説明

商品収納容器

【課題】 内部の商品が視認可能な商品収納容器において、製造コストの増加を抑えながら、内部の商品を確実に保護できるようにする。
【解決手段】 内箱部1は、第1底面部10と、第1底面部10から略直角に折り曲げて形成される第1側面部11〜第4側面部14と、第3側面部13の上側先端部から内側に開閉可能に折り曲げて形成される蓋部15と、第2側面部12及び第4側面部14の上側先端部から内側に折り曲げて形成される第1規制部16及び第2規制部17とを有し、内部に商品Xが収納可能な直方体形状の箱である。第1底面部10、第1側面部11〜第4側面部14、蓋部15、第1規制部16及び第2規制部17は、1枚の透明シートにより一体成形されている。第1規制部16及び第2規制部17は、商品Xの両側部に弾性接触可能に設けられ、商品Xの移動を規制するためのものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品収納容器、特に、商品を収納する箱状の商品収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの商品は、箱状の商品収納容器に収納されて店頭に並べられている。従来の収納容器は、たとえばウレタン樹脂等の透明シートから形成された箱状のものである。この商品収納容器は、箱体の上面側又は底面側に別体で設けられた蓋体が開閉可能に装着されており、そのいずれか一方を開閉して箱体の内部に商品が収納されている。このような商品収納容器は、透明な合成樹脂により形成されているので、内部に収納された商品を外部から目視可能である。このため、消費者は店頭に並べられた収納容器を開封することなく内部の商品を目視できるので、消費者に商品をアピールすることにより、大きな展示効果を得ることができる。
【0003】
このような商品収納容器では、一般に、商品を工場から店頭へ搬送したり、商品を保管したりする際に、振動や落下等により外部から衝撃を受けると、商品の収納姿勢が乱れたり、商品が損傷してしまうおそれがある。そこで、外部からの衝撃を緩和し内部の商品を保護するために、発砲スチロール製や紙製のクッション材を商品の周囲に充填することが考えられる。しかし、この商品収納容器は、透明な合成樹脂により形成され、内部の商品を外部から目視可能にしたものであるから、このようなクッション材を充填すると、外部からの商品の視認性を低下させるといった不具合を引き起こすおそれがある。
【0004】
そこで、このような不具合を解消するために、箱体と蓋体の開口部に伸縮性の透明シートを張り付け、2つの透明シートの間に商品を挟み込んで弾性的に支持する構成の商品収納容器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この商品収納容器では、2つの透明シートにより商品を挟み込んで弾性的に支持しているので、外部からの衝撃を緩和し内部の商品を保護できるとともに、透明シートによって商品の視認性低下を抑えることができる。
【特許文献1】特開平10−45171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の商品収納容器では、箱体と蓋体の開口部に伸縮性の透明シートを張り付け、2つの透明シートの間に商品を挟み込んで弾性的に支持している。この商品収納容器では、蓋体は箱体に開閉可能に別体で設けられているので、箱体及び蓋体をそれぞれ1つの透明シートで形成したとしても、商品を挟み込む2つの透明シートと合わせて4つの透明シートが必要になる。また、箱体及び蓋体を1つの透明シートで一体成形した場合においても、少なくとも3つ以上の透明シートが必要になる。このため、透明シートを加工する製造工程が多くなるので、製造コストが増加するおそれが生じる。
【0006】
また、2つの透明シートは箱体と蓋体の開口部にそれぞれ設けられているので、商品は蓋体を箱体に装着したときにのみ、2つの透明シートに挟み込まれている。このため、蓋体の箱体に対する固定が強固に行われていない場合には、2つの透明シートが商品を押さえることができなくなり、内部の商品を確実に保護できないことがある。
【0007】
本発明の課題は、内部の商品が視認可能な商品収納容器において、製造コストの増加を抑えながら、内部の商品を確実に保護できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明1に係る商品収納容器は、商品を収納する箱状の商品収納容器であって、底面部と、底面部の外周を囲んで内部に商品が収納される第1収納空間を生成する側面部と、側面部の上側先端部の少なくとも一部を内側に折り曲げて第1収納空間に収納される商品の側部に弾性接触可能に形成され商品の移動を規制する規制部とを備えている。底面部、側面部及び規制部は、1枚の透明樹脂製のシートを折り曲げて一体的に形成されている。
【0009】
この商品収納容器では、底面部、側面部及び規制部が、透明樹脂製のシートにより形成されているので、内部の商品を外部から目視可能となっている。さらに、この商品収納容器は、側面部の上側先端部の少なくとも一部が内側に折れ曲がり、商品の側部に弾性接触する規制部を有している。ここでは、規制部によって商品の移動を側部方向から規制することにより、従来のように箱体及び蓋体に設けられた2つの透明シートによって商品の移動を蓋体方向から規制する場合に比して、蓋体の固定状況に関わらず商品の移動を確実に規制できる。また、底面部、側面部及び規制部は、1枚の透明シートを折り曲げて一体成形されているので、従来のように3つ以上の透明シートが不要になり、このため透明シートを加工する製造工程を減少できる。したがって、内部の商品が視認可能な商品収納容器にこのような規制部を設けることにより、製造コストの増加を抑えながら、内部の商品を確実に保護することができる。
【0010】
発明2に係る商品収納容器は、発明1の商品収納容器において、商品の付属品が収納される第2収納空間を底面部との間に形成するとともに、表面に商品が載置される台座部をさらに備えている。この場合、たとえば商品収納容器に対して比較的小さい商品である場合にも、台座部の表面に商品を載置することにより、規制部を商品の側部に接触させやすくなるので、商品の移動規制が容易になる。また、台座部を不透明な部材により形成することにより、台座部の内部の第2収納空間に収納された商品の付属品を外部から視認できなくすることができる。
【0011】
発明3に係る商品収納容器は、発明2の商品収納容器において、台座部の表面の一部が切り欠かれて形成され、商品を挟持する切り欠き部をさらに備えている。この場合、切り欠き部によって商品を挟持することにより、商品の移動規制がより確実になる。
【0012】
発明4に係る商品収納容器は、発明2又は3の商品収納容器において、台座部は、1枚の紙製のシートを折り曲げて一体的に形成されている。この場合、一般に、安価な紙製のシートを折り曲げて台座部を形成することにより、製造コストの増加を抑えることができる。
【0013】
発明5に係る商品収納容器は、発明1から4のいずれかの商品収納容器において、規制部が形成されていない側面部の先端部に設けられ、第1収納空間を閉塞する開閉可能な蓋部をさらに備えている。この場合、蓋部によって第1収納空間を閉塞することにより、内部に収納された商品を保護できる。
【0014】
発明6に係る商品収納容器は、発明5の商品収納容器において、蓋部は、1枚の透明樹脂製のシートを折り曲げて底面部、側面部及び規制部と一体的に形成されている。この場合、蓋部、底面部、側面部及び規制部は、1枚の透明シートを折り曲げて一体成形されているので、透明シートを加工する製造工程を減少でき、このため製造コストの増加を抑えることができる。
【0015】
発明7に係る商品収納容器は、発明1から6のいずれかの商品収納容器において、商品が外部に露出可能な開口部を有し、底面部及び前記側面部の外側に装着されるカバー部をさらに備えている。この場合、カバー部により底面部及び側面部の外側を保護しながら、開口部から内部の商品を視認できる。
【0016】
発明8に係る商品収納容器は、発明7の商品収納容器において、カバー部は、1枚の紙製のシートを折り曲げて一体的に形成されている。この場合、一般に、安価な紙製のシートを折り曲げてカバー部を形成することにより、製造コストの増加を抑えることができる。
【0017】
発明9に係る商品収納容器は、発明1から8のいずれかの商品収納容器において、底面部は、略矩形になるように形成されている。側面部は、底面部から略直角に折れ曲がり、それぞれが略矩形になるように4箇所に形成されている。規制部は、4箇所の側面部のうちそれぞれが対向する2箇所の側面部の上側先端部から内側に折り曲げて2箇所に形成されている。この場合、対向する2箇所の側面部の上側先端部から内側に折り曲げて2箇所に形成された2つの規制部によって内部に収納された商品を挟み込むことにより、商品の移動を容易に規制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、内部の商品が視認可能な商品収納容器において、側面部の上側先端部から内側に折れ曲がり商品の側部に弾性接触して商品の移動を規制する規制部を設け、底面部、側面部及び規制部を1枚の透明樹脂製のシートを折り曲げて一体的に形成することにより、製造コストの増加を抑えながら、内部の商品を確実に保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の一実施形態が採用された商品収納容器は、図7及び図8に示すように、商品Xを内部に収納し、店頭に並べるためのものである。商品Xは、たとえば両軸受リールであって、図9に示すように、リールボディ91と、リールボディ91の側方に配置されたスプール回転用ハンドル92と、リールボディ91の下部に固定されリールを釣竿に装着するための前後に長い金属製の竿装着脚部93とを有している。
【0020】
商品収納容器は、内部に商品Xが収納される内箱部1(図1及び図4参照)と、内箱部1の内部に装着される台座部2(図2及び図5参照)と、内箱部1の外側に装着されるカバー部3(図3及び図6参照)とを備えている。内箱部1は、1枚の透明樹脂製のシートを折り曲げて一体的に形成されており、台座部2及びカバー部3は、それぞれ不透明な1枚の紙製のシートを折り曲げて一体的に形成されている。なお、図1から図3は、内箱部1、台座部2及びカバー部3をそれぞれ展開した展開図を示したものであり、紙面側が表面側となるように図示されている。
【0021】
内箱部1は、図1及び図4に示すように、たとえばポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)等の透明な合成樹脂製の1枚のシートを折り曲げて形成した箱状のものである。
【0022】
内箱部1は、図1に展開して示すように、略矩形になるように形成された第1底面部10と、第1底面部10の各4辺から略直角に折り曲げて形成される第1側面部11、第2側面部12、第3側面部13及び第4側面部14と、第3側面部13の上側先端部から内側に開閉可能に折り曲げて形成される蓋部15と、第2側面部12及び第4側面部14の上側先端部から内側に折り曲げて形成される第1規制部16及び第2規制部17とを有し、内部に商品Xが収納可能な直方体形状の箱である。第1底面部10、第1側面部11、第2側面部12、第3側面部13、第4側面部14、蓋部15、第1規制部16及び第2規制部17は、1枚の透明シートにより一体成形されている。第1規制部16及び第2規制部17は、図7に示すように、内部に収納された商品Xの両側部に弾性接触可能に設けられ、商品Xの移動を規制するためのものである。
【0023】
第1底面部10は、図1に展開して示すように、第1側面部11、第2側面部12、第3側面部13及び第4側面部14の一側にそれぞれ形成された第1部分底面部10a、第2部分底面部10b、第3部分底面部10c及び第4部分底面部10dを有している。第1部分底面部10a、第2部分底面部10b、第3部分底面部10c及び第4部分底面部10dの先端部はそれぞれが重ね合わせて係止可能な係止突起及び係止溝が形成されており、これらの係止突起及び係止溝を係止することにより外形が略矩形の第1底面部10を生成する(図4参照)。
【0024】
第1側面部11、第2側面部12、第3側面部13及び第4側面部14は、図1に展開して示すように、個々の部分がそれぞれ矩形であって、一方向に連続して順次直角方向に折り返し可能に形成されている。第4側面部14の一方向側の端部には、第1側面部11の端部に両面テープ等により接合可能な第1接合部14aがさらに連続して形成されている。第1側面部11の第1底面部10aと逆側端部には、閉じた蓋部15を係止するための第1被係止部11aと、閉じた蓋部15を開かないように係止するために第1側面部11の中央部分の一部が突出した第1係止部11bとを有している。第1被係止部11aは、第1係止部11bの基端部から第1側面部11にわたって一部が切り欠かれて形成されたものである。第1係止部11bは、先端部が第1側面部11より突出して第1側面部11の端面位置から略直角に折り曲げ可能に形成されている。第1側面部11、第2側面部12、第3側面部13及び第4側面部14は、図4に示すように、第1側面部11と第3側面部13とが対向し、第2側面部12と第4側面部14とが対向するように配置され、内部に収納空間を有する4角筒を生成している。
【0025】
蓋部15は、図1及び図4に示すように、第3側面部13の第3底面部10cと逆側端部に開閉可能に折り曲げて形成されている。蓋部15は、先端部がさらに折れ曲がり可能に突出し第1側面部11の第1被係止部11aに係止可能な第2係止部15aと、第2係止部15aの折れ曲がり部分の中央部が切り欠かれ第1側面部11の第1係止部11bが係止される第2被係止部15bとを有している。ここでは、まず、蓋部15を閉じた状態で、第1側面部11の第1被係止部11aに蓋部15の第2係止部15aを係止する。そして、蓋部15の第2被係止部15bに第1側面部11の第1係止部11bを係止して、蓋部15が容易に開かないようになっている(図7参照)。
【0026】
第1規制部16及び第2規制部17は、図1、図4及び図7に示すように、第2側面部12及び第4側面部14の上側先端部から内側に複数回折り曲げて形成されている。第1規制部16は、内部に空間を有するように第2側面部12の上側先端部から3回内側に折り曲げて形成されている。第2規制部17は、内部に空間を有するように第4側面部14の上側先端部から4回内側に折り曲げて形成され、さらに先端部両端に形成された第2接合部17a及び第3接合部17bが外側に折り曲げて、最初の折れ曲がり部分の内周面に両面テープ等により接合されている。ここでは、第1規制部16及び第2規制部17は、内部に空間を有するように折り曲げて形成されているので、図7に示すように、第1規制部16及び第2規制部17の間に商品Xを挟み込んだとき、商品Xの両側部を両側から押圧するような弾性力が生成される。特に、商品Xが両軸受リールである場合には、リールのリールボディ91のハンドル92装着側の側部Aに第1規制部16が弾性接触し、リールのリールボディ91のハンドル92装着側と逆側の側部Bに第2規制部17が弾性接触することにより、リールの移動を規制している。
【0027】
台座部2は、図7に示すように、内箱部1の第1底面部10に装着され、表面に商品Xを載置するためのものである。台座部2は、たとえばダンボール紙等の不透明な1枚の紙製のシートを折り曲げて一体的に形成されたものであり、表面側に商品Xの名称や説明等が印刷されている。内箱部1は、透明シートを折り曲げて形成したものであるので、内箱部1の内部に装着された台座部2の印刷面は、外部から目視可能になっている。
【0028】
台座部2は、図2及び図5に示すように、内箱部1の第1底面部10よりやや小さくなるように略矩形になるように形成され第1底面部10に装着される第2底面部20と、第2底面部20と同一形状に形成され裏面(非印刷面)が合わさるように折り曲げられる第3底面部21と、第2底面部20の両端に複数回折り曲げ可能に設けられ表面に商品Xが載置される第1載置部22及び第2載置部23とを有している。また、台座部2は、第2底面部20の周囲に連続して形成され、略直角に折り曲げたときに第3底面部21の周囲を覆う第5側面部24、第6側面部25、第7側面部26及び第8側面部27とをさらに備えている。第5側面部24は、第2底面部20の第3底面部21の逆側に形成され、第7側面部26及び第8側面部27は、第2底面部20の第1載置部22及び第2載置部23との間に形成されている。第6側面部25は、第3底面部21との間に第1切り込み部25aが形成され、第7側面部26の第3底面部21側端部に折り曲げ可能に一体的に形成されている。
【0029】
第1載置部22は、図5及び図7に示すように、第2底面部20に折り曲げられた第3底面部21に対して傾斜するように折り曲げ可能であり、先端部は第3底面部21の表面側に接触可能である。また、第1載置部22には、表面の一部が略長円形に切り欠かれた第1切り欠き部22aが形成されており、商品Xの一部を挟持することにより、商品Xの移動を規制している。ここでは、商品Xが両軸受リールである場合には、リールの竿装着脚部93(図9参照)の一側を第1切り欠き部22aに挿入することにより、リールの移動を規制している。
【0030】
第2載置部23は、図5及び図7に示すように、先端部が第1載置部22の先端部と対向するように配置され、第2底面部20に折り曲げられた第3底面部21に対してやや傾斜するように複数回折り曲げ可能である。第2載置部23は、第1載置部22の幅より短くなるように第5側面部24と間隔をあけて形成されており、このため第5側面部24側の第1載置部22先端部対向面には段差が形成されている。ここでは、商品Xが両軸受リールである場合には、段差部分にリールのハンドル92を載置できる。第2載置部23は、先端部に両面テープ等により第3底面部21の表面に接合可能な第2切り欠き部23aがさらに連続して形成されており、第2載置部23と第3底面部21との間には、図示しない商品Xの付属品(取扱説明書や代替部品等)が収納可能な略台形筒状の空間が形成されている。
【0031】
また、第2載置部23には、表面の一部が略長円形に切り欠かれた第2切り欠き部23aが形成されており、商品Xの一部を挟持することにより、商品Xの移動を規制している。ここでは、商品Xが両軸受リールである場合には、リールの竿装着脚部93(図9参照)の他側を第2切り欠き部23aに挿入することにより、リールの移動を規制している。さらに、第2切り欠き部23aが形成される面には、先端部分から折り曲げ部分まで切り込まれた第2切り込み部23bが形成されている。このような第2切り込み部23bを形成することにより、図5に示すように、第2切り欠き部23aが形成されない面を短く形成して第3底面部21に対してやや傾斜するように接触させ、第2切り欠き部23aが形成される面を長く形成して第2切り欠き部23aが形成されない面と異なる傾斜角で第3底面部21に対してやや傾斜するように接触させることができる。
【0032】
第5側面部24、第6側面部25、第7側面部26及び第8側面部27は、図5及び図7に示すように、第2底面部20に折り曲げられた第3底面部21の周囲を覆うように略直角に折り曲げられ、外側面側に印刷面が位置するように形成されている。このため、台座部2を内箱部1に装着したときに、印刷面が外部から目視可能になっている(図7参照)。
【0033】
カバー部3は、図3及び図6に示すように、内箱部1の外側に装着される一部が切り欠かれた筒状のものである。カバー部3は、たとえばダンボール紙等の不透明な1枚の紙製のシートを折り曲げて一体的に形成されたものであり、表面側に商品Xの名称や説明等が印刷されている。
【0034】
カバー部3は、図3に展開して示すように、一方向に連続して順次直角方向に折り返し可能に形成され、第9側面部30、第10側面部31、第11側面部32及び第12側面部33を有している。第12側面部33の一方向側の端部には、第9側面部30の端部に両面テープ等により接合可能な第4接合部33aがさらに連続して形成されている。第10側面部31及び第11側面部32の連設する一側には、第1開口部31a及び第2開口部32aが形成されている。
【0035】
第1開口部31a及び第2開口部32aは、図6及び図8に示すように、第10側面部31及び第11側面部32の連設する部分を切り欠いて形成されたものであり、内箱部1の内部に収納された商品Xが視認可能な位置に形成されている。カバー部3の第9側面部30、第10側面部31、第11側面部32及び第12側面部33は、それぞれ内箱部1の第1側面部11、蓋部15、第3側面部13及び第1底面部10に対応する部分の外側に装着されている。ここでは、図8に示すように、商品Xと、商品Xの移動を規制する透明な内箱部1の第1規制部16と、透明な内箱部1の蓋部15、第2側面部12及び第3側面部13と、台座部2の第1載置部22、第2載置部23及び第6側面部25とが第1開口部31a及び第2開口部32aから視認可能となっている。
【0036】
このような商品収納容器を組み立てる手順について、以下に詳細に説明する。
内箱部1の蓋部15を開き、さらに第1規制部16及び第2規制部17を開いた状態で台座部2を第2底面部20が第1底面部10に接するように装着する。次に、商品Xを台座部2の第1載置部22及び第2載置部23に載置し、商品Xの側部に第1規制部16及び第2規制部17がに弾性接触するように配置する。次に、内箱部1の蓋部15を閉じ、カバー部3を第1開口部31a及び第2開口部32aが商品Xが視認可能な向きに合わせて内箱部1の外側に装着する。
【0037】
この商品収納容器では、内箱部1の第1底面部10、第1側面部11、第2側面部12、第3側面部13、第4側面部14、蓋部15、第1規制部16及び第2規制部17は、1枚の透明シートにより一体成形されているので、従来のように3つ以上の透明シートが不要になり、このため透明シートを加工する製造工程を減少できる。
【0038】
また、内箱部1は、内部に収納された商品Xの両側部に弾性接触可能な位置に配置され、商品Xの移動を規制する第1規制部16及び第2規制部17が設けられている。ここでは、第1規制部16及び第2規制部17によって商品Xの移動を側部方向から規制することにより、従来のように箱体及び蓋体に設けられた2つの透明シートによって商品Xの移動を蓋体方向から規制する場合に比して、蓋体の固定状況に関わらず商品Xの移動を確実に規制することができる。したがって、このような構成により、製造コストの増加を抑えながら、内部の商品Xを確実に保護することができる。
【0039】
さらに、ここでは商品Xとして両軸受リールを採用したが、この場合には、一般に、両軸受リールの外形は、形状が複雑かつ凹凸部が多く形成されている。このため、このような両軸受リールを従来の内箱部に収納すると、振動や落下等により外部から衝撃を受けたとき、両軸受リールが内箱部の内部で大きく移動し、両軸受リールの凹凸部が内箱部に衝突して両軸受リールが損傷してしまうおそれがある。しかし、このような両軸受リールを本発明の内箱部1に収納し、第1規制部16及び第2規制部17によって両軸受リールのリールボディ91の側部を挟み込むことで、両軸受リールの移動を確実に規制でき、このため両軸受リールの損傷を防止することができる。
【0040】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、商品収納容器として、内箱部1、台座部2及びカバー部3を有するものを例にあげて説明したが、これらの構成に限定されるものではなく、たとえば台座部2またはカバー部3を有さない構成にしてもよい。また、商品Xは両軸受リールに限定されるものではなく、スピニングリールや片軸受リール等の釣り用リールや、その他のあらゆる商品を収納可能な商品収納容器にも本発明を適用できる。
【0041】
(b) 前記実施形態では、台座部2及びカバー部3は、ダンボール紙等の不透明な1枚の紙製のシートを折り曲げて一体的に形成していたが、材質はこれに限定されるものではなく、たとえば不透明な合成樹脂製であってもよい。
【0042】
(c) 前記実施形態では、2つの第1規制部16及び第2規制部17を設けていたが、これらに限定されるものではなく、たとえば1つ又は複数の規制部を設ける構成にしてもよい。また、第1規制部16及び第2規制部17の形状や折り曲げる回数等も任意に設定できる。
【0043】
(d) 内箱部1、台座部2及びカバー部3は、前記実施形態の展開形状に限定されるものでなく、内箱部1、台座部2及びカバー部3が一体的に形成されていれば、他の展開形状であってもよい。また、内箱部1及びカバー部3は、前記実施形態の略直方体形状に限定されず、他の略多角柱形状や略円柱形状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態を採用した商品収納容器の内箱部の展開図。
【図2】前記商品収納容器の台座部の展開図。
【図3】前記商品収納容器のカバー部の展開図。
【図4】前記内箱部の斜視図。
【図5】前記台座部の斜視図。
【図6】前記カバー部の斜視図。
【図7】前記内箱部に前記台座部を装着したときの斜視図。
【図8】前記内箱部に前記カバー部を装着したときの斜視図。
【図9】前記商品収納容器に収納される両軸受リールの平面図。
【符号の説明】
【0045】
1 内箱部
2 台座部
3 カバー部
10 第1底面部
11 第1側面部
11a 第1被係止部
11b 第1係止部
12 第2側面部
13 第3側面部
14 第4側面部
14a 第1接合部
15 蓋部
15a 第2係止部
15b 第2被係止部
16 第1規制部
17 第2規制部
17a 第2接合部
17b 第3接合部
20 第2底面部
21 第3底面部
22 第1載置部
22a 第1切り欠き部
23 第2載置部
23a 第2切り欠き部
23b 第2切り込み部
24 第5側面部
25 第6側面部
25a 第1切り込み部
26 第7側面部
27 第8側面部
30 第9側面部
31 第10側面部
31a 第1開口部
32 第11側面部
32a 第2開口部
33 第12側面部
33a 第4接合部
X 商品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を収納する箱状の商品収納容器であって、
底面部と、
前記底面部の外周を囲んで内部に前記商品が収納される第1収納空間を生成する側面部と、
前記側面部の上側先端部の少なくとも一部を内側に折り曲げて、前記第1収納空間に収納される前記商品の側部に弾性接触可能に形成され、前記商品の移動を規制する規制部とを備え、
前記底面部、前記側面部及び前記規制部は、1枚の透明樹脂製のシートを折り曲げて一体的に形成されている、商品収納容器。
【請求項2】
前記商品の付属品が収納される第2収納空間を前記底面部との間に形成するとともに、表面に前記商品が載置される台座部をさらに備えている、請求項1に記載の商品収納容器。
【請求項3】
前記台座部の表面の一部が切り欠かれて形成され、前記商品を挟持する切り欠き部をさらに備えている、請求項2に記載の商品収納容器。
【請求項4】
前記台座部は、1枚の紙製のシートを折り曲げて一体的に形成されている、請求項2又は3に記載の商品収納容器。
【請求項5】
前記規制部が形成されていない前記側面部の先端部に設けられ、前記第1収納空間を閉塞する開閉可能な蓋部をさらに備えている、請求項1から4のいずれか1項に記載の商品収納容器。
【請求項6】
前記蓋部は、1枚の透明樹脂製のシートを折り曲げて、前記底面部、前記側面部及び前記規制部と一体的に形成されている、請求項5に記載の商品収納容器。
【請求項7】
前記商品が外部に露出可能な開口部を有し、前記底面部及び前記側面部の外側に装着されるカバー部をさらに備えている、請求項1から6のいずれか1項に記載の商品収納容器。
【請求項8】
前記カバー部は、1枚の紙製のシートを折り曲げて一体的に形成されている、請求項7に記載の商品収納容器。
【請求項9】
前記底面部は、略矩形になるように形成されており、
前記側面部は、前記底面部から略直角に折れ曲がり、それぞれが略矩形になるように4箇所に形成されており、
前記規制部は、4箇所の前記側面部のうちそれぞれが対向する2箇所の前記側面部の上側先端部から内側に折れ曲がるように2箇所に形成されている、請求項1から8のいずれか1項に記載の商品収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−8197(P2006−8197A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−189336(P2004−189336)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】