説明

収納箱

【課題】仕切壁をより強力に補強すると共に収納物の収納を妨げない収納箱を提供すること
【解決手段】収納箱は外装箱と、外装箱の内部に配置され、折り曲げられることによって外装箱の内部空間を仕切る仕切部材と、を有する。仕切部材は、底面壁11と、底面壁に対して起立して外装箱の内部空間を、電子機器を収納する第1の収納部と、前記電子機器の付属品を収納する第2の収納部に仕切ると共に、前記底面壁に垂直な方向から見たときに前記第1の収納部の一部が前記第2の収納部に突出するように折り曲げられている仕切壁21と、仕切壁と外装箱の側壁との間の第2の収納部に配置され、仕切壁の第1の収納部側に突出した第1の部分と第1の部分から第2の収納部側に退避した第2の部分に接触する補強壁24と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器とその付属品の収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、外箱の内部に内箱を設け、内箱は、四角形の底壁部の4辺から立ち上がる4つの側壁部と、外箱の内部空間を仕切る仕切部材と、を有する。特許文献2は、底壁と側壁と仕切壁とを備え、仕切壁は側壁のうちの仕切壁用側壁に連続するフラップ部を折り畳んで仕切壁用側壁と間隔を空けて底壁に立設されるように構成され、底壁には仕切壁の補強手段が設けられている収納箱を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−166852号公報
【特許文献2】特開2007−284116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2の補強手段としての起立させた舌片は収納部に入り込むので、本体や付属品の収納に邪魔になる場合があり、また、仕切壁の一部を支えるのみなので、衝撃で仕切壁に大きな力がかかった場合に途中で折れ曲がる可能性もある。
【0005】
そこで、本発明は、仕切壁をより強力に補強すると共に収納物の収納を妨げない収納箱を提供することを例示的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の収納箱は、外装箱と、当該外装箱の内部に配置され、折り曲げられることによって前記外装箱の内部空間を仕切る仕切部材と、を有する収納箱であって、前記仕切部材は、底面壁と、前記底面壁に対して起立して前記外装箱の内部空間を、電子機器を収納する第1の収納部と、前記電子機器の付属品を収納する第2の収納部に仕切ると共に、前記底面壁に垂直な方向から見たときに前記第1の収納部の一部が前記第2の収納部に突出するように折り曲げられている仕切壁と、前記仕切壁と前記外装箱の側壁との間の前記第2の収納部に配置され、前記仕切壁の第1の収納部側に突出した第1の部分と前記第1の部分から第2の収納部側に退避した第2の部分に接触する補強壁と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、仕切壁をより強力に補強すると共に収納物の収納を妨げない収納箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施例の収納箱の分解斜視図である。
【図2】図1に示す仕切部材の斜視図である。
【図3】図2に示す仕切部材の展開図(平面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、上面が開放された状態の本実施例の収納箱の分解斜視図である。収納箱は、デジタル一眼レフカメラなどの電子機器とその付属品(バッテリチャージャーやAVケーブルなど)を収納する。収納箱は、外装箱1、外装箱1に収納されて段ボール(紙部材)を折り曲げることによって構成される仕切部材2、仕切部材2の上に置かれてマニュアル等を載せるためのトレイ3を有する。本実施例の電子機器は、デジタルカメラ本体(電子機器本体)4であり、前方に突き出た鏡筒部4a、グリップ部4b、後方に突き出た電子ビューファインダー(EVF)4c等を有する。本実施例の付属品は、図1中ではバッテリー5、バッテリー5の充電器6、電源コード7である。
【0010】
図2は仕切部材2の斜視図であり、図3はその展開図(平面図)である。仕切部材2は、外装箱1の内部に配置され、折り曲げられることによって外装箱の内部空間を仕切る。図2及び図3において、底面壁11は鉛直方向に対して垂直に、即ち地面に対して水平になるように配置されるである。前面壁12は底面壁11から立ち上がり、内側に180度折り返される前面折り返し部13とフラップ部14を有する。後面壁15は底面壁11から立ち上がり、前面壁12同様に、内側に180度折り返される後面折り返し部16とフラップ部17を有する。前面壁12および後面壁15を内側に折り返すことによって、本体収納部の幅を調節してデジタルカメラ4の左右方向の動きを規制するとともに、段ボールによる緩衝作用の向上を図っている。
【0011】
側面壁18は底面壁11から立ち上がり、側面折り返し部19は内側に折り返され、側面壁18および側面折り返し部19によって前面壁12のフラップ部14および後面壁15のフラップ部17を狭持する。
【0012】
この時、側面壁18の折り返し部19に設けられた爪部19aおよび19bが折り返し部13および後面壁折り返し部16に設けられた凹部13aおよび16aに掛かり、側面壁折り返し部19が浮き上がることを防止する。また、側面壁折り返し部19によって前面壁折り返し部13および後面壁折り返し部16の浮き上がりを防いでいる。
【0013】
また、側面壁18および折り返し部19には穴部20があけられており、本体4から後方に突き出たEVF4cを逃げるようになっている。これにより、落下時の衝撃からEVF4cを保護する。
【0014】
仕切壁21は、底面壁11に対して起立して外装箱1の内部空間を、電子機器を収納する第1の収納部S1と、付属品を収納する第2の収納部S2に仕切る。また、仕切壁21は、底面壁11に垂直な方向(上方向)から見たときに第1の収納部S1の一部が第2の収納部S2に突出するように折り曲げられている。
【0015】
本実施例では、仕切壁21は罫線22および23によって上方向から見たときにクランク状に折り曲げられるが、これは単なる一例であり、凸形状や凹形状など他の形状であってもよい。
【0016】
本実施例の仕切壁21の第1の収納部側に突出した凸部(第1の部分)21aと凸部21aから第2の収納部側に退避した部分(第2の部分)21bと凸部21aと21bとを接続する中間の部分21cを有する。本実施例では凸部21aと21bは平行であるが、これは単なる一例である。また、部分21cは凸部21aや21bに対して垂直でもよいし垂直でなくてもよい。
【0017】
この時、仕切壁21の凸部21aが前面壁12および前面折り返し部13の端面に突き当たるように構成されており、クランク状に折り曲げた仕切壁21が内側に倒れこまないように構成されている。
【0018】
電子機器の小型化に伴い、外装箱1も小型化が進められてきたが、デジタル一眼レフカメラなどの電子機器では鏡筒部4aが大きく突き出ているため、特許文献1の内箱のように収納部が四角形状のままでは付属品が収まるスペースが足らなくなる。このため、本実施例のようなクランク形状の仕切壁21は電子機器本体を収納して外装箱1を小型にするうえで有効である。
【0019】
しかしながら、仕切壁21の根元が底面部分と切り離されていれば電子機器を上にして落下させた場合、仕切壁21が、電子機器本体の重量に耐え切れず変形したり、引っ掛け部が外れて電子機器本体や付属品が、収納室から移動したりしてしまうおそれがある。
【0020】
本実施例では、鏡筒部4aの先端が仕切壁21に当たるよりも先にグリップ部4bが仕切壁21にあたるように構成しているので、デジタルカメラ本体4を上にして落下した場合の衝撃が鏡筒に加わることを緩和することができる。即ち、第1の収納部S1を上側に第2の収納部S2を下側になるように収納箱を配置すると、電子機器は、仕切壁21の部分21bよりも凸部21aに先に接触するように仕切壁21は折り曲げられている。
【0021】
24はアクセサリー類を載せるてこれらを支持する補強壁であり、前面壁12を罫線12aで直角に折り曲げて構成されるとともに、バッテリー充電器6の電源コード7と、それ以外の付属品の収納スペースを分けている。
【0022】
本実施例では、図3に示すように、組み立て前(折り曲げ前)の状態では補強壁24と仕切壁21とは隣接して配置されている。また、底面壁11に対して垂直に折り曲げられる(起立する)側壁の一つであるL字形状の前面壁12に一体となっている。これによって、仕切部材2をコンパクトな構成で形成することができる。
【0023】
付属品の一つである電源コード7の電源プラグの形状が仕向け地(国)によって様々であるため、外装箱1は電源プラグ部分のもっとも大きな電源ケーブルに対応する付属品の収納スペースを確保する大きさでなくてはならない。一方、国によってはプラグ部分がバッテリー充電器6に内蔵されており、電源コード7が不必要であり、付属品の収納スペースに隙間が多く発生し、振動や落下で付属品が動き回って問題を起こす可能性がある。
【0024】
補強壁24で電源コード7と、バッテリー充電器6を含む電源コード7以外の付属品の収納スペースを分けることによって電源コード7の同梱如何にかかわらず付属品が外装箱1内で移動することを防止することができる。補強壁24は仕切壁21を補強すると共にその上に付属品を収納するので、補強壁24は収納物の収納を妨げない。
【0025】
補強壁24はL字形状を有し、底面壁11と平行である(本実施例では同一面を形成する)壁部である。図3に示すように、補強壁24を図2に示す二点鎖線で部分的に折り曲げることによって一対の脚部25および26が形成される。
【0026】
補強壁24は、仕切壁21と外装箱1の側壁との間の第2の収納部S2に配置される。また、補強壁24は、凸部21aと21bの両方に接触して仕切壁21を補強しているため、仕切壁21の補強をより強力にしている。即ち、補強壁24は、凸部21aに接触する辺(端面)24aと部分21bに接触する端面(脚部25)を有する。
【0027】
一対の脚部25及び26は、補強壁24を一定の高さに維持する。これにより電源コード7の同梱如何にかかわらず、それ以外の付属品の収納スペースは一定となる。また、脚部25は広い面積で部分21bと接触してこれを補強している。更に、脚部25や26は凸部21aや21bと平行に配置されている。補強壁24は、第2の収納部S2を底面壁11と平行な面によって複数に(本実施例では2つに)分割している。なお、第2の収納部を分割する数は限定されない。
【0028】
補強壁24の辺24aおよび辺(端面)24bは仕切壁21のクランク状に折り曲げられた形状に沿う形状となっており、仕切壁21の略中央付近の高さに位置するように構成されている。辺24bは部分21cに接触する。これにより、仕切壁21のクランク形状を保持するとともに、カメラ本体4を上にして落下させた場合の衝撃を補強壁24の断面方向で受けることができるので、仕切壁21の変形を防ぐことが可能となる。
【0029】
なお、図3に示すように、補強壁24およびその脚部25,26はそれらがない場合の展開寸法内に形成することができるので、補強壁24を設けることで部材コストが上がることはない。本実施例では、補強壁24は底面壁11と一体で同一面を構成するが、これは補強壁24の一部であってもよい。
【0030】
本実施例では補強壁24を仕切部材2と同一部材として説明したが、別部材として実施してもよく、その場合は図3の左上に補強壁24を形成することができる。即ち、仕切部材2の底面壁11、仕切壁21および補強壁24は一枚の段ボール(紙部材)から構成されている。
【産業上の利用可能性】
【0031】
収納箱は電子機器及びその付属品を収納する用途に適用することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 外装箱
2 仕切部材
4 電子機器本体
11 底面壁
12、16、18 側壁
21 仕切壁
24 補強壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装箱と、当該外装箱の内部に配置され、折り曲げられることによって前記外装箱の内部空間を仕切る仕切部材と、を有する収納箱であって、
前記仕切部材は、
底面壁と、
前記底面壁に対して起立して前記外装箱の内部空間を、電子機器を収納する第1の収納部と、前記電子機器の付属品を収納する第2の収納部に仕切ると共に、前記底面壁に垂直な方向から見たときに前記第1の収納部の一部が前記第2の収納部に突出するように折り曲げられている仕切壁と、
前記仕切壁と前記外装箱の側壁との間の前記第2の収納部に配置されて前記付属品を支持すると共に、前記仕切壁の第1の収納部側に突出した第1の部分と前記第1の部分から第2の収納部側に退避した第2の部分に接触する補強壁と、
を有することを特徴とする収納箱。
【請求項2】
前記仕切部材は一枚の紙部材から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の収納箱。
【請求項3】
前記第1の収納部を上側に前記第2の収納部を下側に配置すると、前記電子機器は、前記仕切壁の前記第2の部分よりも前記第1の部分に先に接触するように前記仕切壁は折り曲げられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の収納箱。
【請求項4】
前記補強壁は、前記第2の収納部を前記底面壁と平行な面によって複数に分割することを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載の収納箱。
【請求項5】
前記補強壁は、前記底面壁に平行なL字形状の壁部と、当該L字形状の壁部を部分的に折り曲げることによって形成されて前記L字形状の壁部の高さを維持する一対の脚部を有することを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の収納箱。
【請求項6】
前記仕切部材は、
前記底面壁に対して起立するL字形状の側壁を更に有し、
折り曲げ前の状態では前記補強壁と前記仕切壁とは隣接して配置され、前記補強壁は前記L字形状の側壁と一体であることを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の収納箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−25448(P2012−25448A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−166773(P2010−166773)
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】