説明

商品販売データ処理装置

【課題】 電子証明書の有効期限切れで商品販売データ処理装置がネットワーク接続できなくなることを防止する。
【解決手段】 認証サーバから配布された有効期限に関する情報を含む電子証明書情報とともに電子証明書に設定された有効期限となる前の所定の期限を示す期限情報を記憶し、記憶された所定の期限を経過したか否かを判断し(ST27)、所定の期限を経過したと判断すると、電子証明書に設定された有効期限が近づいたことを示す有効期限間近情報を出力する(ST28)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信を開始する前に認証サーバを用いて認証を行う商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、店舗内に配設される商品販売データ処理装置であるPOS端末装置と店舗サーバとは、LANケーブルによって店舗内のネットワークに接続される。このようにPOS端末装置や店舗サーバが接続されるネットワークはADSLや光ファイバ等を通じてインターネットに接続されていることも少なくない。そのような場合に顧客情報や売上情報などの情報を保存している店舗サーバは悪意を持った者の標的にされやすいためセキュリティを考える必要がある。このためネットワーク接続時に電子証明書のサーバ認識処理を行うようにすることで、電子証明書を持たないPOS端末装置をネットワーク接続できないようにする技術が知られている。すなわち、電源投入時の立ち上げ時に認証機能付のVLANスイッチを介して認証サーバとPOS端末装置とで、POS端末装置に予め配布した電子証明書に基づいて認証処理を行い、認証がされない場合はネットワーク接続できないようにする技術である。なお、電子証明書には一般的に有効期限が設定されているため、万が一電子証明書が盗まれてしまった場合にも有効期限が過ぎてしまえばその電子証明書を使用したネットワーク接続はできなくなるようになっている。
【0003】
また、POS端末装置が無線ブリッジを使用してネットワークに接続している場合がある。無線ブリッジはPOS端末装置から出ている有線LANを無線LANに変換し、無線アクセスポイントを介して店舗サーバ、認証サーバ等と接続するために用いられる。このため無線通信のドライバを使用することがないため運用が容易である。ただし、無線LANは有線LANと異なり、無線アクセスポイントから電波が届く距離ではどのような装置でも(部外者の装置でも)ネットワークに接続されしまう可能性がある。そこで無線通信用の認証サーバを使用することによって、認証されない端末を無線アクセスポイントにネットワーク接続できないようにすることにより、セキュリティを強化している。
【0004】
公開鍵の電子証明書を発行する認証局および公開鍵を使用するユーザの端末装置とネットワークを介して接続されるサーバにおいて、公開鍵の有効性を判別するための情報を簡単に取得できるようにするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−109641号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、通常の店舗では電子証明書の有効期限を日々確認することは労力もかかるため疎かになりがちである。このため電子証明書の有効期限が切れ、POS端末装置がネットワーク接続できなかったときに初めて有効期限切れとなっていることに気づく場合も少なくない。このような場合は電子証明書の再配布を受けるまではPOS端末装置がネットワーク接続できなくなるため、販売商品の登録等のPOS端末装置の処理が一切できなくなる。特に、店舗内のPOS端末装置等の装置全てに、同じ有効期限にして電子証明書を配布した場合に、その電子証明書の有効期限が切れてしまうとすべてのPOS端末装置が一斉にネットワークに接続できなくなってしまう事態が生じることになる。このような事態が生じることは、無線アクセスポイントを使用したPOS端末装置の場合も同様である。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、電子証明書の有効期限が近づくと電子証明書の有効期限が近づいたことを報知することができ、電子証明書の有効期限切れでネットワーク接続できなくなることを防止する商品販売データ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ネットワークを介して認証サーバと接続されており、ネットワークに接続する際に予め認証サーバから配布された電子証明書に基づいて認証サーバと認証処理を行う商品販売データ処理装置において、認証サーバから配布された有効期限に関する情報を含む電子証明書情報とともに電子証明書に設定された有効期限となる前の所定の期限を示す期限情報を記憶し、所定のタイミング毎に記憶された所定の期限を経過したか否かを判断し、所定の期限を経過したと判断すると、電子証明書に設定された有効期限が近づいたことを示す有効期限間近情報を出力するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、電子証明書の有効期限が近づくと電子証明書の有効期限が近づいたことを報知することができ、電子証明書の有効期限切れでネットワーク接続できなくなることを防止する商品販売データ処理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態におけるネットワーク構成を概略的に示す図である。認証システムは、RADIUS(Remote Authentication Dial In User Service)サーバ1、店舗サーバ2、商品販売データ処理装置であるPOS端末装置3,4、がVLANスイッチ5を介して通信可能に接続されている。VLANスイッチ5は、IEEE802.1xに対応したスイッチである。このネットワークは、例えば、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店等の店舗内に設けられる。また、VLANスイッチ5は、各店舗内のネットワークに接続された店舗サーバ2,POS端末装置3,4からデータを収集し、又はデータを配信する集中管理センタに配置されたセンタサーバ6とも例えばインターネット7を介して通信可能に接続されている。なお、図1においては、VLANスイッチ5にPOS端末装置3,4が2つ接続されている場合を示しているが、VLANスイッチ5に接続されるPOS端末装置の台数はこれに限るものではない。
【0010】
店舗サーバ2は、VLANスイッチ5と接続するためのインターフェース、情報を表示するための表示部、情報を入力するための入力部等を有している。
VLANスイッチ5は、複数のポートを有しており、各ポートにRADIUSサーバ1、店舗サーバ2、POS端末装置3,4等が接続されている。RADIUSサーバ1は、VLANスイッチ5を介してネットワークに接続してきた装置が接続を許可された装置であるかを認証するサーバである。すなわち、ネットワークへ接続するための認証は、RADIUSサーバ1とVLANスイッチ5の有する各ポートに接続された店舗サーバ2、POS端末装置3,4との間で、RADIUSサーバが店舗サーバ2、POS端末装置3,4に予め配布した電子証明書に基づいて行われる。したがって、RADIUSサーバ1により認証されない装置は、VLANスイッチ5を介してネットワークに接続することができない。
【0011】
RADIUSサーバ1は、上述したようにVLANスイッチ5を介してネットワークに接続された店舗サーバ2、POS端末装置3,4に電子証明書を配布するとともに、その配布した電子証明書に基づいてネットワークへの接続を許可するか否かを認証するための制御プログラムを有している。RADIUSサーバ1は、この制御プログラムを実行することにより、認証局機能を実現する。店舗サーバ2、POS端末装置3,4に配布される電子証明書には、例えば、バージョン、シリアルナンバー、署名アルゴリズム、認証局名、有効期限、公開鍵等の情報が含まれている。
【0012】
図2は、RADIUSサーバ1がPOS端末装置3に電子証明書を配布するときの処理の要部を示すフローチャートである。なお、電子証明書を配布する処理は店舗の店主により操作がなされて行われるようにしても良いが、この実施の形態ではセンタサーバ6が設置される集中管理センタから作業員が派遣されて行われることとする。
【0013】
作業員の操作により、RADIUSサーバ1が操作されて電子証明書が作成される(ST11)。この電子証明書には上述したように有効期限が設定される。有効期限は、日時、すなわち日、時、分が設定される。例えば、時分には後述するPOS端末装置3の立ち上げ処理を行う時刻よりも前の時分を設定する。そして、作業員の操作により、所定の有効期限が設定された電子証明書がPOS端末装置3に配信される(ST12)。なお、同様な処理が行われることにより、店舗サーバ2,POS端末装置4にも電子証明書が配布される。店舗サーバ2、POS端末装置3,4はこのようにRADIUSサーバ1から配布された電子証明書に基づいて認証処理を行うことによりVLANスイッチ5を介してネットワーク接続できるようになる。また、RADIUSサーバ1から店舗サーバ2、POS端末装置3,4に配布される電子証明書の有効期限はそれぞれ異なることとする。店舗サーバ2,POS端末装置3,4が同時にVLANスイッチ5を介してネットワークに接続できなくなるのを防止するためである。
【0014】
続いてPOS端末装置3について説明する。なお、POS端末装置4については同様な構成であるため説明を省略する。図3は、POS端末装置3の要部構成を示すブロック図である。POS端末装置3は、制御部本体を構成するCPU11、サプリカント機能等を実現するためのプログラムなどの制御プログラム等を格納したROM12、各種のデータを記憶するRAM13、現在の日時を計時する時計部14、I/Oポート15、ネットワークコントローラ16、キーボードコントローラ17、タッチパネルコントローラ18、ディスプレイコントローラ19、プリンタコントローラ20、スキャナインタフェース(I/F)21等をバス接続してなる制御回路を内蔵している。なお、POS端末装置3は、ROM12に格納したサプリカント機能を実現するための制御プログラムをRAM13にロードして実行することにより、サプリカント機能を実現できるようになっている。サプリカント機能とは、VLANスイッチ5を介してネットワークに接続するための認証処理をRADIUSサーバ1と行う機能である
そして、I/Oポート15にモードスイッチ15aとドロワ開放装置15bとを接続し、ネットワークコントローラ16にVLANスイッチ5を接続し、キーボードコントローラ17にキーボード17aを接続し、タッチパネルコントローラ18にタッチパネル付きディスプレイのタッチパネルセンサ18aとディスプレイ部18bとを接続し、ディスプレイコントローラ19に客用のディスプレイ19aを接続し、プリンタコントローラ20にプリンタ20aを接続し、スキャナI/F21にスキャナ21aを接続している。
【0015】
ネットワークコントローラ16は、VLANスイッチ5を介して行なうデータ通信を制御する。キーボードコントローラ17は、キーボード17aから操作されたキーに対応するキー信号を取り込みCPU11に知らせる。タッチパネルコントローラ18は、CPU11からの指令によりディスプレイ部18bに各種の画面を選択的に表示させるとともに、タッチパネルセンサ18aの信号を取り込みタッチ位置座標を求めてCPU11に知らせる。ディスプレイコントローラ19は、客の支払う合計金額等の表示データに対応した文字等をディスプレイ19aに表示させる。プリンタコントローラ20は、プリンタ20aによるレシート印字及びジャーナル印字を制御する。スキャナI/F21は、スキャナ21aにてスキャニングされたバーコードデータを入力する。なお、キーボード17aは、数値データを置数入力するための置数キーの他、PLUキー,小計キー,預/現計キー,合計キー等の各種ファンクションキーを配設したものである。モードスイッチ15aは各種業務モードを選択するためのものである。
【0016】
RAM13には、RADIUSサーバ1より配布された電子証明書を示す電子証明書情報が記憶される(電子証明書情報記憶手段)。また、この電子証明書に設定された有効期限より前の所定の期限を示す期限情報が記憶される(期限情報記憶手段)。この期限情報は、例えば、電子証明書の有効期限が示す日の「7日前」と上記作業員によりキーボード17a等を用いて設定される。このように「7日前」と設定された場合は、電子証明書の有効期限が切れてしまう日より7日前の日時が所定の期限となる。これらのデータは、図示しない電源バックアップを受けて保持されるようになっている。
【0017】
続いて、POS端末装置3の立ち上げ時の処理について説明する。図4は、POS端末装置3の立ち上げ時にCPU11が実行する立ち上げ処理の要部を示すフローチャートである。
先ず、RADIUSサーバ1から配布された電子証明書の有効期限が確認される(ST21)。すなわち、RAM13に記憶した電子証明書情報から電子証明書に設定された有効期限が確認される。続いて、確認された有効期限が有効期限切れか否かが判断される(ST22)。すなわち、時計部14で計時された日時が、ステップST21で確認された有効期限を経過しているか否かが判断される。この判断で有効期限切れであると判断されると(ST22でYES)、電子証明書の再配布をRADIUSサーバ1に要求する処理が行われる(ST23)。このように電子証明書に設定された有効期限が切れていると電子証明書の再配布を受けなければPOS端末装置3はVLANスイッチ5からネットワーク接続することができない。なお、電子証明書の再配布の要求を受けたRADIUSサーバ1は、電子証明書の有効期限が切れてしまったことを示す情報をセンタサーバ6へ送信する。そして、当該情報を確認した集中管理センタのオペレータにより、作業員が派遣されて新たな電子証明書がPOS端末装置3に配布される。このように電子証明書が再配布された後POS端末装置3は再びVLANスイッチ5を介してネットワーク接続することができるようになる。
【0018】
一方、有効期限切れでないと判断されると(ST22でNO)、サプリカント機能により認証処理が行われる(ST24)。すなわち、RAM13に記憶された電子証明書情報に基づいて、RADIUSサーバ1との間で認証処理が行われる。このように認証処理が行われることにより、POS端末装置3は、VLANスイッチ5を介したネットワーク接続が可能となる。
【0019】
続いて、再び、電子証明書の有効期限が確認される(ST25)。すなわち、RAM13に記憶した電子証明書情報から電子証明書に設定された有効期限が確認される。そして、時計部14が計時した日時が取得される(ST26)。上記確認された有効期限と、RAM13に記憶された期限情報が示す期限と、時計部14から取得された日時とから、現在の日時が期限情報で記憶された期限を経過したか否かが判断される(ST27,判断手段)。例えば、期限情報として有効期限となる日の「7日前」が設定されているならば、現在の日時が電子証明書に設定された有効期限となる日の7日前を経過したか否かが判断される。
【0020】
ここで、現在の日時が期限情報で記憶された期限を経過していると判断された場合は(ST27でYES)、電子証明書に設定された有効期限となるまでの日数、例えば、「7日」を示す情報を含む電子証明書の有効期限が近づいたことを示す証明書有効期限間近情報が店舗サーバ2に出力される(ST28,出力手段)。なお、日数を示す情報は、上記処理で取得された電子証明書の有効期限、期限情報が示す期限、時計部14から取得された日時から算出される。立ち上げ時に当該処理が行われるので、電子証明書の再配布が行われなければ、日数を示す情報は、次の日の立ち上げ時には「6日」、さらに次の日の立ち上げ時には「5日」というように毎日減っていくことになる。
【0021】
このように証明書有効期限間近情報が店舗サーバ2へ出力されたとき(ST28)、又は現在の日時が期限情報で記憶された期限を経過していないと判断された場合(ST27でNO)、POS端末装置3としての販売商品の登録処理等を行う通常運用のための処理が行われ(ST29)、処理が終了される。
【0022】
続いて、POS端末装置3が証明書有効期限間近情報を出力した後の処理について説明する。店舗サーバ2は証明書有効期限間近情報を受信すると、自動的に当該証明書有効期限間近情報を集中管理センタのセンタサーバ6へ送信する。センタサーバ6は、証明書有効期限間近情報を店舗サーバ2から受信すると、証明書有効期限間近警告画面を表示部に表示する。図5は、センタサーバ6の表示部6aに表示された証明書有効期限間近警告画面の一例を示す図である。この画面では、証明書有効期限が間近となった店舗名、POS端末装置3の番号、有効期限切れとなる日までの日数等が表示されている。このセンタサーバ6の表示部6aに表示される証明書有効期限間近画面が集中管理センタのオペレータに確認されることにより、集中管理センタからPOS端末装置3への電子証明書を再配布するための作業員が有効期限となる日前に派遣される。そして、作業員により新たな有効期限が設定された電子証明書がPOS端末装置3に配布される。これにより、POS端末装置3は電子証明書に設定された有効期限が切れる前に、有効期限が延長された新たな電子証明書を示す電子証明書情報がRAM13に記憶される。したがって、POS端末装置3がVLANスイッチ5を介してネットワークに接続できなくなることはない。
【0023】
なお、店舗サーバ2は証明書有効期限間近情報を受信すると自動的に当該証明書有効期限間近情報を集中管理センタのセンタサーバ6へ送信するようにしたが、当該明書有効期限間近情報を店舗サーバ2に送信し、店舗サーバ2の表示部に証明書有効期限間近警告画面を表示するようにしても良い。図6は、店舗サーバ2の表示部2aに表示された証明書有効期限間近警告画面の一例を示す図である。この画面では、電子証明書の有効期限が間近となったPOS端末装置3の番号、有効期限切れまでの日数、集中管理センタへの連絡を促すメッセージが表示されている。この表示部2aに表示された証明書有効期限間近警告画面が店主により確認された後、店主から集中管理センタへ当該事項を連絡するようにしても良い。
【0024】
この実施の形態によると、POS端末装置3は電子証明書の有効期限が近づくと電子証明書の有効期限が近づいたこと(現在日時が、電子証明書に設定された有効期限前の期限日を経過したこと)を、店舗サーバ2を介してセンタサーバ6の表示部6a又は店舗サーバ2の表示部2aに表示するための証明書有効期限間近情報を出力することができる。POS端末装置3はこの表示を確認したオペレータ又は店主の指示に基づいて派遣された作業員により、有効期限が延長された新たな電子証明書の再配布を受けることができる。このためPOS端末装置3が有効期限切れでVLANスイッチ5を介してネットワーク接続できなくなり、稼動しなくなることを防止することができる。
【0025】
また、店舗サーバ2、POS端末装置3,4には異なる有効期限を設定した電子証明書を配布している場合で説明しているが、店舗内の全ての装置、すなわち、店舗サーバ2、POS端末装置3,4に同じ有効期限を設定した電子証明書を配布している場合もある。このような場合に、電子証明書の有効期限が切れてしまうと店舗内の全ての装置、すなわち、店舗サーバ2、POS端末装置3,4が一斉にVLANスイッチ5を介したネットワーク接続ができなくなってしまうが、このような事態を防止することができる。
【0026】
また、電子証明書の有効期限が切れるまで毎日有効期限が近づいたことを示す有効期限間近情報がPOS端末装置3から店舗サーバ2、又は店舗サーバ2を介してセンタサーバ6に出力される。このように証明書有効期限間近情報が出力される期間内に例えば証明書有効期限間近情報を出力していたPOS端末装置3に故障等が発生すると、新しいPOS端末装置に交換されるが、その新しいPOS端末装置には新たな電子証明書がRADIUSサーバ1から配布される。したがって、当該新しいPOS端末装置にさらに新たな電子証明書を配布する必要はない。このような場合に、次の日以降当該故障したPOS端末装置3から証明書有効期限間近情報が店舗サーバ2又は店舗サーバ2を介してセンタサーバ6へ出力されなくなるので、店舗又は集中管理センタでは、当該POS端末装置3に対して電子証明書を再配布する必要がなくなったことを知ることができる。
【0027】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について述べる。なお、前述した第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し、第1の実施の形態と同一の部分についての詳細な説明は省略する。
【0028】
図7は、第2の実施の形態におけるネットワーク構成を概略的に示す図である。図7に示すように、RADIUSサーバ1、店舗サーバ2、無線アクセスポイント32,33がスイッチングハブ31を介して通信可能に接続されている。また、スイッチングハブ31は、センタサーバ6ともインターネット7を介して通信可能に接続されている。POS端末装置3,4は、無線ブリッジ34,35と有線で接続されており、POS端末装置3,4は無線ブリッジ34,35を介して無線アクセスポイント32,33とそれぞれ無線通信可能となっている。したがって、無線アクセスポイント32,33と無線ブリッジ34,35による無線通信機能が第1の実施の形態におけるPOS端末装置3,4のVLANスイッチ5との有線接続による通信機能の代わりとなっている。さらに、RADIUSサーバ1から配布される有効期限が設定された電子証明書は、無線アクセスポイント32,33を介して無線ブリッジ34,35にそれぞれ配布されるようになっている。
【0029】
無線ブリッジ34は、図示しない記憶部にSNMP(Simple Network Management Protocol)サーバ機能、サプリカント機能を実現するための制御プログラムが記憶されている。そして、これらの制御プログラムが図示しないRAMにロードされて実行されることにより、無線ブリッジ34は、SNMPサーバ機能、サプリカント機能を実現できるようになっている。また、RADIUSサーバ1から配布された電子証明書を示す電子証明書情報を上記記憶部に記憶するようになっている(電子証明書情報記憶手段)。さらに、無線ブリッジ34は、記憶した電子証明書の有効期限をSNMPの拡張MIB(Management Information Base)情報として公開することができるようになっている。
【0030】
POS端末装置3のROM12には、SNMPエージェント機能を実現するための制御プログラムが記憶されている。この制御プログラムがRAM13にロードされてCPU11に実行されることにより、POS端末装置3はSNMPエージェント機能を実現できる。したがって、POS端末装置3はSNMPエージェント機能を実現することにより、無線ブリッジ34がSNMPの拡張MIB情報として公開している電子証明書の有効期限を取得することができる。また、RAM13には、無線ブリッジ34の図示しない記憶部に記憶された電子証明書に設定された有効期限より前の所定の期限を示す期限情報が記憶される(期限情報記憶手段)。この期限情報は、第1の実施の形態と同様に、例えば、電子証明書の有効期限が示す日の「7日前」と上記作業員によりキーボード17a等を用いて設定される。なお、無線ブリッジ35とPOS端末装置4についても同様な構成であるため説明を省略する。
【0031】
続いて、POS端末装置3の立ち上げ時の処理について説明する。図8は、POS端末装置3の立ち上げ時にCPU11が実行する立ち上げ処理の要部を示すフローチャートである。図4で説明したフローチャートの処理に、電子証明書の有効期限を無線ブリッジ34から取得する処理(ST31,ST36)が追加されている。電子証明書の有効期限を取得する処理は、具体的には、上述した無線ブリッジ34のSNMPの拡張MIB情報として公開されている電子証明書の有効期限を示す情報を、SNMPエージェント機能を利用して取得する。その他のST32からST35,ST37からST41の処理は、上述したST21からST28の処理とそれぞれ同様な処理であるため説明を省略する。
【0032】
この第2の実施の形態のように、POS端末装置3が電子証明書に設定された有効期限を無線ブリッジ34の拡張MIB情報から取得し、その取得した有効期限と、RAM13に設定された有効期限より前の所定の期限を示す期限情報と、時計部14から取得した日時に基づいて証明書有効期限間近情報を出力するようにしても第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0033】
なお、上記各実施の形態では、有効期限より前の所定の期限か否かを判断するための処理(ST27,ST39)をPOS端末装置3の立ち上げ時に行うこととしているが、これに限るものではない。例えば、予め時間をRAM13に設定しておき、時計部14より取得した日時がその設定された時間となったならば、有効期限より前の所定の期限か否かを判断する処理を行い、所定の期限が経過しているならば証明書有効期限間近情報を出力するようにしても良い。
【0034】
また、本発明の商品販売データ処理装置をPOS端末装置に適用した場合で説明しているがこれに限るものではなく、店舗内に設けられるサーバや商品を発注する発注端末等に適用することも可能である。
【0035】
さらに、本発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化でき、また、実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を変形できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるネットワーク構成を概略的に示す図。
【図2】同実施の形態におけるに電子証明書を配信するときの処理の要部を示すフローチャート。
【図3】同実施の形態におけるPOS端末装置の要部構成を示すブロック図。
【図4】同実施の形態における立ち上げ処理の要部を示すフローチャート。
【図5】同実施の形態における証明書有効期限間近警告画面の一例を示す図。
【図6】同実施の形態における証明書有効期限間近警告画面の一例を示す図。
【図7】本発明の第2の実施の形態におけるネットワーク構成を概略的に示す図。
【図8】同実施の形態における立ち上げ処理の要部を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0037】
1…RADIUSサーバ,2…店舗サーバ,2a…表示部,3,4…POS端末装置,5…VLANスイッチ,6…店舗サーバ,6a…表示部,11…CPU,12…ROM,13…RAM,32,33…無線アクセスポイント,34,35…無線ブリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して認証サーバと接続されており、前記ネットワークに接続する際に予め前記認証サーバから配布された電子証明書に基づいて前記認証サーバと認証処理を行う商品販売データ処理装置において、
前記認証サーバから配布された有効期限に関する情報を含む電子証明書情報を記憶する電子証明書情報記憶手段と、
前記電子証明書に設定された有効期限となる前の所定の期限を示す期限情報を記憶する期限情報記憶手段と、
所定のタイミング毎に前記期限情報記憶手段に記憶された所定の期限を経過したか否かを判断する判断手段と、
この判断手段で前記期限情報記憶手段に記憶された前記所定の期限を経過したと判断すると、前記電子証明書に設定された有効期限が近づいたことを示す有効期限間近情報を出力する出力手段とを具備することを特徴とする商品販売データ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−184769(P2007−184769A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−1555(P2006−1555)
【出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】