説明

可塑性ポリウレタンゲルコートの製造のための二成分組成物

可塑性ポリウレタンゲルコートの製造のための二成分組成物。本発明は、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、及び充填材としてヘキサメチルジシラザン(HMDS)で疎水化され、次いでボールミルにより構造的に修飾されている熱分解法シリカを含む、エポキシ樹脂及びビニルエステル複合材料のための可塑性ポリウレタンゲルコートの製造のための、二成分組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エポキシ樹脂及びビニルエステル複合材料のための可塑性ポリウレタンゲルコートの製造のための、ポリオール成分及びポリイソシアネート成分を含む二成分組成物の使用に関する。更に、本発明は、複合材料の製造方法及び複合材料に関する。
【0002】
複合材料(例は、織物及び/又は不織ガラス繊維織物/繊維及びエポキシ樹脂/ビニルエステル樹脂である複合材料)の表面は、しばしば比較的魅力的でなく、更に光及び風化に対して不安定である。従って、それらは表面コーティングを必要とする。複合材料の直接表面コーティングが繊維の立ち上がりと同時に起こるかもしれないので、エポキシ樹脂/ビニルエステル樹脂複合材料を表面コーティングする前に、それらを磨き、めっきしなければならない。これに対する1つの選択肢はゲルコートの使用である。
【0003】
ゲルコートは、滑らかな成分表面を生産するために、また、同時に、魅力のある、適切な、光安定性及び風化安定性を有する表面を生産するために、複合体構築物中の鋳型に塗布することのできる樹脂系である。インモールド法の場合においては、その反応成分を混合した後のゲルコート樹脂系を第一層として処理時間(ポットライフ)内に鋳型に導入する。ゲル化後に得られる層は、合成樹脂(例えば、エポキシ樹脂又はビニルエステル樹脂)、必要に応じて有機又は無機の繊維又は織物(例えば、織ったガラス繊維素材又は不織ガラス繊維ウェブ)を適応する時に損傷されない、十分な機械的安定性を有している。類似のコメントは射出成形、及び湿式ラミネート加工が適用される場合、またプリプレグの塗布に適用される。
【0004】
(i)合成樹脂(エポキシ樹脂及び/又はビニルエステル樹脂)及び(ii)ゲルコートの十分な接着力を確実にするため、ゲルコート樹脂系の積層時間内に合成樹脂とのコーティングを実施しなければならない。その後、合成樹脂及びゲルコート樹脂系を十分に硬化させる。
【0005】
本発明の開示との関連で、以下の用語の定義が適用される:
−積層時間は、鋳型に塗布したゲルコートフィルムが不粘着状態に達する瞬間から開始し、ゲルコートと積層板との間の十分な接着力を確実にしたままとするために、ゲルコートフィルムを積層しなければならない時間である。
【0006】
−ポットライフは、2種の反応成分の混合から開始し、反応混合物がゲル化するまでの時間である。ポットライフの終わりに、反応混合物はもはや加工することができない。
【0007】
−不粘着時間は、最初に均一に混合した反応混合物の鋳型表面への塗布から開始し、塗布されたフィルムに粘着性が存在しない状態に達するまでの時間である。
【0008】
−ゲル化時間は、E−DIN VDE 0291−2(VDE 0291−パート2):9.2.1項における1997−06に開示されたように、反応混合物がゲル化するまでの測定時間である。
【0009】
例えば、用いられるゲルコート樹脂系は、例えば、不飽和ポリエステル(UP)、ビニルエステル又はアクリレート末端オリゴマーのような、フリーラジカル硬化樹脂をベースとする製剤である。UP合成樹脂(UP複合材料)と併用した応用において、内部ゲルコート表面における硬化反応のために、これらの反応は空中酸素により阻害され、境界層は合成樹脂が塗布された後にのみ硬化するので、これらの樹脂系は信頼できる処理工程を有し、多数の合成樹脂に対する良好な接着力(複合材料に対する接着力)を示す。
【0010】
しかし、多数の市販のUPをベースとするゲルコートは、十分な光沢安定性を示さず、白亜化し、ヘアクラックを形成する傾向がある。UPをベースとするゲルコートの更なる不都合は、避けられないモノマー放出、複合材料/ゲルコートの境界にストレスをもたらす硬化の最中の非常に頻繁な重大な収縮、その結果としての境界の乏しい安定性、また、エポキシ樹脂(EP樹脂)又はビニルエステル樹脂(VE樹脂)をベースとする複合材料と比較した一般的に乏しい接着力である。
【0011】
EP複合材料と併用した応用については、例えば、EPゲルコート(例えば、SP系に由来するもの)を用いることが可能である。UPゲルコートと比較すると、EPゲルコートはEP複合材料に対して非常に良好な接着力を示す。EPゲルコートは揮発性モノマーを含んでおらず、そのため、大部分のスチレン含有UPゲルコートよりも職業衛生学の立場からは、それほど好ましくなくはない。しかし、EPゲルコートの不都合は、以下の通りである。
【0012】
−おそらく特定の環境において硬化したゲルコートの変色及び機械抵抗の激しい低下をもたらす、混合比の不正確さに関する低い許容範囲、
−小さいバッチサイズのみを許容する、非常に発熱する硬化反応、
−非常に急激な硬化反応、
−不十分な風化安定性、
−非常に乏しい、熱による黄変安定性、
−通常、高いガラス転移温度(70℃、SP−スチレン由来のゲルコート)及びその結果としてのガラス転移温度より著しく低い使用温度での材料の脆弱性、及び
−多少の黄変安定性を有するEP樹脂の高価格。
【0013】
従って、高い光安定性及び風化安定性が要求される応用については、原則として、脂肪族ポリウレタンをベースとする表面コーティングが好ましい。しかし、PUゲルコートの製剤においては、反応が非常に進行した段階である時にのみ、従来のポリオール及びポリイソシアネートの混合物がゲル化することを覚えておかなければならない。しかし、このポイントにおいて、反応能力、従って、複合材料に用いられる合成樹脂に関してPUゲルコートの接着力が非常に制限される(すなわち、不粘着時間は比較的長いが、積層時間は比較的短い)。従来の、この種の製品の使用は、処理基準から困難であり、更にゲルコート/合成樹脂の接着力の観点から信頼できない。
【0014】
市販の脂肪族PURゲルコート(Relius Coatings or Bergolin由来)は、一般的に比較的低いガラス転移温度を有する(<40℃)。従って、EPゲルコートと比較すると、それらはそれほど脆弱でなく、80℃以下の硬化温度で用いることができ、液状エポキシ樹脂と共に積層することができる。生成物は、一般的に、例えば通常の硬化条件下では反応によって完全に消費されず、可塑剤として作用するポリカプロラクトンのような反応性希釈剤を含む。従って、型から取り出した直後に生成物は非常に柔軟である(破断伸びが約25%)。しかし、時間とともに、おそらく可塑剤の減少の結果として、それらは脆弱になり、それらの破断伸びは、元の形態の約半分まで低下する。PURゲルコートの達成可能な最大ガラス転移温度、Tgを著しく超える硬化温度、すなわち、>80℃の温度で、型から取り出した後にこれらの生成物は、ひけマークの形態でしばしば表面欠陥を示す。これは、そのような生成物を使用することができる硬化温度の範囲を大いに制限する。
【0015】
エポキシ積層品の製造における操作サイクル時間を短くするため、特に積層品構築のためにエポキシプリプレグが用いられる場合、80℃を超える硬化時間を使用するのが一般的である。積層品が熱耐変形性に関して厳しい要件に晒される時にもこれは必要である。>80℃の硬化温度で操作に使用される場合、成分を型から取り出した後、通常のPURゲルコートは、しばしば、ひけマークの形態で表面欠陥を示す。この理由のため、>80℃の硬化温度で用いられるPURゲルコートの可能性は制限され、そのような使用は、成分の表面を滑らかにするために、費用がかかって不便な、後の作業を頻繁に必要とする。
【0016】
従って、本発明の目的は、記載された不都合を有しない、ポリウレタンをベースとするゲルコート樹脂系のための成分を提供することである。ゲルコート樹脂系のための成分は、
−混合し、鋳型に導入するのに十分なポットライフ、並びに更にフィルム形成に十分な比較的短いゲル時間及び不粘着時間とともに比較的長い積層時間をもたらし、
−処理が容易であり(すなわち、熱の適用及び/又は噴射の適用のための追加の装置を必要としない)、
−ゲルコート及び合成樹脂の間の効果的な接着力をもたらし(特に、長い積層時間を有するエポキシ樹脂に関し)、
−光に安定であり、風化に安定であり、ヘアクラックを形成する傾向にないゲルコートを生成し、
−80℃〜130℃の硬化温度でさえ、ひけマークのない、成分の滑らかな表面を生成し、
−安価であるべきである。
【0017】
このために、実際には、原則として高い架橋密度を有するポリウレタンゲルコートが特に適切である。高い架橋密度は、高機能ポリオールの使用を前提とする。しかし、高機能ポリオールの使用は非常に短い積層時間を引き起こす。その結果として、本発明の更なる目的は、一方で高い架橋密度を有するゲルコートを生成するが、他方で長い積層時間を可能にする、可塑性ポリウレタンゲルコートのための成分を提供することである。
【0018】
この目的は、A)A1)160〜600g/モルの分子量、及び低分子量ポリオール1kgあたり5以上20モル未満のヒドロキシル基濃度を有する1種以上の低分子量ポリオールと、
A2)2以上の平均官能性、及び高分子量ポリオール1kgあたり5モル未満のヒドロキシル基濃度を有する1種以上の高分子量ポリオールと、
A3)1種以上の光安定性芳香族アミンとを含むポリオール成分、及び
B)1種以上のポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分を含む、二成分組成物(その際、ポリオール成分が、充填材として、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で疎水化され、次いでボールミルにより構造的に修飾されている熱分解法シリカを含むことを特徴とする)の、合成樹脂(合成樹脂はエポキシ樹脂及び/又はビニルエステル樹脂を含み、接触することにより硬化していないか、又は不完全に硬化している)複合材料のための可塑性ポリウレタンゲルコートを製造するための使用により達成される。
【0019】
本発明は、特に、光安定性芳香族アミンを、ポリウレタンゲルコートを製造するためのポリオール成分に加えることができ、本発明のポリオール成分から、及びポリイソシアネート成分から製造される混合物が、ポリウレタンゲルコートの製造との関連で特に良好な加工特性を有しており、更に特に光安定なゲルコートを製造するという発見に基づく。本発明の硬化したゲルコートは、好ましくは65を超えるショアD硬度(DIN EN ISO 868に従い測定)を有し、23℃における破断伸び(ASTM−D−522に従い測定)は好ましくは3%を超え、更に好ましくは5%を超え、特に10%を超え、複合材料中のエポキシ及びビニルエステル樹脂に対し、優れた接着力を引き起こす。適切なエポキシ樹脂及びビニルエステル樹脂は全て市販の材料である。当業者は、複合材料の応用の関数として適切なエポキシ及びビニルエステル樹脂を選択することができる。
【0020】
硬化した複合材料は、合成樹脂/ポリウレタンゲルコートの境界において、積層樹脂の破壊強度を超える接着強度を有し、言い換えると、プルオフ試験において、合成樹脂積層品又は合成樹脂に凝集破壊が起こる。
【0021】
合成樹脂は、エポキシ樹脂及び/又はビニルエステル樹脂を含み、すなわち、エポキシ樹脂及び/又はビニルエステル樹脂をベースとする合成樹脂である。好ましい一実施態様においては、合成樹脂はエポキシ樹脂及び/又はビニルエステル樹脂であり、特に好ましい一実施態様においては、合成樹脂はエポキシ樹脂である。
【0022】
複合材料を製造する場合、すなわちゲルコートと接触させる場合、用いられる合成樹脂は硬化していないか、又は不完全に硬化している。好ましくは、ポリウレタンゲルコートは、合成樹脂と接触して(好ましくは合成樹脂の塗布により)不完全に硬化する。これは、好ましくは、合成樹脂と接触した(好ましくは合成樹脂の塗布により)ゲルコートにおいて、ウレタン基を形成するイソシアネート基とヒドロキシル基との反応が完全に終わりであるというわけではないことを意味する。全ての実施態様において、織りガラス繊維織物及び/又は不織ガラス繊維ウェブ、又は織り炭素繊維織物又は不織炭素繊維スクリムを含む合成樹脂が好ましく、用いられる合成樹脂は、特に好ましくは、プリプレグであり、特には織りガラス繊維織物及び/又は不織ガラス繊維ウェブ、又は織り炭素繊維織物又は不織炭素繊維スクリム、又は注入樹脂を含むエポキシプリプレグである。
【0023】
特に好ましくは、ポリウレタンゲルコートが一部硬化しているがまだ完全に硬化しておらず、ゲルコートと接触する合成樹脂が硬化していないか又は不完全に硬化しているインモールド法において、二成分組成物の使用に与えられる。この用途においては、合成樹脂は、好ましくは部分的に硬化しているが完全には硬化しておらず、特に、織りガラス繊維織物及び/又は不織ガラス繊維ウェブ、又は織り炭素繊維織物又は不織炭素繊維スクリムのような補強材を含む。
【0024】
射出工程において二成分組成物が用いられる場合、ゲルコートの導入及び部分的ゲル化(部分的硬化)の後、補強材を鋳型に挿入し、補強剤で満たされた空洞をフィルムを用いて封をし、補強材中の空洞から液体を抜く。次いで、予め混合した(例えば2成分)合成樹脂(即ち、注入樹脂)を、吸引しながら真空チャンバーに引き込み、次いで完全に硬化させる。なお、この実施態様においては、好ましい補強材は、織りガラス繊維織物及び/又は不織ガラス繊維ウェブ、又は織り炭素繊維織物又は不織炭素繊維スクリムである。
【0025】
1. ポリオール成分
本発明において用いられるポリオール成分の特徴は、少なくとも1種の比較的低分子量であり、比較的高いヒドロキシル基濃度cOHを有するポリオールを含むことである。低分子量ポリオール(必要に応じて、2、3、4種等の低分子量ポリオール)の結果として、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応開始の瞬間に(十分なポットライフ及び許容されるゲル化時間の後)、非常に目の詰まった編み目ネットワークが形成され、このネットワークは、ゲル化したゲルコートの所望の機械的安定性を確実にする。
【0026】
低分子量ポリオール
本発明によれば、「低分子量ポリオール」は、160〜600g/モル(好ましくは180〜500g/モル、更に好ましくは200〜450g/モル、特に200〜400g/モル)の分子量、及び低分子量ポリオール1kgあたり5以上20モル未満のヒドロキシル基濃度を有するポリオールとして定義される。ヒドロキシル基濃度cOHは、低分子量ポリオール1kgあたり、好ましくは6〜15、更に好ましくは9〜11の範囲である。
【0027】
原則として、本発明において低分子量ポリオールとして適切なものは、ポリウレタンの製造にとって通常である、全ての直鎖又は分岐ポリオールであり、例は、ポリエーテルポリオール(ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレン等)、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、アクリレートポリオール及び/又は二量体脂肪酸をベースとするポリオール、及びそれらの混合物である。例は、以下に記載する低分子量ポリオールである:
−184g/モルのモル質量、約2.3の官能性及び12.5モル/kgのヒドロキシル基含有量を有するアクリレートをベースとするポリオール、
−181g/モルのモル質量、3の官能性及び約16.5モル/kgのヒドロキシル基含有量を有するポリエーテルポリオール、
−303g/モルのモル質量、約3の官能性及び約10モル/kgのヒドロキシル基含有量を有する、トリメチロールプロパンとポリカプロラクトンとの反応生成物。
【0028】
更に好ましい低分子量ポリオールは以下の通りである(第1表):
【表1】

【0029】
低分子量ポリオールの画分(すなわち、ポリオール成分中の全ての低分子量ポリオールの合計)は、ポリオール成分の構成成分A1、A2及びA3の全質量を基準とし、好ましくは2質量%〜60質量%、更に好ましくは5質量%〜50質量%、特に10質量%〜45質量%、例えば20質量%〜40質量%の範囲であり、32質量%〜38質量%の画分が特に好ましい。
【0030】
高分子量ポリオール
本発明において用いられるポリオール成分中に存在する高分子量ポリオールは、原則としてポリウレタンの製造にとって通常である任意のポリオールであってもよく、例は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアクリレートポリオール、例えば、二量体脂肪酸、又は例えばひまし油のような天然油のような脂肪酸化学由来の原材料をベースとするポリオールである。ポリオールは、2以上の平均官能性、及び1kgあたり5未満、好ましくは1〜4.99、更に好ましくは2〜4、特に2.5〜3.8モルのヒドロキシル基濃度を有しなければならない。
【0031】
構成成分A1及びA2は本発明により用いられるポリオール成分中に存在する全てのポリオールを包含する;言い換えると、前記に定義したような低分子量ポリオールでないポリオールが、一般的に本明細書の開示の目的のための高分子量ポリオールであると考えられる。好ましい高分子量ポリオールは、600〜8000を超え、更に好ましくは600〜6000g/モル、特に600〜4000g/モルの高分子量ポリオールの分子量を有する。
【0032】
適切な高分子量ポリオールは、例えばDE−T−690 11 540に開示されているポリオールである。好ましい高分子量ポリオールは、OH基及び2〜8の官能性を有する低分子量の開始化合物上にプロピレンオキシド及び/又はエチレンオキシドを重付加することにより生成するポリエーテルポリオール(ポリアルコキシレン化合物)である。
【0033】
更に通常の高分子量ポリオールは、ジカルボン酸と、低分子量ポリアルコールとのエステル縮合生成物からなり、2〜4の官能性を有するポリエステルポリオール、又はジオール、トリオール若しくはテトロールから開始して製造されるポリカプロラクトンであり、高分子量ポリエステルポリオールの6〜15モル/kgの範囲で、好ましくは1kgあたり8〜12モルのヒドロキシル基の範囲でヒドロキシル基を有する高分子量ポリエステルが好ましい。ポリオール成分の高分子量ポリオール(必要に応じて、2種、3種、4種等の高分子量ポリオール)の結果として、十分に長い積層時間が利用できることを確実とする。これは、複合材料の合成樹脂への効果的な接着を達成するのに重要である。
【0034】
特に好ましい高分子量ポリオールは以下の通りである:
−606g/モルのモル質量、約2.3の官能性及び3.8モル/kgのヒドロキシル基含有量を有するアクリレートをベースとするポリオール、
−803g/モルのモル質量、約3の官能性及び約2.5モル/kgのヒドロキシル基含有量を有するポリエーテルポリオール、及び
−909g/モルのモル質量、約3の官能性及び約3.3モル/kgのヒドロキシル基含有量を有する、トリメチロールプロパンとポリカプロラクトンとの反応生成物。
【0035】
例として、ポリオール成分中の高分子量ポリオールの画分(すなわち、全ての高分子量ポリオールの合計)は、ポリオール成分の構成成分A1、A2及びA3の全質量を基準とし、80質量%〜5質量%、好ましくは60質量%〜5質量%、更に好ましくは80質量%〜10質量%、特に25質量%〜10質量%の範囲である。好ましい一実施態様においては、ポリオール成分は脂肪族ジカルボン酸を含まない。
【0036】
低イソシアネート反応性の光安定な芳香族アミン
適切な光安定性芳香族アミンは、例えば、米国特許第4950792号、米国特許第6013692号、米国特許第5026815号、米国特許第6046297号及び米国特許第5962617号に開示されている。
【0037】
トルエン溶液(トルエン中80質量%のイソシアネート)中で、約5.2モル/kgのNCO含有量、及び2750〜4250mPasの範囲の粘度を有する等モル量のオリゴマーHDIイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート)と、トルエン溶液中(トルエン中、20質量%のアミン)中、23℃で混合した、好ましい光安定性芳香族アミンの特徴は、それらが30秒を超え、好ましくは3分を超え、更に好ましくは5分を超え、特に20分を超えるゲル化時間を生じることである。
【0038】
約5.2モル/kgのNCO含有量、及び2750〜4250mPasの範囲の粘度を有する等モル量のオリゴマーHDIイソシアネートと、トルエン溶液中(トルエン中、25質量%のアミン)、23℃で混合した、1つの特に好ましい光安定性芳香族アミンの特徴は、不活性の白色試験プレートに塗布し、80℃の強制空気オーブンで30分間、次いで120℃で60分間硬化させた時に、約20[mu]mの厚みの乾燥フィルムを有するコーティングを生成し、このコーティングを生成する混合物を生成し、ASTM−G−53(4時間のUVB313、4時間の縮合)による300時間の人工的な風化後に、50以下、好ましくは以下、特に40以下、例えば30以下の変色デルタE(DIN 5033パート4により測定し、DIN 6174により評価した)を有することである。
【0039】
本発明において用いられる光安定性芳香族アミンはメチレンビスアニリン、特に4,4’−メチレンビス(2,6−ジアルキルアニリン)、好ましくは米国特許第4950792号に開示された非変異原性メチレンビスアニリンである。特に適切には、以下の第2表に記載した4,4’−メチレンビス(3−R−2−R−6−R−アニリン)により表わされる。
【0040】
【表2】

【0041】
本発明において特に好ましい光安定性芳香族アミンは、4,4’−メチレンビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、Lonzacure M−CDEAである。
【0042】
ポリオール成分中の光安定性芳香族アミンの画分(すなわち、ポリオール成分中の全ての光安定性芳香族アミンの合計)は、ポリオール成分の構成成分A1、A2及びA3の全質量を基準とし、好ましくは0.1質量%〜20質量%、好ましくは0.3質量%〜10質量%、更に好ましくは0.5質量%〜5質量%、特に1質量%〜3質量%である。
【0043】
本明細書において好ましいものは、ポリオール成分であってもポリイソシアネート成分であっても、光安定性でない芳香族アミンを含む二成分組成物に加えられる。
【0044】
触媒
触媒は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との重合反応を加速する。原則として、ポリオール成分においては、ポリウレタンにおいて用いられることが知られている全ての触媒を用いることが可能であり、好ましくは、DE−T−690 11 540に開示された、鉛、ビスマス及びスズ触媒であり、更に、強塩基アミン触媒1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン及び、またジルコニウム化合物である。
【0045】
ポリオール成分中で用いるための、本発明における特に好ましい1つの触媒は、ジブチルスズジラウレート(DBTL)である。
【0046】
本発明において用いられるポリオール成分は、ポリオール成分の全質量を基準とし、1質量%以下、更に好ましくは0.05質量%〜0.5質量%、特に約0.3質量%の触媒、例えば0.3質量%を含んでもよい。
【0047】
充填材
本発明のポリオール成分は、充填材として、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で疎水化され、ボールミルにより構造的に修飾されている熱分解法シリカを含む。この熱分解法(すなわち、フュームド)シリカは、文献、DE19616781A1から公知である。
【0048】
HMDSで疎水化され、ボールミルで構造的に修飾され、熱分解法シリカAEROSIL R 8200は、好んで使用することができる。
【0049】
このシリカは以下の物理化学的パラメータを有する:
【表3】

【0050】
シリカは以下のように登録された:
【表4】

【0051】
本発明のポリオール成分は、更に一定量の1種以上の充填材を含み、「充填材」なる用語の定義は、本発明の開示の目的のため、「含量物質」を包含する。充填材は、タルク、ドロマイト、沈降CaCO、BaSO、顆粒状石英、ケイ質土、二酸化チタン、モレキュラーシーブ及び(好ましくはか焼)カオリンである。ポリオール成分の充填材含有量は、ポリオール成分の全質量を基準とし、好ましくは10質量%〜80質量%、更に好ましくは20質量%〜70質量%、特に35質量%〜55質量%、例えば40質量%〜50質量%である。好ましくは、充填材の混合物が加えられ、例は、2、3又は4種の充填材の混合物である。
【0052】
更に、ポリオール成分は、粉末ガラス繊維を含んでいてもよく、例は、500[mu]m未満の長さを有する、粉末ガラス繊維である。これらのガラス繊維は、起こり得る亀裂の伝播を防止する。
【0053】
2.ポリイソシアネート成分
ポリイソシアネート成分中で好ましく用いられるポリイソシアネートは脂肪族イソシアネートであり、例は、DE−T−690−11540の第5及び6頁に開示されているビウレットイソシアネートである。そこに特定されている全てのイソシアネートが適切である。
【0054】
本明細書において好ましいものは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI、DDI)及びテトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)のような脂肪族イソシアネートの使用である。参考として更に、「Szycherのポリウレタンのハンドブック」CRC Press、Boca Raton、1999にある。
【0055】
ポリイソシアネート成分中で充填材として用いることのできるケイ酸塩は、特にシラン処理したフュームドシリカである。優先的に、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で疎水化され、次いでボールミルにより構造的に修飾されている熱分解法シリカを用いることが可能である。ポリイソシアネート成分中に好ましく存在するシリカ(チキソトロピー剤)は、ポリオール成分及びポリイソシアネート成分が、成分の類似の粘度のために容易に混和すること、更に、成分の混合物が1mm以下の湿潤フィルム厚内の垂直面から水が流出しないことを確実にする。量は、ポリイソシアネート成分の全質量を基準とし、好ましくは0.1質量%〜5質量%、更に好ましくは0.5質量%〜3質量%、特に1質量%〜2質量%の範囲である。
【0056】
触媒
ポリオール成分に加えることができる触媒は、ポリイソシアネート成分中に存在してもよく、又はポリオール成分中の代わりにポリイソシアネート成分中で、記載された濃度で存在してもよく、好ましくは、ポリイソシアネート成分中に触媒としてジルコニウム化合物が加えられる。
【0057】
3.添加剤(「ラック添加剤」、Johan H.Bielemann,Weinheim,Wiley−VCH,1998を参照されたい)
更に、ポリオール成分又はポリイソシアネート成分のいずれか、又は両方の成分は、消泡剤、分散剤及び脱気剤から選択される1種以上の添加剤を更に含んでいてもよい。
【0058】
消泡剤は、それらが用いられる成分の全質量を基準とし、2.0質量%以下、好ましくは1.0質量%以下の量で存在し得る。
【0059】
脱気剤は、それらが用いられる成分の全質量を基準とし、2.0質量%以下、好ましくは1.0質量%以下の量で存在し得る。多くの消泡剤は、同時に脱気剤として作用する。
【0060】
分散剤は、それらが添加される成分の全質量を基準とし、2.0質量%以下、好ましくは1.0質量%以下の量で存在し得る。
【0061】
ポリオール成分が混合される時、通常、最初にポリオールを真空溶解機内に添加剤と共に導入する。次いで、充填材及び顔料を真空下、ポリオールに分散させる。混紡によりポリイソシアネート成分を製造するため、通常、最初にポリイソシアネートを混合物に導入し、それを対応する添加剤と混合する。次いで、充填材及びチキソトロピー剤を、真空下、分散により導入する。
【0062】
(特に、本発明の二成分組成物において、)ポリオール成分及びポリイソシアネート成分の相対量は、ヒドロキシル基及びイソシアネート基が特定の所望のモル比で反応するように選択される。イソシアネート基に対するヒドロキシル基のモル比(OH:NCO)は、通常は1:3〜3:1、好ましくは1:2〜2:1、更に好ましくは1:1.5〜1.5:1の範囲である。1つの特定の好ましい実施態様においては、OH:NCO比は1:1の化学量論モル比に近く、すなわち1:1.2〜1.2:1、好ましくは1:1.1〜1.1:1の範囲であり、特に好ましくは等モル反応であり、すなわち、ポリオール成分及びポリイソシアネート成分の相対量は、イソシアネート基に対するヒドロキシル基のモル比が約1:1になるように選択される。
【0063】
二成分の混合物のゲル化は、室温で、又は速度を速めたゲル化が望まれる場合には高温で実施される。ゲル化は、例えば、40℃、60℃又は80℃の温度で実施することができる。しかし、本発明の二成分組成物の成分の特定の好ましい混合物の場合には、ゲル化促進のための温度上昇が絶対に必要というわけではない。
【0064】
合成樹脂は、織物、不織スクリム若しくは不織ウェブ、又は例えば織物、不織スクリム又は不織ウェブを編むか縫い合わせ、キルティング又は接着結合により製造した予め成形された構成要素のような、好ましくは1種以上の補強材を含む。これらの材料は、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維又はポリエステル繊維、又はその他の任意の熱可塑性ポリマー繊維からなる。好ましい補強材は、織りガラス繊維織物及び/又は不織ガラス繊維ウェブ又は織り炭素繊維織物又は不織炭素繊維スクリムである。
【0065】
十分な機械的安定性のゲルの生成が終わった時、合成繊維、エポキシ樹脂、必要に応じて、例えば織りガラス繊維織物又は不織ガラス繊維ウェブが積層時間内にゲルコートに塗布される。本発明のポリオール成分及び本発明の二成分組成物により、積層に利用できる積層時間が約20分〜72時間、通常は約48時間の範囲であることを確実にする。ゲルコートへの積層工程は、ゲルコートを使用しない積層工程と異なっておらず、例えば、M.Flemming,G.Ziegmann,S.Roth,Springer,Berlin,Heidelberg,New York,1996による「Faserverbundbauweisen」に開示されている。ゲルコートの硬化は、通常、高温で実施される。
【0066】
本発明の更なる実施態様は、下記工程を含む、可塑性ポリウレタンゲルコートを含む、合成樹脂複合材料の製造方法を提供する。
【0067】
(i)A)A1)160〜600g/モルの分子量、及び低分子量ポリオール1kgあたり5以上20モル未満のヒドロキシル基濃度を有する1種以上の低分子量ポリオールと、
A2)2以上の平均官能性、及び高分子量ポリオール1kgあたり5モル未満のヒドロキシル基濃度を有する1種以上の高分子量ポリオールと、
A3)1種以上の光安定性芳香族アミンとを含むポリオール成分、及び
B)1種以上のポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分、を含む二成分組成物(その際、ポリオール成分が、充填材として、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で疎水化され、次いでボールミルにより構造的に修飾されている熱分解法シリカを含む)を混合する工程及び混合物を少なくとも部分的に(好ましくは部分的にのみ)硬化する工程;
(ii)混合物を合成樹脂(合成樹脂はエポキシ樹脂及び/又はビニルエステル樹脂を含み、ゲルコートと接触することにより硬化していないか、又は不完全に硬化している)と接触させる工程。
【0068】
本発明は更に、前記方法により得ることができる、可塑性ポリウレタンゲルコートを含む合成樹脂複合材料を提供する。1つの特に好ましい複合材料はウィンドブレード、すなわち、風力タービンの回転翼の羽又はその部品である。
【0069】
本発明において用いられる二成分組成物は以下の利点を提供する:
−本発明は二成分のみからなる系であり、その結果製造が容易である。
【0070】
−ポットライフはたったの10〜15分である。
【0071】
−ポリオール成分及びポリイソシアネート成分の混合物は、室温で0.5mmの塗り厚であっても、20〜70分以内の不粘着である。これを実現するために加熱は不要である。
【0072】
−室温における積層時間が72時間以上であり、その結果、エポキシ樹脂及びビニルエステル樹脂積層物への接着のための非常に良好な条件を引き起こす。
【0073】
−二成分の混合物は、1mm以下の厚みの湿潤したフィルムにおける垂直表面から水が流出するおそれがない。
【0074】
−好ましくはシリカを用いて設定されたポリイソシアネート成分の粘度は、二成分の即時の混和性を提供する。
【0075】
−二成分の製造に用いられる化合物は職業衛生学の観点から都合がよく、工程において排気ガスがない。
【0076】
−二成分は透明なゲルコートを生じ、任意の所望の色素沈着を付与し得る。
【0077】
−混合された成分は、充填用コンパウンドとして、又はインモールド法により適用される必要のないコーティングとして追加として使用することができる。
【0078】
−成分の混合物はセルフレベリングである。
【0079】
−二成分混合物の完全な硬化は、50〜160℃の温度であっても30分〜2時間で実現することができる。
【0080】
本発明により製造されたゲルコートは以下の有利な性質を有する:
−良好な風化安定性。
【0081】
−短いゲル時間及び不粘着時間について長い積層時間。
【0082】
−約40℃におけるガラス転移温度Tgが比較的低いという事実にもかかわらず、型から取りだした後、部品上に、表面欠陥なしで滑らかな表面が得られる。
【0083】
−加水分解に対する高い抵抗性。
【0084】
−高い化学的安定性。
【0085】
−高い柔軟性と共に、高い耐摩耗性(Tg40℃及びショアD硬度=74)。
【0086】
−良好な耐倒伏性。原則としてゲルコートの後処理は不要である。しかし、多くの個々の部品から大きい部品が構築される場合、充填用コンパウンドを用いて境界を封鎖する必要がある。過剰の充填材は、通常、磨くことにより除去される。
【0087】
滑らかな移行を得るために、ゲルコートは、容易に磨くことが可能であることが必要である。機械的損傷を受けた表面において修理作業が必要になる場合、同じことが適用される。
【0088】
−ゲルコートは、実質的に反応性希釈材及び可塑剤を含んでいない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ樹脂及び/又はビニルエステル樹脂を含み、ゲルコートと接触することにより硬化していないか又は不完全に硬化している、合成樹脂複合材料のための可塑性ポリウレタンゲルコートを製造するための、
A)A1)160〜600g/モルの分子量、及び低分子量ポリオール1kgあたり5以上20モル未満のヒドロキシル基濃度を有する1種以上の低分子量ポリオールと、
A2)2以上の平均官能性、及び高分子量ポリオール1kgあたり5モル未満のヒドロキシル基濃度を有する1種以上の高分子量ポリオールと、
A3)1種以上の光安定性芳香族アミン、
とを含むポリオール成分及び
B)1種以上のポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分
を含む二成分組成物の使用において、ポリオール成分が、充填材として、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で疎水化され、次いでボールミルにより構造的に修飾されている熱分解法シリカを含むことを特徴とする、前記二成分組成物の使用。
【請求項2】
合成樹脂と接触することによりポリウレタンゲルコートが硬化していないか、又は不完全に硬化しており、合成樹脂との接触が、好ましくは合成樹脂のゲルコートへの塗布であることを特徴とする、請求項1記載の使用。
【請求項3】
用いられる合成樹脂が1種以上の補強材を含み、好ましくは織りガラス繊維織物及び/又は不織ガラス繊維ウェブ、並びに織り炭素繊維織物又は不織炭素繊維スクリムに補強材として加えられ、用いられる合成樹脂が特に好ましくはプリプレグであり、特には織りガラス繊維織物及び/又は不織ガラス繊維ウェブ又は注入樹脂を有するエポキシ樹脂プリプレグであることを特徴とする、請求項1又は2記載の使用。
【請求項4】
光安定性芳香族アミンがメチレンビスアニリンであり、特には4,4’−メチレンビス(2,6−ジアルキルアニリン)であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
光安定性芳香族アミンが4,4’−メチレンビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)であることを特徴とする、請求項4記載の使用。
【請求項6】
ポリオール成分の構成成分A1、A2及びA3の全質量を基準とし、ポリオール成分中の光安定性芳香族アミンの画分が、0.1質量%〜20質量%、好ましくは0.3質量%〜10質量%、更に好ましくは0.5質量%〜5質量%、特に1質量%〜3質量%の範囲であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
ポリオール成分の構成成分A1、A2及びA3の全質量を基準とし、ポリオール成分中の低分子量ポリオールの画分が、2質量%〜60質量%の範囲であることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
低分子量ポリオールのヒドロキシル基の濃度が、低分子量ポリオール1kgあたり、6〜15の範囲、更に好ましくは9〜11モルのヒドロキシル基の範囲であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
低分子量ポリオールが、直鎖又は分岐鎖ポリカプロラクトンジオール、ポリカプロラクトントリオール、ポリカプロラクトンテトロール、ポリエステルポリオール、ポリプロピレンオキシドトリオール、ポリエーテルポリオール及びポリテトラメチレンオキシドジオールから選択されることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
高分子量ポリオールが、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアクリレートポリオール、脂肪化学由来の原材料、例えば、二量体脂肪酸又は天然油、例えばひまし油をベースとするポリオールから選択されることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
高分子量ポリオールが、高分子量ポリオール1kgあたり1〜4.99、好ましくは2〜4、特に2.5〜3.8モルのヒドロキシル基濃度を有することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
ポリオール成分の構成成分A1、A2及びA3の全質量を基準とし、ポリオール成分中の高分子量ポリオールの画分が、97質量%〜30質量%、好ましくは90質量%〜40質量%、更に好ましくは80質量%〜45質量%、特に70質量%〜50質量%の範囲であることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
(i)A)A1)160〜600g/モルの分子量、及び低分子量ポリオール1kgあたり5以上20モル未満のヒドロキシル基濃度を有する1種以上の低分子量ポリオールと、
A2)2以上の平均官能性、及び高分子量ポリオール1kgあたり5モル未満のヒドロキシル基濃度を有する1種以上の高分子量ポリオールと、
A3)1種以上の光安定性芳香族アミン
とを含むポリオール成分及び
B)1種以上のポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分
を含む二成分組成物を混合し、かつ、混合物を少なくとも部分的に硬化させ、その際、ポリオール成分は、充填材として、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で疎水化され、次いでボールミルにより構造的に修飾されている熱分解法シリカを含んでおり、かつ、
(ii)混合物を合成樹脂と接触させ、その際、合成樹脂はエポキシ樹脂及び/又はビニルエステル樹脂を含み、ゲルコートと接触することにより硬化していないか、又は不完全に硬化している、
ことを含む、可塑性ポリウレタンゲルコートを含む合成樹脂複合材料の製造方法。
【請求項14】
請求項13記載の方法により得られる、可塑性ポリウレタンゲルコートを含む合成樹脂複合材料。
【請求項15】
ウィンドブレード又はその一部であることを特徴とする、請求項14記載の複合材料。

【公表番号】特表2011−521060(P2011−521060A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509911(P2011−509911)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際出願番号】PCT/EP2009/055253
【国際公開番号】WO2009/141215
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】