説明

受信装置および送信装置

【課題】表示部の表示領域を減らすことなく、簡単に無線接続の切り替えを行うことができる。
【解決手段】無線通信部21は、無線による通信の接続を確立している送信装置から画像データを受信する。表示部22は、無線による通信の接続を自装置と確立するために必要な設定データと、画像データとを表示する。表示制御部23は、設定データを含むフレームの前後に表示するフレームでは、当該設定データを表示する表示部22の表示領域と同じ表示領域に画像データを表示するように表示部22の表示を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置および送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の送信装置と複数の受信装置との間の通信経路を無線化し、送信装置と受信装置との通信の接続を切り替えることができる無線通信システムが知られている。また、このような無線通信システムにおいて、例えば、受信装置Aと接続する送信装置を、送信装置Aから送信装置Bに変更するという無線接続設定の変更が頻繁に実施されるような場合、受信装置Aと送信装置Aとの接続を切断し、受信装置Aを接続設定状態にしてから、送信装置Bとの再接続を行うといった、ユーザ自身が行う操作を極力省くことが望ましい。
【0003】
また、所望の機器と無線接続を簡単かつ確実にするため、たとえば、受信装置が、接続情報を含む2次元コードを表示部に表示し、送信装置が、この2次元コードを撮像して復号することで接続情報を取得し、取得した接続情報に基づいて受信装置と通信の接続を確立する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−296239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、受信装置が2次元コードを表示部に表示する場合、表示部に2次元コードを表示するための表示領域が必要になる、または、表示部に表示している画像等に2次元コードを重畳して表示する必要がある。そのため、表示部に画像等を表示することができる表示領域を減少させてしまうという問題がある。
【0006】
図17は、従来知られている、2次元コードを表示するための領域として無線設定情報表示領域を設けた場合における表示部の表示例を示した概略図である。図示するように、表示部1700に2次元コードを表示するための領域として無線設定情報表示領域1701を設けた場合、画像表示領域1702として使用することができない使用不可領域1703が生じてしまう問題がある。また、図18は、従来知られている、画像表示領域に表示している画像等に2次元コードを重畳して表示する場合における表示部の表示例を示した概略図である。図示するように、表示部1800の画像表示領域1801に表示している画像等に2次元コードを重畳して表示する場合、2次元コードを表示した無線設定情報表示領域1802には、画像を表示することができないという問題がある。
【0007】
また、無線設定情報をシールに印字して筺体に貼付する方法、または筐体に無線設定情報を印字する方法は、無線ネットワークを構成するための設定情報が固定であり、フレキシビリティに欠ける。このため、無線ネットワークの環境が頻繁に変わる状況には適していない。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、表示部の表示領域を減らすことなく、簡単に無線接続の切り替えを行うことができる受信装置および送信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、受信装置の発明であって、無線による通信の接続を確立している送信装置から画像データを受信する受信部と、前記送信装置とは異なる送信装置が前記無線による通信の接続を前記受信装置と確立するために必要な設定データと前記画像データとを表示する表示部と、前記設定データを含むフレームの前後に表示するフレームでは、当該設定データを表示する前記表示部の表示領域と同じ表示領域に前記画像データを表示するように前記表示部の表示を制御する表示制御部と、を備えることを特徴とする受信装置である。
【0010】
また、本発明の受信装置において、前記表示制御部は、前記表示部に前記設定データを含むフレームを複数表示させる場合、前記設定データを含むそれぞれのフレームでは、前記表示部の表示領域中の略同じ領域に前記設定データを表示させるよう制御し、所定の前記フレームには前記設定データを含ませないように前記表示部の表示を制御することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の受信装置において、前記表示制御部は、前記画像データを表示させる前記表示部の表示領域のうち、一部の前記表示領域上に前記設定データを重畳して表示させるように前記表示部の表示を制御することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の受信装置において、前記表示制御部は、前記表示部に前記設定データを含むフレームを表示させる場合、前記設定データが直前に表示された前記表示部の表示領域とは異なる前記表示領域に前記設定データを表示させるように前記表示部の表示を制御することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の受信装置において、前記表示制御部は、前記表示部に前記設定データを含むフレームを表示させる場合、前記設定データの一部のみを表示させ、当該フレームとは異なる前記フレームに当該設定データの残りの全部または一部を表示させるように前記表示部の表示を制御することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、受信装置が備える前記表示部を撮像する撮像部と、前記撮像部が撮像したデータから、前記受信装置と無線による通信の接続を確立するために必要な前記設定データを特定する特定部と、前記特定した設定データに基づいて前記受信装置と無線による通信の接続を確立する通信部と、を備えることを特徴とする送信装置である。
【0015】
また、本発明の送信装置において、前記特定部は、前記撮像部が複数回撮像した複数の前記撮像データに基づいて前記設定データを特定することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の送信装置において、前記特定部は、複数の前記撮像データそれぞれに含まれる前記設定データの一部から前記設定データを生成して特定することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の受信装置において、前記表示制御部は、前記表示部に前記設定データを含む前記フレームを表示させる場合、直前に表示された前記フレームにおける前記画像データの色配置に基づいて当該設定データの表示領域中の背景色を設定することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の受信装置において、前記表示制御部は、前記表示部に前記設定データを含む前記フレームを表示させる場合、前記設定データを重畳する前記画像データの色配置に基づいて前記設定データの表示領域の位置、または、大きさを設定することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の受信装置において、前記表示制御部は、前記表示部に前記設定データを含む前記フレームを表示させる場合、前記設定データを重畳する前記画像データの周波数成分の情報に基づいて前記設定データの表示領域の位置、または、大きさを設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の受信装置によれば、受信部は、無線による通信の接続を確立している送信装置から画像データを受信する。また、表示部は、無線による通信の接続を自装置と確立するために必要な設定データと、画像データとを表示する。また、表示制御部は、設定データを含むフレームの前後に表示するフレームでは、当該設定データを表示する表示部の表示領域と同じ表示領域に画像データを表示するように表示部の表示を制御する。これにより、2フレーム以上連続して同じ表示領域に設定データが表示されることが無くなるため、ユーザに設定データを認識させることなく、設定データを表示することができる。従って、表示部の表示領域を減らすことなく、簡単に無線接続の切り替えを行うことができる。
【0021】
また、本発明の送信装置によれば、撮像部は、設定データを含むフレームの前後に表示するフレームでは、当該設定データを表示する表示部の表示領域と同じ表示領域に画像データを表示するように表示部の表示を制御する受信装置が備える表示部を撮像する。また、特定部は、撮像部が撮像したデータから、受信装置と無線による通信の接続を確立するために必要な設定データを特定する。また、通信部は、記特定した設定データに基づいて前記受信装置と無線による通信の接続を確立する。従って、受信装置の表示部の表示領域を減らすことなく、簡単に無線接続の切り替えを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施の形態における送受信システムの構成を示した概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における送信装置の構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における受信装置の構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における無線設定情報フレームの例を示した概略図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態において、無線設定情報画像を表示部に表示する手順を示したフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態における受信装置の接続処理の手順を示したフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態における送信装置の動作手順を示したフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態における送信装置の接続処理の手順を示したフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態において、無線設定情報画像の文字色および背景色の例を示した概略図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態において、受信装置が表示する、無線設定情報画像を合成した合成画像フレームの例を示した概略図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態において、受信装置が表示する、画像フレームの輝度に応じた無線設定情報画像の表示例を示した概略図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態において、無線設定情報画像を表示部に表示する手順を示したフローチャートである。
【図13】本発明の第3の実施の形態において、受信装置が表示する、分割無線設定情報画像を合成した分割合成画像フレームの例を示した概略図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態において、送信装置が再構成した設定情報画像の例を示した概略図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態において、無線設定情報を表示部に表示する手順を示したフローチャートである。
【図16】本発明の第3の実施の形態における送信装置の動作手順を示したフローチャートである。
【図17】従来知られている、2次元コードを表示するための領域として無線設定情報表示領域を設けた場合における表示部の表示例を示した概略図である。
【図18】従来知られている、画像表示領域に表示している画像等に重畳して常に2次元コードを表示する場合における表示部の表示例を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における送受信システムの構成を示した概略図である。送受信システム1は、複数の送信装置10(10−1,10−2)と受信装置20とを備えている。送信装置10は、画像を撮像し、撮像した画像データを接続先の受信装置20に送信する。受信装置20は、送信された画像データに基づいた画像を表示部に表示する。
【0024】
複数の送信装置10と受信装置20との間の通信経路は無線であり、受信装置20と通信を行う送信装置10を切り替えることができる。図示する例は、送信装置10−1と受信装置20とが無線による通信の接続を確立しており、送信装置10−1から受信装置20に画像データを伝送し、受信装置20は、受信した画像データを表示している際に、受信装置20と通信を行う送信装置10を、送信装置10−1から送信装置10−2に切り替える例を示している。なお、受信装置20と通信を行う送信装置10の切り替え方法については後述する。
【0025】
次に、送信装置10の構成について説明する。図2は、本実施形態における送信装置10の構成を示したブロック図である。図示する例では、送信装置10は、撮像部11と、画像処理部12と、記憶部13と、制御部14と、有線通信部15と、無線通信部16(通信部)と、操作部17とを備える。また、画像処理部12は、設定情報抽出部121(特定部)を備える。なお、送信装置10は、表示制御部101と表示部102とを備えていてもよい。表示制御部101と表示部102とは、後述する受信装置20が備える各部と同様である。
【0026】
撮像部11は光学系と、撮像素子(例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ)と、A/D変換器とを備える。撮像部11は、被写体を撮像し、被写体の光学像をデジタル信号に変換する。画像処理部12は、撮像部11が変換したデジタル信号から画像データを生成し、生成した画像データの画像処理を行う。設定情報抽出部121は、画像データに無線設定情報(設定データ)が含まれているか否かを判定し、無線設定情報が含まれている場合には、その無線設定情報を抽出する。記憶部13は、プログラムや各種データを記憶する。制御部14は、送信装置10が備える各部の制御を行う。有線通信部15は、有線接続によって外部機器とデータの送受信を行う。無線通信部16は、無線接続によって、受信装置20と画像データや制御データ等の送受信を行う。操作部17は、ユーザが操作可能なボタンやレバーを備え、ユーザから指示の入力を受け付ける。
【0027】
次に、受信装置20の構成について説明する。図3は、本実施形態における受信装置20の構成を示したブロック図である。図示する例では、受信装置20は、無線通信部21と、表示部22と、表示制御部23と、記憶部24と、制御部25と、画像処理部26と、操作部27と、有線通信部28とを備える。また、表示制御部23は、設定情報合成部231を備える。なお、受信装置20は、撮像部201を備えていてもよい。撮像部201は、送信装置10が備える撮像部11と同様である。
【0028】
無線通信部21は、無線による通信の接続を確立することによって、送信装置10と画像データや制御データ等の送受信を行う。表示部22は画像等を表示する。表示制御部23は、表示部22に表示する画像を生成し、表示部22の表示を制御する。設定情報合成部231は、無線設定情報(設定データ)を無線設定情報画像に変換し、生成した無線設定情報画像を含む無線設定情報フレーム(動画フレーム)を生成する。記憶部24は、プログラムや無線設定情報などの各種データを記憶する。制御部25は、受信装置20が備える各部の制御を行う。画像処理部26は画像処理を行う。操作部27は、ユーザが操作可能なボタンやレバーを備え、ユーザから指示の入力を受け付ける。有線通信部28は、有線による通信の接続を確立することによって外部機器とデータの送受信を行う。
【0029】
なお、図2および図3を参照して送信装置10と受信装置20との構成について説明したが、上述したように、送信装置10が表示制御部101と表示部102とを有してもよいし、受信装置20が撮像部201を有してもよい。例えば、デジタルカメラのような撮像部も表示部も有するデバイスが、無線通信でデータ送受信を行う場合、送信装置にも受信装置にもなりうる(図2、図3の破線部を参照)。
【0030】
次に、送信装置10が、撮像した画像を受信装置20に無線通信を用いて送信し、受信装置20が、送信された画像を受信して表示部22に表示させる手順について説明する。
【0031】
送信装置10の撮像部11の出力であるデジタル信号に対して画像処理部12によって画像処理が行われて生成された画像データは、記憶部13に記憶される。記憶部13に記憶された画像データは、制御部14によって所定の大きさのパケットに分割されたあと、無線通信部16に入力される。無線通信部16は、通信制御を行うベースバンド部と、アンテナを含む高周波部とを備える。無線通信部16に入力されたパケットは、アンテナから電波として空間に放射される。
【0032】
受信装置20の無線受信部21は、アンテナと、高周波部と、ベースバンド部とを備え、電波として空間に放射されたパケットを、アンテナを経由して高周波部で受信する。受信されたパケットは、高周波部で復調され、ベースバンド部で処理される。ベースバンド部で処理されたパケットは記憶部24に記憶される。制御部25は、記憶部24に記憶されているパケットを再構成して画像データを生成する。制御部25が生成した画像データは、画像処理部26によってエッジ強調やノイズ除去などの画像処理が行われる。画像処理された画像データは、表示制御部23によって表示部22に表示可能な画像データとなる。表示部22は、表示可能なデータとなった画像データを表示する。なお、表示部22に表示される画像データは、たとえば1/60秒ごとに更新される。また、画像データの表示方式としては、1フレームを偶奇ラインごとに交互に表示するインターレース方式と、1フレームで全画像を表示するプログレッシブ方式(ノンインターレース方式)とがあるが、本発明ではどちらの表示方式であっても適用可能なため、特に規定していない。
【0033】
次に、送信装置10と受信装置20との間の無線による通信の接続を確立する方法について説明する。本実施形態では、受信装置20は、人間の目では認識が困難であると思われる間隔、かつ送信装置10では撮像することができる間隔で、無線設定情報を含んだ無線設定情報画像を表示部22に表示する。無線設定情報は、送信装置10が受信装置20と無線による通信の接続を確立するために必要な情報を含んだ情報である。例えば、無線設定情報は、無線アドレス(MACアドレス)と、無線チャネル(使用周波数)と、ネットワークIDとを含む。なお、無線設定情報には暗号化に用いるキーが含まれる場合もある。また、無線設定情報画像は、無線設定情報を画像形式としたものであり、文字(テキスト)をそのまま画像形式としたものや、2次元コード形式としたものなど、送信装置10が読み取ることができる形式であればどのような形式であってもよい。
【0034】
図4は、本実施形態における無線設定情報画像を含んだ無線設定情報フレームの例を示した概略図である。図示する例では、無線設定情報フレームは、四隅に無線設定情報画像が含まれていることを示す記号「+」401が表示されており、中央に無線設定情報画像402が表示されている。無線設定情報画像402には「モニタ名 :AA製BBBB」「MACアドレス :12345678」「チャネル :1」「ネットワークID :CDEF」が含まれている。なお、図示する例では、無線設定情報画像が含まれていることを明示するために四隅に記号「+」401を明示しているが、記号「+」401に限らず、無線設定情報画像が含まれていることを示すものであればどのようなものでもよい。
【0035】
受信装置20が表示部22に画像(動画像)を表示する際のフレームレートは、例えば60fpsであるとする。この場合、表示部22は、1/60秒(16ms)毎にフレームを表示することで動画像の表示を行う。また、映像情報メディア学会誌Vol. 58, No. 8, pp. 1151〜1156 (2004))に記載されているように、人間の視覚に関する時間解像度は、一概には言えないがせいぜい60Hz程度である。つまり、無線設定情報を16ms程度以下の間に表示すれば人間の目で認識することが困難であると思われる。そのため、表示部22が動画像を表示している間に、図4に示した無線設定情報フレームを60フレーム中1フレームのみ表示した場合、ユーザは、無線設定情報画像を認識することができず、動画像のみ認識することになる。なお、映画館のような周囲が暗い場所においては、フレームレートが24fps(24Hz、約40ms毎にフレームを表示)程度でも、人間の目では1フレームのみに表示された画像を認識できないこともある。
【0036】
次に、受信装置20が、送信装置10−1から送信される画像データを表示部22に表示している際に、無線設定情報を表示部22に表示する手順について説明する。以下、送信装置10−1と受信装置20とが無線による通信の接続を確立しており、送信装置10−1から受信装置20に画像データを伝送し、受信装置20は、受信した画像データを表示部22に表示している際に、受信装置20と通信を行う送信装置10を、送信装置10−1から送信装置10−2に切り替える例を用いて説明する。
【0037】
図5は、本実施形態における受信装置20が、送信装置10−1から送信される画像データを表示部22に表示している際に、無線設定情報画像を表示部22に表示する手順を示したフローチャートである。なお、図示する例は、受信装置20が、1/60秒毎にフレームを表示する例(フレームレートが60fpsである例)を示している。
【0038】
(ステップS101)受信装置20の制御部25は、記憶部24が記憶する無線設定情報を読み出す。その後、ステップS102の処理に進む。
(ステップS102)表示制御部23の設定情報合成部231は、ステップS101で制御部25が読み出した無線設定情報を無線設定情報画像に変換する。続いて、設定情報合成部231は、無線設定情報画像を含む無線設定情報フレームを生成する。その後、ステップS103の処理に進む。
(ステップS103)表示制御部23は、画像フレームカウントをN=0とする。その後、ステップS104の処理に進む。
【0039】
(ステップS104)表示制御部23は、ステップS102で生成した無線設定情報フレームを表示部22に表示させる。その後、ステップS105の処理に進む。
(ステップS105)無線通信部21はデータ受信を行う。その後、ステップS106の処理に進む。
(ステップS106)制御部25は、ステップS105で無線通信部21が受信したデータが接続要求信号であるか否かを判定する。無線通信部21が受信したデータが接続要求信号であると制御部25が判定した場合(すなわち、接続要求パケットであり、送信装置のアドレス、後述する設定方法で取得した受信装置のアドレスなどが含まれている場合)にはステップS107の処理に進み、それ以外の場合にはステップS108の処理に進む。
【0040】
(ステップS107)制御部25は接続処理を行う。接続処理については後述する。その後、ステップS110の処理に進む。
(ステップS108)表示制御部23は、画像フレームカウントをN=N+1とする。その後、ステップS109の処理に進む。
(ステップS109)表示制御部23は、ステップS105で受信したデータに基づいて、画像フレームを表示する。その後、ステップS110の処理に進む。
(ステップS110)表示制御部23は、Nが59であるか否かを判定する。Nが59であると表示制御部23が判定した場合にはステップS103の処理に戻り、それ以外の場合にはステップS105の処理に戻る。
【0041】
次に、受信装置20の接続処理の手順について説明する。図6は、本実施形態における受信装置20の接続処理の手順を示したフローチャートである。
【0042】
(ステップS201)制御部25は、接続要求を送信した送信装置10とは異なる機器と無線による通信の接続を確立しているか否かを判定する。接続要求を送信した送信装置10とは異なる機器と無線による通信の接続を確立していると制御部25が判定した場合にはステップS202の処理に進み、それ以外の場合にはステップS203の処理に進む。
(ステップS202)制御部25は、無線通信部21を介して、無線による通信の接続を確立している機器に対して接続を切断する切断コマンドを送信し、この機器との間の無線による通信の接続を切断する。その後、ステップS203の処理に進む。
(ステップS203)制御部25は、接続要求を送信した送信装置10に対して、無線による通信の接続を開始するコマンドである接続要求レスポンスを送信する。これにより、受信装置20と、接続要求を送信した送信装置10との間の無線による通信の接続が確立される。その後、処理を終了する。
【0043】
上述したステップS101〜ステップS110およびステップS201〜ステップS203の処理により、受信装置20は、無線設定情報フレームを1フレーム表示した後、画像フレームを59フレーム表示する。また、受信装置20は、接続要求信号を送信した送信装置10と無線による通信の接続を確立することができる。
【0044】
次に、受信装置20に、新たに接続させる送信装置10の動作手順について説明する。図7は、本実施形態において、受信装置20に、新たに接続させる送信装置10の動作手順を示したフローチャートである。なお、ユーザは、受信装置20に、新たに送信装置10を接続させる場合、この送信装置10の操作部17を操作し、送信装置10の動作モードを無線接続設定モードに切り替える。また、ユーザが初めて受信装置20を使用する場合、送信装置10の動作モードが自動的に無線接続設定モードに変更されるようにしてもよい。
【0045】
(ステップS301)送信装置10の制御部14は、動作モードが無線接続設定モードであるか否かを判定する。動作モードが無線接続設定モードであると制御部14が判定した場合にはステップS302の処理に進み、それ以外の場合にはステップS301の処理を再度実行する。設定モードではないとき、スタンバイ状態に入ってもよいし、既に記憶部に設定情報があれば、その情報に基づき接続処理を行っても良い。
(ステップS302)ユーザは、送信装置10の撮像部11を、接続先の受信装置20の表示部22に対向させる。撮像部11は、受信装置20の表示部22の画像を撮像し、被写体の光学像をデジタル信号に変換する。画像処理部12は、撮像部が変換したデジタル信号から画像データを生成し、生成した画像データの画像処理を行う。その後、ステップS303の処理に進む。なお、送信装置10は、受信装置20が動画像を表示するフレームレート以上のフレームレートで受信装置20の表示部22の画像を撮像する。例えば、受信装置20が動画像を表示するフレームレートが60fpsの場合、送信装置10は、60fps以上のフレームレートで受信装置20の表示部22の画像を撮像する。
【0046】
(ステップS303)画像処理部12の設定情報抽出部121は、ステップS302で生成した画像データに無線設定情報画像が含まれているか否かを判定する。ステップS302で生成した画像データに、無線設定情報画像が含まれていると設定情報抽出部121が判定した場合にはステップS304の処理に進み、それ以外の場合にはステップS302の処理に戻る。具体的には、無線設定情報画像が含まれているフレームには、無線設定情報画像が含まれていることを示す記号(例えば「+」記号)が所定位置に表示されているため、設定情報抽出部121は、画像走査などによって無線設定情報が含まれていることを示す記号の有無を検出する。そして、設定情報抽出部121は、無線設定情報が含まれていることを示す記号を検出した場合、当該画像データには無線設定情報画像が含まれていると判定する。
【0047】
(ステップS304)設定情報抽出部121は、ステップS302で生成した画像データから無線設定情報を抽出する。その後、ステップS305の処理に進む。具体的な抽出方法としては、例えば、無線設定情報画像が文字をそのまま画像形式にしたものである場合には、文字認識処理を用いて無線設定情報を抽出する。
(ステップS305)制御部14は、ステップS304で設定情報抽出部121が抽出した無線設定情報を記憶部13に記憶させる。その後、ステップS306の処理に進む。
(ステップS306)制御部14は接続処理を行う。接続処理については後述する。その後、処理を終了する。
【0048】
次に、送信装置10の接続処理の手順について説明する。図8は、本実施形態における送信装置10の接続処理の手順を示したフローチャートである。
【0049】
(ステップS401)制御部14は、記憶部13が記憶している無線設定情報で一意に特定(例えばMACアドレスで特定)される受信装置20に、無線通信部15を介して接続要求信号を送信する。その後、ステップS402の処理に進む。
(ステップS402)制御部14は、受信装置20から送信される接続要求レスポンスを無線通信部15が受信したか否かを判定する。受信装置20から送信される接続要求レスポンスを無線通信部15が受信したと制御部14が判定した場合にはステップS403の処理に進み、それ以外の場合にはステップS404の処理に進む。
(ステップS403)制御部14は、受信装置20と無線による通信の接続を確立する。その後、処理を終了する。
(ステップS404)制御部14は、接続処理を開始してから所定の時間が経過したか否かを判定する(タイムアウトか否かを判定する)。接続処理を開始してから所定の時間が経過したと制御部14が判定した場合には処理を終了し、それ以外の場合にはステップS401の処理に戻る。
【0050】
上述したステップS301〜ステップS306およびステップS401〜404の処理により、送信装置10は、受信装置20と無線による通信の接続を確立することができる。
【0051】
上述したとおり、本実施形態によれば、受信装置20は、無線設定情報画像が含まれている無線設定情報フレームを画像データフレーム間に挿入することで、ユーザに無線設定情報画像を認識させることなく、通常の画像データが表示されているように見せつつ、無線設定情報を表示することができる。これにより、受信装置20は、表示部22の表示領域を無駄にすることなく、送信装置10と受信装置20と無線による通信の接続を確立するために必要な情報を含んだ無線設定情報を表示することができる。また、送信装置10は、受信装置20の表示部22を撮像するだけで無線設定情報を取得することができるため、ユーザは、送信装置10の撮像部11を受信装置20の表示部22に対向させて、撮像部11に表示部22を撮像させるだけで、簡単かつ確実に送信装置10と受信装置20との無線通信の設定を行うことができる。
【0052】
なお、無線設定情報画像の背景色については、「無線設定情報画像を含むフレーム」の無線設定情報画像を表示する領域と同じ領域の「直前の表示フレーム」における画像データの色に基づいて、設定情報合成部231が設定するようにしてもよい。図9は、本実施形態において、無線設定情報画像の文字色および背景色の例を示した概略図である。図示する例では、無線設定情報を表す文字901自体の色を黒とし、文字901の周囲数ピクセルの領域902の色を白とし、それ以外の領域903(無線設定情報画像の背景色)を、直前の表示フレームの同じ領域にあたる背景色と同系の色としている。例えば、「無線設定情報画像を含むフレーム」の「直前に表示するフレーム」の画像データが草原の画像を表示するデータであって、無線設定情報画像を表示する領域と同じ領域の色が緑色である場合、無線設定情報画像の背景色を緑色とする。これにより、受信装置20は、表示部22に、よりユーザの視覚に違和感を感じさせないように無線設定情報を表示することが可能になる。
【0053】
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態と第1の実施形態と異なる点は、本実施形態では、無線設定情報画像を画像フレームに合成(重畳)して表示する点である。なお、本実施形態における送受信システム1の構成は、第1の実施形態における送受信システム1の構成と同様の構成である。また、本実施形態における送信装置10の構成は、第1の実施形態における送信装置10の構成と同様である。また、本実施形態における受信装置20の構成は、第1の実施形態における受信装置20の構成と同様の構成である。
【0054】
次に、受信装置20が表示する、無線設定情報画像を合成した合成画像フレームについて説明する。図10は、本実施形態において、受信装置20が表示する、無線設定情報画像を合成した合成画像フレームの例を示した概略図である。図10(A)に示す例では、合成画像フレーム1001の左下の領域に、無線設定情報画像1002と、無線設定情報画像1002が含まれていることを示す記号「+」1003とが表示されている。また、図10(B)に示す例では、合成画像フレーム1001の右上の領域に、無線設定情報画像1002と、無線設定情報画像が含まれていることを示す記号「+」1003とが表示されている。また、図10(C)に示す例では、合成画像フレームの右下の領域に、無線設定情報画像1002と無線設定情報画像が含まれていることを示す記号「+」1003とが表示されている。
【0055】
受信装置20が、図10(A)〜図10(C)の順に合成画像フレーム1001を表示部22に表示し、前後のフレームと異なる位置に無線設定情報画像1002が表示されるようにすることで、それぞれの領域においては、2フレーム以上連続して無線設定情報画像1002が表示されることが無くなる。また、受信装置20が表示部22に動画を表示する際のフレームレートは、例えば60fpsであるとする。この場合、表示部22は、1/60秒(16ms)毎にフレームを表示することで動画表示を行う。これにより、本実施形態においても、それぞれの領域において無線設定情報画像1002が16ms程度以下の間だけ表示されるので、人間の目では無線設定情報画像1002を認識することができない。そのため、前後のフレームで異なる領域に無線設定情報画像1002を表示した場合、ユーザは、動画像のみを認識することになる。
【0056】
また、無線設定情報画像1002を合成する画像フレームの特徴に応じて、無線設定情報画像1002の大きさを制御するようにしても良い。例えば、画像フレーム内の低輝度領域に無線設定情報画像1002を合成した場合、高輝度領域に無線設定情報画像1002を合成した場合よりも目立たないため、画像フレーム内の低輝度領域の大きさにあわせて無線設定情報画像1002の大きさを調整して表示する。
【0057】
図11は、本実施形態において、受信装置20が表示する、画像フレームの輝度(色配置)に応じた無線設定情報画像の表示例を示した概略図である。図11(A)に示す例では、無線設定情報画像1002を合成する領域においては低輝度領域1101が大きいため、無線設定情報画像1002を大きく表示している。また、図11(B)に示す例では、無線設定情報画像1002を合成する領域においては低輝度領域1101が小さいため、無線設定情報画像1002を小さく表示している。なお、輝度の高低判断は任意だが、例えば、画像フレーム内で一番高い輝度値と一番低い輝度値を抽出し、その輝度範囲内において、所定の閾値以下を低輝度と判断するようにしてもよい。また、所定の閾値以下の範囲が無い、又は少なくて設定情報が合成できない場合は、その画像フレームに設定情報を合成しないようにしてもよい。これにより、受信装置20は、表示部22に、よりユーザの視覚に違和感を感じさせないように無線設定情報を表示することが可能になる。
【0058】
また、画像フレーム内の周波数が高い領域(高周波領域)に無線設定情報画像を合成した場合、周波数が低い領域(低周波領域)に無線設定情報画像を合成した場合よりも目立たないため、画像フレーム内の高周波領域の大きさにあわせて無線設定情報画像1002の大きさを調整して表示するようにしてもよい。周波数の高低判断は輝度高低の方法と同様である。
【0059】
次に、受信装置20が、送信装置10−1から送信される画像データを表示部22に表示している際に、無線設定情報を表示部22に表示する手順について説明する。以下、送信装置10−1と受信装置20とが無線による通信の接続を確立しており、送信装置10−1から受信装置20に画像データを伝送し、受信装置20は、受信した画像データを表示部22に表示している際に、受信装置20と通信を行う送信装置10を、送信装置10−1から送信装置10−2に切り替える例を用いて説明する。
【0060】
図12は、本実施形態における受信装置20が、送信装置10−1から送信される画像データを表示部22に表示している際に、無線設定情報画像を表示部22に表示する手順を示したフローチャートである
【0061】
(ステップS501)受信装置20の制御部25は、記憶部24が記憶する無線設定情報を読み出す。その後、ステップS502の処理に進む。
(ステップS502)表示制御部23の設定情報合成部231は、ステップS501で制御部25が読み出した無線設定情報を無線設定情報画像に変換する。その後、ステップS503の処理に進む。
(ステップS503)無線通信部21はデータ受信を行う。その後、ステップS504の処理に進む。
【0062】
(ステップS504)表示制御部23は、前フレームで無線設定情報画像を表示した位置とは異なる位置に無線設定情報画像を表示させるように、画像フレーム内に無線設定情報画像を合成する位置を決定する。その後、ステップS505の処理に進む。
(ステップS505)表示制御部23の設定情報合成部231は、ステップS504で決定した、画像フレーム内の位置に、ステップS502で生成した無線設定情報画像を合成し、合成画像フレームを生成する。その後、ステップS506の処理に進む。
(ステップS506)表示制御部23は、ステップS505で生成した合成画像フレームを表示部22に表示する。その後、ステップS507の処理に進む。
【0063】
(ステップS507)制御部25は、ステップS503で無線通信部21が受信したデータが接続要求信号であるか否かを判定する。無線通信部21が受信したデータが接続要求信号であると制御部25が判定した場合にはステップS508の処理に進み、それ以外の場合にはステップS503の処理に進む。
(ステップS508)制御部25は接続処理を行う。その後、処理を終了する。
【0064】
なお、本実施形態における受信装置20の接続処理の手順は、第1の実施形態における受信装置20の接続処理の手順と同様である。また、本実施形態において、受信装置20に、新たに接続させる送信装置10の動作手順は、第1の実施形態において、受信装置20に、新たに接続させる送信装置10の動作手順と同様である。また、本実施形態における送信装置10の接続処理の手順は、第1の実施形態における送信装置10の接続処理の手順と同様である。
【0065】
上述したとおり、本実施形態によれば、受信装置20は、画像フレームを表示する際に、前後のフレームと異なる位置に無線設定情報画像を合成して表示させるため、それぞれの領域においては、2フレーム以上連続して無線設定情報画像が表示されることは無い。そのため、前後のフレームで異なる領域に無線設定情報画像を表示した場合、ユーザは、動画像のみ認識することになるので、受信装置20は、表示部22の表示領域を無駄にすることなく、無線設定情報を表示することができる。また、送信装置10は、受信装置20の表示部22を撮像するだけで無線設定情報を取得することができるため、ユーザは、送信装置10の撮像部11を受信装置20の表示部22に対向させて、撮像部11に表示部22を撮像させるだけで、簡単かつ確実に送信装置10と受信装置20との無線通信の設定を行うことができる。
【0066】
なお、本実施形態では、画像フレーム内に無線設定情報画像を合成した合成画像フレームを生成し、生成した合成画像フレームを表示部22に表示するとしたがこれに限らない。例えば、合成画像フレームを表示部22に表示する代わりに、画像フレームと無線設定情報画像とを表示部22に同時に表示する(ピクチャー イン ピクチャー)ようにしてもよい。
【0067】
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態と第2の実施形態と異なる点は、本実施形態では、無線設定情報を分割し、分割した無線設定情報ごとに画像に変換して分割無線設定情報画像を生成し、分割無線設定情報画像を画像フレームに合成して表示する点である。
【0068】
なお、本実施形態における送受信システム1の構成は、第2の実施形態における送受信システム1の構成と同様の構成である。また、本実施形態における送信装置10の構成は、第2の実施形態における送信装置10の構成と同様である。また、本実施形態における受信装置20の構成は、第2の実施形態における受信装置20の構成と同様の構成である。
【0069】
次に、受信装置20が表示する、分割無線設定情報画像を合成した分割合成画像フレームについて説明する。例えば、表示部22が小さい場合には、無線設定情報画像も小さくなってしまい、送信装置10が無線設定情報画像を正確に抽出できない場合も考えられる。そのため、送信装置10の設定情報合成部231が、無線設定情報の内容を分割して、分割した無線設定情報ごとに画像に変換して分割無線設定情報画像を生成する。そして、設定情報合成部231は、生成した各分割無線設定情報画像が毎フレーム異なる位置に表示されるように調整し、分割無線設定情報画像と画像フレームとを合成し、分割合成画像フレームを生成する。
【0070】
図13は、本実施形態において、受信装置20が表示する、分割無線設定情報画像を合成した分割合成画像フレームの例を示した概略図である。なお、図示する例では、画像データをプログレッシブ方式で表示している。
【0071】
図13(A)は、1フレーム目の分割合成画像フレームを示した図である。図示する例では、分割合成画像フレーム1301を複数行に分割(1枚の画像フレームで設定情報を合成可能な複数のラインに分割)しており、上から2行目に1個目の分割無線設定情報画像1303を表示し、その他の行に画像データ1302を表示している。図13(B)は、2フレーム目の分割合成画像フレーム1301を示した図である。図示する例では、分割合成画像フレーム1301を複数行に分割しており、上から3行目に2個目の分割無線設定情報画像1303を表示し、その他の行に画像データ1302を表示している。図13(C)は、Nフレーム目の分割合成画像フレーム1301を示した図である。図示する例では、分割合成画像フレーム1301を複数行に分割しており、下から2行目にN個目の分割無線設定情報画像1303を表示し、その他の行に画像データ1302を表示している。
【0072】
なお、インターレース方式の場合は、ピクセルごとに偶数・奇数ラインが表示されるため、設定情報画像を合成する際、文字が飛び飛びになる。しかし、送信装置側の画像処理で、一枚の画像フレームにするため、文字認識可能である。
【0073】
受信装置20が、図13(A)、図13(B)、・・・、図13(C)の順に分割合成画像フレーム1301を表示部22に表示し、前後のフレームと異なる位置に分割無線設定情報画像1303が表示されるようにすることで、それぞれの領域においては、2フレーム以上連続して分割無線設定情報画像1303が表示されることが無くなる。また、受信装置20が表示部22に動画を表示する際のフレームレートは、例えば60fpsであるとする。この場合、表示部22は、1/60秒(16ms)毎にフレームを表示することで動画表示を行う。これにより、本実施形態においても、それぞれの領域において分割無線設定情報画像1303が16ms程度以下の間だけ表示されるので、人間の目では分割無線設定情報画像1303を認識することができない。そのため、前後のフレームで異なる領域に分割無線設定情報画像1303を表示した場合、ユーザは、動画像のみを認識することになる。
【0074】
また、分割無線設定情報画像1303に含まれる情報としては、例えば、1個目の分割無線設定情報画像1303にはモニタ名が含まれており、2個目の分割無線設定情報画像1303にはMACアドレスが含まれており、3個目の分割無線設定情報画像1303には通信チャネル情報が含まれており、4個目の分割無線設定情報画像1303にはネットワークIDが含まれているとする。なお、無線設定情報を分割して表示する分割無線設定情報画像1303においては、一例としてSOF(Start Of Frame)とEOF(End Of Frame)とを明示することで、分割無線設定情報画像の開始位置と終了位置とを明示するようにしてもよい。SOFやEOFの明示方法は、例えば、SOFやEOFを示す文字や記号などを用いる。図13(A)には、SOFを明示する記号として、偶数行の上から1行目の先頭に記号「+」1304が表示されている。また、図13(C)には、EOFを明示する記号として、偶数行の下から1行目の最後に記号「+」1305が表示されている。なお、SOFとEOFとが明示されていないフレームについては、前のフレームに分割無線設定情報画像1303が含まれていれば、次のフレームにも分割無線設定情報画像1303が含まれているので、特に分割無線設定情報画像1303が含まれていることを明示する記号を表示する必要は無い。
【0075】
次に、送信装置10が複数の分割無線設定情報画像を撮像し、再構成した無線設定情報画像について説明する。図14は、本実施形態において、送信装置10が複数の分割合成画像フレームを撮像し、分割合成画像フレームに基づいて再構成した無線設定情報画像の例を示した概略図である。図示する例は、図13に示した分割合成画像フレーム1301に基づいて、送信装置10が再構成した無線設定情報画像1401の例である。なお、図示する無線設定情報画像1401は複数行に分割されており、上から2行目に1個目の分割設定情報1303が表示されている。また、上から3行目に2個目の分割無線設定情報画像1303が表示されている。他の行については図示するとおりである。
【0076】
次に、受信装置20が、送信装置10−1から送信される画像データを表示部22に表示している際に、無線設定情報を表示部22に表示する手順について説明する。以下、送信装置10−1と受信装置20とが無線による通信の接続を確立しており、送信装置10−1から受信装置20に画像データを伝送し、受信装置20は、受信した画像データを表示部22に表示している際に、受信装置20と通信を行う送信装置10を、送信装置10−1から送信装置10−2に切り替える例を用いて説明する。
【0077】
図15は、本実施形態における受信装置20が、送信装置10−1から送信される画像データを表示部22に表示している際に、無線設定情報を表示部22に表示する手順を示したフローチャートである。
【0078】
(ステップS601)受信装置20の制御部25は、記憶部24が記憶する無線設定情報を読み出す。その後、ステップS602の処理に進む。
(ステップS602)表示制御部23の設定情報合成部231は、ステップS601で制御部25が読み出した無線設定情報を分割し、分割無線設定情報を生成する。その後、ステップS603の処理に進む。
(ステップS603)表示制御部23は、ステップS602で生成した分割無線設定情報を分割無線設定情報画像に変換する。その後、ステップS604の処理に進む。
(ステップS604)無線通信部21はデータ受信を行う。その後、ステップS605の処理に進む。
【0079】
(ステップS605)表示制御部23は、前フレームで分割無線設定情報画像を表示した位置とは異なる位置に所定の分割無線設定情報画像を表示させるように、画像フレーム内に分割無線設定情報画像を表示する位置を決定する。その後、ステップS606の処理に進む。
(ステップS606)表示制御部23の設定情報合成部231は、ステップS605で決定した、画像フレーム内の所定位置に、ステップS603で生成した分割無線設定情報画像を合成し、分割合成画像フレームを生成する。その後、ステップS607の処理に進む。
(ステップS607)表示制御部23は、ステップS606で生成した分割合成画像フレームを表示部22に表示する。その後、ステップS608の処理に進む。
【0080】
(ステップS608)表示制御部23は、ステップS603で生成した分割無線設定情報画像を表示部22に全て表示したか否かを判定する。ステップS603で生成した分割無線設定情報画像を表示部22に全て表示したと表示制御部23が判定した場合にはステップS609の処理に進み、それ以外の場合にはステップS604の処理に戻る。
(ステップS609)制御部25は、ステップS604で無線通信部21が受信したデータが接続要求信号であるか否かを判定する。無線通信部21が受信したデータが接続要求信号であると制御部25が判定した場合にはステップS610の処理に進み、それ以外の場合にはステップS604の処理に戻る。
(ステップS610)制御部25は接続処理を行う。その後、処理を終了する。なお、本実施形態における受信装置20の接続処理の手順は、第2の実施形態における受信装置20の接続処理の手順と同様である。
【0081】
次に、受信装置20に、新たに接続させる送信装置10の動作手順について説明する。図16は、本実施形態において、受信装置20に、新たに接続させる送信装置10の動作手順を示したフローチャートである。なお、ユーザは、受信装置20に、新たに送信装置10を接続させる場合、この送信装置10の操作部17を操作し、送信装置10の動作モードを無線接続設定モードに変更させる。
【0082】
(ステップS701)送信装置10の制御部14は、動作モードが無線接続設定モードであるか否かを判定する。動作モードが無線接続設定モードであると制御部14が判定した場合にはステップS702の処理に進み、それ以外の場合にはステップS701の処理を再度実行する。
(ステップS702)ユーザは、送信装置10の撮像部11を、接続先の受信装置20の表示部22に対向させる。撮像部11は、受信装置20の表示部22の画像を撮像し、被写体の光学像をデジタル信号に変換する。画像処理部12は、撮像部が変換したデジタル信号から画像データを生成し、生成した画像データの画像処理を行う。その後、ステップS703の処理に進む。
【0083】
(ステップS703)画像処理部12の設定情報抽出部121は、ステップS702で生成した画像データに分割無線設定情報フレームが含まれているか否かを判定する。ステップS702で生成した画像データに分割無線設定情報フレームが含まれていると設定情報抽出部121が判定した場合にはステップS704の処理に進み、それ以外の場合にはステップS702の処理に戻る。
【0084】
(ステップS704)設定情報抽出部121は、ステップS702で生成した画像データから分割無線設定情報を抽出する。その後、ステップS705の処理に進む。具体的な抽出方法としては、例えば、分割無線設定情報がテキストデータである場合には、文字認識処理を用いて分割無線設定情報のテキストデータ情報を生成する。
(ステップS705)設定情報抽出部121は、全ての分割無線設定情報を取得したか否かを判定する。全ての分割無線設定情報を取得したと設定情報抽出部121が判定した場合にはステップS706の処理に進み、それ以外の場合にはステップS702の処理に戻る。
【0085】
(ステップS706)設定情報抽出部121は、取得した全ての分割無線設定情報に基づいて、無線設定情報を再構成する。その後、ステップS707の処理に進む。
(ステップS707)制御部14は、ステップS706で設定情報抽出部121が再構成した無線設定情報を記憶部13に記憶させる。その後、ステップS708の処理に進む。
(ステップS708)制御部14は接続処理を行う。その後、処理を終了する。なお、本実施形態における送信装置10の接続処理の手順は、第2の実施形態における送信装置10の接続処理の手順と同様である。
【0086】
上述したとおり、本実施形態によれば、受信装置20は、設定情報を分割し、分割した設定情報を分割無線設定情報画像に変換する。また、受信装置20は、画像フレームを表示する際に、前後のフレームと異なる位置に分割無線設定情報画像を合成して表示させるため、それぞれの領域においては、2フレーム以上連続して分割無線設定情報画像が表示されることは無い。そのため、前後のフレームで異なる領域に分割無線設定情報画像を表示した場合、ユーザは、動画像のみ認識することになるので、受信装置20は、表示部22の表示領域を無駄にすることなく、分割無線設定情報を表示することができる。また、本実施形態では、受信装置20は、分割無線設定情報画像を表示するため、表示部22の大きさが小さい場合においても、送信装置10が読み取ることができる大きさで分割無線設定情報を表示することができる
【0087】
また、送信装置10は、受信装置20の表示部22を撮像するだけで分割無線設定情報を取得し、取得した分割無線設定情報に基づいて無線設定情報を再構築することができるため、ユーザは、送信装置10の撮像部11を受信装置20の表示部22に対向させて、撮像部11に表示部22を撮像させるだけで、簡単かつ確実に送信装置10と受信装置20との無線通信の設定を行うことができる。
【0088】
なお、本実施形態では、常に設定情報を分割して分割無線設定情報画像を生成し、生成した分割無線設定情報画像を表示するとしたが、これに限らない。例えば、表示部22の大きさと、設定情報を画像化した無線設定情報画像の大きさとを比較し、無線設定情報画像の大きさが表示部22の大きさの1/2以上であれば、本実施形態のように、設定情報を分割して分割無線設定情報画像を生成して、生成した分割無線設定情報画像を表示し、無線設定情報画像の大きさが表示部22の大きさの1/2未満であれば、第1の実施形態または第2の実施形態のように無線設定情報画像を表示するようにしてもよい。
【0089】
以上、この発明の第1〜第3の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0090】
1・・・送受信システム、10,10−1,10−2・・・送信装置、11,201・・・撮像部、12,26・・・画像処理部、13,24・・・記憶部、14,25・・・制御部、15,28・・・有線通信部、16,21・・・無線通信部、17,27・・・操作部、20・・・受信装置、22,102・・・表示部、23,101・・・表示制御部、121・・・設定情報抽出部、231・・・設定情報合成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信装置であって、
前記受信装置と無線による通信の接続を確立している送信装置から画像データを受信する受信部と、
前記送信装置とは異なる送信装置が前記無線による通信の接続を前記受信装置と確立するために必要な設定データと前記画像データとを表示する表示部と、
前記設定データを含むフレームの前後に表示するフレームでは、当該設定データを表示する前記表示部の表示領域と同じ表示領域に前記画像データを表示するように前記表示部の表示を制御する表示制御部と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記表示部に前記設定データを含むフレームを複数表示させる場合、前記設定データを含むそれぞれのフレームでは、前記表示部の表示領域中の略同じ領域に前記設定データを表示させるよう制御し、所定の前記フレームには前記設定データを含ませないように前記表示部の表示を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記画像データを表示させる前記表示部の表示領域のうち、一部の前記表示領域上に前記設定データを重畳して表示させるように前記表示部の表示を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記表示部に前記設定データを含むフレームを表示させる場合、前記設定データが直前に表示された前記表示部の表示領域とは異なる前記表示領域に前記設定データを表示させるように前記表示部の表示を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記表示部に前記設定データを含むフレームを表示させる場合、前記設定データの一部のみを表示させ、当該フレームとは異なる前記フレームに当該設定データの残りの全部または一部を表示させるように前記表示部の表示を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項6】
請求項1に記載の受信装置が備える前記表示部を撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像したデータから、前記受信装置と無線による通信の接続を確立するために必要な前記設定データを特定する特定部と、
前記特定した設定データに基づいて前記受信装置と無線による通信の接続を確立する通信部と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項7】
前記特定部は、前記撮像部が複数回撮像した複数の前記撮像データに基づいて前記設定データを特定する
ことを特徴とする請求項6に記載の送信装置。
【請求項8】
前記特定部は、複数の前記撮像データそれぞれに含まれる前記設定データの一部から前記設定データを生成して特定する
ことを特徴とする請求項6に記載の送信装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記表示部に前記設定データを含む前記フレームを表示させる場合、直前に表示された前記フレームにおける前記画像データの色配置に基づいて当該設定データの表示領域中の背景色を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記表示部に前記設定データを含む前記フレームを表示させる場合、前記設定データを重畳する前記画像データの色配置に基づいて前記設定データの表示領域の位置、または、大きさを設定する
ことを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記表示部に前記設定データを含む前記フレームを表示させる場合、前記設定データを重畳する前記画像データの周波数成分の情報に基づいて前記設定データの表示領域の位置、または、大きさを設定する
ことを特徴とする請求項3に記載の受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−60582(P2012−60582A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204511(P2010−204511)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】