説明

受信装置、及び受信方法

【課題】電波状況に拘わらず消費電力を削減できるようにした受信装置、及び受信方法を提供すること。
【解決手段】複数の周波数帯域のうちいずれか一つの周波数帯域である第1の周波数帯域を利用して受信した第1の受信信号に基づいて第1の放送が視聴可能、又は前記複数の周波数帯域のうち前記第1の周波数帯域以外の全周波数帯域である第2の周波数帯域を利用して受信した第2の受信信号に基づいて第2の放送が視聴可能な受信装置において、前記第1の放送が視聴されているとき、前記第2の周波数帯域に含まれる複数の周波数帯域のうちいずれか一つの周波数帯域である第3の周波数帯域を利用して第3の受信信号を受信する受信部と、前記第3の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能か否かを判別し、前記第2の放送が視聴可能と判別したとき前記第1の放送に対する視聴から第2の放送に対する視聴への切替えを行う制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置、及び受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、地上デジタル放送では、1チャネル分の周波数帯域幅(例えば6MHz)が13個のセグメントに分割され、そのうち、12個のセグメント(以下、フルセグ)は固定受信機向けの放送に用いられる。また、残りの1個のセグメント(以下、ワンセグ)は携帯電話などの移動体受信機向けの放送に用いられている。
【0003】
図15(A)はセグメントの分割例を示す図である。図15(A)において四角の中の数字はセグメントの番号を示す。例えば、放送局などはセグメント番号「1」〜「12」を用いてフルセグ放送(高画質放送)を行い、セグメント番号「0」用いてワンセグ放送(低画質放送)を行う。
【0004】
このような地上デジタル放送として送信された無線信号を受信する受信装置として、例えば、カーナビゲーション装置などがある。カーナビゲーション装置などの受信装置は、例えば、電波状況に応じて、フルセグ放送の視聴とワンセグ放送の視聴とを切替えることができるようになっている。
【0005】
図15(B)は、このような受信装置200の構成例を示す図である。アンテナ201は放送局などから送信された無線信号を受信し、RF部202は、例えば受信した無線信号を増幅し低周波の受信信号に変換する。OFDM復調部203は、変換後の受信信号に対して、アナログデジタル変換、FFT(Fast Fourier Transform)等を行い、各キャリア(搬送波)の変調信号を出力する。階層分離部204は、変調信号に含まれるTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号に基づいて、変調信号をA階層とB階層に分離し、A階層の変調信号を第1の誤り訂正部205、B階層の変調信号を第2の誤り訂正部206に出力する。第1及び第2の誤り訂正部205,206は、各階層の変調信号に対して、波形等化処理やデマッピング処理などの復調処理、更にデインターリーブ処理や誤り訂正処理などの復号化処理を行う。その出力は、例えば後段の処理回路に供給される。
【0006】
なお、地上デジタル放送では、放送局などはセグメント毎に異なる変調方式にて送信することができ、それぞれのセグメントの集合を、例えば階層と呼んでいる。例えば、A階層が「ワンセグ」用のセグメント、B階層が「フルセグ」用のセグメントとして利用される。例えば、A階層側の変調方式は「QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)」、B階層の変調方式は「64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)」となっている。
【0007】
このような受信装置200において電波状況を確認する指標として、例えば、MER(Modulation Error Ratio)やBER(Bit Error Rate)などがある。受信装置200は、MER又はBERと閾値とを比較することで電波状況を確認し、フルセグ視聴可能な否かを判別することができる。
【0008】
ここで、MERは、例えば、変調誤差比とも呼ばれ、受信信号の送信信号に対するコンスタレーションに関する誤差を示す。そのため、受信装置200では、復号処理が行われる第1及び第2の誤り訂正部205,206において、MERの測定が行われる。
【0009】
また、BERは、例えば、ビット誤り率とも呼ばれ、受信ビット数に対する誤りビット数の比率を示す。そのため、受信装置200では、復号処理が行われる第1及び第2の誤り訂正部205,206においてBERの測定が行われる。
【0010】
図16及び図17は、このようなMER又はBERを用いた受信装置200における切替え制御の動作例を夫々示すフローチャートである。このうち、図16はワンセグ視聴からフルセグ視聴に切替える場合、図17はフルセグ視聴からワンセグ視聴に切替える場合の各動作例を示している。
【0011】
ワンセグ視聴からフルセグ視聴への切替えが行われる場合、受信装置200は、A階層側の第1の誤り訂正部205を起動させ、例えば、第1の誤り訂正部205に対して、ワンセグ放送による受信信号に対する復号処理などを行わせる。これにより受信装置200はワンセグ視聴中の状態となり、ユーザはワンセグ放送を視聴できる(S101)。
【0012】
次いで、受信装置200は、フルセグ状態を確認するか否かを判別する(S102)。例えば、受信装置200は一定期間経過したか否かによりフルセグ状態を確認するか否かを判別する。
【0013】
そして、受信装置200は、フルセグ状態を確認しないときはS101に移行してフルセグ状態を確認するまで待つ(例えば一定期間経過するまで待つ)(S102でNoとS101のループ)。一方、受信装置200は、フルセグ状態を確認するとき(例えば一定期間経過後)(S102でYes)、フルセグ側の電波状況を確認するため、第2の誤り訂正部206を起動させる(S103)。この起動により、第2の誤り訂正部206はフルセグ側のMER又はBERを測定することができる(S104)。
【0014】
受信装置200は、例えば、測定したMER又はBERとフルセグ視聴可能な閾値と比較することで、フルセグ視聴可能か否かを判別する(S105)。
【0015】
そして、受信装置200は、フルセグ視聴可能と判別したとき(S105でYes)、フルセグ視聴が行われるようにする(S106)。例えば、受信装置200は、MER又はBERがフルセグ視聴可能な閾値以上のとき、第1の誤り訂正部205の起動を停止させる。MER又はBER測定のために起動した第2の誤り訂正部206は、フルセグ放送による受信信号に対する復号処理などを行う。これにより、受信装置200において、ワンセグ視聴からフルセグ視聴への切替えが行われ、ユーザはフルセグ放送を視聴できる。
【0016】
一方、受信装置200は、フルセグ視聴可能でないと判別したとき(S105でNo)、ワンセグ視聴中の状態に移行する(S101)。例えば、受信装置200は、測定したMER又はBERがフルセグ視聴可能な閾値より小さいとき、フルセグ視聴可能でないとして、B階層側の第2の誤り訂正部206を停止させて、ワンセグ視聴中の状態に移行する。
【0017】
図17は、逆に、フルセグ視聴からワンセグ視聴に切替えが行われる場合の動作例を示すフローチャートである。受信装置200は、B階層側の第2の誤り訂正部206を起動させることで、フルセグ視聴中の状態となる(S111)。そして、受信装置200は、フルセグ側の受信電波状況を確認するため、第2の誤り訂正部206に対して、MER又はBERを測定させる(S112)。受信装置200は、例えば、第2の誤り訂正部206で測定したMER又はBERがフルセグ視聴可能な閾値以上のとき(S113でYes)、フルセグ視聴の状態を維持する(S111)。
【0018】
一方、受信装置200は、例えば、測定したMER又はBERがフルセグ視聴可能な閾値より小さいとき(S113でNo)、B階層側の第2の誤り訂正部206を停止させ、A階層側の第1の誤り訂正部205を起動させてワンセグ視聴中の状態に移行する(S114)。
【0019】
このような受信装置の他の例としては、例えば、放送信号を受信している時に基地局から着信を受けた時、13セグメントの放送受信を1セグメントの放送受信に切替える、放送受信機能と電話機能とを併設した情報処理装置がある。
【0020】
また、受信装置の他の例として、12セグメント放送の受信時に、FFT後の受信OFDM信号から検出したドップラーシフト値が所定値以上となった場合、1セグメント放送の受信に切替えるようにしたOFDM受信装置の例もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開2005−109828号公報
【特許文献2】特開2009−284383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
ここで、受信装置200において、ワンセグ視聴からフルセグ視聴への切替えが行われる場合のA階層側の第1の誤り訂正部205とB階層側の第2の誤り訂正部206に着目する。ユーザがワンセグ視聴しているとき(例えば図16のS101)は、受信装置200は「A階層のみ」の状態となる。「A階層のみ」の状態とは、例えば、階層分離部204において階層分離が行われた上で、第1の誤り訂正部205が動作し、第2の誤り訂正部206は動作しない状態である。
【0023】
また、ユーザがフルセグ視聴しているとき(例えばS106)、受信装置200は「B階層のみ」の状態となる。「B階層のみ」の状態とは、例えば、階層分離が行われた上で、第2の誤り訂正部206が動作し、第1の誤り訂正部205は動作しない状態である。
【0024】
更に、ワンセグ視聴中にフルセグの電波状況の確認が行われるとき、受信装置200は「A,B両階層」の状態(例えばS103)となる。「A,B両階層」の状態とは、例えば、第1及び第2の誤り訂正部105,106の双方が動作する状態である。
【0025】
このような受信装置200において電波状況が良好な場合、例えば、MER又はBERがフルセグ視聴可能な閾値以上となり、1回の判定で(例えばS105でYes)フルセグ視聴への切替えが行われる(例えばS106)。
【0026】
しかし、電波状況が良好でない場合、例えば、MER又はBERがフルセグ視聴可能な閾値より小さくなり(例えば、S105でNo)、受信装置200は「A階層のみ」の状態に移行する(S101)。このため、以降の処理で受信装置200は再度「A,B両階層」の状態に移行する。従って、電波状況が良好でない場合、受信装置200が「A,B両階層」の状態へ移行する回数が複数回となり、「A,B両階層」の状態へ移行する回数が1回の場合と比較して、受信装置200は多くの電力を消費する。
【0027】
また、上述した放送受信機能と電話機能とを併設した情報処理装置や、OFDM受信装置は、いずれも「12セグメント」又は「13セグメント」から「1セグメント」への切替えである。これら情報処理装置及びOFDM受信装置は、双方とも、ワンセグ視聴が行われているときにフルセグ視聴へ切替えることは行われておらず、電波状況に拘わらず消費電力を削減することはできない。
【0028】
そこで、本発明の一目的は、電波状況に拘わらず消費電力を削減できるようにした受信装置、及び受信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0029】
一態様によれば、複数の周波数帯域のうちいずれか一つの周波数帯域である第1の周波数帯域を利用して受信した第1の受信信号に基づいて第1の放送が視聴可能、又は前記複数の周波数帯域のうち前記第1の周波数帯域以外の全周波数帯域である第2の周波数帯域を利用して受信した第2の受信信号に基づいて第2の放送が視聴可能な受信装置において、前記第1の放送が視聴されているとき、前記第2の周波数帯域に含まれる複数の周波数帯域のうちいずれか一つの周波数帯域である第3の周波数帯域を利用して第3の受信信号を受信する受信部と、前記第3の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能か否かを判別し、前記第2の放送が視聴可能と判別したとき前記第1の放送に対する視聴から第2の放送に対する視聴への切替えを行う制御部とを備える。
【発明の効果】
【0030】
電波状況に拘わらず消費電力を削減できるようにした受信装置、及び受信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は受信装置の構成例を示す図である。
【図2】図2は送受信システムの構成例を示す図である。
【図3】図3は受信装置の構成例を示す図である。
【図4】図4はOFDM復調部の構成例を示す図である。
【図5】図5は1セグメント単位相関検出部の構成例を示す図である。
【図6】図6は第1(又は第2)の1セグメント単位相関器の構成例を示す図である。
【図7】図7はピーク検出部の構成例を示す図である。
【図8】図8はワンセグ視聴からフルセグ視聴への切替え動作の例を示すフローチャートである。
【図9】図9はフルセグ視聴からワンセグ視聴への切替え動作の例を示すフローチャートである。
【図10】図10はセグメントパターンの例を示す図である。
【図11】図11(A)及び図11(B)はセグメントパターンの例を夫々示す図である。
【図12】図12はセグメントパターンの例を示す図である。
【図13】図13はセグメントパターンの例を示す図である。
【図14】図14はセグメントパターンの例を示す図である。
【図15】図15(A)はセグメントの分割例、図15(B)は受信装置の構成例を夫々示す図である。
【図16】図16はワンセグ視聴からフルセグ視聴への切替え動作の例を示すフローチャートである。
【図17】図17はフルセグ視聴からワンセグ視聴への切替え動作の例を示すフローチャートである。
【図18】図18は受信装置の他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0033】
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態について説明する。図1は第1の実施の形態における受信装置200の構成例を示す図である。
【0034】
受信装置200は、複数の周波数帯域300のうちいずれか一つの周波数帯域を示す第1の周波数帯域310を利用して受信した第1の受信信号に基づいて第1の放送が視聴可能である。また、受信装置200は、複数の周波数帯域300のうち第1の周波数帯域310以外の全周波数帯域を示す第2の周波数帯域320を利用して受信した第2の受信信号に基づいて第2の放送が視聴可能である。複数の周波数帯域300は、例えば、地上デジタル放送用の周波数帯域である。複数の周波数帯域300の各周波数帯域は、例えば、セグメントと呼ばれることもある。受信装置200は、第1の放送も視聴可能であるし、第2の放送の視聴可能である。
【0035】
受信装置200は受信部251と制御部252とを備える。
【0036】
受信部251は、第1の放送が視聴されているとき、第2の周波数帯域320に含まれる複数の周波数帯域のうちいずれか一つの周波数帯域を示す第3の周波数帯域321を利用して第3の受信信号を受信する。
【0037】
制御部252は、第3の受信信号に基づいて第2の放送が視聴可能か否かを判別し、第2の放送が視聴可能であると判別したとき第1の放送に対する視聴から第2の放送に対する視聴への切替えを行う。
【0038】
このように、本受信装置200は、第1の放送が視聴されているときに、第3の周波数帯域321を利用して受信した第3の受信信号に基づいて第2の放送に対する視聴判断を行っている。従って、例えば、複数の周波数帯域300又は第2の周波数帯域320の全部を夫々利用して受信信号が受信されMER又はBERが測定される場合と比較して、本受信装置200は視聴判断に用いる周波数帯域の数も少ない。また、本受信装置200は、電波状況が良好でない場合にMER又はBER測定のために2つの階層の誤り訂正部を複数回動作させることもない。よって、本受信装置200はかかる場合と比較して、電波状況に拘わらず消費電力を削減することができる。更に、本受信装置200は、第1の放送が視聴されているときに第2の放送に対する視聴判断を行っているため、第1の放送に対する視聴から第2の放送に対する視聴への切替えが途切れることなく、継続して視聴切替えを行うことができる。
【0039】
[第2の実施の形態]
<全体構成例>
次に第2の実施の形態について説明する。図2は送受信システム1の構成例を示す図である。送受信システム1は、例えば、地上デジタル放送システムでもある。送受信システム1は、送信装置10と中継装置(又は中継局)15、及び受信装置20とを備える。
【0040】
送信装置10は、例えば、地上デジタル放送を行う放送局であり、映像データや音声データなどを含む無線信号を送信する。送信装置10は、例えば、1チャネル分の周波数帯域を複数に分割し、分割された周波数帯域を適宜利用して、無線信号を送信するようにしている(例えば前述の図15(A))。例えば、「ワンセグ放送」のときは、送信装置10は、分割した分割した周波数帯域のうちの「0」番目のセグメントを利用して無線信号を送信し、「フルセグ放送」のときは、「1」〜「12」番目のセグメントを利用して無線信号を送信する。
【0041】
中継装置15は、送信装置10から送信された無線信号を中継し、例えば、受信した送信信号の電力を増幅して送信する。なお、中継装置15は1台でも複数台でもよい。
【0042】
受信装置20は、例えば、カーナビゲーション装置(又はシステム)、又は携帯電話やPDA(Personal Digital Assistance)などの情報携帯端末などである。受信装置20は、送信装置10から送信された無線信号について中継装置15を介して受信、或いは中継装置15を介さず送信装置10から直接受信することができる。本第2の実施の形態において、受信装置20は、「ワンセグ放送」と「フルセグ放送」の視聴を切替えることができ、この切替えによりユーザは「ワンセグ放送」又は「フルセグ放送」を視聴できる。受信装置20は、例えば、セグメント番号「0」の周波数帯域を利用して受信した無線信号に基づいて「ワンセグ放送」の視聴を行うことができ、セグメント番号「1」〜「12」の周波数帯域を利用して受信した無線信号に基づいて「フルセグ放送」の視聴を行うことができる。
【0043】
<受信装置20の構成例>
次に受信装置20の構成例について説明する。図3は受信装置20の構成例を示す図である。受信装置20は、アンテナ21、RF(Radio Frequency)部22、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調部23、階層分離部24、第1及び第2の誤り訂正部25,26、階層結合部27、MPEG‐2TS分離部28、ワンセグデコード部29、フルセグデコード部30、視聴階層選択部31、AV同期部32、及びプロセッサ33を備える。なお、プロセッサ33は内部バス34を介して、OFDM復調部23、第1及び第2の誤り訂正部25,26、ワンセグデコード部29、フルセグデコード部30、視聴階層選択部31に接続される。
【0044】
なお、第1の実施の形態における受信部251は、例えば、アンテナ21、RF部22、OFDM復調部23、階層分離部24、第1及び第2の誤り訂正部25,26、階層結合部27、MPEG‐2TS分離部28、ワンセグデコード部29、フルセグデコード部30、視聴階層選択部31、及びAV同期32に対応する。また、第1の実施の形態における制御部252は、例えば、プロセッサ33に対応する。
【0045】
アンテナ21は、中継装置15又は送信装置10から送信された無線信号を受信し、RF部22に出力する。なお、ダイバーシティ通信などのために複数のアンテナ21が設けられてもよい。
【0046】
RF部22は、受信した無線信号をベースバンド帯域のベースバンド信号に周波数変換(又はダウンコンバート)して出力する。RF部22は、このような周波数変換を行うため、例えば周波数変換器や帯域通過フィルタ、増幅回路などを備える。
【0047】
OFDM復調部23は、ベースバンド信号をデジタル信号に変換し、更に、時間領域の信号を周波数領域の信号に変換するなどして、各キャリアに直交変調されている変調信号を抽出する。そのため、OFDM復調部23は、例えば、アナログデジタル変換部、FFT部などを備える。OFDM復調部23の詳細は後述する。また、OFDM復調部23は、1セグメント単位相関電力検出部を備える。1セグメント単位相関電力検出部は、例えば、セグメント単位でピーク相関電力値を検出する。その詳細も後述する。なお、OFDM復調部23は、プロセッサ33から制御信号が入力され、例えば、プロセッサ33からの制御信号に含まれるFFTサイズに従ってFFT処理が行われる。
【0048】
階層分離部24は変調信号に含まれるTMCC信号に基づいて、変調信号をA階層(ワンセグ用)とB階層(フルセグ用)の2つの信号に分離する。TMCC信号には、無線信号の送信に利用されたセグメント数の情報が含まれ、例えば、階層分離部24は、このセグメント数の情報に基づいて、変調信号をA階層とB階層の各変調信号に分離する。階層分離部24は、A階層の変調信号を第1の誤り訂正部25に、B階層の変調信号を第2の誤り訂正部26に夫々出力する。
【0049】
第1の誤り訂正部25は、A階層の変調信号に対して復調処理を行う。復調処理には、例えば、遅延を含む変調信号に対する波形等化処理と、所定の信号長を有する各信号にデマッピングするデマッピング処理とが含まれる。この復調処理により、送信装置10における変調(例えばQPSK)前のデジタル信号を得ることができる。第1の誤り訂正部25は、更に、復調後の信号に対して復号処理を行う。復号処理には、例えば、信号列を所定の順番に入れ替えるデインターリーブ処理と誤り訂正処理が含まれる。誤り訂正処理には、リードソロモン復号処理及び畳み込み復号処理などが含まれる。復号処理により、送信装置10における符号化前のデジタル信号を得ることができる。第1の誤り訂正部25は、復調処理及び復号処理が施された変調信号を、例えばA階層のトランスポートストリーム信号(以下、TS信号)として出力する。
【0050】
第2の誤り訂正部26は、B階層の変調信号に対して、第1の誤り訂正部25と同様に復調処理と復号処理とを行う。復調処理により、送信装置10における変調(例えば、64QAM)前のデジタル信号を得ることができる。第1の誤り訂正部25は、復調処理と復号処理が施された変調信号を、例えばB階層のTS信号として出力する。なお、第1及び第2の誤り訂正部25,26は、プロセッサ33からの制御信号に従って停止や起動が制御される。
【0051】
階層結合部27は、A階層のTS信号とB階層のTS信号とを階層結合し、例えば、TS信号として出力する。
【0052】
MPEG‐2TS分離部28は、MPEG‐2などのフォーマットで圧縮(又はエンコード)された映像データや音声データを含むTS信号に対して、伸長(又はデコード)対象のTS信号を分離して出力する。MPEG‐2TS分離部28は、例えば、TS信号をA階層とB階層の各TS信号に分離し、A階層のTS信号をワンセグデコード部29に出力し、B階層のTS信号をフルセグデコード部30に出力する。このような階層分離は、例えば、階層分離部24で行われる階層分離で用いたTMCC情報を階層分離部24から供給されて、このTMCC情報に基づいて行われてもよい。
【0053】
ワンセグデコード部29は、例えば、ワンセグ用(A階層)のTS信号をデコードする。例えば、映像データはH264、音声データはMPEG‐2などのフォーマットで圧縮されているため、ワンセグデコード部29は、これらに対応する伸長方法により、デコードされたワンセグ用の映像データまたは音声データを出力する。
【0054】
フルセグデコード部30は、例えば、フルセグ用(B階層)のTS信号をデコードする。フルセグ用のTS信号も、H264やMPEG‐2などのフォーマットで圧縮された映像データ又は音声データが含まれる。フルセグデコード部30は、これらに対応する伸長方法により、デコードされたフルセグ用の映像データまたは音声データを出力する。
【0055】
なお、ワンセグデコード部29とフルセグデコード部30も内部バス34を介してプロセッサ33と接続され、例えば、プロセッサ33から出力された制御信号に従って、起動と停止が夫々制御される。
【0056】
視聴階層選択部31は、例えば、プロセッサ33からの制御信号に従って、A階層又はB階層を選択し、A階層(ワンセグ用)のデコードされた映像データまたは音声データ、又はB階層(フルセグ用)のデコードされた映像データまたは音声データを出力する。
【0057】
AV同期部32は、例えば、送信装置10から送信される基準時間情報に同期させて、視聴階層選択部31から出力される映像データと音声データとを出力する。AV同期部32から出力された映像データや音声データは、モニタ(図示せず)やスピーカ(図示せず)に適宜出力され、これにより、ユーザは「ワンセグ放送」や「フルセグ放送」などが視聴できる。
【0058】
<OFDM復調部23の構成例>
次にOFDM復調部23の構成例について説明する。図4はOFDM復調部23の構成例を示す図である。OFDM復調部23は、AD変換部231と、FFT部232と、1セグメント単位相関電力検出部233(以下、「相関電力検出部」)とを備える。
【0059】
AD変換部231は、RF部22から出力されたアナログのベースバンド信号をデジタルのベースバンド信号に変換する。この変換により、I信号とQ信号とが分離されたベースバンド信号(又はOFDM信号)が抽出される。
【0060】
FFT部232は、AD変換部231から出力されたベースバンド信号に対して、高速フーリエ変換を施すことにより、時間領域から周波数領域の信号に変換する。FFT部232は、例えば、プロセッサ33から出力された制御信号に含まれるFFTサイズに従って高速フーリエ変換を行う。FFT部232は、周波数領域への変換により、各キャリアに直交変調されている変調信号を抽出することができる。抽出された変調信号は階層分離部24に出力される。
【0061】
相関電力検出部233は、例えば、プロセッサ33から出力された制御信号に含まれる動作モード値に従って、I信号とQ信号とに分離されたベースバンド信号に対して、対応するセグメントのピーク相関電力値を検出する。
【0062】
図5は相関電力検出部233の構成例を示す図である。相関電力検出部233は、第1の1セグメント単位相関器(以下、第1の相関器)235‐1、第2の1セグメント単位相関器(以下、第2の相関器)235‐2、第1及び第2の乗算器236,237、第1の加算器238、ピーク検出部239、及びレジスタ240とを備える。
【0063】
第1の相関器235‐1は、ベースバンド信号(又は受信信号)の同相成分(又はI信号)Rdiに対して、動作モード値に従って、対応するセグメントの相関電力値を検出する。動作モード値は、例えば、13セグメントに分割されたセグメント(例えば図15(A))のうち1又は複数のセグメントを指定した値を示す。例えば、動作モード値がセグメント番号「0」のセグメントを示すときは、第1の相関器235‐1はセグメント番号「0」のセグメントを利用して送信された受信信号の同相成分に対する相関電力値を検出する。また、例えば、動作モード値がセグメント番号「11」と「12」とを示すとき、第1の相関器235‐1は、かかるセグメントを利用して送信された受信信号の同相成分に対する相関電力値を検出する。
【0064】
図6は第1の相関器235‐1の構成例を示す図である。なお、第1の相関器235‐1と第2の相関器235‐2は同一構成のため、第1の相関器235‐1について説明し、第2の相関器235‐2の説明は省略する。
【0065】
第1の相関器235‐1は、第1のスイッチング制御部2351と、第1〜第432の遅延回路(又はシフトレジスタ)2352‐1〜2352‐432と、第3〜第434の乗算器2353‐1〜2353‐432と、第2の加算器2354とを備える。
【0066】
第1のスイッチング制御部2351は、プロセッサ33から出力された動作モード値に対応するセグメントのI信号が入力されたときはスイッチがオンとなり、入力されたI信号を出力する。また、第1のスイッチング制御部2351は、動作モード値に対応しないセグメントのI信号が入力されたときはスイッチがオフとなり、入力されたI信号を出力しない。
【0067】
このようなスイッチングが行われるためには、例えば以下のように第1のスイッチング制御部2351が動作する。すなわち、受信装置20に入力されるセグメントの入力順は、低周波の周波数帯域に対応するセグメント(セグメント番号「11」など)から高周波の周波数帯域に対応するセグメント(セグメント番号「12」)、或いはその逆など、予め決められている。第1のスイッチング制御部2351は、例えば、最初に入力されたセグメントからセグメント数をカウントし、カウント数に対応するセグメント番号と、動作モード値として指定されたセグメント番号とが一致するとき、スイッチをオンにし、一致しないときはオフにする。そのため、第1のスイッチング制御部2351は、例えば、カウンタ2351‐1とスイッチ2351‐2とを備え、カウンタ2351‐1がカウント数と動作モード値とが一致するときスイッチ2351‐2をオンにする信号を出力し、一致しないときオフにする信号を出力する。かかる信号に基づいてスイッチ2351‐2のオンまたはオフが行われる。
【0068】
第1〜第432の遅延回路2352‐1〜2352‐432と、第3〜第434の乗算器2353‐1〜2353‐432、及び第2の加算器2354は、例えば、FIRフィルタと同様の構成となっている。例えば、I信号の各サンプルが第1〜第432の遅延回路2352‐1〜2352‐432でサンプル毎に順次遅延され、遅延された各サンプルが第3〜第434の乗算器2353‐1〜2353‐432で重み付け係数(Coef[1]〜Coef[432])と乗算される。乗算された各サンプルは、第2の加算器2354で順次加算され、I信号に対する相関電力値として第1の乗算器236に出力される。タップ数は、例えば、1セグメントに含まれるサブキャリアの個数(432個)分あり、そのため1つのサブキャリアで送信されたI信号が1つのサンプルとして、順次、乗算等される。従って、第1の相関器235‐1は、例えば、セグメント毎に432個の相関電力値を出力する。なお、重み付け係数(Coef[1]〜Coef[432])は、例えば、プロセッサ33により制御信号として供給されてもよいし、予め第1の相関器235‐1のメモリ(図示せず)内に記憶されて処理の際に読み出されるようにしてもよい。
【0069】
第2の相関器235‐2についても、例えば、図6に示す第1の相関器235‐1と同様に、動作モード値により指定されたセグメントの相関電力値を出力することができる。ただし、第2の相関器235‐2においては、受信信号(又はベースバンド信号)の直交成分(Q信号)が対象である。例えば、第1のスイッチング制御部2351により、動作モード値として指定されたセグメントに対応するQ信号が出力され、第1〜第432の遅延回路2352‐1〜2352‐432と、第3〜第434の乗算器2353‐1〜2353‐432、及び第2の加算器2354により、Q信号に対する相関電力値を出力する。
【0070】
図5に戻り、第1の乗算器236は、第1の相関器235‐1から出力されるI信号の相関電力値どうしを乗算する。また、第2の乗算器237は、第1の相関器235‐1から出力されるQ信号の相関電力値どうしを乗算する。
【0071】
第1の加算器238は、第1及び第2の乗算器236,237から出力された2つの乗算値を加算し、ピーク検出部239に出力する。
【0072】
ピーク検出部239は、第1の加算器238から出力された相関電力値に基づいてピーク相関電力値を検出する。図7はピーク検出部239の構成例を示す図である。ピーク検出部239は、第2のスイッチング制御部2391と、ピーク相関電力値検出部2392とを備える。
【0073】
第2のスイッチング制御部2391は、プロセッサ33から出力された動作モード値により指定されたセグメントの相関電力値を出力し、指定されていないセグメントの相関電力値を出力しない。このため、第2のスイッチング制御部2391は、第1のスイッチング制御部2351と同様に、カウンタ2391‐1とスイッチ2391‐2とを備える。例えば、カウンタ2391‐1は、セグメント数をカウントし、カウント数に対応するセグメント番号と、動作モード値として指定されたセグメント番号と一致するときはスイッチ2391‐2をオンにし、そうでないときはスイッチ2391‐2をオフにする。
【0074】
ピーク相関電力値検出部2392は、第2のスイッチング制御部2391から出力された相関電力値に対してピークとなる相関電力値を検出することで、プロセッサ33により指定されたセグメントのピーク相関電力値を検出する。ピーク相関電力値は、例えば、複数ある相関電力値のうち、閾値以上の相関電力値を求め、そのうち最大の相関電力値を有するものをピーク相関電力値として求めることができる。ピーク相関電力値検出部2392は、検出したピーク相関電力値をレジスタ240に出力する。
【0075】
図5に戻り、レジスタ240はピーク検出部239で検出されたピーク相関電力値をセグメント毎に保持する。プロセッサ33は、レジスタ240にアクセスすることで、自身で指定したセグメントのピーク相関電力値を取得することができる。
【0076】
<受信装置20の動作例>
次に受信装置20における動作例を説明する。図8は、受信装置20においてワンセグ視聴からフルセグ視聴に切替えが行われる場合の動作例を示すフローチャートである。また、図9は、受信装置20においてフルセグ視聴からワンセグ視聴に切替えが行われる場合の動作例を示すフローチャートである。
【0077】
<ワンセグ視聴からフルセグ視聴への切替え>
最初にワンセグ視聴からフルセグ視聴に切替えが行われる場合の動作例について説明する。図8に示すように、受信装置20は、処理を開始すると(S10)、ワンセグ視聴用の動作モード値を設定することで、ワンセグ視聴中の状態となる(S11)。動作モード値は、ワンセグ視聴用の動作モードで、セグメント番号「0」のセグメントが対象セグメントであることを示す値となっている。
【0078】
例えば、プロセッサ33は、ワンセグ視聴用の動作モード値として、「0040」を設定し、この動作モード値を含む制御信号を第1の誤り訂正部25、ワンセグデコード部29、視聴階層選択部31に出力する。この場合の動作モード値は、例えば、A階層が選択され、「ワンセグ放送」の視聴が行われるようにする動作モード値となる。これにより、例えば、第1の誤り訂正部25、ワンセグデコード部29、及び視聴階層選択部31が起動して各種処理を行い、A階層側の映像データや音声データなどが選択され、ユーザはワンセグ視聴可能となる。例えば、プロセッサ33は、設定した動作モード値を第2の誤り訂正部26とフルセグデコード部30に出力してもよい。第2の誤り訂正部26とフルセグデコード部30は、動作モード値がワンセグ視聴用の動作モード値であること認識して、起動しないようにすることもできる。なお、この動作モード値の詳細は後述する。
【0079】
次いで、受信装置20はフルセグ状態を確認する(S12)。例えば、プロセッサ33は、一定期間毎にフルセグ状態か否かを確認するようにしており、一定期間経過したか否かにより判別する。従って、例えば、プロセッサ33は一定期間経過しないとき(S12でNo)、経過するまで待ち、一定期間経過すると次の処理に移行する(S12でYes)。
【0080】
受信装置20は、フルセグ状態を確認することができるとき(S12でYes)、動作モード値を変更する(S13)。例えば、プロセッサ33が動作モード値を変更する。この場合の動作モード値は、例えば、ピーク相関電力値を測定する対象となるセグメント(以下、「対象セグメント」)を指定するための動作モード値となる。
【0081】
図10は対象セグメントと動作モード値との対応関係の例を示す図である。例えば、セグメント番号「11」〜「0」〜「12」の順に、対象セグメントを「1」、対象でないセグメント「0」として1ビット構成で表現し、これを16進で表わした数値を動作モード値としている。例えば、対象セグメントが「0」のとき、ビット構成は「0000001000000」、動作モード値はこれを16進表現で表わした「0040」となる。対象セグメントが「11」,「12」のとき、動作モード値は「1001」となる。また、全セグメントが対象のときは、動作モード値は「1FFF」となる。もちろん、このような動作モード値は一例であり、動作モード値の指定により対象セグメントがどれであるのかが受信装置20において把握できるものであればどのようなものでもよい。
【0082】
なお、プロセッサ33は、例えば、この変更した動作モード値を制御信号として、OFDM復調部23の相関電力検出部233に出力する。プロセッサ33は、例えば、変更した動作モード値を相関電力検出部233以外の処理ブロックに出力することもできる。この場合、例えば、第1の誤り訂正部25やワンセグデコード部29などは、動作モード値がワンセグ視聴かフルセグ視聴の値に変更されたわけではないことを認識し、とくに内部で処理を行わないようにすることもできる。
【0083】
図8に戻り、次いで、受信装置20は対象セグメントに対するピーク相関電力値を測定する(S14)。例えば、上述したように、プロセッサ33が動作モード値を含む制御信号を、第1及び第2の相関器235‐1,235‐2と、ピーク検出部239に出力することで、対象セグメントのピーク相関電力値を測定する。例えば、上述したように、第1及び第2の相関器235‐1,235‐2における第1のスイッチング制御部2351のオン、オフにより、対象セグメントの受信信号が入力され、相関値が測定される。また、ピーク検出部239は、第2のスイッチング制御部2391のオン、オフにより、対象セグメントの相関値が入力され、対象セグメントのピーク相関電力値を測定する。ピーク検出部239は、測定したピーク相関電力値をレジスタ240に記憶する。
【0084】
次いで、受信装置20はフルセグ視聴可能な否かを判別する(S15)。例えば、プロセッサ33は、レジスタ240に記憶されたピーク相関電力値を読み出し、フルセグ視聴可能な閾値と比較して判別する。例えば、プロセッサ33は、読み出したピーク相関電力値が当該閾値以上のときフルセグ視聴可能(S15でYes)、ピーク相関電力値が当該閾値より小さいときフルセグ視聴可能でないと判別する(S15でNo)。
【0085】
受信装置20は、フルセグ視聴可能でないとき(S15でNo)、S11の処理に戻り、上述した処理を繰り返す。この場合、例えば、プロセッサ33はワンセグ視聴中の状態からフルセグ視聴の状態に移行するわけではないため、ワンセグ用の動作モード値を出力しなくてもよい。すなわち、受信装置200は、動作モード値を変更したが(S13)、例えば、これは対象セグメントのピーク相関電力値を測定するための動作モード値が指定されたのであって、ワンセグからフルセグ視聴へ変更するための動作モード値が指定されたわけではない。よって、例えば、プロセッサ33はワンセグ視聴を示す動作モード値を再度指定して出力してもよいし、指定せずに動作モード値に関してそのままの状態を維持するようにしてもよい。
【0086】
一方、受信装置20は、フルセグ視聴可能なとき(S15でYes)、動作モード値として「End」を指定したか否かを判別する(S16)。例えば、プロセッサ33がS13で指定した対象セグメントの次に指定する対象セグメントがないときは、「End」を示す動作モード値(例えば、「FFFF」)を相関電力検出部233に出力する。相関電力検出部233は、例えば、かかる動作モード値の入力により動作又は起動を停止する。
【0087】
なお、プロセッサ33が「End」を示す動作モード値を出力するか否かは、例えば、以下のように行うこともできる。すなわち、プロセッサ33は、ピーク相関電力値を測定する対象セグメントをどのように指定するかをセグメントパターンとして予め決めておく。そして、プロセッサ33は、そのセグメントパターンのうち最後のセグメントに対するピーク相関電力値がフルセグ視聴できる程度に十分な値であれば(S15でYes)、「End」の動作モード値を出力する。セグメントパターンの例は後述する。
【0088】
受信装置20は、次回の動作モード値として「End」が指定されたとき(S16でYes)、フルセグ視聴用の動作モード値を設定し、フルセグ視聴の状態に移行する(S17)。例えば、プロセッサ33は、セグメント番号「1」〜「12」までを指定した動作モード値(例えば、「1FFF」)をOFDM復調部23のFFT部232、第2の誤り訂正部26、フルセグデコード部30、視聴階層選択部31に出力する。この場合の動作モード値は、例えば、B階層を選択し、「フルセグ放送」の視聴が行われるようにする動作モード値である。これにより、FFT部232は、例えば、セグメント番号「0」による受信信号から、セグメント番号「1」〜「12」による受信信号にFFT処理の対象を拡げる。また、第2の誤り訂正部26とフルセグデコード部30はフルセグ視聴用の動作モード値の入力により起動し、例えば、セグメント番号「1」〜「12」による受信信号に対する復号処理等を行う。一方、プロセッサ33は、第1の誤り訂正部25とフルセグデコード部30にフルセグ視聴用の動作モード値を出力してもよく、この場合、第1の誤り訂正部25とフルセグデコード部30は当該動作モード値の入力により起動を停止する。これにより、例えば、受信装置20は「B階層のみ」の状態となり、ユーザはフルセグ放送を視聴できる。
【0089】
そして、受信装置20は一連の処理を終了する(S18)。
【0090】
一方、受信装置20は、次回の動作モード値として「End」が指定されていないとき(S16でNo)、対象セグメントを指定した動作モード値を変更することで、対象セグメントを更新する(S13)。対象セグメントの更新は、例えば、セグメントパターンに従うことになる。セグメントパターンは、例えば、前述したように1つのセグメントパターンによる1回のフルセグ視聴の確認で終了(最初に動作モード値が変更され(S13)、フルセグ視聴可能であれば(S15)、「End」が指定される)してもよい。また、複数のセグメントパターンによる複数回のフルセグ視聴の確認(S16でNoとなり、動作モード値が更新される)を行うようにしてもよい。(最初に動作モード値が変更され(S13)、フルセグ視聴可能であれば(S15)、「End」が指定される)。ここで、セグメントパターンの例について、1回の確認で終了するパターンと、複数回の確認が行われるパターンの2つのパターンに分けて説明する。
【0091】
<セグメントパターンの例>
まず、1回の確認で終了するセグメントパターンの例について説明する。この場合、上述したように、プロセッサ33はセグメントパターンを指示する動作モード値を相関電力検出部233に出力してピーク相関電力値を測定させる(例えば図8のS14)。そして、プロセッサ33は、測定結果がフルセグ視聴条件(例えばS15)を1回でも満たすとき(S15でYes)、「End」の動作モード値を出力することになる。
【0092】
図11(A)及び図11(B)は、セグメントパターンの例を示す図である。図11(A)に示すように、例えば、セグメント番号「0」,「11」,「12」を対象セグメントとしたセグメントパターンとすることができる。この場合、プロセッサ33は、例えば、3つのセグメント夫々に対するピーク相関電力値が全てフルセグ視聴可能な閾値以上のとき(S15でYes)、「End」を示す動作モード値を出力する(S16でYes)。あるいは、プロセッサ33は、例えば、3つのセグメントのピーク相関電力値を加算し、加算値が加算用のフルセグ視聴可能な閾値以上のとき、フルセグ視聴条件を満たす(S15でYes)ものとしてもよい。
【0093】
図11(A)の例では、地上デジタル放送用の周波数帯域のうち、最も周波数帯域の高いセグメントと最も周波数帯域の低いセグメントがセグメントパターンとして指定されている。これら2つのセグメントは、他のセグメントと比較して、地上デジタル放送用の周波数帯域以外の周波数帯による信号の影響を最も受け易い。従って、外圧の最も大きい2つのセグメントによるピーク相関電力値がフルセグ視聴可能なほど十分であれば、受信装置20は、他のセグメントに対するピーク相関電力値を測定することなく、フルセグ視聴可能と判断することもできる。
【0094】
また、図11(A)に示すように、セグメント番号「0」がセグメントパターンに含まれてもよい。セグメント番号「0」はワンセグ放送用のセグメントのため、例えば、プロセッサ33は、このセグメントによるピーク相関電力値に基づいてワンセグ視聴可能か否かの確認をすることもできる。
【0095】
図11(B)に示す例は、セグメント番号「0」,「11」をセグメントパターンとした例である。このように、セグメントパターンとしては、セグメント番号「0」以外の対象セグメントは必ずしも複数ではなく1つのセグメントとしてもよい。この場合、対象セグメントをセグメント番号「0」,「12」とすることもできる。
【0096】
他にも、図10に示すように、例えばセグメント番号「11」,「12」など、セグメント番号「0」を含まないセグメントパターンとすることもできる。例えば、セグメント番号「11」を対象セグメントとしたり、セグメント番号「12」を対象セグメントとすることもできる。
【0097】
また、図10に示すように、セグメント番号「0」〜「4」など、地上デジタル放送用の全周波数帯域のうち、中間周波数帯域に含まれるセグメントを対象セグメントとしたセグメントパターンとすることもできる。あるいは、偶数セグメントや奇数セグメントを対象セグメントにしたセグメントパターンとすることもできる。例えば、偶数セグメントは、地上デジタル放送用の全周波数帯域のうち高周波数帯域に属するセグメントであり、奇数セグメントは、地上デジタル放送用の全周波数帯域のうち低周波数帯域に属するセグメントでもある。
【0098】
さらに、セグメント番号「0」,「5」,「6」,「11」,「12」を対象セグメントとしたセグメントパターンもある。この場合のセグメントパターンは、例えば、地上デジタル放送用の全周波数帯域のうち、2セグメント毎に配置されたセグメントを対象セグメントにしている。例えば、セグメントパターンとして、セグメント番号「0」,「3」,「4」,「7」,「8」,「11」,「12」など1セグメント毎に配置されたセグメントを対象セグメントにしたものでもよい。
【0099】
更に、セグメント番号「1」〜「10」のセグメントを対象セグメントとしたセグメントパターンや、セグメント番号「0」〜「12」までの全セグメントを対象セグメントとしたセグメントパターンでもよい。
【0100】
次に複数回の確認が行われる場合のセグメントパターンの例について説明する。この場合は、前述したように、最初にあるセグメントパターン、次に他のセグメントパターンなどとすることにより、フルセグ視聴の確認が複数回行われる例である。図12及び図13はかかる場合のセグメントパターンの例を夫々示しており、図12は2つのセグメントパターン、図13は6つセグメントパターンにより夫々確認が行われる例を示している。
【0101】
図12の例は、1回目のセグメントパターンは、セグメント番号「0」,「11」,「12」とし、2回目のセグメントパターンは、更に、セグメント番号「5」,「6」が追加される例である。例えば、プロセッサ33は最初に動作モード値「1041」を相関電力検出部233に出力して、セグメント番号「0」,「11」,「12」夫々のピーク相関電力値を測定させる(S14)。プロセッサ33は、例えば、これらの測定結果が全てフルセグ視聴可能な閾値以上のとき(フルセグ視聴条件を満たすとき)(S15でYes)、動作モード値「1249」を相関電力検出部233に出力する(S16でNo、S13)。相関電力検出部233は、セグメント番号「0」,「5」,「6」,「11」,「12」の各セグメントに対するピーク相関電力値を測定する。プロセッサ33は、例えば、これらの測定結果が全てフルセグ視聴条件を満たすとき、「End」を示す動作モード値を出力し、フルセグ視聴可能と判断する(S16でYes,S17)。例えば、図12に示すように、確認回数が1回増加すると対象セグメントが「2」個ずつ増加するようなセグメントパターン以外にも、対象セグメントが「1」個ずつ増加したり、「3」個ずつ増加するなど、1又は複数個ずつ対象セグメントが増加するようにしてもよい。1又は複数個ずつ対象セグメントが増加する場合、どのセグメントを対象セグメントとして追加するかは、任意のセグメントでもよい。
【0102】
図13の例は、1回目のセグメントパターンはセグメント番号「0」,「11」,「12」とし、2回目のセグメントパターンは1回目のセグメントパターンに対してセグメント番号「9」,「10」が追加されたパターンとしている。3回目のセグメントパターンは、2回目のセグメントパターンに対して、セグメント番号「7」,「8」が追加されたパターンとなっている。以降、低周波帯域のセグメント又は高周波帯域のセグメントからセグメント番号「0」のセグメントに向けて対象セグメントが追加されるようにして対象セグメントが増加するパターンとなっている。最後の6回目のセグメントパターンは、全セグメントが対象となっており、すべてのセグメントに対してフルセグ視聴条件の確認が行われる。
【0103】
図12の例と図13の例とを比較すると、いずれの場合も対象セグメントが順次増加するセグメントパターンであるが、図13の例は全セグメントを確認すると終了するパターン、図12の例では全セグメントを確認しないで途中で終了するパターンでもある。図13の例では全セグメントまで確認するため、全セグメント確認しない図12の例よりも、ユーザがフルセグ放送を視聴できる確率が高くなる。一方、図12の例では、2回の確認で終了するため、全セグメント確認するまで終了しない場合と比較して、処理開始から処理終了までの処理スピードが早くなり、フルセグ視聴までの時間も早くなる。例えば、ユーザが安定したフルセグ視聴を好む場合は図13、多少のノイズがあってもできるだけ早くフルセグ視聴を行いたい場合は図12などの例とすることもできる。また、いずれの例の場合でも、対象セグメントが増加するセグメントパターンの場合、フルセグ視聴条件の確認(S15)は全セグメントを確認する場合よりも少ないセグメントで確認することができる。
【0104】
図14も複数回の確認が行われる場合のセグメントパターンの例を示す図である。図12及び図13の例は、セグメントパターンの対象セグメントが増加していくパターンの例を示した。図14の例は、対象セグメントが減少するセグメントパターンの例である。例えば、5回目のセグメントパターンでは、セグメント番号「1」,「2」を除く全セグメント夫々に対するピーク相関電力値が測定される。このとき、例えば、対象セグメントのうち、あるセグメントのピーク相関電力値が測定できなくなり、フルセグ視聴条件を何度も満たさない場合もある(例えばS15でNo)。このような事態を想定して、セグメントパターンとして、6回目のセグメントパターンは5回目の対象セグメントより少ない数のセグメントとしてピーク相関電力値が測定されるようになされてもよい。あるいは、プロセッサ33は、例えばフルセグ視聴条件の回数に関する閾値を設けて、フルセグ視聴条件を満たさない回数が当該閾値を超えると、対象セグメントを少なくさせるセグメントパターンに変更するようにすることもできる。
【0105】
なお、図14に示すセグメントパターンにおいても、例えば、3回目のセグメントパターンとして、1回目と同じセグメントパターン(セグメント番号「0」,「11」,「12」を対象セグメント)とすることもできる。あるいは、4回目のセグメントパターンが3回目のセグメントパターンと同じパターンとすることもできる。
【0106】
このように、セグメントパターンとしては確認回数が増加するに伴い、対象セグメントが増加するパターン以外にも、対象セグメント数が減少するパターンが含まれるようになってもよい。また、対象セグメント数が増加するパターンと減少するパターンとが混合するようなセグメントパターンとしてもよい。更に、確認回数が増加しても対象セグメントの個数は同じでもよいし、1回目はセグメント番号「0」,「11」,「12」、2回目はセグメント番号「0」,「9」,「10」など対象セグメントの個数は変わらずに対象セグメント自体が異なるようなセグメントパターンでもよい。
【0107】
このように、受信装置20は、ワンセグ視聴状態において、フルセグ視聴の確認(又はフルセグ視聴条件(例えば図8のS15))を行うとき、例えば、全セグメント又はフルセグ用の全セグメントを対象セグメントとはしていない。受信装置20は、例えば、全セグメント又はフルセグ放送に用いられる全セグメントのうち、いずれか一つ、又は複数であってもフルセグ用の全セグメントを対象としないセグメントを対象セグメントとしている。よって、受信装置20は、全セグメント又はフルセグ用の全セグメントを対象セグメントとする場合と比較して、測定対象のセグメント数は少なくなり、消費電力を削減することができる。
【0108】
また、受信装置20は、第1及び第2の誤り訂正部25,26の双方を動作させてMER又はBERを測定する場合と比較して、第1及び第2の誤り訂正部25,26を動作させることはないため、消費電力を削減することができる。
【0109】
更に、受信装置200は、ワンセグ放送が視聴されているときにフルセグ視聴に対するフルセグ視聴条件を判断しているため、ワンセグ視聴からフルセグ視聴への切替えも途切れることなく、継続して視聴切替えを行うことができる。
【0110】
また、受信装置20は、例えば電波状況が良好でない場合にフルセグ視聴条件を満たさないとして(例えば図8のS15でNo)、例えば、第2の誤り訂正部26を起動させることはない。従って、受信装置20は、電波状況が良好でないとして「A,B両階層」の状態に移行することはないため、「A,B両階層」の状態に何度も移行する場合と比較して、電波状況に拘わらず、消費電力を削減できる。
【0111】
更に、受信装置20は、フルセグ視聴条件において対象となるピーク相関電力値について、FFT部232の前段に位置する相関電力検出部233において検出している。従って、受信装置20は、FFT部232を起動させてフルセグ視聴条件を判別することはないため、FFT部232を起動させて判別する場合と比較して、消費電力を削減できる。
【0112】
<フルセグ視聴からワンセグ視聴への切替え>
次に受信装置20におけるフルセグ視聴からワンセグ視聴への切替え動作の例について説明する。図9はフルセグ視聴からワンセグ視聴への切替え動作の例を示すフローチャートである。
【0113】
受信装置20は、処理を開始すると(S20)、フルセグ視聴用の動作モード値(例えば、「1FBF」)を設定する(S21)。この場合の動作モード値は、例えば、B階層が選択され、「フルセグ放送」の視聴が行われるようにする動作モード値である。例えば、プロセッサ33はかかる動作モード値をOFDM復調部23のFFT部232、第2の誤り訂正部26、フルセグデコード部30、視聴階層選択部31に出力する。これらの処理部は、かかる動作モード値の入力により起動され、B階層側の受信信号に対するFFT処理などが行われる。これにより、受信装置20は、例えば「B階層のみ」の状態となり、ユーザはフルセグ放送を視聴できる。
【0114】
次いで、受信装置20はフルセグ側(B階層側)のMER又はBERを測定する(S22)。例えば、第2の誤り訂正部26が複素成分(I信号とQ信号)を含む受信信号に対して、復調処理においてMERを測定する。または、例えば、第2の誤り訂正部26が復調後の受信信号に対して、復号処理においてBERを測定する。
【0115】
次いで、受信装置20は、測定したMER又はBERがフルセグ視聴条件を満たすか否かを判別する(S23)。例えば、プロセッサ33は、第2の誤り訂正部26で測定したMER又はBERを第2の誤り訂正部26から取得し、フルセグ視聴可能な閾値以上か否かにより判別できる。
【0116】
受信装置20は、測定したMER又はBERがフルセグ視聴条件を満たすとき(S23でYes)、フルセグ視聴の状態を維持する(S21)。例えば、プロセッサ33は、MER又はBERがフルセグ視聴可能な閾値以上のとき、フルセグ用の動作モード値(例えば、16進数で「1FBF」)をOFDM復調部23などに出力する。この場合、プロセッサ33は、フルセグ視聴からワンセグ視聴に切替えが行われるわけではないため、フルセグ用の動作モード値を出力しないようにすることもできる。
【0117】
一方、受信装置20は、測定したMER又はBERがフルセグ視聴条件を満たさないとき(S23でNo)、フルセグ視聴できないと判別して、フルセグ視聴からワンセグ視聴に切替えを行う(S24)。例えば、プロセッサ33は、測定したMER又はBERがフルセグ視聴可能な閾値より小さいとき、ワンセグ用の動作モード値(例えば、「0040」)を出力する。この場合の動作モード値は、A階層が選択され、「ワンセグ放送」の視聴が行われるようにする動作モード値である。出力先は、例えば、OFDM復調部23、第1及び第2の誤り訂正部25,26、ワンセグデコード部29、フルセグデコード部30、及び視聴階層選択部31となる。OFDM復調部23のFFT部232は、ワンセグ用の動作モード値の入力により、FFTの処理対象をフルセグからワンセグ用のセグメントで受信した受信信号とする。例えば、B階層側の第2の誤り訂正部26とフルセグデコード部30は、ワンセグ用の動作モード値の入力により起動を停止し、A階層側の第1の誤り訂正部25とワンセグデコード部29はワンセグ用の動作モード値の入力により起動する。これにより、例えば、受信装置20は「A階層のみ」の状態となり、ユーザはワンセグ放送を視聴できる。
【0118】
そして、受信装置20は、一連の処理を終了する(S25)。
【0119】
<その他の例>
第2の実施の形態において、プロセッサ33の接続先は、OFDM復調部23や、第1及び第2の誤り訂正部25,26、ワンセグデコード部29、フルセグデコード部30、及び視聴階層選択部31として説明した(例えば図3)。例えば、RF部22、階層分離部24、階層結合部27、MEPG‐TS分離部28、視聴階層選択部31、AV同期部32のうちいずれか、又はその全てに、プロセッサ33が接続してもよい。プロセッサ33からの制御信号により、例えば、RF部22が周波数変換の動作を行ったり、階層分離部24においてA階層とB階層の各信号に分離するなど、各部の動作が制御されてもよい。
【0120】
また、第2の実施の形態において、プロセッサ33は対象セグメントを示す動作モード値を第1及び第2の相関器235‐1,235‐2とピーク検出部239に出力する例を説明した(例えば、図5)。例えば、プロセッサ33はかかる動作モード値をピーク検出部239に出力しないようにすることもできる。この第1及び第2の相関器235‐1,235‐2で対象セグメントが選択されていれば、ピーク検出部239では対象セグメントを選択しないようにすることもできる。この場合、ピーク検出部239は、第2のスイッチング制御部2391を含まないようにしてもよい。
【0121】
更に、第2の実施の形態では、受信装置20がピーク相関電力値を検出し、これに基づいてフルセグ視聴可能か否かを判別した(例えば図8のS14とS15)。ピーク相関電力値以外にも、例えば、ピーク電力値と平均電力値との比率(Peak to Average Power Ratio)などでフルセグ視聴条件が判別されてもよい。この場合でも、受信装置20は、PAPRがフルセグ視聴可能な閾値以上のときフルセグ視聴可能と判別し、そうでないときフルセグ視聴可能でないと判別することもできる(例えば図8のS14とS15)。フルセグ視聴条件が判別されるときに(例えばS15)、例えば、FFT部232によりFFT処理が行われる前の受信信号に対する電力値などの指標に基づいて判別されることが望ましい。
【0122】
更に、第1及び第2の実施の形態で説明した受信装置20は他の構成例でも実施できる。図18は受信装置20の他の構成例を示す図である。受信装置20は、更に、CPU(Central Processing Unit)41と、DSP(Digital Signal Processor)42、及びRAM(Random Access Memory)43を備える。例えば、第2の実施の形態におけるプロセッサ33はCPU41に対応する。例えば、第2の実施の形態におけるOFDM復調部23からAV同期部32までの各機能は、CPU41とDSP42、及びRAM43の協調動作により実現される。また、第1の実施の形態における制御部251はCPU41に対応する。第1の実施の形態における受信部251は、アンテナ21、RF部22に対応し、更に、CPU41とDSP42、及びRAM43による協調動作により実現される。
【0123】
以上まとめると付記のようになる。
【0124】
(付記1)
複数の周波数帯域のうちいずれか一つの周波数帯域である第1の周波数帯域を利用して受信した第1の受信信号に基づいて第1の放送が視聴可能、又は前記複数の周波数帯域のうち前記第1の周波数帯域以外の全周波数帯域である第2の周波数帯域を利用して受信した第2の受信信号に基づいて第2の放送が視聴可能な受信装置において、
前記第1の放送が視聴されているとき、前記第2の周波数帯域に含まれる複数の周波数帯域のうちいずれか一つの周波数帯域である第3の周波数帯域を利用して第3の受信信号を受信する受信部と、
前記第3の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能か否かを判別し、前記第2の放送が視聴可能と判別したとき前記第1の放送に対する視聴から第2の放送に対する視聴への切替えを行う制御部と
を備えることを特徴とする受信装置。
【0125】
(付記2)
前記第3の周波数帯域は、前記第2の周波数帯域に含まれる複数の周波数帯域のうち、周波数が最も高い周波数帯域又は最も低い周波数帯域であることを特徴とする付記1記載の受信装置。
【0126】
(付記3)
前記受信部は、前記第3の受信信号と、前記第2の周波数帯域に含まれる複数の周波数帯域のうち前記第3の周波数帯域以外のいずれかの一つの周波数帯域である第4の周波数帯域を利用して第4の受信信号を受信し、
前記制御部は、前記受信した第3及び第4の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能か否かを判別することを特徴とする付記1記載の受信装置。
【0127】
(付記4)
前記第3の周波数帯域は前記第2の周波数帯域に含まれる複数の周波数帯域のうち、周波数が最も高い周波数帯域であり、前記第4の周波数帯域は前記第2の周波数帯域に含まれる複数の周波数帯域のうち、周波数が最も低い周波数帯域であることを特徴とする付記3記載の受信装置。
【0128】
(付記5)
前記受信部は、前記第3及び第4の受信信号と、前記第2の周波数帯域に含まれる複数の周波数帯域のうち前記第3及び第4の周波数帯域以外の一又は複数の周波数帯域である第5の周波数帯域を利用して第5の受信信号を受信し、
前記制御部は前記第3、第4、及び第5の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能か否かを判別することを特徴とする付記3記載の受信装置。
【0129】
(付記6)
前記第3、第4、及び第5の周波数帯域は、前記第2の周波数帯域に含まれる複数の周波数帯域のうち、前記第3、第4、及び第5の周波数帯域以外の他の周波数帯域より周波数の高い高周波数帯域、又は前記他の周波数帯域より周波数の低い低周波数帯域に属することを特徴する付記5記載の受信装置。
【0130】
(付記7)
前記第3、第4、及び第5の周波数帯域は、前記第2の周波数帯域に含まれる複数の周波数帯域のうち、一又は二周波数帯域毎に配置された周波数帯域であることを特徴とする付記5記載の受信装置。
【0131】
(付記8)
前記受信部は、前記制御部が前記第2の放送は視聴可能と判別したとき、前記第3の受信信号と、前記第2の周波数帯域に含まれる複数の周波数帯域のうち前記第3の周波数帯域以外のいずれか一つの周波数帯域である第6の周波数帯域を利用して第6の受信信号を受信し、
前記制御部は、受信した前記第3及び第6の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能か否かを判別することを特徴とする付記1記載の受信装置。
【0132】
(付記9)
前記受信部は、前記制御部が前記第3及び第6の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能でないと判別したとき、前記第3の周波数帯域を利用して前記第3の受信信号を受信し、
前記制御部は、受信した前記第3の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能か否かを判別することを特徴とする付記8記載の受信装置。
【0133】
(付記10)
前記受信部は、前記第2の周波数帯域に含まれる全周波数帯域を利用して他の受信信号を受信し、
前記制御部は、前記他の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能か否かを判別することを特徴とする付記8記載の受信装置。
【0134】
(付記11)
前記受信部は、前記制御部が前記第3及び第4の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能であると判別したとき、前記第3及び第4の受信信号と、前記第2の周波数帯域に含まれる複数の周波数帯域のうち前記第2及び第4の周波数帯域以外のいずれか一つの周波数帯域を夫々示す第7及び第8の周波数帯域を利用して、第7及び第8の受信信号を夫々受信し、
前記制御部は、受信した前記第3、第4、第7、及び第8の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能か否かを判別することを特徴とする付記3記載の受信装置。
【0135】
(付記12)
前記受信部は、前記制御部が前記第3、第4、第7、及び第8の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能でないと判別したとき、前記第3及び第4の周波数帯域を利用して前記第3及び第4の受信信号を受信し、
前記制御部は、受信した前記第3及び第4の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能か否かを判別することを特徴とする付記11記載の受信装置。
【0136】
(付記13)
前記第7及び第8の周波数帯域は、前記第3及び第4の周波数帯域よりも、前記第2の周波数帯域において中間周波数帯域側の周波数帯域であることを特徴とする付記12記載の受信装置。
【0137】
(付記14)
前記受信部は、前記第2の周波数帯域に含まれる全周波数帯域を利用して他の受信信号を受信し、
前記制御部は、前記他の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能か否かを判別することを特徴とする付記12記載の受信装置。
【0138】
(付記15)
前記制御部は前記第3の周波数帯域を指定した制御信号を前記受信部に出力し、前記受信部は前記制御信号に従って前記第3の周波数帯域を利用して前記第3の受信信号を受信することを特徴とする付記1記載の受信装置。
【0139】
(付記16)
前記受信部は、前記第3の受信信号のピーク相関電力値を検出する相関電力検出部を備え、
前記制御部は、前記ピーク相関電力値に基づいて前記第2の視聴放送が視聴可能か否かを判別することを特徴とする付記1記載の受信装置。
【0140】
(付記17)
前記第1又は第2の受信信号に対して時間領域の信号から周波数領域の信号に変換が行われる前に、前記相関電力検出部による前記ピーク相関電力値の検出が行われることを特徴とする付記16記載の受信装置。
【0141】
(付記18)
前記制御部は、前記第2の放送が視聴可能でないと判別したとき前記第1の放送の視聴を継続させることを特徴とする付記1記載の受信装置。
【0142】
(付記19)
複数の周波数帯域のうちいずれか一つの周波数帯域である第1の周波数帯域を利用して受信した第1の受信信号に基づいて第1の放送が視聴可能、又は前記複数の周波数帯域のうち前記第1の周波数帯域以外の全周波数帯域である第2の周波数帯域を利用して受信した第2の受信信号に基づいて第2の放送が視聴可能な受信装置における受信方法であって、
前記第1の放送が視聴されているとき、前記第2の周波数帯域に含まれる複数の周波数帯域のうちいずれか一つの周波数帯域である第3の周波数帯域を利用して第3の受信信号を受信部により受信し、
前記第3の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能か否かを判別し、前記第2の放送が視聴可能と判別したとき、制御部により前記第1の放送に対する視聴から第2の放送に対する視聴への切替えを行う
ことを特徴とする受信方法。
【符号の説明】
【0143】
1:送受信システム 10:送信装置
20:受信装置 23:OFDM復調部
25:第1の誤り訂正部 26:第2の誤り訂正部
29:ワンセグデコード部 30:フルセグデコード部
33:プロセッサ 231:AD変換部
232:FFT部
233:1セグメント単位相関電力検出部(相関電力検出部)
235‐1:第1の1セグメント単位相関器(第1の相関器)
235‐2:第2の1セグメント単位相関器(第2の相関器)
236:第1の乗算器 237:第2の乗算器
238:第1の加算器 239:ピーク検出部
240:レジスタ 251:受信部
252:制御部 2351:第1のスイッチング制御部
2351‐1:カウンタ 2351‐2:スイッチ
2352‐1〜2352‐432:第1〜第432の遅延素子(シフトレジスタ)
2353‐1〜2353‐432:第3〜第434の乗算器
2354:第2の加算器 2391:第2のスイッチング制御部
2391‐1:カウンタ 2391‐2:スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の周波数帯域のうちいずれか一つの周波数帯域である第1の周波数帯域を利用して受信した第1の受信信号に基づいて第1の放送が視聴可能、又は前記複数の周波数帯域のうち前記第1の周波数帯域以外の全周波数帯域である第2の周波数帯域を利用して受信した第2の受信信号に基づいて第2の放送が視聴可能な受信装置において、
前記第1の放送が視聴されているとき、前記第2の周波数帯域に含まれる複数の周波数帯域のうちいずれか一つの周波数帯域である第3の周波数帯域を利用して第3の受信信号を受信する受信部と、
前記第3の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能か否かを判別し、前記第2の放送が視聴可能と判別したとき前記第1の放送に対する視聴から第2の放送に対する視聴への切替えを行う制御部と
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記第3の周波数帯域は、前記第2の周波数帯域に含まれる複数の周波数帯域のうち、周波数が最も高い周波数帯域又は最も低い周波数帯域であることを特徴とする請求項1記載の受信装置。
【請求項3】
前記受信部は、前記第3の受信信号と、前記第2の周波数帯域に含まれる複数の周波数帯域のうち前記第3の周波数帯域以外のいずれかの一つの周波数帯域である第4の周波数帯域を利用して第4の受信信号を受信し、
前記制御部は、前記受信した第3及び第4の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能か否かを判別することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
【請求項4】
前記第3の周波数帯域は前記第2の周波数帯域に含まれる複数の周波数帯域のうち、周波数が最も高い周波数帯域であり、前記第4の周波数帯域は前記第2の周波数帯域に含まれる複数の周波数帯域のうち、周波数が最も低い周波数帯域であることを特徴とする請求項3記載の受信装置。
【請求項5】
前記受信部は、前記制御部が前記第3及び第4の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能であると判別したとき、前記第3及び第4の受信信号と、前記第2の周波数帯域に含まれる複数の周波数帯域のうち前記第2及び第4の周波数帯域以外のいずれか一つの周波数帯域を夫々示す第7及び第8の周波数帯域を利用して、第7及び第8の受信信号を夫々受信し、
前記制御部は、受信した前記第3、第4、第7、及び第8の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能か否かを判別することを特徴とする請求項3記載の受信装置。
【請求項6】
前記受信部は、前記制御部が前記第3、第4、第7、及び第8の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能でないと判別したとき、前記第3及び第4の周波数帯域を利用して前記第3及び第4の受信信号を受信し、
前記制御部は、受信した前記第3及び第4の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能か否かを判別することを特徴とする請求項5記載の受信装置。
【請求項7】
前記第7及び第8の周波数帯域は、前記第3及び第4の周波数帯域よりも、前記第2の周波数帯域において中間周波数帯域側の周波数帯域であることを特徴とする請求項6記載の受信装置。
【請求項8】
前記受信部は、前記第2の周波数帯域に含まれる全周波数帯域を利用して他の受信信号を受信し、
前記制御部は、前記他の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能か否かを判別することを特徴とする請求項6記載の受信装置。
【請求項9】
前記受信部は、前記第3の受信信号のピーク相関電力値を検出する相関電力検出部を備え、
前記制御部は、前記ピーク相関電力値に基づいて前記第2の視聴放送が視聴可能か否かを判別することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
【請求項10】
複数の周波数帯域のうちいずれか一つの周波数帯域である第1の周波数帯域を利用して受信した第1の受信信号に基づいて第1の放送が視聴可能、又は前記複数の周波数帯域のうち前記第1の周波数帯域以外の全周波数帯域である第2の周波数帯域を利用して受信した第2の受信信号に基づいて第2の放送が視聴可能な受信装置における受信方法であって、
前記第1の放送が視聴されているとき、前記第2の周波数帯域に含まれる複数の周波数帯域のうちいずれか一つの周波数帯域である第3の周波数帯域を利用して第3の受信信号を受信部により受信し、
前記第3の受信信号に基づいて前記第2の放送が視聴可能か否かを判別し、前記第2の放送が視聴可能と判別したとき、制御部により前記第1の放送に対する視聴から第2の放送に対する視聴への切替えを行う
ことを特徴とする受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−120012(P2012−120012A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269041(P2010−269041)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】