説明

含ケイ素粒子、その製造方法、オイル組成物、セラミック、およびその製造方法

【課題】界面活性剤等を使用することなく、簡単なプロセスで、粒径の極めて小さい含ケイ素粒子を製造する方法、粒径がコントロールさあれ、オイルに対する分散性が優れ、焼成によるセラミック化収率の高い含ケイ素粒子を提供する。
【解決手段】分子中に、ケイ素原子50個あたり1個以上の反応性官能基を有する含ケイ素化合物を含む硬化性組成物と、該組成物の硬化反応に関与しないオイルとを少なくとも含む均一相中で、前記組成物を硬化反応することにより、前記オイルからの相分離が誘起され含ケイ素粒子を形成することを特徴とする含ケイ素粒子の製造方法、その方法により得られる含ケイ素粒子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含ケイ素粒子の製造方法、その製造方法により得られる含ケイ素粒子、該粒子を含有するオイル組成物、該粒子を用いてなるセラミックの製造方法、およびその製造方法により得られるセラミックに関する。
【背景技術】
【0002】
シリコーンゴム粒子に代表される含ケイ素粒子は、化粧品原料、有機樹脂用添加剤等に使用されている。含ケイ素粒子の製造方法としては、硬化性シリコーン組成物を界面活性剤水溶液中に乳化した状態で硬化させる方法が公知である。例えば、硬化反応に関与しないオイルを含有している硬化性シリコーン組成物を乳化して硬化反応することにより、エマルジョンのオイル液滴中でシリコーンゴム粒子を形成する方法が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
しかし、このようにして得られる含ケイ素粒子には、製造方法で用いた界面活性剤が多く含まれるため、含ケイ素粒子が本来有している耐熱性、電気特性等が損なわれるという問題がある。また、このような製造方法では、粒径のコントロールは、もっぱら界面活性剤の種類や濃度、あるいは乳化機の乳化能力によるところが大きく、粒径が小さくなればなるほど、そのコントロールは困難である。
【0004】
一方、ケイ素含有セラミック前駆体を含む組成物を熱分解して、Si、O及びCを含むセラミックを製造する方法(特許文献2、3参照)や架橋可能なシラン及びシロキサンから選ばれる1種又は2種以上の有機ケイ素化合物を黒鉛に含浸させ、この黒鉛内において前記有機ケイ素化合物の架橋物を形成した後、非酸化性ガス中、300〜1200℃の温度で加熱して、C/Si/O複合材料の製造方法(特許文献4参照)が知られている。
【0005】
しかし、このようにして得られるセラミックは粉砕などのプロセスを経て微粒子状にされるが、得られる微粒子の形状は不定形状であり、流動性や充填性の良好な微細な球状のセラミックを得ることが難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−281903号公報
【特許文献2】特開平10−074506号公報
【特許文献3】特開平10−275617号公報
【特許文献4】特開2003−171180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、界面活性剤等を使用することなく、簡単なプロセスで、粒径の極めて小さい含ケイ素粒子を製造する方法、粒径がコントロールされ、オイルに対する分散性が優れ、焼成によるセラミック化収率が高い含ケイ素粒子、および含ケイ素粒子を均一に分散しているオイル組成物を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、簡単なプロセスで、粒径が極めて小さく、コントロールされたセラミックを製造する方法、およびこのような特徴を有するセラミックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の含ケイ素粒子の製造方法は、分子中に、ケイ素原子50個あたり1個以上の反応性官能基を有する含ケイ素化合物を含む硬化性組成物と、該組成物の硬化反応に関与しないオイルとを少なくとも含む均一相中で、前記組成物を硬化反応することにより、前記オイルからの相分離が誘起され含ケイ素粒子を形成することを特徴とする。
【0010】
本発明の含ケイ素粒子は、上記の方法により得られたものであることを特徴とする。
【0011】
本発明のオイル組成物は、上記の含ケイ素粒子とオイルとを少なくとも含むことを特徴とする。
【0012】
本発明のセラミックの製造方法は、分子中に、ケイ素原子50個あたり1個以上の反応性官能基を有する含ケイ素化合物を含む硬化性組成物と、該組成物の硬化反応に関与しないオイルとを少なくとも含む均一相中で、前記組成物を硬化反応することにより、前記オイルからの相分離が誘起された含ケイ素粒子又は該粒子と前記オイルの組成物を焼成してなることを特徴とする。
【0013】
本発明のセラミックは、上記の製造方法により得られることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の含ケイ素粒子の製造方法は、界面活性剤等を使用することなく、簡単なプロセスで、粒径の極めて小さい含ケイ素粒子を製造できるという特徴がある。また、本発明の含ケイ素粒子は、オイルに対する分散性が優れ、焼成によるセラミック化収率が高いという特徴がある。さらに、本発明のオイル組成物は、感触に優れるという特徴がある。
【0015】
また、本発明のセラミックの製造方法は、簡単なプロセスで、粒径の極めて小さく、コントロールされたセラミックを製造できるという特徴がある。また、本発明のセラミックは、粒径の極めて小さく、粒度分布も小さいという特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1で調製した含ケイ素粒子の電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例1において、含ケイ素粒子を含有するオイル組成物を焼成して調製したセラミックの電子顕微鏡写真である。
【図3】実施例4で調製した含ケイ素粒子の電子顕微鏡写真である。
【図4】実施例4において、含ケイ素粒子を焼成して調製したセラミックの電子顕微鏡写真である。
【図5】実施例4において、含ケイ素粒子を含有するオイル組成物を焼成して調製したセラミックの電子顕微鏡写真である。
【図6】実施例12で調製した含ケイ素粒子の電子顕微鏡写真である。
【図7】実施例13で調製した含ケイ素粒子の電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の含ケイ素粒子の製造方法は、分子中に、ケイ素原子50個あたり1個以上の反応性官能基を有する含ケイ素化合物を含む硬化性組成物と、該組成物の硬化反応に関与しないオイルとを少なくとも含む均一相中で、前記組成物を硬化反応することにより、前記オイルからの相分離が誘起され含ケイ素粒子を形成することを特徴とする。このオイルは、含ケイ素化合物を含む硬化性組成物の硬化反応開始時には前記組成物を相溶化させ、硬化反応により、相分離が誘起され、含ケイ素粒子を形成させるための成分である。このようなオイルは、含ケイ素化合物を含む硬化性組成物の硬化反応には実質的に関与せず、その硬化反応開始時には相溶性を有し、硬化反応による生成物に対して相溶性が低下するものであれば特に限定されない。すなわち、含ケイ素化合物を含む硬化性組成物の硬化反応が加熱を要する場合には、前記オイルは、前記含ケイ素化合物を含む硬化性組成物の硬化反応開始温度において均一相を形成するものであればよく、硬化反応温度に達しない状態においても均一相を形成するものである必要はない。
【0018】
含ケイ素化合物は、硬化して含ケイ素粒子を形成するものであり、分子中に、ケイ素原子50個あたり1個以上、好ましくはケイ素原子25個あたり1個以上の反応性官能基を有するものである。この反応性官能基としては、例えば、付加反応性、縮合反応性、開環反応性、又はラジカル反応性の基であることが好ましい。この付加反応性の基としては、ケイ素原子結合水素原子;ビニル基、アリル基、プロペニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;メルカプト基含有有機基が例示され、また、縮合反応性の基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のケイ素原子結合のアルコキシ基;ケイ素原子結合のヒドロキシ基、ケイ素原子結合のハロゲン原子、アミノ基含有有機基が例示され、開環反応性の基としては、3−グリシドキシプロピル基等のグリシドキシアルキル基;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基等のエポキシシクロヘキシルアルキル基等のエポキシ基含有有機基、ラジカル反応性の基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;3−アクリロキシプロピル基等のアクリル含有有機基;3−メタクリロキシプロピル基等のメタクリル含有有機基が例示される。
【0019】
また、含ケイ素化合物としては、シロキサン類、シラン類、シラザン類、カルボシラン類、及びこれらの混合物が例示され、具体的には、Si−O−Si結合を有するモノマー、オリゴマー、又はポリマー等のシロキサン類;シラン、ジシラン、Si−Si結合を有するオリゴマー、又はポリマー等のシラン類;Si−(CH2)m−Si結合を有するモノマー、オリゴマー、又はポリマー等のシルアルキレン類;Si−(C64)m−Si結合を有するモノマー、オリゴマー、又はポリマー等のシルアリーレン類;Si−N−Si結合を有するモノマー、オリゴマー、又はポリマー等のシラザン類;Si−O−Si結合、Si−Si結合、Si−(CH2)m−Si結合、Si−(C64)m−Si結合、及びSi−N−Si結合からなる少なくとも2種の結合を有する含ケイ素化合物;及びこれらの混合物が例示される。なお、式中、mは1以上の整数である。
【0020】
シロキサン類は、例えば、平均単位式:
(R13SiO1/2)a(R12SiO2/2)b(R1SiO3/2)c(SiO4/2)d
(式中、R1は同じか又は異なり、置換若しくは非置換の一価炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子、エポキシ基含有有機基、アクリル基含有有機基、メタクリル基含有有機基、アミノ基含有有機基、メルカプト基含有有機基、アルコキシ基、又はヒドロキシ基であり、a、b、c、dはそれぞれ0以上、1以下の数であり、かつ、a+b+c+d=1を満たす数であり、但し、a、b、及びcが共に0となることはない。)
で表される。
【0021】
1の一価炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基が例示される。アルキル基としては、C1〜C12アルキル基が好ましく、C1〜C6アルキル基がより好ましい。アルキル基は、直鎖若しくは分岐鎖状アルキル基、シクロアルキル基、又は、シクロアルキレン基(直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは、メチレン基、エチレン基等のC1−C6アルキレン基)と炭素環(好ましくはC3−C8環)との組み合わせからなるアルキル基)のいずれかであることが好ましい。直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基としては、直鎖状若しくは分岐鎖状C1〜C6アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、C4〜C6シクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。アルケニル基としては、C2〜C12アルケニル基が好ましく、C2〜C6アルケニル基がより好ましい。C2〜C6アルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基が挙げられ、好ましくは、ビニル基である。アラルキル基としては、C7〜C12アラルキル基が好ましい。C7〜C12アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピルが挙げられる。アリール基としては、C6〜C12アリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基が挙げられる。これらの一価炭化水素基は置換基を有していてもよい。当該置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン;水酸基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基が例示される。このような置換一価炭化水素基としては、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、パーフルオロブチルエチル基、パーフルオロオクチルエチル基が例示される。
【0022】
また、R1のハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示され、好ましくは、塩素原子である。
【0023】
また、R1のエポキシ基含有有機基としては、3−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシブチル基等のグリシドキシアルキル基;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基等のエポキシシクロヘキシルアルキル基;4−オキシラニルブチル基、8−オキシラニルオクチル基等のオキシラニルアルキル基が例示され、好ましくは、グリシドキシアルキル基であり、特に好ましくは、3−グリシドキシプロピル基である。
【0024】
また、R1のアクリル基含有有機基としては、例えば、3−アクリロキシプロピル基、4−アクリロキシブチル基が挙げられ、好ましくは、3−アクリロキシプロピル基である。
【0025】
また、R1のメタクリル基含有有機基としては、例えば、3−メタクリロキシプロピル基、4−メタクリロキシブチル基が挙げられ、好ましくは、3−メタクリロキシプロピル基である。
【0026】
また、R1のアミノ基含有有機基としては、例えば、3−アミノプロピル基、4−アミノブチル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基が挙げられ、好ましくは、3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基である。
【0027】
また、R1のメルカプト基含有有機基としては、例えば、3−メルカプトプロピル基、4−メルカプトブチル基が挙げられる。
【0028】
また、R1のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基が挙げられ、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基である。
【0029】
なお、一分子中、少なくとも2個のR1は、アルケニル基、水素原子、ハロゲン原子、エポキシ基含有有機基、アクリル基含有有機基、メタクリル基含有有機基、アミノ基含有有機基、メルカプト基含有有機基、アルコキシ基、又はヒドロキシ基である。
【0030】
また、a、b、c、dはそれぞれ0以上、1以下の数であり、かつ、a+b+c+d=1を満たす数である。但し、a、b、及びcが共に0となることはない。
【0031】
このようなシロキサン類は、(R13SiO1/2)、(R12SiO2/2)、(R1SiO3/2)、及び、(SiO4/2)で表される単位のうち少なくとも1つの単位で構成され、具体的には、例えば、(R13SiO1/2)及び(R12SiO2/2)の単位からなる直鎖状ポリシロキサン;(R12SiO2/2)の単位からなる環状ポリシロキサン;(R1SiO3/2)の単位からなる分岐鎖状ポリシロキサン;(R13SiO1/2)及び(R1SiO3/2)の単位からなるポリシロキサン;(R13SiO1/2)及び(SiO4/2)の単位からなるポリシロキサン;(R1SiO3/2)及び(SiO4/2)の単位からなるポリシロキサン;(R12SiO2/2)及び(R1SiO3/2)の単位からなるポリシロキサン;(R12SiO2/2)及び(SiO4/2)の単位からなるポリシロキサン;(R13SiO1/2)、(R12SiO2/2)及び(R1SiO3/2)の単位からなるポリシロキサン;(R13SiO1/2)、(R12SiO2/2)及び(SiO4/2)の単位からなるポリシロキサン;(R13SiO1/2)、(R1SiO3/2)及び(SiO4/2)の単位からなるポリシロキサン;(R12SiO2/2)、(R1SiO3/2)及び(SiO4/2)の単位からなるポリシロキサン;(R13SiO1/2)、(R12SiO2/2)、(R1SiO3/2)及び(SiO4/2)の単位からなるポリシロキサン等が挙げられる。一分子中、(R13SiO1/2)、(R12SiO2/2)、(R1SiO3/2)、及び(SiO4/2)で表される単位の好ましい繰り返し数は、1〜10,000であり、さらに好ましくは1〜1,000であり、特に好ましくは3〜500である。
【0032】
このシロキサン類は、当技術分野で周知の方法により調製することができる。このシロキサン類の調製方法は特に限定されず、最も一般的には、オルガノクロロシラン類の加水分解によって調製される。そのような方法は、例えば、Noll, Chemistry and Technology of Silicones, Chapter 5(翻訳された第2ドイツ語版,Academic Press,1968)に記載されている。また、Si−O−Si結合及びSi−Si結合を有するシロキサン類の調製方法としては、例えば、米国特許第4,618,666号明細書及び英国特許第736,971号明細書に記載されている製造方法が挙げられる。
【0033】
なお、このシロキサン類は、Si−O−Si結合以外の結合として、例えば、Si−Si結合、Si−N−Si結合、Si−(CH2)m−Si結合、Si−(C64)m−Si結合等を有してもよい。なお、式中、mは前記と同じである。
【0034】
また、シラン類は、例えば、一般式:
14Si
、又は平均単位式:
(R13Si)a(R12Si)b(R1Si)c(Si)d
(式中、R1は同じか又は異なり、置換若しくは非置換の一価炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子、エポキシ基含有有機基、アクリル基含有有機基、メタクリル基含有有機基、アミノ基含有有機基、メルカプト基含有有機基、アルコキシ基、又はヒドロキシ基であり、但し、一分子中、少なくとも1個のR1は、アルケニル基、水素原子、ハロゲン原子、エポキシ基含有有機基、アクリル基含有有機基、メタクリル基含有有機基、アミノ基含有有機基、メルカプト基含有有機基、アルコキシ基、又はヒドロキシ基であり、a、b、c、dはそれぞれ0以上、1以下の数であり、かつ、a+b+c+d=1を満たす数であり、但し、a、b、及びcが共に0となることはない。)
で表される。式中のR1、a、b、c、及びdは前記と同様である。
【0035】
このシラン類は、一般式:R14Siで表されるか、または、(R13Si)、(R12Si)、(R1Si)、及び(Si)で表された単位のうち少なくとも1つの単位で構成されており、具体的には、(R13Si)及び(R12Si)の単位からなる直鎖状ポリシラン;(R12Si)の単位からなる環状ポリシラン;(R1Si)の単位からなる分岐鎖状ポリシラン(ポリシリン);(R13Si)及び(R1Si)の単位からなるポリシラン;(R13Si)及び(Si)の単位からなるポリシラン;(R1Si)及び(Si)の単位からなるポリシラン;(R12Si)及び(R1Si)の単位からなるポリシラン;(R12Si)及び(Si)の単位からなるポリシラン;(R13Si)、(R12Si)、及び(R1Si)の単位からなるポリシラン;(R13Si)、(R12Si)及び(Si)の単位からなるポリシラン;(R13Si)、(R1Si)、及び(Si)の単位からなるポリシラン;(R12Si)、(R1Si)及び(Si)の単位からなるポリシラン;(R13Si)、(R12Si)、(R1Si)、及び(Si)の単位からなるポリシラン等が挙げられる。一分子中、(R13Si)、(R12Si)、(R1Si)、及び(Si)で表される単位の好ましい繰り返し数は、2〜10,000であり、さらに好ましくは3〜1,000であり、特に好ましくは3〜500である。
【0036】
このシラン類は種々の公知方法を用いて調製することができる。例えば、アルカリ金属の存在下、ハロシラン類の脱ハロゲン反応を行う方法(J. Am. Chem. Soc., 11, 124 (1988)、Macromolecules, 23, 3423 (1990)等)、ジシレンのアニオン重合を行う方法(Macromolecules, 23, 4494 (1990)等)、電極還元によりハロシラン類の脱ハロゲン反応を行う方法(J. Chem. Soc., Chem. Commun.., 1161 (1990)、J. Chem. Soc., Chem. Commun.., 897 (1992)等)、マグネシウムの存在下、ハロシラン類の脱ハロゲン反応を行う方法(WO98/29476号公報パンフレット等)、金属触媒の存在下、ヒドロシラン類の脱水素反応を行う方法(特開平4−334551号公報等)等の方法が挙げられる。Si−O−Si結合を有するシラン類の調製方法としては、例えば、米国特許第4,618,666号明細書及び英国特許第736,971号明細書に記載されている製造方法が挙げられ、Si−N−Si結合を有するシラン類の調製方法としては、例えば、米国特許第4,404,153号明細書に記載されている製造方法が挙げられ、Si−(C64)m−Si結合を有するシラン類の調製方法としては、特開平3−47567号公報に記載されている製造方法が挙げられる。
【0037】
なお、このシラン類は、Si−Si結合以外に、例えば、Si−O−Si結合、Si−N−Si結合、Si−(CH2)m−Si結合、Si−(C64)m−Si結合を有してもよい。なお、式中、mは前記と同じである。
【0038】
また、シラザン類としては、例えば、平均単位式:
(R13SiNR2)a(R12SiNR2)b(R1SiNR2)c(SiNR2)d
(式中、R1は同じか又は異なり、置換若しくは非置換の一価炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子、エポキシ基含有有機基、アクリル基含有有機基、メタクリル基含有有機基、アミノ基含有有機基、メルカプト基含有有機基、アルコキシ基、又はヒドロキシ基であり、但し、一分子中、少なくとも1個のR1は、アルケニル基、水素原子、ハロゲン原子、エポキシ基含有有機基、アクリル基含有有機基、メタクリル基含有有機基、アミノ基含有有機基、メルカプト基含有有機基、アルコキシ基、又はヒドロキシ基であり、R2は水素原子、又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、a、b、c、dはそれぞれ0以上、1以下の数であり、かつ、a+b+c+d=1を満たす数であり、但し、a、b、及びcが共に0となることはない。)
で表される。式中のR1、a、b、c、及びdは前記と同様である。R2の一価炭化水素基としては、R1の一価炭化水素基と同様の基が例示される。R2は水素原子又はアルキル基が好ましく、特に、水素原子又はメチル基が好ましい。
【0039】
このシラザン類は、(R13SiNR2)、(R12SiNR2)、(R1SiNR2)、及び、(SiNR2)で表される単位のうち少なくとも1つの単位で構成されており、具体的には、例えば、(R13SiNR2)及び(R12SiNR2)の単位からなる直鎖状ポリシラザン;(R12SiNR2)の単位からなる環状ポリシラザン;(R1SiNR2)の単位からなる分岐鎖状ポリシラザン; (R13SiNR2)及び(R1SiNR2)の単位からなるポリシラザン;(R13SiNR2)及び(SiNR2)の単位からなるポリシラザン;(R1SiNR2)及び(SiNR2)の単位からなるポリシラザン;(R12SiNR2)及び(R1SiNR2)の単位からなるポリシラザン;(R12SiNR2)及び(SiNR2)の単位からなるポリシラザン;(R13SiNR2)、(R12SiNR2)、及び(R1SiNR2)の単位からなるポリシラザン;(R13SiNR2)、(R12SiNR2)、及び(SiNR2)の単位からなるポリシラザン;(R13SiNR2)、(R1SiNR2)、及び(SiNR2)の単位からなるポリシラザン;(R12SiNR2)、(R1SiNR2)、及び(SiNR2)の単位からなるポリシラザン;(R13SiNR2)、(R12SiNR2)、(R1SiNR2)、及び(SiNR2)の単位からなるポリシラザン等が挙げられる。一分子中、(R13SiNR2)、(R12SiNR2)、(R1SiNR2)、及び(SiNR2)で表される単位の好ましい繰り返し数は、2〜10,000であり、より好ましくは3〜1,000であり、特に好ましくは3〜500である。
【0040】
このシラザン類は、当技術分野で周知の方法により調製することができる。このようなシラザン類の調製方法は、例えば、米国特許第4,312,970号明細書、米国特許第4,340,619号明細書、米国特許第4,395,460号、米国特許第4,404,153号明細書、米国特許第4,482,689号明細書、米国特許第4,397,828号明細書、米国特許第4,540,803号明細書、米国特許第4,543,344号明細書、米国特許第4,835,238号明細書、米国特許第4,774,312号明細書、米国特許第4,929,742号明細書、及び米国特許第4,916,200号明細書に記載されている。更に、Burns et al.,in J.Mater.Sci.,22(1987),pp 2609-2614にも記載されている。Si−Si結合を有するシラザン類の調製方法としては、例えば、米国特許第4,404,153号明細書に記載されている製造方法が挙げられる。
【0041】
このシラザン類は、Si−N−Si結合以外に、例えば、Si−O−Si結合、Si−Si結合、Si−(CH2)m−Si結合、Si−(C64)m−Si結合を有していてもよい。なお、式中、mは前記と同じである。
【0042】
さらに、カルボシラン類としては、例えば、平均単位式:
(R13SiR3)a(R12SiR3)b(R1SiR3)c(SiR3)d
(式中、R1は同じか又は異なり、置換若しくは非置換の一価炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子、エポキシ基含有有機基、アクリル基含有有機基、メタクリル基含有有機基、アミノ基含有有機基、メルカプト基含有有機基、アルコキシ基、又はヒドロキシ基であり、但し、一分子中、少なくとも1個のR1は、アルケニル基、水素原子、ハロゲン原子、エポキシ基含有有機基、アクリル基含有有機基、メタクリル基含有有機基、アミノ基含有有機基、メルカプト基含有有機基、アルコキシ基、又はヒドロキシ基であり、R3はアルキレン基又はアリーレン基であり、a、b、c、dはそれぞれ0以上、1以下の数であり、かつ、a+b+c+d=1を満たす数であり、但し、a、b、及びcは共に0となることはない。)
で表される。式中のR1、a、b、c、及びdは前記と同様である。R3のアルキレン基は、例えば、式:−(CH2)m−で表され、また、R3のアリーレン基は、例えば、式:−(C64)m−で表される。
【0043】
このカルボシラン類は、(R13SiR3)、(R12SiR3)、(R1SiR3)、及び(SiR3)で表される単位のうち少なくとも1つの単位で構成されており、具体的には、例えば、(R13SiR3)及び(R12SiR3)の単位からなる直鎖状ポリカルボシラン;(R12SiR3)の単位からなる環状ポリカルボシラン;(R1SiR3)の単位からなる分岐鎖状ポリカルボシラン;(R13SiR3)及び(R1SiR3)の単位からなるポリカルボシラン;(R13SiR3)及び(SiR3)の単位からなるポリカルボシラン;(R1SiR3)及び(SiR3)の単位からなるポリカルボシラン;(R12SiR3)及び(R1SiR3)の単位からなるポリカルボシラン;(R12SiR3)及び(SiR3)の単位からなるポリカルボシラン;(R13SiR3)、(R12SiR3)、及び(R1SiR3)の単位からなるポリカルボシラン;(R13SiR3)、(R12SiR3)、及び(SiR3)の単位からなるポリカルボシラン;(R13SiR3)、(R1SiR3)、及び(SiR3)の単位からなるポリカルボシラン;(R12SiR3)、(R1SiR3)、及び(SiR3)の単位からなるポリカルボシラン;(R13SiR3)、(R12SiR3)、(R1SiR3)、及び(SiR3)の単位からなるポリカルボシラン等が挙げられる。一分子中、(R13SiR3)、(R12SiR3)、(R1SiR3)、及び(SiR3)で表される単位の好ましい繰り返し数は、2〜10,000であり、より好ましくは3〜1,000であり、特に好ましくは3〜500である。
【0044】
このカルボシラン類は、当技術分野で周知の方法により調製することができる。カルボシラン類の調製方法は、例えば、J. Dunogues, et al., Macromolecules, 21, 3(1988)、米国特許第3,293,194号明細書、N. S. Nametkin, et al., Dokl. Akad. Nauk SSSR, 28, 1112(1973)、W. A. Kriner, J. Polym. Sci., Part A-1, 4, 444(1966)、N. S. Nametkin, et al., Dokl. Akad. Nauk SSSR, 17, 188(1966)、C. S. Cundy, C. Eaborn, M. F. Lappert, J. Organomet. Chem., 44(2), 291(1972)に記載されている。Si−(C64)n−Si結合及びSi−Si結合を有するカルボシラン類の調製方法としては、例えば、特開平3−47567号公報に記載されている製造方法が挙げられる。
【0045】
このカルボシラン類は、Si−(CH2)m−Si結合あるいはSi−(C64)m−Si結合以外に、例えば、Si−O−Si結合、Si−Si結合、Si−N−Si結合を有していてもよい。なお、式中、mは前記と同じである。
【0046】
このようなシロキサン類、シラン類、シラザン類、およびカルボシラン類の性状は特に限定されず、常温で固体状、液状、ペースト状の何れであってもよい。本発明の製造方法において、硬化性の含ケイ素化合物としては、前記のシロキサン類が好ましい。
【0047】
本発明の製造方法では、前記の含ケイ素化合物が単独で硬化しない場合、あるいは硬化が遅い場合には、さらに、前記の含ケイ素化合物用の硬化剤を添加することが好ましい。例えば、前記の含ケイ素化合物が、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する場合、例えば、平均単位式:
(R13SiO1/2)a(R12SiO2/2)b(R1SiO3/2)c(SiO4/2)d
(式中、R1は同じか又は異なり、置換若しくは非置換の一価炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子、エポキシ基含有有機基、アクリル基含有有機基、メタクリル基含有有機基、アミノ基含有有機基、メルカプト基含有有機基、アルコキシ基、又はヒドロキシ基であり、但し、一分子中、少なくとも2個のR1はアルケニル基であり、a、b、c、dはそれぞれ0以上、1以下の数であり、かつ、a+b+c+d=1を満たす数であり、但し、a、b、及びcが共に0となることはない。)
で表されるシロキサン類である場合、硬化剤としては、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有する含ケイ素化合物とヒドロシリル化反応用触媒の組み合わせが挙げられる。
【0048】
含ケイ素化合物中のアルケニル基としては、前記R1のアルケニル基と同様の基が例示され、好ましくは、ビニル基である。このような含ケイ素化合物の分子構造としては、直鎖状、分岐状、環状、網状、一部分岐を有する直鎖状が例示され、好ましくは直鎖状である。このような含ケイ素化合物の25℃における性状は特に限定されず、液状、固体状が例示される。
【0049】
一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有する含ケイ素化合物としては、例えば、平均単位式:
(R43SiO1/2)a(R42SiO2/2)b(R4SiO3/2)c(SiO4/2)d
(式中、R4は同じか又は異なり、置換若しくは非置換の一価炭化水素基、水素原子、アルコキシ基、又はヒドロキシ基であり、但し、一分子中、少なくとも2個のR4は水素原子であり、a、b、c、dはそれぞれ0以上、1以下の数であり、かつ、a+b+c+d=1を満たす数であり、但し、a、b、及びcは共に0となることはない。)
で表されるシロキサン類、一般式:
[(R5)2HSi]e6
(式中、R5は同じか又は異なる置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、eは2以上の整数であり、R6はe価有機基である。)
で表される含ケイ素化合物が挙げられる。
【0050】
前者のシロキサン類において、R4の一価炭化水素基としては、前記R1の一価炭化水素基と同様の基が例示される。また、R4のアルコキシ基としては、前記R1のアルコキシ基と同様の基が例示される。但し、前者のシロキサン類において、一分子中、少なくとも2個のR4は水素原子である。また、a、b、c、dはそれぞれ0以上、1以下の数であり、かつ、a+b+c+d=1を満たす数であり、但し、a、b、及びcが共に0となることはない。このようなシロキサン類の分子構造としては、直鎖状、分岐状、環状、網状、一部分岐を有する直鎖状が例示され、好ましくは直鎖状である。また、このようなシロキサン類の25℃における粘度としては、1〜500,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に、1〜10,000mPa・sの範囲内であることが好ましい。
【0051】
また、後者の含ケイ素化合物において、R5の一価炭化水素基としては、前記R1の一価炭化水素基と同様の基が例示される。eは2以上の整数であり、好ましくは、2〜6の整数である。また、R6はe価有機基であり、eが2の場合には、R6の二価有機基としては、アルキレン基、アルケニレン基、アルキレンオキシアルキレン基、アリーレン基、アリーレンオキシアリーレン基、アリーレンアルキレンアリーレン基が例示され、具体的には、次のような基が例示される。
−CHCH−,−CHCHCH−,−CHCH(CH)−,−CH=CH−,−C≡C−,−CHCHOCHCH−,−CHCHCHOCHCH−,
【化1】

【0052】
また、eが3の場合には、R6の三価有機基としては、具体的には、次のような基が例示される。
【化2】

【0053】
一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有する含ケイ素化合物の含有量は、アルケニル基を有する含ケイ素化合物中のアルケニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.1〜50モルの範囲内となる量であり、好ましくは、0.1〜30モルの範囲内となる量であり、特に好ましくは、0.1〜10モルの範囲内となる量である。これは、本成分の添加量が上記範囲の下限未満であると、含ケイ素粒子の形成が困難であり、一方、上記範囲を超えると、得られる含ケイ素粒子の物理的特性が経時的に変化する恐れがあるからである。
【0054】
ヒドロシリル化反応用触媒としては、例えば、白金微粉末、白金黒、白金坦持シリカ微粉末、白金坦持活性炭、塩化白金酸、四塩化白金、塩化白金酸のアルコール溶液、白金とオレフィンの錯体、白金とアルケニルシロキサンの錯体が挙げられる。この含有量は特に限定されないが、アルケニル基を含有する含ケイ素化合物に対して、本触媒中の金属原子が重量単位で0.1〜1,000ppmの範囲内となる量であることが好ましく、特には、1〜500ppmの範囲内となる量であることが好ましい。
【0055】
また、前記含ケイ素化合物が、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有する場合、硬化剤としては、一分子中に少なくとも2個の脂肪族不飽和結合を有する化合物とヒドロシリル化反応用触媒の組み合わせが挙げられる。
【0056】
一分子中に少なくとも2個の脂肪族不飽和結合を有する化合物としては、分子鎖両末端および/または分子鎖側鎖に脂肪族不飽和結合を有する脂肪族炭化水素化合物、分子鎖両末端および/または分子鎖側鎖に脂肪族不飽和結合を有し、分子鎖中にヘテロ原子を有する脂肪族炭化水素化合物、分子中に脂肪族不飽和結合を有する芳香族炭化水素化合物、分子中に脂肪族不飽和結合を有し、さらにヘテロ原子を有する環状化合物が挙げられる。
【0057】
上記の脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、下記一般式で表される化合物が挙げられる。
7−(CH2)n−R7
CH3−(CHR7)n−(CH2)p−CH3
CH3−(CH2)n−(CH=CH)p−CH3
CH3−(CH2)n−(C≡C)p−CH3
7−O(CH2CH2O)n(CH2CH2CH2O)p−R7
【化3】

式中、R7は脂肪族不飽和結合を有する一価炭化水素基であり、具体的には、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;アセチル基、プロピニル基、ペンチニル基等のアルキニル基が例示される。また、式中、nおよびpは1以上の整数であり、zは2〜6の整数である。
【0058】
また、芳香族炭化水素化合物としては、具体的には、一般式:
(R7)w8
が挙げられる。式中、R7は脂肪族不飽和結合を有する一価炭化水素基であり、前記と同様の基が例示される。また、wは2以上の整数であり、wが2の場合、R8は二価の芳香族炭化水素基であり、具体的には、次の基が例示される。
【化4】

【0059】
また、wが3の場合、R8は三価の芳香族炭化水素基であり、具体的には、次の基が例示される。
【化5】

が挙げられる。
【0060】
また、ヘテロ原子を有する芳香族炭化水素化合物としては、例えば、下記一般式:
【化6】

で表される芳香族化合物が例示される。式中、R7は脂肪族不飽和結合を有する一価炭化水素基であり、前記と同様の基が例示される。
【0061】
さらに、ヘテロ原子を有する環状化合物としては、例えば、下記一般式:
【化7】

で表される環状化合物が例示される。式中、R7は脂肪族不飽和結合を有する一価炭化水素基であり、前記と同様の基が例示される。
【0062】
また、含ケイ素化合物が、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合のヒドロキシ基を有する場合、例えば、平均単位式:
(R13SiO1/2)a(R12SiO2/2)b(R1SiO3/2)c(SiO4/2)d
(式中、R1は同じか又は異なり、置換若しくは非置換の一価炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子、エポキシ基含有有機基、アクリル基含有有機基、メタクリル基含有有機基、アミノ基含有有機基、メルカプト基含有有機基、アルコキシ基、又はヒドロキシ基であり、但し、一分子中、少なくとも2個のR1はヒドロキシ基であり、a、b、c、dはそれぞれ0以上、1以下の数であり、かつ、a+b+c+d=1を満たす数であり、但し、a、b、及びcが共に0となることはない。)
で表されるシロキサン類である場合、硬化剤としては、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有する含ケイ素化合物と縮合反応用触媒の組み合わせが挙げられる。
【0063】
このような含ケイ素化合物の分子構造としては、直鎖状、分岐状、環状、網状、一部分岐を有する直鎖状が例示され、好ましくは直鎖状である。このような含ケイ素化合物の25℃における粘度としては、1〜500,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に、1〜100,000mPa・sの範囲内であることが好ましい。
【0064】
一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有する含ケイ素化合物としては前記と同様のものが例示される。このような含ケイ素化合物の含有量は、前記の含ケイ素化合物100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲内であることが好ましく、さらには、0.1〜5重量部の範囲内であることが好ましい。
【0065】
また、縮合反応用触媒としては、ナフテン酸錫、カプリル酸第一錫、オレイン酸錫、酪酸錫、ナフテン酸チタン、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛、ブチル錫トリ−2−エチルヘキソエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジオレート、鉛−2−エチルヘキソエート、亜鉛−2−エチルヘキソエート等のカルボン酸金属塩;テトラブチルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、テトラオクタデシルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラ(イソプロペニルオキシ)チタネート等の有機チタン酸エステルが例示される。
【0066】
このような縮合反応用触媒の含有は任意であるが、その含有量は、前記の含ケイ素化合物100重量部に対して5重量部以下であることが好ましい。
【0067】
また、含ケイ素化合物が、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合のアルコキシ基又はヒドロキシ基を有する場合、例えば、平均単位式:
(R13SiO1/2)a(R12SiO2/2)b(R1SiO3/2)c(SiO4/2)d
(式中、R1は同じか又は異なり、置換若しくは非置換の一価炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子、エポキシ基含有有機基、アクリル基含有有機基、メタクリル基含有有機基、アミノ基含有有機基、メルカプト基含有有機基、アルコキシ基、又はヒドロキシ基であり、但し、一分子中、少なくとも2個のR1はアルコキシ基又はヒドロキシ基であり、a、b、c、dはそれぞれ0以上、1以下の数であり、かつ、a+b+c+d=1を満たす数であり、但し、a、b、及びcが共に0となることはない。)
で表されるシロキサン類である場合、硬化剤としては、一般式:
9rSiX(4-r)
(式中、R9は置換若しくは非置換の一価炭化水素基、エポキシ基含有有機基、アクリル基含有有機基、メタクリル基含有有機基、アミノ基含有有機基、又はメルカプト基含有有機基であり、Xは加水分解性基であり、rは0又は1である。)
で表される加水分解性シラン若しくはその部分加水分解縮合物、さらには、これと縮合反応用触媒との組み合わせが挙げられる。
【0068】
含ケイ素化合物中のケイ素原子結合のアルコキシ基としては、前記R1のアルコキシ基と同様の基が例示され、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基である。このような含ケイ素化合物の分子構造としては、直鎖状、分岐状、環状、網状、一部分岐を有する直鎖状が例示され、好ましくは直鎖状である。このような含ケイ素化合物の25℃における粘度としては、1〜500,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に、1〜100,000mPa・sの範囲内であることが好ましい。
【0069】
前記の加水分解性シランにおいて、R9の一価炭化水素基としては、前記R1の一価炭化水素およびアルケニル基と同様の基が例示され、好ましくはアルキル基である。また、R9のエポキシ基含有有機基としては、前記R1のエポキシ基含有有機基と同様の基が例示される。また、R9のアクリル基含有有機基としては、前記R1のアクリル基含有有機基と同様の基が例示される。また、R9のメタクリル基含有有機基としては、前記R1のメタクリル基含有有機基と同様の基が例示される。また、R9のアミノ基含有有機基としては、前記R1のアミノ基含有有機基と同様の基が例示される。また、R9のメルカプト基含有有機基としては、前記R1のメルカプト基含有有機基と同様の基が例示される。また、Xは加水分解性基であり、アルコキシ基、アセトキシ基、アミノキシ基、オキシム基が例示される。また、rは0又は1である。
【0070】
このような加水分解性シラン若しくはその部分加水分解縮合物としては、メチルシリケート、エチルシリケート、メチルセロソルブオルソシリケート、n−プロピルオルソシリケート等のアルキルシリケート;メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アミノメチルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノメチルトリブトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アニリノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロリルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシラン;メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のアセトキシシラン;メチルトリス(ジメチルケトキシミノ)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシミノ)シラン、メチルトリス(メチルプロピルケトキシミノ)シラン、メチルトリス(メチルイソブチルケトキシミノ)シラン、エチルトリス(ジメチルケトキシミノ)シラン、エチルトリス(メチルエチルケトキシミノ)シラン、エチルトリス(メチルプロピルケトキシミノ)シラン、エチルトリス(メチルイソブチルケトキシミノ)シラン、ビニルトリス(ジメチルケトキシミノ)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトキシミノ)シラン、ビニルトリス(メチルプロピルケトキシミノ)シラン、ビニルトリス(メチルイソブチルケトキシミノ)シラン、テトラキス(ジメチルケトキシミノ)シラン、テトラキス(メチルエチルケトキシミノ)シラン、テトラキス(メチルプロピルケトキシミノ)シラン、テトラキス(メチルイソブチルケトキシミノ)シラン等のケトキシミノシランが例示される。
【0071】
このような加水分解性シラン若しくはその部分加水分解縮合物の含有量は、前記の含ケイ素化合物100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲内であることが好ましく、さらには、0.1〜5重量部の範囲内であることが好ましい。
【0072】
また、縮合反応用触媒としては、前記と同様のものが例示される。このような縮合反応用触媒の含有は任意であるが、その含有量は、前記の含ケイ素化合物100重量部に対して5重量部以下であることが好ましい。
【0073】
また、前記の含ケイ素化合物が一分子中に少なくとも1個のエポキシ基含有有機基を有する場合、例えば、平均単位式:
(R13SiO1/2)a(R12SiO2/2)b(R1SiO3/2)c(SiO4/2)d
(式中、R1は同じか又は異なり、置換若しくは非置換の一価炭化水素基、アルケニル基、水素原子、ハロゲン原子、エポキシ基含有有機基、アクリル基含有有機基、メタクリル基含有有機基、アミノ基含有有機基、メルカプト基含有有機基、アルコキシ基、又はヒドロキシ基であり、但し、一分子中、少なくとも1個のR1はエポキシ基含有有機基であり、a、b、c、dはそれぞれ0以上、1以下の数であり、かつ、a+b+c+d=1を満たす数であり、但し、a、b、及びcが共に0となることはない。)
で表されるシロキサン類である場合、硬化剤としては、エポキシ樹脂用硬化剤が挙げられる。
【0074】
含ケイ素化合物中のエポキシ基含有有機基としては、前記R1のエポキシ基含有有機基と同様の基が例示され、好ましくは、グリシドキシアルキル基である。このような含ケイ素化合物の分子構造としては、直鎖状、分岐状、環状、網状、一部分岐を有する直鎖状が例示され、好ましくは直鎖状である。このような含ケイ素化合物の25℃における性状は特に限定されず、液状、固体状が例示される。
【0075】
エポキシ樹脂用硬化剤としては、酸無水物、フェノール化合物、アミン化合物、アルミニウムやジルコニウム等の有機金属化合物、ホスフィン等の有機リン化合物、ホウ素錯化合物、有機アンモニウム塩や有機スルホニウム塩等のオニウム塩が例示される。
【0076】
酸無水物としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、オクテニル無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、無水ハイミック酸、無水メチルナジック酸、ドデシル無水コハク酸、無水クロレンディック酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ジフェン酸無水物、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメート)、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物、β,γ−無水アコニット酸、無水グリコール酸、無水トリメリット酸、ポリアゼライン酸無水物が例示される。
【0077】
アミン化合物としては、オクチルアミン、エチルアミン、ヘキシルアミン、ジオクチルアミン、トリエチルアミン、トリヘキシルアミン、トリエチレンテトラミン、エチレンジアミン、ジメチルエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のアミン類;アミノエチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン類;アミノ基を有するシロキサンポリマーが例示される。
【0078】
有機リン化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフイン・トリフェニルボレート、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレートが例示される。
【0079】
オニウム塩としては、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩などが挙げられる。ホスホニウム塩としては、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロミド、四フッ化ホウ素ベンジルトリフェニルホスホニウム、六フッ化アンチモンベンジルトリフェニルホスホニウム、(p−ブトキシベンジル)トリフェニルホスホニウムブロミド、(p−ブトキシベンジル)トリフェニルホスホニウムクロリド、(p−メトキシベンジル)トリフェニルホスホニウムクロリド、(ジメトキシベンジル)トリフェニルホスホニウムブロミド、(p−ジメチルアミノベンジル)トリフェニルホスホニウムクロリド、四フッ化ホウ素(p−ブトキシベンジル)トリフェニルホスホニウム、六フッ化アンチモン(p−ブトキシベンジル)トリフェニルホスホニウム、テトラフェニルホウ素(p−ブトキシベンジル)トリフェニルホスホニウム、(p−ブトキシベンジル)トリフェニルホスホニウムアセテート、テトラ(パーフルオロフェニル)ホウ素(p−ブトキシベンジル)トリフェニルホスホニウム、ヨウ化(p−ブトキシベンジル)トリフェニルホスホニウム、フェナシルトリフェニルホスホニウムブロミド、フェナシルトリフェニルホスホニウムクロリド、エトキシカルボニルメチルトリフェニルホスホニウム、ナフタレニルメチルトリフェニルホスホニウムクロリド、フルオレニルトリフェニルホスホニウムクロリド、アントラセニルメチルトリフェニルホスホニウムクロリド、アントラセニルメチルトリフェニルホスホニウムブロミド、ピレニルメチルトリフェニルホスホニウムブロミド、ピレニルメチルトリフェニルホスホニウムクロリドが例示される。
【0080】
また、ヨードニウム塩としては、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムブロミド、テトラ(パーフルオロフェニル)ホウ素ジフェニルヨードニウム、四フッ化ホウ素ジフェニルヨードニウム;[フェニル−p−(2−ヒドロキシテトラデシルオキシ)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、[フェニル−p−(2−ヒドロキシテトラデシルオキシ)フェニル]ヨードニウムクロリド、[フェニル−p−(2−ヒドロキシテトラデシルオキシ)フェニル]ヨードニウムブロミド、テトラ(パーフルオロフェニル)ホウ素[フェニル−p−(2−ヒドロキシテトラデシルオキシ)フェニル]ヨードニウム、ビス(p−ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(p−ドデシルフェニル)ヨードニウムクロリド、ビス(p−ドデシルフェニル)ヨードニウムブロミド、四フッ化ホウ素ビス(p−ドデシルフェニル)ヨードニウム、テトラ(パーフルオロフェニル)ホウ素ビス(p−ドデシルフェニル)ヨードニウム、(p−n−デシルオキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、[p−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシルオキシ)フェニル]フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、[p−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシルオキシ)フェニル]フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、[p−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシルオキシ)フェニル]フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(p−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(p−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(p−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(p−t−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートが例示される。
【0081】
また、スルホニウム塩としては、(p−ブトキシベンジル)ジフェニルスルホニウムブロミド、(p−ブトキシベンジル)ジフェニルスルホニウムクロリド、四フッ化ホウ素(p−ブトキシベンジル)ジフェニルスルホニウム、六フッ化アンチモン(p−ブトキシベンジル)ジフェニルスルホニウム、テトラフェニルホウ素(p−ブトキシベンジル)ジフェニルスルホニウム、(p−ブトキシベンジル)ジフェニルスルホニウムアセテート、ヨウ化トリメチルスルホニウム、四フッ化ホウ素ジフェニルメチルスルホニウム、ヨウ化ジフェニルメチルスルホニウム、ジベンジルメチルスルホニウムブロミド、ベンジルジフェニルスルホニウムクロリド、ベンジルドデシルメチルスルホニウムブロミド、ヨウ化(3−メチル−2−ブテニル)テトラメチレンスルホニウム、六フッ化アンチモン(2−ブテニル)テトラメチレンスルホニウム、メチルオクチルフェナシルスルホニウムブロミド、ベンジルメチルオクチルスルホニウムブロミド、ヨウ化ベンジルドデシルメチルスルホニウムが例示される。
【0082】
エポキシ樹脂用硬化剤の含有量は特に限定されないが、前記の含ケイ素化合物100重量部に対して0.001〜20重量部に範囲内であることが好ましい。
【0083】
さらに、含ケイ素化合物が、前記R1の基として、一分子中に少なくとも1個のアルケニル基、アクリル基含有有機基、またはメタクリル基含有有機基を有する場合、例えば、平均単位式:
(R13SiO1/2)a(R12SiO2/2)b(R1SiO3/2)c(SiO4/2)d
(式中、R1は同じか又は異なり、置換若しくは非置換の一価炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子、エポキシ基含有有機基、アクリル基含有有機基、メタクリル基含有有機基、アミノ基含有有機基、メルカプト基含有有機基、アルコキシ基、又はヒドロキシ基であり、但し、一分子中、少なくとも1個のR1はアルケニル基、アクリル基含有有機基、またはメタクリル基含有有機基であり、a、b、c、dはそれぞれ0以上、1以下の数であり、かつ、a+b+c+d=1を満たす数であり、但し、a、b、及びcが共に0となることはない。)
で表されるシロキサン類である場合、硬化剤としては、ラジカル開始剤が挙げられる。
【0084】
含ケイ素化合物中のアルケニル基、アクリル基含有有機基、またはメタクリル基含有有機基としては、前記R1のアルケニル基、アクリル基含有有機基、またはメタクリル基含有有機基と同様の基が例示される。このような含ケイ素化合物の分子構造としては、直鎖状、分岐状、環状、網状、一部分岐を有する直鎖状が例示され、好ましくは直鎖状である。このような含ケイ素化合物の25℃における性状は特に限定されず、液状、固体状が例示される。
【0085】
このラジカル開始剤としては、例えば、過酸化物系重合開始剤、アゾ系重合開始剤、光開始剤、光増感剤が挙げられる。この過酸化物系重合開始剤としては、例えば、ジベンゾイルパーオキサイド、ビス−p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ビス−2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2,3−ジメチルヘキサン、t−ブチルパーアセテート、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(o−メチルベンゾイルパーオキサイド)、ビス(m−メチルベンゾイルパーオキサイド)、ビス(p−メチルベンゾイルパーオキサイド)、2,3−ジメチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジメチルベンゾイルパーオキサイド、2,6−ジメチルベンゾイルパーオキサイド、2,3,4−トリメチルベンゾイルパーオキサイド、2,4,6−トリメチルべンゾイルパーオキサイドイド、t−ブチルパーベンゾエイト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、これらの混合物が挙げられる。
【0086】
また、アゾ系重合開始剤としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が挙げられる。
【0087】
また、この光開始剤としては、例えば、2,2−ジアルコキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−アルコキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾインエーテル誘導体が挙げられる。
【0088】
さらに、光増感剤としては、例えば、ベンジルおよびその誘導体、芳香族ジアゾニウム塩、アントラキノンおよびその誘導体、アセトフェノンおよびその誘導体、ジフェニルジスルフイド、ベンゾフェノンおよびその誘導体が挙げられる。
【0089】
これらのラジカル開始剤の添加量は特に限定されないが、含ケイ素化合物に対し0.01〜20重量%となる量であることが好ましい。上記(A)成分100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲内であり、より好ましくは、0.1〜10重量部の範囲内である。
【0090】
また、本発明製造方法において、オイルは、含ケイ素化合物の硬化反応開始時には前記含ケイ素化合物を相溶化させ、硬化反応により、相分離が誘起され、含ケイ素粒子を形成させるための成分である。このようなオイルは、含ケイ素化合物の硬化反応には実質的に関与せず、その硬化反応開始時には相溶性を有し、硬化反応による生成物に対して相溶性が低下するものであれば特に限定されない。このようなオイルの種類は限定されないが、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、環状、分岐鎖状等の分子構造を有するものが好ましく、特に、直鎖状、あるいは環状の分子構造を有するものが好ましい。このようなオイルとしては、シリコーンオイル、ケイ素不含の有機オイルが例示される。
【0091】
このシリコーンオイルとしては、含ケイ素粒子を形成する硬化性シリコーン組成物に相溶性のあるものが好ましい。また、このシリコーンオイルは、含ケイ素粒子を形成する際の硬化反応に関与しないものが好ましく、この含ケイ素粒子がヒドロシリル化反応したものである場合には、分子中にアルケニル基やケイ素原子結合水素原子を有しない、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン共重合体、環状ジメチルシロキサン、環状メチルフェニルシロキサンが挙げられ、また、この含ケイ素粒子が縮合反応したものである場合には、分子中にシラノール基やケイ素原子結合水素原子やケイ素原子結合加水分解性基を有しない、前記と同様のシリコーンオイルの他に、例えば、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、環状メチルビニルシロキサンが挙げられる。
【0092】
このようなシリコーンオイルの25℃における粘度は特に限定されないが、好ましくは、1〜100,000,000mPa・sの範囲内であり、さらに好ましくは、2〜10,000,000mPa・sの範囲内である。また、これらの一種類以上の混合物が例示される。また、これらのシリコーンオイルは変性シリコーンオイル:たとえばエポキシ、アクリル、またはエーテル(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド)など変性シリコーンポリマーも例示される。
【0093】
また、有機オイルの種類は限定されないが、含ケイ素粒子を形成する硬化性組成物に相溶性のあるものが好ましい。この有機オイルは、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、環状、分岐鎖状等の分子構造を有する脂肪族系オイル、あるいは芳香族系オイルであることが好ましく、特には、直鎖状、あるいは環状の分子構造を有する有機オイルであることが好ましい。また、この有機オイルは揮発性を有していてもよい。このような有機オイルは、含ケイ素粒子を形成する際の硬化反応に関与しないものが好ましく、この含ケイ素粒子がヒドロシリル化反応したものである場合には、分子中にアルケニル基を有しないものである。このような有機オイルとしては、例えば、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、モクロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ミツロウ、ラノリン等のロウ類;フタル酸ジオクチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、オレイン酸2−オクチルドデシル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アボガド油、アーモンド油、オリブ油、カカオ油、ホホバ油、ゴマ油、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、スクワラン、パーシック油、ヒマシ油、ミンク油、綿実油、ヤシ油、卵黄油、豚脂等の油脂;ポリプロピレングリコールモノオレート、ネオペンチルグリコール−2−エチルヘキサノエート等のグリコールエステル油;イソステアリン酸トリグリセライド、椰子油脂肪酸トリグリセライド等の多価アルコールエステル油;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル等のポリオキシアルキレンエーテル油が挙げられる。
【0094】
さらに揮発性の有機オイルとして、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、オクタン、イソパラフィン等の脂肪族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、2,4−ジオキサン等のエーテル;ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セルソルブアセテート、イソプロピルラウレート、イソプロピルパルミテート等のエステル;メチルアルコール、エチルアルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−アミルアルコール、3−ペンタノール、アクチルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、フルフリルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、ウンデシルアルコール等のアルコール類;メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール類;四塩化炭素、塩化メチレン等の塩素化物を用いることができる。
【0095】
このような有機オイルは25℃における性状は特に限定されず、液状、固体状が例示される。特に25℃における液状の有機オイルの場合には粘度は、25℃において1〜100,000,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、特には、25℃において2〜10,000,000mPa・sの範囲内であることが好ましい。
【0096】
また、このようなシリコーンオイル又は有機オイルは単独で使用してもよく、また、それらを併用してもよい。シリコーンオイル又は有機オイルが揮発性を有する場合には、シリコーンオイル又は有機オイルを揮発除去することにより、含ケイ素粒子を容易に回収することができる。
【0097】
本発明の製造方法では、シリコーンオイル又は有機オイルを使用することが好適であるが、含ケイ素化合物との相溶性を改善するためは、揮発性の有機オイルを併用することが好ましい。この揮発性の有機オイルの含有量は特に限定されないが、好ましくは、シリコーンオイル又は有機オイル、及び硬化性の含ケイ素有機化合物の合計100重量部に対して、1〜1,000重量部の範囲内であることが好ましく、さらには、10〜500重量部の範囲内であることが好ましく、特に、50〜250重量部の範囲内であることが好ましい。
【0098】
また、本発明の製造方法において、含ケイ素化合物とオイルとの割合は特に限定されないが、その重量比が80:20〜0.1:99.9であることが好ましい。これは、硬化性の含ケイ素化合物の含有量が、上記範囲の上限を超えると、含ケイ素粒子の粒径をコントロールすることが困難となるからであり、一方、上記範囲の下限未満であると、得られる含ケイ素粒子を製造する効率が低下するからである。
【0099】
本発明の製造方法では、オイルと硬化性の含ケイ素化合物から少なくともなる均一相を形成するが、周知の方法で均一相を形成すればよいが、含ケイ素化合物が室温で固体状である場合には、これを加熱して混合することができる。その際、用いることのできる混合装置としては、ロスミキサー、プラネタリーミキサー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、高速ミキサー、ホモミキサー、パドルミキサー、ホモディスパー、プロペラ攪拌機、ホモジナイザー、真空式練合機が例示される。
【0100】
本発明の製造方法において、含ケイ素化合物を硬化する際の反応温度は特に限定されないが、好ましくは、室温〜250℃の範囲内であり、さらに好ましくは、50〜180℃の範囲内である。また硬化する際、反応混合物を上記の攪拌又は混合装置を使用しても良い。なお、前記の含ケイ素化合物の硬化が、高エネルギー線によるラジカル反応性により進行する場合には、室温でもよい。このようにして、含ケイ素化合物は硬化反応により、前記シリコーンオイル又は有機オイルから相分離が誘起され、含ケイ素粒子を形成する。
【0101】
次に、本発明の含ケイ素粒子は、上記の方法により得られることを特徴とする。この含ケイ素粒子の粒径は特に限定されないが、その平均粒径が5nm〜10μmの範囲内であることが好ましく、さらには、20nm〜10μmの範囲内であることが好ましく、特には、20nm〜5μmの範囲内であることが好ましい。また、この含ケイ素粒子の形状は特に限定されないが、好ましくは、略球状である、特に好ましくは、真球状である。
【0102】
本発明のオイル組成物は、上記の含ケイ素粒子とオイルとから少なくともなることを特徴とする。このオイルとしては、シリコーンオイル、ケイ素不含の有機オイルが挙げられ、具体的には、前記と同様のオイルが例示される。本組成物において、含ケイ素粒子の含有量は特に限定されないが、オイル100重量部に対して、0.1〜1,000重量部の範囲内であることが好ましく、さらには、0.1〜700重量部の範囲内であることが好ましく、特には、0.1〜200重量部の範囲内であることが好ましい。
【0103】
このようなオイル組成物には、その他任意の成分として、可塑剤、光安定剤、酸化防止剤、充填剤、着色剤、加工性改良剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料等を含有してもよい。この充填剤としては、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、焼成シリカ等の補強性充填剤;石英粉末、珪藻土、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化チタン、マイカ等の非補強性充填剤、これらの充填剤の表面を、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、エチルトリクロロシラン等のオルガノクロロシラン;ヘキサメチルジシラザン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルシクロトリシラザン等のオルガノシラザン;メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等のオルガノアルコキシシラン等の有機ケイ素化合物により疎水化処理した充填剤、及びこれらの2種以上の混合物が例示される。
【0104】
このようなオイル組成物を調製する方法は特に限定されず、上記含ケイ素粒子の製造方法で述べたように、オイル中で含ケイ素化合物を硬化反応して、含ケイ素粒子を分散するオイル組成物を調製してもよく、また、このようにして得られた含ケイ素粒子を一旦オイルから分離し、さらにこれを他のオイル、および必要に応じて任意の成分と混合してもよい。含ケイ素粒子とオイルを混合する方法は特に限定されず、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、高速ミキサー、各種押し出し機等の混合機を使用することができる。
【0105】
このような本発明のオイル組成物は、化粧品原料や医療用原料として用いることができ、オイル中に含ケイ素粒子を均一に分散した、液状、クリーム状、ペースト状、あるいはグリース状のオイル組成物を調製することができる。
【0106】
次に、本発明のセラミックの製造方法は、分子中に、ケイ素原子50個あたり1個以上の反応性官能基を有する含ケイ素化合物を含む硬化性組成物と、該組成物の硬化反応に関与しないオイルとから少なくともなる均一相中で、前記組成物を硬化反応することにより、前記オイルからの相分離が誘起された含ケイ素粒子又は該粒子と前記オイルの組成物を焼成してなることを特徴とする。本発明の方法では、セラミック化工程の条件は特に限定されないが、例えば、上記の含ケイ素粒子又は該粒子を含有するオイル組成物を不活性ガス中又は真空中で、500〜2,300℃、さらには600〜2,300℃、特には800〜2,300℃の温度で焼成させることが好ましい。
【0107】
このようにして得られるセラミックの組成は、焼成条件や原料により異なるが、SiOC系、SiCON系のセラミックを得るには、上記の含ケイ素粒子又は該粒子を含有するオイル組成物を不活性ガス中又は真空中で、500〜1,500℃、好ましくは600〜1,400℃、特に好ましくは800〜1,300℃の温度で焼成することが好ましい。これは、焼成温度が上記範囲の上限を超えると、目的のセラミック化収率が低下する傾向があり、異なるセラミックに変換することがあるからであり。一方、上記範囲の下限未満であると、セラミック化が不十分となるからである。なお、セラミック化工程における加熱温度(最終到達温度)は上記温度範囲であることが好ましいが、このセラミック化工程を二段階以上で行っても良い。すなわち、第一段階において、低温で加熱し、第二段階以降、最終到達温度で加熱することができる。また、上記に粒子化段階とセラミック化段階を合わせて一段階にすることもできる。
【0108】
このようにして得られるセラミックは、含ケイ素粒子を含有するオイル組成物基準で、広い配合比率のケイ素、炭素、酸素、窒素及び/または水素を含む。一般的にはこの材料はSiOxyの組成を有する。ここでx、yは、0≦x≦2、0<y<100を満たす数であり、好ましくは、0≦x≦2、0<y<50を満たす数であり、さらに好ましくは、0≦x≦2、0<y<20を満たす数である。この化学式では示されていないが、水素又は窒素が微量(5重量%未満)存在する可能性もある。また、本発明のセラミックは、ホウ素、チタン、リン、錫、Al、Mg、Zn、Zr等の原子を含有してもよい。
【0109】
一方、SiN系、SiC系等のセラミックを得るには、不活性ガス雰囲気中、1,300℃以上、好ましくは1,400℃以上、更に好ましくは1,500℃以上の温度で焼成することが好ましい。これは、焼成温度が1,300℃未満では熱分解反応が進行しないからである。なお、焼成温度の上限は特に制限されないが、好ましくは2,300℃、特に好ましくは2,000℃である。なお、セラミック化工程における加熱温度(最終到達温度)は上記温度範囲であることが好ましいが、このセラミック化工程を二段階以上で行っても良い。すなわち、第一段階において、低温で加熱し、第二段階以降、最終到達温度で加熱することができる。また、上記に粒子化段階とセラミック化段階を合わせて一段階にすることもできる。
【0110】
また、原料として、球状の含ケイ素粒子を用いた場合には、球状のセラミックを得ることができる。さらに、原料として、球状の含ケイ素粒子を含有するオイル組成物を用いた場合には、球状のセラミックを分散した炭素系複合材料を得ることができる。
【0111】
また、セラミック化工程を不活性ガス雰囲気下で行なう場合、好ましい不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴンが例示される。なお、異なる目的のセラミックを得るためにはこの不活性ガス中に、水素ガス、メタンガス、一酸化炭素ガス、シランガス、アンモニアガス等の反応性ガスを含んでもよい。例えば、含ケイ素粒子またはそれを含有するオイル組成物をアンモニアガス雰囲気下で焼成したり、原料に窒素原子を含有する含ケイ素粒子あるいは該粒子を含有するオイル組成物を焼成した場合には、窒素原子を含有するセラミックを得ることができる。
【0112】
セラミック化工程は、固定床又は流動床方式の炭化炉で行うことができ、所定温度へ昇温できる機能を有する炉であれば、焼成炉の加熱方式及び種類は特に限定されない。焼成炉としては、例えば、マッフル炉、リードハンマー炉、トンネル炉、単独炉が挙げられる。
【0113】
また、SiC系セラミックの製造時に微量の遊離シリカや遊離カーボンが残存しうる。残存する遊離カーボンは大気中で600〜900℃に加熱して脱炭処理することができ、特に700℃以上で熱処理することが好ましい。また、遊離シリカは強酸または強塩基の処理剤で除去することができる。この処理剤としては、例えば、弗化水素酸(HF)のような強酸、水酸化カリウム(KOH)のような強塩基が挙げられ、好ましくは、弗化水素酸(HF)である。
【0114】
セラミックは、処理剤とセラミックとを接触させることによって処理される。処理剤は、通常、水溶液である。しかしながら、セラミックは、気体の状態で処理剤と接触させることも可能である。溶液として使用された場合、処理剤は通常、濃度3〜30重量%、好ましくは15〜25重量%である。なお、処理剤は、処理前のセラミック中に存在していた遊離シリカに対して過剰量を用いる。
【0115】
一般に、セラミックは、粒子の塊状物として得られるので、これを粉砕して、処理剤と混合する。セラミックは、一定時間、処理剤と接触させるが、通常、この処理時間は、2分〜24時間、好ましくは5分〜4時間である。この処理において、温度は特に限定されないが、好ましくは処理剤の沸点以下で行う。典型的には、処理は室温及び大気圧下で行われる。処理されたセラミックは、濾別後、洗浄され、乾燥される。
【実施例】
【0116】
本発明の含ケイ素粒子、その製造方法、オイル組成物、セラミック、およびその製造方法を実施例により詳細に説明する。なお、実施例中、粘度は25℃における値である。
【0117】
[実施例1]
粘度1,000Pa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100g中に、粘度10mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=1.6重量%)26.5gと粘度3.1mPa・sの1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン25gとからなる硬化性シリコーン組成物を混合して均一な溶液とした。次に、この溶液に白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(前記溶液中の硬化性シリコーン組成物に対して白金金属が重量単位で20ppmとなる量)を滴下し、室温で十分に攪拌した。その後、80℃で30分間攪拌しながら加熱し、さらに120℃で60分間加熱することにより前記硬化性シリコーン組成物を十分に硬化させて、白濁ゲル状の組成物を得た。この組成物を実体顕微鏡で観察したところ、オイル中に含ケイ素粒子が均一に分散していることがわかった。次に、この組成物をトルエンで抽出することにより、平均粒子径0.8μmの真球状含ケイ素粒子を得た。
【0118】
上記の含ケイ素粒子をアルミナ製容器に入れ、窒素雰囲気下、マッフル炉にて、600℃で2時間、次いで1,000℃で1時間焼成した。冷却後、黒色粒子を72%の収率で得た。この黒色粒子を走査電子顕微鏡(以下、SEM)で観測したところ、平均粒子径約0.7μmの球状粒子であることを確認した。X線光電子分光法(以下、XPS)により、球状粒子の組成がSi1.001.831.71であることを確認した。また、微粒子のXRDのX−線回折(Cu−Kα)では、2θが21度付近にブロードなSiOCセラミックのアモルファス構造に由来する特有な吸収ピークが観察された。
【0119】
また、上記の含ケイ素粒子を含有するオイル組成物をアルミナ製容器に入れ、窒素雰囲気下、マッフル炉にて、600℃で2時間、次いで1,000℃で1時間焼成した。冷却後、黒色ケイ素複合体を55%の収率で得た。SEMで観測したところ、平均粒子径約0.7μmの球状セラミック粒子を含む複合体であることを確認した。エネルギー分散型X線分析(以下、EDX)により、この複合体は主にSiOCの成分からなることを確認した。また、微粒子のXRDのX−線回折(Cu−Kα)では、2θが20度付近にブロードなSiOCセラミックのアモルファス構造に由来する特有な吸収ピークが観測された。
【0120】
[実施例2]
粘度5,000mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100g中に、粘度3.1mPa・sの1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン50gと1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン42.5gとからなる硬化性シリコーン組成物を混合して均一な溶液とした。次に、この溶液に白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(前記溶液中の硬化性シリコーン組成物に対して白金金属が重量単位で20ppmとなる量)を滴下し、室温で十分に攪拌した。その後、80℃のオーブン中で30分間攪拌しながら加熱し、さらに120℃で60分間加熱することにより前記硬化性シリコーン組成物を十分に硬化させて、白濁ゲル状の組成物を得た。この組成物を実体顕微鏡で観察したところ、オイル中に含ケイ素粒子が均一に分散していることがわかった。次に、この組成物をトルエンで抽出することにより、平均粒子径2.5μmの真球状含ケイ素粒子を得た。
【0121】
[実施例3]
粘度5,000mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100g中に、粘度3.1mPa・sの1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン50gと粘度2.0mPa・sのメチルトリス(ジメチルシロキシ)シラン56.5gとなる硬化性シリコーン組成物を混合して均一な溶液とした。次に、この溶液に白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(前記溶液中の硬化性シリコーン組成物に対して白金金属が重量単位で20ppmとなる量)を滴下し、室温で十分に攪拌した。その後、攪拌を止め、80℃のオーブン中で30分加熱し、さらに120℃で60分間加熱することにより硬化性シリコーン組成物を十分に硬化させて、白濁ゲル状の組成物を得た。この組成物を実体顕微鏡で観察したところ、オイル中に含ケイ素粒子が均一に分散していることがわかった。次に、この組成物をトルエンで抽出することにより、平均粒子径2.0μmの真球状含ケイ素粒子を得た。
【0122】
上記含ケイ素粒子をアルミナ製容器に入れ、窒素雰囲気下、マッフル炉にて、600℃で2時間、次いで1,000℃で1時間焼成した。冷却後、黒色粒子を82%の収率で得た。この黒色粒子をSEMで観測したところ、平均粒子径約1.9μmの球状粒子であることを確認した。XPS分析により、球状の組成はSi1.000.440.47であることを確認した。また微粒子のXRDのX−線回折(Cu−Kα)では、2θが20度付近にブロードなSiOCセラミックのアモルファス構造に由来する特有な吸収ピークが観測された。
【0123】
また、上記の含ケイ素粒子を含有する組成物をアルミナ製容器に入れ、窒素雰囲気下、マッフル炉にて、600℃で2時間、次いで1,000℃で1時間焼成した。冷却後、黒色ケイ素複合体を62%の収率で得た。SEMで観測したところ、平均粒子径約2.0μmの球状粒子を含む複合体であることを確認した。EDXにより、複合体は主にSiOCの成分からなることを確認した。また、微粒子のXRDのX−線回折(Cu−Kα)では、2θが20度付近にブロードなSiOCセラミックのアモルファス構造に由来する特有な吸収ピークが観測された。
【0124】
[実施例4]
粘度1,000Pa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン180g中に、粘度3.1mPa・sの1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン50gと粘度1.0mPa・sの1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン42.0gとからなる硬化性シリコーン組成物を混合して均一な溶液とした。次に、この溶液に白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(前記溶液中の硬化性シリコーン組成物に対して白金金属が重量単位で20ppmとなる量)を滴下し、室温で十分に攪拌した。その後、攪拌を止め、80℃のオーブン中で30分加熱し、さらに120℃で60分間加熱することにより硬化性シリコーン組成物を十分に硬化させて、白濁ゲル状の組成物を得た。この組成物を実体顕微鏡で観察したところ、オイル中に含ケイ素粒子が均一に分散していることがわかった。次に、この組成物をトルエンで抽出することにより、平均粒子径1.0μmと0.1μmの二種類の真球状含ケイ素粒子を得た。
【0125】
上記ケイ素粒子をアルミナ製容器に入れ、窒素雰囲気下、マッフル炉にて、600℃で2時間、次いで1,000℃で1時間焼成した。冷却後、黒色粒子を82%の収率で得た。この黒色粒子をSEMで観測したところ、平均粒子径約0.9μmと0.1μmの球状セラミック粒子であることを確認した。XPSにより、球状の組成はSi1.000.470.49であることを確認した。また、微粒子のXRDのX−線回折(Cu−Kα)では、2θが20度付近にブロードなSiOCセラミックのアモルファス構造に由来する特有な吸収ピークが観測された。
【0126】
また、上記含ケイ素粒子を含有する組成物をアルミナ製容器に入れ、窒素雰囲気下、マッフル炉にて、600℃で2時間、次いで1,000℃で1時間焼成した。冷却後、黒色ケイ素複合体を55%の収率で得た。SEMで観測したところ、平均粒子径約0.9μmと0.1μmの球状セラミック粒子を含む複合体であることを確認した。EDXの分析から複合体の組成は主にSiOCの成分であることがわかった。
【0127】
[実施例5]
粘度1,000mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100g中に、粘度10mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=1.6重量%)43gと1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン50gとなる硬化性シリコーン組成物を混合して均一な溶液とした。次に、この溶液に白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(前記溶液中の硬化性シリコーン組成物に対して白金金属が重量単位で20ppmとなる量)を滴下し、室温で十分に攪拌した。その後、攪拌を止め、30℃で2時間加熱し、さらに120℃で60分間加熱することにより硬化性シリコーン組成物を十分に硬化させて、白濁ゲル状の組成物を得た。この組成物を実体顕微鏡で観察したところ、オイル中に含ケイ素粒子が均一に分散していることがわかった。次に、この組成物をトルエンで抽出することにより、平均粒子径1.2μmの真球状含ケイ素粒子を得た。
【0128】
上記の含ケイ素粒子をアルミナ製容器に入れ、窒素雰囲気下、マッフル炉にて、600℃で2時間、次いで1,000℃で1時間焼成した。冷却後、黒色粒子を82%の収率で得た。SEMで観測したところ、平均粒子径約1.15μmの球状セラミック粒子であることを確認した。XPSにより、球状の組成はSi1.000.420.45であることを確認した。また。、微粒子のXRDのX−線回折(Cu−Kα)では2θが20度付近にブロードなSiOCセラミックのアモルファス構造に由来する特有な吸収ピークが観測された。
【0129】
また、上記調製した含ケイ素粒子を含有する組成物をアルミナ製容器に入れ、窒素雰囲気下、マッフル炉にて、600℃で2時間、次いで1,000℃で1時間焼成した。冷却後、黒色ケイ素複合体を65%の収率で得た。SEMで観測したところ、平均粒子径約1.15μmの球状セラミック粒子を含有する複合体であることを確認した。EDXの分析から複合体の組成は主にSiOCの成分であることを確認した。また、微粒子のXRDのX−線回折(Cu−Kα)では2θが20度付近にブロードなSiOCセラミックのアモルファス構造に由来する特有な吸収ピークが観測された。
【0130】
[実施例6]
粘度1,000Pa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100g中に、粘度42mPa・sの分子鎖両末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン(水酸基の含有量=2.6重量%)50.0gと粘度1.0mPa・sの1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン10.0gとからなる硬化性シリコーン組成物を混合して均一な溶液とした。次に、この溶液にオクチル酸錫1.5gを加え、室温で十分に攪拌した。その後、攪拌を止め、80℃で60分間加熱することにより、硬化性シリコーン組成物を十分に硬化させて、濁ったゲル状の組成物を得た。この組成物を実体顕微鏡で観察したところ、オイル中に含ケイ素粒子が均一に分散していることがわかった。次に、この組成物をトルエンで抽出することにより、平均粒子径2.0μmの真球状含ケイ素粒子を得た。
【0131】
[実施例7]
粘度500mPa・sの分子鎖両末端水酸基封鎖フェニルメチルポリシロキサン(水酸基の含有量=3.2重量%)20.0g中に、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジ(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル)ジシロキサン10.0gを混合して均一な溶液とした。次に、この溶液にトリエチレンテトラミン2.0gを加え、室温で十分に攪拌した。その後、攪拌を止め、窒素雰囲気下、180℃のオーブン中で60分間加熱することにより前記1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジ(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル)ジシロキサンを十分に硬化した後、室温まで冷却して、微濁状の組成物を得た。この組成物を実体顕微鏡で観察したところ、オイル中に含ケイ素粒子が均一に分散していることがわかった。次に、この組成物をトルエンで抽出することにより、平均粒子径1.5μmの真球状含ケイ素粒子を得た。
【0132】
上記の含ケイ素粒子をアルミナ製容器に入れ、窒素雰囲気下、マッフル炉にて、600℃で2時間、次いで1,000℃で1時間焼成した。冷却後、黒色粒子を52%の収率で得た。SEMで観測したところ、平均粒子径約1.2μmの球状セラミック粒子がマトリクスに含まれていた。EDXにより、球状の組成はSiOCであることを確認した。また、微粒子のXRDのX−線回折(Cu−Kα)では2θが25度付近にブロードなSiOCセラミックのアモルファス構造に由来する特有な吸収ピークと2θが44度付近にグラフィン構造に由来する吸収ピークが観測された。
【0133】
[実施例8]
粘度450mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖フェニルメチルポリシロキサン20.0g中に、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジ(3−メタクリロキシプロピル)ジシロキサン10.0gを混合して均一な溶液とした。次に、この溶液にキュメンヒドロパーオキサイド0.5gを加え、室温で十分に攪拌した。その後、攪拌を止め、窒素雰囲気下、180℃のオーブン中で60分間加熱することにより前記1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジ(3−メタクリロキシプロピル)ジシロキサンを十分に硬化した後、室温まで冷却して、微濁状の組成物を得た。この組成物を実体顕微鏡で観察したところ、オイル中に含ケイ素粒子が均一に分散していることがわかった。次に、この組成物をトルエンで抽出することにより、平均粒子径1.5μmの真球状含ケイ素粒子を得た。
【0134】
[実施例9]
粘度450mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖フェニルメチルポリシロキサン90g中に、平均単位式:
{(CH2=CH)(CH3)2SiO1/2}0.25(C65SiO3/2)0.75
で表されるオルガノポリシロキサン24gと式:
(CH3)2HSiO[(C65)2SiO]Si(CH3)2
で表されるオルガノポリシロキサン2.4gと式:
65Si{OSi(CH3)2H}3
で表されるオルガノポリシロキサン2.4gとからなる硬化性シリコーン組成物を混合して均一な溶液とした。次に、この溶液に白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体0.01gとメチルトリス(1,1−ジメチル−2−プロピン−オキシ)シラン0.1gを混合し、室温でよく攪拌混合した。その後、攪拌を止め、110℃のオーブン中で30分間加熱することにより硬化性シリコーン組成物を十分に硬化させて、ゲル状物の組成物を得た。この組成物を実体顕微鏡で観察したところ、オイルの中に含ケイ素粒子が均一に分散していることがわかった。次に、この組成物をトルエンで抽出することにより、平均粒子径2.5μmの真球状含ケイ素粒子を得た。
【0135】
上記の含ケイ素粒子をアルミナ製容器に入れ、窒素雰囲気下、マッフル炉にて、600℃で2時間、次いで1,000℃で1時間焼成した。冷却後、黒色粒子を71%の収率で得た。SEMで観測したところ、平均粒子径約2.2μmの球状セラミック粒子であることを確認した。XPSにより、球状の組成はSi1.000.442.47であることを確認した。また、微粒子のXRDのX−線回折(Cu−Kα)では2θが25度付近にブロードなSiOCセラミックのアモルファス構造に由来する特有な吸収ピークが観測された。
【0136】
[実施例10]
フタル酸ジオクチル150g中に、粘度10mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=1.6重量%)21.5gと粘度3.1mPa・sの1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン25.0gとからなる硬化性シリコーン組成物を混合して均一な溶液とした。次に、この溶液に白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(前記溶液中の硬化性シリコーン組成物に対して白金金属が重量単位で20ppmとなる量)を滴下し、室温で十分に攪拌した。その後、攪拌を止め、80℃のオーブン中で30分加熱し、さらに120℃で60分間加熱することにより硬化性シリコーン組成物を十分に硬化させて、白濁ゲル状の組成物を得た。この組成物を実体顕微鏡で観察したところ、オイル中に含ケイ素粒子が均一に分散していることがわかった。次に、この組成物をトルエンで抽出することにより、平均粒子径0.3μmの真球状含ケイ素粒子を得た。
【0137】
上記の含ケイ素粒子をアルミナ製容器に入れ、窒素雰囲気下、マッフル炉にて、600℃で2時間、次いで1,000℃で1時間焼成した。冷却後、黒色粒子を72%の収率で得た。この黒色粒子をSEMで観測したところ、平均粒子径約0.25μmの球状セラミック粒子であることを確認した。EDXにより、球状の組成はSiOCであることを確認した。また、微粒子のXRDのX−線回折(Cu−Kα)では2θが25度付近にブロードなSiOCセラミックのアモルファス構造に由来する特有な吸収ピークと2θが44度付近にグラフィン構造に由来する吸収ピークが観測された。
【0138】
[実施例11]
2,2,4−トリメチルペンタン300g中に、粘度10mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン13.2gと粘度3.1mPa・sの1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン12.5gとからなる硬化性シリコーン組成物を混合して均一な溶液とした。次に、この溶液に白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(前記溶液中の硬化性シリコーン組成物に対して白金金属が重量単位で20ppmとなる量)を滴下した後、反応混合物を80℃の中で30分攪拌しながら加熱し、さらにオイルバス120℃の温度で60分間攪拌しながら加熱することにより透明なシリコーン組成物の溶液を得た。この溶液を、Sub-micron particle analyzer[Coulter model N4MD]を用いて測定したところ平均粒子径37nmの含ケイ素粒子であることがわかった。減圧下evaporatorを用い溶媒を除き、含ケイ素粒子を得た。
【0139】
上記の含ケイ素粒子をアルミナ製容器に入れ、窒素雰囲気下、マッフル炉にて、600℃で2時間、次いで1,000℃で1時間焼成した。冷却後、黒い粒子を85%の収率で得た。EDXの分析から球状の組成は主にSiOCの成分であることがわかった。また、このSiOCセラミックをアルゴン気流中で、約5℃/分の昇温速度で1,600℃まで昇温して、1時間保持後、自然冷却し、空気中700℃で上記の生成物を1時間燃焼して室温に戻したところ、灰白色を呈する生成物を得た。この灰白色の生成物を20重量%HF溶液に入れ、室温で10分攪拌した後に、ろ過によってサンプルを回収し、蒸留水で洗浄液が中性になるまで洗浄した後、さらにエタノールで一回洗浄した後、150℃で乾燥して薄い青色の粉末を得た。この生成物の元素分析ではSi重量%は66、炭素重量%は31、酸素重量%は0.9を示した。この生成物の固体ケイ素NMRスペクトルでは、SiC単位に由来する−21.31ppmのシグナルのみが観測され、また微粒子のXRDのX−線回折(Cu−Kα)では、2θ=35.76度、60.04度、71.92度付近にβ−SiCに由来する特有な吸収ピークが観測された。また、このもののSEM写真と平均粒径分析した結果、平均粒径約25nmの細かい球状粒子であった。
【0140】
[実施例12]
粘度5,000mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン500g、粘度10mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=1.6重量%)30.5g、1,4−ジビニルへキサン20g、メチルトリ(2−メチル−2−ブチノキシ)シラン0.01gからなる硬化性シリコーン組成物を混合して均一な溶液とした。次に、この溶液に白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(上記の硬化性シリコーン組成物に対して白金金属が重量単位で20ppmとなる量)を滴下し、室温で十分に攪拌した。その後、攪拌を止め、80℃のオーブン中で30分加熱し、さらに120℃で60間加熱することにより硬化性シリコーン組成物を十分に硬化させて、白濁のゲル状のシリコーン組成物を得た。このシリコーンオイル組成物を実体顕微鏡で観察したところ、シリコーンオイル中に架橋シリコーン粒子が均一に分散しており、この架橋シリコーン粒子の形状が球状であることがわかった。次に、この組成物をトルエンで抽出することにより、シリコーンオイルを除き、平均粒子径0.3μmの真球状含ケイ素粒子を得た。
【0141】
上記の含ケイ素粒子をアルミナ製容器に入れ、窒素雰囲気下、マッフル炉にて、600℃で2時間、次いで1,000℃で1時間焼成した。冷却後、黒い粒子を40%の収率で得た。EDXの分析から球状の組成は主にSiOCの成分であることがわかった。
【0142】
また、このSiOCセラミックをアルゴン気流中で、約5℃/分の昇温速度で1,600℃まで昇温して、1時間保持後、自然冷却し、空気中700℃で上記の生成物を1時間燃焼して室温に戻したところ、灰白色を呈する生成物を得た。この灰白色の生成物を20重量%HF溶液に入れ、室温で10分攪拌した後に、ろ過によってサンプルを回収し、蒸留水で洗浄液が中性になるまで洗浄した後、さらにエタノールで一回洗浄した後、150℃で乾燥して薄い青色の粉末を得た。[対シロキサン重量比で約42%の収量]。この生成物の元素分析では、Si重量%は65.2、炭素重量%は34.1、酸素重量%は0.7であることを確認した。また、固体ケイ素NMRスペクトルでは、SiC単位に由来する−21.31ppmのシグナルのみ観測され、また微粒子のXRDのX−線回折(Cu−Kα)では、2θ=35.76度、60.04度、71.92度付近にβ−SiCに由来する特有な吸収ピークが観測された。また、このもののSEM写真と平均粒径分析した結果、平均粒径約0.2μmの細かい球状粒子であった。
【0143】
[実施例13]
粘度5,000mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100g中に、粘度10mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=1.6重量%)21.5gと1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン25gとなる硬化性シリコーン組成物を混合して均一な溶液とした。次に、この溶液に白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(前記溶液中の硬化性シリコーン組成物に対して白金金属が重量単位で20ppmとなる量)を滴下し、室温で十分に攪拌した。その後、攪拌を止め、30℃で2時間加熱し、さらに120℃で60分間加熱することにより硬化性シリコーン組成物を十分に硬化させて、白濁ゲル状の組成物を得た。この組成物を実体顕微鏡で観察したところ、オイル中に含ケイ素粒子が均一に分散していることがわかった。次に、この組成物をトルエンで抽出することにより、平均粒子径0.8μmの真球状含ケイ素粒子を得た。
【0144】
上記の含ケイ素粒子をアルミナ製容器に入れ、窒素雰囲気下、マッフル炉にて、600℃で2時間、次いで1,000℃で1時間焼成した。冷却後、黒色粒子を72%の収率で得た。SEMで観測したところ、平均粒子径約0.6μmの球状セラミック粒子であることを確認した。
【0145】
上記の含ケイ素粒子を含有する組成物をアルミナ製容器に入れ、窒素雰囲気下、マッフル炉にて、600℃で2時間、次いで1,000℃で1時間焼成した。冷却後、黒色ケイ素複合体を65%の収率で得た。SEMで観測したところ、平均粒子径約0.6μmの球状セラミック粒子を含有する複合体であることを確認した。
【0146】
上記の含ケイ素架橋粒子を含有する組成物をアルミナ製容器に入れ、窒素雰囲気下、マッフル炉にて、600℃で2時間、次いで1600℃まで昇温して、1 時間保持後、自然冷却し、空気中700℃で上記の生成物を1時間燃焼して室温に戻したところ、灰白色を呈する生成物を得た[対シロキサン重量比で約45%の収量]。この灰白色の生成物を20重量%HF溶液に入れ、室温で10分攪拌した後に、ろ過によってサンプルを回収し、蒸留水で洗浄液が中性になるまで洗浄した後、さらにエタノールで一回洗浄した後、150℃で乾燥して薄い青色の粉末を得た。この生成物の固体ケイ素NMRスペクトルでは、SiC単位に由来する−21.31ppmのシグナルのみ観測され、微粒子のXRDのX−線回折(Cu−Kα)では、2θ=35.76度、60.04度、71.92度付近にβ−SiCに由来する特有な吸収ピークが観測された。また、このもののSEM写真と平均粒径分析した結果、平均粒径約0.4μmの細かい球状粒子であった。
【0147】
また、このSiOCセラミックをアルゴン気流中で、約5℃/分の昇温速度で1,600℃まで昇温して、1時間保持後、自然冷却し、空気中700℃で上記の生成物を1時間燃焼して室温に戻したところ、灰白色を呈する生成物を得た。この灰白色の生成物を20重量%HF溶液に入れ、室温で10分攪拌した後に、ろ過によってサンプルを回収し、蒸留水で洗浄液が中性になるまで洗浄した後、さらにエタノールで一回洗浄した後、150℃で乾燥して薄い青色の粉末を得た。この生成物の元素分析ではSi重量%は67.0、炭素重量%は33.5、酸素重量%は0.5を示した。また、固体ケイ素NMRスペクトルでは、SiC単位に由来する−21.31ppmのシグナルのみ観測され、微粒子のXRDのX−線回折(Cu−Kα)では2θ=35.76度、60.04度、71.92度付近にβ−SiCに由来する特有な吸収ピークが観測された。また、このもののSEM写真と平均粒径分析した結果、平均粒径約0.4μmの細かい球状粒子であった。
【0148】
[実施例14]
密度(15℃)0.87g/ml、粘度(40℃)約60mm2/sの液状パラフィン60gに、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン5gと平均式:
(CH3)2HSiO[(C65)2SiO]2.5Si(CH3)2
で表されるオルガノポリシロキサン22.4gからなる硬化性シリコーン組成物を混合して均一なパラフィン組成物とした。次に、このパラフィン組成物に白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(上記の硬化性シリコーン組成物に対して白金金属が重量単位で10ppmとなる量)を滴下し、室温で十分に攪拌した。その後、攪拌を止め、120℃のオーブン中で30分間加熱することにより硬化性シリコーン組成物を十分に硬化させて、白濁のパラフィン組成物を得た。次に、この組成物をトルエンで抽出することにより、平均粒子径1.5μmの真球状含ケイ素粒子を得た。
【0149】
上記の含ケイ素粒子をアルミナ製容器に入れ、窒素雰囲気下、マッフル炉にて、600℃で2時間、次いで1,000℃で1時間焼成した。冷却後、黒い粒子を72%の収率で得た。SEMで観測したところ、平均粒子径約1.35μmの球状粒子であることがわかった。
【0150】
また、このSiOCセラミックをアルゴン気流中で、約5℃/分の昇温速度で1,600℃まで昇温して、1時間保持後、自然冷却し、空気中700℃で上記の生成物を1時間燃焼して室温に戻したところ、灰白色を呈する生成物を得た。この灰白色の生成物を20重量%HF溶液に入れ、室温で10分攪拌した後に、ろ過によってサンプルを回収し、蒸留水で洗浄液が中性になるまで洗浄した後、さらにエタノールで一回洗浄した後、150℃で乾燥して薄い青色の粉末を得た。この生成物の元素分析ではSi重量%は67.0、炭素重量%は33.5、酸素重量%は0.5を示した。固体ケイ素NMRスペクトルでは、SiC単位に由来する−21.31ppmのシグナルのみ観測され、微粒子のXRDのX−線回折(Cu−Kα)では、2θ=35.76度、60.04度、71.92度付近にβ−SiCに由来する特有な吸収ピークが観測された。また、このもののSEM写真と平均粒径分析した結果、平均粒径約0.9μmの細かい球状粒子であった。
【0151】
[比較例1]
粘度1,000Pa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100g中に、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン10gと平均式:
(CH3)2HSiO[(C65)2SiO]2.5Si(CH3)2
で表されるオルガノポリシロキサン44.8gとからなる硬化性シリコーン組成物を混合したが、白濁し、二層に分離した。この溶液を攪拌しながら、この溶液に白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(前記溶液中の硬化性シリコーン組成物に対して白金金属が重量単位で20ppmとなる量)を滴下し、室温で十分に攪拌した。その後、攪拌を止め、80℃のオーブン中で30分間加熱し、さらに120℃で60分間加熱することにより硬化性シリコーン組成物を十分に硬化させた。シリコーン硬化物層とオイル層の二層からなる混合物が得られた。この混合物を実体顕微鏡で観測したところ、含ケイ素粒子は存在しなかった。ゲル状物が得られた。球状の含ケイ素粒子は存在しない。
【産業上の利用可能性】
【0152】
本発明の含ケイ素粒子の製造方法によれば、界面活性剤等の不純物の含有量が少なく、粒径がコントロールされた球状の含ケイ素粒子を製造することができ、このような含ケイ素粒子は、化粧品原料や有機樹脂用添加剤の他に、シリコーンが本来有している耐熱性、電気特性等が損なわれないので、電気・電子材料、電気粘性流体の添加剤等に有用である。また、そのような球状の含ケイ素粒子を含有する有機ポリマー組成物は、耐火接着剤、耐火フィルム等の応用に有用である
【0153】
また、本発明のセラミックの製造方法によれば、簡単なプロセスで、粒径が極めて小さく、コントロールされたセラミックを製造でき、このようなセラミックは、有機樹脂の添加剤、化粧料の添加剤等に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子中に、ケイ素原子50個あたり1個以上の反応性官能基を有する含ケイ素化合物を含む硬化性組成物と、該組成物の硬化反応に関与しないオイルとを少なくとも含む均一相中で、前記組成物を硬化反応することにより、前記オイルからの相分離が誘起され含ケイ素粒子を形成することを特徴とする含ケイ素粒子の製造方法。
【請求項2】
含ケイ素化合物が、シロキサン類、シラン類、シラザン類、カルボシラン類、又はこれらの混合物である、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
含ケイ素化合物中の反応性官能基が、付加反応性、縮合反応性、開環反応性、又はラジカル反応性の基である、請求項1記載の製造方法。
【請求項4】
含ケイ素化合物が、平均単位式:
(R13SiO1/2)a(R12SiO2/2)b(R1SiO3/2)c(SiO4/2)d
(式中、R1は同じか又は異なり、置換若しくは非置換の一価炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子、エポキシ基含有有機基、アクリル基含有有機基、メタクリル基含有有機基、アミノ基含有有機基、メルカプト基含有有機基、アルコキシ基、又はヒドロキシ基であり、a、b、c、dはそれぞれ0以上、1以下の数であり、かつ、a+b+c+d=1を満たす数であり、但し、a、b、及びcが共に0となることはない。)
で表されるシロキサン類であり、分子中に、ケイ素原子50個あたり1個以上のアルケニル基、水素原子、ハロゲン原子、エポキシ基含有有機基、アクリル基含有有機基、メタクリル基含有有機基、アミノ基含有有機基、メルカプト基含有有機基、アルコキシ基、又はヒドロキシ基を有する、請求項1記載の製造方法。
【請求項5】
硬化性組成物が、脂肪族炭素−炭素不飽和結合を有する含ケイ素化合物、ケイ素原子結合水素原子を有する化合物、およびヒドロシリル化反応用触媒を含む、請求項1記載の製造方法。
【請求項6】
硬化性組成物が、脂肪族炭素−炭素不飽和結合を有するケイ素不含の有機化合物、ケイ素原子結合水素原子を有する化合物、およびヒドロシリル化反応用触媒を含む、請求項1記載の製造方法。
【請求項7】
硬化性組成物が、シラノール基を有する含ケイ素化合物、ケイ素原子結合水素原子を有する化合物および縮合反応用触媒を含む、請求項1記載の製造方法。
【請求項8】
硬化性組成物が、脂肪族炭素−炭素不飽和結合を有する含ケイ素化合物およびラジカル開始剤を含む、請求項1記載の製造方法。
【請求項9】
硬化性組成物が、エポキシ基含有有機基を有する含ケイ素化合物およびエポキシ樹脂用硬化剤を含む、請求項1記載の製造方法。
【請求項10】
オイルがシリコーンオイル又はケイ素不含の有機オイルである、請求項1記載の製造方法。
【請求項11】
オイルの25℃における粘度が1〜100,000,000mPa・sである、請求項1記載の製造方法。
【請求項12】
含ケイ素化合物とオイルの割合が重量比で80:20〜0.1:99.9である、請求項1記載の製造方法。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか1項記載の方法により得られる含ケイ素粒子。
【請求項14】
平均粒子径が5nm〜10μmである、請求項13記載の含ケイ素粒子。
【請求項15】
請求項13又は14記載の含ケイ素粒子とオイルとを少なくとも含むことを特徴とするオイル組成物。
【請求項16】
分子中に、ケイ素原子50個あたり1個以上の反応性官能基を有する含ケイ素化合物を含む硬化性組成物と、該組成物の硬化反応に関与しないオイルとを少なくとも含む均一相中で、前記組成物を硬化反応することにより、前記オイルからの相分離が誘起された含ケイ素粒子又は該粒子と前記オイルの組成物を焼成してなるセラミックの製造方法。
【請求項17】
含ケイ素化合物が、シロキサン類、シラン類、シラザン類、カルボシラン類、又はこれらの混合物である、請求項16記載の製造方法。
【請求項18】
含ケイ素化合物中の反応性官能基が、付加反応性、縮合反応性、開環反応性、又はラジカル反応性の基である、請求項16記載の製造方法。
【請求項19】
含ケイ素化合物が、平均単位式:
(R13SiO1/2)a(R12SiO2/2)b(R1SiO3/2)c(SiO4/2)d
(式中、R1は同じか又は異なり、置換若しくは非置換の一価炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子、エポキシ基含有有機基、アクリル基含有有機基、メタクリル基含有有機基、アミノ基含有有機基、メルカプト基含有有機基、アルコキシ基、又はヒドロキシ基であり、a、b、c、dはそれぞれ0以上、1以下の数であり、かつ、a+b+c+d=1を満たす数であり、但し、a、b、及びcが共に0となることはない。)
で表されるシロキサン類であり、分子中に、ケイ素原子50個あたり1個以上のアルケニル基、水素原子、ハロゲン原子、エポキシ基含有有機基、アクリル基含有有機基、メタクリル基含有有機基、アミノ基含有有機基、メルカプト基含有有機基、アルコキシ基、又はヒドロキシ基を有する、請求項16記載の製造方法。
【請求項20】
硬化性組成物が、脂肪族炭素-炭素不飽和結合を有する含ケイ素化合物、ケイ素原子結合水素原子を有する化合物、およびヒドロシリル化反応用触媒を含む、請求項16記載の製造方法。
【請求項21】
硬化性組成物が、脂肪族炭素−炭素不飽和結合を有するケイ素不含の有機化合物、ケイ素原子結合水素原子を有する化合物、およびヒドロシリル化反応用触媒を含む、請求項16記載の製造方法。
【請求項22】
硬化性組成物が、シラノール基を有する含ケイ素化合物、ケイ素原子結合水素原子を有する化合物および縮合反応用触媒を含む、請求項16記載の製造方法。
【請求項23】
硬化性組成物が、脂肪族炭素-炭素不飽和結合を有する含ケイ素化合物およびラジカル開始剤を含む、請求項16記載の製造方法。
【請求項24】
硬化性組成物が、エポキシ基含有有機基を有する含ケイ素化合物およびエポキシ樹脂用硬化剤を含む、請求項16記載の製造方法。
【請求項25】
オイルがシリコーンオイル又はケイ素不含の有機オイルである、請求項16記載の製造方法。
【請求項26】
オイルの25℃における粘度が1〜100,000,000mPa・sである、請求項16記載の製造方法。
【請求項27】
含ケイ素化合物とオイルの割合が重量比で80:20〜0.1:99.9である、請求項16記載の製造方法。
【請求項28】
含ケイ素粒子の平均粒子径が5nm〜10μmである、請求項16記載の製造方法。
【請求項29】
請求項16乃至28のいずれか1項に記載の方法により得られるセラミック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−516681(P2011−516681A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503638(P2011−503638)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【国際出願番号】PCT/JP2009/057413
【国際公開番号】WO2009/133765
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(000110077)東レ・ダウコーニング株式会社 (338)
【Fターム(参考)】