説明

収納構造

【課題】ガス機器本体(4)の上に緩衝材を介して別体のガスコード(40)が収納される収納構造に関し、両者共に傷を付けることなく安定した状態で一つの収納箱(2)内に容易に収納できるようにすること。
【解決手段】ガス機器本体(4)の上面の左右端部に各々載置させる一対の上緩衝パッド(3)と、上緩衝パッド(3)の上面の略全域を覆うように両者間に架設される矩形の緩衝板(1)とから緩衝材を構成し、緩衝板(1)上の四隅に緩衝隆起部(15)を突設させ、緩衝隆起部(15)で囲まれる空間(20)はガスコード(40)がちょうど収納される大きさとし、収納箱(2)の上方開放端を蓋体(21)(22)で閉塞させたとき、蓋体(21)(22)によって緩衝隆起部(15)の上面が押圧されるように緩衝隆起部(15)の高さが設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納構造、特に、緩衝材を介してガス機器本体とガスコードとを同時に収納箱内に収納できる収納構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスファンヒーターのような使用時期が限定されるガス機器本体は、不使用時には収納箱内に収納され、使用時期になると、使用者が、ガス機器本体を収納箱から取り出して使用される。
ガス機器本体をガス栓に繋ぐためのガスコードはガス機器本体とは別売りのため、ガス機器本体用の収納箱内には、ガスコードを収納するためのスペースが確保されていない。よって、ガスコードを、ガス機器本体とは別梱包でそれぞれ別個に保管すると、ガス機器本体の次の使用時期にガスコードを探す手間がかかるといった問題がある。
収納箱内に収納されたガス機器本体の上方または側方の隙間にガスコードを直接収納した場合では、収納箱の移動によって、ガスコードが収納箱内でがたついたり、収納箱の底近くに落下したりすることにより、ガスコードがガス機器本体に擦れて傷をつけてしまうおそれがある上に、ガス機器本体に引っ掛かっていたり、又は、収納箱の底に落ちている場合では、次回の使用時にガスコードを収納箱から取り出しにくいといった不都合がある。
特開平9−182695号公報には、機器本体(掃除機)の上方に、段ボール紙製の緩衝板を介して、機器本体とは別体のホースや吸込具等を載置して収納する収納構造が開示されている。このものでは、ホースや吸込具等の附属部品と製品との間に段ボール紙製の緩衝材を介在させることにより、両者の直接的な接触が回避され、機器本体に前記附属部品によって傷が付く不都合を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−182695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このものでは、前記緩衝板は収納箱内で固定されていない上に、ホースや吸込具等の各種部品も緩衝板上で固定されていないから、収納箱の移動に伴って各種部品が緩衝板上を移動し不安定である上に、附属品相互がぶつかりあって傷付く不都合や、それらの重みによって段ボール紙が下方へ部分的に押され、機器本体に段ボール紙が直接擦れて機器本体が傷付くといった不都合がある。
特に、機器本体がガスファンヒーターの場合、操作部等は、機器本体の上面に形成されているから、段ボール紙や他の緩衝材が直接当接することは好ましいものではない。
本発明は、ガス機器本体とそれとは別体のガスコードを、相互に傷を付けることなく安定した状態で一つの収納箱内に容易に収納できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の収納構造は、
上方開放の収納箱内にガス機器本体をガスコードと共に収納する収納構造であって、前記ガスコードは前記ガス機器本体の上に緩衝材を介して載置されると共に、前記収納箱の上方開放部は蓋板によって閉塞される形式の収納構造において、
前記緩衝材は、前記ガス機器本体の上面の左右端部に各々載置させる一対の上緩衝パッドと、前記上緩衝パッドの上面の略全域を覆うように前記上緩衝パッド間に架設される矩形の緩衝板とからなり、
前記緩衝板上の四隅に緩衝隆起部を突設させると共に、前記緩衝隆起部で囲まれる空間は、巻き取られたガスコードがちょうど収納可能な大きさに設定され、
前記緩衝隆起部の突出高さは、前記収納箱の上方開放端を前記蓋体で閉塞させたとき、前記蓋体によって前記緩衝隆起部の上面が押圧される高さに設定されているものである。
【0006】
上記構成によれば、上方開放の収納箱内にガス機器本体を収納し、ガス機器本体の上面の左右端部に上緩衝パッドをそれぞれ載置し、それらの上面を被覆するように緩衝板を架設させる。これにより、ガス機器本体の上方に、上緩衝パッドの高さ分の隙間が形成されると共に、緩衝板上の4つの緩衝隆起部で囲まれた部分にガスコード収納用の空間が形成される。前記空間は、巻き取ったガスコードがちょうど収納される大きさに設定されてあるから、ガスコードはがたつくことなく、前記空間内に収納される。
ガスコードの収納後、蓋体で収納箱の上方開放端を閉塞させると、各緩衝隆起部が蓋体によって下方へ押圧され、それに伴って、緩衝板の四隅が各上緩衝パッドの両端をそれぞれ下方へ押圧する。これにより、上緩衝パッドはガス機器本体の上面に移動阻止状態に固定される。
【0007】
前記収納構造において、
前記緩衝板の上面の、前記緩衝隆起部で囲まれた範囲に、前記ガス機器本体と前記ガスコードが前記緩衝材を介して前記収納箱内に収納される様子を示す図柄や文字が描かれているものでは、ガス機器本体を収納箱内に再収納する際に、ガス機器本体を取り出した後の収納箱内に入れたまま放置していた緩衝材等を収納箱から一旦取り出すが、このとき、収納作業者は必然的に緩衝板に描かれている図柄や説明文を目にする。これにより、別売りのガスコードもガス機器本体の収納箱に同梱できることを使用者に気付かせることができる。
【0008】
前記収納構造において、
前記緩衝板に把持部が設けられているものでは、緩衝板を収納箱から取り出す際に、把持部を持って引き上げれば、緩衝板が収納箱内に略密嵌状態に収納されている場合でも、収納箱から容易に取り出すことができる。
【0009】
前記収納構造において、
前記緩衝板は一枚の矩形の段ボール紙からなり、前記段ボール紙の対向する各辺に沿って、複数の平行な折り曲げ線が設けられていると共に、前記折り曲げ線形成域の中央の所定範囲に打抜き孔部が前記折り曲げ線を中断するように形成され、
前記緩衝隆起部は、前記段ボール紙を前記折り曲げ線に沿って上方へ順に折り曲げることにより立設される中空筒状体とし、
前記中空筒状体の形状を維持するための係合部が前記緩衝板の所定位置に設けられているものでは、前記段ボール紙を前記折り曲げ線に沿って端から順に折り曲げていくと、前記打抜き孔部の両側に中空筒状の緩衝隆起部が形成される態様となり、その形状は係合部を係合させておくことにより保持することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上記構成であるから次の特有の効果を有する。
ガス機器本体を収納箱に収納後、上緩衝パッドと緩衝板からなる緩衝材をセットする。緩衝板上の緩衝隆起部で囲まれた空間内に重量のあるガスコードを収納して緩衝板が下方に撓んでも、前記緩衝板とガス機器本体との間には隙間が形成されているから、緩衝板がガス機器本体の上面に直接当接することはない。よって、緩衝板がガス機器本体の上面に摺れて傷付けたり、操作部が緩衝板によって不用意に押されたりして、ガス機器本体を損傷させることがないから、ガス機器本体を確実に保護した状態でガスコードと共に収納することができる。
上緩衝パッドは、蓋体及び緩衝板で押圧されることによりガス機器本体上にて移動阻止状態に固定され、ガスコードは、巻き取った状態にて、緩衝板上の空間内に安定した状態で収納されるから、収納箱内で緩衝材やガスコードががたついて、不用意に緩衝材がずれたり、ガスコードが落下したりする不都合がなく、ガスコードを常に安定した状態で収納することができる。
又、緩衝板に所定の印刷を施すことにより、ガス機器本体を再梱包する際に、ガスコードの収納方法を収納作業者に気付かせることができるようにしたものでは、ガスコードをガス機器本体と共に容易に且つ正確に収納箱に収納することができる。
さらに、緩衝板に把持部を突設させたものでは、緩衝板の収納箱からの取り出しが容易となり、緩衝板と緩衝隆起部を一枚の段ボール紙で構成できるようにしたものでは、部品点数が少なくでき、安価で且つ製作が容易な、緩衝隆起部付きの緩衝材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態の収納構造を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態の収納構造に採用する緩衝板の展開図である。
【図3】本発明の実施の形態の収納構造の要部拡大断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の収納構造の収納箱の蓋体を開いた状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態の収納構造の収納状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態の収納構造に採用する緩衝板の変形例の展開図である。
【図7】図6に示す緩衝板を組み立てた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1に示すものは、本発明実施の形態の収納構造を示す分解斜視図であり、特に、ガス機器本体としてのガスファンヒーター(4)をガスコード(40)と共に収納する様子を示している。
収納箱(2)は、ガスファンヒーター(4)が収納可能な上方開放の縦長矩形箱体であり、上方開放端の各辺には、蓋体となるフラップ(21)(22)が基端部で折り曲げ可能に連設されている。
【0013】
ガスファンヒーター(4)を収納するには、まず、収納箱(2)の底面の両短辺に沿うように、一対の下緩衝パッド(30)(30)をそれぞれ収納する。下緩衝パッド(30)(30)はパルプモールドからなり、底部の長辺長さは収納箱(2)の短辺長さに略一致していると共に、ガスファンヒーター(4)の下端両側部を収納可能な段部(31)がそれぞれ上方及び内方に開放するように形成されている。ガスファンヒーター(4)は、段部(31)(31)上に、下シート(32)を介して架設されるように載置される。
下緩衝材(30)(30)は収納箱(2)の底部において前記短辺側に密嵌状態に略固定された状態に収納されるから、下緩衝材(30)(30)の段部(31)(31)に下端両側部が嵌め込まれた状態で載置されるガスファンヒーター(4)は、収納箱(2)内において不用意にずれたり、移動したりすることなく、略固定状態に維持される。
【0014】
そして、ガスファンヒーター(4)の上面の左右両端部に、一対の上緩衝パッド(3)(3)を、上シート(33)を介して載置させる。上緩衝パッド(3)(3)もパルプモールド製であり、ガスファンヒーター(4)の上面の左右両端部をそれぞれちょうど嵌め込み可能な凹み部(34)(34)が下方及び内方に開放する形状となっている。尚、凹み部(34)(34)は、ガスファンヒーター(4)の上面の操作部(41)に接触しないように構成されている。
ガスファンヒーター(4)に載置させた状態の上緩衝パッド(3)(3)の上端に、緩衝板(1)を架設させる。
【0015】
緩衝板(1)は、図2に示すように、1枚の長方形状の段ボール紙から構成されているもので、両短辺に沿って、端から順に、それぞれ第1〜第4折り曲げ線(11)〜(14)が形成されていると共に、第1折り曲げ線(11)から第3折り曲げ線(13)に至る範囲に、第1折り曲げ線(11)及び第2折り曲げ線(12)の中央部分を中断する打抜き孔(10)が形成されている。又、第3折り曲げ線(13)から、打抜き孔(10)内に突出するように、略U字状の把持部(16)が連設されている。
さらに、対向する第4折り曲げ線(14)(14)間には、ガスファンヒーター(4)と、これとは別売りのガスコード(40)を収納箱(2)内に同梱させる収納方法を示す図柄や説明文からなる表示部(19)が印刷されている。
第1〜第4折り曲げ線(11)〜(14)を端から順に折り曲げていくと、図1に示すように、矩形の中空筒状体がそれぞれ形成されると共に、打抜き孔(10)形成域は、前記中空筒状体の中央に形成された切欠部(23)として現れる。すなわち、切欠部(23)の両側に中空筒状体からなる緩衝隆起部(15)が形成される態様となり、切欠部(23)の形成域から、把持部(16)が突出する態様となる。把持部(16)は、その基端部である第3折り曲げ線(13)に沿って折り曲げ可能であり、内側に二つ折り可能な高さに設定されている。
【0016】
4つの緩衝隆起部(15)で囲まれた緩衝板(1)上の空間(20)の底部には上述した表示部(19)が印刷されてあり、この上に、最大8mのガスコード(40)が、丸く巻き取られた状態で収納される。
ガスコード(40)は、図3に示すように、切欠部(23)(23)内に円弧の一部がそれぞれ嵌まり込むように収納される。このため、ガスコード(40)は、緩衝板(1)上に略固定されることとなり、空間(20)内に安定した状態に収納される。
【0017】
尚、緩衝隆起部(15)の形状を維持するために、第4折り曲げ線(14)よりも内方の所定位置に、略コ字状に打抜いてなる一対の係合片(17)が形成されていると共に、係合片(17)の基端部を90度以上上方に折り曲げたとき、係合片(17)がちょうど対応する緩衝隆起部(15)の所定位置に、係合片(17)が抜け止め状態に嵌まり込む係合孔(18)がそれぞれ形成されている。
緩衝板(1)は、第1〜第4折り曲げ線(11)〜(14)を順に折り曲げて、係合片(17)を係合孔(18)に抜け止め状態に係合させることにより、四隅に緩衝隆起部(15)を突設させた組み立て完了状態となり、この状態にて、図4に示すように、収納箱(2)内に密嵌状態に収納される大きさ形状となるように設定されている。
又、緩衝板(1)を上緩衝パッド(3)(3)に架設させた状態にて、緩衝隆起部(15)の上面が収納箱(2)の上方開放端と同じ高さに位置するか又はそれよりもわずかに突出するように、上緩衝パッド(3)或いは緩衝隆起部(15)はそれぞれ所定の高さに設定されている。
【0018】
上下緩衝パッド(3)(30)や緩衝板(1)等は、一般に、ガスファンヒーター(4)を取り出した後には収納箱(2)内に入れたまま放置されているから、ガスファンヒーター(4)を収納箱(2)に再収納させる際には、まず、これら上下緩衝パッド(3)(30)や緩衝板(1)等を一旦収納箱(2)から取り出す必要がある。このとき、収納作業者は、緩衝板(1)の上面に印刷されている表示部(19)を必然的に目にする。これにより、収納作業者にガスファンヒーター(4)の収納の手順を容易に理解させることができる上に、ガスコード(40)も同梱できることを気付かせることができる。
【0019】
表示部(19)の図柄や説明文に従って、収納箱(2)内に、下緩衝パッド(30)(30)、下シート(32)、ガスファンヒーター(4)、上緩衝パッド(3)(3)を順に収納していき、上緩衝パッド(3)(3)の上に緩衝板(1)を架設させると、図3に示すように、ガスファンヒーター(4)の上面と緩衝板(1)との間には隙間(S)が形成されると共に、収納箱(2)の上方開放端部は、図4に示すように、緩衝板(1)によって全域的に閉塞される態様となる。
そして、緩衝板(1)上の緩衝隆起部(15)で囲まれた空間(20)内に、丸く巻き取ったガスコード(40)を収納し、その上を覆うように、フラップ(22)及びフラップ(21)を順に内側に折り曲げて、フラップ(21)(21)の対向辺上に粘着テープ(42)を貼着させて収納箱(2)の上方開放端部は閉塞すれば、図5に示すように、ガスファンヒーター(4)とガスコード(40)との再収納作業は完了する。
【0020】
フラップ(21)(22)による閉塞の邪魔にならないように、把持部(16)は、図3の左側の緩衝隆起部(15)内のように、ガスコード(40)の円弧の奥に位置するように、略二つ折り状態に折り曲げておくか、右側の緩衝隆起部(15)内のように、ガスコード(40)の上に重なるように屈曲させておけば良い。
緩衝隆起部(15)の高さは上述したとおりであるから、フラップ(21)(22)を内方に折り曲げて収納箱(2)の上方開放端部を閉塞させると、フラップ(21)(22)が緩衝隆起部(15)の上面を下方へ押圧することとなり、それに伴って、緩衝板(1)のうち、緩衝隆起部(15)が形成されている四隅によって、各上緩衝パッド(3)の両端が下方へ押圧される。これにより、上緩衝パッド(3)は、ガスファンヒーター(4)の上面の左右両端部に略固定状態に載置された状態に維持される。
【0021】
このように、下緩衝パッド(30)は収納箱(2)の底部に略固定され、ガスファンヒーター(4)の下端両側部は下緩衝パッド(30)によって略固定され、上緩衝パッド(3)はガスファンヒーター(4)の上端両側部で略固定され、緩衝板(1)は、収納箱(2)内にて略固定され、ガスコード(40)は緩衝板(1)上の(20)内で略固定される態様で、被収納物を全て収納箱(2)内に収納することができるから、前記被収納物全体の安定性が向上し、ガスファンヒーター(4)及びガスコード(40)を常に安定した状態で次の使用時まで保管することができる。
又、ガスコード(40)の重さによって緩衝板(1)が凹むことがあっても、緩衝板(1)とガスファンヒーター(4)の上面との間には、隙間(S)が形成されているから、ガスファンヒーター(4)の上面に緩衝板(1)が摺れて、ガスファンヒーター(4)の上面を傷付けたり、操作部(41)が不用意に押されたりする不都合はない。
次回の使用時に、貼着テープ(42)を剥がして収納箱(2)の上方開放端部を開放させればすぐにガスコード(40)を見つけることができ、ガスコード(5)を取り出した後、緩衝板(1)の下方に収納されているガスファンヒーター(4)を取り出す際には、図4に示すように、折り曲げられて収納されていた把持部(16)を上方に突出させて、この把持部(16)を持って引き上げれば、密嵌状態に嵌め込まれている緩衝板(1)を容易に収納箱(2)から取り出すことができるから、ガスコード(40)及びガスファンヒーター(4)の取り出しが容易である。
【0022】
この収納構造では、ガスファンヒーター(4)等のガス機器本体を収納する際に、それとは別売りのガスコード(40)も安定した状態で同時に収納することができるから、次の使用時期に別収納したガスコード(40)が見当たらなくて探すといった手間が省ける。又、ガスコード(40)はガスファンヒーター(4)の上方に収納したから、収納箱(2)の奥底に手を入れて取り出すこともないし、ガスコード(40)のような重量のある部品を収納しても、緩衝板(1)がガスファンヒーター(4)に当接したり、操作部(41)に接触したりすることがないから、ガスファンヒーター(4)は、収納中に梱包材によって損傷するといった不都合もない。
尚、緩衝板(1)上には、ガスコードのほか、他の附属品や取扱説明書も載置して収納しておくことも可能である。
【0023】
図6は、緩衝板(1)の変形例の展開図であり、図7は、それの組み立て状態を示す斜視図である。
このものでは、上記実施の形態にて打抜き孔(10)内に突設させた略U字状の把持部(16)に代えて、緩衝板(1)の両長辺の中央部分に、2本の切込み(24)をそれぞれ設け、これら切込み(24)間を基端部で上方へ折り曲げて、図7に示すように起立させることにより、把持部(25)を構成するようにしたものである。
【符号の説明】
【0024】
(1) ・・・・・・緩衝板
(15)・・・・・・緩衝隆起部
(2) ・・・・・・収納箱
(20)・・・・・・空間
(21)(22)・・・・蓋体(フラップ)
(3) ・・・・・・前記上緩衝パッド
(4) ・・・・・・ガス機器本体(ガスファンヒーター)
(40)・・・・・・ガスコード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方開放の収納箱内にガス機器本体をガスコードと共に収納する収納構造であって、前記ガスコードは前記ガス機器本体の上に緩衝材を介して載置されると共に、前記収納箱の上方開放部は蓋板によって閉塞される形式の収納構造において、
前記緩衝材は、前記ガス機器本体の上面の左右端部に各々載置させる一対の上緩衝パッドと、前記上緩衝パッドの上面の略全域を覆うように前記上緩衝パッド間に架設される矩形の緩衝板とからなり、
前記緩衝板上の四隅に緩衝隆起部を突設させると共に、前記緩衝隆起部で囲まれる空間は、巻き取られたガスコードがちょうど収納可能な大きさに設定され、
前記緩衝隆起部の突出高さは、前記収納箱の上方開放端を前記蓋体で閉塞させたとき、前記蓋体によって前記緩衝隆起部の上面が押圧される高さに設定されている収納構造。
【請求項2】
請求項1に記載の収納構造において、前記緩衝板の上面の、前記緩衝隆起部で囲まれた範囲に、前記ガス機器本体と前記ガスコードが前記緩衝材を介して前記収納箱内に収納される様子を示す図柄や文字が描かれている収納構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の収納構造において、前記緩衝板に把持部が設けられている収納構造。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の収納構造において、前記緩衝板は一枚の矩形の段ボール紙からなり、前記段ボール紙の対向する各辺に沿って、複数の平行な折り曲げ線が設けられていると共に、前記折り曲げ線形成域の中央の所定範囲に打抜き孔部が前記折り曲げ線を中断するように形成され、
前記緩衝隆起部は、前記段ボール紙を前記折り曲げ線に沿って上方へ順に折り曲げることにより立設される中空筒状体とし、
前記中空筒状体の形状を維持するための係合部が前記緩衝板の所定位置に設けられている収納構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−111207(P2011−111207A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271364(P2009−271364)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000115854)リンナイ株式会社 (1,534)
【Fターム(参考)】