説明

可逆熱変色性組成物

【課題】可逆熱変色性組成物の提供。
【解決手段】本発明は、置換された又は未置換の6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン及び塩基を含む可逆熱変色性系、及び、該可逆熱変色性系及びキャリヤ材料を含む可逆熱変色性組成物、及び、新規な置換された6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオンに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換された又は未置換の6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン及び塩基を含む可逆熱変色性系、及び、該可逆熱変色性系及びキャリヤ材料を含む可逆熱変色性組成物、及び、新規な置換された6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオンに関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願公開第438376号明細書は、光変色性系における6,11−ジアリールオキシ−ナフタセン−5,12−ジオンに関する。いくつかの置換6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオンが、6,11−ジアリールオキシ−ナフタセン−5,12−ジオンの調製のための出発材料として使用されている。
【0003】
6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオンは、いくつかの刊行物に記載されている:米国特許第4033923号明細書、独国特許第659638号明細書;英国特許第1601945号明細書;特開昭49−080143号公報のCAN82:87790;CAN82:74575;ラッセル等、オーガニック マグネティック レゾナンス、1969年、第1巻、125〜137頁;リー等、エレクトロキミカ アクタ(Electrochimica Acta)、第25巻、1135〜1142頁;ヴァイツマン等、ジャーナルオブザケミカルソサイアティ(J.Chem.Soc.)、1939年、398〜400頁;及びタンマン等、アルツナイミッテルフォルシュンク(Arzneimittelforschung)、1961年、第11巻、474〜476頁。
【特許文献1】欧州特許第438376号明細書
【特許文献2】米国特許第4033923号明細書
【特許文献3】独国特許第659638号明細書
【特許文献4】英国特許第1601945号明細書
【特許文献5】特開昭49−080143号公報のCAN82:87790
【特許文献6】CAN82:74575
【非特許文献1】ラッセル等、オーガニック マグネティック レゾナンス、1969年、第1巻、125〜137頁;リー等、エレクトロキミカ アクタ(Electrochimica Acta)、第25巻、1135〜1142頁
【非特許文献2】ヴァイツマン等、ジャーナルオブザケミカルソサイアティ(J.Chem.Soc.)、1939年、398〜400頁
【非特許文献3】タンマン等、アルツナイミッテルフォルシュンク(Arzneimittelforschung)、1961年、第11巻、474〜476頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既知の可逆有機熱変色性系は、ロイコ染料等の塩基性発色剤及びフェノール性化合物等の酸性顕色剤から成る。低温では、これらの成分は暗色の塩であり、加熱すると、一定温度以上で解離する。冷却すると、該暗色の塩が再び形成する。主な欠点は、塩基性発色剤及び酸性顕色剤の光安定性が乏しく、変色が遅らせられ得、このような系は、押出によって製造されたプラスチック製品において不利な低い熱安定性を有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に従った系は、使用される化合物は非常に高い光安定性を有し得、変色の遅れがほとんど又は全くないため、これらの欠点を有さない。例えば、変色は完全に可逆であり、多数の高温−低温サイクル後にも本質的に疲労はない。本発明に従った系又は化合物は
、加熱により変色し、冷却により、もとの色に戻る。従って、低温では、系又は化合物は一つの化学形態にあり、加熱により系又は化合物は変色し、他の化学形態になる。本発明において、一つの形態は6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン(例えば、以下に定義する式(I)で表わされる化合物)及び塩基であり、他の形態は式(II)で表わされる化合物である。低温環境では、色は、例えば、紫色又は青色であり、加熱により、例えば、オレンジ色又は赤色になる。6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオンは熱的に完全に安定であるため、汎用熱可塑性ポリマーへの導入において要求される高温で押出すことができる。
【0006】
本発明は、
a)6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン及び
b)塩基
を含む可逆熱変色性系に関する。
【0007】
興味深いのは、成分a)が、式(I)
【化1】

(式中、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、独立して、H、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数1ないし30のアルコキシ基、炭素原子数1ないし30のアルキルチオ基、炭素原子数1ないし30のアルキルスルホキシル基、炭素原子数1ないし30のアルキルスルホニル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルケニルオキシ基、炭素原子数2ないし30のアルケニルチオ基、炭素原子数2ないし30のアルケニルスルホキシル基、炭素原子数2ないし30のアルケニルスルホニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニルオキシ基、炭素原子数2ないし30のアルキニルチオ基、炭素原子数2ないし30のアルキニルスルホキシル基、炭素原子数2ないし30のアルキニルスルホニル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数6ないし10のアリールオキシ基、炭素原子数6ないし10のアリールチオ基、炭素原子数6ないし10のアリールスルホキシル基、炭素原子数6ないし10のアリールスルホニル基、ハロゲン原子、NO2、CN、COO−R9、OCO−R10、CO−NR911又はNR12−CO−R13を表わし、ここで、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びアラルキル基は、置換されているか又は未置換であるか、
又は、R2、R3、R6及び/又はR7は、ヒドロキシ基を表わし;
又は、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つの隣接する基は、それらが直接結合する2つの炭素原子と一緒になって、5−又は6−員の脂環式又は複素環式環構造を形成するか;
又は、置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つは、以下のように定義され:
一方の置換基は、

【化2】

を表わし、他方の置換基は、基
【化3】

を表わし、それにより一方の置換基の角括弧の開放端部分と他方の置換基の角括弧の開放端部分は、それらの両方が結合する分子部分と一緒になって、オリゴマー又はポリマー中でx回繰り返される部分であるモノマー単位を形成し;
10及びR13は、独立して、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基又は有機ポリマーを表わし、ここで、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は置換されているか又は未置換であり;
9はHを表わすか、又はR10において定義した通りであり;
11及びR12は、独立して、H又は炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし12のアラルキニル基を表わし、ここで、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は置換されているか又は非置換であり;
Vは、独立して、CH2、S、SO又はSO2を表わし;
1は、炭素原子数1ないし30のアルキレン基を表わし;
L及びL’は、A又はBを表わし;LがAを表わす場合、L’はBを表わし;LがBを表わす場合、L’はAを表わし;
Aは、O、S又はNR14を表わし;
14は、H、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基又は炭素原子数8ないし12のアラルケニル基を表わし;
Bは、COを表わし;
2は、炭素原子数1ないし30のアルキレン基を表わし;前記アルキレン基は、所望により、O、S、SO、SO2、NR14によって中断されるか、又は、G2は、基
【化4】

の1つを表わし、
15は、H又はCH3を表わし;
q、r及びsは、独立して、1から20の整数を表わし;
16は、NH2、NHR14又は
【化5】

を表わし;
17及びR18は、独立して、R14において定義した通りであるか、又は
【化6】

を表わし;
19及びR20は、独立して、炭素原子数1ないし20のアルキレン基を表わし;
3は、G2と同じ意味を有し;
LがAを表わす場合、TはHを表わし;L=Bの場合、TはOHを表わし;
x及びyは、独立して、1ないし20の整数を表わし;
zは、ないし20の整数を表わし;
置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、COO−R21、CONR2122、OCO−R23、NR21CO−R23、NR2122、O−R23、S−R23、SO−R23及び/又はS(=O)2−R23で置換されているか;又は、置換されたアリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基及び/又は炭素原子数2ないし30のアルキニル基で置換されており;
23は、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし12のアラルキニル基を表わし;
21及びR22は、独立して、Hを表わすか、又は、R23において定義した通りである。)で表わされる化合物又はその互変異性体の1つであるところの可逆熱変色性系である。
【0008】
式(I)で表わされる化合物は、式(101)、(102)及び/又は(103)
【化7】

で表わされる互変異性体を形成し得る。
【0009】
1つの基
【化8】

と、1つの基
【化9】

を有する式(I)で表わされる化合物のオリゴマー又はポリマーにおいて、分子のx、y及びz回の部分である単位は、オリゴマー又はポリマー中にランダムに分布され得るが、但し、基Lは他の基Lに直接結合せず、かつ基L’は他の基L’に直接結合しない。
【0010】
興味深いのは、置換基R1、R4、R5及びR8が、COO−CH3及びCOO−CH2CH3を表わさないこと、例えば、R9=炭素原子数1ないし4のアルキル基であるところの、特にR9がアルキル基を表わすところのCOO−R9を表わさないこと、とりわけ、COOR9を表わさないことである。この段落で言及されるアルキル基は、例えば、未置換であり、特に、未置換であるか又は置換されている。
【0011】
興味深いのは、置換基R2、R3、R6及びR7が、COO−イソブチル基及びCOO−CH2CH2−O−C2CH3を表わさないこと、例えば、R9が置換されたエチル基又は未置換のブチル基(例えば、枝分かれした、例えば、枝分かれした又は直鎖の)を表わすところのCOO−R9ではないこと、特に、R9が未置換の又は置換された炭素原子数2ないし4の置換アルキル基(例えば、未置換の又は置換された炭素原子数1ないし5のアルキル基、特に、置換された又は未置換のアルキル基)を表わすところのCOO−R9ではないこと、とりわけCOO−R9ではないことである。
【0012】
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つの隣接する基は、2つの隣接する基が、互いに直接結合されるところの2つの炭素原子に結合されると理解される。
【0013】
例えば、R1ないしR8の1つ又は2つの置換基は、有機ポリマーである基R9、R10又はR13を含み、特に、置換基R1ないしR8の1つのみが前記基を含む。
【0014】
例えば、R1及びR4又はR2及びR3のみが、有機ポリマーである基R9、R10又はR13基を含み、例えば、R2及びR3のみが前記基を含む。
【0015】
例えば、R1又はR2のみが、有機ポリマーである基R9、R10又はR13を含み、特に、R2のみが前記基を含む。
【0016】
興味深いのは、合成有機ポリマーであるR9、R10又はR13としての有機ポリマーである。
【0017】
更に興味深いのは、反応前にOH、NH2、NH、CONH2、COO−アルキル基(例えば、炭素原子数1ないし30のアルキル基、特にメチル基)及び/又はCOOH基等の官能基を少なくとも一つ含み、反応において、他の適当な官能基を用いてエステル基又はアミド基を形成するところのR9、R10又はR13としての有機ポリマーである。また、更に興味深いのは、アクリル単位又はビニル基を含むR9、R10又はR13としての有機ポリマー、例えば、アクリル系ポリマー又はコポリマー又はポリオレフィンである。
【0018】
9、R10又はR13としての有機ポリマーの例は、以下のリストの第1ないし第3項目
、第5ないし第6a項目、第7項目、第9ないし第14項目、第18項目、第24項目及び第25項目で言及された有機ポリマーである。
【0019】
本明細書の定義において、用語‘‘アルキル基’’は、示された炭素原子数の範囲内のもの、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基及びドデシル基を含む。
【0020】
例えば、用語‘‘アルキル基’’は、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基及びメチルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基を含む。好ましくは、用語‘‘アルキル基’’はシクロアルキル基を含まない。
【0021】
アルケニル基の例は、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基及びドデセニル基である。用語‘‘アルケニル基’’は、共役又は非共役であり得る二重結合を1つ以上有する残基も含む。
【0022】
アルキニル基の例は、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ウンデシニル基及びドデシニル基である。用語‘‘アルキニル基’’は、三重結合を一つ以上有し、所望により二重結合を一つ以上有し、不飽和結合が共役又は非共役であり得るところの残基を含む。
【0023】
アルキレン基の例は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、第二ブチレン基、イソブチレン基、第三ブチレン基、2−エチルブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、1−メチルペンチレン基、1,3−ジメチルブチレン基、n−ヘキシレン基、1−メチルヘキシレン基、n−ヘプチレン基、2−メチルヘプチレン基、1,1,3,3,−テトラメチルブチレン基、1−メチルヘプチレン基、3−メチルヘプチレン基、n−オクチレン基、2−エチルヘキシレン基、1,1,3−トリメチルヘキシレン基、1,1,3,3−テトラメチルペンチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、1−メチルウンデシレン基及びドデシレン基である。
【0024】
アルケニレン基の例は、示された炭素原子数の範囲内のもの、ビニレン基、アリーレン基、ブテニレン基、ペンテニレン基、ヘキセニレン基、ヘプテニレン基、オクテニレン基、ノネニレン基、デセニレン基、ウンデセニレン基及びドデセニレン基である。用語‘‘アルケニレン基’’は、共役又は非共役であり得る二重結合を1つ以上有する残基も含む。
【0025】
アリール基は、例えばフェニル基であり、アラルキル基は、例えばベンジル基である。
【0026】
アラルケニル基の例は、2−フェニルエテニル基であり、アラルキニル基の例は、2−フェニルエチニル基である。
【0027】
アリーレン基の例は、フェニレン基である。
【0028】
例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホキシル基又はアルキルスルホニル基は、適当な数の炭素原子を有する上記で定義したアルキル基が、O、S、SO又はS(=O)2にそれぞれ結合されていることを意味する。
【0029】
例えば、アルケニルオキシ基、アルケニルチオ基、アルケニルスルホキシル基又はアルケニルスルホニル基は、適当な数の炭素原子を有する上記で定義したアルケニル基が、O、S、SO又はS(=O)2にそれぞれ結合されていることを意味する。
【0030】
例えば、アルキニルオキシ基、アルキニルチオ基、アルキニルスルホキシル基又はアルキニルスルホニル基は、適当な数の炭素原子を有する上記で定義したアルキニル基が、O、S、SO又はS(=O)2にそれぞれ結合されていることを意味する。
【0031】
例えば、炭素原子数6ないし10のアリールオキシ基、炭素原子数6ないし10のアリールチオ基、炭素原子数6ないし10のアリールスルホキシル基又は炭素原子数6ないし10のアリールスルホニル基は、適当な数の炭素原子を有する上記で定義したアリール基が、O、S、SO又はS(=O)2にそれぞれ結合されていることを意味する。
【0032】
ハロゲン原子の例は、F、Cl、Br及びI、特にCl及びBrであり、特にClである。
【0033】
特に興味深いのは、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、独立して、H、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数1ないし30のアルコキシ基、炭素原子数1ないし30のアルキルチオ基、炭素原子数1ないし30のアルキルスルホキシル基、炭素原子数1ないし30のアルキルスルホニル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルケニルオキシ基、炭素原子数2ないし30のアルケニルチオ基、炭素原子数2ないし30のアルケニルスルホキシル基、炭素原子数2ないし30のアルケニルスルホニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニルオキシ基、炭素原子数2ないし30のアルキニルチオ基、炭素原子数2ないし30のアルキニルスルホキシル基、炭素原子数2ないし30のアルキニルスルホニル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数6ないし10のアリールオキシ基、炭素原子数6ないし10のアリールチオ基、炭素原子数6ないし10のアリールスルホキシル基、炭素原子数6ないし10のアリールスルホニル基、ハロゲン原子、NO2、CN、COO−R9、OCO−R10、CO−NR911又はNR12−CO−R13を表わし、ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びアラルキル基は、置換されているか又は未置換であるか、
又は、R2、R3、R6及び/又はR7はヒドロキシ基を表わすか;
又は、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つの隣接する基は、それらが直接結合する2つの炭素原子と一緒になって5−又は6−員の脂環式又は複素環式環構造を形成し;ここで、前記環構造は、所望により、1つ又は2つのカルボニル基を及び/又は1つ又は2つのヘテロ原子、即ちO、N、S、Se及び/又はPを含み;前記環構造は、未置換であるか、又は炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、未置換の又は置換された炭素原子数6ないし10のアリール基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、COO−R21、CONR2122、OCO−R23、NR21CO−R23、NR2122、O−R23、S−R23、SO−R23、S(=O)2−R23、有機ポリマー又はオリゴマー、及び/又は、炭素原子及び所望により1つ又は2つのカルボニル基及び/又は1つ又は2つのヘテロ原子、即ちO、N、S、Se及び/又はPを含む縮環された(anellated)5−又は6−員の飽和又は不飽和環構造によって置換され、前記縮環された環構造は、未置
換であるか又は炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、COO−R21、CONR2122、OCO−R23、NR21CO−R23、NR2122、O−R23、S−R23、SO−R23、S(=O)2−R23、及び/又は、C及び所望により1つ又は2つのカルボニル基及び/又は1つ又は2つのヘテロ原子、即ちO、N、S、Se及び/又はPを含む縮環された5−又は6−員の飽和又は不飽和環構造によって置換されるか;
又は、置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つは、以下のように定義され:
一方の置換基は、

【化10】

を表わし、他方の置換基は、基
【化11】

を表わし、一方の置換基の角括弧の開放端部分と他方の置換基の角括弧の開放端部分は、それらの両方が結合する分子部分と一緒になって、オリゴマー又はポリマー中でx回繰り返される部分であるモノマー単位を形成し;
q、r、及びsは、独立して、1ないし5の整数を表わし;
他の置換基は、上記で定義した通りであるところの、可逆熱変色性系である。
【0034】
特に興味深いのは、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、独立して、H、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数1ないし30のアルコキシ基、炭素原子数1ないし30のアルキルチオ基、炭素原子数1ないし30のアルキルスルホキシル基、炭素原子数1ないし30のアルキルスルホニル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルケニルオキシ基、炭素原子数2ないし30のアルケニルチオ基、炭素原子数2ないし30のアルケニルスルホキシル基、炭素原子数2ないし30のアルケニルスルホニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニルオキシ基、炭素原子数2ないし30のアルキニルチオ基、炭素原子数2ないし30のアルキニルスルホキシル基、炭素原子数2ないし30のアルキニルスルホニル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数6ないし10のアリールオキシ基、炭素原子数6ないし10のアリールチオ基、炭素原子数6ないし10のアリールスルホキシル基、炭素原子数6ないし10のアリールスルホニル基、ハロゲン原子、NO2、CN、COO−R9、OCO−R10、CO−NR911又はNR12−CO−R13を表わし、ここで、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びアラルキル基は、置換されているか又は未置換であるか、
又は、R2、R3、R6及び/又はR7はヒドロキシ基を表わすか;
又は、R2及びR3は、それらが直接結合する2つの炭素原子と一緒になって5−又は6−員の脂環式又は複素環式環構造を形成し、即ち、R2及びR3は、一緒になって、基CO−O−CO又はCO−NR24−COを形成するか;
又は、R2とR3は、以下のように定義され:
一方の置換基は、

【化12】

を表わし、他方の置換基は、基
【化13】

を表わし、一方の置換基の角括弧の開放端部分と他方の置換基の角括弧の開放端部分は、それらの両方が結合する分子部分と一緒になって、オリゴマー又はポリマー中でx回繰り返される部分であるモノマー単位を形成し;
24は、炭素原子数2ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基又は
【化14】

を表わし、ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は、上記で定義した通り、置換されているか又は未置換であり;
qは、2ないし4の整数を表わし;
r及びsは、独立して、1ないし3の整数を表わし;
Wは、炭素原子数6ないし10のアリーレン基、炭素原子数1ないし30のアルキレン基、炭素原子数1ないし30のアルケ−1−エニレン基、NR11又はOを表わし;
25は、H又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし;
他の置換基は上記で定義した通りであるところの、可逆熱変色性系である。
【0035】
更に特に興味深いのは、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、独立して、H、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数1ないし30のアルコキシ基、炭素原子数1ないし30のアルキルチオ基、炭素原子数1ないし30のアルキルスルホキシル基、炭素原子数1ないし30のアルキルスルホニル基、炭素原子数6のアリール基、炭素原子数6のアリールチオ基、炭素原子数6のアリールスルホキシル基、炭素原子数6のアリールスルホニル基、ハロゲン原子、COO−R9、OCO−R10を表わし、ここで、前記アルキル基及びアリール基は置換されているか又は未置換であるか、
又は、R2及びR3は、それらが直接結合する2つの炭素原子と一緒になって5−又は6−員の脂環式又は複素環式環構造を形成し、即ちR2及びR3は、一緒になって基CO−O−CO又はCO−NR24−COを形成するか;
又は、R2とR3は、以下のように定義され:
一方の置換基は、

【化15】

を表わし、他方の置換基は、基
【化16】

を表わし、一方の置換基の角括弧の開放端部分と他方の置換基の角括弧の開放端部分は、それらの両方が結合する分子部分と一緒になって、オリゴマー又はポリマー中でx回繰り返される部分であるモノマー単位を形成し;
10は、炭素原子数1ないし30のアルキル基又は炭素原子数6のアリール基を表わし、ここで、アルキル基及びアリール基は、置換されているか又は未置換であり;
9は、Hを表わすか又はR10において定義した通りであり;
24は、未置換の又は置換された炭素原子数2ないし30のアルキル基又は炭素原子数6のアリール基を表わし;
Vは、SO2を表わし;
1は、炭素原子数2ないし10アルキレン基を表わし;
L及びL’は、A又はBを表わし;LがAを表わす場合、L’はBを表わし;LがBを表わす場合、L’はAを表わし;
Aは、Oを表わし;
Bは、COを表わし;
2は、炭素原子数2ないし10のアルキレン基を表わし;
3は、G2と同じ意味を有し;
LがAを表わす場合、TはHを表わし;LがBを表わす場合、TはOHを表わし;
x及びyは、独立して、1ないし10の整数を表わし;
zは、0ないし10の整数を表わし;
置換されたアルキル基及び置換されたアリール基は、ヒドロキシ基、COO−R21、OCO−R23及び/又はO−R23によって置換されるか;又は、アリール基は、炭素原子数1ないし15のアルキル基によって置換されており;
23は、炭素原子数1ないし15のアルキル基を表わし;
21は、Hを表わすか又はR23において定義した通りであるところの、可逆熱変色性系である。
【0036】
更に特に興味深いのは、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、独立して、H、炭素原子数1ないし30のアルキルチオ基、炭素原子数1ないし30のアルキルスルホニル基、COO−R9、炭素原子数6のアリール基を表わし、ここで前記アルキル基は、置換されているか又は未置換であるか、
又は、R2及びR3は、それらが直接結合する2つの炭素原子と一緒になって5−又は6−員の脂環式又は複素環式環構造を形成し、即ち、R2及びR3は、一緒になって、基CO−O−CO又はCO−NR24−COを形成するか;
又は、置換基R2及びR3は、以下のように定義され:
一方の置換基は、

【化17】

を表わし、他方の置換基は、基
【化18】

を表わし、それにより一方の置換基の角括弧の開放端部分と他方の置換基の角括弧の開放端部分は、それらの両方が結合する分子部分と一緒になって、オリゴマー又はポリマー中でx回繰り返される部分であるモノマー単位を形成し;
9は、H又は炭素原子数1ないし30のアルキル基を表わし、ここで前記アルキル基は、置換されているか又は未置換であり;
24は、未置換の又は置換された炭素原子数2ないし30のアルキル基又は炭素原子数6のアリール基を表わし;
Vは、SO2を表わし;
1は、炭素原子数2ないし10のアルキレン基を表わし;
L及びL’は、A又はBを表わし;LがAを表わす場合、L’はBを表わし;LがBを表わす場合、L’はAを表わし;
Aは、Oを表わし;
Bは、COを表わし;
2は、炭素原子数2ないし10のアルキレン基を表わし;
3は、G2と同じ意味を有し;
LがAを表わす場合、TはHを表わし;L=Bの場合、TはOHを表わし;
x及びyは、独立して、1ないし10の整数を表わし;
zは、0ないし10の整数を表わし;
置換されたアルキル基及び置換されたアリール基は、ヒドロキシ基及び/又はCOO−R21によって置換されるか;又は、アリール基は、炭素原子数1ないし15のアルキル基によって置換されており;
21は、H又は炭素原子数1ないし15のアルキル基を表わすところの、可逆熱変色性系である。
【0037】
最も特に興味深いのは、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、独立して、H、炭素原子数2ないし20のアルキルチオ基、炭素原子数2ないし20のアルキルスルホニル基、COO−R9、炭素原子数6のアリール基を表わし、ここで、前記アルキル基は、置換されているか又は未置換であるか、
又は、R2及びR3は、それらが直接結合する2つの炭素原子と一緒になって5−又は6−員の脂環式又は複素環式環構造を形成し、即ち、R2及びR3は、一緒になって、基CO−O−CO又はCO−NR24−COを形成し;
9は、H又は炭素原子数3ないし20のアルキル基を表わし、ここで前記アルキル基は、置換されているか又は未置換であり;
24は、未置換の又は置換された炭素原子数4ないし20のアルキル基又は炭素原子数6のアリール基を表わし;
置換されたアルキル基及び置換されたアリール基は、ヒドロキシ基及び/又はCOO−R21によって置換されるか;又は、アリール基は、炭素原子数1ないし15のアルキル基によって置換されており;
21は、H又は炭素原子数1ないし15のアルキル基を表わすところの、可逆熱変色性系である。
【0038】
例は、R1ないしR8の1ないし4つの置換基がHを表わさないところの可逆熱変色性系である。
【0039】
他の例は、R1、R4、R5及びR8がHを表わし、かつR2、R3、R6及びR7がHを表わさないところの可逆熱変色性系である。
【0040】
更なる例は、R1及びR4ないしR8がHを表わし、R2及びR3がHを表わさないところの可逆熱変色性系である。
【0041】
他の例は、R1及びR3ないしR8がHを表わし、R2がHを表わさないところの可逆熱変色性系である。
【0042】
最も興味深いのは、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つが、スルホキシル基、スルホニル基、エステル基、エーテル基又はアミド基を表わすか、又は該基を含み、ここで、前記スルホニル基がフェニルスルホニル基である場合、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8の少なくとも2つは、フェニルスルホニル基を表わすか、又は、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも2つの基が、カルボキシ基を表わすか、又は、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つの隣接する基は、マレイン酸メチルイミド又はベンゼンでない5−又は6−員の環構造を形成するか、又は、
式(I)で表わされる化合物が、オリゴマー又はポリマーであるところの、可逆熱変色性系である。
【0043】
これらのスルホキシル基、スルホニル基、エステル基、エーテル基及びアミド基及び5−又は6−員の環構造は、上記に定義したものである。
【0044】
マレイン酸メチルイミド及びベンゼンは、前記残基が、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つの隣接する基が直接結合する2つの炭素原子と一緒になって、該隣接する基によって形成されることを意味する。
【0045】
‘‘式(I)で表わされる化合物はオリゴマー又はポリマーである’’は、それがオリゴマー又はポリマーの一部であることを意味する。例えば、これは、置換基R1ないしR8の少なくとも一つが、有機ポリマーであるR9、R10及び/又はR13の基を含むか、又は、置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つが以下の通り定義されることを意味する:
一方の置換基は、

【化19】

を表わし、他方の置換基は、基
【化20】

を表わす。
【0046】
好ましいのは、塩基b)が少なくとも150の分子量を有する、可逆熱変色性系である。
【0047】
特に好ましいのは、塩基b)が少なくとも300の分子量を有する、可逆熱変色性系である。
【0048】
例えば、分子量は、1モル当りのグラム数で示される。
【0049】
より特に好ましいのは、塩基b)が、第2級又は第3級アミン、又は、第2級又は第3級ホスフィンであって、ここで、前記アミン及び前記ホスフィンは芳香族ではなく、かつ、前記アミン又は前記ホスフィンに直接結合する芳香族置換基を有さないところの、可逆熱変色性系である。
【0050】
第2級又は第3級アミン、又は、第2級もしくは第3級ホスフィンは、2つ又は3つの有機置換基を有する。
【0051】
例えば、第2級アミンは、NHR2627であり、第3級アミンはNR262728であり、第2級ホスフィンはPHR2627であり、第3級ホスフィンはPR262728であり、前記式中、R26、R27及びR28は、独立して、1ないし500個の炭素原子及び所望により1ないし200個のヘテロ原子、特に、N、P、O、S、Se、Cl、Br及び/又はIを含む有機残基を表わすか;又は、R26及びR27は、それらが結合するNと一緒になって、所望により置換された5−又は6−員環の環式環構造を形成し;例えば、このように所望により置換された環式環構造は立体障害アミンであるが;
但し、第2級又は第3級アミン、又は、第2級又は第3級ホスフィンは、COOH及びSO2OH等の酸性基を含まない。
【0052】
例えば、R26、R27及びR28は、独立して、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基又は炭素原子数8ないし12のアラルキニル基を表わし、前記基は、未置換であるか又はCOO−R21、CONR2122、OCO−R23、NR21CO−R23、NR2321、O−R23、S−R23、SO−R23及び/又はS(=O)223の1つ以上で置換されるか;又は、前記アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基及び/又は炭素原子数2ないし30のアルキニル基で置換されるか;又は、前記アミンは立体障害アミンであり;R21、R22及びR23は上記で定義した通りである。
【0053】
最も特に好ましいのは、塩基b)が、第2級又は第3級アミン、例えば、第2級アミン、例えば、第2級立体障害アミン等の第2級又は第3級立体障害アミンである、可逆熱変色性系である。
【0054】
第2級又は第3級立体障害アミンは、好ましくは、式(III)
【化21】

(式中、
4、G5、G6及びG7は、独立して、メチル基又はエチル基、例えばメチル基を表わし;
Eは、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基又は炭素原子数3ないし18のアルケニル基、例えば、炭素原子数1ないし18のアルキル基又は水素原子、特に、水素原子を表わし;
10は、未置換の、又は、OH、=Oによって又は合計で1ないし500個の炭素原子
数を含む有機残基1つ又は2つによって置換された炭素原子である。
【0055】
第2級又は第3級立体障害アミンは、好ましくは、式(A)ないし式(M)
【化22】

【化23】

【化24】

(式中、
E、G4、G5、G6及びG7は、上記で定義した通りであり;
mは、0又は1を表わし;
29は、水素原子、ヒドロキシル基又はヒドロキシメチル基を表わし;
30は、水素原子、1ないし12個の炭素原子を有するアルキル基又は2ないし12個の炭素原子を有するアルケニル基を表わし;
aは1ないし4を表わし;
aが1を表わす場合、
31は、水素原子、1ないし18個の炭素原子を有するアルキル基、4ないし18個の炭素原子数を有するアルコキシカルボニルアルキレンカルボニル基、2ないし18個の炭素原子を有するアルケニル基、グリシジル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、アルキル基が酸素によって中断された3ないし12個の炭素原子を有する2−ヒドロキシ又は2−(ヒドロキシメチル)置換アルキル基、2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族又は不飽和脂肪族カルボン酸又はカルバミン酸のアシル基、7ないし12個の炭素原子を含む脂環式カルボン酸又はカルバミン酸のアシル基、又は7ないし15個の炭素原子を含む芳香族酸のアシル基を表わし;
aが2を表わす場合、
31は、2ないし18個の炭素原子を有するアルキレン基、2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族又は不飽和脂肪族ジカルボン酸又はジカルバミン酸の2価のアシル基、7ないし12個の炭素原子を含む脂環式ジカルボン酸又はジカルバンミン酸の2価のアシル基、又は8ないし15個の炭素原子を含む芳香族ジカルボン酸の2価のアシル基を表わし;
aが3を表わす場合、
31は、6ないし18個の炭素原子を含む脂肪族又は不飽和脂肪族トリカルボン酸の3価のアシル基、又は9ないし15個の炭素原子を含む芳香族トリカルボン酸の3価のアシル基を表わし;
aが4を表わす場合、
31は、脂肪族又は不飽和脂肪族テトラカルボン酸の4価のアシル基、特に、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ブテ−2−エンテトラカルボン酸、1,2,3,5−ペンタンテトラカルボン酸及び1,2,4,5−ペンタンテトラカルボン酸を表わすか、又は、R31は、10ないし18個の炭素原子を含む芳香族テトラカルボン酸の4価のアシル基を表わし;
pは1ないし3を表わし、
32は、水素原子、1ないし18個の炭素原子を有するアルキル基又は2ないし6個の炭素原子を有するアシル基又はフェニル基を表わし;
pが1を表わす場合、
33は、フェニル基、1ないし18個の炭素原子を有するアルキル基、2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族又は不飽和脂肪族カルボン酸又はカルバミン酸のアシル基、7ないし12個の炭素原子を含む脂環式カルボン酸又はカルバミン酸のアシル基、7ないし15個の炭素原子を含む芳香族カルボン酸のアシル基を表わすか、又は、R32及びR33は、一緒になって、−(CH25CO−、フタロイル基又はマレイン酸の2価のアシル基を表わし;
pが2を表わす場合、
33は、2ないし12個の炭素原子を有するアルキレン基、2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族又は不飽和脂肪族ジカルボン酸又はジカルバミン酸の2価のアシル基、7ないし12個の炭素原子を含む脂環式ジカルボン酸又はジカルバミン酸の2価のアシル基、又は8ないし15個の炭素原子を含む芳香族ジカルボン酸の2価のアシル基を表わし;
pが3を表わす場合、
33は、6ないし18個の炭素原子を含む脂肪族又は不飽和脂肪族トリカルボン酸の3価のアシル基、又は9ないし15個の炭素原子を含む芳香族トリカルボン酸の3価のアシル基を表わし;
bは、1ないし4を表わし、
bが1を表わす場合、
34は、1ないし18個の炭素原子を有するアルコキシ基、2ないし18個の炭素原子を有するアルケニルオキシ基、1ないし18個の炭素原子を有する−NHアルキル基又は2ないし36個の炭素原子を有する−N(アルキル)2基を表わし、
bが2を表わす場合、
34は、2ないし18個の炭素原子を有するアルキレンジオキシ基、2ないし18個の炭素原子を有するアルケニレンジオキシ基、2ないし18個の炭素原子を有する−NH−アルキレン−NH−又は2ないし18個の炭素原子を有する−N(アルキル)−アルキレン−N(アルキル)−を表わすか、又は、R34は、4−メチル−1,3−フェニレンジアミノ基を表わし、
bが3を表わす場合、
34は、3ないし18個の炭素原子を含む飽和又は不飽和脂肪族トリオールの3価のアルコキシ基を表わし、
bが4を表わす場合、
34は、4ないし18個の炭素原子を含む飽和又は不飽和脂肪族テトラオールの4価のアルコキシ基を表わし、
35及びR36は、独立して、塩素原子、1ないし18個の炭素原子を有するアルコキシ基、−O−T1、2−ヒドロキシエチル基によって置換されたアミノ基、1ないし18個の炭素原子を有する−NH(アルキル)、1ないし18個の炭素原子を有するアルキル基を有する−N(アルキル)T1又は2ないし36個の炭素原子を有する−N(アルキル基)2を表わし、
37は、酸素原子を表わすか、又は、R37は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又はT1によって置換された窒素原子を表わし、
1基は、
【化25】

を表わし、
38は、水素原子又はメチル基を表わし、
cは、2ないし8を表わし、
39及びR40は、独立して、水素原子又は基T2を表わし、
2は、
【化26】

を表わし、
eは1ないし10、例えば、2ないし10を表わし;
dは、化合物が1000ないし4000amuの分子量を有するような整数を表わし、例えば、dは、3ないし10の範囲であり得;
41は、モルホリノ基、ピペリジノ基、1−ピペリジニル基、1ないし10個の炭素原子を有するアルキルアミノ基、特に、第三オクチルアミノ基等の3ないし8個の炭素原子を有する枝分かれしたアルキルアミノ基、1ないし8個の炭素原子を有するアルキル基を有する−N(アルキル)T1又は2ないし16個の炭素原子を有する−N(アルキル)2を表わし、
42は、水素原子、2ないし4個の炭素原子を有するアシル基、1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されたカルバモイル基、塩素原子で1度及びR41で1度置換されたs−トリアジニル基、又は、2つのR41置換基が異なり得るところのR41によって2度置換されたs−トリアジニル基を表わし;
43は、塩素原子、1ないし8個の炭素原子を有するアルキル基によって又はT1によって置換されたアミノ基、1ないし8個の炭素原子を有するアルキル基を有する−N(アルキル)T1、2ないし16個の炭素原子を有する−N(アルキル)2又は基T3を表わし、
3は、
【化27】

を表わし、
45は、水素原子、2ないし4個の炭素原子を有するアシル基、1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されたカルバモイル基、2ないし16個の炭素原子を有する−N(アルキル)2によって2度置換されたs−トリアジニル基又は1ないし8個の炭素原子を有するアルキル基を有する−N(アルキル)T1によって2度置換されたs−トリアジニル基を表わし;
44は、独立して、水素原子、1ないし18個の炭素原子を有するアルキル基、4ないし18個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルアルキレンカルボニル基、2ないし18個の炭素原子を有するアルケニル基、グリシジル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、アルキル基が酸素原子によって中断された3ないし12個の炭素原子を有する2−ヒド
ロキシ又は2−(ヒドロキシメチル)置換アルキル基、2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族又は不飽和脂肪族カルボン酸又はカルバミン酸のアシル基、7ないし12個の炭素原子を含む脂環式カルボン酸又はカルバミン酸のアシル基又は7ないし15個の炭素原子を含む芳香族酸のアシル基を表わす。)で表されるものである。
【0056】
第2級又は第3級立体障害アミンは、より好ましくは、式(D)又は式(L)で表わされるもの、特に、式(L)で表わされるものである。
【0057】
例えば、第2級又は第3級立体障害アミンは、式(C)で表わされるものである。
【0058】
式(C)において、好ましいのは以下に示される:
aは、1又は2、好ましくは2を表わし;
aが1を表わす場合、
31は、水素原子、1ないし18個の炭素原子を有するアルキル基又は2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族又は不飽和脂肪族カルボン酸又はカルバミン酸のアシル基を表わし、好ましくは、R31は、1ないし18個の炭素原子を有するアルキル基又は2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族カルボン酸のアシル基を表わし、最も好ましくは、R31は、2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族カルボン酸のアシル基を表わし;
aが2を表わす場合、
31は、2ないし18個の炭素原子を有するアルキレン基又は2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族又は不飽和脂肪族ジカルボン酸又はジカルバミン酸の2価のアシル基を表わし、好ましくは、R31は、2ないし18個の炭素原子を有するアルキレン基又は2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族ジカルボン酸の2価のアシル基を表わし、最も好ましくは、R31は、2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族ジカルボン酸の2価のアシル基を表わし;
式(D)において、好ましいのは、以下に示される:
pが1又は2、好ましくは、2を表わし;
32は、水素原子又は1ないし18個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくは、水素原子を表わし;
pが1を表わす場合、
33は、1ないし18個の炭素原子を有するアルキル基又は2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族又は不飽和脂肪族カルボン酸又はカルバミン酸のアシル基を表わし、例えば、R33は、アルキル基又は2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族カルボン酸のアシル基を表わし;
pが2を表わす場合、
33は、2ないし12個の炭素原子を有するアルキレン基又は2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族又は不飽和脂肪族ジカルボン酸又はジカルバミン酸の2価のアシル基を表わし、例えば、R33は、2ないし12個の炭素原子を有するアルキレン基を表わす。
【0059】
式(L)において、好ましいのは以下に示される:
cは、4ないし8を表わし;
41は、1ないし10個の炭素原子を有するアルキルアミノ基、特に第三オクチルアミノ基等の3ないし8個の炭素原子を有する枝分かれしたアルキルアミノ基、1ないし8個の炭素原子を有するアルキル基を有する−N(アルキル)T1又は2ないし16個の炭素原子を有する−N(アルキル)2を表わし;
42は、水素原子、塩素原子で一度及びR41で一度置換されたs−トリアジニル基、又は、2つのR41置換基が異なり得るという条件で、R41で2度置換されたs−トリアジニル基を表わし、例えば、R42は、水素原子又はR41で2度置換されたs−トリアジニル基を表わし;
43は上記した通りであり、例えば、R43は、基T3を表わし、
基T3のR45は、水素原子、2ないし16個の炭素原子を有する−N(アルキル)2で2度置換されたs−トリアジニル基又は1ないし8個の炭素原子を有するアルキルを有する−N(アルキル)T1で2度置換されたs−トリアジニル基を表わし、例えば、基T3のR45は、水素原子又は2ないし16個の炭素原子を有する−N(アルキル)2で2度置換されたs−トリアジニル基を表わす。
【0060】
以下の市販品が立体障害アミンとして適当である:
チヌビン(商標登録:TINUVIN)622(CAS登録番号:65447−77−0)、ホスタビン(商標登録:HOSTAVIN)N30(CAS登録番号:202483−55−4)、フェルロ(商標登録:FERRO)AM806(CAS登録番号:70800−09−8)、ダスチブ(商標登録:DASTIB)845(CAS登録番号:24860−22−8)、チヌビン(商標登録:TINUVIN)770(CAS登録番号:58829−07−9)、チヌビン(商標登録:TINUVIN)765(CAS登録番号:82919−37−7及び41556−26−7)、チヌビン(商標登録:TINUVIN)144(CAS登録番号:63843−89−0)、アデカスタブ(商標登録:ADK STAB)LA52(CAS登録番号:91788−83−9)、アデカスタブ(商標登録:ADK STAB)LA57(CAS登録番号:64022−61−3)、アデカスタブ(商標登録:ADK STAB)LA62(CAS登録番号:107119−91−5)、アデカスタブ(商標登録:ADK STAB)LA67(CAS登録番号:100631−43−4)、ホスタビン(商標登録:HOSTAVIN)N20(CAS登録番号:64338−16−5)、ホスタビン(商標登録:HOSTAVIN)N24(CAS登録番号:85099−51−0及び85099−50−9)、サンジュバー(商標登録:SANDUVOR)3050(CAS登録番号:85099−51−0及び85099−50−9)、ジアセタム(商標登録:DIACETAM)5(CAS登録番号:76505−58−3)、スミソルブ(商標登録:SUMISORB)TM61(CAS登録番号:84214−94−2)、ユビヌル(商標登録:UVINUL)4049(CAS登録番号:109423−00−9)、サンジュバー(商標登録:SANDUVOR)PR31(CAS登録番号:147783−69−5)、グッドライト(商標登録:GOODRITE)UV3034(CAS登録番号:71029−16−8)、グッドライト(商標登録:GOODRITE)UV3150(CAS登録番号:96204−36−3)、グッドライト(商標登録:GOODRITE)UV3159(CAS登録番号:130277−45−1)、グッドライト(商標登録:GOODRITE)3110×128、ユビヌル(商標登録:UVINUL)4050H(CAS登録番号:124172−53−8)、チマソルブ(商標登録:CHIMASSORB)944(CAS登録番号:71878−19−8)、チマソルブ(商標登録:CHIMASSORB)2020(CAS登録番号:192268−64−7)、サイアソルブ(商標登録:CYASORB)UV3346(CAS登録番号:82451−48−7)、サイアソルブ(商標登録:CYASORB)UV3529(CAS登録番号:193098−40−7)、ダスチブ(商標登録:DASTIB)1082(CAS登録番号:113169−96−3)、チマソルブ(商標登録:CHIMASSORB)119(CAS登録番号:106990−43−6)、ユバシル(商標登録:UVASIL)299(CAS登録番号:164648−93−5)、ユバシル(商標登録:UVASIL)125(CAS登録番号:164648−93−5)、ユバシル(商標登録:UVASIL)2000(CAS登録番号:164648−93−5)、ユビヌル(商標登録:UVINUL)5050H(CAS登録番号:152261−33−1及び199237−39−3)、リヒトシュッツシュトフ(商標登録:LICHTSCHUTZSTOFF)UV31、ルヘム(商標登録:LUCHEM)HA B 18、アデカスタブ(商標登録ADK STAB)LA63(CAS登録番号:115055−30−6)、アデカスタブ(商標登録ADK STAB)LA68(CAS登録番号:100631−44−5)又はウバソルブ(商標登録:UVASORB)HA88(CAS登録番号:136504−96−6)。
【0061】
グッドライト(商標登録:GOODRITE)3110×128は、式
【化28】

で表わされるものである。
【0062】
リヒトシュッツシュトフ(商標登録:Lichtschutzustoff)UV31は、式
【化29】

で表わされるものである。
【0063】
興味深いのは、市販の第2級立体障害アミン、即ちチマソルブ(商標登録:CHIMASSORB)944(CAS登録番号:71878−19−8)又はチマソルブ(商標登録:CHIMASSORB)2020(CAS登録番号:192268−64−7)、又はチヌビン(商標登録:TINUVIN)770(CAS登録番号:58829−07−9)、特に、チマソルブ(商標登録:CHIMASSORB)944又はチマソルブ(商標登録:CHIMASSORB)2020である。
【0064】
脂肪族カルボン酸のいくつかの例は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ステアリン酸である。脂環式カルボン酸の例は、シクロヘキサン酸である。芳香族カルボン酸の例は、安息香酸である。脂肪族ジカルボン酸の例は、マロニル酸、マレオイル酸、スクシニル酸、アジピン酸又はセバシン酸である。芳香族ジカルボン酸の残基の例は、フタロイル基等である。
【0065】
モノカルボン酸のアシル基は、定義の範囲内において、式−COR’’で表わされる残基(式中、R’’は、定義された通り、とりわけ、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基又はアリール基を表わし得る。)である。好ましいアシル基は、アセチル基、ベンゾイル基、アクリロイル基、メタクロイル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレロイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、ペンタデカノイル基、ステアロイル基を含む。多価酸のポリアシル基は、式(CO)n1−R’’(式中、n1は、原子価、例えば、2、3、4、5又は6を表わす。)で表わされるものである。
【0066】
成分a)と成分b)の質量比は、好ましくは2:1ないし1:100、より好ましくは1:1ないし1:20、最も好ましくは、1:2ないし1:16、例えば、1:3ないし1:6である。
【0067】
本発明はまた、式(II)
【化30】

(式中、
1ないしR8は、上記で定義した通りであり;
+は、アンモニウムカチオン又はホスホニウムカチオンを表わすが、
但し、
前記アンモニウムカチオン及び前記ホスホニウムカチオンは芳香族ではなく、かつ該アンモニウムカチオン又は該ホスホニウムカチオンに直接結合する芳香族置換基を有さない。)で表わされる化合物又はその互変異性体の1つに関する。
【0068】
式(II)で表わされる化合物は、互変異性体を形成し得る。例えば、これらの互変異性体は、式(104)ないし(110)
【化31】

で表わされる化合物である。
【0069】
好ましいのは、R1ないしR8が塩素原子、例えばハロゲン原子を表わさないところの式(II)で表わされる化合物である。
【0070】
例えば、M+は、第2級又は第3級アンモニウムカチオン、又は、第2級又は第3級ホスホニウムカチオンを表わす。
【0071】
好ましくは、M+は、少なくとも150、より好ましくは、少なくとも300、最も好ましくは、少なくとも35Oの分子量を有する。
【0072】
好ましくは、M+は、第2級又は第3級アンモニウムカチオン、例えば、第2級アンモニウムカチオン、特に、第2級又は第3級立体障害アンモニウムカチオン、例えば、第2級立体障害アンモニウムカチオンを表わす。
【0073】
例えば、これらの第2級又は第3級アンモニウムカチオン、又は、第2級又は第3級ホスホニウムカチオン、又は、第2級又は第3級立体障害アンモニウムカチオンは、アミン又はホスフィン官能基において、更なるH+を有する上記で定義した第2級又は第3級アミン、又は、第2級又は第3級ホスフィン、又は、第2級又は第3級立体障害アミンに相当する。
【0074】
本発明の他の態様は、
i)上記の可逆熱変色性系又は上記の式(II)で表わされる化合物、及び
ii)キャリヤ材料
を含む、可逆熱変色性組成物である。
【0075】
成分i)と成分ii)の比は、好ましくは1:10000ないし1:1、より好ましくは、1:5000ないし1:2、最も好ましくは、1:1000ないし1:5である。
【0076】
例えば、キャリヤ材料ii)は、ポリマー、溶媒及び/又はワックスである。
【0077】
例えば、キャリヤ材料ii)は、プラスチック製品、フィルム、紙、繊維、溶媒、ワックス、コーティング及び/又はインクである。
【0078】
キャリヤ材料ii)として適当なポリマーの例を、以下に示す:
1.モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテ−1−エン、ポリ−4−メチルペンテ−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(所望により架橋され得る)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)。
【0079】
ポリオレフィン、すなわち前の段落において例示したモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、異なる方法によりそしてとりわけ以下の方法により調製され得る:
a)ラジカル重合(通常は高圧下及び高温において)。
b)周期表のIVb、Vb、VIb又はVIII群の金属の一つ又はそれ以上を通常含む触媒を使用した触媒重合。これらの金属は通常、一つ又はそれ以上の配位子、典型的にはπ−又はσ−配位し得るオキシド、ハロゲン化物、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールを有する。これらの金属錯体は遊離形態であるか、又は基材に、典型的には活性化塩化マグネシウム、チタン(III)クロリド、アルミナ又は酸化ケイ素に固定され得る。これらの触媒は、重合媒体中に可溶又は不溶であり得る。該触媒は重合においてそのまま使用され得、又は他の活性化剤、典型的には金属アルキル、金属ヒドリド、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシド又は金属アルキルオキサンであって、該金属が周期表のIa、IIa及び/又はIIIa群の元
素であるものが使用され得る。活性化剤は、他のエステル、エーテル、アミン又はシリルエーテル基で都合良く変性され得る。これらの触媒系は大抵、フィリップス(Philips)、スタンダードオイルインディアナ(Standard Oil Indiana)、チグラー(Ziegler)(−ナッタ(Natta))、TNZ(デュポン(DuPont))、メタロセン又はシングルサイト触媒(SSC)と命名される。
【0080】
2.1)で言及されたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレン、ポリプロピレンとポリエチレン(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)の混合物、及び異なる型のポリエチレンの混合物(例えば、LDPE/HDPE)。
【0081】
3.モノオレフィン及びジオレフィンの互いの又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びその低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、エチレン/ノルボルネン様COC)、1−オレフィンがその場で生成されるエチレン/1−オレフィンコポリマー;プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(アイオノマー)並びにエチレンとプロピレン及びへキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデン−ノルボルネンのようなジエンとのターポリマー;及びそのようなコポリマーの互いの及び1)で上述したポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA及び交互の又はランダムのポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びそれらの他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
【0082】
4.水素化変性物(例えば粘着付与剤)を含む炭化水素樹脂(例えば炭素原子数5ないし9)及びポリアルキレン及びデンプンの混合物。
1.)ないし4.)のホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し得;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーがまた含まれる。
【0083】
5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0084】
6.スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、とりわけp−ビニルトルエン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセンの全ての異性体、及びそれらの混合物を含む芳香族ビニルモノマーから誘導された芳香族ホモポリマー及びコポリマー。ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し得;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーがまた含まれる。
6a.上述された芳香族ビニルモノマー及びエチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、マレイン酸無水物、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニル又はアクリル誘導体及びその混合物から選択されたコモノマーを含むコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/マレイン酸無水物、スチレン/アクリロニトリ
ル/メチルアクリレート;スチレンコポリマー及び他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーの高耐衝撃性の混合物;及びスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンのようなスチレンのブロックコポリマー。
6b.6.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー、とりわけアタクチックポリスチレンを水素化することにより調製されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含み、それはしばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)として言及される。
6c.6a.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー。
ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し得;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーがまた含まれる。
【0085】
7.スチレン又はα−メチルスチレンのような芳香族ビニルモノマーのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエンにスチレン、ポリブタジエン−スチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマーにスチレン;ポリブタジエンにスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレート;ポリブタジエンにスチレン及びマレイン酸無水物;ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びマレイン酸無水物又はマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーにスチレン及びアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレートにスチレン及びアクリロニトリル;アクリレート/ブタジエンコポリマーにスチレン及びアクリロニトリル、並びにそれらの6)に列挙されたコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして既知であるコポリマー混合物。
【0086】
8.ポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩化及び臭化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩化又はスルホ塩化ポリエチレン、エチレン及び塩化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−及びコポリマーのようなハロゲン原子含有ポリマー、とりわけハロゲン原子含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ボリフッ化ビニリデン並びに塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマーのようなそれらのコポリマー。
【0087】
9.α,β−不飽和酸から誘導されたポリマー及びポリアクリレート及びポリメタクリレートのようなその誘導体;ブチルアクリレートで耐衝撃改善されたポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル。
【0088】
10.9)で言及されたモノマーの互いの又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート又はアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマー又はアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0089】
11.不飽和アルコール及びアミンから誘導されたポリマー又はそれらのアシル誘導体又はアセタール、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート又はポリアリルメラミン;並びに上記1)で言及されたオレフィンとそれらのコポリマー。
【0090】
12.ポリアルキレングリコール、ボリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド又はビスグリシジルエーテルとそれらのコポリマーのような環状エーテルのホモポリマー及びコポリマー。
【0091】
13.ポリオキシメチレンのようなポリアセタール及びコモノマーとしてエチレンオキシドを含むポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレート又はMBSで変性されたポリアセタール。
【0092】
14.ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、及びポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
【0093】
15.一方はヒドロキシル末端化されたポリエーテル、ポリエステル又はポリブタジエンと、他方は脂肪族又は芳香族のポリイソシアナートから誘導されたポリウレタン、並びにそれらの前駆体。
【0094】
16.ジアミシとジカルボン酸から及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミン及びアジピン酸から開始した芳香族ポリアミド;へキサメチレンジアミン及びイソフタル酸及び/又はテレフタル酸から及び変性剤としてのエラストマーを用いて又は用いずに調製されたポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ−m−フェニレンイソフタルアミド:及び上述されたポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマー又は化学的に結合されたか又はグラフトされたエラストマーとのブロックコポリマー;又は例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールのようなポリエーテルとのブロックコポリマー;並びにEPDM又はABSで変性されたポリアミド又はコポリアミド;及び加工の間に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0095】
17.ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンズイミダゾール。
【0096】
18.ジカルボン酸とジアルコールから及び/又はヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトンから誘導されたポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)及びポリヒドロキシベンゾエート、並びにヒドロキシル末端化ポリエーテルから誘導されたブロックコポリエーテルエステル;及びまたポリカーボネート又はMBSで変性されたポリエステル。
【0097】
19.ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート。
【0098】
20.ポリケトン。
【0099】
21.ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
【0100】
22.フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂のような、1方ではアルデヒドから、他方ではフェノール、尿素及びメラミンから誘導された架橋ポリマー。
【0101】
23.乾性及び非乾性アルキド樹脂。
【0102】
24.飽和及び不飽和ジカルボン酸と、架橋剤としての多価アルコール及びビニル化合物とのコポリマーから誘導される不飽和ポリエステル樹脂、及びまたそれ自体が低可燃性のハロゲン含有変性体。
【0103】
25.置換されたアクリレートから誘導された架橋性アクリル樹脂、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート又はポリエステルアクリレート。
【0104】
26.メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート又はエポキシ樹脂で架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリレート樹脂。
【0105】
27.脂肪族、環式脂肪族、複素環式又は芳香族グリシジル化合物、例えばビスフェノールAとビスフェノールFのジグリシジルエーテル生成物から誘導される架橋されたエポキシ樹脂であって、酸無水物又はアミンのような慣用の硬化剤により、又は所望により促進剤の存在下、架橋された前記エポキシ樹脂。
【0106】
28.セルロース、ゴム、ゼラチンのような天然ポリマー及び化学的に変性されたそれらの同族の誘導体、例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース及び酪酸セルロース、又はメチルセルロースのようなセルロースエーテル、並びにロジン及びその誘導体。
【0107】
29.前記ポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
【0108】
有機ポリマーへの配合は、例えば、当該技術において慣用の方法によって、6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン及び塩基に混合すること又は適用することによって、又は、式(II)で表わされる化合物及び所望により更なる添加剤に混合又は適用することによって為され得る。配合は、成形操作の前又は成形操作中に、又は、溶解又は分散させた化合物をポリマーに適用し、その後、溶媒を蒸発させることによって行われ得る。エラストマーの場合には、これらはまた、格子として安定化され得る。ポリマー中への上記化合物の更なる配合は、対応する化合物の重合前、重合中又は重合直後に、又は、架橋前にそれらを添加することである。これに関して、上記化合物は、そのままの形態で又はカプセル化形態(例えば、ワックス、油又はポリマー中の)で添加され得る。
【0109】
ここで言及した化合物はまた、例えば、キャリヤ材料ii)に対して、2.5ないし25質量%の濃度で前記化合物を含むマスターバッチの形態でも添加され得る。
【0110】
ここで言及された化合物は、下記の方法により適切に配合され得る:
−エマルジョン又は分散液(例えば、格子又はエマルジョンポリマーに対する)として、−混合中に、更なる成分又はポリマー混合物の乾燥混合物として
−加工装置(例えば、押出機、内部ミキサー等)中へ直接導入することによって、
−溶液又は融液として。
【0111】
6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン及び塩基、又は、式(II)で表わされる化合物は、更なる添加剤あり又はなしで、プラスチック製品、繊維、フィル
ム、紙又はコーティング等のキャリヤ材料ii)上に噴霧もされ得る。他の添加剤(例えば、上記の慣用の添加剤)又はそれらの融液を希釈することができるため、それらはまた、これら添加剤と一緒にキャリヤ材料ii)上に噴霧することもできる。
【0112】
興味深いのは、更なる添加剤を含む上記で定義した可逆熱変色性組成物である。
【0113】
好ましくは、該さらなる添加剤は、抗酸化剤、紫外線吸収剤、光安定剤、金属不活性化剤、加工安定剤、チオ相乗剤、ペルオキシド掃去剤、酸素掃去剤、塩基性補助安定剤、核剤、充填剤、強化剤、難燃剤及び/又は更なる着色剤であるが、但し、更なる着色剤は、熱変色性効果を抑制せず、かつ遮蔽しない。
【0114】
最も好ましくは、該さらなる添加剤は、フェノール系抗酸化剤、アミン系抗酸化剤、ホスフィット、ホスホナイト、ヒドロキシルアミン、ニトロン、ベンゾフラノン、インドリノン、2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、オキサミド、立体障害アミン、顔料及び/又は染料である。
【0115】
このような更なる添加剤の例を以下に示す:
1.抗酸化剤
1.1.アルキル化モノフェノール、
例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、直鎖状又は側鎖において枝分れしたノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシ−1’−イル)フェノール及びそれらの混合物。
【0116】
1.2.アルキルチオメチルフェノール、
例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0117】
1.3.ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、
例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0118】
1.4.トコフェロール、
例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)。
【0119】
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、
例えば、2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−第二アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0120】
1.6.アルキリデンビスフェノール、
例えば、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0121】
1.7.O−、N−及びS−ベンジル化合物
例えば、3,5,3’,5’−テトラ−第三ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0122】
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート
例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0123】
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物
例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−
2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0124】
1.10.トリアジン化合物
例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0125】
1.11.ベンジルホスホネート
例えば、ジメチル−2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0126】
1.12.アシルアミノフェノール
例えば、4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアラニリド、オクチルN−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0127】
1.13.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、
メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0128】
1.14.β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、
メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;3,9−ビス[2−{3−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メ
チルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとのエステル。
【0129】
1.15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、
メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0130】
1.16.3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、
メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0131】
1.17.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、
N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(ユニロイヤル(Uniroyal)によって供給されるナウガード(Naugard)(登録商標)XL−1)。
【0132】
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)
【0133】
1.19.アミン酸化防止剤
例えば、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルア
ミン、N−(4−第三オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−第三オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−第三ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、第三オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブテ−2−エン。
【0134】
2.UV吸収剤及び光安定剤
2.1.2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第二ブチル−5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾレ−2−イルフェノール];2−[3’−第三ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;Rが3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イルフェニル基を表す[R−CH2CH2−COO−CH2CH2−]2−、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブ
チル)フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’− (1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0135】
2.2.2−ヒドロキシベンゾフェノン
例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ及び2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0136】
2.3.置換された及び未置換の安息香酸のエステル
例えば、4−第三ブチル−フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−第三ブチルフェニル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−第三ブチルフェニル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0137】
2.4.アクリレート
例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート及びN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン、ネオペンチルテトラ(α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート)。
【0138】
2.5.ニッケル化合物
例えば、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン又はN−シクロヘキシルジエタノールアミンのような他の配位子を伴うか又は伴わない1:1又は1:2錯体のような2,2’−チオビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、モノアルキルエステル、例えば4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルホスホン酸のメチル又はエチルエステルのニッケル塩、ケトキシム、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル−ウンデシルケトキシムのニッケル錯体、他の配位子を伴うか又は伴わない1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0139】
2.6.立体障害性アミン
例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖状又は環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキ
シ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖状又は環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−と4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号[136504−96−6]);1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びにN,N−ジブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号[192268−64−7]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、5−(2−エチルヘキサノイル)−オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、サンジュバー(クラリアント(Clariant)社;CAS登録番号[106917−31−1])、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、2,4−ビス−[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)の反応生成物、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジン−3−オン−4−イル)−アミノ)−s−トリアジン。
【0140】
2.7.オキサミド、
例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−第三ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−第三ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−第三ブチル−2’−エトキサニリド及びその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−第三ブトキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物及びo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0141】
2.8. 2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−[2−エチルヘキシルオキシ]−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0142】
3.金属不活性化剤
例えば、N,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−N’−サリチロイル−ヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0143】
4.ホスフィット及びホスホナイト、
例えば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジア
ルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)−ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−第三ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
以下のホスフィットが特に好ましい:
トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット(イルガフォス(登録商標lrgafos)168、チバ スペシャルティ ケミカルズ インコーポレーテッド)、トリス(ノニルフェニル)ホスフイット、
【化32】

【0144】
5.ヒドロキシルアミン、
例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0145】
6.ニトロン、
例えば、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されたニトロン。
【0146】
7.チオ相乗剤、
例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミスチリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート又はジステアリルジスルフィド。
【0147】
8.ペルオキシド掃去剤、
例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル、例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチル又はトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾール又は2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0148】
9.ポリアミド安定剤
例えば、ヨウ化物及び/又はリン化合物と組み合わせた銅塩及び二価マンガンの塩。
【0149】
10.塩基性補助安定剤
例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウム及びパルミチン酸カリウム、ピロカテコール酸アンチモン又はピロカテコール酸亜鉛。
【0150】
11.核剤
例えば、タルクのような無機物質、二酸化チタン又は酸化マグネシウムのような金属酸化物、好ましくはアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩又は硫酸塩;モノ−又はポリカルボン酸のような有機化合物及びそれらの塩、例えば、4−第三ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム;イオンコポリマー(アイオノマー)のようなポリマー化合物。とりわけ好ましくは1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール、及び1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトール。
【0151】
12.充填材及び強化剤
例えば、炭酸カルシウム、シリケート、ガラス繊維、ガラス球、アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、金属酸化物及び金属水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉及び他の天然物の粉末又は繊維、合成繊維。
【0152】
13.他の添加剤
例えば、可塑剤、滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流れ調節剤、蛍光増白剤、防炎加工剤、帯電防止剤及び発泡剤。
【0153】
14.ベンゾフラノン及びインドリノン
例えば、米国特許第4,325,863号明細書;米国特許第4,338,244号明
細書;米国特許第5,175,312号明細書;米国特許第5,216,052号明細書;米国特許第5,252,643号明細書;独国特許出願公開第4316611号明細書;独国特許出願公開第4316622号明細書;独国特許出願公開第4316876号明細書;欧州特許出願公開第0589839号明細書、欧州特許出願公開第0591102号明細書;欧州特許出願公開第1291384号明細書に開示されるもの、又は3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラノ−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラノ−2−オン]、5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラノ−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(2−アセチル−5−イソオクチルフェニル)−5−イソオクチルベンゾフラノ−2−オン。
【0154】
更なる添加剤は、キャリヤ材料ii)に基づき0.1ないし10質量%、例えば、0.2ないし5質量%の量で適切に使用される。
【0155】
本発明の他の態様は、可逆熱変色性系における可逆熱変色性着色剤としての、塩基と組み合わせた6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオンの使用又は上記で定義した式(II)で表わされる化合物の使用である。
【0156】
好ましくは、上記で定義したような塩基と組み合わせた6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオンの使用である。
【0157】
本発明の他の態様は、6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン及び塩基を、キャリヤへ適用すること/キャリヤに配合することによる、又は、上記で定義した式(II)で表わされる化合物を、キャリヤへ適用すること/キャリヤに配合することによるキャリヤを可逆熱変色的に着色するための方法である。
【0158】
好ましいのは、上記で定義した塩基との組み合わせにおいて6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオンを、キャリヤへ適用すること/キャリヤに配合することによるキャリヤを可逆熱変色的に着色するための方法である。
【0159】
本発明の更なる態様は、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つが、スルホキシル基、スルホニル基、エステル基、エーテル基又はアミド基を表わすか、又は該基を含み、ここで、前記スルホニル基がフェニルスルホニル基である場合、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8の少なくとも2つは、フェニルスルホニル基を表わすか、又は、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも2つの基が、カルボキシ基を表わすか、又は、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つの隣接する基は、マレイン酸メチルイミド又はベンゼンでない5−又は6−員の環構造を形成するか、又は、
式(I)で表わされる化合物が、オリゴマー又はポリマーであるが、
但し、R2、R3、R6及びR7の1つは、他の7つの置換基R1ないしR8が水素原子を表わす場合、R9はイソブチル基又は2−エトキシエチル基を表わすところのCOOR9にはなりえないところの、上記で定義した式(I)で表わされる化合物又はその互変異性体の一つである。
【0160】
本発明の他の態様は、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つは、スルホキシル基、スルホニル基、エステル基、エーテル基又はアミド基を表わすか又は該基を含み、ここで、前記スルホニル基がフェニルスルホニル基である場合、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも2つは、フェニルスルホニル基を表わすか、又は、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つの基は、カルボキシ基を表わすか、又は、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8の2つの隣接する基は、マレイン酸メチルイミド又はベンゼンではない5−又は6−員の環構造を形成するか、又は、
式(I)で表わされる化合物は、オリゴマー又はポリマーであるところの、上記で定義した式(I)で表わされる化合物又はその互変異性体の一つである。
【0161】
上記した可逆熱変色性系の式(I)で表わされる好ましい化合物において好ましいものが、これらの態様においても好ましい。
【0162】
例えば、R1ないしR8の他の7つの置換基が水素原子を表わす場合、R2、R3、R6及びR7の1つは、R9がブチル基(例えば、枝分かれした、特に枝分かれした又は直鎖状の)を表わすところの、特にR9が未置換の又は置換された炭素原子数2ないし4のアルキル基を表わすところの、とりわけR9が未置換の又は置換された炭素原子数1ないし30のアルキル基(例えば、COOR9、特にエステル基を表わし得ない)を表わすところのCOOR9を表わし得ない。
【0163】
例えば、R2、R3、R6及びR7は、R9がイソブチル基(例えば、枝分かれしたブチル基、特に枝分かれした又は直鎖状のブチル基)又は2−エトキシエチル基を表わすところの、特に未置換の又は置換された炭素原子数2ないし4のアルキル基を表わすところの、とりわけ未置換の又は置換されたアルキル基を表わすところのCOOR9を表わし得ない。興味深いのは、置換基R2、R3、R6及びR7がCOO−R9を表わさない、特にエステル基を表わさないものである。
【0164】
例えば、上記したR2、R3、R6及びR7のために好ましいものが、R1ないしR8のためにも好ましい。
【0165】
例えば、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つは、スルホキシル基、スルホニル基、エーテル基又はアミド基を表わすか又は該基を含み、ここで、前記スルホニル基がフェニルスルホニル基である場合、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも2つは、フェニルスルホニル基を表わすか、又は、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つの隣接する基は、マレイン酸メチルイミド又はベンゼンではない5−又は6−員の環構造を形成するか、又は、
式(I)で表わされる化合物は、オリゴマー又はポリマーである。
【0166】
例えば、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つは、スルホキシル基、スルホニル基、エステル基、エーテル基又はアミド基を表わし、ここで、前記スルホニル基がフェニルスルホニル基である場合、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも2つは、フェニルスルホニル基を表わすか、又は、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも2つの基は、カルボキシ基を表わすか、又は、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つの隣接する基は、マレイン酸メチルイミド又はベンゼンではない5−又は6−員の環構造を形成するか、又は、
式(I)で表わされる化合物は、オリゴマー又はポリマーである。
【0167】
興味深いのは、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つが、スルホキシル基を表わすか又は該基を含む場合である。
【0168】
また、興味深いのは、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つが、スルホニル基を表わすか又は該基を含み、ここで、前記スルホニル基がフェニルスルホニル基である場合、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも2つが、フェニルスルホニル基を表わす場合である。好ましくは、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、フェニルスルホニル基を表わさないか又は含まない。
【0169】
また、興味深いのは、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つが、エステル基を表わすか又は該基を含む場合である。好ましくは、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも2つは、エステル基を表わすか又は含む。
【0170】
また、興味深いのは、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つが、エーテル基を表わすか又は該基を含む場合である。
【0171】
また、興味深いのは、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つが、アミド基を表わすか又は該基を含む場合である。
【0172】
また、興味深いのは、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも2つ基が、カルボキシ基を表わす場合である。例えば、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つ基は、カルボキシ基を表わす。例えば、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つ以上の基が、カルボキシ基を表わす。
【0173】
また、興味深いのは、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つの隣接する基が、マレイン酸メチルイミド又はベンゼンではない5−又は6−員の環式構造を形成する場合である。例えば、環式構造は、無水マレイン酸である。例えば、環式構造はマレイン酸イミドである。例えば、環式構造はマレイン酸イミドではない。例えば、環式構造はアリール基ではない。
【0174】
また、興味深いのは、式(I)で表わされる化合物が、オリゴマー又はポリマーである場合である。
【0175】
本願明細書に記載された化合物は、既知の出発材料から当該技術で既知の方法に従って合成され得る(例えば、欧州特許出願公開第0438376号明細書参照。)。本願明細書に記載された化合物のいくつかは市販されている。
【0176】
式(II)で表わされる化合物は、a)式(I)で表わされる化合物又はその互変異性体の1つと、b)ホスフィン系又はアミン系塩基とを混合し、それらを一緒に反応させることによって製造され得る:
A)成分の融点又は軟化点より高い温度で混合物を溶融し、結果として生じた塩を室温まで冷却することによって、又は
B)成分a)及びb)を慣用の溶媒中に溶解し、加熱又は真空中で溶媒を蒸発させ、残渣を室温まで冷却することによって。両方の成分を溶解することができ(しかし、それらと反応しない)、かつその後、蒸発させることができる限りは、ほとんどの溶媒がこの目的のために使用され得る。溶媒のいくつかの例は、ジクロロメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミド、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル及び酢酸ブチル及びそれらの混合物である。
【0177】
上記の可逆熱変色性系又は組成物又は式(II)で表わされる化合物は、機器又は装置中において温度変化を示すために使用され得る。温度変化は、人間の目によって又は信号効果を生じさせる光学装置によって、判断され得る変色をもたらす。
【0178】
上記の可逆熱変色性系又は組成物又は式(II)で表わされる化合物の用途は、家庭用品市場にある。安全上の理由により、特定の装置の加熱部分が、異なり、明確に識別可能な色の出現により明らかにされることが、しばしば必要とされている。
【0179】
例えば、小型の電化製品において、高温が、製品自体又はラベルの一部の異なる色によって示され得るところの、やかん及びパーコレーター、トースター、屋内グリル、スロークッカー、食品蒸し器、ワッフル・メーカー、真空包装システム、フライパン、深鍋、アイロン及び炊飯器がしばしば望まれる。部品又はラベルは交換可能であるので、変色効果が目に見えなくなった場合、オリジナルのパッケージで又はディーラーにおいて、入手可能な新しいものと交換できる。
【0180】
これらの熱変色性系又は組成物又は式(II)で表わされる化合物は、レンジ台上面、乾燥機、オーブン、スペースヒーター、スチーム・クリーナー、皿洗い機及び洗浄機等の大型電化製品に使用され得る。
【0181】
可逆熱変色性系又は組成物又は式(II)で表わされる化合物の適用は、家庭用品のプラスチック部品への利用に限定されず、以下に示すような多くの他の状況においても適用があり得る:
・作物の成長及び収穫に良い影響を与えるための、光調節用の農業用カバー、
・印刷システム又は変色ラミネート中で、所望によりマイクロカプセル化組成物として使用されるインク一般、
・装飾的でファッショナブルな特徴を有する衣料品用の及びブランド保護を含む機能持性を有する衣料品及び非衣料品用の(織布及び不織布の両方の)繊維及び布地一般;
・商品からのアピール及び楽しさを増加させるための衣料用布地及び成形品を含む、玩具;
・温度指示計(‘‘熱すぎる’’:商品を冷却しなければならない、又は:‘‘ちょうど良い温度’’:商品を消費するために最良の状態にある)としての、食品及び食品以外のパッケージ;
・タグ、カード又はラベル内の隠れたメッセージ等の販売促進用物品;温冷飲料用のスプーン、ストロー又は撹拌棒。
【0182】
特に記載がない限りは、パーセント(%)は質量パーセント(%)を示す。特に記載がない限りは、パーセント(%)は、配合物、組成物及び/又は組み合わせのパーセント(%)を示す。
【0183】
製造例:
実施例1:2−ドデシルスルホニル−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン:
【化33】

10g(20ミリモル)の2−n−ドデシルチオ−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオンを、250mLの氷酢酸中に懸濁させた。混合物を65℃で撹拌し
、64mLの30%過酸化水素をゆっくりと添加した。混合物を80℃で18時間撹拌し、その後、2Lの水で希釈し、15分間撹拌し、ろ過した。残渣を水及びメタノールで洗浄し、乾燥させ、酢酸エチルから再結晶化し、融点185−186度の赤色生成物7g(67%)を得た。
【0184】
実施例2:2,3−ビス(ドデシルスルホニル)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン:
【化34】

15g(22ミリモル)の2,3−ビス(ドデシルチオ)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオンを、200mLのクロロホルム中に溶解した。22.8g(132.1ミリモル)の3−クロロ過安息香酸を少しずつ添加した。混合物を55℃で、18時間撹拌し、その後、希釈炭酸カリウム溶液で抽出した。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させた。残渣を、酢酸エチルから再結晶化し、融点173−175℃の赤色生成物12.7g(78%)を得た。
【0185】
実施例2a:出発材料2,3−ビス(ドデシルチオ)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオンを以下のように製造した:
【化35】

10g(27.8ミリモル)の2,3−ジクロロ−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン、100mLのジメチルスルホキシド、17g(83.5ミリモル)のドデカンチオール、及び19.24g(139.2ミリモル)の炭酸カリウムを、100℃で18時間撹拌した。混合物を水で希釈し、撹拌し、ろ過した。残渣を、水及びメタノールで洗浄し、乾燥させ、ヘキサンから再結晶して融点85−86℃の暗赤色生成物15.5g(80%)を得た。
【0186】
以下同様に、製造した:
実施例2b:2,3−ビス(オクタデシルチオ)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン、融点100−130℃。
実施例2c:2,3−ビス(オクタデシルスルホニル)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン、融点152−156℃。
実施例2d:2,3−ビス(フェニルスルホニル)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン、融点305−310℃。
【0187】
実施例3:2,3,8,9−テトラキス(n−ドデシルスルホニル)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン:
この生成物は、2,3,8,9−テトラキス(n−ドデシルチオ)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオンから実施例2と同様にして製造し、融点180−183℃の暗赤色生成物36%を得た。
【0188】
実施例4:2,3−ビス(4’−ヒドロキシブチル−スルホニル)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン:
【化36】

1g(2ミリモル)の2,3−ビス(4’−ヒドロキシブチルチオ)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオンを、30mLのクロロホルム中に溶解した。1.72g(10ミリモル)の3−クロロ過安息香酸を少しずつ添加した。混合物を、62℃で5時間撹拌し、その後、希釈した炭酸カリウム水溶液で抽出した。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させた。残渣を、ジオキサンから再結晶化し、融点203−206℃の赤色生成物0.64g(57%)を得た。
【0189】
実施例4a:出発材料、2,3−ビス(4’−ヒドロキシブチルチオ)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオンを、以下のように製造する:
【化37】

2.5g(6.96ミリモル)の2,3−ジクロロ−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン、20mLのジメチルスルホキシド、1.85g(17.4ミリモル)の4−メルカプトブタノール及び2.88g(20.9ミリモル)の炭酸カリウムを、100℃で18時間撹拌する。混合物を、水で希釈し、塩酸で中和し、撹拌し、ろ過した。残渣を、水で洗浄し、乾燥させ、ジオキサンから再結晶化して、融点189−191℃の赤色の生成物2.2g(63%)を得た。
【0190】
以下同様に製造した:
実施例4b:2,3−ビス(2’−ヒドロキシエチルチオ)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン、融点222−224℃。
実施例4c:2,3−ビス(2’−ヒドロキシエチルスルホニル)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン、融点277−280℃。
実施例4d:2,3−ビス(6’−ヒドロキシヘキシルチオ)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン、融点129−130℃。
実施例4e:2,3−ビス(6’−ヒドロキシヘキシルスルホニル)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン、融点209−211℃。
【0191】
実施例4f:2,3−ビス(6’−アセトキシヘキシルスルホニル)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン:
1g(1.6ミリモル)の2,3−ビス(6’−ヒドロキシヘキシルスルホニル)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン(実施例4eの生成物)を、5mLの酢酸、0.36g(3.55ミリモル)の無水酢酸、及び2滴の硫酸の混合物によって、96℃において3.5時間アセチル化した。混合物を、水で希釈し、ろ過した。残渣を、水及びメタノールで洗浄し、乾燥させて、融点138−140℃の2,3−ビス(6’−アセトキシヘキシルスルホニル)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−
ジオン1g(89%)を得た。
【0192】
実施例5:2,3−ビス(3’−カルボエトキシ−プロピル−1−スルホニル)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン:
【化38】

7g(12ミリモル)の2,3−ビス(3’−カルボエトキシ−プロピル−1−チオ)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオンを、50mLのクロロホルムに溶解した。10.36g(60ミリモル)の3−クロロ過安息香酸を、少しずつ添加した。混合物を、56℃で2時間撹拌し、その後、500mLの水で希釈し、クロロホルムを真空中で80℃において蒸発させた。沈殿物を、ろ過し、熱水で洗浄した。残渣を、メタノールから再結晶化し、融点158−160℃の赤色生成物6.23g(80%)を得た。
【0193】
実施例5a:出発材料、2,3−ビス(3’−カルボエトキシ−プロピル−1−チオ)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオンを、以下のように製造した:
【化39】

6.5g(18.1ミリモル)の2,3−ジクロロ−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン、50mLのジメチルスルホキシド、8g(54.3ミリモル)のエチル3−メルカプトプロピオネート及び10g(72.4ミリモル)の炭酸カリウムを、100℃で18時間撹拌した。混合物を、水で希釈し、塩酸で中和し、クロロホルム及び酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を、水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、シリカゲル上でろ過した。ろ液を、蒸発させ、残渣を、クロロホルム/ヘキサンから再結晶化して、融点129−132℃の赤色生成物7.38g(70%)を得た。
【0194】
実施例6:2−(2’−エチルヘキシル−1−オキシカルボニル−)−6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン:
【化40】

30g(98.6ミリモル)の4−(2’−エチル−ヘキシル−1−オキシカルボニル−)−無水フタル酸を、25.3g(157.7ミリモル)の1,4−ジヒドロキシナフタリン及び13.7g(197.2ミリモル)の三酸化ホウ素と混合した。混合物を、200℃で2時間加熱した。固形残渣を、沸騰水で粉砕し粉末にした。沈殿物を、ろ過し、乾燥させ、連続的にヘキサンで抽出した。ヘキサン抽出物を、部分的に濃縮して、融点155−158℃の赤色結晶10.7g(24%)を沈殿させた。
【0195】
出発材料、4−(2’−エチル−ヘキシル−1−オキシカルボニル−)−フタル酸無水物を、以下のように製造した:
【化41】

50g(237ミリモル)の無水トリメリト酸クロリドを、400mLの乾燥ジエチルエーテル中に懸濁させ、39.3g(284ミリモル)の無水炭酸カリウムを添加し、31g(237ミリモル)の2−エチル−1−ヘキサノールをゆっくりと添加した。混合物を、25℃で3時間撹拌し、水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。抽出物を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、80℃/0.3ミルバールで蒸発させ、53.8gの粗生成物を得た。クーゲルロール(Kugelrohr)装置中で、140℃/0.3ミルバールでの蒸留により、40.81g(56%)の液状の4−(2’−エチル−ヘキシル−1−オキシカルボニル−)フタル酸無水物を得た。
【0196】
実施例6a:6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン−2,3−ジカルボン酸ジオクチルエステル:
【化42】

1.89g(5.2ミリモル)の6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン−2,3−無水ジカルボン酸(実施例9の生成物)、6.77g(52ミリモル)の1−オクタノール及び0.2g(2.08ミリモル)の96%硫酸を、反応水を共沸除去しながら3時間還流した。混合物を、25℃で18時間維持し、その後、メタノールと共に攪拌し、ろ過した。沈殿物を、水で洗浄し、真空中で乾燥させて、融点95−96℃の赤色結晶2.58g(81%)を得た。
【0197】
実施例7:6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン−2,3−ジカルボン酸N−オクチルイミド:
【化43】

10g(30.36ミリモル)のピロメリト酸モノ−無水−モノ−N−オクチルイミドを、110℃で溶解させた。9.72g(60.72ミリモル)の1,4−ジヒドロキシナフタレン及び4.22g(60.72ミリモル)の三酸化ホウ素を添加した。混合物を、220℃まで5時間加熱し、その後、25℃まで冷却し、粉砕して微粉末とした。これを、90℃において、2N 塩酸で洗浄し、その後、熱水及びメタノールで洗浄し、乾燥させた。暗赤色の粉末を、クロロホルム中で粉砕し、シリカゲルを通してろ過した。ろ液を、一部濃縮し、沈殿物をろ去し、クロロホルム/ヘキサン(5:1)で洗浄し、乾燥させて、融点253−255℃の、金属光沢のある褐色の結晶2.27g(16%)を得た

【0198】
以下同様に製造した:
実施例7a:6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン−2,3−ジカルボン酸N−(2’−エチル−ヘキシル)−イミド;金属光沢を有するブロンズ結晶、融点:245.5−246.5℃。
【化44】

実施例7b:6,11−ジヒドロキシ−7,10−ジフェニル−ナフタセン−5,12−ジオン−2,3−ジカルボン酸N−(2’−エチル−ヘキシル)−イミド;暗赤色結晶、融点188−190℃:
【化45】

【0199】
実施例8:6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン−2,3−ジカルボン酸:
【化46】

20g(91.7ミリモル)の無水ピロメリト酸、7.3g(45.8ミリモル)の1,4−ジヒドロキシ−ナフタレン、6.4g(91.7ミリモル)の三酸化ホウ素、及び150mLのスルフォランを混合し、攪拌しながら204℃まで5時間加熱し、その後、70℃まで冷却し、そしてその後、熱水と混合して撹拌した。沈殿物を、ろ過し、熱水及びメタノールで洗浄し、その後、乾燥させた。暗褐色の粉末を、熱ジオキサンで数回抽出した。ろ液を、一部濃縮し、25℃に到達させ、沈殿物を、ろ去し、ジオキサンで洗浄し、90℃/0.45ミルバールで乾燥させて、融点>300℃(分解)の赤色結晶4.67g(28%)を得た。
【0200】
実施例9:6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン−2,3−無水ジカルボン酸:
【化47】

2.37g(6.3ミリモル)の6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン−2,3−ジカルボン酸(実施例8の生成物)を、0.84ミルバールで30分間、250℃まで加熱する。それによりビス酸を脱水して、融点405−408℃の暗褐色結晶2.03g(89%)を得た。
【0201】
実施例10:6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン−2,3−ジカルボン酸N−(2,6−ジイソプロピル−フェニル)−イミド:
【化48】

0.5g(1.32ミリモル)の6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン−2,3−ジカルボン酸(実施例8の生成物)、0.28g(1.58ミリモル)の2,6−ジイソプロピルアニリン及び25mLのo−ジクロロベンゼンを、反応水を共沸除去しながら、4時間還流した。混合物を、熱いうちにろ過し、ろ液を25℃で18時間維持した。沈殿物を、熱ヘキサンで洗浄し、乾燥させて、融点328−330℃の赤色結晶0.35g(51%)を得た。
【0202】
以下同様に製造した:
実施例10a:実施例8の生成物及びアニリンから6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン−2,3−ジカルボン酸N−フェニル−イミド;融点>400℃;赤褐色結晶。
【化49】

実施例10b:実施例8の生成物及び2,6−ジメチルアニリンから6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン−2,3−ジカルボン酸N−(2,6−ジメチル−フェニル−)イミド;融点364−367℃;赤色結晶。
【化50】

実施例10c:実施例8の生成物及び2,6−ジエチルアニリンから6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン−2,3−ジカルボン酸N−(2,6−ジエチル−フェニル−)イミド;融点359−361℃;赤色結晶。
【化51】

【0203】
実施例10d:6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン−2,3−ジカルボン酸N−(1,1,3,3−テトラ−メチル−ブチル−)−イミド:
【化52】

1g(2.77ミリモル)の6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン−2,3−無水ジカルボン酸(実施例9の生成物)、0.54g(84.16ミリモル)の1,1,3,3−テトラメチル−1−ブチルアミン及び30mLのo−ジクロロベンゼンを、反応水を共沸除去しながら2時間還流した。混合物を、25℃で18時間維持し、残渣をろ過し、熱ヘキサンで洗浄し、融点268−272℃の黒い光沢のある結晶0.8g(61%)を得た。
【0204】
以下同様に製造した:
実施例10e:実施例9の生成物及び4−デシルアニリンからの、6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン−2,3−ジカルボン酸N−(4−デシル−フェニル)−イミド、融点286−288℃。
【化53】

【0205】
実施例11:
【化54】

5g(8ミリモル)の実施例4eの生成物、2.3g(8.9ミリモル)のジエチルセバケート、25mLの1,2−ジクロロベンゼン、25mLのキシレン及び0.008gのp−トルエンスルホン酸を、マーカッソン(Marcusson)装置、コンデンサー及び機械撹拌機を備えたフラスコに入れた。混合物を、窒素流下で20時間138℃まで暖めた。その後、5滴の硫酸を添加した;反応を、138℃で10時間行った。室温まで冷却した後、混合物をCH2Cl2で希釈し、水中KHCO3溶液で洗浄した。有機相を、分離し、乾燥させ、ろ過し、回転エバポレーターで濃縮した。暗赤色の固体5.8gを得た(収率:90%)。GPC分析:Mn=1156、Mw=4010、Mw/Mn=3.5。
【0206】
適用例:
配合物1:配合物の総量の0.2%に相当する1.4gの実施例2の生成物、及び3.0%に相当する21gのポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]−1、6−ヘキサンジイル[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル]イミノ]](塩基1;チマソルブ(登録商標Chimassorb)944)を、(230℃及び2.16kgで測定すると)1.8のメルトインデックスを有するポリプロピレン粉末(バセル社(Basell)モプレン(Moplen)HP500H)677.6gと共にターボ・ミキサー中で混合した。
混合物を、190−230℃で押出してポリマー顆粒を得、その後、最高温度240℃、圧力20000Ibにおいてプレス成形機(パサデナ(Pasadena)P210C)を使用して、プラック(厚さ1mm)に変換した。
同じ手順を、以下の表で示した量を有する配合物2及び3に適用した。
【表1】

同じ手順を、以下のものを含む配合物4に適用した:配合物の総量の0.3%に相当する0.9gの実施例1の生成物;4.5%に相当する13.5gの塩基1、及び285.6gのPP モプレン(Moplen)HP500H。
【0207】
変色を誘導するために、このようにして製造したプラックを、それらのスイッチング温度まで加熱した。色の変化を、CIEL***比色スペースを考慮して、ミノルタ(Minolta)社の比色計CM−508dによって評価した。冷却により、プラックはそれらの最初の色に戻った。
以下の表に、結果を示す:
【表2】

比色分析値の変化は、プラックの色が温度とともにいかに効率的に変化するかを示す。
【0208】
更なる配合物を同様に製造した:
配合物5:配合物の総量の0.05%に相当する0.35gの実施例2の生成物、0.25%に相当する1.75gの1,6−ヘキサンジアミン、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンを含むN、N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−ポリマー、N−ブチル−1−ブタンアミンとN−ブチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペラジンアミン(塩基2;チマソルブ(登録商標Chimassorb)2020)との反応生成物、及び697.9gのPP モプレン(Moplen)HP500Hを含む;
【0209】
配合物6:配合物の総量の0.05%に相当する0.35gの実施例2の生成物、0.117%に相当する0.819gのビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(塩基3;チヌビン(登録商標Tinuvin)770)、及び698.831gのPP モプレン(Moplen)HP500Hを含む;
【0210】
配合物7:配合物の総量の0.05%に相当する0.35gの実施例2の生成物、0.114%に相当する0.798gのビス(トリデシル)アミン(塩基4)、及び698.852gのPPモプレン(Moplen)HP500Hを含む。
【0211】
上記した配合物5−7を押出し、顆粒を上記したのと同様の条件でプレス成形して、プラック(厚さ2mm)を製造した。変色を生じさせるためにプラックを加熱し、それらの外観を以下の表に示す:
【表3】

【0212】
配合物8:10mgの実施例2dの生成物及び150mgの塩基1(上記配合物1参照)を、160℃で1.0gのエチレン−酢酸ビニルポリマーの炭化水素樹脂(ミグロス(Migros)社、スイス、チューリヒ8031、が市販するホットメルト接着剤番号6630.365)の混合物中に溶解した。明るい赤色の熱混合物の部分を、2枚のガラス
プレート間でプレスして、25℃では青く、>100℃では明るい赤色のポリマースポットを得た。加熱/冷却サイクルを、熱変色性の損失なく、>50回繰り返すことができた。
【0213】
配合物9:配合物8を、実施例2dの代わりに実施例4fの生成物を使用して繰り返し、同様の結果を得た。
【0214】
配合物10:配合物8を、実施例2dの代わりに実施例7の生成物を使用して繰り返し、同様の結果を得た。
配合物11:配合物8を、実施例2dの代わりに実施例7aの生成物を使用して繰り返し、同様の結果を得た。
配合物12:配合物8を、実施例2dの代わりに実施例2の生成物を使用して繰り返し、同様の結果を得た。
【0215】
配合物13:10mgの実施例4の生成物及び150mgの塩基1を、2mLのアセトンに溶解した。1枚の市販の実験室用ろ紙に、この溶液の一部を滴下処理した。溶媒を、暖い空気流中で蒸発させた。ろ紙上の残渣スポットは、25℃では紺色で、>80℃では赤色であった。加熱/冷却サイクルは、熱変色性の損失なく、>50回繰り返すことができた。
1枚の市販の綿布を、上記した溶液で同様に処理すると、乾燥後、同様の結果が得られた。加熱/冷却サイクルは、熱変色性の損失なく、>50回繰り返すことができた。
上記溶液を、ガラスプレート又はアルミニウム表面上で蒸発させると、残ったしみは、25℃では青色で、>100℃では赤色であった。加熱/冷却サイクルは、熱変色性の損失なく、>50回繰り返すことができた。
配合物14:配合物13を、実施例4の代わりに実施例4eの生成物を、溶媒としてアセトンの代わりにジクロロメタンを使用して繰り返えし、同様の結果を得た。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン、及び
b)塩基
を含む、可逆熱変色性系。
【請求項2】
成分a)が、式(I)
【化1】

(式中、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、独立して、H、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数1ないし30のアルコキシ基、炭素原子数1ないし30のアルキルチオ基、炭素原子数1ないし30のアルキルスルホキシル基、炭素原子数1ないし30のアルキルスルホニル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルケニルオキシ基、炭素原子数2ないし30のアルケニルチオ基、炭素原子数2ないし30のアルケニルスルホキシル基、炭素原子数2ないし30のアルケニルスルホニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニルオキシ基、炭素原子数2ないし30のアルキニルチオ基、炭素原子数2ないし30のアルキニルスルホキシル基、炭素原子数2ないし30のアルキニルスルホニル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数6ないし10のアリールオキシ基、炭素原子数6ないし10のアリールチオ基、炭素原子数6ないし10のアリールスルホキシル基、炭素原子数6ないし10のアリールスルホニル基、ハロゲン原子、NO2、CN、COO−R9、OCO−R10、CO−NR911又はNR12−CO−R13を表わし、ここで、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びアラルキル基は、置換されているか又は未置換であるか、
又は、R2、R3、R6及び/又はR7は、ヒドロキシ基を表わし;
又は、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つの隣接する基は、それらが直接結合する2つの炭素原子と一緒になって、5−又は6−員の脂環式又は複素環式環構造を形成するか;
又は、置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つは、以下のように定義され:
一方の置換基は、

【化2】

を表わし、他方の置換基は、基
【化3】

を表わし、それにより一方の置換基の角括弧の開放端部分と他方の置換基の角括弧の開放端部分は、それらの両方が結合する分子部分と一緒になって、オリゴマー又はポリマー中
でx回繰り返される部分であるモノマー単位を形成し;
10及びR13は、独立して、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基又は有機ポリマーを表わし、ここで、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は置換されているか又は未置換であり;
9はHを表わすか、又はR10において定義した通りであり;
11及びR12は、独立して、H又は炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし12のアラルキニル基を表わし、ここで、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は置換されているか又は非置換であり;
Vは、独立して、CH2、S、SO又はSO2を表わし;
1は、炭素原子数1ないし30のアルキレン基を表わし;
L及びL’は、A又はBを表わし;LがAを表わす場合、L’はBを表わし;LがBを表わす場合、L’はAを表わし;
Aは、O、S又はNR14を表わし;
14は、H、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基又は炭素原子数8ないし12のアラルケニル基を表わし;
Bは、COを表わし;
2は、炭素原子数1ないし30のアルキレン基を表わし;前記アルキレン基は、所望により、O、S、SO、SO2、NR14によって中断されるか、又は、G2は、基
【化4】

の1つを表わし、
15は、H又はCH3を表わし;
q、r及びsは、独立して、1から20の整数を表わし;
16は、NH2、NHR14又は
【化5】

を表わし;
17及びR18は、独立して、R14において定義した通りであるか、又は
【化6】

を表わし;
19及びR20は、独立して、炭素原子数1ないし20のアルキレン基を表わし;
3は、G2と同じ意味を有し;
LがAを表わす場合、TはHを表わし;L=Bの場合、TはOHを表わし;
x及びyは、独立して、1ないし20の整数を表わし;
zは、0ないし20の整数を表わし;
置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、COO−R21、CONR2122、OCO−R23、NR21CO−R23、NR2122、O−R23、S−R23、SO−R23及び/又はS(=O)2−R23で置換されているか;又は、置換されたアリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基及び/又は炭素原子数2ないし30のアルキニル基で置換されており;
23は、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし12のアラルキニル基を表わし;
21及びR22は、独立して、Hを表わすか、又は、R23において定義した通りである。)で表わされる化合物又はその互変異性体の1つであるところの請求項1に記載の可逆熱変色性系。
【請求項3】
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、独立して、H、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数1ないし30のアルコキシ基、炭素原子数1ないし30のアルキルチオ基、炭素原子数1ないし30のアルキルスルホキシル基、炭素原子数1ないし30のアルキルスルホニル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルケニルオキシ基、炭素原子数2ないし30のアルケニルチオ基、炭素原子数2ないし30のアルケニルスルホキシル基、炭素原子数2ないし30のアルケニルスルホニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニルオキシ基、炭素原子数2ないし30のアルキニルチオ基、炭素原子数2ないし30のアルキニルスルホキシル基、炭素原子数2ないし30のアルキニルスルホニル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数6ないし10のアリールオキシ基、炭素原子数6ないし10のアリールチオ基、炭素原子数6ないし10のアリールスルホキシル基、炭素原子数6ないし10のアリールスルホニル基、ハロゲン原子、NO2、CN、COO−R9、OCO−R10、CO−NR911又はNR12−CO−R13を表わし、ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びアラルキル基は、置換されているか又は未置換であるか、
又は、R2、R3、R6及び/又はR7はヒドロキシ基を表わすか;
又は、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つの隣接する基は、それらが直接結合する2つの炭素原子と一緒になって5−又は6−員の脂環式又は複素環式環構造を形成し;ここで、前記環構造は、所望により、1つ又は2つのカルボニル基を及び/又は1つ又は2つのヘテロ原子、即ちO、N、S、Se及び/又はPを含み;前記環構造は、未置換であるか、又は炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、未置換の又は置換された炭素原子数6ないし10のアリール基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、COO−R21、CONR2122、OCO−R23、NR21CO−R23、NR2122、O−R23、S−R23、SO−R23、S(=O)2−R23、有機ポリマー又はオリゴマー、及び/又は、炭素原子及び所望により1つ又は2つのカルボニル基及び/又は1つ又は2つのヘテロ原子、即ちO、N、S、Se及び/又はPを含む縮環された(anellated)5−又は6−員の飽和又は不飽和環構造によって置換され、前記縮環された環構造は、未置
換であるか又は炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、COO−R21、CONR2122、OCO−R23、NR21CO−R23、NR2122、O−R23、S−R23、SO−R23、S(=O)2−R23、及び/又は、C及び所望により1つ又は2つのカルボニル基及び/又は1つ又は2つのヘテロ原子、即ちO、N、S、Se及び/又はPを含む縮環された5−又は6−員の飽和又は不飽和環構造によって置換されるか;
又は、置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つは、以下のように定義され:
一方の置換基は、

【化7】

を表わし、他方の置換基は、基
【化8】

を表わし、一方の置換基の角括弧の開放端部分と他方の置換基の角括弧の開放端部分は、それらの両方が結合する分子部分と一緒になって、オリゴマー又はポリマー中でx回繰り返される部分であるモノマー単位を形成し;
q、r、及びsは、独立して、1ないし5の整数を表わし;
他の置換基は、請求項2に定義した通りであるところの、請求項2に記載の可逆熱変色性系。
【請求項4】
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、独立して、H、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数1ないし30のアルコキシ基、炭素原子数1ないし30のアルキルチオ基、炭素原子数1ないし30のアルキルスルホキシル基、炭素原子数1ないし30のアルキルスルホニル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルケニルオキシ基、炭素原子数2ないし30のアルケニルチオ基、炭素原子数2ないし30のアルケニルスルホキシル基、炭素原子数2ないし30のアルケニルスルホニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニルオキシ基、炭素原子数2ないし30のアルキニルチオ基、炭素原子数2ないし30のアルキニルスルホキシル基、炭素原子数2ないし30のアルキニルスルホニル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数6ないし10のアリールオキシ基、炭素原子数6ないし10のアリールチオ基、炭素原子数6ないし10のアリールスルホキシル基、炭素原子数6ないし10のアリールスルホニル基、ハロゲン原子、NO2、CN、COO−R9、OCO−R10、CO−NR911又はNR12−CO−R13を表わし、ここで、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びアラルキル基は、置換されているか又は未置換であるか、
又は、R2、R3、R6及び/又はR7はヒドロキシ基を表わすか;
又は、R2及びR3は、それらが直接結合する2つの炭素原子と一緒になって5−又は6−員の脂環式又は複素環式環構造を形成し、即ち、R2及びR3は、一緒になって、基CO−O−CO又はCO−NR24−COを形成するか;
又は、R2とR3は、以下のように定義され:
一方の置換基は、

【化9】

を表わし、他方の置換基は、基
【化10】

を表わし、一方の置換基の角括弧の開放端部分と他方の置換基の角括弧の開放端部分は、それらの両方が結合する分子部分と一緒になって、オリゴマー又はポリマー中でx回繰り返される部分であるモノマー単位を形成し;
24は、炭素原子数2ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基又は
【化11】

を表わし、ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は、請求項2で定義した通りに置換されているか又は未置換であり;
qは、2ないし4の整数を表わし;
r及びsは、独立して、1ないし3の整数を表わし;
Wは、炭素原子数6ないし10のアリーレン基、炭素原子数1ないし30のアルキレン基、炭素原子数1ないし30のアルケ−1−エニレン基、NR11又はOを表わし;
25は、H又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし;
他の置換基は請求項2に定義した通りであるところの、請求項3に記載の可逆熱変色性系。
【請求項5】
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、独立して、H、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数1ないし30のアルコキシ基、炭素原子数1ないし30のアルキルチオ基、炭素原子数1ないし30のアルキルスルホキシル基、炭素原子数1ないし30のアルキルスルホニル基、炭素原子数6のアリール基、炭素原子数6のアリールチオ基、炭素原子数6のアリールスルホキシル基、炭素原子数6のアリールスルホニル基、ハロゲン原子、COO−R9、OCO−R10を表わし、ここで、前記アルキル基及びアリール基は置換されているか又は未置換であるか、
又は、R2及びR3は、それらが直接結合する2つの炭素原子と一緒になって5−又は6−員の脂環式又は複素環式環構造を形成し、即ちR2及びR3は、一緒になって基CO−O−CO又はCO−NR24−COを形成するか;
又は、R2とR3は、以下のように定義され:
一方の置換基は、

【化12】

を表わし、他方の置換基は、基
【化13】

を表わし、一方の置換基の角括弧の開放端部分と他方の置換基の角括弧の開放端部分は、それらの両方が結合する分子部分と一緒になって、オリゴマー又はポリマー中でx回繰り返される部分であるモノマー単位を形成し;
10は、炭素原子数1ないし30のアルキル基又は炭素原子数6のアリール基を表わし、ここで、アルキル基及びアリール基は、置換されているか又は未置換であり;
9は、Hを表わすか又はR10において定義した通りであり;
24は、未置換の又は置換された炭素原子数2ないし30のアルキル基又は炭素原子数6のアリール基を表わし;
Vは、SO2を表わし;
1は、炭素原子数2ないし10のアルキレン基を表わし;
L及びL’は、A又はBを表わし;LがAを表わす場合、L’はBを表わし;LがBを表わす場合、L’はAを表わし;
Aは、Oを表わし;
Bは、COを表わし;
2は、炭素原子数2ないし10のアルキレン基を表わし;
3は、G2と同じ意味を有し;
LがAを表わす場合、TはHを表わし;LがBを表わす場合、TはOHを表わし;
x及びyは、独立して、1ないし10の整数を表わし;
zは、0ないし10の整数を表わし;
置換されたアルキル基及び置換されたアリール基は、ヒドロキシ基、COO−R21、OCO−R23及び/又はO−R23によって置換されるか;又は、アリール基は、炭素原子数1ないし15のアルキル基によって置換されており;
23は、炭素原子数1ないし15のアルキル基を表わし;
21は、Hを表わすか又はR23において定義した通りであるところの、請求項4に記載の可逆熱変色性系。
【請求項6】
塩基b)が少なくとも150の分子量を有する、請求項1に記載の可逆熱変色性系。
【請求項7】
塩基b)が、第2級又は第3級アミン、又は、第2級又は第3級ホスフィンであって、ここで、前記アミン及び前記ホスフィンは芳香族ではなく、かつ、前記アミン又は前記ホスフィンに直接結合する芳香族置換基を有さないところの、請求項1に記載の可逆熱変色性系。
【請求項8】
成分a)と成分b)の質量比が、2:1ないし1:100である、請求項1に記載の可逆熱変色性系。
【請求項9】
式(II)
【化14】

(式中、
1ないしR8は、請求項2で定義した通りであり;
+は、アンモニウムカチオン又はホスホニウムカチオンを表わすが、
但し、
前記アンモニウムカチオン及び前記ホスホニウムカチオンは芳香族ではなく、かつ該アンモニウムカチオン又は該ホスホニウムカチオンに直接結合する芳香族置換基を有さない。)で表わされる化合物又はその互変異性体の1つ。
【請求項10】
+が、第2級又は第3級アンモニウムカチオン又は第2級又は第3級ホスホニウムカチオンである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
+が、少なくとも150の分子量を有する、請求項9に記載の化合物。
【請求項12】
i)請求項1で定義した可逆熱変色性系又は請求項9で定義した式(II)で表わされる化合物、及び
ii)キャリヤ材料
を含む、可逆熱変色性組成物。
【請求項13】
成分i)と成分ii)の比が、1:10000ないし1:1である、請求項12に記載の可逆熱変色性組成物。
【請求項14】
キャリヤ材料ii)として、ポリマー、溶媒及び/又はワックスを含む、請求項12に記載の可逆熱変色性組成物。
【請求項15】
キャリヤ材料ii)として、プラスチック製品、フィルム、紙、繊維、溶媒、ワックス、コーティング及び/又はインクを含む、請求項12に記載の可逆熱変色性組成物。
【請求項16】
更なる添加剤を含む、請求項12に記載の可逆熱変色性組成物。
【請求項17】
更なる添加剤として、抗酸化剤、紫外線吸収剤、光安定剤、金属不活性化剤、加工安定剤、チオ相乗剤、ペルオキシド掃去剤、酸素掃去剤、塩基性補助安定剤、核剤、充填剤、強化剤、難燃剤及び/又は更なる着色剤を含むが、但し、更なる着色剤は、熱変色性効果を抑制せず、かつ遮蔽しないところの、請求項16に記載の可逆熱変色性組成物。
【請求項18】
更なる添加剤として、フェノール系抗酸化剤、アミン系抗酸化剤、ホスフィット、ホスホナイト、ヒドロキシルアミン、ニトロン、ベンゾフラノン、インドリノン、2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、オキサミド、立体障害アミン、顔料及び/又は染料を含む、請求項17に記載の可逆熱変色性組成物。
【請求項19】
塩基と組み合わせた6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン又は請求項9で定義した式(II)で表わされる化合物の可逆熱変色性系における可逆熱変色性着
色剤としての使用。
【請求項20】
6,11−ジヒドロキシ−ナフタセン−5,12−ジオン及び塩基又は請求項9で定義した式(II)で表わされる化合物を、キャリヤへ適用すること/キャリヤに配合することによる、キャリヤを可逆熱変色的に着色するための方法
【請求項21】
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つが、スルホキシル基、スルホニル基、エステル基、エーテル基又はアミド基を表わすか、又は該基を含み、ここで、前記スルホニル基がフェニルスルホニル基である場合、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8の少なくとも2つは、フェニルスルホニル基を表わすか、又は、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも2つの基が、カルボキシ基を表わすか、又は、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つの隣接する基は、マレイン酸メチルイミド又はベンゼンでない5−又は6−員の環構造を形成するか、又は、
式(I)で表わされる化合物が、オリゴマー又はポリマーであるが、
但し、R2、R3、R6及びR7の1つは、他の7つの置換基R1ないしR8が水素原子を表わす場合、R9はイソブチル基又は2−エトキシエチル基を表わすところのCOOR9にはなりえないところの、請求項2で定義した式(I)で表わされる化合物又はその互変異性体の一つ。
【請求項22】
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つは、スルホキシル基、スルホニル基、エステル基、エーテル基又はアミド基を表わすか又は該基を含み、ここで、前記スルホニル基がフェニルスルホニル基である場合、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも2つは、フェニルスルホニル基を表わすか、又は、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つの基は、カルボキシ基を表わすか、又は、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8の2つの隣接する基は、マレイン酸メチルイミド又はベンゼンではない5−又は6−員の環構造を形成するか、又は、
式(I)で表わされる化合物は、オリゴマー又はポリマーであるところの、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つは、スルホキシル基、スルホニル基、エーテル基又はアミド基であるか、又は該基を含み、
ここで、前記スルホニル基がフェニルスルホニル基である場合、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも2つは、フェニルスルホニル基を表わすか、又は、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の2つの隣接する基は、マレイン酸メチルイミド又はベンゼンではない5−又は6−員の環構造を形成するか、又は、
式(I)で表わされる化合物は、オリゴマー又はポリマーであるところの、請求項22に記載の化合物。



【公表番号】特表2008−545864(P2008−545864A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515184(P2008−515184)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【国際出願番号】PCT/EP2006/062749
【国際公開番号】WO2006/131465
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】