説明

吸入用噴霧器

【課題】 低い構造的負担でより大量のエアロゾルを吸息期に供給することができ、同時に呼息期のエアロゾルの損失を低減できる吸入用噴霧器を提供すること。
【解決手段】 吸入用噴霧器(1)は振動発生器(23)により振動されるダイアフラム(22)を有するエアロゾル発生器(2)を含む。吸入用噴霧器(1)はダイアフラム(22)に液接触する液体保存容器(21)を含む。保存容器(21)内に含まれる液体はダイアフラムの開口部を通って混合チャンバー(3)に向けて霧状化され、その後患者により吸入される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に吸入用噴霧器に関し、より詳細には、液体薬品および薬品を含有する液体のエアロゾルを形成する吸入用噴霧器に関する。特に本発明はエアロゾルの損失を最小限にしながらエアロゾル医薬を形成する吸入用噴霧器に関する。
【背景技術】
【0002】
吸入用噴霧器は容易に吸息できる大きさの粒子を含むエアロゾルを形成することにより薬品の治療有効量を供給する。エアロゾルは例えば、治療有効量の薬品または薬物が吸息期に患者の呼吸管に到達する吸息治療の領域内の患者により使用されることができる。
【0003】
種々の吸入用噴霧器が知られている。欧州特許公開第0170715A1号公報(特許文献1)はエアロゾルを形成するために圧縮気流を使用している。吸入用噴霧器の噴霧器チャンバー内のエアロゾル発生器としてノズルが配置されており、圧縮気体流路に隣接して配置された吸引管2個を有する。圧縮気体流路を通って圧縮空気が流動すると、噴霧すべき液体が液体保存容器から吸引管を通って引き込まれる。
【特許文献1】欧州特許公開第0170715A1号公報
【0004】
この噴霧器は連続操作吸入用噴霧器の代表例であり、エアロゾル発生器は吸息期のみならず患者が呼息する際にもエアロゾルを生成する。これは吸息期および呼息期よりなる呼吸周期を示す図1Aに模式的に示すとおりである。エアロゾル発生器により生成されたエアロゾルは吸息器においてのみ患者により実際に吸息されるが、他の時点で生成されたエアロゾルは全て損失する。
【0005】
エアロゾルの損失を回避するために、吸息期の一部または全てにエアロゾル生成を限定することにより図1Bに模式的に示す過程を得る試みが行なわれている。患者はエアロゾル生成を手動で中断できるか、またはエアロゾル生成を自動制御するセンサーにより患者の呼吸を検知することができる。何れの状況も、エアロゾルの生成の制御が患者に対する余分な負担となり、不十分な結果となる場合が多いため、完全であるとはいえない。エアロゾル生成の自動制御は、原則として得られる利点とは殆ど関連性のない多大な技術的負担となる。
【0006】
即ち、低い構造的負担でより大量のエアロゾルを吸息期に提供することができ、同時に呼息期のエアロゾルの損失を低減できる吸入用噴霧器がなお望まれている。
【発明の開示】
【0007】
本発明はエアロゾル発生器および混合チャンバーの双方を有する吸入用噴霧器を提供する。エアロゾル発生器は液体医薬のための液体保存容器を含む。ここで液体医薬はそれ自体、液体である薬物であることができ、また、液体医薬は所定の医薬を含有する溶液、懸濁液または乳液であることができる。好ましい実施態様においては、液体医薬は溶液、懸濁液または乳液中の活性薬剤である。
【0008】
エアロゾル発生器はまた、液体保存容器に充填された液体がダイアフラムの片側と接触するようにその片側が液体保存容器に連結されたダイアフラムを含んでいる。本ダイアフラムは、液体保存容器内の液体がダイアフラムに存在する開口部を通じて霧状化されるために調剤または計量されて混合チャンバーに入ることができるようにダイアフラムを振動させることのできる振動発生器に連結されている。
【0009】
混合チャンバーは、吸息期には混合チャンバー内に周囲空気が流入するのを可能とするが、呼息期にはエアロゾルの漏出を防止する吸息弁を有する。混合チャンバーはまた、呼息期には患者の呼気の排出を可能とするが、吸息期には周囲空気の流入を防止する呼息弁も有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の好ましい実施態様によれば、エアロゾル発生器は連続的にエアロゾルを生成する。該エアロゾルは患者が吸入用噴霧器に呼息する間、混合チャンバー内に収集される。呼息弁は患者の呼息空気が混合チャンバーに実質的に到達することなく周囲に排気されるようにし、吸息弁は吸息期には閉鎖され、混合チャンバーからのエアロゾルの漏出を防止する。呼息の間、連続運転されるエアロゾル発生器は混合チャンバー内にエアロゾルを蓄積または濃縮し、これにより吸息期には連続生成のために発生するエアロゾルの量が得られるのみならず、吸息期の開始時にもエアロゾル塊を吸息でき、これは呼息期にエアロゾルが蓄積されているために可能となるのである。
【0011】
ここで本発明は、とりわけ発生直後もエアロゾル粒子が同じく低速で良好な呼気性となるような、エアロゾル発生器による液体の霧状化の特殊な性質を利点とする。その結果、呼息期に形成されたエアロゾル塊は急速に安定化され、即ち、エアロゾル粒径は蒸発の結果として大きく変化しないが、これは、エアロゾルの量に対して使用可能な混合チャンバーの容量が比較的小さく、本発明によれば実質的に周囲空気はエアロゾル塊用のエアロゾルが発生される呼息期には混合チャンバーに到達しないためである。
【0012】
好ましい実施態様においては、ダイアフラムは液体保存容器の壁部の一部を形成し、これにより液体保存容器内の液体が直接ダイアフラムに接触し、これにより連続エアロゾル発生が確保されるのである。好ましくは、振動発生器は圧電気素子である。
【0013】
呼息弁は混合チャンバーに、即ち混合チャンバーの壁部内に配置することができる。好ましくは、呼息弁は患者の呼気が吸入用噴霧器内に到着する場所の近傍に位置する。好ましい実施態様においては、呼息弁はマウスピースまたはマウスピース連結部の近傍に位置する。呼息空気を環境に対して可能な限り直接排出するためには、別の有利な開発において、呼息弁は混合チャンバーに取り外し可能に搭載され、これを介して患者が混合チャンバーからエアロゾルを吸息するマウスピース自体に、またはその位置に配置している。この場合マウスピースは、混合チャンバーを拡大し、さらに容量を与えるように設計することができる。同時に、マウスピースの呼息弁の配置は、弁がマウスピースの開口部の近傍に位置することを可能とするものであり、このことは周囲への呼息空気の直接の排出に寄与している。
【0014】
別の有利な特徴において、液体保存容器はシリンダーであり、エアロゾル生成ダイアフラムはシリンダーの片側が円状板であるために配置され、そして振動発生器はダイアフラムを包囲する円状環である。本設計においては、周囲の空気は液体保存容器のシリンダー軸と同心円で存在する環状の空間または空隙を解して混合チャンバーに供給される。好ましくは、吸気弁の弁要素もまた円状板として設計される。
【0015】
主にエアロゾル発生器および混合チャンバーの回転対称設計は少なくともエアロゾル発生器を受容する部分においては有利である。ダイアフラムは回転軸に対して垂直に位置することができるが、それに対して傾けることもできる。
【0016】
本発明の吸入用噴霧器においてはエアロゾルの生成は連続して実施できるため、エアロゾル発生器の技術的に高価な制御は必要とされない。しかしなお、特に吸息期の開始時においてエアロゾル塊が提供されることから、患者のためのエアロゾルの生成と提供の概ね最適な過程を得ることができる。
【0017】
本明細書に記載するエアロゾル噴霧器は種々の活性薬剤の供給のために用いることができる。溶液、懸濁液または乳液として提供されることのできる如何なる薬物もエアロゾル噴霧器を介して活性薬剤として供給することができ、これにより達成される粒径分布に応じて局所および/または全身の薬物供給が可能となるのである。
【0018】
粒径分布は特定の用途に応じて旨適化することができる。例えば、約10μmより大きい質量メジアン空気力学的直径(MMAD)が患者の鼻腔に薬物を供給するためには適している。逆に、肺投与の場合は、約10μmより小さい、特に約6μmより小さいMMADが好ましい。本明細書に記載した噴霧器を用いて肺深部および全身薬剤供給のために約3μmより小さい粒子を発生させることができる。
【0019】
例示のために、肺局所薬物投与を用いて喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺感染症、肺癌、嚢胞性線維症等を治療することができる。
【0020】
エアロゾル噴霧器はまた溶解性および生体利用性が欠如しているため、または、胃腸管における薬物の吸収や分解が不良であるために経口投与できない薬物を供給するために使用することができる。さらにまた、噴霧器は、静脈内(iv)、筋肉内(im)、皮下(sc)および硬膜下の経路による非経腸投与を通常要する薬物の全身投与のために使用することができる。
【0021】
従って、エアロゾル噴霧器は溶液、懸濁液または乳液、または他の如何なる医薬投与系、例えばリポソームまたはナノソームとして、in−situで、または使用直前に、製剤または調製することのできる広範な種類の薬物のための経鼻または肺経路による局所および全身のエアロゾル薬物供給の双方を可能にする。噴霧器は孔径および混合チャンバーの寸法に応じて変更することにより、鼻または肺内へのエアロゾルの直接の供給を行なうことができる。従って、1〜30μmのMMADを有するエアロゾルを供給できる種々の液滴や粒子の大きさを得ることができる。
【0022】
薬物が賦形剤でコーティングされているか否かに関わらず即時または制御薬物呼息の製剤として種々の薬物を投与することができる。或いは、薬剤はリポソームまたはナノソームのような、または、マイクロおよび/またはナノカプセルのような小胞物として製剤することができる。噴霧器はほぼ全ての治療薬のクラスを単独または組み合わせて投与するために有用である。薬物は如何なる製薬上許容しうる誘導体または塩として製剤することもできる。キラル薬物は異性体、ジアステレオマーおよびラセミ混合物として使用することができる。治療薬のクラスと薬物の分類を以下に示す。
*抗喘息剤、例えばβアゴニスト、例えばサルブタモール、レバルブテロール、フォルモテロール、フェノテロール、サルメテロール、バムブテロール、ブロカテロール、クレンブテロール、テルブタリン、ツロブテロール、エピネフリン、イソプレナリンおよびヘキソプレナリン:
*抗コリン作動剤、例えばチオトロピウム、オキシトロピウム、イプラトロピウム、グルコピロレート;
*コルチコステロイド、エラスチン−、ロイコトリエン−およびブラジキニン−拮抗剤;
*粘液溶解剤および界面活性剤、例えばアセチルシステイン、アムブロキソール、カルボシステイン、チロキサポール、ジパルミトイルホスファチジルコリン、組み換え界面活性剤タンパクおよびD−Nase;
*抗炎症剤、例えばロモグリケートおよびネドクロミル、コルチコステロイド、例えばベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデゾニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、イコメタゾン、モメタゾン、ロフレポニド、トリアムシノロン、ブラジキニン‐、プロスタグランジン‐、ロイコトリエン‐および血小板活性化因子拮抗剤;
*広範な抗生物質、例えば:
・βラクタム抗生物質、例えばアモキシシラン、ピペラシリン、クラブラン酸、およびスルバクタム、
・セファロスポリン類、例えばセファクロル、セファゼドン、セフロキシム、セフォキシチン、セフォジズム、セフスロジン、セフポジキムおよびセフィキシム、
・カルバメート類、例えばイミペネムおよびシラスタチン、
・モンバクタム類、例えばアゼトレノナム、
・アミノグリコシド類、例えばストレプトマイシン、ネオマイシン、パロモマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシン、アミカシン、トブラマイシンおよびスペクチノマイシン、
・テトラサイクリン類、例えばドキシサイクリンおよびミノサイクリン、
・マクロリド類、例えばエリストマイシン、クラリストマイシン、ロキシスロマイシン、アジスロマイシン、ジョサマイシンおよびスピラマイシン、
・ジャイレース阻害剤、例えばシプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、ペフロキサシン、ロメフロキサシン、フレロキサシン、クリナフロキサシン、シタフロキサシン、ジェミフロキサシン、バロフロキサシン、トロバフロキサシンおよびモキシフロキサシン、
・スルホナミド類およびニトロイミダゾール類、例えばメトロニダゾール、チニダゾール、クロラムフェニコール、リノコマイシン、クリンダマイシンおよびホスホマイシン、および、
・グリコペプチド類、例えばバンコマイシンおよびテイコプラニン;
*抗結核剤、例えばリファンピシン、イソニアシド、シクロセリン、テリジドンおよびアンサマイシン;
*抗真菌剤および抗カビ剤、例えばアゾール誘導体、例えばクロトリマゾール、オキシコナゾール、ミコナゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾールおよびフルコナゾール、ポリエン抗生物質、例えばアンホテリシンB、ナタマイシン、ニスタチンおよびフルシトシン、および、化学療法剤、例えばペンタミジン;
*免疫抑制剤および免疫調節剤、例えばサイトカイン類(ジメプラノール−4−アセテートアミドベンゾエート、チモペンチン、インターフェロン、フィルグラスチン、インターロイキン、アザチオプリンおよびシクロスポリン;
*殺ウィルス剤、例えばポドフィロトキシン、ビダラビン、トロマンタジンおよびジドブジン、および、プロテイナーゼ阻害剤、例えばa−抗トリプシン;
*抗酸化剤、例えばトコフェロールおよびグルタチオン;
*下垂体ホルモン、視床下部ホルモン、調節ペプチドおよびその阻害剤、例えばコルチコトロピン、テトラコサクチド、絨毛性ゴナドトロピン、ウロフォリトロピン、ウロゴナドトロピン、サオマトトロピン、メテルゴリン、デスモプレシン、オキシトシン、アルギプレシン、オルニプレシン、ロイプロレリン、トリプトレリン、ゴナドレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンおよびソマトスタチン;
*副甲状腺ホルモン、カルシウム代謝調節剤、例えばジヒドロタキステロール、カルシトニン、クロドロン酸、エチドロン酸および甲状腺治療薬;
*性ホルモンおよびその抑制剤、例えば同化促進剤、男性ホルモン、卵胞ホルモン、ゲスターゲンおよび抗卵胞ホルモン;
*殺細胞剤および転移抑制剤、例えば:
・アルキル化剤、例えばニムスチン、メルファンラン、カルムスチン、ロムスチン、シクロホスホスファミド、イフォスファミド、トロフォスファミド、クロラムブシル、ブスルファン、トレオスルファン、プレドニムスチンおよびチオテパ、
・抗代謝剤、例えばシタラビン、フルオロウラシル、メトトレキセート、メルカプトプリンおよびチオグアニン、
・アルカロイド、例えばビンブラスチン、ビンクリスチンおよびビンデシン、
・抗生物質、例えばアルカルビシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシンおよびプリカマイシン、
・第2族元素(例えばTi、Zr、V、Nb、Ta、Mo、W、Pt)の複合体、例えばカルボプラチナム、シスプラチナムおよびメタロセン化合物、例えばチタノセンジクロリドアムサクリン、ダカルバジン、エストラムスチン、エトポシド、ヒドロキシカルバミド、マイトキサントロン、プロカルバジンおよびテミポシド;
*偏頭痛薬、例えばプロキシバルバル、リスリド、メチセルギド、ジヒドロエルゴタミン、エルゴタミン、クロニジン、ピゾチフェン;
*催眠剤および鎮静剤、例えばベゾジアゼピン、バルビツレート、シクロピロロンおよびイミダゾピリジン、
*抗癲癇剤、例えばバルビツレート、フェイトイン、プリミドン、メスキシミド、エトスキシミド、スルチアム、カルバマゼピン、バルプロ酸、ビガバトリン;
*抗パーキンソン病剤、例えばレボドパ、カルビドパ、ベンセラジド、セレグリン、ブロモクリプチン、アマンタジンおよびチアプリド;
*抗嘔吐剤、例えばチエチルペラジン、ブロモプリド、ドンペリドン、グラニセトロン、オンダセトロン、トロピセトロンおよびピリドキシン;
*中枢作用性鎮痛剤、例えばモルヒネ、コデイン、ヒドロモルホン、メタドン、フェンピプラミド、フェンタニル、ピリトラミド、ペンタゾシン、ブプレノルフィン、ナルブフィンおよびチリジン;
*麻薬中毒者用薬物、例えばN‐メチル化バルビツレート、チオバルビツレート、ケタミン、エトミデート、プロポフォル、ベンゾジアゼピン、ドロペリドール、ハロペリドール、アルフェンタニルおよびスルフェンタニル;
*抗リューマチ剤、例えば腫瘍壊死因子アルファおよび非ステロイド抗炎症剤;
*抗糖尿病剤、例えばインスリン、スルホニル尿素誘導体、ビグアニド、グリチゾール、グルカゴンおよびジアゾキシド;
*サイトカイン類、例えばインターロイキン、インターフェロン、腫瘍壊死因子(TNF)およびコロニー刺激因子(GM−CSF、G−CSF、M−CSF);
*蛋白(例えばエリスロポエチン)およびペプチド類(例えばパラタイリン、ソマトメジンC)または他の薬剤、例えばヘパリン、ヘパリノイド、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、ATP−ase、プロスタサイクリン、性的興奮剤および遺伝子等の経口投与できないものを経鼻または肺経路により本発明の噴霧器により有利に供給することができる。
【0023】
本発明の1つの実施例としての図3に示した構造を参照すると、エアロゾル発生器2には好ましくは円状板であるダイアフラム22により片側を定義されるシリンダー型の液体保存容器21が含まれる。液体保存容器に充填された液体(図示せず)はダイアフラム22の片側と接する。例えば圧電気結晶の振動発生器23は、ダイアフラム22を振動発生器23により振動させることができるように、ダイアフラム22の周囲を包囲する。これには振動発生器用の(図示せず)電気的駆動装置が必要であり、その構造および機能は当業者のよく知るとおりである。
【0024】
ダイアフラム22内に存在する開口部を通じてダイアフラム22の片側に接する液体が霧状化されて経由しダイアフラム22の別の片側に至り、この様にして混合チャンバー3内に向かって霧状化される。
【0025】
液体保存容器21は好ましくは調剤すべき特定の医薬のための侵入部を与える。1つの実施態様においては、液体保存容器21は吸入用噴霧器1内に直接装着された液体貯留器である。別の実施態様においては医薬は単一用量または多用量の容器のいずれかから計量された容量として液体保存容器21に提供される。多用量容器を用いる場合は、これには好ましくは市販の鼻用スプレー製品で用いられている標準的計量ポンプを装着する。
【0026】
液体保存容器21がシリンダー型である場合は、ダイアフラム22は円状に設計され、振動発生器23は環状に設計される。吸入用噴霧器1はエアロゾル発生器2および吸息弁31と呼息弁32を有する混合チャンバー3を有する。
【0027】
好ましくは、エアロゾル発生器2はやはりシリンダー型に設計されている混合チャンバー3の一部に配置される。これにより環状の空隙33がエアロゾル発生器2の周囲に形成され、これを通じて周囲の空気が吸息期に混合チャンバー3に流入できる。
【0028】
マウスピース4は好ましくは混合チャンバー3と一体型に形成されるが、混合チャンバーに取り外し可能に連結することもできる。患者はマウスピース4を通じてエアロゾルを吸息する。エアロゾルはエアロゾル発生器2により発生し、混合チャンバー3内に保存される。マウスピース4の大きさおよび形状はそれが混合チャンバー3を拡大し、同時に呼息弁32の配置を可能にするように選択することができる。呼息弁は好ましくは患者に対面するマウスピース4の開口部41に隣接して位置する。
【0029】
患者がマウスピース4の開口部41内に呼息すると、患者の呼気が周囲に排出されるため、呼息弁32が開口される。この目的のためには、呼息弁32の弁要素321が上昇し、呼息弁32の開口部322を開放する。吸息弁31は患者が吸入用噴霧器内に呼息する際には、吸息弁31の弁要素311は該弁の開口部312が閉じるように閉鎖される。
【0030】
患者がマウスピース4の開口部41を通して吸息する際には、弁要素311が上昇するため、吸息弁31は開口され、開口部312を開放する。これにより吸息弁31および環状空隙33を通って周囲の空気が混合チャンバーに流入し、エアロゾルと共に患者により吸息される。エアロゾルは呼息期の間、混合チャンバー3内に蓄積しているため、患者は増量したエアロゾル、いわゆるエアロゾル塊を、とりわけ吸息期の開始時に得ることができる。
【0031】
好ましい実施態様においては、吸息弁をエアロゾル2のシリンダー型および環状空隙33に装着する。可撓性弁要素311は混合チャンバー3のシリンダー型部分に搭載されている、例えば螺子接合されているキャップ5の中央に配置する締付突出部51で連結されている円状板として形成される。キャップ5はまた、液体保存容器21の外壁24との相互作用において弁要素311をクランプして締付けるシリンダー型の連結部品52を有する。
【0032】
液体保存容器21に対面するシリンダー連結部品52の側面には吸息弁31の開口部312が定義される第1の円状環板53が一体形成されている。相当する開口部54は、吸息過程の間に周囲の空気が開口部54および312を通って混合チャンバー3に流入できるようにキャップ5内に配設されている。ダイアフラムを有する前側では、エアロゾル発生器2は開口部26を有する第2の円状環板25を有しており、吸息期にはこれを通って周囲の空気が流動する。円状環板25は混合チャンバー3のシリンダー部分の内壁に形成された突出部34上に静置されている。即ち、キャップ5がこの位置にある場合、またはそこに螺子接合されている場合、エアロゾル発生器2並びに吸息弁31の可撓性弁要素311がしっかりと固定されるのである。
【0033】
エアロゾルダイアフラム発生器および混合チャンバーの部分の上記シリンダー型設計以外にも、他の回転対称設計を有利に用いることができる。更にまた、エアロゾル発生器のダイアフラムを傾斜位置に配置させることによりエアロゾルダイアフラム発生器により発生されるエアロゾルの拡散に影響を与え、これにより、この点に関して混合チャンバーおよびマウスピースの特定の設計を最適化することができる。
【0034】
以下に記載する非限定的実施例は本発明の説明のみを意図している。
【実施例1】
【0035】
本明細書に記載した吸入用噴霧器を用いて新規なサブミクロン懸濁液と共に2種の市販品の霧状化を試験した。VENTOLINTM(一般名アルブテロール)として市販されている硫酸サルブタモール並びにPULMICORTTMの商品名で販売されているブデゾニド懸濁液を試験した。比較のため、ブデゾニドの新規なサブミクロン懸濁液も試験した。各溶液または懸濁液は連続モードおよび呼吸トリガーモードの間に試験して吸入用噴霧器の性能を評価した。
【0036】
評価では、吸息フィルターにより捕獲することのできる被験溶液の比率を観察し、更に混合チャンバー、供給液体内に残存するか、または何らかの状態で損失するか回収不能となった薬品を観察した。
【0037】
結果を図4のグラフに示す。結果は、吸息フィルターへの付着は、アルブテロール溶液または新規サブミクロンのブデゾニド懸濁液の何れかを調剤した場合には呼吸トリガーモードで運転することにより約50%から約75%に増大できることを示している。呼吸トリガーモードで市販のブデゾニド懸濁液を調剤することにより約50%の効率化が達成できる。
【実施例2】
【0038】
本明細書に記載した吸入用噴霧器を前記実施例に記載した3種の試験成分を用いて市販品(PARI LC STAR)と比較した。図5はLC STARの結果および本発明の噴霧器(PEN)により得られた結果を示す。本発明の噴霧器はより小さい平均粒径で得られる薬物の比率をより高くしていることが結果により明らかになった。特にMMADは約3.7〜5.1μm(PARI LC STAR)から本発明の噴霧器では約2.2〜3.9μmにまで変化している。
【0039】
前記明細書、データおよび実施例は本発明の製造と使用を可能とする記述である。本発明の精神および範囲から外れることなく本発明の多くの実施態様を行なうことができるため、本発明は添付する請求項に帰属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1A】従来技術による呼吸周期に関する連続エアロゾル生成の履歴を示す図。
【図1B】従来技術による呼吸周期に関する制御エアロゾル生成の履歴を示す図。
【図2】本発明の連続エアロゾル生成の間の呼吸周期の履歴を示す図。
【図3】本発明の吸入用噴霧器の実施態様の断面図。
【図4】本発明の噴霧器で調剤した場合の幾つかの既知薬剤および新規なサブミクロン懸濁液の性能を示す図。
【図5】既存の製品に対して本発明の噴霧器の空気力学的粒径性能を比較する図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体医薬または医薬含有液体を充填できる液体保存容器、この液体保存容器に充填された液体がダイアフラムの片側と接触するようにその片側が液体保存容器に連結された該ダイアフラム、および、液体保存容器に充填された液体がダイアフラムの開口部を通じてダイアフラムの上記片側とは反対側において霧状化されるようにダイアフラムを振動させることのできる振動発生器、を包含するエアロゾル発生器と;
エアロゾル発生器からエアロゾルが内部に噴射される混合チャンバーと;
吸息期には混合チャンバー内への周囲空気の流入を可能とするために開口されており、呼息期には混合チャンバーからのエアロゾルの漏出を防止するように閉鎖されている吸息弁と;
呼息期には患者の呼気の排出を可能とするように開口されており、吸息期には周囲空気の流入を防止するために閉鎖されている呼息弁と;
を具備する吸入用噴霧器。
【請求項2】
液体保存容器が単一の予備計量医薬容量を含有する単一用量容器である、請求項1記載の吸入用噴霧器。
【請求項3】
液体保存容器が複数の予備計量医薬容量を含有する多数用量容器である、請求項1記載の吸入用噴霧器。
【請求項4】
液体保存容器が容器閉鎖システムとして吸入用噴霧器内に直接付設された液体貯留器である、請求項1記載の吸入用噴霧器。
【請求項5】
吸入用噴霧器により生成されるエアロゾルが約1μm〜約30μmの範囲の質量メジアン直径を有する、請求項1記載の吸入用噴霧器。
【請求項6】
ダイアフラムが液体保存容器の壁部の一部を形成するとともに、液体保存容器内に充填される液体がダイアフラムに直接接触するように液体保存容器を部分的に画定する、請求項1記載の吸入用噴霧器。
【請求項7】
液体保存容器が回転対称体であり、回転対称体またはシリンダーの前面に配置されたダイアフラムが円板であり、そして振動発生器がダイアフラムを包囲する円状環である、請求項1記載の吸入用噴霧器。
【請求項8】
混合チャンバーが回転対称体であり、エアロゾル発生器が液体保存容器の外周にそって配置されており、混合チャンバーのシリンダー部内に配設された突出部上に静置されている円状環板を包含する、請求項7記載の吸入用噴霧器。
【請求項9】
キャップが混合チャンバーの回転対称部分を閉鎖し、吸息弁の可撓性弁要素を定置させる、請求項8記載の吸入用噴霧器。
【請求項10】
ダイアフラムが混合チャンバーの回転対称部の回転軸に対して垂直に配置されている、請求項7記載の吸入用噴霧器。
【請求項11】
ダイアフラムが混合チャンバーの回転対称部の回転軸に対して傾いて配置されている、請求項7記載の吸入用噴霧器。
【請求項12】
混合チャンバーに取り外し可能に搭載されており、混合チャンバーからエアロゾルを患者が吸息する際の通路となるマウスピースに呼息弁が配置されている、請求項1記載の吸入用噴霧器。
【請求項13】
呼息弁が混合チャンバーの壁部に配置されている、請求項1記載の吸入用噴霧器。
【請求項14】
液体保存容器がシリンダー形状である、請求項7記載の吸入用噴霧器。
【請求項15】
混合チャンバーがシリンダー型部分を有する、請求項8記載の吸入用噴霧器。
【請求項16】
液体活性薬剤または活性薬剤含有液体を溶液、懸濁液および乳液の1つとして充填できる液体保存容器、この液体保存容器に充填された液体がダイアフラムの片側と接触するようにその片側が液体保存容器に連結された該ダイアフラム、および、液体保存容器に充填された液体がダイアフラムの開口部を通じてダイアフラムの上記片側とは反対側において霧状化されるようにダイアフラムを振動させることのできる振動発生器、を包含するエアロゾル発生器と;
エアロゾル発生器からエアロゾルが内部に噴射される混合チャンバーと;
吸息期には混合チャンバー内への周囲空気の流入を可能とするために開口されており、呼息期には混合チャンバーからのエアロゾルの漏出を防止するように閉鎖されている吸息弁と;
呼息期には患者の呼気の排出を可能とするように開口されており、吸息期には周囲空気の流入を防止するために閉鎖されている呼息弁と;
を具備する吸入用噴霧器。
【請求項17】
活性薬剤がサブミクロン懸濁液として提供される、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項18】
活性薬剤がリポソーム、ナノソーム、マイクロカプセルまたはナノカプセルの1つとして提供される、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項19】
活性薬剤が喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺感染症、嚢胞性線維症、アレルギー、疼痛、偏頭痛、リューマチ、癲癇、不眠症、癌、糖尿病、免疫およびホルモンの疾患および遺伝子欠損よりなる群から選択される疾患に対抗する作用を有する薬剤を包含する、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項20】
活性薬剤が経口投与できない薬剤を包含する、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項21】
活性薬剤が経鼻または肺経由の何れかで局所または全身供給するための薬剤または薬剤の組み合わせを包含する、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項22】
活性薬剤が抗喘息剤を包含する、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項23】
活性薬剤が抗炎症剤を包含する、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項24】
活性薬剤が抗感染症剤を包含する、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項25】
活性薬剤が抗結核剤を包含する、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項26】
活性薬剤が抗癲癇剤、抗痙攣剤、制吐剤、鎮痛剤、抗リューマチ剤、抗癌剤、粘液溶解剤、睡眠補助剤、抗真菌剤、性的興奮剤、蛋白またはペプチド、ヘパランおよび遺伝子よりなる活性薬剤群から選択される、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項27】
活性薬剤が抗糖尿病剤、インスリンおよびホルモンよりなる活性薬剤群から選択される、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項28】
活性薬剤がβ‐アゴニストまたは抗コリン作動剤を包含する請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項29】
活性薬剤がコルチコステロイド、ロイコトリエン拮抗剤、ブラジキニン拮抗剤、クロモン、抗ヒスタミン剤および抗体よりなる活性薬剤群から選択される、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項30】
活性薬剤がアミノグリコシド、セファロスポリン、マクロリド、チノロン、ニトロイミアダゾール、グリコペプチド、ポリエン抗生物質、β−ラクタム剤、テトラサイクリン、キノロン、スルホンアミドおよびアゾール誘導体よりなる活性薬剤群から選択される、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項31】
活性薬剤がベンゾジアゼピン、バルビツートおよびスクシンイミドよりなる活性薬剤群から選択される、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項32】
活性薬剤がシルデナフィルを包含する、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項33】
活性薬剤が抗トリプシン剤、エリスロポエチン、インターフェロン、キナーゼ、エラスターゼ、ペプチドおよび蛋白よりなる活性薬剤群から選択され、その活性薬剤を経鼻または肺経路により都合よく投与することができる、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項34】
活性薬剤がサルブタモール、レバルブテロール、フォルモテロール、フェノテロール、サルメテロール、バムブテロール、ブロカテロール、クレンブテロール、テルブタリン、ツロブテロール、エピネフリン、イソプレナリンおよびヘキソプレナリンよりなる活性薬剤群から選択される、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項35】
活性薬剤がチオトロピウム、オキシトロピウム、イプラトロピウムおよびグルコピロレートよりなる活性薬剤群から選択される、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項36】
活性薬剤がアセチルシステイン、アムブロキソール、カルボシステイン、チロキサポール、ジパルミトイルホスファチジルコリン、組み換え界面活性剤タンパクおよびD−Naseよりなる活性薬剤群から選択される、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項37】
活性薬剤がロモグリケート、ネドクロミル、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデゾニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、イコメタゾン、モメタゾン、ロフレポニド、トリアムシノロン、ブラジキニン‐、プロスタグランジン‐、ロイコトリエン‐および血小板活性化因子拮抗剤よりなる活性薬剤群から選択される、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項38】
活性薬剤がアモキシシラン、ピペラシリン、クラブラン酸、スルバクタム、セファクロル、セファゼドン、セフロキシム、セフォキシチン、セフォジズム、セフスロジン、セフポジキム、セフィキシム、イミペネム、シラスタチン、アゼトレノナム、ストレプトマイシン、ネオマイシン、パロモマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシン、アミカシン、トブラマイシン、スペクチノマイシン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、エリストマイシン、クラリストマイシン、ロキシスロマイシン、アジスロマイシン、ジョサマイシン、スピラマイシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、ペフロキサシン、ロメフロキサシン、フレロキサシン、クリナフロキサシン、シタフロキサシン、ジェミフロキサシン、バロフロキサシン、トロバフロキサシン、モキシフロキサシン、メトロニダゾール、チニダゾール、クロラムフェニコール、リノコマイシン、クリンダマイシン、ホスホマイシン、バンコマイシンおよびテイコプラニンよりなる活性薬剤群から選択される、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項39】
活性薬剤がリファンピシン、イソニアシド、シクロセリン、テリジドンおよびアンサマイシンよりなる活性薬剤群から選択される、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項40】
活性薬剤がクロトリマゾール、オキシコナゾール、ミコナゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール、アンホテリシンB、ナタマイシン、ニスタチン、フルシトシンおよびペンタミジンよりなる活性薬剤群から選択される、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項41】
活性薬剤がジメプラノール−4−アセテートアミドベンゾエート、チモペンチン、インターフェロン、フィルグラスチン、インターロイキン、アザチオプリンおよびシクロスポリンよりなる活性薬剤群;および
ポドフィロトキシン、ビダラビン、トロマンタジン、ジドブジンおよびa−抗トリプシンなどの殺ウィルス剤群から選択される、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項42】
活性薬剤がコルチコトロピン、テトラコサクチド、絨毛性ゴナドトロピン、ウロフォリトロピン、ウロゴナドトロピン、サオマトトロピン、メテルゴリン、デスモプレシン、オキシトシン、アルギプレシン、オルニプレシン、ロイプロレリン、トリプトレリン、ゴナドレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリン、ソマトスタチン、副甲状腺ホルモン、ジヒドロタキステロール、カルシトニン、クロドロン酸、エチドロン酸、甲状腺治療薬、同化促進剤、男性ホルモン、卵胞ホルモン、ゲスターゲンおよび抗卵胞ホルモン剤よりなる活性薬剤群から選択される、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項43】
活性薬剤がニムスチン、メルファンラン、カルムスチン、ロムスチン、シクロホスホスファミド、イフォスファミド、トロフォスファミド、クロラムブシル、ブスルファン、トレオスルファン、プレドニムスチン、チオテパ、シタラビン、フルオロウラシル、メトトレキセート、メルカプトプリン、チオグアニン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、アルカルビシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン、プリカマイシン、カルボプラチナム、シス−プラチナム、チタノセンジクロリドアムサクリン、ダカルバジン、エストラムスチン、エトポシド、ヒドロキシカルバミド、マイトキサントロン、プロカルバジンおよびテミポシドよりなる活性薬剤群から選択される、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項44】
活性薬剤がプロキシバルバル、リスリド、メチセルギド、ジヒドロエルゴタミン、エルゴタミン、クロニジン、ピゾチフェン、ベゾジアゼピン、バルビツレート、シクロピロロン、イミダゾピリジン、バルビツレート、フェイトイン、プリミドン、メスキシミド、エトスキシミド、スルチアム、カルバマゼピン、バルプロ酸、ビガバトリン、レボドパ、カルビドパ、ベンセラジド、セレグリン、ブロモクリプチン、アマンタジン、チアプリド、チエチルペラジン、ブロモプリド、ドンペリドン、グラニセトロン、オンダセトロン、トロピセトロン、ピリドキシン、モルヒネ、コデイン、ヒドロモルホン、メタドン、フェンピプラミド、フェンタニル、ピリトラミド、ペンタゾシン、ブプレノルフィン、ナルブフィン、チリジン、N‐メチル化バルビツレート、チオバルビツレート、ケタミン、エトミデート、プロポフォル、ベンゾジアゼピン、ドロペリドール、ハロペリドール、アルフェンタニル、スルフェンタニル、腫瘍壊死因子アルファおよび非ステロイド抗炎症剤よりなる活性薬剤群から選択される、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項45】
活性薬剤がインスリン、スルホニル尿素誘導体、ビグアニド、グリチゾール、グルカゴン、ジアゾキシド、インターロイキン、インターフェロン、腫瘍壊死因子(TNF)およびコロニー刺激因子よりなる活性薬剤群から選択される、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【請求項46】
活性薬剤が蛋白、ペプチド、ヘパリン、ヘパリノイド、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、ATP−ase、プロスタサイクリン、性的興奮剤および遺伝子よりなる活性薬剤群から選択され、経口投与できない活性薬剤を経鼻または肺経路の何れかにより吸入用噴霧器により都合よく供給できる、請求項16記載の吸入用噴霧器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体医薬または医薬含有液体を充填できる液体保存容器、この液体保存容器に充填された液体がダイアフラムの片側と接触するようにその片側が液体保存容器に連結された該ダイアフラム、および、液体保存容器に充填された液体がダイアフラムの開口部を通じてダイアフラムの上記片側とは反対側において霧状化されるようにダイアフラムを振動させることのできる振動発生器、を包含するエアロゾル発生器と;
エアロゾル発生器からエアロゾルが内部に噴射される混合チャンバーと;
吸息期には混合チャンバー内への周囲空気の流入を可能とするために開口されており、呼息期には混合チャンバーからのエアロゾルの漏出を防止するように閉鎖されている吸息弁と;
呼息期には患者の呼気の排出を可能とするように開口されており、吸息期には周囲空気の流入を防止するために閉鎖されている呼息弁と;
を具備し、
前記呼息弁は、呼息期において、混合チャンバーから患者の呼気を逃がす一方で、混合チャンバー内でエアロゾルが蓄積するように配置されている、吸入用噴霧器。
【請求項2】
液体保存容器が単一の予備計量医薬容量を含有する単一用量容器である、請求項1記載の吸入用噴霧器。
【請求項3】
液体保存容器が複数の予備計量医薬容量を含有する多数用量容器である、請求項1記載の吸入用噴霧器。
【請求項4】
液体保存容器が容器閉鎖システムとして吸入用噴霧器内に直接付設された液体貯留器である、請求項1記載の吸入用噴霧器。
【請求項5】
吸入用噴霧器により生成されるエアロゾルが約1μm〜約30μmの範囲の質量メジアン直径を有する、請求項1記載の吸入用噴霧器。
【請求項6】
ダイアフラムが液体保存容器の壁部の一部を形成するとともに、液体保存容器内に充填される液体がダイアフラムに直接接触するように液体保存容器を部分的に画定する、請求項1記載の吸入用噴霧器。
【請求項7】
液体保存容器が回転対称体であり、この回転対称体またはシリンダーの前面に配置されたダイアフラムが円板であり、そして振動発生器がダイアフラムを包囲する円状環である、請求項1記載の吸入用噴霧器。
【請求項8】
混合チャンバーが回転対称体であり、エアロゾル発生器が液体保存容器の外周にそって配置されており、混合チャンバーのシリンダー部内に配設された突出部上に静置されている円状環板を包含する、請求項7記載の吸入用噴霧器。
【請求項9】
キャップが混合チャンバーの回転対称部分を閉鎖し、吸息弁の可撓性弁要素を定置させる、請求項8記載の吸入用噴霧器。
【請求項10】
ダイアフラムが混合チャンバーの回転対称部の回転軸に対して垂直に配置されている、請求項7記載の吸入用噴霧器。
【請求項11】
ダイアフラムが混合チャンバーの回転対称部の回転軸に対して傾いて配置されている、請求項7記載の吸入用噴霧器。
【請求項12】
混合チャンバーに取り外し可能に搭載されており、混合チャンバーからエアロゾルを患者が吸息する際の通路となるマウスピースに呼息弁が配置されている、請求項1記載の吸入用噴霧器。
【請求項13】
呼息弁が混合チャンバーの壁部に配置されている、請求項1記載の吸入用噴霧器。
【請求項14】
液体保存容器がシリンダー形状である、請求項7記載の吸入用噴霧器。
【請求項15】
混合チャンバーがシリンダー型部分を有する、請求項8記載の吸入用噴霧器。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−122692(P2006−122692A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−343334(P2005−343334)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【分割の表示】特願2001−536227(P2001−536227)の分割
【原出願日】平成12年10月27日(2000.10.27)
【出願人】(592233015)パリ ゲゼルシャフトミット ベシュレンクテル ハフツング スペツィアリステン フィア エフェクティブインハレーション (1)
【Fターム(参考)】