説明

反転型メタモルフィック多接合ソーラーセルにおいて指数関数的にドープした複数の層

【課題】メタモルフィック層を含む多接合ソーラーセルを提供する。
【解決手段】上部サブセル、中間サブセル及び下部サブセルを含む多接合ソーラーセルを製造する方法は、半導体材料のエピタキシャル成長のために第1の基板を準備し、第1のバンドギャップを有する第1のソーラーサブセルを基板上に形成し、第1のバンドギャップより小さい第2のバンドギャップを有する第2のソーラーサブセルを第1のソーラーサブセルの上に形成し、第2のバンドギャップより大きい第3のバンドギャップを有するグレーディングインターレイヤを第2のサブセル上に形成し、第2のバンドギャップより小さい第4のバンドギャップを有する第3のソーラーサブセルをグレーディングインターレイヤの上に形成して、第3のサブセルが第2のサブセルに対して格子不整合となるようにし、前記ベースのうちの少なくとも1つが指数関数的にドープされたプロフィールを有するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーラーセル半導体デバイスの分野に係り、より詳細には、メタモルフィック層を含む多接合ソーラーセルに係る。このようなデバイスは、反転型メタモルフィックソーラーセルとして知られたソーラーセルも含む。
【背景技術】
【0002】
ソーラーセルとも称される光電池は、過去数年間に利用できるようになった最も重要な新規エネルギー源の1つである。ソーラーセルの開発には著しい努力が注がれた。その結果、ソーラーセルは、現在、多数の商業向け及び消費者向け用途で使用されている。この領域では著しい進歩がなされたが、より精巧な用途のニーズを満足するためのソーラーセルに対する要求が、重要と歩調を合わせていない。データ通信に使用される衛星のような用途は、電力及びエネルギー変換特性の改善を伴うソーラーセルの需要を劇的に高めた。
【0003】
衛星及び他の宇宙関連用途において、衛星電源システムのサイズ、質量及びコストは、使用するソーラーセルの電力及びエネルギー変換効率に依存する。換言すれば、ペイロードのサイズ及びオンボードサービスの利用性は、供給される電力量に比例する。したがって、ペイロードが、より精巧になるにつれて、オンボード電源システムの電力変換装置として働くソーラーセルは、次第に重要度が増す。
【0004】
ソーラーセルは、しばしば、垂直の多接合構造で製造されて、水平アレーで配置され、個々のソーラーセルが直列に一緒に接続される。アレーの形状及び構造、並びにそれに含まれるセルの数は、希望の出力電圧及び電流によって、一部分、決定される。
【0005】
M. W. Wanlass氏等の“Lattice Mismatched Approaches for High Performance, III-V Photovoltaic Energy Converters” (Conference Proceedings of the 31st IEEE Photovoltaic Specialists Conference, Jan. 3-7, 2005, IEEE Press, 2005) に説明されたような反転型メタモルフィックソーラーセル構造体は、将来の商業的な高効率ソーラーセルを開発するための重要な出発点を与える。このような従来の文献に説明された構造は、材料及び製造ステップの適切な選択に関する多数の実際的な問題を提起する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明以前に、従来技術に開示された材料及び製造ステップは、反転型メタモルフィックセル構造を使用して商業的に価値ある、エネルギー効率のよいソーラーセルを製造するのに充分なものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上部サブセル、中間サブセル及び下部サブセルを含む多接合ソーラーセルを製造する方法であって、半導体材料のエピタキシャル成長のために第1の基板を準備し、第1のバンドギャップを有し、ベース及びエミッタを有する第1のソーラーサブセルを前記基板上に形成し、前記第1のバンドギャップより小さい第2のバンドギャップを有し、ベース及びエミッタを有する第2のソーラーサブセルを前記第1のソーラーサブセルの上に形成し、前記第2のバンドギャップより大きい第3のバンドギャップを有するグレーディングインターレイヤを前記第2のサブセル上に形成し、前記第2のバンドギャップより小さい第4のバンドギャップを有し、ベース及びエミッタを有する第3のソーラーサブセルを前記グレーディングインターレイヤの上に形成して、この第3のサブセルが前記第2のサブセルに対して格子不整合となるようにし、前記ベースの少なくとも1つが指数関数的にドープされたプロファイルを有するようにする方法を提供する。
【0008】
別の態様において、本発明は、第1の基板を準備し、第1の基板上に半導体材料の一連の層を堆積して、指数関数的ドーピングを伴う少なくとも1つのベース層を含むソーラーセルを形成し、その一連の層の頂部に代用基板を装着し、第1の基板を除去することにより、ソーラーセルを製造する方法を提供する。
【0009】
別の態様において、本発明は、第1の基板を準備し、第1の基板上に半導体材料の一連の層を堆積して、指数関数的ドーピングを伴う少なくとも1つのベース層を含むソーラーセルを形成し、その一連の層の頂部に代用基板を装着し、第1の基板を除去することにより、ソーラーセルを製造する方法を提供する。別の態様において、本発明は、ソーラーセルを形成する方法であって、InGaP半導体材料で構成されたベース及びエミッタ層を含む頂部セルを形成し、InGaP半導体材料の中間セルエミッタ層及びGaAs半導体材料のベース層を形成し、InGaAs半導体材料のエミッタ及びベース層を含む底部セルを形成し、前記ベースの少なくとも1つが指数関数的にドープされたプロファイルを有するようにする方法を提供する。
【0010】
本発明は、添付図面を参照した以下の詳細な説明から更に完全に理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、例示的な態様及びその実施形態を含めて、以下に詳細に説明する。添付図面及び以下の説明を参照すれば、同じ参照番号を使用して、同じ又は機能的に同様の要素を識別すると共に、実施形態の主たる特徴を非常に簡単な図で示すものである。更に、添付図面は、実施形態の各特徴を示すものでも要素の相対的な寸法を示すものでもなく、又、正しい縮尺でもない。
【0012】
図1は、基板上に3つのサブセルA、B及びCを形成した後の本発明による多接合ソーラーセルを示す。より詳細には、砒化ガリウム(GaAs)、ゲルマニウム(Ge)又は他の適当な材料である基板101が示されている。Ge基板の場合には、基板上に核生成層102が堆積される。基板又は核生成層102の上には、バッファ層103及びエッチング停止層104が更に堆積される。次いで、層104上には接触層105が堆積され、この接触層には窓層106が堆積される。次いで、n+エミッタ層107及びp型ベース層108より成るサブセルAが窓層106上に堆積される。
【0013】
多接合ソーラーセル構造は、格子定数及びバンドギャップ要件を受ける周期表にリストされたIII属からV族元素の適当な組み合わせにより形成できることに注意されたい。III属は、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)及びタリウム(T)を含む。IV属は、炭素(C)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)及びスズ(Sn)を含む。V属は、窒素(N)、リン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)及びビスマス(Bi)を含む。
【0014】
好ましい実施形態では、エミッタ層107は、InGa(Al)Pで構成され、ベース層108は、InGa(Al)Pで構成される。アルミニウム、即ち先の式におけるカッコ内のAl項は、Alが任意の成分であり、この場合は、0%ないし30%の範囲の量で使用されてもよいことを意味する。本発明によるエミッタ及びベース層107及び108のドーピングプロファイルは、図16を参照して説明する。
【0015】
ベース層108の上には、再結合ロスを減少するために使用される背面フィールド(BSF)層109が堆積される。
【0016】
このBSF層109は、ベース/BSF界面付近の領域から少数キャリアを駆動して、再結合ロスの影響を最小にする。換言すれば、BSF層109は、ソーラーサブセルAの背面での再結合ロスを減少し、それにより、ベースにおける再結合を減少する。
【0017】
BSF層109の上には、一連の強くドープされたp型及びn型層110が堆積され、これは、サブセルAをサブセルBに接続する回路素子であるトンネルダイオードを形成する。
【0018】
このトンネルダイオード層110上には、窓層111が堆積される。サブセルBに使用される窓層111も、再結合ロスを減少するように働く。又、窓層111は、その下に横たわる接合のセル面の不動態化を改善する。当業者に明らかなように、本発明の範囲から逸脱せずに、このセル構造において付加的な層(1つ又は複数)を追加又は除去してもよい。
【0019】
窓層111の上には、セルBの層、即ちエミッタ層112、及びp型ベース層113が堆積される。これらの層は、(Ge成長テンプレートに対して)各々InGaP及びIn0.015GaAsで構成されるのが好ましいが、格子定数及びバンドギャップ要件が一致する他の適当な材料を使用してもよい。本発明によるドーピングプロファイル112及び113は、図16を参照して説明する。
【0020】
セルBの上には、BSF層109と同じ機能を果たすBSF層114が堆積される。このBSF層114の上には、層110と同様に、p++/n++トンネルダイオード115が堆積され、この場合も、セルBをセルCに接続するための回路素子を形成する。
【0021】
好ましくは、InGa(Al)Pで構成されるバリア層116aが、トンネルダイオード115の上に、約1.0ミクロンの厚みまで堆積される。このようなバリア層は、中間及び上部サブセルB及びCへ成長する方向とは逆に、或いは下部サブセルAへと成長する方向に、貫通転位が伝播するのを防止するように意図され、これは、2007年9月24日に出願された米国特許出願第11/860,183号により詳細に説明されている。
【0022】
バリア層116a上には、メタモルフィック層(グレーディングインターレイヤ)116が堆積される。この層116は、組成的に段階的にグレード付けされる一連のInGaAlAs層で、サブセルBからサブセルCへ格子定数の遷移を達成するよう意図された単調に変化する格子定数をもつものであるのが好ましい。層116のバンドギャップは、中間サブセルBのバンドギャップより若干大きな値に一致する1.5eVである。
【0023】
一実施形態では、Wanless氏等の論文に示唆されているように、段階的グレードは、9つの組成的にグレード付けされたInGaP段階を含み、その各段階層は、厚みが0.25ミクロンである。好ましい実施形態では、層116は、少なくとも9つの段階にわたり単調に変化する格子定数をもつInGaAlAsで構成される。
【0024】
本発明の別の実施形態では、InGaAlAsメタモルフィック層116の上に任意の第2のバリア層116bを堆積してもよい。この第2のバリア層116bは、典型的に、バリア層116aとは若干異なる組成を有する。
【0025】
バリア層116bの上には、窓層117が堆積され、この窓層は、サブセル‘C’における再結合ロスを減少するように動作する。当業者であれば、本発明の範囲から逸脱せずに、このセル構造において付加的な層を追加又は除去してもよいことが明らかであろう。
【0026】
窓層117の上には、セルCの層、即ちn+エミッタ層118及びp型ベース層119が堆積される。これらの層は、InGaAsで各々構成されるのが好ましいが、格子定数及びバンドギャップ要件が一致する他の適当な材料を使用してもよい。層118及び119のドーピングプロファイルは、図16を参照して説明する。
【0027】
セルCの上には、BSF層120が堆積され、このBSF層は、BSF層109及び114と同じ機能を遂行する。
【0028】
最終的に、BSF層120には、p+接触層121が堆積される。
【0029】
当業者であれば、本発明の範囲から逸脱せずに、このセル構造において付加的な層(1つ又は複数)を追加又は除去してもよいことが明らかであろう。
【0030】
図2は、p+半導体接触層121の上に金属接触層122が堆積された次の処理ステップの後の図1のソーラーセルを示す断面図である。金属は、Ti/Au/Ag/Auであるのが好ましい。
【0031】
図3は、金属層122の上に接着剤層123が堆積された次の処理ステップの後の図2のソーラーセルを示す断面図である。接着剤は、ウェハボンド(ミズリー州ローラのブリューワーサイエンス社により製造される)であるのが好ましい。
【0032】
図4は、代用基板124、好ましくは、サファイアが取り付けられる次の処理ステップの後の図3のソーラーセルを示す断面図である。代用基板は、厚みが約40ミルであり、接着剤及び基板のその後の除去を助けるために、直径約1mmの穴が4mmの間隔で開けられている。
【0033】
図5Aは、基板101、バッファ層103及びエッチング停止層104を除去する一連のラッピング及び/又はエッチングステップによりオリジナル基板が除去される次の処理ステップの後の図4のソーラーセルを示す断面図である。特定のエッチング剤の選択は、成長基板に依存する。
【0034】
図5Bは、代用基板124が図の底部に来るように方向付けした図5Aのソーラーセルの断面図である。これ以降の図は、このような方向付けをとっている。
【0035】
図6Aは、ソーラーセルが実施されるウェハの上面図である。4つのセルを示したが、これは例示のために過ぎず、本発明は、ウェハ当たりの特定のセル数には限定されない。
【0036】
各セルには、格子線501(図10の断面図により詳細に示す)、相互接続バス線502、及び接触パッド503がある。格子線及びバス線の幾何学形状及び数は、例示に過ぎず、本発明は、ここに示す実施形態に限定されない。
【0037】
図6Bは、図6Aに示す4つのソーラーセルをもつウェハの底面図である。
【0038】
図7は、燐化物及び砒化物のエッチング剤を使用して各セルの周囲でメサ510がエッチングされる次の処理ステップの後の図6Aのウェハを示す上面図である。
【0039】
図8は、図5Bのソーラーセルの簡単な断面図で、代用基板124の上の幾つかの上部層及び下部層を示す図である。
【0040】
図9は、HCL/H2O溶液によりエッチング停止層104が除去される次の処理ステップの後の図8のソーラーセルを示す断面図である。
【0041】
図10は、接触層105の上にホトレジストマスク(図示せず)を配置して格子線501形成する次の一連の処理ステップの後の図9のソーラーセルを示す断面図である。格子線501は、接触層105上に蒸着により堆積され、リソグラフ的にパターン化及び堆積される。マスクが離昇されて、金属格子線501が形成される。
【0042】
図11は、格子線をマスクとして使用し、クエン酸/過酸化物エッチング混合物を使用して表面を窓層106までエッチングする次の処理ステップの後の図10のソーラーセルを示す断面図である。
【0043】
図12は、格子線501をもつウェハの「底部」側の全面に反射防止(ARC)誘電体被覆層130が付着される次の処理ステップの後の図11のソーラーセルを示す断面図である。
【0044】
図13は、燐化物及び砒化物のエッチング剤を使用して金属層122までメサ510がエッチングされる次の処理ステップの後の図12のソーラーセルを示す断面図である。この断面図は、図7のA−A平面から見たものとして示されている。次いで、1つ以上の銀電極が接触パッド(1つ又は複数)に溶接される。
【0045】
図14は、代用基板124呼び接着剤123がEKC922により除去された後の次の処理ステップの後の図13のソーラーセルを示す断面図である。代用基板に設けられる好ましい孔は、直径が0.033インチで、0.152インチだけ分離されている。
【0046】
図15は、一実施形態においては、ARC層130及びそれに取り付けられた堅牢なカバーガラスの上に接着剤が付着される次の処理ステップの後の図14のソーラーセルを示す断面図である。
【0047】
異なる実施形態では、図13のソーラーセルが支持体に最初に装着され、その後、代用基板124及び接着剤123が除去される。このような支持体は、図15に示すように、接着剤により装着される堅牢なカバーガラスである。
【0048】
図16は、本発明の第1の実施形態によるメタモルフィックソーラーセルのサブセルにおけるエミッタとベース層との間のドーピングプロファイルを示すグラフである。
【0049】
上述したように、図16に示されたエミッタとベース層のドーピングプロファイルは、本発明の三重接合ソーラーセルのサブセルの1つ以上において実施することができる。
【0050】
本発明による特定のドーピングプロファイルが図示されており、エミッタのドーピングは、隣接層(例えば、層106、111又は117)のすぐ近くの領域における約5x1018/cm3から、図16に点線で示されたp−n接合付近の領域における5x1017/cm3へと減少する。ベースドーピングは、p−n接合付近の1x1016/cm3から、隣接層(例えば、層109、114又は120)付近の1x1018/cm3まで指数関数的に増加する。
【0051】
指数関数的ドーピング勾配exp[−x/λ]により発生される収集フィールドの絶対値は、次の大きさの一定電界により与えられる。
E=(kT/q(1/λ))(exp[−xb/λ])
但し、kは、ボルツマン定数、Tは、絶対温度(°ケルビン)、qは、電荷の絶対値、λは、ドーピング減衰のパラメータ特性である。
【0052】
本発明の効果は、本発明により底部サブセルの3μm厚みのベース層に指数関数的ドーピングプロファイルを合体したテストソーラーセルにおいて実証されている。テストセルの電気的パラメータの測定に続いて、電流収集の6.7%の増加が観察された。測定は、少なくとも3.014Vに等しい開路電圧(Voc)、少なくとも16.55mA/cmの短絡電流(Jsc)、及びAMOにおいて少なくとも0.86の充填率を指示した。
【0053】
本発明により教示される指数関数的ドーピングプロファイルは、ドープ領域に一定電界を発生する。本発明の特定の三重接合ソーラーセル材料及び構造では、底部セルは、全てのサブセルの中で最小の短絡電流を有する。三重接合ソーラーセルでは、個々のサブセルが積層され、直列回路を形成する。それ故、全セルにおける合計電流は、いずれか1つのサブセルに発生される最小電流により制限される。したがって、底部セルにおける短絡電流を6.7%増加することにより、電流は、上位サブセルの電流に、より厳密に接近し、三重接合ソーラーセルの全効率も、6.7%増加される。約30%の効率をもつ三重接合ソーラーセルでは、本発明の実施は、効率を1.067の係数で増加し、即ち32.01%に増加する。全効率のこのような増加は、ソーラーセル技術の分野では相当のものである。効率の増加に加えて、指数関数的ドーピングプロファイルにより形成される収集フィールドは、ソーラーセルの放射線硬度を向上させ、これは、宇宙船の用途で重要である。
【0054】
指数関数的ドープされるプロファイルは、実施されて検証されたドーピング設計であるが、他のドーピングプロファイルも、直線的に変化する収集フィールドを与え、これは、更に別の効果を発揮することができる。例えば、次の式に示すドーピングプロファイルは、少数キャリアの収集及びソーラーセルの寿命終了における放射線硬度の両方について効果的である線形フィールドをドープ領域に発生する。
【数1】

1つ以上のベース層におけるこのような他のドーピングプロファイルは、本発明の範囲内である。
【0055】
ここに示すドーピングプロファイルは、単なる例示に過ぎず、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱せずに、より複雑な他のプロファイルが利用できるであろう。
【0056】
又、上述した素子の各々、或いはその2つ以上は、上述した形式の構造とは異なる他の形式の構造にも有用に適用できることを理解されたい。
【0057】
本発明は、反転型メタモルフィック多接合ソーラーセルにおいて実施されるものとして図示して説明したが、本発明の精神から逸脱せずに種々の修正や構造変更がなされ得るので、ここに示す細部に限定されるものではない。
【0058】
これ以上分析しなくても、以上の説明は、他の者が現在の知識を適用することにより、従来技術の観点から本発明の一般的又は特定の態様の本質的な特性を充分に構成する特徴を省くことなく種々の用途に容易に適応させることのできる本発明の要旨を充分に明らかにするもので、それ故、このような適応は、特許請求の範囲内に包含されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明により構成されたソーラーセルの拡大断面図である。
【図2】次の処理ステップの後の図1のソーラーセルを示す断面図である。
【図3】次の処理ステップの後の図2のソーラーセルを示す断面図である。
【図4】次の処理ステップの後の図3のソーラーセルを示す断面図である。
【図5A】オリジナル基板が除去された次の処理ステップの後の図4のソーラーセルを示す断面図である。
【図5B】図の最下部に代用基板がある状態で見た図5Aのソーラーセルの別の断面図である。
【図6A】ソーラーセルが製造されたウェハの上面図である。
【図6B】ソーラーセルが製造されたウェハの下面図である。
【図7】次の処理ステップの後の図6Aのウェハを示す上面図である。
【図8】次の処理ステップの後の図5Bのソーラーセルを示す断面図である。
【図9】次の処理ステップの後の図8のソーラーセルを示す断面図である。
【図10】次の処理ステップの後の図9のソーラーセルを示す断面図である。
【図11】次の処理ステップの後の図10のソーラーセルを示す断面図である。
【図12】次の処理ステップの後の図11のソーラーセルを示す断面図である。
【図13】次の処理ステップの後の図12のソーラーセルを示す断面図である。
【図14】次の処理ステップの後の図13のソーラーセルを示す断面図である。
【図15】次の処理ステップの後の図14のソーラーセルを示す断面図である。
【図16】本発明による反転型メタモルフィックソーラーセルのサブセルにおけるエミッタとベース層との間のドーピングプロファイルを示すグラフである。
【符号の説明】
【0060】
101:基板
102:核生成層
103:バッファ層
104:エッチング停止層
105:接触層
106:窓層
107:n+エミッタ層
108:pベース層
109:BSF層
110:p型及びn型層(トンネルダイオード層)
111:窓層
112:n+エミッタ層
113:pベース層
114:BSF層
115:p++/n++トンネルダイオード
116a:バリア層
116:グレーディングインターレイヤ(メタモルフィックバッファ層)
116b:バリア層
117:窓層
118:n+エミッタ層
119:pベース層
120:BSF層
121:p+接触層
122:金属接触層
123:接着剤層
124:代用基板
501:格子線
502:相互接続バス線
503:接触パッド
510:メサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部サブセルと中間サブセルと下部又は底部サブセルとを含む多接合ソーラーセルを製造する方法であって、
半導体材料のエピタキシャル成長のために第1の基板を準備するステップと、
第1のバンドギャップを有し、ベース及びエミッタを有する第1のソーラーサブセルを前記基板上に形成するステップと、
前記第1のバンドギャップより小さい第2のバンドギャップを有し、ベース及びエミッタを有する第2のソーラーサブセルを前記第1のソーラーサブセルの上に形成するステップと、
前記第2のバンドギャップより大きい第3のバンドギャップを有するグレーディングインターレイヤを前記第2のサブセルの上に形成するステップと、
前記第2のバンドギャップより小さい第4のバンドギャップを有し、ベース及びエミッタを有する第3のソーラーサブセルを前記グレーディングインターレイヤの上に形成して、この第3のサブセルが前記第2のサブセルに対して格子不整合となるようにするステップと、
を含み、
前記ベースのうちの少なくとも1つが指数関数的にドープされたプロファイルを有するものである、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1のソーラーサブセルのベースが、ベース−エミッタ接合の付近の1x1016/cm3から、隣接層の付近の1x1018/cm3までの指数関数的ドーピンググラデーションを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のソーラーサブセルのベースが、ベース−エミッタ接合の付近の1x1016/cm3から、隣接層の付近の1x1018/cm3までの指数関数的ドーピンググラデーションを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第3のソーラーサブセルのベースが、ベース−エミッタ接合の付近の1x1016/cm3から、隣接層の付近の1x1018/cm3までの指数関数的ドーピンググラデーションを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの前記ソーラーサブセルのエミッタ層が、ベース−エミッタ接合の付近の5x1017/cm3から、隣接層の付近の5x1018/cm3までの増加するドーピンググラデーションを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第3のソーラーサブセルが、底部サブセルであり、前記指数関数的ドーピンググラデーションが、上位サブセルの短絡電流にほぼ等しいレベルまでの短絡電流の増加を生じさせる、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の基板がGaAsで構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のソーラーサブセルが、InGa(Al)Pエミッタ領域と、InGa(Al)Pベース領域とにより構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のソーラーサブセルは、InGaPエミッタ領域と、GaAsベース領域とで構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記グレーディングインターレイヤがInGaAlAsにより構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ソーラーセルを製造する方法であって、
第1の基板を準備するステップと、
前記第1の基板上に半導体材料の一連の層を堆積して、指数関数的ドーピングを伴う少なくとも1つのベース層を含むソーラーセルを形成するステップと、
前記一連の層の頂部に代用基板を装着するステップと、
前記第1の基板を除去するステップと、
を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−147309(P2009−147309A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−269598(P2008−269598)
【出願日】平成20年10月20日(2008.10.20)
【出願人】(501195658)エムコア・コーポレイション (22)
【Fターム(参考)】