説明

受光装置および焦点検出装置

【課題】赤外収差の影響を排除し、小型化が可能な受光装置。
【解決手段】第1のマイクロレンズと、前記第1のマイクロレンズを通過した光を受光可能な第1の複数の受光部とを有する第1の画素と、第2のマイクロレンズと、前記第2のマイクロレンズを通過した光を受光可能な第2の複数の受光部と、前記第2の複数の受光部に向かう光から可視光より長い波長の光を除去するフィルター58を有する第2の画素とを備え、複数の前記第1の画素と複数の前記第2の画素とが、前記第1のマイクロレンズの光軸および前記第2のマイクロレンズの光軸と交差する面に沿って配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は受光装置および焦点検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近赤外波長の補助光を暗い被写体に照射して焦点検出を行う焦点検出装置において、撮影光学系や焦点検出光学系の赤外収差による焦点検出精度への影響を低減しながら、暗い被写体に対する焦点検出の安定性を向上させるようにした焦点検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この出願の発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
【特許文献1】特開昭63−131113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の焦点検出装置では、被写体輝度に応じてカット波長の異なる2種類の長波長カットフィルターを切り換えるようにしているので、装置が大型になるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 請求項1の発明は、第1のマイクロレンズと、第1のマイクロレンズを通過した光を受光可能な第1の複数の受光部とを有する第1の画素と、第2のマイクロレンズと、第2のマイクロレンズを通過した光を受光可能な第2の複数の受光部と、第2の複数の受光部に向かう光から可視光より長い波長の光を除去するフィルターを有する第2の画素とを備え、複数の第1の画素と複数の第2の画素とが、第1のマイクロレンズの光軸および第2のマイクロレンズの光軸と交差する面に沿って配置されている。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載の受光装置において、第2の画素は、マイクロレンズにフィルターの層が形成されている。
(3) 請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の受光装置において、第1の画素と第2の画素とは交互に配置されている。
(4) 請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の受光装置において、第1の画素と第2の画素は、第1のマイクロレンズと第2のマイクロレンズとが平面上に配列されたマイクロレンズアレイと、第1の複数の受光部と第2の複数の受光部とが平面上に配列された受光部アレイとから構成されている。
(5) 請求項5の発明は、結像光学系を透過した光を受光する請求項1〜4のいずれか一項に記載の受光装置と、第1の画素および第2の画素の少なくとも一方の受光部出力に基づいて結像光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出手段とを備える焦点検出装置である。
(6) 請求項6の発明は、請求項5に記載の焦点検出装置において、被写体の輝度を検出する輝度検出手段を備え、焦点検出手段は、輝度検出手段により検出された輝度が第1の所定値以上の場合は、第2の画素の受光部出力に基づいて焦点検出を行う。
(7) 請求項7の発明は、請求項6に記載の焦点検出装置において、焦点検出用補助光を照射する照射装置を備え、焦点検出手段は、輝度検出手段により検出された輝度が第1の所定値よりも小さい第2の所定値以下の場合は、照射装置により補助光を照射し、第2の画素の受光部出力に基づいて焦点検出を行う。
(8) 請求項8の発明は、請求項7に記載の焦点検出装置において、焦点検出手段は、輝度検出手段により検出された輝度が第1の所定値より小さく、かつ第2の所定値よりも大きい場合は、照射装置により補助光を照射し、第1の画素の受光部出力と第2の画素の受光部出力とに基づいて焦点検出を行う。
(9) 請求項9の発明は、請求項8に記載の焦点検出装置において、焦点検出手段は、第1の画素の受光部出力と第2の画素の受光部出力とに基づいて近赤外光より長い波長の光に対する受光部出力を推定し、この推定された受光部出力により焦点検出を行った結果と、第1の画素の受光部出力に基づいて焦点検出を行った結果とに基づいて、結像光学系の焦点調節状態を検出する。
(10) 請求項10の発明は、請求項8に記載の焦点検出装置において、焦点検出手段は、第1の画素の受光部出力と第2の画素の受光部出力とに基づいて被写体光の波長を推定し、推定結果の波長に応じて焦点検出の結果を補正する。
(11) 請求項11の発明は、請求項5に記載の焦点検出装置において、焦点検出用補助光を照射する照射装置と、第1の画素の受光部出力と第2の画素の受光部出力とに基づいて近赤外光より長い波長の光に対する受光部出力を推定し、この推定された受光部出力により焦点検出を行った結果と、第1の画素の受光部出力に基づいて焦点検出を行った結果との差を、結像光学系の赤外収差補正値として記憶する補正値算出手段とを備える。
(12) 請求項12の発明は、請求項7〜11のいずれか一項に記載の焦点検出装置において、第1の画素は、照射装置の補助光の照射パターンに応じて配置される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、赤外収差による焦点検出精度への影響を排除した小型の焦点検出装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の焦点検出装置を一眼レフレックス・デジタルスチルカメラに適用した一実施の形態を説明する。なお、本願発明は一実施の形態の一眼レフレックス・デジタルスチルカメラに限定されず、レンズ一体型のコンパクトデジタルカメラやビデオカメラなど、あるいはフィルムカメラにも適用することができる。
【0008】
図1は一実施の形態の撮像装置の構成を示す断面図である。なお、図1では本願発明の焦点検出装置に係わる機器および装置以外の機器および装置については図示と説明を省略する。一実施の形態のカメラは、カメラボディ1に交換レンズ2が着脱可能に装着され、交換レンズ2は各種の撮影レンズを内蔵した交換レンズに交換可能である。また、一実施の形態のカメラは、カメラボディ1にフラッシュ装置3が着脱可能に装着される。
【0009】
カメラボディ1は、メインミラー11、サブミラー12、フィルター13、シャッター14、撮像素子15、焦点検出装置16、ペンタダハプリズム17、接眼レンズ18、電気接点19、ボディ駆動制御装置20などを備えている。フィルター13は、光学的ローパスフィルターと赤外線カットフィルターを合わせたものである。撮像素子15はCCDやCMOSなどから構成され、撮影レンズ21により結像された被写体像を電気信号に変換して出力する。焦点検出装置16は、撮影レンズ21の焦点調節状態、すなわちデフォーカス量を検出する。ボディ駆動制御装置20は不図示のマイクロコンピューター、ROM、RAM、A/Dコンバーターなどから構成され、カメラの各種演算、シーケンス制御、撮像素子の駆動制御などを行う。
【0010】
一方、交換レンズ2は、撮影レンズ21(レンズ21a〜21e)、絞り22、レンズ駆動制御装置23などを備えている。レンズ駆動制御装置23は不図示のマイクロコンピューター、ROM、RAM、レンズ駆動用アクチュエーター、絞り駆動用アクチュエーターなどから構成され、撮影レンズ21の焦点調節や絞り22の開口調節などを行う。なお、カメラボディ1のボディ駆動制御装置20と交換レンズ2のレンズ駆動制御装置23は、交換レンズ2のマウント部に設けられた電気接点19を介して電気的に接続されており、各種情報の授受を行う。
【0011】
非撮影時には、図1に実線で示すように、メインミラー11とサブミラー12が撮影光路中に置かれ、撮影レンズ21を透過した被写体光の一部はメインミラー11、ペンタダハプリズム17、接眼レンズ18を介して撮影者の目へ導かれ、撮影者に被写体像が視認される。また、被写体光の残りの一部はメインミラー11、サブミラー12を介して焦点検出装置16へ導かれ、焦点検出装置16により撮影レンズ21の焦点調節状態、すなわちデフォーカス量が検出される。
【0012】
撮影時には、図1に破線で示すように、メインミラー11とサブミラー12が撮影光路中から待避され、撮像素子15による被写体像の撮影が行われる。撮像素子15から出力された被写体像信号は不図示の画像処理装置により処理され、被写体像が不図示のメモリカードなどの記録装置に記録される。
【0013】
フラッシュ装置3は、撮影時に被写体を照明するためのフラッシュ投光機構(不図示)に加え、焦点検出時に被写体を照明するための投光光学系31、IRED(近赤外発光ダイオード)の光源32、光源駆動装置33などから構成される焦点検出用補助光投光機構を備える。光源駆動装置33は、制御装置20の指令にしたがって光源32を発光させ、補助光投光光学系31を介して被写体に特定のパターンを投影する。この補助光投光機構は、被写体が暗くて焦点検出が不可能な場合に、自動的あるいは撮影者の操作に応じて補助光投光動作を行うように構成されている。この補助光投光機構の動作により、暗い被写体でも焦点検出装置16により焦点検出を行うことができる。
【0014】
図2は、一実施の形態のカメラに組み込まれている焦点検出光学系の構成を示す。撮影レンズ21は、撮像素子15(図1参照)の受光面15aに被写体像を結像する。撮影レンズ21を透過した被写体からの光束(焦点検出用光束)はサブミラー12(図1参照)の反射面12aで反射され、撮像素子受光面15aと共役な予定焦点面16aへ導かれ、予定焦点面16aにおいて被写体像が結像される。なお、この予定焦点面16aにおいて被写体像のピントが合うように、撮影レンズ21の焦点調節が行われる。
【0015】
像高の高い部分の焦点検出用光束を用いて焦点検出を行う場合には、光路中、具体的には予定焦点面16aの近傍から後述するマイクロレンズアレイ52の間にフィールドレンズ51を挿入し、像高の高い部分の光線を光軸方向へ曲げるようにしてもよい。以下では、フィールドレンズ51を無視して説明する。焦点検出装置16は、マイクロレンズアレイ52と受光部アレイ53がカバーガラス54で蓋をしたパッケージ55の中に封入されている。
【0016】
図3はマイクロレンズアレイ52と受光部アレイ53を拡大した斜視図である。なお、実際にはマイクロレンズアレイ52と受光部アレイ53がほぼ密着しているが、図3では説明を解りやすくするためにそれらを分離して示す。また、図3では各マイクロレンズごとに(X,Y)アドレスを付して説明する。
【0017】
マイクロレンズアレイ52は複数のマイクロレンズが二次元状に配列されて構成され、カメラの予定焦点面16aの近傍に配置される。なお、図示を省略するが、マイクロレンズとマイクロレンズとの境界と、その近傍や周辺のマイクロレンズがない平面部には遮光膜が形成されている。なお、後述する遮光隔壁も図示を省略している。受光部アレイ53はマイクロレンズアレイ52のごく近傍に配置され、複数の受光部が二次元状に配列されている。
【0018】
図4はマイクロレンズと受光部の対応関係を示す図である。複数のマイクロレンズが二次元状に配列されるマイクロレンズアレイ52では、マイクロレンズどうしの境界が図4(a)に示すように四角形になる。一方、複数の受光部が二次元状に配列される受光部アレイ53では、図4(b)に示すように受光部が縦横に隙間なく配列されている。したがって、各マイクロレンズに対応する受光部は、図4(c)に示すようにマイクロレンズどうしの境界で仕切られたハッチングで示す範囲の受光部である。
【0019】
このように、複数の受光部が二次元状に配列された受光部アレイ53とマイクロレンズアレイ52を組み合わせることによって、受光部が形成された受光部アレイ53のチップとマイクロレンズアレイ52を貼り付ける工程において、図3に示すX方向とY方向の位置合わせが不要となり、Z軸周りのみ厳密に位置合わせを行えばよく、製造工程における工数を低減することができる。なお、図4(d)に示すように、マイクロレンズごとに複数の受光部を対応づけて配置してもよいが、図3に示すX方向、Y方向の厳密な位置合わせが必要になる。
【0020】
なお、図3および図4では、マイクロレンズアレイ52を構成するマイクロレンズと受光部アレイ53を構成する受光部の数を少なく描いたが、実際にはこれらの数十倍から数百倍のマイクロレンズと受光部を配列したアレイとなる。例えば、横18mm、縦12mmの範囲に、ピッチが縦横とも0.05mmのマイクロレンズを横に719個、縦に479個配列して構成する。
【0021】
図5は一実施の形態の焦点検出装置16による焦点検出方法を説明するための図であり、図3のX−Z平面に平行な断面を示す。なお、図5では遮光隔壁(後述)の図示を省略する。この一実施の形態では、1個のマイクロレンズとそのマイクロレンズに対応する受光部アレイの組を1個の画素と呼ぶ。図5では、各マイクロレンズごとに5個の受光部を有する画素が並んでいる。
【0022】
なお、マイクロレンズアレイ52は、複数のマイクロレンズが、マイクロレンズの光軸と直交する平面上に配列されている。受光部アレイ53の各受光部も、マイクロレンズの光軸と直交する平面上に配列されている。したがって、画素は、マイクロレンズの光軸と直交する平面上に配列されていることになる。
【0023】
マイクロレンズアレイ52の各マイクロレンズによる受光部アレイ53の各受光部の像は、マイクロレンズの頂点よりわずかに被写体側の受光部像結像面16bに結び、この受光部像結像面16bは図2に示すカメラの予定焦点面16aの近傍になるように構成されている。
【0024】
この一実施の形態の焦点検出装置16は、瞳分割型位相差検出方式による焦点検出装置である。すなわち、撮影レンズ21の瞳面上の一対の領域を通過した一対の焦点検出用光束により形成される一対の被写体像の位置ズレ量に基づいて、撮影レンズ21のデフォーカス量を検出する。具体的な焦点検出方法を以下に説明する。
【0025】
第1の焦点検出方法は、隣接する画素、または一つおきなどの画素の受光部アレイで検出した一対の被写体像の位置ズレ量に基づいてデフォーカス量を検出する方法である。図5に示すA列とB列の受光部アレイ上に結像された一対の被写体像は、受光部像結像面16b上のA’、B’で示す「マイクロレンズによる受光部アレイの逆投影像」の位置に、撮像レンズ21により結像される一対の被写体像に対応する。したがって、A列とB列の受光部アレイの出力に基づいて、受光部像結像面16b上の撮影レンズ21により結像された一対の被写体像の位置ズレ量を検出する。
【0026】
第2の焦点検出方法は、連続して配置される画素の各受光部アレイの端からn番目どうしの受光部出力を繋げた波形が表す合成像と、(n+m)番目どうしの受光部出力を繋げた波形が表す合成像との位置ズレ量に基づいてデフォーカス量を検出する方法である。図5に示すように、連続して配置される画素の各受光部アレイの端から2番目の受光部cの出力を繋げた信号列に対応する像と、端から4番目の受光部dの出力を繋げた信号列に対応する像は、受光部像結像面16b上のC’とD’で示す「マイクロレンズによる受光部アレイの逆投影像」の位置に撮影レンズ21により結像される一対の被写体像に対応する。すなわち、受光部cを連ねた離散的受光部列Cと、受光部dを連ねた離散的受光部列Dの出力波形が表す合成像がそれぞれC’とD’の位置の被写体像に対応する。したがって、受光部列Cと受光部列Dの出力に基づいて、受光部像結像面16b上の撮影レンズ21により結像された一対の被写体像の位置ズレ量を検出する。
【0027】
なお、第2の焦点検出方法の変形例として、図6に示すように、連続して配置される画素の各受光部アレイの端から1番目と2番目の受光部出力を加算した信号列、すなわち、合成受光部cが連なる受光部列Cの出力波形と、端から4番目と5番目の受光部出力を加算した信号列、すなわち、合成受光部dが連なる受光部列Dの出力波形に基づいて、画素結像面16b上の撮影レンズ21により結像された一対の被写体像の位置ズレ量を検出するようにしてもよい。つまり、隣接した複数の受光部の出力を合成して1個の受光部出力としてもよい。
【0028】
図7は焦点検出装置16の詳細な構成を示すブロック図である。二次元受光部アレイ53(図3参照)の出力はA/Dコンバーター54によりデジタル信号に変換され、いったんメモリ55に記憶される。マイクロコンピューター56はソフトウエア形態により合成信号列作成部56a、像ズレ演算部56bおよびフォーカス量算出部56cを備え、メモリ55から受光部アレイ53の出力データを読み出し、合成信号列作成部56aにより第1信号列{a(i)}=a(1),a(2),a(3),・・・と、第2信号列{b(i)}=b(1),b(2),b(3),・・・を作成する。
【0029】
ここで、上述した第1の焦点検出方法の場合は、信号列{a(i)}、{b(i)}は図5に示す隣接する画素A、Bの各受光部アレイの受光部出力の並びである。また、上述した第2の焦点検出方法の場合は、信号列{a(i)}、{b(i)}は図5に示す受光部列CとDの出力の並びである。
【0030】
こうして得られた第1信号列{a(i)}と第2信号列{b(i)}に基づいて、公知の方法により像ズレ演算を行い、デフォーカス量を算出する。2つの信号列{a(i)}、{b(i)}からデフォーカス量を算出する方法はよく知られており、まず第1信号列{a(i)}と第2信号列{b(i)}(i=1,2,3,・・・)から対応する一対の像の相関量C(N)を求める。
C(N)=Σ|a(i)−b(j)| ・・・(1)
(1)式において、シフト数NはN=j−iであり、Σはiに関する所定範囲の総和演算を表す。
【0031】
(1)式により離散的に求められた相関量C(N)から次のようにしてシフト量を求める。ここで、相関量C(N)の中でシフト量N=N0のときに極小値を与える相関量をC0とし、シフト量(N0−1)における相関量をCr、シフト量(N0+1)における相関量をCfとする。相関量Cr、C0、Cfの並びから精密なシフト量Naを求める。
DL=0.5・(Cr−Cf) ・・・(2),
E=MAX{Cf−C0、Cr−C0) ・・・(3),
Na=N0+DL/E ・・・(4)
次に、シフト量Naに、焦点検出面の位置に応じた補正量(定数CONST)を加え、焦点検出面上での像ズレ量Δn=Na+CONSTを算出する。さらに、像ズレ量Δnに検出開角に依存した定数Kfを乗じ、デフォーカス量Dfを算出する。
Df=Kf・Δn ・・・(5)
【0032】
以上では横方向の焦点検出方法について説明したが、縦方向についても同様な方法で焦点検出を行うことができる。
【0033】
図8(a)はマイクロレンズアレイ52を受光部アレイ53側から見た図、図8(b)はマイクロレンズアレイ52のB断面図((a)図参照)、図8(c)はマイクロレンズアレイ52のC断面図((a)図参照)である。マイクロレンズ52の各マイクロレンズ間の境界には遮光隔壁57が形成されている。また、受光部アレイ53とマイクロレンズアレイ52との間には赤外カットフィルター58が形成されている。遮光隔壁57と赤外カットフィルター58の形成法については、ガラス製マイクロレンズアレイにフォトリソグラフィで遮光隔壁となる深い溝と赤外カットフィルターが入る凹部を形成し、溝内に遮光性の樹脂を充填硬化させて遮光隔壁57を形成するとともに、さらに凹部に近赤外光吸収性の樹脂を充填硬化させて赤外カットフィルター58を形成する。
【0034】
図8(a)に示すマイクロレンズアレイ52において、ハッチングで表したマイクロレンズには図8(b)に示すように赤外カットフィルター58が形成されており、その他のマイクロレンズには8図(c)に示すように赤外カットフィルター58は形成されていない。すなわち、一実施の形態では、複数の画素が二次元配列された撮像素子15(図1参照)の一行(または一列)おきに赤外カットフィルター58が設けられた画素行(または画素列)と、赤外カットフィルター58を設けられていない画素行(または画素列)とが交互に配置されている。
【0035】
次に、一行(一列)おきに赤外カットフィルター58が設けられた撮像素子15を用いた焦点検出方法について説明する。焦点検出時に、受光部アレイの出力または測光センサー(不図示)の出力に基づいて被写体の輝度(明るさ)Kを検出し、マイクロコンピューター56(図7参照)のメモリ(不図示)に記憶されている第1の所定値K1および第2の所定値K2(<K1)と比較して現在の被写体の明るさを特定する。ここで、被写体の輝度(明るさ)は可視光域の輝度(明るさ)であり、例えば第1の所定値K1は焦点検出用補助光なしで焦点検出が可能な限界の被写体輝度より少し明るい輝度とし、第2の所定値K2は焦点検出用補助光なしでは焦点検出が困難な被写体輝度とする。
【0036】
《ケース1》被写体輝度Kが第1の所定値K1以上で被写体が明るい場合には、赤外カットフィルター58を備えた画素行(画素列)の画素出力に基づき上述した手順で焦点検出を行う。例えば、図3に示すY座標が奇数である画素行の画素出力を用いて焦点検出を行うか、あるいはX座標が奇数である画素列の画素出力を用いて焦点検出を行う。
【0037】
《ケース2》被写体輝度Kが第2の所定値K2以下で被写体が暗い場合には、フラッシュ装置3(図1参照)から焦点検出用補助光を被写体に照射し、赤外カットフィルター58のない画素行(または画素列)の画素出力に基づいて焦点検出を行う。例えば、図3に示すY座標が偶数の画素行の画素出力を用いて焦点検出を行うか、あるいはX座標が偶数の画素列の画素出力を用いて上述した手順で焦点検出を行う。この焦点検出結果に対して、装着された撮影レンズ21(図1参照)に応じた赤外補正データ(図1に示すレンズ駆動制御装置23のメモリに記憶)に基づいて補正を行う。
【0038】
《ケース3》被写体輝度Kが第1の所定値K1より小さく、かつ第2の所定値K2より大きい場合(K1>K>K2)にはフラッシュ装置3から補助光を被写体に照射し、次のようにして赤外カットフィルター58のある画素と赤外カットフィルター58のない画素の出力に基づいて焦点検出を行う。(1)例えば図9(a)に示す(X,Y)=(6,4)の位置にある赤外カットフィルター無し画素の塗りつぶして示した受光部(図9(b)参照)において、赤外カットフィルターがある場合の出力を推定するには、隣接する4個の赤外カットフィルター付き画素(5,5)、(7,5)、(7,3)、(5,3)の対応位置の受光部(塗りつぶして図示)出力を平均し、赤外カットフィルター無し画素(6.4)の所望受光部の赤外カットフィルター有りの場合の推定出力とする。そして、この推定出力から赤外カットフィルター無し画素(6,4)の所望受光部の実際の出力を減じて、概ね近赤外光より長波長域の推定出力を得る。
【0039】
次に、(2)同様な推定方法によって画素(6,4)と同じ行(または同じ列)の画素の近赤外より長波長域の推定出力を求め、画素行(または画素列)の長波長出力信号に基づくデフォーカス量を演算する。さらに、(3)演算結果のデフォーカス量に対して、装着された撮影レンズ21(図1参照)に応じた赤外補正データ(図1に示すレンズ駆動制御装置23のメモリに記憶)により補正を行う。
【0040】
一方、(4)赤外カットフィルター有り画素の行(または列)の画素出力に基づいて上述した手順でデフォーカス量を演算する。そして、(5)赤外カットフィルター無し画素の行(または列)のデフォーカス量演算結果(上記(3)項で算出)と、赤外カットフィルター有り画素の行(または列)のデフォーカス量演算結果(上記(4)項で算出)を合成して最終的なデフォーカス量を求める。この合成方法としては、それぞれの信頼性を評価し、評価結果に応じた重み付け平均値を最終デフォーカス量としてもよいし、単純に平均値を求めて最終デフォーカス量としてもよい。
【0041】
このように、一実施の形態によれば、赤外収差による焦点検出精度への影響を排除した小型の焦点検出装置を提供することができる。特に、撮影画面内の広い範囲に多くの焦点検出領域を密に配置した焦点検出装置に対して、赤外収差の影響を排除して小型化を図ることができる。また、高周波パターンを有する被写体に対して赤外収差の影響をなくして焦点検出精度を向上させることができる。
【0042】
《変形例1》なお、焦点検出用補助光を照射するためのフラッシュ装置が装着されていないカメラなど、焦点検出用補助光が照射できない場合には、上述した(2)項および(3)項において補助光を照射しないで上記演算を行えばよい。被写体光に含まれる近赤外成分を利用することによって、赤外カットフィルター有りの画素だけを使うより速く、精度のよい焦点検出ができる。
【0043】
《変形例2》また、上記ケース2で被写体輝度Kが第2の所定値K2以下の場合には、補助光を照射して赤外カットフィルター無しの画素出力に基づいて焦点検出を行う例を示したが、ケース2で被写体輝度Kが第2所定値K2以下の場合に、補助光を照射して上記ケース3と同様に赤外カットフィルター有りの画素出力と無しの画素出力に基づいて焦点検出を行うようにしてもよい。ケース2の場合の暗い被写体に対しても、焦点検出用補助光にいくらか含まれる可視光成分の反射を利用して焦点検出の精度をわずかに良くすることができる。
【0044】
《変形例3》さらに、上記ケース1で被写体輝度Kが第1の所定値K1以上の場合には、焦点検出用補助光を照射せずに、赤外カットフィルター付き画素の出力に基づいて焦点検出を行う例を示したが、このケース1において補助光を照射し、上記ケース3と同様に赤外カットフィルター有りの画素出力と無しの画素出力に基づいて焦点検出を行うようにしてもよい。これにより、被写体が明るい場合でも赤外カットフィルター付きの画素列と無しの画素列の両方を焦点検出に用いることができ、より密に被写体像をサンプルでき、高周波パターンに対する焦点検出能力を上げることができる。
【0045】
《変形例4》さらにまた、赤外カットフィルター有りの画素出力と無しの画素出力に基づいて焦点検出を行う場合に、赤外カットフィルター有りの画素出力と無しの画素出力に基づいて被写体光の波長を推定し、推定結果の波長に応じた補正を焦点検出結果に施すようにしてもよい。
【0046】
《赤外補正データ取得への応用》上述した一実施の形態の焦点検出装置は、撮影レンズの赤外光による焦点検出時に必要な補正データを取得することに応用できる。あるいは、補正データから逆算して撮影レンズの赤外収差のデータを取得するのに応用できる。すなわち、上記ケース3で被写体輝度Kが第1の所定値K1より小さく、かつ第2の所定値K2より大きい場合に、上記(3)項で説明した赤外補正を行わず、そのままの演算結果と上記(4)項で説明した赤外カットフィルター有りの画素出力に基づく演算結果の差を求める。その差がその撮影レンズの補正値である。この補正値をカメラボディに記憶しておき、その後の焦点検出時は上記手順における赤外補正値として用いる。
【0047】
これは、撮影レンズから補正値を求める元となる赤外収差データが読み出せない場合などに利用する。そのような例として、(1)撮影レンズが故障した場合、(2)撮影レンズの製造年度が古く、十分なデータが記録されていない場合、(3)コストダウンのためにデータの記録を省いた仕様になっている場合、(4)製造メーカーが異なり、十分なデータが入手できない場合、などが考えられる。
【0048】
一実施の形態の焦点検出装置では、焦点検出に利用する瞳(焦点検出に利用する光束が撮影レンズを通過する領域)を、利用する受光部を選択することによって種々変えられる。例えば、図10(a)、(b)に示すように、各画素の複数の受光部の内、4個の受光部出力を加算して一対の信号列a(i)、b(i)(i=1,2,3,・・)を生成し、焦点検出を行う。なお、利用する瞳が異なれば、撮影レンズが同じであっても赤外補正量が異なるので、利用する瞳の種類に応じた複数の赤外補正を求め、撮影レンズまたはカメラボディに記憶しておく。
【0049】
赤外補正データを取得する実際の手順は、まず、被写体輝度Kが第1所定値K1以下で、かつ第2所定値K2以上の被写体を探すか、あるいはそのような被写体を作り、次に、操作部材を操作してカメラにレンズデータ取得モードを設定し、カメラを上記被写体に向けてレリーズボタンを半押しする。このとき、カメラは、被写体輝度Kが第1所定値K1以下で、かつ第2所定値K2以上でない場合は被写体が明るすぎる、もしくは暗すぎる旨を報知する。被写体輝度Kが上記条件を満たす場合には、引き続くレリーズ操作にともなって被写体に補助光を照射して焦点検出を行い、補正値を算出して記憶する。
【0050】
上述した一実施の形態では、赤外カットフィルター有りの画素行(または画素列)と無しの画素行(または画素列)を交互に配置した例を示したが、このような配置により撮影画面内で焦点検出可能な全領域について、赤外収差の影響を排除した高精度な焦点検出を可能にすることができる。また、赤外補正データを生成できる。
【0051】
《一実施の形態の変形例》
上述した一実施の形態ではマイクロレンズの表面に赤外カットフィルター58を形成する例を示したが、図11に示すように受光部上に赤外カットフィルター59をオンチップで形成してもよい。ただし、この場合にはマイクロレンズアレイのマイクロレンズと、赤外カットフィルター有りの受光部および無しの受光部との位置合わせを正確に行う必要がある。
【0052】
《一実施の形態の他の変形例》
上述した一実施の形態とその変形例で示した焦点検出装置を特開2006−301149号に記載したカメラに搭載してもよい。この場合、同公報の赤外カットフィルター16は不要で、同公報の17、18、19などで構成された焦点検出装置に代えて上記一実施の形態の焦点検出装置を搭載する。このカメラでは、動画撮影時などに近赤外光のみによって焦点検出が行われる。したがって、近赤外光における焦点検出が行える領域が限定されていると、動画撮影時などの間に焦点検出できる領域が限られることになるので、上記一実施の形態のように赤外カットフィルター有りと無しの画素列を交互に配置するのが適している。
【0053】
《一実施の形態の他の変形例》
上述した一実施の形態では、赤外カットフィルター有りと無しの画素行(または画素列)を撮影画面の全範囲に交互に配置する例を示したが、例えば図3においてY=10の画素列だけ赤外カットフィルター無しの画素列としてもよい。また、赤外カットフィルター無しの画素列の長さもマイクロレンズアレイの端から端までとせずに、例えば図3でX=6、8、10、12、14だけ赤外カットフィルターなしの画素としてもよい。特に、赤外カットフィルター無しの画素列の配置は、補助光の照射位置とパターンに応じて決めるのが望ましい。上述したように、これらはカメラボディに組み合わせて使用されるフラッシュ装置などの焦点検出用補助光の照射機能により限定される。
【0054】
例えば図12(a)に示すように、撮影画面40の焦点検出範囲41の中心に縦縞パターン352、その左右に横縞パターン351、353を照射する補助光の場合には、図12(b)に示すように、画面中心の縦縞パターン352に対応する3列の画素行62を赤外カットフィルター無しとするとともに、画面左右の横縞パターン351、353にそれぞれ対応する3列の画素列61、63を赤外カットフィルターなしとする。そして、これらの画素列61、62、63の出力を用いて焦点検出を行う。
【0055】
なお、図12では画素ピッチを粗く描いているが、実際には1/10あるいはそれ以下の細かいピッチで構成されている。
【0056】
このように、画面内の一部に赤外カットフィルター無しの画素列を設けることによって、画面内の残りの画素において赤外収差による誤差補正の手間が省かれ、焦点検出演算時間を短縮することができる。特に、移動被写体に対して連続的に焦点検出を行う場合に有効である。
【0057】
図3に示すマイクロレンズアレイ52ではマイクロレンズを千鳥配列にした例を示したが、市松配置やハニカム状の配置にしてもよい。ハニカム状配置の場合には縦列はマイクロレンズの隣どうしの間隔が比較的開いてしまうが、このような場合でも焦点検出に支障はない。
【0058】
なお、一部の画素に設けた赤外カットフィルターとは別に、それより長波長側にカット波長を有する長波長カットフィルターを全画素に設けるとよい。この赤外カットフィルターは、例えば図2に示すカバーガラス54の直前に配置されてもいいし、カバーガラス自体が赤外カットフィルターを兼ねるようにしてもよい。これにより、(1)赤外カットフィルター無しの画素で検知される光の波長範囲を狭め、赤外収差の補正精度をより良くする効果がある。(2)赤外カットフィルター有りの画素においても、赤外カットフィルターで除去できないより長波長の光をカットすることによって、検知される光の波長範囲を狭め、赤外収差の補正精度をより良くする効果がある。さらに、画素ごとの赤外カットフィルターとして除去する波長範囲がより狭いものでも使用できるので、製作が容易になりコストを低減できる。この場合のカット波長は、補助光の中心波長より長波長側に設けるとよい。このフィルターは、従来の焦点検出装置の赤外カットフィルターと同様にガラス基板に多層膜コートで製作され、比較的シャープな赤外除去特性を持たせることができる。
【0059】
上述した一実施の形態では、焦点検出装置を可動式ミラーを用いたカメラに搭載した例を示したが、固定式のハーフミラーを用いて反射光を焦点検出装置へ導く一方、ハーフミラーを透過した被写体光を撮像素子へ導く方式のカメラにも適用することができる。また、一眼レフレックスカメラ以外のカメラや、双眼鏡などのカメラ以外の光学機器、あるいは画像を用いる測定器などにも一実施の形態の焦点検出装置を適用することができる。さらに、焦点検出用補助光を照射する装置はフラッシュ装置やカメラボディに限定されず、他の装置や付属品に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】一実施の形態の撮像装置の構成を示す断面図
【図2】一実施の形態のカメラに組み込まれている焦点検出光学系の構成を示す図
【図3】マイクロレンズアレイと受光部アレイを拡大した斜視図
【図4】マイクロレンズと受光部の対応関係を示す図
【図5】一実施の形態の焦点検出装置による焦点検出方法を説明するための図
【図6】一実施の形態の焦点検出装置による他の焦点検出方法を説明するための図
【図7】一実施の形態の焦点検出装置の詳細な構成を示すブロック図
【図8】一実施の形態のマイクロレンズアレイと受光部アレイの詳細を示す図
【図9】近赤外光より長波長域の画素出力の推定方法を説明するための図
【図10】マイクロレンズと受光部との対応関係を示す図
【図11】受光部上に赤外カットフィルターを形成した変形例を示す図
【図12】焦点検出用補助光の照射パターンに応じた画素配置例を示す図
【符号の説明】
【0061】
1;カメラボディ、2;レンズ鏡筒、3;フラッシュ装置、15;撮像素子、16;焦点検出装置、20;制御装置、21;撮影レンズ、52;マイクロレンズアレイ、53;受光部アレイ、58;赤外カットフィルター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のマイクロレンズと、前記第1のマイクロレンズを通過した光を受光可能な第1の複数の受光部とを有する第1の画素と、
第2のマイクロレンズと、前記第2のマイクロレンズを通過した光を受光可能な第2の複数の受光部と、前記第2の複数の受光部に向かう光から可視光より長い波長の光を除去するフィルターを有する第2の画素とを備え、
複数の前記第1の画素と複数の前記第2の画素とが、前記第1のマイクロレンズの光軸および前記第2のマイクロレンズの光軸と交差する面に沿って配置されていることを特徴とする受光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の受光装置において、
前記第2の画素は、前記マイクロレンズに前記フィルターの層が形成されていることを特徴とする受光装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の受光装置において、
前記第1の画素と前記第2の画素とは交互に配置されていることを特徴とする受光装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の受光装置において、
前記第1の画素と前記第2の画素は、前記第1のマイクロレンズと前記第2のマイクロレンズとが平面上に配列されたマイクロレンズアレイと、前記第1の複数の受光部と前記第2の複数の受光部とが平面上に配列された受光部アレイとから構成されていることを特徴とする受光装置。
【請求項5】
結像光学系を透過した光を受光する請求項1〜4のいずれか一項に記載の受光装置と、
前記第1の画素および前記第2の画素の少なくとも一方の受光部出力に基づいて前記結像光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出手段とを備えることを特徴とする焦点検出装置。
【請求項6】
請求項5に記載の焦点検出装置において、
被写体の輝度を検出する輝度検出手段を備え、
前記焦点検出手段は、前記輝度検出手段により検出された輝度が第1の所定値以上の場合は、前記第2の画素の受光部出力に基づいて前記焦点検出を行うことを特徴とする焦点検出装置。
【請求項7】
請求項6に記載の焦点検出装置において、
焦点検出用補助光を照射する照射装置を備え、
前記焦点検出手段は、前記輝度検出手段により検出された輝度が前記第1の所定値よりも小さい第2の所定値以下の場合は、前記照射装置により前記補助光を照射し、前記第2の画素の受光部出力に基づいて前記焦点検出を行うことを特徴とする焦点検出装置。
【請求項8】
請求項7に記載の焦点検出装置において、
前記焦点検出手段は、前記輝度検出手段により検出された輝度が前記第1の所定値より小さく、かつ前記第2の所定値よりも大きい場合は、前記照射装置により前記補助光を照射し、前記第1の画素の受光部出力と前記第2の画素の受光部出力とに基づいて前記焦点検出を行うことを特徴とする焦点検出装置。
【請求項9】
請求項8に記載の焦点検出装置において、
前記焦点検出手段は、前記第1の画素の受光部出力と前記第2の画素の受光部出力とに基づいて近赤外光より長い波長の光に対する受光部出力を推定し、この推定された受光部出力により前記焦点検出を行った結果と、前記第1の画素の受光部出力に基づいて前記焦点検出を行った結果とに基づいて、前記結像光学系の焦点調節状態を検出することを特徴とする焦点検出装置。
【請求項10】
請求項8に記載の焦点検出装置において、
前記焦点検出手段は、前記第1の画素の受光部出力と前記第2の画素の受光部出力とに基づいて被写体光の波長を推定し、推定結果の波長に応じて前記焦点検出の結果を補正することを特徴とする焦点検出装置。
【請求項11】
請求項5に記載の焦点検出装置において、
焦点検出用補助光を照射する照射装置と、
前記第1の画素の受光部出力と前記第2の画素の受光部出力とに基づいて近赤外光より長い波長の光に対する受光部出力を推定し、この推定された受光部出力により前記焦点検出を行った結果と、前記第1の画素の受光部出力に基づいて前記焦点検出を行った結果との差を、前記結像光学系の赤外収差補正値として記憶する補正値算出手段とを備えることを特徴とする焦点検出装置。
【請求項12】
請求項7〜11のいずれか一項に記載の焦点検出装置において、
前記第1の画素は、前記照射装置の前記補助光の照射パターンに応じて配置されることを特徴とする焦点検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−294301(P2009−294301A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−145620(P2008−145620)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】