説明

吸光度検出を向上させるための液滴アクチュエータの装置、構成および方法

【課題】吸光度検出を向上させるための装置、構成および方法を提供すること。
【解決手段】例えば、液滴を通過する細長い光路を提供することによって、液滴(例えば液滴アクチュエータ上の液滴)の吸光度を判定するための方法および装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[付与情報]本発明は、米国の国立衛生研究所によって与えられたDK066956−02およびGM072155−02のもとで、政府の支援によってなされたものである。
米国政府は、本発明において特定の権利を有する。
【0002】
[関連出願の引用]本特許出願は、2007年3月13日に出願の「吸光度検出が向上した液滴アクチュエータ」という名称の米国特許出願第60/894,506号明細書、および2007年10月16日に出願の同じ名称の米国特許出願第60/980,363号明細書に対する優先権を主張するものであり、それらの開示の全体は本願明細書に援用されるものとする。
【0003】
本発明は、液滴アクチュエータ上の液滴の吸光度検出を向上させるための液滴アクチュエータの装置、構成および方法に関する。
【背景技術】
【0004】
液滴アクチュエータは、多種多様な液滴操作を行うために用いられる。
液滴アクチュエータは、一般的に、液滴操作表面に対して液滴操作を行うように構成される電極に関連する基板を含み、さらには液滴操作表面に対してほぼ平行に配置される第2基板も含むことにより、液滴操作を行うための隙間を形成し得る。
隙間には、一般的に、液滴アクチュエータ上での液滴操作の対象となる流体とは混合しない充填材流体が充填される。
用途によっては、液滴または他の流体の吸光度を検出することは有用であり、場合によっては、液滴アクチュエータ上に流体が配置される。
当該技術分野において、この目的のために、改善された液滴アクチュエータの装置および方法へのニーズがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、液滴の吸光度を判定するための装置に関する。
装置は、液滴アクチュエータ装置であってもよい。
本発明は、装置を製作および使用する方法にも関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、液滴アクチュエータを使用してもよい。
液滴アクチュエータは、隔てられて隙間を形成する2つの基板を含んでもよい。
隙間内に配置される液滴は、2つの基板の表面によって確立される液滴高さを有する。
光源は、光が液滴を透過するように配置されてもよい。
センサは、液滴から放射される光を検出するように配置されてもよい。
このようにして、光源から液滴を通りセンサに達する光路が確立される。
操作において、本発明の方法は、光源からの光を液滴を通過してセンサへと方向づける工程と、センサにおいて光エネルギーを検出する工程と、検出された光エネルギーから液滴の光学特性を判定する工程とを含む。
【0007】
一部の実施形態において、液滴を通過する光路は、液滴高さよりも大きい。
光路は、例えば、基板の表面と実質的に平行であってもよい。
場合によっては、液滴を通過する光路は、液滴高さに対して実質的に垂直であってもよい。
他の場合には、液滴を通過する光路は、液滴高さを確立する表面の一方に対して実質的に鋭角をなしてもよい。
【0008】
様々な実施形態において、光源およびセンサは、液滴の中央垂直軸からオフセットされる。
光源およびセンサは、液滴アクチュエータにとって同一のまたは対向する側に配置されてもよい。
一部の実施形態において、液滴を通過する光路は、液滴高さの少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10倍、またはそれ以上に大きい。
【0009】
一部の実施形態において、基板の一方または両方が凹領域を含むことによって、凹領域に配置される液滴は、さほど凹んでいない領域に配置される液滴よりも大きな液滴高さを有することになる。
他の場合において、基板の一方または両方が開口部を含み、開口部は、開口部と接触する液滴が開口部に入るように配置されることによって、隙間に配置される液滴よりも大きな液滴高さを有する液滴を提供する。
【0010】
光路の方向に沿って液滴高さを引き延ばすかまたは増加させるように、液滴操作を用いてもよい。
場合によっては、液滴操作は、電極によって媒介されてもよい。
液滴は、基板の開口部内に配置されてもよく、それによって液滴の高さまたは長さが増加する。
【0011】
1つ以上の電極は、基板の一方または両方に提供されてもよく、液滴を通過する光路の距離を増加させるように液滴を引き延ばす1つ以上の液滴操作を実行するように構成されてもよい。
【0012】
様々な光学素子は、光源と液滴との間、および/または液滴とセンサとの間に配置されてもよい。
光源からの光を、液滴を通りセンサへと方向づけるために、回析材料を用いてもよい。
例えば、光路は、液滴の前または後において回析材料を通過するように方向づけられてもよい。
例えば、回析材料としてプリズムまたは導波管が提供されてもよい。
【0013】
他の実施形態において、光路は、2つの基板の一方または両方の表面で反射してもよい。
場合によっては、基板の一方または両方は、液滴よりも低い屈折率を有する材料を含んでもよい。
【0014】
様々な実施形態において、検出の対象となる液滴は、ビーズを含んでもよい。
液滴の光学特性は、ビーズの光学特性を指し示してもよい。
液滴は、生物学的細胞を含んでもよく、液滴の光学特性は、生物学的細胞の光学特性を指し示してもよい。
【0015】
更に、様々な実施形態において、検出の対象となる液滴は、充填材流体によって部分的または完全に囲まれてもよい。
場合によっては、充填材流体は、液滴の光屈折特性とは異なる光屈折特性を有してもよい。
例えば、充填材流体は、充填材流体に入射する光の特定の波長がセンサに達しないように選択されてもよい。
別の例として、対象となる波長の光は、液滴を通過してセンサに達するが、充填材流体は通過せずセンサに達しないようにしてもよい。
【0016】
本発明の他の様々な実施形態は、詳細な説明、定義、特許請求の範囲、および図面から明らかである。
【0017】
[定義]本明細書で用いられる以下の用語は、以下に示す意味を有する。
【0018】
1つ以上の電極に関して、「作動させる」ということは、1つ以上の電極の電気的状態に変化をもたらすことを意味し、それによって液滴操作がもたらされる。
【0019】
液滴アクチュエータ上のビーズに関して、「ビーズ」とは、液滴アクチュエータの上または付近の液滴と相互作用ができる任意のビーズまたは粒子を意味する。
ビーズは、球形、ほぼ球形、卵形、円盤形、立法形、および他の三次元形状などの、多種多様な形状のいずれであってもよい。
ビーズは、例えば、液滴アクチュエータ上の液滴の中に移動可能であってもよく、あるいは液滴アクチュエータ上および/または液滴アクチュエータから離れて液滴アクチュエータ上の液滴がビーズに接触できるように、ビーズは液滴アクチュエータに対して構成されてもよい。
ビーズは、例えば樹脂およびポリマを含む多種多様な材料を用いて製造してもよい。
ビーズは、任意の適切なサイズであってよく、例えば、マイクロビーズ、微小粒子、ナノビーズ、およびナノ粒子を含む。
場合によっては、ビーズは磁気に反応するが、他の場合には、ビーズは磁気にさほど反応しない。
磁気に反応するビーズについて、磁気に反応する材料は、ビーズの実質的に全ての構成要素を構成してもよく、あるいはビーズの1つの構成要素のみを構成してもよい。
残りのビーズは、特に、高分子材料、コーティング、および検定用試薬の結合を可能にする部分を含んでもよい。
磁気に反応する適切なビーズの例は、2005年11月24日に公開の「好ましくは固相としての磁性粒子を用いたマルチプレックスフローアッセイ」という名称の米国特許公開第2005−0260686号明細書に記載されており、磁気に反応する材料およびビーズに関する教示については、その開示の全体が本願明細書に援用されるものとする。
ビーズは、ビーズに付着した生物学的細胞の1つ以上の集団を含んでもよい。
場合によっては、生物学的細胞は、実質的に純粋集団である。
他の場合には、生物学的細胞は、異なる細胞集団(例えば、互いに相互作用をする細胞集団)を含む。
【0020】
「液滴」とは、充填材流体によって少なくとも部分的に取り囲まれる、液滴アクチュエータ上のある量の液体を意味する。
例えば、液滴は、充填材流体によって完全に囲まれてもよく、あるいは充填材流体と液滴アクチュエータの1つ以上の表面とによって取り囲まれてもよい。
液滴は、多種多様な形状をとり得る。非限定的な例としては、ほぼ円板形、スラグ形、切断球形、楕円形、球形、部分的に圧縮された球形、半球形、卵形、円筒形、さらには、結合または分割などの液滴操作中に形成される様々な形状や、上記形状が液滴アクチュエータの1つ以上の表面と接触する結果として形成される様々な形状が挙げられる。
【0021】
「液滴操作」とは、液滴アクチュエータ上の液滴に対する任意の操作を意味する。
液滴操作は、例えば、液滴を液滴アクチュエータに装填すること、供給源の液滴から1つ以上の液滴を分配すること、液滴を2つ以上の液滴に分裂、分離、または分割すること、液滴をある位置から別の位置へと任意の方向に移動させること、2つ以上の液滴を1つの液滴に結合または組み合わせること、液滴を希釈すること、液滴を混合すること、液滴を攪拌すること、液滴を変形させること、液滴を適所に保持すること、液滴を温置すること、液滴を加熱すること、液滴を蒸発させること、液滴を冷却すること、液滴を処理すること、液滴を液滴アクチュエータの外に移動させること、本明細書に記載する他の液滴操作、および/または上記操作の任意の組合せを含んでもよい。
「結合する」、「結合すること」、「組み合わせる」、「組み合わせること」等の用語は、2つ以上の液滴から1つの液滴を作ることを説明するために用いられる。
2つ以上の液滴に関してそのような用語を用いる場合には、2つ以上の液滴を1つの液滴に組合せるのに充分な、液滴操作の任意の組合せを用いてもよい、ということを理解すべきである。
例えば、「液滴Aを液滴Bに結合すること」は、液滴Aを静止液滴Bに接触するように移動させること、液滴Bを静止液滴Aに接触するように移動させること、または液滴Aと液滴Bとを互いに接触するように移動させることによって達成することができる。
「分裂する」、「分離する」および「分割する」という用語は、結果として生じる液滴のサイズまたは数について任意の特定の結果を意味することを意図しない。すなわち、結果として生じる液滴のサイズは、同一であることも異なることもあり得るし、結果として生じる液滴の数は、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上であり得る。
「混合する」という用語は、液滴内の1つ以上の構成要素のより均質な分布をもたらす液滴操作を指す。
「装填する」液滴操作の例としては、微小透析装填、圧力によって援助される装填、ロボット装填、受動的な装填、およびピペット装填が挙げられる。
【0022】
「上部」および「底部」という用語は、便宜上のみ、本明細書において一貫して液滴アクチュエータの上部基板および底部基板を指す。なぜなら、液滴アクチュエータは、空間における位置に関係なく機能するからである。
【0023】
本明細書において、所与の構成要素(例えば層、領域または基板)が、他の構成要素の「上」に配置または形成される、と言及する場合には、その所与の構成要素は、他の構成要素の上に直接的に存在し得るか、またはそれに代わって、介在する構成要素(例えば、1つ以上のコーティング、層、中間層、電極または接点)も存在し得る。
「上に配置される」および「上に形成される」という用語は、所与の構成要素が別の構成要素に対してどのように配置または位置するかを説明するために互換可能に用いられる、ということが更に理解される。
従って、「上に配置される」および「上に形成される」という用語は、材料を移動、配置または製造する特定の方法に関する限定を導入することを意図しない。
【0024】
任意の形態の液体(例えば、移動または静止している液滴または連続的液体)が、電極、配列、マトリックスまたは表面「の上に」、「において」または「にわたって」存在する、と記載される場合には、そのような液体は、電極/配列/マトリックス/表面と直接的に接触しているか、または液体と電極/配列/マトリックス/表面との間に配置される1つ以上の層またはフィルムと接触している、ということであり得る。
【0025】
液滴が液滴アクチュエータの「上にある」または「上に装填されている」と記載される場合には、液滴アクチュエータを用いて液滴への1つ以上の液滴操作の実行を容易にするように液滴アクチュエータ上に液滴が配置されているか、液滴の特性または液滴からの信号の検出を容易にするように液滴アクチュエータ上に液滴が配置されているか、および/または液滴アクチュエータ上で液滴への液滴操作が行われた、ということを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の吸光度検出の装置または構成を示す図であり、水平の光の透過を図示する。
【図2A】本発明の吸光度検出の装置または構成を示す図であり、光源および検出器は、垂直にオフセットされた配置において、液滴アクチュエータにとっての対向側に配置されている。
【図2B】本発明の吸光度検出の装置または構成を示す図であり、光源および検出器は、垂直にオフセットされた配置において、液滴アクチュエータにとっての対向側に配置されている。
【図3】本発明の吸光度検出の装置または構成を示す図であり、1つの基板上における反射領域が利用されている。
【図4A】本発明の吸光度検出の装置または構成を示す図であり、2つの基板上における反射領域が利用されている。
【図4B】本発明の吸光度検出の装置または構成を示す図であり、2つの基板上における反射領域が利用されている。
【図4C】本発明の吸光度検出の装置または構成を示す図である。
【図5】本発明の吸光度検出の装置または構成を示す図であり、液滴は、基板の内面よりも高い屈折率を有する。
【図6】本発明の吸光度検出の装置または構成を示す図であり、光の経路長は、凹部または隙間の存在によって増加する。
【図7】本発明の吸光度検出の装置または構成を示す図であり、光の経路長を増加させるために開口部が基板に提供されている。
【図8】本発明の吸光度検出の装置または構成を示す上面図であり、光の透過を可能にするために透明領域が基板に提供されている。
【図9A】本発明の吸光度検出の装置または構成を示す図であり、検出用の細長い光路を提供するために液滴が引き延ばされている。
【図9B】本発明の吸光度検出の装置または構成を示す図であり、検出用の細長い光路を提供するために液滴が引き延ばされている。
【図10A】本発明の吸光度検出の装置または構成を示す図であり、光を透過させるために光学素子が用いられている。
【図10B】本発明の吸光度検出の装置または構成を示す図であり、光を透過させるために光学素子が用いられている。
【図10C】本発明の吸光度検出の装置または構成を示す図であり、光を透過させるために光学素子が用いられている。
【図11】本発明の吸光度検出の装置または構成を示す図であり、対象となる光を吸収するために染料または添加剤が用いられている。
【発明を実施するための形態】
【0027】
液滴アクチュエータは、光源および検出器に接続されてもよく、および/または光源と検出器とによって構成されてもよい。
光源からの光は、液滴アクチュエータ上の液滴を通過して検出器に達し得る。
液滴から放射される光エネルギーの特性は、検出および分析され得る。
例えば、ベールの法則を用いて、入射光および検出された光の強度に基づいて、溶液の濃度を計算することができる。
しかしながら、1センチメートル未満という経路長ゆえに、検出光の測定における軽微な誤差の影響が拡大する。
感度は、非常に重要であり、信号における変化は、溶液におけるノイズよりも数倍大きいことが望ましい。
液滴アクチュエータにおいて、1センチメートル未満の経路長というのは、標準的な検定条件および装置配置に一般的に見られるものである。
例えば、液滴アクチュエータのサイズは、数百マイクロメートルであり得る。
従って、本発明は装置、装置構成、および/または方法を提供するものであり、経路長は、液滴アクチュエータ上の液滴の高さと関連して増加する。
本発明は、液滴アクチュエータ上の液滴または流体の吸光度検出を向上させるように構成される液滴アクチュエータを提供する。
【0028】
標準設計において、液滴は、光源と検出器との間に配置され、光源が底部にあり、試料が中間にあり、検出器が上部にある。
しかしながら、液滴アクチュエータにおいて、この標準設計における経路長は、数百マイクロメートルであり得て、上述のように、最適なものではない。
図1乃至11は、標準設計に対する本発明の改良点を示す。
【0029】
図1は、本発明の吸光度検出の装置または構成を示す。
図1は、隙間105によって底部基板102から隔てられた上部基板100を示す。
隙間105は、液滴101を含む。
隙間105は、一般的に、約100〜約200マイクロメートルの範囲内の隙間高さを有し得る。
他の場合には、隙間高さは、数マイクロメートル〜数ミリメートルの範囲内であり得る。
液滴101は、水平直径を有し、水平直径は、一般的に約500〜約1000マイクロメートルの範囲内であり得る。
他の場合には、水平直径は、数マイクロメートル〜数ミリメートルの範囲内であり得る。
図示する実施形態において、光が光源103から液滴101を通過して検出器またはセンサ104に達するまでの経路長は、隙間高さと関連して増加する。
光は、液滴101の小さいほうの垂直寸法を透過するのではなく、大きいほうの水平直径を透過する。
大きいほうの水平直径は、円板形状の液滴101のアスペクト比に由来するものであり、液滴高さは、隙間高さによって確立される。
図中に示す光源103および検出器104の水平配列は、一般的な液滴アクチュエータにおける一般的な垂直構成に対して、単一の液滴の経路長が4.5倍または5倍増加することになり得る。
水平の液滴長は、場合によって、例えば、液滴101をより狭い隙間に押しやったり、液滴101を横方向障壁の間に押しやったり、および/または液滴101を毛細管の中に押しやったりすることによって、延長し得る。
【0030】
図2Aは、本発明の吸光度検出の装置または構成を示す。
上部基板200は、隙間209によって底部基板202から隔てられている。
隙間209は、液滴201を含み得る。
光源204と、検出器またはセンサ203とは、液滴アクチュエータにおける対向側にある。
これらはまた、オフセットになっており、すなわち同一の垂直軸上にない。
場合によっては、これらは、液滴201の中心を垂直に通過する同一の垂直軸の対向側にあってもよい。
一部の実施形態において、これらは、液滴201を通過する光の経路長を実質的に最大化する距離でオフセットされる。
従って、光は、液滴201を通って略斜めの方向に透過する。
斜めの経路長は、高さと比較すると、より大きいな経路長である。
液滴を通過する光の経路長は、場合によっては、約500〜約1000マイクロメートルの範囲内であり得る。
【0031】
図2Bは、図2Aの実施形態を示す。
一般的に、光源は、液滴直径よりもはるかに大きい。
センサ203によって検出される、光源204からのすべての光が、液滴201を確実に透過することに役立てるために、開口部またはマスクを提供してもよい。
換言すれば、この方法は、光源204から液滴201以外の経路によってセンサ203に達する光を、最小限にするかまたは実質的になくす。
光源204をマスキングしてもよく、液滴アクチュエータの基板をマスキングしてもよく、あるいは小さい直径を有する光ファイバを用いて光を液滴へと方向づけてもよい。
図示する例において、マスキングは、電極206によって提供される。
開口部205は、電極206内に提供される。
開口部205は、光が液滴201を通過するように方向づける。
図2Bの上部は、電極206の上面図を表し、そこに開口部205が示されている。
開口部205は、場合によっては、液滴201の外縁部に近い位置に配置されてもよい。
図2Bの下部は、液滴アクチュエータの側面図を表す。
光源204からの光は、電極206の開口部205を通り、液滴を通り、センサへと透過する。
【0032】
図3は、本発明の吸光度検出の装置または構成を示す。
上面300は、反射領域301を含んでもよく、または場合によっては、上面の全体が反射性のものであってもよい。
光源303および検出器またはセンサ304は、液滴301にとって同一の側に配置される。
これらは、場合によっては、液滴301にとって同一の側における実質的に同一の平面に配置されてもよい。
上部基板300は、反射領域301を含み、隙間305によって底部基板302から隔てられている。
それに代わって、反射領域301は、底面であってもよい。
隙間305は、液滴301を含み得る。
光源303は、センサ304のように液滴301にとって同一の側にあり、場合によっては、センサ304と実質的に同一の平面にあってもよい。
反射領域301は、アルミニウム、金、反射性クロム、または他の任意の反射コーティングなどの反射材料を用いて、および/またはそのような反射材料でコーティングすることによって、反射性のものにしてもよい。
光源303から透過される光は、反射領域301で反射し、液滴を通過する光の経路長を事実上2倍にする。
反射領域301は、実質的に100%反射性であってもよく、または選択された光の帯域幅のみを反射してもよい。
【0033】
図4Aは、本発明の吸光度検出の装置または構成を示す。
上部基板400は、反射領域410を含み、底部基板402は、反射領域412を含む。
光源403および検出器またはセンサ404は、液滴401にとって同一の側に配置される。
光が、一方の領域から液滴に入り、他方の領域から液滴を出るように、反射面412は、充分な開口部を残している。
好ましくは、入口と出口との間の距離は、実質的に最大化される。
反射面410は、実質的に液滴を覆うことにより、上部基板を介した光損失を最小限にする。
光源403から透過する光は、底部基板402を通り液滴401に入射する。
光は、液滴401を通りながら反射面410および412で反射され、液滴401を出てセンサ404に至る。
この例において、上部基板と底部基板とを逆転させてもよい。
【0034】
図4Bは、本発明の吸光度検出の装置または構成を示す。
上部基板405は反射領域410を含み、底部基板406は反射領域412を含む。
光源403とセンサ404とは、液滴401にとっての対向側に配置される。
反射面412は、光が一方の領域において液滴に入射するための充分な開口部を残している。
反射面410は、光が一方の領域において液滴に出射するための充分な開口部を残している。
好ましくは、入口と出口との間の距離は、実質的に最大化される。
光源403から透過する光は、底部基板406を通り液滴401に入射する。
光は、液滴401を通りながら反射面410および412で反射され、上部基板405を通って液滴401を出射してセンサ404に至る。
この例において、上部基板と底部基板とを逆転させてもよい。
【0035】
図4Cは、本発明の吸光度検出の装置または構成を示す。
底面402は、少なくとも部分的に透過性であり、および/または光が液滴401から入射および出射するための少なくとも部分的に透過性の領域を含む。
上面400は、透過性であってもなくてもよい。
図示するような一部の実施形態において、上部基板400と底部基板402との間の距離は、液滴401を実質的なドームまたは半球形状にするための、液滴および(あれば)電極のサイズおよび特性と関連して選択される。
このようにして、光源403からの光は、底部基板402を通り液滴401の一方の領域に入り、内部全反射(TIR)を受けて、液滴の湾曲に沿って内面で反射し、底部基板402を通って液滴401の他方の領域から出て、検出器またはセンサ404に至る。
この場合、内部全反射(TIR)が生じることによって経路長が増加するためには、液滴の屈折率は、周囲媒体の屈折率よりも大きくなければならない。
【0036】
図4Cは、液滴の形状が対称的に変化することによって内部全反射(TIR)を支える実施形態を示すものであるが、液滴は非対称的に変化することもあり得ることに留意すべきである。
例えば、液滴がエレクトロウェッティングによって制御される場合、液滴の一方の側が鋭角の接触角を有する一方で(ウェッティング)、他方の側が鈍角であってもよい(ノンウェッティング)。
この構成において、光源403と検出器404とは、直交してもよい。
例えば、この光源は、液滴の底面側に配置されてもよいが、センサは、液滴の対向側に配置される。
【0037】
図5は、本発明の吸光度検出の装置または構成を示す。
本実施形態において、光源503から透過する光は、液滴501を通過してセンサ504に達する。
液滴501は、上部基板500および底部基板502の内面と比較して、および/または充填材流体と比較して、より高い屈折率を有する。
液滴501は、内部全反射の現象を利用する導波管として作用し、経路長を非常に増加させる。
液滴501の屈折率n2は、上面および底面の屈折率n1、および液滴を導波管として機能させる充填材流体の屈折率n3よりも、充分に大きい。
換言すれば、n2>{n3、n1}となる。
【0038】
本実施形態の一態様において、液滴501の長さは非常に増加し(例えば、10個または20個の液滴となり)、光源503から透過する光は、光を透過させる導波管として機能する液滴501を通過してセンサ504に達する。
【0039】
本実施形態の別の態様において、検出器の動作範囲を変化させるために、液滴に対して、複数の液滴(例えば約1〜約30個の液滴、または約10〜約20個の液滴)を追加してもよい。
液滴があまりにも高密度である場合、または吸光率を低減する必要がある場合、例えば、液滴操作を用いて希釈剤、緩衝剤または反応混合物を追加することにより、液滴に対して、1つ以上の追加の液滴を結合してもよい。
液滴の追加は、識別可能な信号を得るのに役立ち得る。
液滴の追加は、リアルタイムで行なわれてもよい。
例えば、リアルタイムで出力が測定されるときに、単数又は複数の液滴を追加することによって出力が向上し得ると判断される場合、より多くの液滴を追加することによって充分な出力を達成し得る。
一方、液滴の吸光率を増加させる必要がある場合、事前濃縮の方法を用いて、光吸収化学種の生成を液滴アクチュエータ上に集中させて液滴の数を減らしてもよい。
【0040】
図5は、光源503が液滴501の横方向にある非限定的な実施形態を示すものであるが、光は、上部から、底部から、またはある角度において透過し得る。
光が上部または底部から透過する場合、光が導波管を通って進めるようにするために、その角度は、臨界角未満であるべきである。
【0041】
例えば、低屈折材料を用いて上部基板500または底部基板502をコーティングしてもよく、または低屈折材料から上部基板500および底部基板502を作ってもよい。
テフロン(Teflon)(登録商標)およびサイトップ(Cytop)は、本発明において有用な、低屈折率を有する適切な材料の例である。
充填材流体はまた、液滴の屈折率よりも低い屈折率を有するように選択されてもよい。
【0042】
図1乃至5に示す実施形態は、光源および検出器の位置づけを変更すること、および/または上面または底面の屈折率を変更すること、に焦点を当てている。
以降の実施形態は、液滴直径の変更または上記実施形態の組み合わせに焦点を当てるものであり、液滴直径および光源の位置づけの両方、検出器の位置づけ、および/または上面および底面の屈折率が変更される。
【0043】
図6は、本発明の吸光度検出の装置または構成を示す。
光源607からの光が液滴ABを通過して検出器またはセンサ608に達するまでの経路長は、液滴アクチュエータにおける異なる高さの凹部または隙間の存在によって、垂直に増加する。
液滴アクチュエータは、特定の高さ(例えば約100マイクロメートル)の第1隙間604と、より大きな高さ(例えば約500マイクロメートル)の第2隙間605とを有する。
液滴Aおよび液滴Bは、最初に、より小さな高さの隙間604に配置される。
充分な体積を有する1つ以上の液滴を、隙間605の中に移動させてもよい。
ここに図示する例において、液滴操作を用いて隙間605において液滴Aおよび液滴Bを結合することにより、最初の液滴よりも大きな液滴高さを有する液滴ABを生ずる。
光源607は、より大きな隙間605の下方に、検出器608は、上方に配置される。
光源607からの光の経路長は、より大きな隙間605における液滴ABを通過してセンサ608に達すると、垂直に増加する。
【0044】
図7は、本発明の吸光度検出の装置または構成を示す。
本実施形態において、光源705からの光が開口部706における液滴703を通過して検出器またはセンサ704に達するまでの経路長は、隙間709の高さによって確立される液滴高さと関連して、垂直に増加する。
図7の上部は、隙間709によって底部基板702から隔てられている上部基板700を図示する実施形態の側面図を示す。
隙間709は、液滴701を含み得る。
上部基板700は、開口部706を含む。
開口部706は、液滴701のサイズと同様またはそれより大きな体積容量を有し得る。
開口部706は、毛細管であってもよい。
底部基板702は、光源705からセンサ704に達する光路と同一線上に、開口部706の下において透明領域を含んでもよい。
図7の下部は、実施形態の上面図を示すものであり、上部基板700における開口部706を図示する。
開口部706は、ここでは上部基板にあるものとして示すが、底部基板にあってもよく、側壁または液滴アクチュエータの他の構造にあってもよい、ということに留意すべきである。
【0045】
液滴701は、液滴アクチュエータ内に配置される。
液滴701は、例えば、毛管作用、静電的手段、機械的手段、または他の手段によって、開口部706に位置づけて開口部706に入れることができる。
開口部706は、液滴701が開口部706に受動的に入るように、隙間709の高さおよび液滴701のサイズと関連して選択される直径を有する。
図面におけるDがHよりも小さい場合、液滴701は、開口部706に受動的に入る(図面は縮尺通りに描かれていないことに留意されたい)。
光源705からの光は、開口部706における液滴703を透過してセンサ704に達する。
【0046】
図8は、本発明の吸光度検出の装置または構成を示す(上面図)。
本実施形態において、基板800内に透明領域801が提供されるので、センサ(図示せず)に達する実質的にすべての光が、液滴802を透過する。
電極803は、不透明な材料(例えば、アルミニウム、クロム、銅、または電極形成のために用いられる他の材料)を用いて作られる。
それに代わって、不透明な材料は、電極上にコーティングしてもよく、または電極に関連する基板上にコーティングしてもよい。
例えば、不透明な材料は、電極803と同一の表面上にあってもよく、または液滴アクチュエータの下方にあってもよい。
更に、図示するように、不透明領域は、透明領域801を通過しない光を完全に遮断するように、必要に応じて電極803を越えて基板の領域へと延びてもよい。
透明領域801は、光源(図示せず)からの所望の光量を透過するようにサイズを設定されてもよい。
透明領域801は、1つ以上の透明領域を含んでもよく、透明領域の配列であってもよい。
透明領域801は、回折格子または他の光学素子を含んでもよい。
電極自体は、回折格子であってもよい。
回折光学素子または他の光学素子(例えばレンズ)は、透明領域801内の金属導電層または第1導電層においてパターン化されてもよい。
透明領域801は、半透明であってもよく、または所望の波長セットを透過するフィルタを含んでもよく、または当該フィルタから成ってもよい。
同様に、不透明領域は、半透明であってもよく、または所望の波長セットを遮断するフィルタを含んでもよい。
そのような回折光学素子は、蛍光およびルミネセンスなどにおける光学的検出の他の形態にとっても有用なものであり得て、その場合は光学フィルタを構成することもできる。
【0047】
図9Aは、本発明の吸光度検出の装置または構成を示す。
本実施形態において、検出用の細長い光路を提供するために、単一の液滴901を引き延ばす。
単一の液滴は、複数の液滴を追加したり、または電極ユニットのサイズを低減したりすることによって、引き延ばすことができる。
図示する特定の態様において、各電極910は、より小さな複数の電極911から成る。
これらのより小さな電極を順に作動させることによって、液滴901を引き延ばして細長い液滴902を形成することができる。
光源903からの光が液滴902を通過して検出器またはセンサ904に達するまでの経路長は、これによって増加する。
異なる電極を作動させることによって、液滴を横方向に引き延ばすことができる。
本実施形態において、光源903および検出器904は、液滴に対して横方向に配置される。
もちろん、同様な構成を垂直に配置することにより、垂直方向または他の任意の空間的方向に液滴を引き延ばすことができる。
【0048】
図9Bは、本発明の吸光度検出の装置または構成を示す。
図示するように、電界の存在下で液滴905を引き延ばすことにより、細長い液滴907を形成する。
光源903からの光が液滴907を通過して検出器またはセンサ904に達するまでの経路長は、これによって増加する。
光源903およびセンサ904は、液滴を引き延ばす方向に沿って、水平に配置される。
細長い形状またはワイヤ形状の電極906は、液滴を電極906の形状にほぼ一致させる電界を供給し、それによって細長い液滴907を形成する。
【0049】
図10Aは、本発明の吸光度検出の装置または構成を示す。
本実施形態において、光源1005および検出器またはセンサ1006は、液滴アクチュエータにとって同一の側にあるが、液滴1003とまったく同一の平面ではなく実質的に同一の平面にあってもよい。
上部基板1000は、隙間1010によって底部基板1002から隔てられている。
液滴1003は、隙間1010の中に存在し得る。
光源1005からの光は、プリズム1001aによって方向を変えられ、液滴1003を通過する。
液滴1003からの光は、プリズム1001bによって方向を変えられ、センサ1006に達する。
光の方向を変えるために用いられる任意の光学素子(例えば鏡)を、この構成において用いてもよい。
更に、光の方向を変えるために用いられる光学素子が、実質的に液滴を通過する方向に光を方向づけ、その結果として、液滴を通過する他の可能な方向(光が方向づけられ得る方向)に対して、より長い光路を提供する限りは、光源およびセンサは、液滴に対して任意の空間的方向に配置されてもよい。
【0050】
図10Bは、本発明の吸光度検出の装置または構成を示す。
本実施形態において、光源1005からの光は、光ファイバ1004aを用いて液滴1003へと透過し、光ファイバ1004bを用いて液滴1003から検出器またはセンサ1006へと透過する。
【0051】
図10Cに、光ファイバ1004および液滴アクチュエータの異なる配置を示す。
例えば、液滴アクチュエータは、液滴1003が配置される延長部分を有するように構成してもよい。
光ファイバは、延長機能の両側に構成してもよい。
【0052】
図11は、本発明の吸光度検出の装置または構成を示す。
本実施形態において、充填材流体1105は、対象となる光を吸収する染料または添加剤を含む。
光源1104からの光は、液滴1102を通過して検出器またはセンサ1100に達するように方向づけられる。
液滴1102を通過しない光の一部または全ては、充填材流体1105によって吸収または反射される。
本実施形態は、光源1104および/または検出器1100のサイズが液滴1102よりも大きい構成にとって、特に適切である。
液滴1102を囲む領域は、充填材流体1105によってマスキングすることができる。
充填材流体1105は染料または逆カラーフィルタを含んでもよく、充填材流体1105は不透明であってもよく、および/または充填材流体1105は、光をセンサ1100から離れるように屈折させて液滴1102に通さないようにするような屈折率を有してもよい。
【0053】
関連する実施形態において、充填材流体は、発光液滴(例えば蛍光を発する液滴)からの光を散乱させる油溶性の粒子を添加したシリコーン油などの油であってもよく、その結果、液滴の光は、別の液滴の中に進入しない。
【0054】
本実施形態において、様々な染料を用いてもよい。
キーストーンアニリン社(Keystone Aniline)は、使用可能な油溶性染料(および蛍光染料も)を製造している。
黒い染料(例えばカーボンブラック)を用いてもよい。
着色したシリコーン油(例えばDMS―T21BLUおよびDMS―T21RED)も、ゲレスト社(Gelest)から入手可能である。
【0055】
他の適切な染料の例としては、サンドプラストレッドBB、マジェンタ、スダンI、スダンII、スダンIIIおよびスダンIV、オイルレッドO、およびナイルレッドが挙げられる。
一実施形態において、油溶性染料は、界面活性剤としての役割をも果たす。
【0056】
光源および検出器
上記の実施形態において、任意の単色光源をフィルタとともに用いてもよい。
液滴中の測定された染料の波長に同調するLEDは、有用である。
レーザ光は、有用であり得る。
検出器またはセンサは、例えば、シリコン、フォトダイオード、複数のフォトダイオード、ホトダイオードアレイ、単一のセンサ、または追加のCCD、アバランシェフォトダイオード、PMT(光電子増倍管)、光子計数PMT、または他の任意の低雑音検出器であってもよい。
光源、検出器および構成の例は、2006年12月11日に出願の「液滴ベースの生化学」という名称の国際特許出願PCT/US2006/47486号明細書において提供されており、その開示は本願明細書に援用されるものとする。
上記開示は、液滴の吸光度の検出に焦点を当てたものであるが、液滴の蛍光および/またはルミネセンスの検出を高めるために適切な構成が数多くあることはいうまでもない。
【0057】
液滴アクチュエータ
本発明とともに用いるのに適切な液滴アクチュエータのアーキテクチャの例として、以下を参照されたい。2005年6月28日にPamulaらに対して発行された「エレクトロウェッティングベースの技術によって液滴を操作する装置」という名称の米国特許第6,911,132号明細書、2006年1月30日に出願の「プリント回路基板上の液滴を操作する装置および方法」という名称の米国特許出願第11/343,284号明細書、2004年8月10日に発行の「マイクロ流体素子のための静電気アクチュエータおよび同上を用いるための方法」という名称の米国特許第6,773,566号明細書、2000年1月24日にShenderovらおよびPollackらに対して発行された「可動部のないマイクロ流体素子のためのアクチュエータ」という名称の米国特許第6,565,727号明細書、および2006年12月11日に出願の「液滴ベースの生化学」という名称の国際特許出願PCT/US2006/47486号明細書であり、それらの開示は本願明細書に援用されるものとする。
隙間高さは、好ましくは10マイクロメートル代から1センチメートル代であり、より好ましくは100マイクロメートル代から10ミリメートル代であり、最も好ましくは100マイクロメートル代から1ミリメートル代である。
電極寸法は、好ましくは10マイクロメートル代であり、より好ましくは100マイクロメートル代であり、最も好ましくは10ミリメートル代から1000マイクロメートル代の範囲内である。
【0058】
流体
本発明の方法に係る有用なサンプル流体の例として参照されたいものは、上記の「液滴アクチュエータ」という項目において列挙した一連の特許であり、特に、2006年12月11日に出願の「液滴ベースの生化学」という名称の国際特許出願PCT/US2006/47486号明細書である。
一部の実施形態において、流体は、生物学的サンプル(例えば、全血、リンパ液、血清、血漿、汗、涙、唾液、痰、脳脊髄液、羊水、精液、膣分泌物、漿液、滑液、囲心腔液、腹膜流体、胸水、漏出液、浸出液、嚢胞液、胆汁、尿、胃液、腸液、大便サンプル、流体化した組織、流体化した有機体、生物学的綿棒および生物学的洗浄物)を含む。
【0059】
充填材流体
隙間は、一般的に充填材流体によって充填される。
充填材流体は、例えば、シリコーン油などの低粘度の油、あるいは空気または不活性ガスなどの気体であってもよい。
充填材流体の他の例は、2006年12月11日に出願の「液滴ベースの生化学」という名称の国際特許出願PCT/US2006/47486号明細書において提供されており、その開示の全体は本願明細書に援用されるものとする。
【0060】
結論としての見解
上記の実施形態の詳細な説明は、本発明の特定の実施形態を図示する添付図面を参照するものである。
異なる構造および操作を有する他の実施形態は、本発明の範囲から逸脱しない。
【0061】
本明細書は、読者の便宜のみのために複数の項目に分割されている。
見出しは、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。
【0062】
本発明の様々な詳細は、本発明の範囲から逸脱することなく変更されてもよいことが理解されよう。
更に、上記の記載は、限定を目的とせず、例示のみを目的としたものであり、本発明は、下記の特許請求の範囲によって規定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴の吸光度を判定する方法であって、
(a)液滴アクチュエータを提供する工程であって、
(i)隔てられて隙間を形成する2つの基板と、
(ii)前記隙間内に配置され、かつ前記2つの基板の表面によって確立される液滴高さを有する、液滴とを含む、液滴アクチュエータを提供する工程と、
(b)前記液滴を通過して光を透過させるように配置される光源と、前記液滴からの光を検出するように配置されるセンサとを提供する工程であって、それによって前記液滴を通りかつ前記基板の前記表面と実質的に平行な光路を確立し、前記液滴を通過する前記光路は、前記液滴高さよりも大きい、工程と、
(c)前記光源からの光を、前記液滴を通過して前記センサへと方向づける工程と、
(d)前記センサにおいて前記光のエネルギーを検出する工程と、
(e)検出された前記光のエネルギーから前記液滴の光学特性を判定する工程とを含む、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記液滴を通過する前記光路が、1センチメートル未満である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
液滴の吸光度を判定する方法であって、
(a)液滴アクチュエータを提供する工程であって、
(i)隔てられて隙間を形成する2つの基板と、
(ii)前記隙間内に配置され、かつ前記2つの基板の表面によって確立される液滴高さを有する、液滴とを含む、液滴アクチュエータを提供する工程と、
(b)前記液滴を通過して光を透過させるように配置される光源と、前記液滴からの光を検出するように配置されるセンサとを提供する工程であって、それによって前記液滴を通過する光路を確立し、前記液滴を通過する前記光路は、前記液滴高さよりも大きい、工程と、
(c)前記液滴を通過する前記光路に沿って前記液滴を引き延ばすように液滴操作を実行する工程と、
(d)前記光源からの光を、前記液滴を通過して前記センサへと方向づける工程と、
(e)前記センサにおいて前記光のエネルギーを検出する工程と、
(f)検出された前記光のエネルギーから前記液滴の光学特性を判定する工程とを含む、ことを特徴とする方法。
【請求項4】
前記液滴を通過する前記光路が、1センチメートル未満である、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記液滴を基板の開口部の中に配置する工程であって、それによって前記液滴高さを増加させる、工程を更に含む、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記光路によって規定される前記液滴の中央垂直軸に沿って、電極を用いて前記液滴を引き延ばす工程を更に含む、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記液滴を通過する前記光路が、前記液滴高さおよび/または前記基板の表面と実質的に垂直である、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記液滴を通過する前記光路が、前記液滴高さを確立する前記表面の一方に対して実質的に鋭角をなす、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記液滴高さを増加させるために、液滴操作を実行する工程、および/または前記液滴に追加の液滴を追加する工程を更に含む、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記光源の経路における隙間に配置される液滴を更に含み、
(a)前記液滴が、ビーズを含み、
(b)前記液滴の光学特性が、前記ビーズの光学特性を指し示す、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記光源の経路における隙間に配置される液滴を更に含み、
(a)前記液滴が、生物学的細胞を含み、
(b)前記液滴の光学特性が、前記生物学的細胞の光学特性を指し示す、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項12】
(a)前記光源の経路における前記隙間における液滴と、
(b)前記液滴を囲む充填材流体とを更に含む、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項13】
前記液滴が、ビーズを含み、前記液滴の光学特性が、前記ビーズの光学特性を指し示す、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項14】
前記液滴が、生物学的細胞を含み、前記液滴の光学特性が、前記生物学的細胞の光学特性を指し示す、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項15】
前記液滴の光屈折特性とは異なる光屈折特性を有する充填材流体の中に前記液滴を提供する工程を更に含み、前記充填材流体に入射する光は、前記センサに達しない、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項16】
前記液滴の光吸収特性とは異なる光吸収特性を有する充填材流体の中に前記液滴を提供する工程を更に含み、対象となる波長における光は、前記センサに対しては前記液滴を通過するが、前記センサに対しては前記充填材流体を通過しない、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項17】
液滴の吸光度を判定する方法であって、
(a)液滴アクチュエータを提供する工程であって、
(i)隔てられて隙間を形成する2つの基板と、
(ii)前記隙間内に配置され、かつ前記2つの基板の表面によって確立される液滴高さを有する、液滴とを含む、液滴アクチュエータを提供する工程と、
(b)前記液滴を通過して光を透過させるように配置される光源と、前記液滴からの光を検出するように配置されるセンサとを提供する工程であって、それによって前記液滴を通過する光路を確立し、前記液滴を通過する前記光路は、前記液滴高さよりも大きく、前記光源および前記センサは、前記液滴の中央垂直軸からオフセットされており、前記光源および前記センサは、前記液滴アクチュエータにとっての対向側に配置される、工程と、
(c)前記光源からの光を、前記液滴を通過して前記センサへと方向づける工程と、
(d)前記センサにおいて前記光のエネルギーを検出する工程と、
(e)検出された前記光のエネルギーから前記液滴の光学特性を判定する工程とを含む、ことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記液滴を通過する前記光路が、1センチメートル未満である、ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記光源および前記センサを、前記液滴の中央垂直軸に対して互いにオフセットされるように提供する工程を更に含む、ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記液滴を通過する前記光路が、前記液滴高さよりも少なくとも2倍大きい、ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項21】
液滴の吸光度を判定する方法であって、
(a)液滴アクチュエータを提供する工程であって、
(i)隔てられて隙間を形成する2つの基板と、
(ii)前記隙間内に配置され、かつ前記2つの基板の表面によって確立される液滴高さを有する、液滴とを含む、液滴アクチュエータを提供する工程と、
(b)前記液滴を通過して光を透過させるように配置される光源と、前記液滴からの光を検出するように配置されるセンサとを提供する工程であって、それによって前記液滴を通過する光路を確立し、前記液滴を通過する前記光路は、前記液滴高さよりも大きい、工程と、
(c)前記光源からの光を、前記液滴を通過して前記センサへと方向づけるために、回析材料を用いる工程と、
(d)前記センサにおいて前記光のエネルギーを検出する工程と、
(e)検出された前記光のエネルギーから前記液滴の光学特性を判定する工程とを含む、ことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記液滴を通過する前記光路が、1センチメートル未満である、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記光路を方向づける工程が、前記光路が前記液滴を通過するように方向づける前に、前記光路が回析材料を通過するように方向づける工程を更に含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記光路を方向づける工程が、前記光路が前記液滴を通過するように方向づける前に、前記光路が回析材料を含む光学的開口部を通過するように方向づける工程を更に含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記光路を方向づける工程が、光学素子を用いて前記光路を方向づける工程を更に含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記光路を方向づける工程が、回析材料を含む光ファイバを用いて前記光路を方向づける工程を更に含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記光源からの光を前記液滴へと方向づけるように配置される光ファイバ、および/または前記回析材料を含んで前記液滴からの光を受け取るように配置される光ファイバを更に含む、ことを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項28】
前記光源と前記液滴との間に配置される回析材料を含む1つ以上の光学素子、および/または前記液滴と前記センサとの間に配置される1つ以上の光学素子を更に含む、ことを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項29】
前記光路を方向づける工程が、前記2つの基板の一方または両方の表面で反射するように前記光路を方向づける工程を更に含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項30】
液滴の吸光度を判定する方法であって、
(a)液滴アクチュエータを提供する工程であって、
(i)隔てられて隙間を形成する2つの基板と、
(ii)前記隙間に配置され、かつ前記2つの基板の表面によって確立される液滴高さを有する、液滴とを含み、前記液滴は、前記基板から離れた位置において試薬と混合される、液滴アクチュエータを提供する工程と、
(b)前記液滴を通過して光を透過させるように配置される光源と、前記液滴からの光を検出するように配置されるセンサとを提供する工程であって、それによって前記液滴を通過する光路を確立し、前記液滴を通過する前記光路は、前記液滴高さよりも大きい、工程と、
(c)前記光源からの光を、前記液滴を通過して前記センサへと方向づける工程と、
(d)前記センサにおいて前記光のエネルギーを検出する工程と、
(e)検出された前記光のエネルギーから前記液滴の光学特性を判定する工程とを含む、ことを特徴とする方法。
【請求項31】
前記液滴を通過する前記光路が、1センチメートル未満である、ことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
液滴の吸光度を判定する方法であって、前記方法は、
(a)液滴アクチュエータを提供する工程であって、
(i)隔てられて隙間を形成する2つの基板と、
(ii)前記隙間に配置され、かつ前記2つの基板の表面によって確立される液滴高さを有する、液滴とを含み、前記基板の一方または両方は、前記液滴よりも低い屈折率を有する材料を含む、液滴アクチュエータを提供する工程と、
(b)前記液滴を通過して光を透過させるように配置される光源と、前記液滴からの光を検出するように配置されるセンサとを提供する工程であって、それによって前記液滴を通過する光路を確立し、前記液滴を通過する前記光路は、前記液滴高さよりも大きい、工程と、
(c)前記光源からの光を、前記液滴を通過して前記センサへと方向づける工程と、
(d)前記センサにおいて前記光のエネルギーを検出する工程と、
(e)検出された前記光のエネルギーから前記液滴の光学特性を判定する工程とを含む、ことを特徴とする方法。
【請求項33】
前記液滴を通過する前記光路が、1センチメートル未満である、ことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
液滴アクチュエータ装置であって、
(a)隔てられて隙間を形成する2つの基板であって、前記基板の一方または両方は、1つ以上の液滴操作を実行するように構成される電極を含み、前記隙間に配置される液滴は、前記2つの基板の表面によって確立される液滴高さを有する、基板と、
(b)前記液滴を通過して光を透過させるように配置される光源と、
(c)前記液滴からの光を検出するように配置されるセンサとを備え、
前記光源および前記センサは、前記液滴を通過する光路を確立するように配置され、
前記液滴を通過する前記光路は、前記液滴高さよりも大きく、
前記液滴を通過する前記光路は、前記基板の前記表面と実質的に平行である、ことを特徴とする液滴アクチュエータ装置。
【請求項35】
前記液滴を通過する前記光路が、1センチメートル未満である、ことを特徴とする請求項34に記載の装置。
【請求項36】
液滴アクチュエータ装置であって、
(a)隔てられて隙間を形成する2つの基板であって、前記基板の一方または両方は、1つ以上の液滴操作を実行するように構成される電極を含み、前記隙間に配置される液滴は、前記2つの基板の表面によって確立される液滴高さを有する、基板と、
(b)前記液滴を通過して光を透過させるように配置される光源と、
(c)前記液滴からの光を検出するように配置されるセンサとを備え、
前記光源および前記センサは、前記液滴を通過する光路を確立するように配置され、
前記液滴を通過する前記光路は、前記液滴高さよりも大きく、
前記電極のうちの1つ以上は、前記液滴を通過する前記光路の距離を増加させるように前記液滴を引き延ばす1つ以上の液滴操作を実行するように構成される、ことを特徴とする液滴アクチュエータ装置。
【請求項37】
前記液滴を通過する前記光路が、1センチメートル未満である、ことを特徴とする請求項35に記載の装置。
【請求項38】
前記液滴を通過する前記光路が、前記液滴高さに対して実質的に垂直になるように、前記光源および前記センサが配置される、ことを特徴とする請求項35に記載の装置。
【請求項39】
前記液滴を通過する前記光路が、前記液滴高さを確立する前記表面の一方に対して実質的に鋭角をなすように、前記光源および前記センサが配置される、ことを特徴とする請求項35に記載の装置。
【請求項40】
前記液滴を通過する前記光路が、前記液滴高さの少なくとも2倍になるように、前記光源および前記センサが配置される、ことを特徴とする請求項35に記載の装置。
【請求項41】
前記光源の前記光路における前記隙間に配置される液滴を含み、前記液滴が、ビーズを含み、前記液滴の光学特性が、前記ビーズの光学特性を指し示す、ことを特徴とする請求項35に記載の装置。
【請求項42】
前記光源の前記光路における前記隙間に配置される液滴を含み、前記液滴が、生物学的細胞を含み、前記液滴の光学特性が、前記生物学的細胞の光学特性を指し示す、ことを特徴とする請求項35に記載の装置。
【請求項43】
液滴アクチュエータ装置であって、
(a)隔てられて隙間を形成する2つの基板であって、前記基板の一方または両方は、1つ以上の液滴操作を実行するように構成される電極を含み、前記隙間に配置される液滴は、前記2つの基板の表面によって確立される液滴高さを有する、基板と、
(b)前記液滴を通過して光を透過させるように配置される光源と、
(c)前記液滴からの光を検出するように配置されるセンサとを備え、
前記光源および前記センサは、前記液滴を通過する光路を確立するように配置され、
前記液滴を通過する前記光路は、前記液滴高さよりも大きく、
前記光源および前記センサは、前記液滴の中央垂直軸からオフセットされ、
前記光源および前記センサは、当該液滴アクチュエータにとっての対向側に配置される、ことを特徴とする液滴アクチュエータ装置。
【請求項44】
前記液滴を通過する前記光路が、1センチメートル未満である、ことを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記光源および前記センサが、前記液滴の中央垂直軸に対してオフセットされた関係に配置される、ことを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項46】
液滴アクチュエータ装置であって、
(a)隔てられて隙間を形成する2つの基板であって、前記基板の一方または両方は、1つ以上の液滴操作を実行するように構成される電極を含み、前記隙間に配置される液滴は、前記2つの基板の表面によって確立される液滴高さを有する、基板と、
(b)光を透過させるように配置される光源と、
(c)前記光が前記液滴を通過するように方向づけるように構成される回析材料と、
(d)前記液滴からの光を検出するように配置されるセンサとを備え、
前記光源および前記センサは、前記液滴を通過する光路を確立するように配置され、
前記液滴を通過する前記光路は、前記液滴高さよりも大きい、ことを特徴とする液滴アクチュエータ装置。
【請求項47】
前記液滴を通過する前記光路が、1センチメートル未満である、ことを特徴とする請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記回析材料が、前記液滴を通過して光を透過させるように配置された前記光源と前記液滴との間に、光学的開口部を含む、ことを特徴とする請求項46に記載の装置。
【請求項49】
前記回析材料が、前記光源と前記液滴との間に配置される、ことを特徴とする請求項46に記載の装置。
【請求項50】
前記回析材料が、前記液滴から出る光を再び前記液滴の中へと反射するように配置される反射面を含む、ことを特徴とする請求項46に記載の装置。
【請求項51】
液滴アクチュエータ装置であって、
(a)隔てられて隙間を形成する2つの基板であって、前記基板の一方または両方は、1つ以上の液滴操作を実行するように構成される電極を含み、前記隙間に配置される液滴は、前記2つの基板の表面によって確立される液滴高さを有し、前記基板の一方または両方は、前記液滴よりも低い屈折率を有する材料を含む、基板と、
(b)前記液滴を通過して光を透過させるように配置される光源と、
(c)前記液滴からの光を検出するように配置されるセンサとを備え、
前記光源および前記センサは、前記液滴を通過する光路を確立するように配置され、
前記液滴を通過する前記光路は、前記液滴高さよりも大きい、ことを特徴とする液滴アクチュエータ装置。
【請求項52】
前記液滴を通過する前記光路が、1センチメートル未満である、ことを特徴とする請求項51に記載の装置。
【請求項53】
液滴アクチュエータ装置であって、
隔てられて隙間を形成する2つの基板を備え、前記基板の一方または両方は、1つ以上の液滴操作を実行するように構成される電極を含み、
(a)前記隙間内に配置される液滴は、前記2つの基板の表面によって確立される液滴高さを有し、
(b)前記基板の一方または両方は、凹領域を含むことによって、前記凹領域に配置される液滴は、さほど凹んでいない領域に配置される液滴よりも大きな液滴高さを有する、ことを特徴とする液滴アクチュエータ装置。
【請求項54】
(a)前記液滴に対して実質的に垂直に光を透過させるように配置される光源と、
(b)前記液滴からの光を検出するように配置されるセンサとを更に備える、ことを特徴とする請求項53に記載の液滴アクチュエータ装置。
【請求項55】
前記液滴を通過する光路が、1センチメートル未満である、ことを特徴とする請求項54に記載の装置。
【請求項56】
液滴アクチュエータ装置であって、
(a)隔てられて隙間を形成する2つの基板であって、前記基板の一方または両方は、1つ以上の液滴操作を実行するように構成される電極を含む、基板であって、
(i)前記隙間内に配置される液滴は、前記2つの基板の表面によって確立される液滴高さを有し、
(ii)前記基板の一方または両方は、開口部を含み、前記開口部は、前記開口部と接触する液滴が前記開口部に入るように配置されることによって、前記隙間に配置される液滴よりも大きな液滴高さを有する前記液滴を提供する、基板と、
(b)前記液滴に対して実質的に垂直に光を透過させるように配置される光源と、
(c)前記液滴からの光を検出するように配置されるセンサとを備える、ことを特徴とする液滴アクチュエータ装置。
【請求項57】
前記液滴を通過する光路が、1センチメートル未満である、ことを特徴とする請求項56に記載の装置。
【請求項58】
前記光源から放射され、かつ充填材流体を通過するが前記液滴を通過しない対象波長帯を有する、光の一部または全部を、前記充填材流体が遮断することにより、前記充填材流体によって遮断される光が、前記センサによって検出されない、ことを特徴とする請求項56に記載の装置。
【請求項59】
充填材流体が、染料を含む、ことを特徴とする請求項56に記載の装置。
【請求項60】
液滴アクチュエータ装置であって、
(a)隔てられて隙間を形成する2つの基板であって、前記基板の一方または両方は、1つ以上の液滴操作を実行するように構成される電極を含む、基板と、
(b)前記隙間内に配置され、かつ前記2つの基板の表面によって確立される液滴高さを有する、液滴と、
(c)所定の帯域の光の透過を低減または排除する添加剤を含む充填材流体とを備える、ことを特徴とする液滴アクチュエータ装置。
【請求項61】
前記添加剤が、粒子および/または染料を含む、ことを特徴とする請求項60に記載の液滴アクチュエータ装置。
【請求項62】
前記添加剤が、界面活性剤としての役割をも果たす染料を含む、ことを特徴とする請求項60に記載の液滴アクチュエータ装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−521676(P2010−521676A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−553768(P2009−553768)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/056797
【国際公開番号】WO2008/112856
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(509225524)アドヴァンスト リキッド ロジック インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】