吊り戸装置
【目的】 本発明は、吊り戸の閉鎖時に吊り戸の下端縁と床面の間に生じる隙間を閉塞できる吊り戸装置に関するもので、吊り戸の開閉中の横揺れを確実に防止し、静粛性、施行性にすぐれ、安価に製作できる吊り戸装置を提供することを目的とする。
【構成】 自閉機能を有する吊り戸装置において、床面等に固定されたガイド部材のガイドローラーに案内され、吊り戸の下端部に開閉方向に渡って設けられた下面が開口する案内溝と、案内溝と前後方向に平行して吊り戸の下端部に設けられた隙間閉塞部を有し、隙間閉塞部は、昇降可能に保持された隙間閉塞部材と、吊り戸の閉鎖時にガイド部材に当接して隙間閉塞部材を下降せしめる作動部材と、隙間閉塞部材が常に上昇位置を維持するよう付勢せしめる付勢手段を有し、吊り戸の自閉力が、付勢手段の付勢力より大きく設定されているものである。
【構成】 自閉機能を有する吊り戸装置において、床面等に固定されたガイド部材のガイドローラーに案内され、吊り戸の下端部に開閉方向に渡って設けられた下面が開口する案内溝と、案内溝と前後方向に平行して吊り戸の下端部に設けられた隙間閉塞部を有し、隙間閉塞部は、昇降可能に保持された隙間閉塞部材と、吊り戸の閉鎖時にガイド部材に当接して隙間閉塞部材を下降せしめる作動部材と、隙間閉塞部材が常に上昇位置を維持するよう付勢せしめる付勢手段を有し、吊り戸の自閉力が、付勢手段の付勢力より大きく設定されているものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊り戸の閉鎖時に吊り戸の下端縁と床面の間に生じる隙間を閉塞できる吊り戸装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の吊り戸装置としては、戸先側並びに戸尻側にそれぞれガイドローラーが設けられた閉塞体を戸体の下フレームに上下動自在に嵌着し、戸先側ガイドロ−ラーの走行面には、戸体閉戸位置で、戸先側ガイドローラーが滑落する凹溝を設け、戸尻側ガイドローラーの走行面には戸体閉戸位置で戸先側ガイドローラーの走行面に滑落案内するガイドレールを設けたものがある。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
この場合、戸先側ガイドローラーの走行面に形成された戸先側ガイドローラーが滑落する凹溝が出入口の床面に位置するので、老人、身障者が出入する時、前記凹溝に足先を引っ掛けて転倒したり、あるいは車椅子で出入する時、さらにストレッチャー等が通過する時に、その車輪が前記凹溝に一旦落ち込んだりして、スムースな通行が出来なかった。
又、前記構成では、戸先側および戸尻側ガイドローラーが常に床面上(ガイドレール上)を走行するので、戸の開閉時に不快な走行音が発生していた。
そして、この走行音は、特に病室(特に夜間)のように静粛性を必要とされる場所では、非常に耳障りな音となっていた。
【0004】
一方、上記問題を解決するものとして、吊り戸の下端部に開閉方向に移動可能に支持された駆動用横動体を設け、駆動用横動体が吊り戸に対し戸開き方向に移動する時、隙間閉塞用昇降体を下降させ、駆動用横動体が吊り戸に対し戸閉じ方向に移動する時隙間閉塞用昇降体を上昇させるよう両者を連動連結し、閉鎖時には、吊り戸が閉じ位置に達する前に駆動用横動体の戸尻側端部に形成した当接部(以下当接部)を壁内に設けられた固定側被当接部(以下被当節部)に当接させて、さらに吊り戸を閉鎖位置に移動させることにより隙間閉塞用昇降体を吊り戸下端部より下降させ、開放時には、吊り戸が所定位置に開放されるまで、被当接部と当接部の当接状態を維持させて、吊り戸が開放されるに従って隙間閉塞用昇降体を吊り戸下端部より上昇させるようにして、隙間閉塞用昇降体を上昇位置に維持させる第1係止手段と、下降位置を維持させる第2係止手段を設けた構成のものが提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
【0005】
上記の場合、壁内に設けられた被当接部は、隙間閉塞用昇降体内に位置して吊り戸の開閉時の横揺れ(前後方向の振れ)を防止する目的を併せ持つが、被当接部が隙間閉塞用昇降体に接触して隙間閉塞用昇降体の昇降動作に影響を与えるのを防止するため、吊り戸下端部内面と隙間閉塞用昇降体間、および、隙間閉塞用昇降体内面と被当接部間には所定のクリアランスが必要となる。しかし、このクリアランスがあることによって、被当接部と吊り戸下端部内面間は蜜に接触することができず、吊り戸の開閉中の横揺れを十分に防ぐ事が出来なかった。
又、吊り戸の開閉時に隙間閉塞用昇降体が不測に昇降するのを防止するため、第1係止手段と第2係止手段とを設けなければならず、部品点数が増加し、コストアップとなっていた。
【0006】
さらに、吊り戸の吊り下げ状態や床面の状況等によって、吊り戸下端部と床面との隙間の大きさが吊り戸の設置場所によって異なるので、吊り戸が閉鎖位置に達した時に隙間閉塞用昇降体の下端部が丁度床面に摺接するよう、隙間閉塞用昇降体の昇降範囲を調節する必要がある。すなわち、前記吊り戸下端部と床面との隙間の大きさに合わせて、当接部が被当接部に当接する位置(当接部が第2係止手段に係止される位置)を調節する必要があり、上記の場合は、当接部の位置を駆動用横動体の移動方向に調節可能な構成としているが、当接部は吊り戸が開放、閉鎖いずれの状態においても壁内に位置しているので、吊り戸を吊り下げた状態では当接部の位置を調節することが出来ない。このため、隙間閉塞用昇降体の最適な下降幅を得るには、吊り下げられている吊り戸を一旦取外して、当接部の位置を調節し、調節が済んでから再度吊り戸を吊り下げるという作業をくりかえさなければならず、施工性が非常に悪かった。
【0007】
【特許文献1】実公平02−36875号公報
【特許文献2】特開平10−280827号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、吊り戸の開閉中の横揺れを確実に防止し、静粛性、施行性に優れ、且つ安価に製作できる吊り戸装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、上記課題を解決する為、本発明が第1の手段として構成したところは、自閉機能を有する吊り戸装置において、床面等に取り付けられたガイド部材のガイドローラーに案内され、開閉方向に渡って設けられた下面が開口する吊り戸の下端部に設けられた案内溝と、案内溝と前後方向に平行して吊り戸の下端部に設けられた隙間閉塞部とを有し、隙間閉塞部は、昇降可能に保持された隙間閉塞部材と、吊り戸の閉鎖時に戸尻側端部がガイド部材に当接して隙間閉塞部材を下降せしめる作動部材と、常に隙間閉塞部材を上昇位置に維持するよう付勢する付勢手段を有し、吊り戸の自閉力が、付勢手段の付勢力より大きく設定されているものである。
【0010】
次に、本発明が第2の手段として構成したところは、自閉機能を有する吊り戸装置において、床面等に取り付けられたガイド部材のガイドローラーに案内され、開閉方向に渡って設けられた下面が開口する吊り戸の下端部に設けられた案内溝と、案内溝と前後方向に平行して吊り戸の下端部に設けられた隙間閉塞部とを有し、隙間閉塞部は、昇降可能に保持された隙間閉塞部材と、吊り戸の閉鎖時に戸尻側端部がガイド部材に当接して隙間閉塞部材を下降せしめる作動部材と、常に隙間閉塞部材を上昇位置に維持するよう付勢する付勢手段を有し、吊り戸の自閉力が、付勢手段の付勢力より大きく設定されると共に、前記ガイド部材は、吊り戸の開閉方向に取付位置が調節可能に設けられているものである。
【0011】
次に、本発明が第3の手段として構成したところは、自閉機能を有する吊り戸装置において、床面等に取り付けられたガイド部材のガイドローラーに案内され、開閉方向に渡って設けられた下面が開口する吊り戸の下端部に設けられた案内溝と、案内溝と前後方向に平行して吊り戸の下端部に設けられた隙間閉塞部とを有し、隙間閉塞部は、昇降可能に保持された隙間閉塞部材と、吊り戸の閉鎖時に戸尻側端部がガイド部材に当接して隙間閉塞部材を下降せしめる作動部材と、常に隙間閉塞部材を上昇位置に維持するよう付勢する付勢手段を有し、吊り戸の自閉力が、付勢手段の付勢力より大きく設定されると共に、前記ガイド部材は、吊り戸の開閉方向に取付位置が調節可能に設けられ、吊り戸の全開時、吊り戸の戸先側端部に取り付けられた戸当り部材を持ち上げた状態で、吊り戸の戸先側端部から、前記ガイド部材の調節部が目視可能に構成されているものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によると、吊り戸に自閉機能を持たせ、自閉力を隙間閉塞部材が常に上昇位置を維持するよう付勢する付勢手段の付勢力より大きく設定する事で、付勢手段の付勢力によって閉鎖した吊り戸が不測に開くことがなく確実に吊り戸は閉鎖される。
又、ガイド部材が位置する案内溝と、隙間閉塞部材が昇降する隙間閉塞部が前後方向に分離して平行に設けられているので、ガイド部材は隙間閉塞部材の昇降動作に干渉する事がなく、開閉中の吊り戸の横揺れを確実に防止する事が出来る。
さらに、吊り戸の閉鎖時に隙間閉塞部材を下降せしめる作動部材のガイド部材への当接は作動部材の戸尻側端部で行われるので、吊り戸の開閉時に作動部材が外部に露出する事がなく、吊り戸の美観を損なう事がない。
又、吊り戸の開閉に必要なガイド部材を隙間閉塞部材を下降させる作動部としても兼用しているので、部品点数が少なくてすみ、安価に製作出来る。
【0013】
請求項2に記載の発明によると、前記効果に加え、吊り戸の閉鎖時に隙間閉塞部材を下降せしめる作動部材が当接するガイド部材の取付位置を左右方向(吊り戸の開閉方向)で調節可能にして、吊り戸が開放された状態で、吊り戸の戸先側下端と床面との隙間からガイド部材の取付位置を容易に調節することができるので、施工性に優れているとともに、床面と吊り戸下端部との隙間の状態にあわせて、隙間閉塞部材の昇降範囲の調節が容易であり、吊り戸の閉鎖時に隙間の閉塞を確実に行う事が出来る。
【0014】
請求項3に記載の発明によると、請求項1、請求項2に記載の発明の効果に加え、吊り戸の戸先側端部から前記ガイド部材の調節個所が目視可能であるから、ガイド部材の取付位置の調節が一層容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、自閉機能を有する吊り戸装置において、床面等に取り付けられたガイド部材のガイドローラーに案内され、開閉方向に渡って設けられた下面が開口する吊り戸の下端部に設けられた案内溝と、案内溝と前後方向に平行して吊り戸の下端部に設けられた隙間閉塞部とを有し、隙間閉塞部は、昇降可能に保持された隙間閉塞部材と、吊り戸の閉鎖時に戸尻側端部がガイド部材に当接して隙間閉塞部材を下降せしめる作動部材と、常に隙間閉塞部材を上昇位置に維持するよう付勢する付勢手段を有し、吊り戸の自閉力が、付勢手段の付勢力より大きく設定されると共に、前記ガイド部材は、吊り戸の開閉方向に取付位置が調節可能に設けられ、吊り戸の全開時、吊り戸の戸先側端部に取り付けられた戸当り部材を持ち上げた状態で、吊り戸の戸先側端部から、前記ガイド部材の調節部が目視可能に構成されているものである。
【実施例1】
【0016】
以下、添付図面に基づいて実施例を詳述する。
図1〜図6において、符号1は吊り戸枠を示している。
吊り戸枠1は、建物側の鉄骨11・・・にブラケット12・・・を介して固定された戸尻側縦枠13および戸先側縦枠14と、戸尻側縦枠13と戸先側縦枠14との上端間に配設され、建物側鉄骨11にブラケット12を介して固定された上横枠15より門形に形成されている。
【0017】
符号2は、レール取付材を示している。
レール取付材2は、戸尻側縦枠13上部と戸先側縦枠14上部との間に高さ調節自在、傾斜角度調節可能に配設され、室内側に吊り戸レール5が着脱自在に連結される。
符号6は、吊り金具70を介して吊り戸レール5に吊り下げられた吊り戸を示し 符号3、3は、戸尻側縦枠13と戸先側縦枠14間で、上端が上横枠15の室内側と廊下側の両面に固定され、下端部が床面に埋め込まれて配設された中枠を示している。
以下、戸尻側縦枠13と中枠3、3間側を引き込み部側、戸先側縦枠14と中枠3、3間側を出入り口側と云う。
【0018】
符号16は、出入り口側の床面全幅に渡って設けられた沓ずり材を示し、引き込み部側の端部上面にはガイド部材4が、吊り戸6の開閉方向に取付位置が調節自在に取り付けられている。
符号17は、引き込み部側の床面全幅に渡って設けられたベース材を示し、符号18、18は、引き込み部側の室内側及び廊下側の両面に配設された下地パネルを示し、符号19は、レール取付材2の廊下側の表面に取り付けられるランマ下地パネルを示し、符号96はレール取付材2の室内側の出入り口側に着脱自在に取り付けられた点検パネルを示している。
【0019】
そして、上記吊り戸枠1、沓ずり材16、中枠3、3、ベース材17、下地パネル18、ランマ下地パネル19、レール取付材2が、内装仕上げが行われるまで(化粧ボード100・・が貼り付けられるまで)に施工される。
ガイド部材4は予め吊り戸6に嵌め込まれている。
すなわち、ガイド部材4は、ガイド部材4に取り付けられた後記するローラー40を、吊り戸6の下端の後記する案内溝63の戸先側に嵌め込まれ、粘着テープで脱落しないように貼り付けられている。
そして、内装仕上げが終了した後、吊り戸6が出入り口側からレール取付材2に取り付けられた吊り戸レール5に吊り込まれる。
そして、吊り戸6を全開状態として、吊り戸6の戸先側下端にガイド部材4を貼り付けている粘着テープを剥がすと、ガイド部材4は沓ずり材16の引き込み部側の端部上面に落下することとなり、ガイド部材4は略その位置で沓ずり材16に取り付けられる。
そして、吊り戸6の自閉スピードの調節、および吊り戸6と床面、戸先側縦枠14との隙間調節が行われ、最後に点検パネル96が取り付けられる。
【0020】
以下、各部材について詳述する。
吊り戸枠1の戸尻側縦枠13は、図5、図6に示す如く、固定用部材131・・・が上下方向に所定間隔を有して建物側鉄骨11側に設けられた横断面略コ字形に形成され、建物用鉄骨11の引き込み部側面に突出して固着されたブラッケット12・・・と固定用部材131・・・が溶接され、床面仕上げ時に下端部が床面に埋め込まれて立設されている。
符号133は、全開された吊り戸6の戸尻側端面が当接する緩衝部材を示し、戸尻側縦枠13の引き込み部側面の上下部に取り付けられている。
【0021】
吊り戸枠1の戸先側縦枠14は、図5、図6に示す如く、固定用部材141・・・が上下方向に所定間隔を有して建物側鉄骨11側に設けられた横断面扁平略コ字形に形成され、出入り口側の前後方向中央部に鉄骨11側に窪む戸当り受け溝142を有し、建物用鉄骨11の出入り口側面に突出して固着されたブラッケット12・・・と固定用部材141・・・が溶接され、床面仕上げ時に下端部が床面に埋め込まれて立設されている。
符号143は、戸当り受け溝142に取り付けられた弾性材からなる戸当り受け材を示している。
そして、符号100・・・は化粧ボードを示している。
【0022】
上横枠15は、図3、図4に示す如く、固定部材151・・・が吊り戸6の開閉方向に所定間隔を有して建物用鉄骨11側に設けられた断面上向き略コ字形に形成され、開閉方向両端部に取付られた逆L字形の連結金具と戸尻側縦枠13、戸先側縦枠14の上端部がネジ止めされ、建物用鉄骨11の下面の下方に突出して固着されたブラッケト12・・・と固定部材151・・・が溶接されて、戸尻側縦枠13と戸先側縦枠14の上端間に配設されている。
そして、上記戸尻側縦枠13、戸先側縦枠14、上横枠15によって吊り戸枠1が構成される。
【0023】
ベース材17は、図3に示す如く、廊下側端部および室内側端部が上方に突出して、下地パネル18、18の下端部内面を係止する係止突片171、171を有する上向き略コ字形に形成され、引き込み部側の床面全幅に渡って固定されている。
そして、室内側の出入り口側端部にガイド部材4の引き込み側部の端部側が浮き上がるのを防止する浮き上がり防止部材170が下壁172に固着されている。
【0024】
沓ずり材16は、図4に示す如く、下向き略コ字形に形成され、引き込み部側端部にガイド部材4の取付用ナット部161が固着され、引き込み部側端部がベース材17の出入り口側端部にほぼ当接する状態で出入り口側の床面全幅に埋め込まれ、出入り口側の床面を構成している。
【0025】
中枠3、3は、図5、図6に示す如く、対向した略同形に形成されているので便宜上室内側についてのみ説明する。
中枠3は、内面側に位置する補強枠31と、補強枠31の出入り口側の端部に形成されて室内側に突出し、引き込み部側の化粧パネル100の出入り口側端部を隠蔽する中枠突部32と、補強枠31の室内側の表面に設けられ、戸尻側縦枠13側の端部に下地パネル18のパネル係止突片が形成された連結部33を有する表面板34より形成され、上端部が上横枠15の室内側面部に連結され、下端部がベース材17の室内側と連結され、下端部が床面仕上げ時に床面に埋め込まれて立設される。符号30は軟質合成樹脂材より形成された密閉材を示している。
【0026】
レール取付材2は、図3、図4、図7に示す如く、戸尻側縦枠13、戸先側縦枠14の上端部内面に設けられたレール取付材固定座22の垂直面21に、戸尻側縦枠13側の端部が一本の固定用ボルト(図示せず)で、戸先側縦枠14側の端部が2本の固定用ボルト23、23にて高さ調節自在および傾斜角度調整可能に連結され、固定面21の室内側に吊り戸レール5が着脱自在に取り付けられている。
そして、吊り戸6の吊り込み時、レール取付材2の戸先側縦枠14側の2本の固定用ボルト23、23を緩めて、レール取付材2の傾斜状態(吊り戸レール5の傾斜状態)を微調整して吊り戸6の自閉スピード(自閉力)の調節を行う。
図7において、符号53は、レール取付材2の出入り口側の所定位置に取り付けられたシリンダー取付座を示し、符号54はシリンダー取付座に取り付けられたエアーシリンダーを示し、エアーシリンダー54は、スライド装置51に連結された後記する吊り金具70の取付壁701の戸尻側端部に設けられたブレーキ用突片700と共同して、吊り戸6が加速度的に閉鎖するのを防止するブレーキ機能を発揮する。
すなわち、本発明で云う自閉力とは、ブレーキ機能を有しない場合は、レール取付材2の傾斜による吊り戸6の自閉する力を意味するが、ブレーキ機能を有する場合は、エアーシリンダー53のブレーキ力に抗して、吊り戸6が全閉するまでの自閉する力を意味する。
【0027】
吊り戸レール5は、図7に示す如く、スライド装置51と、アルミ材からなる押出補強材50と、補強材52が連結して構成され、その開閉方向の長さは、吊り戸6の移動距離よりやや長めに形成され、レール取付材2の室内側に、戸先側縦枠14側が前下がりとなるよう、ネジ止め等にて着脱自在に取り付けられ、吊り戸6に自閉機能を持たせている。
すなわち、吊り戸レール5は、引き込み側部はレール取付材2の戸尻側縦枠13側の端部に形成された係止孔に、補強材52の戸尻側縦枠13側の端部に形成された係止爪を出入り口側から押し込むようにして係止させ、出入り口側部は複数箇所ネジ止めすることにより、レール取付材2に取り付けられる。
スライド装置51は、図7に示す如く、アルミの押出補強材50の室内側に保持される断面略C字形のアウターメンバー55と、アウターメンバー55にボールリテーナー57に保持された複数個のボールを介してスライド自在に保持される断面略C字形のインナーメンバー56より構成されており、アルミの押出補強材50と補強材52とアウターメンバー55は開閉方向の略全幅に渡って配設され、インナーメンバー56は吊り戸6の開閉方向の幅よりやや小さ目に形成され、ボールリテーナー57はインナーメンバー56より2倍強の幅に形成されている。
【0028】
符号70はインナーメンバー56の室内側に固着された吊り金具を示している。
吊り金具70は、図7に示すように、インナーメンバー56と開閉方向にほぼ同幅で、インナーメンバー56の室内側に固着される取付壁701と、取付壁701の下端部をスライド装置51の下方でランマ下地パネル19方向に下向きL字形に突出させた上部突壁702と、上部突壁702の下端部を点検パネル96方向に上向きL字形に突出させた支持壁703より構成されている。そして支持壁703には点検パネル96側からランマ下地パネル19方向に係止孔(図示せず。)が形成され、係止孔に吊り下げボルト704が係止されている。
【0029】
吊り下げボルト704は、図7に示すように吊り戸6の上面に固着された後記するナット部61に螺合する螺軸部705と、螺軸部705の上部に位置し螺軸部705より大径で且つ係止孔の開閉方向の巾よりも大径の頭部706と、頭部706の下面に位置し、係止孔内に位置する円筒形の回動部(図示せず。)と、回動部の下方で螺軸部705を回動させる、頭部706より小径の回動操作部708より構成されている。符号709は吊り下げボルト704の回転を阻止する締め付けナットを示している。
【0030】
吊り戸6は、図3〜図8に示す如くパネル形状をなし、上端面の内側に前記吊り下げボルト704の螺軸部705が螺合するナット部61が開閉方向に所定間隔を有して複数個固着され、上面には、廊下側に突出し吊り戸6の閉鎖状態で出入り口側の上部を密閉するための弾性材からなる密閉材621が密閉用突片62を介して取り付けられ、戸尻側の端面の上下方向には閉鎖状態で中枠3の密閉材30と共同して、吊り戸6の廊下側と中枠3の隙間を閉塞するための弾性材からなる密閉材601を有する戸尻側密閉用突片60が設けられている。
そして、下端部には開閉方向で室内側に位置して、開閉時にガイド部材4のガイドローラー40に案内される下面が開口する案内溝63が形成され、さらに案内溝63に平行して隙間閉塞部材7を昇降可能に保持する隙間閉塞部64が形成され、戸先側端面には、補強部材68と共に戸当り部材600の嵌入孔602、602に嵌入する嵌入突片69、69が対向して形成されている。
すなわち、吊り戸6の下端に形成された内向き折曲縁603が、戸当り部材600の下端部に当接して戸当り部材600の下がり止めが行われる。
【0031】
上記案内溝63は、図8に示すように、吊り戸6の下端部内面に固着された下向きコ字形の補強材65と、補強材65の内面に固着された垂直壁661と水平壁662を有する横向きZ形の隔壁66によって形成されされている。
そして、図14に示すように、垂直壁661の戸先側端部に戸先側取付座664が固着されて、水平壁662と戸先側取付座664の下壁665間に後記する収納用枠材67の上壁671が差し込まれる差込用間隙663が形成される。
すなわち、補強材65の廊下側内面と隔壁66の垂直壁661の室内側面の上部が後記するガイドローラー40の案内面となり、水平壁662の下方が隙間閉塞部64となる。
よて、ガイドローラー40(ガイド部材4)は案内溝63内に位置し、隙間閉塞部材7は隙間閉塞部64に位置しているので、吊り戸6の開閉時、互いに干渉し合うことがなく、吊り戸6のスムースな開閉状態を得ることができる。
【0032】
ガイド部材4は、吊り戸6の開閉方向に長い2つの長孔41、41を有し、戸尻側縦枠13側の端部が、浮き上がり防止部材170とベース材17の下壁172間に嵌入した状態で、長孔41、41を挿通し取付用ナット部161、161に螺合する固定ボルト42、42にて、吊り戸6の開閉方向に取付位置を調節可能に沓ずり材16の上面に取り付けられる基板43と、基板43の戸尻側縦枠13側の略半分の寸法で室内側に寄った位置で基板43に一体に立設された起立板44と、起立板44の上端で水平方向に一体に形成され戸先側縦枠14側の端部に回転自在にガイドローラー40を有するローラー取付板45より構成されている。
そして、図17に示すように、吊り戸6が全開した状態で戸当り部材600を持ち上げると、吊り戸6の案内溝63内で、固定ボルト42、42が目視できる個所にガイド部材4が固定される。
すなわち、沓ずり材16と吊り戸6の下端面との隙間から差し込まれたスパナの先と固定ボルト42、42の位置関係が目視出来るので、ガイド部材4の固定位置の調節が容易で、施行性に優れている。
【0033】
隙間閉塞部64には、吊り戸6の開閉方向に移動自在で、吊り戸6の開閉方向のほぼ全幅に渡って配設された作動部材8と、作動部材8の吊り戸の開閉方向への移動を上下方向の移動に転換する連動用部材9と、連動用部材9によって上下動する隙間閉塞部材7と、隙間閉塞部材7が常に上昇位置を維持するよう付勢する付勢手段80と、上記部材が組み込まれる収納用枠材67より構成された閉塞用部材640が取り付けられる。
【0034】
収納用枠材67は、上壁671、前後壁672、673からなる下向き略コ字形に形成され、前後壁の所定位置に連動部材9を連動部材連結ピン90・・・にて回動自在に連結する取付孔674・・・が形成され、戸先側には後記する付勢手段80のストッパー803を収納用枠材7に固定する固定ピン805が挿通する取付孔675・・・が形成され、上壁671の戸尻側端部には枠材取付孔676が形成されている。
そして、隙間閉塞部材7、作動部材8、付勢手段80、連動用部材9等が組み込まれた状態(閉塞用部材640が構成された状態)で収納用枠体67の上壁671の戸先側端部は、隔壁66の水平壁662と前記戸先側取付座664の下壁665間に形成された差込用間隙663に嵌入し、戸尻側端部は枠材取付孔676に図9に示す戸尻側取付座666の上向き係止突片667を下側から係止し、戸尻側取付座666を吊り戸6の戸尻側端面にネジ止めする事により吊り戸6の下端部に連結、保持される。
【0035】
隙間閉塞部材7は、逆三角形とした弾性材からなる接地材71と、下端部で接地材71の上端を保持し、吊り戸6の開閉方向所定位置に前記連動用部材9の下端部が隙間閉塞部材連結ピン72、72にて回動可能に連結される回動連結孔73・・・を有する接地材保持部材74より構成されている。
符号75・・・は、隙間閉塞部材7が上昇した時、接地材保持部材74の上部が、連動用部材9の連動部材連結ピン90、90に当接するのを防止する昇降用逃し切り欠きを示している。
【0036】
連動用部材9は、作動部材連結部91と、作動部材連結部91の下端に連設された閉塞部材連結部92よりくの字形に形成されている。
そして、作動部材連結部91と閉塞部材連結部92の連設部分には前記連動部材連結ピン90が嵌入する回動用連結孔93が形成され、閉塞部材連結部92の下端部には前記隙間閉塞部材連結ピン72が嵌入する連結用孔94、94が形成されている。
【0037】
作動部材8は、戸尻側端部には吊り戸6が全閉位置の手前まで閉鎖されたときに前記ガイド部材4の起立板44の戸尻側縦枠13側端部に当接するよう、吊り戸6の戸尻側端面から戸尻側縦枠13側に突出し、さらに案内溝63側に突出する当接部81を有し、連動用部材9の作動部材連結部91の上端部が回動可能に嵌合する嵌合部83・・・を開閉方向の所定位置下面に有し、戸先側端部には後記する付勢手段80の支持棒84が内面に戸尻側方向に突出して形成された支持部85を有して、吊り戸6に対し所定範囲で開閉方向に移動可能となっている。
符号810は当接部81に外嵌するゴム材からなる緩衝部材を示している。
【0038】
付勢手段80は、作動部材8の支持部85に設けられた戸尻側方向に向かって突出する支持棒84に外嵌するコイルバネ802と、作動部材8が吊り戸6に対して戸尻側に移動したときコイルバネ802の戸尻側端部を保持し、コイルバネ802にさらなる弾発力を付与する、収納用枠材67に取付られたストッパー部材803より構成されている。
ストッパー部材803は、収納用枠材67のストッパー取付孔675・・・に対応する固定孔804、804に嵌入する固定ピン805、805にて収納用枠材67内に固定されている。
【0039】
下地パネル18は、図4、図5に示す如く、室内側及び廊下側でそれぞれの引き込み部側に取り付けられている。すなわち、下地パネル18は、下端部の開閉方向と中枠3、3側の端部の上下方向に形成された係止溝が前記ベース材17の係止突片171および中枠3のパネル係止突片33に係止し、上端部が上横枠15と、戸尻側縦枠側端部が戸尻側縦枠13とそれぞれネジ止めされている。
【0040】
ランマ下地パネル19は、図4、図7に示す如く、上端が上横枠15の廊下側面部にネジ止めされ、開閉方向の両端部が、廊下側の中枠3の内面上部と、戸先側縦枠14の廊下側の内面上部にネジ止めされており、下端部に廊下側に突出して化粧ボード100の下端部端面を隠蔽するランマ下地突部190が形成されている。
符号191は、ランマ下地突部190の室内側内面に設けられた上部密閉部材を示し、吊り戸6の密閉材621と共同して、吊り戸6の閉鎖状態で出入口部の廊下側上部を閉塞する。
【0041】
点検パネル96は、図3、図7に示す如く、上端部がレール取付材2の室内側面に取り付けられた内面側係止片97と、内面側係止突片97の室内側に位置し、上端が上横枠15の室内側にとりつけられ、室内側に突出して化粧ボード100の下端部端面を隠蔽する下地突部98を下端に有する点検パネル支持片99より形成された係止部に係止し、下端部が室内側の中枠3上部内面と、戸先側縦枠14の室内側の内面上部に設けられた点検パネル取付座94に下方よりネジ止めされ、着脱自在に取り付けられている。
【0042】
上記の如く構成された各部材のうち、先ず吊り戸枠1、沓ずり材16 ベース材17、中枠3、3、下地パネル18、ランマ下地パネル19、吊り戸レール5が取り付けられたレール取付材2が内装仕上げ前に施工され、その後化粧ボード100等が取り付けられ、床面等内装が仕上げられる。
次に、ガイド部材4が粘着テープで脱落しないように案内溝63内の戸先側に取付られた吊り戸6が吊り戸レール5に吊り込まれる。
そして、吊り込まれた吊り戸6を全開状態として、吊り戸6の戸先側下端のガイド部材4を貼り付けている粘着テープを剥がすと、ガイド部材4は沓ずり材16の引き込み部側の端部上面に落下することとなる。
そして、ガイド部材4の基板43の戸尻側縦枠13側の端部を浮き上がり防止部材170とベース材17の下壁172間に嵌入した状態で、固定ボルト42、42を長孔41、41を挿通し、取付用ナット部161、161に螺合して、ガイド部材4が沓ずり材16の引き込み部側の端部上面に取り付けられる。
尚、この時、ガイド部材4の取り付け位置が最終的に確定するまでは、固定ボルト42、42は容易には移動しない程度の仮止め状態としておくのが望ましい。
【0043】
一方、この時、作動部材8は、吊り戸6の全開時(図2、図3、図6、図15の状態)では付勢手段80によって吊り戸6の戸先側に最も移動した状態となり、連動部材9は、作動部材8が戸先側へ移動していることによって、図15で時計周りに最も回動した状態となり、隙間閉塞部材7は、前記した連動部材9の回動によって、最も上昇した状態となっている。
【0044】
この状態から閉鎖していくと閉鎖途中(ブレーキ機能が働いた状態)で、作動部材8の当接部81(緩衝部材810)がガイド部材4の起立板44の戸尻側縦枠13側端部に当接し(この時、浮き上がり防止部材170は、ガイド部材4の基板43の戸尻側縦枠13側端部が持ち上がるのを防止している。)、作動部材8はその状態で床面(沓ずり材16)に対して停止するが、吊り戸6は、付勢手段80の付勢力に抗する自閉力によってさらに閉鎖方向に移動し、連動部材9は、図15の状態から反時計周りに回動し、隙間閉塞部材7は、前記した連動部材9の回動によって、最も下降した状態となり、接地材71の下端は床面(沓ずり材16)に接触し、吊り戸6は全閉(図16に示す状態。)状態となる。
【0045】
しかしながら、吊り戸6の下端と床面(沓ずり材16)間の隙間は、吊り戸6の吊り下げ状態等によってそれぞれ異なり、その隙間に対してガイド部材4の固定位置が適切でなかった場合、例えば、隙間が狭いのに対してガイド部材4が戸尻側縦枠13側に偏って取り付けられていると、作動部材8の当接部81は閉鎖中の早い段階でガイド部材4に当接し、閉鎖途中で接地材71の下端が床面(沓ずり材16)に接触する。
そして、この閉鎖途中での接触により、自閉力が影響され、吊り戸6が全閉しない事となる。
【0046】
一方、隙間が広いのに対してガイド部材4が戸先側縦枠14側に偏って取り付けられていると、作動部材8の当接部81は閉鎖中の遅い段階でガイド部材4に当接することとなり、作動部材の作動範囲が狭くなる。
このため、吊り6が全閉した状態でも、隙間閉塞部材7が下がりきらず、接地材71の下端が床面(沓ずり材16)に接触しない事となる。
よって本発明では、上記いずれの状態にも対応できるよう、一旦吊り戸6が全閉された状態で、吊り戸6の下端と床面(沓ずり16)間の隙間あるいは隙間閉塞部材7の接地材71の下降状態を確認した後に、吊り戸6を全開状態とし、この状態を維持しながら戸当り部材600を持ち上げ、ガイド部材4の固定ボルト42、42が目視できる状態(図17に示す状態)で、沓ずり材16と吊り戸6の下端面との隙間からスパナを差し込んで、仮止め状態としていた固定ボルト42、42を緩め、ガイド部材4を開閉方向に位置をずらせて取り付け位置を調節し、その後に本締めを行う。
【0047】
尚、実施例では、レール取付材2(吊り戸レール5)を傾斜させて吊り戸6を自閉させているが、吊り戸6に自閉力を付与する機構としては、本実施例で示したような傾斜・自重式の他、ゼンマイバネ式、錘式等適宜変更可能である。
又、実施例の場合、案内溝63は、吊り戸6の下端部内面に固着された下向きコ字形の補強材65と、補強材65の内面に固着された垂直壁661と水平壁662を有する横向きZ形の隔壁66によって形成されされてが、隔壁66を設けず、高さ方向に低い補強材の廊下側下面を隙間閉塞部64とし、この隙間閉塞部64に閉塞用部材640を取り付けて、閉塞用部材640の室内側を案内溝として形成する事も可能である。
【0048】
次に、ガイド部材4の第2実施例を図18、図19に示す。
第2実施例のガイド部材40は、戸尻側縦枠13側の端部が、浮き上がり防止部材170とベース材17の下壁172間に嵌入し、戸先側縦枠14側の端部に移動用回動ナット部410の周端面の一部が臨む開口401を設け、開口401の下方に、移動用回動ナット部410の開閉方向への移動を阻止するよう保持突片402、402を一体に形成した基板403と、基板43に一体に立設された起立板404と起立板404の上端で水平方向に一体に形成され戸先側縦枠14側の端部に回転自在にガイドローラー400を有するローラー取付板405と、基板403の下面で沓ずり材16に取り付けられる連結用基板420より構成されている。
連結用基板420は、前記保持突片402、402が嵌入し、保持突片402、402(基板403)が開閉方向に所定範囲移動可能な大きさの移動用開口421と、移動用開口421の下方には、前記移動用回動ナット部410に螺合する螺軸部423と、螺軸部423を回動不能に支持する支持突部422、422と、固定される沓ずり材16に形成された取付孔160に係止する固定用係止突片424と、戸当り側縦枠14側端部には沓ずり材16に形成された螺孔165に固定ボルト166にて固定する為の連結孔167を有している。
【0049】
すなわち、第2実施例のガイド部材40は、螺軸部423に戸先側縦枠14側の支持突部422、保持突片402、402および移動用回動ナット部410を螺合させた後、螺軸部423の戸尻側端部を戸尻側縦枠13側の保持突片422に固定して構成し、このガイド部材40の戸尻側縦枠13側の端部を浮き上がり防止部材170とベース材17の下壁172間に嵌入し、戸先側縦枠14側の端部を固定ボルト166にて沓ずり材16に取り付ける。
この状態で、移動用回動ナット部410を回動すると、螺軸部423に沿って連結用基板420上を基板43と一体に構成された起立板404、ローラー取付板405、ガイドローラー400が、吊り戸6の開閉方向に移動し、所望の取り付け位置を得る事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】点検パネルを外した本発明の全開状態の室内側からの正面図
【図2】点検パネルを外した本発明の全閉状態の室内側からの正面図
【図3】図1のA−A線要部拡大断面図
【図4】図2のB−B線要部拡大断面図
【図5】図2のD−D線要部拡大断面図
【図6】図1のC−C線要部拡大断面図
【図7】図4のレール取付材部分の拡大図
【図8】図4の沓ずり材部分の拡大図
【図9】収納用枠材の斜視図
【図10】隙間閉塞部材の斜視図
【図11】連動用部材の斜視図
【図12】作動部材の斜視図
【図13】ガイド部材と沓ずり材の斜視図
【図14】閉塞部材の取り付け状態を示す斜視図
【図15】図6のE−E線部分拡大断面図
【図16】図5のF−F線部分拡大断面図
【図17】全開状態の吊り戸の戸当り部材を持ち上げた状態の斜視図
【図18】第二実施例のガイド部材の斜視図
【図19】第二実施例のガイド部材取付状態を示すの要部縦断面図
【符号の説明】
【0051】
1 吊り戸枠
13 戸尻側縦枠
14 戸先側縦枠
15 上横枠
100 化粧ボード
2 レール取付材
3 中枠
4 ガイド部材
40 ガイドローラー
5 吊り戸レール
6 吊り戸
63 案内溝
64 隙間閉塞部
640 閉塞部材
7 隙間閉塞部材
8 作動部材
9 連動用部材
80 付勢手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊り戸の閉鎖時に吊り戸の下端縁と床面の間に生じる隙間を閉塞できる吊り戸装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の吊り戸装置としては、戸先側並びに戸尻側にそれぞれガイドローラーが設けられた閉塞体を戸体の下フレームに上下動自在に嵌着し、戸先側ガイドロ−ラーの走行面には、戸体閉戸位置で、戸先側ガイドローラーが滑落する凹溝を設け、戸尻側ガイドローラーの走行面には戸体閉戸位置で戸先側ガイドローラーの走行面に滑落案内するガイドレールを設けたものがある。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
この場合、戸先側ガイドローラーの走行面に形成された戸先側ガイドローラーが滑落する凹溝が出入口の床面に位置するので、老人、身障者が出入する時、前記凹溝に足先を引っ掛けて転倒したり、あるいは車椅子で出入する時、さらにストレッチャー等が通過する時に、その車輪が前記凹溝に一旦落ち込んだりして、スムースな通行が出来なかった。
又、前記構成では、戸先側および戸尻側ガイドローラーが常に床面上(ガイドレール上)を走行するので、戸の開閉時に不快な走行音が発生していた。
そして、この走行音は、特に病室(特に夜間)のように静粛性を必要とされる場所では、非常に耳障りな音となっていた。
【0004】
一方、上記問題を解決するものとして、吊り戸の下端部に開閉方向に移動可能に支持された駆動用横動体を設け、駆動用横動体が吊り戸に対し戸開き方向に移動する時、隙間閉塞用昇降体を下降させ、駆動用横動体が吊り戸に対し戸閉じ方向に移動する時隙間閉塞用昇降体を上昇させるよう両者を連動連結し、閉鎖時には、吊り戸が閉じ位置に達する前に駆動用横動体の戸尻側端部に形成した当接部(以下当接部)を壁内に設けられた固定側被当接部(以下被当節部)に当接させて、さらに吊り戸を閉鎖位置に移動させることにより隙間閉塞用昇降体を吊り戸下端部より下降させ、開放時には、吊り戸が所定位置に開放されるまで、被当接部と当接部の当接状態を維持させて、吊り戸が開放されるに従って隙間閉塞用昇降体を吊り戸下端部より上昇させるようにして、隙間閉塞用昇降体を上昇位置に維持させる第1係止手段と、下降位置を維持させる第2係止手段を設けた構成のものが提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
【0005】
上記の場合、壁内に設けられた被当接部は、隙間閉塞用昇降体内に位置して吊り戸の開閉時の横揺れ(前後方向の振れ)を防止する目的を併せ持つが、被当接部が隙間閉塞用昇降体に接触して隙間閉塞用昇降体の昇降動作に影響を与えるのを防止するため、吊り戸下端部内面と隙間閉塞用昇降体間、および、隙間閉塞用昇降体内面と被当接部間には所定のクリアランスが必要となる。しかし、このクリアランスがあることによって、被当接部と吊り戸下端部内面間は蜜に接触することができず、吊り戸の開閉中の横揺れを十分に防ぐ事が出来なかった。
又、吊り戸の開閉時に隙間閉塞用昇降体が不測に昇降するのを防止するため、第1係止手段と第2係止手段とを設けなければならず、部品点数が増加し、コストアップとなっていた。
【0006】
さらに、吊り戸の吊り下げ状態や床面の状況等によって、吊り戸下端部と床面との隙間の大きさが吊り戸の設置場所によって異なるので、吊り戸が閉鎖位置に達した時に隙間閉塞用昇降体の下端部が丁度床面に摺接するよう、隙間閉塞用昇降体の昇降範囲を調節する必要がある。すなわち、前記吊り戸下端部と床面との隙間の大きさに合わせて、当接部が被当接部に当接する位置(当接部が第2係止手段に係止される位置)を調節する必要があり、上記の場合は、当接部の位置を駆動用横動体の移動方向に調節可能な構成としているが、当接部は吊り戸が開放、閉鎖いずれの状態においても壁内に位置しているので、吊り戸を吊り下げた状態では当接部の位置を調節することが出来ない。このため、隙間閉塞用昇降体の最適な下降幅を得るには、吊り下げられている吊り戸を一旦取外して、当接部の位置を調節し、調節が済んでから再度吊り戸を吊り下げるという作業をくりかえさなければならず、施工性が非常に悪かった。
【0007】
【特許文献1】実公平02−36875号公報
【特許文献2】特開平10−280827号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、吊り戸の開閉中の横揺れを確実に防止し、静粛性、施行性に優れ、且つ安価に製作できる吊り戸装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、上記課題を解決する為、本発明が第1の手段として構成したところは、自閉機能を有する吊り戸装置において、床面等に取り付けられたガイド部材のガイドローラーに案内され、開閉方向に渡って設けられた下面が開口する吊り戸の下端部に設けられた案内溝と、案内溝と前後方向に平行して吊り戸の下端部に設けられた隙間閉塞部とを有し、隙間閉塞部は、昇降可能に保持された隙間閉塞部材と、吊り戸の閉鎖時に戸尻側端部がガイド部材に当接して隙間閉塞部材を下降せしめる作動部材と、常に隙間閉塞部材を上昇位置に維持するよう付勢する付勢手段を有し、吊り戸の自閉力が、付勢手段の付勢力より大きく設定されているものである。
【0010】
次に、本発明が第2の手段として構成したところは、自閉機能を有する吊り戸装置において、床面等に取り付けられたガイド部材のガイドローラーに案内され、開閉方向に渡って設けられた下面が開口する吊り戸の下端部に設けられた案内溝と、案内溝と前後方向に平行して吊り戸の下端部に設けられた隙間閉塞部とを有し、隙間閉塞部は、昇降可能に保持された隙間閉塞部材と、吊り戸の閉鎖時に戸尻側端部がガイド部材に当接して隙間閉塞部材を下降せしめる作動部材と、常に隙間閉塞部材を上昇位置に維持するよう付勢する付勢手段を有し、吊り戸の自閉力が、付勢手段の付勢力より大きく設定されると共に、前記ガイド部材は、吊り戸の開閉方向に取付位置が調節可能に設けられているものである。
【0011】
次に、本発明が第3の手段として構成したところは、自閉機能を有する吊り戸装置において、床面等に取り付けられたガイド部材のガイドローラーに案内され、開閉方向に渡って設けられた下面が開口する吊り戸の下端部に設けられた案内溝と、案内溝と前後方向に平行して吊り戸の下端部に設けられた隙間閉塞部とを有し、隙間閉塞部は、昇降可能に保持された隙間閉塞部材と、吊り戸の閉鎖時に戸尻側端部がガイド部材に当接して隙間閉塞部材を下降せしめる作動部材と、常に隙間閉塞部材を上昇位置に維持するよう付勢する付勢手段を有し、吊り戸の自閉力が、付勢手段の付勢力より大きく設定されると共に、前記ガイド部材は、吊り戸の開閉方向に取付位置が調節可能に設けられ、吊り戸の全開時、吊り戸の戸先側端部に取り付けられた戸当り部材を持ち上げた状態で、吊り戸の戸先側端部から、前記ガイド部材の調節部が目視可能に構成されているものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によると、吊り戸に自閉機能を持たせ、自閉力を隙間閉塞部材が常に上昇位置を維持するよう付勢する付勢手段の付勢力より大きく設定する事で、付勢手段の付勢力によって閉鎖した吊り戸が不測に開くことがなく確実に吊り戸は閉鎖される。
又、ガイド部材が位置する案内溝と、隙間閉塞部材が昇降する隙間閉塞部が前後方向に分離して平行に設けられているので、ガイド部材は隙間閉塞部材の昇降動作に干渉する事がなく、開閉中の吊り戸の横揺れを確実に防止する事が出来る。
さらに、吊り戸の閉鎖時に隙間閉塞部材を下降せしめる作動部材のガイド部材への当接は作動部材の戸尻側端部で行われるので、吊り戸の開閉時に作動部材が外部に露出する事がなく、吊り戸の美観を損なう事がない。
又、吊り戸の開閉に必要なガイド部材を隙間閉塞部材を下降させる作動部としても兼用しているので、部品点数が少なくてすみ、安価に製作出来る。
【0013】
請求項2に記載の発明によると、前記効果に加え、吊り戸の閉鎖時に隙間閉塞部材を下降せしめる作動部材が当接するガイド部材の取付位置を左右方向(吊り戸の開閉方向)で調節可能にして、吊り戸が開放された状態で、吊り戸の戸先側下端と床面との隙間からガイド部材の取付位置を容易に調節することができるので、施工性に優れているとともに、床面と吊り戸下端部との隙間の状態にあわせて、隙間閉塞部材の昇降範囲の調節が容易であり、吊り戸の閉鎖時に隙間の閉塞を確実に行う事が出来る。
【0014】
請求項3に記載の発明によると、請求項1、請求項2に記載の発明の効果に加え、吊り戸の戸先側端部から前記ガイド部材の調節個所が目視可能であるから、ガイド部材の取付位置の調節が一層容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、自閉機能を有する吊り戸装置において、床面等に取り付けられたガイド部材のガイドローラーに案内され、開閉方向に渡って設けられた下面が開口する吊り戸の下端部に設けられた案内溝と、案内溝と前後方向に平行して吊り戸の下端部に設けられた隙間閉塞部とを有し、隙間閉塞部は、昇降可能に保持された隙間閉塞部材と、吊り戸の閉鎖時に戸尻側端部がガイド部材に当接して隙間閉塞部材を下降せしめる作動部材と、常に隙間閉塞部材を上昇位置に維持するよう付勢する付勢手段を有し、吊り戸の自閉力が、付勢手段の付勢力より大きく設定されると共に、前記ガイド部材は、吊り戸の開閉方向に取付位置が調節可能に設けられ、吊り戸の全開時、吊り戸の戸先側端部に取り付けられた戸当り部材を持ち上げた状態で、吊り戸の戸先側端部から、前記ガイド部材の調節部が目視可能に構成されているものである。
【実施例1】
【0016】
以下、添付図面に基づいて実施例を詳述する。
図1〜図6において、符号1は吊り戸枠を示している。
吊り戸枠1は、建物側の鉄骨11・・・にブラケット12・・・を介して固定された戸尻側縦枠13および戸先側縦枠14と、戸尻側縦枠13と戸先側縦枠14との上端間に配設され、建物側鉄骨11にブラケット12を介して固定された上横枠15より門形に形成されている。
【0017】
符号2は、レール取付材を示している。
レール取付材2は、戸尻側縦枠13上部と戸先側縦枠14上部との間に高さ調節自在、傾斜角度調節可能に配設され、室内側に吊り戸レール5が着脱自在に連結される。
符号6は、吊り金具70を介して吊り戸レール5に吊り下げられた吊り戸を示し 符号3、3は、戸尻側縦枠13と戸先側縦枠14間で、上端が上横枠15の室内側と廊下側の両面に固定され、下端部が床面に埋め込まれて配設された中枠を示している。
以下、戸尻側縦枠13と中枠3、3間側を引き込み部側、戸先側縦枠14と中枠3、3間側を出入り口側と云う。
【0018】
符号16は、出入り口側の床面全幅に渡って設けられた沓ずり材を示し、引き込み部側の端部上面にはガイド部材4が、吊り戸6の開閉方向に取付位置が調節自在に取り付けられている。
符号17は、引き込み部側の床面全幅に渡って設けられたベース材を示し、符号18、18は、引き込み部側の室内側及び廊下側の両面に配設された下地パネルを示し、符号19は、レール取付材2の廊下側の表面に取り付けられるランマ下地パネルを示し、符号96はレール取付材2の室内側の出入り口側に着脱自在に取り付けられた点検パネルを示している。
【0019】
そして、上記吊り戸枠1、沓ずり材16、中枠3、3、ベース材17、下地パネル18、ランマ下地パネル19、レール取付材2が、内装仕上げが行われるまで(化粧ボード100・・が貼り付けられるまで)に施工される。
ガイド部材4は予め吊り戸6に嵌め込まれている。
すなわち、ガイド部材4は、ガイド部材4に取り付けられた後記するローラー40を、吊り戸6の下端の後記する案内溝63の戸先側に嵌め込まれ、粘着テープで脱落しないように貼り付けられている。
そして、内装仕上げが終了した後、吊り戸6が出入り口側からレール取付材2に取り付けられた吊り戸レール5に吊り込まれる。
そして、吊り戸6を全開状態として、吊り戸6の戸先側下端にガイド部材4を貼り付けている粘着テープを剥がすと、ガイド部材4は沓ずり材16の引き込み部側の端部上面に落下することとなり、ガイド部材4は略その位置で沓ずり材16に取り付けられる。
そして、吊り戸6の自閉スピードの調節、および吊り戸6と床面、戸先側縦枠14との隙間調節が行われ、最後に点検パネル96が取り付けられる。
【0020】
以下、各部材について詳述する。
吊り戸枠1の戸尻側縦枠13は、図5、図6に示す如く、固定用部材131・・・が上下方向に所定間隔を有して建物側鉄骨11側に設けられた横断面略コ字形に形成され、建物用鉄骨11の引き込み部側面に突出して固着されたブラッケット12・・・と固定用部材131・・・が溶接され、床面仕上げ時に下端部が床面に埋め込まれて立設されている。
符号133は、全開された吊り戸6の戸尻側端面が当接する緩衝部材を示し、戸尻側縦枠13の引き込み部側面の上下部に取り付けられている。
【0021】
吊り戸枠1の戸先側縦枠14は、図5、図6に示す如く、固定用部材141・・・が上下方向に所定間隔を有して建物側鉄骨11側に設けられた横断面扁平略コ字形に形成され、出入り口側の前後方向中央部に鉄骨11側に窪む戸当り受け溝142を有し、建物用鉄骨11の出入り口側面に突出して固着されたブラッケット12・・・と固定用部材141・・・が溶接され、床面仕上げ時に下端部が床面に埋め込まれて立設されている。
符号143は、戸当り受け溝142に取り付けられた弾性材からなる戸当り受け材を示している。
そして、符号100・・・は化粧ボードを示している。
【0022】
上横枠15は、図3、図4に示す如く、固定部材151・・・が吊り戸6の開閉方向に所定間隔を有して建物用鉄骨11側に設けられた断面上向き略コ字形に形成され、開閉方向両端部に取付られた逆L字形の連結金具と戸尻側縦枠13、戸先側縦枠14の上端部がネジ止めされ、建物用鉄骨11の下面の下方に突出して固着されたブラッケト12・・・と固定部材151・・・が溶接されて、戸尻側縦枠13と戸先側縦枠14の上端間に配設されている。
そして、上記戸尻側縦枠13、戸先側縦枠14、上横枠15によって吊り戸枠1が構成される。
【0023】
ベース材17は、図3に示す如く、廊下側端部および室内側端部が上方に突出して、下地パネル18、18の下端部内面を係止する係止突片171、171を有する上向き略コ字形に形成され、引き込み部側の床面全幅に渡って固定されている。
そして、室内側の出入り口側端部にガイド部材4の引き込み側部の端部側が浮き上がるのを防止する浮き上がり防止部材170が下壁172に固着されている。
【0024】
沓ずり材16は、図4に示す如く、下向き略コ字形に形成され、引き込み部側端部にガイド部材4の取付用ナット部161が固着され、引き込み部側端部がベース材17の出入り口側端部にほぼ当接する状態で出入り口側の床面全幅に埋め込まれ、出入り口側の床面を構成している。
【0025】
中枠3、3は、図5、図6に示す如く、対向した略同形に形成されているので便宜上室内側についてのみ説明する。
中枠3は、内面側に位置する補強枠31と、補強枠31の出入り口側の端部に形成されて室内側に突出し、引き込み部側の化粧パネル100の出入り口側端部を隠蔽する中枠突部32と、補強枠31の室内側の表面に設けられ、戸尻側縦枠13側の端部に下地パネル18のパネル係止突片が形成された連結部33を有する表面板34より形成され、上端部が上横枠15の室内側面部に連結され、下端部がベース材17の室内側と連結され、下端部が床面仕上げ時に床面に埋め込まれて立設される。符号30は軟質合成樹脂材より形成された密閉材を示している。
【0026】
レール取付材2は、図3、図4、図7に示す如く、戸尻側縦枠13、戸先側縦枠14の上端部内面に設けられたレール取付材固定座22の垂直面21に、戸尻側縦枠13側の端部が一本の固定用ボルト(図示せず)で、戸先側縦枠14側の端部が2本の固定用ボルト23、23にて高さ調節自在および傾斜角度調整可能に連結され、固定面21の室内側に吊り戸レール5が着脱自在に取り付けられている。
そして、吊り戸6の吊り込み時、レール取付材2の戸先側縦枠14側の2本の固定用ボルト23、23を緩めて、レール取付材2の傾斜状態(吊り戸レール5の傾斜状態)を微調整して吊り戸6の自閉スピード(自閉力)の調節を行う。
図7において、符号53は、レール取付材2の出入り口側の所定位置に取り付けられたシリンダー取付座を示し、符号54はシリンダー取付座に取り付けられたエアーシリンダーを示し、エアーシリンダー54は、スライド装置51に連結された後記する吊り金具70の取付壁701の戸尻側端部に設けられたブレーキ用突片700と共同して、吊り戸6が加速度的に閉鎖するのを防止するブレーキ機能を発揮する。
すなわち、本発明で云う自閉力とは、ブレーキ機能を有しない場合は、レール取付材2の傾斜による吊り戸6の自閉する力を意味するが、ブレーキ機能を有する場合は、エアーシリンダー53のブレーキ力に抗して、吊り戸6が全閉するまでの自閉する力を意味する。
【0027】
吊り戸レール5は、図7に示す如く、スライド装置51と、アルミ材からなる押出補強材50と、補強材52が連結して構成され、その開閉方向の長さは、吊り戸6の移動距離よりやや長めに形成され、レール取付材2の室内側に、戸先側縦枠14側が前下がりとなるよう、ネジ止め等にて着脱自在に取り付けられ、吊り戸6に自閉機能を持たせている。
すなわち、吊り戸レール5は、引き込み側部はレール取付材2の戸尻側縦枠13側の端部に形成された係止孔に、補強材52の戸尻側縦枠13側の端部に形成された係止爪を出入り口側から押し込むようにして係止させ、出入り口側部は複数箇所ネジ止めすることにより、レール取付材2に取り付けられる。
スライド装置51は、図7に示す如く、アルミの押出補強材50の室内側に保持される断面略C字形のアウターメンバー55と、アウターメンバー55にボールリテーナー57に保持された複数個のボールを介してスライド自在に保持される断面略C字形のインナーメンバー56より構成されており、アルミの押出補強材50と補強材52とアウターメンバー55は開閉方向の略全幅に渡って配設され、インナーメンバー56は吊り戸6の開閉方向の幅よりやや小さ目に形成され、ボールリテーナー57はインナーメンバー56より2倍強の幅に形成されている。
【0028】
符号70はインナーメンバー56の室内側に固着された吊り金具を示している。
吊り金具70は、図7に示すように、インナーメンバー56と開閉方向にほぼ同幅で、インナーメンバー56の室内側に固着される取付壁701と、取付壁701の下端部をスライド装置51の下方でランマ下地パネル19方向に下向きL字形に突出させた上部突壁702と、上部突壁702の下端部を点検パネル96方向に上向きL字形に突出させた支持壁703より構成されている。そして支持壁703には点検パネル96側からランマ下地パネル19方向に係止孔(図示せず。)が形成され、係止孔に吊り下げボルト704が係止されている。
【0029】
吊り下げボルト704は、図7に示すように吊り戸6の上面に固着された後記するナット部61に螺合する螺軸部705と、螺軸部705の上部に位置し螺軸部705より大径で且つ係止孔の開閉方向の巾よりも大径の頭部706と、頭部706の下面に位置し、係止孔内に位置する円筒形の回動部(図示せず。)と、回動部の下方で螺軸部705を回動させる、頭部706より小径の回動操作部708より構成されている。符号709は吊り下げボルト704の回転を阻止する締め付けナットを示している。
【0030】
吊り戸6は、図3〜図8に示す如くパネル形状をなし、上端面の内側に前記吊り下げボルト704の螺軸部705が螺合するナット部61が開閉方向に所定間隔を有して複数個固着され、上面には、廊下側に突出し吊り戸6の閉鎖状態で出入り口側の上部を密閉するための弾性材からなる密閉材621が密閉用突片62を介して取り付けられ、戸尻側の端面の上下方向には閉鎖状態で中枠3の密閉材30と共同して、吊り戸6の廊下側と中枠3の隙間を閉塞するための弾性材からなる密閉材601を有する戸尻側密閉用突片60が設けられている。
そして、下端部には開閉方向で室内側に位置して、開閉時にガイド部材4のガイドローラー40に案内される下面が開口する案内溝63が形成され、さらに案内溝63に平行して隙間閉塞部材7を昇降可能に保持する隙間閉塞部64が形成され、戸先側端面には、補強部材68と共に戸当り部材600の嵌入孔602、602に嵌入する嵌入突片69、69が対向して形成されている。
すなわち、吊り戸6の下端に形成された内向き折曲縁603が、戸当り部材600の下端部に当接して戸当り部材600の下がり止めが行われる。
【0031】
上記案内溝63は、図8に示すように、吊り戸6の下端部内面に固着された下向きコ字形の補強材65と、補強材65の内面に固着された垂直壁661と水平壁662を有する横向きZ形の隔壁66によって形成されされている。
そして、図14に示すように、垂直壁661の戸先側端部に戸先側取付座664が固着されて、水平壁662と戸先側取付座664の下壁665間に後記する収納用枠材67の上壁671が差し込まれる差込用間隙663が形成される。
すなわち、補強材65の廊下側内面と隔壁66の垂直壁661の室内側面の上部が後記するガイドローラー40の案内面となり、水平壁662の下方が隙間閉塞部64となる。
よて、ガイドローラー40(ガイド部材4)は案内溝63内に位置し、隙間閉塞部材7は隙間閉塞部64に位置しているので、吊り戸6の開閉時、互いに干渉し合うことがなく、吊り戸6のスムースな開閉状態を得ることができる。
【0032】
ガイド部材4は、吊り戸6の開閉方向に長い2つの長孔41、41を有し、戸尻側縦枠13側の端部が、浮き上がり防止部材170とベース材17の下壁172間に嵌入した状態で、長孔41、41を挿通し取付用ナット部161、161に螺合する固定ボルト42、42にて、吊り戸6の開閉方向に取付位置を調節可能に沓ずり材16の上面に取り付けられる基板43と、基板43の戸尻側縦枠13側の略半分の寸法で室内側に寄った位置で基板43に一体に立設された起立板44と、起立板44の上端で水平方向に一体に形成され戸先側縦枠14側の端部に回転自在にガイドローラー40を有するローラー取付板45より構成されている。
そして、図17に示すように、吊り戸6が全開した状態で戸当り部材600を持ち上げると、吊り戸6の案内溝63内で、固定ボルト42、42が目視できる個所にガイド部材4が固定される。
すなわち、沓ずり材16と吊り戸6の下端面との隙間から差し込まれたスパナの先と固定ボルト42、42の位置関係が目視出来るので、ガイド部材4の固定位置の調節が容易で、施行性に優れている。
【0033】
隙間閉塞部64には、吊り戸6の開閉方向に移動自在で、吊り戸6の開閉方向のほぼ全幅に渡って配設された作動部材8と、作動部材8の吊り戸の開閉方向への移動を上下方向の移動に転換する連動用部材9と、連動用部材9によって上下動する隙間閉塞部材7と、隙間閉塞部材7が常に上昇位置を維持するよう付勢する付勢手段80と、上記部材が組み込まれる収納用枠材67より構成された閉塞用部材640が取り付けられる。
【0034】
収納用枠材67は、上壁671、前後壁672、673からなる下向き略コ字形に形成され、前後壁の所定位置に連動部材9を連動部材連結ピン90・・・にて回動自在に連結する取付孔674・・・が形成され、戸先側には後記する付勢手段80のストッパー803を収納用枠材7に固定する固定ピン805が挿通する取付孔675・・・が形成され、上壁671の戸尻側端部には枠材取付孔676が形成されている。
そして、隙間閉塞部材7、作動部材8、付勢手段80、連動用部材9等が組み込まれた状態(閉塞用部材640が構成された状態)で収納用枠体67の上壁671の戸先側端部は、隔壁66の水平壁662と前記戸先側取付座664の下壁665間に形成された差込用間隙663に嵌入し、戸尻側端部は枠材取付孔676に図9に示す戸尻側取付座666の上向き係止突片667を下側から係止し、戸尻側取付座666を吊り戸6の戸尻側端面にネジ止めする事により吊り戸6の下端部に連結、保持される。
【0035】
隙間閉塞部材7は、逆三角形とした弾性材からなる接地材71と、下端部で接地材71の上端を保持し、吊り戸6の開閉方向所定位置に前記連動用部材9の下端部が隙間閉塞部材連結ピン72、72にて回動可能に連結される回動連結孔73・・・を有する接地材保持部材74より構成されている。
符号75・・・は、隙間閉塞部材7が上昇した時、接地材保持部材74の上部が、連動用部材9の連動部材連結ピン90、90に当接するのを防止する昇降用逃し切り欠きを示している。
【0036】
連動用部材9は、作動部材連結部91と、作動部材連結部91の下端に連設された閉塞部材連結部92よりくの字形に形成されている。
そして、作動部材連結部91と閉塞部材連結部92の連設部分には前記連動部材連結ピン90が嵌入する回動用連結孔93が形成され、閉塞部材連結部92の下端部には前記隙間閉塞部材連結ピン72が嵌入する連結用孔94、94が形成されている。
【0037】
作動部材8は、戸尻側端部には吊り戸6が全閉位置の手前まで閉鎖されたときに前記ガイド部材4の起立板44の戸尻側縦枠13側端部に当接するよう、吊り戸6の戸尻側端面から戸尻側縦枠13側に突出し、さらに案内溝63側に突出する当接部81を有し、連動用部材9の作動部材連結部91の上端部が回動可能に嵌合する嵌合部83・・・を開閉方向の所定位置下面に有し、戸先側端部には後記する付勢手段80の支持棒84が内面に戸尻側方向に突出して形成された支持部85を有して、吊り戸6に対し所定範囲で開閉方向に移動可能となっている。
符号810は当接部81に外嵌するゴム材からなる緩衝部材を示している。
【0038】
付勢手段80は、作動部材8の支持部85に設けられた戸尻側方向に向かって突出する支持棒84に外嵌するコイルバネ802と、作動部材8が吊り戸6に対して戸尻側に移動したときコイルバネ802の戸尻側端部を保持し、コイルバネ802にさらなる弾発力を付与する、収納用枠材67に取付られたストッパー部材803より構成されている。
ストッパー部材803は、収納用枠材67のストッパー取付孔675・・・に対応する固定孔804、804に嵌入する固定ピン805、805にて収納用枠材67内に固定されている。
【0039】
下地パネル18は、図4、図5に示す如く、室内側及び廊下側でそれぞれの引き込み部側に取り付けられている。すなわち、下地パネル18は、下端部の開閉方向と中枠3、3側の端部の上下方向に形成された係止溝が前記ベース材17の係止突片171および中枠3のパネル係止突片33に係止し、上端部が上横枠15と、戸尻側縦枠側端部が戸尻側縦枠13とそれぞれネジ止めされている。
【0040】
ランマ下地パネル19は、図4、図7に示す如く、上端が上横枠15の廊下側面部にネジ止めされ、開閉方向の両端部が、廊下側の中枠3の内面上部と、戸先側縦枠14の廊下側の内面上部にネジ止めされており、下端部に廊下側に突出して化粧ボード100の下端部端面を隠蔽するランマ下地突部190が形成されている。
符号191は、ランマ下地突部190の室内側内面に設けられた上部密閉部材を示し、吊り戸6の密閉材621と共同して、吊り戸6の閉鎖状態で出入口部の廊下側上部を閉塞する。
【0041】
点検パネル96は、図3、図7に示す如く、上端部がレール取付材2の室内側面に取り付けられた内面側係止片97と、内面側係止突片97の室内側に位置し、上端が上横枠15の室内側にとりつけられ、室内側に突出して化粧ボード100の下端部端面を隠蔽する下地突部98を下端に有する点検パネル支持片99より形成された係止部に係止し、下端部が室内側の中枠3上部内面と、戸先側縦枠14の室内側の内面上部に設けられた点検パネル取付座94に下方よりネジ止めされ、着脱自在に取り付けられている。
【0042】
上記の如く構成された各部材のうち、先ず吊り戸枠1、沓ずり材16 ベース材17、中枠3、3、下地パネル18、ランマ下地パネル19、吊り戸レール5が取り付けられたレール取付材2が内装仕上げ前に施工され、その後化粧ボード100等が取り付けられ、床面等内装が仕上げられる。
次に、ガイド部材4が粘着テープで脱落しないように案内溝63内の戸先側に取付られた吊り戸6が吊り戸レール5に吊り込まれる。
そして、吊り込まれた吊り戸6を全開状態として、吊り戸6の戸先側下端のガイド部材4を貼り付けている粘着テープを剥がすと、ガイド部材4は沓ずり材16の引き込み部側の端部上面に落下することとなる。
そして、ガイド部材4の基板43の戸尻側縦枠13側の端部を浮き上がり防止部材170とベース材17の下壁172間に嵌入した状態で、固定ボルト42、42を長孔41、41を挿通し、取付用ナット部161、161に螺合して、ガイド部材4が沓ずり材16の引き込み部側の端部上面に取り付けられる。
尚、この時、ガイド部材4の取り付け位置が最終的に確定するまでは、固定ボルト42、42は容易には移動しない程度の仮止め状態としておくのが望ましい。
【0043】
一方、この時、作動部材8は、吊り戸6の全開時(図2、図3、図6、図15の状態)では付勢手段80によって吊り戸6の戸先側に最も移動した状態となり、連動部材9は、作動部材8が戸先側へ移動していることによって、図15で時計周りに最も回動した状態となり、隙間閉塞部材7は、前記した連動部材9の回動によって、最も上昇した状態となっている。
【0044】
この状態から閉鎖していくと閉鎖途中(ブレーキ機能が働いた状態)で、作動部材8の当接部81(緩衝部材810)がガイド部材4の起立板44の戸尻側縦枠13側端部に当接し(この時、浮き上がり防止部材170は、ガイド部材4の基板43の戸尻側縦枠13側端部が持ち上がるのを防止している。)、作動部材8はその状態で床面(沓ずり材16)に対して停止するが、吊り戸6は、付勢手段80の付勢力に抗する自閉力によってさらに閉鎖方向に移動し、連動部材9は、図15の状態から反時計周りに回動し、隙間閉塞部材7は、前記した連動部材9の回動によって、最も下降した状態となり、接地材71の下端は床面(沓ずり材16)に接触し、吊り戸6は全閉(図16に示す状態。)状態となる。
【0045】
しかしながら、吊り戸6の下端と床面(沓ずり材16)間の隙間は、吊り戸6の吊り下げ状態等によってそれぞれ異なり、その隙間に対してガイド部材4の固定位置が適切でなかった場合、例えば、隙間が狭いのに対してガイド部材4が戸尻側縦枠13側に偏って取り付けられていると、作動部材8の当接部81は閉鎖中の早い段階でガイド部材4に当接し、閉鎖途中で接地材71の下端が床面(沓ずり材16)に接触する。
そして、この閉鎖途中での接触により、自閉力が影響され、吊り戸6が全閉しない事となる。
【0046】
一方、隙間が広いのに対してガイド部材4が戸先側縦枠14側に偏って取り付けられていると、作動部材8の当接部81は閉鎖中の遅い段階でガイド部材4に当接することとなり、作動部材の作動範囲が狭くなる。
このため、吊り6が全閉した状態でも、隙間閉塞部材7が下がりきらず、接地材71の下端が床面(沓ずり材16)に接触しない事となる。
よって本発明では、上記いずれの状態にも対応できるよう、一旦吊り戸6が全閉された状態で、吊り戸6の下端と床面(沓ずり16)間の隙間あるいは隙間閉塞部材7の接地材71の下降状態を確認した後に、吊り戸6を全開状態とし、この状態を維持しながら戸当り部材600を持ち上げ、ガイド部材4の固定ボルト42、42が目視できる状態(図17に示す状態)で、沓ずり材16と吊り戸6の下端面との隙間からスパナを差し込んで、仮止め状態としていた固定ボルト42、42を緩め、ガイド部材4を開閉方向に位置をずらせて取り付け位置を調節し、その後に本締めを行う。
【0047】
尚、実施例では、レール取付材2(吊り戸レール5)を傾斜させて吊り戸6を自閉させているが、吊り戸6に自閉力を付与する機構としては、本実施例で示したような傾斜・自重式の他、ゼンマイバネ式、錘式等適宜変更可能である。
又、実施例の場合、案内溝63は、吊り戸6の下端部内面に固着された下向きコ字形の補強材65と、補強材65の内面に固着された垂直壁661と水平壁662を有する横向きZ形の隔壁66によって形成されされてが、隔壁66を設けず、高さ方向に低い補強材の廊下側下面を隙間閉塞部64とし、この隙間閉塞部64に閉塞用部材640を取り付けて、閉塞用部材640の室内側を案内溝として形成する事も可能である。
【0048】
次に、ガイド部材4の第2実施例を図18、図19に示す。
第2実施例のガイド部材40は、戸尻側縦枠13側の端部が、浮き上がり防止部材170とベース材17の下壁172間に嵌入し、戸先側縦枠14側の端部に移動用回動ナット部410の周端面の一部が臨む開口401を設け、開口401の下方に、移動用回動ナット部410の開閉方向への移動を阻止するよう保持突片402、402を一体に形成した基板403と、基板43に一体に立設された起立板404と起立板404の上端で水平方向に一体に形成され戸先側縦枠14側の端部に回転自在にガイドローラー400を有するローラー取付板405と、基板403の下面で沓ずり材16に取り付けられる連結用基板420より構成されている。
連結用基板420は、前記保持突片402、402が嵌入し、保持突片402、402(基板403)が開閉方向に所定範囲移動可能な大きさの移動用開口421と、移動用開口421の下方には、前記移動用回動ナット部410に螺合する螺軸部423と、螺軸部423を回動不能に支持する支持突部422、422と、固定される沓ずり材16に形成された取付孔160に係止する固定用係止突片424と、戸当り側縦枠14側端部には沓ずり材16に形成された螺孔165に固定ボルト166にて固定する為の連結孔167を有している。
【0049】
すなわち、第2実施例のガイド部材40は、螺軸部423に戸先側縦枠14側の支持突部422、保持突片402、402および移動用回動ナット部410を螺合させた後、螺軸部423の戸尻側端部を戸尻側縦枠13側の保持突片422に固定して構成し、このガイド部材40の戸尻側縦枠13側の端部を浮き上がり防止部材170とベース材17の下壁172間に嵌入し、戸先側縦枠14側の端部を固定ボルト166にて沓ずり材16に取り付ける。
この状態で、移動用回動ナット部410を回動すると、螺軸部423に沿って連結用基板420上を基板43と一体に構成された起立板404、ローラー取付板405、ガイドローラー400が、吊り戸6の開閉方向に移動し、所望の取り付け位置を得る事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】点検パネルを外した本発明の全開状態の室内側からの正面図
【図2】点検パネルを外した本発明の全閉状態の室内側からの正面図
【図3】図1のA−A線要部拡大断面図
【図4】図2のB−B線要部拡大断面図
【図5】図2のD−D線要部拡大断面図
【図6】図1のC−C線要部拡大断面図
【図7】図4のレール取付材部分の拡大図
【図8】図4の沓ずり材部分の拡大図
【図9】収納用枠材の斜視図
【図10】隙間閉塞部材の斜視図
【図11】連動用部材の斜視図
【図12】作動部材の斜視図
【図13】ガイド部材と沓ずり材の斜視図
【図14】閉塞部材の取り付け状態を示す斜視図
【図15】図6のE−E線部分拡大断面図
【図16】図5のF−F線部分拡大断面図
【図17】全開状態の吊り戸の戸当り部材を持ち上げた状態の斜視図
【図18】第二実施例のガイド部材の斜視図
【図19】第二実施例のガイド部材取付状態を示すの要部縦断面図
【符号の説明】
【0051】
1 吊り戸枠
13 戸尻側縦枠
14 戸先側縦枠
15 上横枠
100 化粧ボード
2 レール取付材
3 中枠
4 ガイド部材
40 ガイドローラー
5 吊り戸レール
6 吊り戸
63 案内溝
64 隙間閉塞部
640 閉塞部材
7 隙間閉塞部材
8 作動部材
9 連動用部材
80 付勢手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自閉機能を有する吊り戸装置において、床面等に取り付けられたガイド部材のガイドローラーに案内され、開閉方向に渡って設けられた下面が開口する吊り戸の下端部に設けられた案内溝と、案内溝と前後方向に平行して吊り戸の下端部に設けられた隙間閉塞部とを有し、隙間閉塞部は、昇降可能に保持された隙間閉塞部材と、吊り戸の閉鎖時に戸尻側端部がガイド部材に当接して隙間閉塞部材を下降せしめる作動部材と、常に隙間閉塞部材を上昇位置に維持するよう付勢する付勢手段を有し、吊り戸の自閉力が、付勢手段の付勢力より大きく設定されている事を特徴とする吊り戸装置。
【請求項2】
自閉機能を有する吊り戸装置において、床面等に取り付けられたガイド部材のガイドローラーに案内され、開閉方向に渡って設けられた下面が開口する吊り戸の下端部に設けられた案内溝と、案内溝と前後方向に平行して吊り戸の下端部に設けられた隙間閉塞部とを有し、隙間閉塞部は、昇降可能に保持された隙間閉塞部材と、吊り戸の閉鎖時に戸尻側端部がガイド部材に当接して隙間閉塞部材を下降せしめる作動部材と、常に隙間閉塞部材を上昇位置に維持するよう付勢する付勢手段を有し、吊り戸の自閉力が、付勢手段の付勢力より大きく設定されると共に、前記ガイド部材は、吊り戸の開閉方向に取付位置が調節可能に設けられている事を特徴とする吊り戸装置。
【請求項3】
自閉機能を有する吊り戸装置において、床面等に取り付けられたガイド部材のガイドローラーに案内され、開閉方向に渡って設けられた下面が開口する吊り戸の下端部に設けられた案内溝と、案内溝と前後方向に平行して吊り戸の下端部に設けられた隙間閉塞部とを有し、隙間閉塞部は、昇降可能に保持された隙間閉塞部材と、吊り戸の閉鎖時に戸尻側端部がガイド部材に当接して隙間閉塞部材を下降せしめる作動部材と、常に隙間閉塞部材を上昇位置に維持するよう付勢する付勢手段を有し、吊り戸の自閉力が、付勢手段の付勢力より大きく設定されると共に、前記ガイド部材は、吊り戸の開閉方向に取付位置が調節可能に設けられ、吊り戸の全開時、吊り戸の戸先側端部に取り付けられた戸当り部材を持ち上げた状態で、吊り戸の戸先側端部から、前記ガイド部材の調節部が目視可能に構成されていることを特徴とする吊り戸装置。
【請求項1】
自閉機能を有する吊り戸装置において、床面等に取り付けられたガイド部材のガイドローラーに案内され、開閉方向に渡って設けられた下面が開口する吊り戸の下端部に設けられた案内溝と、案内溝と前後方向に平行して吊り戸の下端部に設けられた隙間閉塞部とを有し、隙間閉塞部は、昇降可能に保持された隙間閉塞部材と、吊り戸の閉鎖時に戸尻側端部がガイド部材に当接して隙間閉塞部材を下降せしめる作動部材と、常に隙間閉塞部材を上昇位置に維持するよう付勢する付勢手段を有し、吊り戸の自閉力が、付勢手段の付勢力より大きく設定されている事を特徴とする吊り戸装置。
【請求項2】
自閉機能を有する吊り戸装置において、床面等に取り付けられたガイド部材のガイドローラーに案内され、開閉方向に渡って設けられた下面が開口する吊り戸の下端部に設けられた案内溝と、案内溝と前後方向に平行して吊り戸の下端部に設けられた隙間閉塞部とを有し、隙間閉塞部は、昇降可能に保持された隙間閉塞部材と、吊り戸の閉鎖時に戸尻側端部がガイド部材に当接して隙間閉塞部材を下降せしめる作動部材と、常に隙間閉塞部材を上昇位置に維持するよう付勢する付勢手段を有し、吊り戸の自閉力が、付勢手段の付勢力より大きく設定されると共に、前記ガイド部材は、吊り戸の開閉方向に取付位置が調節可能に設けられている事を特徴とする吊り戸装置。
【請求項3】
自閉機能を有する吊り戸装置において、床面等に取り付けられたガイド部材のガイドローラーに案内され、開閉方向に渡って設けられた下面が開口する吊り戸の下端部に設けられた案内溝と、案内溝と前後方向に平行して吊り戸の下端部に設けられた隙間閉塞部とを有し、隙間閉塞部は、昇降可能に保持された隙間閉塞部材と、吊り戸の閉鎖時に戸尻側端部がガイド部材に当接して隙間閉塞部材を下降せしめる作動部材と、常に隙間閉塞部材を上昇位置に維持するよう付勢する付勢手段を有し、吊り戸の自閉力が、付勢手段の付勢力より大きく設定されると共に、前記ガイド部材は、吊り戸の開閉方向に取付位置が調節可能に設けられ、吊り戸の全開時、吊り戸の戸先側端部に取り付けられた戸当り部材を持ち上げた状態で、吊り戸の戸先側端部から、前記ガイド部材の調節部が目視可能に構成されていることを特徴とする吊り戸装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2006−9369(P2006−9369A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−186850(P2004−186850)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(000125990)株式会社くろがね工作所 (84)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(000125990)株式会社くろがね工作所 (84)
【Fターム(参考)】
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