説明

印刷装置内の交換式資源ユニットへのマーキング方法および装置

電磁エネルギーのマーキングビーム(306、212)が印刷装置(102、102’)内で生成され、当該印刷装置(102、102’)内に少なくとも部分的に配置される交換式サブシステム(202)の可視マーキング可能部分(204)が、当該マーキング可能部分(204)の少なくとも一部をマーキングビーム(212)で照射することによって変更される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
印刷装置は多くの場合、資源ユニットを備える。このような資源ユニットは定期的に交換されるように設計されている。交換式資源ユニットによっては、或る様式で修繕して再び使用することができるものもある。大半の交換式資源は、自然な摩耗等により寿命が限られている。不都合なことに、交換式資源ユニットが使用された量、頻度、及び/又は期間を特定することが難しいことがある。このようなことを明らかにすることは、たとえば、印刷装置及び/若しくは交換式資源に関連する保証問題に対処する場合や、修繕されたユニットを購入する場合、並びに/又は他のときに有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0002】
以下の詳細な説明において添付図を参照する。図中、参照番号の一番左側の桁(複数可)は、参照符号が最初に現れた図を識別する。さらに、同じ参照符号が図面全体を通して使用されて、同様の特徴及び部品を参照する。
【0003】
(詳細な説明)
交換式資源ユニットのマーキング可能部分が、マーキングビームで照射することによって選択的に変更される方法及び装置が提供される。マーキング可能部分の変更はユーザ及び/又は機械から見え、交換式資源ユニットに関連する何らかの情報を示す。交換式資源ユニットは、印刷装置内に取り付けられている(完全に、又は部分的に)間にこのようにしてマーキングされる。
【0004】
マーキングビームは、マーキング可能部分を照射するように1つ又は複数のビーム発生源によって直接出力することができるか、又はマーキング可能部分を照射する前に1つ若しくは複数の中間ビーム配向機構によって方向変更若しくは他の様式で変更することができる。マーキングビームは、限定ではなく例として、安定ビーム、選択的に移動される/移動するビーム、スポットビーム、整形ビーム、スプリットビーム、濾波ビーム、集束ビーム、非集束ビーム、選択可能な強度を有するビーム、特定の周波数(複数可)を有するビーム、増幅ビーム、パルスビーム、偏光ビーム、及び/又は非偏光ビーム等を含むことができる。
【0005】
交換式資源ユニットは、限定ではなく例として、マーキングプロセス中に全体的若しくは部分的に移動しない、又は全体的若しくは部分的に移動される/移動する資源ユニットとして構成することができる。交換式資源ユニットは、マーキングプロセス中にマーキング可能部分を選択的に露出するように構成することもできる。マーキング可能部分の露出は、たとえば、係合ユニット又は印刷装置及び/若しくは交換式資源ユニットの一部である他の同様の機能を使用して、交換式資源ユニットの全体又は一部を選択的に再配置するか、又は他の様式で移動させることによって行うことができる。
【0006】
まず、印刷装置102を有する例示的なシステム100を示すブロック図である図1を参照する。印刷装置102は、印刷媒体104に画像106を形成するように構成される。特定の実施態様では、印刷装置102は、モノクロプリンタ又はカラープリンタ、たとえば、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ、サーマルプリンタ、電子写真式コピー機、又は他の同様の印刷装置等を含むことができる。印刷媒体104は、印刷装置102により画像106を表面に形成することができる任意の材料を含む。したがって、限定ではなく例として、例示的な印刷媒体104は紙、及び/又はプラスチック等を含む。画像106は、たとえば、テキスト、グラフィックス、及び/又はデジタル画像等を含む任意の印刷可能な画像を表す。画像106は、印刷装置102により印刷媒体104上に、インク、トナー又は他の同様の材料を付着することによって形成することができる。サーマルプリンタでは、画像106は、熱エネルギーを印刷媒体104に選択的に印加することによって形成される。
【0007】
システム100は、印刷装置102を、接続110及び/又はネットワーク112を介してコンピューティング装置108等の他の装置に機能的に接続できることをさらに示す。コンピューティング装置108は、印刷装置102が画像106を印刷媒体104上に形成するために使用する情報を出力可能な任意の装置を表す。したがって、限定ではなく例として、コンピューティング装置108は、ワークステーション、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、サーバ等のコンピュータ、スキャナ等の電気機械、携帯情報端末等のハンドヘルド装置、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、一体型デジタルカメラを有する携帯電話等のデジタルカメラ装置等を含むことができる。接続110は、有線又は無線の接続を含むことができる。ネットワーク112は、コンピューティング装置108と印刷装置102との間での情報の伝達に役立つように構成される任意の通信システム(複数可)を表す。したがって、たとえば、特定の実施態様では、ネットワーク112は、有線及び/又は無線のローカルエリア及び/又は広域ネットワーク、イントラネット、インターネット、及び/又は他の同様の通信システム/資源を含む。
【0008】
図2A及び図2Bは、特定の例示的な実施態様によるビーム配向ユニット及び交換式資源ユニットを有する、たとえば図1のような2つの例示的な印刷装置をさらに詳細に示すブロック図である。
【0009】
図2Aに示すように、印刷装置102は、交換式資源ユニット202を収容するように構成される。交換式資源ユニット202は、印刷装置102に関連する任意の交換式資源を表す。したがって、限定ではなく例として、交換式資源ユニットは、トナーカートリッジ、インクカートリッジ、印刷ヘッド、静電転写ベルトアセンブリ、転写ドラム、定着アセンブリ、廃トナー容器、又はレーザアセンブリ等を含むことができる。
【0010】
交換式資源ユニット202は、少なくとも1つのマーキング可能部分204を含む。マーキング可能部分204は、電磁エネルギーのマーキングビーム212で適切に照射されると変更されるように構成される。このようにして、マーキング可能部分204は、人間及び/又は機械が、マーキング可能部分204がマークされたことを後で判断できるように印刷装置102内にある間に選択的に見えるように変更される。
【0011】
特定の例示的な実施態様では、マーキング可能部分204は、交換式資源ユニット202に配置された、又は他の方式で交換式資源ユニット202に一体化され、マーキングビーム212に応答して、見えるように変更された所望の状態を生成する1つ又は複数の材料を含む。
【0012】
電磁エネルギーマーキング可能材料は既知である。たとえば、電磁エネルギーで適切に照射されると、化学的に反応して、或る様式で見えるようにして変化するマーキング可能材料がある。また、たとえば、電磁エネルギーで適切に照射されると温度が上昇し、それにより、結果として生じる熱変化が材料及び/又は他の近傍の材料を或る様式で見えるように変化させるマーキング可能材料もある。
【0013】
例示的なマーキング材料のさらなる例は、可視マーキングコンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)等に関連するものである。この場合、1つ又は複数の材料の1つ又は複数の層がディスク又は他の同様の物体上に提供されて、レーザ又は他の同様のビームを使用して見えるように書き込まれる。したがって、たとえば、参照により本明細書に援用されるのは、「Labeling Apparatus And Method For Disk Storage Media」と題する米国特許第6,771,297号、及び「Methods and Apparatuses for Forming Visible Labels on Objects Using a Writable Optical Disc Drive」と題する米国特許第6,778,205号である。これらの特許には、いくつかの例示的なマーキング可能材料が開示されている。
【0014】
電磁放射感応性組成物のさらなる例として、現像されるとブラック画像を形成することができるロイコ染料等が含まれる。この場合、たとえば、ロイコ染料はイソベンゾフラノンを含有する染料を含むことができる。電磁放射感応性組成物は、ロイコ染料又は他の同様の染料と反応するように構成された活性化剤を含むこともできる。電磁放射感応性組成物は、反応を促進するのに十分な電磁放射の影響下で熱的に活性である、ロイコ染料又は他の同様の染料が混合されているか、又は熱的に接触している電磁放射吸収剤を含むこともできる。
【0015】
いくつかの例示的なマーキング材料は、アンテナ材料、色形成材料、及び活性化材料を含むことができ、これらはすべて基材に分散している。この場合、色形成材料及び活性化材料は2つの別個の相で画像形成材料中に存在することができる。アンテナ材料は電磁エネルギーを吸収し、電磁エネルギーは混合物を加熱して色形成材料及び活性化材料を混合させて反応させ、色形成材料に対し、色を変化させる。
【0016】
上で使用したように、用語「ロイコ染料」は、非活性状態では無色又は単色であり、活性状態では発色、又は変色する色形成物質を指す。用語「活性化材料」は、ロイコ染料又は同様の染料と反応して、ロイコ染料又は同様の染料に対し、その化学的構造を変化させ、変色させ、且つ/又は発色させる物質を指す。例として、活性化材料は、この変化を発生させることができるフェノール種又は他のプロトン供与種(proton donating species)であることができる。用語「アンテナ材料」は、所望の波長のマーキングビームを吸収する任意の電磁放射吸収化合物を指す。
【0017】
他の種類のマーキング材料を使用してもよく、ほんの数例を本明細書において述べているにすぎないことを当業者は認識しよう。
【0018】
特定の例示的な実施態様では、マーキング可能部分204は、たとえば、シルクスクリーン、ペイント、又は他の同様の印刷技法によって交換式資源ユニット202の表面に直接塗布される。図2Aにさらに示されるように、マーキング可能部分204は、ラベル216又は同様の物体により交換式資源ユニット202に固定又は他の様式で貼り付けることができる。さらに他の例示的な実施態様では、交換式資源ユニット202の表面材料自体がマーキング可能部分204として構成されて、マーキングビーム212に応答してマーキングされることができる。
【0019】
印刷装置102は、この例では、画像106を印刷媒体104(図1)に印刷するように構成される印刷サブシステム208を備える。たとえば、印刷サブシステムは、レーザ印刷技法、インクジェット印刷技法、サーマル印刷技法、電子写真式印刷技法等を使用して画像106を印刷媒体104上に形成するための回路及び関連する機構を含むことができる。このような技法は既知である。
【0020】
印刷装置102は、印刷サブシステム208に機能的に結合されるビーム配向ユニット210も備える。ビーム配向ユニット210は、マーキングビーム212を選択的に出力し、マーキング可能部分204の全体又は一部をマーキングビーム212で照射するように構成される。ビーム配向ユニット210について以下にさらに詳細に説明する。
【0021】
図2Aに示すように、印刷装置102は、交換式資源ユニット202を機能的に収容するように構成された収容ベイ222も備える。特定の実施態様では、収容ベイ222は、取り付けられると、交換式資源ユニット202の全体が印刷装置102の主筐体224内に配置されるように構成される。特定の他の実施態様では、収容ベイ222は、取り付けられると、交換式資源ユニット202の一部のみが主筐体224内に配置されるように構成される。特定の実施態様では、マーキング可能部分204は、交換式資源ユニット202が印刷装置102に取り付けられるときに主筐体224に配置される。
【0022】
交換式資源ユニット202に関連する交換式資源(複数可)の種類(複数可)が、収容ベイ222の機能特徴を示す。たとえば、交換式資源がトナーを含む場合、収容ベイ222は、交換式資源ユニット(たとえば、トナーカートリッジ)を物理的に支持してトナーを収容するとともに、印刷サブシステム208によるアクセス、受け入れ、又は交換式資源の使用をサポートする電気的なインタフェース機構及び/又は機械的なインタフェース機構も提供するように構成することができる。
【0023】
収容ベイ222はまた、交換式資源ユニット202が収容ベイ222に適切に取り付けられると、ビーム配向ユニット210がマーキング可能部分204の全体又は一部をマーキングビーム212で照射できるように構成される。
【0024】
特定の実施態様では、印刷装置102は係合ユニット214も備える。図2Aに示すように、オプションの係合ユニット214は、収容ベイ222に取り付けられると、収容ベイ222及び/又は交換式資源ユニット202に機能的に結合される。係合ユニット214は、たとえば印刷サブシステム208からのコマンド信号に応答して、交換式資源ユニット202の少なくとも一部をマーキングビーム212に対して物理的に移動させるように構成される。このようにして、マーキングビーム212はマーキング可能部分204を少なくとも一方向に、たとえば交換式資源ユニット202が移動する方向に照射することができる。
【0025】
特定の例示的な実施態様では、交換式資源ユニット202が、係合ユニット214により一方の軸(たとえば、y軸)の方向に移動し、マーキングビーム212がビーム配向ユニット210により別の軸(たとえば、y軸に直交するx軸)の方向に移動するときに、より大きな2次元マークがマーキング可能部分204上に形成される。他の実施態様では、同じマークが、マーキングビーム212が移動せず、交換可能資源ユニット202の少なくとも一部を係合ユニット214により2つの方向に移動するときに形成される。さらに他の実施態様では、係合ユニット214が存在せず、したがって交換式資源ユニット202が移動しない場合、このようなより大きな2次元マークは、ビーム配向ユニット210を使用して、マーキングビーム212を適宜に(たとえば、2次元に)マーキング可能部分204にわたって移動させることによってマーキング可能部分204上に形成される。
【0026】
係合ユニット214は、交換式資源ユニット202とは別個のものとして図2Aに示されるが、他の例示的な実施態様では、係合ユニット214の機能の全体又は一部が交換式資源ユニット202に組み込まれてもよい。したがって、たとえば、このような実施態様では、交換式資源ユニット202の全体又は一部は、印刷サブシステム208からの1つ又は複数の入力に応答してそれ自体を移動させるように機能的に構成することができる。
【0027】
様々な制御及び/又は機構を、交換式資源ユニット202の全体又は一部を選択的に移動させるように構成可能なことを当業者は認識しよう。限定ではなく例として、係合ユニット214、収容ベイ222、及び/又は交換式資源ユニット202は、マーキング可能部分204をマーキングビーム212に対して選択的に移動させるように構成される1つ又は複数のアクチュエータ、モータ、レバー、ギア、カム、ロッド、回路等を含むことができる。
【0028】
図2Aの例示的な実施態様に示すように、マーキングロジック218、220、224又は他の同様の回路を印刷サブシステム208、ビーム配向ユニット210、及び係合ユニット214にそれぞれ提供することができる。この実施態様では、マーキングロジック218は、ビーム配向ユニット210内の対応するマーキングロジック220にマーキングビーム212を出力させ、マーキング可能部分204へのマーキングに所望されるようにマーキングビーム212を場合により配向、再配向、移動、又は他の様式で調整させることによりマーキング動作を行うように構成される。マーキングロジック218は、係合ユニット214内の対応するマーキングロジック224を、マーキングビーム212がマーキング可能部分204を照射しマーキングするのに所望されるように交換式資源ユニット202の全体又は一部を選択的に移動させるか、又は他の様式で調整させることにより、マーキング動作をサポートするように構成することができる。図2Aに示していないが、特定の他の実施態様では、マーキングロジック224等を必要に応じて交換式資源ユニット202及び/又は収容ベイ222に組み込んでよいことも明らかであるはずである。
【0029】
ビーム配向ユニット210は、図2Aの例示的な実施態様に示すように、印刷サブシステム208と別個であってもよい。したがって、この例では、印刷サブシステム208は、印刷プロセス中ではなくマーキングプロセス中にビーム配向ユニット210を利用する。
【0030】
対照的に、図2Bは、印刷装置102’が印刷サブシステム208’を備えている別の例示的な実施態様を示し、印刷サブシステム208’は、ビーム配向ユニット210を内部に有し、マーキングプロセス中及び印刷プロセス中にビーム配向ユニット210の全体又は一部を使用する。したがって、たとえば、マーキングビーム212の発生源も印刷プロセスをサポートするように構成することができる。一例は、レーザ印刷装置内で印刷に使用されるレーザである。いくつかの実施態様では、このような二重用途発生源はまた、印刷動作に出力するよりも高い(又は低い)ワット数のビームをマーキング動作時に出力するように構成することができる。
【0031】
これより、2つの例示的なビーム配向ユニット210及び210’をそれぞれさらに詳細に示すブロック図である図3A及び図3Bを参照する。
【0032】
図3Aでは、ビーム配向ユニット210は、マーキングビーム212を直接出力するように構成されるビーム発生源302を備える。この例では、制御機構304が、マーキングビーム212の指向を制御するようにビーム発生源302に機能的に構成される。例として、制御機構304は、ロジック218及び/又は220に応答し、ビーム発生源302を移動させるアクチュエータを含むことができる。この場合、ビーム発生源302は、印刷サブシステム208と別個であっても(図2A)、又は印刷サブシステム208’内に含まれても(図2B)よい。
【0033】
図3Bでは、ビーム配向ユニット210’は、第1のビーム306をビーム配向機構308に出力するように構成されるビーム発生源302を備える。ビーム配向機構308は、第1のビーム306を受け、マーキングビーム212を出力する。ビーム配向機構308は、第1のビーム306を制御可能に再配向又は他の様式で変更してマーキングビーム212を生成するように構成される。このビーム配向機構308を実現することは、たとえば、1つ又は複数の反射器、屈折器、拡大鏡、レンズ、フィルタ、ミラー、光ファイバ要素、導波管、集束要素、及び他の同様の光学機構を含むことができる。
【0034】
特定の実施態様では、ビーム配向機構308は、ビーム発生源302に関連するシャッタ機構310を含むことができる。レーザ印刷装置によっては、開/閉してレーザビーム出力を選択的に非遮断/遮断する保護用シャッタ又は他の同様の機構を備える。特定の場合では、シャッタ機構310を或る様式で使用してレーザビームを再配向又は他の様式で変更することが可能であり得る。たとえば、シャッタ機構310に、或る様式でレーザビームを反射する表面/特徴(複数可)を構成することができる。
【0035】
特定の他の実施態様では、図3Aのビーム配向ユニット210の制御機構304等の制御機構が、図3Bのビーム配向ユニット210’のビーム発生源302を制御するように適合することができる。
【0036】
図4は、本発明の特定の実施態様による、たとえば図2A及び図2Bの印刷装置内にあるような交換式資源ユニットをマーキングする方法400の流れ図である。動作402において、交換式資源をマーキングすべきであると判断される。例として、交換式資源ユニット202は、取り付け時、取り外し前、及び/又は取り付けられている間の1つ又は複数の特定の時点にマーキングすることができる。特定の場合では、交換式資源ユニット202は、使用量がしきい値レベルに達したときにマーキングされる。
【0037】
次に、動作404において、マーキングビーム212が生成され、動作406において、マーキング可能部分204の少なくとも一部がマーキングビーム212で照射される。動作404及び406のいずれかの前、間、及び/又は後に、動作408及び410のうちの一方又は両方を行い、マーキング可能部分204の少なくとも一部を2次元でマーキングできるようにする(たとえば、x軸及びy軸の次元)。動作408において、たとえば、マーキングビーム212を少なくとも1つの方向に再配向させる。動作410において、たとえば、交換式資源ユニット202の少なくとも一部が少なくとも1つの方向に移動する。
【0038】
図5A、図5B、図5C、及び図5Dは、本発明の特定の実施態様による、たとえば図2A及び図2Bの印刷装置の交換式資源ユニットの各種の例示的なマーキング可能部分を示す例示的な図である。
【0039】
図5Aでは、マーキング可能部分204は複数のマーキング可能エリア、すなわち第1のエリア502及び第2のエリア504を含み、マーキングビーム212を使用して、これらを別個に照射してマーキングすることができる。この例では、第1のエリア502には第1の情報エリア508が関連付けられ、第2のエリア504には第2の情報エリア510が関連付けられる。第1の情報エリア508は、たとえば、人間及び/又は機械に可読の「メッセージA」情報を含むことができる。第2の情報エリア510は、たとえば、同様に人間及び/又は機械に可読の「メッセージB」情報を含むことができる。メッセージA又はBは、たとえば、交換式資源ユニット202がマーキングされた理由を伝えることができる(たとえば、図4の動作402毎に)。
【0040】
図5Aに示すように、方向指示子512が、2次元マーキングの場合にx軸及びそれに直交するy軸を示す。明示マーク514が、マーキング可能部分204を照射するときのマーキングビーム212の幅におおよそ等しい公称幅を有してx軸方向に沿って示される。別の明示マーク516が、これもまたマーキング可能部分204を照射するときのマーキングビーム212の幅におおよそ等しい公称幅を有してy軸方向に沿って示される。
【0041】
図5Bは図5Aと同様であり、この例では、第1のエリア502がマーキングビーム212を使用して2次元でどのようにマーキングされたかをさらに示す。この例では、第1のエリア502は、マーキングの結果としてより暗くなる。他の実施態様では、マーキングされたエリアは、マーキングの結果としてより明るくなったり、色(複数可)が変化したりする等であってもよい。図5C及び図5Dに示す特定の例では、「メッセージC」等の人間及び/又は機械が可読のメッセージをマーキング可能部分204に書き込んだり、マーキング可能部分204から消去したり、又は他の様式で見せたり若しくは隠したりすることができる。図5Cの例では、メッセージCは、マーキング可能部分204の周囲のエリアと異なる陰影/色を有する(たとえば、より暗い)。図5Dの例では、メッセージCがマーキング可能部分204の周囲のエリアと異なる陰影/色を有する(たとえば、より明るい)。
【0042】
図6は、本発明の特定の態様による、交換式資源ユニットのマーキング可能部分を読み取る装置600を示す例示的な図である。装置600の第1の変形では、交換式資源ユニット202のマーキング可能部分204は、マーク602の有無を認識するように構成される機械604によって可視で「読み取られる」。様々な種類の機械が様々な種類のマークの読み取りに利用可能なことを当業者は認識しよう。この場合、マーク602は、必要に応じて、機械604がこのマークを検出でき、且つ/又はこのマークから情報を収集できるように構成することができる。したがって、たとえば、マーク604は、バーコード又は他の同様の機械可読情報を含むことができる。第2の変形では、マーク602はこれに代えて(又はこれに加えて)、人間606により可読であるか、又は他の方式で識別可能である。たとえば、メッセージA、B、及びCは人間による読み取り又は識別が可能である。
【0043】
上記開示は構造的/機能的な特徴及び/又は方法動作に固有の用語で説明したが、添付の特許請求の範囲は説明した特定の特徴又は動作に限定されないことを理解されたい。むしろ、特定の特徴及び動作は本開示を実施する例示的な形態である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の特定の実施形態による印刷装置を有する例示的なシステムを示すブロック図である。
【図2A】本発明の特定の実施形態による、ビーム配向ユニット及び交換式資源ユニットを有する、たとえば図1のような2つの例示的な印刷装置のうちの1つをさらに詳細に示すブロック図である。
【図2B】本発明の特定の実施形態による、ビーム配向ユニット及び交換式資源ユニットを有する、たとえば図1のような2つの例示的な印刷装置のうちの1つをさらに詳細に示すブロック図である。
【図3A】本発明の特定の実施形態による、たとえば図1、図2A及び図2Bのような2つの例示的なビーム配向ユニットのうちの1つをさらに詳細に示すブロック図である。
【図3B】本発明の特定の実施形態による、たとえば図1、図2A及び図2Bのような2つの例示的なビーム配向ユニットのうちの1つをさらに詳細に示すブロック図である。
【図4】本発明の特定の実施形態による、たとえば図2A及び図2Bの印刷装置内にあるような交換式資源ユニットをマーキングする方法の流れ図である。
【図5A】本発明の特定の実施形態による、たとえば図2A及び図2Bの印刷装置内にあるような交換式資源ユニットの各種の例示的なマーキング可能部分のうちの1つを示す例示的な図である。
【図5B】本発明の特定の実施形態による、たとえば図2A及び図2Bの印刷装置内にあるような交換式資源ユニットの各種の例示的なマーキング可能部分のうちの1つを示す例示的な図である。
【図5C】本発明の特定の実施形態による、たとえば図2A及び図2Bの印刷装置内にあるような交換式資源ユニットの各種の例示的なマーキング可能部分のうちの1つを示す例示的な図である。
【図5D】本発明の特定の実施形態による、たとえば図2A及び図2Bの印刷装置内にあるような交換式資源ユニットの各種の例示的なマーキング可能部分のうちの1つを示す例示的な図である。
【図6】本発明の特定の態様による交換式資源ユニットのマーキング可能部分の読み取りを示す例示的な図である。
【符号の説明】
【0045】
102:印刷装置
202:交換式資源ユニット
204:マーキング可能部分
208:印刷サブシステム
210:ビーム配向ユニット
214:係合ユニット
216:ラベル
222:収容ベイ
218、220、224:マーキングロジック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置(102、102’)内で電磁エネルギーのマーキングビーム(306、212)を生成するステップと、
前記印刷装置(102、102’)内に少なくとも部分的に配置された交換式サブシステム(202)の可視マーキング可能部分(204)を、該マーキング可能部分(204)の少なくとも一部を前記マーキングビーム(212)で照射することによって変更するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記マーキングビーム(306、212)を生成するステップが、該マーキングビーム(306、212)を前記印刷装置(102、102’)内で少なくとも1つの方向に配向するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マーキングビーム(212)を配向するステップが、該マーキングビーム(212)を使用して前記マーキング可能部分(204)を変更する前又は変更している間に、前記交換式サブシステム(202)の少なくとも一部を前記少なくとも1つの方向に移動させるステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記可視マーキング可能部分(204)を変更するステップが、該マーキング可能部分(204)の第1のエリアを照射するステップを含み、
前記マーキングビーム(212)を前記印刷装置(102、102’)内で少なくとも第2の方向に配向して、前記マーキング可能部分(204)の第2のエリアを照射するステップと、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記マーキングビーム(306、212)を配向するステップが、前記印刷装置(102、102’)内のビーム発生源(302、308、310)を制御可能に移動させるステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
印刷装置内で前記ビーム発生源(302、308、310)を移動させるステップが、該ビーム発生源(302、308、310)を前記マーキング可能部分(204)に対して2つの次元に移動させるステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記マーキングビーム(306、212)を配向するステップが、少なくとも1つのビーム配向機構(308)を使用して前記マーキングビーム(306、212)を配向するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記マーキングビーム(306、212)を配向するステップが、前記少なくとも1つのビーム配向機構(308)に、前記マーキングビーム(212)を前記マーキング可能部分に対して少なくとも1つの方向に移動させるステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
筐体を有する印刷装置(102、102’)であって、
前記筐体内に少なくとも部分的に配置され、可視マーキング可能部分(204)を有する交換式資源ユニット(202)と、
前記筐体内に配置され、電磁エネルギーのマーキングビーム(212)を使用して前記マーキング可能部分(204)の少なくとも一部を照射するように構成されたビーム配向ユニット(210、210’)と、
を備えている印刷装置。
【請求項10】
前記ビーム配向ユニット(210、210’)が、前記マーキングビーム(212)を前記印刷装置(102、102’)内で少なくとも1つの方向に配向するように構成されている、請求項9に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記筐体内に配置され、前記ビーム配向ユニット(210、210’)が前記マーキング可能部分(204)の前記一部を照射する前、又は照射している間に、前記交換式資源ユニット(202)の少なくとも一部を前記少なくとも1つの方向に移動させるように構成された資源ユニット係合ユニット(214)をさらに備えている、請求項10に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記交換式資源ユニット(202)がトナーカートリッジを含み、前記資源ユニット係合ユニットが、前記ビーム配向ユニット(210、210’)が前記マーキング可能部分(204)の前記一部を照射する前、又は照射している間に、前記トナーカートリッジの移動を行うように構成されている、請求項11に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記ビーム配向ユニット(210、210’)が、前記マーキングビーム(212)を前記印刷装置(102、102’)内で前記少なくとも1つの方向(514、516)に配向して、前記マーキング可能部分(204)の第1のエリアを照射し、前記マーキングビームを前記印刷装置(102、102’)内で第2の方向(514、516)に配向して、前記マーキング可能部分(204)の第2のエリアを照射するように構成されている、請求項10に記載の印刷装置。
【請求項14】
前記ビーム配向ユニット(210)が、前記マーキングビーム(212)を出力するように構成されたビーム発生源(302)を備え、前記ビーム配向ユニット(210)は前記ビーム発生源(302)を制御可能に位置決めするように構成されている、請求項10に記載の印刷装置。
【請求項15】
前記ビーム配向ユニット(210)が、前記ビーム発生源(302)を前記マーキング可能部分に対して2つの次元で制御可能に位置決めするように構成されている、請求項14に記載の印刷装置。
【請求項16】
前記ビーム配向ユニット(210’)が、前記マーキングビーム(306、212)を出力するように構成されたビーム発生源(302)と、前記マーキングビーム(212)を前記少なくとも1つの方向に配向するように構成された少なくとも1つのビーム配向機構(308)と、を備えている、請求項10に記載の印刷装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つのビーム配向機構(308)が、前記ビーム発生源(302)のシャッタ機構(310)としてさらに構成されている、請求項16に記載の印刷装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つのビーム配向機構(308)が、前記マーキングビーム(212)を前記マーキング可能部分に対して少なくとも1つの次元で移動させるように構成されている、請求項16に記載の印刷装置。
【請求項19】
前記ビーム配向ユニット(210、210’)が、前記マーキングビーム(212)を出力するように構成されたレーザ(302)を備え、該レーザ(302)は、印刷に使用される場合には第1のレベルの強度を有するビームを出力するように構成され、該第1のレベルの強度は、前記マーキングビームのマーキングレベルの強度と異なる、請求項9に記載の印刷装置。
【請求項20】
前記マーキング可能材料(204)が、貼り付けられるラベル(216)を使用して前記交換式資源ユニット(202)の少なくとも1つの表面に配置される、請求項9に記載の印刷装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−518269(P2008−518269A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538920(P2007−538920)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/033949
【国際公開番号】WO2006/049730
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】