説明

器具類の付着物の洗浄装置

【課題】使用できるスペースに制限のある作業場所においても、塗料の洗浄によって生じた廃水を適正に処理可能な器具類の付着物の洗浄装置を提供する。
【解決手段】水性塗料又はその他の汚れが付着している器具類を水で洗浄した洗浄廃水を貯留可能であり、洗浄廃水に対して中和と凝集を含む必要な処理を行うために、洗浄廃水を溜めるときは排水口13を閉じ、洗浄廃水を排出するときには排水口を開く開閉部20を設けた貯留槽14と、上記貯留槽内部に着脱可能に配置され、必要な処理の行なわれた洗浄廃水を槽外部へ排出する際に凝集分ないし固形分を捕集する粗フィルターを備えた第1の分離手段と、上記貯留槽から排出された洗浄廃水を受け入れ、第1の分離手段を通過した固形分を捕集するために、上記粗フィルターよりも細かいメッシュを持つ細フィルターを備えた第2の分離手段を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事において塗料その他の汚れが付着した器具類を洗浄するために、工事現場又はその近傍に装置本体を設置して使用するための器具類の付着物の洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築物や建造物等の建築施工であるとか改修においては塗装工事を伴う場合も多いが、塗装作業にて使用した器具類に付着している塗料の安全な処理が問題になる。ここで安全な処理とは、環境基本法に定められている水質汚濁関係、土壌汚染関係の規定を満たすべきことはもちろんのこと、水質汚濁防止法、廃棄物処理法、湖沼法、土壌汚染対策法、下水道・浄化槽法さらには地方自治体によって定められている様々な条例などを満たす処理を意味する。
【0003】
現在塗装工事に使用される塗料は水性塗料(水系塗料)が主体であり、その洗浄によって生じる廃水は、水溶性合成樹脂調合ペイント、合成樹脂エマルジョンペイント、薄付け仕上げ材、複層仕上げ材、床用塗材、水性錆止め塗料、シーラー類、下地調整塗材等を処理して発生する。例えば、水性塗料、水性モルタル系材料を使用した工事では、刷毛やローラーなどの塗装に使用した器具の洗浄廃水は、産業排気物処理に回すか又は水槽等を用いて分離凝集処理した上で廃棄していた。このような状況のため、ヒューマンエラーの生じることを避けることができず、時として洗浄廃水が無処理のまま流出するという事故が起こる可能性もあり、洗浄廃水が雨水桝へ流出して近隣河川を汚染した場合には、産業廃棄物処理法違反、水質汚濁防止法違反等を問われることになる。
【0004】
これに対して、先行技術には、例えば、特開2005−211822号に見られる廃液処理システムなどがある。上記の発明は、水性塗料を含む汚濁廃液を清水処理するシステムと称し、トラックやワゴン等に搭載して搬送される車載搬送型として示されているが、攪拌用のモーターやポンプなどの動力装置を装備する大掛かりなもので、電源ないしは燃料等を必要とする。従って、工事現場に搬入し、塗装等の工事に従事する者の必要とするその都度洗浄するというように、比較的小規模な用途には不向きである。また、都心部のマンションのように使用できる敷地に制限のある作業場所では、上記のような車両を駐車するスペースすら求めることが困難であるという事情もある。
【0005】
【特許文献1】特開2005−211822号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、例えば都心部のマンションの改修工事などのように使用できるスペースに制限のある作業場所においても、塗料の洗浄によって生じた廃水を適正に処理可能な器具類の付着物の洗浄装置を提供することである。また、本発明の他の課題は、工事等の現場において塗装等の工事に従事する者が必要とするその都度、塗装に使用中の刷毛やローラー、塗料容器その他の器具類を手軽に洗浄する用途に適した器具類の付着物の洗浄装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するため、本発明は、工事において塗料その他の汚れが付着した器具類を洗浄するために、工事現場又はその近傍に装置本体を設置して使用するための装置について、水性塗料又はその他の汚れが付着している器具類を水で洗浄した洗浄廃水を貯留可能であり、洗浄廃水に対して中和と凝集を含む必要な処理を行うために、洗浄廃水を溜めるときは排水口を閉じ、洗浄廃水を排出するときには排水口を開く開閉部を設けた貯留槽と、上記貯留槽内部に着脱可能に配置され、必要な処理の行なわれた洗浄廃水を槽外部へ排出する際に凝集分ないし固形分を捕集する粗フィルターを備えた第1の分離手段と、上記貯留槽から排出された洗浄廃水を受け入れ、第1の分離手段を通過した固形分を捕集するために、上記粗フィルターよりも細かいメッシュを持つ細フィルターを備えた第2の分離手段を具備して構成するという手段を講じたものである。
【0008】
本発明の装置は、塗装後の水性塗料又はその他の汚れが付着している器具類を洗浄する際に使用するものであり、洗浄対象の器具類としては塗装用の刷毛、ローラー、ヘラ或いは少量の塗料を入れたパンや桶類が挙げられる。また、本発明の装置は塗装工事の現場又はその近傍に装置本体を設置して、塗装に用いた水性塗料又はその他の汚れが付着している上記の器具類を洗浄することを目的とするものである。装置本体を設置するために必要な広さとしては、最小限度で0.5〜1.0平方メートル程度を目安とする。また、必要に応じて少人数の作業者で持ち上げて移動できる程度の重量であることも望まれる。
【0009】
水性塗料又はその他の汚れが付着している器具類は、まず、流水で洗い流したり或いは器具類を洗浄容器中で洗浄したりして洗浄するが、どちらの場合にも洗浄の結果生じた洗浄廃水は一端貯留され、貯留した洗浄廃水に対して中和と凝集を含む必要な処理が行われる。一般的にアルカリ性である洗浄廃水は中和することが無害化のために必要であり、凝集は洗浄廃水中の成分を分離するために必要となる。貯留槽に洗浄廃水を貯留するために、洗浄廃水を溜めるときは排水口を閉じ、洗浄廃水を排出するときには排水口を開く開閉部を設ける。なお、貯留槽では、上記中和と凝集処理のために攪拌を行うので、攪拌し易いように円筒状に形成すると良い。
【0010】
上記貯留槽内部には、必要な処理の行なわれた洗浄廃水を槽外部へ排出する際に凝集分ないし固形分を捕集する粗フィルターを備えた第1の分離手段が着脱可能に配置されている。第1の分離手段は、洗浄廃水を中和及び凝集処理して生じた凝集分ないし固形分を捕集するものであり、凝集分ないし固形分は主としてフロック状の塗料成分とモルタル成分中の骨材などの無機物である。粗フィルターとしては、例えば平織、綾織、畳折などと呼ばれている構造のもので、主としてフロック状のものを捕集できるメッシュサイズが望ましい。
【0011】
さらに貯留槽には、上記貯留槽から排出された洗浄廃水を受け入れ、第1の分離手段を通過した固形分を捕集するために、上記粗フィルターよりも細かいメッシュを持つ細フィルターを備えた第2の分離手段を付帯する。第2の分離手段は、主としてモルタル成分中の骨材の補修を目的とするものである。粗フィルターとしては、例えば平織、綾織、畳折などと呼ばれている構造のもので、細骨材を捕集できるメッシュサイズが望ましい。
【0012】
本発明の装置では水性塗料又はその他の汚れが付着している器具類を洗浄する洗浄容器の役割を果たす、シンクを装置本体に設け、貯留槽はシンクの底面に形成された開口内に配置することができる。シンクは、流水で洗い流したり或いは器具類を洗浄容器中で洗浄したりする、予洗の用途に適している。シンクを使用する場合には、水性塗料又はその他の汚れが付着している器具類を洗浄する洗い網を、シンクの底面に上記開口を覆って配置することができる。
【0013】
装置本体は、貯留槽及びシンクをほぼ水平に保つために高さ調節の可能な脚を備えることができる。本発明の装置は、マンションの改修工事などのように使用できるスペースに制限のある作業場所に設置することが想定されるが、そうした場所では水平な設置面が得られるとは限らず、また、適切な排水勾配も得難いので、このような場合に脚の高さを調節可能とし、それによって、場所を選ばずに本発明の装置を設置することができるようになる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は以上のように構成されかつ作用するものであるから、例えば都心部のマンションの改修工事などのように、使用できるスペースに制限のある作業場所にも問題なく設置して、作業中であっても水性塗料又はその他の汚れが付着している器具類を洗浄し、かつ、塗料の洗浄によって生じた廃水を適正に処理することができ、ヒューマンエラーを排除して、各法令等の規定に対するコンプライアンスを遵守した産業廃棄物処理を実施することが可能になるという効果を奏する。また、本発明によれば、工事等の現場において塗装等の工事に従事する者が必要とするその都度、塗装に使用中の刷毛やローラー、塗料容器その他の器具類を手軽に洗浄することができ、かつ、そのような用途に適しているので、塗装等の工事に従事する者その他の作業員等の環境意識が高められ、環境を損なわずに施工が可能になるとともに、器具類の手入れが随時可能であることから、塗装工事の品質向上にも資するものとなる。そして、本発明の装置により、処理設備化が図られ、廃液対策の費用を削減することも可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下図示の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。図1は本発明に係る装置10の一例を示す平面図であり、11は装置本体、12は上部を構成しているシンクであって、その下部に貯留槽14を備えている。シンク12は水性塗料又はその他の汚れが付着している器具類を洗浄する洗浄容器の役割を果たすもので、貯留槽14はシンク12の底面に形成された円形の開口13の下部に設置されている。
【0016】
貯留槽14は、塗装用の刷毛、ローラー、ヘラ或いは少量の塗料を入れたパンや桶類などの器具類を流水で洗い流したり、或いは洗浄容器中で洗浄したりして発生した洗浄廃水を貯留するものである。本発明に係る装置10の場合、シンク12を有していない形態、また、シンク12を有している形態のどちらも実施することが可能であるが、シンク12を有している場合には、シンク12で上記器具類を洗浄して生じた洗浄廃水を貯留し、シンク12を有していない場合には貯留槽14に直に投じられた洗浄廃水を貯留することになる。いずれの場合にも、貯留槽14は相当程度の量の洗浄廃水を溜めておけるだけの容量を有している。例えば、40リットル程度の容量の貯留槽14であれば少なくとも数回ないしは十回程度までの洗浄によって発生する量の廃水を貯留することができる。
【0017】
図示の例におけるシンク12はやや横長の長方形の平面形状を有する、浅めの容器状に形成されており、その底面には、ほぼ中央に大きな円形の開口13が設けられている(図1)。各図において、15は水栓、16は中和剤、凝集剤等の薬品、PH計等の備品類の置き場であって、水栓15はシンク後部の左手、置き場16は同じく右手に配置されている。シンク12の底面には、水性塗料又はその他の汚れが付着している器具類を洗浄する洗い網17が、上記開口13を覆って配置される(図4参照)。
【0018】
洗い網17は、刷毛やローラー等の器具類を擦って付着している塗料を洗い落せるように、表面に凹凸のある、例えば、エキスパンドメタル製品のようなシート状部材が適している(図5参照)。図示の洗い網17は、底面においても内壁で固定されるように、シンク12の内寸よりも僅かに小さい形状に形成されている。しかし、その長方形の一辺においてシンク底面などにヒンジ結合しておき、必要に応じて底面に倒して使用し、或いは起立させておけるようにしても良い。
【0019】
本発明では、上記貯留槽14の内部に、粗フィルターを備えた第1の分離手段18が設けられている。第1の分離手段18は、貯留槽14の内部に着脱可能に配置され、必要な中和と凝集処理の行なわれた洗浄廃水を槽外部へ排出する際に凝集分ないし固形分を捕集する。図示の第1分離手段18は、図6に図示したようにバスケット状の形態の本体を有し、洗浄廃水の透過できない板材より成る底板19aと、底板19aの周囲を取り巻く低い捕集枠19bと、捕集枠19bよりも上方に立ち上げられているスクリーン19cとを備えており、提げ手19dで貯留槽14に出し入れする。
【0020】
上記の第1分離手段18は、その胴回りを取り囲んでいるスクリーン19cを粗フィルターとして、凝集分ないし固形分を捕集するものである。廃水分に含まれるモルタルなどの固形分を溜めるためにメクラ蓋である底板19aを設け、洗浄廃水を越流させるために捕集枠19bを底板19aの周囲に設けている。分離手段18は、貯留槽14の内部に収められる円筒状に形成されており、貯留槽14の内径R1に対して捕集枠19bの外径R2には径差を設け、水流の通過に適切な隙間Sがそれらの間に形成されるように設計なっている。なお、スクリーン19cには、例えば、目開きの細かい金網等から成るものが適している。
【0021】
上記貯留槽14から排出された洗浄廃水を受け入れ、第1の分離手段18を通過した固形分を捕集するために、上記粗フィルターよりも細かいメッシュを持つ細フィルターを備えた第2の分離手段21を具備している。20は開閉部を示しており、洗浄廃水を溜めるときには排水口を閉じ、洗浄廃水を排出するときには排水口を開く。第2の分離手段21は、貯留槽14の底部に相対的に小径の開口22を上記排水口として設け、その開口22の下部に排水トラップ23を取り付け、この排水トラップ23の内部に細フィルターを配置したものである。
【0022】
第2の分離手段21は、そのために、例えば、底部も周囲もポリエチレン繊維を用いた袋状構造を持って形成されているバスケット型のものである(図7A、B)。上記の細フィルターは、その周囲において間隙S′を生じるような大きさに形成されており、排水トラップ23の内部に収められている。排水トラップ23は、底部の中央部に小径の最終排水口24を有しており、そこにホースなどの排水管25を接続すると、最終廃水はここから排出される。21aは第2の分離手段21の提げ手であり、貯留槽14から排水トラップ23に出し入れする。
【0023】
さらに本発明では、装置本体11は四隅に脚柱26を備えているが、脚柱26は貯留槽14及びシンク12をほぼ水平に保つために、高さ調節機構を設けている。すなわち、脚26は、下端にて上下動可能、かつ、上下方向に複数個の位置決め孔27を備えた脚柱基部28を有しており、脚26の下部にも、上記位置決め孔27と一致する係合部を設け、図示されていないボルトを位置決め孔27及び係合部にねじ込んで固定し、4箇所の脚柱26の高低を調節する構成である。29は固定金物であり、脚柱26を設置部に固定するために、脚柱基部28に取り付けている(図7C)。
【0024】
上記装置本体11には、シンク部分の四隅近くに、移動用取っ手30をそれぞれ設けている。また、装置本体11の下部、かつ、脚部間には補強棚31が設けられており、図示の補強棚31は装置本体の強度を高めるとともに、すのこ状の構造を有することにより、洗浄作業に使用する器具、或いは洗浄した器具類を保管するためにも用いられる。
【0025】
このように構成されている、本発明に係る器具類の付着物の洗浄装置10では、塗装作業に従事する職人等が塗装工事を行って、刷毛やローラー或いは容器等の水性塗料又はその他の汚れが付着している器具類を洗浄する。その場合、図示の例では、シンク12に水を溜めて水洗することができる。水洗によって、貯留槽14に溜まった洗浄水の汚濁が、経験によって限界と感知できる一定の程度に達したならば、まず、PH計を使用して洗浄廃水のPHを測定し、備品類の置き場16から中和剤を取り上げ、PH値に応じて適量を投入し、洗浄廃水がPH5.7〜8.7の範囲に収まるように中和処理を行う。次いで、中和した洗浄廃水に凝集剤を投入し、水栓15を開いて水流を起こさせるか、或いは手動によって洗浄廃水を攪拌し、塗料成分等を分離させる(第1濾過)。ここで、分離した凝集分は、第1の分離部材18をバスケット状本体ごと引き上げて回収し、廃棄する。その後、開閉部20を開いて洗浄廃水を排水トラップ23へ流出させるが、その際にスクリーン19cを通過することによって第1濾過の分離物が濾過される(第2濾過)。モルタル骨材、残渣その他の固形沈殿物は比較的比重が大きいため、底蓋19上に堆積するのでこれを回収して廃棄する。第2濾過を通過した洗浄廃水は、第2の分離手段21に流入し、排水トラップ23を通過することによって濾過される(第3濾過)。排水トラップ23内の捕集物は、上記と同様に回収して廃棄する。最終排水は、汚水桝、別途用意する濾過器などの接続先に接続して処理することになる。
【0026】
このように本発明の洗浄装置10は、図1ないし図4に示したような1個のシンク12を備えたものに限定されるのではなく、それを2個以上左右に連続させて形成することもでき、また、2台の場合には、図8に示したように、前後に組み合わせて洗浄装置10′を構成することも可能である。このようにすれば、より規模の大きい工事に対応し、そこから発生する洗浄廃水を、随時、浄化処理することができるものである。本発明の洗浄装置10、10′は、マンションの改修工事などのように、使用できるスペースに制限のある作業場所にて、相対的に小規模の量の洗浄廃水を処理する上で好適なものであるが、しかし、建築物等の改修工事や補修工事のみならず、新築工事においても使用することができ、所期の効果を奏することは明らかである。即ち、洗浄廃水の量の多少を問うものでもないので、その用途は広範である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る器具類の付着物の洗浄装置の一例を示す平面図である。
【図2】同上の装置の正面図である。
【図3】同じく右側面図である。
【図4】同じく洗い網を使用した例を示す平面図である。
【図5】同じく洗い網の平面図である。
【図6】同じく第1の分離手段を示すもので、Aは平面図、Bは正面図である。
【図7】Aは第2の分離手段の平面図、Bは同じく正面図、Cは脚高さ調節機構を示す部分斜視図である。
【図8】同じく本発明の他の例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0028】
10、10′ 器具類の付着物の洗浄装置
11 装置本体
12 シンク
13 開口
14 貯留槽
15 水栓
16 備品類の置き場
17 洗い網
18 第1の分離手段
19 スクリーン
20 開閉部
21 第2の分離手段
22 小径の開口
23 排水トラップ
24 最終排水口
25 排水管
26 脚柱
27 位置決め孔
28 脚柱基部
29 固定金物
30 移動用取っ手
31 補強棚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工事において塗料その他の汚れが付着した器具類を洗浄するために、工事現場又はその近傍に装置本体を設置して使用するための装置であって、
水性塗料又はその他の汚れが付着している器具類を水で洗浄した洗浄廃水を貯留可能であり、洗浄廃水に対して中和と凝集を含む必要な処理を行うために、洗浄廃水を溜めるときは排水口を閉じ、洗浄廃水を排出するときには排水口を開く開閉部を設けた貯留槽と、
上記貯留槽内部に着脱可能に配置され、必要な処理の行なわれた洗浄廃水を槽外部へ排出する際に凝集分ないし固形分を捕集する粗フィルターを備えた第1の分離手段と、
上記貯留槽から排出された洗浄廃水を受け入れ、第1の分離手段を通過した固形分を捕集するために、上記粗フィルターよりも細かいメッシュを持つ細フィルターを備えた第2の分離手段を具備して構成された器具類の付着物の洗浄装置。
【請求項2】
塗料その他の汚れが付着している器具類を洗浄する洗浄容器の役割を果たす、シンクが装置本体に設けられており、貯留槽はシンクの底面に形成された開口の下部に設置されている請求項1記載の器具類の付着物の洗浄装置。
【請求項3】
塗料その他の汚れが付着している器具類を洗浄する洗い網が、シンクの底面に上記開口を覆って配置されている請求項1記載の器具類の付着物の洗浄装置。
【請求項4】
装置本体は、貯留槽及びシンクをほぼ水平に保つために高さ調節の可能な脚を備えている請求項2記載の器具類の付着物の洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−212589(P2011−212589A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−83200(P2010−83200)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(500489015)建装工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】