説明

吸水性ポリマー粒子の製造装置

本発明は、輸送ベルトの連結部及び/又は輸送ベルト表面の損傷がシーラントで封止されている、連続的に運行する輸送ベルトでのモノマーの重合による吸水性ポリマー粒子の製造のための装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、輸送ベルトの連結部及び/又は輸送ベルト表面の損傷がシーラントで封止されている、連続的に運行する(umlaufen)輸送ベルトでのモノマーの重合による吸水性ポリマー粒子の製造のための装置に関する。
【0002】
吸水性ポリマー粒子の製造は、モノグラフィー"Modern Superabsorbent Polymer Technology",F.L.Buchholz及びA.T.Graham,Wiley−VCH,1998,第71頁〜第103頁の中で記載される。
【0003】
吸水性ポリマーは、おむつ、タンポン、ナプキン及びその他の衛生物品を製造するために使用されるが、農業園芸における保水剤としても使用される。
【0004】
DE 35 44 770 A1には、連続的に運行する輸送ベルト上での吸水性ポリマー粒子の製造のための装置が記載されている。
【0005】
EP 1 683 813 A2は、連続的に運行する輸送ベルト上での吸水性ポリマー粒子の製造のための装置を開示し、その際この輸送ベルト表面が低い軟化点を有するフッ素樹脂からなる。
【0006】
この輸送ベルトの終わりはこの装置への取り付けの際に1のエンドレスベルトへとつなぎ合わされていなくてはならない。このためにはこのベルトの終わりは例えば重なって接着されていることができる。この方法の欠点は、この接着部位のゆっくりとした硬化及びこれと関連した製造の中止である。更に、モノマー溶液又はモノマー懸濁液はこの連結部で発生する間隙に入り込み、重合により攻撃する。更にこの重なる縁部又はこの重なる縁部により条件付けられるデッドスペースでポリマーゲル残分が付着したままであることができる。
【0007】
本発明の課題は、吸水性ポリマー粒子の製造のための改善された装置の提供であった。特に本発明の課題は、監視するのが容易であり、長い寿命を有しかつ容易に修復できる輸送ベルトを提供することである。
【0008】
本発明の課題は、輸送ベルトの連結部及び/又は輸送ベルト表面の損傷がシーラントで封止されていることを特徴とする連続的に運行する輸送ベルト上でのモノマーの重合による吸水性ポリマー粒子の製造のための装置により解決された。
【0009】
この連結部の封止によりモノマー溶液又はモノマー懸濁液の侵入が妨げられ、この輸送ベルトの寿命は高められることができる。輸送ベルト表面の損傷は同様に封止されることができ、これにより輸送ベルト表面は回復し、損傷部位の拡大が回避される。
【0010】
しかしながら本発明の有利な一実施態様において、この輸送ベルトは1のエンドレスベルトへと少なくとも1の機械的連結子を用いて接続される。この機械的連結子は取り外し可能であるか又は取り外し不可能であり、しかしながらその際取り外し可能な機械的な連結子が有利である。
【0011】
適した取り外し不可能な機械的連結子は例えば機械的プレート片であって、この輸送ベルトの両末端をリベット留できるものである。
【0012】
適した取り外し可能な機械的連結子は例えばこの輸送ベルトの両末端でのアイレットであり、その際この輸送ベルトの両末端のアイレットは少なくとも1の結合ロッドを用いて相互に結合されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、複数のアイレット(1)及び結合ロッド(2)を有するこの種の連結部のための一例を示す。
【0014】
この機械的連結子の使用は、より迅速な取り付け及びより迅速な輸送ベルトの運転開始を可能にする。このシーラントはこれまでの慣用の接着部位に比較して顕著により迅速に硬化する。特にこの不可避な引張負荷は機械的連結子によりシーラントから遠位に維持される。
【0015】
この輸送ベルトは十分な引張強さ及び曲げ強さ並びに良好な柔軟性及び化学的抵抗性を有するものである。したがって有利にはこの表面でコーティングされた織物は輸送ベルトとして使用される。適した織物材料は例えば天然の及び合成の繊維、ガラス繊維及び鋼である。しかしながら有利には合成の繊維、特にポリエステル繊維を基礎とした織物が使用される。
【0016】
輸送ベルトの上面のための適した材料は例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブテン、ハロゲン化ポリオレフィン、例えばポリ塩化ビニル又はポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、天然又は合成のゴム、ポリエステル樹脂又はエポキシド樹脂である。この輸送ベルト表面のための有利な材料はシリコーンゴムである。
【0017】
適したシーラントは例えばポリアクリラート又はポリウレタンを基礎とするシーラントである。この有利なシーラントは、シリコーンゴムを基礎とするシーラントである。このシーラントは有利には可能な限り少ない収縮傾向を有する。
【0018】
この使用されるシーラントは、十分に高い熱安定性を有するものである。したがってこのシーラントは有利には少なくとも140℃まで、特に有利には少なくとも190℃まで、特にとりわけ有利には少なくとも220℃まで安定性である。
【0019】
更にこの使用されるシーラントは疎水性であり、柔軟であり、平滑であり、並びにUV線及び酸に対して安定性であることが望ましい。
【0020】
この疎水性シーラントは水に対して有利には少なくとも60°、有利には少なくとも70°、特に有利には少なくとも80°、特にとりわけ有利には少なくとも90°の接触角を有する。この接触角は、表面に対する液体の湿潤挙動のための尺度であり、慣用の方法を用いて測定でき、有利にはASTM D5725により測定できる。より小さい接触角は良好な湿潤を、より大きい接触角は劣悪な湿潤を意味する。
【0021】
本発明の更なる主題は、本発明による装置の連続的に運行する輸送ベルトでのモノマー溶液又はモノマー懸濁液の重合による吸水性ポリマー粒子の製造方法である。
【0022】
本発明の方法においては、例えば
a)少なくとも1種のエチレン性不飽和の酸基含有モノマー、これは少なくとも部分的に中和されていることができる、
b)少なくとも1種の架橋剤、
c)場合により1種又は複数種の、a)で挙げたモノマーと共重合可能なエチレン性及び/又はアリル性不飽和モノマー、及び
d)場合により1種又は複数種の水溶性ポリマー
を含有する
水性のモノマー溶液又はモノマー懸濁液を使用することができる。
【0023】
モノマーa)は、好ましくは水溶性である。すなわち、23℃での水中での溶解度は、一般に少なくとも1g/100g水、好ましくは少なくとも5g/100g水、特に有利には少なくとも25g/100g水、殊に有利には少なくとも50g/100g水である。理想的にはモノマーa)は水と全ての比において混合可能である。
【0024】
適したモノマーa)は例えば、エチレン性不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸である。特に有利なモノマーは、アクリル酸及びメタクリル酸である。さらにアクリル酸が特に有利である。
【0025】
更なる適したモノマーa)は例えばエチレン性不飽和スルホン酸、例えばスチレンスルホン酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)である。
【0026】
モノマーa)の全量におけるアクリル酸及び/又はその塩の割合は、有利に少なくとも50モル%、特に有利に少なくとも90モル%、とりわけ有利に少なくとも95モル%である。
【0027】
このモノマーa)、特にアクリル酸は、好ましくは0.025質量%までのヒドロキノン半エーテルを含有する。有利なヒドロキノン半エーテルは、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)及び/又はトコフェロールである。
【0028】
トコフェロールは、以下の式
【化1】

[式中、R1は、水素又はメチルであり、R2は、水素又はメチルであり、R3は、水素又はメチルであり、かつR4は、水素又は1〜20個の炭素原子を有する酸基を意味する]の化合物と解する。
【0029】
4の有利な基は、アセチル、アスコルビル、スクシニル、ニコチニル及び生理学的に認容性の別のカルボン酸である。前記カルボン酸は、モノカルボン酸、ジカルボン酸又はトリカルボン酸であってよい。
【0030】
1=R2=R3=メチルであるアルファ−トコフェロール、特にラセミのアルファ−トコフェロールが有利である。Rは、とりわけ有利には、水素又はアセチルである。特に有利に、RRR−アルファ−トコフェロールである。
【0031】
モノマー溶液は、それぞれアクリル酸に対して、有利には高くても130質量ppm、特に有利には高くても70質量ppm、好ましくは少なくとも10質量ppm、特に好ましくは少なくとも30質量ppm、特に約50質量ppmのヒドロキノン半エーテルを含有し、その際、アクリル酸塩は、アクリル酸としてともに考慮される。例えば、このモノマー溶液の製造のために、アクリル酸を相応する含有量のヒドロキノン半エーテルと一緒に使用することができる。
【0032】
架橋剤b)は、有利には、ポリマー網目中にラジカル重合導入できる少なくとも2個の重合可能な基を有する化合物である。適した架橋剤b)は、例えばエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、テトラアリルオキシエタン(例えばEP530438A1に記載)、ジアクリレート及びトリアクリレート(例えばEP547847A1、EP559476A1、EP632068A1、WO93/21237A1、WO2003/104299A1、WO2003/104300A1、WO2003/104301A1及びDE10331450A1に記載)、アクリレート基以外にさらに別のエチレン性不飽和基を含有する混合アクリレート(例えばDE10331456A1及びDE10355401A1に記載)、又は架橋剤混合物(例えばDE19543368A1、DE19646484A1、WO90/15830A1及びWO2002/32962A2に記載)である。
【0033】
適切な架橋剤b)は、特にN,N′−メチレンビスアクリルアミド及びN,N′−メチレンビスメタクリルアミド、不飽和モノカルボン酸又はポリカルボン酸とポリオールとのエステル、例えばジアクリラート又はトリアクリラート、例えばブタンジオールジアクリラート又はエチレングリコールジアクリラート、又はブタンジオールジメタクリラート又はエチレングリコールジメタクリラート並びにトリメチロールプロパントリアクリラート及びアリル化合物、例えばアリル(メタ)アクリラート、トリアリルシアヌラート、マレイン酸ジアリルエステル、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルアンモニウムクロリド、テトラアリルエチレンジアミン、リン酸のアリルエステル並びにビニルホスホン酸誘導体(例えば、EP-A-0 343 427中に記載されている)である。更に好適な架橋剤b)は、ペンタエリトリトールジ−、ペンタエリトリトールトリ−及びペンタエリトリトールテトラアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル及びグリセリントリアリルエーテル、ソルビトールをベースとするポリアリルエーテル並びにそのエトキシル化された変型である。本発明による方法の場合に、ポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリラートが使用可能であり、その際、使用されたポリエチレングリコールは100〜1000の分子量を有し、例えばポリエチレングリコール−400−ジアクリレートである。
【0034】
しかしながら、特に有利な架橋剤b)は、3〜20箇所でエトキシル化されたグリセリン、3〜20箇所でエトキシル化されたトリメチロールプロパン、3〜20箇所でエトキシル化されたトリメチロールエタンのジアクリレート及びトリアクリレート、特に、2〜6箇所でエトキシル化されたグリセリン又はトリメチロールプロパン、3箇所でプロポキシル化されたグリセリン又はトリメチロールプロパン、並びに混合して3箇所でエトキシル化又はプロポキシル化されたグリセリン又はトリメチロールプロパン、15箇所でエトキシル化されたグリセリン又はトリメチロールプロパン、並びに少なくとも40箇所でエトキシル化されたグリセリンの、トリメチロールエタン又はトリメチロールプロパンのジアクリレート及びトリアクリレートである。
【0035】
特に極めて有利な架橋剤b)は、例えばWO2003/104301A1に記載されているような、ジアクリレート又はトリアクリレートを得るためにアクリル酸又はメタクリル酸とエステル化された多重エトキシル化及び/又はプロポキシル化されたグリセリンである。3〜10箇所でエトキシル化されたグリセリンのジ−及び/又はトリアクリレートが特に有利である。特にとりわけ有利には、1〜5箇所エトキシル化及び/又はプロポキシル化されたグリセリンのジアクリレート又はトリアクリラートである。3〜5箇所でエトキシル化及び/又はプロポキシル化されたグリセリンのトリアクリレートが最も有利である。
【0036】
架橋剤b)の量は、そのつどモノマーa)に対して、有利には0.05〜1.5質量%、特に有利には0.1〜1質量%、特にとりわけ有利には0.3〜0.6質量%である。
【0037】
エチレン性不飽和の酸基含有モノマーa)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマーc)は、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、クロトン酸アミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノブチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノネオペンチルアクリレート及びジメチルアミノネオペンチルメタクリレートである。
【0038】
水溶性ポリマーd)としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、デンプン誘導体、セルロース、セルロース誘導体、ポリグリコール又はポリアクリル酸、好ましくはポリビニルアルコール及びデンプンを使用することができる。
【0039】
好ましい重合抑制剤は、最適な作用のために溶解された酸素を必要とする。従って、このモノマー溶液からは重合前に、不活性化、即ち不活性ガス、有利には窒素を用いた貫流により溶解した酸素が取り除かれることができる。有利には、モノマー溶液の重合前の酸素含有率は、1質量ppm未満に、特に有利には0.5質量ppm未満に低下される。
【0040】
重合の際に連続的に運行するベルトでポリマーゲルが生じ、これを更なる方法工程で通常のように破砕され、例えばミンチャー、押出機又はニーダー中である。
【0041】
得られたポリマーゲルの酸基は、一般的には部分的に、好ましくは25〜95mol%、有利には50〜80mol%、特に好ましくは60〜75mol%中和されており、その際、慣用の中和剤、好ましくはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩又はアルカリ金属炭酸水素塩並びにこれらの混合物を使用することができる。アルカリ金属塩の代わりに、アンモニウム塩を使用することもできる。ナトリウム及びカリウムは、アルカリ金属として特に好ましく、しかしながら殊に好ましいのは水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウム並びにこれらの混合物である。
【0042】
この中和は有利には前記モノマーの工程で実施される。通常中和は中和剤を、水溶液として、溶融物としてか又は好ましくは固形として混合導入することによって行われる。例えば、50質量%を明らかに下回る含水量を有する水酸化ナトリウムは、23℃を越える融点を有するワックス状の塊として存在していてよい。この場合には、高めた温度でばら材(Stueckgut)又は溶融物として計量供給することが可能である。
【0043】
しかしながら、重合の後の中和をポリマーゲルの段階で実施することも可能である。更に、重合前に酸基を40mol%まで、好ましくは10〜30mol%、特に好ましくは15〜25mol%、中和剤の一部をモノマー溶液に既に添加することにより中和すること、及び所望の最終中和度を重合の後にすぐにポリマーゲルの段階で調節することも可能である。前記ポリマーゲルを少なくとも部分的に重合の後に中和する場合、前記ポリマーゲルは有利に機械的に、場合によりミンチャーを用いて粉砕し、その際、中和剤を吹き付けるか、降りかけるか又は注ぎ込み、次いで入念に混合することができる。そのために、得られたゲル材料は、なお数回均質化のために粉砕することができる。
【0044】
このポリマーゲルを、次いで有利にはベルト乾燥器を用いて、残留湿分率が好ましくは15質量%未満、好ましくは10質量%未満になるまで乾燥させ、その際、この含水率は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)により推奨される試験法番号230.2-05「Moisture content」により測定する。しかしながら、選択的に、この乾燥のために、流動床乾燥機又は加熱されたプローシェアミキサーを使用することもできる。特に白色の製品を得るために、このゲルの乾燥の際に蒸発された水の急速な搬出を保証することが有利である。このために、乾燥器温度を最適化すべく空気供給及び空気排出を制御して実施しなくてはならず、それぞれの場合に十分な通気を留意すべきである。当然の事ながら、乾燥は、ゲルの固形含有率が可能な限り高い場合には、それだけ一層簡単であり、かつ製品はそれだけ一層白い。従って、有利に、この乾燥前のゲルの固形含有率は25〜80質量%である。特に、前記乾燥機に窒素又は他の酸化しない不活性ガスを通気するのが有利である。しかしながら、選択的に、酸化による黄変現象を回避するために、乾燥の間の酸素分圧だけを簡単に下げることもできる。
【0045】
この後で、乾燥させたポリマーゲルをこの後で通常のように破砕及び分級し、その際破砕のために有利には1段階又は多段階のロールミル、好ましくは2段階又は3段階のロールミル、ピンミル、ハンマーミル又はスイングミルを使用することができる。
【0046】
生成物画分として分離されたポリマー粒子の平均粒径は、好ましくは少なくとも200μm、とりわけ有利には250〜600μm、極めて有利には300〜500μmである。生成物画分の平均粒径は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)によって推奨された試験法Nr.WSP 220.2-05"Partikel size distribution"に従って測定されることができ、その際、篩画分の質量割合が累積的にプロットされ、かつ平均粒径がグラフを用いて決定される。この場合、平均粒径は、累積して50質量%となる目開きの値である。
【0047】
有利には少なくとも150μm、特に有利には少なくとも200μm、特にとりわけ有利には少なくとも250μmの粒径を有する粒子の割合は、有利には少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも95質量%、特にとりわけ有利には少なくとも98質量5である。
【0048】
有利には最高で850μm、特に有利には最高で700μm、特にとりわけ有利には最高で600μmの粒径を有する粒子の割合は、有利には少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも95質量%、特にとりわけ有利には少なくとも98質量%である。
【0049】
ポリマー粒子は、特性の更なる改善のために後架橋されることができる。適した後架橋剤は、ポリマーゲルの少なくとも2個のカルボキシレート基と共有結合を形成しうる基を含有する化合物である。適した化合物は、例えばアルコキシシリル化合物、ポリアジリジン、ポリアミン、ポリアミドアミン、ジエポキシド又はポリエポキシド(例えばEP83022A2、EP543303A1及びEP937736A2に記載)、二官能性又は多官能性アルコール(例えばDE3314019A1、DE3523617A1及びEP450922A2に記載)、又はβ−ヒドロキシアルキルアミド(例えばDE10204938A1及びUS6,239,230に記載)である。
【0050】
加えて、DE4020780C1の中で環状カーボネートが、DE19807502A1の中で2−オキサゾリドン及びその誘導体、例えば2−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリドンが、DE19807992C1の中でビス−及びポリ−2−オキサゾリジノンが、DE19854573A1の中で2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジン及びその誘導体が、DE19854574A1の中でN−アシル−2−オキサゾリドンが、DE10204937A1の中で環状尿素が、DE10334584A1の中で二環状アミドアセタールが、EP1199327A2の中でオキセタン及び環状尿素が、またWO2003/31482A1の中でモルホリン−2,3−ジオン及びその誘導体が適した後架橋剤として記載されている。
【0051】
さらに、DE3713601A1に記載されているような、付加的な重合可能なエチレン性不飽和基を含有する後架橋剤も使用することができる。
【0052】
後架橋剤の量は、そのつどポリマーに対して有利には0.001〜2質量%、特に有利には0.02〜1質量%、特にとりわけ有利には0.05〜0.2質量%である。
【0053】
本発明の有利な一実施態様においては、後架橋の前、間又は後に、後架橋剤の他に更に多価カチオンが粒子表面上に施与される。
【0054】
本発明による方法において使用することができる多価カチオンは例えば二価のカチオン、例えば亜鉛、マグネシウム、カルシウム及びストロンチウムのカチオン、三価のカチオン、例えばアルミニウム、鉄、クロム、希土類及びマンガンのカチオン、四価のカチオン、例えばチタン及びジルコニウムのカチオンである。対イオンとして、例えば塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン及びカルボン酸イオン、例えば酢酸イオン及び乳酸イオンが可能である。硫酸アルミニウムが有利である。金属塩以外に、多価カチオンとしてポリアミンも使用することができる。
【0055】
多価カチオンの使用量は、そのつどポリマーに対して、例えば0.001〜1.5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、とりわけ有利には0.02〜0.8質量%である。
【0056】
この後架橋は、一般的には、後架橋剤の溶液をポリマーゲル又は乾燥させたポリマー粒子上に吹き付けることにより実施される。この噴霧に引続き、後架橋剤でコーティングしたポリマー粒子を加熱乾燥し、その際、後架橋反応は乾燥前でも乾燥中でも生じうる。
【0057】
架橋剤の溶液の噴霧は、好ましくは、可動式混合装置を有するミキサー、例えばスクリューミキサー、ディスクミキサー、プローシェアミキサー及びブレードミキサー中で実施される。特に有利に、水平型ミキサー、例えばプローシェアミキサー及びブレードミキサー、特にとりわけ有利には垂直型ミキサーである。適したミキサーは、例えばLoedigeミキサー、Bepexミキサー、Nautaミキサー、Processallミキサー及びSchugiミキサーである。
【0058】
この後架橋剤は典型的には水溶液として使用される。非水性溶媒に関する添加を介してポリマー粒子中への後架橋剤の侵入深さが調整されることができる。
【0059】
この加熱乾燥は、好ましくは接触乾燥器、特に好ましくはパドル型乾燥器、殊に好ましくはディスク型乾燥器中で実施する。
【0060】
適した乾燥機は、例えばBepex乾燥機及びNara乾燥機である。さらに、流動床乾燥機も使用することができる。
【0061】
乾燥は、混合機それ自体中で、ジャケットの加熱又は熱風の吹き込みによって行なうことができる。後接続された乾燥機、例えば箱形乾燥機、回転管炉か又は加熱可能なスクリューは、同様に好適である。とりわけ好ましくは、流動層乾燥機中で混合及び乾燥される。
【0062】
有利な乾燥温度は、100〜250℃、有利には120〜220℃、特に有利には130〜210℃、特にとりわけ有利には150〜200℃の範囲内にある。反応ミキサー又は乾燥器中でのこの温度での有利な滞留時間は、有利には少なくとも10分間、特に有利には少なくとも20分間、とりわけ有利には少なくとも30分間であり、通常多くとも60分間である。
【0063】
引き続き、後架橋されたポリマーを、新たに分級してよい。
【0064】
この後架橋されたポリマー粒子は、特性のさらなる改善のためにコーティング又は後湿潤してよい。獲得挙動(Akquisitionsverhalten)並びに透過性(SFC)の改善のための適したコーティングは例えば無機の不活性物質、例えば水不溶性金属塩、有機ポリマー、カチオン性ポリマー並びに二価又は多価の金属カチオンである。粉塵結合のための適したコーティングは例えばポリオールである。ポリマー粒子の不所望な凝結傾向(Verbackungsneigung)に対する適したコーティングは、例えば熱分解シリカ、例えばAerosil(R) 200及び界面活性剤、例えばSpan(R) 20である。
【0065】
本発明による方法により得られる吸水性ポリマー粒子は、一般に少なくとも15g/g、好ましくは少なくとも20g/g、有利には少なくとも22g/g、特に有利には少なくとも24g/g、殊に有利には少なくとも26g/gの遠心保持容量(CRC)を有する。吸水性ポリマー粒子の遠心保持容量(CRC)は、通常は60g/g未満である。遠心保持容量(CRC)は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)によって推奨された試験法Nr.241.2−05"Centrifuge retention capacity"に従って測定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送ベルトの連結部及び/又は輸送ベルト表面の損傷がシーラントで封止されていることを特徴とする連続的に運行する輸送ベルトでのモノマーの重合による吸水性ポリマー粒子の製造のための装置。
【請求項2】
輸送ベルトが少なくとも1の機械的連結子を有することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
少なくとも1の機械的連結子が取り外し可能であることを特徴とする請求項2記載の装置。
【請求項4】
少なくとも1の取り外し可能な連結子が少なくとも1の結合ロッドの取り外しにより取り外し可能であることを特徴とする請求項3記載の装置。
【請求項5】
輸送ベルトがこの表面でコーティングされた織物であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
織物がポリエステルを基礎とする織物であることを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項7】
輸送ベルト表面がシリコーンゴムからなることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
シーラントがシリコーンゴムを基礎とするシーラントであることを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
シーラントが少なくとも140℃まで安定性であることを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
シーラントが疎水性であることを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項記載の装置の連続的に運行する輸送ベルトで水性のモノマー溶液又はモノマー懸濁液を重合することによる吸水性ポリマー粒子の製造方法。
【請求項12】
吸水性ポリマー粒子が少なくとも15g/gの遠心保持容量を有することを特徴とする請求項11記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2011−509228(P2011−509228A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538647(P2010−538647)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【国際出願番号】PCT/EP2008/067617
【国際公開番号】WO2009/077526
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】