械的に結合されていて、共通の、好適には位置調整式の駆動装置を備えることができるが、共通の駆動装置は、いずれにせよ圧胴16の駆動装置から機械的に分離されている。少なくとも1つのこの駆動装置によって、圧胴16または印刷機の別の版胴08に対する、版胴08および/またはブランケット胴14の位相位置または角度位置が調節可能であり、好適には調整可能であり、その際、位相位置または角度位置は、周方向レジスタの調節に用いられる。ブランケット胴14に版胴08が形状結合(形状結合とは、嵌め合いまたは噛み合いなどの部材相互の形状的関係に基づく結合を意味する)式に連結した状態でも、位相調節するために調節駆動装置を設けてもよい。周方向レジスタは、被印刷物09の搬送方向Tに対して横向きに向けられた、被印刷物09の規準エッジまたは規準ラインに対する色分解の位置精度に影響を及ぼす。被印刷物09は、圧胴16と、圧胴16と協働するブランケット胴14との間を通ってガイドされる。さらに図1に例示する印刷機の各印刷部01は、版胴08と協働する湿し装置17を備えている。印刷機の少なくとも2つのインキ装置01によって同じ被印刷物09に印刷される印刷インキは、好適には互いに異なる色相を有している。
【0028】
印刷品質を検出するために設けられた光学的な検出装置11は、好適には検査システムとして形成されていて、特に印刷機を通って搬送する間に被印刷物09を検査するインライン検査システムとして形成されている。検査システムは、光学的な検出装置11の機能性を拡張し、被印刷物09に塗布される印刷インキの、濃度測定により検出可能な光学濃度、および/または測色計により、特に分光光度計により検出可能な色相、および/または色分解が相互に占めるインキレジスタまたは周方向レジスタ、および/または色分解の側方レジスタの検出に対して選択的に、または特に追加的に、印刷において場合によっては認められる障害(これはたとえば被印刷物09の搬送または印刷プロセスに起因する)が検出され、障害を克服するためまたはエラーを含む印刷結果を排除するための適切な措置が講じられ得る。検査システムによって検出される障害は、たとえば擦れ、折れ、紙粒子または汚染物粒子、インキ堆積物またはヒッキーである。
【0029】
光学的な検出装置11は、好適には非接触式に、その基本機能において、印刷機内で印刷される被印刷物09上の、印刷に関与する少なくとも1つの印刷インキの乗り具合を検出する。印刷機内で印刷された被印刷物09上の、印刷に用いられる少なくとも1つの印刷インキが、光学的な検出装置11の検出箇所に存在する場合、光学的な検出装置11は、印刷インキの少なくとも1つの特性に基づいて印刷インキの存在を検出する。
【0030】
印刷インキの特性は、測色による色相、光学濃度、被印刷物09に塗布された網点の層厚、形状、位置、角度またはエリア分布であってよい。光学的な検出装置11は、たとえば印刷に関与する少なくとも1つの別の印刷インキの少なくとも1つの網点の位置に対する、印刷に関与する1つの印刷インキの少なくとも1つの網点の位置、または、被印刷物09上に印刷された印刷像21における、印刷に関与する1つの印刷インキの少なくとも1つの網点の位置を検出することができ、ここでは前者の第1の検出オプションは相対測定であり、後者の第2の検出オプションは絶対測定、つまり印刷しようとする印刷像21に関する網点の座標の特定である。
【0031】
特に印刷機が被印刷物09を両面で印刷する場合、つまり印刷機が両面刷りで作動する場合、光学的な検出装置11は、同じ被印刷物09のそれぞれ反対側の面に印刷された印刷像21と、これらの印刷像21の相対位置とを検出し、つまりいわゆる反転レジスタである。被印刷物09の両面の一方に印刷される印刷像21は、好適にはそれぞれ複数の色分解から成っている。
【0032】
光学的な検出装置11は、たとえば印刷機で印刷される被印刷物09の性質も検出する。被印刷物09の性質は、特に印刷または刷り損じに関する特性である。したがって被印刷物09の性質は、湿気による膨張(伸長)および/または印刷機を通走する搬送方向Tに対して横向きおよび/または搬送方向Tに沿った、表面の機械的な膨張であってよい。また被印刷物09の性質は、表面に塗布される塗工量であってよく、特に被印刷物09の表面に塗布される、5g/m2を上回る面積あたり重量を有する塗工量であってよい。さらに被印刷物09の性質は、特に表面の白色度であってもよい。
【0033】
図2に部分的に示すシート09の一例として示すように、光学的な検出装置11は、少なくとも1つの測定領域13を検出し、相応の測定領域13は、印刷プロセスに関与する特定の色分解に割り当てられている。測定領域13は、少なくとも1つの印刷インキの網点を備えていて、たとえば相応の色分解に割り当てられたフルトーン領域(ベタ領域)として形成されている。測定領域13は、好適には被印刷物09に印刷される印刷像21の印刷部分の外側に配置された測定ストリップ19の構成部分であってよく、その際、たとえば版胴08の軸方向にライン状に延在する測定ストリップ19に、たとえば複数の、それぞれ好適には同数の、たとえば相並んで位置する5つの領域の群を有しており、その際、各群に、それぞれ印刷インキ、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの、たとえばフルトーン領域として形成された測定領域13ならびに未印刷の白色領域23が設けられている。好適には正方形に形成された各測定領域13ならびに白色領域23は、それぞれ6×6mmのサイズを有している。したがって相並んで配置された4つの測定領域13ならびに白色領域23から成る群は、版胴08の軸方向にみてたとえば30mmにわたって延びており、この延伸度は、たとえばインキ装置07の調量装置のインキ帯域22の1つの幅b22に相当する。インキ装置07の調量装置の各インキ帯域22には、たとえば相並んで配置された4つの測定領域13ならびに白色領域23から成る前述の群が配置されている。
【0034】
検出装置11は、特に光学的な装置、たとえば対物レンズを用いることによって、搬送方向Tに対して横向きに延在する色分解の少なくとも1つの幅を完全に検出するように形成されていて、好適には搬送方向Tに対して横向きに延在する被印刷物09の幅をも検出するように形成されている。検出装置11は、印刷機内で、好適には被印刷物09の搬送方向Tにみて最も下流側に位置する印刷部01のさらに下流側に配置されている。両面印刷で作動する枚葉印刷機では、検出装置11は、たとえば被印刷物09のターニング装置の上流側に配置されている。検出装置11は、センサ24の検出に応じて、検出装置11の出力側に、好適にはデジタルデータ、特に画像データを送信する。画像データは、検出装置11と接続された調整装置12によって受信され、評価される。
【0035】
検出装置11のセンサ24は、好適には画像センサ24として形成されている。検出装置11は、複数のセンサ24を備えてよく、複数の画像センサ24を備えてもよい。センサ24は、たとえばフォトダイオードとして形成されており、画像センサ24は、たとえばCCDチップまたはCMOSチップとして形成されている。センサ24は、好適には複数の色相を特に同時にセンシングする。検出装置11は、センサ24として、たとえばラインカメラまたはエリアカメラを備えている。
【0036】
検出装置11と作用接続された、好適には、調整装置12と接続されたいわゆる照明装置18が設けられている。照明装置18は、光を持続的または断続的に照射することができ、たとえばコールドライト源として形成されており、つまり、光に、ごく僅かな赤外成分しか有しないか、または実質的に赤外成分を有していない光源として形成されている。照明手段として、照明装置18には、たとえば複数の発光ダイオードまたはレーザダイオードが用いられる。好適には、照明装置18に、特にその照明手段のために、冷却装置が設けられている。冷却装置は、ガス状または液状の冷媒で照明手段の冷却を行うことができる。照明装置18は、被印刷物09の搬送方向Tに対して横向きの、測定領域13、色分解または被印刷物09の検出しようとする幅に容易に適合させるために、相並んで設置可能な複数のモジュールから成っていてよい。
【0037】
照明装置18は、好適には被印刷物09に印刷インキを転移させるブランケット胴14の近傍に、または圧胴16の近傍に配置されている。枚葉印刷機では、照明装置18は、たとえば印刷機の最も下流側に位置する印刷部01のさらに下流側でフットスペースの下方に配置されている。照明装置18は、印刷済みの被印刷物09の表面に対して30mm〜200mmの範囲で、好適には80mm〜140mmの範囲で間隔を有しており、これに対して検出装置11のセンサ24は、被印刷物09に対して10mm〜1000mm、好適には50mm〜400mmの範囲で測定される間隔を有している。印刷済みの被印刷物09の表面に対する照明装置18の間隔は、一方では被印刷物09の表面の均等で集中的な照明が行われ、他方では被印刷物09の搬送時に巻き上がる汚染粒子またはインキ飛沫による照明装置18の汚染が実質的に回避されるように選択されている。
【0038】
調整装置12によって行われる、インキ装置07から被印刷物09に塗布される印刷インキに関する調整が、検出装置11から調整装置12に供給されるデータに依存しているので、検出装置11によって検出された測定値は、歪曲されておらず、信頼できるものである。したがってそうでない場合には、識別されていない歪曲された測定値により、不意に、調整装置12の不都合な調整動作が生じ、この調整動作は、生産プロセスで得ようとする印刷品質にとって不都合である。したがって自動で行われるインキ調整をより良好に安定化させるために、インライン型のインキ調整装置(ここでは少なくとも1つのインキ装置07が印刷機の生産プロセス進行中に調量装置のその都度の調節時に調節され、必要に応じて後調整される)では、検出装置11によって検出される測定値は、好適には継続的にその妥当性に関して検査され、妥当であるとみなされた測定値だけが、調整装置12によって行われる、少なくとも1つのインキ装置07の調整に用いられる。検出装置11によって検出された測定値は、たとえば汚染粒子によって、地汚れまたは印刷インキの塗布による汚れ、もしくは生産プロセス進行中に生じる別の不都合な影響によって歪曲される恐れがある。単に特異な、つまり個別の異常値として、検出装置11によって検出された測定値にみられる短時間の妨害効果は、できるだけインキ調整を不安定化させないようになっている。他方では、次第に悪化するインキ塗布を明確に認識して、インキ装置07の調量装置の適切な調節によって妨害作用に対して積極的で効果的な手段を講じるために、色調整は、十分に敏感である必要がある。
【0039】
このために少なくとも1つのインキ装置07を備えた印刷機に用いる方法が役立ち、ここでは相応のインキ装置07の少なくとも1つの調節が、被印刷物09の表面を印刷する印刷機の印刷プロセス進行中に、印刷プロセス中に印刷機において検出される少なくとも1つの測定値に基づいて、調整装置12によって変化可能であり、その際、調整装置12は、該当するインキ装置07の調節を変化させるまえに、検出された測定値のたとえば妥当性を検査し、調整装置12は、たとえば未印刷の被印刷物09の表面の拡散反射特性、および/または少なくとも1つの同じ測定箇所、つまり同じ測定領域13において特に同時に求められる2次的な色濃度に対する、1つの測定箇所、たとえば測定領域13において求められる1次的な色濃度の関係、および/または同じインキ装置07の、隣接する少なくとも1つのインキ帯域で求められる色濃度に関する、該当するインキ装置07のインキ帯域22で求められる色濃度の関係を検査する。好適には、検出された測定値の妥当性に関与する少なくとも2つの検査が、調整装置12によって同時に行われる。調整装置12は、該当するインキ装置07において実施される調節の変化を中断し、それも、特に、検出された測定値の妥当性に関する少なくとも1つの検査がネガティブな結果となる、つまり調整装置12によって検出された相応の測定値が妥当でないと評価され、色調整に用いられない場合に、中断する。この場合、調整装置12によって、たとえば音響学的または視覚的(光学的)な警告通知が、印刷機に付属するガイドスタンドにもたらされる。その際、妥当性について検査される測定値が濃度測定により検出されるか、または測色により検出されるかは重要ではない。
【0040】
前述したように、妥当性について検査される測定値は、たとえばカメラ、特にラインカメラによって検出される。好適な形態では、検出される測定値の妥当性に関係する少なくとも1つの検査の検査基準は、たとえば印刷機に付属するガイドスタンドおよび/または印刷機と結合された別の操作ユニットにおいてパラメータ化可能である。
【0041】
インキ調整の別の構成でも、たとえば印刷機内で求められる少なくとも1つの測定値の妥当性を検査する方法が実現され、ここでは、測定値が、印刷機を通って搬送される被印刷物09に塗布される印刷インキの濃度を表し、その際、被印刷物09に、異なる複数の印刷インキが塗布され、その際、被印刷物09に塗布された印刷インキは、少なくとも1つの画像センサ24を備えた検出装置11によって同時に検出され、その際、検出装置11は、出力側に、電子の、特にデジタルの画像データを提供し、その際、画像データは、検出装置11と接続されたたとえば電子式の調整装置12によって評価され、その際、調整装置12に送られた画像データから、被印刷物09に塗布される複数の印刷インキの色濃度の測定値が、特にプログラム技術により、つまり特別なフィルタおよび/または計算方法を用いることにより求められ、その際、少なくとも1つの印刷インキの色濃度の、そのようにして求められた少なくとも1つの測定値の妥当性が、少なくとも1つの別の印刷インキの色濃度の、同様に求められた少なくとも1つの測定値に対する質的および/または量的な割合に基づいて、検査される。
【0042】
上述するように、調整装置12は、検出装置11を用いながら、追加的または択一的に、未印刷の被印刷物09の表面の拡散反射特性を、たとえば印刷機の内側において印刷プロセス進行中に自動の色調整のための方法に関して検査し、その際、被印刷物09は、印刷機内で行われる印刷プロセスで継続的に印刷され、その際、印刷機によって被印刷物09に塗布される印刷インキの拡散反射特性の測定が評価され、その際、未印刷の被印刷物09の表面の拡散反射特性に関する、印刷インキの拡散反射特性を把握する少なくとも1つの測定値が評価され、インキ調整のために用いられ、その際、該当する印刷プロセスに用いられる被印刷物09の材料性質が不変であるという条件下で、未印刷の被印刷物09の表面の拡散反射特性における、印刷機の印刷プロセス進行中における安定性が検査され、その際、色調整の調整装置12において、基準値として、未印刷の被印刷物09の表面の拡散反射特性に対応する測定値が置かれ、その際、印刷機の印刷プロセス中、未印刷の被印刷物09の表面の拡散反射特性が継続的に測定され、その際、検出される測定値の、予め基準値として置かれた測定値との差が検査され、その際、基準値から逸脱する、つまり基準値とは異なる測定値は、誤って塗布された印刷インキとして評価される。その際、基準値とは異なる測定値は、特に地汚れまたは塗布による汚れとして評価される。好適な構成では、基準値とは異なる測定値が、印刷機に用いられる色調整方法の使用を中断することができる。
【0043】
具体的な構成では、たとえば測定ストリップ19に含まれる未印刷の少なくとも1つの白色領域23の拡散反射特性が評価され、印刷機の該当する生産プロセスの材料特性が不変であるという条件下で、生産プロセスの進行中における安定性について検査される。したがって白色領域23の拡散反射特性から導き出された基準値が不安定な場合には、この規準値に関連する、別の測定領域13に起因する別の測定値も、歪曲された結果となる。
【0044】
その際、印刷済みおよび/または未印刷の被印刷物09の表面の拡散反射特性の測定は、それぞれたとえば濃度測定または色測定により行われる。このような検査方法を用いると、被印刷物09は、印刷機により行われる印刷プロセスにおいて好適には継続して印刷される。好適には、印刷機の印刷プロセス進行中に、被印刷物09の表面の、異なる複数の測定箇所で、未印刷の被印刷物09の表面の拡散反射特性が、継続的に測定される。したがって未印刷の被印刷物09の表面の拡散反射特性は、印刷機による印刷プロセス中に被印刷物09に形成される印刷像21で測定することもできる。これに対して選択的に、未印刷の被印刷物09の表面の拡散反射特性は、印刷機による印刷プロセス中に被印刷物09に形成される印刷像の外側で測定される。被印刷物09として、たとえば連続するシート09が印刷される。未印刷の被印刷物09の表面の拡散反射特性は、印刷機による印刷プロセス中に被印刷物09に形成される色測定ストリップ19の少なくとも1つの測定領域13で、好適には複数の測定領域13で測定される。その際、未印刷の被印刷物09の表面の拡散反射特性は、シート09が印刷機を通走する搬送方向Tにみて、たとえばシートグリッパの直ぐ下流側で測定される。基準値とは異なる測定値は、地汚れまたは塗布による汚れとして評価される。したがって基準値とは異なる測定値(たとえば調整装置12から送信される信号によって形成される)によって、印刷機内で用いられる色調整特性の使用が中断される。ここでも基準値とは異なる測定値は、印刷機および/または印刷機に付属するガイドスタンドに、たとえば音響学的および/または視覚的な警告通知をもたらす。説明したように、未印刷の被印刷物09の表面の少なくとも拡散反射特性は、たとえばラインカメラで検出される。
【0045】
さらに被印刷物09に異なる複数の印刷インキが塗布される方法では、被印刷物09の同じ測定箇所で、複数の印刷インキの色濃度が求められ、印刷機のプロセス進行中にたとえば検出装置11により検出される、印刷機を通走する被印刷物09に塗布される印刷インキの色濃度を表す少なくとも1つの測定値の妥当性が検査され、それも、該当する測定箇所で求められる1つの色濃度の少なくとも1つの測定値の、そこで同様に求められる少なくとも1つの別の色濃度の少なくとも1つの測定値に対する質的および/または量的な割合が検査され監視されることによって、検査される。その際、少なくとも、選択された測定箇所で求められる少なくとも1つの別の色濃度の測定値に対して、選択された測定箇所に設定された基準割合とは異なる割合にある、該当する色濃度の測定値は、妥当でないとして拒否される。
【0046】
図2に示す部分を斜視図で示す図3から看取されるように、印刷機に配置された、検出装置11と協働する照明装置18が、たとえば白色光を、被印刷物09の表面に配置された、少なくとも1つの印刷インキで印刷された測定箇所に照射する。この測定箇所は、たとえば測定ストリップ19の1つの測定領域13によって与えられている。検出装置11は、少なくとも1つのセンサ24によって、測定箇所から拡散反射される光を検出する。好適には、検出装置11は、複数の、たとえば3つのセンサ24を備えており、各センサ24は、それぞれ印刷プロセス進行中に印刷される1つの印刷インキの拡散反射特性に割り当てられている。したがって印刷インキ、シアン、マゼンタおよびイエローに関して、それぞれ独自のセンサ24に、少なくとも各印刷インキから拡散反射された光を狭い周波数帯域にフィルタリングするフィルタ24が設けられている。検出装置11は、出力側に、少なくとも1つの測定値を出力し、測定値は、測定箇所で検出される印刷インキの色濃度を表す。3つの印刷インキ、シアン、マゼンタおよびイエローの、それぞれ同じ測定箇所に位置する各色濃度は、検出装置11によって、好適には同時に検出される。印刷機の印刷プロセス進行中、各印刷インキに割り当てられた測定値は、好適には継続的に検出される。
【0047】
特定の印刷インキ、たとえばシアンに割り当てられた、フルトーン領域として形成された測定領域13では、この印刷インキには、たとえば1.3D〜1.6Dの範囲、好適には1.5Dの色濃度が予測される。この測定領域13では、シアンが、1次的な色濃度または主濃度を形成する。同じ測定領域13で、同じ印刷プロセスに関与する別の印刷インキ、たとえばマゼンタおよびイエローの各色濃度も求められ、各色濃度は、選択された、印刷インキ、シアンに割り当てられた測定領域13に関して、2次的な色濃度または副濃度と呼ばれる。副濃度マゼンタは、この測定領域13では、予め設定した相応の規定に従って、主濃度の60%を上回らないよう所望され(この値はたとえば0.75D〜1.0Dの光学濃度の値に相当する)、これにより、このような場合、主濃度シアンと副濃度マゼンタとの間の基準割合が形成される。副濃度イエローに関して、この場合、測定値は、たとえば主濃度の30%を上回らないよう所望され(この値はたとえば0.35D〜0.5Dの光学濃度の値に相当する)、これにより、このような場合、主濃度シアンと副濃度イエローとの間の第2の基準割合が形成される。印刷プロセスに関与する残りの主濃度においても、好適にはフルトーン領域13として形成された測定領域13に関して、同様の、数値的には異なる設定が当てはまる。その結果、印刷プロセスに関与する全ての印刷インキに関して、たとえば好適にパラメータ化可能な調節マトリクスが得られ、調節マトリクスは、たとえば印刷機に付属するガイドスタンドおよび/または印刷機と結合可能な別の操作ユニットにおいて入力可能であり、かつ/または調節可能であり、その際、副濃度の各値は、たとえば各主濃度に関して表される。
【0048】
印刷プロセス中に各印刷インキに関して求められる測定値が、予め規定された関係、つまり相応の規準割合を上回らない場合にのみ、特定の測定領域13に関して主濃度として求められる測定値が、妥当であって、したがって引き続き使用可能であるとみなされる。そうでない場合、主濃度の、規定の少なくとも1つの関係を維持しない測定値は、インラインの色調整に用いられず、調整装置12によって拒否され、つまり調整装置12は、少なくとも基準割合を維持しない少なくとも1つの測定値に基づいて、インキ装置07の調量装置の調節の変化を行わない。さらに印刷機のオペレータに、妥当でない測定値が存在する場合、視覚的および/または音響学的な通知によって、印刷機の所望しない運転状態が指摘される。許容されない高い副濃度を有するインキ帯域22(図2および図4)は、調整装置12によって、あとで行われる評価および障害発生原因の検出のために記録することができる。
【0049】
好適には、主濃度に割り当てられた測定値の妥当性を検査する方法は、印刷機の始動後に、測定値が予想され前調節された値または最大値の約80%に達して、印刷機がもはや校正刷りではなく、本刷りにある場合に、実施される。選択された測定箇所に設定された基準割合は、好適には調節可能である。主濃度と少なくとも1つの副濃度との間の少なくとも1つの関係を評価する方法によって、どの程度まで印刷プロセスに関与する印刷インキの使用適性が、たとえば地汚れ、塗布による汚れ、インキ装置07におけるインキ再分裂または別の汚染により損なわれているのか検出することができる。求められた色濃度の妥当性の検査は、印刷機に用いられる色調整方法で自動化され、つまり印刷機のオペレータが何もせずに行われる。
【0050】
測定値の別の妥当性検査によれば、たとえば該当するインキ装置07の、調整装置12によって選択されたインキ帯域22で求められる色濃度の測定値の、同じインキ装置07の少なくとも1つの隣接するインキ帯域22で求められる色濃度の測定値に対する関係の変化が検査される。調整装置12によって、インキ帯域22に提供されるインキ量に関して調整されるインキ装置07では、調量装置によってもたらされる印刷インキが、通常、割り当てられた版胴08の軸方向にみて、インキ装置07に配置された分配装置(ディストリビュータローラ)の往復運動によって側方に塗り込められ、ひいては塗布が均等化されるので、各色濃度に関する、印刷機の本刷りにおいて隣接するインキ帯域22の間で調節される関係に関して、調量装置から各インキ帯域22にもたらされるインキ量の調節が印刷プロセス進行中に不変である場合、極めて僅かな変化しか予想されていない。印刷プロセス進行中に隣接するインキ帯域22で求められる色濃度の測定値の関係が、許容できないほど変化する場合、たとえば印刷プロセス進行中にたとえば調整装置12の規則的な指示によって調量装置の調節が変化されることなく、隣接するインキ帯域22の間において求められる光学濃度の差が0.3Dまたは0.4Dである場合、たとえばヒッキーまたは別の汚れを推測することができる。
【0051】
図4には、搬送方向Tに対して直行する方向に延びる測定ストリップ19(図2)が取り付けられた、シート09の一部を示す。シート09の搬送方向Tに対して横向きに、複数のインキ帯域22、たとえば例示する4つのインキ帯域22A;22B;22C;22Dが延在しており、各インキ帯域22A;22B;22C;22Dは、測定ストリップ19に、それぞれ相並んで位置する複数の測定領域13を備えており、たとえばそれぞれ1つのインキ帯域22A;22B;22C;22Dに配置された各測定領域13は、印刷プロセスに関与する特定の1つの印刷インキに割り当てられており、たとえばフルトーン領域13として形成されている。インキ帯域22A;22B;22C;22Dに配置された測定領域13の1つは、白色領域23として形成してもよい(図2)。
【0052】
図4に示す実施の形態では、たとえばインキ帯域22Bにおいて特定の印刷インキに割り当てられた測定領域13で求められる、色濃度に関する測定値が、たとえばインキ帯域22Aまたは22Cにおいて、同じ印刷インキの、相応の測定領域13で求められる、色濃度に関する測定値と関係付けされる。特に印刷機の本刷りで、調量装置によって該当するインキ帯域22A;22B;22Cにもたらされるインキ量の調節が印刷プロセス進行中に不変である場合に、この関係が許容される限度内に維持される場合、特定の印刷インキに関して選択された印刷域22Bに求められる色濃度の測定値は、調整装置12によって、妥当であると評価され、これに対して少なくとも1つの境界、つまり予め規定された、たとえば調整装置12に記憶された限度値を上回るかまたは下回ることによって許容されない程度に変化された関係の場合、求められる現行の測定値は、色調整、特にインラインの色調整に用いられず、その際、色調整は、該当するインキ装置07の調量の調節の後調整をもたらす。許容されない程度に変化された関係では、求められる現行の測定値は、色調整、特にインラインの色調整には使用不能として調整装置12によって拒否される。したがって該当するインキ帯域22Bには、求められる現行の測定値の代わりに、該当する印刷インキの色濃度の値は、調整装置12によって、隣接するインキ帯域22A;22Cから求められる測定値に基づいて、たとえば計算により内挿法または外挿法によって得られる。異なるインキ帯域22;22A;22B;22C;22Dの間の色濃度に関する測定値の関係の形成は、直に隣接するインキ帯域22A;22B;22Cに制限されず、さらに離れた、たとえば同じ測定ストリップ19においてさらに離れて位置するインキ帯域22Dに拡張することができる。妥当性に関する検査によって達成されるが、測定値における特異な障害、つまりいわゆる異常値(測定値にインキガイドにおける持続的な問題は存在しない)によっては、色調整が作動されず、ひいては色調整を行う調整装置12の調整動作が不必要に不安定化されることはない。したがって色調整は、インキガイドを修正するための実際の処理要求が存在する場合にしか行われない。
【0053】
好適な実施の形態では、異なるインキ帯域22;22A;22B;22C;22Dの間の色濃度に関する測定値の関係の形成は、印刷機に付属するガイドスタンドおよび/または印刷機と結合可能な別の操作ユニットにおいてパラメータ化可能であり、つまり、異なるインキ帯域22;22A;22B;22C;22Dの間の色濃度に関する測定値の、形成しようとする関係は、印刷機に付属するガイドスタンドおよび/または印刷機と結合可能な操作ユニットにおいてパラメータ化することができる。たとえばガイドスタンドおよび/または操作ユニットに異なるインキ帯域22;22A;22B;22C;22Dの間の色濃度に関する測定値の関係を形成するための前提として、たとえば表示装置に示されるプログラムマスクを用いて条件を調節することができ、その際に要求される条件によれば、特定のインキ装置07に関して存在するインキ帯域22;22A;22B;22C;22Dの多数が、それぞれインキ装置07から供給される印刷インキの色濃度に関する測定値を提供し、この測定値は、各インキ帯域22;22A;22B;22C;22Dにおいて前調節される、つまり、たとえば調整装置12によって行われる調節によって設定される目標値の、少なくとも予め規定された割合(たとえば目標値の少なくとも25%、特に少なくとも50%)に到達する。特定のインキ装置07に付属するインキ帯域22;22A;22B;22C;22Dの50%以上、たとえば少なくとも60%、70%または80%で、各色濃度は、好適には各インキ帯域22;22A;22B;22C;22Dに関して前調節される目標値の少なくとも半分の値に到達する必要があり、それも、調整装置12が、各インキ帯域22;22A;22B;22C;22Dにおいて各色濃度に関して求められる測定値の妥当性を検査しはじめるまえに、到達する必要がある。これによって調整装置12によって行われる色調整は、インキ着けによる印刷プロセスが十分に安定した状態になったあとで、はじめて作動させられる。したがって印刷機の始動段階の少なくともある程度の部分は、調整プロセスにより判断されないままである。しかし印刷機の始動段階の終わり近くでは、印刷機の印刷プロセス進行中、特に始動段階に続く本刷りにおいて、前述の条件が満たされていると、選択されたインキ帯域22;22Bに関して、色濃度に関する測定値は、関係を形成するために、同じインキ装置07に付属する少なくとも1つの別のインキ帯域22;22A;22C;22Dから成る測定値と関係付けされ、その際、選択されたインキ帯域22;22Bにおける色濃度に関する測定値は、形成された関係が予想された前調節された値の50%を超えて異なる場合、妥当でないとして拒否される。妥当でないとして拒否された色濃度に関する測定値を有するインキ帯域22;22A;22B;22C;22Dは、調整装置12において好適に記録される。通常、特定のインキ装置07に付属する各インキ帯域22;22A;22B;22C;22Dを選択することができ、その際、調整装置12によって、複数または全てのインキ帯域22;22A;22B;22C;22Dが個別に順次選択されるか、または同時に相互に並列で行われる方法で選択される。選択されたインキ帯域22;22Bにおいて色濃度に関して求められる測定値の妥当性を検査するために、選択されたインキ帯域22;22Bの片側に配置された、少なくとも2つの別のインキ帯域22;22A;22C;22Dからの測定値が用いられる。好適には、選択されたインキ帯域22;22Bに関して両側で、それぞれ少なくとも2つの別のインキ帯域22;22A;22C;22Dが用いられる。
【0054】
色濃度を表す測定値の前述のあらゆる検査または測定値から形成される関係は、色調整装置、つまり、印刷機において色調整するための調整装置12に、それぞれ個別に、または任意の組み合わせで用いられる。色調整は次のように行われる。被印刷物09への印刷インキの塗布(インキ乗り具合)が安定したあとで、つまり各印刷インキの色濃度に関して予め調節された目標値の特定の割合が達成されたあとで、色調整が行われ、その際、目標値に基づいて行われる安定性検査は、選択された個々のインキ帯域22;22A;22B;22C;22Dまたは選択されたインキ帯域22;22A;22B;22C;22Dの群に関係する。したがって色調整に関して、後続に、検出装置11によって、好適にはデジタル画像データから得られる、妥当であり、たとえば短時間しか作用しない障害に起因する異常値を形成することがない測定値しか用いられない。異常値は、たとえば調整装置12によって、同じ印刷インキに関して好適には隣接するインキ帯域22;22A;22C;22Dで得られる別の測定値によって代用される。異なる印刷インキの測定値の妥当性は、測定値のそれぞれの関係(測定値は特にエリア状に狭く画成された測定領域13に関して相互に関係を占める)によって求めることもできる。この場合、たとえば調整装置12によって、印刷機の生産進行中にインラインで検出される測定値または測定値から形成される関係が、特定の、たとえば印刷機のガイドスタンドにおいて特定の生産に関して予め規定される限度値を維持するかどうか検査される。各測定値または測定値から形成される関係が、限度値を、許容できない程度に上回るか、または下回ると、検査される相応の測定値または相応の関係が妥当でないとして拒否され、調整装置12によって行われる色調整に用いられない。白色度は、未印刷の印刷物09の検査から得られ、カラーインキの検査から得られる測定値に、各インキ濃度のゼロマークとして用いられる。白色度は、生産進行中安定しているか、または許容できない程度に変化される。総じて、印刷機の運転中に行われるインキ調整に関する記載した方法によって、極めて安定した調整動作が達成され、安定した調整動作は、印刷機内で行われる印刷プロセスにおいて比較的高品質の印刷製品を生産するのに役立つ。
【符号の説明】
【0055】
01 印刷部、 02 ラッカタワー、 03 デリバリ搬送部、 04 デリバリ、 06 フィーダ、 07 インキ装置、 08 版胴、 09 被印刷物、シート、 11 検出装置、 12 調整装置、 13 測定領域、 14 ブランケット胴、 16 圧胴、 17 湿し装置、 18 照明装置、 19 測定ストリップ、 21 印刷像、 22 帯域、インキ帯域、 23 白色領域、 24 センサ、画像センサ、フィルタ、 22A インキ帯域、 22B インキ帯域、 22C インキ帯域、 22D インキ帯域、 b22 幅、 T 搬送方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷機において色調整を行う方法において、
被印刷物(09)に印刷機の印刷プロセス進行中に継続的に印刷を行い、少なくとも1つの印刷インキを、複数のインキ帯域(22;22A;22B;22C;22D)で被印刷物(09)に塗布し、被印刷物(09)に塗布される少なくとも1つの印刷インキに関して、印刷機内で印刷プロセス中に、色濃度を表す測定値を求め、特定の印刷インキに関する選択されたインキ帯域(22;22B)で求められる色濃度の測定値と、同じ印刷インキの別の少なくとも1つのインキ帯域(22;22A;22C)で求められる色濃度の測定値との間の関係を形成し、異なるインキ帯域(22;22A;22B;22C;22D)の間の色濃度に関する測定値の関係を形成し、それも、印刷機の特定のインキ装置(07)に関して設けられるインキ帯域(22;22A;22B;22C;22D)の多数が、それぞれインキ装置(07)から供給される印刷インキの色濃度に関する測定値を提供し、該測定値が、各インキ帯域(22;22A;22B;22C;22D)において前調節された目標値の少なくとも予め規定された割合に到達する場合にだけ、前記色濃度に関する測定値の関係を形成することを特徴とする、印刷機において色調整を行う方法。
【請求項2】
色調整を、調整装置(12)によって行う、請求項1記載の方法。
【請求項3】
印刷インキの色濃度に関連する測定値が相互に関係付けされる該印刷インキを、被印刷物(09)の搬送方向(T)に対して横向きに相並んで配置された複数のインキ帯域(22;22A;22B;22C;22D)で被印刷物(09)に塗布する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
相応のインキ装置(07)から供給される印刷インキの色濃度に関する測定値が、各インキ帯域(22;22A;22B;22C;22D)で前調節された測定値の少なくとも50%に到達する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
特定の印刷インキに関する選択されたインキ帯域(22;22B)で求められる色濃度の測定値を、調整装置(12)によって、妥当でないとして拒否し、それも、前記測定値から形成される、同じ印刷インキの別の少なくとも1つの別のインキ帯域(22)で求められる測定値に対する関係が、少なくとも1つの限度値を許容できない程度に上回るか、または下回ると、妥当でないとして拒否する、請求項2記載の方法。
【請求項6】
調整装置(12)によって、特定の印刷インキに関する選択されたインキ帯域(22;22B)で求められる、調整装置(12)によって妥当でないとして拒否される色濃度の測定値の代わりに、代替的に、別の少なくとも1つのインキ帯域(22A;22C)から求められる測定値に基づいて、相応の印刷インキの色濃度に関する値を得る、請求項2記載の方法。
【請求項7】
相応の印刷インキの色濃度に関して代替的に用いられる値を、調整装置(12)によって、計算により内挿法または外挿法によって得る、請求項6記載の方法。
【請求項8】
特定の印刷インキに関する選択されたインキ帯域(22;22B)で求められる色濃度の測定値を、調整装置(12)によって、妥当でないとして拒否し、それも、該測定値が、同じ印刷インキに関する別の少なくとも1つのインキ帯域(22)で求められる測定値から50%異なる場合に、妥当でないとして拒否する、請求項2記載の方法。
【請求項9】
特定の印刷インキに関する選択されたインキ帯域(22;22B)で求められる色濃度の測定値と、同じ印刷インキに関する別の少なくとも1つのインキ帯域(22;22A;22C)で求められる色濃度の測定値との関係を、直に相並んで位置するインキ帯域(22;22A;22B;22C)の間で、かつ/または直に相並んで位置するインキ帯域インキ帯域(22;22A;22B;22C)よりも離れて位置する別のインキ帯域(22;22A;22b;22C;22D)の間で形成する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
調整装置(12)によって、特定の印刷インキに関する選択されたインキ帯域(22;22B)で求められる色濃度の測定値と、同じ印刷インキに関する別の少なくとも1つのインキ帯域(22;22A;22C)で求められる色濃度の測定値との間の関係の変化を、印刷機の印刷プロセス進行中に検査する、請求項2記載の方法。
【請求項11】
調整装置(12)によって、印刷機の本刷りの間に、前記関係の変化を検査する、請求項2記載の方法。
【請求項12】
異なるインキ帯域(22;22A;22B;22C;22D)の間の色濃度に関する測定値の、形成しようとする関係を、印刷機に付属するガイドスタンドおよび/または印刷機と結合された別の操作ユニットにおいてパラメータ化する、請求項1記載の方法。
【請求項13】
特定のインキ装置(07)に付属するインキ帯域(22;22A;22B;22C;22D)の50%以上で、各色濃度が、各インキ帯域(22;22A;22B;22C;22D)に関して前調節された目標値の少なくとも半分の値に到達する必要があり、それも、調整装置(12)が、色濃度に関する各インキ帯域(22;22A;22B;22C;22D)で求められる測定値の妥当性を検査しはじめるまえに、到達する必要がある、請求項2記載の方法。
【請求項14】
特定のインキ装置(07)に付属する各インキ帯域(22;22A;22B;22C;22D)が選択可能であり、調整装置(12)によって、複数または全てのインキ帯域(22;22A;22B;22C;22D)を、それぞれ個別に順次行われるか、または同時に並行に行われる方法で選択する、請求項2記載の方法。
【請求項15】
色濃度に関する選択されたインキ帯域(22;22B)で求められる測定値の妥当性を検査するために、選択されたインキ帯域(22;22B)の片側に配置された別の少なくとも2つのインキ帯域(22;22A;22C;22D)から得られる測定値を用いる、請求項1記載の方法。
【請求項16】
色濃度に関して選択されたインキ帯域(22;22B)で求められる測定値の妥当性を検査するために、選択されたインキ帯域(22;22B)の両側に配置された別の少なくとも2つのインキ帯域(22;22A;22C;22D)から得られる測定値を用いる、請求項1記載の方法。
【請求項17】
調整装置(12)によって、各インキ帯域(22;22A;22B;22C;22D)に供給されるインキ量を調整する、請求項2記載の方法。
【請求項18】
被印刷物(09)に、同じ印刷プロセスの進行中に、異なる複数の印刷インキを塗布する、請求項1記載の方法。
【請求項19】
被印刷物(09)に塗布される異なる複数の印刷インキを、少なくとも1つの画像センサ(24)を備えた検出装置(11)によって同時に検出する、請求項18記載の方法。
【請求項20】
検出装置(11)は、出力側に画像データを送信する、請求項19記載の方法。
【請求項21】
画像データを、検出装置(11)と接続された調整装置(12)によって評価し、該調整装置(12)に供給された画像データから、被印刷物(09)に塗布される複数の印刷インキの色濃度の測定値を求める、請求項20記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1つの印刷インキの色濃度の、前述の方法で求められる少なくとも1つの測定値の妥当性を、別の少なくとも1つの印刷インキの、同様に求められる少なくとも1つの色濃度の測定値に対する、質的および/または量的な比に基づいて検査する、請求項21記載の方法。
【請求項23】
同じ測定領域(13)に塗布される複数の印刷インキを、少なくとも1つの画像センサ(24)によって同時に検出する、請求項19記載の方法。
【請求項24】
選択された測定領域(13)に関して設定された基準比が調節可能である、請求項23記載の方法。
【請求項25】
選択された測定領域(13)において、基準比から許容できない程度に異なる、求められた色濃度の間の比を、地汚れまたは塗布による汚れとして評価する、請求項24記載の方法。
【請求項26】
印刷プロセス進行に関与する少なくとも3つの印刷インキから、その都度求められる印刷インキの色濃度の妥当性を、求められる少なくとも2つの別の色濃度に対する比に基づいて検査する、請求項18記載の方法。
【請求項27】
少なくとも、次のような色濃度の測定値を、つまり、選択された測定領域(13)で求められる少なくとも1つの別の色濃度の測定値に対して、選択された測定領域(13)に関して設定された基準割合から許容できない程度に異なる割合にある色濃度の測定値を、妥当でないとして拒否する、請求項26記載の方法。
【請求項28】
印刷プロセス進行中、少なくともシアン、イエローおよびマゼンタの印刷インキを用いる請求項18記載の方法。
【請求項29】
少なくとも1つの色濃度を、印刷プロセス進行中、ラインカメラを用いて検出する、請求項1記載の方法。
【請求項30】
妥当性について検査しようとする測定値を、濃度測定または測色により検出する、請求項1記載の方法。
【請求項31】
オフセット印刷法で印刷する印刷機に用いる、請求項1記載の方法。
【請求項32】
シート(09)を印刷する印刷機に用いる、請求項1記載の方法。
【請求項33】
印刷機の少なくとも1つのインキ装置(07)において、調量装置の調節を、被印刷物(09)を印刷するプロセス進行中に、印刷機の印刷プロセス中に検出される少なくとも1つの測定値に基づいて、調整装置(12)によって変化させることができる、請求項2記載の方法。
【請求項34】
調整装置(12)が、相応のインキ装置(07)の調節が変化するまえに、検出された測定値の妥当性を検査する、請求項33記載の方法。
【請求項35】
妥当性検査を、未印刷の被印刷物(09)の表面の拡散反射特性の検査と、被印刷物(09)上の測定領域(13)で求められる一次的な色濃度と同じ測定領域(13)で同時に求められる少なくとも1つの2次的な色濃度との関係の検査とに基づいて行う、請求項34記載の方法。
【請求項36】
相応の測定領域(13)で求められる1次的な色濃度および2次的な色濃度を、それぞれ未印刷の被印刷物(09)の表面の拡散反射特性の検査で規定された基準値に関係付ける、請求項35記載の方法。
【請求項37】
検出された測定値の妥当性に対応する2つの検査を、同時に行う、請求項35記載の方法。
【請求項38】
検出された測定値の妥当性に関する少なくとも1つの検査がネガティブな結果となる場合に、調整装置(12)が、実施される、相応のインキ装置(07)の調節を変化させる、請求項34記載の方法。
【請求項39】
検出された測定値の妥当性の少なくとも1つの検査に関してネガティブな結果が得られる場合に、音響学的および/または視覚的な警告通知を、印刷機に付属するガイドスタンドに送る、請求項38記載の方法。
【請求項40】
検出された測定値の妥当性に対応する少なくとも1つの検査の検査基準を、印刷機に付属するガイドスタンドおよび/または印刷機と結合可能な別の操作ユニットにおいてパラメータ化する、請求項35記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−500137(P2012−500137A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523389(P2011−523389)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【国際出願番号】PCT/EP2009/060428
【国際公開番号】WO2010/020569
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(390014188)ケーニツヒ ウント バウエル アクチエンゲゼルシヤフト (50)
【氏名又は名称原語表記】Koenig & Bauer Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Friedrich−Koenig−Strasse 4, Wuerzburg, Germany
【Fターム(参考)】