受信装置、その制御方法及びプログラム
【課題】再生時のデータの取りこぼしを防ぎつつ、記録領域の有効活用を実現することにある。
【解決手段】ストリーム処理部103は、デジタルチューナ101で受信したデータストリームに含まれる所定単位の複数のデータに対して有意なデータであるか否かを判定する。そして、ストリーム処理部103は、有意なデータの直前から所定時間前までの第1の期間の有意ではないデータを残して、第1の期間までの第2の期間の有意ではないデータを削除する。
【解決手段】ストリーム処理部103は、デジタルチューナ101で受信したデータストリームに含まれる所定単位の複数のデータに対して有意なデータであるか否かを判定する。そして、ストリーム処理部103は、有意なデータの直前から所定時間前までの第1の期間の有意ではないデータを残して、第1の期間までの第2の期間の有意ではないデータを削除する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有意ではないデータを含むデータストリームを受信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データ放送を含むデジタル放送を受信し記録するものとしては、映像音声と共にデータカルーセルを全て記録する技術が一般的であった(例えば、特許文献1参照)。また、空カルーセルの受信があった場合、対応するコンテンツを削除する処理を行う技術もある(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−201317号公報
【特許文献2】特開2002−328867号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
データ放送を含むデジタル放送ストリームを記録する場合、従来は、空カルーセルを含め、デジタル放送ストリームをそのままの状態で全て記録していた。空カルーセルは再生時には不要な情報のため、記録領域を効率的に使用できないという課題があった。
【0005】
一方、空カルーセルを削除して記録する技術も知られている。この場合、記録領域を効率的に使用できないという課題は解決されるが、以下に示す新たな課題が発生する。空カルーセルを削除する場合、削除した後のコンポーネント構成に対応したPMTを記録装置が作り直す必要がある。ここで、PMT(Program Map Table)を書き換えずにデータパケットを残しておくと、PMTにはコンポーネントの登録があるのに対して、実際のコンポーネントが存在しないためエラーとなってしまう。
【0006】
対応するPMTを作り直すことにより、空カルーセルを削除して記録することは可能となるが、このストリームの再生時に以下の課題が発生する。再生時には、まずPMTを監視して、各コンポーネントの認識を行う。そのため、PMTの更新を認識してからデータ本体を獲得するまでの間にタイムラグが発生し、この間のデータを取り逃してしまうという課題が発生する。
【0007】
全てのデータパケットを記憶しておく場合であれば、PMTの更新がなく、データ本体の有無が変化するだけなので、タイムラグはほとんど発生せず、このような課題は発生しない。
【0008】
現状では、記録領域の非効率性を許容するか、データの取りこぼしを許容するかの、トレードオフの関係になっており、両方の課題を同時に解決する手段は存在しなかった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、再生時のデータの取りこぼしを防ぎつつ、記録領域の有効活用を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の受信装置は、データストリームを受信する受信手段と、前記データストリームに含まれる所定単位の複数のデータに対して有意なデータであるか否かを判定する判定手段と、有意なデータの直前から所定時間前までの第1の期間の有意ではないデータを残して、前記第1の期間までの第2の期間の有意ではないデータを削除する削除手段とを有することを特徴とする。
本発明の受信装置の制御方法は、データストリームを受信する受信ステップと、前記データストリームに含まれる所定単位の複数のデータに対して有意なデータであるか否かを判定する判定ステップと、有意なデータの直前から所定時間前までの第1の期間の有意ではないデータを残して、前記第1の期間までの第2の期間の有意ではないデータを削除する削除ステップとを含むことを特徴とする。
本発明のプログラムは、データストリームを受信する受信ステップと、前記データストリームに含まれる所定単位の複数のデータに対して有意なデータであるか否かを判定する判定ステップと、有意なデータの直前から所定時間前までの第1の期間の有意ではないデータを残して、前記第1の期間までの第2の期間の有意ではないデータを削除する削除ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明においては、有意なデータの直前から所定時間前までの第1の期間の有意ではないデータを残して、第1の期間までの第2の期間の有意ではないデータを削除するように構成している。従って、再生時のデータの取りこぼしを防ぎつつ、記録領域の有効活用を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を適用した好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
図1において、101はデジタル放送のデータストリームを受信するためのデジタルチューナであって、受信波の復調・復号を行い、インタフェース102にMPEG−2トランスポートストリームを出力する。なお、デジタルチューナ101は、本発明の受信手段の一適用例となる構成である。
【0014】
102は、デジタルチューナ101から出力されるストリームをストリーム処理部103に送るためのインタフェースである。
【0015】
103は、ストリーム処理部であって、インタフェース102を介して入力したストリームから、空カルーセルの削除処理、PMT作成処理を行う。その後、記録に適したMPEG−2トランスポートストリームをインタフェース105に出力する。ストリーム処理部103の詳細処理については後述する。ストリーム処理部103は、ハードウェア、ソフトウェア、又は、ハードウェア及びソフトウェアで構成される。
【0016】
104は、一時記憶部であって、ストリーム処理部103での処理に応じてストリームを一時記憶する。一時記憶部104は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、又は磁気記録装置等で構成される。
【0017】
105は、ストリーム処理部103で必要に応じて処理したストリームを記録処理部106に送るためのインタフェースである。
【0018】
106は、記録処理部であって、インタフェース105を介して入力されるストリームを記録部107に記録するためのファイルシステム管理等の処理を行う。
【0019】
107は、磁気記録媒体や光メディア等にストリームを記録するための記録部である。
【0020】
次に、ストリーム処理部103で実行される処理の詳細について説明する。
デジタル放送のデータストリームは、図4に示すように所定単位であるトランスポートストリームパケット(以下、TSパケット)単位で時間軸多重化されて伝送されている。TSパケットの多重化の詳細は、ISO/IEC 13818−1に記載されているため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0021】
図4において、401、414はPMTパケットを表している。402、408は1つの映像パケット、403、409は連続した1つ以上の映像パケットを表している。404、410は1つの音声パケット、405、411は連続した1つ以上の音声パケットを表している。406、412は1つのデータパケット、407は連続した1つ以上のデータパケットを表している。413、415は幾つかの映像、音声又はデータパケットが続いていることを表している。
【0022】
PMTには、PMTに続く映像、音声、データの各コンポーネントの属性と、各コンポーネントを構成するパケットを識別するためのPIDが記述されている。コンポーネント属性やPIDの変更等は、PMTの記述を変更することによって行われる。また、PMTの伝送周期は、例えばARIBでは100ミリ秒が推奨されている。
【0023】
本実施形態では、図5に示すように、PMT401から次のPMT414の直前のパケットまでを1つのデータブロックと定義し、n番目のデータブロックをD[n]と表す。
【0024】
図4と図5とでは、映像402、403、408、409及び413中の映像パケットが映像501に対応し、音声404、405、410、411及び413中の音声パケットが音声502に対応している。また、データ406、407、412及び413中のデータパケットがデータ503に対応している。
【0025】
次に、ストリーム処理部103における処理動作を図6のフローチャートを参照して説明する。図6は、ストリーム処理部103の処理動作を示すフローチャートである。
【0026】
ステップS601において、ストリーム処理部103は、インタフェース102からデータブロックD[i]を受信する。
【0027】
ステップS602において、ストリーム処理部103は、受信したデータブロックD[i]内のデータパケットに空カルーセルが存在するか、存在しないかを判定する。即ちここでは、受信したデータブロックD[i]内のデータパケットに有意ではないデータが存在するか、有意なデータのみ存在するかを判定している。空カルーセルのデータパケットが存在すれば処理はステップS603に分岐し、空カルーセルのデータパケットが存在しなければ処理はステップS604に分岐する。なお、ステップS602は、本発明の判定手段の一処理例である。
【0028】
ステップS603において、ストリーム処理部103は、空カルーセルのデータパケットのPIDを削除候補PIDリストR[i]に登録し、ステップS605に進む。例えば、データブロックD[i]内においてデータパケットPIDが0x0540のデータパケットが空カルーセルであった場合、削除候補PIDリストR[i]に0x0540を登録する。
【0029】
ステップS604において、ストリーム処理部103は、削除候補PIDリストR[i]にNULLを登録し、ステップS605に進む。NULLの登録は、削除候補となるPIDが存在しないことを表している。
【0030】
ステップS605において、ストリーム処理部103は、受信データブロックD[i]と削除候補PIDリストR[i]とを、一時記憶部104に記憶し、ステップS606に進む。
【0031】
ステップS606において、ストリーム処理部103は、一時記憶部104から、データブロックD[i−2]を読み出し、ステップS407に進む。これはステップS601で受信したデータブロックD[i]より2つ前に受信したデータブロックであって、ステップS602からS605の処理を同様に行い、一時記憶部104に記憶していたデータブロックである。
【0032】
ステップS607において、ストリーム処理部103は、一時記憶部104からR[i]を読み出し、R[i]がNULLであるか否か(削除候補PIDが設定されているか否か)を判定する。R[i]がNULLではない場合、処理はステップS608に分岐する。一方、R[i]がNULLである場合、処理はステップS613に分岐する。
【0033】
ステップS608において、ストリーム処理部103は、一時記憶部104からR[i−1]を読み出し、R[i]とR[i−1]とが等しいか否かを判定する。R[i]とR[i−1]とが等しければ(当該データブロックの削除候補PIDと1つ前のデータブロックの削除候補PIDとが同一であれば)、処理はステップS609に分岐する。一方、R[i]とR[i−1]とが等しくなければ、処理はステップS613に分岐する。
【0034】
ステップS609において、ストリーム処理部103は、R[i]とR[i−2]とが等しいか否かを判定する。R[i]とR[i−2]とが等しければ(当該データブロックの削除候補PIDと2つ前のデータブロックの削除候補PIDとが同一であれば)、処理はステップS610に分岐する。一方、R[i]とR[i−2]とが等しくなければ、処理はステップS613に分岐する。
【0035】
ステップS610において、ストリーム処理部103は、R[i−2]に記憶されているPIDに対応する登録情報をPMT[i−2]から削除し、新たなPMT=PMT’[i−2]を作成し、ステップS411に進む。なお、ステップS610は、本発明の更新手段の一処理例である。
【0036】
ステップS611において、ストリーム処理部103は、R[i−2]に記憶されているPIDに該当するデータパケットを、データブロックD[i−2]から削除した新たなデータブロックD’[i−2]を作成し、ステップS612に進む。ここでのデータパケットの削除処理が本発明の削除手段の一処理例となる。
【0037】
ステップS612において、ストリーム処理部103は、ステップS611で作成したデータブロックD’[i−2]を記録する。
【0038】
ステップS613において、ストリーム処理部103は、データブロックD[i−2]を記憶する。
【0039】
以上のフローチャートに沿った動作を、図7のデジタル放送のデータストリーム例を参照しながら説明する。
【0040】
図7では、一つのデータブロック内で同一コンポーネントを構成するパケットを一つのブロックとして表現している。時刻t1より前に伝送されるデジタル放送ストリームのデータパケット704、708、712が空カルーセル、時刻t1より後に伝送されるデジタル放送ストリームのデータパケット716が空でないデータカルーセルである。
【0041】
ストリーム処理部103は、データブロックD[n]を受信したとき、データパケット704が空カルーセルであるため、データパケット704のPID=0x0540を削除候補PIDリストR[n]に登録する。本処理は、図6のステップS601〜ステップS603に対応する処理である。
【0042】
同様の処理をデータブロックD[n]〜D[n+3]まで行った場合の削除候補PIDリストを図8に示す。データブロックD[n+3]のデータパケット716は空でないカルーセルのため、ストリーム処理部103は、削除候補PIDリストR[n+3]にはNULLを登録する(ステップS604)。
【0043】
いま、データブロックD[n+2]を受信した場合について考えると、R[n+2]が0x0540であり(ステップS607)、また、R[n+2]はR[n+1]、R[n]と等しい(ステップS608、S609)。従って、ストリーム処理部103は、2つ前のデータブロックD[n]のPMT701の書き換え(ステップS610)と、データパケット704の削除(ステップS611)とを行う。
【0044】
新たに作成したデータブロックD’[n]を図9に示す。書き換え後のPMT’[n]901は、データパケットPID=0x0540の登録を削除した内容となる。データブロックD’[n]はデータパケット704を削除したデータブロックとなる。
【0045】
次に、データブロックD[n+3]を受信した場合について考える。R[n+3]はNULLである(ステップS607)。従って、ストリーム処理部103は、2つ前のデータブロックD[n+1]に関しては、PMTの書き換え及びデータパケットの削除は共に行わず、空カルーセルを残したデータブロックとなる。
【0046】
以下、同様の処理を続けることによって、空でないデータカルーセルが開始されるデータブロックD[n+3]の2つ前までのデータブロック(D[n+2]とD[n+1])の空カルーセルを残すことが可能となる。
【0047】
また、それより前のデータブロック(D[n])の空カルーセルを削除することが可能となる。本実施形態では、2つ前までのデータブロックの空カルーセルを残す場合について説明した。これに限定されず、ステップS606〜S609での処理対象となるデータブロック数を変更することによって、データの再生時において、データパケットを識別するためのPMTが参照され、該当するデータパケットが読み込まれるまでの時間に応じた所望の空カルーセルを残すことが可能となる。なお、PMTは、本発明の識別データの一適用例となる構成である。
【0048】
図2に、社団法人電波産業会(以下、ARIB)で規定されているデジタル放送ストリームの例を示す。図2では、左から右に(t0からt4に向かって)時間の流れを表し、縦にコンテンツを構成する各コンポーネントを表している。
【0049】
PMT201には、ストリームに含まれる各コンポーネントの属性と、各コンポーネントを構成するパケットを識別するためのパケット識別(PID)が記述されている。図2の例では、映像コンポーネントを構成するパケットのPIDが0x0200、音声パケットのPIDが0x0300、データパケットのPIDが0x0540であること示している。PMT201、映像202、音声203、データ204〜207は、パケット多重され、時間軸に沿って伝送されている。
【0050】
データパケットは、DSM−CC規格(ISO/IEC 13818−6)準拠したデータカルーセル方式で伝送される。DSM−CC規格についてのここでの詳細な説明は省略する。ARIBデジタル放送では、DIIメッセージとDDBメッセージを用いてデータ伝送を行っている。DIIメッセージは、伝送される各データがどのようなものであるかの情報を伝送するために用い、DDBメッセージは、データ本体を伝送するために用いる。
【0051】
DIIメッセージ中には、numberOfModulesフィールドというフィールドがあり、データ本体を構成するためのモジュール数を表している。伝送すべきデータ本体が存在しない場合は、numberOfModulesフィールドに0(零)を設定したDIIメッセージを伝送し、DDBメッセージは伝送しない。これを空カルーセルと称する。また、伝送すべきデータ本体が存在しない状態が継続する場合は、numberOfModules=0のDIIメッセージを周期的に伝送し続ける。
【0052】
図2の例では、204、206が空カルーセル、205、207が空でないカルーセルであることを表している。
【0053】
データコンポーネント伝送における、空カルーセルと空でないカルーセルの変更は、DIIメッセージ中のdata_event_idフィールドを変更することによって通知する。図2の例では、データ204、205、206、207の変更に合わせて、data_event_idを1ずつインクリメントしている。
【0054】
図2で示したような、データ放送を含むデジタル放送ストリームを記録する場合、従来は、空カルーセル204、206を含め、放送ストリームをそのままの状態で全て記録していた。空カルーセルは再生時には不要な情報のため、記録領域を効率的に使用できない。
【0055】
一方、空カルーセル204、206を削除して記録する場合、記録領域を効率的に使用できないという課題は解決されるが、以下に示す新たな課題が発生する。
【0056】
空カルーセルを削除する場合、削除した後のコンポーネント構成に対応したPMTを記録装置が作り直す必要がある。図2に示した放送ストリームから空カルーセルを削除し、これに対応したPMTを作り直した場合の、ストリームの構成例を図3に示す。
【0057】
時刻t0からt1、t2からt3に存在していた空カルーセル204、206の削除に対応したPMT301、303を新たに作成する。PMTの内容は、この期間に伝送されるコンテンツは映像202、音声203のみのため、データパケットの登録が削除された内容となっている。ここでPMTを書き換えずにデータパケットの登録を残しておくと、PMTにはコンポーネントの登録があるのに、実際のコンポーネントが存在しないためエラーとなってしまう。
【0058】
上記の方法により、空カルーセルを削除して記録することは可能となるが、このストリームの再生時に以下の課題が発生する。
【0059】
再生時には、まずPMTを監視して、各コンポーネントの認識を行う。今、時刻t1になった瞬間を考えると、PMT301からPMT302に更新され、新たにPID=0x0540のデータ伝送が開始されたことが分かる。システムの動作的には、PMTの更新を認識してからPID=0x0540のDIIメッセージを獲得し、さらにDDBメッセージの獲得を行う。そのため、PMTの更新を認識してからデータ205のデータ本体を獲得するまでの間にタイムラグが発生し、この間のデータを取り逃してしまうという課題が発生する。
【0060】
全てのデータパケットを記録しておく場合であれば、常にPID=0x0540のデータは存在し、DDBの有無が変化するだけなので、タイムラグはほとんど発生せず、このような課題は発生しない。
【0061】
このように現状では、記録領域の非効率性を許容するか、データの取りこぼしを許容するかの、トレードオフの関係になっている。
【0062】
図2に示したデータ放送を含むデジタル放送のデータストリームに対して本実施形態を適用した場合の出力ストリームを図10に示す。
【0063】
空でないデータ205が開始される直前の所定量の空カルーセル1005が、本実施形態の処理によって残された空カルーセル、PMT1001が、データパケットの削除に対応させて書き換えたPMTである。時刻t3前後のPMT1003、空カルーセル1006についても同様である。なお、空カルーセル1005は、本発明の第1の期間の有意ではないデータに対応する構成であり、その直前の時刻t5までの削除された空カルーセルが本発明の第2の期間の有意ではないデータに対応する構成である。
【0064】
以上のように本実施形態によれば、空でないデータが開始される直前の所定量の空カルーセルを残すことによって、不要な空カルーセルを削除し、かつ再生時のデータ取りこぼしのないストリームを作成することが可能となる。
【0065】
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、空カルーセルの検索処理と空カルーセル削除処理とを1つの処理ブロックで行う場合について説明した。これに対し、本発明の第2の実施形態は、空カルーセルの検索処理部と空カルーセル削除処理部とを遅延バッファで接続し、複数の処理ブロックで処理を行う。
【0066】
本発明の第2の実施形態に係る受信装置の構成について図11を参照して説明する。図11は、本発明の第2の実施形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
【0067】
デジタルチューナ101、記録処理部106、記録部107は、図1に示した構成と同様であるため説明は省略する。
【0068】
1101は、デマルチプレクサであって、パケット多重されたMPEG−2ストリームの非多重化と空カルーセルの検索を行う。
【0069】
1102は、遅延バッファであって、デマルチプレクサ1001で処理されたTSパケットを所定時間又は所定量だけ遅延させてマルチプレクサ1004に読み込ませるためのものである。遅延時間又は遅延量は、装置の初期化時やストリーム受信開始時に、再生処理に要する時間を考慮して予め設定しておく。
【0070】
1103は、デマルチプレクサ1001からマルチプレクサ1004に対して、指定PIDのパケット削除を指示するための通信経路である。
【0071】
1104は、マルチプレクサであって、デマルチプレクサ1001で一旦非多重化されたパケットの再多重化、データパケットの削除、PMT書き換えを行う。
【0072】
次に、デマルチプレクサ1101における処理について図12を参照して説明する。図12は、デマルチプレクサ1101の処理動作を示すフローチャートである。
【0073】
ステップS1201において、デマルチプレクサ1101は、デジタルチューナ101からデータブロックを受信し、ステップS1202に進む。
【0074】
ステップS1202において、デマルチプレクサ1101は、受信したデータブロック中のデータパケットが空カルーセルで構成されているか否かの判別を行う。空カルーセルで構成されていればステップS1203に分岐し、空カルーセルでなければステップS1204に分岐する。
【0075】
ステップS1203において、デマルチプレクサ1101は、データパケットのPIDを、通信経路1103を介してマルチプレクサ1104に送信し、ステップS1204に進む。これにより、受信したデータブロックのデータパケットが空カルーセルで構成されているか否かと、及び、データパケットが空カルーセルの場合そのPIDとをマルチプレクサ1104に通知する。
【0076】
ステップS1204において、デマルチプレクサ1101は、データブロックをバッファ1102に書き込み、処理を終了する。
【0077】
次に、マルチプレクサ1104における処理を、図13を参照して説明する。図13は、マルチプレクサ1104の処理動作を示すフローチャートである。
【0078】
ステップS1301において、マルチプレクサ1104は、データブロックをバッファ1102から読み出し、ステップS1302に進む。
【0079】
ステップS1302において、マルチプレクサ1104は、読み出したデータブロック中のデータパケットが空カルーセルで構成されているか否かの判別を行う。空カルーセルで構成されていればステップS1303に分岐し、空カルーセルでなければステップS1306に分岐する。
【0080】
ステップS1303において、デマルチプレクサ1101からPIDを受信したか否かの判別を行い、受信していればステップS1304に分岐し、受信していなければステップS1306に分岐する。
【0081】
ステップS1304において、デマルチプレクサ1101は、ステップS1303で受信したPIDの登録情報を削除したPMTを新たに作成し、ステップS1305に進む。
【0082】
ステップS1305において、デマルチプレクサ1101は、ステップS1303で受信したPIDに対応する空カルーセルを削除し、ステップS1306に進んでデータブロックの記録を行う。
【0083】
ここで、ステップS1301でマルチプレクサ1104が読み出すデータブロックは、ステップS1201でデマルチプレクサ1101が受信したデータブロックよりバッファ1102に設定された遅延分だけ遅延している。そのため、ステップS1303でデマルチプレクサからPIDを受信した場合、デマルチプレクサが受信しているデータブロックより遅延分だけ過去に受信したデータブロックに対して削除処理を行うことになる。これにより、空でないデータが開始される直前の所定量の空カルーセルを残すことが可能となる。
【0084】
<その他の実施形態>
上記実施形態では、デジタル放送ストリームを受信する場合について述べた。しかし、対象となるストリームはこれに限らず、例えばネットワーク(図示せず)を介して、情報配信装置(図示せず)から入力するMPEGストリームであっても構わない。
【0085】
また、本発明は上記実施形態を実現するための装置及び方法のみに限定されるものではない。
【0086】
例えば、上記システム又は装置内のコンピュータ(CPU或いはMPU)に、上記実施形態を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給するものも本発明の範疇に含まれる。また、このプログラムコードに従って上記システム或いは装置のコンピュータが上記各種デバイスを動作させることにより上記実施例を実現する場合も本発明の範疇に含まれる。
【0087】
この場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が上記実施形態の機能を実現することになる。即ち、そのプログラムコード自体、及びそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、具体的には上記プログラムコードを格納した記憶媒体も本発明の範疇に含まれる。
【0088】
この様なプログラムコードを格納する記憶媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0089】
また、本発明は上記プログラムコードのみに従って各種デバイスを制御することにより、上記実施形態の機能が実現される場合に限らない。例えば、上記プログラムコードがコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)、或いは他のアプリケーションソフト等と共同して上記実施形態が実現される場合も本発明の範疇に含まれる。
【0090】
更に、コンピュータの機能拡張ボードに備わるメモリに格納された上記プログラムコードの指示に基づいて、その機能拡張ボードに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合なども本発明の範疇に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】社団法人電波産業会で規定されているデジタル放送ストリームの例を示す図である。
【図3】図2に示した放送ストリームから空カルーセルを削除し、これに対応したPMTを作り直した場合のストリームの構成例を示す図である。
【図4】デジタル放送のデータストリームの伝送状態を示す図である。
【図5】本発明の実施形態におけるデータブロックの定義を説明するための図である。
【図6】ストリーム処理部における処理動作を示すフローチャートである。
【図7】デジタル放送のデータストリーム例を示す図である。
【図8】削除候補PIDリストの構成例を示す図である。
【図9】新たに作成したデータブロックD’[n]を示す図である。
【図10】図2に示したデータ放送を含むデジタル放送のデータストリームに対して本発明の実施形態を適用した場合の出力ストリームを示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
【図12】デマルチプレクサの処理動作を示すフローチャートである。
【図13】マルチプレクサの処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
101 デジタルチューナ
103 ストリーム処理部
104 一時記憶部
106 記録処理部
107 記録部
1101 デマルチプレクサ
1102 遅延バッファ
1104 マルチプレクサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、有意ではないデータを含むデータストリームを受信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データ放送を含むデジタル放送を受信し記録するものとしては、映像音声と共にデータカルーセルを全て記録する技術が一般的であった(例えば、特許文献1参照)。また、空カルーセルの受信があった場合、対応するコンテンツを削除する処理を行う技術もある(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−201317号公報
【特許文献2】特開2002−328867号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
データ放送を含むデジタル放送ストリームを記録する場合、従来は、空カルーセルを含め、デジタル放送ストリームをそのままの状態で全て記録していた。空カルーセルは再生時には不要な情報のため、記録領域を効率的に使用できないという課題があった。
【0005】
一方、空カルーセルを削除して記録する技術も知られている。この場合、記録領域を効率的に使用できないという課題は解決されるが、以下に示す新たな課題が発生する。空カルーセルを削除する場合、削除した後のコンポーネント構成に対応したPMTを記録装置が作り直す必要がある。ここで、PMT(Program Map Table)を書き換えずにデータパケットを残しておくと、PMTにはコンポーネントの登録があるのに対して、実際のコンポーネントが存在しないためエラーとなってしまう。
【0006】
対応するPMTを作り直すことにより、空カルーセルを削除して記録することは可能となるが、このストリームの再生時に以下の課題が発生する。再生時には、まずPMTを監視して、各コンポーネントの認識を行う。そのため、PMTの更新を認識してからデータ本体を獲得するまでの間にタイムラグが発生し、この間のデータを取り逃してしまうという課題が発生する。
【0007】
全てのデータパケットを記憶しておく場合であれば、PMTの更新がなく、データ本体の有無が変化するだけなので、タイムラグはほとんど発生せず、このような課題は発生しない。
【0008】
現状では、記録領域の非効率性を許容するか、データの取りこぼしを許容するかの、トレードオフの関係になっており、両方の課題を同時に解決する手段は存在しなかった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、再生時のデータの取りこぼしを防ぎつつ、記録領域の有効活用を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の受信装置は、データストリームを受信する受信手段と、前記データストリームに含まれる所定単位の複数のデータに対して有意なデータであるか否かを判定する判定手段と、有意なデータの直前から所定時間前までの第1の期間の有意ではないデータを残して、前記第1の期間までの第2の期間の有意ではないデータを削除する削除手段とを有することを特徴とする。
本発明の受信装置の制御方法は、データストリームを受信する受信ステップと、前記データストリームに含まれる所定単位の複数のデータに対して有意なデータであるか否かを判定する判定ステップと、有意なデータの直前から所定時間前までの第1の期間の有意ではないデータを残して、前記第1の期間までの第2の期間の有意ではないデータを削除する削除ステップとを含むことを特徴とする。
本発明のプログラムは、データストリームを受信する受信ステップと、前記データストリームに含まれる所定単位の複数のデータに対して有意なデータであるか否かを判定する判定ステップと、有意なデータの直前から所定時間前までの第1の期間の有意ではないデータを残して、前記第1の期間までの第2の期間の有意ではないデータを削除する削除ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明においては、有意なデータの直前から所定時間前までの第1の期間の有意ではないデータを残して、第1の期間までの第2の期間の有意ではないデータを削除するように構成している。従って、再生時のデータの取りこぼしを防ぎつつ、記録領域の有効活用を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を適用した好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
図1において、101はデジタル放送のデータストリームを受信するためのデジタルチューナであって、受信波の復調・復号を行い、インタフェース102にMPEG−2トランスポートストリームを出力する。なお、デジタルチューナ101は、本発明の受信手段の一適用例となる構成である。
【0014】
102は、デジタルチューナ101から出力されるストリームをストリーム処理部103に送るためのインタフェースである。
【0015】
103は、ストリーム処理部であって、インタフェース102を介して入力したストリームから、空カルーセルの削除処理、PMT作成処理を行う。その後、記録に適したMPEG−2トランスポートストリームをインタフェース105に出力する。ストリーム処理部103の詳細処理については後述する。ストリーム処理部103は、ハードウェア、ソフトウェア、又は、ハードウェア及びソフトウェアで構成される。
【0016】
104は、一時記憶部であって、ストリーム処理部103での処理に応じてストリームを一時記憶する。一時記憶部104は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、又は磁気記録装置等で構成される。
【0017】
105は、ストリーム処理部103で必要に応じて処理したストリームを記録処理部106に送るためのインタフェースである。
【0018】
106は、記録処理部であって、インタフェース105を介して入力されるストリームを記録部107に記録するためのファイルシステム管理等の処理を行う。
【0019】
107は、磁気記録媒体や光メディア等にストリームを記録するための記録部である。
【0020】
次に、ストリーム処理部103で実行される処理の詳細について説明する。
デジタル放送のデータストリームは、図4に示すように所定単位であるトランスポートストリームパケット(以下、TSパケット)単位で時間軸多重化されて伝送されている。TSパケットの多重化の詳細は、ISO/IEC 13818−1に記載されているため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0021】
図4において、401、414はPMTパケットを表している。402、408は1つの映像パケット、403、409は連続した1つ以上の映像パケットを表している。404、410は1つの音声パケット、405、411は連続した1つ以上の音声パケットを表している。406、412は1つのデータパケット、407は連続した1つ以上のデータパケットを表している。413、415は幾つかの映像、音声又はデータパケットが続いていることを表している。
【0022】
PMTには、PMTに続く映像、音声、データの各コンポーネントの属性と、各コンポーネントを構成するパケットを識別するためのPIDが記述されている。コンポーネント属性やPIDの変更等は、PMTの記述を変更することによって行われる。また、PMTの伝送周期は、例えばARIBでは100ミリ秒が推奨されている。
【0023】
本実施形態では、図5に示すように、PMT401から次のPMT414の直前のパケットまでを1つのデータブロックと定義し、n番目のデータブロックをD[n]と表す。
【0024】
図4と図5とでは、映像402、403、408、409及び413中の映像パケットが映像501に対応し、音声404、405、410、411及び413中の音声パケットが音声502に対応している。また、データ406、407、412及び413中のデータパケットがデータ503に対応している。
【0025】
次に、ストリーム処理部103における処理動作を図6のフローチャートを参照して説明する。図6は、ストリーム処理部103の処理動作を示すフローチャートである。
【0026】
ステップS601において、ストリーム処理部103は、インタフェース102からデータブロックD[i]を受信する。
【0027】
ステップS602において、ストリーム処理部103は、受信したデータブロックD[i]内のデータパケットに空カルーセルが存在するか、存在しないかを判定する。即ちここでは、受信したデータブロックD[i]内のデータパケットに有意ではないデータが存在するか、有意なデータのみ存在するかを判定している。空カルーセルのデータパケットが存在すれば処理はステップS603に分岐し、空カルーセルのデータパケットが存在しなければ処理はステップS604に分岐する。なお、ステップS602は、本発明の判定手段の一処理例である。
【0028】
ステップS603において、ストリーム処理部103は、空カルーセルのデータパケットのPIDを削除候補PIDリストR[i]に登録し、ステップS605に進む。例えば、データブロックD[i]内においてデータパケットPIDが0x0540のデータパケットが空カルーセルであった場合、削除候補PIDリストR[i]に0x0540を登録する。
【0029】
ステップS604において、ストリーム処理部103は、削除候補PIDリストR[i]にNULLを登録し、ステップS605に進む。NULLの登録は、削除候補となるPIDが存在しないことを表している。
【0030】
ステップS605において、ストリーム処理部103は、受信データブロックD[i]と削除候補PIDリストR[i]とを、一時記憶部104に記憶し、ステップS606に進む。
【0031】
ステップS606において、ストリーム処理部103は、一時記憶部104から、データブロックD[i−2]を読み出し、ステップS407に進む。これはステップS601で受信したデータブロックD[i]より2つ前に受信したデータブロックであって、ステップS602からS605の処理を同様に行い、一時記憶部104に記憶していたデータブロックである。
【0032】
ステップS607において、ストリーム処理部103は、一時記憶部104からR[i]を読み出し、R[i]がNULLであるか否か(削除候補PIDが設定されているか否か)を判定する。R[i]がNULLではない場合、処理はステップS608に分岐する。一方、R[i]がNULLである場合、処理はステップS613に分岐する。
【0033】
ステップS608において、ストリーム処理部103は、一時記憶部104からR[i−1]を読み出し、R[i]とR[i−1]とが等しいか否かを判定する。R[i]とR[i−1]とが等しければ(当該データブロックの削除候補PIDと1つ前のデータブロックの削除候補PIDとが同一であれば)、処理はステップS609に分岐する。一方、R[i]とR[i−1]とが等しくなければ、処理はステップS613に分岐する。
【0034】
ステップS609において、ストリーム処理部103は、R[i]とR[i−2]とが等しいか否かを判定する。R[i]とR[i−2]とが等しければ(当該データブロックの削除候補PIDと2つ前のデータブロックの削除候補PIDとが同一であれば)、処理はステップS610に分岐する。一方、R[i]とR[i−2]とが等しくなければ、処理はステップS613に分岐する。
【0035】
ステップS610において、ストリーム処理部103は、R[i−2]に記憶されているPIDに対応する登録情報をPMT[i−2]から削除し、新たなPMT=PMT’[i−2]を作成し、ステップS411に進む。なお、ステップS610は、本発明の更新手段の一処理例である。
【0036】
ステップS611において、ストリーム処理部103は、R[i−2]に記憶されているPIDに該当するデータパケットを、データブロックD[i−2]から削除した新たなデータブロックD’[i−2]を作成し、ステップS612に進む。ここでのデータパケットの削除処理が本発明の削除手段の一処理例となる。
【0037】
ステップS612において、ストリーム処理部103は、ステップS611で作成したデータブロックD’[i−2]を記録する。
【0038】
ステップS613において、ストリーム処理部103は、データブロックD[i−2]を記憶する。
【0039】
以上のフローチャートに沿った動作を、図7のデジタル放送のデータストリーム例を参照しながら説明する。
【0040】
図7では、一つのデータブロック内で同一コンポーネントを構成するパケットを一つのブロックとして表現している。時刻t1より前に伝送されるデジタル放送ストリームのデータパケット704、708、712が空カルーセル、時刻t1より後に伝送されるデジタル放送ストリームのデータパケット716が空でないデータカルーセルである。
【0041】
ストリーム処理部103は、データブロックD[n]を受信したとき、データパケット704が空カルーセルであるため、データパケット704のPID=0x0540を削除候補PIDリストR[n]に登録する。本処理は、図6のステップS601〜ステップS603に対応する処理である。
【0042】
同様の処理をデータブロックD[n]〜D[n+3]まで行った場合の削除候補PIDリストを図8に示す。データブロックD[n+3]のデータパケット716は空でないカルーセルのため、ストリーム処理部103は、削除候補PIDリストR[n+3]にはNULLを登録する(ステップS604)。
【0043】
いま、データブロックD[n+2]を受信した場合について考えると、R[n+2]が0x0540であり(ステップS607)、また、R[n+2]はR[n+1]、R[n]と等しい(ステップS608、S609)。従って、ストリーム処理部103は、2つ前のデータブロックD[n]のPMT701の書き換え(ステップS610)と、データパケット704の削除(ステップS611)とを行う。
【0044】
新たに作成したデータブロックD’[n]を図9に示す。書き換え後のPMT’[n]901は、データパケットPID=0x0540の登録を削除した内容となる。データブロックD’[n]はデータパケット704を削除したデータブロックとなる。
【0045】
次に、データブロックD[n+3]を受信した場合について考える。R[n+3]はNULLである(ステップS607)。従って、ストリーム処理部103は、2つ前のデータブロックD[n+1]に関しては、PMTの書き換え及びデータパケットの削除は共に行わず、空カルーセルを残したデータブロックとなる。
【0046】
以下、同様の処理を続けることによって、空でないデータカルーセルが開始されるデータブロックD[n+3]の2つ前までのデータブロック(D[n+2]とD[n+1])の空カルーセルを残すことが可能となる。
【0047】
また、それより前のデータブロック(D[n])の空カルーセルを削除することが可能となる。本実施形態では、2つ前までのデータブロックの空カルーセルを残す場合について説明した。これに限定されず、ステップS606〜S609での処理対象となるデータブロック数を変更することによって、データの再生時において、データパケットを識別するためのPMTが参照され、該当するデータパケットが読み込まれるまでの時間に応じた所望の空カルーセルを残すことが可能となる。なお、PMTは、本発明の識別データの一適用例となる構成である。
【0048】
図2に、社団法人電波産業会(以下、ARIB)で規定されているデジタル放送ストリームの例を示す。図2では、左から右に(t0からt4に向かって)時間の流れを表し、縦にコンテンツを構成する各コンポーネントを表している。
【0049】
PMT201には、ストリームに含まれる各コンポーネントの属性と、各コンポーネントを構成するパケットを識別するためのパケット識別(PID)が記述されている。図2の例では、映像コンポーネントを構成するパケットのPIDが0x0200、音声パケットのPIDが0x0300、データパケットのPIDが0x0540であること示している。PMT201、映像202、音声203、データ204〜207は、パケット多重され、時間軸に沿って伝送されている。
【0050】
データパケットは、DSM−CC規格(ISO/IEC 13818−6)準拠したデータカルーセル方式で伝送される。DSM−CC規格についてのここでの詳細な説明は省略する。ARIBデジタル放送では、DIIメッセージとDDBメッセージを用いてデータ伝送を行っている。DIIメッセージは、伝送される各データがどのようなものであるかの情報を伝送するために用い、DDBメッセージは、データ本体を伝送するために用いる。
【0051】
DIIメッセージ中には、numberOfModulesフィールドというフィールドがあり、データ本体を構成するためのモジュール数を表している。伝送すべきデータ本体が存在しない場合は、numberOfModulesフィールドに0(零)を設定したDIIメッセージを伝送し、DDBメッセージは伝送しない。これを空カルーセルと称する。また、伝送すべきデータ本体が存在しない状態が継続する場合は、numberOfModules=0のDIIメッセージを周期的に伝送し続ける。
【0052】
図2の例では、204、206が空カルーセル、205、207が空でないカルーセルであることを表している。
【0053】
データコンポーネント伝送における、空カルーセルと空でないカルーセルの変更は、DIIメッセージ中のdata_event_idフィールドを変更することによって通知する。図2の例では、データ204、205、206、207の変更に合わせて、data_event_idを1ずつインクリメントしている。
【0054】
図2で示したような、データ放送を含むデジタル放送ストリームを記録する場合、従来は、空カルーセル204、206を含め、放送ストリームをそのままの状態で全て記録していた。空カルーセルは再生時には不要な情報のため、記録領域を効率的に使用できない。
【0055】
一方、空カルーセル204、206を削除して記録する場合、記録領域を効率的に使用できないという課題は解決されるが、以下に示す新たな課題が発生する。
【0056】
空カルーセルを削除する場合、削除した後のコンポーネント構成に対応したPMTを記録装置が作り直す必要がある。図2に示した放送ストリームから空カルーセルを削除し、これに対応したPMTを作り直した場合の、ストリームの構成例を図3に示す。
【0057】
時刻t0からt1、t2からt3に存在していた空カルーセル204、206の削除に対応したPMT301、303を新たに作成する。PMTの内容は、この期間に伝送されるコンテンツは映像202、音声203のみのため、データパケットの登録が削除された内容となっている。ここでPMTを書き換えずにデータパケットの登録を残しておくと、PMTにはコンポーネントの登録があるのに、実際のコンポーネントが存在しないためエラーとなってしまう。
【0058】
上記の方法により、空カルーセルを削除して記録することは可能となるが、このストリームの再生時に以下の課題が発生する。
【0059】
再生時には、まずPMTを監視して、各コンポーネントの認識を行う。今、時刻t1になった瞬間を考えると、PMT301からPMT302に更新され、新たにPID=0x0540のデータ伝送が開始されたことが分かる。システムの動作的には、PMTの更新を認識してからPID=0x0540のDIIメッセージを獲得し、さらにDDBメッセージの獲得を行う。そのため、PMTの更新を認識してからデータ205のデータ本体を獲得するまでの間にタイムラグが発生し、この間のデータを取り逃してしまうという課題が発生する。
【0060】
全てのデータパケットを記録しておく場合であれば、常にPID=0x0540のデータは存在し、DDBの有無が変化するだけなので、タイムラグはほとんど発生せず、このような課題は発生しない。
【0061】
このように現状では、記録領域の非効率性を許容するか、データの取りこぼしを許容するかの、トレードオフの関係になっている。
【0062】
図2に示したデータ放送を含むデジタル放送のデータストリームに対して本実施形態を適用した場合の出力ストリームを図10に示す。
【0063】
空でないデータ205が開始される直前の所定量の空カルーセル1005が、本実施形態の処理によって残された空カルーセル、PMT1001が、データパケットの削除に対応させて書き換えたPMTである。時刻t3前後のPMT1003、空カルーセル1006についても同様である。なお、空カルーセル1005は、本発明の第1の期間の有意ではないデータに対応する構成であり、その直前の時刻t5までの削除された空カルーセルが本発明の第2の期間の有意ではないデータに対応する構成である。
【0064】
以上のように本実施形態によれば、空でないデータが開始される直前の所定量の空カルーセルを残すことによって、不要な空カルーセルを削除し、かつ再生時のデータ取りこぼしのないストリームを作成することが可能となる。
【0065】
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、空カルーセルの検索処理と空カルーセル削除処理とを1つの処理ブロックで行う場合について説明した。これに対し、本発明の第2の実施形態は、空カルーセルの検索処理部と空カルーセル削除処理部とを遅延バッファで接続し、複数の処理ブロックで処理を行う。
【0066】
本発明の第2の実施形態に係る受信装置の構成について図11を参照して説明する。図11は、本発明の第2の実施形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
【0067】
デジタルチューナ101、記録処理部106、記録部107は、図1に示した構成と同様であるため説明は省略する。
【0068】
1101は、デマルチプレクサであって、パケット多重されたMPEG−2ストリームの非多重化と空カルーセルの検索を行う。
【0069】
1102は、遅延バッファであって、デマルチプレクサ1001で処理されたTSパケットを所定時間又は所定量だけ遅延させてマルチプレクサ1004に読み込ませるためのものである。遅延時間又は遅延量は、装置の初期化時やストリーム受信開始時に、再生処理に要する時間を考慮して予め設定しておく。
【0070】
1103は、デマルチプレクサ1001からマルチプレクサ1004に対して、指定PIDのパケット削除を指示するための通信経路である。
【0071】
1104は、マルチプレクサであって、デマルチプレクサ1001で一旦非多重化されたパケットの再多重化、データパケットの削除、PMT書き換えを行う。
【0072】
次に、デマルチプレクサ1101における処理について図12を参照して説明する。図12は、デマルチプレクサ1101の処理動作を示すフローチャートである。
【0073】
ステップS1201において、デマルチプレクサ1101は、デジタルチューナ101からデータブロックを受信し、ステップS1202に進む。
【0074】
ステップS1202において、デマルチプレクサ1101は、受信したデータブロック中のデータパケットが空カルーセルで構成されているか否かの判別を行う。空カルーセルで構成されていればステップS1203に分岐し、空カルーセルでなければステップS1204に分岐する。
【0075】
ステップS1203において、デマルチプレクサ1101は、データパケットのPIDを、通信経路1103を介してマルチプレクサ1104に送信し、ステップS1204に進む。これにより、受信したデータブロックのデータパケットが空カルーセルで構成されているか否かと、及び、データパケットが空カルーセルの場合そのPIDとをマルチプレクサ1104に通知する。
【0076】
ステップS1204において、デマルチプレクサ1101は、データブロックをバッファ1102に書き込み、処理を終了する。
【0077】
次に、マルチプレクサ1104における処理を、図13を参照して説明する。図13は、マルチプレクサ1104の処理動作を示すフローチャートである。
【0078】
ステップS1301において、マルチプレクサ1104は、データブロックをバッファ1102から読み出し、ステップS1302に進む。
【0079】
ステップS1302において、マルチプレクサ1104は、読み出したデータブロック中のデータパケットが空カルーセルで構成されているか否かの判別を行う。空カルーセルで構成されていればステップS1303に分岐し、空カルーセルでなければステップS1306に分岐する。
【0080】
ステップS1303において、デマルチプレクサ1101からPIDを受信したか否かの判別を行い、受信していればステップS1304に分岐し、受信していなければステップS1306に分岐する。
【0081】
ステップS1304において、デマルチプレクサ1101は、ステップS1303で受信したPIDの登録情報を削除したPMTを新たに作成し、ステップS1305に進む。
【0082】
ステップS1305において、デマルチプレクサ1101は、ステップS1303で受信したPIDに対応する空カルーセルを削除し、ステップS1306に進んでデータブロックの記録を行う。
【0083】
ここで、ステップS1301でマルチプレクサ1104が読み出すデータブロックは、ステップS1201でデマルチプレクサ1101が受信したデータブロックよりバッファ1102に設定された遅延分だけ遅延している。そのため、ステップS1303でデマルチプレクサからPIDを受信した場合、デマルチプレクサが受信しているデータブロックより遅延分だけ過去に受信したデータブロックに対して削除処理を行うことになる。これにより、空でないデータが開始される直前の所定量の空カルーセルを残すことが可能となる。
【0084】
<その他の実施形態>
上記実施形態では、デジタル放送ストリームを受信する場合について述べた。しかし、対象となるストリームはこれに限らず、例えばネットワーク(図示せず)を介して、情報配信装置(図示せず)から入力するMPEGストリームであっても構わない。
【0085】
また、本発明は上記実施形態を実現するための装置及び方法のみに限定されるものではない。
【0086】
例えば、上記システム又は装置内のコンピュータ(CPU或いはMPU)に、上記実施形態を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給するものも本発明の範疇に含まれる。また、このプログラムコードに従って上記システム或いは装置のコンピュータが上記各種デバイスを動作させることにより上記実施例を実現する場合も本発明の範疇に含まれる。
【0087】
この場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が上記実施形態の機能を実現することになる。即ち、そのプログラムコード自体、及びそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、具体的には上記プログラムコードを格納した記憶媒体も本発明の範疇に含まれる。
【0088】
この様なプログラムコードを格納する記憶媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0089】
また、本発明は上記プログラムコードのみに従って各種デバイスを制御することにより、上記実施形態の機能が実現される場合に限らない。例えば、上記プログラムコードがコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)、或いは他のアプリケーションソフト等と共同して上記実施形態が実現される場合も本発明の範疇に含まれる。
【0090】
更に、コンピュータの機能拡張ボードに備わるメモリに格納された上記プログラムコードの指示に基づいて、その機能拡張ボードに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合なども本発明の範疇に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】社団法人電波産業会で規定されているデジタル放送ストリームの例を示す図である。
【図3】図2に示した放送ストリームから空カルーセルを削除し、これに対応したPMTを作り直した場合のストリームの構成例を示す図である。
【図4】デジタル放送のデータストリームの伝送状態を示す図である。
【図5】本発明の実施形態におけるデータブロックの定義を説明するための図である。
【図6】ストリーム処理部における処理動作を示すフローチャートである。
【図7】デジタル放送のデータストリーム例を示す図である。
【図8】削除候補PIDリストの構成例を示す図である。
【図9】新たに作成したデータブロックD’[n]を示す図である。
【図10】図2に示したデータ放送を含むデジタル放送のデータストリームに対して本発明の実施形態を適用した場合の出力ストリームを示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
【図12】デマルチプレクサの処理動作を示すフローチャートである。
【図13】マルチプレクサの処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
101 デジタルチューナ
103 ストリーム処理部
104 一時記憶部
106 記録処理部
107 記録部
1101 デマルチプレクサ
1102 遅延バッファ
1104 マルチプレクサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データストリームを受信する受信手段と、
前記データストリームに含まれる所定単位の複数のデータに対して有意なデータであるか否かを判定する判定手段と、
有意なデータの直前から所定時間前までの第1の期間の有意ではないデータを残して、前記第1の期間までの第2の期間の有意ではないデータを削除する削除手段とを有することを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記所定時間は、データの再生時において、前記データストリームに含まれるデータを識別するための識別データが参照され、該当するデータが読み込まれるまでの時間であることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記削除手段は、前記第1の期間の有意ではないデータとして、前記所定時間に対応する数の有意ではないデータを残すことを特徴とする請求項1又は2に記載の受信装置。
【請求項4】
前記削除手段は、前記第1の期間の有意ではないデータとして、前記所定時間に対応する量の有意ではないデータを残すことを特徴とする請求項1又は2に記載の受信装置。
【請求項5】
前記削除手段により有意ではないデータを削除した場合、当該有意ではないデータに対応する識別データを更新する更新手段を更に有することを特徴とする請求項2に記載の受信装置。
【請求項6】
データストリームを受信する受信ステップと、
前記データストリームに含まれる所定単位の複数のデータに対して有意なデータであるか否かを判定する判定ステップと、
有意なデータの直前から所定時間前までの第1の期間の有意ではないデータを残して、前記第1の期間までの第2の期間の有意ではないデータを削除する削除ステップとを含むことを特徴とする受信装置の制御方法。
【請求項7】
データストリームを受信する受信ステップと、
前記データストリームに含まれる所定単位の複数のデータに対して有意なデータであるか否かを判定する判定ステップと、
有意なデータの直前から所定時間前までの第1の期間の有意ではないデータを残して、前記第1の期間までの第2の期間の有意ではないデータを削除する削除ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
データストリームを受信する受信手段と、
前記データストリームに含まれる所定単位の複数のデータに対して有意なデータであるか否かを判定する判定手段と、
有意なデータの直前から所定時間前までの第1の期間の有意ではないデータを残して、前記第1の期間までの第2の期間の有意ではないデータを削除する削除手段とを有することを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記所定時間は、データの再生時において、前記データストリームに含まれるデータを識別するための識別データが参照され、該当するデータが読み込まれるまでの時間であることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記削除手段は、前記第1の期間の有意ではないデータとして、前記所定時間に対応する数の有意ではないデータを残すことを特徴とする請求項1又は2に記載の受信装置。
【請求項4】
前記削除手段は、前記第1の期間の有意ではないデータとして、前記所定時間に対応する量の有意ではないデータを残すことを特徴とする請求項1又は2に記載の受信装置。
【請求項5】
前記削除手段により有意ではないデータを削除した場合、当該有意ではないデータに対応する識別データを更新する更新手段を更に有することを特徴とする請求項2に記載の受信装置。
【請求項6】
データストリームを受信する受信ステップと、
前記データストリームに含まれる所定単位の複数のデータに対して有意なデータであるか否かを判定する判定ステップと、
有意なデータの直前から所定時間前までの第1の期間の有意ではないデータを残して、前記第1の期間までの第2の期間の有意ではないデータを削除する削除ステップとを含むことを特徴とする受信装置の制御方法。
【請求項7】
データストリームを受信する受信ステップと、
前記データストリームに含まれる所定単位の複数のデータに対して有意なデータであるか否かを判定する判定ステップと、
有意なデータの直前から所定時間前までの第1の期間の有意ではないデータを残して、前記第1の期間までの第2の期間の有意ではないデータを削除する削除ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−212547(P2009−212547A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−50350(P2008−50350)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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