説明

厚みがありかつ弾性を有するニードリングされたベルト

通常の基部層(14)と、弾性基部層(16)と、基部層を互いに結合するために両者の基部層の中にニードリングされた少なくとも2つのバット層(18、20)からなる弾性表面を有する、ニードリングされた多基部ベルトであり、ベルトの弾性は弾性層を構成するために使用される弾性繊維から得られることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布製品一般に関する。より詳細には、本発明は、編み布を仕上げる又は圧縮するために使用される織機ベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、このタイプの機械布又はベルトは、布の製造においてよく使用されている。より詳細には、本発明のものと同様のタイプの織機ベルトは、所謂、圧縮ベルトとして使用されている。圧縮ベルトは、例えば編み布といった材料に防縮加工を施すための特殊な機械(圧縮機械)において使用される。圧縮機械によって加工された材料は、事実上、最初に洗浄される間は防縮効果を維持している。この加工は一般的に、衣料の製造において使用される。
【0003】
布圧縮機械において使用される標準的なベルトは、通常、比較的に厚みを有しており、それは16mmから22mmの範囲にある。圧縮機械ベルトは、典型的には、ポリアミド、ポリエステル及びアラミド繊維を使用して製造される。布圧縮機械が使用されるとき、ベルトは、異なる直径をしばしば有している幾つかのローラ又はシリンダの周囲を覆うような形態で、幾つかの循環工程において使用されることが求められる。ベルトがその機械を通過するにつれて、その内側面及び外側面は、ローラからローラへと渡るときに反転する。
【0004】
図1に示されているのは、一般的な布圧縮機械である。圧縮ベルト2は、機械側内面4と製品側外面6とを有しており、図において矢印で示されている方向に進行し、まず、駆動ローラ8の周囲を覆う。駆動ローラ8の地点において、圧縮されるべき布又は生地10は、圧縮機械の中に導かれ、圧縮ベルト2の外面6と接触するように配置される。生地10は、圧縮ベルト2によって運ばれ、圧縮ベルト2と蒸気加熱されたシリンダ12の間に挟まれる。圧縮ベルト12と蒸気加熱されたシリンダ12の間において生地10を圧縮すること及び蒸気で生地を加熱することで生じる結合効果によって、例えば、生地10は寸法的に安定し防縮効果を有する織布材料生地となる。
【0005】
しかしながら、圧縮ベルトの厚さには問題がある。ベルト2が駆動ローラ8の周囲を覆うとき、その機械側内面4は圧縮され縮むのであるが、製品側外面8は引き延ばされ伸張する。ベルト2の曲がる方向が蒸気加熱されたシリンダ12において反転するとき、製品側外面6は圧縮され縮む一方、機械側内面4は引き延ばされ伸張する。このように、ベルトの反対表面の圧縮及び引き延ばしが変化することによって、図1にあるように、ベルトの要素は箱形13になったり、台形状15になったりする。
【0006】
ベルト2の引き延ばし及び圧縮のために、製品側外面6は一定かつ滑らかになることができない。結果として、製品側外面6は不規則となり、加工された衣料の表面に傷などの問題を生じさせる。加えて、ベルトにひび割れが生じ、ベルトの使用寿命が制限されることにもなる。また、その使用寿命は、シリンダ又はローラの周囲を圧縮ベルトが動くことだけでなく、ベルトに及ぼされる他の影響、例えば加工される材料からベルトに入り込む酸性塗料又は漂白剤などの残留物によっても低下する。
【0007】
上記問題を解決するために、従来技術において様々な方策がなされてきた。例えば、特許文献1では、下地布と、ベルト層と、弾性編み布と、最上部層とからなる織機ベルトが開示されている。そこに記載されているように、弾性編み布は縦糸、又は編みスリーブの形状をした環状織物である。機械ベルトの弾性は編まれている弾性布の物理的構造によってもたらされている。なぜならば、ある種の編み布は弾性を有しているからである。すなわち、編み布の構造によって、物品の統一性に影響を与えることなく、拡張と接触(引き延ばしと圧縮)を行うことが可能なのである。
【0008】
本発明のベルトは、特許文献1のベルトとは下記の点で異なる。すなわち、本発明のベルトの弾性基部層は弾性繊維を用いて平織りされたものであり、非弾性繊維を用いて編まれたものではない。したがって、本発明のベルトの弾性は、平織りされた基部層に弾性繊維を使用しているという点で異なっている。故に、本発明のベルトは、様々な織布法を使用して製造されることが可能であり、特許文献1の場合におけるように、縦糸編み又は環状編み技術に限定されることがない。さらに、本発明のベルトの構造は、下記の点でも異なっている。すなわち、本発明のベルトの製品側外面及び機械側内面は、基部層の中にニードリングされたバット繊維からなっている。特許文献1のベルトは、間に編み層3が沈積している“引き延ばされた”フェルト層2及び繊維層4に関する。しかしまたそこでも、弾性は、弾性材料自体ではなく、編み構造によって与えられている。
【特許文献1】米国特許第6479414号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、ベルトにおいては、その機械側表面が不均一になり、結果として加工された衣料に傷が生じないように、その表面が入れ替わることによって繰り返される引き延ばし及び圧縮を耐える必要性がある。さらに、様々な織布法を使用して製造されることが可能なようにすることも必要とされている。本発明は、先行技術のベルトと関係する以上の欠点を克服することに向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明の主な目的は、ベルトの望まれる特性に不利な影響を与えることなく、引き延ばしと圧縮を繰り返して変更することが可能なベルトを提供することである。
【0011】
本発明のさらなる目的は、様々なローラ又はシリンダの周囲をベルトが覆うとき、そのベルトの位置に基づいて、その表面を引き延ばしかつ伸張すること、及び圧縮かつ短くすることが可能なベルトを提供することである。
【0012】
また、本発明の他の目的は、少なくとも基部層の1つが弾性である、多層の基部からなるベルトを提供することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、弾性基部層を有する弾性ベルトを提供することであり、そのベルトの弾性は弾性基部層を構成するために使用される弾性繊維から得られる。
【0014】
また、本発明のさらなる目的は、ベルトの機械側内面及び製品側外面の双方のためにニードリングされたバット層を有する弾性ベルトを提供することである。
【0015】
また、本発明の他の目的は、様々な布製造の方法を使用して製造されることが可能な弾性ベルトを提供することである。
【0016】
また、本発明のさらなる目的は、より耐久性のあるベルトを提供することであり、それによって使用寿命が増加する。
【0017】
これらの及び他の目的及び利点は、本発明によってもたらされる。これに関して、本発明は布を製造する際に使用される機械ベルトに向けられている。本発明のベルトは、通常の基部層と、弾性基部層と、各々の基部層の外側の表面から両方の基部層の中へとニードリングをなすためのバット繊維層と、からなっている。弾性基部層は平織りで作られており、天然ゴム、ニトリルゴム又はシリコーンゴムからなる弾性繊維を使用することで構成されている。加えて、合成材料、限定されはしないが例えばライクラ(LYCRA)(登録商標)やエラスタン(ELASTAN)(登録商標)が弾性基部層を構成するために使用されてもよい。バットニードリング加工の間に弾性繊維を重大なダメージから保護するために、弾性繊維は、例えばポリウレタンやシリコーンといった重合体樹脂によってコーティングされている。別法では、弾性繊維が主に核部にあり、その周囲をポリエステルなどで覆って外側層とした複合糸へと、弾性繊維を加工することが可能である。この外側層は、弾性核部の周囲でねじれて又は螺旋状に配置されているマルチフィラメントでも、又は全てがマルチフィラメント構成よりなっていてもよい。ニードリングによる重大なダメージから複合弾性糸をさらに保護するために、複合糸は、ポリエチレンやシリコーンといった重合体樹脂によってコーティングされることも可能である。
【0018】
本発明を特徴づける新規性に関する様々な特徴は、本開示の一部を形成している付属の請求項において特に指摘されている。本発明、その使用利点及びそれを使用することによって得られる特別な目的をより理解するために、本発明の好ましい実施形態が、対応する構成要素が同じ参照番号によって指示されている付属の図面に示されているので、そういった付属記載事項も参照して頂きたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、布製造において使用される多基部ニードリングベルトに関する。前述したように、先行技術のベルトでは、その非弾性質のために、ベルトの表面にひび割れや不均一が生じやすく、結果として加工される衣料に傷が生じる可能性があるという問題があった。加えて、先行技術のベルトに関しては、ベルトの使用寿命が短いという問題もある。
【0020】
本発明では、先行技術のベルトよりも、より弾性を有し及びより使用可能時間の長いベルトを提供する。図2には、本発明の一実施形態にしたがって構成された、ニードリングされた多基部ベルトの構造が示されている。そこにあるように、通常の基部層14はベルト2の機械側内面4に隣接して配置されており、弾性基部層16はベルト2の製品側外面16に隣接して配置されている。通常基部層14と弾性基部層16を互いに接着させるために、上部又は外側バット層18と底部又は内側バット層20では、両方の基部層14及び16のなかに向かって各々の基部層の外側表面からニードリングが行われる。そうすることで、ニードリングされたバット繊維22が前記の2つの層を互いに物理的に結合させる。また、バット層18及び20は、製品側及び機械側の接触面を提供する。
【0021】
図3には、本発明の他の実施形態にしたがって構成されたニードリングされた多基部ベルトが示されている。そこにあるように、通常の基部層14はベルト2の機械側内面4に隣接して配されており、弾性基部層16はベルト2の製品側外面に隣接して配置されている。しかし、この実施形態においては、通常基部層14と弾性基部層16は付加バット層24によって分離している。ベルト2に前記付加バット層24を付加することによって、弾性基部層16はベルト2の製品側外面6により近い位置に配される。通常基部層14と付加バット層24と弾性基部層16を互いに付着させるために、上部又は外側バット層18及び底部又は内側バット層20は、各々の基部層の外側表面から付加バット層24及び両方の基部層14及び16の中へとニードリングされる。これによって、ニードリングされたバット繊維22は、3つの層を互いに物理的に結合させる。また、バット層18及び20は、製造側及び機械側の接触表面を提供する。図4は、本発明の本実施形態にしたがって構成されたベルトの断面図の写真である。
【0022】
上記の実施形態の双方において、弾性基部層16をベルト2の製品側外面6の近くに配置することで、ベルトがより柔軟になっている。したがって、ベルト2の柔軟性が増大することによって、外部バット層18において不均一性や不規則性が生じることが減少し、よって、加工される衣料の傷が減少する。当業者にとっては明らかなことであるが、ベルト2の機械側内面4に隣接して弾性基部層16を有することも可能である。これによって、ベルトの機械側内面4の柔軟性も同様に増加させることができる。
【0023】
通常の基部層14は、モノフィラメント、パイルドモノフィラメント、マルチフィラメント又はパイルドマルチフィラメントの糸や繊維から織られる又は編まれる。そういった糸は一般的に、ポリアミドやポリエステルの樹脂といった合成重合体樹脂の1つから押し出し成形され、前記樹脂はこの目的のために当業者によって一般的に使用されるものである。
【0024】
弾性基部層16は、好ましくは平織りで作られている。しかし、標準的な弾性繊維では、ニードリングがその繊維に損傷を与えてしまうので、ニードリング加工に適してはいない。よって、それを弾性基部層16のために使用することができない。したがって、弾性繊維は、物理的又は化学的な処理をされた防護層を含むようにさらに加工されることが求められる。弾性層16に使用するのに適した弾性繊維としては、限定されはしないが、天然ゴム、ニトリルゴム又はシリコーンゴムや、ライクラ(LYCRA)(登録商標)及びエラスタン(ELASTAN)(登録商標)がある。弾性繊維を保護する方法の1つとして、弾性繊維が主に糸の核部又は中心部分にあり、その周りを例えばポリアミドやポリエステルといった繊維の外側防護層で覆っている形態の複合糸になるように、繊維を加工するやり方がある。この外側防護層は、弾性核部の周囲でねじれて又は螺旋状になって配置されているマルチフィラメント糸である、又は、それはどのようなマルチフィラメント構造であってもよい。
【0025】
ポリアミドやポリエステルといった繊維が外側防護層として使用されるとき、弾性核部の繊維の弾性を維持するために、外側防護層は互いに反対方向に弾性核部の周囲を螺旋状に覆った2つの繊維層から構成される。すなわち、図5に示されているように、外側防護層の第1の繊維層50は、一方向に向かって弾性核部56上を覆っている、又は螺旋状に配置されている。第1の繊維層50がそのように配置されている一方、第2の繊維層52は、第1の繊維層の方向とは反対の方向に向かって第1の繊維層50上を覆っている、又は螺旋状に配置されている。
【0026】
このような構成においては、螺旋状に配置された外側防護層は、弾性複合繊維に張力がかけられておらず緩んでいるときに、“閉じられた”状態にある。これによって、外側防護層によって十分に覆われている弾性核部56は、ニードリング加工の間における重大なダメージから保護される。図5に示されているように、複合糸58が図に指示されて方向に張力をかけられて又は引き延ばされて配置されている場合、外側防護層の螺旋状に配置された第1の繊維50及び第2の繊維52は、“X”型54に“開く”。こうすることで、弾性核部56、したがって複合糸58は、図に指示されている方向に引き延ばされる又は拡張することが可能となる。
【0027】
別法では、弾性繊維は、例えばポリウレタンやシリコーンといった重合体コーティングを適用することによって保護されることも可能である。弾性繊維をコーティングによって処理することで、ニードリングによる重大なダメージを防ぐことができ、バット繊維と弾性糸の間の好ましい接着も可能となる。また、これらのコーティングは、ニードリングによる重大なダメージに対するさらなる防護を提供し、バット繊維と弾性糸の間の良好な接着を確かなものとするために、複合糸に適用することも可能である。保護コーティングは、弾性糸に噴霧塗布又は浸漬塗布するコーティング法をさらに含む。また、コーティングは、メルトボンドによって糸に適用してもよいし、又は、例えば押し出し成形する間に、あるいは糸製造における従来技術である他の方法で糸を製造する間に、所謂、被覆/核部糸を製造してもよい。弾性糸の表面を処理するための付加的な方法は、当業者にとっては明らかなものである。
【0028】
さらに、本発明のベルトの弾性は弾性糸又は繊維から構成される弾性層によって得られるので、本発明のベルトは平織りに限定されることがない。それ以外にも、当業者にとって既知のものである付加的な布形成技術を本発明の弾性層を構成するために使用してもよい。
【0029】
加えて、ニードリングがラミネート構造の諸層を1つにまとめるための方法である一方、それ以外の他の方法も当業者には明らかである。例えば、熱溶融によるラミネート化又は接着は、特にある層の構成要素が低い融点の材料である場合に利用することが可能である。これに関して、バット層は、“低融点”バインダ繊維を有し、特にその場合、バットは内部バット層を有している。ニードリングと熱溶融又は目的に適した他の接着機構とを組み合わせることも可能である。これに関して、そのような組み合わせでは、構造を一つに保持するために必要とされるニードリングの全体量を減少させるので、結果として弾性糸に対するダメージを最小限に抑えることが可能である。例えば溶融接着の場合、溶融の量や“低融点”材料の量及びその位置は、ベルトが厚さ方向に圧縮及び回復(復元)するのと同様に機械方向に伸張及び弛緩するように望ましいやり方でベルトを作るために必要なこととバランスを取って決定されることが求められる。“溶融”し過ぎてしまうと、望ましい弾性挙動に影響を与えるので、適切なバランスをとる必要がある。
【0030】
本発明の好ましい実施形態及びその変形態はこれまで詳細に記載されてきたが、本発明はこの詳細な実施形態及び変形態に限定されはせず、付属の請求項によって規定されている本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、他の変形態及び別様態が当業者によってなされることも可能である。本発明にしたがうベルトの使用は、布を防縮加工するための機械に適用するだけに限られない。言い換えれば、本発明のベルトは、上述してきたような要求がベルトの品質及び使用寿命の点において存在する場合ならば、いかようにも使用されることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】布圧縮機械の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態にしたがう、ニードリングされた多基部ベルトの断面図である。
【図3】本発明の一実施形態にしたがう、ニードリングされた多基部ベルトの断面図である。
【図4】図3の実施形態にしたがって製造された、ニードリングされた多基部ベルトの断面図である。
【図5】本発明の一実施形態にしたがう、外側防護層の二重繊維層を示す、複合糸の側面の拡大図である。
【符号の説明】
【0032】
2 圧縮ベルト
4 機械側内面
6 製品側外面
8 駆動ローラ
10 布又は生地
12 シリンダ
13 箱形部
14 基部層
15 台形状部
16 弾性基部層
18 上部又は外側バット層
20 底部又は内側バット層
22 バット繊維
24 付加バット層
50 第1の繊維層
52 第2の繊維層
54 X型
56 弾性核部
58 複合糸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多基部布ベルトであって、
前記ベルトの機械側に隣接する合成重合体樹脂基部層と、
前記ベルトの製品形成側に隣接する弾性基部層と、
前記ベルトの機械側に配置された第1のバット層と、
前記ベルトの製品形成側に配置された第2のバット層と、
からなり、前記第1のバット層及び前記第2のバット層は、前記合成重合体基部層及び前記弾性基部層に付着することを特徴とする多基部布ベルト。
【請求項2】
前記合成重合体基部層は、合成重合体樹脂糸を織って又は編んで作られたものであることを特徴とする請求項1に記載の多基部布ベルト。
【請求項3】
前記弾性基部層は、弾性糸を織ることで作られていることを特徴とする請求項1に記載の多基部布ベルト。
【請求項4】
前記合成重合体糸は、モノフィラメント、パイルドモノフィラメント、マルチフィラメント又はパイルドマルチフィラメントであることを特徴とする請求項2に記載の多基部布ベルト。
【請求項5】
前記合成重合体樹脂は、ポリアミド樹脂又はポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の多基部布ベルト。
【請求項6】
前記弾性糸は、天然ゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ライクラ(LYCRA)(登録商標)及びエラスタン(ELASTAN)(登録商標)からなるグループから選択されることを特徴とする請求項3に記載の多基部布ベルト。
【請求項7】
前記弾性糸は、防護層をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の多基部布ベルト。
【請求項8】
前記防護層は、重合体コーティングであることを特徴とする請求項7に記載の多基部布ベルト。
【請求項9】
前記防護層は、シリコーンコーティングであることを特徴とする請求項8に記載の多基部布ベルト。
【請求項10】
前記重合体コーティングは、ポリウレタンであることを特徴とする請求項8に記載の多基部布ベルト。
【請求項11】
前記防護層は、弾性糸に噴霧塗装又は浸漬塗装したものである、又は弾性糸にメルトボンドした鞘部であることを特徴とする請求項7に記載の多基部布ベルト。
【請求項12】
前記バット層の少なくともいずれか又は両方は、ニードリングによって接着されることを特徴とする請求項1に記載の多基部布ベルト。
【請求項13】
前記弾性糸は、少なくとも1つの弾性糸からなる核部と、該核部を覆っている少なくとも1つの繊維の防護層と、からなる複合糸であることを特徴とする請求項3に記載の多基部布ベルト。
【請求項14】
前記少なくとも1つの繊維の防護層は、ねじれて又は螺旋状に配置されるというやり方で前記核部を覆っていることを特徴とする請求項13に記載の多基部布ベルト。
【請求項15】
前記弾性糸は、少なくとも1つの弾性糸からなる核部と、該核部を覆っている繊維の第1の防護層及び繊維の第2の防護層と、からなる複合糸であることを特徴とする請求項3に記載の多基部布ベルト。
【請求項16】
前記繊維の第1の防護層は、第1の方向で前記核部を覆っており、及び、前記繊維の第2の防護層は、第1の方向とは反対の方向である第2の方向で該繊維の第1の防護層を覆っていることを特徴とする請求項15に記載の多基部布ベルト。
【請求項17】
前記少なくとも1つの繊維の防護層は、重合体コーティングをさらに有することを特徴とする請求項13に記載の多基部布ベルト。
【請求項18】
前記繊維の第1の防護層及び繊維の第2の防護層は、重合体コーティングをさらに有することを特徴とする請求項15に記載の多基部布ベルト。
【請求項19】
多基部布ベルトであって、
前記ベルトの機械側に隣接する、合成重合体樹脂糸からなる織られた又は編まれた第1の基部層と、
前記ベルトの製品形成側に隣接する、弾性糸からなる織られた第2の基部層と、
前記ベルトの機械側に配置された第1のバット層と、
前記ベルトの製品形成側に配置された第2のバット層と、
からなり、前記第1のバット層及び前記第2のバット層は、前記織られた又は編まれた第1の基部層及び前記織られた第2の基部層に付着することを特徴とする多基部布ベルト。
【請求項20】
前記織られた又は編まれた第1の層に用いられている前記糸は、モノフィラメント、パイルドモノフィラメント、マルチフィラメント又はパイルドマルチフィラメントであることを特徴とする請求項19に記載の多基部布ベルト。
【請求項21】
前記合成重合体樹脂は、ポリアミド樹脂又はポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項19に記載の多基部布ベルト。
【請求項22】
前記弾性糸は、天然ゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ライクラ(LYCRA)(登録商標)及びエラスタン(ELASTAN)(登録商標)からなるグループから選択されることを特徴とする請求項19に記載の多基部布ベルト。
【請求項23】
前記弾性糸は、防護層をさらに有することを特徴とする請求項19に記載の多基部布ベルト。
【請求項24】
前記防護層は、重合体コーティングであることを特徴とする請求項23に記載の多基部布ベルト。
【請求項25】
前記防護層は、シリコーンコーティングであることを特徴とする請求項24に記載の多基部布ベルト。
【請求項26】
前記重合体コーティングは、ポリウレタンであることを特徴とする請求項24に記載の多基部布ベルト。
【請求項27】
前記防護層は、弾性糸に噴霧塗装又は浸漬塗装したものである、又は弾性糸にメルトボンドした鞘部であることを特徴とする請求項23に記載の多基部布ベルト。
【請求項28】
前記バット層の少なくともいずれか又は両方は、ニードリングによって接着されることを特徴とする請求項19に記載の多基部布ベルト。
【請求項29】
前記弾性糸は、少なくとも1つの弾性糸からなる核部と、該核部を覆っている少なくとも1つの繊維の防護層と、からなる複合糸であることを特徴とする請求項19に記載の多基部布ベルト。
【請求項30】
前記少なくとも1つの繊維の防護層は、ねじれて又は螺旋状に配置されるというやり方で前記核部を覆っていることを特徴とする請求項29に記載の多基部布ベルト。
【請求項31】
前記弾性糸は、少なくとも1つの弾性糸からなる核部と、該核部を覆っている繊維の第1の防護層及び繊維の第2の防護層と、からなる複合糸であることを特徴とする請求項19に記載の多基部布ベルト。
【請求項32】
前記繊維の第1の防護層は、第1の方向で前記核部を覆っており、及び、前記繊維の第2の防護層は、第1の方向とは反対の方向である第2の方向で該繊維の第1の防護層を覆っていることを特徴とする請求項31に記載の多基部布ベルト。
【請求項33】
前記少なくとも1つの繊維の防護層は、重合体コーティングをさらに有することを特徴とする請求項29に記載の多基部布ベルト。
【請求項34】
前記繊維の第1の防護層及び繊維の第2の防護層は、重合体コーティングをさらに有することを特徴とする請求項31に記載の多基部布ベルト。
【請求項35】
多基部布ベルトであって、
前記ベルトの機械側に隣接する、合成重合体樹脂糸からなる織られた又は編まれた第1の基部層と、
前記ベルトの製品形成側に隣接する、弾性糸からなる織られた第2の基部層と、
前記織られた又は編まれた第1の基部層と前記織られた第2の基部層の間に配置された第1のバット層と、
前記ベルトの機械側に配置された第2のバット層と、
前記ベルトの製品形成側に配置された第3のバット層と、
からなり、前記第2のバット層及び前記第3のバット層は、前記織られた又は編まれた第1の基部層、前記第1のバット層、及び前記織られた第2の基部層に付着することを特徴とする多基部布ベルト。
【請求項36】
前記織られた又は編まれた第1の層に用いられている前記糸は、モノフィラメント、パイルドモノフィラメント、マルチフィラメント又はパイルドマルチフィラメントであることを特徴とする請求項35に記載の多基部布ベルト。
【請求項37】
前記合成重合体樹脂は、ポリアミド樹脂又はポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項35に記載の多基部布ベルト。
【請求項38】
前記弾性糸は、天然ゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ライクラ(LYCRA)(登録商標)及びエラスタン(ELASTAN)(登録商標)からなるグループから選択されることを特徴とする請求項35に記載の多基部布ベルト。
【請求項39】
前記弾性糸は、防護層をさらに有することを特徴とする請求項35に記載の多基部布ベルト。
【請求項40】
前記防護層は、重合体コーティングであることを特徴とする請求項39に記載の多基部布ベルト。
【請求項41】
前記防護層は、シリコーンコーティングであることを特徴とする請求項40に記載の多基部布ベルト。
【請求項42】
前記重合体コーティングは、ポリウレタンであることを特徴とする請求項40に記載の多基部布ベルト。
【請求項43】
前記防護層は、弾性糸に噴霧塗装又は浸漬塗装したものである、又は弾性糸にメルトボンドした鞘部であることを特徴とする請求項39に記載の多基部布ベルト。
【請求項44】
少なくとも1つ以上のバット層は、ニードリングによって接着されることを特徴とする請求項35に記載の多基部布ベルト。
【請求項45】
前記弾性糸は、少なくとも1つの弾性糸からなる核部と、該核部を覆っている少なくとも1つの繊維の防護層と、からなる複合糸であることを特徴とする請求項35に記載の多基部布ベルト。
【請求項46】
前記少なくとも1つの繊維の防護層は、ねじれて又は螺旋状に配置されるというやり方で前記核部を覆っていることを特徴とする請求項45に記載の多基部布ベルト。
【請求項47】
前記弾性糸は、少なくとも1つの弾性糸からなる核部と、該核部を覆っている繊維の第1の防護層及び繊維の第2の防護層と、からなる複合糸であることを特徴とする請求項35に記載の多基部布ベルト。
【請求項48】
前記繊維の第1の防護層は、第1の方向で前記核部を覆っており、及び、前記繊維の第2の防護層は、第1の方向とは反対の方向である第2の方向で該繊維の第1の防護層を覆っていることを特徴とする請求項47に記載の多基部布ベルト。
【請求項49】
前記少なくとも1つの繊維の防護層は、重合体コーティングをさらに有することを特徴とする請求項45に記載の多基部布ベルト。
【請求項50】
前記繊維の第1の防護層及び繊維の第2の防護層は、重合体コーティングをさらに有することを特徴とする請求項47に記載の多基部布ベルト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−506911(P2009−506911A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529278(P2008−529278)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/034053
【国際公開番号】WO2007/027909
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(591097414)アルバニー インターナショナル コーポレイション (110)
【氏名又は名称原語表記】ALBANY INTERNATIONAL CORPORATION
【Fターム(参考)】