説明

受信装置

【課題】番組供給者の意向に応じた制御信号を伝送信号に挿入し、受信機からのデータ出力をスクランブルのままとするかデスクランブル後とするかを自動的に選択できるようにする。
【解決手段】送信側においては、伝送信号にスクランブルされたまま出力するかデスクランブル後出力するかを制御するための制御情報を挿入し、受信側においては、チャンネルデコード後の信号からスクランブルを解除するデスクランブラと、前記デスクランブラから出力される多重化信号をビデオとオーディオの符号化データに分離しソースデコーダに出力するとともに、送信側において挿入された前記制御情報を抽出しスクランブルされたまま出力するか、デスクランブル後出力するかを番組供給者の意向に応じて自動的に切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送送受信システムに関わり、送信側において番組供給者の意向に応じた制御情報を伝送信号に挿入し、この制御情報を受信側において解読することにより、スクランブルされたままの信号とデスクランブル後の信号を自動的に切り替えて出力する制御方式及び送受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のディジタル放送受信機における限定受信システムは、図2に示す構成に基づいている。同図において、201は映像・音声・データ入力端子、202はスクランブル鍵(Ks)入力端子、203はワーク鍵(Kw)入力端子、204はマスタ鍵(Km)入力端子、205はスクランブラ、206はKs暗号化手段、207はKw暗号化手段、208はデスクランブラ、209はKs復号化手段、210はKw復号化手段、211は映像・音声・データ出力端子、212は番組の属性情報入力端子、213は契約情報入力端子である。
【0003】
図2を用いて、従来における限定受信システムについて説明する。
【0004】
まず送信側において、映像・音声・データ入力端子201から入力されるトランスポートストリーム(TS)に対し、スクランブラ205は限定受信を目的としたスクランブル処理を施す。スクランブルされた信号は、番組情報(ECM)および個別情報(EMM)とともに受信側へと送信される。ここで、ECMは、スクランブル鍵(Ks)と番組の属性情報を暗号化した情報である。この暗号化された情報を解く鍵がワーク鍵(Kw)である。ワーク鍵(Kw)も契約情報とともに暗号化され、個別情報(EMM)として受信側に送られる。暗号化されたEMMを解く鍵がマスタ鍵Kmである。
【0005】
次に受信側では、受信したTSの中からEMMとECMを抽出し、暗号を解読して、受信しようとする番組が契約に基づき受信できるか否かを判定する。そして契約内容と合致している場合、KmによってKwが復号化され、さらにKwによって復号化されたKsがデスクランブラ208に渡され、スクランブルが解除される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のシステムにおいて、VTRなど記録媒体へのデータ出力を考えた場合、仮にデスクランブル後の信号を出力すると、常にスクランブルが解かれた状態で出力されることになる。その場合、例えば視聴した時間あるいは視聴した番組毎に課金されるしくみの有料放送番組などに対しても、初回に視聴したときのみ課金され、そのとき何らかの記録媒体に記録しておけば、2回目以降は課金されることなく何度でも視聴できることになり、番組提供者の意向に反した状況あるいは著作権の問題などが生じる恐れがある。
【0007】
では、ディジタル放送受信機からのデータ出力をスクランブルのかかった信号とすると、視聴者は番組が提供されている期間以外には視聴できないことになる。しかし、視聴者としては記録しておきたい番組もあり、番組提供者の同意が得られるならばVTRなどに記録しておき、好きな時に視聴できることが望ましい。
【0008】
したがって上記のような構成では、記録媒体など外部機器へのデータ出力を、スクランブルのままとするかデスクランブル後とするか、どちらか一方に決めてしまうと何らかの問題を有することになる。
【0009】
本発明の目的は、上述した問題を解決し、記録媒体など外部機器へのデータ出力をスクランブルのままとするかデスクランブル後とするか、番組提供者の意向に応じて自動的に切り替えることができる放送送受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明の放送送受信システムは、送信側において伝送信号に挿入する制御情報と、受信側においてチャンネルデコーダ、デスクランブラ、デマルチプレクサ、ソースデコーダ、CPU、スイッチから構成され、送信側において伝送信号に番組提供者の意向に応じた制御情報を挿入し、受信側において、チャンネルデコーダは、選局、ディジタル復調、及び誤り訂正などの処理を行い、デスクランブラは、限定受信の目的でかけられたスクランブルを解除し、デマルチプレクサは、多重化情報をビデオとオーディオの符号化データに分離するとともに、送信側において挿入された前記制御情報を抽出し、ソースデコーダは、符号化データを復号化し、CPUは、デマルチプレクサによって抽出された制御情報からスクランブルされたままの信号を出力するかデスクランブル後の信号を出力するかを切り替える制御信号を解読し、スイッチは、CPUからの制御信号にしたがってスクランブルされたままの信号とデスクランブル後の信号を切り替えて出力するように構成したものである。
【0011】
上記構成により、送信側において番組提供者の意向に応じた制御情報を伝送信号に挿入し、受信側においては、チャンネルデコード後の信号からデスクランブラによってスクランブルを解除し、デマルチプレクサにより多重化情報をビデオとオーディオの符号化データに分離しソースデコーダに出力するとともに、送信側において挿入された前記制御情報を抽出しCPUへ出力する。ソースデコーダは、ビデオおよびオーディオ符号化データをそれぞれ復号化する。CPUは、デマルチプレクサによって抽出された制御情報からスクランブルされたままの信号を出力するかデスクランブル後の信号を出力するかを決める制御信号を解読し、この結果に基づいてスイッチを切り替えることにより、スクランブルされたまま出力するか、デスクランブル後出力するかを自動的に切り替えることができる。このようにして、番組提供者の意向に応じた信号出力が得られる放送送受信装置を提供できる。
【発明の効果】
【0012】
以上、本発明によれば、番組供給者の意向に応じて、外部機器に出力する信号を、スクランブルのかかった信号とするかデスクランブル後の信号とするか、自動的に選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施例について説明する。なお、同一符号及び記号は同一の構成を意味するものとする。
【0014】
図3は、本発明の放送側における処理の例を示すブロック図で、701はエンコーダ、702はスクランブラ、703はマルチプレクサ、704は伝送路符号化手段、705は変調手段、706は制御情報挿入手段、707は映像信号入力端子、708は音声信号入力端子、709は送信信号出力端子である。
【0015】
映像信号入力端子707と音声信号入力端子708にはそれぞれ映像信号と音声信号が入力され、エンコーダ701により圧縮処理が行われる。この圧縮の方法としては、DPCM(Differential Pulse Code Modulation)による方法や、DCT(Discrete Cosine Transform)、MPEG2(Moving Picture Experts Group Phase 2)による方法などがある。圧縮して得られた符号化データは、スクランブラ702に入力され、限定受信を目的としたスクランブル処理が施される。
【0016】
制御情報挿入手段706は、受信機の外部機器への出力をスクランブルされたままの信号とするかデスクランブル後の信号とするかを規定する制御情報を挿入する処理を行う。その制御情報を挿入する箇所は任意であるが、その一例を図4に示す。図4は、MPEG2に規定されるPSI(Program Specific Information)あるいはEMM(Entitlement Control Message)あるいはECM(Entitlement Management Message)のセクションまたはデスクリプタ領域に制御情報を挿入する例を示す図である。PSIには、多重化された映像・音声・データなど、サービスや番組を構成する要素のパケットを受信側で分離できるようにするための情報や、番組名、放送チャンネル名、放送日時などの番組に関連した情報が示されている。また、ECMには、デスクランブルするための鍵情報など、EMMには加入者ごとの契約情報などが示されている。これらPSI、ECM、EMMの中に、受信機の外部機器への出力をスクランブルされたままの信号とするかデスクランブル後の信号とするかを規定する制御情報を挿入する。受信機の外部機器への出力をスクランブル信号とするかデスクランブル信号とするかは、番組提供者の意向に従って設定すれば良い。また、番組提供者の意向が不正により脅かされる危険性を避けるために、例えば図5に示すような方法により、受信機の外部機器への出力をスクランブルされたままの信号とするかデスクランブル後の信号とするかを規定する制御情報(出力点制御情報)を暗号化しても良い。図5において、出力点制御情報は、番組の属性情報とともに暗号化され、ECMとして受信側に送信される。暗号化されたECMを解く鍵Kcは契約情報とともに暗号化され、EMMとして送信される。図5には2段の暗号化について示したが、1段であってもよい。
【0017】
上記のように、制御情報挿入手段706により受信機の外部機器への出力点制御情報が挿入された制御信号は、マルチプレクサ703により、スクランブラ702から出力されるデータと多重され、伝送路符号化手段704に出力される。
【0018】
伝送路符号化手段704は、マルチプレクサ703によって多重化されたデータを、ビタビ符号のような畳み込み符号化やリードソロモン符号のようなブロック符号化などの手法を用いて符号化する。
【0019】
符号化されたデータは変調手段705によりOFDM(Orthgonal Frequency Division Multiplex)やQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)などのディジタル変調が施され、送信される。
【0020】
次に、受信側における処理について説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施例を示すブロック図で、101は信号入力端子、102はチューナ、103は復調器、104は誤り訂正回路、105はデスクランブラ、106はデマルチプレクサ、107はスイッチ、108はCPU、109はソースデコーダ、110はビデオ出力端子、111はオーディオ出力端子、112は外部機器接続端子、120はチャンネルデコード部、121は選択手段である。
【0022】
以下、動作について説明する。
【0023】
信号入力端子101から入力された信号は、チューナ102で同調及び復調され、ベースバンド信号が復調器103に出力される。
【0024】
復調器103は、送信側においてOFDMやQPSKまたはQAMなどのディジタル変調された信号を復調し、誤り訂正回路104に出力する。
【0025】
誤り訂正回路104は、伝送路で発生するノイズなどの影響による誤りを訂正する操作を施す。誤り訂正の手法としては、例えば、ビタビ符号のような畳み込み符号化や、リードソロモン符号のようなブロック符号化、あるいは畳み込み符号とブロック符号を組み合わせた連接符号を用いる方式などが挙げられる。
【0026】
デスクランブラ105は、送信側において限定受信の目的でスクランブルのかけられた信号に対し、スクランブルを解く。その後、デマルチプレクサ106によって、多重化された情報をビデオとオーディオの符号化データに分離する。そして、分離された符号化データはソースデコーダ109によって復号化され、ビデオ信号はビデオ信号出力端子110に、オーディオ信号はオーディオ出力端子111に出力される。
【0027】
ここで、デマルチプレクサ106は、上述したような多重化情報をビデオとオーディオの符号化データに分離する機能の他、プログラムを復号するために必要な情報であるPSI(Program Specific Information)を抽出する機能を持つ。このPSIの中に組み込んだ制御情報をもとに、外部機器へのデータ出力をスクランブルのままとするかデスクランブル後とするかを自動的に切り替える動作について、以下、具体的に説明する。
【0028】
まず、外部機器へのデータ出力点、即ち外部機器へのデータ出力をデスクランブラ105の前段とするか後段とするか、を決める制御情報は、送信側においてあらかじめ信号に挿入する。その挿入方法として例えば、前述したように、MPEG2の場合には、PSIあるいはEMMあるいはECMのセクションまたはデスクリプタ領域に挿入する(図4参照)。
【0029】
一方、受信側では、デマルチプレクサ106によって、符号化データからPSIを抽出し、その抽出情報をCPU108へ出力する。CPU108は、PSIの中に挿入された外部機器へのデータ出力点を決める制御情報を解読し、その結果に基づいてスイッチ107の切り替えを制御する。例えば、データ出力点を決める制御情報が‘1’のときは、デスクランブラ105の前段の信号が出力されるようにスイッチ107を切り替え、スクランブルのかかった信号を外部機器に出力する。逆に、制御情報が‘0’のときは、スクランブルを解いた後の信号、即ちデスクランブラ後の信号が出力されるようにスイッチ107を切り替える。
【0030】
その結果、外部機器接続端子112にはスクランブルされたままの信号か、デスクランブル後の信号かを自動的に切り替えて出力することができる。
【0031】
外部機器とは、例えばDVHSやパソコンなどであり、個人的な記録媒体も含む。
【0032】
また、図6に示すように、スイッチ107と外部機器接続端子112の間に、受信機と外部機器とのレートを合わせるためのインタフェース回路113を挿入しても良い。なお、図6において、インタフェース回路113の他は図1と同様である。
【0033】
以上のように、受信機からのデータ出力をスクランブルのままとするかデスクランブル後とするかという制御情報を送信側において信号に挿入し、これを受信側が自動的に解読し、データの出力点を切り替えることにより、番組供給者の意向に応じた制御を行うことができる。例えば、視聴した時間あるいは視聴した番組ごとに課金されるような有料放送番組が、VTRなどの記録媒体に記録することにより、1度の視聴料金のみで以降は課金されること無く繰り返し視聴されてしまうという事態を避けたい場合には、伝送信号に、“受信機からのデータ出力をスクランブルをかけたままとする”という制御情報を挿入すれば、記録媒体にはスクランブルされたままの信号が入力され、課金されること無く視聴されることを防ぐことができる。
【0034】
なお、スクランブルされたまま記録された番組を視聴したい場合には、外部アダプタ側でデスクランブル処理が必要となる。そこで、外部アダプタにおけるデスクランブル処理について説明する。
【0035】
図7は、外部アダプタにおいてデスクランブル処理を行う一例を示すブロック図である。スクランブルを解くには、各鍵情報が必要であるが、スクランブル鍵(Ks)及びワーク鍵(Kw)は伝送信号に挿入されて記録再生部に記録されるので、マスタ鍵(Km)情報を与えれば記録された番組のスクランブルを解くことができる。受信機においてマスタ鍵情報が埋め込まれたICカードなど取り外し可能なセキュリティモジュールが用られる場合には、図7に示すように、外部アダプタ側においてもこのICカードを利用できるようにしておくことにより、スクランブルがかかった状態で記録された番組もデスクランブルして視聴することができる。視聴記録情報はそのICカードの課金情報に加算されるようにしておき、その課金情報は次回、ICカードを受信機本体に挿入した時にセンターに送信されるようにしておけば、視聴時間あるいは視聴回数に応じて課金されることになる。図8は、ICカードに記憶された課金情報を電話回線を利用して課金センターに送信する様子を示す図である。図8にはマスタ鍵情報(Km)と課金情報が同一のICカードに記録される例を示したが、マスタ鍵情報(Km)と課金情報は独立した記憶媒体に記録することは可能である。また、図8には電話回線で課金情報を送信する例を示したが、外部機器がパソコンの場合には、視聴記録をパソコン通信でセンターに送信するなど、課金方法は任意である。ここで、図7において、401は記録再生部、402はデスクランブラ、403はKs復号化手段、404はKw復号化手段、405はICカード、406はオーディオ・ビデオ信号出力端子、図8において407は課金管理センター、408は電話回線を示し、同一番号は同一部品を示す。
【0036】
次に、外部アダプタにおいて記録再生部に記録された番組をデスクランブルする第二の例を図9に示す。図9において601は外部信号入力端子であり、他は図1と同様である。スクランブルのかかったまま記録媒体に記録された信号を外部信号入力端子601に入力すれば、デスクランブラ105、デマルチプレクサ106及びソースデコーダ109を通し、デスクランブルされた信号が出力される。このとき、視聴記録は課金情報に自動的に加算される。このようにすれば、スクランブルがかかったまま記録された番組も好きな時にデスクランブルして視聴することができ、課金情報も自動的に記録されることになる。
【0037】
図9に示す外部信号入力端子がデスクランブラの前段にある場合には、図10に示すように、外部機器接続端子へすべてデスクランブルされる前の信号が出力される受信機である場合にも効果がある。すなわち、外部端子にスクランブルを解いた信号を無分別に出力することは番組の著作権上、問題がある。したがって、外部端子に出力する信号はすべてスクランブルを解除しないまま出力する。例えば、図11に示すように、スクランブルのかかったままの信号を外部接続端子122に出力する。しかし、スクランブルのかかったままの信号を何らかの記録媒体に記録しても、そのままでは再生できない。その場合、図10に示すように、デスクランブラ105の前段にある外部入力端子601から記録媒体に記録した信号を入力することにより、スクランブルを解除して再生することができる。ここで、図10及び図11において、122は外部機器接続端子であり、図1及び図6と同一番号のブロックは同様の動作を行う。
【0038】
図12は、送信側において挿入された制御情報に応じてスクランブルのかかったままの信号とスクランブルを解いた信号を自動的に切り換えて記録し、再生時にスクランブルのかかったまま記録された信号をデスクランブルする機能をもつ装置の例を示すブロック図である。図12において、113は記録再生部、114は外部信号入力端子、115はユーザ指令入力端子、117は再生信号入力切換手段、118はデスクランブラ、119はデマルチプレクサ、その他の図1と同一番号のブロックは図1と同様の動作を行う。
【0039】
記録再生部113は、ユーザ指令入力端子115からユーザによる記録指令が入力された場合には、選択手段121から出力される信号を記録する。また、ユーザ指令入力端子115からユーザによる再生指令が入力された場合は、記録再生部113は記録された信号を読み出し、再生信号入力切換手段117とデマルチプレクサ119に供給する。
【0040】
再生信号入力切換手段117は、記録再生部113から供給された信号がスクランブルのかかった信号である場合にはデスクランブラ118に出力し、スクランブルのかかっていない信号である場合にはデマルチプレクサ119に出力する。
【0041】
再生信号入力切換手段117を切り換える信号は、記録再生部113から出力される信号から送信時に挿入された制御情報を抽出、解読し、その情報に応じて切り換える。すなわち、ユーザ指令により記録再生部113からあらかじめ記録された信号が出力されると、デマルチプレクサ119は、記録再生部113から出力される信号から送信時に挿入された制御情報を抽出し、CPUに供給する。CPUはこの制御情報を解読し、再生信号入力切換手段117の出力を切り換える。ここで、送信時に挿入された制御情報とは、スイッチ107の出力を制御する情報と同じ情報で良い。つまり、記録再生部113に記録された信号がデスクランブラ118の前段から出力された信号であれば、再生時は、記録再生部113から読み出された信号を再生信号切換手段117を介し、デスクランブラ118に入力すればよい。もし、記録再生部113に記録された信号が、デスクランブラ118の後段から出力された信号であれば、再生時は、デスクランブラ118の後段に入力すればよい。図12には、スイッチ107と再生信号入力切換手段117を同じCPUが制御するように示したが、スイッチ107と再生信号入力切換手段117は独立に動作するため、スイッチ107と再生信号入力切換手段117を制御するCPUは独立であってもよい。
【0042】
上述のように、記録再生部113から出力された信号が、デスクランブルされる前の信号であればデスクランブラ118に入力され、デスクランブル処理を施した後、デマルチプレクサ119に入力される。記録再生部113から出力された信号が、デスクランブル後の信号であれば、デマルチプレクサ119に入力される。
【0043】
そして、デマルチプレクサ119は、映像信号と音声信号に分離し、ソースデコーダ109により復号化され、映像信号はビデオ出力端子110に、音声信号はオーディオ出力端子111に出力される。
【0044】
ここで、記録再生部113は、スイッチ107から出力される信号の他に、外部入力端子114から入力される外部機器からの信号も記録できる。図12には、記録再生部113の外部入力端子を1本だけ示したが、入力端子の数は任意である。
【0045】
次に、外部機器接続端子にデスクランブル前の信号を出力しているかデスクランブル後の信号を出力しているかを表示する受信装置の例を図13に示す。同図において、125はアンテナ、126は出力信号処理手段、127はディスプレイ、128はスピーカ、129はLED、他は図1と同様である。以下、動作について説明する。
【0046】
アンテナ125で受信された電波はチューナに入力され、以降、図1と同様の動作を行う。ただし、以下の動作が異なる。CPU108は、デマルチプレクサ106から出力された信号から制御情報を解読し、外部機器への出力をスクランブルされたままの信号とするかデスクランブル後の信号とするかを選択するとともに、その選択情報を出力信号処理手段126に送る。出力信号処理手段126はソースデコーダ109から出力される映像及び音声信号を表示する処理と、CPUから供給される選択情報をもとに、どちらを選択しているかがわかるようにLEDなどに表示する処理を行う。図13には表示方法としてLEDの例を示したが、表示方法は任意である。
【0047】
上記のように、外部機器出力端子112に出力されている信号が、スクランブルのかかった信号であるかスクランブルのかかっていない信号であるかを表示することにより、出力信号を再生するなどして調べなくても知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】従来例について説明する図である。
【図3】送信方法について説明する図である。
【図4】伝送信号に挿入する制御情報を説明する図である。
【図5】制御信号の暗号化について説明する図である。
【図6】本発明の第二の実施例を示すブロック図である。
【図7】外部機器におけるデスクランブル処理を説明する図である。
【図8】課金情報の送信方法を説明する図である。
【図9】本発明の第三の実施例を示すブロック図である。
【図10】本発明の第四の実施例を示すブロック図である。
【図11】本発明の第五の実施例を示すブロック図である。
【図12】本発明の第六の実施例を示すブロック図である。
【図13】本発明の第七の実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0049】
101…信号入力端子、
102…チューナ、
103…復調器、
104…誤り訂正回路、
105…デスクランブラ、
106…デマルチプレクサ、
107…スイッチ、
108…CPU、
109…ソースデコーダ、
110…ビデオ出力端子、
111…オーディオ出力端子、
112…外部機器接続端子、
120…チャンネルデコード部、
121…選択手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクランブルのかかった信号を受信する受信装置において、
受信した信号に含まれる制御情報に基づいてスクランブルを解いた信号あるいはスクランブルのかかったままの信号を選択的に出力できることを特徴とする受信装置。
【請求項2】
スクランブルのかかった信号をスクランブルを解いて出力する回路と、その回路とは独立に、スクランブルのかかったままの信号あるいはスクランブルを解いた信号を選択的に出力する回路を備えたことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記スクランブルのかかったままの信号あるいはスクランブルを解いた信号を選択的に出力する回路は、送信信号に挿入された制御情報を抽出して解読し、解読した制御情報に基づいて、スクランブルのかかったままの信号かスクランブルを解いた信号かを選択して出力することを特徴とする請求項2に記載の受信装置。
【請求項4】
スクランブルのかかった信号を受信する受信装置において、
スクランブルのかかった信号をスクランブルを解いて出力する回路と、その回路とは独立に、スクランブルのかかったままの信号を前記スクランブルを解いて出力する回路の前段に入力する入力端子を備えたことを特徴とする受信装置。
【請求項5】
スクランブルのかかった信号を受信する受信装置において、
スクランブルのかかった信号をスクランブルを解いて出力する回路と、その回路とは独立に、スクランブルのかかったままの信号を出力できることを特徴とする受信装置。
【請求項6】
送信すべき情報にスクランブルを施して送信する送信方法において、
スクランブル処理をされた信号と、該スクランブル処理された信号が受信された際の処理を規定する制御信号を多重化する工程を備え、
前記制御信号は受信側でスクランブルを解いた状態の信号を出力するかスクランブルされた状態の信号を出力するかを意図して付される信号であることを特徴とする送信方法。
【請求項7】
前記制御情報は、少なくとも伝送制御情報の中のセクションまたはディスクリプタ領域にあることを特徴とする請求項6に記載の送信方法。
【請求項8】
前記制御情報は、前記セクションまたはディスクリプタ領域内の所定の位置にあり、その情報量は1ビットであることを特徴とする請求項7に記載の送信方法。
【請求項9】
前記制御情報は、少なくとも1段の暗号化処理を施して送信されることを特徴とする請求項6乃至8の内のいずれか一項に記載の送信方法。
【請求項10】
送信側においては、スクランブル処理をされた信号と、該スクランブル処理をされた信号が受信された際の処理を規定する制御信号を多重化する工程と、前記制御信号は受信側でスクランブルされた信号を出力するかスクランブルされる前の信号を出力するかを意図して付される信号であり、前記多重化された信号を送信する工程とを備え、
受信側においては、受信した信号に含まれる制御情報に基づいてスクランブルを解いた信号かスクランブルのかかったままの信号かを選択的に出力する工程を備えたことを特徴とする信号送受信方法。
【請求項11】
信号を記録または再生する記録再生方法において、
スクランブルのかかったままの信号が媒体に記録された信号を復号するために必要な鍵情報を用いて、スクランブルのかかったまま記録された信号を読み出してからスクランブルを解いて復元することを特徴とする記録再生方法。
【請求項12】
スクランブルのかかったままの信号が記録媒体上に記録された信号を復号するために必要な鍵情報を用いて信号を再生する記録再生手段と、
該記録再生手段から出力されるスクランブルのかかった信号を復元するデスクランブラと、
を備え、前記記録再生手段から出力されるスクランブルのかかった信号を復元できることを特徴とする記録再生装置。
【請求項13】
スクランブルのかかった信号をスクランブルを解いて出力する回路と、その回路とは独立に、スクランブルのかかったままの信号とスクランブルを解いた信号を選択的に出力する回路を備えた受信装置と、所定の信号を記録再生する記録再生手段とを備え、
前記受信装置から出力され前記記録再生手段に記録された信号がスクランブルされた信号である場合には、前記スクランブルを解いて出力する回路に入力することによりスクランブルを解除して再生できることを特徴とする受信装置を内蔵した記録再生装置。
【請求項14】
スクランブルのかかった信号をスクランブルを解いてから表示装置に出力する回路と、
その回路とは独立に、スクランブルのかかったままの信号とスクランブルを解いた信号を外部端子に対して選択的に出力する回路を備えたテレビジョン受像機。
【請求項15】
前記スクランブルのかかったままの信号とスクランブルを解いた信号を選択的に出力する回路がスクランブルのかかった信号を出力しているかスクランブルを解いた信号を出力しているかという選択情報を表示する表示手段と、を備え、
スクランブルのかかった信号とスクランブルを解いた信号のどちらが出力されているかを表示することを特徴とする請求項14に記載のテレビジョン受像機。
【請求項16】
信号を記録または再生する記録再生手段に対して、事前にスクランブルのかかったまま記録された信号を復号するために必要な鍵情報を記録させておき、該鍵情報を用いて前記記録再生手段から出力されるスクランブルのかかった信号をデスクランブラにより復元される際に課金情報を生成し、該課金情報をもとに課金を行うことを特徴とする課金システム。
【請求項17】
前記課金情報を記憶する課金情報記憶手段を有し、前記記憶再生手段に記録された信号を再生する場合には、前記課金情報記憶手段に所定の課金情報を記憶し、記憶された課金情報をもとに課金を行うことを特徴とする請求項16に記載の課金システム。
【請求項18】
スクランブル処理された情報と、スクランブルを制御するための制御情報が多重化された状態で記憶された媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−118629(P2008−118629A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−262844(P2007−262844)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【分割の表示】特願2005−213603(P2005−213603)の分割
【原出願日】平成8年9月5日(1996.9.5)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】