説明

含浸スポンジ送達系

約45℃から約55℃の融点を有し、(i)カチオン四級界面活性剤、アニオン界面活性剤またはノニオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤または1種の多層液晶乳化剤系、(ii)少なくとも1種の脂肪アルコール、(iii)化粧品として許容し得る油、エステルおよび液体トリグリセリドからなる群から選択される少なくとも1種のエモリエント剤、(iv)少なくとも1種の活性成分を含み、(v)任意成分として約50℃から約70℃の融点を有する固体クレンジング剤を含む固体無水組成物が含浸された実質的に水不溶性の繊維のウェブで構成される軟質の三次元吸水性支持材料から活性成分を湿った基質に送達するための方法。好ましい活性成分は、エモリエント剤、ヒューメクタント剤、コンディショニング剤、サンスクリーンおよびサンブロックならびに人工タンニング剤を含むスキンケアおよびヘアケア活性成分である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンディショニング成分、日焼け防止成分および他の活性成分を皮膚および髪ならびに他の基質に送達するのに有用な含浸スポンジ(infused sponge)に関する。
【背景技術】
【0002】
コンディショニング成分および他の化粧成分ならびにスキンケア成分を適用するためのスポンジ様材料の使用が、当該技術分野で知られている。いくつかの先行技術の製品では、スポンジに所定量の化粧品が含浸される。例えば、米国特許第6,945,253号には、保湿剤(moisturizer)、洗剤、化粧水、メーキャップおよびタンニングムースが含浸された単用化粧アプリケータスポンジが記載されている。(関連する範囲で、この出願に開示されている、授与された米国特許および公開された米国特許出願が全面的に参照により本明細書に組み込まれている。)。ULTAは、メーキャップを適用するのに使用するためのビタミンE含浸スポンジを販売している。2007年5月29日にアクセスされたウェブページ:http://www.ulta.com/control/product/〜product_id=8011258を参照されたい。別の先行技術の製品、すなわちNeutrogenaのアドバンストソリューションMicroDermabrasion系では、化粧組成物をスポンジに適用し、次いで皮膚に適用するか、または直接皮膚に適用する。抗酸化剤およびビタミンを含有するエクスフォリエントクリームをスポンジヘッドアプリケータに適用し、頬、顎および額に点在させる。アプリケータを使用して、クリームを顔部に静かに塗り込む。しかし、先行技術の含浸スポンジには、使用回数、および/または所望の基質(例えば、皮膚または髪)に活性材料を実質的に堆積させるように送達する能力の限界を含む欠陥がある。これらの限界は、本発明の製品によって満たされる。
【0003】
コンディショニングとしてスキンケアおよびヘアケア組成物におけるより一般的には「クアット(quats)」と称する四級カチオン界面活性剤の使用が良く知られている。クアットは、水素分子がアルキル基で置換され、その少なくとも1つが典型的には12から22炭素長の炭化水素鎖であり、残りのアルキル基がメチルであるアンモニウム塩である。多くのクアットにおける対アニオンは、典型的には塩化物イオンであるが、別のハロゲン化物イオンまたは硫酸イオンであってもよい。例えば、Cosmetics & Toiletries、第110巻、第8号、43〜46頁(1995)を参照されたい。パーソナルケア製剤に使用される多くのクアットのなかには、(3つのメチル基および1つのベヘニル基を有する)ベヘントリモニウムメトサルフェート、(2つのステアリル基および2つのメチル基を有する)塩化ジステアリルジモニウムおよび塩化ステアピリウムがある。
【0004】
界面活性剤上の水溶性基および水不溶性基は、それぞれ「頭部」および「尾部」としばしば称する。クアットの調整能力は、長い炭化水素尾部の疎水性および極性頭部上のカチオン電荷に帰することができる。水性環境において、クアットはそれらのイオン成分に分解する。カチオン極性頭部と皮膚および髪のタンパク質上のアニオン電荷との間の静電引力は、炭化水素尾部の親油性と相俟って、クアットが永続性を与え、洗い落としを抑制することを可能にする。
【0005】
米国特許第6,709,663号には、全組成物の0.5重量%から全組成物の約5重量%の使用濃度の四級アミン塩(すなわち、ベヘントリモニウムメトサルフェート)と、脂肪アルコールがベヘントリモニウムメトサルフェートの量の1.5倍から4倍の濃度で存在する脂肪アルコール二次乳化剤(すなわち、セテアリルアルコール)とで構成される多層水中油エマルジョン系からの活性成分の局所送達のための系が教示されている。(他に指定する場合を除いて、百分率は、組成物全体の重量に対する成分の重量百分率に基づく。)。
【0006】
米国特許第6,024,951号には、水がエマルジョンの約40%から約90%を構成するシェービングローションエマルジョンにおける脂肪アルコール(約0.75%から約22.5%の濃度)とベヘニル四級界面活性剤(約0.25%から約7.5%の濃度)との組合せが教示されている。
【0007】
米国特許第5,633,403号および同第5,601,811号には、実質的な水溶性カチオンUV吸収化合物(具体的には、シナミドアミンカチオン四級塩)を含有するパーソナルケアエマルジョンが教示されている。これらの特許に教示されている例のなかには、ベヘントリモニウムメトサルフェートおよび脂肪アルコール(ステアリルアルコール)を含む髪コンディショナー製剤がある。
【0008】
米国特許第5,696,069号には、(i)アシルタウレート界面活性剤、(ii)四級カチオン界面活性剤、(iii)低親水性-低親油性バランス(「HLB」)ノニオン界面活性剤および(iv)水を有する洗剤、パーソナルクレンジングおよび化粧組成物が教示されている。開示されているカチオンクアットのなかには、塩化ジステアリルジモニウムがある。低HLBノニオン界面活性剤は、溶液または分散液の形であることが教示されている。本発明のパーソナルケア製品に含浸された組成物は、アシルタウレート界面活性剤を含有しない。
【0009】
米国特許第6,730,292号および同第6,849,252号には、ゲルマトリックスがカチオン界面活性剤(好ましくは、ジアルキルアミノエチルヒドロキシエチルモニウム塩、ジアルキルアミドエチルジモニウム塩、ジアルキロイルエチルヒドロキシエチルモニウム塩またはジアルキロイルエチルジモニウム塩)、固形脂肪化合物(ステアリルおよびアルコールを含む)および水で構成される洗い流すタイプの髪コンディショナージェルが教示されている。カチオン界面活性剤の脂肪固体に対する比は、好ましくは約1:2から約1:10、より好ましくは約1:3から1:5であることが教示されている。
【0010】
米国特許第5,229,104号には、ジヒドロキシアセトン水溶液を封入した正帯電同心脂質二重層ベシクルを含有する人工タンニングエマルジョン組成物が教示されている。ベシクルは、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(ステアレス-2を含む)、ステロール(コレステロール)および四級アンモニウム化合物(塩化ジステアリルジメチルアンモニウムおよび塩化ステアピリウムを含む)で構成されることが教示されている。ステアレス-20を含む、当業者に良く知られているいくつかの乳化剤の使用が開示されている。
【0011】
先述のパラグラフに記載の先行技術の特許に教示されたエマルジョン系と異なり、本発明のパーソナルケア製品に含浸される固体組成物は、無水物である。
【0012】
米国特許出願公開第2003/0108502号は、湿った髪および/または湿った皮膚に適用して、髪および/または皮膚に残留する水と混合することができる無水髪コンディショニング組成物を対象とする。より詳細には、開示された無水組成物は、(i)疎水性ポリオール(約200から約100,000の分子量を有するポリプロピレングリコール)、(ii)親水性ポリオール(プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物)、(iii) C14-C32脂肪アルコールおよびシリコーンを含むことが教示されている油性コンディショニング剤および(iv)カチオン界面活性剤で構成される髪コンディショナーに関する。好ましいカチオン界面活性剤は、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムおよび塩化ジステアリルジメチルアンモニウムを含むことが教示されている。’502出願公開には、油性コンディショニング成分および疎水性ポリオール担体を含む化粧組成物から期待されるコンディショニング効果を得ることが困難であることが教示され、特定の疎水性ポリオールと親水性ポリオールの対合がより良好な堆積をもたらすため、コンディショニング有益性の観点でより良好な製品効果を与えることが主張されている。本発明のパーソナルケア製品に含浸される固体の無水組成物は、優れたコンディショニング性、ならびに’502出願公開における疎水性ポリオールと親水性ポリオールの対合を使用せずに所望の活性成分を送達する能力を提供する。
【0013】
塩化ステアピリウムは、ヘアケア用途に加えて、40年以上にわたってスキンケア製剤に使用されてきた。第1の当該用途のなかには、1.00%未満の濃度のEmcol-E 607Sを含有するMennenのベービーマジックローションがあった。
【0014】
米国特許6,923,975号および同第7,192,598号には、水相および構造的油相を含む「湿った皮膚」の洗い流すタイプのトリートメント組成物を使用して、水分を増強する、または乾燥を低減する方法であって、後者は、35℃未満で液体の皮膚適合性油(エステル油、炭化水素油およびシリコーン油)と、35℃未満の温度で微細固体の安定した網状組織を形成する構造体とを含む方法が記載されている。
【0015】
送達系マトリックスの一部としてのカチオンコンディショニング剤の使用が当該技術分野で知られている。米国特許第7,208,460号には、固形石鹸から封入活性成分を送達するための疎水性正帯電固体ナノ球体の使用が記載されている。より詳細には、カチオンコンディショニング剤および/またはカチオン電荷ブースタをナノ球体の固体疎水性マトリックスに組み込むことによって、開示のナノ球体の表面に高カチオン電荷密度をもたらすことが教示されている。
【0016】
米国特許第6,998,113号、同第7,001,592号、同第7,025,952号および同第7,037,513号には、シリカまたは改質シリカおよびカチオンポリマー、好ましくはポリクオタニウムで作製されたゾル-ゲルマイクロカプセルに封入されたサンスクリーン活性成分を含有するボディウォッシュ組成物が開示されている。開示の組成物は、該ボディウォッシュで洗浄後に皮膚または髪上にサンスクリーンを堆積させることが主張されている。
【0017】
米国特許第6,362,146号には、(i)アニオン、ノニオン、双性イオンまたはカチオン界面活性剤ならびに石鹸および界面活性剤および/または石鹸の混合物、(ii)ポリマー堆積助剤(カチオン電荷を有するポリマーと定義される)および(iii)天然または合成蝋カプセルに封入されたサンスクリーン活性成分を含有するパーソナル洗浄組成物が教示されている。
【0018】
米国特許第4,969,226号には、W.R. Grace & Co.によってHypolの商品名で従来販売されている親水性ウレタンポリマーのスポンジにおける使用が教示されている。ハイポールポリマーは、水と容易に反応するイソシアネート封止ポリオキシエチレンポリオールであり、米国特許第3,889,417号にさらに記載されている。しかし、それらの製品は、商業的にスケールアップすることが困難である。
【0019】
多層液晶エマルジョン系は、角質層の多層脂質構造に類似する層状液晶を形成する乳化剤系であり、当業者に知られている。それらは、Seppic Inc.のMontanov(登録商標)68(INCl:セテアリルアルコールおよびセテアリルグルコシド)およびMMP Inc.のCrystalcast(登録商標)(INCl:セテアリルアルコール、ジステアリン酸スクロースおよびモノステアリン酸スクロース)を含む。後者は、PCT/US2005/013023に記載されている。
【0020】
水中油エマルジョンにおける層状相形成を促進するための固体脂肪アルコールの使用が当該技術分野で知られている。例えば、New Paradigm Technologies「Biobase(商標)S:製品情報(BiobaseyTMS: Product Information)」、p.1(日付無し)(ステアリン酸グリセリル、セテアリルアルコールおよびステアロイル乳酸ナトリウムの組合せ); International Specialty Products、「スキンケア用Prolipid(商標)141(ProlipidTM 141 For Skin Care)」、pg.2(1999年4月)(ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸、パルミチン酸およびレシチンからなる乳化剤系における層状相の形成に役立つベヘニル、ラウリル、ミリスチルおよびセチルアルコールの使用);Seppic, Inc.、「Montanov:自然と調和する乳化剤(Montanov: Emulsifiers in Harmony with Nature)」、p. 1(2000年7月)(固体脂肪アルコールとグルコシドの組合せ)を参照されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、湿った基質、好ましくは湿った皮膚または湿った髪(すなわち、洗浄後)に適用するためのコンディショニング/保湿成分および/または他の活性成分が含浸されたスポンジおよび同様の軟質の三次元吸水性支持材料を対象とする。スポンジに含浸された固体無水組成物を基質上に残留する水と混合することによって、所望の消費者ニーズ(例えば、保湿、紫外線からの保護、人工日焼けの付与)を満たすのに十分な時間にわたって、基質に対して実質的で、かつ基質上に残留するエマルジョンを形成する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の一態様は、パーソナルケア製品から湿った皮膚または湿った髪に活性成分を送達するための方法であって、湿った髪または湿った皮膚と、約45℃から約55℃の融点を有し、(i)カチオン四級界面活性剤、アニオン界面活性剤およびノニオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤、(ii)化粧品として許容し得る油、エステルおよび液体トリグリセリドからなる群から選択される少なくとも1種のエモリエント剤(emollient)、(iii)少なくとも1種、好ましくは2種の脂肪アルコール、(iv)少なくとも1種のスキンケアまたはヘアケア活性成分を含み、(v)任意成分として約55℃から約70℃の融点を有する固体クレンジング剤を含むで構成される固体無水組成物が含浸された軟質三次元吸水性支持材料(substrate material)とを接触させることを含む方法を対象とする。
【0023】
本発明の別の態様は、パーソナルケア製品から湿った皮膚または湿った髪に活性成分を送達するための方法であって、湿った髪または湿った皮膚と、約45℃から約55℃の融点を有し、(i)少なくとも1種の多層液晶乳化剤系、(ii)少なくとも1種、好ましくは2種のノニオン界面活性剤、(iii)少なくとも1種、好ましくは2種の脂肪アルコール、(iv) 化粧品として許容し得る油、エステルおよび液体トリグリセリドからなる群から選択される少なくとも1種のエモリエント剤、(v)少なくとも1種のスキンケア活性成分を含み、(vi)任意成分として注入可能石鹸(pourable soap)を含む異なる固体無水組成物が含浸された軟質の三次元吸水性支持材料とを接触させることを含む方法を対象とする。
【0024】
本発明の一態様は、パーソナルケア製品から湿った皮膚または湿った髪に活性成分を送達するための方法であって、湿った髪または湿った皮膚と、約45℃から約55℃の融点を有し、(a)カチオン四級界面活性剤、アニオン界面活性剤およびノニオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤、または少なくとも1種の多層液晶乳化剤系、(b)少なくとも1種、好ましくは2種の脂肪アルコール、(c)化粧品として許容し得る油、エステルおよび液体トリグリセリドからなる群から選択される少なくとも1種のエモリエント剤、(d)少なくとも1種のスキンケアまたはヘアケア活性成分を含み、(e)任意成分として約50℃から約70℃の融点を有する固体クレンジング剤を含む固体無水組成物が含浸された実質的に水不溶性の繊維のウェブで構成される軟質の三次元吸水性支持材料とを接触させることを含む方法を対象とする。
【発明を実施するための形態】
【0025】
軟質の三次元吸水性支持材料
本発明のパーソナルケア製品に使用するのに好適な軟質の三次元吸水性支持材料は、当業者に良く知られており、いくつかの供給源から市販されている。吸水性支持材料は、天然、合成、またはその両方であってもよい。それらは、織物材料、不織材料、ポリウレタン(連続気泡および独立気泡の両方とも)、スポンジまたは上記材料の混合物を含むことができる。本出願の目的のために、本発明のクレンジング製品に使用するのに好適な支持材料は、「スポンジ様材料」とも称する。
【0026】
好適な天然繊維としては、木材パルプ繊維および木綿のようなセルロース繊維が挙げられるが、それらに限定されない。好適な合成繊維としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびポリエーテルならびにそれらの組合せを含むが、それらに限定されない繊維素材に広く使用される繊維が挙げられる。「合成繊維」という用語には、化学的、物理的、または化学的かつ物理的にさらに改質された天然材料から主として得られる繊維が含まれる。例えば、化学的に改質された天然セルロース系繊維であるレーヨンを本発明に使用することもできる。
【0027】
本発明の1つの好ましい実施形態において、吸水性支持材料は、構造および外観がスポンジ様の不織のバルキー性の高いバット材料(non-woven high loft batting material)である。これらの材料は、その製造方法を含めて、米国特許出願公開第2005/0125877にさらに記載されている。
【0028】
本発明における吸水性支持材料としての使用に好適な他の材料としては、米国特許第6,984,617号および6,547,063号に記載されている不織材料およびポリマースポンジが挙げられる。
【0029】
当業者が理解するように、圧縮性(抵抗性)、密度および多孔性は、少なくとも1種のスキンケアまたはヘアケア活性成分および随意の固体クレンジング剤の軟質の三次元吸水性支持材料による吸収に影響を及ぼす。これらのパラメータは、次に、パーソナルケア製品の大きさおよび形状に影響を及ぼすことになる。抵抗は、約2.5kPaから約3.5kPa(1.5から3psi)であり得る。密度は、約30 kg/m3から約35 kg/m3であり得る。支持材料は、網状(オープン)孔および非網状(クローズド)孔のいずれで構成されてもよいが、前者が好ましい。孔サイズは、1cm2当たり約1から40孔であり得る。
【0030】
固体無水組成物
本発明の第1の態様は、スポンジ様材料に含浸され、約45℃から約55℃の融点を有し、少なくとも1種のカチオン四級界面活性剤で構成される固体無水組成物を湿った基質に送達することを対象とする。
【0031】
本発明のこの態様の1つの好ましい実施形態において、少なくとも1種のカチオン四級界面活性剤は、実験式C25H54N-CH3O4Sを有し、以下の構造に従う四級アンモニウム塩であるベヘントリモニウムメトサルフェートである。
【化1】

それは、Croda, Inc.の商品名Incroquat Behenyl TMS-50のセテアリルアルコールとの50%活性混合物を含めて、多数の供給源から入手可能である。本発明において、ベヘントリモニウムメトサルフェートは、活性ベースで(on an active basis)約1.5%から約6%の濃度で使用される。
【0032】
本発明のこの態様の別の好ましい実施形態において、少なくとも1種のカチオン四級界面活性剤は、実験式C38H80N-Clを有し、以下の構造に従う四級アンモニウム塩である塩化ジステアリルジモニウムである。
【化2】

それは、DegussaのVarisoft TA100を含めて多くの供給源から市販されている。本発明において、塩化ジステアリルジモニウムは、約3%から約12%の濃度で使用される。
【0033】
本発明のこの態様のさらに別の好ましい実施形態において、少なくとも1種のカチオン四級界面活性剤は、実験式C27H47N2O3-Clを有し、以下の構造に従う四級アンモニウム塩である塩化ステアピリウムである。
【化3】

それは、WitcoのEmcol 607Sを含めて多数の供給源から市販されている。本発明において、塩化ステアピリウムは、活性ベースで約0.5%から約4%の濃度で使用される。
【0034】
他のカチオン四級界面活性剤を本発明のこの態様の固体無水組成物に使用することができる。これらは、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれているAnthony J. O’Lenick, Jr. Surfactants: Strategic Personal Care Ingredients(Allured Publishing、2005)に記載されているアルキルアミドクアット、イミダゾリンクアットおよびポリマークアットを含む。他の好適なカチオン四級界面活性剤は、その開示内容も参照により本明細書に組み込まれているMcCutcheon's Detergents and Emulsifiers (1986)に記載されている。
【0035】
本発明のこの態様による1つの好ましいアルキルアミドクアットは、UniqemaからMonaquat PTCとして市販されており、以下の構造に従うコカミドプロピルPGジモニウムクロリドリン酸である。
【化4】

【0036】
本発明のこの態様による別の好ましいアルキルアミドクアットは、UniqemaからMonaquat PTLとして市販されており、以下の構造に従うラウラミドプロピルPGジモニウムクロリドリン酸である。
【化5】

【0037】
コカミドプロピルおよびラウラミドプロピルPGジモニウムクロリドリン酸を約0.5%から約2.5%の濃度で本発明の固体無水組成物に使用するのが好ましい。
【0038】
好ましい四級イミダゾリンは、約0.5%から約2.5%の濃度で本発明の固体無水組成物に使用できるベヘニルヒドロキシエチルイミダゾリンである。
【0039】
好ましいポリマー四級化合物は、約0.5%から約3%の濃度で本発明の固体無水組成物に使用できるAmercholの商品名Polymer JR-125として入手可能なPolyquaterinum 10である。この実施形態において、Polyquaternium 10は、少なくとも1種のノニオン界面活性剤と併用される。
【0040】
本発明の第2の態様は、スポンジ様材料に含浸され、約45℃から約55℃の融点を有し、少なくとも1種の多層液晶乳化剤系で構成される固体無水組成物を湿った基質に送達することを対象とする。
【0041】
好ましい多層液晶乳化剤系は、少なくとも約45℃の融点を有する少なくとも1種の固体脂肪アルコールと、第1のスクロースエステルが約10から約16のHLBを有し、第2のスクロースエステルが約2から約8のHLBを有する2つのスクロースエステルとの混合物である、MMP Inc.のCrystalcast(登録商標)である。この多層液晶乳化剤系は、PCT/US2005/013023に記載されている。
【0042】
本発明の第1の態様の好ましい実施形態において、少なくとも1種のノニオン界面活性剤は、以下の式に従うアルキルポリアルキレングリコールエーテルである。
【0043】
R-O-(CH2 -CH2 -O)n-H (式6)
(式中、Rは、C6〜C22アルキルであり、nは、1から40、好ましくは1から20の整数である。)。より詳細には、アルキルポリアルキレングリコールエーテルは、酸化エチレンおよび/または酸化プロピレンの一級アルコールへの酸触媒、または好ましくは塩基触媒付加によって得られる。
【0044】
本発明の無水組成物に使用するのに好適な好ましいアルキルポリアルキレングリコールエーテルは、平均で1から20モルの酸化エチレンおよび/または酸化プロピレンと、1モルの以下のアルコール:カプロンアルコール、カプリルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セテアリルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、リノリルアルコール、リノレニルアルコール、エラエオステアリルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコールおよびベヘニルアルコールとの付加物である。
【0045】
本発明の無水組成物に使用するのに好適な1つの特に好ましいアルキルポリアルキレングリコールエーテルは、以下の式に従うセチルアルコールのポリエチレングリコールエーテルである。
【0046】
CH3(CH2)14 CH2(OCH2CH2)nOH (式7)
(式中、nは、平均値が2から20である。)。
【0047】
本発明の固体無水組成物に使用するのに好適な別の特に好ましいアルキルポリアルキレングリコールエーテルは、以下の式に従うセテアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテルである。
【0048】
R(OCH2CH2)nOH (式8)
(式中、Rは、セチルおよびステアリルアルコールから誘導されるアルキル基の混合物であり、nは、平均値が2から20である。)。
【0049】
本発明の無水組成物に使用するのに好適なさらに別の特に好ましいアルキルポリアルキレングリコールエーテルは、以下の式に従うステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテルである。
【0050】
CH3(CH2)14(OCH2CH2)nOH (式9)
(式中、Rは、セチルおよびステアリルアルコールから誘導されるアルキル基の混合物であり、nは、平均値が2から20である。)。
【0051】
さらにより好ましい実施形態において、本発明の固体無水組成物は、セチル、セテアリルおよびステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテルからなる群から選択される2種のノニオン界面活性剤で構成される。
【0052】
特に好ましい実施形態において、本発明の固体無水組成物は、それぞれnが2および20である式9によるステアリルアルコールの2つのポリエチレングリコールエーテルであるステアレス-2およびステアレス-20で構成される。
【0053】
好ましくは、ノニオン界面活性剤は、固体無水組成物の約2重量%から約12重量%の濃度で存在する。
【0054】
ステアレス-2およびステアレス-20を含む特に好ましい実施形態において、ステアレス-2は、約0.5%から約4.0%の濃度で存在し、ステアレス-2は、約2.0%から約8.0%の濃度で存在する。
【0055】
本発明のパーソナルケア製品に含浸される固体無水組成物は、好ましくは約10%から約50%の濃度の少なくとも1種の脂肪アルコールをさらに含む。本出願に用いられる場合、脂肪アルコールとは、8個から20個の炭素原子を有する、直鎖状である場合が最も多い一級アルコールを指す。8個から11個の炭素原子を有する脂肪アルコールは、油状液体として生じるが、12個以上の炭素原子を有する脂肪アルコールは固体である。
【0056】
本発明に使用するのに好適な好ましい固体脂肪アルコールは、ステアリルアルコール、セテアリルアルコールおよびセチルアルコールである。
【0057】
本発明の特に好ましい実施形態は、2種の固体脂肪アルコールを固体無水組成物の約55重量%から約80重量%の複合濃度で有する固体無水組成物を対象とする。
【0058】
本発明の特に好ましい実施形態は、ステアリルアルコール、セテアリルアルコールおよびセチルアルコールからなる群から選択される2種の固体脂肪アルコールを固体無水組成物の約55重量%から約80重量%の複合濃度で有する固体無水組成物を対象とする。
【0059】
本発明のパーソナルケア製品に含浸される固体無水組成物に使用するのに好適な他のノニオン界面活性剤としては、O’Lenick, Surfactants: Strategic Personal Care Ingredients (Allured Publishing 2005 and McCutcheon's Detergents and Emulsifiers (1986)に開示されているアルカノールアミド、エトキシル化アミド、エステル、アルコキシル化トリグリセリド、アルキルポリグルコシド、酸化アミン、ソルビタンエステルおよびエトキシレートが挙げられる。
【0060】
本出願の発明に使用するのに好適な好ましいアニオン界面活性剤としては、脂肪アルコールサルフェート、アルファオレフィンスルホネート、サルコシネート、およびイセチオネートが挙げられる。特に好ましいアニオン界面活性剤は、典型的には約1%から約5%の濃度のトリエタノールアミンステアレート、セテアリル硫酸ナトリウム、トリエタノールアミンステアリルサルコシネートおよびココイルイセチオン酸ナトリウムである。
【0061】
本発明のパーソナルケア製品に含浸される固体無水組成物は、少なくとも1種の化粧品として許容される油、エステルまたは液体トリグリセリドをも含有する。これらの成分の1種または複数種を固体無水組成物に含めると、エモリエント性が提供されるのに加えて、当該技術分野の配合者が、固体無水組成物の融点を含浸に応じた所望の温度範囲(例えば、約45℃から55℃)に調整することを可能にするのに役立つ。
【0062】
好ましい液体トリグリセリドは、ヤシ油&パーム核油から誘導されるグリセリンおよびカプリルおよびカプリン脂肪酸の混合トリエステルであるカプリル/カプリントリグリセリドである。
【0063】
化粧品として許容し得るエステルは、当業者に良く知られており、ラウリン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、オレイン酸エステル、ステアリン酸エステル、イソステアリン酸エステル、ヤシ脂肪酸エステルおよび安息香酸エステルを含む。
【0064】
本発明の一態様において、パーソナルケア製品に含浸される固体無水組成物は、固体クレンジング剤をさらに含む。
【0065】
本発明のこの態様の一実施形態において、パーソナルケア製品は、2つのスポンジ半体で構成され、各半体に異なる材料(例えば、注入可能石鹸、スキンケア活性成分を含有する固体無水組成物)が含浸され、2つのスポンジが互いに接合、結合、接着、締結あるいは固定される。2つのスポンジ半体を、熱および/または圧力を直接適用することによって、互いに固定することができる。あるいは、圧力もしくは熱またはその両方を適用すると、第2のスポンジ半体と反応することが可能な第1のスポンジ半体に接着材を塗布することができる。
【0066】
本発明のこの態様の第1の実施形態において、固体クレンジング剤は、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸からなる群から選択される飽和脂肪酸のアルカノールアミン塩である。
【0067】
本発明のこの態様の好ましい実施形態は、含浸固体無水組成物が、固体クレンジング剤として、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸またはそれらの混合物のトリエタノールアミン石鹸を含むパーソナルケア製品を対象とする。
【0068】
本発明のこの態様の第2の実施形態において、固体クレンジング剤は、注入可能石鹸である。石鹸製造技術の当業者に理解されるように、石鹸は、一般には、脂および/または油と、苛性ソーダ(水酸化ナトリウムもしくは灰汁)またはカリ(水酸化カリウム)とを特定の量で混合して鹸化、すなわち脂および/または油のそれらの成分の脂肪酸およびグリセリンへの分解を生じさせることによって製造される。次いで、「塩析」によって、または高圧下および高温下で水を使用して、油相に遊離脂肪酸を、水相にグリセリンを生成させるデバイスである脂肪分配器(fat splitter)を介して、グリセリンを脂肪酸から分離させる。例えば、水中で煮沸する、または石鹸を塩で再析出させることによって、得られた粗製石鹸を精製することができる。このようにして、残留するグリセリン、塩化ナトリウムおよび水酸化ナトリウムを除去する。次いで、粗製石鹸を乾燥させ、圧縮して、水分含有量が10%から20%の小さい固体ペレットにする。次に、これらのペレットを、固形石鹸を含むパーソナルケア製品に加工する。
【0069】
本出願に特許請求されている「注入可能石鹸」は、先述のパラグラフに記載の「石鹸」と異なる。注入可能石鹸は、遊離したグリセリンを除去せずに、油脂から製造される。それらは、粗製石鹸の(グリセリンとの)混合物であり、追加的なグリセリン、糖、グリコールならびに少量の界面活性剤および/またはアルコールを含む添加物が添加される。これらの追加的な成分は、脂肪酸塩とともに、以下に記載するように注入性(pourability)および溶融性を与える。含浸可能石鹸のサンプル製剤が、米国特許出願公開第2006/0282966号のパラグラフ[0055]〜[0061]に記載されている。
【0070】
本発明による注入可能石鹸は、約50℃未満の温度で固体である。50℃を超える温度(一般には、約50℃から約70℃)まで加熱すると、注入可能石鹸は、溶融して液体になる。この融点範囲未満の温度まで冷却すると、注入可能石鹸は、組成が有意に変化することなく、固体に再構成される。対照的に、上記の石鹸は、高温でも融解しない。その代わり、分解、炭化または燃焼する。「組成が有意に変化することなく」という語句は、水分がわずかに減少することを除いて、注入可能石鹸の化学組成が、溶融/冷却前後で実質的に同じであることを意味する。
【0071】
本発明に特許請求されるようにしてスポンジ様材料に組み込まれなくても、注入可能石鹸は、以下に記載の発泡試験法に従って試験された場合に硬水で実質的に泡を生じない。この試験の目的のために、「実質的に無泡」とは、0から5mlの目盛付シリンダーにおける泡の高さを指す。泡とは、液体中または液体の表面上に形成する複数の気泡を指す。
【0072】
当業者に理解されるように、「硬水」とは、通常は高量の二価および三価金属イオン、主に炭酸塩の形のカルシウムおよびマグネシウムからなる特定の鉱物成分を有する水を指す。硬水は、他の金属イオン(例えば鉄イオン)ならびに他のアニオン(例えば、塩化物イオンおよび硫酸イオン)を含むこともできる。米国内務省(DOI)は、例えば、水中の鉱物のグレインパーガロン(grains per gallon)濃度(「gpg」)に基づいて水の硬度を分類してきた。DOIスキームでは、鉱物含有量が7.0から10.5gpg(およそ120〜180ppm)の水を硬水と定義する。本発明の目的のために、「硬水」は、二価または三価のカチオン塩の濃度が少なくとも約120mg/Lである水と定義される。次のパラグラフに記載される発泡試験の目的のために、「硬水」とは、200ppmの二価の塩(すなわち、カルシウムまたはマグネシウムの塩)を含有する水を指す。
【0073】
発泡試験法:必要に応じて熱を利用して、3グラムの石鹸を97mlの蒸留水に溶解させることによって、試験すべき注入可能石鹸の3%溶液を調製する。5mlの3%石鹸溶液を500mlの共栓目盛付シリンダーに入れる。約100mlの硬水を添加する。ピペットで1mlのオリーブ油(合成皮脂の単純な代用)を添加し、撹拌せずに、250mlの最終シリンダー容量を達成するのに十分な量の硬水を添加する。目盛付シリンダーを25秒以内に静かに10回逆転させ、5秒間放置し、泡の高さを読み取る。注入可能石鹸は、実質的に泡を生成しない。対照的に、硬水の代わりに蒸留水で上記実験を繰り返すと、注入可能石鹸は、有意に測定可能な量の泡を生成する。「有意に測定可能」とは、目盛付シリンダーにおける少なくとも50mlの泡の高さを指す。
【0074】
注入可能石鹸の3%溶液を調製し、ブレンダまたは当業者に知られている同様の混合装置で1分間混合した後に100mlの溶液によって生成された泡の量を(mm単位で)測定することによって、泡の高さおよび質を測定し、特性決定することができる。
【0075】
注入可能石鹸クレンジング製品によって生成される泡またはその欠如を測定するための他の手法は、当業者に知られており、ASTM D1173-53(2001)として公開され、あるいはRoss-Miles発泡試験として知られる「界面活性剤の発泡特性の標準試験法」を含む。
【0076】
本発明に特許請求されているようにスポンジ様材料に組み込まれた注入可能石鹸によって生成される泡の質を消費者試験パネルで測定することもできる。
【0077】
本発明のさらに別の態様は、実質的に水不溶性の繊維のウェブに含浸される固体無水クレンザー組成物であって、固体無水組成物は、約45℃から約55℃の融点を有し、(i)セチルアルコール、セテアリルアルコールおよび/またはステアリルアルコールの少なくとも2種のポリエチレングリコールエーテルの混合物、(ii)セチルアルコール、セテアリルアルコールおよびステアリルアルコールからなる群から選択される少なくとも2種の脂肪アルコールの混合物、(iii)液体トリグリセリドおよび(iv)鉱油で構成される固体無水クレンザー組成物を対象とする。
【0078】
本発明のさらなる態様は、実質的に水不溶性の繊維のウェブに含浸される固体無水クレンザー組成物であって、固体無水クレンザーは、約45℃から約55℃の融点を有し、(i)セチルアルコール、セテアリルアルコールおよび/またはステアリルアルコールの少なくとも2種のポリエチレングリコールエーテルの混合物、(ii)セチルアルコール、セテアリルアルコールおよびステアリルアルコールからなる群から選択される少なくとも2種の脂肪アルコールの混合物、(iii)液体トリグリセリドおよび(iv)鉱油で構成される固体無水クレンザー組成物を対象とする。本発明のこの態様の好ましい実施形態において、液体トリグリセリドは、カプリル/カプリントリグリセリドである。
【0079】
本発明のさらに別の態様は、実質的に水不溶性の繊維のウェブに含浸される固体無水クレンザー組成物であって、固体無水クレンザーは、約45℃から約55℃の融点を有し、(i)室温で固体の化粧品として許容し得るエステル、(ii)液体トリグリセリドおよび(iii)鉱油で構成される固体無水クレンザー組成物を対象とする。本発明のこの態様の好ましい実施形態において、室温で固体の化粧品として許容し得るエステルは、イソノナン酸イソノニルであり、液体トリグリセリドは、カプリル/カプリントリグリセリドである。
【0080】
本発明のさらなる態様は、実質的に水不溶性の繊維のウェブに含浸される固体無水サンスクリーン組成物であって、45℃から60℃の融点を有し、(i)化粧品として許容し得るエステル、(ii)少なくとも1種のゲル化剤および(iii)少なくとも2種の有機サンスクリーンの組合せで構成される固体無水サンスクリーン組成物を対象とする。
【0081】
本発明のこの態様の好ましい実施形態において、少なくとも1種のゲル化剤は、シリコニルポリエチレンである。
【0082】
本発明のこの態様の好ましい実施形態において、45℃から60℃の融点を有する固体無水サンスクリーン組成物は、(i)少なくとも1種のゲル化剤、(ii)少なくとも2種の有機サンスクリーンの組合せおよび(iii)有機サンスクリーンの結晶化を阻害する薬剤で構成される。有機サンスクリーンの結晶化を阻害する好ましい薬剤は、Koster KeunenからヒドロキシポリエステルK-82Pとして入手可能なヒドロキシポリエステルである。
【0083】
スキンケアおよびヘアケア活性成分
局所適用に好適な多くのスキンケアおよびヘアケア活性成分-パーソナルケア(化粧およびOTC)および皮膚用(すなわち薬用Rx)製品の両方-を本発明の固体無水組成物に添加することによって、本発明のパーソナルケア製品に含浸し、該製品から送達することができる。
本発明の一態様は、エモリエント剤、ヒューメクタント剤(humectant)(ポリオール)および閉塞性コンディショニング剤(occlusive conditioning agent)(ペトロラタムおよびジメチコーン)を含むが、それらに限定されない、皮膚上の水分の保持率および/または皮膚弾力性を向上させ、経皮水分損失を低減するのに役立つスキンケア活性成分の送達を対象とする。カプリン/カプリルトリグリセリドは、1つの好ましいエモリエント剤である。
【0084】
本発明の別の態様は、局所的抗炎症剤、酸化防止剤、ビタミンおよびその誘導体、皮膚鎮静剤ならびに皮膚ブリーチング(bleaching)/ライトニング(lightening)剤を含むが、それらに限定されない、小じわ(fine line)、皺、および生物学的老化または環境誘発老化に伴う他の状態の出現を抑制し、かつ/またはその形成を防止するのに役立つスキンケア活性成分を皮膚に送達することを対象とする。
【0085】
本発明のさらに別の態様は、セルフタンニング剤(例えば、ジヒドロキシアセトン)を皮膚に送達することを対象とする。
【0086】
本発明のさらに別の態様は、サンスクリーン(sunscreen)または物理的サンブロック(physical sunblock)を皮膚に送達することを対象とする。以下のサンスクリーンおよびサンブロックを本発明の無水組成物に使用することができる。15%までのp-アミノ安息香酸;3%までのアボベンゾン;3%までのシノキセート;3%までのジオキシベンゾン;15%までのホモサレート;5%までのアントラニル酸メンチル;10%までのオクトクリレン;7.5%までのオクチルメトキシシンナメート(オクチノキセート);5%までのサリチル酸オクチル;6%までのオキシベンゾン;8%までのパジメートO;4%までのフェニルベンズイミダゾールスルホン酸(エンスリゾール);10%までのスリソベンゾン;25%までの二酸化チタン;12%までのサリチル酸トロラミン;25%までの酸化亜鉛。上記サンスクリーンおよび使用濃度は、本出願の出願時に米国食品医薬品局に承認されている。FDAまたは他国における該当機関によって検討されているもの、および/または米国以外の国で承認されたものを含む他のサンスクリーンおよびサンブロックも本発明の無水組成物に含めるのに好適である。
【0087】
本発明のパーソナルケア製品に含浸される固体無水組成物に添加することができるスキンケア活性成分およびヘアケア活性成分のさらなる例が、the Cosmetic Fragrance and Toiletry Associationによって出版された国際化粧品辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)(第11版)ならびに米国特許第6,492,326号、同第6,277,892号および同第6,974,799号および米国特許出願第2005/0142095号および同第2004/0180020号に掲載されている。
【0088】
防腐剤系
本発明のパーソナルケア製品に含浸され、該製品から送達される固体無水組成物は、当業者に良く知られており、例えば、David C. Steinberg、Preservatives for Cosmetics(Allured Publishing、2006)に開示されている1種または複数の防腐剤(すなわち抗菌剤)を所望により含有する。
【0089】
本発明の固体無水組成物に使用するのに好適な1つの防腐剤系は、ISP(ニュージャージ州Wayne)からLiquipar PEの商品名で市販されているパラベン(イソプロピルパラベン、イソブチルパラベンおよびブチルパラベン)およびフェノキシエタノールの組合せである。
【0090】
別の好適な防腐剤は、以下の式に従う多数の長鎖基を有するジエステルホスファチドで主に構成されるリン脂質複合体であるArlasilkリン脂質PTCである。
【化6】

【実施例】
【0091】
以下の実施例は、本発明をさらに例示する。構成要素および具体的な成分は、典型として示されており、本発明の範囲内で、先述の開示に鑑みて様々な変更を導くことができる。
【0092】
(実施例1)
固体無水エモリエント剤組成物
【表1】

【0093】
約65℃で、脂肪アルコール(セチルおよびステアリル)、ノニオン界面活性剤(ステアレス-2およびステアレス-20)、閉塞性コンディショニング剤(ペトロラタム)および液体トリグリセリド(カプリル/カプリントリグリセリド)を溶融し、静かに撹拌しながら均一になるまで混合する。カチオン四級界面活性剤(Incroquat TMS)を添加する。防腐剤(フェノキシエタノール+パラベン)を添加する。冷却させて固化させる。
【0094】
(実施例2)
固体無水エモリエント剤組成物
【表2】

【0095】
Incroquat TMSの代わりにVarisoft TA100を代用した以外は実施例1と同様の手順。
【0096】
(実施例3)
固体無水エモリエント剤組成物(多層液晶乳化剤)
【表3】

【0097】
Incroquat TMSの後にCrystalcastを添加した以外は実施例1と同様の手順。
【0098】
(実施例4)
固体無水エモリエント剤組成物(多層液晶乳化剤)
【表4】

【0099】
Incroquat TMSの後にCrystalcastを添加した以外は実施例1と同様の手順。
【0100】
(実施例5)
固体無水エモリエント剤組成物
【表5】

【0101】
Incroquat TMSの代わりに塩化ステアピリウムを代用した以外は実施例1と同様の手順。
【0102】
(実施例6)
固体無水サンスクリーン組成物
【表6】

【0103】
防腐剤の前に無機サンスクリーンを添加した以外は実施例1と同様の手順。
【0104】
(実施例7)
固体無水サンスクリーン組成物
【表7】

【0105】
実施例1と同様の初期手順。個別の容器において、約70℃の温度で、ホモサレート、オクチサレートおよびオクチクリレンを混合する。このサンスクリーンの混合物に対して、オキシベンゾンを添加し、溶融させ、混合する。次いで、アボベンゾンを添加し、溶融させ、混合する。四級界面活性剤+ノニオン界面活性剤+脂肪アルコール混合物の混合物をサンスクリーン混合物と混合する。冷却させる。
【0106】
(実施例8)
固体無水オートブロンザー(autobronzer)組成物
【表8】

【0107】
主要容器おいて、約65℃の温度で、四級およびノニオン界面活性剤とエステル(Finsolv TN)を均一になるまで混合する。主要容器を約45℃の温度まで冷却させる。個別の容器において、約40〜45℃の温度で、DHAをグリセリンに分散させる。主要容器のDHA分散物を混合し、約45℃に保持する。防腐剤を添加する。均一になるまで混合する。冷却させて、固化させる。
【0108】
(実施例9)
固体無水スキンクレンザー組成物(アニオン/ノニオン乳化剤)
【表9】

【0109】
すべての成分を約65℃の温度で溶融させ、均一になるまで混合する。冷却させて、固化させる。
【0110】
(実施例10)
固体無水スキンクレンザー組成物(ノニオン乳化剤)
【表10】

【0111】
すべての成分を約65℃の温度で溶融させ、均一になるまで混合する。冷却させて、固化させる。
【0112】
(実施例11)
サンスクリーンエステル無水固体組成物
【表11】

【0113】
A部の成分を約65℃で混合し、融解させる。B部のサンスクリーン成分を実施例7のように混合する。A部とB部を混合する。冷却させて、固化させる。
【0114】
(実施例12)
無水固体エステル/鉱油混合物
【表12】

【0115】
すべての成分を65℃の温度で溶融させ、均一になるまで混合する。冷却させて、固化させる。
【0116】
実施例−含浸物製造
当業者に認識されるように、様々な異なる方法および装置を用いて、本発明の固体無水組成物を実質的に水不溶性の繊維のウェブ(例えばスポンジパッド)に含浸することができる。本発明に用いられるように、「含浸する(infuse)」および「含浸(infusion)」という用語は、浸漬(dipping)/液浸(soaking)、噴霧(spraying)、注射(injection)、ミスチング(misting)および当該技術分野で知られている類似の方法を指す。以下の実施例の目的のために、実質的に水不溶性の繊維のウェブは、スポンジと称する。
【0117】
一実施形態において、固体無水組成物を、電気またはガス燃焼加熱素子によって、ケトルまたは同様の容器内で、約40℃から約80℃、好ましくは約40℃から45℃から約70℃の温度まで加熱し、溶融した(すなわち注入可能の(pourable))形でその温度に維持する。あるいは、固体無水組成物を他の場所で加熱して溶融した形とし、管を介して容器に移送することができる。1つまたは複数のスポンジを、溝がついていてもよい籠に配置し、溶融無水組成物内に沈めてスポンジを無水組成物に浸し、それを吸収させる。
【0118】
スポンジを浸す持続時間(浸漬時間)を変更して、スポンジに吸収される溶融無水組成物の量を制御することができる。浸漬時間は、約5から50秒とすることができ、好ましい実施形態では10秒未満である。当業者が容易に理解するように、スポンジの外部のみに実質的にコーティングしたい場合は浸漬時間をより短くすることができ、スポンジの内部繊維のコーティングを可能にするために時間をより長くすることもできる。スポンジにおける繊維のコーティングの程度(すなわち量)を制御するのに用いることができる他の要因としては、溶融無水組成物の粘度、スポンジの多孔度および孔径、スポンジの材質等を変更することが挙げられる。
【0119】
好ましくは、スポンジを溶融無水組成物に浸漬する前に圧縮する。スポンジ材料の違いを考慮して、圧縮率を調整することができる。一実施形態において、スポンジを籠における上部圧搾板と下部圧搾板の間に挟んで圧縮する。(例えば2つの板を離すことによって)圧力を徐々に緩めると、スポンジは、溶融無水組成物を吸収する。浸漬過程を通じてスポンジを数回圧縮して、余剰の空気を除去することができる。板を介して指定量の圧力をスポンジに適用すると、スポンジによる溶融無水組成物の実測吸収が可能になる。
【0120】
浸漬後、籠を引き上げて、ぬれたスポンジを溶融無水組成物から取り出す。一実施形態において、余剰の溶融無水組成物をスポンジから追い出す。別の実施形態において、スポンジを圧搾して、余剰の石鹸を抽出する。スポンジを圧搾する持続時間および回数は、スポンジ材料の性質およびその物性(多孔度、密度等)に応じて異なる。次いで、圧搾スポンジを乾燥/冷却領域に移し、その間に溶融無水組成物が再固化する。一実施形態において、冷却/乾燥工程は、強制的に乾燥することをせずに室温で行われて、余剰の水が除去される。あるいは、誘発的な人工冷却および/または強制的な空気乾燥工程を利用することができる。
【0121】
他の実施形態において、注射または噴霧によってスポンジ含浸を行う。前者の方法では、複数の注射器(例えば、中空針)をスポンジに挿入する。注射器を通じて溶融無水組成物をスポンジに吸い込ませる。注射深さ、ポンピング出力/速度およびポンピング温度を変更して、スポンジに含浸される溶融無水組成物の量を制御することができる。後者の方法では、複数のスプレーノズルを通じて溶融無水組成物を噴霧する。噴霧される溶融無水組成物の容量、粘度および温度、ならびに噴霧圧力およびスポンジの材質は、スポンジに吸収される溶融無水組成物の量を制御するために調整できるパラメータに属する。
【0122】
米国特許出願公開第2006/0282966号のパラグラフ[0069]〜[0117]ならびにそれらのパラグラフに言及されている添付の図1〜21に記載されている、溶融クレンジング剤をスポンジに含浸するための方法および装置は、本発明の無水組成物のスポンジへの含浸に同等に適用可能であり、使用され得る。本発明の無水組成物のスポンジへの含浸は、典型的には、約40℃〜45℃(オートブロンザー)から約75℃〜80℃の温度で実施される。
【0123】
本発明の別の態様は、実質的に水不溶性の繊維のウェブに含浸された固体無水組成物を工業環境、商業環境、病院環境または家庭環境における湿った、または加湿された硬質表面に適用することを対象とし、ここで、固体無水組成物は、約45℃から約55℃の融点を有し、(a)カチオン四級界面活性剤、アニオン界面活性剤およびノニオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤または少なくとも1種の多層液晶乳化剤系、(b)少なくとも1種、好ましくは2種の脂肪アルコール、(c)化粧品として許容し得る油、エステルおよび液体トリグリセリドからなる群から選択される少なくとも1種のエモリエント剤、(d)少なくとも1種の活性成分を含み、(e)任意成分として約50℃から約70℃の融点を有する固体クレンジング剤を含んでいる。
【0124】
本発明のこの態様の一実施形態において、湿った、または加湿された硬質表面は、木、セラミックまたは磁性タイル、天然もしくは合成石、プラスチックまたは金属である。
【0125】
本発明のこの態様の別の実施形態において、少なくとも1種の活性成分は、保湿剤もしくはコンディショニング剤;紫外線を吸収、減衰または阻止する材料(「uv保護剤」);抗微生物剤;硬質表面殺菌剤もしくは消毒剤;または酸化防止剤である。
【0126】
本発明のさらなる態様は、実質的に水不溶性の繊維のウェブに含浸された固体無水組成物を湿った、または加湿された天然または合成革に適用することを対象とし、ここで固体無水組成物は、約45℃から約55℃の融点を有し、(a)カチオン四級界面活性剤、アニオン界面活性剤およびノニオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤または少なくとも1種の多層液晶乳化剤系、(b)少なくとも1種、好ましくは2種の脂肪アルコール、(c)化粧品として許容し得る油、エステルおよび液体トリグリセリドからなる群から選択される少なくとも1種のエモリエント剤、(d)コンディショナー、保湿剤、防腐剤、酸化防止剤およびuv保護剤からなる群から選択される少なくとも1種の活性成分を含み、(e)任意成分として約50℃から約70℃の融点を有する固体クレンジング剤を含んでいる。
【0127】
本発明のさらに別の態様は、実質的に水不溶性の繊維のウェブに含浸された固体無水組成物を自動車または船舶の湿った、または加湿された外面に適用することを対象とし、ここで固体無水組成物は、約45℃から約55℃の融点を有し、(a)カチオン四級界面活性剤、アニオン界面活性剤およびノニオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤または少なくとも1種の多層液晶乳化剤系、(b)少なくとも1種、好ましくは2種の脂肪アルコール、(c)化粧品として許容し得る油、エステルおよび液体トリグリセリドからなる群から選択される少なくとも1種のエモリエント剤、(d)コンディショナー、保湿剤、防腐剤、酸化防止剤およびuv保護剤からなる群から選択される少なくとも1種の活性成分を含み、(e)任意成分として約50℃から約70℃の融点を有する固体クレンジング剤を含んでいる。
【0128】
本発明のさらに別の態様は、実質的に水不溶性の繊維のウェブに含浸される固体無水組成物を湿った、または加湿された娯楽スポーツ用品の一部に適用することを対象とし、ここで固体無水組成物は、約45℃から約55℃の融点を有し、(a)カチオン四級界面活性剤、アニオン界面活性剤およびノニオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤または少なくとも1種の多層液晶乳化剤系、(b)少なくとも1種、好ましくは2種の脂肪アルコール、(c)化粧品として許容し得る油、エステルおよび液体トリグリセリドからなる群から選択される少なくとも1種のエモリエント剤、(d)コンディショナー、保湿剤、防腐剤、酸化防止剤およびuv保護剤からなる群から選択される少なくとも1種の活性成分を含み、(e)任意成分として約50℃から約70℃の融点を有する固体クレンジング剤を含んでいる。娯楽スポーツ用品の非限定的な例は、スキー、サーフボードおよびスノーボードである。
【0129】
本発明の例示的な実施形態を具体的に記載したが、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、様々な他の変更が当業者によって理解され、容易に加えられ得る。よって、本明細書に添付の請求項の範囲を上記実施例および説明に限定されることを意図せず、請求項は、本発明が関わる当業者によってその同等物として扱われるあらゆる特徴を含む、本発明に存在する特許可能な新規性を有するあらゆる特徴を包括するものと解釈される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分を湿った基質に送達するための方法であって、湿った基質と、約45℃から約55℃の融点を有し、(i)カチオン四級界面活性剤、アニオン界面活性剤およびノニオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤、(ii)少なくとも1種の脂肪アルコール、(iii)化粧品として許容し得る油、エステルおよび液体トリグリセリドからなる群から選択される少なくとも1種のエモリエント剤、および(iv)少なくとも1種の活性成分を含み、(v)任意成分として約50℃から約70℃の融点を有する固体クレンジング剤を含む固体無水組成物が含浸された実質的に水不溶性の繊維のウェブで構成される軟質の三次元吸水性支持材料とを接触させることを含む方法。
【請求項2】
活性成分を湿った基質に送達するための方法であって、湿った基質と、約48℃から約55℃の融点を有し、(i)少なくとも1種の多層液晶乳化剤系、(ii)少なくとも1種の脂肪アルコール、(iii)化粧品として許容し得る油、エステルおよび液体トリグリセリドからなる群から選択される少なくとも1種のエモリエント剤および(iv)少なくとも1種の活性成分を含み、(v)約50℃から約70℃の融点を有する固体クレンジング剤を場合により含む固体無水組成物が含浸された実質的に水不溶性の繊維のウェブで構成される軟質の三次元吸水性支持材料とを接触させることを含む方法。
【請求項3】
カチオン四級界面活性剤が、アルキルクアット、アルキルアミノクアット、イミダゾリンクアットおよびポリマークアットからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
カチオン四級界面活性剤が、ベヘントリモニウムメトサルフェート、塩化ジステアリルジモニウム、塩化ステアピリウム、ラウラミドプロピルPGジモニウムクロリドリン酸およびコカミドプロピルPGジモニウムクロリドリン酸からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1種のノニオン界面活性剤が、アルキルポリアルキレングリコールエーテル、アルカノールアミド、エトキシル化アミド、エステル、アルコキシル化トリグリセリド、アルキルポリグルコシド、酸化アミン、ソルビタンエステルおよびエトキシレートからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1種のノニオン界面活性剤が、セチルアルコール、セテアリルアルコールおよびステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテルである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
アニオン界面活性剤が、脂肪アルコールサルフェート、アルファオレフィンスルホネート、サルコシネートおよびイセチオネートからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1種の脂肪アルコールが、固体脂肪アルコールである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1種の脂肪アルコールが、セチルアルコール、セテアリルアルコールおよびステアリルアルコールからなる群から選択される2種の固体脂肪アルコールであり、その2種の固体脂肪アルコールが固体無水組成物の約55重量%から約80重量%の複合濃度で存在する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
多層液晶乳化剤系が、少なくとも約45℃の融点を有する少なくとも1種の固体脂肪アルコールと2種のスクロースエステルとで構成され、第1のスクロースエステルが約10から約16のHLBを有し、第2のスクロースエステルが約2から約8のHLBを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
多層液晶乳化剤系が、セテアリルグルコシドおよびセテアリルアルコールで構成される、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1種の脂肪アルコールが、固体脂肪アルコールである、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1種の脂肪アルコールが、セチルアルコール、セテアリルアルコールおよびステアリルアルコールからなる群から選択される2種の固体脂肪アルコールであり、その2種の固体脂肪アルコールが固体無水組成物の約55重量%から約80重量%の複合濃度で存在する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
活性成分が、エモリエント剤、ヒューメクタント剤、閉塞性コンディショニング剤、サンスクリーンまたは物理的サンブロック、セルフタンニング剤、抗炎症剤、酸化防止剤、ビタミンおよびその誘導体、皮膚鎮静剤ならびに皮膚ブリーチング/ライトニング剤からなる群から選択されるスキンケア活性成分またはヘアケア活性成分である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
活性成分が、エモリエント剤、ヒューメクタント剤、閉塞性コンディショニング剤、サンスクリーンまたは物理的サンブロック、セルフタンニング剤、抗炎症剤、酸化防止剤、ビタミンおよびその誘導体、皮膚鎮静剤ならびに皮膚ブリーチング/ライトニング剤からなる群から選択されるスキンケア活性成分またはヘアケア活性成分である、請求項2に記載の方法。
【請求項16】
固体無水組成物が閉塞性コンディショニング剤をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
閉塞性コンディショニング剤がペトロラタムである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
固体無水組成物が閉塞性コンディショニング剤をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
閉塞性コンディショニング剤がペトロラタムである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1種のエモリエント剤が液体トリグリセリドである、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも1種のエモリエント剤が、カプリル/カプリントリグリセリドである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1種のエモリエント剤が液体トリグリセリドである、請求項2に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1種のエモリエント剤がカプリル/カプリントリグリセリドである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
スキンケア活性成分がセルフタンニング剤であり、セルフタンニング剤を含有する固体無水組成物が40から45℃の融点を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項25】
スキンケア活性成分がセルフタンニング剤であり、セルフタンニング剤を含有する固体無水組成物が40から45℃の融点を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
湿った基質が、哺乳動物の毛または皮膚;家庭、工業、病院および商業における硬質表面;自動車および船舶の外面;ならびに娯楽スポーツ用品からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
湿った基質が、哺乳動物の毛または皮膚;家庭、工業、病院および商業における硬質表面;自動車および船舶の外面;ならびに娯楽スポーツ用品からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。

【公表番号】特表2009−539852(P2009−539852A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514388(P2009−514388)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2007/013478
【国際公開番号】WO2007/146103
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(508361081)スポンジャブルズ,エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】