説明

原子発振器

【課題】τ秒平均時間の短い期間における短期安定度を向上させた原子発振器を提供する

【解決手段】周波数制御部2は、光検出器の出力信号をデジタル信号に変換するA/D変
換器12と、制御電圧を所定の周期又はデューティ比で間欠的に出力するタイミングを生
成するタイマ(制御周期生成手段)13と、タイマ13により生成されたタイミングに基
づいて出力された制御電圧Vcをアナログ電圧に変換するD/A変換器10と、タイマ1
3のタイミングに基づいて、パワーダウンする期間を指示した信号を出力するIO(パワ
ーダウン生成部)14と、全体の動作を制御するCPU11と、を備え、IO14は、少
なくとも周波数合成逓倍部4、又は/及び、原子共鳴部3をパワーダウンするように構成
されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子発振器に関し、さらに詳しくは、CPT方式又は2重共鳴方式による原
子発振器における電圧制御水晶発振器への制御電圧の供給方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には従来の原子発振器について開示されている。従来の構成では、周波数制
御部は位相検波器からの信号を積分回路(アナログ回路)により積分することにより制御
電圧を得ていた。
図7は従来の原子発振器の概略構成を示すブロック図であり、電圧制御水晶発振器1と
、電圧制御水晶発振器1の出力信号を所定の周波数により位相変調して、位相変調された
信号を気体原子の遷移周波数に逓倍する周波数合成逓倍部4と、光源と、光源から出射さ
れた光の波長により光の吸収量を変化させるガスセルと、ガスセルから透過する光を検出
する光検出器とを備えた原子共鳴部3と、光検出器の出力レベルに基づいて中心波長を設
定し、光検出器の出力を検波してEITまたは二重共鳴状態を検出することにより電圧制
御水晶発振器1の出力周波数を制御する周波数制御部30と、を備えて構成されている。
図8は水晶発振器と原子発振器のτ秒平均時間による周波数変動の短期安定度の違いを示
す図である。この図から明らかな通り、原子発振器の特性32は、τ秒平均時間がτ0以
下では、水晶発振器の特性31に比べて短期安定度が悪くなっているのが分かる。この要
因として考えられるのが、原子発振器では、τ秒平均時間がτ0秒以下に含まれる周波数
変動の速い成分に対する制御が行なわれないため、また回路内部からの擾乱やノイズの影
響のため、結果的に短期安定度が水晶発振器より劣っていると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−131123公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の原子発振器においては、周波数制御を連続的に行なっているため、周波
数変動の速い成分に関わる短期安定度の改善を行なうことが回路的に困難であった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、周波数制御部をデジタル構成にし
て、制御信号を出力するタイミングを所定のデューティ比又は周期により制御信号が動作
している期間と、停止している期間を設けることにより、τ秒平均時間の短い期間におけ
る短期安定度を向上させた原子発振器を提供することを目的とする。
また、他の目的は、制御信号が停止している期間を利用して、不必要な回路をパワーダ
ウンしてトータルの消費電力を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]共鳴光とマイクロ波を利用した二重共鳴法、又は2種類の共鳴光による量
子干渉効果を利用したCPT法により、光吸収特性を利用して発振周波数を制御する原子
発振器であって、光源と、該光源から出射された光の波長により光の吸収量を変化させる
ガスセルと、前記ガスセルから透過する光を検出する光検出手段と、を備えた原子共鳴部
と、電圧制御水晶発振器の出力信号を所定の周波数により変調して、該変調された信号を
前記ガスセルに封入された気体原子の遷移周波数に逓倍する周波数合成逓倍部と、前記光
検出手段の出力レベルに基づいて中心波長を設定し、該光検出手段の出力を検波して二重
共鳴またはEIT状態を検出することにより前記電圧制御水晶発振器の出力周波数を制御
する周波数制御手段と、を備え、前記周波数制御手段は、前記電圧制御水晶発振器の発振
周波数を制御する制御電圧を、所定の周期又はデューティ比で間欠的に出力するように構
成したことを特徴とする。
二重共鳴方式又はCPT方式の原子発振器は、大きく分けて周波数合成逓倍部、原子共
鳴部、及び周波数制御手段により構成されている。従来の周波数制御手段では、周波数制
御を積分器等を使用したアナログ回路により構成して、周波数の制御を連続的に行なって
いた。その結果、周波数変動の速い成分に関わる短期安定度が水晶発振器の特性より劣る
といった問題があった。そこで本発明では、電圧制御水晶発振器の発振周波数を制御する
制御電圧を、所定の周期又はデューティ比で間欠的に出力するように構成した。これによ
り、τ秒平均時間の短い期間における短期安定度を改善することができる。
【0007】
[適用例2]前記周波数制御手段は、前記光検出手段の出力信号をデジタル信号に変換
するA/D変換手段と、前記制御電圧を所定の周期又はデューティ比で間欠的に出力する
タイミングを生成する制御周期生成手段と、該制御周期生成手段により生成されたタイミ
ングに基づいて出力された制御電圧をアナログ電圧に変換するD/A変換手段と、前記制
御周期生成手段のタイミングに基づいて、パワーダウンする期間を指示した信号を生成す
るパワーダウン生成部と、を備え、前記パワーダウン生成部は、少なくとも前記周波数合
成逓倍部、又は/及び、前記原子共鳴部をパワーダウンするように構成されていることを
特徴とする。
【0008】
τ秒平均時間の短い期間における短期安定度を改善するためには、制御電圧を所定の周
期又はデューティ比で間欠的に出力するように構成しなければならない。これを回路的に
実現するには、回路をデジタル化する必要がある。そこで本発明では、周波数制御手段を
デジタル化するために、光検出手段の出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段
を備える。そして、デジタル化した信号に基づいて、制御電圧を間欠的に出力する。また
、制御電圧が停止されている期間は、周波数制御動作は無効であるので、全ての回路を動
作させる必要はない。従って、その無効期間に周波数合成逓倍部、又は/及び、原子共鳴
部をパワーダウンするように構成する。これにより、短期安定度の改善を回路的に実現で
きると共に、回路の消費電力を低減することができる。
【0009】
[適用例3]前記周波数制御手段は、前記制御周期生成手段により生成するタイミング
を変更可能としたことを特徴とする。
【0010】
原子発振器の種類又は使用期間により特性が変化してくる。従って、制御信号の周期と
デューティ比も、その特性に合わせて設定することが好ましい。そこで本発明では、制御
周期生成手段により生成するタイミングを変更可能とした。これにより、原子発振器の種
類又は使用期間に最適な制御信号の周期とデューティ比を設定することができる。
【0011】
[適用例4]前記周波数制御手段は、前記制御周期生成手段により生成されたタイミン
グに基づいて出力された制御電圧が停止している期間は、直前の制御電圧が動作している
期間の最終値を保持して出力することを特徴とする。
【0012】
制御電圧を例えば、デューティ比50%とした場合は、制御電圧が動作している期間と
停止している期間が半分ずつ存在する。制御電圧が動作している期間は、通常の光検出器
からの出力に基づいた制御電圧により制御される。しかし、制御電圧が停止している期間
に制御電圧を出力しないと全体の系が不安定となるので、直前の動作している期間に出力
した制御電圧の最終値を保持して、その電圧を制御電圧とする。これにより、制御電圧が
停止している期間でも、電圧制御水晶発振器を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る原子発振器の概略構成を示す図である。
【図2】図1の原子発振器の概略動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】本実施形態に係る周波数制御部2の構成を示すブロック図である。
【図4】図3の周波数制御部の各部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】本発明の実施例に係る周波数制御部を備えたCPT方式の原子発振器の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施例に係る周波数制御部を備えた二重共鳴方式の原子発振器の構成を示す図である。
【図7】従来の原子発振器の概略構成を示すブロック図である。
【図8】水晶発振器と原子発振器のτ秒平均時間による短期安定度の違いを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記
載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限
り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施形態に係る原子発振器の概略構成を示す図である。この原子発振器
は、共鳴光とマイクロ波を利用した二重共鳴法、又は2種類の共鳴光による量子干渉効果
を利用したCPT法により、光吸収特性を利用して発振周波数を制御する原子発振器であ
って、電圧制御水晶発振器1の出力信号を所定の周波数により変調して、変調された信号
をガスセルに封入された気体原子の遷移周波数に逓倍する周波数合成逓倍部4と、光源と
、該光源から出射された光の波長により光の吸収量を変化させるガスセルと、ガスセルか
ら透過する光を検出する光検出器と、を備えた原子共鳴部3と、光検出器の出力レベルに
基づいて中心波長を設定し、光検出器の出力を検波して二重共鳴またはEIT状態を検出
することにより電圧制御水晶発振器1の出力周波数を制御する周波数制御部2と、を備え
、周波数制御部2は、電圧制御水晶発振器1の発振周波数を制御する制御電圧Vcを、所
定の周期又はデューティ比で間欠的に出力するように構成した。
即ち、二重共鳴方式又はCPT方式の原子発振器は、大きく分けて周波数合成逓倍部4
、原子共鳴部3、及び周波数制御部2により構成されている。従来の周波数制御部では、
周波数制御を積分器等を使用したアナログ回路により構成して、周波数の制御を連続的に
行なっていた。その結果、速い動きの領域での短期安定度が水晶発振器の特性より劣ると
いった問題があった。そこで本実施形態では、電圧制御水晶発振器1の発振周波数を制御
する制御電圧Vcを、所定の周期又はデューティ比で間欠的に出力するように構成した。
これにより、τ秒平均時間の短い期間における短期安定度を改善することができる。
【0015】
図2は図1の原子発振器の概略動作を説明するためのタイミングチャートである。本実
施形態の周波数制御部2は、τ秒平均時間がτ0の時間帯で、例えば、デューティ比50
%の場合、停止と動作の期間がτ0で半分ずつ存在する。そのときの制御電圧Vcは、動
作期間では周波数制御部2から出力される制御電圧Vcがそのまま出力され、停止期間で
は直前の制御電圧Vaが保持される。従って、電圧制御水晶発振器1は、動作期間では周
波数制御部2により出力される制御電圧Vcで制御され、停止期間では制御電圧Vaで制
御される。
即ち、制御電圧Vcを例えば、デューティ比50%で制御する場合は、τ秒平均時間が
τ0時間の間で、制御電圧Vcが動作する期間と停止する期間が半分ずつ存在する。制御
電圧が動作する期間は、通常の制御電圧Vcにより制御される。しかし、制御電圧が停止
する期間に制御電圧を出力しないと全体の系が不安定となるので、直前の動作期間に出力
した制御電圧の最終値Vaを保持して、その電圧を制御電圧とする。これにより、制御電
圧が停止している期間でも、電圧制御水晶発振器1を制御することができる。
【0016】
図3は本実施形態に係る周波数制御部2の構成を示すブロック図である。周波数制御部
2は、光検出器の出力信号Vpdをデジタル信号に変換するA/D変換器12と、制御電
圧を所定の周期又はデューティ比で間欠的に出力するタイミングを生成するタイマ(制御
周期生成手段)13と、タイマ13により生成されたタイミングに基づいて出力された制
御電圧Vcをアナログ電圧に変換するD/A変換器10と、タイマ13のタイミングに基
づいて、パワーダウンする期間を指示した信号PWDNを出力するIO(パワーダウン生
成部)14と、全体の動作を制御するCPU11と、を備え、IO14は、少なくとも周
波数合成逓倍部4、又は/及び、原子共鳴部3をパワーダウンするように構成されている

即ち、周波数変動の速い成分に関わる領域(図8のτ0以下の期間)での短期安定度を
改善するためには、制御電圧Vcを所定の周期又はデューティ比で間欠的に出力するよう
に構成しなければならない。これを回路的に実現するには、回路をデジタル化する必要が
ある。そこで本実施形態では、周波数制御部2をデジタル化するために、光検出器の出力
信号Vpdをデジタル信号に変換するA/D変換器12を備える。そして、デジタル化し
た信号に基づいて、CPU11がタイマ13のタイミングに基づいて制御電圧Vcを間欠
的に出力する。また、制御電圧が停止されている期間は、周波数制御動作は無効であるの
で、全ての回路を動作させる必要はない。従って、その無効期間には周波数合成逓倍部4
、又は/及び、原子共鳴部3をパワーダウンするように構成する。これにより、短期安定
度の改善を回路的に実現できると共に、回路の消費電力を削減することができる。
【0017】
また、原子発振器の種類又は使用期間により特性が変化してくる。従って、制御信号V
cの周期とデューティ比も、その特性に合わせて設定することが好ましい。そこで本実施
形態では、タイマ13により生成するタイミングを変更可能とした。これにより、原子発
振器の種類又は使用期間に最適な制御信号の周期とデューティ比を設定することができる

【0018】
図4は図3の周波数制御部の各部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
このタイミングチャートでは、停止期間(動作期間)の周期がτ0であり、そのデューテ
ィ比を50%として表している。上から順に、原子発振器回路全体の消費電流Iccを表
し、回路が制御動作している期間をPact、回路が制御動作を停止し、パワーダウンし
ている期間をPsleepと呼ぶ。次が、タイマ13から出力されるタイミング信号を表
し、τ0/2の周期で発生される。次が、IO14から出力されるパワーダウン信号PW
DNを表す。動作と記された期間ではパワーダウンを実行し、停止と記された期間ではパ
ワーダウンを停止する。次に、図示しない光検出器からの信号Vpdが有効か無効かを表
示している。次に、CPU11から出力される制御信号DAOUTの有効期間を表示して
いる。次に、D/A変換器10から出力される制御電圧Vcの波形を表している。
【0019】
次に期間τ0での動作について説明する。例えば、タイマ13からt1が出力されると
、CPU11は割り込み処理が実行されて、信号DAOUTを無効にする。その結果、D
/A変換器10から出力される制御電圧Vcは、直前の期間の最終電圧Vaを保持したま
ま出力する。また、光検出器出力Vpdはその期間無効であるので、CPU11はその期
間、光検出器出力Vpdを無視する。また、この期間では、パワーダウンを行なう期間で
あるので、消費電流IccはPsleepとなって低下する。尚、Psleepはゼロと
いう意味ではなく、定常の動作電流から低下するという意味である。次に、タイマ13か
らt2が出力されると、CPU11は割り込み処理が実行されて、信号DAOUTを有効
にする。その結果、D/A変換器10から出力される制御電圧Vcをそのまま出力する。
また、光検出器出力Vpdはその期間有効であるので、CPU11はその期間、光検出器
出力Vpdを検出する。また、この期間では、パワーダウンを停止する期間であるので、
消費電流IccはPactとなって上昇する。次に、タイマ13からt3が出力されると
、t1と同じ動作を繰り返す。
【0020】
図5は本発明の実施例に係る周波数制御部を備えたCPT方式の原子発振器の構成を示
す図である。同じ構成要素には図1と同じ参照番号を付して説明する。この実施例では、
パワーダウンモードのときは、電源Vinを電源制御回路24によりON/OFFしてV
Dに供給する構成とした。この原子発振器50は、電圧制御水晶発振器1の出力信号を低
周波発振器23の周波数で位相変調器22により位相変調して、位相変調された信号をガ
スセル17に封入された気体原子のマイクロ波遷移周波数の1/2の周波数に逓倍する逓
倍器21により構成された周波数合成逓倍部4と、中心波長制御回路20により中心波長
が設定されたレーザ光源18と、レーザ光源18から出射された光の波長により光の吸収
量を変化させるガスセル17と、ガスセル17から透過する光を検出するPD16と、を
備えた原子共鳴部3と、PD16の出力信号Vpdをデジタル信号に変換するA/D変換
器12と、全体の動作を制御するCPU11と、制御電圧Vcを所定の周期又はデューテ
ィで間欠的に出力するタイミングを生成するタイマ13と、タイマ13により生成された
タイミングInt0に基づいて出力された制御電圧DAOUTをアナログ電圧に変換する
D/A変換器10と、タイマ13のタイミングに基づいて、パワーダウンする期間を指示
した信号を出力するIO14と、低周波発振器23の低周波信号(変調信号)28をデジ
タル信号に変換するA/D変換器15と、を備えた周波数制御部2と、により構成されて
いる。尚、ガスセル17は温度制御部19により一定の温度に制御される。また、IO1
4からの出力信号PWDN25は、電源制御回路24をON/OFF制御する。従って、
この実施例では、パワーダウンモードにおいて、原子共鳴部3のPD16、レーザ光源1
8、及び中心波長制御回路20の電源VDがOFFとなる。また、周波数合成逓倍部4の
位相変調器22及び逓倍器21の電源VDがOFFとなる。また、低周波信号(変調信号
)28を周波数制御部2から周波数合成逓倍部4の位相変調器22に供給するように構成
してもよい。
【0021】
図6は本発明の実施例に係る周波数制御部を備えた二重共鳴方式の原子発振器の構成を
示す図である。同じ構成要素には図5と同じ参照番号を付して説明する。図6が図5と異
なる点は、逓倍器21より遷移周波数のマイクロ波をガスセル17に入力した点と、レー
ザ光源18がルビジウムランプ26に代わり、中心波長制御回路20がランプ励振回路2
7に変更となった点である。その他は図5と同様であるので説明を省略する。
【符号の説明】
【0022】
1 電圧制御水晶発振器、2 周波数制御部、3 原子共鳴部、4 周波数合成逓倍部
、10 D/A変換器、11 CPU、12 A/D変換器、13 タイマ、14 IO
、15 A/D変換器、16 PD、17 ガスセル、18 レーザ光源、19 温度制
御部、20 中心波長制御回路、21 逓倍器、22 位相変調器、23 低周波発振器
、24 電圧制御回路、25 PWDN信号、26 ランプ、27 ランプ励振回路、5
0 CPT方式原子発振器、51 二重共鳴方式原子発振器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共鳴光とマイクロ波を利用した二重共鳴法、又は2種類の共鳴光による量子干渉効果を
利用したCPT法により、光吸収特性を利用して発振周波数を制御する原子発振器であっ
て、
光源と、該光源から出射された光の波長により光の吸収量を変化させるガスセルと、前
記ガスセルから透過する光を検出する光検出手段と、を備えた原子共鳴部と、
電圧制御水晶発振器の出力信号を所定の周波数により変調して、該変調された信号を前
記ガスセルに封入された気体原子の遷移周波数に逓倍する周波数合成逓倍部と、
前記光検出手段の出力レベルに基づいて中心波長を設定し、該光検出手段の出力を検波
して二重共鳴またはEIT状態を検出することにより前記電圧制御水晶発振器の出力周波
数を制御する周波数制御手段と、を備え、
前記周波数制御手段は、前記電圧制御水晶発振器の発振周波数を制御する制御電圧を、
所定の周期又はデューティ比で間欠的に出力するように構成したことを特徴とする原子発
振器。
【請求項2】
前記周波数制御手段は、前記光検出手段の出力信号をデジタル信号に変換するA/D変
換手段と、前記制御電圧を所定の周期又はデューティ比で間欠的に出力するタイミングを
生成する制御周期生成手段と、該制御周期生成手段により生成されたタイミングに基づい
て出力された制御電圧をアナログ電圧に変換するD/A変換手段と、前記制御周期生成手
段のタイミングに基づいて、パワーダウンする期間を指示した信号を出力するパワーダウ
ン生成部と、を備え、
前記パワーダウン生成部は、少なくとも前記周波数合成逓倍部、又は/及び、前記原子
共鳴部をパワーダウンするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の原子
発振器。
【請求項3】
前記周波数制御手段は、前記制御周期生成手段により生成するタイミングを変更可能と
したことを特徴とする請求項1又は2に記載の原子発振器。
【請求項4】
前記周波数制御手段は、前記制御周期生成手段により生成されたタイミングに基づいて
出力された制御電圧が停止している期間は、直前の制御電圧が動作している期間の最終値
を保持して出力することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の原子発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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