説明

収納容器

【課題】収納工程の簡略化、チップ収納の安定化を図ることができる収納容器を提供すること。
【解決手段】収納容器10は、複数枚のチップCを収納する複数のチップトレイ11と、各チップトレイ11をそれぞれ収納可能に設けられた収納トレイ12とを備えて構成されている。チップトレイ11は、上下に重ね合わせ可能な上部材14及び下部材15からなる。収納トレイ12は、上出し入れ口31及び下出し入れ口32を有する収納部26を複数備えている。収納部26は、フランジ部34と、上出し入れ口31側に設けられた第1のロック片部35と、下出し入れ口32側に設けられた第2のロック片部36とを備えている。フランジ部34及び第1のロック片部35により上部材14の上下方向の位置決めを行い、フランジ部34及び第2のロック片部36により下部材15の上下方向の位置決めを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納容器に係り、更に詳しくは、複数枚のチップの収納状態を良好に保つことができる収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体チップを搬送若しくは保管するための収納容器が利用されている。このような収納容器としては、複数枚のチップを収納するチップトレイと、当該チップトレイより大きい平面サイズ及び厚みに設けられるととともに、複数のチップトレイを収納可能な収納トレイとを備えたものが知られている。収納トレイは、上部開放型の複数のポケットを備えており、各ポケットにチップトレイがそれぞれ収納されるようになっている。チップトレイは、その上面から突出する複数の突起又は突条を備え、当該突起又は突条に囲まれる上面領域にチップを載置することにより、当該チップの外周側が複数の突起又は突条に略当接して面方向への移動が規制された状態で収納される。そして、チップを収納したチップトレイをポケットに収納して収納トレイを搬送することにより、複数のチップトレイが同時に搬送されることとなる。
【0003】
かかる収納容器を改良したものとして、本発明者は、特許文献1に開示されるタイプのものを案出した。同文献の収納容器は、相互に組み合わせ可能な上部材及び下部材からなるチップトレイと、このチップトレイを収納可能な収納トレイとを備え、上部材及び下部材との間にチップが挟み込まれた状態で収納される。
【0004】
【特許文献1】特開2007−182237号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、同文献にあっては、以下に述べる点で改善の余地があった。
すなわち、同文献では、上部材及び下部材を組み合わせなければ、それらを上下方向に位置決めすることができない。このため、搬送中に収納容器を上下に移動させたり、チップの検査工程で二つの収納トレイを重ねて反転したりする場合、上部材及び下部材を両方とも収納することが不可欠となる。
更に、収納トレイと、上部材及び下部材を組み合わせたものとでは厚みが異なっており、二つの収納トレイを重ねたときに、上方の収納トレイの下部材と、下方の収納トレイ内の上部材との間にスペースが生じることとなる。このため、収納トレイの反転時に、下方の収納トレイ内の上部材に収納したチップが厚み方向にがたつき、当該チップに位置ずれや傾きが生じて不完全な収納状態になり易くなる。
また、下部材を収納する前に上部材を収納すると、下部材を収納するために上部材を収納トレイから取り出す必要があり、チップの収納工程の複雑化を招来する。
【0006】
[発明の目的]
本発明は、前述した改善点に着目して案出されたものであり、その目的は、収納工程の簡略化を図ることができ、チップをより安定して収納することができる収納容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は、複数枚のチップを収納する少なくとも一つの第1の収納体と、当該第1の収納体を複数収納可能に設けられた第2の収納体とを含む収納容器において、
前記第1の収納体は、上下に重ね合わせ可能な上部材及び下部材からなり、これら上部材及び下部材は、少なくとも上面側にチップを収納可能にそれぞれ設けられ、
前記第2の収納体は、収納した上部材の上下方向の位置決めを行う第1の位置決め部と、収納した下部材の上下方向の位置決めを行う第2の位置決め部とを備える、という構成が採用されている。
【0008】
本発明において、前記第1の収納体は、第2の収納体に前記上部材及び下部材を収納した状態での上下厚が、第2の収納体の上下厚と略同一に設定されることが好ましい。
【0009】
また、前記第2の収納体は、他の収納容器の第2の収納体に上下に重ね合わせ可能に設けられ、前記各第2の収納体を上下に重ねたときに、下方の第2の収納体に収納された上部材と、上方の第2の収納体に収納された下部材とによりチップを挟み込んで当該チップの厚み方向の移動を規制可能に設けられる、という構成も好ましくは採用される。
【0010】
更に、第2の収納体は、上下にそれぞれ出し入れ口を有する収納部を備え、上方の出し入れ口から上部材を出し入れ可能に設けられている一方、下方の出し入れ口から下部材を出し入れ可能に設けられる、という構成を採ることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、第1の位置決め部により上部材の上下方向の位置決めが行われ、第2の位置決め部により下部材の上下方向の位置決めが行われるので、当該位置決めを行うためだけに上部材及び下部材を組み合わせる必要性をなくすことができる。これにより、上部材及び下部材の収納に要する工程の簡略化を図ることができ、且つ、上部材及び下部材の何れか一方だけを収納しても、それらが上下にがたつくことを回避でき、チップを安定して収納することが可能となる。
【0012】
また、第1の収納体と第2の収納体の上下厚を略同一に設定したので、収納容器全体のコンパクト化を図ることが可能となる。
【0013】
更に、二つの第2の収納体を重ね合わせ可能としたので、上方の第1の収納体の下部材が、下方の第1の収納体の上部材を閉蓋するように位置可能となり、それらの間のチップが厚み方向にがたついたり傾いたりすることを防止することができる。これにより、上部材だけを収納した第2の収納体と、下部材だけを収納した別の第2の収納体とを組み合わせた状態で反転しても、それらの間のチップの位置ずれ等を回避することが可能となる。
【0014】
また、第2の収納体が上下にそれぞれ出し入れ口を有する収納部を備えているので、上部材及び下部材をそれぞれ独立して収納部に出し入れすることができる。これにより、下部材を収納するために上部材を予め収納部から取り出す等の面倒な工程をなくすことができ、収納工程の効率を向上させることが可能となる。
【0015】
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、特に明示しない限り、「上」及び「下」は、図2及び図6を基準として用いる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1には、実施形態に係る収納容器の平面図が示され、図2には、その正面図が示されている。また、図3には、図1の要部拡大平面図が示され、図4には、図1の要部拡大斜視図が示されている。これらの図において、収納容器10は、複数枚のチップCを収納する複数の第1の収納体としてのチップトレイ11と、各チップトレイ11をそれぞれ収納可能に設けられた第2の収納体としての収納トレイ12とを備えて構成されている。なお、前記チップCは、特に限定されるものでないが、BGA型若しくはCSP型等の面実装型とされ、略正方形の平面形状をなす片状に形成されるとともに、一方の面に図示省略した多数の端子を備えたものが例示される。
【0018】
前記チップトレイ11は、図4に示されるように、相互に組み合わせ可能な上部材14及び下部材15からなる。これら上部材14及び下部材15は、上方に複数のチップCを載置可能な略同一構造のトレイ部材により構成されている。従って、以下の説明において、特に明示しない限り、上部材14の構成について説明し、下部材15の構成には、同一符号を付して説明を省略する。
【0019】
前記上部材14は、本実施形態では、樹脂材を用いた一体成形品により構成されている。上部材14は、図3ないし図9に示されるように、平面視略正方形状をなす板状の本体部17と、この本体部17の上面側から突出して図3中上下及び左右方向に所定間隔毎に複数設けられた略長方形の平面形状をなす第1の突起18と、本体部17の下面側から下方に突出して略十字形の平面形状(図5参照)をなす複数の第2の突起19と、本体部17の下面における外周側から垂下する方形状リブ20とを備えて構成されている。
【0020】
前記本体部17は、図7及び図9に示されるように、その外周側領域17Aが段部17Bを介して低くなる形状に設けられている。図3に示されるように、本体部17の同図中左右両端側における上下両側には凹部22がそれぞれ形成されている。また、本体部17の各コーナーKのうち、一箇所のコーナーK(図3中左下のコーナー)はテーパ状に形成され、当該コーナーKの位置により上部材14の周方向の向きを容易に認識できるようになっている。
【0021】
前記各第1の突起18は、本体部17の上面に図3中上下及び左右方向に沿って所定間隔毎に載置されるチップCの四辺に沿う位置に設けられている。すなわち、図3中上下に隣り合う一対の第1の突起18,18と、当該第1の突起18,18の同図中左右両側に位置する第1の突起18,18との間に、チップCを収納して当該チップCの水平方向移動を規制可能に設けられている。
【0022】
前記第2の突起19は、図5に示されるように、同図中上下及び左右方向に沿って所定間隔毎に設けられ、具体的には、各チップCの前記収納位置の下側(図5中紙面直交方向手前側)に対応する位置にそれぞれ設けられている。図7に示されるように、第2の突起19の本体部17下面からの突出量h1は、第1の突起18の本体部17上面からの突出量h2より小さく設定されている。これにより、上部材14及び下部材15を上下に重ねたとき(図6及び図8参照)に、上部材14の本体部17下面と、下部材15の第1の突起18の上面とが当接し、上部材14の第2の突起19の下面と、下部材15の本体部17上面とによりチップCを挟み込んで収納できるようになっている。
【0023】
前記方形状リブ20は、その内周面が前記段部17Bより若干外側となる形状を備えた略正方形の平面形状に設けられている。従って、上部材14及び下部材15を上下に重ねたときに、上部材14の方形状リブ20と、下部材15の段部17B及びこれに沿う各第1の突起18が嵌り合い、上部材14及び下部材15が相互に組み合わせ可能となっている。
【0024】
前記収納トレイ12は、特に限定されるものでないが、本実施形態では、ABS等の適宜な樹脂材を用いた一体成形品により構成されている。収納トレイ12は、図10にも示されるように、横長の長方形状に設けられた板状のトレイ形成体24と、このトレイ形成体24の面内中央部に設けられた被吸着部25と、このトレイ形成体24の図10中左右両側において四箇所ずつそれぞれ形成されるとともに、チップトレイ11を内部に収納する収納部26と、トレイ形成体24の外周に形成された枠状体27とを備えて構成されている。
【0025】
前記被吸着部25は、略正方形の平面形状をなす枠状リブ29に囲まれた位置に設けられた略フラットな面により形成され、収納容器10の搬送等に用いられる所定の吸着グリッドを介して吸着される領域となる。枠状リブ29は、その上端面がトレイ形成体24の上面と同一面上に位置するように設けられている。従って、被吸着部25は、トレイ形成体24の上面より低い位置で当該上面と略平行となるように位置する。なお、枠状リブ29を囲う位置には、当該枠状リブ29と略同一の上端面高さとなる格子状リブ30が設けられている。
【0026】
前記各収納部26は、図3ないし図5に示されるように、上部材14より若干大きい平面形状となる上出し入れ口31及び下出し入れ口32を備えている。上出し入れ口31は、収納部26の上方に設けられて上部材14を出し入れ可能に設けられ、下出し入れ口32は、収納部26の下方に設けられて下部材15を出し入れ可能に設けられている。収納部26は、上下の出し入れ口31,32の間に延びる周壁部33と、周壁部33の上下方向中間部から内側に突き出るフランジ部34と、平面視で上出し入れ口31の図3中上下両側に設けられた複数の第1のロック片部35と、下出し入れ口32の図5中左右両側に設けられた複数の第2のロック片部36と、図3及び図5中左右両側に位置する周壁部33に連なる複数の位置決め突部37とを備え、フランジ部34の内側が開放した形状に設けられている。ここにおいて、フランジ部34及び第1のロック片部35により第1の位置決め部が構成され、フランジ部34及び第2のロック片部36により第2の位置決め部が構成される。
【0027】
図3において、上下及び左右に位置する周壁部33には、一対の切欠部38がそれぞれ形成されている。各切欠部38は、図3及び図4に示されるように、トレイ形成体24からフランジ部34に亘って形成されているとともに、第1又は第2のロック片部35,36を受容する大きさに設けられている。
【0028】
前記第1のロック片部35は、切欠部38の内側にそれぞれ設けられており、図6及び図7に示されるように、上下方向に沿って位置するとともに、その上端に内方に突出する突出部40を備えている。突出部40は、断面視略半円弧状に形成されており、上出し入れ口31から収納部26内に上部材14を収納したときに、当該上部材14の本体部17外周部分に係合可能に設けられている。また、第1のロック片部35は、その下端側における幅方向両側で連結片41,41を介して切欠部38の内周面側に連結され、当該連結片41,41や第1のロック片部35自体が弾性変形することで、上部側が揺動できるようになっている。
【0029】
前記第2のロック片部36は、図7及び図9に示されるように、前記第1のロック片部35の上下の向きを反対とした形状と同様の形状をなしている。従って、第2のロック片部36の構成には、第1のロック片部35と同一符号を付し、説明を以下のように簡略とする。第2のロック片部36の突出部40は、下出し入れ口31から収納部26内に下部材15を収納したときに、当該下部材15の本体部17外周部分に係合可能となる。
【0030】
前記位置決め突部37は、図3左右両側に位置する周壁部33の上下両側であって、図7中フランジ部34を挟む上下両側にそれぞれ設けられている。位置決め突部37は、収納部26内に上部材14及び下部材15を収納したときに、前記凹部22の内部に受容される位置に設けられている。従って、図3、図5に示される位置から、上部材14及び下部材15を時計回り又は反時計回りに90°回転させた状態で収納部26内に収納しようとすると、位置決め突部37と前記本体部17の外周側領域17Aとが干渉し、収納部26にチップトレイ11を収納できないようになっている。
【0031】
ここで、図6及び図8に示されるように、収納部26に上部材14及び下部材15を収納した状態でのチップトレイ11全体の上下厚みは、収納トレイ12の上下厚みと略同一に設定されている。しかも、上部材14における第1の突起18の上端面がトレイ形成体24の上面からはみ出さず、且つ、下部材15の方形状リブ20の下面が枠状体27の下部より上方に位置してはみ出さないようになっている。
【0032】
前記枠状体27は、トレイ形成体24の外周側から垂下しており、その上部にトレイ形成体24の上面より低い高さとなる段部27Aを備えている。ここで、図11に示されるように、複数の収納容器10を上下に積み重ねた場合、前記段部27A上に、他の収納容器10の枠状体27の下端面が載置されて嵌り合う。なお、図1中上下両側に位置する枠状体27の左右両側には、下向き凹状(図2参照)をなす凹み部43がそれぞれ形成されている。また、枠状体27の図2中左右両側には、正面視で鈎状をなすフック部44が連なって設けられている。
【0033】
以上の構成において、収納容器10にチップCを収納する場合、先ず、図4に示されるように、チップCの四辺が下部材15の四つの第1の突起18にそれぞれ対向するように本体部17上に載置する。次いで、下部材15の各凹部22内に前記位置決め突部37が受容されるように当該下部材15の向きを設定し、前記下出し入れ口32から収納部26内に押し入れる。このとき、下部材15の外周側領域17Aが第2のロック片部36の突出部40の表面を滑動し、第2のロック片部36が外側に倒伏するように変形する。そして、下部材15の外周側領域17Aの上面がフランジ部34に略接触した状態で第2のロック片部36が初期位置に復帰し、下部材15の外周側領域17Aがフランジ部34と第2のロック片部36とにより上下に挟み込まれ、下部材15の上下方向の位置決めが行われる。
【0034】
その後、上部材14も下部材15と同様に向きを設定した後、前記上出し入れ口31から収納部26内に押し入れる。すると、上部材14により第1のロック片部35が前記第2のロック片部36と同様に変形した後、上部材14の外周側領域17Aがフランジ部34と第1のロック片部35とにより上下に挟み込まれ、上部材14の上下方向の位置決めが行われる。このように、上部材14及び下部材15が収納された状態で、下部材15の段部17B及びこれに沿う第1の突起18と、上部材14の方形状リブ20とが相互に嵌め合って上部材14及び下部材15が上下に組み合わされる。また、下部材15上の各チップCの上方に上部材14の第2の突起19が位置し、チップCの浮き上がりが防止された状態となって上部材14により下部材15が閉蓋される。
なお、他の各収納部26に対しても、チップCを収納したチップトレイ11を同様に収納することにより、図1に示される状態となる。
【0035】
この状態において、前述の下部材15と同様に、上部材14の上方にも複数枚のチップCを収納することができる。これらのチップCは、図11に示されるように、上下に二つの収納容器10を重ねることにより、上方領域が覆われることとなる。このとき、上部材14の上部にチップCを収納した図11中下方の収納容器10に対し、他の収納容器10を上方から重ね合わせたときに、当該他の収納容器10の下部材15における第2の突起19が各チップCの上方にそれぞれ位置した状態となる。換言すれば、下方の収納トレイ12に収納された上部材14の本体部17と、上方の収納トレイ12に収納された下部材15の第2の突起19とによりチップCを挟み込んで当該チップCの厚み方向の移動を規制可能となっている。
これにより、
【0036】
ここで、収納容器10からチップCを取り出す場合、強制的な外力を付与し、上部材14を上出し入れ口31側に引き出したり、下部材15を下出し入れ口32側に引き出したりすることにより、第1及び第2のロック片部35,36による位置決めを解除する。これにより、上部材14及び下部材15の少なくとも一方を収納部26から取り出すことで、チップCが表出し、当該チップCの取り出しを行えるようになる。
【0037】
なお、収納部26へのチップトレイ11の収納において、上部材14及び下部材15の何れか一方だけを収納することが可能である。このとき、上部材14はフランジ部34と第1のロック片部35とにより上下に挟み込まれ、下部材15はフランジ部34と第2のロック片部36とにより上下に挟み込まれるので、上部材14及び下部材15を組み合わせなくても、それらの収納部26内での上下方向の位置決めを相互に独立して行うことができる。これにより、例えば、上部材14にチップCを収納し、当該上部材14だけを収納部26に収納したり、二つの収納容器10を重ねる場合、上方に位置する収納容器10の収納部26に下部材15だけ収納し、当該下部材15により、上方の収納容器10の上部材14に収納されたチップCの浮き上がりを防止したりすることが可能となる。
【0038】
従って、このような実施形態によれば、上部材14及び下部材15の何れか一方だけを収納しても、それらの上下動を規制できるので、収納工程の簡略化を図ることが可能となる他、上部材14及び下部材15、チップCを安定して収納することができる。
また、図11に示されるように、下方の収納容器10の上部材14上のチップCが上下方向から挟み込まれるので、二つの収納容器10を重ね合わせたまま裏返すことで、当該チップCが位置ずれしないように容易に反転でき、チップCの両面を通電検査するテスト工程等を迅速に行えるようになる。
【0039】
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施形態に対し、形状、位置若しくは方向、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0040】
例えば、前記実施形態において、収納部26の設置数を必要に応じて増減してもよく、また、複数の収納部26に対して少なくとも一つのチップトレイ11を収納させるようにすればよい。
また、チップトレイ11と収納トレイ12に異なる色を施してもよく、これにより、収納トレイ12に対するチップトレイ11の着脱をよりスムースに行うことができる。
更に、上部材14及び下部材15は、チップCの平面サイズや収納許容数に応じて、種々の設計変更を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施形態に係る収納容器の概略平面図。
【図2】図1の正面図。
【図3】図1の要部拡大平面図。
【図4】図1の要部拡大分解斜視図。
【図5】上部材の底面部。
【図6】図3のA−A線に沿う断面図。
【図7】図6の分解断面図。
【図8】図3のB−B線に沿う断面図。
【図9】図8の分解断面図。
【図10】チップトレイを省略した図1と同様の平面図。
【図11】二つの収納容器を重ねた状態を示す図6と同様の断面図。
【符号の説明】
【0042】
10・・・収納容器、11・・・チップトレイ(第1の収納体)、12・・・収納トレイ(第2の収納体)、14・・・上部材、15・・・下部材、26・・・収納部、31・・・上出し入れ口、32・・・下出し入れ口、34・・・フランジ部(第1及び第2の位置決め部)、35・・・第1のロック片部(第1の位置決め部)、36・・・第2のロック片部(第2の位置決め部)、C・・・チップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のチップを収納する少なくとも一つの第1の収納体と、当該第1の収納体を複数収納可能に設けられた第2の収納体とを含む収納容器において、
前記第1の収納体は、上下に重ね合わせ可能な上部材及び下部材からなり、これら上部材及び下部材は、少なくとも上面側にチップを収納可能にそれぞれ設けられ、
前記第2の収納体は、収納した上部材の上下方向の位置決めを行う第1の位置決め部と、収納した下部材の上下方向の位置決めを行う第2の位置決め部とを備えていることを特徴とする収納容器。
【請求項2】
前記第1の収納体は、第2の収納体に前記上部材及び下部材を収納した状態での上下厚が、第2の収納体の上下厚と略同一に設定されていることを特徴とする請求項1記載の収納容器。
【請求項3】
前記第2の収納体は、他の収納容器の第2の収納体に上下に重ね合わせ可能に設けられ、前記各第2の収納体を上下に重ねたときに、下方の第2の収納体に収納された上部材と、上方の第2の収納体に収納された下部材とによりチップを挟み込んで当該チップの厚み方向の移動を規制可能に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の収納容器。
【請求項4】
第2の収納体は、上下にそれぞれ出し入れ口を有する収納部を備え、上方の出し入れ口から上部材を出し入れ可能に設けられている一方、下方の出し入れ口から下部材を出し入れ可能に設けられていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−18299(P2010−18299A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178745(P2008−178745)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】