説明

受け渡し機構、ステージ装置、搬送装置、露光装置、及びデバイス製造方法

【課題】載置ずれや変形を生じさせることなく基板の受け渡しを行うこと。
【解決手段】基板Pが載置される載置部9aが設けられた基板ホルダ9との間で基板Pの受け渡しを行う受け渡し機構50である。載置部9aに対して上下動する複数の上下動部材55と、少なくとも2つの上下動部材55に架設され、基板Pを支持する少なくとも1つの支持部材51と、を備えている。また、上下動部材55「は、支持部材51における基板Pとの接触部が載置部9aに対して突没するように上下動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受け渡し機構、ステージ装置、搬送装置、露光装置、及びデバイス製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フラットパネルディスプレイ等の電子デバイスの製造工程においては、露光装置や検査装置等の大型基板の処理装置が用いられている。これらの処理装置を用いた露光工程、検査工程では、大型基板(例えばガラス基板)を処理装置に搬送する下記特許文献に開示されるような搬送装置が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−100169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の大型基板の搬送装置においては、基板支持部材に支持された基板を基板保持部へ受け渡した際に基板と基板保持部との間に空気の層が介在することで、受け渡し後の基板に変形が生じたり、基板保持部上の所望の載置位置に対して基板の載置ずれが生じる場合がある。受け渡し後の基板に載置ずれや変形が生じると、例えば露光装置では、基板上の適正な位置に所定の露光を行うことができなくなる等の露光不良の問題が生じる。
【0005】
本発明の態様は、載置ずれや変形を生じさせることなく基板の受け渡しを行うことができる受け渡し機構、ステージ装置、搬送装置、露光装置、及びデバイス製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に従えば、基板が載置される載置部が設けられた基板ホルダとの間で前記基板の受け渡しを行う受け渡し機構であって、前記載置部に対して上下動する複数の上下動部材と、少なくとも2つの前記上下動部材に架設され、前記基板を支持する少なくとも1つの支持部材と、を備え、前記上下動部材は、前記支持部材における前記基板との接触部が前記載置部に対して突没するように上下動する受け渡し機構が提供される。
【0007】
本発明の第2の態様に従えば、基板を保持するステージ装置であって、前記基板が載置される載置部が設けられた基板ホルダと、前記基板ホルダとの間で前記基板の受け渡しを行う本願発明の受け渡し機構と、を備えるステージ装置が提供される。
【0008】
本発明の第3の態様に従えば、本願発明の受け渡し機構と、前記支持部材との間で前記基板の受け渡しを行うアーム機構と、を含む搬送装置が提供される。
【0009】
本発明の第4の態様に従えば、露光光で基板を露光する露光装置であって、前記基板を保持する本願発明のステージ装置と、前記ステージ装置の前記基板ホルダに載置される前記基板に前記露光光を照射する照射装置と、を備える露光装置が提供される。
【0010】
本発明の第5の態様に従えば、本発明の露光装置を用いて、前記基板に前記パターンを転写することと、前記パターンが転写された前記基板を該パターンに基づいて加工することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の態様によれば、載置ずれや変形を生じさせることなく基板の受け渡しを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】露光装置の全体概略を示す断面平面図である。
【図2】搬送ロボットの外観斜視図である。
【図3】プレートホルダの平面構成を示す図である。
【図4】プレートホルダにおける側面図である。
【図5】プレートホルダの要部構成を示す断面構成図である。
【図6】搬送ロボットの動作を説明するための斜視図である。
【図7】プレートホルダへの基板の受け渡し工程を説明するための図である。
【図8】図7に続く基板の受け渡し工程を説明するための図である。
【図9】図8に続く基板の受け渡し工程を説明するための図である。
【図10】第二実施形態に係る基板支持部の要部構成を示す拡大図である。
【図11】第二実施形態に係るプレートホルダの側面図である。
【図12】第二実施形態に係る基板の受け渡し工程を説明するための図である。
【図13】別の形態に係る保持部の構造を示す図である。
【図14】マイクロデバイスの製造工程の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明はこれに限定されることはない。以下では、本発明に係る搬送装置を備え、感光剤を塗布された基板に対して液晶表示デバイス用パターンを露光する露光処理を行う露光装置について説明するとともに、本発明に係る受け渡し機構、ステージ装置、搬送装置、及びデバイス製造方法の一実施形態についても説明する。
【0014】
図1は、本実施形態の露光装置の概略構成を示す断面平面図である。露光装置1は、基板に液晶表示デバイス用パターンを露光する露光装置本体3と、搬送ロボット4と、搬出入部5と、を備えており、これらは高度に清浄化され、且つ所定温度に調整されたチャンバ2内に収められている。本実施形態において、基板は、大型のガラスプレートであり、その一辺のサイズは、例えば500mm以上である。
【0015】
図2は、露光装置本体3、及びこの露光装置本体3に基板Pを搬送する搬送ロボット4の外観斜視図である。露光装置本体3は、マスクMを露光光ILで照明する不図示の照明系と、液晶表示デバイス用パターンが形成されたマスクMを保持する不図示のマスクステージと、このマスクステージの下方に配置された投影光学系PLと、投影光学系PLの下方に配置されたベース8上を2次元的に移動可能に設けられた基板ホルダとしてのプレートホルダ(基板保持部)9と、プレートホルダ9を保持するとともに該プレートホルダ9を移動させる移動機構33とを備えている。また、露光装置本体3は、プレートホルダ9に基板Pを受け渡すための受け渡し機構50を含んでいる。受け渡し機構50とプレートホルダ9とは、本発明のステージ装置を構成している。また、受け渡し機構50と搬送ロボット4とは、本発明の搬送装置を構成している。
【0016】
なお、以下の説明においては、ベース8に対するプレートホルダ9の2次元的な移動が水平面内で行われるものとし、この水平面内で互いに直交する方向にX軸およびY軸を設定している。基板Pに対するプレートホルダ9の保持面は、基準の状態(例えば、基板Pの受け渡しを行う時の状態)において水平面に平行とされる。また、X軸およびY軸と直交する方向にZ軸を設定しており、投影光学系PLの光軸はZ軸に平行とされている。なお、X軸、Y軸およびZ軸まわりの各方向を、それぞれθX方向、θY方向およびθZ方向と呼ぶ。
【0017】
移動機構33は、移動機構本体35と、移動機構本体35上に配置され、プレートホルダ9を保持するプレートテーブル34とを有する。移動機構本体35は、気体軸受によって、ガイド面8a(ベース8の上面)に非接触で支持されており、ガイド面8a上をXY方向に移動可能である。露光装置本体3は、基板Pを保持した状態で、光射出側(投影光学系PLの像面側)において、ガイド面8aの所定領域内を移動可能である。
【0018】
移動機構本体35は、例えばリニアモータ等のアクチュエータを含む粗動システム(移動機構)の作動により、ガイド面8a上でXY平面内を移動可能である。プレートテーブル34は、例えばボイスコイルモータ等のアクチュエータを含む微動システムの作動により、移動機構本体35に対してZ軸、θX、θY方向に移動可能である。プレートテーブル34は、粗動システム及び微動システムを含む基板ステージ駆動システムの作動により、基板Pを保持した状態で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、およびθZ方向の6つの方向に移動可能である。
【0019】
搬送ロボット4は、露光装置本体3および搬出入部5に対して基板Pを搬送するためのものである。本実施形態では、搬送ロボット4は従来と異なり、トレイを用いることなく基板を直接支持する。
【0020】
露光装置1は、上記プレートホルダ9上に長方形の基板Pが載置された状態でステップ・アンド・スキャン方式の露光が行われ、マスクMに形成されたパターンが基板P上の複数、例えば4つの露光領域(パターン転写領域)に順次転写されるようになっている。すなわち、この露光装置1では、照明系からの露光光ILにより、マスクM上のスリット状の照明領域が照明された状態で、不図示のコントローラによって不図示の駆動系を介して、マスクMを保持するマスクステージと基板Pを保持するプレートホルダ9とを同期して所定の走査方向(ここではY軸方向とする)に移動させることにより、基板P上の1つの露光領域にマスクMのパターンが転写される、すなわち走査露光が行われる。なお、本実施形態に係る露光装置1は、投影光学系PLが複数の投影光学モジュールを有し、上記照明系が複数の投影光学モジュールに対応する複数の照明モジュールを含む、所謂マルチレンズ型スキャン露光装置を構成するものである。
【0021】
この1つの露光領域の走査露光の終了後に、プレートホルダ9を次の露光領域の走査開始位置まで所定量X方向に移動するステッピング動作が行われる。そして、露光装置本体3では、このような走査露光とステッピング動作を繰り返し行うことにより、順次4つの露光領域にマスクMのパターンが転写される。
【0022】
搬送ロボット4は、例えば水平関節型構造を有するものであり、垂直な関節軸を介して連結された複数部分からなるアーム部(移送装置)10と、このアーム部10の先端に連結される搬送フォーク12と、駆動装置13と、を備えている。アーム部10は、駆動装置(上昇駆動部、降下駆動部)13により例えば上下方向(Z軸方向)に移動可能となっている。駆動装置13は、不図示の制御装置により、その駆動が制御されている。これにより搬送ロボット4は基板Pをプレートホルダ9に受け渡すようになっている。
【0023】
なお、この搬送ロボット4は、図2には便宜上図示していないが、搬送フォーク12の下方に設けられ、この搬送フォーク12と同様の機構を有し、且つ独立駆動可能な搬送フォークを備えたダブルアーム構造になっている。また、搬送ロボット4は、水平関節型構造のロボットに限定されるものではなく、公知のロボット(一般には搬送機構)を適宜採用もしくは組み合わせて実現可能なものである。
【0024】
搬出入部5は、図1に示すように、露光装置1に隣接配置されたコータ・デベロッパ(不図示)において感光剤が塗布された基板Pが搬入されて受け渡しされるとともに、搬入された基板Pの温度を調整する搬入ポートとしてのホルダ17と、このホルダ17の上方に配置され、露光装置1で露光処理が施された基板Pが受け渡される搬出ポートとしてのホルダ15とから概略構成されている。また、これらホルダ15、17は、θZ方向(Z軸周り)に回転可能になっており、搬送フォーク12に対する相対的な回転方向の位置補正をしたり、基板Pを90度回転させることができる。
【0025】
図3はプレートテーブル34上に載置されたプレートホルダ9の平面構成を示す図であり、図4はプレートホルダ9における側断面図であり、図4(a)は基板の受け渡し前の状態を示す図であり、図4(b)は基板の受け渡し後の状態を示す図である。図5はプレートホルダ9の要部構成を示す断面構成図である。
【0026】
プレートホルダ9は、図3、4に示すように、その上面が基板Pを載置する基板保持部(載置部)9aとなっている。本実施形態においては、プレートホルダ9の基板保持部9aとの間で基板Pの受け渡しを行う受け渡し機構50が設けられている。
【0027】
この受け渡し機構50は、基板Pを支持する複数の基板支持部材(支持部材)51と、該基板支持部材51を上下動する上下動作部52(図5参照)と、基板Pの基板保持部9aに対する位置を調整するアライメント部60と、を備えている。
【0028】
基板支持部材51は、軸部(上下動部材)55に対して図3中X方向(第1方向)に架設される第1線状部材(第1架設部)19と、図3中Y方向(第2方向)に架設される第2線状部材20とを含んでおり、全体として略格子状に形成されている。これら第1線状部材19及び第2線状部材(第2架設部)20は、ここでは相互に溶接され、あるいは格子状に組み合わされている。各基板支持部材51は、複数(本実施形態では、例えば6つ)の軸部55間に架設されている。
【0029】
各基板支持部材51を構成する各格子形状は、いずれもが基板Pよりも小さい略矩形状の複数の開口部21を有している。なお、基板支持部材51の形状は図3に示す形状に限定されることはなく、例えば開口部21が一つのみ形成された枠状の単一フレームであってもよい。
【0030】
本実施形態では、4つの基板支持部材51が、第2線状部材20の延在方向(図3に示されるY方向)に沿って隙間Sを空けた状態で配置されている。このような基板支持部材51間の隙間Sは、後述するようにプレートホルダ9への基板Pの搬出入時に搬送フォーク12が挿入される空間を構成するためのものである。
【0031】
なお、基板支持部材51(第1線状部材19及び第2線状部材20)の形成材料としては、基板支持部材51が基板Pを支持した際に基板Pの自重による撓みを抑制することが可能な材料を用いることが好ましく、例えば各種合成樹脂、あるいは金属を用いることができる。具体的には、ナイロン、ポリプロピレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、繊維強化プラスチック、ステンレス鋼等が挙げられる。繊維強化プラスチックとしては、GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastic:ガラス繊維強化熱硬化性プラスチック)やCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic:炭素繊維強化熱硬化性プラスチック)が挙げられる。
【0032】
上下動作部52は、図5に示すように軸部(上下動部材)55と、該軸部55を上下駆動する駆動装置53とを有している。駆動装置53は各軸部55に対して設けられており、これにより各軸部55は独立して上下動作を行う。
【0033】
この構成に基づき、基板支持部材51は、図4(a),(b)に示すように上下動作部52(軸部55)の上下動に伴い、プレートホルダ9の基板保持部9aに対し、上下動作を行うようになっている。
【0034】
一方、プレートホルダ9には、基板支持部材51を収容するための溝部30が形成されている。この溝部30は、基板支持部材51のフレーム構造に対応して格子状に設けられている。プレートホルダ9の上面における溝部30以外の領域(部分載置部)は、基板Pを保持する基板保持部9aを構成している。
【0035】
基板支持部材51の厚さは、溝部30の深さよりも小さくなっている。これにより、図4(b)に示すように、基板支持部材51が溝部30内に収容されることで基板支持部材51上に載置された基板Pのみが基板保持部9aに受け渡されて載置されるようになっている。
【0036】
また、基板保持部9aは、基板Pに対するプレートホルダ9の実質的な保持面が良好な平面度を有するように仕上げられている。さらに、基板保持部9aの基板保持面(上面)には、基板Pをこの面に倣わせて密着させるための吸引口、或いは後述のアライメント時にエアー(気体)を噴射することで基板Pをこの面上に浮上させる気体噴射口として機能する開口部Kが形成されている。開口部Kには、不図示の真空ポンプ及び気体噴射用ポンプがそれぞれ接続されており、これらポンプの駆動を切り替えることで開口部Kを上述のように吸引口或いは噴射口として機能させることができる。
【0037】
上記アライメント部60は、アライメント時に基板Pの位置を検出する位置検出部61と、アライメント時に基板Pを保持して移動する基板移動部62と、位置検出部61の検出結果に基づいて基板移動部62の駆動を制御して基板Pの基板保持部9aに対する位置を調整する制御部63と、を有している。
【0038】
図3に示したように、基板保持部9aは基板Pよりも小さい。基板移動部62は、プレートホルダ9の周辺部にそれぞれ配置されており、基板保持部9aより張り出した基板Pの下面を保持するようになっている。また、位置検出部61は、プレートホルダ9の4隅周辺にそれぞれ配置されており、これにより基板保持部9aに対する基板Pの4隅の位置を検出可能となっている。ここで、位置検出部61が配置される位置は、4隅に限定されず、2隅または3隅であってもよい。換言すると、位置検出部61は、プレートホルダ9に載置される基板Pの少なくとも2辺の位置を合計3箇所以上で検出可能なように配置されればよい。なお、制御部63は、アライメント部60の他、露光装置本体3の各構成部材(例えば搬送ロボット4、移動機構33、受け渡し機構50等)の駆動を制御するものである。
【0039】
上記位置検出部61としては、例えばラインセンサーを用いることができる。また、本実施形態に係る基板移動部62は、例えば真空吸着により基板Pを吸着保持する真空吸着パッドを有する。なお、基板移動部62の構成はこれに限定されることは無く、例えば基板Pに接触するローラーを回転させ、その摩擦力によって基板Pを保持しつつ搬送する機構を採用することもできる。
【0040】
次に、露光装置1の動作について説明する。具体的には搬送ロボット4により基板Pを搬入及び搬出する方法について説明する。図6は搬送ロボット4の動作を説明するための斜視図であり、図7は基板Pをプレートホルダ9上に載置する際に−Y軸方向から視た際の断面構成図である。なお、図6においては搬送フォーク12のみを図示しており、搬送ロボット4の全体構成は省略している。また、図7においては、便宜上、基板Pを支持する搬送フォーク12の図示を簡略化している。
【0041】
ここでは、基板Pを搬送ロボット4で露光装置本体3に対して搬入、搬出する手順について説明する。なお、搬送フォーク12に対する基板Pの受け渡しは、ホルダ17の近傍に設けられた不図示の基板受け渡し装置、例えば支持棒及びその上下動機構のような構成部分を含み、上方で一旦基板Pを支持し、基板Pを搬送フォーク12に移載する装置で行われるものとする。
【0042】
感光剤が塗布された基板Pがコータ・デベロッパからホルダ17に搬送されると、ホルダ17が回転して基板Pを所定の姿勢に位置させる。基板Pは、ホルダ17において露光処理が実施される温度に調整される。
【0043】
続いて、受け渡し装置の不図示の支持棒が上昇し、基板Pを上方に持ち上げる。
続いて、搬送ロボット4は、駆動装置13によりアーム部10及び搬送フォーク12を駆動させることで温度調整済みの基板Pを保持する。搬送フォーク12は基板Pの下面側を支持しつつ上昇することでホルダ17の上面から基板Pを離間させる。
【0044】
続いて、搬送ロボット4は、搬送フォーク12の長手方向(基板Pの長辺方向)を露光装置本体3のプレートホルダ9側に向けるように搬送フォーク12の向きを変える。その後、図6に示されるように搬送ロボット4は、搬送フォーク12が保持している基板Pをプレートホルダ9の上方に搬送する。
【0045】
なお、搬送フォーク12は、基板Pの表面とプレートホルダ9の基板保持部9aとがほぼ平行になるように基板Pを搬送する。ここで、ほぼ平行とは、自重による基板Pの撓みを排除した場合に平行もしくは平行に近い状態であることを意味している。具体的には、搬送フォーク12は、搬送フォーク12による基板Pの被保持部分と基板保持部9aとがほぼ平行となるように基板Pを搬送する。
【0046】
基板Pをプレートホルダ9に搬送するに際し、受け渡し機構50は、図4(a)に示したように基板支持部材51を基板保持面50aから上昇させておく。基板Pを保持した搬送フォーク12は、受け渡し機構50上に位置した際、平面視した状態で基板支持部材51の隙間Sに重なる。
【0047】
続いて、搬送ロボット4は、図7(a)に示すように搬送フォーク12を下方(Z軸方向)に移動する。搬送フォーク12は基板支持部材51間の隙間Sを通過し、図7(b)に示すように基板Pを基板支持部材51に受け渡すことができる。基板Pの受け渡し後、搬送ロボット4は、搬送フォーク12を基板Pに接触させないようにしてプレートホルダ9から退避させる。
【0048】
続いて、図7(c)に示すように軸部55は基板支持部材51を下降させて、基板支持部材51をプレートホルダ9の上面に形成された溝部30内に収容するとともに、基板Pを基板保持部9aへと受け渡す。
【0049】
なお、本実施形態では、基板Pを鉛直方向に移動させることでプレートホルダ9に載置する場合について説明するが、本発明はプレートホルダ9の基板保持部9aが水平状態に設置されることに限定されず、表面を鉛直方向に傾けて配置されたプレートホルダ9に対し、基板Pを搬送する場合も含む。
【0050】
ところで、従来基板をプレートホルダに載置する場合、基板の載置ずれ(所定の載置位置からのずれ)や基板の変形が生じる可能性があった。この載置ずれが生じる原因の一つとして、例えば基板の載置直前に基板とプレートホルダとの間に生じる薄い空気層によって基板が浮遊状態となることが考えられる。また、基板の変形を生じさせる原因の一つとして、例えば基板を載置した後に基板とプレートホルダとの間に空気溜りが介在することで基板が膨らんだ状態となることが考えられる。
【0051】
本実施形態においては、上下動作部52が各軸部55を個別に動作させ、各基板支持部材51の高さを調整しつつ降下する。これにより、基板Pを所望の姿勢で基板保持部9aに受け渡すことができる。具体的には、図8(a)に示すように、上下動作部52は、基板Pの中央部に対応する基板支持部材51を相対的に低くし、基板Pを撓ませた状態で基板保持部9aへの受け渡しを行うことができる。この撓みとは、例えば、両端部(対向する2辺)が支持された基板Pが自重によって撓んだ状態に相当する。この場合、基板Pは、中央部から周辺部に向かって順次基板保持部9aと接触するように基板保持部9aに載置される。
【0052】
基板Pは、このように撓んだ状態で中央部から両端部へと順に基板保持部9aに受け渡されることで、基板Pと基板保持部9aとの間に薄い空気層が介在することが防止される。これにより、空気溜りや空気層に起因して基板Pが膨らんだ状態となることが抑制され、基板Pに載置ずれや変形が生じることを防止できる。
【0053】
或いは、上下動作部52が軸部55を独立して動作させることで、図8(b)に示すように、基板Pの一端側に対応する基板支持部材51を相対的に低くすることで基板Pを傾斜させた状態で基板保持部9a上に受け渡すこともできる。
【0054】
このとき、基板Pは一端部側から他端部側へと順に基板保持部9aに受け渡される。このとき、基板Pと基板保持部9aとの間に存在する空気を他端部側に押し出すことができる。よって、基板Pと基板保持部9aとの間に薄い空気層が介在することが防止される。
【0055】
ところで、基板Pは、搬送フォーク12により基板支持部材51上に載置された時に、位置ズレが生じているおそれがある。この場合、基板Pは、基板保持部9aに対して位置ズレが生じた状態で載置された状態となっている。これに対し、本実施形態では、基板保持部9a上に基板Pを受け渡した後、基板Pの基板保持部9aに対する位置調整(アライメント)を行う。
【0056】
まず、制御部63はアライメント部60を駆動する。具体的に位置検出部61を駆動し、基板保持部9aに対する基板Pの位置を検出する。また、制御部63は不図示の気体噴射用ポンプを駆動し、基板保持部9aに設けられた開口部Kからエアーを噴射する。これにより、図9(a)に示されるように基板保持部9a上に基板Pを浮上させることができる。
【0057】
なお、受け渡し機構50によって基板保持部9aに載置された基板Pであっても僅かに膨らんで変形している場合もある。本実施形態によれば、このようにアライメント時に基板Pを基板保持部9aに浮上させるので、基板Pの膨らみを完全に無くすことで基板Pを平面度が高い状態(歪みの無い状態)で保持することができる。
【0058】
そして、図9(b)に示すように基板保持部9a上に浮上する基板Pを基板移動部62により真空吸着することで保持する。制御部63は、上記位置検出部61の検出結果に基づき、基板移動部62を同図中XY平面内で移動することで基板Pの基板保持部9aに対する位置を調整する。これにより、基板Pの基板保持部9aに対するアライメント調整が完了する。
【0059】
基板保持部9aに対する基板Pのアライメント完了後、開口部Kからのエアー噴射を中止する。これにより、基板Pは平面度が高く歪みの無い浮上状態から基板保持部9aへと載置されることとなる。そして、真空ポンプを駆動することで開口部Kによって基板Pを基板保持部9aに吸着する。本実施形態によれば、基板Pと基板保持部9aとの間に空気溜りや空気層が生じることが防止される。よって、基板Pが膨らんだ状態となることが抑制され、基板Pの載置ずれや変形の発生を防止することができる。
【0060】
プレートホルダ9に対する基板Pのアライメントが完了すると、マスクMは照明系により露光光ILで照明される。露光光ILで照明されたマスクMのパターンは、プレートホルダ9に載置されている基板Pに投影光学系PLを介して投影露光される。
露光装置1では、上述のようにプレートホルダ9上に良好に基板Pを載置することができるため、基板P上の適正な位置に所定の露光を高精度に行うことができ、信頼性の高い露光処理を実現できる。
【0061】
次に、露光処理終了後のプレートホルダ9からの基板Pの搬出動作について説明する。なお、以下の説明では搬送フォーク12が基板Pの搬出を行うように説明するが、ダブルハンド構造のうちのもう1つの搬送フォーク(不図示)が搬出を行うようにしてもよい。
【0062】
露光処理が終了すると、制御部63により真空ポンプによる吸引が解除され、プレートホルダ9による基板Pの吸着が解除される。続いて、制御部63は軸部55を駆動して基板支持部材51を上昇させる。このとき、基板支持部材51とともに基板保持部9a上に載置されている基板Pが上方へと持ち上げられる。
【0063】
搬送ロボット4は搬送フォーク12を駆動し、基板保持部9aの上方に配置される基板支持部材51間の隙間S及びX軸方向両側に搬送フォーク12を−Y方向側から挿入する。
【0064】
そして、駆動装置13が搬送フォーク12を所定量上方に移動すると、搬送フォーク12が基板Pの下面に当接し、さらに搬送フォーク12を上方に移動させると、基板Pがプレートホルダ9の上方に持ち上げられることで、基板Pが受け渡し機構50から離間する。
【0065】
搬送ロボット4は、搬送フォーク12に載置された基板Pを搬出ポートのホルダ15へと受け渡す。ホルダ15に対する基板Pの受け渡しは、ホルダ15の近傍に設けられた不図示の基板受け取り装置、例えば支持棒及びその上下動機構のような構成部分を含み、上方で一旦基板Pを支持し、基板Pを搬送フォーク12から受け取る装置で行われるものとする。
以上のようにして、露光装置本体3からの基板Pの搬出動作が完了する。
【0066】
本実施形態によれば、基板Pが載置ずれや変形を生じること無く基板保持部9aに受け渡すことができるので、厚みの薄い基板Pに対しても良好に露光処理を行うことができる。また、基板搬出時において、従来のような昇降動作を行うピンによって基板を持ち上げる構成に比べ、基板Pを広い面積で支持できるので、トレイを用いた搬出動作と同様、基板Pに割れが生じることを防止できる。
【0067】
(第二実施形態)
図10及び図11は、本発明の第二実施形態に係るプレートホルダ9の周辺構成を示す図である。図10は本実施形態に係る基板支持部の要部構成を示す拡大図であり、図11は本実施形態におけるプレートホルダ9の構成を示すものであり、図11(a)は平面図、図11(b)は側面図を示すものである。また、図12は本実施形態においてプレートホルダ9に基板Pを受け渡すプロセスを説明するための図である。なお、本実施形態においては、上記実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。第二実施形態と第一実施形態とは、アライメント部の構成、及びアライメント方法が異なっている。
【0068】
本実施形態においては、図10に示すように基板支持部材51の上面には、エアー(気体)を噴射することで基板Pを浮上させる噴射口として機能する開口部(気体噴射部)K1が形成されている。開口部K1には、気体噴射用ポンプがそれぞれ接続されている。
【0069】
図11に示すように、本実施形態に係るアライメント部160は、基板Pの基板保持部9aに対する位置を規定する位置規定部161と、基板支持部材51上にエアー浮上する基板Pを位置規定部161に押し当てる押し当て部162と、を有している。これら位置規定部161及び押し当て部162は、基板保持部9aに対して昇降可能となっている。位置規定部161及び押し当て部162は、電気的に接続される制御部63によって、その駆動が制御される。また、位置規定部161および押し当て部162は、基板Pの長辺方向及び短辺方向においてプレートホルダ9を挟むように互いが対向した状態に配置されている。
【0070】
位置規定部161は、基板Pの側面に当接することで基板Pの位置を規定する当接部161aと、該当接部161aの上部に設けられた傾斜部161bとを有している。傾斜部161bは基部から先端に向かって鋭角をなす傾斜面を有している。
また、押し当て部162は、ベース部162aと、該ベース部162aにバネ等の付勢部材を介して取り付けられ、基板Pの側面に当接する当接部162bとを有している。
【0071】
続いて、本実施形態におけるアライメント方法および基板Pを基板保持部9a上に載置する工程について説明する。なお、本実施形態においても、搬送フォーク12に保持された基板Pを受け渡し機構50の基板支持部材51上に載置する工程には同様であることから、その説明については省略する。また、本説明では、図12中Y方向にずれた状態で基板支持部材51に載置された基板Pをアライメントする工程について述べる。
【0072】
制御部63は、不図示の気体噴射用ポンプを駆動することで基板支持部材51の開口部K1からエアーを噴射する。これにより、図12(a)に示すように、基板Pは基板支持部材51上に浮上した状態となる。基板Pは基板支持部材51上に浮上することで平面度が高い状態(歪みの無い状態)に保たれる。制御部63は、アライメント部160を駆動する。具体的に、基板Pを基板支持部材51上に浮上させた状態で位置規定部161及び押し当て部162を所定位置まで上昇させる。
【0073】
続いて、図12(b)に示すように基板支持部材51を降下させる。これにより、基板支持部材51および該基板支持部材51上に浮上している基板Pが下方に移動する。基板支持部材51の下降に伴って、基板Pは一端側(同図+Y方向側)が位置規定部161の傾斜部161bに接触し、他端側(同図-Y方向側)が押し当て部162の当接部162bに接触する。
【0074】
ここで、基板Pは基板支持部材51上に浮上しているので、基板Pは基板支持部材51の面方向に沿って自由に移動可能となっている。また、基板Pは、一端側が位置規定部161の傾斜部161bに沿って下方に移動し、やがて傾斜部161bと連続する当接部161aに当接した状態となる。すなわち、傾斜部161bは基板Pを当接部161a側へと導くガイドとして機能する。
【0075】
このとき、基板Pの他端側は押し当て部162の当接部162bによって付勢されるため、図12(c)に示すように、基板Pは押し当て部162(当接部162b)により位置規定部161に押し付けられる。よって、基板PはY方向において基板保持部9aに対して所定位置にアライメントされた状態となる。また、同様に、押し当て部162及び位置規定部161により基板Pの基板保持部9aに対するX方向の位置をアライメント調整する。
このようにして、基板Pの基板保持部9aに対するアライメント調整が完了する。
【0076】
基板Pのアライメント調整終了後、開口部K1からのエアー噴射を中止する。これにより、基板Pは平面度が高く歪みの無い浮上状態から自重によってゆっくりと基板支持部材51上に載置される。そして、制御部63は、図12(d)に示すようにアライメント部160を下方に移動し、基板Pから離間させる。
【0077】
続いて、上下動作部52が軸部55を独立して動作させ、各基板支持部材51の高さを調整しつつ降下することで基板Pを所定の姿勢で基板保持部9aに受け渡す(図8参照)。そして、真空ポンプを駆動することで開口部Kによって基板Pを基板保持部9aに吸着する。本実施形態によれば、基板Pと基板保持部9aとの間に空気溜りや空気層が生じることが防止されるので、基板Pが膨らんだ状態となることが抑制され、基板Pの載置ずれや変形の発生を防止することができる。また、アライメント部160によって基板保持部9aに対する基板Pの位置がアライメントされているため、基板Pを基板保持部9a上の所定位置に精度よく受け渡すことができる。
【0078】
プレートホルダ9に対する基板Pのアライメントが完了すると、マスクMは照明系により露光光ILで照明される。露光光ILで照明されたマスクMのパターンは、プレートホルダ9に載置されている基板Pに投影光学系PLを介して投影露光される。
露光装置1では、上述のようにプレートホルダ9上に良好に基板Pを載置することができるため、基板P上の適正な位置に所定の露光を高精度に行うことができ、信頼性の高い露光処理を実現できる。
【0079】
なお、アライメント部は上記形態に限定されない。例えば、図13に示すように、アライメント部260として、基板支持部材51の上面に格納或いは突出可能な複数の球状コロ170を備えた構成を採用することもできる。なお、図13(a)は球状コロ170が格納された状態を示し、図13(b)は突出した状態を示している。
【0080】
このアライメント部260は、基板Pの位置を検出するための上記位置検出部61と、位置検出部61の検出結果に基づいて複数の球状コロ170の回転方向を制御するための上記制御部63との組み合わせにより構成される。
【0081】
このアライメント部260によれば、位置検出部61の検出結果に基づき、複数の球状コロ170により基板PをXY平面内において自由に移動することができるので、基板Pの基板保持部9aに対するアライメント調整を良好に行うことができる。なお、ここで説明した複数の球状コロ170は、上記のアライメント部160において基板Pをエアー浮上させる機構の代替機構として用いることもできる。
【0082】
また、上述の実施形態の基板Pとしては、ディスプレイデバイス用のガラス基板のみならず、半導体デバイス製造用の半導体ウエハ、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。また、上記基板支持部材を備えた受け渡し機構を搬出入部5に採用することもできる。
【0083】
また、露光装置としては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを介した露光光ILで基板Pを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
【0084】
また、本発明は、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
【0085】
また、本発明は、米国特許第6897963号明細書、欧州特許出願公開第1713113号明細書等に開示されているような、基板を保持する基板ステージと、基板を保持せずに、基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置を採用することができる。
【0086】
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。
【0087】
上述の実施形態の露光装置は、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。
各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0088】
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図14に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンを用いて露光光で基板を露光すること、及び露光された基板(感光剤)を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。なお、ステップ204では、感光剤を現像することで、マスクのパターンに対応する露光パターン層(現像された感光剤の層)を形成し、この露光パターン層を介して基板を加工することが含まれる。
【0089】
なお、上述の実施形態及び変形例の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
【符号の説明】
【0090】
P…基板、K…開口部、K1…開口部、1…露光装置、4…搬送ロボット、12…搬送ハンド、9…プレートホルダ、9a…基板保持部、19…第1線状部材、20…第2線状部材、50…受け渡し機構、51…基板支持部材、55…軸部、60…アライメント部、61…位置検出部、62…基板移動部、63…制御部、160…アライメント部、161…位置規定部、162…押し当て部、170…球状コロ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板が載置される載置部が設けられた基板ホルダとの間で前記基板の受け渡しを行う受け渡し機構であって、
前記載置部に対して上下動する複数の上下動部材と、
少なくとも2つの前記上下動部材に架設され、前記基板を支持する少なくとも1つの支持部材と、を備え、
前記上下動部材は、前記支持部材における前記基板との接触部が前記載置部に対して突没するように上下動する受け渡し機構。
【請求項2】
前記支持部材は、少なくとも2つの前記上下動部材に対して第1方向に架設された複数の第1架設部及び第2方向に架設された複数の第2架設部を含み、格子形状に形成されている請求項1に記載の受け渡し機構。
【請求項3】
複数の前記支持部材は、前記第1方向に沿って前記格子形状の長手方向が配置され、前記第2方向に沿って相互に間隔をおいて配置されている請求項2に記載の受け渡し機構。
【請求項4】
前記上下動部材は、前記基板ホルダから突出するように設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の受け渡し機構。
【請求項5】
前記支持部材は、前記基板ホルダのうち前記載置部と異なる場所に収納される請求項1〜4のいずれか一項に記載の受け渡し機構。
【請求項6】
前記載置部は、前記基板ホルダに形成された溝状の凹部によって区画された複数の部分載置部を含み、
前記支持部材は、前記凹部に収納される請求項5に記載の受け渡し機構。
【請求項7】
前記上下動部材は、前記凹部から突出するように設けられている請求項6に記載の受け渡し機構。
【請求項8】
複数の前記上下動部材は、前記接触部を前記載置部に対して傾斜させた状態で上下動する請求項1〜7のいずれか一項に記載の受け渡し機構。
【請求項9】
前記載置部に対して前記基板を相対移動させて前記基板のアライメントを行うアライメント部を備える請求項1〜8のいずれか一項に記載の受け渡し機構。
【請求項10】
前記アライメント部は、前記基板支持部材に設けられた気体噴射口から気体を噴射することで前記基板を当該支持部材上に浮上させる気体噴射部と、前記基板の位置を検出する検出部と、前記支持部材上に浮上する前記基板を移動させる基板移動部と、前記検出部の検出結果に基づき、前記基板移動部の駆動を制御する制御部と、を含む請求項9に記載の受け渡し機構。
【請求項11】
前記アライメント部は、前記基板ホルダに設けられた気体噴射口から気体を噴射することで前記基板を前記載置部上に浮上させる気体噴射部と、前記基板の前記載置部に対する位置を規定する位置規定部と、前記載置部上に浮上する前記基板を前記規定部材に押し当てる押し当て部と、を含む請求項9に記載の受け渡し機構。
【請求項12】
前記アライメント部は、前記支持部材の基板支持面に突没可能に設けられた複数の球状コロと、前記基板の位置を検出する位置検出部と、該位置検出部の検出結果に基づき、前記基板を支持する前記複数の球状コロの回転方向を制御する制御部と、を含む請求項9に記載の受け渡し機構。
【請求項13】
基板を保持するステージ装置であって、
前記基板が載置される載置部が設けられた基板ホルダと、
前記基板ホルダとの間で前記基板の受け渡しを行う請求項1〜12のいずれか一項に記載の受け渡し機構と、を備えるステージ装置。
【請求項14】
基板が載置される載置部が設けられた基板ホルダに前記基板を搬送する搬送装置であって、
請求項1〜13のいずれか一項に記載の受け渡し機構と、前記支持部材との間で前記基板の受け渡しを行うアーム機構と、を含む搬送装置。
【請求項15】
格子形状からなる複数の前記支持部材が前記第2方向に沿って相互に間隔をおいて配置される場合において、前記アーム機構は、前記第1方向に沿って前記基板を搬送する請求項14に記載の搬送装置。
【請求項16】
前記アーム機構の基板保持部分は、隣り合う前記支持部材間において前記基板を支持する請求項15に記載の搬送装置。
【請求項17】
露光光で基板を露光する露光装置であって、
前記基板を保持する請求項13に記載のステージ装置と、
前記ステージ装置の前記基板ホルダに載置される前記基板に前記露光光を照射する照射装置と、を備える露光装置。
【請求項18】
請求項17に記載の露光装置を用いて、感光剤が塗布された前記基板の露光を行い、該基板にパターンを転写することと、
前記露光によって露光された前記感光剤を現像して、前記パターンに対応する露光パターン層を形成することと、
前記露光パターン層を介して前記基板を加工することと、
を含むデバイス製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2011−113086(P2011−113086A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252909(P2010−252909)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】