説明

含硫黄ガス透過性の低い硬化性コーティング

【課題】硫化水素のようなガス状硫黄化合物に対してほぼ不透過性である組成物を与え、様々な製品、特に電子部品用の保護コーティング、並びにかかるガス状硫黄化合物の作用から様々な製品を保護する方法を提供する。
【解決手段】ポリオレフィンとシロキサン又はポリシロキサンとを含み、硬化による二成分網目構造の反応生成物を生成し、50℃における硫化水素の拡散係数又はメチルメルカプタンの拡散係数又はこれら両者の拡散係数が低いコーティング用の組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、コーティングとして有用な二成分網目構造及びマルチブロックコポリマーを始めとするポリイソブチレン含有ポリマー組成物に関する。さらに具体的には、本発明は、複数のポリイソブチレンポリマー鎖を2以上のSiH部分を有するシロキサン化合物と結合させることによる、コーティングとして有用な二成分網目構造及びマルチブロックコポリマーを始めとする各種の新規ポリイソブチレン含有組成物の合成に関する。具体的には、多官能性ポリイソブチレン、好ましくはアリル末端ポリイソブチレンをジテレケリック線状SiH末端ポリジメチルシロキサンのような多官能性線状ポリシロキサンとヒドロシリル化によって結合させることによって合成される二成分網目構造を電子デバイスの表面にコーティングできる。同様に、マルチブロックコポリマーは、二官能性アリル末端ポリイソブチレンをポリジメチルシロキサンのような二官能性SiH末端線状ポリシロキサンとヒドロシリル化によって末端結合させることによって合成することができる。さらに別のポリイソブチレン含有ポリマー網目構造は、多官能性ポリイソブチレン、好ましくはジテレケリックアリル末端ポリイソブチレンを多官能性SiH含有化合物、好ましくはヘキサメチルヘキサヒドロシクロシロキサンのようなシクロシロキサンとヒドロシリル化によって結合させることによって合成でき、コーティングとして使用することができる。
【背景技術】
【0002】
リビングカチオン重合の発見によって、分子量が制御され定量的末端官能基を有するポリイソブチレン(PIB)の合成が可能となった。現在、アリル末端ポリイソブチレンをSiH基含有分子とのヒドロシリル化で定量的に末端結合できることが知られている。この反応で加水分解に安定なSi−C結合が形成される。しかし、ポリイソブチレンの定量的末端官能基の有用性並びにアリル末端PIBがシロキサン化合物とヒドロシリル化によって末端結合できることに関する従前の研究は、星型ポリマー及び星型ブロックコポリマーの製造が主であった。例えば米国特許第5663245号には、明確なシロキサンコアからポリイソブチレンアームが放射状に広がったマルチアーム星型ポリマーの合成及び特性について教示されている。星型ブロックコポリマーは、明確なシロキサンコアから放射状に広がるポリイソブチレン−b−ポリスチレンアームを用いて製造されてきた。この合成反応の二成分網目構造やマルチブロックコポリマーなどの網目構造の製造における有用性に関する研究は、あったとしても、ごくわずかにすぎない。
【0003】
本発明のポリマー網目構造、特に二成分網目構造(BCN)は、伝統的な相互侵入型ポリマー網目構造(IPN)とは区別すべきである。BCNは2種類の化学的に異なる配列が共有結合してなる単一のゴム状弾性網目構造と定義されるが、これに対してIPNは2以上の結合していない独立した網目構造からなる。こうした区別は、IPNにおけるポリマーが化学結合せずに、2つの別個の網目構造として絡み合っているという点で大きな意味をもつ。従前研究されてきた大半の二成分系はIPNに関するものであり、BCNを用いた研究はほとんど行われていなかった。
【0004】
マルチブロックコポリマーも2種類の化学的に異なる配列が共有結合したものからなる点でBCNと類似しているが、その架橋様式がBCNの架橋様式と異なることは明らかであろう。マルチブロックコポリマーは2種以上のポリマーの線状ブロックであり、例えば本発明では、ポリイソブチレン(−A−)と二官能性線状ポリシロキサン(−B−)が末端結合してマルチブロックコポリマー(−A−B−)nを形成する。なお、このようなブロックコポリマーは、末端結合が形成される前にポリマー(−A−)と(−B−)が既に形成されているという点で、「普通の」ブロックコポリマーとは合成の仕方が異なる。ただし、これらはいずれも架橋されておらず、ゴム状弾性でもなく、各種溶媒に溶解するので、上記の通り定義される「二成分網目構造」ではない。BCNは2つの架橋成分が少なくとも理論的にポリマー網目構造の物理特性及び化学特性に寄与することが伝統的に必要とされてきた。つまり、二成分網目構造の性質は個々の成分の性質を反映したものになる。例えば、ポリイソブチレンとポリシロキサンを含有する二成分網目構造は、ポリイソブチレンが低コストで、機械的性質に優れ、ガス透過性が極めて低く、耐環境性、耐加水分解性及び高温耐性に優れていることが知られているのに対して、シロキサンは対照的に比較的高価で、機械的性質に劣るが、高いガス透過性、低い表面エネルギー及び生体適合性の点で優れているという程度で興味がもたれるかもしれない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5663245号
【特許文献2】米国特許第6005051号
【特許文献3】米国特許第3484468号
【特許文献4】米国特許第3159601号
【特許文献5】米国特許第3159662号
【特許文献6】米国特許第3220972号
【特許文献7】米国特許第3715334号
【特許文献8】米国特許第3775452号
【特許文献9】米国特許第3814730号
【特許文献10】米国特許第3635743号
【特許文献11】米国特許第3847848号
【特許文献12】米国特許第5506289号
【特許文献13】米国特許第5922795号
【特許文献14】米国特許第5928564号
【特許文献15】米国特許第5948339号
【特許文献16】米国特許第6002039号
【特許文献17】米国特許第6015853号
【特許文献18】米国特許第6034199号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“Electron Pair Donors in Carbocationic Polymerization, III. Carbonation Stabilization by External Electron Pair Donors in Isobutylene Polymerization” Kaszas et.al., J.Macromol.Sci., Chem., A26, 1099−1114 (1989)
【非特許文献2】“Electrophilic Substitution of Organosilicon Compounds II., Synthesis of Allyl−terminated Polyisobutylenes by Quantitative Alkylation of tert−Chloro−Polyisobutyhlenes with Allyltrimethylsilane”, Wilczek et al., J.Polym, Sci.: Polym.Chem. 25, 3255−3265 (1987)
【非特許文献3】J.L.Spier, “Homogeneous Catalysis of Hydrosilation by Transition Metals”, Advances in Organometallic Chemistry, volume 17, pages 407 through 447, F.G.A.Stone and R.West editors, published by the Academic Press (New York, 1979)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、2種以上の化学的に異なる成分が共有結合したポリマー組成物であって、コーティングとして有用な組成物を提供する。本発明は、コーティングとして有用な、多官能性ポリイソブチレンとポリジメチルシロキサンのような線状ポリシロキサンとを含む構造の明確な二成分網目構造又はマルチブロックコポリマーも提供する。本発明はさらに、エラストマーで溶媒に不溶性のポリマー組成物も提供する。本発明はさらに、二官能性アリル末端ポリイソブチレンを多官能性SiH末端ポリジメチルシロキサンとヒドロシリル化によって末端結合することによる上記二成分網目構造の合成方法を提供する。本発明はさらに、二官能性アリル末端ポリイソブチレンを二官能性SiH末端ポリジメチルシロキサンとヒドロシリル化によって末端結合することによる上記マルチブロックコポリマーの合成方法を提供する。本発明は、ジテレケリックアリル末端ポリイソブチレン(又はその他のアリル末端ポリオレフィン)をヘキサメチルヘキサヒドロ−シクロシロキサンのようなSiH含有化合物とヒドロシリル化によって末端結合して上記ポリイソブチレン網目構造を合成し、得られた組成物をコーティングとして使用する方法も提供する。前述の目的の少なくとも1以上は本明細書に記載の本発明によって達成され、ポリマー網目構造及びマルチブロックコポリマーに関する公知技術に優る利点も得られるが、これらは本明細書の以降の説明から明らかとなろう。一般に、本発明は、2以上のSiH部分を有する複数の多官能性シロキサン化合物と複数の多官能性アリル末端ポリイソブチレンが結合したヒドロシリル化反応生成物を含む組成物を提供する。本発明は、2以上のSiH部分を有する複数のジテレケリック線状ポリシロキサンと複数の多官能性アリル末端ポリイソブチレンが末端結合したヒドロシリル化反応生成物を含む二成分網目構造であって、ポリイソブチレンとポリシロキサンの両者によって決まる化学的及び物理的性質を有する二成分網目構造も提供する。本発明は、2以下のSiH部分を有する複数のジテレケリック線状ポリシロキサンと複数のジテレケリックアリル末端ポリイソブチレンが末端結合したヒドロシリル化反応生成物を含むマルチブロックコポリマーであって、ポリイソブチレンとポリシロキサンの両者によって決まる化学的及び物理的性質を有するマルチブロックコポリマーも提供する。さらに、本発明は、2以上のSiH部分を有する複数の多官能性シロキサン化合物と複数の多官能性アリル末端ポリイソブチレンが結合したヒドロシリル化反応生成物を含むポリマー網目構造を提供する。本発明のその他の目的及び態様は、2以上のSiH部分を有する複数のシロキサン化合物と複数の多官能性アリル末端ポリイソブチレンを
ヒドロシリル化によって結合することを含むコーティングとして有用なポリマー網目構造組成物の合成方法によって達成できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ポリオレフィンとシロキサン又はポリシロキサンとの反応生成物を含むポリマー組成物からなるコーティングであって、50℃における硫化水素の拡散係数又はメチルメルカプタンの拡散係数又はこれら両者の拡散係数が低いコーティングを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
第一に、本発明は、1以上のSiH部分を有する多官能性化合物と多官能性ポリイソブチレンとを含む二成分網目構造及びマルチブロックコポリマーを始めとするポリマー組成物の合成に関する。さらに具体的には、本発明は、アリル末端ポリイソブチレンとシロキサンのようなSiH含有分子とを末端結合するための公知のヒドロシリル化反応を活用して、ポリイソブチレンその他のポリオレフィンを含有する有用な新規ポリマー組成物を得ようとするものである。本発明において、「ポリマー組成物」という用語が、例えばポリイソブチレンとポリシロキサンのような2種類の化学的に異なる配列が共有結合した組成物をいい、二成分網目構造、マルチブロックコポリマーその他本明細書に記載した関連網目構造を包含することは明らかであろう。
【0010】
明確なポリイソブチレンを有する二成分網目構造は、多官能性アリル末端ポリイソブチレンを明確な二官能性SiH末端線状ポリシロキサンとヒドロシリル化によって末端結合することによって合成できる。このような本発明のBCNは、ゴム状弾性で、溶媒に不溶性であり、ゴム産業に多大な波及効果を有すると思料される。
【0011】
同様に、明確なポリイソブチレンとシロキサンを有するマルチブロックコポリマーは、二官能性アリル末端ポリイソブチレンを二官能性SiH末端線状ポリシロキサンとヒドロシリル化によって末端結合することによって合成できる。PIBとPDMSを用いる場合、この反応スキームでマルチブロックPIB/PDMSコポリマーが生成するが、これについては以下のスキームで説明する。さらに、組成物においてポリイソブチレンの量がSiH基含有分子の量を上回れば、新規ポリイソブチレン網目構造が合成されることも明らかである。こうしたポリイソブチレン網目構造は、多官能性(好ましくはジテレケリック)アリル末端ポリイソブチレンとSiH含有シロキサン化合物とを含む。さらに具体的には、ポリイソブチレン網目構造は、ジテレケリックアリル末端ポリイソブチレンを線状又は環状ヒドリドシロキサン又はヒドロシランとヒドロシリル化によって末端結合することによって合成される。かかる線状又は環状ヒドリドシロキサン又はヒドロシランは当技術分野で周知である。
【0012】
実際、構造の明確なポリイソブチレン網目構造が、数平均分子量(Mn)が既知のジテレケリックポリイソブチレンと、適当な官能基を有するSiH含有シクロシロキサン化合物(すなわちヘキサメチルヘキサヒドロシクロシロキサン)との末端結合、特にジテレケリックPIBとのヒドロシリル化反応によって合成された。
【0013】
ジテレケリックPIB成分とシロキサン成分が結合を形成することは明らかである。したがって、シロキサン成分が十分な分子量及びサイズのものになれば、網目構造は二成分網目構造を形成できる。低分子量環状シロキサン(通常は揮発性)以外のシクロシロキサンからなるシロキサン成分が十分な分子量及びサイズのものになれば、溶媒に溶解せずに膨潤するだけの網目状構造を形成することができる。ポリマー組成物を合成するには、最初にマルチテレケリックアリル末端ポリイソブチレンを当技術分野で公知の通り合成する。アリル末端PIBの製造は、イソブチレンを実際上任意の鎖長(したがって、実際上所望の任意の分子量)にリビング重合した後、定量的末端官能化で末端オレフィン基とすることによって行うことができる。電子対供与体としてのN,N−ジメチルアセトアミドの存在下で、2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタン/TiC1開始剤系を使用することによって、リビングイソブチレン重合で塩素末端ポリイソブチレンを得ることができる。この方法の詳細は、“Electron Pair Donors in Carbocationic Polymerization, III. Carbonation Stabilization by External Electron Pair Donors in Isobutylene Polymerization” Kaszas et al., J.Macromol.Sci., Chem., A26, 1099−1114 (1989)に記載されている。重合完了後、過剰のアリルトリメチルシランで現場で奪活することによって、リビングポリイソブチレンのアリル化を達成することができ、アリル末端PIBが得られる。この方法の詳細は、“Electrophilic Substitution of Organosilicon Compounds II., Synthesis of Allyl−terminated Polyisobutylenes by Quantitative Alkylation of tert−Chloro−Polyisobutyhlenes with Allyltrimethylsilane”, Wilczek et al., J.Polym, Sci.: Polym.Chem. 25, 3255−3265 (1987)に記載されている。得られたアリル末端PIBは、H−NMR分光法、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)及び示差走査熱量分析(DSC)で特性決定し得る。
【0014】
本発明の組成物は米国特許第6005051号に十分に記載されており、その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
【0015】
シロキサンポリマーはポリイソブチレンの製造とは別個に製造できる。例えば、二官能性SiH末端ポリジメチルシロキサンは、連鎖停止剤テトラメチルジシロキサンの存在下での環状テトラマーDの酸触媒平衡化で合成できる。ポリシロキサンはH−NMR分光法及びDSCで特性決定し得る。ヘキサヒドロヘキサメチルシクロヘキサシロキサンのようなシクロシロキサンが望まれる場合、当技術分野で周知で米国特許第3484468号(その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)に詳細に記載されているメチルジクロロシランの加水分解によって製造できる。本明細書で用いるシロキサンという用語は、ジテレケリックポリオレフィンのオレフィン末端との反応で縮合する1以上の反応性基を有するシロキサンモノマー又はポリマー種を包含する。これは一般にシロキサン部分が1以上、好ましくは2以上のケイ素結合水素原子を有すること、例えば以下の一般式のシリルヒドリド又はヒドリドシロキサンを意味する。
【0016】

式中、シリコーン構成単位M、D、T及びQは以下の通り通常の定義を有する。
M=RSiO1/2
=HRSiO1/2
D=RSiO2/2
=HRSiO2/2
T=RSiO3/2
=HSiO3/2、及び
Q=SiO4/2
式中、R、R、R、R、R、R、R、R及びRは各々独立に炭素原子数1〜60の一価炭化水素基及び炭素原子数1〜60の一価有機基からなる群から選択され、添字a、b、c、d、e、f及びgは、b+d+f≧1、好ましくはb+d+f≧2、さらに好ましくはb+d+f≧3、最も好ましくはb+d+f≧4であることを条件として、0又は正の整数である。炭素原子数1〜60の一価有機基という用語は、酸素、硫黄、窒素及びリンからなる群から選択されるヘテロ原子で炭素−炭素鎖が中断された有機基をいう。本明細書で用いるシロキサンという用語は包括的用語であって、官能化及び反応性シロキサンを包含する。
【0017】
本発明のコーティングに利用されるジテレケリックポリオレフィンは反応性であるので、これらを反応させて末端オキシラン基つまり末端エポキシド基を形成し、上述のヒドリドシロキサン(例えばM)と重合又は架橋することができる。
【0018】
同様に、末端オレフィン基を酸化すれば末端カルボン酸基を形成することができる。これらはシラノール含有種、例えばMOHOHOHと縮合することができる。この場合、標準的な構造の定義は以下の通り変更される。
M=RSiO1/2
OH=HORSiO1/2
D=RSiO2/2
OH=HORSiO2/2
T=RSiO3/2
OH=HOSiO3/2、及び
Q=SiO4/2
式中、R、R、R、R、R、R、R、R及びRは各々独立にヒドロキシル、炭素原子数1〜60の一価炭化水素基及び炭素原子数1〜60の一価有機基からなる群から選択され、添字a、b、c、d、e、f及びgは、b+d+f≧1、好ましくはb+d+f≧2、さらに好ましくはb+d+f≧3、最も好ましくはb+d+f≧4であることを条件として、0又は正の整数である。炭素原子数1〜60の一価有機基という用語は、酸素、硫黄、窒素及びリンからなる群から選択されるヘテロ原子で炭素−炭素鎖が中断された有機基をいう。
【0019】
本発明のコーティングは、ジテレケリックポリオレフィン、好ましくはポリイソブチレンを、ヒドロシリル化条件下で、適当な架橋性ヒドリドシロキサンと反応させることによって製造することができる。ヒドロシリル化は貴金属、好ましくは白金によって触媒され、かかる触媒の数多くの有用な組成は公知である。ヒドロシリル化反応のための数多くの種類の貴金属触媒が知られており、かかる触媒を本発明の反応に使用し得る。光学的透明性が必要とされる場合、好ましい触媒は反応混合物に可溶性の触媒である。貴金属という用語に関して、本明細書では、Ru、Rh、Pd、Os、Ir及びPtが貴金属と定義されるが、水素化活性をもつことが知られているNiもこの定義に含まれる。好ましくは、触媒は白金化合物であり、白金化合物は、米国特許第3159601号(その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)に記載の式(PtClオレフィン)、H(PtClオレフィン)又はHPtClから選択できる。前の2つの化学式に示すオレフィンは概ねあらゆるタイプのオレフィンでよいが、好ましくは炭素原子数2〜8のアルケニレン、炭素原子数5〜7のシクロアルケニレン又はスチレンである。これらの化学式で利用し得るオレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、ブチレンの各種異性体、オクチレン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテンなどが挙げられる。
【0020】
本発明の組成物で使用できる他の白金含有材料は、米国特許第3159662号(その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)に記載の塩化白金のシクロプロパン錯体である。
【0021】
その他の白金含有材料としては、米国特許第3220972号(その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)に記載の、塩化白金酸と白金1g当たり2モル以下のアルコール、エーテル、アルデヒド及びこれらの混合物からなる群から選択されたものとからなる錯体が挙げられる。
【0022】
液状射出成形組成物での使用に好ましい触媒は、Karstedtの米国特許第3715334号、同第3775452号及び同第3814730号に記載されている。この分野の背景技術は、J.L.Spier, “Homogeneous Catalysis of Hydrosilation by Transition Metals” Advances in Organometallic Chemistry, volume 17, pages 407 through 447, F.G.A.Stone and R.West editors, published by the Academic Press (New York, 1979)に見出すことができる。白金触媒の有効量は当業者が容易に決定し得る。一般に、ヒドロシリル化に有効な量は、オルガノポリシロキサン組成物合計量の約0.1〜50ppm並びにそれらのあらゆる部分的範囲である。
【0023】
本発明のコーティングに利用されるジテレケリックポリオレフィンは、別法として、反応させてエポキシ化末端オレフィン基を形成し、そのエポキシ化ジテレケリックオレフィンをヒドリドシロキサンと酸触媒条件下で反応させて架橋ポリマーを形成すれば、本発明のコーティングとして利用し得る。
【0024】
本発明の組成物で高い引張強さを得るため、組成物に充填剤を配合するのが望ましいこともある。選択し得る多数の充填剤の具体例、二酸化チタン、リトポン、酸化亜鉛、ケイ酸ジルコニウム、シリカエアロゲル、酸化鉄、ケイ藻土、炭酸カルシウム、フュームドシリカ、シラザン処理シリカ、沈降シリカ、ガラス繊維、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、α−石英、焼成クレー、アスベスト、カーボン、グラファイト、コルク、綿、合成繊維などである。
【0025】
本発明の組成物に利用すべき好ましい充填剤は、表面処理しておいたフュームドシリカ又は沈降シリカのいずれかである。ある表面処理法では、フュームドシリカ又は沈降シリカを熱及び圧力条件下で環状オルガノポリシロキサンと接触させる。充填剤の別の処理法は、アミン化合物の存在下で、シリカをシロキサン又はシランと接触させる。
【0026】
シリカ充填剤の特に好ましい表面処理法では、メチルシラン又はシラザン表面処理剤を用いる。メチルシラン又はシラザンで表面処理したフュームドシリカ又は沈降シリカ充填剤は易流動性を呈すると共に、未硬化液状前駆体シリコーン組成物の低い粘度を増大させない。硬化後、シラザン処理シリカは、硬化エラストマーの引裂強さを向上させる。シラザン処理は、米国特許第3635743号及び同第3847848号に開示されており、その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
【0027】
充填剤は、一般に、得られる架橋又は網目構造ポリマー100重量部当たり充填剤約5〜約70重量部、好ましくは15〜50重量部の濃度で使用される。好ましい充填剤は、シラザン処理フュームドシリカ、又はシラザン処理フュームドシリカとシラザン処理沈降シリカの混合物である。後者の混合物は、フュームドシリカと沈降シリカを約25/1〜約1/1、好ましくは約10/1〜約5/1の重量比で含むものが特に好ましい。
【0028】
架橋性オルガノポリシロキサン組成物の保存寿命を延ばすため、ヒドロキシ含有オルガノポリシロキサン流体を添加してもよい。組成物にシラザン処理沈降シリカ充填剤が存在する場合、保存寿命及び離型性を高めるため、ヒドロキシ含有オルガノポリシロキサン流体又は樹脂を沈降シリカ充填剤と併せて添加してもよい。適当なヒドロキシ含有オルガノポリシロキサン流体は、25℃で約5〜約100センチポアズ、好ましくは約20〜50センチポアズの粘度を有するものである。これらの流体は次式で表すことができる。
【0029】
(OH)SiO(4−j−k)/2
式中、Rは炭素原子数1〜40の一価炭化水素基であり、jは0〜約3、好ましくは0.5〜約2.0であり、kは0.005〜約2であり、jとkの合計は約0.8〜約3.0である。オルガノポリシロキサン流体又は樹脂のヒドロキシ置換部位は主に末端ヒドロキシ置換である。
【0030】
硬化組成物の形成が望まれる場合、PIBとシロキサンプレポリマーの二成分を、貴金属ヒドロシリル化触媒、適宜所望の阻害剤の存在下で混合して、組成物を硬化させる。選択した阻害剤によっては、組成物を加熱によって硬化してもよい。
【0031】
所望のPIB/シロキサンプレポリマーを形成したら、アリル末端PIB前駆体を、所望の数のSiH官能基を有する構造の明確なシロキサンとヒドロシリル化によって結合させることができる。その際、ポリイソブチレンをトルエンに溶解してもよく(30重量%PIB)、ヒドロシリル化を遅延又は阻害するため所望に応じて1−エチニル−1−シクロヘキサノール(Aldrich社)を添加してもよい。阻害剤を用いると、硬化収縮量が大幅に低減することが判明した米国特許第5506289号、同第5922795号、同第5928564号、同第5948339号、同第6002039号、同第6015853号及び同第6034199号に教示されているように、他の阻害剤によって、アリル基とヒドロシリル基の反応の開始を制御することができ、これらの開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。次いで、HPtCl触媒溶液500ppmを添加し、溶液を混合し、テフロン(登録商標)型に流し込んで、カバーをし、オーブンに入れて約60℃で約48時間、さらに約90℃で約24時間加熱する。次いで網目構造試料をオーブンから取り出せばよい。
【0032】
ヒドロシリル化の効率を確認するには、硬化後に抽出分(ゾル画分)の量を求めればよい。網目構造試料を計量し、室温で約48時間〜約72時間抽出(トルエンに浸漬し、トルエンを約8時間毎にデカントして交換する)し、一連のトルエン/メタノール混液で解膨潤させる。約90/10のトルエン/メタノール比から始めて100%メタノールで終わるように、約12〜24時間毎に10%ずつ増加するようにトルエン/メタノール混液の濃度を変化させればよい。次いで網目構造試料を溶媒から取り出し、約60℃の真空オーブンで約3日間恒量まで乾燥させる。網目構造試料の抽出前と抽出後の重量差からゾル量を得ることができる。
【0033】
本発明の組成物は、含硫黄種に対して不透過性の蒸気又はガス不透過性バリアを作製するためのコーティングとして有用である。そこで、本発明の組成物は、ある種の腐食性ガス又は蒸気(例えば硫化水素やメチルメルカプタン、二酸化硫黄、三酸化硫黄のような含硫黄ガス)の作用に対して耐性のコート製品の製造方法を提供する。かかるコーティングプロセス又はコーティング法では、本発明のコーティングと基板とを含む積層体を製造するが、基板は、例えば電子デバイス、回路板又はチップなどの保護が望まれる物品である。本発明のコーティングは、特に含硫黄ガスに対して耐性又は不透過性であるので、自動車の電子部品で、その電子回路に用いられる銀が普通の反応性で変色又は腐食してしまうような電子部品の保護に特に適している。
【0034】
不透過性という単語は、用途毎に定義される幾つかの異なる意味をもつことがある。本明細書で用いる不透過性という単語は、50℃以上の温度で、硫化水素やメチルメルカプタンのような含硫黄種50ppm(蒸気百万分率又は百万分率、ppm)に2日間暴露した後で、測定し得る変色又は腐食の兆候を全く示さないことを意味する。
【0035】
上述の手順で、ポリイソブチレンを含有する多成分ポリマー組成物が合成されることは明らかである。ただし、その他のオレフィン(例えばメチルペンテン、プロピレンなど)を、アリル又はオレフィン末端基が生成するように重合することができる。これらの材料をヒドロシリル化によって架橋すれば、ポリイソブチレンで得られるものと同様のポリマー組成物を製造することもできる。本発明の実施を例証するため、以下の実験を行った。以下の事項は、本発明の本質を例示したものにすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明の技術的範囲は、各請求項に規定される発明にある。
【実施例】
【0036】
試験用膜又はフィルムの作製手順
シリコーン系コーティング(無溶剤):
1.清浄なガラス表面に離型剤を噴霧した。
2.コーティング材料をピペットを用いてガラス上にライン状に垂らした。
3.ライン状のコーティング材料をドローイングバーを用いて展延して、10〜20ミルの範囲内の様々な所望の厚さに設定した。
4.ガラスを150℃のオーブンに15分間入れた。
5.オーブンからガラスを取り出して、室温まで放冷した。
6.ガラスから硬化コーティングを慎重に剥がして5”×5”(約12.7×12.7cm)角にカットした。
【0037】
PIB系コーティング(溶剤としてISOPAR C、沸点約100℃)
手順1、2、3は上記シリコーン系コーティングと同じ。
4.ガラスを100℃のオーブンに1時間入れた。
5.ガラスをオーブンから取り出して、室温まで放冷した。
【0038】
ガラスから硬化コーティングを慎重に剥がして5”×5”角にカットした。
【0039】
透過試験手順
試験すべきフィルムをカットして透過セルに取り付ける。セルは、負荷ガス(窒素中のHS又はメチルメルカプタン)が導入される下部チャンバと、サンプリング用の上部チャンバとを有する。負荷ガスが膜を透過してセルの下部から上部に移ると、負荷ガスはスイープガスに捕捉されて定量分析用検出器へと運ばれる。セルは、大気圧で負荷ガスとサンプリングガスを連続スイープできるようにするための入口と出口を有する。
【0040】
透過試験手順
試験すべきフィルムをカットして、二室型透過セルの下部チャンバを覆うように取り付ける。下部チャンバは入口及び出口通路を有しており、負荷ガスは背圧を生じることなく自由にチャンバ内を流れる。負荷ガスは、窒素中50ppmのHS又はメチルメルカプタンの混合気である。
【0041】
下部チャンバの合せ面には溝が切り込まれている。この溝にはOリングが収容される。上部チャンバを下部チャンバ上に配置すると、下部チャンバを覆って「O」リングと重なるフィルムはシールを形成する。上部チャンバは加圧装置と共に所定位置に保持される。
【0042】
上部チャンバも入口及び出口通路を有する。この通路を通して45cc/分の速度で窒素をパージする。負荷ガス(HS又はメチルメルカプタン)がフィルムを透過すると、窒素パージによって検出器へとスイープされる。
【0043】
Sの分析を行う場合、低レベルのHS検出用に特殊設計された分析器(Arizona Instrument社製Jerome−X631−0101 Gold Film Hydrogen Sulfide Analyzer)にパージガスを引き込む。
【0044】
メチルメルカプタンの分析を行う場合、パージガスをガス注入装置に引き込んで、定量測定用PIDを備えたガスクロマトグラムに導入する。
【0045】
バリアを通しての液体又はガスの透過に関する幾つかのASTM法があるが、いずれも本願に対して特異的なものではない。使用した参照法はASTM F739である。
【0046】
セルの冷却又は加熱ができるように循環浴からの液体をセル内の通路を通してポンプ輸送した。
【0047】
【表1】

【0048】
【表2】

【0049】
【表3】

【0050】
【表4】

【0051】
【表5】

【0052】
【表6】

【0053】
【表7】

【0054】
【表8】

【0055】
以上の結果は、厚さ約10ミル〜約30ミルの様々な厚さの膜又はフィルムの硫化水素透過性又は拡散速度が約0.0003g硫化水素/平方メートル膜/日であることを示している。上記の結果は、上記フィルムがメチルメルカプタンに対して一段と高い透過耐性を有していることも示しており、4日間の試験期間(96時間)中メルカプタンは実質的に全く膜を透過しなかった。有用な透過速度は、50℃において、約0.0010g硫化水素/平方メートル膜/日以下であり、好ましくは約0.0007g硫化水素/平方メートル膜/日以下、さらに好ましくは約0.0005g硫化水素/平方メートル膜/日以下、最も好ましくは約0.0003g硫化水素/平方メートル膜/日以下の透過速度である。有用な透過速度は、50℃において、約0.0010gメチルメルカプタン/平方メートル膜/日以下であり、好ましくは約0.0007gメチルメルカプタン/平方メートル膜/日以下、さらに好ましくは約0.0005gメチルメルカプタン/平方メートル膜/日以下、最も好ましくは約0.0003gメチルメルカプタン/平方メートル膜/日以下の透過速度である。これらの透過速度は単独で又は組み合わせて好ましい操作パラメータを定めることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)テレケリックポリオレフィンとb)シロキサンとを含み、硬化により二成分網目構造の反応生成物を生成し、下記条件で測定される前記反応生成物の硫化水素ガスの拡散速度が0.0010g硫化水素/平方メートル膜/日未満である、電子部品の電子回路のコーティング用の組成物。
<拡散速度測定条件>
膜厚:10〜30ミル
測定温度:50℃
負荷ガス:50ppmのHSの混合気
準拠規格:ASTM F739
【請求項2】
前記拡散速度が0.0005g硫化水素/平方メートル膜/日未満である、請求項1記載の電子部品の電子回路のコーティング用の組成物。
【請求項3】
前記拡散速度が0.0003g硫化水素/平方メートル膜/日未満である、請求項1記載の電子部品の電子回路のコーティング用の組成物。
【請求項4】
a)テレケリックポリオレフィンとb)シロキサンとを含み、硬化により二成分網目構造の反応生成物を生成し、下記条件で測定される前記反応生成物のメチルメルカプタンガスの拡散速度が0.0010gメチルメルカプタン/平方メートル膜/日未満である、電子部品の電子回路のコーティング用の組成物。
<拡散速度測定条件>
膜厚:10〜30ミル
測定温度:50℃
負荷ガス:50ppmのメチルメルカプタンの混合気
準拠規格:ASTM F739
【請求項5】
前記拡散速度が0.0005gメチルメルカプタン/平方メートル膜/日未満である、請求項4記載の電子部品の電子回路のコーティング用の組成物。
【請求項6】
前記ポリオレフィンがポリイソブチレンである、請求項1記載の電子部品の電子回路のコーティング用の組成物。
【請求項7】
前記ポリオレフィンがポリプロピレンである、請求項1記載の電子部品の電子回路のコーティング用の組成物。
【請求項8】
前記ポリオレフィンがポリメチルペンテンである、請求項1記載の電子部品の電子回路のコーティング用の組成物。
【請求項9】
前記拡散速度が0.0005g硫化水素/平方メートル膜/日未満である、請求項6記載の電子部品の電子回路のコーティング用の組成物。
【請求項10】
前記拡散速度が約0.0003g硫化水素/平方メートル膜/日未満である、請求項6記載の電子部品の電子回路のコーティング用の組成物。
【請求項11】
a)テレケリックポリオレフィンとb)シロキサンとを含む組成物の硬化反応により生成する、二成分網目構造の反応生成物により電子回路がコートされ、下記条件で測定される前記反応生成物の硫化水素ガスの拡散速度が0.0010g硫化水素/平方メートル膜/日未満である、電子回路を備える電子部品。
<拡散速度測定条件>
膜厚:10〜30ミル
測定温度:50℃
負荷ガス:50ppmのHSの混合気
準拠規格:ASTM F739
【請求項12】
前記拡散速度が0.0005g硫化水素/平方メートル膜/日未満である、請求項11記載の製品。
【請求項13】
前記拡散速度が0.0003g硫化水素/平方メートル膜/日未満である、請求項11記載の製品。
【請求項14】
a)テレケリックポリオレフィンとb)シロキサンとを含む組成物の硬化反応により生成する、二成分網目構造の反応生成物により電子回路がコートされ、下記条件で測定される前記反応生成物のメチルメルカプタンガスの拡散速度が0.0010gメチルメルカプタン/平方メートル膜/日未満である、電子回路を備える電子部品。
<拡散速度測定条件>
膜厚:10〜30ミル
測定温度:50℃
負荷ガス:50ppmのメチルメルカプタンの混合気
準拠規格:ASTM F739
【請求項15】
前記拡散速度が0.0005gメチルメルカプタン/平方メートル膜/日未満である、請求項14記載の電子回路を備える電子部品。
【請求項16】
前記ポリオレフィンがポリイソブチレンである、請求項14記載の電子回路を備える電子部品。
【請求項17】
前記ポリオレフィンがポリプロピレンである、請求項14記載の電子回路を備える電子部品。
【請求項18】
前記ポリオレフィンがポリメチルペンテンである、請求項14記載の電子回路を備える電子部品。
【請求項19】
前記拡散速度が0.0005g硫化水素/平方メートル膜/日未満である、請求項16記載の電子回路を備える電子部品。
【請求項20】
前記拡散速度が0.0003g硫化水素/平方メートル膜/日未満である、請求項16記載の電子回路を備える電子部品。
【請求項21】
電子部品の電子回路を硫化水素から保護する方法であって、
1)テレケリックポリオレフィンと2)シロキサンとを含む組成物を硬化させて、電子回路上に二成分網目構造の反応生成物を形成する工程を含み、下記条件で測定される前記反応生成物の硫化水素ガスの拡散速度が50℃において0.0010g硫化水素/平方メートル膜/日未満である方法。
<拡散速度測定条件>
膜厚:10〜30ミル
測定温度:50℃
負荷ガス:50ppmのHSの混合気
準拠規格:ASTM F739
【請求項22】
前記ポリオレフィンがポリイソブチレンである、請求項21記載の方法。
【請求項23】
電子部品の電子回路をメチルメルカプタンから保護する方法であって、
1)テレケリックポリオレフィンと2)シロキサンとを含む組成物を硬化させて、電子回路上に二成分網目構造の反応生成物を形成する工程を含み、下記条件で測定される前記反応生成物のメチルメルカプタンガスの拡散速度が50℃において0.0010gメチルメルカプタン/平方メートル膜/日未満である方法。
【請求項24】
前記ポリオレフィンがポリイソブチレンである、請求項23記載の方法。

【公開番号】特開2012−82429(P2012−82429A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−264521(P2011−264521)
【出願日】平成23年12月2日(2011.12.2)
【分割の表示】特願2007−527155(P2007−527155)の分割
【原出願日】平成16年5月20日(2004.5.20)
【出願人】(506390498)モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク (85)
【Fターム(参考)】