説明

印刷機を見当制御するための方法及び装置

【課題】 公知の見当調整の通常の引込み範囲外にある見当ずれを制御により取除く方法および装置を提供することである。
【解決手段】見当調整が印刷機構(1,2,3,4,5)の間の印刷基材(9)の少なくとも一つの長さ(l12,l23,34,45)に依存して実行されることにより解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の特徴による印刷機を見当制御するための方法、請求項12によるこの方法のための装置、ならびに請求項18による装置を備えている印刷機に関する。
【背景技術】
【0002】
多色印刷においては、複数の画像を付与するシリンダを備えた印刷機内で少なくとも二つの部分色が重なり合って印刷される。印刷機が見当状態、あるいは言い方を変えると位置あわせの状態にあると、各々多色による印刷に適切な異なる印刷機構の印刷画像は正確に集束する。
【0003】
ローラ印刷機は二つの印刷機構の間に、長い印刷基材、特に紙とフィルムの距離を有していることがよくある。公知のサイズは、見当が正確に調節でき、かつ印刷工程の経過で常に同様に調整できる装置のローラ印刷機内に一体化されている。給紙印刷機においても、このような見当調整が行われている。
【0004】
公知の見当調整の補助手段は、各印刷機構内で画像面の外側に一緒に印刷される標識、いわゆる整合マークあるいはトンボである。画像処理システムを使用して、各々の有意味な整合マークの合わせ位置は互いに記録され、ならびに判定され(auswerten)、そして印刷機は対応して制御される。
【0005】
見当あるいは見当精度を判断する際、(印刷基材の帯状材の走行方向での)長さの見当、横方向の見当そして対角線方向の見当が識別される。本発明の問題は実質的に長さの見当である。
【0006】
長さの見当のずれが確認されていると、調整は例えば個々の案内ローラ、二つの印刷機構の間の距離を短縮したり延長したりする見当ローラにより行うことができる。代替案では、長さの見当は画像を付与するシリンダを回すことによっても互いに調整できる。
【0007】
見当のずれの原因は、普通一般にその前に使用された印刷基材に対して相違の大きい膨張挙動(Dehnungsverhalten)を有する別の印刷基材である。印刷機の速度によっても見当調整は必要になる。なぜなら印刷基材の帯状材は印刷機の速度に応じて異なる挙動を示すからである。
【0008】
相応した見当調整は例えば特許文献1あるいは特許文献2に開示されている。
【0009】
印刷に関与した印刷機構の間の印刷基材の長さが、印刷機のシステム構成を変えることにより明らかに変化しうるという公知の見当調整は、考慮が不十分であるか考慮されていない。このことにより、見当ずれは普通の見当調整の引込み範囲(Fangbereich)よも大きくなり、これにより見当はもはや自動では合わせることができない。機械作業者により設定された、予定される画像の長さの変更による見当の影響も主題ではない。公知の印刷機は、印刷画像の印刷工程に関与している隣接した印刷機構の画像を付与するシリンダの個別の駆動系のオーバーラップ速度(Uberlagerungsgeschwindugkeit)によりこの許容値(Vorgabe)を変える。
【0010】
約1mmだけの印刷画像の長さの短縮は、印刷画像の本来のサイズに関連して、画像を付与するシリンダの駆動系を加速することにより達せられる。印刷基材の理論上正しい速度に対して高いが一定の回転数により画像は相応するように短くなる。
【0011】
それに対して、画像を付与するシリンダの各々の駆動系が印刷基材の帯状材に抗して減速すると、印刷画像は約3mmまでの分に関して伸びる。そうして、印刷画像は画像を付与するシリンダ上の相応するネガティブ画像よりも長い区間にわたり伸びる。
【0012】
印刷画像の長さの変化の原因と成る見当ずれは、通常、はじめに求められる見当調整の引込み範囲内にある。例えば二つの隣接した印刷機構の間に五つの印刷画像あるいはフォルマートがあると、印刷画像は各々伸び、印刷画像の長さの変化から、全部ひっくるめて製造方向に後続して設けられた印刷機構における見当ずれが、印刷画像の長さの変化の5倍の大きさで生じる。
【0013】
特に融通のきく印刷機において、二つの隣接した印刷機構の間の印刷基材の長さは生産の切替えにより変化し、従って二つの隣接した印刷機構の間の四つの印刷画像がどのような状態にあるかは自動では確認できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】独国特許出願公開第102006060212号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10254836号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の根底をなす課題は、公知の見当調整の通常の引込み範囲外にある見当ずれを制御により取除く方法および装置を提供することにある。その目的で、本質的な影響係数を算出確定し、かつ印刷機を制御要素として供給しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
見当制御のための方法は、第一の印刷機構と少なくとも一つの他の印刷機構を備えた印刷機の使用に見出せる。印刷機構は、各々少なくとも一つの、画像を付与する回転速度を有するシリンダを備えている。複数の印刷機構の印刷画像のずれを防止するために、他の印刷機構の少なくとも一つの画像を付与するシリンダの見当調整が、印刷画像の所定の長さ変化に相応するように変更される。
【0017】
上記の課題は、請求項1よれば、見当調整が印刷機構の間の印刷基材の少なくとも一つの長さに依存して実行されることにより解決される。
【0018】
この方法により、二重刷りは減り、切替え時間は短くなる。なぜなら見当制御が修正を自動で行うからである。この場合、機械作業者は何の介入もしないので、工程は確実に実行される。
【0019】
見当調整の方法は、有利な方法の実施形態においては、印刷機の走行モード時に行われる。印刷画像の所定の長さ変化は、印刷基材の速度に対する、他の印刷機構の少なくとも一つの画像を付与するシリンダの回転速度の比率の変更により達せられる。その際、少なくとも一つの画像を付与するシリンダの理論的かつ適切な回転速度は、変化した印刷画像の長さに割当てられる回転速度適用される。一般的にこのことは、ブランケットシリンダと圧胴の速度の間の比率である。
【0020】
参照位置に関する印刷基材の長さの修正が印刷機内で行われることにより、他の印刷機構の少なくとも一つの画像を付与するシリンダの見当調整の変更は修正される。この参照位置は、印刷基材の走行方向で印刷工程に関係した第一の印刷機構が参照位置により限定されていると特に有利である。
【0021】
修正は、他の有利な実施形態によれば、各々隣接した印刷機構の間の印刷画像の数と印刷画像の長さ変化の掛け算により算出確定される。印刷画像の数は、各々隣接した印刷機構の間の印刷基材の長さを、印刷基材の走行方向での印刷画像の長さで割ることにより算出確定される
【0022】
各々隣接した印刷機構の間の印刷基材の長さは、少なくとも二つのセンサからの少なくとも一つの信号を判定することにより算出確定される。有利な実施形態のセンサは、印刷基材の標識を検知すると信号を出力する
【0023】
標識は標識付与装置を用いて、特に圧痕、穿孔、色付けあるいは貼付けにより、第一の印刷機構の手前あるいは中で、印刷基材の上あるいは中に付与可能である。
【0024】
センサとして光センサを使用するのが有利である。
【0025】
各々隣接した印刷機構の間の印刷基材の長さは、有利な方法を用いて0.2mm未満の精度で算出確定される。
【0026】
印刷機構の角度位置を付加的に判定するために、例えば印刷機構の駆動系、特にサーボ系に設けられたパルスセンサが用いられる。印刷機構の算出確定された角度位置から、各々隣接した印刷機構の間の印刷基材の長さに関係した信号と同時に判定される信号が発生し、他の印刷機構の、少なくとも一つの画像を付与するシリンダの見当調整が、行われる判定に相応して変更される。
【0027】
印刷機を見当制御するための装置は、本発明によれば印刷機での使用に関して特定されている。印刷機は第一の印刷機構と少なくとも一つの他の印刷機構を備えている。
印刷機構は、回転速度(ω)でもって回転しかつ画像を付与する、印刷基材に印刷するための各々少なくとも一つのシリンダを備えている。第一の印刷機構に後続する他の印刷機構の見当調整は、複数の印刷機構の印刷画像の互いに重なりあった印刷されるべき印刷画像のずれを防止するために変更可能である。
【0028】
印刷機を見当制御するための装置は、制御装置と各々少なくとも一つの駆動系ならびに各々少なくとも一つの、印刷機構のためのセンサを備えている。駆動系は特にサーボ駆動系である。少なくとも一つのセンサにより印刷基材の標識が検知可能であり、相応する信号が発生可能でありかつ制御装置に転送可能である。少なくとも一つのセンサの受信した信号から、制御装置を用いて、印刷機構の間の印刷基材の長さが算出確定可能である。
算出確定された長さに依存して、駆動系を備えた他の印刷機構の見当調整が変更可能である。
【0029】
装置の有利な実施形態において、少なくとも一つのセンサが、各々印刷機構において、もしくは印刷基材の走行方向で、各々印刷機構の後方に設けられている。
【0030】
装置の他の有利な実施形態は、標識付与装置を備えており、この標識付与装置が印刷基材の走行方向で、第一の印刷機構の手前あるいは第一の印刷機構内に設けられている。第一の印刷機構の手前あるいは中の標識付与装置を用いて、標識、特に刻印の圧痕、穿孔、色付けあるいは貼付けが付与可能であると特に有利である。
【0031】
他の実施形態によれば、装置は特に駆動系に設けられた少なくとも一つのパルスセンサ備えており、このパルスセンサを使用して、少なくとも一つの印刷機構の角度位置が検知可能であり、かつ制御装置ならびに駆動系に転送可能である。
【0032】
印刷機が前記装置の一つにより形成されていると特に有利である。
【0033】
以下に本発明を図に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】印刷画像の中に各々の分割部を備えた印刷基材の、互いに平行に設計された状態で示した二つの帯状材の平面図である。
【図2】五つの印刷機構と画像を付与する、各々個別に駆動されるシリンダを備えた印刷機の断面の概略説明図である。その際、印刷基材の帯状材が印刷機により案内される。
【図3】印刷機の間の幾何学的長さを算出確定する際の、過程順序を明らかにするための第一のブロックダイアグラムである。
【図4】見当の修正を行なう際の、過程順序を明らかにするための第二のブロックダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0035】
図2には五つの印刷機構1,2,3,4,5、すなわち第一の印刷機構1と四つの他の印刷機構2,3,4,5が概略的に示してある。走行方向12において、印刷基材9は印刷機6を通って供給され、かつその際印刷機構1,2,3,4,5を通過する。印刷基材9の二つの帯状材13,13’は、区間の分割部を画像11,11’により明確に示すために図1では上からの図で示してある。各々の印刷機構1,2,3,4,5において、フォーマットシリンダとも呼ばれる、画像を付与する円筒体26,27により、画像11,11’の部分の色は印刷基材9に印刷される。印刷機6の作業下流側の端部において、印刷機構1,2,3,4,5の何種類かの部分色を重ねて印刷することにより多色の画像11,11’が得られる。
【0036】
図2による印刷機構1,2,3,4,5は、互いに垂直に重なり合った二つの画像を付与するシリンダ26,27、すなわち上方に設けられたプラテンシリンダ26aと下方に
設けられたブランケットシリンダ27aを備えており、その下にはこれに反して圧胴28が配置されている。印刷基材9はブランケットシリンダ27aと圧胴28aの間で走行方向12に搬送される。画像11,11’は、まず印刷基材9の上方でプラテンシリンダ26aの重なり合った回転動作によりブランケットシリンダ27a上に生成する。これらの画像を付与するシリンダ26,27は同じ回転数で回転し、かつ画像11,11’の所望の長さに応じて印刷基材9の速度でもって、もしくはこの速度よりも速くあるいは遅く一緒に駆動される。結局、ブランケットシリンダ27aは印刷基材9上で回転し、それにより画像11,11’が印刷基材上に転写される。しかしながら、回転数が同じであるが、印刷基材9の帯状材13,13’よりも若干遅い、プラテンシリンダ26aとブランケットシリンダ27aの回転により印刷画像は若干伸びる。印刷基材9の帯状材13,13’の他方の側での圧胴28の回転数は、この場合変わらないままである。
【0037】
この回転数の変動は、同じ大きさあるいは同じ回転数の差の状態の印刷機構1,2,3,4,5とみなされている。どの印刷機構1,2,3,4,5も、個々の回転速度ωでもって専用の駆動系31,32,33,34,35により直接、もしくは図示していない駆動ローラを介して間接的に駆動可能である。
【0038】
印刷基材9を走行方向12で観た状態で、第一の印刷機構1の手前には標識付与装置10が設けられている。代替として、標識付与装置10は第一の印刷機構1内にも配置することができる。
【0039】
印刷機6のスイッチを入れる際もしくはシステム変更をする際、すなわち例えば印刷機構1,2,3,4,5の間の帯状材案内部を変更する際、標識付与装置10は印刷基材9上で標識8を付与する。従って従来の印刷基材9の印刷機構1,2,3,4,5の間の長さの算出確定を一度だけ行わねばならず、印刷機構1,2,3,4,5の間の印刷基材9の実際の長さが変化すると、まずその後算出確定を繰り返す必要がある。
【0040】
印刷基材9を走行方向12で観た状態で、印刷機構1,2,3,4,5の後方には各々センサ21,22,23,24,25が設けられており、かつ例えば光センサとして形成されている。センサ21,22,23,24,25は、マーキング8がセンサの位置に達するのと同時に信号を発生し、かつこの信号を印刷機構1,2,3,4,5の駆動系31,32,33,34,35と接続した制御装置9に転送する。駆動系31,32,33,34,35と各々後に続いて配置されたセンサ21,22,23,24,25の間には、公知の間隔sがある。この間隔sの内側には 印刷基材9の一定の長さの区間がある。
【0041】
センサ21,22,23,24,25が各々の印刷機構1,2,3,4,5にも設けられており、かつ印刷基材9の帯状材の裂け目を検知するためにも使用されるのは当然である。制御装置29は印刷機の制御部によっても形成できる。
【0042】
印刷基材9の帯状材13,13’は、第一の印刷機構1と第二の印刷機構2の間に第一の長さl12を有している。相応するようにして、走行方向12で後に続く、印刷機構2,3,4,5の間の中間空域には、印刷基材9の帯状材13,13’の第二の長さl23、第三の長さl34、および第四の長さl45が割当てられる。特に生産の切替えの際に、印刷基材9の帯状材13,13’のこれらの長さl12,l23,34,45は変動してもよい。
【0043】
このような印刷機6は、特に機械の作動時に切替える際にも、センサ21,22,23,24,25と制御装置29を用いて印刷機構1,2,3,4,5の間の、印刷基材9の帯状材13,13’の各々の長さl12,l23,34,45を決定する(bestimmen)ことができる。
【0044】
印刷機6がスイッチを入れられた後、もしくは印刷機の仕様が印刷機構1,2,3,4,5の間の、印刷基材9の帯状材13,13’の長さの変更により変えられた後、まず測定の許可が与えられる、すなわち印刷機構1,2,3,4,5の間の、印刷基材9の帯状材13,13’の新しい長さの算出確定の許可が与えられる。図3による手順にならってが、その後標識8が印刷基材9上で付与される。標識8が印刷基材9内にも付与できるのは当然である。続いて、各々のセンサ21,22,23,24,25を通過する標識8により検知される、センサ21,22,23,24,25の信号は、制御装置29内で判定される。
これにより印刷機構1,2,3,4,5から各々後続して配置されたセンサ21,22,23,24,25までの間隔sがわかり、必ずしも必要ではないが第一の印刷機構1から
標識付与装置10までの間隔もわかる。センサ21,22,23,24,25の信号と公知の間隔sから、制御装置29内において、印刷機構1,2,3,4,5の間の、印刷基材9の実際の長さl12,l23,34,45が算出確定されかつセーブされる。すなわち前記実際の長さが記憶される。さらに制御装置29は他の印刷機構2,3,4,5の見当調整を変更するための信号を発生させ、かつ信号を各々の駆動系32,33,34,35に転送する。第一および第二のセンサ21,22により実行される測定により、測定結果に基づきかつ制御装置29に伝達された信号を判定した後、第二の印刷機構2の見当調整の影響は相応したものになる。さらに印刷の許可が与えられる。引続いて、制御装置29と駆動系31,32,33,34,35は、印刷機6のスイッチを次に入れることあるいは次にシステムを変更することを待っている。
【0045】
図1において、印刷基材9の二つの帯状材13,13’は互いに平行に並べて示してある。第一の帯状材13は全長Lを有する。この第一の帯状材13上には長さlの場所を備えた五つの同じ印刷画像11がある。印刷基材9の第二の帯状材13’は、印刷基材9の第一の帯状材13とは印刷画像11,11’の長さの変更の点で異なる。図1による事例において、各々長さl’を有する第二の帯状材13’の図示した五つの印刷画像11’の結果として生じる全長L’は、第一の帯状材13の全長に比べて全体的に観て明らかに短い。
【0046】
したがって図1において機械作業者により設定される、印刷画像11,11’の長さ変更Δlは、印刷画像11の長さlと印刷画像11’の長さl’の差として測定可能である。このような長さの変更により、各々二つの印刷機構1,2,3,4,5の間の中間空域内にある五つの印刷画像11,11’のいずれにあっても、五つ目の印刷画像11,11’の後方に、全体として第一の帯状材13に比べて4倍の第二の帯状材13’の長さの変更Δlが得られるか、あるいはこれと反対の状態が得られることが明らかである。
【0047】
図4から印刷画像の長さに依存した見当の修正を実行する際の手順が明らかになる。本発明による方法により、印刷機構1,2,3,4,5の間の長さl12,l23,34,45が特定されていて、かつ印刷画像11,11’の長さが公知であると、どれほど多くの印刷画像11,11’が二つの印刷機構1,2,3,4,5の間にあるのかが制御装置29にとって確定している。二つの隣接した印刷機構1,2,3,4,5における印刷画像11,11’の数に基づいて、機械作業者により設定される、印刷画像11,11’の長さ変更Δlにより、見当調整のための修正が計算され、かつ制御装置29から修正すべき他の印刷機構2,3,4,5あるいは駆動系32,33,34,35に出力される。このようにして、見当状態の印刷画像の長さの変更の前にある印刷機6はさらに見当状態のままである。
【0048】
図2によれば、印刷機構1,2,3,4,5は各々、駆動系31,32,33,34,35に設けられたパルスセンサ30を備えている。パルスセンサ30により、印刷機構1,2,3,4,5の少なくとも一つの角度位置が検知可能であり、かつ駆動系31,32,33,34,35ならびに制御装置29に転送可能である。算出確定された角度位置から、制御装置29において各々隣接した印刷機構1,2,3,4,5の間の印刷基材9の長さl12,l23,34,45に関連した信号でもって共通に判定される信号が発生し、その際他の印刷機構2,3,4,5の画像を付与するシリンダ26,27の少なくとも一つの見当調整は行われる判定に相応して変更される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の印刷機構(1,2,3,4)と少なくとも一つの他の印刷機構(2,3,4,5)を備えた印刷機(6)を見当制御するための方法であって、
前記印刷機構が、各々少なくとも一つの、回転速度が(ω)である画像を付与するシリンダ(26,27)を備えており、複数の印刷機構(1,2,3,4,5)の印刷画像(11,11’)のずれを防止するために、他の印刷機構(2,3,4,5)の少なくとも一つの画像を付与するシリンダ(26,27)の見当調整が、印刷画像(11,11’)の所定の長さ変化(Δl)に相応するように変更される方法において、
見当調整が印刷機構(1,2,3,4,5)の間の印刷基材(9)の少なくとも一つの長さ(l12,l23,34,45)に依存して実行されることを特徴とする方法。
【請求項2】
見当調整の変更が、印刷機(6)の走行モード時に行われ、印刷画像(11,11’)の所定の長さ変化(Δl)が、印刷基材(9)の速度に対する、他の印刷機構(2,3,4,5)の少なくとも一つの画像を付与するシリンダ(26,27)の回転速度(ω)の変更により達せられることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
他の印刷機構(2,3,4,5)の少なくとも一つの画像を付与するシリンダ(26,27)の見当調整が修正され、参照位置に関する印刷基材(9)の長さ(l12,l23,34,45)の修正が印刷機(6)内で行われることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
印刷基材(9)の走行方向で印刷工程に関係した第一の印刷機構(1,2,3,4)が参照位置を限定することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも一つの画像を付与するシリンダ(26,27)の見当調整の変更が、各々隣接した印刷機構(1,2,3,4,5)の間の印刷画像(11,11’)の数と印刷画像(11,11’)の長さ変更(Δl)の掛け算により算出確定され、
印刷画像(11,11’)の数が、各々隣接した印刷機構(1,2,3,4,5)の間の印刷基材(9)の長さ(l12,l23,34,45)を、印刷基材(9)の走行方向での印刷画像(11,11’)の長さ(l,l’)で割ることにより算出確定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
各々隣接した印刷機構(1,2,3,4,5)の間の印刷基材(9)の長さ(l12,l23,34,45)が、少なくとも二つのセンサ(21,22,23,24,25)からの少なくとも一つの信号を判定することにより算出確定されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
センサ(21,22,23,24,25)が、印刷基材(9)の標識(8)を検知すると、信号を出力することを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
標識(8)が 標識付与装置(10)を用いて、特に圧痕、穿孔、色付けあるいは貼付けにより、第一の印刷機構(1,2,3,4)の手前あるいは中で、印刷基材(9)の上あるいは中に付与可能であることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
センサ(21,22,23,24,25)として光センサが使用されることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
各々隣接した印刷機構(1,2,3,4,5)の間の印刷基材(9)の長さ(l12,l23,34,45)が、0.2mm未満の精度で算出確定されることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
印刷機構(1,2,3,4,5)の少なくとも一つの角度位置が、駆動系(31,32,33,34,35)において、特にサーボ系において少なくとも一つの印刷機構(1,2,3,4,5)に設けられたパルスセンサ(30)を用いて算出確定され、これから各々隣接した印刷機構(1,2,3,4,5)の間の印刷基材(9)の長さ(l12,l23,34,45)に関係した信号と同時に判定される信号が発生し、
他の印刷機構(2,3,4,5)の、少なくとも一つの画像を付与するシリンダ(26,27)の見当調整が、行われる判定に相応して変更されることを特徴とする請求項6〜10のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
第一の印刷機構(1,2,3,4)と少なくとも一つの他の印刷機構(2,3,4,5)を備えた印刷機(6)を見当制御するための装置であって、
前記印刷機構が、回転速度(ω)でもって回転しかつ画像を付与する、印刷基材(9)に印刷するための各々少なくとも一つのシリンダ(26,27)を備えており、
これらのシリンダを用いて、複数の印刷機構(1,2,3,4,5)の印刷画像(11,11’)のずれを防止するために、他の印刷機構(2,3,4,5)の少なくとも一つの画像を付与するシリンダ(26,27)の見当調整が変更可能である装置において、
前記装置が制御装置(29)と各々少なくとも一つの駆動系(31,32,33,34,35)、特にサーボ駆動系ならびに各々少なくとも一つの、印刷機構(1,2,3,4,5)のためのセンサ(21,22,23,24,25)を備えており、
少なくとも一つのセンサ(21,22,23,24,25)により印刷基材(9)の標識(8)が検知可能であり、相応する信号が発生可能でありかつ制御装置(29)に転送可能であり、
制御装置(29)を用いて、受信した信号から印刷機構(1,2,3,4,5)の間の印刷基材(9)の長さ(l12,l23,34,45)が算出確定可能であり、そして
これらの長さ(l12,l23,34,45)に依存した駆動系(31,32,33,34,35)により、他の印刷機構(2,3,4,5)の少なくとも一つの画像を付与するシリンダ(26,27)の見当調整が変更可能であることを特徴とする装置。
【請求項13】
少なくとも一つのセンサ(21,22,23,24,25)が、各々印刷機構(1,2,3,4,5)において、もしくは印刷基材(9)の走行方向で、各々印刷機構(1,2,3,4,5)の後方に設けられていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも一つのセンサ(21,22,23,24,25)が、光センサとして形成されていることを特徴とする請求項12または13に記載の装置。
【請求項15】
装置が標識付与装置(10)を備えており、この標識付与装置が印刷基材(9)の走行方向(12)で、第一の印刷機構(1)の手前あるいは第一の印刷機構(1)内に設けられていることを特徴とする請求項12〜14の少なくとも一つに記載の装置。
【請求項16】
第一の印刷機構(1,2,3,4)の手前あるいは中の標識付与装置(10)を用いて、標識、特に刻印の圧痕、穿孔、色付けあるいは貼付けが付与可能であることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記装置が特に駆動系(31,32,33,34,35)に設けられた少なくとも一つのパルスセンサ(30)備えており、このパルスセンサを使用して、少なくとも一つの印刷機構(1,2,3,4,5)の角度位置が検知可能であり、かつ制御装置(29)ならびに駆動系(31,32,33,34,35)に転送可能であることを特徴とする請求項12〜16の少なくとも一つに記載の装置。
【請求項18】
請求項12〜17の少なくとも一つに記載の装置を備えた印刷機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−251533(P2011−251533A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123350(P2011−123350)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(502200092)ミュラー・マルティニ・ホルディング・アクチエンゲゼルシヤフト (51)
【Fターム(参考)】