説明

反射光照射装置及びこれにより改質された改質水、改質水溶液、改質材料

【課題】反射体より得られる反射光を効率的に被照射対象物に照射することができる反射光照射装置を提供する。
【解決手段】反射光照射装置1において、所定の波長範囲内の光を照射する発光素子2と、発光素子2から照射される光を集光する目的の集光体3と、発光素子の光照射方向(D1)とは異なる光取出方向(D2)に光を反射する反射体4と、を備え、発光素子2から照射される光が光取出方向に極力直接出力されず、反射体からの反射光を効率的に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射光照射装置に関し、特に発光素子と光改質機能を有する反射体とを備えた反射光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に光学用途における光の反射を目的とした反射体の機能とは、光源より得られた光の特性を変質させずに、照射角度に可変機能を有させる目的や、照射光の集光・散乱を目的とした機能や、ファラデー効果として知られるような偏波依存型の光アイソレータに観られるような光線の偏重を目的とした特殊な偏重方式等はあるが、反射体そのものが光の改質機能を有し、この改質された改質光が水や有機溶媒の特性に影響を及ぼすような改質を可能とする反射体や、このような反射体を用いた光線改質能を有した照射装置はあまり知られていない。
【0003】
本発明者らは所定の加工を施したセラミックスの表面が、反射した照射光を改質する機能を有するという特性を見出し、更には前記反射光のみを効率的に取り出すための照射装置の構造を発明した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記光改質機能を有するセラミックスに対し、光を照射しても、目的とする反射光以外で発光素子より洩れ出る光が反射光に混じってしまい、安定的な改質光の生成を妨げていた。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、光源より照射された光を極力、反射体に接触反射せしめる構造であり、改質された反射光のみを照射槽に反射することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、反射光照射装置において、紫外光から赤外光までの波長領域範囲内の光を照射する発光素子と、発光素子と反射体との間に集光体を備え、この集光された光を反射体が前記発光素子の光照射方向とは異なる光取出方向に反射及び/または散乱することで、発光素子から照射される光が光取出方向に直接出力されない。
【0007】
本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、反射光照射装置において、反射体材料が金属酸化物、金属窒化物、黒鉛のそれぞれ一種か二種以上を組み合わせた材料である。
【0008】
本発明の実施の形態に係る第3の特徴は、反射光照射装置において、紫外光から赤外光までの範囲内の光を照射する発光素子と、前記発光素子から照射される光を反射及び/または散乱し、この反射及び/または散乱された光を前記発光素子の光照射方向とは異なる光取出方向に反射及び/または散乱するのと同時に、照射光が反射体に接触することで、照射光に所定の機能を持たせることを目的とした反射体と、反射光を被照射体に照射するための照射槽を備え、前記照射槽は外光の進入を遮蔽する構造となっており、また更に照射槽の内壁は鏡面状であるため、反射光が効率的かつ全方位より被照射体に照射される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光改質を目的とした反射体より、反射された反射光を効率的に利用することができる反射光照射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る反射光照射装置の断面図である。
【図2】図1に示す反射光照射装置の遮蔽体を除いた平面図である。
【図3】図1に示す反射光照射装置の遮蔽体を含んだ平面図である。
【図4】図1に示す反射光照射装置に照射槽を加えた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において同一機能を有する構成要素には同一符号を付け、重複する説明は省略する。
【0012】
(第1の実施の形態)
[反射光照射装置の全体構造]
図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態に係る反射光照射装置1は、紫外光から赤外光までの範囲内の光を第1の水平方向D1に照射する発光素子2と、発光素子2と反射体4の間に設けられた集光体3と、集光された光を第1の水平方向D1と異なる第2の方向D2に反射する反射体4とを備え、発光素子2から照射される光が光取出方向に直接出力されないようになっている。
【0013】
第1の実施の形態に係る発光素子2は、基盤5を中心に水平方向に複数配列され、第1の水平方向D1に向かって光を出力する。発光素子2は基盤5の表面上の対向する2箇所(180度対向する位置)ないしは基盤5の表面に複数個均等角度に配設され、各発光素子より照射された光は、集光体により各発光素子の照射光正面に断続的ないしは円状に配置された反射体4に対し集光された後、反射体によって反射及び/または散乱される。ここで、第1の方向D1とは、発光素子2からの光の照射方向であって発光素子2から出力される光の光軸に一致する方向という意味において使用される。また、第1の方向D1は、光強度のピーク位置に一致する。更に、発光素子2から出力される光は遮蔽体7の表面に対して平行に出力させており、第1の方向D1は遮蔽体7の表面に対して実質的に平行である。つまり、発光素子2は遮蔽体7の表面に沿って光(直接光)を照射する。
【0014】
また、ここで、「光の反射」とは、発光素子2から照射される直接光をすべて反射体4で反射する場合、直接光の大半が反射体4で反射され直接光の一部が反射体4に吸収される場合のいずれも含む意味においても使用される。更に、「発光素子2から照射される光が光取出方向に直接出力されない」とは、発光素子2から照射される直接光、発光素子2から反射体4に照射されずに漏れた光、発光素子2から反射体4に吸収され、光取出方向への反射に寄与しない光が光取出方向に出力されないという意味において使用される。なお、反射体4から光取出方向に反射される光は「反射光」になる。
【0015】
[基盤の構造]
図1及び図2に示すように、基盤5は発光素子2とワイヤ6を通して電気的に接続されている。
【0016】
[反射体の配置]
図1及び図2に示すように、反射体4は、第1の実施の形態において、発光素子の配置された集光体配置列の更に外周にあって、円盤形状を有する基盤5の表面上の周縁全域に沿って配設されている。
【0017】
ここで、第2の方向D2とは、前述のように第1の方向D1とは異なる光取出方向であって、反射体4から反射され取り出される反射光の光軸方向という意味において使用されている。
【0018】
第1の実施の形態において、反射体4は、基盤5に対して別部材(別部品)により構成されており、図示しないが、基盤5に接着剤、締結部材等により機械的に固定されているが、反射体を光の入射角度に対して固定を可能とする方法であれば、これらの方法に限ったものではない。
【0019】
[発光素子の種類]
発光素子2には、アルゴンランプ、HIDランプ、クリプトンランプ、ハロゲンランプ、蛍光ランプ、ELランプ、発光ダイオード、無電極ランプ等を利用出来るが、これらの素子に限ったものではない。
【0020】
[セラミックの組成]
第1の実施の形態において、反射体4には、金属酸化物、金属窒化物、黒鉛を組み合わせて構成されているが、より詳細には次のような物質が挙げられる。
【0021】
金属酸化物としては酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、酸化珪素、酸化珪素水和物、酸化鉄、酸化鉄水和物、酸化スズ、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化チタン、特に二酸化チタン、酸化チタン水和物が挙げられる。
【0022】
また、金属窒化物としては金属チタン、ジルコニウムおよび/またはタンタルの窒化物等が挙げられる。黒鉛は黒鉛単体での使用も可能ではあるが、金属酸化物、金属窒化物に黒鉛を含んだ組成として例えば黒鉛珪石等を利用してもよい。
【0023】
また、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム酸塩のような強誘電体材料を使用してもよい。
【0024】
また、その他の金属酸化物としてチタン酸カリウム、酸化ゲルマニウム、酸化スズ、酸化ホウ素、酸化ナトリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化銅、酸化アンチモン、酸化ビスマス、カオリン、及びタルク等も利用してもよい。
【0025】
更に金属窒化物としても上記の窒化物以外に窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化スズ、窒化ストロンチウム、窒化バリウム等の金属窒化物が挙げられる。
【0026】
更には第1の実施の形態内の前記[セラミックの組成]に記載の組成物の複合体を利用することも出来る。
【0027】
[反射体の第1の製造方法]
図2に示す反射体4は平面状の板状により構成されている。このような板状を有する反射体4は、粉体材料からの加圧焼結や基材に対する溶射により製作することができるが、目的の表面状態が得られる加工方法であれば、これらの方法に限ったものではない。
【0028】
反射体の表面粗度(Ra)は接触する光の散乱度や接触面積等の要素から0.1μm〜1000μmの範囲で用いられても良いが、更に好ましくは1μm〜100μmの範囲で利用されても良い。
【0029】
[反射体の第2の製造方法]
また、反射体表面の粗度(Ra)は、焼結等の方法で成型する工程で、同時に目的の粗度を得ても良いが、成型段階ではより粗い状態の表面を作成し、成型後に物理的ないしは化学的な処理を施して粗度を低減するなどしても良い。または、成型時に表面を平滑な状態で作成しておき、成型後に物理的ないしは化学的に粗化処理を施しても良い。
【0030】
[反射光照射装置の発光動作]
このように構成される反射光照射装置1は、まず発光素子2の第1の主電極と第2の主電極との間に動作電圧が印加されると、発光素子から第1の方向D1に光が出力され、この光を集光体3が集光し、反射体4がこの集光された光を反射及び/または散乱する。そして反射光は、第2の方向D2に向かって反射される。
【0031】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る反射光照射装置1の具体的な実施例を説明する。図3に示すように、反射光照射装置1において、基盤5は、前述の反射体4を接合した状態に構成されている。基盤5は成型加工により簡易に製作することができる。この基盤5の表面上に420nm波長の光を発振するLED発光素子2をマウントした。ワイヤ6により基盤5と発光素子2との間を電気的に接続した。集光体3は発光素子2に近接する形で設置され、発光素子2より発生する光を散逸させることなくD1方向へと集光させる。更には図1に示すような遮蔽体6を備えた。反射体4は、平均粒径20μmの表面処理を施していない酸化アルミニウム粉末を63wt%と平均粒径5μmの酸化珪素粉末を30wt%と更に平均粒径10μmの黒鉛粉末を7wt%をボールミルを用いて乾式混合し、この混合物を1,200℃にて焼結し成型品を得た上で、ブラスト粗化により表面粗度(Ra)を平均40μmに調整したものを使用した。
【0032】
発光素子2の主電極間に動作電圧を印加し、LED光を照射した。発光素子2から第1の方向D1に向かってLED光が出力され、反射体4に照射、反射され、反射体4においては第2の方向D2に向かって反射光を反射した。
【0033】
[第2の実施の形態に係る効果]
以上説明したように、第2の実施の形態に係る反射光照射装置1においては、発光素子2から照射される光の方向(第1の方向D1)と異なる方向(第2の方向D2)に反射光のみを発することができる。
【0034】
更に、第2の実施の形態に係る反射光照射装置1においては、発光素子2からの照射光の放出方向と反射体4からの光の放出方向とを調節する簡易な構造であるので、部品点数も少なく、小型化を実現することができる。
【0035】
本発明の第2の実施の形態を達成するための組成物としては第1の実施の形態内の前記[セラミックの組成]に記載の組成物を用いても良いし、これら組成物の複合体を利用することも出来る。
【0036】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る反射光照射装置1の具体的な実施例を説明する。図3に示すように、反射光照射装置1において、基盤5は、前述の反射体4を接合した状態に構成されている。基盤5は成型加工により簡易に製作することができる。この基盤5の表面上に300nm波長の光を発振するクリプトン発光素子2をマウントした。ワイヤ6により基盤5と発光素子2との間を電気的に接続した。集光体3は発光素子2に近接する形で設置され、発光素子2より発生する光を散逸させることなくD1方向へと集光させる。更には図1に示すような遮蔽体6を備えた。反射体4は、平均粒径200μmの酸化チタン粉末を50wt%と平均粒径150μmの酸化珪素粉末を40wt%と更に平均粒径60μmの黒鉛粉末を10wt%をボールミルを用いて乾式混合し、この混合物を1,200℃にて焼結し成型品を得た上で、表面粗度(Ra)を確認したところ平均70μmであり、これに表面処理を施さず使用した。
【0037】
本発明の第3の実施の形態を達成するための組成物としては第1の実施の形態内の前記[セラミックの組成]に記載の組成物を用いても良いし、これら組成物の複合体を利用することも出来る。
【0038】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態に係る反射光照射装置1の具体的な実施例を説明する。図3に示すように、反射光照射装置1において、基盤5は、前述の反射体4を接合した状態に構成されている。基盤5は成型加工により簡易に製作することができる。この基盤5の表面上に600nm波長の光を発振するLED発光素子2をマウントした。ワイヤ6により基盤5と発光素子2との間を電気的に接続した。集光体3は発光素子2に近接する形で設置され、発光素子2より発生する光を散逸させることなくD1方向へと集光させる。更には図1に示すような遮蔽体6を備えた。反射体4は、平均粒径700μmの酸化ジルコニウム粉末を80wt%と平均粒径1000μmのカオリン粉末を10wt%と更に平均粒径10μmの黒鉛粉末を10wt%をボールミルを用いて乾式混合し、この混合物を1,200℃にて焼結し成型品を得た上で、表面粗度(Ra)を確認したところ平均150μmであった。これに物理的研磨処理を施し、表面粗度を平均90μとして反射体として使用した。
【0039】
本発明の第4の実施の形態を達成するための組成物としては第1の実施の形態内の前記[セラミックの組成]に記載の組成物を用いても良いし、これら組成物の複合体を利用することも出来る。
【0040】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態に係る反射光照射装置1の具体的な実施例を説明する。図3に示すように、反射光照射装置1において、基盤5は、前述の反射体4を接合した状態に構成されている。基盤5は成型加工により簡易に製作することができる。この基盤5の表面上に1500nm波長の光を発振するハロゲン発光素子2をマウントした。ワイヤ6により基盤5と発光素子2との間を電気的に接続した。集光体3は発光素子2に近接する形で設置され、発光素子2より発生する光を散逸させることなくD1方向へと集光させる。更には図1に示すような遮蔽体6を備えた。反射体4は、平均粒径20μmの表面処理を施していない酸化アルミニウム粉末を63wt%と平均粒径5μmの酸化珪素粉末を30wt%と更に平均粒径10μmの黒鉛粉末を7wt%をボールミルを用いて乾式混合し、この混合物を1,200℃にて焼結し成型品を得た上で、ブラスト粗化により表面粗度(Ra)を平均40μmに調整したものを使用した。
【0041】
本発明の第5の実施の形態を達成するための組成物としては第1の実施の形態内の前記[セラミックの組成]に記載の組成物を用いても良いし、これら組成物の複合体を利用することも出来る。
【0042】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態に係る、反射光照射装置1より得られる反射光利用の具体的な実施例を説明する。前述の第1の実施の形態に係る反射光照射装置1より得られた反射光を紫外線〜赤外線領域において平均95%以上の透過率を有する容器に水道水を密閉し、外光を遮蔽した上で72時間反射光の照射を行い、改質水である所定の反射光照射水を得た。この水を用いて苺を栽培し、ブランク水と生育効果を比較したところ、3ヶ月の育成期間で反射光照射水を利用したプラントでは約2.2倍の収量が得られ、平均の糖度も2度高かった。なお、本実施の形態において、第1の実施の形態以外の構造を利用しても近似の結果が得られた。
【0043】
(第7の実施の形態)
本発明の第7の実施の形態に係る、反射光照射装置1より得られる反射光利用の具体的な実施例を説明する。前述の第1の実施の形態に係る反射光照射装置1より得られた反射光を有機質セルロースを炭化して作製した炭化布に24時間照射した後、窒素吸着法により反射光照射前後の比表面積と全細孔容積を確認した。結果は表1に示されるようにブランクの炭化布に比べ、比表面積が約83%減少し、全細孔容積が約85%減少しており、構造に変化が見られた。なお、本実施の形態において、第1の実施の形態以外の構造を利用しても近似の結果が得られた。
【0044】
【表1】

【0045】
(第8の実施の形態)
本発明の第8の実施の形態に係る、反射光照射装置1より得られる反射光利用の具体的な実施例を説明する。前述の第1の実施の形態に係る反射光照射装置1より得られた反射光を、性能が劣化し、発電能を示さなくなったDEFC(ダイレクトエタノール燃料電池)ユニット用のMEAに燃料極側から反射光を22時間、44時間、90時間照射した上で、無負荷状態のMEAに燃料として3%に濃度を調整した日本酒(菊水の辛口)を投入し、最高電圧に到達後5分経過時の電圧を測定し、表2に示されるような結果が得られた。なお、本実施の形態において、第1の実施の形態以外の構造を利用しても近似の結果が得られた。
【0046】
【表2】

【0047】
(第9の実施の形態)
本発明の第9の実施の形態に係る、反射光照射装置1より得られる反射光利用の具体的な実施例を説明する。前述の第1の実施の形態に係る反射光照射装置1より得られた反射光を、酸化チタン微粉末(デグッサ社製P−25)の水分散液をスピンコートして得られた膜に72時間照射したところ、塗膜表面付近結晶性の改善が見られた。なお、本実施の形態において、第1の実施の形態以外の構造を利用しても近似の結果が得られた。
【0048】
(第10の実施の形態)
本発明の第10の実施の形態に係る、反射光照射装置1より得られる反射光利用の具体的な実施例を説明する。前述の第1の実施の形態に係る反射光照射装置1より得られた反射光を、紫外線〜赤外線領域において平均95%以上の透過率を有する容器に、酵素源を含んだ混合液を投入密閉した状態で、72時間照射したところ、本来40℃付近でなければ、酵素活性を示しにくい微生物が、30℃付近での顕著な酵素活性を示した。なお、本実施の形態において、第1の実施の形態以外の構造を利用しても近似の結果が得られた。
【0049】
実施の形態中の各性能試験における、試験方法は以下の通りである。
糖度測定:京都電子工業製 ポータブル糖度計RA−250による測定
比表面積/全細孔容積/平均細孔直径測定:窒素ガス吸着法による測定
MEA無負荷最大到達電圧測定:デジタルマルチメーターCDM−17Dによる測定
酸化チタン薄膜表面構造測定:ラマン分光測定器による表面状態測定
酵素活性測定:分光法による酵素活性の測定
【0050】
〔比較例1〕
第6の実施の形態に係る具体的な比較例を説明する。反射光照射装置1に利用している反射体を鏡面仕上げのSUS−304材に切り替え、この照射装置より得られた反射光を紫外線〜赤外線領域において平均95%以上の透過率を有する容器に水道水を密閉し、外光を遮蔽した上で72時間反射光の照射を行い、所定の反射光照射水を得た。この水を用いて苺を栽培し、ブランク水と生育効果を比較したところ、3ヶ月の育成期間で反射光照射水を利用したプラントでは生育効果、糖度共に変化は見られなかった。
【符号の説明】
【0051】
1 反射光照射装置
2 発光素子
3 集光体
4 反射体
5 基盤
6 ワイヤ
7 遮蔽体
8 照射槽
81 照射槽内壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの発光素子と、前記発光素子の光照射方向に配置され前記発光素子から照射される光を反射または散乱する反射体とを有し、前記反射体によってこの反射または散乱された反射光を前記発光素子の光照射方向とは異なる光取出方向に反射または散乱させた光のみを照射することを特徴とする反射光照射装置。
【請求項2】
少なくとも一つの発光素子と、前記発光素子の光照射方向に配置され前記発光素子から照射される光を反射および散乱する反射体とを有し、前記反射体によってこの反射および散乱された反射光を前記発光素子の光照射方向とは異なる光取出方向に反射および散乱させた光のみを照射することを特徴とする反射光照射装置。
【請求項3】
前記反射体の材質は金属酸化物、金属窒化物、黒鉛のいずれか一種または二種以上を組み合わせた材質であることを特徴とする請求項1または2に記載の反射光照射装置。
【請求項4】
前記発光素子からの光の波長領域は紫外線領域から赤外線領域にピーク強度を有する光であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の反射光照射装置。
【請求項5】
前記発光素子が照射された光は、前記反射体から反射される光を除きすべて照射されないように前記発光素子の周囲が遮蔽体で被覆されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の反射光照射装置。
【請求項6】
前記発光素子と反射体との間に集光体を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の反射光照射装置。
【請求項7】
前記発光素子は、円形基板上に前記基板の直径方向外向きが前記発光素子の光照射方向となるように配置され、前記反射体は円形基板上円周上であって前記発光素子の光照射方向との交点に配置されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の反射光照射装置。
【請求項8】
前記発光素子は、互いに円形基板の中心に対して点対称となる位置に偶数個配置されることを特徴とする請求項7に記載の反射光照射装置。
【請求項9】
前記反射光照射装置は反射光及び被照射物を外光より遮蔽することを目的とした密閉照射槽を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の反射光照射装置。
【請求項10】
前記密閉照射槽内の内壁は鏡面状態であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一つに記載の反射光照射装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一つに記載の反射光照射装置の生成する反射光を照射された改質水。
【請求項12】
請求項1乃至10のいずれか一つに記載の反射光照射装置の生成する反射光を照射された改質水溶液。
【請求項13】
請求項1乃至9のいずれか一つに記載の反射光照射装置の生成する反射光を照射された改質材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−39120(P2011−39120A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−183895(P2009−183895)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(509223014)株式会社タオブレーン (1)
【出願人】(505257969)平成調理機株式会社 (7)
【Fターム(参考)】