説明

口唇の鮮やかさの判定方法、粉体組成物および口唇化粧料

【課題】口唇の色彩的若々しさの判定方法、加齢等でくすんだ口唇の外観・色調を改善し、鮮やかで若々しく見せ、もともと鮮やかで若々しい口唇に塗布しても外観・色調が不自然に見えない、口唇の外観・色調を改善することに優れた口唇化粧料用粉体組成物とこれを含む口唇化粧料を提供することである。
【解決手段】カメラで撮影した口唇画像のRGBデータからL*a*b*表色系に変換し得られたa*値とb*値との差を指標として口唇の色彩的若々しさを判定する方法と、積分球ユニットを取り付けた紫外可視分光光度計で波長400nm〜780nmの範囲で白色紙上の粉体と黒色紙上の粉体の正反射光を含む拡散反射光の分光反射率をそれぞれ測定し差スペクトルを求め、得られた各波長の値を標本とし、求めた標本分散(σ)が30以内であることを特徴とする口唇化粧料用粉体組成物及び当該粉体組成物を配合してなる口唇化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は口唇の色彩的老化度の判定方法、口唇化粧料用粉体、特に加齢等でくすんだ口唇の外観・色調を改善し、鮮やかで若々しく見せ、またもともと鮮やかで若々しい口唇に塗布しても外観・色調が不自然に見えない、口唇の外観・色調を改善することに優れた口唇化粧料用粉体組成物とこれを含む口唇化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に口唇化粧料用粉体は、無色で隠ぺい力を示さない体質粉体、酸化チタン、酸化鉄や法定色素のように着色を目的とした色材、微粒子酸化チタンや微粒子酸化亜鉛などの機能性粉体、およびこれらを複合化した複合粉体などに分類されている。近年、口唇化粧料に様々な機能が求められるようになり、機能性粉体や複合粉体の配合が必須となってきている。
【0003】
一方、女性が口紅やリップスティック等の口唇化粧料に求める機能として古くからは、美的効果(つや、発色性、色としての鮮やかさ)、バリアー機能や保湿効果が挙げられるが、近年はそれらの効果の持続性や紫外線防御効果についても望まれている。さらには、美容雑誌等の影響もあり美的効果の面で仕上がりの質感が重視されてきている。これに応えるために例えば、唇のしわや色ムラを目立たなくする、つやを向上させる、色素沈着を解消するために肌の明度を上げること、などが検討された。また、加齢とともに口唇のくすみが目立ってくるが、これに対し従来は天然色素やタール色素を配合することが行われていた。
【0004】
しかし、従来技術のように天然色素やタール色素を配合することでくすみを改善する方法では、血流量の減少により赤味が薄くなるようなくすみには効果的であるが、これ以外のくすんだ唇では効果がなく、またくすみのない鮮やかな唇に対しては不自然な仕上がりとなる問題があった。
【0005】
【特許文献1】特開2001−288039
【特許文献2】特開2003−171232
【特許文献3】特開2006−137760
【特許文献4】特開2006−273768
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、口唇の色彩的若々しさの判定方法、口唇化粧料用粉体、特に加齢等でくすんだ口唇の外観・色調を改善し、鮮やかで若々しく見せ、またもともと鮮やかで若々しい口唇に塗布しても外観・色調が不自然に見えない、口唇の外観・色調を改善することに優れた口唇化粧料用粉体組成物とこれを含む口唇化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、口唇の色彩的若々しさの判定方法により赤味の減少以外にもくすみを感じさせる原因があることを特定し、合わせて色彩的若々しさとして数値化した。さらにこの色彩的若々しさを利用して、口唇化粧料用粉体、特に加齢等でくすんだ口唇の外観・色調を改善し、鮮やかで若々しく見せ、またもともと鮮やかで若々しい口唇に塗布しても外観・色調が不自然に見えない、口唇の外観・色調を改善することに優れた口唇化粧料用粉体組成物とこれを含む口唇化粧料を提供することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、口唇の色彩的若々しさの判定方法、口唇化粧料用粉体、特に加齢等でくすんだ口唇の外観・色調を改善し、鮮やかで若々しく見せ、またもともと鮮やかで若々しい口唇に塗布しても外観・色調が不自然に見えない、口唇の外観・色調を改善することに優れた口唇化粧料用粉体組成物とこれを含む口唇化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の色彩的若々しさの判定方法は、あらかじめ複数名の被験者の口唇画像をカメラで撮影し、得られた色彩データを数値化すること。複数名のモニターにより元の口唇画像の目視評価と数値化された色彩データとを比較し、鮮やかもしくは若々しく見える口唇画像を選択しそれらの数値化された色彩データから若々しく見える数値範囲を特定すること。および、評価対象となる口唇の画像から得られた色彩データと先述の若々しく見える数値範囲とを比較し、口唇の若々しさを判定することである。また、本発明における口唇の外観・色調を改善することに優れた口唇化粧料用粉体組成物は、当該粉体組成物を黒色紙と白色紙とにそれぞれ塗布・付着させ、積分球ユニットを取り付けた紫外可視分光光度計で波長400nm〜780nmの範囲で正反射光を含む拡散反射光の分光反射率をそれぞれ測定し、白色紙上の粉体の分光反射率と黒色紙上の粉体の分光反射率との差スペクトルを求め、得られた各波長の値を標本とし求めた標本分散が30以内である粉体組成物である。
【0010】
まず、色彩的若々しさの判定方法の一例について具体的に説明する。カメラは市販のデジタル一眼レフタイプのものを使用し、被写体である口唇の高さとレンズの中央部の高さがほぼ一致するように固定する。光源はJIS Z 8723規格に準ずる色比較・検査用D65蛍光ランプを3本使用し、被写体の上前方、左右前方の3方向から照明する。撮影データはRAWまたはJPEG形式で取得し、アドビシステムズ製ソフトウェアのPhotoshopにより画像中の口唇部分のRGB値を取得し、その平均値を算出する。このとき、同時に撮影しておいた画像補正用カラーチャートを用いRGB値を補正しておく。得られたRGB値を下記の返還式群(1)から(6)により、L*値、a*値、b*値に返還する。
(式1〜6)

【0011】
得られるa*値とb*値との差(a*−b*値)を算出し、別に複数名のモニターにより若々しく見えるか否かで分類しておいた元の口唇画像と比較し、若々しく見えるa*−b*値の範囲を割り出す。得られたa*−b*値の範囲に、評価対象の口唇画像のa*−b*値が収まれば、その口唇は若々しく見えると評価する。
【0012】
本発明における条件では、34名の被験者の口唇画像とそれら画像データから算出されたa*−b*値とを8名の商品開発担当者が比較、評価した結果、若々しく見えるa*−b*値の範囲は3.5以上7未満であった。参考までに述べるが、a*−b*値が3.5未満である口唇の色は血色が悪くくすんで見え、また7以上である場合は青紫色に近づき、寒い日に屋外プールに入った時のような口唇の様な不自然な色に見える。
【0013】
次に、口唇の外観・色調を改善することに優れた口唇化粧料用粉体組成物について具体的に説明する。本発明における口唇の外観・色調を改善することに優れた口唇化粧料用粉体組成物とは後述の方法によって規定される。すなわち当該粉体組成物を黒色の光沢紙と白色の光沢紙とにそれぞれ両面テープを使って塗布・付着させ、積分球ユニットを取り付けた紫外可視分光光度計で正反射光を含む拡散反射光の分光反射率を400nmから780nmの範囲において5nm間隔で測定し、得られた白色光沢紙上の粉体の分光反射率と黒色光沢紙上の粉体の分光反射率との波長ごとの差スペクトルを求めたとき、得られた各波長の値を標本とし、式(7)によって求めた標本分散が30以内である粉体組成物である。1例を挙げると、図1のような分光反射率の差スペクトルを有する粉体組成物である。またこれら粉体組成物のうち、上記条件で420nmから750nmの範囲における標本分散が10以内である粉体組成物は最も改善効果に優れている。
(式7)

【0014】
(図1)

【0015】
口唇化粧料用粉体について実施例を挙げてさらに詳細に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。口唇化粧料用粉体組成物の色彩的若々しさの改善効果は、表1記載のように着色剤を含まない口紅用組成物95重量部に実施例1〜4及び比較例1〜10の口唇化粧料用粉体組成物5重量部を配合し、口紅用組成物使用前後の被験者口唇のa*−b*値と先に求めた若々しく見えるa*−b*値とを比較することで行った。評価結果から代表値である、加齢等でのくすみのため使用前のa*−b*値が低い被験者Aと、もともと若々しく見える口唇であり使用前のa*−b*値が適切な被験者Bのデータを表3に示す。さらに、表2に示す処方のように赤系と茶系の口紅に配合し着色剤併用下での見た目の改善効果も評価した。評価は、口唇中央にて半分に分け右側と左側に同系色で口唇化粧料用粉体組成物が異なる口紅を塗布し、北窓昼光の条件下で比較した。
【0016】
【表1】

【0017】
【表2】

【実施例1】
【0018】
実施例1の口唇化粧料用粉体組成物は、図1に示す分光反射率と差スペクトルを有し、差スペクトルから得られた各波長の値を標本とし求めた標本分散が400nmから780nmの範囲においては23.4であり、420nmから750nmの範囲においては10.3である粉体、本実施例ではマイカ、酸化チタンよりなる板状粉体(市販品ではメルク社製、TIMIRON SUPER RED)90重量部とマイカ、カルミン、酸化鉄、酸化チタンよりなる板状粉体(市販品ではエンゲルハード社製、GEMTONE RUBY)10重量部との混合物である。
【実施例2】
【0019】
実施例2の口唇化粧料用粉体組成物は、図2に示す分光反射率と差スペクトルを有し、差スペクトルから得られた各波長の値を標本とし求めた標本分散が400nmから780nmの範囲においては25.6であり、420nmから750nmの範囲においては9.0である粉体、本実施例ではマイカ、酸化チタン、シリカ、酸化スズよりなる板状粉体(市販品ではメルク社製、XIRONA VOLCANIC FIRE)90重量部とマイカ、カルミン、酸化鉄、酸化チタンよりなる板状粉体(市販品ではエンゲルハード社製、GEMTONE RUBY)10重量部との混合物である。
【0020】
(図2)

【実施例3】
【0021】
実施例3の口唇化粧料用粉体組成物は、図3に示す分光反射率と差スペクトルを有し、差スペクトルから得られた各波長の値を標本とし求めた標本分散が400nmから780nmの範囲においては29.9であり、420nmから750nmの範囲においては14.2である粉体、本実施例ではマイカ、酸化チタン、シリカ、酸化スズよりなる板状粉体(市販品ではメルク社製、XIRONA VOLCANIC FIRE)90重量部とマイカ、カルミン、酸化鉄、酸化チタンよりなる板状粉体(市販品ではエンゲルハード社製、GEMTONE GARNET)10重量部との混合物である。
【0022】
(図3)

【実施例4】
【0023】
比較例6の口唇化粧料用粉体組成物は、図4に示す分光反射率と差スペクトルを有し、差スペクトルから得られた各波長の値を標本とし求めた標本分散が400nmから780nmの範囲においては27.5であり、420nmから750nmの範囲においては12.0である粉体、本実施例ではマイカ、酸化チタン、シリカよりなる板状粉体(市販品ではメルク社製、TIMIRON SPLENDID RED)90重量部とマイカ、カルミン、酸化鉄、酸化チタンよりなる板状粉体(市販品ではエンゲルハード社製、GEMTONE RUBY)10重量部との混合物である。
【0024】
(図4)

【0025】
比較例1の口唇化粧料用粉体組成物は、図5に示す分光反射率と差スペクトルを有し、差スペクトルから得られた各波長の値を標本とし求めた標本分散が400nmから780nmの範囲においては49.4であり、420nmから750nmの範囲においては33.9である粉体、本実施例ではマイカ、酸化チタン、シリカ、酸化スズよりなる板状粉体(市販品ではメルク社製、XIRONA VOLCANIC FIRE)である。
【0026】
(図5)

【0027】
比較例2の口唇化粧料用粉体組成物は、図6に示す分光反射率と差スペクトルを有し、差スペクトルから得られた各波長の値を標本とし求めた標本分散が400nmから780nmの範囲においては54.8であり、420nmから750nmの範囲においては50.1である粉体、本実施例ではマイカ、酸化チタン、シリカ、酸化スズよりなる板状粉体(市販品ではエンゲルハード社製、GEMTONE RUBY)である。
【0028】
(図6)

【0029】
比較例3の口唇化粧料用粉体組成物は、図7に示す分光反射率と差スペクトルを有し、差スペクトルから得られた各波長の値を標本とし求めた標本分散が400nmから780nmの範囲においては39.1であり、420nmから750nmの範囲においては22.7である粉体、本実施例ではマイカ、酸化チタンよりなる板状粉体(市販品ではメルク社製、TIMIRON SUPER RED)である。
【0030】
(図7)

【0031】
比較例4の口唇化粧料用粉体組成物は、図8に示す分光反射率と差スペクトルを有し、差スペクトルから得られた各波長の値を標本とし求めた標本分散が400nmから780nmの範囲においては66.1であり、420nmから750nmの範囲においては45.8である粉体、本実施例ではマイカ、酸化チタン、シリカよりなる板状粉体(市販品ではメルク社製、TIMIRON SPLENDID RED)である。
【0032】
(図8)

【0033】
比較例5の口唇化粧料用粉体組成物は、図9に示す分光反射率と差スペクトルを有し、差スペクトルから得られた各波長の値を標本とし求めた標本分散が400nmから780nmの範囲においては87.9あり、420nmから750nmの範囲においては52.1である粉体、本実施例ではマイカ、酸化チタン、酸化鉄、カルミンよりなる板状粉体(市販品ではエンゲルハード社製、GEMTONE GARNET)である。
【0034】
(図9)

【0035】
比較例6の口唇化粧料用粉体組成物は、図10に示す分光反射率と差スペクトルを有し、差スペクトルから得られた各波長の値を標本とし求めた標本分散が400nmから780nmの範囲においては36.1であり、420nmから750nmの範囲においては24.8である粉体、本実施例ではマイカ、酸化チタン、シリカ、酸化スズよりなる板状粉体(市販品ではメルク社製、XIRONA VOLCANIC FIRE)50重量部とマイカ、カルミン、酸化鉄、酸化チタンよりなる板状粉体(市販品ではエンゲルハード社製、GEMTONE RUBY)50重量部との混合物である。
【0036】
(図10)

【0037】
比較例7の口唇化粧料用粉体組成物は、図11に示す分光反射率と差スペクトルを有し、差スペクトルから得られた各波長の値を標本とし求めた標本分散が400nmから780nmの範囲においては93.6あり、420nmから750nmの範囲においては65.4である粉体、本実施例ではマイカ、酸化チタン、シリカよりなる板状粉体(市販品ではメルク社製、TIMIRON SPLENDID VIOLET)である。
【0038】
(図11)

【0039】
比較例8の口唇化粧料用粉体組成物は、図12に示す分光反射率と差スペクトルを有し、差スペクトルから得られた各波長の値を標本とし求めた標本分散が400nmから780nmの範囲においては51.7あり、420nmから750nmの範囲においては48.2である粉体、本実施例ではマイカ、酸化チタン、カルミンよりなる板状粉体(市販品ではエンゲルハード社製、DUOCROME RY)である。
【0040】
(図12)

【0041】
比較例9の口唇化粧料用粉体組成物は、図13に示す分光反射率と差スペクトルを有し、差スペクトルから得られた各波長の値を標本とし求めた標本分散が400nmから780nmの範囲においては36.9であり、420nmから750nmの範囲においては19.0である粉体、本実施例ではマイカ、酸化チタン、シリカ、酸化スズよりなる板状粉体(市販品ではメルク社製、XIRONA VOLCANIC FIRE)50重量部とマイカ、カルミン、酸化鉄、酸化チタンよりなる板状粉体(市販品ではエンゲルハード社製、GEMTONE GARNET)50重量部との混合物である。
【0042】
(図13)

【0043】
比較例10の口唇化粧料用粉体組成物は、図14に示す分光反射率と差スペクトルを有し、差スペクトルから得られた各波長の値を標本とし求めた標本分散が400nmから780nmの範囲においては59.5あり、420nmから750nmの範囲においては50.5である粉体、本実施例ではマイカ、酸化チタン、カルミンよりなる板状粉体(市販品ではメルク社製、COLORONA CARMINE RED)である。
【0044】
(図14)

【0045】
【表3】

【0046】
実施例1から4で示す波長400〜780nmの範囲の差スペクトルの標本分散が30以下である粉体は、使用前のa*−b*値が低い被験者Aのa*−b*値を大きく改善し、一方もともと若々しく見える口唇の被験者Bのa*−b*値は大きな変化は見られない。これは、加齢等でくすんだ口唇は若々しく見えるようになるが、もともと若々しい口唇もまた不自然ではなく若々しい口唇のままに見せる。他方で、比較例1〜10の標本分散が30を超える粉体は、くすんだ口唇の被験者Aのa*−b*値は適正な値に改善するが、もともと適正である被験者Bではa*−b*値が高くなり不自然な青紫っぽい口唇に見せる。また、比較例6、9は実施例2、3とそれぞれ同一の組成を示している。具体的には同じ製品の配合比率を変更しているだけであるが、得られた標本分散の値が基準値を超え、またa*−b*値の改善効果も見られない。このことから、本発明の効果が口唇化粧料用粉体組成物の組成によって発現しているのではなく、標本分散値により規定される光学的特徴によって為されているといえる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の口唇の色彩的若々しさの判定方法を利用することで、被験者口唇の色彩情報を簡便に評価することができ、また口唇の外観・色調を改善することを目的とする粉体組成物を評価するにあたって、その粉体組成物の効果を簡便かつ客観的に評価できる。また、本発明における口唇化粧料用粉体組成物またはこれを含む口唇化粧料を使用することで、加齢等でくすんだ口唇の外観・色調を改善し、鮮やかで若々しく見せることができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影された口唇画像のRGBデータを変換式群(1)から(6)によってL*a*b*表色系に変換し得られたa*値とb*値との差(a*−b*値)を指標として口唇の色彩的若々しさを判定する方法。
(式1〜6)

【請求項2】
撮影された口唇画像のRGBデータを、請求項1記載の変換式群(1)から(6)によって変換し得られたa*値とb*値との差(a*−b*値)の被検物の使用前後による値および値の変化と、被検物の口唇の色彩的若々しさの改善効果を関連付けて、被検物の同改善効果を評価する、被検物の評価方法。
【請求項3】
1種または2種以上の均一に分散した粉体組成物を黒色紙と白色紙とにそれぞれ塗布・付着させ、積分球ユニットを取り付けた紫外可視分光光度計で波長400nm〜780nmの範囲で正反射光を含む拡散反射光の分光反射率をそれぞれ測定し、白色紙上の粉体の分光反射率と黒色紙上の粉体の分光反射率との差スペクトルを求め、得られた各波長の値を標本とし、式(7)によって求めた標本分散(σ)が30以内であることを特徴とする口唇化粧料用粉体組成物。
(式7)

【請求項4】
1種または2種以上の均一に分散した粉体組成物を黒色紙と白色紙とにそれぞれ塗布・付着させ、積分球ユニットを取り付けた紫外可視分光光度計で波長420nm〜750nmの範囲で正反射光を含む拡散反射光の分光反射率をそれぞれ測定し、白色紙上の粉体の分光反射率と黒色紙上の粉体の分光反射率との差スペクトル求め、得られた各波長の値を標本とし、式(7)によって求めた標本分散が10以内であることを特徴とする口唇化粧料用粉体組成物。
【請求項5】
前記口唇化粧料用粉体が板状の粉体に、金属酸化物、天然色素、有機色素のいずれか1種、または2種以上を被覆または吸着してなる複合粉体を1種、または2種以上混合してなる請求項3及び4のいずれかに記載の口唇化粧料用粉体組成物。
【請求項6】
前記板状の粉体が、マイカ、タルク、合成金雲母、硫酸バリウムのいずれかであり、金属酸化物が酸化チタン、酸化鉄、酸化スズ、シリカのいずれかであり、天然色素がカルミン、カーサミンのいずれかであり、有機色素が赤色201号であることを特徴とする請求項5記載の口唇化粧料用粉体組成物。
【請求項7】
請求項3乃至6のいずれかに記載の口唇化粧料用粉体組成物を配合することを特徴とする口唇化粧料。


【公開番号】特開2010−159230(P2010−159230A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3034(P2009−3034)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(592262543)日本メナード化粧品株式会社 (223)
【Fターム(参考)】