説明

含窒素複素環化合物および有害生物防除剤

【課題】
工業的に有利に合成できる含窒素複素環化合物、及び本化合物を有効成分とする有害生物防除剤を提供する。
【解決手段】式(I)で表される含窒素複素環化合物又はその塩、本化合物を有効成分として含有する有害生物防除剤。


〔式中、点線は単結合又は二重結合を表す。但し、点線で表される二つの結合のうち、一方は単結合であり、他方は二重結合を表す。Eは酸素原子等、A〜Aは炭素原子又は窒素原子を表し、Yはハロゲン原子等、nは0〜4の整数を表し、Dはメチレン基等、Rはハロアルキル基等、R、Rは−C(=W)R13(Wは酸素原子等、R13はアルキル基、フェニル基等を表す。)で表される基等、Zは置換基を有していてもよいフェニル基等を表す。〕

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な含窒素複素環化合物又はその塩、及びこれらの化合物の少なくとも一種を有効成分として含有する有害生物防除剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多数の殺虫剤、殺ダニ剤等の有害生物防除剤が使用されているが、その効力が不十分であったり、薬剤抵抗性問題によりその使用が制限されたり、また、植物体に薬害や汚染を生じたり、あるいは人畜魚類等に対する毒性が強かったりすることから、必ずしも満足すべき防除薬剤とは言い難いものが少なくない。従って、かかる欠点の少ない安全に使用できる薬剤の開発が要望されている。
【0003】
本発明に関連して特許文献1には、本発明化合物と類似した骨格を有する下記化合物が記載されている。
しかしながら、この文献には、本発明化合物は記載されていない。
【0004】
【化1】

【0005】
(式中、W’は酸素原子又は硫黄原子を表し、Aa、Ab及びAcは各々独立して、炭素原子又は窒素原子を表し、Y’はハロゲン原子等を表し、n’は0〜4のいずれかの整数を表し、Rd、Reは、各々独立して水素原子、C1〜12アルキル基等を表し、Rfはハロゲン原子等を表し、G’はフェニル基等を表す。)
【特許文献1】WO2005/085216号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、工業的に有利に合成でき、効果が確実で安全に使用できる有害生物防除剤の有効成分となりうる新規含窒素複素環化合物又はその塩、及びこれらの化合物の少なくとも一種を有効成分として含有する有害生物防除剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明は第1に、式(I)
【0008】
【化2】

【0009】
〔式中、点線は単結合または二重結合を表す。ただし、点線で表される二つの結合のうち、一方は単結合であり、他方は二重結合を表す。
Eは、酸素原子、CH2又はCHを表す。
1、A2、A3及びA4は各々独立して、炭素原子又は窒素原子を表す。
Yは、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。
nは0〜4の整数を表す。nが2以上のとき、複数のYは互いに同一であっても、相異なっていてもよい。
また、2つのYが隣接する場合には、2つのYが一緒になって結合して、5員環又は6員環を形成してもよい。
【0010】
Dは、式:−N(Ra)−で表される基、又は式:−C(Rb)(Rc)−で表される基を表す。
aは、水素原子、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。
b、Rcは各々独立して、水素原子、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。
【0011】
0は、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。
1、R2は各々独立して、水素原子、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。
また、R1とR2は一緒になって結合して、=C(R13)(R14)で表される基、又は3〜8員環を形成していてもよく、R1又はR2は、A1又はA3と結合して5〜8員環を形成していてもよい。
【0012】
13、R14は各々独立して、水素原子、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。
Zは、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。〕で表される含窒素複素環化合物又はその塩を提供する。
【0013】
本発明の含窒素複素環化合物は、式(I−a)
【0014】
【化3】

【0015】
(式中、点線、R0、E、Z、Y、n、A1〜A4、D、R2及びR13は前記と同じ意味を表し、Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。)で表される化合物であるのが好ましい。
本発明は第2に、式(I−1)
【0016】
【化4】

【0017】
で表される含窒素複素環化合物またはその塩を提供する。
本発明は第3に、式(I−2)
【0018】
【化5】

【0019】
で表される含窒素複素環化合物またはその塩を提供する。
本発明は第4に、式(V)
【0020】
【化6】

【0021】
(式中、A1、A2、A3、A4、n、Y及びDは、前記と同じ意味を表す。)で表される化合物を提供する。
【0022】
本発明は第5に、本発明の含窒素複素環化合物又はその塩の少なくとも一種を有効成分として含有する有害生物防除剤を提供する。
本発明の有害生物防除剤は、殺虫剤であるか、殺ダニ剤であることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、工業的に有利に合成でき、効果が確実で安全に使用できる有害生物防除剤の有効成分となりうる新規含窒素複素環化合物又はその塩、及びこれらの化合物の少なくとも一種を有効成分とする有害生物防除剤が提供される。
本発明の式(V)で表される化合物は、本発明の含窒素複素環化合物又はその塩の製造中間体として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を詳細に説明する。
1)式(I)で表される含窒素複素環化合物又はその塩
本発明の第1は、前記式(I)で表される含窒素複素環化合物(以下、「本発明の含窒素複素環化合物」ということがある。)又はその塩である。
【0025】
前記式(I)において、点線は単結合または二重結合を表す。ただし、点線で表される二つの結合のうち、一方は単結合であり、他方は二重結合を表す。
【0026】
Eは、酸素原子(−O−)、CH2又はCHを表す。
また、CH2及びCHの水素原子は置換基により置換されていてもよい。
前記CH2及びCHの置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基等が挙げられる。
下記式(Q)
【0027】
【化7】

【0028】
で表される基の具体例としては、下記に示す基(Q1〜Q3)が挙げられる。
【0029】
【化8】

【0030】
前記式(I)において、A1、A2、A3及びA4は各々独立して、炭素原子又は窒素原子を表す。
前記式(I)中、下記式(A)
【0031】
【化9】

【0032】
で表される部分構造の具体例としては、下記のものが挙げられる。
【0033】
【化10】

【0034】
Yは、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。
【0035】
前記Yの、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
置換されていてもよいアミノ基としては、アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基等のモノC1〜C6アルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジC1〜C6アルキルアミノ基;アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等のアシルアミノ基;フェニルアミノ基、4−メチルフェニルアミノ基等の置換基を有していてもよいフェニルアミノ基;等が挙げられる。
【0036】
有機基は、一般的には炭素原子を含む原子団を意味する。Yの有機基としては、炭素原子を含む原子団であれば、特に限定されない。例えば、シアノ基;ホルミル基;アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基;メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等のC1〜C6アルキル基;ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基等のC2〜C6アルケニル基;プロパルギル基、3−ブチニル基等のC2〜C6アルキニル基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等のC1〜C6ハロアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のC3〜C8シクロアルキル基;2−クロロシクロプロピル基、2,2−ジクロロシクロプロピル基、3−クロロシクロペンチル基、4−ブロモシクロヘキシル基等のC3〜C8ハロシクロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のC1〜C6アルコキシ基;トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基等のC1〜C6ハロアルコキシ基;
【0037】
メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、プロピルスルホニルオキシ基等のC1〜C6アルキルスルホニルオキシ基;フェニルスルホニルオキシ基、4−メチルフェニルスルホニルオキシ基等の置換基を有していてもよいフェニルスルホニルオキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基等のC1〜C6アルキルチオ基;メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、n−プロピルスルフィニル基等のC1〜C6アルキルスルフィニル基;メチルスルホニル基、エチルスホニル基、n−プロピルスルホニル基等のC1〜C6アルキルスルホニル基;クロロメチルチオ基、トリクロロメチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基等のC1〜C6ハロアルキルチオ基;クロロメチルスルフィニル基、トリクロロメチルスルフィニル基、トリフルオロメチルスルフィニル基等のC1〜C6ハロアルキルスルフィニル基;クロロメチルスルホニル基、トリクロロメチルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基等のC1〜C6ハロアルキルスルホニル基;フェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2,4−ジクロロフェニルチオ基等の置換基を有していてもよいフェニルチオ基;フェニルスルフィニル基、4−メチルフェニルスルフィニル基、2,4−ジクロロフェニルスルフィニル基等の置換基を有していてもよいフェニルスルフィニル基;フェニルスルホニル基、4−メチルフェニルスルホニル基、2,4−ジクロロフェニルスルホニル基等の置換基を有していてもよいフェニルスルホニル基;
【0038】
−N=CHOH、−N=CSHO(CH3)、−N=C(CF3)O(cPr)(cPrはシクロプロピル基を表す。以下にて同じ)、−N=C〔N(CH2CH32〕OCH2CH3等の−N=C(R3)OR4で表される基;−C(=O)N(CH3)C25、−C(=O)N(CF3)Ph(Phはフェニル基を表す。以下にて同じ。)、−C(=O)N(cPr)C25、−C(=O)N(CH=CH2)OH等の−C(=O)N(R3)(R4)で表される基;−CO2CH3、−CO2CCl3、−CO2Ph、−CO2(cPr)等の−CO23で表される基;−C(=S)N(CH3)C25、−C(=S)N(CF3)Ph、−C(=S)N(cPr)C25、−C(=S)N(CH=CH2)OH等の−C(=S)N(R3)(R4)で表される基;−Si(CH33、−SiPh3、−Si(cPr)3、−Si(CH3)2(t−Bu)(t−Buはターシャリーブチル基を表す。以下にて同じ。)等の−Si(R5)(R6)(R7)で表される基;フェニル基、4−メチルフェニル基、2−フルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基等の置換基を有していてもよいフェニル基;又は置換基を有していてもよい複素環基;等が挙げられる。
【0039】
3、R4は各々独立して、水素原子、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。
3、R4の、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、有機基の具体例としては、前記Yの、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、有機基の具体例として列記したものと同様のものが挙げられる。
【0040】
これらの中でも、R3、R4としては、水素原子;メチル基、エチル基等のC1〜C12アルキル基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等のC1〜C12ハロアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のC3〜C12シクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のC2〜C12アルケニル基;3−クロロアリル基等のC2〜C12ハロアルケニル基;プロパルギル基、3−ブチニル基等のC2〜C12アルキニル基;2−クロロエチニル基、2−ブロモエチニル基、3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル基等のC2〜C12ハロアルキニル基;メチルチオ基、エチルチオ基等のC1〜C12アルキルチオ基;水酸基;メトキシ基、エトキシ基等のC1〜C12アルコキシ基;アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基等のモノC1〜C6アルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジC1〜C6アルキルアミノ基;アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等のアシルアミノ基;フェニルアミノ基、4−メチルフェニルアミノ基等の置換基を有していてもよいフェニルアミノ基;又は、フェニル基、4−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基等の置換基を有していてもよいフェニル基;又は、下記に例示するYの具体例と同様の、置換基を有していてもよい複素環基;であるのが好ましい。
【0041】
5〜R7は各々独立して、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等のC1〜C12アルキル基;又は、フェニル基、4−メチルフェニル基等の置換基を有していてもよいフェニル基を表す。
【0042】
前記Yの複素環基としては、環内に少なくとも一つのヘテロ原子を含む複素環の基であれば、特に制限されない。ここでヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。また、前記複素環基の環を構成する原子は3〜8個が好ましく、5又は6個がより好ましい。さらに、複素環基としては、飽和の複素環基であっても、不飽和の複素環基であってもよいが、より優れた有害生物防除活性を有する上では、不飽和の複素環基が好ましく、不飽和の含窒素複素環基がより好ましい。
【0043】
このような不飽和の含窒素複素環基としては、環内に窒素原子を1〜3個含有し、さらに酸素原子又は硫黄原子を1若しくは2個含有していてもよい複素環の基が挙げられる。
【0044】
不飽和の含窒素複素環基の具体例としては、ピロール−2−イル基、ピロール−3−イル基、ピラゾール−3−イル基、ピラゾール−4−イル基、オキサゾール−2−イル基、オキサゾール−4−イル基、オキサゾール−5−イル基、チアゾール−2−イル基、チアゾール−4−イル基、チアゾール−5−イル基、イソオキサゾール−4−イル基、イソオキサゾール−5−イル基、イソチアゾール−2−イル基、イソチアゾール−4−イル基、イソチアゾール−5−イル基、トリアゾール−3−イル基、トリアゾール−5−イル基、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル基、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル基、1,3,4−チアジアゾール−2−イル基、1,2,4−チアジアゾール−3−イル基、1,2,4−チアジアゾール−5−イル基等の5員環の不飽和含窒素複素環基;
【0045】
ピリジン−2−イル基、ピリジン−3−イル基、ピリジン−4−イル基、ピリダジン−3−イル基、ピリダジン−4−イル基、ピリミジン−2−イル基、ピリミジン−4−イル基、ピリミジン−5−イル基、ピラジン−2−イル基、トリアジン−2−イル基等の6員環の不飽和含窒素複素環基;等が挙げられる。
【0046】
前記複素環基は、任意の位置に置換基を有していてもよい。かかる置換基としては、シアノ基;ニトロ基;ホルミル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等のC1〜C6アルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のC1〜C6アルコキシ基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のC3〜C8シクロアルキル基;シクロプロピルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のC3〜C8シクロアルキルオキシ基;シクロプロピルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基等のC3〜C8シクロアルキルC1〜C6アルキル基;シクロプロピルメトキシ基、シクロペンチルメトキシ基、シクロヘキシルメトキシ基等のC3〜C8シクロアルキルC1〜C6アルコキシ基;ペンテニルオキシ基、ブテニルオキシ基等のC2〜C6アルケニルオキシ基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等のC1〜C6ハロアルキル基;トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基等のC1〜C6ハロアルコキシ基;クロロプロペニルオキシ基、クロロブテニルオキシ基等のC2〜C6ハロアルケニルオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のC1〜C6アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数が1〜6個であるアルコキシカルボニル基の意味である。以下にて同じ。);フェニル基、4−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基等の置換基を有していてもよいフェニル基;等が挙げられる。
【0047】
nは0〜4の整数を表す。nが2以上のとき、複数のYは互いに同一であっても、相異なっていてもよい。
【0048】
また、2つのYが隣接する場合には、2つのYが一緒になって結合して、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2O−、−CH2OCH2−、−OCH2O−、−CH2CH2S−、−CH2SCH2、−SCH2S−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2O−、−CH2CH2OCH2−、−CH2OCH2O−、−OCH2CH2O−、−OCH2CH2S−、−SCH2CH2S−、−OCH=N−、−SCH=N−等を形成することにより、2つのYのそれぞれが結合する炭素原子と共に5員環又は6員環を形成してもよい。
【0049】
またこのとき、環を形成する各々の炭素原子に結合した水素原子は、置換基Tによって置換されていてもよく、さらに、同時に2個以上のTで置換されている場合、各々のTは互いに同一であっても、相異なっていてもよい。
【0050】
ここで、Tは、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C3〜C8シクロアルキル基、C3〜C8シクロアルキルオキシ基、C3〜C8シクロアルキルC1〜C6アルキル基、C3〜C8シクロアルキルC1〜C6アルコキシ基、C2〜C6アルケニルオキシ基、C1〜C6ハロアルキル基、C1〜C6ハロアルコキシ基、C2〜C6ハロアルケニルオキシ基、C1〜C6アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいフェニル基;等が挙げられる。これらの具体例としては、前記Yの複素環基の置換基として例示したものと同様のものが挙げられる。
【0051】
Dは、式:−N(Ra)−で表される基、又は式:−C(Rb)(Rc)−で表される基を表す。
aは、水素原子、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。
b、Rcは各々独立して、水素原子、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。
【0052】
a〜Rcの、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、有機基の具体例としては、前記Yの、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、有機基の具体例として列記したものと同様のものが挙げられる。
【0053】
これらの中でも、Raとしては、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C6アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、アシル基、又はC1〜C6アルキルスルホニル基が好ましい。また、Rb、Rcとしては、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C6アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、C1〜C6ハロアルコキシ基、C2〜C6アルケニル基、又はC2〜C6アルキニル基が好ましい。
本発明においては、Dとしては、Ra、Rb及びRcが水素原子である、−NH−又は−CH2−であるのが好ましい。
【0054】
0は、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。
0の、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、有機基の具体例としては、前記Yの、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、有機基の具体例として列記したものと同様のものが挙げられる。
【0055】
これらの中でも、R0としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;シアノ基;ホルミル基;メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基,s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等のC1〜C12アルキル基;ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等のC2〜C6アルケニル基;プロパルギル基、3−ブチニル基等のC2〜C6アルキニル基;クロロメチル基、ブロモメチル基、ジクロロメチル基、ジフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等のC1〜C12ハロアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等のC3〜C8シクロアルキル基;2−クロロシクロプロピル基、2−クロロシクロペンチル基、4−ブロモシクロヘキシル基等のC3〜C8ハロシクロアルキル基;水酸基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t-ブトキシ基等のC1〜C6アルコキシ基;トリフルオロメトキシ基、トリフルオロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基等のC1〜C6ハロアルコキシ基;
【0056】
メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、n−プロピルスルホニルオキシ基等のC1〜C6アルキルスルホニルオキシ基;フェニルスルホニルオキシ基、4−メチルフェニルスルホニルオキシ基、2,6−ジクロロフェニルスルホニルオキシ基、2−ニトロフェニルスルホニルオキシ基等の置換基を有していてもよいフェニルスルホニルオキシ基;メルカプト基;メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基等のC1〜C6アルキルチオ基;メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、n−ブチルスルフィニル基等のC1〜C6アルキルスルフィニル基;メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、i−プロピルスルホニル基等のC1〜C6アルキルスルホニル基;クロロメチルチオ基、トリクロロメチルチオ基、トリクロロエチルチオ基等のC1〜C6ハロアルキルチオ基;クロロメチルスルフィニル基、トリクロロメチルスルフィニル基等のC1〜C6ハロアルキルスルフィニル基;トリクロロメチルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、ペンタフルオロエチルスルホニル基等のC1〜C6ハロアルキルスルホニル基;フェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基等の置換基を有していてもよいフェニルチオ基;フェニルスルフィニル基、4−クロロフェニルスルフィニル基等の置換基を有していてもよいフェニルスルフィニル基;フェニルスルホニル基、2−ヒドロキシフェニルスルホニル基等の置換基を有していてもよいフェニルスルホニル基;アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基等のモノC1〜C6アルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジC1〜C6アルキルアミノ基;アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等のアシルアミノ基;フェニルアミノ基、3−フルオロフェニルアミノ基、4−シクロプロピルフェニルアミノ基等の置換基を有していてもよいフェニルアミノ基;
【0057】
−C(=O)SCH3、−C(=O)SCCl3、−C(=O)SPh、−C(=O)S(cPr)等の−C(=O)R3で表される基;−CO2CH3、−CO2CCl3、−CO2Ph、−CO2(cPr)等の−CO23で表される基;−C(=O)SCH3、−C(=O)SCCl3、−C(=O)SPh、−C(=O)S(cPr)等の−C(=O)SR3で表される基;−C(=S)OCH3、−C(=S)OCCl3、−C(=S)OPh、−C(=S)O(cPr)等の−C(=S)OR3で表される基;−C(=S)SCH3、−C(=S)SCCl3、−C(=S)SPh、−C(=S)S(cPr)等の−C(=S)SR3で表される基;−C(=S)NHCH3、−C(=S)N(CH32、−C(=S)NHPh、−C(=S)NH(cPr)等の−C(=S)N(R3)(R4)で表される基;−N=CHOH、−N=CSHO(CH3)、−N=C(CF3)O(cPr)、−N=C〔N(CH2CH32〕OCH2CH3等の−N=C(R3)OR4で表される基;−C(=O)N(CH3)C25、−C(=O)N(CF3)Ph、−C(=O)N(cPr)C25、−C(=O)N(CH=CH2)OH等の−C(=O)N(R3)(R4)で表される基;−C(=S)N(CH3)C25、−C(=S)N(CF3)Ph、−C(=S)N(cPr)C25、−C(=S)N(CH=CH2)OH等の−C(=S)N(R3)(R4)で表される基;−Si(CH33、−SiPh3、−Si(cPr)3、−Si(CH3)2(t−Bu)等の−Si(R5)(R6)(R7)で表される基;フェニル基、4−メチルフェニル基、2−フルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基等の置換基を有していてもよいフェニル基;又は、前記と同様の、置換基を有していてもよい複素環基;が好ましく、C1〜C12ハロアルキル基であるのが特に好ましい。
【0058】
1、R2は各々独立して、水素原子、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。
1、R2の、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、有機基の具体例としては、前記Yの、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、有機基の具体例として列記したものと同様のものが挙げられる。
【0059】
また、R1とR2は一緒になって結合して、=C(R13)(R14)で表される基、又は3〜8員環を形成していてもよい。
さらに、R1又はR2は、A1又はA3と結合して5〜8員環を形成していてもよい。
ここで、R13、R14はそれぞれ独立して、水素原子、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。前記R13、R14の、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基の具体例としては、前記Yの、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、有機基の具体例として列記したものと同様のものが挙げられる。
【0060】
2とA1で環を形成している式(I)で表される化合物としては、例えば、下記式(I−d)、(I−e)で表される化合物等が挙げられる。
【0061】
【化11】

【0062】
(式中、点線、R0、E、Z、Y、n、A2〜A4、R1及びDは前記と同じ意味を表す。)
本発明においては、R1は、−C(=W)R13(R13は前記と同じ意味を表し、Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。)で表される基であるのが好ましく、−C(=O)R13(R13は前記と同じ意味を表す。)で表される基であるのがより好ましい。
【0063】
Zは、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。
Zの、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、有機基の具体例としては、前記Yの、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、有機基の具体例として列記したものと同様のものが挙げられる。
【0064】
これらの中でも、Zとしては、置換基を有していてもよいC1〜C6アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよい複素環基が好ましく、置換基を有していてもよいフェニル基がより好ましく、置換基を有するフェニル基が特に好ましい。
前記Zの置換基を有していてもよいC1〜C6アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、シクロペンチルメチル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等が挙げられる。
【0065】
前記Zの置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよい複素環基の具体例としては、前記Yの、置換基を有していてもよいフェニル基、及び置換基を有していてもよい複素環基として例示したのと同様のものが挙げられる。これらの具体例としては、下記(Z−1)〜(Z−32)に示すものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0066】
【化12】

【0067】
【化13】

【0068】
上記式中、rは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;シアノ基;ニトロ基;メチル基、エチル基等のC1〜C6アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のC3〜C8シクロアルキル基;ビニル基、プロペニル基等のC2〜C6アルケニル基;エチニル基、プロパギル基等のC2〜C6アルキニル基;水酸基;メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基等のC1〜C6アルコキシ基;フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等の置換基を有していてもよいフェノキシ基;メルカプト基;メチルチオ基、エチルチオ基等のC1〜C6アルキルチオ基;メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基等のC1〜C6アルキルスルフィニル基;メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等のC1〜C6アルキルスルホニル基;フェニルチオ基、4−クロロフェニルチオ基等の置換基を有していてもよいフェニルチオ基;フェニルスルホニル基、4−メチルフェニルスルホニル基等の置換基を有していてもよいフェニルスルホニル基;メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基等のC1〜C6アルキルスルホニルオキシ基;フェニルスルホニルオキシ基、2−クロロフェニルスルホニルオキシ基等の置換基を有していてもよいフェニルスルホニルオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のC1〜C6アルコキシカルボニル基;等を表す。
【0069】
m0は0〜5の整数を表し、m1は0〜4の整数を表し、m2は0〜3の整数を表し、m3は0〜2の整数を表し、m4は0又は1を表す。m0〜m3がそれぞれ2以上のとき、複数のrは互いに同一であっても相異なっていてもよい。
r’は、水素原子;メチル基、エチル基等のC1〜C6アルキル基;フェニル基、4−メチルフェニル基等の置換基を有していてもよいフェニル基;を表す。
これらの中でも、Zとしては、置換基を有していてもよいフェニル基であるのが好ましい。
【0070】
本発明の含窒素複素環化合物としては、下記式(I−a1)
【0071】
【化14】

【0072】
(式中、A1〜A4、R0、R2、R13、E、Y、n、Z、D及びWは前記と同じ意味を表す。)で表される化合物が好ましく、下記式(I−a11)、(I−a21)
【0073】
【化15】

【0074】
(式中、A1〜A4、R0、R2、R13、E、Y、n、Z及びWは、前記と同じ意味を表す。)で表される化合物がより好ましく、下記式(I−a12)、(I−a22)
【0075】
【化16】

【0076】
(式中、R0、R2、R13、E、Y、n、Z及びWは、前記と同じ意味を表す。)で表される化合物がさらに好ましく、下記式(I−a13)、(I−a23)
【0077】
【化17】

【0078】
(式中、R0、R2、R13、E、Y、n及びZは、前記と同じ意味を表す。)で表される化合物が特に好ましい。
具体的には、下記式(I−1)、(I−2)で表される化合物が特に好ましい。
【0079】
【化18】

【0080】
本発明の式(I)で表される化合物は、例えば、以下に示す方法によって製造することができる。
(製造法1)
前記式(I)において、Eが酸素原子であり、Dがメチレン基である式(I−2)で表される化合物は、次のようにして製造することができる。
【0081】
【化19】

【0082】
(式中、A1〜A4、R0、Y、n及びZは、前記と同じ意味を表し、J2はハロゲン原子を表し、R1’、R2’は、水素原子以外の前記R1、R2と同様の基を表す。また、L1、L2は、ハロゲン原子等の脱離基を表す。)
すなわち、先ず、式(V)で表される化合物にハロゲン化剤を作用させて、式(IV)で表される化合物を得る。
【0083】
用いるハロゲン化剤としては、N−クロロコハク酸イミド、N−ブロモコハク酸イミド等のN−ハロゲノコハク酸イミド類;次亜塩素酸ナトリウム等の次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩類;次亜塩素酸−t−ブチルエステル等の次亜ハロゲン酸エステル類;塩素ガス等の担体ハロゲン等が挙げられる。
ハロゲン化剤の使用量は、式(V)で表される化合物に対して、通常1〜10当量である。
【0084】
この反応は溶媒中で行うのが好ましい。用いる溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制約はない。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、プロピオン酸エチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;メタノール、エタノール、エチレングリコール等のアルコール類;酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸類;アセトニトリル;水等が挙げられる。
これらの溶媒は一種単独で、或いは二種以上を混合して用いることができる。
【0085】
反応温度は、通常、−60℃から反応混合物の還流温度までの温度範囲である。
反応時間は、通常数分から数十時間である。
得られる式(IV)で表される化合物は、通常、単離することなく次の反応に供することができる。
【0086】
次に、式(IV)で表される化合物に塩基を作用させた後、式(III)で表される化合物を作用させることにより、式(II)で表される化合物を得ることができる。
【0087】
この反応は、式(IV)で表される化合物に塩基を作用させることにより、反応系内でニトリルオキサイド化合物が生成し、このものと式(III)で表される化合物とが付加するものであると考えられる。
【0088】
用いる塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩;トリエチルアミン、イミダゾール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の有機塩基;等が挙げられる。
塩基の使用量は、式(IV)で表される化合物に対して、通常1〜5当量である。
【0089】
この反応は溶媒中で行うことが好ましい。用いる溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制約はなく、例えば、前記式(IV)で表される化合物を得る反応に用いたものと同様のものが挙げられる。
【0090】
反応温度は、通常、−60℃から反応混合物の還流温度までの温度範囲である。
反応時間は、通常数分から数日である。
【0091】
式(III)で表される化合物の使用量は、式(IV)で表される化合物に対して、通常1〜5当量である。
【0092】
次いで、前記式(II)で表される化合物に、常法に従い、ヒドラジンを反応させることにより、式(I)で表される化合物において、R1、R2が共に水素原子である式(I−1)で表される化合物を得ることができる、
【0093】
さらに、式(I−2)で表される化合物は、式(I−1)で表される化合物に、段階的に、式:R1’−L1で表される化合物、式:R2’−L2で表される化合物を反応させることにより、得ることができる。
本発明化合物である前記式(V)で表される化合物は、例えば、次のようにして得ることができる。
【0094】
【化20】

【0095】
(式中、A1〜A4、Y及びnは前記と同じ意味を表す。J1はハロゲン原子を表す。)
すなわち、まず、式(VII)で表されるアルデヒド化合物に、常法に従いフタルイミドの金属塩(フタルイミドカリウム等)を反応させて、式(VI)で表される化合物を得る。
【0096】
次いで、得られる式(VI)で表される化合物に、ヒドロキシルアミンを反応させることにより、式(V)で表される化合物を得る。
この反応に用いる溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制約はなく、エタノール、i−プロピルアルコール等のアルコール類;水;これらの混合溶媒;等が挙げられる。
【0097】
なお、この反応においては、取り扱いが容易なヒドロキシルアミン塩(ヒドロキシルアミン塩酸塩等)の形で反応液に添加し、そこへ、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン等の塩基を添加して、反応系内でフリーのヒドロキシルアミンを発生させるようにしてもよい。
反応温度は、通常0℃から用いる溶媒の沸点までの温度範囲である。
反応時間は、通常数分から数時間である。
【0098】
(製造法2)
式(I)で表される化合物において、Eが酸素原子であり、Dが式:−NH−で表される基である、式(I−3)で表される化合物は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0099】
【化21】

【0100】
(式中、R0、R1’、R2’、L1、L2、A1〜A4、Y、Z及びnは、前記と同じ意味を表す。)
すなわち、式(VIII)で表される化合物に亜硝酸ナトリウムを反応させたのち、塩化第1スズ等の還元剤を作用させることによりヒドラジン化合物とした後、この化合物に、段階的に式:R1’−L1で表される化合物、式:R2’−L2で表される化合物を反応させることにより、目的とする式(I−3)で表される化合物を得ることができる。
ヒドラジン化合物は、塩酸塩や硫酸塩の形で単離することができる。
【0101】
式(VIII)で表される化合物は、特開2007-016017号公報に記載された方法と同様にして製造することができる。
【0102】
(製造法3)
式(I)で表される化合物において、Eがメチレン基であり、かつ、E−Nが二重結合である式(I−4)で表される化合物は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0103】
【化22】

【0104】
すなわち、式(X)で表されるイソシアノメチル化合物と、式(III)で表される化合物を、酸化第1銅の存在下に反応させることにより、目的とする式(1−4)で表される化合物を得ることができる。
【0105】
上記反応において、式(III)で表される化合物の使用量は、式(X)で表される化合物1モルに対して、通常、0.8〜2.0モル、好ましくは1.0〜1.5モルである。
【0106】
酸化第1銅の使用量は、式(X)で表される化合物1モルに対して、通常、0.01〜1.0モル、好ましくは0.05〜0.1モルである。
【0107】
この反応は溶媒中で行われる。用いる溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制約はない。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、プロピオン酸エチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;メタノール、エタノール、エチレングリコール等のアルコール類;酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸類;アセトニトリル;水等が挙げられる。
【0108】
反応温度は、通常0℃から用いる溶媒の沸点までの温度であり、反応時間は、反応規模によるが、通常、数十分から数十時間である。
【0109】
原料である式(X)で表されるイソニトリル化合物は、従来公知の方法、例えば、下記に示す方法により製造することができる。
【0110】
【化23】

【0111】
(式中、A1〜A4、D、R1、R2、Y及びnは前記と同じ意味を表す。)
すなわち、式(XI)で表されるベンゾニトリル化合物を、リチウムアルミニウムハイドライド等の還元剤により還元して、式(XII)で表されるベンジルアミン化合物に導き、このものにギ酸エステルを作用させることにより、N−ホルミル化して、式(XIII)で表される化合物とした後、トリエチルアミン等の塩基の存在下に、ホスゲン、トリホスゲン等のホスゲン化合物を作用させることにより、式(X)で表されるイソニトリル化合物を得ることができる。
【0112】
(製造法4)
式(I)で表される化合物において、Eがメチレン基であり、かつ、E−Nが単結合(一重結合)である式(I−5)で表される化合物は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0113】
【化24】

【0114】
(式中、A1〜A4、D、R1、R2、Y、n、Z及びR0は前記と同じ意味を表す。)
すなわち、式(1−4)で表される化合物の溶液に、所定量の金属水酸化物の溶液を添加して、全容を加熱攪拌することにより、目的とする式(1−5)で表される化合物を得ることができる。
【0115】
式(1−4)で表される化合物の溶液に用いる溶媒としては、極性溶媒が好ましい。例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド等のアミド系溶媒;及びこれらの溶媒の二種以上からなる混合溶媒;が挙げられる。
【0116】
溶媒の使用量は、特に限定されないが、式(1−4)で表される化合物1gに対して、通常、1〜100mlである。
【0117】
金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;等が挙げられる。
また、金属水酸化物は、水、アルコール又は水とアルコールの混合溶媒に溶解させた溶液として、反応系に添加してもよい。
【0118】
金属水酸化物の使用量は、式(1−4)で表される化合物に対して大過剰であり、通常、式(1−4)で表される化合物1モルに対して、5〜1000モル、好ましくは1000〜1000モルである。
【0119】
反応温度は、通常0℃から用いる溶媒の沸点までの温度であり、反応時間は、反応規模によるが、通常、数十分から数十時間である。
【0120】
式(I)で表される化合物の塩としては、農園芸学的に許容されるものであれば特に制限されない。例えば、式(I)で表される化合物の、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸の塩;酢酸、プロピオン酸、乳酸等の有機酸の塩;が挙げられる。
【0121】
式(I)で表される化合物の塩は、例えば、式(I)で表される化合物に、無機酸又は有機酸を作用させることにより製造することができる。
【0122】
いずれの反応においても、反応終了後は、通常の後処理操作の後、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶又はカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の精製手段により精製することにより、目的物を単離することができる。
【0123】
目的物の構造は、元素分析、NMRスペクトル、IRスペクトル、マススペクトル等の公知の分析手段により同定、確認することができる。
【0124】
以上のようにして得られる本発明の含窒素複素環化合物及びその塩(以下、「本発明化合物」という。)は、農業上の有害生物、衛生害虫、貯殻害虫、衣類害虫、家屋害虫等の防除に使用でき、殺成虫、殺若虫、殺幼虫、殺卵作用を有する。
したがって、後述するように、本発明化合物は、有害生物防除剤の有効成分として有用である。
【0125】
なお、本発明化合物の中には、殺菌活性、除草活性、植調作用を示すものもある。また本発明化合物の中間体化合物の中には殺虫・殺ダニ活性を示すものもある。
また、本発明化合物は、水棲生物が船底、魚網等の水中接触物に付着するのを防止するための防汚剤として使用することもできる。
【0126】
2)有害生物防除剤
本発明の有害生物防除剤は、本発明化合物の一種又は二種以上を有効成分として含有する。本発明の有害生物防除剤は、殺虫剤又は殺ダニ剤であることが好ましい。
【0127】
本発明の有害生物防除剤は、農業上の有害生物、衛生害虫、貯殻害虫、衣類害虫、家屋害虫等の防除に使用でき、殺成虫、殺若虫、殺幼虫、殺卵作用を有する。
その代表例として、下記のものが挙げられる。
【0128】
鱗翅目害虫、例えば、ハスモンヨトウ、ヨトウガ、タマナヤガ、アオムシ、タマナギンウワバ、コナガ、チャノコカクモンハマキ、チャハマキ、モモシンクイガ、ナシヒメシンクイ、ミカンハモグリガ、チャノホソガ、キンモンホソガ、マイマイガ、チャドクガ、ニカメイガ、コブノメイガ、ヨーロピアンコーンボーラー、アメリカシロヒトリ、スジマダラメイガ、ヘリオティス属、ヘリコベルパ属、アグロティス属、イガ、コドリンガ、ワタアカミムシ等、
【0129】
半翅目害虫、例えば、モモアカアブラムシ、ワタアブラムシ、ニセダイコンアブラムシ、ムギクビレアブラムシ、ホソヘリカメムシ、アオクサカメムシ、ヤノネカイガラムシ、クワコナカイガラムシ、オンシツコナジラミ、タバココナジラミ、シルバーリーフコナジラミ、ナシキジラミ、ナシグンバイムシ、トビイロウンカ、ヒメトビウンカ、セジロウンカ、ツマグロヨコバイ等、
甲虫目害虫、例えば、キスジノミハムシ、ウリハムシ、コロラドハムシ、イネミズゾウムシ、コクゾウムシ、アズキゾウムシ、マメコガネ、ヒメコガネ、ジアブロティカ属、タバコシバンムシ、ヒラタキクイムシ、マツノマダラカミキリ、ゴマダラカミキリ、アグリオティス属、ニジュウヤホシテントウ、コクヌスト、ワタミゾウムシ等、
双翅目害虫、例えば、イエバエ、オオクロバエ、センチニクバエ、ウリミバエ、ミカンコミバエ、タネバエ、イネハモグリバエ、キイロショウジョウバエ、サシバエ、コガタアカイエカ、ネッタイシマカ、シナハマダラカ等、
アザミウマ目害虫、例えば、ミナミキイロアザミウマ、チャノキイロアザミウマ等、
膜翅目害虫、例えば、イエヒメアリ、キイロスズメバチ、カブラハバチ等、
直翅目害虫、例えば、トノサマバッタ、チャバネゴキブリ、ワモンゴキブリ、クロゴキブリ等、
【0130】
シロアリ目害虫、例えば、イエシロアリ、ヤマトシロアリ等、
隠翅目害虫、例えば、ヒトノミ、ネコノミ等、シラミ目害虫、例えば、ヒトジラミ等、
ダニ類、例えば、ナミハダニ、ニセナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ、ミカンサビダニ、リンゴサビダニ、チャノホコリダニ、ブレビパルパス属、エオテトラニカス属、ロビンネダニ、ケナガコナダニ、コナヒョウヒダニ、オウシマダニ、フタトゲチマダニ等、
植物寄生性線虫類、例えば、サツマイモネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウ、ダイズシストセンチュウ、イネシンガレセンチュウ、マツノザイセンチュウ等。
【0131】
これらの中でも、適用が特に好ましい有害生物としては、鱗翅目害虫、半翅目害虫、ダニ類、アザミウマ目害虫、甲虫目害虫である。
【0132】
また、近年コナガ、ウンカ、ヨコバイ、アブラムシ等多くの害虫において有機リン剤、カーバメート剤や殺ダニ剤に対する抵抗性が発達し、それら薬剤の効力不足問題を生じており、抵抗性系統の害虫やダニにも有効な薬剤が望まれている。本発明化合物は感受性系統のみならず、有機リン剤、カーバメート剤、ピレスロイド剤抵抗性系統の害虫や、殺ダニ剤抵抗性系統のダニにも優れた殺虫殺ダニ効果を有する薬剤である。また本発明の有害生物防除剤は薬害が少なく、魚類や温血動物への毒性が低く、安全性の高い薬剤である。
【0133】
本発明の有害生物防除剤を実際に施用する際には、本発明化合物の一種又は二種以上を他成分を加えずそのまま使用できるが、通常は、さらに固体担体、液体担体、ガス状担体と混合し、又は多孔セラミック板や不織布等の基剤に含浸し、必要により界面活性剤、その他の補助剤を添加して、農薬として使用する目的で一般の農薬のとり得る形態、即ち、水和剤、粒剤、粉剤、乳剤、水溶剤、懸濁剤、顆粒水和剤、フロアブル、エアゾール、煙霧剤、加熱蒸散剤、燻煙剤、毒餌、マイクロカプセル等の形態に製剤化して使用する。
【0134】
添加剤及び担体としては固型剤を目的とする場合は、大豆粒、小麦粉等の植物性粉末、珪藻土、燐灰石、石こう、タルク、ベントナイト、パイロフィライト、クレイ等の鉱物性微粉末、安息香酸ソーダ、尿素、芒硝等の有機及び無機化合物が使用される。液体の剤型を目的とする場合は、ケロシン、キシレン及びソルベントナフサ等の石油留分、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アルコール、アセトン、メチルイソブチルケトン、鉱物油、植物油、水等を溶剤として使用することができる。噴射剤に用いられるガス状担体としては、ブタンガス、LG、ジメチルエーテル及び炭酸ガスを使用することができる。
【0135】
毒餌の基材としては、例えば穀物粉、植物油、糖、結晶セルロース等の餌成分、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアイアレチック酸等の酸化防止剤、デヒドロ酢酸等の保存料、トウガラシ末等の子供やペットによる誤食防止剤、チーズ香料、タマネギ香料等の害虫誘引性香料を使用することができる。
【0136】
これらの製剤において均一かつ安定な形態をとるために、必要ならば界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤としては、特に限定はないが、例えば、ポリオキシエチレンが付加したアルキルエーテル、ポリオキシエチレンが付加した高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したトリスチリルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、イソブチレン−無水マレイン酸の共重合体等が挙げられる。
【0137】
本発明の有害生物防除剤中の有効成分量は、特に限定されないが、好ましくは0.01〜90重量%、特に好ましくは0.05〜85重量%である。
【0138】
本発明の有害生物防除剤を農業用として用いる場合には、その製剤形態を水和剤、乳剤、懸濁剤、フロアブル剤、水溶剤、顆粒水和剤等とし、これらの製剤を水で所定の濃度に希釈して、溶解液、懸濁液あるいは乳濁液として、粉剤・粒剤はそのまま植物或いは土壌に散布する方法で使用することができる。
【0139】
また、本発明化合物を防疫用の有害生物防除剤として使用する場合には、その製剤形態を乳剤、水和剤、フロアブル剤等とし、これらの製剤を水で所定の濃度に希釈して施用するkとができる。また、その製剤形態が、油剤、エアゾール、煙霧剤、毒餌、防ダニシート等である場合にはそのまま施用する。
【0140】
本発明化合物をウシ、ブタ等の家畜類、イヌ、ネコ等のペット類の動物外部寄生虫防除用の有害生物防除剤として使用する場合は、通常本発明化合物の製剤を、獣医学的に公知の方法で使用する。
【0141】
その方法としては、例えば全身的抑制(systemic control)を目的とする場合には、錠剤、カプセル、浸漬液、飼料混入、坐薬、注射(筋肉内、皮下、静脈内、腹腔内等)等により投与する方法が挙げられ、非全身的抑制(non−systemic control)を目的とする場合は、油性又は水性液剤を噴霧、注ぎかけ(pour−on)、滴下(spot−on)等により投与する方法及び樹脂製剤を首輪、耳札等の適当な形状に成形した物を装着する方法が挙げられる。この場合、通常宿主動物1kgに対して、本発明化合物として0.01〜1000mgの割合で使用される。
【0142】
本発明化合物は単独でも十分有効であることは言うまでもないが、他の有害生物防除剤、殺菌剤、殺虫・殺ダニ剤、除草剤、植物調節剤、共力剤、肥料、土壌改良剤、動物用飼料等の1種又は2種以上と混用又は併用することもできる。
【0143】
本発明化合物と混用又は併用することのできる殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、植物生長調節剤等の有効成分の代表例を以下に示す。
【0144】
殺菌剤:
キャプタン、フォルペット、チウラム、ジラム、ジネブ、マンネブ、マンコゼブ、プロピネブ、ポリカーバメート、クロロタロニン、キントーゼン、キャプタホル、イプロジオン、プロサイミドン、フルオロイミド、メプロニル、フルトラニル、ペンシクロン、オキシカルボキシン、ホセチルアルミニウム、プロパモカーブ、トリアジメホン、トリアジメノール、プロピコナゾール、ジクロブトラゾール、ビテルタノール、ヘキサコナゾール、マイクロブタニル、フルシラゾール、エタコナゾール、フルオトリマゾール、フルトリアフェン、ペンコナゾール、ジニコナゾール、サイプロコナゾーズ、フェナリモール、トリフルミゾール、プロクロラズ、イマザリル、ペフラゾエート、トリデモルフ、フェンプロピモルフ、トリホリン、ブチオベート、ピリフェノックス、アニラジン、ポリオキシン、メタラキシル、オキサジキシル、フララキシル、イソプロチオラン、プロベナゾール、ピロールニトリン、ブラストサイジンS、カスガマイシン、バリダマイシン、硫酸ジヒドロストレプトマイシン、ベノミル、カルベンダジム、チオファネートメチル、ヒメキサゾール、塩基性塩化銅、塩基性硫酸銅、フェンチンアセテート、水酸化トリフェニル錫、ジエトフェンカルブ、キノメチオナート、ビナパクリル、レシチン、重曹、ジチアノン、ジノカップ、フェナミノスルフ、ジクロメジン、グアザチン、ドジン、IBP、エディフェンホス、メパニピリム、フェルムゾン、トリクラミド、メタスルホカルブ、フルアジナム、エトキノラック、ジメトモルフ、ピロキロン、テクロフタラム、フサライド、フェナジンオキシド、チアベンダゾール、トリシクラゾール、ビンクロゾリン、シモキサニル、シクロブタニル、グアザチン、プロパモカルブ塩酸塩、オキソリニック酸、シフルフェナミド、イミノクタジン、クレソキシムメチル、トリアジン、フェンヘキサミド、シアゾファミド、シプロジニル、プロチオコナゾール、フェンブコナゾール、トリフロキシストロビン、アゾキシストロビン、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、テブコナゾール、ジフェノコナゾール、キノメチオナート、カルプロパミド等。
【0145】
殺虫・殺ダニ剤:
有機燐及びカーバメート系殺虫剤:
フェンチオン、フェニトロチオン、ダイアジノン、クロルピリホス、ESP、バミドチオン、フェントエート、ジメトエート、ホルモチオン、マラソン、トリクロルホン、チオメトン、ホスメット、ジクロルボス、アセフェート、EPBP、メチルパラチオン、オキシジメトンメチル、エチオン、サリチオン、シアノホス、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、ホサロン、メチダチオン、スルプロホス、クロルフェンビンホス、テトラクロルビンホス、ジメチルビンホス、プロパホス、イソフェンホス、エチルチオメトン、プロフェノホス、ピラクロホス、モノクロトホス、アジンホスメチル、アルディカルブ、メソミル、チオジカルブ、カルボフラン、カルボスルファン、ベンフラカルブ、フラチオカルブ、プロポキスル、BPMC、MTMC、MIPC、カルバリル、ピリミカーブ、エチオフェンカルブ、フェノキシカルブ、カルタップ、チオシクラム、ベンスルタップ等。
【0146】
ピレスロイド系殺虫剤:
ペルメトリン、シペルメトリン、デルタメスリン、フェンバレレート、フェンプロパトリン、ピレトリン、アレスリン、テトラメスリン、レスメトリン、ジメスリン、プロパスリン、フェノトリン、プロトリン、フルバリネート、シフルトリン、シハロトリン、フルシトリネート、エトフェンプロックス、シクロプロトリン、トラロメトリン、シラフルオフェン、アクリナトリン等。
【0147】
ベンゾイルウレア系その他の殺虫剤:
ジフルベンズロン、クロルフルアズロン、ヘキサフルムロン、トリフルムロン、フルフェノクスロン、フルシクロクスロン、ブプロフェジン、ピリプロキシフェン、メトプレン、ベンゾエピン、ジアフェンチウロン、イミダクロプリド、フィプロニル、硫酸ニコチン、ロテノン、メタアルデヒド、アセタミプリド、クロルフェナピル、ニテンピラム、チアクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム、ジノテフラン、インドキサカルブ、ピメトロジン、スピノサド、エマメクチン、ピリダリル、テブフェノジド、クロマフェノジド、メトキシフェノジド、トルフェンピラド、機械油、BTや昆虫病原ウイルス等の微生物農薬等。
【0148】
殺線虫剤:
フェナミホス、ホスチアゼート、カズサホス等。
殺ダニ剤:
クロルベンジレート、フェニソブロモレート、ジコホル、アミトラズ、BPPS、ベンゾメート、ヘキシチアゾクス、酸化フェンブタスズ、ポリナクチン、キノメチオネート、CPCBS、テトラジホン、アベルメクチン、ミルベメクチン、クロフェンテジン、シヘキサチン、ピリダベン、フェンピロキシメート、テブフェンピラド、ピリミジフェン、フェノチオカルブ、ジエノクロル、フルアクリピリム、アセキノシル、ビフェナゼート、エトキサゾール、スピロディクロフェン、フェナザキン等。
【0149】
植物生長調節剤:
ジベレリン類(例えばジベレリンA3、ジベレリンA4、ジベレリンA7)、IAA、NAA等。
【実施例】
【0150】
次に、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例によって本発明は何ら制限されることはない。
【0151】
(実施例1)
N−{2−クロロ−4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]ベンジル}−アセトアミド(化合物番号1−2)の製造
【0152】
(工程1)
4−ブロモメチル−3−クロロベンゾニトリルの製造
【0153】
【化25】

【0154】
3−クロロ−4−メチルベンゾニトリル3.5gを四塩化炭素30mlに溶解させた。この溶液に、N−ブロモコハク酸イミド4.5g、及び過酸化ベンゾイル0.1gを加え、全容を5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して、不溶物を濾別した後、濾液を減圧濃縮して目的化合物5.2gを得た。収率100%
【0155】
1H−NMR(CDCl3,δppm)4.57(s,2H),7.67(s,2H),7.70(s,1H)
【0156】
(工程2)
4−ブロモメチル−3−クロロベンズアルデヒドの製造
【0157】
【化26】

【0158】
4−ブロモメチル−3−クロロベンゾニトリル5.2gをジクロロメタン20mlに溶解させた。この溶液に、氷冷下、水素化ジイソブチルアルミニウム(1Mトルエン溶液)26.8mlを滴下した後、全容を室温で2時間撹拌した。反応液を1N塩酸100mlに注加し、室温で1時間撹拌し、得られた反応混合物を酢酸エチルで抽出した、有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、目的化合物5.3gを得た。収率100%
【0159】
1H−NMR(CDCl3,δppm)4.61(s,2H)、7.62(d,1H),7.53(d,1H)7.90(s,1H),9.97(s,1H)
【0160】
(工程3)
3−クロロ−4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メチルベンズアルデヒドの製造
【0161】
【化27】

【0162】
4−ブロモメチル−3−クロロベンズアルデヒド5.3gをN,N−ジメチルホルムアミド20mlに溶解させた。この溶液に、フタルイミドカリウム4.2gを加え、75℃で1時間撹拌した。反応液を氷水に注加し、濾過して得られた結晶を乾燥させ、目的化合物3.6gを得た。収率53%
【0163】
1H−NMR(CDCl3,δppm)5.04(s,2H),7.35(d,1H)7.68−7.94(m,6H),9.94(s,1H)
【0164】
(工程4)
3−クロロ−4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メチルベンズアルデヒドオキシムの製造
【0165】
【化28】

【0166】
3−クロロ−4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メチルベンズアルデヒド3.6gを、エタノール30ml、水15mlの混合溶媒に懸濁させた。この懸濁液に、ヒドロキシアミン塩酸塩1.3g、及び酢酸ナトリム1.5gを加え、全容を1時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮した後、濃縮物を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、目的化合物3.7gを得た。収率100%
【0167】
1H−NMR(CDCl3,δppm)4.99(s,2H)7.21−7.91(m,7H),8.04(s,1H)
【0168】
(工程5)
2−{2−クロロ−4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]ベンジル}−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドールの製造
【0169】
【化29】

【0170】
3−クロロ−4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メチルベンズアルデヒドオキシム3.7gをN,N−ジメチルホルムアミド20mlに溶解させた。この溶液にN−クロロコハク酸イミド1.7gを加え、50℃にて1時間撹拌した。次いで、得られた反応混合物を0℃に冷却し、3,5−ジクロロ−1−(1−トリフルオロメチルエテニル)ベンゼン2.8g及びトリエチルアミン1.3gを加え、全容を室温にて一晩撹拌した。反応液を氷水に注加し、酢酸エチルで抽出、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=3/7(体積比))により精製して、目的化合物4.2gを得た。収率66%
【0171】
1H−NMR(CDCl3,δppm)3.64(d,1H),4.02(d,1H),5.00(s,2H),7.29−7.92(m,10H)
【0172】
(工程6)
2−クロロ−4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]ベンジルアミンの製造
【0173】
【化30】

【0174】
2−{2−クロロ−4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]ベンジル}−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール4.2gをメタノール30mlに懸濁させ、ヒドラジン1水和物0.84gを加え、1時間加熱還流した。反応液を氷冷し、濾過した後、溶媒を減圧濃縮して目的化合物2.6gを得た。収率80%
【0175】
1H−NMR(CDCl3,δppm)3.68(d,1H),4.03−4.11(m,3H),7.42−7.67(m,6H)
【0176】
(工程7)
N−{2−クロロ−4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]ベンジル}アセトアミド(化合物番号1−2)の製造
【0177】
【化31】

【0178】
2−クロロ−4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]ベンジルアミン0.2gをジクロロメタン5mlに溶解させた。この溶液にピリジン0.11gを加え、氷冷下、無水酢酸0.1gを加えた。反応液を室温に戻し、一晩撹拌した後、氷水に注加し、クロロホルムで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/1(体積比))で精製し、目的化合物0.11gを得た。収率50%
【0179】
1H−NMR(CDCl3,δppm)2.04(s,3H),3.66(d,1H),4.04(d,1H),4.53(d,2H),5.93(m,1H),7.42−7.53(m,5H),7.69(s,1H)
【0180】
(実施例2)
N−{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]−2−メチルベンジル}カルバミン酸i−プロピル(化合物番号1−75)の製造
【0181】
(工程1)
4−ブロモ−2−メチルベンジルアルコールの製造
【0182】
【化32】

【0183】
水素化リチウムアルミニウム1gをジエチルエーテル50mlに懸濁させた。この懸濁液に、4−ブロモ−2−メチル安息香酸メチル5gを氷冷下で滴下した。滴下終了後、反応液を3時間加熱還流した後、氷冷し、水2mlを注加して30分間撹拌した。得られた反応混合物から有機層を分取し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、目的化合物4.6gを得た。収率100%
【0184】
1H−NMR(CDCl3,δppm)2.32(s,3H),4.65(s,2H),7.20−7.34(m,3H)
【0185】
(工程2)
4−シアノ−2−メチルベンジルアルコールの製造
【0186】
【化33】

【0187】
4−ブロモ−2−メチルベンジルアルコール4.7gを1−メチル−2−ピロリドン50mlに溶解させた。この溶液にシアン化第1銅3.1gを加え、2時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却し、水に注加した後、1時間撹拌した。得られた反応混合物をセライト濾過し、濾液を酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=3/7(体積比))で精製し、目的化合物2.5gを得た。収率78%
【0188】
1H−NMR(CDCl3,δppm)2.33(s,3H),4.75(s,2H),7.44−7.56(m,3H)
【0189】
(工程3)
4−ブロモメチル−3−メチルベンゾニトリルの製造
【0190】
【化34】

【0191】
4−シアノ−2−メチルベンジルアルコール2.5gをベンゼン30mlに溶解させた。この溶液に、氷冷下、三臭化リン1.7gを加え、室温に戻し、1時間撹拌した。反応液を氷水に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、目的化合物2.7gを得た。収率75%
【0192】
1H−NMR(CDCl3,δppm)2.36(s,3H),4.65(s,2H),7.45−7.69(m,3H)
【0193】
(工程4)
4−ブロモメチル−3−メチルベンズアルデヒドの製造
【0194】
【化35】

【0195】
4−ブロモメチル−3−メチルベンゾニトリル5.2gをジクロロメタン25mlに溶解させた。この溶液に、氷冷下、水素化ジイソブチルアルミニウム(1Mトルエン溶液)16.9mlを滴下した後、室温で2時間撹拌した。反応液を1N塩酸60mlに注ぎ、室温で1時間撹拌した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、目的化合物2.8を得た。収率100%
【0196】
1H−NMR(CDCl3,δppm)2.50(s,3H),4.63(s,2H)、7.47(d,1H),7.68−7.70(m,2H),9.98(s,1H)
【0197】
(工程5)
4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メチル−3−メチルベンズアルデヒドの製造
【0198】
【化36】

【0199】
4−ブロモメチル−3−メチルベンズアルデヒド2.8gをN,N−ジメチルホルムアミド20mlに溶解させた。この溶液にフタルイミドカリウム3gを加え、75℃で1時間撹拌した。反応液を氷水に注加し、濾過して得られた結晶を乾燥させ、目的化合物3.6gを得た。収率100%
【0200】
1H−NMR(CDCl3,δppm)2.56(s,3H),4.91 (s,2H),7.37(d,1H),7.63(d,1H),7.69(s,1H),7.72−7.92(m,4H),9.98(s,1H)
【0201】
(工程6)
4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メチル−3−メチルベンズアルデヒドオキシムの製造
【0202】
【化37】

【0203】
4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メチル−3−メチルベンズアルデヒド3.6gをエタノール30ml、水15mlに懸濁させた。この懸濁液に、ヒドロキシアミン塩酸塩1.4g、及び酢酸ナトリム1.7gを加え、1時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、目的化合物3.4gを得た。収率85%
【0204】
1H−NMR(CDCl3,δppm)2.52(s,3H),4.87(s,2H)7.26−7.40(m,3H),7.70−7.90(m,4H)8.06(s,1H)
【0205】
(工程7)
2−{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]−2−メチルベンジル}−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドールの製造
【0206】
【化38】

【0207】
4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メチル−3−メチルベンズアルデヒドオキシム3.4gをN,N−ジメチルホルムアミド30mlに溶解させた。この溶液にN−クロロコハク酸イミド1.7gを加え、50℃にて1時間撹拌した。反応液を0℃に冷却し、3,5−ジクロロ−1−(1−トリフルオロメチルエテニル)ベンゼン2.8g及びトリエチルアミン1.3gを加え、室温で一晩撹拌した。反応液を氷水に注加し、酢酸エチルで抽出、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=3/7(体積比))で精製し、目的化合物5.5gを得た収率90%
【0208】
1H−NMR(CDCl3,δppm)2.51(s,3H),3.64(d,1H),4.04(d,1H),4.87(s,2H),7.30(d,1H)7.36−7.49(m,5H),7.71−7.90(m,4H)
【0209】
(工程8)
4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]−2−メチルベンジルアミンの製造
【0210】
【化39】

【0211】
2−{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]−2−メチルベンジル}−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール5.5gをメタノール50mlに懸濁させた。この懸濁液にヒドラジン1水和物1gを加え、1時間加熱還流した。反応液を氷冷し、不溶物を濾別した後、濾液を減圧濃縮して目的化合物4.1gを得た。収率100%
【0212】
1H−NMR(CDCl3,δppm)2.35(s,3H),3.69(d,1H),3.90(s,2H),4.07(d,1H),7.39−7.52(m,6H)
【0213】
(工程9)
N−{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]―2−メチルベンジル}カルバミン酸i−プロピル(化合物番号1−75)の製造
【0214】
【化40】

【0215】
4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]−2−メチルベンジルアミン0.18gをジクロロメタン5mlに溶解させた。この溶液にピリジン0.08gを加え、クロロギ酸i−プロピル0.07gを氷冷下で加えた。反応液を室温に戻し、一晩撹拌した後、氷水に注加し、クロロホルムで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=3/7(体積比))で精製し、目的化合物0.08gを得た。収率36%
【0216】
1H−NMR(CDCl3,δppm)1.24(d,6H),2.26(s,3H),3.67(d,1H),4.06(d,1H),4.36(d,2H),4.82(brs,1H),7.30(d,1H),7.41−7.51(m,5H)
【0217】
(実施例3)
N−アセチル−N’−{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]−2−メチルフェニル}ヒドラジン(化合物番号1−108)の製造
【0218】
(工程1)
{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]−2−メチルフェニル}ヒドラジン 塩酸塩の製造
【0219】
【化41】

【0220】
4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]−2−メチルアニリン0.85gを濃塩酸16ml及び酢酸6mlに懸濁させた。この懸濁液に、亜硝酸ナトリウム0.16gを氷冷下、30分かけて加えた。反応液を0℃で1時間さらに撹拌した後、塩化第1スズ0.83gを濃塩酸1mlに溶かした溶液を同温度で滴下し、室温に戻して一晩撹拌した。反応液から析出結晶を濾取し、濾取物をベンゼンで洗浄して目的化合物0.98gを得た。収率100%
【0221】
(工程2)
N−アセチル−N’−{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]−2−メチルフェニル}ヒドラジン(化合物番号1−108)の製造
【0222】
【化42】

【0223】
{4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]−2−メチルフェニル}ヒドラジン 塩酸塩0.17gをテトラヒドロフラン5mlに懸濁させた。この懸濁液にトリエチルアミン0.09gを加え、さらに、塩化アセチル0.03gを氷冷下で加えた。反応液を室温に戻し、一晩撹拌した後、氷水に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/1(体積比))で精製し、目的化合物0.09gを得た。収率52%
【0224】
1H−NMR(CDCl3,δppm)2.10(s,3H),2.21(s,3H),3.66(d,1H),4.05(d,1H),5.70−5.90(m,1H),7.30−7.75(m,5H)
【0225】
(実施例4)
N−{2−クロロ−4−[4−(3,5−ジクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]−ベンジル}プロピオン酸アミド(化合物番号7−1)の製造
(工程1)
3−クロロ−4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メチルベンゾニトリルの製造
【0226】
【化43】

【0227】
4−ブロモメチル−3−クロロベンゾニトリル11gをN,N−ジメチルホルムアミド50mlに溶解させ、フタルイミドカリウム10.7gを加え、75℃で1時間撹拌した。反応液を氷水に注加し、濾過して得られた結晶を乾燥させ、目的化合物12.9gを得た。収率90%
【0228】
1H−NMR(CDCl3,δppm)5.02(s,2H),7.50(d,1H),7.61(d,1H),7.73(s,1H),7.77−7.91(m,4H)
【0229】
(工程2)
4−アミノメチル−3−クロロベンゾニトリルの製造
【0230】
【化44】

【0231】
3−クロロ−4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルメチル)−ベンゾニトリル12.9gをメタノール50mlに懸濁させ、ヒドラジン1水和物4.4gを加え、2時間加熱還流した。反応液を氷冷し、濾過した後、溶媒を減圧濃縮して目的化合物5.8gを得た。収率80%
【0232】
1H−NMR(CDCl3,δppm)4.01(s,2H),7.55−7.68(m,3H)
【0233】
(工程3)
N−(2−クロロ−4−シアノベンジル)プロピオン酸アミドの製造
【0234】
【化45】

【0235】
4−アミノメチル−3−クロロベンゾニトリル5.8gをジクロロメタン50mlに溶解させ、ピリジン6.1gを加え、氷冷下、無水プロピオン酸5.4gを加えた。反応液を室温に戻し、一晩撹拌した後、氷水に注加し、クロロホルムで抽出、希塩酸、10%水酸化ナトリウム水溶液及び、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=2/1(体積比))で精製し、目的化合物5.8gを得た。収率75%
【0236】
1H−NMR(CDCl3,δppm)1.17(t,3H),2.44(q,2H),4.56(d,2H),7.52−7.70(m,3H)
【0237】
(工程4)
N−(4−アミノメチル−2−クロロベンジル)プロピオン酸アミドの製造
【0238】
【化46】

【0239】
N−(2−クロロ−4−シアノベンジル)プロピオン酸アミド5.8g、メタノール100ml、及びテトラヒドロフラン20mlの混合溶液に、塩化コバルト6水和物12.4gを加えた。この溶液に、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム9.8gを少量ずつ1時間かけて撹拌下に加えた。反応液を室温に戻し、一夜撹拌した。その後、溶媒を減圧留去して得られた残渣を氷水に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して目的化合物目的化合物5.9gを得た。収率100%
【0240】
1H−NMR(CDCl3,δppm)1.18(t,3H),2.25(d,2H),3.85(s,2H),4.51(d,2H),7.18(d,1H),7.35−7.37(m,2H)
【0241】
(工程5)
N−(2−クロロ−4−ホルミルアミノメチルベンジル)プロピオン酸アミドの製造
【0242】
【化47】

【0243】
N−(4−アミノメチル−2−クロロベンジル)プロピオン酸アミド5.9gをギ酸メチル30mlに溶解させ、全容を一夜加熱還流した。反応液から溶媒を減圧留去して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=3/1(体積比))で精製して目的化合物4.1gを得た。収率62%
【0244】
1H−NMR(CDCl3,δppm)1.18(t,3H),2.24(q,2H),4.45(d,2H),4.47(d,2H),7.13(d,1H),7.35−7.50(m,2H),8.23(s,1H)
【0245】
(工程6)
N−(2−クロロ−4−イソシアノメチルベンジル)プロピオン酸アミドの製造
【0246】
【化48】

N−(2−クロロ−4−ホルミルアミノメチルベンジル)プロピオン酸アミド4.1gをジクロロメタン40mlに溶解させ、トリエチルアミン3.9gを加えた。この溶液に、氷冷下、トリホスゲン1.8gをジクロロメタン20mlに溶解した溶液を、30分かけて滴下した。反応液を室温に戻し一夜撹拌した。反応液を氷水に注加し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して目的化合物3.8gを得た。収率100%
【0247】
1H−NMR(CDCl3,δppm)1.17(t,3H),2.25(q,2H),4.53(d,2H),4.61(s,2H),7.21(d,1H),7.38−7.45(m,2H)
【0248】
(工程7)
N−{2−クロロ−4−[4−(3,5−ジクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−2−イル]ベンジル}プロピオン酸アミド(化合物番号8−1)の製造
【0249】
【化49】

【0250】
N−(2−クロロ−4−イソシアノメチルベンジル)プロピオン酸アミド3.8gおよび、3,5−ジクロロ−1−(1−トリフルオロメチルエテニル)ベンゼン4.6gをトルエン50mlに溶解させた溶液に、酸化銅(I)0.12gを加えて、一夜加熱還流した。反応混合物から溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/1(体積比))で精製して目的化合物0.56gを得た。収率7%
【0251】
1H−NMR(CDCl3,δppm)1.17(t,3H),2.21−2.32(m,3H),2.82and3.21(dd,1H),4.48−4.54(m,4H),5.09and5.44(td,1H),5.85(m,1H)7.05−7.42(m,6H),8.02(m,1H)
(工程8)
N−{2−クロロ−4−[4−(3,5−ジクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピロール−2−イル]ベンジル}プロピオン酸アミド(化合物番号7−1)の製造
【0252】
【化50】

【0253】
N−{2−クロロ−4−[4−(3,5−ジクロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−2−イル]ベンジル}プロピオン酸アミド0.46gをメタノール5mlに溶解させた。この溶液に、10%水酸化ナトリウム水溶液2mlを加えて、2時間加熱還流した。溶媒を減圧濃縮した後、残渣を氷水に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=2/1(体積比))で精製し、目的化合物0.27gを得た。収率59%
【0254】
1H−NMR(CDCl3,δppm)1.17(t,3H),2.24(q,2H),3.41(d,1H),3.75(d,1H),4.44(d,1H),4.56(d,2H),4.88(d,1H),5.93(m,1H),7.26(s,2H),7.38(s,1H),7.48(d,1H),7.68(d,1H),7.89(s,1H)
【0255】
実施例1〜4と同様にして製造される本発明化合物の構造式及び物理恒数を、実施例1〜4で得られた化合物を含め、第1表〜第9表に示す。また1H−NMRデータを第10表に示す。なお、表中、*は結合位置を表し、[ ]は融点(℃)を示す。
【0256】
【表1】

【0257】
【表2】

【0258】
【表3】

【0259】
【表4】

【0260】
【表5】

【0261】
【表6】

【0262】
【表7】

【0263】
【表8】

【0264】
【表9】

【0265】
【表10】

【0266】
【表11】

【0267】
【表12】

【0268】
【表13】

【0269】
【表14】

【0270】
【表15】

【0271】
【表16】

【0272】
【表17】

【0273】
【表18】

【0274】
【表19】

【0275】
【表20】

【0276】
【表21】

【0277】
【表22】

【0278】
【表23】

【0279】
【表24】

【0280】
【表25】

【0281】
【表26】

【0282】
【表27】

【0283】
【表28】

【0284】
【表29】

【0285】
【表30】

【0286】
【表31】

【0287】
【表32】

【0288】
【表33】

【0289】
次に、本発明の組成物の実施例を若干示すが、添加物及び添加割合は、これら実施例に限定されるべきものではなく、広範囲に変化させることが可能である。また、製剤実施例中の部は重量部を示す。
【0290】
製剤実施例1 水和剤
本発明化合物 40部
クレー 48部
ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩 4部
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 8部
以上を均一に混合して微細に粉砕し、有効成分40%の水和剤を得る。
【0291】
製剤実施例2 乳剤
本発明化合物 10部
ソルベッソ200 53部
シクロヘキサノン 26部
ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩 1部
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 10部
以上を混合溶解し、有効成分10%の乳剤を得る。
【0292】
製剤実施例3 粉剤
本発明化合物 10部
クレー 90部
以上を均一に混合して微細に粉砕し、有効成分10%の粉剤を得る。
【0293】
製剤実施例4 粒剤
本発明化合物 5部
クレー 73部
ベントナイト 20部
ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩 1部
リン酸カリウム 1部
以上をよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥して有効成分5%の粒剤を得る。
【0294】
製剤実施例5 懸濁剤
本発明化合物 10部
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 4部
ポリカルボン酸ナトリウム塩 2部
グリセリン 10部
キサンタンガム 0.2部
水 73.8部
以上を混合し、粒度が3ミクロン以下になるまで湿式粉砕し、有効成分10%の懸濁剤を得る。
【0295】
製剤実施例6 顆粒水和剤
本発明化合物 40部
クレー 36部
塩化カリウム 10部
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 1部
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 8部
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩のホルムアルデヒド縮合物
5部
以上を均一に混合して微細に粉砕後,適量の水を加えてから練り込んで粘土状にする。粘土状物を造粒した後乾燥し、有効成分40%の水和剤を得る。
【0296】
以上のようにして得られた本発明の有害生物防除剤の試験例を以下に示す。
(試験例1)ワタアブラムシに対する効力
3寸鉢に播種した発芽10日が経過したキュウリにワタアブラムシ成虫を接種した。1日後に成虫を除去し、産下された若虫が寄生するキュウリに、前記製剤実施例2に示された乳剤の処方に従い、化合物濃度が125ppmになるように水で希釈した薬液を散布した。温度25℃、湿度65%の恒温室内に置き、5日後に生死を調べ、殺虫率を求めた。試験は2反復である。その結果、以下の化合物が100%の殺虫率を示した。
【0297】
化合物番号:1−2〜1−5、1−7、1−8、1−12、1−16、1−17、1−22、1−24〜1−29、1−33、1−44、1−46〜1−49、1−51、1−56、1−85、1−86、1−88〜1−90、1−92、1−95、1−103、1−109〜1−111、1−114、1−116、1−126〜1−130、1−132、1−134、1−136、1−142〜1−150、1−153、1−154、1−156、1−166、1−167、1−169〜1−171、1−176〜1−181、1−184、1−186、1−191〜1−194、1−196、1−210〜1−212、3−1、4−2、4−3、4−5、7−2、7−3
(化合物番号は、第1表〜第9表の化合物番号に対応する。以下にて同じ。)
対照に用いたピリミカーブの殺虫率は9%であった。
【0298】
(試験例2)アワヨトウに対する効力
前記の製剤実施例1に示された水和剤の処方に従い、化合物濃度が125ppmになるように水で希釈した。その薬液中にトウモロコシ葉を30秒間浸漬し風乾後、ろ紙を敷いたシャーレに入れ、アワヨトウ2齢幼虫5頭を接種した。ガラス蓋をして、温度25℃、湿度65%の恒温室内に置き、5日後に生死を調べ、殺虫率を求めた。試験は2反復である。その結果、以下の化合物が100%の殺虫率を示した。
【0299】
化合物番号:1−1〜1−10、1−12〜1−62、1−64、1−66〜1−69、1−71、1−73〜1−81、1−83〜1−103、1−105、1−107、1−108、1−132、1−133、1−138、1−148、1−151、1−156、1−162、1−167、1−172、1−191、1−193、1−195、1−199、1−201〜1−204、1−206、1−212、2−1〜2−4、2−6、2−8〜2−12、3−1、3−2、3−4、3−6、4−1〜4−4、5−1、6−1、7−1、8−1
対照に用いたクロルジメフォルムの殺虫率は40%であった。
【0300】
(試験例3)ナミハダニに対する効力
3寸鉢に播種したインゲンの発芽後7〜10日を経過した第1本葉上に、有機リン剤抵抗性のナミハダニ雌成虫を17頭接種したのち、前記薬剤の実施例1に示された水和剤の処方に従い、化合物濃度が125ppmになるように水で希釈した薬液を散布した。温度25℃、湿度65%の恒温室内に置き、3日後に殺成虫率を調査した。試験は2反復である。その結果以下の化合物が100%の殺虫率を示した。
【0301】
化合物番号:1−2〜1−5、1−7、1−8、1−10、1−12〜1−14、1−16〜1−19、1−22〜1−33、1−35、1−36、1−40、1−41、1−44、1−46〜1−50、1−56、1−58、1−78、1−81、1−84〜1−86、1−88〜1−90、1−92、1−94、1−95、1−97、1−103、1−109〜1−111、1−116、1−117、1−126〜1−130、1−132〜1−136、1−142〜1−147、1−149〜1−154、1−156、1−159〜1−161、1−163、1−166、1−169〜1−171、1−174〜1−181、1−184〜1−188、1−191〜1−194、1−196、1−201、1−210〜1−212、2−3、3−1、3−5、3−6、3−8、3−10、3−11、4−2、4−3、4−5、7−2、7−3、7−5
対照に用いたクロルジメフォルムの殺虫率は40%であった。
【0302】
(参考試験例1)ワタアブラムシに対する効力比較試験
化合物番号1−28と1−29の化合物につき、ワタアブラムシに対する殺虫効力の比較試験を行った。
3寸鉢に播種した発芽10日が経過したキュウリにワタアブラムシ成虫を接種した。1日後に成虫を除去し、産下された若虫が寄生するキュウリに、前記製剤実施例2に示された乳剤の処方に従い、化合物濃度が7.8ppmになるように水で希釈した薬液を散布した。温度25℃、湿度65%の恒温室内に置き、5日後に生死を調べ、殺虫率を求めた。試験は2反復で行った。各化合物の殺虫率を第11表に示す。
【0303】
【表34】

【0304】
(参考試験例2)ワタアブラムシに対するステージ混在効力比較試験
化合物番号1−3と7−3の化合物につき、ワタアブラムシに対するステージ混在効力の比較試験を行った。
4寸鉢で栽培した2葉期のキュウリにワタアブラムシ成虫を接種した。6日間若虫を産下させた後、各種齢期のアブラムシが寄生するキュウリに、前記製剤実施例2に示された乳剤の処方に従い、化合物濃度が31.3ppmになるように水で希釈した薬液を散布した。温度25℃、湿度65%の恒温室内に置き、1日後に生存虫数を調べた。試験は2反復で行った。その結果を第12表に示す。虫数は2反復で行った試験の平均を表す。
【0305】
【表35】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

〔式中、点線は単結合または二重結合を表す。ただし、点線で表される二つの結合のうち、一方は単結合であり、他方は二重結合を表す。
Eは、酸素原子、CH、またはCHを表す。
、A、AおよびAは各々独立して、炭素原子または窒素原子を表す。
Yは、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。
nは0〜4の整数を表す。nが2以上のとき、複数のYは互いに同一であっても、相異なっていてもよい。
また、2つのYが隣接する場合には、2つのYが一緒になって結合して、5員環または6員環を形成してもよい。
Dは、式:−N(R)−で表される基、または式:−C(R)(R)−で表される基を表す。
は、水素原子、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。
、Rは各々独立して、水素原子、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。
は、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。
、Rは各々独立して、水素原子、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。
また、RとRは一緒になって結合して、=C(R13)(R14)で表される基、または3〜8員環を形成していてもよく、RまたはRは、AまたはAと結合して5〜8員環を形成していてもよい。
13、R14は各々独立して、水素原子、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。
Zは、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、又は有機基を表す。〕で表される含窒素複素環化合物又はその塩。
【請求項2】
前記式(I)中、Rが、式:−C(=W)R13(式中、R13は前記と同じ意味を表し、Wは酸素原子または硫黄原子を表す)で表される基である請求項1に記載の含窒素複素環化合物またはその塩。
【請求項3】
式(I−1)
【化2】

で表される含窒素複素環化合物またはその塩。
【請求項4】
式(I−2)
【化3】

で表される含窒素複素環化合物またはその塩。
【請求項5】
式(V)
【化4】

(式中、A、A、A、A、n、Y及びDは、前記と同じ意味を表す。)で表される化合物。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の含窒素複素環化合物またはその塩の少なくとも一種を有効成分として含有する有害生物防除剤。
【請求項7】
殺虫剤である請求項6に記載の有害生物防除剤。
【請求項8】
殺ダニ剤である請求項6に記載の有害生物防除剤。

【公開番号】特開2009−62352(P2009−62352A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−266893(P2007−266893)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(000004307)日本曹達株式会社 (434)
【Fターム(参考)】