説明

可搬型ICカードアダプタ

【課題】固有情報の読み取りを認証するための認証情報が設定されたICカードに格納される固有情報を円滑に利用することができる可搬型ICカードアダプタを提供する。
【解決手段】電子キー2には、免許証1のパスワードの入力操作が可能な認証情報入力部22が設けられており、該認証情報入力部22を介して、固有情報の読み取りを許可させるためのパスワードが入力される。そして、電子キー2に保持された免許証1は、認証情報入力部22を介して入力されたパスワードに基づいて固有情報の読み取りを認証する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可搬型ICカードアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば金融機関や車両等の管理システムにおいては、それらが不正に使用されてしまうことを防止するべく、キャッシュカードや運転免許証等のICカードに固有情報を格納し該ICカードに格納されている固有情報に基づいて使用者を特定するようになっている。
【0003】
例えば、特許文献1には、免許証に格納された搭乗者(使用者)の住所、氏名、運転免許の種類等の固有情報に基づいて搭乗者に車両の使用を許可する運転管理システムが提案されている。この運転管理システムは、搭乗者が携帯する免許証に格納された固有情報を読み取る読み取り装置と、車両の使用が許可された搭乗者の固有情報(照合情報)を記憶する記憶装置と、該記憶装置に記憶された固有情報(照合情報)と搭乗者の免許証に格納された固有情報とを照合する照合装置とを備えている。照合装置は、記憶装置に記憶された固有情報(照合情報)と搭乗者の免許証に格納された固有情報とが一致した場合に、該免許証の所有者が正当な使用者であると判断し、エンジンの始動許可を出力する。このように、免許証に格納された固有情報と予め登録された搭乗者の固有情報(照合情報)とを照合することで、車両の盗難や適切でない免許証による不正な使用が好適に防止される。
【特許文献1】特開平7−150835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したようなキャッシュカードや免許証等のICカードには、固有情報が不正に読みとられてしまうのを防止するためのパスワード(暗証番号)等の認証情報が設定されている。このため、通常、読み取り装置若しくは照合装置(若しくはそれらの近傍)には認証情報を入力するための入力操作部が設けられており、該入力操作部を介してICカードに対応する認証情報が入力された場合に固有情報の読み取りが許可されるようになっている。従って、このような認証情報が設定されたICカードに格納されている固有情報を利用する際には、わざわざ入力装置の設置場所まで移動して認証情報を入力しなければならず、このことは使用者にとって煩わしいものとなる。
【0005】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、固有情報の読み取りを認証するための認証情報が設定されたICカードに格納される固有情報を円滑に利用することができる可搬型ICカードアダプタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、固有情報及び該固有情報の読み取りを認証するための認証情報が格納されたICカードが装着されるカード装着部と、該カード装着部に装着されたICカードの認証情報の入力操作が可能な認証情報入力部と、前記認証情報入力部を介して入力された前記認証情報に基づいて、前記カード装着部に装着された前記ICカードに前記固有情報の読み取りを許可させる認証手段とを備えたことをその要旨とする。
【0007】
本発明によれば、認証情報入力部を介して、固有情報の読み取りを許可させるための認証情報が入力される。そして、カード装着部に保持されたICカードは、認証情報入力部を介して入力された認証情報に基づいて固有情報の読み取りを許可する。よって、わざわざ読み取り装置若しくは照合装置(若しくはそれらの近傍)に設けられた入力装置の設置場所まで移動しなくても、固有情報の読み取りを許可させることが可能となり、ICカードに格納される固有情報を円滑に利用することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記カード装着部に装着されている前記ICカードの前記認証情報を記憶する認証情報記憶手段を備え、前記認証手段は、前記認証情報記憶手段に記憶されている前記認証情報に基づいて前記ICカードに前記固有情報の読み取りを許可させることをその要旨とする。
【0009】
本発明によれば、認証情報記憶手段には、カード装着部に装着されているICカードの認証情報が記憶されるため、認証手段は、認証情報記憶手段に記憶されている認証情報に基づいてICカードに固有情報の読み取りを許可させることができる。このため、認証情報記憶手段に認証情報を予め記憶することにより、認証情報入力部を操作することなく固有情報の読み取りを許可させることができる。よって、ICカードに格納されている固有情報をより円滑に利用することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記ICカード固有の識別情報を取得する識別情報取得手段を備え、前記認証情報記憶手段は、前記識別情報と前記認証情報とを関連付けて記憶し、前記認証手段は、前記カード装着部に装着されているICカードの識別情報に対応する前記認証情報に基づいて、前記ICカードに前記固有情報の読み取りを許可させることをその要旨とする。
【0011】
本発明によれば、認証情報記憶手段にはICカード固有の識別情報と認証情報とが関連付けられて記憶されるため、複数のICカードの認証情報を管理することができる。そして、認証手段は、カード装着部に装着されているICカードの識別情報に対応する認証情報に基づいてICカードに固有情報の読み取りを許可させる。このため、認証情報を書き換えることなく1つの可搬型ICカードアダプタを複数のICカードに適用することが可能となり、可搬型ICカードアダプタの汎用性を向上させることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記認証情報記憶手段は、第1収容部材と該第1収容部材に当接する第2収容部材とにより外部から区画された空間に収容されるものであり、前記第1収容部材と前記第2収容部材との間の当接状態が解除されたことを検出する分解検知手段と、該分解検知手段が前記第1収容部材と前記第2収容部材との間の当接状態が解除されたことを検知した場合に前記認証情報記憶手段に記憶した認証情報を消去する消去手段とを備えたことをその要旨とする。
【0013】
本発明によれば、第1収容部材と第2収容部材との間の当接状態が解除されると認証情報記憶手段に記憶した認証情報が消去される。よって、認証情報記憶手段が外部に露出し該認証情報記憶手段に記憶した認証情報が不正に読み出されてしまうことを好適に防止することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、前記認証情報記憶手段は、不揮発性メモリであり、前記第1収容部材と前記第2収容部材との間の当接状態が解除された場合に前記認証情報を消去するための電源を前記消去手段に供給する専用電源を備えたことをその要旨とする。
【0015】
本発明によれば、第1収容部材と第2収容部材との間の当接状態が解除された場合に認証情報を消去するための電源を消去手段に供給する専用電源を設けたため、認証情報記憶手段に記憶された認証情報を確実に消去することができる。よって、認証情報記憶手段に記憶した認証情報が不正に読み出されることをより好適に防止することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、前記カード装着部に対する前記ICカードの装着履歴を記憶する履歴記憶手段を備えたことをその要旨とする。
本発明によれば、カード装着部に対するICカードの装着履歴を記憶する履歴記憶手段を設けたため、該装着履歴に基づいて可搬型ICカードアダプタが不正に使用されていないか否かを確認することができる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、前記認証手段は、前記認証情報を暗号化して出力し、前記ICカードに前記固有情報の読み取りを許可させることをその要旨とする。
本発明によれば、認証情報は暗号化して出力されるため、認証情報が不正に読みとられてしまうことを好適に防止することができる。
【0018】
請求項8に記載の発明は、前記固有情報と照合される照合情報が格納された照合装置に前記固有情報を出力する固有情報出力手段を備えたことをその要旨とする。
本発明によれば、照合装置に固有情報を出力する固有情報出力手段を設けたため、ICカードの通信可能範囲に関わらず照合装置による固有情報の読み取り可能範囲を決定することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、固有情報の読み取りを認証するための認証情報が設定されたICカードに格納される固有情報を円滑に利用することができる可搬型ICカードアダプタを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態は、本発明の可搬型ICカードアダプタを、登録された搭乗者に車両の使用を許可したり該搭乗者に応じて運転席の位置やルームミラーの角度等を設定したりする運転管理システムに適用したものである。
【0021】
図1に示すように、運転管理システムSは、搭乗者が所持するICカードとしての免許証1が装着される可搬型ICカードアダプタとしての電子キー2と、車両Vに配置される管理装置3とを有して構成されている。電子キー2は、管理装置3と相互無線通信を行う。管理装置3には、アクチュエータを用いてドア錠を自動的に施解錠するドアロック装置4、エンジンの駆動を制御するエンジン制御部5、及び運転席の位置やルームミラーの角度等を変更する設定装置6が接続されている。
【0022】
図1に示すように、管理装置3の照合装置7は、コンピュータユニットによって構成されている。照合装置7は、不揮発性のメモリ7aを備え、そのメモリ7aには、車両Vに対応する電子キー2のIDコードと、同車両Vの使用が許可された搭乗者(登録者)の住所、氏名、運転免許の種類等の固有情報に対応する照合情報(搭乗者の住所、氏名、免許の種類等)とが記憶されている。また、メモリ7aには、搭乗者にとって最適な運転席の位置やルームミラーの角度等の設定情報が、該搭乗者の固有情報に関連付けられて記憶されている。
【0023】
照合装置7には、送信回路8及び受信回路9が電気的に接続されている。また、照合装置7には、ドアロック装置4、エンジン制御部5、及び設定装置6が電気的に接続されている。照合装置7は、電子キー2に対して前記IDコード及び免許証1に格納されている固有情報を含む固有情報応答信号S1の出力を要求する旨の固有情報要求信号S2を送信回路8に出力する。送信回路8は、照合装置7から出力された固有情報要求信号S2を電子キー2側で受信可能な所定周波数(LF帯)の電波に変調し送信アンテナ8aから車両Vの周辺に出力する。これにより、車両Vの周辺に電子キー2との間で相互無線通信が可能な通信エリアが形成される。受信回路9は、電子キー2から送信される固有情報応答信号S1を、受信アンテナ9aを介して受信する。そして、受信回路9は、固有情報応答信号S1をパルス信号に復調して照合装置7に出力する。
【0024】
照合装置7は、受信回路9が受信した固有情報応答信号S1に含まれるIDコード及び固有情報と不揮発性メモリ7aに記憶したIDコード及び照合情報とを照合し、それらが一致した場合に電子キー2との間の相互認証が成立したと判断する。照合装置7は、電子キー2との間の相互認証が成立したことを条件にして、ドアロック装置4にドア錠の施解錠を許可したり、エンジン制御部5にエンジンの始動を許可する旨の制御信号を出力したりする。ドアロック装置4は、ドア錠の施解錠が許可された状態においてドア錠を解錠する旨の制御信号が入力されるとドア錠を解錠し、ドア錠を施錠する旨の制御信号が入力されるとドア錠を施錠する。エンジン制御部5は、エンジンの始動が許可された状態においてエンジン始動操作が行われるとエンジンを始動させる。すなわち、エンジン制御部5は、照合装置7から始動許可信号が入力されていない状態にあっては、たとえエンジン始動操作が行われたとしてもエンジンを始動させない。
【0025】
また、照合装置7は、不揮発性メモリ7aから、受信回路9が受信した固有情報応答信号S1に含まれる固有情報に対応する設定情報を取得し、取得した設定情報に応じた制御信号を設定装置6に出力する。設定装置6は、該制御信号に基づいて運転席の位置やルームミラーの角度等を変更する。これにより、運転席の位置やルームミラーの角度等が搭乗者に応じて設定される。なお、管理装置3(照合装置7)と電子キー2との間の通信には、秘密鍵暗号化アルゴリズムを適用した暗号化通信が採用されている。
【0026】
次に、免許証1について説明する。図1示すように、免許証1は、非接触型のICカードであり、その内部には、電子キー2との間で無線通信を行うためのアンテナコイル11が設けられている。また、免許証1には、その所有者の住所、氏名、運転免許の種類等の固有情報を記憶する記憶部12と該記憶部12に記憶した固有情報の読み出しを許可する制御部13とが設けられている。記憶部12及び制御部13は1つのICチップから構成されている。
【0027】
図2に示すように、アンテナコイル11は、電子キー2からの応答要求信号S3及び認証要求信号S4等の無線信号を受信し、該無線信号を図示しない復調回路により復調して制御部13に出力する。制御部13は、応答要求信号S3及び認証要求信号S4等を受けて応答信号S5及び認証応答信号S6等を図示しない変調回路に出力する。この変調回路は、制御部13から出力された応答信号S5及び認証応答信号S6を所定の周波数の電波に変調してアンテナコイル11を通じて外部に無線にて送信する。また、アンテナコイル11は、受信した無線信号から電源電圧を生成し、該電源電圧を制御部13に出力する。
【0028】
記憶部12は、不揮発性メモリであり、免許証1の所有者の住所、氏名、運転免許の種類等の固有情報と、該固有情報の読み出しを認証するための認証情報としての4桁の数字からなるパスワードと、免許証1固有の識別情報としての識別番号(シリアルナンバー)とが記憶されている。電子キー2からの応答要求信号S3を受信すると、制御部13は、この受信信号に基づき生成された電力により駆動し、記憶部12に記憶した識別番号を含む応答信号S5を出力する。また、電子キー2からのパスワードを含む認証要求信号S4を受信すると、制御部13は、該認証要求信号S4に含まれたパスワードと記憶部12に記憶したパスワードとを照合する。そして、制御部13は、認証要求信号S4に含まれるパスワードと記憶部12に記憶したパスワードとが一致した場合には固有情報を含む認証応答信号S6を出力し、パスワードが一致しなかった場合には該認証応答信号S6を出力しない。すなわち、制御部13は、免許証1に予め設定されているパスワードと一致するパスワードを含む認証要求信号S4が入力されたことを条件に、該免許証1の記憶部12に格納されている固有情報の読み取りを許可する。なお、免許証1の制御部13と電子キー2との間の通信には、秘密鍵暗号化アルゴリズムを適用した暗号化通信が採用されている。
【0029】
次に、電子キー2について説明する。図3及び図4に示すように、電子キー2は、一側面が開口した直方体状の第1収容部材2aと、該第1収容部材2aの開口部を覆い電子キー2の意匠面(表面)を構成する直方体状の第2収容部材2bとから、全体として直方体状に構成されている。第1収容部材2a及び第2収容部材2bの当接部には、配線パターン2cが形成されている。
【0030】
電子キー2には、免許証1を挿入可能としたカード装着部としてのカード挿入部21が設けられている。図3において電子キー2の上端面(長手方向一方側の面)には、カード挿入部21の挿入口21aが電子キー2の左右方向(短手方向)に延びるスリット状に形成されている。図4に示されるように、カード挿入部21には、同カード挿入部21に挿入された免許証1に当接することで検知信号を出力するスイッチ等のカード検知部21bが設けられている。また、図3に併せて示されるように、電子キー2の表面(意匠面)右上側の隅部には、カード挿入部21に挿入された免許証1を取り出すための取出しボタン21cが設けられている。
【0031】
電子キー2の表面(意匠面)下側の部分には、図3に2点鎖線で示されるように、認証情報入力部22が設けられている。認証情報入力部22には、テンキー(0から9までの数字にそれぞれ対応するボタン)、OKボタン22a、オールクリア(AC)ボタン22b、消去ボタン22cが設けられている。このため、認証情報入力部22の入力操作を通じて4桁の数字のパスワードを電子キー2に登録したり、登録したパスワードを消去したりすることが可能となっている。また、電子キー2には、認証情報入力部22を覆うカバー23が設けられている。カバー23は、電子キー2の上下方向(長手方向)に沿ってスライド可能に設けられている。
【0032】
電子キー2の表面において、認証情報入力部22の上側には、表示部24が設けられている。表示部24は、例えば液晶ディスプレイ等であり、所有者に入力操作を案内するためのコメントや、後述するバッテリー28aの残量が表示される。なお、表示部24には、車両Vとの通信状態、登録件数の確認、車両からの情報(例えば、走行距離、オイル交換時期等のメンテナンスアラート)等が表示されるようにしてもよい。
【0033】
電子キー2の表面において、表示部24の上側中央部分には、図3に2点鎖線で示される切替操作部25が設けられている。切替操作部25には、施錠ボタン25aと、解錠ボタン25bが設けられている。これらボタン25a,25bを車両Vの周辺に形成される前述した通信エリア内で操作することにより、ドア錠を施解錠することが可能となっている。
【0034】
電子キー2の表面において、切替操作部25の左側には、インジケータランプ26が設けられている。インジケータランプ26は、例えば発光ダイオード(LED)等であり、切替操作部25の操作に応じて発光する。これにより、電子キー2から管理装置3へ信号(操作信号)が送信されているか否かを確認することが可能となっている。
【0035】
図4に示すように、電子キー2の裏面下端部には、バッテリー収容部28が設けられており、該バッテリー収容部28には、電子キー2を動作させるための電源を供給するボタン電池などのバッテリー28aが収容されている。インジケータランプ26は、バッテリー28aの電力により発光する。このため、バッテリー28aの電圧が所定の値よりも低くなると、インジケータランプ26は切替操作部25が操作されても発光しないようになる。これにより、バッテリー28aの残量を把握することが可能となっている。
【0036】
電子キー2の内部(第1収容部材2a及び第2収容部材2bにより形成される空間)には、車両Vに設けられた管理装置3との間で無線通信を行うための通信アンテナ29aと、免許証1との間で無線通信を行うためのカード通信部29bとが設けられている。また、図2に示されるように電子キー2の内部には、図示しないホストコンピュータとの間で無線通信を行うためのアンテナ(無線LAN)29cと、電子キー2を統括的に制御する制御回路30とが設けられている。通信アンテナ29a及びカード通信部29b及びアンテナ(無線LAN)29cは、制御回路30に接続されている。
【0037】
制御回路30は、認証手段及び識別情報取得手段としてのコントローラ部31を備えている。コントローラ部31には、作業領域としての揮発性メモリ32と、履歴記憶手段としての第1不揮発性メモリ33と、認証情報入力部22を介して入力されたパスワードを記憶する認証情報記憶手段としての第2不揮発性メモリ34とが接続されている。第2不揮発性メモリ34には、耐タンパ機能部35が接続されている。
【0038】
第1不揮発性メモリ33には、管理装置3に記憶されたIDコードに対応する電子キー2固有のIDコードを記憶するID記憶領域33aが設けられている。また、第1不揮発性メモリ33には、装着履歴として、免許証1の識別番号と該免許証1がカード挿入部21に挿入された時刻とを記憶する装着履歴格納領域33bが設けられている。コントローラ部31には、前記カード検知部21bが接続されている。コントローラ部31は、前記カード検知部21bから出力された検知信号に基づいて、カード挿入部21に免許証1が挿入されたことを検知する。コントローラ部31は、免許証1が挿入されたことを検知した場合に、該免許証1の識別番号とその時刻とが関連付けられた装着履歴を第1不揮発性メモリ33に格納する。また、第1不揮発性メモリ33には、車両Vの所有者等、予め登録される搭乗者の免許証1の識別番号が記憶されている。
【0039】
第2不揮発性メモリ34には、免許証1に固有情報の読み取りを許可させるための認証情報としてのパスワード(暗証番号)を記憶する認証番号記憶領域34aが設けられている。コントローラ部31は、認証情報入力部22の操作に応じて、免許証1の識別番号と該免許証1に対応するパスワードとを関連付けて記憶する。また、コントローラ部31は、カード挿入部21に保持されている免許証1の識別番号が第1不揮発性メモリ33に格納されているか否かを判断する。そして、識別番号が格納されていない場合には、コントローラ部31は、第2不揮発性メモリ34にパスワードを記憶しない。これにより、登録されていない搭乗者により電子キー2(ひいては車両V)が不正に利用されてしまうことが防止される。
【0040】
耐タンパ機能部35は、分解検知手段としての分解検知部35a及び消去手段としてのメモリ制御部35bを備え、耐タンパ機能部35及び第2不揮発性メモリ34を動作させるための専用電源27が接続されている。専用電源27は、例えばスーパーキャパシタ(電気二重層キャパシタ)等の大容量のコンデンサであり、前記バッテリー28aにより充電される。これにより、バッテリー28aの残量が少なくなりコントローラ部31が動作不能となった場合でも、耐タンパ機能部35及び第2不揮発性メモリ34は、専用電源27の電力により動作可能となっている。分解検知部35aは、電子キー2を構成する第1収容部材2a及び第2収容部材2bとの当接部に設けられた配線パターン2cに接続されており、該配線パターン2cの断線を検知して断線検知信号を出力する。メモリ制御部35bは、断線検知信号に基づいて、第1収容部材2aと第2収容部材2bとの間の当接状態が解除されたことを検知する。メモリ制御部35bは、第1収容部材2aと第2収容部材2bとの間の当接状態が解除されたことを検知した場合に、第2不揮発性メモリ34に記憶したパスワードを消去する。
【0041】
また、コントローラ部31には、LEDドライバ36を介してインジケータランプ26が接続されている。また、コントローラ部31には、バッテリー28aの残量を監視する電源監視部39が接続されている。コントローラ部31は、電子キー2に内蔵されたバッテリー28aの残量を前記表示部24に表示する。これにより、所有者が電子キー2に内蔵されたバッテリー28aの残量を把握することが可能となっている。
【0042】
また、コントローラ部31には、表示ドライバ37が接続されている。表示ドライバ37は、前記表示部24に接続されている。表示ドライバ37は、コントローラ部31からの表示制御信号に基づいて表示部24にパスワードの入力を所有者に促す旨のコメントやバッテリー28aの残量等を表示させる。
【0043】
また、コントローラ部31には、入力判定部38が接続されている。入力判定部38は、前記認証情報入力部22及び切替操作部25に接続されている。入力判定部38は、所有者による認証情報入力部22及び切替操作部25の操作に応じた操作信号をコントローラ部31に出力する。
【0044】
カード挿入部21に免許証1が挿入されると、カード検知部21bから検知信号が出力される。該検知信号が出力されると、コントローラ部31は、応答要求信号S3を出力しカード挿入部21に挿入された免許証1の識別番号を含む応答信号S5を取得する。そして、コントローラ部31は、該応答信号S5に含まれる免許証1の識別番号に対応するパスワードが第2不揮発性メモリ34に格納されているか否かを判断し、免許証1に対応するパスワードが格納されていない場合は、パスワードの入力を所有者に促す旨のコメントを表示部24に表示させる。搭乗者によりパスワードが入力されると、コントローラ部31は、入力されたパスワードを揮発性メモリ32に記憶する。そして、パスワードが入力された状態で認証情報入力部22のOKボタン22aが操作されると、コントローラ部31は、該揮発性メモリ32に格納したパスワードと該パスワードに対応する免許証1の識別番号とを関連付けて第2不揮発性メモリ34に格納する。そして、コントローラ部31は、カード挿入部21に保持されている免許証1の識別番号に対応するパスワードに基づいて、免許証1に照合装置7による固有情報の読み取りを許可させる。なお、ACボタン22bが操作されると、コントローラ部31は、パスワードの入力操作をキャンセルする。また、認証情報入力部22に設けられた消去ボタン22cが操作されると、コントローラ部31は、揮発性メモリ32及び第2不揮発性メモリ34に記憶したパスワードを消去する。
【0045】
また、切替操作部25の施錠ボタン25aが操作されると、コントローラ部31は、該施錠ボタン25aが操作された旨の操作信号を出力する。また、解錠ボタン25bが操作されると、コントローラ部31は、解錠ボタン25bが操作された旨の操作信号を出力する。
【0046】
また、コントローラ部31には、固有情報出力手段としての車両側通信制御部40aを介して前記通信アンテナ29aが接続されている。車両側通信制御部40aは、通信アンテナ29aが受信した管理装置3からの固有情報要求信号S2を復調し、コントローラ部31に出力する。また、車両側通信制御部40aは、コントローラ部31から出力されたIDコード及び固有情報を含む固有情報応答信号S1を変調し、通信アンテナ29aから管理装置3に送信する。また、車両側通信制御部40aは、コントローラ部31から出力された操作信号を変調し通信アンテナ29aから管理装置3に送信する。施錠ボタン25aが操作された旨の操作信号を受信すると、管理装置3は、ドア錠の施錠を要求する旨の制御信号をドアロック装置4に出力する。これにより、ドア錠が施錠される。また、解錠ボタン25bが操作された旨の操作信号を受信すると、管理装置3は、ドア錠の解錠を要求する旨の制御信号をドアロック装置4に出力する。これにより、ドア錠が解錠される。なお、電子キー2と車両Vとの間の通信には、秘密鍵暗号化アルゴリズムを適用した暗号化通信が採用されている。
【0047】
また、コントローラ部31には、カード情報処理部40bを介して前記カード通信部29bが接続されている。カード情報処理部40bは、コントローラ部31から出力された応答要求信号S3及び認証要求信号S4を、免許証1のアンテナコイル11により受信可能な無線信号に変調しカード通信部29bから免許証1に送信する。また、カード情報処理部40bは、カード通信部29bが受信した免許証1からの前記識別番号を含む応答信号S5及び固有情報を含む認証応答信号S6を復調し、コントローラ部31に出力する。なお、免許証1の制御部13と電子キー2のカード情報処理部40bとの間の通信には、秘密鍵暗号化アルゴリズムを適用した暗号化通信が採用されている。
【0048】
コントローラ部31は、管理装置3からの固有情報要求信号S2を受信すると、前記応答要求信号S3を免許証1に送信し、免許証1の識別番号を含む応答信号S5を受信する。次に、コントローラ部31は、該識別番号に基づいて第2不揮発性メモリ34に記憶されているパスワードを読み出し、該パスワードを含む認証要求信号S4を免許証1に送信し、免許証1の固有情報を含む認証応答信号S6を受信する。そして、コントローラ部31は、第1不揮発性メモリ33に記憶したIDコードと受信した認証応答信号S6に含まれる固有情報とを含む固有情報応答信号S1を管理装置3に送信する。管理装置3は、受信した固有情報応答信号S1に含まれるIDコード及び固有情報と、照合装置7の不揮発性メモリ7aに記憶したIDコード及び照合情報とを照合し、該照合結果に応じてドアロック装置4にドア錠の施解錠を許可する制御信号や、エンジン制御部5にエンジンの始動を許可する旨の制御信号を出力する。
【0049】
また、コントローラ部31には、PC側通信制御部40cを介して、前記アンテナ(無線LAN)29cが接続されている。コントローラ部31は、第1不揮発性メモリ33に記憶した装着履歴(ログ情報)や車両情報を、アンテナ(無線LAN)29cを介して図示しないホストコンピュータに出力する。
【0050】
このように構成された電子キー2によれば、該電子キー2を所持した搭乗者が照合装置7の通信エリア内に侵入すると、該電子キー2から同電子キー2に保持された免許証1の固有情報を読み取るためのパスワードが出力される。このため、従来固有情報の読み取りを認証するために必要とされるパスワードを例えば管理装置に設けられるキーボードやタッチパネル等の入力装置を操作して入力しなくても、免許証1の固有情報の読み取りを許可させることができる。
【0051】
上記したように、本実施の形態によれば、以下の効果を有する。
(1)認証情報入力部22を介して、固有情報の読み取りを許可させるためのパスワードが入力される。そして、カード挿入部21に保持された免許証1は、認証情報入力部22を介して入力されたパスワードに基づいて固有情報の読み取りを許可する。よって、わざわざ車両Vにパスワードを入力するための入力装置を配置し該入力装置の設置場所まで移動してパスワードを入力しなくても、固有情報の読み取りを許可させることが可能となり、免許証1に格納される固有情報を円滑に利用することができる。
【0052】
(2)第2不揮発性メモリ34には、カード挿入部21に挿入されている免許証1のパスワードが記憶されるため、電子キー2のコントローラ部31は、該第2不揮発性メモリ34に記憶されているパスワードに基づいて免許証1に固有情報の読み取りを許可させることができる。このため、電子キー2の第2不揮発性メモリ34にパスワードを予め記憶することにより、認証情報入力部22を操作することなく固有情報の読み取りを許可させることができる。よって、免許証1に格納されている固有情報をより円滑に利用することができる。
【0053】
(3)電子キー2の第2不揮発性メモリ34には免許証1固有の識別番号とパスワードとが関連付けられて記憶されるため、複数の免許証1のパスワードを管理することができる。そして、コントローラ部31は、カード挿入部21に挿入されている免許証1の識別番号に対応するパスワードに基づいて免許証1に固有情報の読み取りを許可させる。このため、パスワードを書き換えることなく1つの可搬型免許証1アダプタを複数の免許証1に適用することが可能となり、可搬型免許証1アダプタの汎用性を向上させることができる。
【0054】
(4)耐タンパ機能部35により、電子キー2を構成する第1収容部材2aと第2収容部材2bとの間の当接状態が解除されると電子キー2の第2不揮発性メモリ34に記憶したパスワードが消去される。よって、電子キー2の第2不揮発性メモリ34が外部に露出し該第2不揮発性メモリ34に記憶したパスワードが不正に読み出されてしまうことを好適に防止することができる。
【0055】
(5)パスワードを消去するための電源を耐タンパ機能部35に供給する専用電源27を設けたため、電子キー2の第2不揮発性メモリ34に記憶されたパスワードを確実に消去することができる。よって、電子キー2の第2不揮発性メモリ34に記憶したパスワードが不正に読み出されることをより好適に防止することができる。
【0056】
(6)第1不揮発性メモリ33にカード挿入部21に対する免許証1の装着履歴を記憶する装着履歴格納領域33bを設けたため、該装着履歴に基づいて可搬型免許証1アダプタが不正に使用されていないか否かを確認することができる。
【0057】
(7)パスワードは暗号化して出力されるため、パスワードが不正に読みとられてしまうことを好適に防止することができる。
(8)電子キー2に照合装置7に固有情報を出力する車両側通信制御部40aを設けたため、免許証1の通信可能範囲に関わらず照合装置7による固有情報の読み取り可能範囲を決定することができる。
【0058】
(9)電子キー2の第1不揮発性メモリ33には、車両Vの所有者等、予め登録される搭乗者の免許証1の識別番号が記憶されている。コントローラ部31は、カード挿入部21に保持されている免許証1の識別番号が第1不揮発性メモリ33に格納されているか否かを判断する。そして、識別番号が格納されていない場合には、コントローラ部31は、第2不揮発性メモリ34にパスワードを記憶しない。このため、予め登録されていない搭乗者によって電子キー2が不正に使用されてしまうことを防止することができる。
【0059】
(10)管理装置3は、パスワードの入力により読み取りが認証される、すなわち不正な読み取りが困難な固有情報に基づいて、車両Vの使用を許可するため、車両Vが不正に使用されてしまうことをより好適に防止することができる。
【0060】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、免許証1の識別番号とパスワードとを電子キー2の第2不揮発性メモリ34に関連付けて記憶し、複数の免許証のパスワードを管理するようにしたが、このような態様に限定されない。例えば、免許証1がカード挿入部21に挿入されている間だけ、該免許証1のパスワードが電子キー2の第2不揮発性メモリ34に記憶されるようにしてもよい。
【0061】
・上記実施の形態では、電子キー2の筐体(第1収容部材2a及び第2収容部材2b)により第2不揮発性メモリ34が外部から区画されているが、例えば電子キー2の筐体の内部に第2不揮発性メモリ34を外部から区画するための構成を特別に設けてもよい。
【0062】
・上記実施の形態では、耐タンパ機能部35のメモリ制御部35bを動作させるための専用電源27を設けたが、省略してもよい。また、耐タンパ機能部35を省略してもよい。
【0063】
・上記実施の形態では、電子キー2の第1不揮発性メモリ33に装着履歴を記憶するようにしたが、省略してもよい。
・上記実施の形態では、電子キー2と免許証1との間の通信には、秘密鍵暗号化アルゴリズムを適用した暗号化通信を採用したが、電子キー2と免許証1との間で送受信される信号が電子キー2から外部に漏れないようにシールドされる構成とすれば、暗号化通信を採用しなくてもよい。
【0064】
・上記実施の形態では、電子キー2に車両側通信制御部40aを設け、車両Vに設けられた管理装置3(照合装置7)との間で相互通信を行うようにしたが、このような態様に限定されない。例えば、車両側通信制御部40aを省略し、管理装置3(照合装置7)と免許証1との間で通信を行うようにしてもよい。
【0065】
・上記実施の形態では、管理装置3(照合装置7)は、電子キー2のIDコードと免許証1の固有情報とに基づいてドアロック装置4にドア錠の施解錠を許可する旨の制御信号やエンジン制御部5にエンジンの始動を許可する旨の制御信号を出力するようにしたが、免許証1の固有情報のみに基づいてこれらの制御信号を出力するようにしてもよい。
【0066】
・上記実施の形態では、電子キー2は、IDコードと免許証1の固有情報とを管理装置3(照合装置7)に送信するようにしたが、このような態様に限定されない。例えば、電子キー2は、IDコードのみを管理装置3(照合装置7)に送信するようにしてもよい。なお、この場合、電子キー2側に車両の利用が許可された搭乗者の固有情報に対応する照合情報を記憶する。そして、電子キー2のコントローラ部31で免許証1の固有情報と照合情報とを照合し、固有情報と照合情報とが一致した場合に、電子キー2から管理装置3(照合装置7)にIDコードを出力するようにする。このようにすれば、管理装置3(照合装置7)は電子キー2からのIDコードのみに基づいて、電子キー2及び免許証1との間の相互認証が成立したと判断することができる。
【0067】
・上記実施の形態では、非接触型の免許証1を適用したが、接触型のICカードに適用してもよい。
・上記実施の形態では、電子キー2と図示しないホストコンピュータとの間で無線通信を行うためのアンテナ(無線LAN)29cを設けたが、例えばコネクタ部を設けて、ホストコンピュータとの間で通信を行うようにしてもよい。
【0068】
・上記実施の形態では、専用電源27の残量に応じて点灯若しくは消灯するインジケータランプ26を設けたが、省略してもよい。
・上記実施の形態では、免許証1がカード挿入部21に挿入されたことを検知するためのカード検知部21bを設けたが、省略してもよい。なお、この場合、免許証1のパスワードは、搭乗者の任意のタイミングで入力される。
【0069】
・上記実施の形態では、カバー23を設けたが、該カバー23を省略して認証情報入力部22の入力操作がロックされるようにしてもよい。
・上記実施の形態では、運転管理システムSに適用したが、例えば、ICカードとしてのキャッシュカードに格納された固有情報に基づいて所有者を特定する金融システムや、ICカードとしての社員証に格納された固有情報に基づいて施設への立ち入りを認証する認証システムに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】運転管理システムの概略構成図。
【図2】本実施の形態の可搬型ICカードアダプタの概略構成を示すブロック図。
【図3】本実施の形態の可搬型ICカードアダプタの正面図。
【図4】本実施の形態の可搬型ICカードアダプタの側面図。
【符号の説明】
【0071】
1…ICカードとしての免許証、2…可搬型ICカードアダプタとしての電子キー、2a…第1収容部材、2b…第2収容部材、7…照合装置、21…カード装着部としてのカード挿入部、22…認証情報入力部、27…専用電源、31…認証手段及び識別情報取得手段としてのコントローラ部、33…履歴記憶手段としての第1不揮発性メモリ、34…認証情報記憶手段としての第2不揮発性メモリ、35a…分解検知手段としての分解検知部、35b…消去手段としてのメモリ制御部、40a…固有情報出力手段としての車両側通信制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有情報及び該固有情報の読み取りを認証するための認証情報が格納されたICカードが装着されるカード装着部と、
該カード装着部に装着されたICカードの認証情報の入力操作が可能な認証情報入力部と、
前記認証情報入力部を介して入力された前記認証情報に基づいて、前記カード装着部に装着された前記ICカードに前記固有情報の読み取りを許可させる認証手段と
を備えたことを特徴とする可搬型ICカードアダプタ。
【請求項2】
請求項1に記載の可搬型ICカードアダプタにおいて、
前記カード装着部に装着されている前記ICカードの前記認証情報を記憶する認証情報記憶手段を備え、
前記認証手段は、前記認証情報記憶手段に記憶されている前記認証情報に基づいて前記ICカードに前記固有情報の読み取りを許可させることを特徴とする可搬型ICカードアダプタ。
【請求項3】
請求項2に記載の可搬型ICカードアダプタにおいて、
前記ICカード固有の識別情報を取得する識別情報取得手段を備え、
前記認証情報記憶手段は、前記識別情報と前記認証情報とを関連付けて記憶し、
前記認証手段は、前記カード装着部に装着されているICカードの識別情報に対応する前記認証情報に基づいて、前記ICカードに前記固有情報の読み取りを許可させることを特徴とする可搬型ICカードアダプタ。
【請求項4】
請求項2又は3の何れか1項に記載の可搬型ICカードアダプタにおいて、
前記認証情報記憶手段は、第1収容部材と該第1収容部材に当接する第2収容部材とにより外部から区画された空間に収容されるものであり、
前記第1収容部材と前記第2収容部材との間の当接状態が解除されたことを検出する分解検知手段と、
該分解検知手段が前記第1収容部材と前記第2収容部材との間の当接状態が解除されたことを検知した場合に前記認証情報記憶手段に記憶した認証情報を消去する消去手段と
を備えたことを特徴とする可搬型ICカードアダプタ。
【請求項5】
請求項4に記載の可搬型ICカードアダプタにおいて、
前記認証情報記憶手段は、不揮発性メモリであり、
前記第1収容部材と前記第2収容部材との間の当接状態が解除された場合に前記認証情報を消去するための電源を前記消去手段に供給する専用電源を備えたことを特徴とする可搬型ICカードアダプタ。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の可搬型ICカードアダプタにおいて、
前記カード装着部に対する前記ICカードの装着履歴を記憶する履歴記憶手段を備えたことを特徴とする可搬型ICカードアダプタ。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載の可搬型ICカードアダプタにおいて、
前記認証手段は、前記認証情報を暗号化して出力し、前記ICカードに前記固有情報の読み取りを許可させることを特徴とする可搬型ICカードアダプタ。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載の可搬型ICカードアダプタにおいて、
前記固有情報と照合される照合情報が格納された照合装置に前記固有情報を出力する固有情報出力手段を備えたことを特徴とする可搬型ICカードアダプタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−310497(P2008−310497A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156419(P2007−156419)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】