説明

合成樹脂製容器

【課題】 積層構造を有する合成樹脂製容器において、中間層を利用してひび割れ模様等の加飾機能を発揮させることを技術課題とし、後処理工程なしで、今までにない加飾効果を有する合成樹脂製容器を提供することを目的とする。
【解決手段】 少なくとも外層と、内層と、加飾機能を発揮する中間層を有する2軸延伸ブロー成形した積層容器において、中間層を、細分化、若しくは細かく分岐した状態に延伸して積層した構成とする。また、外層と、内層と、少なくとも一つの中間層を有するプリフォームを使用し、このプリフォームの2軸延伸ブロー成形工程において、プリフォームの中間層を細分化、若しくは細かく分岐した状態に共延伸し、加飾機能を発揮する中間層を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス製の容器においてよく見られるひび割れ模様を有する等の加飾機能を発揮する中間層を有する合成樹脂製容器及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ひび割れ模様を現出させる方法として、従来より金型キャビティ表面に刻設した細かな凹凸により容器外表面にひび割れ模様を形成する方法、塗装や蒸着によりひび割れ模様を現出させる方法等が試されているが、このような外表面に模様を付加するような方法では、ガラスにおけるひび割れ模様のような質感、輝きと云う面で不満足なものである。
【0003】
また、特許文献1には、積層容器の外層の表面に溶剤を付着させて細かなクラックを発生させて、ひび割れ模様を現出させる方法が記載されている。
この方法では細かなクラックにより、ガラスにおけるひび割れ模様のような質感、輝きに近い状態とすることが可能となる。
【特許文献1】特開2004−59078号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の方法は溶剤による処理、さらには外表面のコーティング等の工程を要する等の問題を有する。
【0005】
そこで本発明は、積層構造を有する合成樹脂製容器において、中間層を利用してひび割れ模様等の加飾機能を発揮させることを技術課題とし、後処理工程なしで、今までにない加飾効果を有する合成樹脂製容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決する手段のうち請求項1〜6は中間層により加飾機能が発揮される合成樹脂製容器に関し、請求項7〜9はその製造方法に関する。
その中で、請求項1記載の発明の手段は、少なくとも外層と、内層と、加飾機能を発揮する中間層を有する2軸延伸ブロー成形した積層容器において、
中間層が、細分化、若しくは細かく分岐した状態に延伸されて積層していること、にある。
【0007】
請求項1記載の上記構成により、加飾機能を発揮する中間層は後述するように通常の2軸延伸ブロー成形により、後工程なしで形成することができる。
また、各層の合成樹脂の種類と流動性(粘度)の組み合わせ、プリフォームの成形条件、そして延伸温度、延伸倍率等の2軸延伸ブロー成形の条件を適宜選択することにより、細分化、若しくは細かく分岐した状態に延伸されて積層している中間層の積層態様を変化させて、さまざまな加飾効果を発揮させることがきる。
また、加飾機能を発揮する中間層は少なくとも外層に覆われているので、外表面の平坦性、光沢性を損うこともない。
【0008】
なお、請求項1そして後述する請求項においても「細分化、若しくは細かく分岐した状態」と云う記載をしているが、細分化した状態とは中間層が非連続状に細分化して分散した状態を示し、分岐した状態とは多数の破断部分(欠部)があるものの、たとえば網目構造のように全体として連続性を有する状態を示す。
そして、両状態が混在した状態も含む。
【0009】
請求項2記載の発明の手段は、請求項1記載の発明において、加飾機能を発揮する中間層と、隣接する層の界面で多数のクラックが形成されていること、にある。
【0010】
請求項2記載の上記構成により、本発明の中間層と隣接する層は基本的には相互に異種の合成樹脂が使用されるが、層間の延伸性の差により2軸延伸ブロー成形における共延伸の過程で、この中間層と隣接する層の界面に剪断力が作用するので、この共延伸過程、あるいは冷却過程で界面で層間剥離させて、多数の微小な空間、すなわちクラックを形成することができる。
そして、この多数のクラックにより光が効果的に散乱されて、容器においてきらきら輝くような加飾効果を付与することができる。
【0011】
なお、本発明の合成樹脂製容器の積層構造はさまざまな態様とすることができ、上記の加飾機能を発揮する中間層のほかにも必要に応じて他の、連続的に形成される中間層を付加することができる。
そしてたとえば、一番簡単な層構成は外層/中間層/内層の3層構成であるが、この場合、請求項2における「隣接する層」とは外層と内層に相当するが、必要に応じて付加した他の中間層が隣接する場合もある。
【0012】
請求項3記載の発明の手段は、請求項1または2記載の発明において、加飾機能を発揮する中間層が細分化、若しくは細かく分岐した状態で糸状に延伸されて積層していることを特徴とする
【0013】
請求項3記載の上記構成により、糸状に延伸された中間層が絡み合ったように積層することにより繊維が重なったような、外観を呈し、今までにない加飾効果を発揮させることができる。
【0014】
また、糸状に延伸することにより隣接する層との界面の面積が大きくなり、多数のクラックを糸状に延伸された中間層に沿って形成させてダイアモンドダストを想起させるような今までにない加飾効果を発揮させることが可能となる。
【0015】
請求項4記載の発明の手段は、請求項1、2または3記載の発明において、加飾機能を発揮する中間層の積層態様により、ひび割れ模様を現出するように構成すること、にある。
【0016】
請求項4記載の上記構成により、中間層の積層態様とクラックの形成態様により、ガラスにおけるひび割れ模様に近い質感、および輝きを有する加飾効果を現出させることができる。
【0017】
請求項5記載の発明の手段は、請求項1、2、3または4記載の発明において、2種3層の積層とすること、にある。
【0018】
請求項5記載の上記構成により、外層と内層を同種の合成樹脂製、中間層を外層および内層とは異種の合成樹脂を使用して、2種3層の最も簡単な層構成とすることができる。
【0019】
請求項6記載の発明の手段は、請求項5記載の発明において、外層および内層をポリプロピレン(以下、PPと記す。)樹脂製とし、中間層をエチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと記す。)樹脂製とすること、にある。
【0020】
請求項6記載の上記構成は、具体的な層構成に係るものであり、PP樹脂製の外層と内層は2軸延伸性に優れているので、共延伸過程で延伸性の比較的低いEVOH樹脂製の中間層をサンドイッチ状に挟持して、プリフォームの段階から中間層が細分化、若しくは細かく分岐した状態であっても、あるいは延伸過程で細分化、若しくは細かく分岐するものであっても、その積層領域を容器の略全域に亘って均一に展開させることができる。
【0021】
また、PP樹脂とEVOH樹脂は相互に相溶性が低いので、界面での層間剥離、クラックをより効果的に形成することができる。また、非連続状ではあるものの
EVOH樹脂製の中間層を容器の略全域に積層することができ、ガスバリア性の向上が期待できる。
【0022】
次に、請求項7〜9は上述した合成樹脂製容器の製造方法に関するものであり、この中で請求項7記載の発明の方法は、
外層と、内層と、少なくとも一つの中間層を有するプリフォームを使用し、
このプリフォームの2軸延伸ブロー成形工程において、プリフォームの中間層を細分化、若しくは細かく分岐した状態に共延伸し、
容器において加飾機能を発揮する中間層を形成すること、にある。
【0023】
請求項7記載の上記方法は、プリフォームの2軸延伸ブロー工程において中間層と他の層の延伸性の差を利用するものである。すなわち中間層を他の層に対して比較的延伸性が低い層とすることにより、2軸延伸ブロー成形おける共延伸過程で中間層を延伸破断しながら、細分化、若しくは細かく分岐した状態に延伸することができる。
【0024】
ここで、この中間層は外層、内層等の延伸性の良好な合成樹脂製の隣接する層によりサンドイッチ状に挟持された状態で共延伸されるので、多数の延伸破断が発生して細分化、あるいは細かく分岐するものの、その積層領域を一部に偏在することなく容器の略全域に略均一に拡げることができる。
【0025】
なお、延伸性の差は、使用する合成樹脂の組み合わせ、延伸温度等を適宜選択して調整することができる。
【0026】
請求項8記載の発明の方法は、少なくとも外層と、内層と、細分化、若しくは細かく分岐した状態で積層する中間層を有するプリフォームを使用し、
このプリフォームの2軸延伸ブロー成形工程において、プリフォームの細分化、若しくは細かく分岐した状態で積層する中間層を共延伸し、
容器において加飾機能を発揮する中間層を形成すること、
にある。
【0027】
請求項8記載の上記方法は、細分化、若しくは細かく分岐した状態で積層する中間層を有するプリフォームを使用するものである。
このような細分化、若しくは細かく分岐した状態で積層する中間層であっても、延伸性の良好な層でサンドイッチ状に挟持して共延伸することにより、その積層領域を、一部に偏在することなく容器の略全域に略均一に拡げることができる。
また、共延伸工程で中間層をさらに細分化することもできる。
そして、細分化、若しくは細かく分岐した状態で積層する中間層は共延伸により薄膜状、あるいは糸状に延伸され、全体として今までにない加飾効果が発揮される。
【0028】
なお、積層プリフォームの成形方法としては、多層射出成形法、押出し成形した積層パリソンをブロー成形する方法、押出し成形した積層シートを熱成形する方法等がある。
ここで、使用する合成樹脂の種類と流動性(粘度)の組み合わせ、樹脂温度、剪断速度等を適宜選択することにより、たとえば外層と内層の間に中間層をサンドイッチ状に挟んだ状態で共押し出しする過程で、積層して溶融流動する流動界面で乱れを発生させること等により、プリフォームにおいて中間層を細分化、若しくは細かく分岐した状態で積層した状態とすることができる。
【0029】
請求項9記載の発明の方法は、請求項7または8記載の発明において、中間層と、この中間層に隣接する層とを相互に相溶性の低い合成樹脂の組み合わせとすること、にある。
【0030】
請求項9記載の上記構成により、共延伸過程、あるいは冷却工程における中間層と隣接する層の層間剥離をより効果的に発生させることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明は上記した構成であり、以下に示す効果を奏する。
その中で請求項1記載の発明にあっては、各層の合成樹脂の組み合わせ、成形条件を適宜選択することにより中間層をさまざま態様で積層させて、さまざまな加飾効果を発揮させることがきる。
【0032】
また、加飾機能を発揮する中間層は少なくとも外層に覆われているので、外表面の平坦性、光沢性が損なわれることもなく、また内層の材料選択により食品分野にも安心して使用できる。
【0033】
請求項2の発明にあっては、形成されたクラックにより光が効果的に散乱されて、容器において、きらきら輝く加飾効果を付与することができる。
【0034】
請求項3の発明にあっては、糸状に延伸された中間層が絡み合ったように積層することにより繊維が重なったような、今までにない加飾効果を発揮させることができ、さらに、多数のクラックを糸状に延伸された中間層に沿って形成させてダイアモンドダストを想起させるような今までにない加飾効果を発揮させることができる。
【0035】
請求項4の発明にあっては、中間層の積層態様とクラックの形成態様により、ガラスにおけるひび割れ模様に近い質感、および輝きを有する加飾効果を現出させることができる。
【0036】
請求項5の発明にあっては、外層と内層を同種の合成樹脂製、中間層を外層および内層とは異種の合成樹脂を使用して、2種3層の最も簡単な層構成とすることができる。
【0037】
請求項6の発明にあっては、具体的な層構成に係るものであり、PP樹脂製の外層と内層で延伸性の比較的低いEVOH樹脂製の中間層をサンドイッチ状に挟持して、共延伸するので、中間層の積層領域を容器の略全域に亘って均一に展開させることができ、また、PP樹脂とEVOH樹脂相互の相溶性が低いので、界面での層間剥離、クラックをより効果的に形成することができる。
【0038】
請求項7の発明にあっては、中間層を他の層に対して比較的延伸性が低い層とすることにより、2軸延伸ブロー成形おける共延伸過程で中間層を伸破断しながら、細分化、若しくは細かく分岐した状態に延伸することができる。
【0039】
また、中間層は外層、内層等の延伸性の良好な合成樹脂製の他の層によりサンドイッチ状に挟持された状態で共延伸されるので、多数の延伸破断が発生して細分化、あるいは細かく分岐するものの、その積層領域を一部に偏在することなく容器の略全域に略均一に拡げることができる。
【0040】
請求項8の発明にあっては、細分化、若しくは細かく分岐した状態で積層する中間層を有するプリフォームを使用するものであるが、延伸性の良好な層でサンドイッチ状に挟持して共延伸することにより、細分化、若しくは細かく分岐した中間層の積層領域を、一部に偏在することなく容器の略全域に略均一に拡げることができる。
【0041】
請求項9の発明にあっては、中間層と、この中間層に隣接する層とを相互に相溶性の低い合成樹脂の組み合わせとすることにより、共延伸過程、あるいは冷却工程において中間層と隣接する層の層間剥離をより効果的に発生させて、
多数のクラックを形成することができる。

【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の合成樹脂製容器の一実施例である壜体1を示す正面図であり、図2は図1の壜体1における加飾機能を発揮する中間層3の積層態様を拡大して示す概略説明図である。
また、図3は2軸延伸ブロー成形により図1の壜体1を成形するための試験管状のプリフォーム11の半縦断面図であり、図4はこのプリフォーム11の縦断面における中間層13の積層態様を拡大して示す概略説明図である。
【0043】
図3のプリフォーム11は外層12と内層14と中間層13を有し、外層12と内層14はPP樹脂製(MFR30)、中間層13はEVOH樹脂製(MFR3.2)である。
このプリフォーム11は多種多層射出成形機で成形されたものである。
【0044】
中間層13は口筒部16の上端部、底部18を除いた高さ範囲に形成されていが、詳細に観察すると図4の要部を拡大した概略説明図に示されるように、この中間層13は外層12と内層14の界面E近傍に非連続状に多数の断片15に細分化した状態で積層している。
【0045】
プリフォーム11を多種多層射出成形機で成形する際、外層12と内層14の間に中間層13をサンドイッチ状に挟んだ状態で共押し出しする過程で、積層して溶融流動する流動界面で振動状の乱れを発生させて、このように中間層を細分化して積層することができる。
なお、本実施例のPP樹脂とEVOH樹脂の組み合わせでは、PP樹脂のなかでも比較的高い流動性(MFR30)を有するPP樹脂と、EVOH樹脂のなかでも比較的低い流動性(MFR3.2)を有するEVOH樹脂を組み合わせることにより中間層を効果的に細分化して積層することができる。
【0046】
図1の壜体1は図4に示される積層態様の中間層13を有する図3のプリフォーム11を2軸延伸ブロー成形法により成形したものであり、口筒部6、胴部7、そして底部8を有し、胴部7全域に、略均一に横方向に方向性を有するひび割れ状の模様Dが観察される。
【0047】
図2は、胴部7壁面に対して垂直な方向から観察した中間層3の形成状態を拡大して示す概略説明図であるが、全体として横方向に糸状に延伸された中間層3が絡み合ったようして積層した状態である。また、多数のクラックCが糸状に延伸された中間層3に沿って形成されている。
そして、このクラックCにより光が散乱してきらきらと輝くダイアモンドダストを想起させるような加飾効果が発揮される。またさらには、この加飾機能を発揮する中間層3を外層と内層でサンドイッチ状にしているので深みのある輝きが現出される。
【0048】
プリフォーム11の中間層13の各断片15が2軸延伸ブロー成形における横方向の延伸により糸状に延伸され、壜体1でこのような中間層3の積層態様が現出され、外層2、および内層4と中間層3の延伸性の差により、PP樹脂とEVOH樹脂の相溶性が低いことが相俟って中間層3の界面に多数のクラックが形成できるものと考えられる。
また、良好な延伸性を有するPP樹脂製の外層2と内層4でサンドイッチ状に挟んで共延伸することにより、本実施例のようにプリフォーム11で既に細分化して分散する中間層13を壜体1胴部6の全領域に略均一に延伸して、積層することができる。
【0049】
以上、実施例により本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施の態様はこれら実施例に限定されるものではない。
上記実施例では、非連続状に多数の断片に細分化されて分散した状態の中間層を有するプリフォームを使用した例について記載したが、連続した通常の中間層を有するプリフォームも使用でき、この場合には中間層と内外層の2軸延伸性の差を利用して、2軸延伸ブロー成形工程で中間層に延伸破断を発生させて細分化あるいはネット状に細かく分岐させることができる。
【0050】
また、プリフォームの成形方法も射出成形法に限定されるものではなく、押し出し成形した積層パリソンをブロー成形する方法、押し出し成形した積層シートを熱成形する方法等を採用することができる。また使用樹脂もPP樹脂とEVOH樹脂に限定されるものではなく、たとえば2軸延伸性に優れたものとしてポリエチレンテレフタレート樹脂とナイロン系樹脂との組み合わせ等も本発明に適した組み合わせである。
【0051】
また、本発明の加飾機能を発揮する中間層については、さらに着色して異なる加飾効果を発揮させることもでき、必要に応じて他の中間層を付加して光の散乱状態に変化を付与することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の合成樹脂製容器は中間層により今までにない加飾機能が発揮されるものであり、また後処理工程の必要も無く、食品分野にも安心して使用できる構成とすることができ、差別化した製品として、さまざまな用途に幅広い展開が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の合成樹脂製容器の一実施例である壜体の部分的に縦断した正面図である。
【図2】図1の壜体において、胴部壁面に対して垂直な方向から観察した中間層の形成状態を拡大して示す概略説明図である。
【図3】図1の壜体に使用するプリフォームの一例を示す半縦断正面図である。
【図4】図3中の縦断面において、中間層の積層態様を拡大して示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1 ;壜体(容器)
2 ;外層
3 ;中間層
4 ;内層
6 ;口筒部
7 ;胴部
8 ;底部
11;プリフォーム
12;(プリフォーム)外層
13;(プリフォーム)中間層
14;(プリフォーム)内層
15;断片
16;(プリフォーム)口筒部
17;(プリフォーム)胴部
18;(プリフォーム)底部
C ;クラック
D ;ひび割れ模様
E ;界面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも外層(2)と、内層(4)と、加飾機能を発揮する中間層(3)を有する2軸延伸ブロー成形した積層容器であって、前記中間層(3)が、細分化、若しくは細かく分岐した状態に延伸されて積層していることを特徴とする合成樹脂製容器。
【請求項2】
加飾機能を発揮する中間層(3)と、隣接する層の界面で多数のクラック(C)が形成されていることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製容器。
【請求項3】
加飾機能を発揮する中間層(3)が細分化、若しくは細かく分岐した状態で糸状に延伸されて積層していることを特徴とする請求項1または2記載の合成樹脂製容器。
【請求項4】
加飾機能を発揮する中間層(3)の積層態様により、ひび割れ模様(D)を現出するように構成したことを特徴とする請求項1、2または3記載の合成樹脂製容器。
【請求項5】
2種3層の積層とした請求項1、2、3または4記載の合成樹脂製容器。
【請求項6】
外層(2)および内層(4)をポリプロピレン樹脂製とし、中間層(3)をエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂製とした請求項5記載の合成樹脂製容器。
【請求項7】
外層(12)と、内層(14)と、少なくとも一つの中間層(13)を有するプリフォーム(11)を使用し、該プリフォーム(11)の2軸延伸ブロー成形工程において、プリフォーム(11)の前記中間層(13)を細分化、若しくは細かく分岐した状態に共延伸し、加飾機能を発揮する中間層(3)を形成することを特徴とする合成樹脂製容器の製造方法。
【請求項8】
少なくとも外層(12)と、内層(14)と、細分化、若しくは細かく分岐した状態で積層する中間層(13)を有するプリフォーム(11)を使用し、該プリフォーム(11)の2軸延伸ブロー成形工程において、プリフォーム(11)の前記細分化、若しくは細かく分岐した状態で積層する中間層(13)を共延伸し、加飾機能を発揮する中間層(3)を形成することを特徴とする合成樹脂製容器の製造方法。
【請求項9】
プリフォーム(11)において中間層(13)と、該中間層(13)に隣接する層とを相互に相溶性の低い合成樹脂の組み合わせとした請求項7または8記載の合成樹脂製容器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−223628(P2007−223628A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−44954(P2006−44954)
【出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】