説明

口臭を解消するための組成物および方法

本発明は、フレーバー組成物を含む快楽的に好ましい口臭解消組成物および口腔ケア製品、このような組成物の製造方法、並びに口臭を解消する方法に関する。当該組成物は、式I


で表される2種または3種以上の口臭解消活性物質を、フレーバー成分の合計濃度を基準として少なくとも10%(w/w)の合計濃度で、またフレーバー成分全体を基準として、1口臭解消剤あたり1%またはこれ以上の個別の濃度で含む。口臭解消活性物質の合計を基準とするすべての個別の口臭解消活性物質の最大の濃度は70%である。特定された口臭解消活性物質は、種々のフレーバー化合物および天然成分である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口臭を解消する方法、口臭解消(OMC)活性物質を含むOMC組成物、および前記OMC活性物質または組成物を口腔ケア製品配合物に混合することにより形成される口腔ケア製品に関する。
【背景技術】
【0002】
口臭に関与する重要な揮発性物質には、種々の硫黄含有分子、特に硫化水素(HS)、メタンチオール(MeSH)および硫化ジメチル(Me−S−Me)が含まれる。これらの中で、MeSHは、最も低い臭気閾値を有し、したがって関連が最も高い。
【0003】
口腔ケア製品、例えば歯磨き粉、マウスリンス(mouth rinse)およびチューインガムは、従来においては、優勢な風味(flavour)または臭気(odour)を用いて口臭またはむしろその知覚を遮蔽するために、極めて強度のフレーバーを含む一方、悪臭は存在するままであるが、フレーバーと合わさると感知されにくくなる。例えば、特開2004−018431号公報には、口臭に対する既知の活性物質であるハッカ油またはハッカ植物中に含まれることが知られている化合物(例えばメントール)を遮蔽フレーバー化合物と組み合わせて含む、種々のフレーバー組成物が記載されている。
【0004】
口臭は、口中のグラム陰性細菌により発生する。したがって、口臭を低減させるための他の従来の方法は、例えば従来の抗菌剤、例えばトリクロサン、塩化セチル−ピリジニウムおよびクロルヘキシジンによりこれらの細菌に対抗することである。
【0005】
いくつかの場合において、天然の成分またはフレーバー化合物の抗菌効果が用いられる。これらには、例えば、チモール、冬緑油、サリチル酸メチル、ユーカリプトールおよびハッカ油並びにハッカ植物中に存在する化合物、特にメントールが含まれる。悪臭解消効果を有することが知られている他の天然成分には、パセリが含まれ、これは、古代から口臭に対して用いられている。イオノンの亜鉛塩との組み合わせも、口臭を解消するために用いられている(アルファ−イオノン、ベータ−イオノン、ガンマ−イオノン、ジヒドロイオノン、アルファ−メチルイオノン、イロン)。さらに、一部の高級アルコール類、特にノナノールは、微生物、例えば酵母を死滅させ、C1〜C4低級アルコール類と組み合わせた際に、口腔ケア組成物において有用であることが知られている(WO 99/51093)。注目すべきことに、オクタノールは、効果を有しないことが見出されている。
【0006】
しかし、これらの細菌の完全な阻害または根絶は、不可能であり得、乱された場合に潜在的に一層有害な微生物と置換され得る天然に存在する口内細菌を乱さないためには、しばしば所望されない。
【0007】
代替法は、口内細菌を概して無傷のままとする手段、特に、悪臭を発する揮発性物質を反応性の化学物質により化学的に捕獲することにより口臭を低減することである。例えば、ポリフェノール化合物、例えば緑茶エキス中に含まれるものは、揮発性硫黄化合物を捕獲することが示された。また、同様の作用様式が、口腔ケア製品において通常用いられる亜鉛塩によっても得られる。他の化学的な方法は、酸化剤を用いることにより悪臭を発する硫黄揮発性物質を分解することである。しかし、これらの化学的方法の欠点は、臭気を発する硫黄化合物の各々の分子について、化学量論量の結合または分解分子が必要であり、したがって、比較的高濃度の反応性化学物質が、口臭の解消に成功するために必要であることである。
【0008】
他の方法は、悪臭を発する硫黄揮発性物質が最初の段階で生成しないように、1種または2種以上の関連する細菌酵素を酵素的に阻害することによるものである。例えば、ある種の植物エキス(トマト、Uncaria gambier、Quillaja saponaria、Hamamelis virginiana、Eriobotrya japonica、Equisetum arvense、Crataegus oxyacantha、Diospyros kaki、Curcuma domestica、Ginkgo biloba、緑茶、紅茶および/またはウーロン茶)は、MeSHを発生するメチオニナーゼ酵素を阻害することが知られている。例えば、0.001%のトマトエキス、0.0001%の桂皮アルデヒド、0.0001%の塩化セチルピリジニウム、0.0001%のグルコン酸クロルヘキシジン、2%のポリオキシエチレン水素添加ヒマシ油、8%のグリセロール、5%のエタノール、0.04%のナトリウムサッカリンおよび100%とするのに適量の水を含む口腔洗浄剤が知られている。
【0009】
上記の方法はすべて、その口臭解消効果において部分的に成功しているに過ぎず、特にこれらは、以下の欠点を有する。フレーバーを加えて遮蔽する手法では、悪臭は完全には遮蔽されず、持続時間が短い。抗菌剤は口内細菌集団を減少させるが、口腔を完全に殺菌することは不可能であるか、または必ずしも所望されるわけではない。化学的結合または分解には、大量の活性物質が必要であり、したがってこれは非効率的であり、実用的ではない。
【0010】
既知の成分、例えばチモール、オイゲノール、桂皮アルデヒドおよびメントールの使用に伴うさらなる欠点は、有効性のために必要である比較的高い濃度で用いた際に、これらが優勢な風味を有し、これにより、快不快的に(hedonically)好ましくなく、消費者が容易に許容しない製品が生じることである。さらに、多くの活性物質、特に抗菌活性物質、例えばトリクロサンまたは亜鉛塩は、苦味または渋味を有する。
【0011】
現在知られている口臭解消成分を用いて、フレーバリストが、十分な活性および許容し得る風味を共に有する口腔ケア製品を提供するのは困難である。このことは、十分な口臭解消効果を有するために高濃度で組成物中に配合されることが必要である成分については、特に困難である。多くの抗菌化合物または他の活性物質は、好ましくない風味を有する。フレーバー化合物または優勢なフレーバー化合物を含む成分は、高濃度で用いた際には、消費者によって「化学的」または強烈であると知覚される風味をもたらす。一層低い濃度を用いて好ましくない風味を回避する場合には、この濃度は、口臭を有効に解消するには十分でない場合がある。強烈な好ましくない風味は、特にチモール、オイゲノール、桂皮アルデヒドおよびメントールについての場合である。メントールはさらに、比較的高い濃度においては灼熱感を引き起こし、一方比較的低い濃度においてこれは冷却するものと知覚される(両方の効果は、フレーバーレセプターによるよりむしろ三叉神経により媒介される)。一部の消費者群により許容される一方、他の群そして特に小児は、特にメントールに対して一層感受性が強い。したがって、特に小児用歯磨き粉を含む一部の製品について、代替品が必要である。
【0012】
したがって、十分高い悪臭解消効果を提供する快楽的に(hedonistically)許容し得る組成物についての必要性が残っている。
【発明の開示】
【0013】
このような組成物のための成分を特定する際の追加の問題は、適切な試験システムである。本発明者らは、ある成分がインビトロで、および単一種の細菌を用いた試験において酵素を十分に阻害するようであっても、唾液/舌スクレーピング試料中の舌全体の細菌集団について同成分を試験した場合に、これらのエクスビボ試料が、種々の異なる種の細菌を含み、インビボの状況を一層良好に表すために、しばしば結果が異なることを見出した。したがって、単一の関連する細菌種、例えばF. nucleatumについての試験の代わりに(またはこれに加えて)、舌の混合細菌集団について、口臭解消活性物質の有効性を試験することが重要である。さらに、舌からの混合細菌試料は、活性成分を吸着し得る唾液からのすべてのタンパク質をさらに含み、そしてこれは、ある種の成分、例えばエステル類を不活性化し得る唾液の加水分解酵素を含む。実験および結果は、例において詳細に記載されている。
【0014】
前述の試験システムを用いて、驚異的なことに、フレーバー化合物を含む食品用成分の構造的な群が、本発明のフレーバー組成物または口腔ケア製品において有用な口臭解消活性物質として特定された。これらの特定された口臭解消成分または化合物(「OMC活性物質」)は、十分な悪臭解消活性を有することが見出され、したがって強烈な風味を有しないフレーバー組成物および口腔ケア製品を製造することができる。
【0015】
本発明のフレーバー組成物および口腔ケア製品のために有用なOMC活性物質は、式I
【化1】

式中、
は、CHまたはCHCHからなる群から選択される残基であり;
は、H、CH、CHCH、CHCHCHからなる群から選択される残基であり;
また、示した点線を含む二重結合は、二重結合または三重結合である、
で表される化合物である。
【0016】
上記で定義したOMC活性物質により、フレーバリストが、OMC組成物において少なくとも2種のOMC活性物質を併用した場合に、消費者が容易に許容する風味を有する有効なOMC組成物を提供することが可能になる。快楽的により一層好ましいOMC組成物は、3種または4種以上のOMC活性物質を用いた場合に達成することができる。
【0017】
したがって、本発明は、口臭に対して高度に有効であり、かつ同時に消費者に快楽的に好ましい組成物を提供する。さらに、本発明は、前記OMC組成物の製造方法および前記OMC組成物を用いることにより口臭を解消する方法を提供する。
【0018】
本発明のOMC組成物を用いて、組成物のOMC効果を保持しながら既知の口臭解消剤の濃度を低下させるか、または所定の濃度の既知の口臭解消剤を含む組成物の効果を増強することができる。
【0019】
第1の観点において、本発明は、
(a)2種または3種以上の口臭解消活性物質、
ここで、前記2種の口臭解消活性物質は、各々全フレーバー成分を基準として1%(w/w)またはこれ以上の濃度を有し、また
ここで、2種または3種以上の口臭解消活性物質の合計濃度は、フレーバー成分の合計濃度を基準として10%(w/w)またはこれ以上であり、また
ここで、各々の個別のOMC活性物質は、OMC活性物質の合計濃度を基準として70%までの最大濃度を有する、および
(b)添加剤、賦形剤、溶媒およびフレーバー成分から選択される任意成分
を含む組成物であって;
【0020】
2種の口臭解消活性物質が、式I
【化2】

式中、
は、CHまたはCHCHからなる群から選択される残基であり;
は、H、CH、CHCH、CHCHCHからなる群から選択される残基であり;
また、示した点線を含む二重結合は、二重結合または三重結合である、
で表される化合物である、前記組成物に関する。
【0021】
特定の態様において、OMC活性物質は、オクト−2−イン酸メチルエステル、ノン−2−イン酸メチルエステル、オクト−2−エン酸エチルエステル、オクト−2−エン酸メチルエステル、ノン−2−エン酸メチルエステル、ヘクス−2−エン酸エチルエステル、ヘクス−2−エン酸メチルエステル、ノン−2−イン酸エチルエステル、ノン−2−エン酸エチルエステル、ヘプト−2−エン酸エチルエステルおよびヘプト−2−エン酸メチルエステルからなる群から選択される。
【0022】
他の態様において、OMC組成物は、前の段落において定義した特定の群のOMC活性物質から選択される2種または3種以上のOMC活性物質の少なくとも2種を含む。OMC組成物はまた、この群から選択される2種のOMC活性物質を含んでいてもよく、また追加のOMC活性物質を含んでいても含んでいなくてもよい。
【0023】
他の態様において、本明細書中で定義したOMC組成物はさらに、追加の成分として、イオノン、アルファイオノン、ベータイオノン、亜鉛塩、ポリフェノール化合物および抗菌剤からなる群から選択される1種または2種以上の活性物質を含む。
【0024】
抗菌剤は、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、ポリヘキシジンビスグアニド、クロルヘキシジンおよび抗菌フレーバー物質からなる群から選択してもよい。抗菌フレーバー物質には、特に、チモール、カルバクロール、オイゲノール、イソオイゲノール、桂皮アルデヒド、メントールが含まれる。フレーバー物質は、これらの成分を含むエッセンシャルオイルの形態で提供してもよい。好ましいエッセンシャルオイルには、タイム、ハナハッカ属(origanum)、クローブ、シナモン葉、シナモン樹皮、パセリ種子、パセリ葉、ハッカ、スペアミントおよびペパーミントからのエッセンシャルオイルが含まれる。
【0025】
有用なポリフェノール化合物は、例えば、ガレート部分を含む化合物、特にエピガロカテキンガレートである。これらは、ある種の天然成分、特に緑茶およびそのエキス、例えばエピガロカテキンガレートを豊富にした緑茶エキスにおける天然成分の形態であり得る。特に、粒子形態のOMCフレーバーは、OMCフレーバー組成物を噴霧乾燥し、これを緑茶粒子と混合して、緑茶およびOMCフレーバー組成物のドライブレンドを形成することにより生成し得る。得られた粒子状物質は、OMC製品配合物に容易に混合することができる。
【0026】
他の態様において、本明細書中で定義したOMC組成物はさらに、追加の成分として、5−イソプロピル−2−メチル−フェノール、オクタン−1−オール、3,7−ジメチル−オクト−6−エン−1−オール、3,7−ジメチル−オクタン−1−オール、1−イソプロピル−4−メチル−シクロヘクス−3−エノール、3,7−ジメチル−オクタ−2,6−ジエン−1−オール、2−(4−メチル−シクロヘクス−3−エニル)プロパン−2−オール、3,7−ジメチル−オクタ−1,6−ジエン−3−オール、ノナ−2,4−ジエナール、ノン−2−エナール、2,6,6−トリメチル−シクロヘクス−1−エンカルバルデヒド、3−(4−イソプロピル−フェニル)−2−メチル−プロピオンアルデヒド、4−イソプロペニル−シクロヘクス−1−エンカルバルデヒド、5−メチル−2−フェニル−ヘクス−2−エナール、4−メトキシ−ベンズアルデヒド、2,6−ジメチル−ヘプト−5−エナール、デク−2−エナール、フェニル−アセトアルデヒド、2−フェニル−プロピオンアルデヒド、3,7,11−トリメチル−ドデカ−1,3,6,10−テトラエン、3,7−ジメチル−オクタ−1,3,6−トリエン、1−イソプロピル−4−メチル−シクロヘキサ−1,3−ジエン、1−メチル−4−(5−メチル−1−メチレン−ヘクス−4−エニル)−シクロヘキセン、1−イソプロピル−4−メチルベンゼン、デク−3−エン−2−オン、3−メチル−2−ペンチル−シクロペント−2−エノン、6−メチル−ヘプタ−3,5−ジエン−2−オン、酢酸オクチルエステル、酢酸オクト−2−エニルエステル、2−メチル−ブト−2−エン酸ヘクス−3−エニルエステル、酢酸ノニルエステル、酢酸ヘプチルエステル、酪酸3−フェニル−アリルエステル、酢酸1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、酢酸4−アリル−2−メトキシ−フェニルエステル、酢酸1−メチル−1−(4−メチル−シクロヘクス−3−エニル)−エチルエステル、酢酸2−イソプロペニル−5−メチル−シクロヘキシルエステル、5−オクチル−ジヒドロ−フラン−2−オン、1,1−ジメトキシ−3,7−ジメチル−オクタ−2,6−ジエン、1−アリル−4−メトキシ−ベンゼン、6−ヘキシル−テトラヒドロ−ピラン−2−オン、3−ブチル−3H−イソベンゾフラン−1−オン、2−ペンチル−フラン、(2E,5E/Z)−5,6,7−トリメチルオクタ−2,5−ジエン−4−オン、4−メチル−デク−3−エン−5−オール、1−シクロプロピルメチル−4−メトキシ−ベンゼン、ハナハッカ属エッセンシャルオイル、ガルバヌムエッセンシャルオイル、リツェアクベバエッセンシャルオイル、マンジュギクエッセンシャルオイル、ジャスミンアブソルート(jasmin absolute)、ラベンダーエッセンシャルオイル、ラバンジンエッセンシャルオイル、ローズマリーエッセンシャルオイルおよびベチベルエッセンシャルオイルからなる群から選択される1種または2種以上の活性物質を含む。
【0027】
酵素阻害口臭解消物質と、一部の抗菌フレーバーとの組み合わせは特に有益であり、高度に有効であるとともに好ましい風味を呈する組成物をもたらすことが見出された。したがって、他の態様において、本明細書中で定義したOMC組成物はさらに、追加の成分として、全フレーバー成分の50%まで、または90%まで(w/w)の、メントール、チモール、オイゲノール、5−イソプロピル−2−メチル−フェノール、オクタン−1−オール、3,7−ジメチル−オクト−6−エン−1−オ−ル、3,7−ジメチル−オクタン−1−オール、1−イソプロピル−4−メチル−シクロヘクス−3−エノール、3,7−ジメチル−オクタ−2,6−ジエン−1−オール、2−(4−メチル−シクロヘクス−3−エニル)プロパン−2−オールおよび3,7−ジメチル−オクタ−1,6−ジエン−3−オールからなる群から選択される、抗菌特性を有する1種または2種以上のフレーバーを含む。化合物は、純粋な化合物の形態で、または天然成分(例えば植物からのエッセンシャルオイル、例えばメントールについてハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油、もしくはチモールについてタイム油)の形態で加えることができる。
【0028】
他の態様において、2種または3種以上のOMC活性物質の合計濃度は、OMC組成物(賦形剤、例えば溶媒および添加剤を除く)中のフレーバー成分の合計濃度を基準として、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%または少なくとも70%(w/w)またはこれ以上である。
【0029】
他の態様において、OMC組成物は、上記で定義したとおりであり、各々の個別のOMC成分は、60%、50%、40%、30%および20%までの最大濃度を有し、これにより、「化学的」、「人工的」、不快、強烈またはアンバランスであると知覚される風味が極めて良好に回避される。
【0030】
風味において特に良好にバランスがとれている組成物においては、3種または4種以上のOMC活性物質を用いる。
本発明の組成物は、OMCフレーバー組成物およびOMC口腔ケア製品を含む。OMCフレーバー組成物を口腔ケア配合物に加えて、OMC口腔ケア製品を製造することができる。あるいはまた、OMC化合物を口腔ケア製品配合物に直接加えて、OMC口腔ケア製品を製造することができる。
【0031】
他の観点において、本発明は、OMC組成物の製造方法であって、2種または3種以上のOMC活性物質(任意に上記のOMCフレーバー組成物の形態のもの)を口腔ケア配合物に、OMC口腔ケア製品の合計重量を基準として約0.05〜約1%(w/w)の前記OMC活性物質の濃度で混合することにより、OMC口腔ケア製品を生成する、前記方法に関する。
さらに別の観点において、本発明は、本明細書において定義したOMC口腔ケア製品を経口的に適用することによる、口臭を解消する方法に関する。
【0032】
口腔ケア製品において十分なOMC効果を提供するために、OMC活性物質またはOMCフレーバー組成物は、口腔ケア製品中のOMC活性物質の合計濃度が十分なOMC活性を提供するような濃度で、例えば以下に示す濃度で用いる。口腔ケア製品は、上記で定義したOMC活性物質を、約0.05%〜約1%、約0.1%〜約0.75%、または約0.15%〜約0.4%のw/w合計濃度(口腔ケア製品の合計重量を基準とするw/w)で含む。後者の濃度は特に、同時に優れた活性および消費者が好ましいと知覚する風味を提供する。示した一層高い濃度により、活性が改善され、同時にほとんどの消費者が尚容易に許容する風味が提供される。所定の一層低い濃度により、尚十分に有効な活性とともに、優れた風味が得られる。
【0033】
口腔ケア製品は、上記で定義したOMC活性物質またはOMCフレーバー組成物を既知の口腔ケア製品配合物に加えることにより生成することができる。口腔ケア製品には、例えば、歯磨き粉、マウスリンス(mouthrinse)、口腔洗浄剤、並びにチューインガム、キャンディー、トローチ、可食フィルムおよび経口スプレーを含む、携帯用の「持ち運びが容易な」口臭抑制製品が含まれる。
【0034】
前述の口腔ケア製品のための配合物は、当該分野において十分知られている。口腔ケア製品は、例えば界面活性剤、乳化剤、溶媒、着色剤、保存剤、酸化防止剤、抗菌剤、酵素、植物油または鉱油、脂肪、タンパク質、可溶化剤、糖誘導体、ビタミン類、ソルビトールを含むポリオール類、有機酸類、人工甘味料、ポリマー類、増粘剤、チューインガムガムベース、フッ素化合物を含む口腔ケア活性物質、並びに亜鉛塩(例えばグルコン酸亜鉛、酢酸亜鉛、クエン酸亜鉛)を含む賦形剤を含む。
【0035】
一部の口腔ケア製品は、アルコール類、特に低級アルコール類(C1〜C4)を含む。本発明の化合物は、その活性について低級アルコールの存在に依存せず、C1〜C4アルコール類を含まない水に基づく組成物中で活性を有する。有利には、アルコール類を含まない、特に低級アルコール類(C1〜C4)を含まない組成物を得ることができる。これは、例えばこれらのアルコール類が上皮に対して有し得る乾燥効果を回避するのに望ましい。
【0036】
具体的な口腔ケア製品について、いくつかの濃度範囲を、良好な活性と好ましいと知覚される風味とを同時に提供するために選定することができる。
例えば、歯磨き粉については、上記で定義したOMC活性物質の0.1%〜0.625%、または0.25%〜0.4%(w/w合計体積)の濃度が有用である。
【0037】
例えば、口腔洗浄剤については、上記で定義したOMC活性物質の0.05%〜0.25%、または0.075〜0.125%(w/w合計体積)の濃度が有用である。
例えば、チューインガムについては、上記で定義したOMC活性物質の0.1%〜0.75%、または0.2%〜0.625%(w/w合計体積)の濃度が有用である。
【0038】
OMC組成物は、当該分野において十分知られている追加の成分および賦形剤、特に、所望の風味アコード(accord)を提供するための追加のフレーバー成分を含んでもよい。既知のフレーバー成分の例は、FEMA(米国食品香料製造者協会(Flavour and Extracts Manufacturers Association of the United States))の刊行物の1つ、またはFEMAから入手でき、FEMAにより刊行されており、すべてのFEMA GRAS(generally recognized as safe、一般的に安全であると見なされる)刊行物、1965〜現在を含むその編集物、特に刊行物GRAS 1〜21(最も新しいものは、2003年に刊行されたGRAS 21である)、またはAllured Publishing Inc.により出版されたAllured's Flavor and Fragrance Materials 2004に見出すことができる。
【0039】
口腔ケア製品のための既知の賦形剤の例は、Gaffar, Abdul, Advanced Technology, Corporate Technology, Department of Oral Care, Colgate-Palmolive Company, Piscataway, NJ, USA、編集者:Barel, Andre O.; Paye, Marc; Maibach, Howard I., Handbook of Cosmetic Science and Technology (2001), 619 - 643、出版社:Marcel Dekker, Inc., New York, N. YおよびCosmetics: Science and technology, 第2版、423〜563頁、M.S. BalsamおよびE. Sagarin編、Wiley Interscience, 1972中に見出すことができる。
【0040】

例1
酵素阻害についてのインビトロスクリーニングによる可能性のあるOMC活性物質の特定
酵素メチオニン−γ−リアーゼは、メチオニンをメタンチオール(MeSH)、アンモニウムおよびα−ケト酪酸塩に切断する。ゲノムDNAを、上記の酵素を発現する細菌、例えばFusobacterium nucleatum、菌株DSMZ 20482(Deutsche Sammlung Microorganismen und Zellkulturen, Braunschweigから公的に入手できる)から抽出する。メチオニン−γ−リアーゼをコードする遺伝子を、細菌によって異なる適切なプライマーを用いて増幅する。Fusobacterium nucleatumについて、SIGMA (Buchs, Switzerland)から得られる試薬と共に標準的なPCR条件を用いて、以下のプライマーを用いる:CATGCCATGGAAATGAAAAAATCTGGTおよびCGGAATTCCCAATTTTTTCTAGTCCTTGTTC。
【0041】
増幅した領域を精製し、、制限酵素NcoIおよびEcoRIで消化する。次に、オープンリーディングフレームを、6×ヒスチジンタグをコードする配列に連結し、発現ベクターpET−3a(StudierおよびMoffatt, 1986)にクローニングする。得られたプラスミドで、大腸菌宿主菌株BL21(DE3)を形質転換する。組換え菌株を、標準的な増殖培地(LB)中で増殖させ、IPTG(イソプロピル−ベータ−D−チオガラクトピラノシド)で誘導し、4時間後、細胞を、10mMのイミダゾールを含むリン酸緩衝液(50mM、pH8)中でフレンチプレスに3回通すことにより溶解する。細胞溶解液を、10,000gで15分間遠心分離することにより清澄化し、上清を、Ni−NTAアフィニティーカラム(Qiagen, Hilden, Germany)上に負荷する。カラムを、20mMのイミダゾールを含む以外は同一の緩衝液で洗浄し、最後に250mMのイミダゾールの濃度を有する以外は同一の緩衝液で溶離する。得られた溶離液は、組換え酵素を>90%の純度で含み、これを以下のようにしてスクリーニングアッセイのために用いる:
【0042】
試験すべき成分または化合物を、4%の最終濃度でDMSOに溶解し、同一の溶媒で連続的に希釈する。種々の阻害剤の溶液のアリコート(2.5μl)を、マイクロタイタープレートの個別のウェルに分配する。組換え酵素を、50mMのリン酸緩衝液、pH7(緩衝液A)で20倍に希釈し、100μlを各々のウェルに加える。反応を、基質メチオニン(100μl、緩衝液A中2mMの濃度)を加えることにより開始する。1時間のインキュベーションの後、放出されたMeSHを、マイクロタイタープレートの各々のウェルに100μlのモノブロモビマン(monobromobimane)(Fluka, Buchs, Switzerlandから得られる)原液(1MのNaHCO中0.5mM、pH8.8)を加えることにより誘導体化する。10分後、マイクロタイタープレートのウェルにおける蛍光を、Flex-station (Molecular devices, Sunnyvale, CA, USA)上で、385nmの励起波長および480nmの発光波長で測定する。
【0043】
蛍光側定の後、すべてのウェルから、緩衝液、DMSOおよび酵素のみを含み、基質を加えていないブランクの値を減じる。次に、酵素、基質およびDMSOのみを有する対照ウェルの蛍光を、可能性のある阻害剤を含むウェル中の蛍光と比較して、阻害率(パーセント)を計算する。以下の表1に、酵素を阻害する、本発明の組成物において有用である特定したOMC活性物質を列挙する。特定したOMC活性物質は、0.01%w/vより低いIC50(50%の酵素阻害をもたらす濃度)を有し、また唾液試料から増殖させた混合細菌培養物中でも活性を示す。例3を参照。
【0044】
例2
F. nucleatum培養物におけるMeSH生成の阻害剤についてのインビトロスクリーニング方法による可能性のあるOMC活性物質の特定
F. nucleatum DSMZ 20482を、培地104(German collection of microorganisms and cell cultures, Braunschweig, Germany)を含む寒天プレート上で48時間、嫌気性条件下で37℃にて増殖させる。細胞を採取し、2.92g/lのNaClを含むリン酸緩衝液(50mM、pH7)中に、600nmにおいて測定して1の最終光学密度に懸濁する。嫌気性条件を、窒素気流を細胞懸濁液に適用することにより生じさせ、基質メチオニンを1mMの最終濃度で加える。試験化合物を、DMSOに2%(w/v)の濃度で溶解し、10μlの溶液を、5mlヘッドスペースGCバイアルに加える。バイアルを密閉し、酸素を、窒素気流を適用することにより除去する。各々のバイアルに、1mlのメチオニン含有細胞懸濁液を加え、培養物を、4時間37℃でインキュベートする。次に、培養物を、80℃に15分にわたり加熱することにより低温殺菌し、ヘッドスペース中のMeSHのレベルを、ガスクロマトグラフィーにより決定する:試料を、75℃に加熱し、1mlのヘッドスペースを、硫黄化合物の分離に適するカラム(SPW1-sulfur、Supelco)上に注入する。温度プログラムを、50℃の初期温度に1分、100℃への10℃/分の速度での加熱およびさらに200℃への20℃/分における加熱に設定する。
【0045】
生成したMeSHの濃度を、DMSO溶媒のみを含む対照培養物と比較し、MeSH生成の阻害率(%)を計算する。特定されたOMC活性物質は、0.02%の濃度(w/w)において試験した場合に、少なくとも60%の平均阻害率(%)を有し、これを表1中に含め、これは、例1および/または2の方法により示される酵素を阻害するとともに、唾液試料から増殖させた混合細菌培養物においても活性を示す(例3を参照)、本発明の組成物において有用な特定されたOMC活性物質を列挙するものである。
【0046】
例3
インキュベートした唾液から増殖させた混合細菌培養物におけるMeSH生成の阻害剤についてのエクスビボスクリーニング方法による可能性のあるOMC活性物質の特定
唾液試料を、舌の上を歯で掻爬することにより舌の細菌バイオフィルムを同時に採取するように指示されたパネリストから採集する。4人のドナーからの唾液および細菌を含む採取物をプールし、2.92g/lのNaClを含むリン酸緩衝液(50mM、pH7)で2:1の比率に希釈し、これにメチオニンを1mMの最終濃度で添加する。試験化合物を、DMSOに2%(w/v)の濃度で溶解し、10μlの溶液を、5mlヘッドスペースGCバイアルに加える。このバイアルを密閉し、酸素を、窒素気流を適用することにより除去する。各々のバイアルに、1mlのメチオニン含有唾液試料を加え、培養物を、4時間37℃でインキュベートする。次に、培養物を低温殺菌し、ヘッドスペース中のMeSHのレベルを、上記のように決定する。
【0047】
生成したMeSHの濃度を、DMSO溶媒のみを含む対照培養物と比較し、MeSH生成の阻害率(%)を計算する。表1に、MeSH生成を阻害する特定されたOMC活性物質を列挙する。特定されたOMC活性物質は、0.02%の濃度(w/w)において試験した場合に、少なくとも50%の平均阻害率(%)を有する。
【0048】
【表1】

【0049】
例4a
インキュベートした唾液(例3)およびF. nucleatum試験(例2)におけるOMCフレーバー組成物の検証
OMCフレーバー組成物を、以下の表に示す成分を混合することにより作製する。すべての量は、%濃度(w/w)で示してある。OMC活性物質を含むフレーバー組成物を、A〜Fと表示する。比較例として、OMC活性物質を含まない冬緑フレーバーを用いる(フレーバーG)。
【0050】
【表2】

【0051】
OMCフレーバー組成物A〜Fおよび比較例Gを、上記の例2および3に記載したとおりに試験し、結果を、以下の表に示す。フレーバーA〜Fは、フレーバー組成物の0.01%という低い濃度においても良好なOMC活性を提供することが示され、これは0.0026%〜0.0041%のOMC活性物質の最終濃度となる。製品中の濃度は、唾液の流れによる希釈を考慮すれば、本試験における顕著な活性のための最小の量よりも20〜50倍高いことが必要である。したがって、0.01%〜0.02%の最終濃度において良好な活性を付与する混合物を0.2〜1%含む製品は、消費者が使用した際に持続的な効果を与える。以下の表における結果を比較されたい。0.0052%〜0.0082%のOMC活性物質を含むOMCフレーバー組成物の0.02%の濃度におけるOMC活性は優れている。以下の表における結果を比較されたい。
【0052】
存在する追加の活性物質(シトロネロール、アニスアルデヒド、シクラメンアルデヒドおよび口臭に対して用いられる他の従来の成分、例えばペパーミント油)は、尚一層強力な活性を提供する。
【0053】
【表3】

【0054】
例4b
例4aのOMCフレーバー組成物A〜Fを用いたハッカフレーバー組成物
各々のOMCフレーバー組成物A〜Fを、ハッカ油(スペアミントおよびペパーミントエッセンシャルオイル)と、1:1、1:2および1:3(OMCフレーバー組成物:ハッカ油)の比率で、以下に列挙するように混合する。
【0055】
【表4】

【0056】
OMCハッカフレーバー組成物は、口臭に対して有効であり、好ましい風味を有する。
【0057】
例5
40%のエピガロカテキンガレート(w/w)を含む緑茶エキスを、例4のフレーバー組成物AおよびEと組み合わせて、上記のようにインキュベート唾液試験で試験する。以下の表に得られた結果を列挙する:MeSHレベルを顕著に低下させるには不十分である緑茶の濃度(0.005%)において、フレーバー組成物の活性の顕著な改善がみられる。
【0058】
【表5】

【0059】
例6
OMC活性物質を含むOMC口腔ケア製品
例6a)歯磨き粉、不透明
【表6】

【0060】
口腔ケア製品中の上記で定義したOMC活性物質の濃度は0.39%である。当該製品は、使用にあたり良好な口臭解消効果を示す。
【0061】
例6b)歯磨きジェル(toothgel)、透明
【表7】

【0062】
口腔ケア製品中の上記で定義したOMC活性物質の濃度は0.36%である。当該製品は、使用にあたり良好な口臭解消効果を示す。
【0063】
例6c)口腔洗浄剤
【表8】

【0064】
口腔ケア製品中の上記で定義したOMC活性物質の濃度は0.1%である。当該製品は、使用にあたり良好な口臭解消効果を示す。
【0065】
例6d)口腔スプレー(mouthspray)
【表9】

【0066】
口腔ケア製品中の上記で定義したOMC活性物質の濃度は0.65%である。当該製品は、使用にあたり良好な口臭解消効果を示す。
【0067】
例6e)シュガースティックチューインガム(sugar stick chewing gum)
【表10】

【0068】
口腔ケア製品中の上記で定義したOMC活性物質の濃度は0.78%である。当該製品は、使用にあたり良好な口臭解消効果を示す。
【0069】
例6f)無糖チューインガム
【表11】

【0070】
例6g)シュガースティックチューインガム
【表12】

【0071】
口腔ケア製品中の上記で定義したOMC活性物質の濃度は0.78%である。40%のEGCGを含む緑茶エキスと組み合わせて、当該製品は、優れた口臭解消効果を示す。
【0072】
例6h)無糖チューインガム
【表13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)2種または3種以上の口臭解消活性物質、
ここで、前記2種の口臭解消活性物質は、各々全体のフレーバー成分を基準として1%(w/w)またはこれ以上の濃度を有し、また
ここで、2種または3種以上の口臭解消活性物質の合計濃度は、フレーバー成分の合計濃度を基準として10%(w/w)またはこれ以上であり、また
ここで、各々の個別のOMC活性物質は、OMC活性物質の合計濃度を基準として70%までの最大濃度を有する、および
(b)添加剤、賦形剤、溶媒およびフレーバー成分から選択される任意成分
を含む組成物であって;
2種の口臭解消活性物質が、式I
【化1】

式中、
は、CHまたはCHCHからなる群から選択される残基であり;
は、H、CH、CHCH、CHCHCHからなる群から選択される残基であり;
また、示した点線を含む二重結合は、二重結合または三重結合である、
で表される化合物である、前記組成物。
【請求項2】
口臭解消活性物質の少なくとも2種が、オクト−2−イン酸メチルエステル、ノン−2−イン酸メチルエステル、オクト−2−エン酸エチルエステル、オクト−2−エン酸メチルエステル、ノン−2−エン酸メチルエステル、ヘクス−2−エン酸エチルエステル、ヘクス−2−エン酸メチルエステル、ノン−2−イン酸エチルエステル、ノン−2−エン酸エチルエステル、ヘプト−2−エン酸エチルエステルおよびヘプト−2−エン酸メチルエステルからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ポリフェノール化合物、ガレート部分を含むポリフェノール化合物、エピガロカテキンガレート、緑茶、エピガロカテキンガレートを豊富にした緑茶エキス、イオノン、アルファイオノン、ベータイオノン、亜鉛塩、抗菌剤、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、ポリヘキシジンビスグアニド、クロルヘキシジン、抗菌フレーバー物質、チモール、カルバクロール、オイゲノール、イソオイゲノール、桂皮アルデヒド、メントール、活性物質含有エッセンシャルオイル(タイム、ハナハッカ属、チョウジ、シナモン葉、シナモン樹皮、パセリ種子、パセリ葉、ハッカ、スペアミント、ペパーミントからのエッセンシャルオイルを含む)、オクタン−1−オール、3,7−ジメチル−オクト−6−エン−1−オール、3,7−ジメチル−オクタン−1−オール、1−イソプロピル−4−メチル−シクロヘクス−3−エノール、3,7−ジメチル−オクタ−2,6−ジエン−1−オール、2−(4−メチル−シクロヘクス−3−エニル)プロパン−2−オール、3,7−ジメチル−オクタ−1,6−ジエン−3−オール、ノナ−2,4−ジエナール、ノン−2−エナール、2,6,6−トリメチル−シクロヘクス−1−エンカルバルデヒド、3−(4−イソプロピル−フェニル)−2−メチル−プロピオンアルデヒド、4−イソプロペニル−シクロヘクス−1−エンカルバルデヒド、5−メチル−2−フェニル−ヘクス−2−エナール、4−メトキシ−ベンズアルデヒド、2,6−ジメチル−ヘプト−5−エナール、デク−2−エナール、フェニル−アセトアルデヒド、2−フェニル−プロピオンアルデヒド、3,7,11−トリメチル−ドデカ−1,3,6,10−テトラエン、3,7−ジメチル−オクタ−1,3,6−トリエン、1−イソプロピル−4−メチル−シクロヘキサ−1,3−ジエン、1−メチル−4−(5−メチル−1−メチレン−ヘクス−4−エニル)−シクロヘキセン、1−イソプロピル−4−メチルベンゼン、デク−3−エン−2−オン、3−メチル−2−ペンチル−シクロペント−2−エノン、6−メチル−ヘプタ−3,5−ジエン−2−オン、酢酸オクチルエステル、酢酸オクト−2−エニルエステル、2−メチル−ブト−2−エン酸ヘクス−3−エニルエステル、酢酸ノニルエステル、酢酸ヘプチルエステル、酪酸3−フェニル−アリルエステル、酢酸1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、酢酸4−アリル−2−メトキシ−フェニルエステル、酢酸1−メチル−1−(4−メチル−シクロヘクス−3−エニル)−エチルエステル、酢酸2−イソプロペニル−5−メチル−シクロヘキシルエステル、5−オクチル−ジヒドロ−フラン−2−オン、1,1−ジメトキシ−3,7−ジメチル−オクタ−2,6−ジエン、1−アリル−4−メトキシ−ベンゼン、6−ヘキシル−テトラヒドロ−ピラン−2−オン、3−ブチル−3H−イソベンゾフラン−1−オン、2−ペンチル−フラン、(2E,5E/Z)−5,6,7−トリメチルオクタ−2,5−ジエン−4−オン、4−メチル−デク−3−エン−5−オール、1−シクロプロピルメチル−4−メトキシ−ベンゼン、ハナハッカ属エッセンシャルオイル、ガルバヌムエッセンシャルオイル、リツェアクベバエッセンシャルオイル、マンジュギクエッセンシャルオイル、ジャスミンアブソルート、ラベンダーエッセンシャルオイル、ラバンジンエッセンシャルオイル、ローズマリーエッセンシャルオイルおよびベチベルエッセンシャルオイルからなる群から選択される1種または2種以上の活性物質をさらに含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
フレーバー組成物および口腔ケア製品からなる群から選択される、請求項1、2または3に記載の組成物。
【請求項5】
請求項1で定義された口臭解消活性物質が、口臭解消口腔ケア製品の合計重量を基準として0.05%〜1%(w/w)の濃度である、請求項4に記載の口腔ケア製品。
【請求項6】
歯磨き粉、マウスリンス、口腔洗浄剤、チューインガム、キャンディー、トローチ、可食フィルムおよび経口スプレーからなる群から選択される、請求項5に記載の口腔ケア製品。
【請求項7】
口腔ケア製品が歯磨き粉であり、請求項1で定義された口臭解消活性物質が、口臭解消口腔ケア製品の合計重量を基準として0.1%〜0.625%(w/w)の濃度にある、請求項6に記載の口腔ケア製品。
【請求項8】
口腔ケア製品がマウスリンスまたは口腔洗浄剤であり、請求項1で定義した口臭解消活性物質が、口臭解消口腔ケア製品の合計重量を基準として0.05%〜0.25%(w/w)の濃度にある、請求項6に記載の口腔ケア製品。
【請求項9】
口腔ケア製品がチューインガムであり、請求項1で定義した口臭解消活性物質が、口臭解消口腔ケア製品の合計重量を基準として0.1%〜0.75%(w/w)の濃度にある、請求項6に記載の口腔ケア製品。
【請求項10】
口臭解消組成物の製造方法であって、請求項1で定義した2種または3種以上の口臭解消活性物質を、口臭解消口腔ケア製品の合計重量を基準として0.05%〜1%(w/w)の濃度で口腔ケア製品配合物に混合して、口臭解消口腔ケア製品を形成する、前記方法。
【請求項11】
請求項5、6、7、8、9および10のいずれかで定義された口臭解消口腔ケア製品を経口的に適用することによる、口臭を解消する方法。

【公表番号】特表2009−506082(P2009−506082A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528314(P2008−528314)
【出願日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際出願番号】PCT/CH2006/000460
【国際公開番号】WO2007/025402
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(501105842)ジボダン エス エー (158)
【Fターム(参考)】