説明

含ケイ素ポリマー、その製造方法、及び硬化性ポリマー組成物

【課題】 新規な含ケイ素ポリマー、その製造方法、及び高屈折率の硬化物を形成する硬化性ポリマー組成物を提供する。
【解決手段】 平均単位式:
(O2/2SiR−R2−C−R−SiR2/2)[RSiO(4−a)/2](R1/2)
(式中、Rは置換若しくは非置換の一価炭化水素基、Rは置換若しくは非置換のアルキレン基、Rは置換若しくは非置換の一価炭化水素基、Rはアルキル基又は水素原子、aは、0≦a≦3を満たす正数、x、y及びzは、0<x<0.1、0<y<1、0≦z<0.1、かつ、x+y+z=1を満たす正数)で表される含ケイ素ポリマー、(A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する上記含ケイ素ポリマー、(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有する有機ケイ素化合物、及び(C)ヒドロシリル化反応用触媒から少なくともなる硬化性ポリマー組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な含ケイ素ポリマー、その製造方法、及び該ポリマーを主成分とする硬化性ポリマー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び2には、式:
3/2Si−CHCH−C−CHCH−SiO3/2
で表される単位、及びSiO4/2、R'SiO3/2又はR'SiO2/2で表される単位(R'はメチル基又はエチル基である。)を有する含ケイ素ポリマーが開示され、特許文献3には、式:
−CHCH−C−CHCH−Si(CH)[OSi(CH)]
で表される繰り返し単位を有する含ケイ素ポリマーが開示されている。
【0003】
しかし、一般式:
2/2SiR−R−C−R−SiR2/2
(式中、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換のアルキレン基である。)
で表される単位と一般式:
SiO(4−a)/2
(式中、Rは置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、aは、0≦a≦3を満たす正数である。)
で表される単位からなる含ケイ素ポリマーは知られておらず、また、このような含ケイ素ポリマーを主剤とする硬化性ポリマー組成物も知られていなかった。
【特許文献1】特開昭61−272236号公報
【特許文献2】特開昭61−272238号公報
【特許文献3】特開平11−217442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、一般式:
2/2SiR−R−C−R−SiR2/2
(式中、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換のアルキレン基である。)
で表される単位と一般式:
SiO(4−a)/2
(式中、Rは置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、aは、0≦a≦3を満たす正数である。)
で表される単位からなる新規な含ケイ素ポリマー、その製造方法、及び該ポリマーを主剤とし、高屈折率の硬化物を形成することができる硬化性ポリマー組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の含ケイ素ポリマーは、平均単位式:
(O2/2SiR−R−C−R−SiR2/2)[RSiO(4−a)/2](R1/2)
(式中、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換のアルキレン基であり、Rは置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Rはアルキル基又は水素原子であり、aは、0≦a≦3を満たす正数であり、x、y及びzは、0<x<0.1、0<y<1、0≦z<0.1、かつ、x+y+z=1を満たす正数である。)
で表される。
【0006】
式中、Rはアルキル基又はアリール基であることが好ましく、Rはエチレン基又はプロピレン基であることが好ましく、Rはアルキル基、アルケニル基又はアリール基であることが好ましい。
【0007】
本発明の含ケイ素ポリマーの製造方法は、一般式(I):
(RO)SiR−R−C−R−SiR(OR)
(式中、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換のアルキレン基であり、Rは同じか又は異なるアルキル基である。)
で表されるジシリル化合物と一般式(II):
Si(OR)(4−a)
(式中、Rは置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Rはアルキル基であり、aは、0≦a≦3を満たす正数である。)
で表されるシラン化合物とを共加水分解及び縮合反応することを特徴とする。
【0008】
一般式(I)中のRはアルキル基又はアリール基であることが好ましく、Rはエチレン基又はプロピレン基であることが好ましい。また、一般式(II)中のRはアルキル基、アルケニル基又はアリール基であることが好ましい。
【0009】
本発明の硬化性ポリマー組成物は、
(A)平均単位式:
(O2/2SiR−R−C−R−SiR2/2)[RSiO(4−a)/2](R1/2)
(式中、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換のアルキレン基であり、Rは置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、ただし、一分子中の少なくとも2個のRはアルケニル基であり、Rはアルキル基又は水素原子であり、aは、0≦a≦3を満たす正数であり、x、y及びzは、0<x<0.1、0<y<1、0≦z<0.1、かつ、x+y+z=1を満たす正数である。)
で表される含ケイ素ポリマー、
(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有する有機ケイ素化合物 {(A)成分中のアルケニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.1〜10モルとなる量}、及び
(C)ヒドロシリル化反応用触媒 触媒量
から少なくともなる。
【0010】
(A)成分中のRはアルキル基又はアリール基であることが好ましく、Rはエチレン基又はプロピレン基であることが好ましく、Rはアルキル基、アルケニル基又はアリール基であることが好ましい。
【0011】
また、(B)成分は、平均組成式:
SiO(4−b−c)/2
(式中、Rは脂肪族不飽和結合を有さない置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、b及びcは、0.7≦b≦2.1、0.001≦c≦1.0、かつ、0.8≦b+c≦2.6を満たす正数である。)
で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンであることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の含ケイ素ポリマーは新規な化合物であり、本発明の製造方法は、このような新規な化合物を製造することができ、また、本発明の硬化性ポリマー組成物は、高屈折率の硬化物を形成することができるという特徴がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の含ケイ素ポリマーは、平均単位式:
(O2/2SiR−R−C−R−SiR2/2)[RSiO(4−a)/2](R1/2)
で表される。式中、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、炭素数1〜12、好ましくは1〜8のものが挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換した、具体的には、クロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基やシアノエチル基が例示され、好ましくは、アルキル基、アリール基であり、特に好ましくは、メチル基、フェニル基である。
【0014】
式中、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換のアルキレン基であり、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基が例示され、好ましくは、エチレン基、プロピレン基である。
【0015】
式中、Rは置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、前記Rと同様の基が例示され、好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アリール基であり、特に好ましくは、メチル基、ビニル基、アリル基、フェニル基である。
【0016】
式中、Rはアルキル基又は水素原子であり、Rのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基が例示され、好ましくは、メチル基、エチル基である。
【0017】
式中、aは、0≦a≦3、好ましくは、0<a≦3、さらに好ましくは、1≦a≦3、特に好ましくは、1≦a<3を満たす正数である。
【0018】
式中、x、y及びzは、0<x<0.1、0<y<1、0≦z<0.1、かつ、x+y+z=1を満たす正数である。
【0019】
このような含ケイ素ポリマーとしては、式:
[O2/2Si(CH)−C−C−C−Si(CH)O2/2
で表される単位と式:
[(CH)SiO2/2
で表される単位からなる含ケイ素ポリマー、式:
[O2/2Si(CH)−C−C−C−Si(CH)O2/2
で表される単位と式:
[(CH)SiO2/2
で表される単位からなる含ケイ素ポリマー、式:
[O2/2Si(CH)−C−C−C−Si(CH)O2/2
で表される単位と式:
[(CH)(CH=CH)SiO2/2
で表される単位からなる含ケイ素ポリマー、式:
[O2/2Si(CH)−C−C−C−Si(CH)O2/2
で表される単位と式:
[(CH)SiO2/2
で表される単位と式:
[(CH)SiO1/2
で表される単位からなる含ケイ素ポリマー、式:
[O2/2Si(CH)−C−C−C−Si(CH)O2/2
で表される単位と式:
[(CH)SiO2/2
で表される単位と式:
[(CH)(CH=CH)SiO2/2
で表される単位からなる含ケイ素ポリマー、式:
[O2/2Si(CH)−C−C−C−Si(CH)O2/2
で表される単位と式:
[(CH)(CH=CH)SiO2/2
で表される単位と式:
[SiO4/2
で表される単位からなる含ケイ素ポリマー、式:
[O2/2Si(CH)−C−C−C−Si(CH)O2/2
で表される単位と式:
[(CH)(CH=CH)SiO2/2
で表される単位と式:
[(CH)(C)SiO2/2
で表される単位からなる含ケイ素ポリマーが例示される。
【0020】
このような含ケイ素ポリマーを製造する方法としては、一般式(I):
(RO)SiR−R−C−R−SiR(OR)
(式中、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換のアルキレン基であり、Rは同じか又は異なるアルキル基である。)
で表されるジシリル化合物と一般式(II):
Si(OR)(4−a)
(式中、Rは置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Rはアルキル基であり、aは、0≦a≦3を満たす正数である。)
で表されるシラン化合物とを共加水分解及び縮合反応する方法が挙げられる。
【0021】
一般式(I):
(RO)SiR−R−C−R−SiR(OR)
で表されるジシリル化合物は、得られる含ケイ素ポリマーに、一般式:
2/2SiR−R−C−R−SiR2/2
で表される単位を導入するための原料である。式中、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、上記と同様の基が例示される。また、式中、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換のアルキレン基であり、前記と同様の基が例示される。また、式中、Rは同じか又は異なるアルキル基であり、Rのアルキル基と同様の基が例示される。
【0022】
このようなジシリル化合物としては、次のものが例示される。
(CHO)SiCH−C−C−C−SiCH(OCH)
(CHO)SiCH−C−C−C−SiCH(OCH)
(CO)SiCH−C−C−C−SiCH(OC)
(CO)SiCH−C−C−C−SiCH(OC)
(CHO)SiC−C−C−C−SiC(OCH)
(CHO)SiC−C−C−C−SiC(OCH)
【0023】
また、一般式(II):
Si(OR)(4−a)
で表されるシラン化合物は、得られる含ケイ素ポリマーに、一般式:
SiO(4−a)/2
で表される単位を導入するための原料である。式中、Rは置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、前記と同様の基が例示される。また、式中、Rはアルキル基であり、前記と同様の基が例示される。また、aは、0≦a≦3、好ましくは、0<a≦3、さらに好ましくは、1≦a≦3、特に好ましくは、1≦a<3を満たす正数である。
【0024】
このようなシラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシランが例示される。
【0025】
本発明の製造方法では、上記ジシリル化合物と上記シラン化合物とを共加水分解及び縮合反応することにより、含ケイ素ポリマーを得ることができるが、加水分解及び縮合反応の条件は特に限定されず、上記ジシリル化合物と上記シラン化合物の加水分解に十分な量の水があればよい。また、これらの加水分解及び縮合反応を促進するため、塩酸、酢酸等の酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基等の加水分解及び縮合反応の触媒を用いることが好ましい。
【0026】
このような含ケイ素ポリマーは、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する場合には、ヒドロシリル化反応で硬化する硬化性ポリマー組成物の主成分とすることができる。すなわち、このような硬化性ポリマー組成物としては、
(A)平均単位式:
(O2/2SiR−R−C−R−SiR2/2)[RSiO(4−a)/2](R1/2)
(式中、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換のアルキレン基であり、Rは置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、ただし、一分子中の少なくとも2個のRはアルケニル基であり、Rはアルキル基又は水素原子であり、aは、0≦a≦3を満たす正数であり、x、y及びzは、0<x<0.1、0<y<1、0≦z<0.1、かつ、x+y+z=1を満たす正数である。)
で表される含ケイ素ポリマー、
(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有する有機ケイ素化合物 {(A)成分中のアルケニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.1〜10モルとなる量}、及び
(C)ヒドロシリル化反応用触媒 触媒量
から少なくともなるものが例示される。
【0027】
(A)成分の含ケイ素ポリマーについては前記のとおりであり、このような(A)成分は、一分子中の少なくとも2個のRがアルケニル基であることが必要である。このRのアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基が例示され、好ましくはビニル基、アリル基である。
【0028】
(B)成分の有機ケイ素化合物は、(A)成分を架橋させるための成分であり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するものであれば特に限定されない。また、(B)成分の粘度は特に限定されないが、25℃における粘度が1,000mPa・s以下であることが好ましく、さらには、0.5〜500mPa・sの範囲内であることが好ましく、特には、0.9〜100mPa・sの範囲内であることが好ましい。このような(B)成分の一分子中のケイ素原子の数は特に限定されないが、好ましくは、2〜200の範囲内であり、さらに好ましくは、3〜100の範囲内であり、特に好ましくは、4〜50の範囲内である。また、(B)成分の分子構造は特に限定されないが、直鎖状、環状、これらの一部が分岐鎖を有する構造や三次元網状構造が例示される。
【0029】
このような(B)成分は、ビス(ジメチルシリル)ベンゼン等のジオルガノシリル基含有非シロキサン系化合物、ケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンシロキサンが例示され、好ましくは、平均組成式:
SiO(4−b−c)/2
で表されるオルガノハイドロジェンシロキサンである。式中、Rは脂肪族不飽和結合を有さない置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、炭素数1〜12、好ましくは1〜8のものが挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換した、具体的には、クロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基やシアノエチル基が例示され、好ましくは、アルキル基、アリール基であり、特に好ましくは、メチル基、フェニル基である。また、式中、b及びcは、0.7≦b≦2.1、0.001≦c≦1.0、かつ、0.8≦b+c≦2.6を満たす正数であり、好ましくは、0.8≦a≦2、0.01≦b≦1、かつ、1≦a+b≦2.4を満たす正数である。
【0030】
このような(B)成分としては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH)HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH)HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C)SiO3/2単位とからなる共重合体が例示される。
【0031】
本組成物において、(B)成分の含有量は、(A)成分中のアルケニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.1〜10モル、好ましくは0.1〜5モル、より好ましくは0.5〜5モル、さらに好ましくは0.8〜2モル、特に好ましくは1.0〜1.5モルの範囲内となる量である。これは、(B)成分の含有量が上記範囲の下限未満となる量であると、得られる組成物が十分に硬化しなかったり、得られる硬化物中にアルケニル基が残存するために、高温に曝されると酸化し黄変を引き起こし、外観を損なうためであり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られる硬化物が脆くなるためである。
【0032】
(C)成分のヒドロシリル化反応用触媒は、(A)成分中のアルケニル基と(B)成分中のケイ素原子結合水素原子とのヒドロシリル化反応を促進するための触媒である。このような(C)成分としては、、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒が例示され、ヒドロシリル化反応を著しく促進できることから白金系触媒であることが好ましい。この白金系触媒としては、白金微粉末、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金−アルケニルシロキサン錯体、白金−オレフィン錯体、白金−カルボニル錯体が例示され、特に、白金−アルケニルシロキサン錯体であることが好ましい。このアルケニルシロキサンとしては、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、これらのアルケニルシロキサンのメチル基の一部をエチル基、フェニル基等の基で置換したアルケニルシロキサン、これらのアルケニルシロキサンのビニル基をアリル基、ヘキセニル基等で置換したアルケニルシロキサンが例示される。
【0033】
(C)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分のヒドロシリル化反応を促進する触媒量であれば特に限定されないが、具体的には、(A)成分と(B)成分の合計量に対して、(C)成分中の触媒金属が重量単位で0.01〜1,000ppmの範囲内となる量であることが好ましく、特に、0.1〜500ppmの範囲内となる量であることが好ましい。
【0034】
本組成物には、その他任意の成分として、平均組成式:
SiO(4−d)/2
(式中、Rは置換若しくは非置換の一価炭化水素基、アルコキシ基又は水酸基であり、但し、一分子中、少なくとも2個のRはアルケニル基であり、dは、0<b<2を満たす正数である。)
で表されるオルガノシロキサンを含有してもよい。式中、Rの一価炭化水素基としては、前記Rと同様の一価炭化水素基が例示される。また、dは、0<d<2、好ましくは、1≦d<2、さらに好ましくは、1≦d≦1.8、特に好ましくは、1≦d≦1.5を満たす正数である。このオルガノシロキサンの含有量は特に限定されないが、好ましくは、(A)成分100重量部に対して0.1〜100重量部の範囲内である。
【0035】
本組成物には、硬化速度を調節するために、2−メチル−3−ブチン−2−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2−フェニル−3−ブチン−2−オール等のアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン、ベンゾトリアゾール等の反応抑制剤を含有してもよい。本組成物において、この反応抑制剤の含有量は限定されないが、本組成物に対して重量単位で10〜1,000ppmの範囲内となる量であることが好ましい。
【0036】
さらに、本組成物には、接着性付与剤を含有してもよい。この接着付与剤は、ケイ素原子に結合したアルコキシ基を一分子中に少なくとも1個有する有機ケイ素化合物であることが好ましい。このアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基が例示され、特に、メトキシ基であることが好ましい。また、この有機ケイ素化合物のケイ素原子に結合するアルコキシ基以外の基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基等の置換若しくは非置換の一価炭化水素基;3−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシブチル基等のグリシドキシアルキル基;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基等のエポキシシクロヘキシルアルキル基;4−オキシラニルブチル基、8−オキシラニルオクチル基等のオキシラニルアルキル基等のエポキシ基含有有機基;3−メタクリロキシプロピル基等のアクリル基含有有機基;水素原子が例示される。この接着付与剤は(A)成分又は(B)成分とヒドロシリル化反応し得る基を有することが好ましく、具体的には、アルケニル基又はケイ素原子結合水素原子を有することが好ましい。また、各種の基材に対して良好な接着性を付与できることから、一分子中に少なくとも1個のエポキシ基含有有機基を有するものであることが好ましい。このような接着付与剤としては、オルガノシラン化合物、オルガノシロキサンオリゴマーが例示される。このオルガノシロキサンオリゴマーの分子構造としては、直鎖状、一部分枝を有する直鎖状、分枝鎖状、環状、網状が例示され、特に、直鎖状、分枝鎖状、網状であることが好ましい。
【0037】
このような接着付与剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン化合物;一分子中にケイ素原子結合アルケニル基若しくはケイ素原子結合水素原子、及びケイ素原子結合アルコキシ基をそれぞれ少なくとも1個有するシロキサン化合物、ケイ素原子結合アルコキシ基を少なくとも1個有するシラン化合物又はシロキサン化合物と一分子中にケイ素原子結合ヒドロキシ基とケイ素原子結合アルケニル基をそれぞれ少なくとも1個有するシロキサン化合物との混合物、式:
【化1】

(式中、k、m及びpは正数である。)
で示されるシロキサン化合物、式:
【化2】

(式中、k、m、p及びqは正数である。)
で示されるシロキサン化合物が例示される。
【0038】
この接着付与剤は低粘度液状であることが好ましく、その粘度は限定されないが、25℃において1〜500mPa・sの範囲内であることが好ましい。この接着付与剤の含有量は特に限定されないが、(A)成分100重量部に対して、通常、15重量部以下であることが好ましく、さらには、0.01〜10重量部の範囲内であることが好ましく、特には、0.5〜10重量部の範囲内であることが好ましい。
【0039】
本組成物には、その他任意の成分として、例えば、光増感剤、高級脂肪酸金属塩、エステル系ワックス、可塑剤、可撓性付与剤、充填剤、シランカップリング剤を含有してもよい。この可撓性付与剤としては、シリコーンオイル、シリコーンゴムが例示される。この充填剤としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、アルミナとシリカを成分とするセラミック繊維、ボロン繊維、ジルコニア繊維、炭化ケイ素繊維、金属繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、フェノール繊維、天然の動植物繊維等の繊維状充填剤、溶融シリカ、沈澱シリカ、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、酸化亜鉛、焼成クレイ、カーボンブラック、ガラスビーズ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、クレイ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、カオリン、雲母、ジルコニア等の粉粒体、及びこれらの2種以上の混合物が例示される。
【実施例】
【0040】
本発明の含ケイ素ポリマー、その製造方法、及び硬化性ポリマー組成物を詳細に説明する。なお、粘度は25℃における値である。また、特性は下記の測定法に従った。
【0041】
[屈折率]
含ケイ素ポリマーの25℃における屈折率をアッベ式屈折率計を用いて測定した。なお、測定に用いた光源として、可視光(589nm)を用いた。また、硬化性ポリマー組成物を150℃の熱風循環式オーブンで10分加熱することにより硬化して作製した硬化物の25℃における屈折率を同様にして測定した。
【0042】
[粘度]
含ケイ素ポリマーの25℃における粘度を、E型粘度計(株式会社トキメック製のDIGITAL VISCOMETER DV−U−E II型)を用いて、回転数1.5rpmの条件で測定した。
【0043】
[含ケイ素ポリマーの質量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)]
含ケイ素ポリマーをトルエン溶液とし、トルエン媒体のゲルパーミエーションクロマトグラフにより、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、分散度(Mw/Mn)を求めた。
【0044】
[硬化物の表面タック性]
硬化性ポリマー組成物を150℃のオーブンで10分間加熱することによりシート状硬化物を作製した。このシート状硬化物の表面を指で触って、そのタック性を判断した。
【0045】
[参考例1]
ジビニルベンゼン(三共化成工業社製のジビニルベンゼン−H、m体とp体の混合物)とメチルジクロロシランを付加反応させてビス(ジクロロシシルエチル)ベンゼンを調製し、これをメトキシ化反応して、ビス(メチルジメトキシシリルエチル)ベンゼンを調製した。
【0046】
[実施例1]
参考例1で調製したビス(メチルジメトキシシリルエチル)ベンゼン3.08g(0.009モル)とメチルフェニルシクロシロキサン(3〜5量体)82.8g(メチルフェニルシロキサン単位で0.6モル)、水酸化カリウム(反応系中、重量単位で250ppmとなる量)を混合し、100℃で2時間攪拌した。反応溶液が粘度上昇して、メタノールが遊離して縮合反応物が生成した。次に、水2mlと1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン3.7g(0.02モル)を投入して、130℃で3時間攪拌した。その後、水酸化カリウムを中和して、120℃、2mmHgで3時間ストリッピングした。
【0047】
得られた生成物は透明液体であり、H−核磁気共鳴分析(以下、H−NMR)、13C−核磁気共鳴分析(以下、13C−NMR)、及び29Si−核磁気共鳴分析(以下、29Si−NMR)による構造解析を行ったところ、平均単位式:
(O2/2CH3Si-CH2CH2-C64-CH2CH2-SiCH32/2)0.048[(CH3)C65SiO2/2]0.930[(C65)2(CH2=CH)SiO1/2]0.010(CH31/2)0.006(HO1/2)0.006
で表される含ケイ素ポリマーであることがわかった。その屈折率は1.55、粘度は85,000mPa・s、ビニル基含有量は0.22重量%であった。ゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下、GPC)による重量平均分子量(Mw)は26,000、分散度(Mw/Mn)は6.4であった。
【0048】
[実施例2]
参考例1で調製したビス(メチルジメトキシシリルエチル)ベンゼン2.74g(0.08モル)とメチルフェニルシクロシロキサン(3〜5量体)98.0g(メチルフェニルシロキサン単位で0.6モル)、水酸化カリウム(反応系中、重量単位で250ppmとなる量)を混合し、100℃で2時間攪拌した。反応溶液が粘度上昇して、メタノールが遊離して縮合反応物が生成した。次に、水2mlと1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン3.7g(0.02モル)を投入して、130℃で3時間攪拌した。その後、水酸化カリウムを中和して、120℃、2mmHgで3時間ストリッピングした。
【0049】
得られた生成物は透明液体であり、実施例1と同様のNMR分析から、平均単位式:
(O2/2CH3Si-CH2CH2-C64-CH2CH2-SiCH32/2)0.057[(CH3)C65SiO2/2]0.917[(C65)2(CH2=CH)SiO1/2]0.022(CH31/2)0.001(HO1/2)0.003
で表される含ケイ素ポリマーであることがわかった。その屈折率は1.55、粘度は34,000mPa・s、ビニル基含有量は0.47重量%あった。GPCによる重量平均分子量(Mw)は14,550、分散度(Mw/Mn)は8.3であった。
【0050】
[実施例3]
実施例1で調製した含ケイ素ポリマー10.0gに、2−フェニル−3−ブチン−2−オール5mgを添加して、100℃で混合した後、室温まで冷却した。この混合物に、白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体の10重量%−イソプロパノール溶液(本組成物中、白金金属が重量単位で6.6ppmとなる量)、及び粘度30mPa・sであり、平均単位式:
[(C)SiO3/2]0.4[H(CH)SiO1/2]0.6
で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン0.18gを混合して硬化性ポリマー組成物を調製した。次に、この組成物を直径50mmのアルミ皿に入れて、150℃のオーブンで10分間加熱して硬化させた。硬化物は透明で表面タックがなく、屈折率は1.55であった。
【0051】
[実施例4]
実施例2で調製した含ケイ素ポリマー10.0gに、2−フェニル−3−ブチン−2−オールを5mgを添加して、100℃で混合した後、室温まで冷却した。この混合物に、白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体の10重量%−イソプロパノール溶液(本組成物中、白金金属が重量単位で6.6ppmとなる量)、及び粘度30mPa・sであり、平均単位式:
[(C)SiO3/2]0.4[H(CH)SiO1/2]0.6
で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン0.4gを混合して硬化性ポリマー組成物を調製した。次に、この組成物を直径50mmのアルミ皿に入れて、150℃のオーブンで10分間加熱して硬化させた。硬化物は透明で表面タックがなく、屈折率は1.55であった。
【0052】
[実施例5]
実施例2で調製した含ケイ素ポリマー10.0gに、2−フェニル−3−ブチン−2−オールを5mgを添加して、100℃で混合した後、室温まで冷却した。この混合物に、白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体の10重量%−イソプロパノール溶液(本組成物中、白金金属が重量単位で6.6ppmとなる量)、及び粘度30mPa・sであり、平均単位式:
[(C)SiO3/2]0.4[H(CH)SiO1/2]0.6
で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン0.6gを混合して硬化性ポリマー組成物を調製した。次に、この組成物を直径50mmのアルミ皿に入れて、150℃のオーブンで10分間加熱して硬化させた。硬化物は透明で表面タックがなく、屈折率は1.55であった。
【0053】
[比較例1]
粘度26,000mPa・sである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン[Mw=15,000、分散度(Mw/Mn)=13.5]10.0gに、2−フェニル−3−ブチン−2−オールを5mgを添加して、100℃で混合した後、室温まで冷却した。この混合物に、白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体の10重量%−イソプロパノール溶液(本組成物中、白金金属が重量単位で6.6ppmとなる量)、及び粘度30mPa・sであり、平均単位式:
[(C)SiO3/2]0.4[H(CH)SiO1/2]0.6
で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン0.3gを混合して硬化性ポリマー組成物を調製した。次に、この組成物を直径50mmのアルミ皿に入れて、150℃のオーブンで10分間加熱して硬化させた。硬化物は透明で表面タックがあり、屈折率は1.54であった。
【0054】
[比較例2]
粘度26,000mPa・sである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン[Mw=15,000、分散度(Mw/Mn)=13.5]10.0gに、2−フェニル−3−ブチン−2−オールを5mgを添加して、100℃で混合した後、室温まで冷却した。この混合物に、白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体の10重量%−イソプロパノール溶液(本組成物中、白金金属が重量単位で6.6ppmとなる量)、及び粘度30mPa・sである、平均単位式:
[(C)SiO3/2]0.4[H(CH)SiO1/2]0.6
で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン0.6gを混合して硬化性ポリマー組成物を調製した。次に、この組成物を直径50mmのアルミ皿に入れて、150℃のオーブンで10分間加熱して硬化させた。硬化物は透明で表面タックがあり、屈折率は1.54であった。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の含ケイ素ポリマーは新規な化合物であり、液状、ペースト状などの非固体状を容易に与えることができ、また、官能基による変性が容易であり、反応性を持たせることができ、高屈折率の材料として利用できる。また、本発明の硬化性ポリマー組成物は、硬化が早く、硬化物表面のタックがない硬化物を与えることができる。また、本発明の硬化性ポリマー組成物は、高屈折率で透明な硬化物を形成できることから、発光ダイオードなどの光学素子の封止材や光学機器に好適であり、さらに充填材などを配合することにより、封止材、被覆材、塗料、弾性部材などへの適用が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均単位式:
(O2/2SiR−R−C−R−SiR2/2)[RSiO(4−a)/2](R1/2)
(式中、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換のアルキレン基であり、Rは置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Rはアルキル基又は水素原子であり、aは、0≦a≦3を満たす正数であり、x、y及びzは、0<x<0.1、0<y<1、0≦z<0.1、かつ、x+y+z=1を満たす正数である。)
で表される含ケイ素ポリマー。
【請求項2】
式中のRがアルキル基又はアリール基である、請求項1記載の含ケイ素ポリマー。
【請求項3】
式中のRがエチレン基又はプロピレン基である、請求項1記載の含ケイ素ポリマー。
【請求項4】
式中のRがアルキル基、アルケニル基又はアリール基である、請求項1記載の含ケイ素ポリマー。
【請求項5】
一般式(I):
(RO)SiR−R−C−R−SiR(OR)
(式中、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換のアルキレン基であり、Rは同じか又は異なるアルキル基である。)
で表されるジシリル化合物と一般式(II):
Si(OR)(4−a)
(式中、Rは置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Rはアルキル基であり、aは、0≦a≦3を満たす正数である。)
で表されるシラン化合物とを共加水分解及び縮合反応することを特徴とする、請求項1記載の含ケイ素ポリマーの製造方法。
【請求項6】
一般式(I)中のRがアルキル基又はアリール基である、請求項5記載の製造法。
【請求項7】
一般式(I)中のRがエチレン基又はプロピレン基である、請求項5記載の製造方法。
【請求項8】
一般式(II)中のRがアルキル基、アルケニル基又はアリール基である、請求項5記載の製造方法。
【請求項9】
(A)平均単位式:
(O2/2SiR−R−C−R−SiR2/2)[RSiO(4−a)/2](R1/2)
(式中、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Rは同じか又は異なる置換若しくは非置換のアルキレン基であり、Rは置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、ただし、一分子中の少なくとも2個のRはアルケニル基であり、Rはアルキル基又は水素原子であり、aは、0≦a≦3を満たす正数であり、x、y及びzは、0<x<0.1、0<y<1、0≦z<0.1、かつ、x+y+z=1を満たす正数である。)
で表される含ケイ素ポリマー、
(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有する有機ケイ素化合物 {(A)成分中のアルケニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.1〜10モルとなる量}、及び
(C)ヒドロシリル化反応用触媒 触媒量
から少なくともなる硬化性ポリマー組成物。
【請求項10】
(A)成分中のRがアルキル基又はアリール基である、請求項9記載の硬化性ポリマー組成物。
【請求項11】
(A)成分中のRがエチレン基又はプロピレン基である、請求項9記載の硬化性ポリマー組成物。
【請求項12】
(A)成分中のRがアルキル基、アルケニル基又はアリール基である、請求項9記載の硬化性ポリマー組成物。
【請求項13】
(B)成分が、平均組成式:
SiO(4−b−c)/2
(式中、Rは脂肪族不飽和結合を有さない置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、b及びcは、0.7≦b≦2.1、0.001≦c≦1.0、かつ、0.8≦b+c≦2.6を満たす正数である。)
で表されるオルガノハイドロジェンシロキサンである、請求項9記載の硬化性ポリマー組成物。

【公開番号】特開2009−263433(P2009−263433A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−112010(P2008−112010)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(000110077)東レ・ダウコーニング株式会社 (338)
【Fターム(参考)】