説明

向上した耐水性を有する生分解性組成物及びその製造工程

本発明の生分解性組成物はアクリル酸共重合体でコーティングされた繊維パウダーのマトリックス及び前記マトリックスに分散されている天然高分子を含んでおり、例えばカップヌードルのようなファストフードのための携帯用容器の製作に有利に使うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は向上した耐水性を有する生分解性組成物及びその製造工程に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生分解性天然高分子及び澱粉に基づいたファストフード用の環境に優しい携帯用食料品容器を開発するための多くの研究がなされている。例えば、特開平8−311243号公報は澱粉高分子、植物性繊維、金属イオン、発泡剤及び脂肪族ポリエステルを混合することによる生分解性の発泡性組成物について開示している。
【0003】
そのような生分解性高分子組成物に制御された耐水性を付与するために、特開平7−97545号公報では、例えば、ポリ乳酸のような生分解性脂肪族ポリエステルを、例えば、CFC123のようなハロゲン化炭化水素に溶解して生産される、優れた耐水性及び加工性を有するコーティング剤について開示している。前記コーティングは耐水性の弱い澱粉系物質で作られる容器に適用することができる。
【0004】
米国特許第6、361、827号明細書は、ゼインのようなプロラミンを表面に結合させることによって、耐水性の弱い成形されたポリサッカライドに耐水性を付与する方法を提供する。
【0005】
そのような生分解性組成物は、例えば、ハンバーガーのような低い水分含量を持つファストフードまたは脱水された食品をラッピングするための携帯用容器またはパッケージに適合している。しかし、前記組成物は長い流通貯蔵期間中における十分な抗黴性、抗バクテリア性及び耐水性を提供しない。特に前記組成物は、カップヌードルのように、お湯を注いで調理される脱水されたインスタント食品または液状インスタント食品のための容器として使うことができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的はカップヌードルのようなインスタント食品の容器の製造に有利に使うことができる、生分解性または加工性に対する悪影響なしに耐水性及び貯蔵保存性を向上させることのできる生分解性組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的はアクリル酸共重合体でコーティングされた繊維パウダーマトリックス及び前記マトリックスに分散されている天然高分子を含む生分解性組成物によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の一側面によると、前記生分解性組成物はアクリル酸共重合体でコーティングされた繊維パウダーのマトリックス及び前記マトリックスに分散されている天然高分子を含む。
【0009】
本発明の好ましい実施例によると、前記天然高分子は陰イオン性澱粉である。より好ましくは、前記天然高分子はとうもろこし、じゃが芋、小麦、米、タピオカまたはさつま芋から得られる、官能基が置換されていない陰イオン性澱粉である。
【0010】
本発明の好ましい実施例によると、前記生分解性組成物は天然高分子100重量部に対して、繊維パウダー30〜50重量部及びアクリル酸共重合体5〜50重量部を含む。
【0011】
好ましくは、前記繊維パウダーは木材、藁、サトウキビ、竹、木質茎、靭皮繊維、葉繊維または種苗から得られる一つ或いはそれ以上のセルロース繊維から得られ、前記繊維パウダーの繊維の長さは10〜90μmの範囲にある。
【0012】
前記アクリル酸共重合体は好ましくは下記化学式1の構造を有する。
【0013】
【化2】

【0014】
ここで、R1及びR2は独立にC1-12アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、グリシジルまたは2−(ジメチルアミノ)エチルであり;
R3及びR4は独立に(メタ)アクリル酸、N−メチルオールアクリルアミド、スチレン、酢酸ビニル、ビニルアルコール、アクリロ二トリル、アクリルアミド、無水マレイン酸、マレイン酸、1,3−ブタジエン、フタル酸ジアリル、イタコン酸またはネオペンチルグリコールから導かれる繰返し単位であり;
そして、l、m、n及びxは各々0.2〜0.6、0.1〜0.6、0.05〜0.5及び0.05〜0.5の範囲のモル分率である。
【0015】
より好ましくは、R1及びR2が独立にメチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−ヒドロキシエチル、2−エトキシエチル、デシル、2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシプロピル、グリシジル、ラウリル及び2−(ジメチルアミノ)エチルから選択される。
【0016】
好ましい実施例において、本発明の生分解性組成物はソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、デヒドロ酢酸ナトリウム及びp−ヒドロキシ安息香酸ブチルから選択される、一つまたはそれ以上の保存剤を含むことができる。好ましくは、前記組成物の総重量に対して0.05〜2重量%の保存剤が本発明の生分解性組成物内に存在することができる。
【0017】
本発明の別の側面によると、20〜90℃で繊維パウダーをアクリル酸共重合体、天然高分子、溶媒及び選択的に保存剤と混合して成形用組成物を製造することを含む生分解性組成物を製造するための工程が提供される。
【0018】
本発明の好ましい実施例によると、前記混合段階は、アクリル酸共重合体と繊維パウダーを混合してアクリル酸共重合体でコーティングされた機能性繊維パウダーを製造し、前記機能性繊維パウダーと天然高分子及び溶媒を混合して成形用組成物を製造することを含む二段階の工程によって遂行される。
【0019】
前記成形用組成物は繊維パウダー5〜30重量%、アクリル酸共重合体1〜20重量%、天然高分子10〜50重量%、溶媒30〜60重量%及び選択的に保存剤0.05〜2重量%を含むことが好ましい。好ましくは、前記繊維パウダーのアクリル酸共重合体に対する混合割合は1対0.1〜2の範囲である。前記溶媒は好ましくは、水、アルコール及びアルカリまたは酸性水溶液から選択される。
【0020】
前記天然繊維は、針葉樹または闊葉樹、藁、草、サトウキビ、竹、木質茎、靭皮繊維、葉繊維、種苗などのような天然資源から得ることができるし、それらの化学的性質はセルロースの含量によって変わる。特に繊維前駆体の粉砕、分解、叩解の工程では水を媒体として利用するため、繊維の親水性は本発明の工程に非常に重要である。
【0021】
一般にパルプセルロース繊維は500meq 以上の陰イオン電荷を持っているし、それゆえ、自分たち同士で互いに固まってしまう傾向がある。パルプセルロース繊維を天然高分子と混合する場合にも、前記繊維及び天然高分子は全て陰イオン電荷を帯びるため、分子間の相互作用が弱く、組成物の耐水性が弱まるようになる。
【0022】
本発明によると、セルロース繊維を微粉末化させて陰イオン電荷を150〜250meqになるように減少させ、50〜300meqの陽イオン電荷を持つアクリル酸共重合体で混合する。
【0023】
図1は本発明の生分解性組成物の構造を概略的に図示する。図1(a)及び(b)に示すように、陰イオン電荷を帯びる繊維10は陽イオン電荷を帯びるアクリル酸高分子12でコーティングされ、陰イオン電荷を帯びる天然高分子14が分散されるマトリックス13を形成する。図1(a)及び(b)は各々機能性繊維パウダーと天然高分子との間の相互作用の最初及び最後の状態を示す。
【0024】
このような反対の電荷間の相互作用によって本発明の組成物の成分の間の結合力を増加させ、本発明の組成物から成形される製品の強度及び耐水性を向上させることができる。
【0025】
図2は本発明による生分解性組成物を製造するための工程の概略的な流れ図を示す。繊維パウダー及び天然高分子パウダーが乾燥されて混合される。機能性繊維パウダーを提供する前に耐水性アクリル酸共重合体を繊維パウダーと混合することができるし(図3の工程(a))、または繊維パウダー及び天然高分子パウダーの混合物に溶媒と共に添加することもできる(図3の工程(b))。
【0026】
工程(a)では約1時間の間80〜90℃で繊維パウダー対アクリル酸共重合体を1対0.1〜2の割合で混合することによって表面に陽イオン性アクリル酸共重合体で均一にコーティングされた機能性繊維パウダーが得られる。
【0027】
好ましくは、繊維パウダー30〜50重量部及びアクリル酸共重合体5〜50重量部が天然高分子100重量部と混合される。
【0028】
成形用組成物は、本発明の生分解性組成物に溶媒及び選択的に保存剤を添加し、その混合物を20〜90℃、好ましくは、50〜90℃で攪拌することによって製造することができる。前記溶媒は水、アルコール、アルカリもしくは酸性水溶液またはそれらの混合物とすることができる。成形用組成物は繊維パウダー5〜30重量%、アクリル酸共重合体1〜20重量%、天然高分子10〜50重量%、溶媒30〜60重量%及び選択的に保存剤0.05〜2重量%を含むことができる。
【0029】
成形用組成物は100〜250℃、好ましくは140〜220℃の温度で加熱されたモールドを使い、0.5〜8kgf/cm2、好ましくは1〜5kgf/cm2の圧力で10秒乃至5分間、好ましくは60秒乃至5分間望ましい形態に成形され、向上した耐水性、成形性及び保存性を有する生分解性成形体を得ることができる。
【実施例】
【0030】
本発明の実施例を記述するが、この実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0031】
〔実施例1〕
陰イオン性のとうもろこし澱粉35重量部、針葉樹から得られた繊維パウダー14重量部、化学式1のアクリル酸共重合体3重量部(R1はジメチルアミノ、R2はn−ブチル、R3はアクリロニトリル及びR4はスチレン;l、m、n及びxは各々0.4、0.3、0.1及び0.2である)及び水48重量部をダブルジャケット反応器内で20分間混合して成形用組成物を製造した。
【0032】
前記アクリル酸共重合体は固形分の含量20〜24%、pH4〜6、25℃での粘度80〜100cpsの乳白色の懸濁液であった。
【0033】
〔実施例2乃至5及び比較例〕
実施例2乃至5及び比較例は、実施例1と同じ天然高分子、繊維パウダー、アクリル酸共重合体および水を表1に示すように配合したものであり、表1に示す成分を用いて実施例1の工程が繰り返された。
【0034】
【表1】

【0035】
〔実施例6乃至10〕
R1がメチルである化学式1のアクリル酸共重合体及びじゃが芋澱粉が使われたことを除いては、実施例6乃至10はそれぞれ表1に示す実施例1乃至5の配合(重量部)と同じであり、その成分を用いて実施例1の工程が繰り返された。
【0036】
〔実施例11乃至15〕
タピオカ澱粉、闊葉樹から導かれた繊維パウダー及びR2がイソプロピルである化学式1のアクリル酸共重合体が使われたことを除いては、実施例11乃至15はそれぞれ表1に示す実施例1乃至5の配合(重量部)と同じであり、その成分を用いて実施例1の工程が繰り返された。
【0037】
〔実施例16乃至21〕
保存剤の安息香酸ナトリウムが追加して使われたことを除いては、実施例16乃至21は、実施例1と同じ天然高分子、繊維パウダー、アクリル酸共重合体および水を表2に示すように配合したものであり、表2に示す成分を用いて実施例1の工程が繰り返された。
【0038】
【表2】

【0039】
〔実施例22乃至27〕
保存剤としてのソルビン酸カリウム、R1がメチルである化学式1のアクリル酸共重合体、じゃが芋澱粉が使われたことを除いては、実施例22乃至27はそれぞれ表2に示す実施例16乃至21の配合(重量部)と同じであり、その成分を用いて実施例1の工程が繰り返された。
【0040】
〔実施例28乃至32〕
前処理された機能性繊維パウダーを成形する前に実施例1と同じ針葉樹から得られた繊維パウダーを60℃で実施例1と同じアクリル酸共重合体と混合したことを除いては、実施例28乃至32は実施例1と同じ天然高分子、上記の前処理された繊維パウダー、安息香酸ナトリウムおよび水を表3に示すように配合したものであり、表3に示す成分を用いて実施例1の工程が繰り返された。
【0041】
【表3】

【0042】
〔実施例33乃至37〕
安息香酸ナトリウムの代わりにソルビン酸カリウム及び闊葉樹から得られた繊維パウダーが使われたことを除いては、実施例33乃至37はそれぞれ表3に示す実施例28乃至32の配合(重量部)と同じであり、その成分を用いて実施例1の工程が繰り返された。
【0043】
実施例1乃至37及び比較例で製造された成形用組成物をモールドに注入し、180℃及び3kgf/cm2で150秒の間成形して容器或いはトレ―を成形した。成形された容器或いはトレ―に対して次の特性が調査され、その結果が表4−1および表4−2に示してある。
【0044】
(1)耐水性
25℃または98℃の水を上記容器に入れ、漏水発生までの時間を測定して各容器の耐水性を調べた。
A:30分以上の間に漏水が観察されなかった。
B:5分乃至30分の間に漏水が観察されなかった。
C:1分乃至5分の間に漏水が観察されなかった。
D:1分以内に漏水が観察された。
【0045】
(2)成形性
◎:表面が滑らかで、皺やピンホールが発見されなかった。
○:表面が相対的に荒いが、皺やピンホールが発見されなかった。
×:皺やピンホールは表面に発見されたし、成形することができなかった。
【0046】
(3)分散性
前記組成物は10分の間45rpmの回転速度で撹拌され、20倍率の顕微鏡で表面が観察された。
◎:均一に分散
○:塊部位の数が5または5未満
×:塊部位の数が5を超過
【0047】
(4)圧縮強度
上記容器の一方の側が2mm/sの速度でロードセルによって加圧された場合に容器が壊れる時の強度。
◎:5kg・m/s2超過
○:3〜5kg・m/s2
×:3kg・m/s2未満
【0048】
(5)柔軟性
圧縮強度の測定の間、上記容器が壊れるまで容器表面にロードセルが接触しつつロードセルが動いた距離。
◎:20mm超過
○:15〜20mm
×:15mm未満
【0049】
(6)異臭
澱粉の独特の香とは異なる不快な異臭を調べるために3人の調査員が上記容器の臭いを嗅いだ。
N:なし
Y:あり
【0050】
(7)褐変
成形された容器の色を、標準組成物(とうもろこし澱粉34重量%、繊維パウダー14重量%、水42重量%)の色と比べた。
N:なし
Y:あり
【0051】
【表4−1】

【0052】
【表4−2】

【0053】
表4ー1および表4−2に示すように、比較例の組成物は劣る性能を示している反面、実施例1乃至37の成形用組成物によって製造された容器は耐水性、成形性、均一性、衝撃強度及び柔軟性において向上した特性を示している。
【0054】
〔黴の成長に対する抵抗性〕
一方、微生物の成長に対する抵抗性を測定するために比較例及び実施例2、3、17、18、23、24、29及び30で製造された各組成物別に10個の試料を30℃及び相対湿度90%に維持された恒温恒湿器に置いた後、最初に黴が発見されるまでの日数を測定した。
【0055】
【表5】

【0056】
表5に示すように、前記組成物の抗黴性は耐水性アクリル酸共重合体及び保存剤を使うことによって向上した。
【0057】
〔生分解性〕
本発明の組成物の生分解性を測定するために生分解性のテストが遂行された。実施例の組成物を使って成形された容器(図3a参照)が1メートルの深さで土壌に埋められ、毎週観察された。図3a乃至3fは埋められてから7日、15日、30日、60日及び90日が経過した時の容器の写真である。全ての容器が3ヶ月以内に土壌で分解され、肥料化された。したがって、本発明の組成物は土壌で完全に分解される、環境にやさしい容器を提供する。
【0058】
上記結果から分かるように、本発明の生分解性組成物は、耐水性アクリル酸共重合体、繊維パウダー及び天然高分子を含むものであって、向上した耐水性及び保存性を有しており、したがって、カップヌードル容器のようなインスタント食品用容器の製造に有利に使うことができる。
【0059】
本発明を上記特定の実施例と関連して記述したが、当業者なら本発明に多様な修正及び変形をすることが可能であり、そのような修正及び変形も添付される特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にあることが認識されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は本発明の一実施例による生分解性組成物の構造を示す概略的な図面である。
【図2】図2は本発明の一実施例による生分解性組成物を製造するための流れ図である。
【図3】図3は本発明による組成物の時間による分解を表わす写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリル酸共重合体でコーティングされた繊維パウダーマトリックス及び前記マトリックスに分散されている天然高分子を含むことを特徴とする生分解性組成物。
【請求項2】
前記天然高分子は官能基が置換されていない陰イオン性澱粉であることを特徴とする請求項1に記載の生分解性組成物。
【請求項3】
前記澱粉はとうもろこし、じゃが芋、小麦、米、タピオカまたはさつま芋から得られることを特徴とする請求項2に記載の生分解性組成物。
【請求項4】
前記天然高分子100重量部に対し、前記繊維パウダー30〜50重量部及び前記アクリル酸共重合体5〜50重量部を含むことを特徴とする請求項1に記載の生分解性組成物。
【請求項5】
前記繊維パウダーの繊維の長さは10〜90μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の生分解性組成物。
【請求項6】
前記繊維パウダーは、木材、藁、サトウキビ、竹、木質茎、靭皮繊維、葉繊維または種苗から得られることを特徴とする請求項1に記載の生分解性組成物。
【請求項7】
前記アクリル酸共重合体は化学式1の構造を有することを特徴とする請求項1に記載の生分解性組成物。
【化1】

ここで、R1及びR2は独立にC1-12アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、グリシジルまたは2−(ジメチルアミノ)エチルであり;
R3及びR4は独立に(メタ)アクリル酸、N−メチルオールアクリルアミド、スチレン、酢酸ビニル、ビニルアルコール、アクリロ二トリル、アクリルアミド、無水マレイン酸、マレイン酸、1,3−ブタジエン、フタル酸ジアリル、イタコン酸またはネオペンチルグリコールから導かれる繰返し単位であり;
そして、l、m、n及びxは各々0.2〜0.6、0.1〜0.6、0.05〜0.5及び0.05〜0.5の範囲のモル分率である。
【請求項8】
R1及びR2が独立にメチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−ヒドロキシエチル、2−エトキシエチル、デシル、2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシプロピル、グリシジル、ラウリル及び2−(ジメチルアミノ)エチルから選択されることを特徴とする請求項7に記載の生分解性組成物。
【請求項9】
前記組成物の総重量に対して保存剤を0.05〜2重量%含むことを特徴とする請求項1に記載の生分解性組成物。
【請求項10】
前記保存剤はソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、デヒドロ酢酸ナトリウム及びp−ヒドロキシ安息香酸ブチルで構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項9に記載の生分解性組成物。
【請求項11】
20〜90℃で繊維パウダーをアクリル酸共重合体、天然高分子、溶媒及び選択的に保存剤と混合して成形用組成物を製造することを含むことを特徴とする請求項1の生分解性組成物を製造するための工程。
【請求項12】
前記混合段階は、
a)アクリル酸共重合体と繊維パウダーを混合してアクリル酸共重合体でコーティングされた機能性繊維パウダーを製造し、
b)前記機能性繊維パウダーと天然高分子及び溶媒を混合して成形用組成物を製造することを含む二段階の工程によって遂行されることを特徴とする請求項11に記載の工程。
【請求項13】
前記成形用組成物は繊維パウダー5〜30重量%、アクリル酸共重合体1〜20重量%、天然高分子10〜50重量%、溶媒30〜60重量%及び選択的に保存剤0.05〜2重量%を含むことを特徴とする請求項11に記載の工程。
【請求項14】
前記繊維パウダーのアクリル酸共重合体に対する混合割合は1対0.1〜2の範囲内にあることを特徴とする請求項12に記載の工程。
【請求項15】
前記溶媒は水、アルコール、アルカリもしくは酸性水溶液またはそれらの混合物であることを特徴とする請求項11に記載の工程。
【請求項16】
前記成形用組成物を、100〜250℃の温度で加熱したモールドを使い、0.5〜8kgf/cm2の圧力で10秒乃至5分間望ましい形態に成形することを含むことを特徴とする請求項11に記載の工程。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−509098(P2006−509098A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−569608(P2004−569608)
【出願日】平成15年6月9日(2003.6.9)
【国際出願番号】PCT/KR2003/001120
【国際公開番号】WO2004/083311
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(504466616)ヨウル チョン ケミカル カンパニー, リミテッド (16)
【Fターム(参考)】