説明

原稿自動読み取り装置

【課題】小サイズの原稿用紙を用いても、読み取り済み原稿用紙を排紙する際に、上部に原稿載置皿があっても原稿排紙皿上の排紙済み原稿用紙を視認することが可能であり、原稿用紙取り忘れの発生を抑制する原稿自動読み取り装置を提供することである。
【解決手段】原稿を挟持搬送する原稿排紙駆動ローラ部と原稿排紙従動ローラ部の何れか一方のローラの所定の部位をテーパー形状とすることにより、A5サイズ以下〜葉書サイズの小サイズ原稿用紙は、原稿排紙皿上に排紙する際に、ユーザが操作する側(装置の手前側)に搬送されるので、視認性が向上し原稿用紙取り忘れを抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどにおいて原稿を自動的に読み取る原稿自動読み取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ等の画像形成装置に使用される原稿自動読み取り装置として、原稿の両面を自動的に読み取るようにしたものが知られている。
【0003】
原稿自動読み取り装置は、原稿を載せる原稿載置皿から、原稿を順に送り出す原稿搬送部により搬送される。両面に印字された原稿を読み取る際には、最初に画像を読み取る画像読み取り部にて表面画像を読み取った後、途中で原稿の裏面を読み取れるように原稿を反転させ再度画像読み取り部にて裏面画像を読み取る。読み取られた原稿は原稿を排紙する原稿排紙皿に堆積されるような構成となっている。
【0004】
上記のように、原稿自動読み取り装置は操作性を考慮して、原稿載置皿を画像形成装置の最上部に設け、原稿排紙皿は原稿載置皿の下方に設ける構成が一般的である。しかし、原稿の両面を読み取るためには、原稿を反転させるためのスイッチバック部(反転手段)などを設けなければならず、原稿載置皿を設ける位置が原稿排紙皿よりも、原稿読み取り装置側面から見て、外側に設けることになる(図1参照)。その結果、原稿排紙皿に堆積した原稿画像読み取り済みの原稿用紙が視認しにくくなり、ユーザが原稿排紙皿上の原稿用紙を取り忘れてしまうという不具合が生じる。特に、A5サイズ以下〜葉書サイズの小サイズの原稿用紙は視認性が悪く、取り忘れの発生原因となっている。
【0005】
そこで小サイズ原稿用紙の原稿排紙皿上の原稿用紙の視認性を向上させ、原稿用紙の取り忘れを抑制するための手段が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1では原稿読み取り位置と原稿排紙皿までの距離の方が、原稿読み取り位置と反転手段までの距離よりも長くするように配置することによって視認性が向上できる、と記載されている。
【特許文献1】特開2003−341943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、原稿読み取り位置と原稿排紙皿までの距離を長くするために、小サイズの原稿用紙を搬送する際には途中に新たな搬送ローラを設ける必要が生ずる。そのため搬送ローラを回転させるための駆動手段や、そのためのスペースを新たに設けなければならず、コストや、原稿読み取り装置の大きさの点から問題がある。
【0007】
本発明の目的は、A5サイズ以下〜葉書サイズの小サイズの原稿用紙を用いても、読み取り済み原稿用紙を排紙する際に、上部に原稿載置皿があっても原稿排紙皿上の排紙済み原稿用紙を視認することが可能であり、原稿用紙取り忘れの発生を抑制する原稿自動読み取り装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、下記構成によって達成できる。
1.原稿載置皿に載置された原稿を給送する原稿給送手段と、
前記原稿給送手段から給送された前記原稿を読み取る原稿読み取り手段と、
前記原稿読み取り手段によって読み取られた後の前記原稿を排紙する原稿排紙手段と、
を有する原稿自動読み取り装置であって、
前記原稿排紙手段は、前記原稿自動読み取り装置の手前側を最大径としたテーパー形状の第1のローラと、
前記第1のローラの表面に倣って前記第1のローラに当接する第2のローラと、
を有することを特徴とする原稿自動読み取り装置。
2.前記第1のローラは駆動用のローラであり、前記第2のローラは従動用のローラであることを特徴とする1に記載の原稿自動読み取り装置。
3.前記第1のローラは従動用のローラであり、前記第2のローラは駆動用のローラであることを特徴とする1に記載の原稿自動読み取り装置。
4.前記第1のローラ及び前記第2のローラを複数有することを特徴とする1乃至3の何れかに記載の原稿自動読み取り装置。
5.前記原稿排紙手段は、前記第1のローラ、前記第2のローラの外側に円柱形状の円柱ローラを有することを特徴とする1乃至4の何れかに記載の原稿自動読み取り装置。
6.前記第1のローラと前記円柱ローラを複数有し、
複数ある前記第1のローラの設置間隔は、第1のシートサイズと同等であり、
複数ある前記円柱ローラの設置間隔は、第2のシートサイズと同等であることを特徴とする5に記載の原稿自動読み取り装置。
7.前記第1のローラまたは前記第2のローラを軸方向にスライドさせるスライド手段を有することを特徴とする1乃至6の何れかに記載の原稿自動読み取り装置。
8.原稿サイズに連動して前記スライド手段をスライドする制御手段を有することを特徴とする7に記載の原稿自動読み取り装置。
【発明の効果】
【0009】
原稿を挟持搬送する原稿排紙駆動ローラ部と原稿排紙従動ローラ部の何れか一方のローラの所定の部位をテーパー形状とすることにより、A5サイズ以下〜葉書サイズの小サイズ原稿用紙は、原稿排紙皿上に排紙する際に、ユーザが操作する側(装置の手前側)に搬送されるので、視認性が向上し原稿用紙取り忘れを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限らない。また、以下の、本発明の実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
(原稿自動読み取り装置の構成)
図1は、本発明に係る実施形態としての原稿自動読み取り装置1の構成例を示す断面図である。この原稿自動読み取り装置1は、両面が印字された原稿Pのうち第1面(表面)を読み取る片面読み取りモードと、原稿用紙を循環せしめて第1面と第2面(裏面)の両面を読み取る両面読み取りモードとを有しており、電子複写機、ファクシミリあるいはスキャナ等に適用される。
【0011】
原稿自動読み取り装置1は、原稿Pを給送するための原稿給送手段3、給送された原稿Pを搬送する原稿搬送手段4、表面原稿を反転させるための原稿反転手段5、原稿Pの画像を読み取る原稿読み取り手段6、を有している。原稿給送手段3に積み重ねられた原稿Pは、表面原稿のみを読み取る際には、原稿読み取り手段6へ順次給送されて第1面の読み取りを行い原稿排紙皿7へ排紙される。また、両面に印字された原稿Pを読み取る際には、この第1面の読み取りが行われた原稿Pは原稿反転手段5により反転され、再び原稿読み取り手段6へ給送されて第2面の読み取りが行われ、原稿排紙皿7へ排紙される。
【0012】
原稿給送手段3は原稿Pを載置する原稿載置皿10を有しており、原稿Pは原稿載置皿10の搬送方向に対して中央を基準としてセットされる(センター基準載置という)。原稿載置皿10には原稿Pの紙幅を検知する原稿幅検出センサS1が設けられ、原稿Pの紙幅が検知される。また、原稿搬送手段4の搬送経路には原稿Pの紙長さを検知する原稿長さ検出センサS2が配置されている。
【0013】
この原稿載置皿10には、これらの検出センサS1、S2の他に原稿有無(エンプティ)センサS3が配置され、原稿紙2の有無が検出される。原稿有無センサS3は例えばリミットスイッチや光センサ等で構成される。
【0014】
原稿載置皿10の下流側には、搬送手段の一部を構成する給紙ローラ29、分離ローラ31及び分離パット33が順に配置されている。給紙ローラ29は通常待機位置にあり、図示しない給紙クラッチの作動により待機位置から給紙位置へ移動し、所定のタイミングで回転して原稿Pを送り出すようになっている。分離ローラ31は分離パット33に対向して配置され、原稿Pが複数枚送り出されないように分離する。分離された原稿Pの検出は分離センサS4によって行われる。
【0015】
レジスト部40は原稿給送手段3の下流に配置され、分離された原稿Pが送り込まれる。レジスト部40には、レジストクラッチ(不図示)及びレジストローラ41が配置されている。レジストクラッチは通常停止し、レジストローラ41を所定のタイミングで回転させるようになっている。レジストローラ41に原稿Pの先端部が当接すると、レジストレバー42が原稿Pにより作動してレジストセンサS5がレジスト状態を検出する。
【0016】
一定時間経過後、レジストクラッチによりレジストローラ41を回転させて、レジスト部40から搬送手段の一例となる原稿搬送手段4へ原稿Pを搬送する。この原稿搬送手段4は搬送ローラ48及びプラテンローラ51を有し、プラテンローラ51は搬送ローラ48の周りに配置され、これらの駆動により原稿Pが原稿読み取り手段6へ搬送される。なお搬送ローラ48は矢印X方向に回転する。
【0017】
原稿読み取り手段6には、その上流に原稿読み取りセンサS6が配置されている。原稿Pは先端が原稿読み取りセンサS6に到達したところで一旦停止し、待機状態となる。不図示の制御手段からの読み取り開始信号が供給されると、原稿Pの搬送が再開される。原稿Pがガラス59面上を通過するときに、原稿読み取り手段6により原稿Pの画像の読み取りが行われ原稿画像信号が出力される。
【0018】
原稿反転手段5は、原稿読み取り手段6より下流で、且つ原稿排紙皿7より上流に設けられている。原稿反転手段5には、反転ローラ80が配置され、この反転ローラ80が正転するときは反転トレー81上に原稿Pが送り出され、逆転すると原稿Pは原稿読み取り手段6方向へ搬送される(スイッチバック反転という)。反転ローラ80の近傍には反転検出センサS7が配置されている。
【0019】
原稿排紙皿7の上流には原稿排紙手段8が設けられている。また原稿排紙手段8の近傍には排紙センサS8が配置され、原稿Pの排紙を検出する。反転検出センサS7及び排紙センサS8は、例えば反射型または透過型のセンサで構成されている。
【0020】
また、搬送ローラ48の周りには、原稿Pの第1面と第2面との読み取りの切り換えを行う第1搬送路切り換え手段55と、第2面の読み取りと排紙との切り換えを行う第2搬送路切り換え手段56とが配置されている。原稿Pの第1面のみを読み取る場合、原稿給送手段3から給送された原稿Pは、原稿読み取り手段6を経由して、第1搬送路切り換え手段55の切り換えにより原稿排紙皿7に排紙される。
【0021】
原稿Pの両面を読み取る場合、原稿給送手段3から給送された原稿Pは、原稿読み取り手段6を経由して第1面が読み取られた後、第1搬送路切り換え手段55の切り換えにより、原稿Pを原稿反転手段5に搬送する。原稿Pは原稿反転手段5に設けてある反転ローラ80により原稿Pの後端部が挟持された状態で反転トレー81に一旦排紙される。
【0022】
その後反転ローラ80は、原稿Pを搬送する方向とは逆方向に回転し、挟持したままの原稿Pを第2搬送路切り換え手段56を切り換えて搬送ローラ48方向に搬送する。そして原稿Pは、再び原稿読み取り手段6へ循環され第2面が読み取られる。第1面と第2面が読み取られた原稿Pは、第1搬送路切り換え手段55及び第2搬送路切り換え手段56の切り換えにより原稿排紙皿7に排紙される。
(原稿排紙手段8)
本発明は、第1のシートサイズであるA5サイズ以下〜葉書サイズの原稿用紙(小サイズ原稿用紙という)を、原稿搬送方向に対してユーザが操作する側(原稿自動読み取り装置の手前側)に搬送させることにより、視認性が向上し原稿用紙取り忘れを抑制できることを目的としている。そのための手段として、以下図を用いて説明する。
【0023】
図2は本実施の形態の原稿排紙手段8を説明する図である。図2は原稿排紙皿7と、原稿排紙駆動ローラ部69と、原稿排紙従動ローラ部70とを上から見た上面図であり、図3はその概略側面図である。原稿排紙手段8は、原稿排紙駆動ローラ部69と原稿排紙従動ローラ部70とにより原稿Pを挟持し、駆動手段によって原稿Pを原稿排紙皿7に排紙させている。
【0024】
ここで駆動手段を説明する。原稿排紙手段8の側板B1、B2には原稿排紙駆動ローラ部69を支持する軸受けが設けられている。側板B2の外側には回転駆動させるモータM1が設けられ、原稿排紙駆動ローラ部69を構成する金属部材からなる駆動軸691の端部には駆動歯車G1が取り付けられている。駆動歯車G1はアイドラ歯車を介してモータM1によって回転駆動される。モータM1の回転ON/OFFは図示しない制御手段によって制御されている。
【0025】
なお、ユーザが操作する側を手前側、その反対側を奥側と表現し、原稿Pは図2の左側から搬送されることとする。
〈実施例1・原稿排紙駆動ローラ部にテーパー形状のローラを設ける〉
実施例1として原稿排紙駆動ローラ部69にテーパー形状をした第1のローラを設けた原稿排紙手段8について図4を用いて説明する。ここで、第1のローラを設けた原稿排紙駆動ローラ部を695とする。
【0026】
原稿排紙駆動ローラ部695は、金属部材(本実施の形態ではステンレス材)からなる駆動軸691に少なくとも4個以上(本実施の形態では4個使用)のローラが嵌入されている。ローラは手前側からR1、R2、R3、R4とする。そのうちの外側の2個のローラR1、R4は円柱形状であり、内側の2個のローラR2、R3は手前側方向のローラ端面を最大径とするテーパー形状をした第1のローラである。そして、外側の2個のローラR1、R4の間隔は第2のシートサイズとしてのA4サイズ長辺側の寸法に相当し、第1のローラR2、R3の間隔は、第1のシートサイズとしてのA5サイズ短辺側の寸法に相当する位置に配置している。
【0027】
具体的には図4に示すように、ローラR1、R4のセンターc3間の距離は280mm、内側のローラR2、R3のセンターc2間の距離は80mmとし、センターc1に対して等配の位置に設けている。なお本実施例では日本、欧州で用いられているAサイズ規格の原稿用紙を基にして説明するが、米国などで用いられている用紙サイズのときは、第1のシートサイズ、第2のシートサイズはそれぞれその間隔の寸法は異なる。以下実施例2、3についても同様である。
【0028】
原稿排紙駆動ローラ部695に用いるローラの材質は、本実施の形態ではEPDM(エチレンプロピレンゴム)を用いているが特にこだわらない。またローラR1、R2、R3、R4のローラ径をφ20mm、ローラ幅を10mmとし、ローラR2、R3のテーパー角度は10度とした。
【0029】
原稿排紙従動ローラ部70は、原稿排紙駆動ローラ部695のローラに対応する位置にそれぞれ独立して手前側から順にローラr1、r2、r3、r4が設けられている。ローラr1、r2、r3、r4は、例えばABS(アクリルニトリルブタジエンスチレン)樹脂や、ステンレス材などの非弾性部材で作られ、本実施の形態では外形φ10mm、幅10mmのステンレスフラットロールを用いている。ローラr1、r2、r3、r4はそれぞれローラ保持部材701によって保持され、例えばバネSPなどの弾性部材でローラを押圧している(図5参照)。なおローラ保持部材701、バネSPの具体的な取り付け手段については省略する。
【0030】
第2のローラとしてのローラr2とローラr3は、センターc4がローラR2とR3のテーパー最大径(φDmax1)に一致するように設けられている。ローラr2、r3はそれぞれ独立に懸架されているので、第1のローラR2、R3のテーパーに倣ってテーパー分だけ傾く(図6参照)。第1のローラR2、R3のφDmax1部分のローラ線速度は、テーパー先端部のローラ線速度より早い。この状態で小サイズ原稿用紙がこのローラ対を通過すると、小サイズ原稿用紙はφDmax1方向である手前側に斜行して搬送される(図7参照)。
〈実施例2・原稿排紙従動ローラ部にテーパー形状のローラを設ける〉
図8に原稿排紙従動ローラ部70に第1のローラを設けた実施例を示す。ここで第1のローラを設けた原稿排紙従動ローラ部を705とする。
【0031】
原稿排紙駆動ローラ部69は、駆動軸691に少なくとも4個以上(本実施の形態では4個使用)の円柱形状をした弾性体(本実施の形態ではEPDM使用)のローラが嵌入されている。ローラは手前側からR11、R21、R31、R41とする。外側の2個のローラR11、R41の間隔は第2のシートサイズであるA4サイズ長辺側の寸法に相当し、内側の2個の第2のローラR21、R31の間隔は、第1のシートサイズであるA5サイズ短辺側の寸法に相当する位置に配置している。
【0032】
具体的には、ローラR11、R41のセンターc3間の距離は280mm、内側の第2のローラR21、R31のセンターc2間の距離は80mmとし、センターc1に対して等配の位置に設けている。また原稿排紙駆動ローラ部69に用いるローラ径をφ20mm、ローラ幅を10mm、原稿排紙速度は320mm/秒とした。
【0033】
原稿排紙従動ローラ部705は、原稿排紙駆動ローラ部69のローラに対応する位置にそれぞれ独立して手前側から順にローラr11、r21、r31、r41が設けられている。そのうちの外側の2個のローラr11、r41は円柱形状であり、内側の2個のローラr21、r31は手前側を最大径(φDmax2)としたテーパー形状をした第1のローラである。
【0034】
ローラr11、r41のセンターはR11、R41のセンターc3と一致し、ローラr21、r31のφDmax2はローラR21、R31のセンターc2と一致する位置に配置している。
【0035】
ローラr11、r21、r31、r41は、例えばABS(アクリルニトリルブタジエンスチレン)樹脂や、ステンレス材などの非弾性部材で作られ、本実施の形態では外形φ10mm、幅10mm、ステンレスロールを用いている。第1のローラのテーパー角度は30度とした。またローラr11、r21、r31、r41はそれぞれローラ保持部材701によって保持され、例えばバネなどの弾性部材でローラを押圧している。
【0036】
原稿排紙従動ローラ部705のそれぞれのローラr11、r21、r31、r41はそれぞれ独立に懸架されている。第1のローラr21、r31はテーパーに倣ってテーパー分だけ傾く。テーパーローラのφDmax1部分のローラ線速度は、テーパーローラの先端部のローラ線速度より早い。この状態で小サイズ原稿用紙がこのローラ対を通過すると、小サイズ原稿用紙は手前側に斜行して搬送される。
〈実施例3・原稿排紙駆動ローラ部を軸方向へスライドさせる〉
図9に原稿排紙駆動ローラ部を軸方向にスライドさせる実施例3を示す。なお図中で使用する符号が実施例1または2で使用する符号と同じ場合、共通に使用するものとしその説明を省略する。
【0037】
原稿排紙駆動ローラ部は実施例2に用いた原稿排紙駆動ローラ部69を用い、原稿排紙従動ローラ部は実施例1に用いた原稿排紙従動ローラ部70を用いている。それぞれのローラ対の取り付け位置は、A4サイズの原稿用紙を搬送するときローラr1、r2、r3、r4のセンターが、ローラR11、R21、R31、R41のセンターc2、c3に一致するように配置されている。
【0038】
図10は実施例3の原稿排紙従動ローラ部70を省略した上面図である。側板B1とローラR11の端面間には圧縮スプリングが挿入されており、側板B1の外側に原稿排紙駆動ローラ部69を左右にスライドさせるためのソレノイドSLがリング機構を介して駆動軸691の端部と連結されている。
【0039】
ソレノイドSLに電気を与えると、図11に示すように原稿排紙駆動ローラ部69が圧縮スプリングの力に抗して矢印Y方向に移動する。原稿用紙が原稿排紙ローラ部を通過している途中で原稿排紙駆動ローラ部69が手前側に移動すると、原稿用紙も手前側に搬送される。
【0040】
次に、ソレノイドSLに電気を与える際の制御手段が行うフローを図12に示す。原稿Pのサイズを検知しA5サイズ以下かどうかを判断する(ステップS1)。A5以下のとき(ステップS1:Yes)原稿後端が読み取り後ローラを通過したかどうかを判断する(ステップS2)。通過したとき(ステップS2:Yes)ソレノイドをONさせる(ステップS3)。排紙センサS3を原稿用紙後端が通過したかどうかを判断し(ステップS4)、通過したとき(ステップS4:Yes)ソレノイドをOFFする。
【0041】
以上詳述したように、実施例1乃至3の何れにおいても原稿を挟持搬送する原稿排紙駆動ローラ部と原稿排紙従動ローラ部の何れか一方のローラの所定の部位をテーパー形状とする。あるいは、原稿排紙駆動ローラ部を軸方向へスライドさせることにより、A5サイズ以下〜葉書サイズの小サイズ原稿用紙を排紙皿上に排紙される際にユーザ方向に搬送されるので、視認性が向上し原稿用紙取り忘れを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る原稿自動読み取り装置1の構成例を示す断面図である。
【図2】本実施の形態の原稿排紙手段8を説明する図である。
【図3】図2の概略側面図である。
【図4】実施例1を説明する図である。
【図5】ローラrを押圧する例を示す斜視図である。
【図6】原稿排紙従動ローラ部がテーパー分だけ傾くところを示す図である。
【図7】小サイズ原稿用紙が斜めに搬送されたところを示す図である。
【図8】実施例2を説明する図である。
【図9】実施例3を説明する図である。
【図10】実施例3の原稿排紙駆動ローラ部を上から見た図である。
【図11】図10でソレノイドがONしたところを示す図である。
【図12】実施例3のソレノイド動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0043】
1 原稿自動読み取り装置
3 原稿給送手段
4 原稿搬送手段
5 原稿反転手段
6 原稿読み取り手段
7 原稿排紙皿
8 原稿排紙手段
10 原稿載置皿
69 原稿排紙駆動ローラ部
70 原稿排紙従動ローラ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿載置皿に載置された原稿を給送する原稿給送手段と、
前記原稿給送手段から給送された前記原稿を読み取る原稿読み取り手段と、
前記原稿読み取り手段によって読み取られた後の前記原稿を排紙する原稿排紙手段と、
を有する原稿自動読み取り装置であって、
前記原稿排紙手段は、前記原稿自動読み取り装置の手前側を最大径としたテーパー形状の第1のローラと、
前記第1のローラの表面に倣って前記第1のローラに当接する第2のローラと、
を有することを特徴とする原稿自動読み取り装置。
【請求項2】
前記第1のローラは駆動用のローラであり、前記第2のローラは従動用のローラであることを特徴とする請求項1に記載の原稿自動読み取り装置。
【請求項3】
前記第1のローラは従動用のローラであり、前記第2のローラは駆動用のローラであることを特徴とする請求項1に記載の原稿自動読み取り装置。
【請求項4】
前記第1のローラ及び前記第2のローラを複数有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の原稿自動読み取り装置。
【請求項5】
前記原稿排紙手段は、前記第1のローラ、前記第2のローラの外側に円柱形状の円柱ローラを有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の原稿自動読み取り装置。
【請求項6】
前記第1のローラと前記円柱ローラを複数有し、
複数ある前記第1のローラの設置間隔は、第1のシートサイズと同等であり、
複数ある前記円柱ローラの設置間隔は、第2のシートサイズと同等であることを特徴とする請求項5に記載の原稿自動読み取り装置。
【請求項7】
前記第1のローラまたは前記第2のローラを軸方向にスライドさせるスライド手段を有すること特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の原稿自動読み取り装置。
【請求項8】
原稿サイズに連動して前記スライド手段をスライドする制御手段を有することを特徴とする請求項7に記載の原稿自動読み取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−253499(P2009−253499A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−96943(P2008−96943)
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】