説明

印刷装置

【課題】標準として使用する排紙口の排紙台に積載される用紙を低減することができる印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷装置1は、原稿画像のすべてのページの画像処理が終了するまでは、画像処理が終了したページ順に印刷を行い、印刷された用紙を、標準として使用する排紙台であるフェイスダウン排紙台62に排紙し、原稿画像のすべてのページの画像処理終了後、ページの逆順に印刷を行ってフェイスアップ排紙台42に排紙する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェイスアップ排紙口およびフェイスダウン排紙口を備えた印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷済みの用紙の印刷面を上向きにして排紙するフェイスアップ排紙口と、印刷済みの用紙の印刷面を下向きにして排紙するフェイスダウン排紙口とを備えた印刷装置が知られている。フェイスアップ排紙口では、印刷面が上向きの状態で排紙台に印刷済みの用紙が順次積み重ねられる。一方、フェイスダウン排紙口では、印刷面が下向きの状態で排紙台に印刷済みの用紙が順次積み重ねられる。
【0003】
フェイスアップ排紙口の排紙台、およびフェイスダウン排紙口の排紙台には、それぞれ最大積載量が定められている。そこで、最大積載量を超えて排紙を行わないように、複数ページの印刷途中で一方の排紙台の最大積載量に達すると、他方の排紙台に切り替えて排紙する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−157746号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フェイスアップ排紙口とフェイスダウン排紙口とを備えた印刷装置においては、一方の排紙口の排紙台を標準として使用するように設定されていることがある。この場合、一方の排紙台が頻繁に使用されるため、その排紙台が短期間で最大積載量に達しやすくなる。
【0005】
上述した従来の技術では、印刷途中で一方の排紙台の最大積載量に達すると他方の排紙台に切り替えて排紙するが、最大積載量に達した排紙台から印刷物が取り除かれるまで、後に続く他の印刷ジョブによる印刷物をその排紙台に排紙することができなくなる。このため、標準として使用する排紙口の排紙台の最大積載量にはできるだけ達しないようにすることが望ましい。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、標準として使用する排紙台に積載される用紙を低減することができる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の印刷装置は、用紙に印刷を行う印刷部と、入力された印刷ジョブに含まれる印刷対象の原稿画像の画像データを原稿画像のページ順に、前記印刷部による印刷に用いる印刷画像データに変換する画像処理を行う画像処理部と、印刷された用紙の印刷面を上にして排紙を行うフェイスアップ排紙口と、前記フェイスアップ排紙口から排紙された用紙を積載するフェイスアップ排紙台と、印刷された用紙の印刷面を下にして排紙を行うフェイスダウン排紙口と、前記フェイスダウン排紙口から排紙された用紙を積載するフェイスダウン排紙台と、前記画像処理部による画像処理が終了したページ順に前記印刷部により用紙に印刷させ、印刷された用紙を順次前記フェイスダウン排紙口に排紙させる印刷制御部とを備え、前記印刷制御部は、前記画像処理部において原稿画像のすべてのページの画像データの画像処理が終了し、その時点における印刷残り枚数が前記フェイスアップ排紙台の最大積載量以下の場合、残りのページの逆順に前記印刷部により用紙に印刷させ、印刷された用紙を順次前記フェイスアップ排紙口に排紙させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の印刷装置における前記印刷制御部は、前記画像処理部において原稿画像のすべての画像データの画像処理が終了した時点における印刷残り枚数が前記フェイスアップ排紙台の最大積載量より大きい場合、ページ順の印刷を継続させて順次前記フェイスダウン排紙口に排紙させ、印刷残り枚数が前記フェイスアップ排紙台の最大積載量以下となった後、残りのページの逆順に前記印刷部により用紙に印刷させ、印刷された用紙を順次前記フェイスアップ排紙口に排紙させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の印刷装置における前記印刷制御部は、前記印刷ジョブにより複数部数の印刷が指定されている場合、部の区切りのページまでページ順で印刷させて順次前記フェイスダウン排紙口に排紙させた後、次の部からページの逆順に前記印刷部により用紙に印刷させ、印刷された用紙を順次前記フェイスアップ排紙口に排紙させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の印刷装置は、表示部と、印刷対象の原稿画像のすべてのページの印刷終了後に、前記フェイスアップ排紙台に積載された用紙と、前記フェイスダウン排紙台に積載された用紙とを重ね合わせることをユーザに指示するためのガイド画面を前記表示部に表示させる表示制御部とをさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の印刷装置によれば、標準として使用する排紙台に積載される用紙を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の印刷装置を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る印刷装置の概略構成図である。図1に示すように、本実施の形態に係る印刷装置1は、給紙部2と、プリンタ部3と、フェイスアップ排紙部4と、循環搬送部5と、フェイスダウン排紙部6とを備える。
【0014】
給紙部2は、印刷装置1の筐体の外部に露出して設置され、印刷媒体である用紙が積載載置されるサイド給紙台21と、サイド給紙台21から用紙を1枚ずつピックアップして搬送する給紙ローラ22と、筐体内部に設けられ、それぞれ用紙が積載載置される複数の給紙トレイ23a〜23dと、給紙トレイ23a〜23dから用紙を1枚ずつピックアップして搬送する給紙ローラ24a〜24dと、サイド給紙台21および給紙トレイ23a〜23dのいずれかから図1中の黒太線で示す給紙搬送路25に沿って搬送されてきた用紙を斜行補正するとともに所定のタイミングでプリンタ部3に供給するレジストローラ26とを備える。
【0015】
プリンタ部3は、インクを用紙に吐出して画像を印刷するヘッドユニット31と、給紙部2から繰り出された用紙をヘッドユニット31に向けて搬送する搬送部32とを備える。
【0016】
ヘッドユニット31は、用紙の搬送方向と直交する方向に複数のノズルが配列されたラインタイプの複数の印字ヘッド31a〜31dを有する。印字ヘッド31a〜31dは、搬送部32の上方に所定間隔で配置され、給紙側から順に、C(シアン)、K(ブラック)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)の各色のインクを用紙に吐出するようになっている。
【0017】
搬送部32は、周回する環状の搬送ベルト33と、搬送ベルト33を周回駆動させる駆動ローラ34と、駆動ローラ34の従動ローラである搬送ベルトローラ35〜37とを備える。搬送ベルト33は、多数の穴が空けられた無端ベルトからなり、図示しない吸引ファンにより空気を穴から吸引することにより発生する負圧で用紙を吸着して搬送する。
【0018】
フェイスアップ排紙部4は、プリンタ部3に対して用紙の搬送方向下流側に設けられ、印刷面を上向きにして搬送部32により搬送されてきた印刷済みの用紙を排紙するフェイスアップ排紙口41と、フェイスアップ排紙口41から排紙された用紙を、印刷面を上向きにして積載するフェイスアップ排紙台42とを備える。フェイスアップ排紙台42は、筐体から突出したトレイ形状を有し、傾斜して設置されており、傾斜の下位置に形成された壁により、フェイスアップ排紙口41から排紙され傾斜に沿って滑落する用紙が自然に整えられて重なっていくようになっている。
【0019】
循環搬送部5は、切替機構51と、搬送ローラ52,53と、切替機構54と、フェイスダウン排紙ローラ55とを備え、ヘッドユニット31により印刷された用紙を、循環反転経路56に沿って搬送してフェイスダウン排紙部6に導くものである。
【0020】
切替機構51は、フェイスアップ排紙台42へ排紙する際は、用紙をフェイスアップ排紙口41へ導き、フェイスダウン排紙台62へ排紙する際または両面印刷時の片面印刷後には、用紙を循環反転経路56へ導く。循環反転経路56へ導かれた用紙は、搬送ローラ52,53により、印刷面を下向きにしてフェイスダウン排紙部6へ向けて搬送される。
【0021】
切替機構54は、フェイスダウン排紙台62へ排紙する際は、用紙をフェイスダウン排紙ローラ55へ導き、両面印刷時には、用紙を後述のスイッチバック用搬送ローラ63の方向へ導く。フェイスダウン排紙ローラ55は、切替機構54を経由して搬送されてきた用紙を、後述のフェイスダウン排紙口61へ送り出す。
【0022】
フェイスダウン排紙部6は、印刷面を下向きにして循環搬送部5により搬送されてきた印刷済みの用紙を排紙するフェイスダウン排紙口61と、フェイスダウン排紙口61から排紙された用紙を、印刷面を下向きにして積載するフェイスダウン排紙台62とを備える。フェイスダウン排紙台62は、フェイスアップ排紙台42とは反対側において筐体から突出したトレイ形状を有し、傾斜して設置されており、傾斜の下位置に形成された壁により、フェイスダウン排紙口61から排紙され傾斜に沿って滑落する用紙が自然に整えられて重なっていくようになっている。
【0023】
フェイスダウン排紙台62内には空間62aが設けられ、この空間62aの開口部の近傍には、スイッチバック用搬送ローラ63が配置されている。両面印刷時には、片面印刷済みの用紙が切替機構54によりスイッチバック用搬送ローラ63に導かれ、スイッチバック用搬送ローラ63によって空間62aに引き込まれてスイッチバックが行われる。その後、片面印刷済みの用紙は、搬送ローラ64により搬送され、印刷面を下向きにした状態で再びレジストローラ26に導かれ、レジストローラ26により所定のタイミングでプリンタ部3に供給されて未印刷面の印刷が行われる。
【0024】
図2は、印刷装置1の機能構成を示すブロック図である。印刷装置1は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ等から構成されるメイン制御部100を備えており、CPUがメモリに格納されたプログラムにしたがって動作すること等で画像処理部101、印刷制御部102、駆動制御部103、表示制御部104が構成される。また、メモリの一部は印刷画像データ格納部105として機能する。
【0025】
また、印刷装置1は、操作パネル(図示せず)等を介して、印刷条件の設定等を受け付ける操作受付部110と、操作パネル等に設けられ、印刷装置1に関する情報を表示する表示部120と、コンピュータネットワーク等に接続するための通信処理部130とを備える。
【0026】
画像処理部101は、通信処理部130を介して図示しないホストコンピュータから受信した印刷ジョブに含まれる画像データを、ヘッドユニット31等で構成される印刷部140による印刷に用いる印刷画像データに変換する画像処理を行う。
【0027】
具体的には、画像処理部101は、画像を構成するR成分、G成分、およびB成分のデジタル画像信号を、Y成分、M成分、C成分、およびK成分のデジタル画像信号に変換する。そして、画像処理部101は、Y成分、M成分、C成分、およびK成分のデジタル画像信号における各画素データを、印字ヘッド31a〜31dの各ノズルからインクを吐出する際のインク量データに変換し、これを印刷画像データとして印刷画像データ格納部105に格納する。
【0028】
印刷制御部102は、画像処理部101で生成された印刷画像データに基づいて、各印字ヘッド31a〜31dのインク吐出動作の駆動を制御することにより、印刷部140における印刷処理を制御する。
【0029】
駆動制御部103は、印刷制御部102の制御の下で、搬送駆動部150を動作させる。搬送駆動部150は、搬送部32、循環搬送部5等を駆動して用紙の搬送を行う。表示制御部104は、表示部120の表示制御を行う。
【0030】
次に、印刷装置1の動作について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、印刷装置1では、標準として使用する排紙台としてフェイスダウン排紙台62が設定されているものとする。また、フェイスアップ排紙台42およびフェイスダウン排紙台62にはそれぞれ用紙の最大積載量が設定され、フェイスアップ排紙台42の最大積載量がフェイスダウン排紙台62の最大積載量より大きいものとする。
【0031】
まず、ステップS10において、メイン制御部100は、ホストコンピュータから送信される印刷対象の原稿画像の全ページの画像データを含む印刷ジョブを、通信処理部130を介して受信する。印刷ジョブには、印刷部数を示す情報が含まれている。
【0032】
ステップS20では、画像処理部101は、受信した印刷ジョブに含まれる原稿画像の画像データを印刷部140による印刷に用いる印刷画像データに変換する画像処理を、原稿画像のページ順に行い、画像処理により生成した印刷画像データを印刷画像データ格納部105に格納する。
【0033】
ステップS30では、印刷制御部102は、画像処理部101による画像処理が終了したページから順に、印刷画像データに基づいて印字ヘッド31a〜31dの各ノズルからインクを吐出させて、搬送部32により搬送される用紙に印刷するように印刷部140を制御する。
【0034】
ステップS40では、駆動制御部103は、印刷制御部102の制御の下、印刷が施された用紙を循環搬送部5により循環反転経路56に沿って搬送させ、フェイスダウン排紙口61からフェイスダウン排紙台62に排紙させる。
【0035】
ステップS50では、印刷制御部102は、画像処理部101において、印刷ジョブに含まれる原稿画像のすべてのページの画像処理が終了したか否かを判断する。すべてのページの画像処理が終了した場合(ステップS50:YES)、ステップS60に進み、画像処理が終了していないページがある場合(ステップS50:NO)、ステップS20に戻る。
【0036】
ステップS60では、印刷制御部102は、すべてのページの画像データの画像処理が終了した時点における印刷残り枚数が、フェイスアップ排紙台42の最大積載量以下であるか否かを判断する。フェイスアップ排紙台42の最大積載量以下である場合(ステップS60:YES)、ステップS90に進み、フェイスアップ排紙台42の最大積載量より大きい場合(ステップS60:NO)、ステップS70に進む。
【0037】
ステップS70では、印刷制御部102は、引き続きページ順の印刷を行うよう印刷部140を制御し、ステップS80では、駆動制御部103は、印刷が施された用紙を循環搬送部5により循環反転経路56に沿って搬送させ、フェイスダウン排紙台62に排紙させる。その後、ステップS60に戻る。
【0038】
ステップS90では、印刷制御部102は、印刷ジョブに含まれる印刷部数を示す情報に基づき、複数部数の印刷が指定されているか否かを判断する。複数部数の印刷が指定されている場合(ステップS90:YES)、ステップS100に進み、複数部数の印刷が指定されていない場合(ステップS90:NO)、ステップS130に進む。
【0039】
ステップS100では、印刷制御部102は、印刷した枚数が部の区切りに達したか否かを判断する。部の区切りに達した場合(ステップS100:YES)、ステップS130に進み、部の区切りに達していない場合(ステップS100:NO)、ステップS110に進む。
【0040】
ステップS110では、印刷制御部102は、引き続きページ順の印刷を行うよう印刷部140を制御し、ステップS120では、駆動制御部103は、印刷が施された用紙を循環搬送部5により循環反転経路56に沿って搬送させ、フェイスダウン排紙台62に排紙させる。その後、ステップS100に戻る。
【0041】
ステップS130では、印刷制御部102は、未印刷の残りのページを原稿画像の最終ページから逆順に印刷するよう印刷部140を制御する。
【0042】
ステップS140では、駆動制御部103は、印刷制御部102の制御の下、印刷が施された用紙を切替機構51により搬送部32からフェイスアップ排紙口41へ導き、フェイスアップ排紙台42に排紙させる。
【0043】
ステップS150では、印刷制御部102は、印刷ジョブに含まれる原稿画像の全ページの印刷が終了したか否かを判断する。複数部数の場合は全部数の印刷が終了したか否かを判断する。全ページの印刷が終了した場合(ステップS150:YES)、ステップS160に進み、全ページの印刷が終了していない場合(ステップS150:NO)、ステップS130に戻る。
【0044】
全ページの印刷終了時には、印刷物は、フェイスダウン排紙台62とフェイスアップ排紙台42との2箇所に分割されて載置されている。フェイスダウン排紙台62には、印刷面を下向きにした用紙が、下からページ順に載置されている。一方、フェイスアップ排紙台42には、ページの逆順に印刷した用紙が印刷面を上向きにして積載されるため、印刷面を上向きにした用紙が、上からページ順に載置されている。このため、ページ順に並んだ印刷物を得るためには、2つの印刷物の束を適切に重ね合わせなければならない。
【0045】
そこで、ステップS160において、表示制御部104は、フェイスダウン排紙台62に積載された用紙とフェイスアップ排紙台42に積載された用紙とを適切に重ね合わせることをユーザに指示するためのガイド画面を表示部120に表示させる。ユーザは、表示部120に表示されたガイド画面にしたがって2つの印刷物の束を重ね合わせることで、ページ順に並んだ印刷物を得ることができる。
【0046】
次に、具体的な例を用いて説明する。説明の簡単のため、図4、図5に示すように、12ページの原稿を印刷する場合を例として説明する。ここでは、4ページまで印刷した時点で、12ページ分の画像処理が終了するものとする。また、フェイスアップ排紙台42の最大積載量は8枚とする。
【0047】
この場合、図4(a)に示すように、4ページ目までは、「1」「2」「3」「4」のページ順で印刷が行われる。なお、「N」はNページ目を示している。そして、このようなページ順で印刷された用紙がフェイスダウン排紙口61から排紙され、図4(b)に示すように、印刷面を下にして下から「1」「2」「3」「4」の順でフェイスダウン排紙台62に積載される。なお、図4中の反転した数字は、用紙の下面に印刷されていることを示している。
【0048】
4ページ目までの印刷時点で12ページ目までの画像処理が終了すると、5ページ目から12ページ目までは、図4(a)に示すように、ページの逆順に「12」「11」…「6」「5」の順で印刷が行われる。そして、このような順で印刷された用紙がフェイスアップ排紙口41から排紙され、図4(c)に示すように、印刷面を上にして上から「5」「6」…「11」「12」の順でフェイスアップ排紙台42に積載される。
【0049】
したがって、「1」「2」…「11」「12」の順で積み重ねられた印刷物を得るためには、フェイスダウン排紙台62の印刷物を、印刷面を上にしてフェイスアップ排紙台42の印刷物に重ねればよいことになる。そこで、本実施の形態では、図5に示すような、フェイスダウン排紙台62の印刷物を、印刷面を上にしてフェイスアップ排紙台42の印刷物に重ねることを文字および視覚的に示すガイド画面160を表示部120に表示する。
【0050】
なお、2ページまで印刷した時点で12ページ分の画像処理が終了したとすると、その時点の印刷残り枚数(10枚)がフェイスアップ排紙台42の最大積載量より大きい(ステップS60:NO)。このため、印刷残り枚数がフェイスアップ排紙台42の最大積載量である8枚になるまで引き続きページ順の印刷が行われ、その後ページの逆順に印刷が行われる。この結果、図4(a)の順で印刷が行われ、図4(b),(c)に示すように、フェイスダウン排紙台62およびフェイスアップ排紙台42に印刷物が積載される。
【0051】
次に、複数部数の印刷が指定されている場合の一例について、図6、図7を用いて説明する。ここでは、4ページの原稿を3部印刷するものとし、2ページまで印刷した時点で、4ページ分の画像処理が終了するものとする。また、フェイスアップ排紙台42の最大積載量は10枚とする。
【0052】
この場合、1部目の2ページ目まで印刷した時点で4ページ分の画像処理が終了しても、部の区切りまではページ順で印刷が行われる。したがって、図6(a)に示すように、1部目の4ページ目まで「1」「2」「3」「4」のページ順で印刷が行われる。そして、このようなページ順で印刷された用紙がフェイスダウン排紙口61から排紙され、図6(b)に示すように、印刷面を下にして下から「1」「2」「3」「4」の順でフェイスダウン排紙台62に積載される。
【0053】
2部目以降は、図6(a)に示すように、ページの逆順に「4」「3」「2」「1」の順で印刷が行われる。そして、このような順で印刷された用紙がフェイスアップ排紙口41から排紙され、図6(c)に示すように、印刷面を上にして上から「1」「2」「3」「4」の順で、2部目および3部目の印刷物がフェイスアップ排紙台42に積載される。
【0054】
したがって、1部目〜3部目の印刷物がそれぞれ「1」「2」「3」「4」の順で積み重ねられた印刷物を得るためには、フェイスダウン排紙台62の印刷物を、印刷面を上にしてフェイスアップ排紙台42の印刷物に重ねればよいことになる。そこで、本実施の形態では、図7に示すような、フェイスダウン排紙台62の印刷物を、印刷面を上にしてフェイスアップ排紙台42の印刷物に重ねることを文字および視覚的に示すガイド画面170を表示部120に表示する。
【0055】
上記説明のように本実施の形態では、原稿画像の画像データすべてのページの画像処理が終了するまでは、画像処理が終了したページ順に印刷を行ってフェイスダウン排紙台62に排紙し、原稿画像のすべてのページの画像処理の終了後、ページの逆順に印刷を行ってフェイスアップ排紙台42に排紙するので、標準として使用する排紙台であるフェイスダウン排紙台62に積載される用紙を低減することができる。これにより、フェイスダウン排紙台62が最大積載量に達して後に続く他の印刷ジョブによる印刷物をフェイスダウン排紙台62に排紙することができなくなることを軽減することができる。
【0056】
なお、本実施の形態では、ホストコンピュータから受信した印刷ジョブに含まれる画像データに基づいて印刷を行う場合を示したが、図示しないスキャナで読み取った原稿の画像データを用いる場合にも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態に係る印刷装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す印刷装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】ページ印刷順の一例を示す図である。
【図5】ガイド画面の一例を示す図である。
【図6】ページ印刷順の他の例を示す図である。
【図7】ガイド画面の他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 印刷装置
2 給紙部
3 プリンタ部
4 フェイスアップ排紙部
5 循環搬送部
6 フェイスダウン排紙部
21 サイド給紙台
23a〜23d 給紙トレイ
26 レジストローラ
31 ヘッドユニット
32 搬送部
33 搬送ベルト
41 フェイスアップ排紙口
42 フェイスアップ排紙台
56 循環反転経路
61 フェイスダウン排紙口
62 フェイスダウン排紙台
100 メイン制御部
101 画像処理部
102 印刷制御部
103 駆動制御部
104 表示制御部
105 印刷画像データ格納部
110 操作受付部
120 表示部
130 通信処理部
140 印刷部
150 搬送駆動部
160,170 ガイド画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に印刷を行う印刷部と、
入力された印刷ジョブに含まれる印刷対象の原稿画像の画像データを原稿画像のページ順に、前記印刷部による印刷に用いる印刷画像データに変換する画像処理を行う画像処理部と、
印刷された用紙の印刷面を上にして排紙を行うフェイスアップ排紙口と、
前記フェイスアップ排紙口から排紙された用紙を積載するフェイスアップ排紙台と、
印刷された用紙の印刷面を下にして排紙を行うフェイスダウン排紙口と、
前記フェイスダウン排紙口から排紙された用紙を積載するフェイスダウン排紙台と、
前記画像処理部による画像処理が終了したページ順に前記印刷部により用紙に印刷させ、印刷された用紙を順次前記フェイスダウン排紙口に排紙させる印刷制御部とを備え、
前記印刷制御部は、前記画像処理部において原稿画像のすべてのページの画像データの画像処理が終了し、その時点における印刷残り枚数が前記フェイスアップ排紙台の最大積載量以下の場合、残りのページの逆順に前記印刷部により用紙に印刷させ、印刷された用紙を順次前記フェイスアップ排紙口に排紙させることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷制御部は、前記画像処理部において原稿画像のすべての画像データの画像処理が終了した時点における印刷残り枚数が前記フェイスアップ排紙台の最大積載量より大きい場合、ページ順の印刷を継続させて順次前記フェイスダウン排紙口に排紙させ、印刷残り枚数が前記フェイスアップ排紙台の最大積載量以下となった後、残りのページの逆順に前記印刷部により用紙に印刷させ、印刷された用紙を順次前記フェイスアップ排紙口に排紙させることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷制御部は、前記印刷ジョブにより複数部数の印刷が指定されている場合、部の区切りのページまでページ順で印刷させて順次前記フェイスダウン排紙口に排紙させた後、次の部からページの逆順に前記印刷部により用紙に印刷させ、印刷された用紙を順次前記フェイスアップ排紙口に排紙させることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項4】
表示部と、
印刷対象の原稿画像のすべてのページの印刷終了後に、前記フェイスアップ排紙台に積載された用紙と、前記フェイスダウン排紙台に積載された用紙とを重ね合わせることをユーザに指示するためのガイド画面を前記表示部に表示させる表示制御部と
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−95326(P2010−95326A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−265599(P2008−265599)
【出願日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】