説明

噴霧可能な水中油型乳剤

【課題】 高いSPF値を有する噴霧可能な日焼け止め製剤を提供する。
【解決手段】 この発明は高含有量の油相を有する噴霧可能な水中油型乳剤に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、この発明は高含有量の油相を有する噴霧可能な水中油型乳剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
噴霧は、皮膚の手入れおよび化粧の用途等、皮膚に液状製剤をつけるための輸送手段として魅力的である。噴霧は使い易く、典型的には皮膚に対して一層制御された製剤の塗布さえも可能にする。皮膚に使用される製剤はしばしば乳剤系、通常は水中油(O/W)型乳剤の形態を採っており、この乳剤はある製剤中に親油性成分および親水性成分の存在を認めるものである。多くの場合では、乳剤系の製剤は相対的に高含有量の親油性成分を必要としている。これは、例えば、製剤では、高含有量の親油性有効成分を有することが不可欠であり、そして次に、これら有効成分では、液状の油相を構成するのに必要とされる相対的に高含有量の液状油性成分の存在が不可欠であるという場合である。しかしながら、高含有量の油相を有する乳剤は相対的に高含有量の乳化剤を必要としている。これは、そして次に、製剤を噴霧できないという結果となる粘性の増大に陥ることになる。
【0003】
日焼け止め製剤もまた、水中油型乳剤として頻繁に処方される。高いSPF(日焼け止め指数ともいう)を有する日焼け止め製剤は、皮膚障害の自覚の増大や日光に皮膚を長期間曝した場合の影響のために、消費者によって現在のところ益々望まれている。SPF≧50の日焼け止め指数を有する日焼け止め製剤は、敏感肌タイプ用および子供用として推奨されている。このような高いSPF値を有する日焼け止め製剤では高含有量の紫外線フィルタ剤の存在が不可欠である。最も有効であり、したがって日焼け止め製剤に広く使用されている親油性フィルタ剤の中で紫外線フィルタ剤が最も多く選択されている。親油性紫外線フィルタ剤の選択肢は制限されており、このタイプのフィルタ剤の含有量を増やすと、高いSPF値に達するのに不十分となり、さらに通常、塗布時に白く着色される状態を誘発するような印象となるからである。無機顔料は他のタイプのフィルタ剤であり、その含有量も増やすことができるが、この含有量の増加は上記製剤の安定性および白着色という問題を招くことになる。したがって、高いSPF値を有する日焼け止め製剤は、より多くの量の親油性のフィルタ剤を添加することによってのみ得ることができる。このことは、上記噴霧可能な製剤中の親油性成分の含有量を増やすことがより多くの乳化剤を必要とし、結果として粘性の増大を招くことになることから、噴霧可能な製剤に対する特別な取り組みを提起するものである。
【0004】
特許文献1は、耐光性の化粧用乳剤あるいは外皮用乳剤に関するものであり、当該乳剤は、(a)少なくとも1つのベンゾトリアゾール誘導体と、(b)100nmから400nmまでの平均粒径を有する少なくとも1つの等級のラテックス粒子を含有している。
【0005】
特許文献2は、カプリリルグリコールまたはその同族体と、保存剤を含有する組成物に関するものである。さらに、特許文献2は、カプリリルグリコールまたはその同族体を使用して、保存剤の活性を向上させることに関するものである。特許文献3は、付加的に、カプリリルグリコールまたはその同族体を含有する化学的組成物および保存剤の特定の組み合わせに関するものである。さらに、特許文献3は、カプリリルグリコールまたはその同族体を使用して、保存剤の活性を向上させ、さらにカルバミン酸ヨードプロピニルブチルとフェノキシエタノールとの組み合わせに関するものである。
【0006】
特許文献4は、マラセジア属感染症、特にふけ症を治療するのに有益で、カルバミン酸アルキニル誘導体と多価アルコールを含む化粧用組成物あるいは外皮用組成物を開示するものである。
【0007】
したがって、高い含有量の親油性成分を有する噴霧可能な製剤を提供する必要がある。特に、親油性成分、特に親油性の活性成分を比較的高い含有量を含む噴霧可能な製剤の必要性がある。高いSPF値を有する噴霧可能な日焼け止め製剤を提供するより具体的な必要性がある。このような製剤を提供することはこの発明の目的である。
【特許文献1】国際公開第WO 03/013455号
【特許文献2】欧州特許出願公開第206,933号
【特許文献3】欧州特許出願公開第238,651号
【特許文献4】欧州特許出願公開第005,851号
【特許文献5】欧州特許出願公開第761,201号
【特許文献6】米国特許第5,663,213号
【非特許文献1】ウェニンガー・エンド・マクイーエン(Wenninger and McEwen)(CTFA、7版、1997年)の1654頁〜1655頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明の目的は、高いSPF値を有する噴霧可能な日焼け止め製剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の請求項1記載の発明は、噴霧可能な水中油型乳剤であって、少なくとも15%の油相を含み、製剤は少なくとも0.1%のアルキルグリコールを含有するものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、高いSPF値を有する噴霧可能な日焼け止め製剤を提供することができるという効果がある。
【発明の概要】
【0011】
このように、1つの実施態様では、この発明は、少なくとも15%の油相を含む噴霧可能な水中油型乳剤に関係するものであり、その製剤は少なくとも0.1%のアルキルグリコールを含有している。
【0012】
他の実施態様では、この発明は、少なくとも15%の親油性の活性成分を含む噴霧可能な水中油型乳剤に関係するものであり、その乳剤は少なくとも15%の油相を含み、その製剤は少なくとも0.1%のアルキルグリコールを含有している。
【0013】
他の実施態様では、この発明は、少なくとも5%の親油性の紫外線フィルタ剤を含む日焼け止め製剤である噴霧可能な水中油型乳剤に関係するものであり、その乳剤は少なくとも15%の油相を含み、その製剤は少なくとも0.3%のアルキルグリコールを含有している。この発明の日焼け止め製剤は高いSPF値、例えばSPF≧40、より好ましくはSPF≧50、さらに好ましくはSPF≧60の日焼け止め指数を有してもよい。
【0014】
この発明の特定の実施の形態は、紫外線フィルタ剤とすることができる活性成分あるいは他の活性成分を含有し、少なくとも20%、あるいはさらに少なくとも25%、あるいはまたさらに少なくとも30%の油相を含有する全ての乳剤を含む、乳剤である。
【0015】
この発明の他の特定の実施の形態は、紫外線フィルタ剤とすることができる活性成分あるいは他の活性成分を含有し、少なくとも0.3%のアルキルグリコール、さらに少なくとも0.3%のアルキルグリコールを含有する全ての乳剤を含む、乳剤である。
【0016】
他の実施態様では、この発明は噴霧可能な水中油型乳剤に関係するものであり、その乳剤は、15%から40%まで、特に20%から30%までの油相を含有し、さらに0.1%から10%まで、特に0.2%から5%まで、さらに0.3%から3%までのアルキルグリコール、好ましくはカプリリルグリコールを含有するものである。
【0017】
他の実施態様では、この発明は噴霧可能な水中油型乳剤に関係するものであり、その乳剤は15%から40%まで、特に20%から30%までの油相を含有するものであり、(a)上記油相中に、5%から30%まで、特に10%から30%まで、さらに10%から30%まで、またさらに10%から20%までの量で含まれる親油性活性成分と、(b)0.1%から10%まで、特に0.2%から5%まで、さらに0.3%から3%までのアルキルグリコール、好ましくはアルキルグリコールが少なくとも0.3%の場合にカプリリルグリコールを含むものである。
【0018】
他の実施態様では、この発明は日焼け止め製剤である噴霧可能な水中油型乳剤に関係するものであり、その乳剤は15%から40%まで、特に20%から30%までの油相を含有するものであり、(a)上記油相中に、5%から30%まで、特に10%から30%まで、さらに10%から30%まで、またさらに10%から20%までの量で含まれる親油性紫外線フィルタ剤と、(b)0.1%から10%まで、特に0.2%から5%まで、さらに0.3%から3%までのアルキルグリコール、好ましくはカプリリルグリコールを含むものである。
【0019】
好適なアルキルグリコールは、1,2−オクタンジオールとも呼ばれるカプリリルグリコールである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
この明細書および特許請求の範囲で使用されているように、特に他の方法で示されない限りはすべての%は重量%である。記号「≧」は大きいか、あるいは等しいことを意味する。
【0021】
用語「噴霧可能」とは、組成物が消費者用製品において使用される標準的な噴霧装置によって塗布できるという意味である。特に、噴霧可能な乳剤は、粘度範囲を適切にするスピンドルを備えたスピンドル回転レオメータを用いて、60s-1の一定のせん断速度で測定された100センチポイズから2000センチポイズまで、特に100センチポイズから1000センチポイズまでの粘度を有している。
【0022】
この発明の乳剤において特に使用されるアルキルグリコールは、C6-14アルキルグリコール類、さらにC8-12アルキルグリコール類、またさらにC8 アルキルグリコール類、さらに1,2−オクタンジオールとも呼ばれるカプリリルグリコールである。アルキルグリコール類の例は、2,3−オクタンジオール、1,2−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、3,4−オクタンジオールおよびこれらと同様のものを含む。これらのうち特定の対象は、1つの水酸基が炭素末端で置換され、この置換基に近い他の炭素原子上に他の水酸基が置換されているアルキルグリコール類である。
【0023】
用語「油相」とは全ての親油性成分の和を対象として含む。これらの親油性成分には、油類、脂質類、ワックス類、親油性活性成分、親油性ポリマー等を含有してもよい。
【0024】
油相
この発明の水中油型乳剤は、例えばシリコーン油、天然油、脂肪酸エステル、モノ、ジ、あるいはトリ型のグリセリド、あるいはこれらの混合物等の皮膚適合性成分あるいはこれらの水を混入させていない混合物である適切な油類を含めてもよい油相を含有している。さらに、油類は大気温度で液状であり、特に25℃で液状である。これら油類は、その完全な油性混合物が大気温度あるいは上述の温度で液状である限り、一定量の油性の固形成分(例えば脂質あるいはワックス)を含有することができる。
【0025】
上記油相に組み込むことができる油類は、特に植物由来の天然油類、あるいは天然油誘導体を含む。例は、アーモンド油、大豆油、ヒマワリ油、サフラワー油、トウモロコシ油、キャノーラ油、ルリヂサ油、マツヨイグサ油、ブドウ種油、麦芽油、アボカド油、ホホバ油、核油、ゴマ油、クルミ油、亜麻仁油、パーム油、オリーブ油、マカダミア油、ヒマシ油、菜種油、落花生油、ヤシ油およびカブラ種子油である。
【0026】
また、上記乳剤における油相は、モノ、ジ、あるいはトリ型のグリセリドあるいはこれらの混合物を含有してもよい。これらの成分は、上述した天然油とすることができるが、天然油から分離された油性成分、例えばトリグリセリド類すなわち天然油から分離されたトリグリセリド混合物、あるいは化学的に製造されたモノ、ジ、あるいはトリ型のグリセリドを含有してもよい。モノ、ジ、あるいはトリ型のグリセリドは、飽和あるいは不飽和、直鎖状あるいは枝分かれ鎖状、置換あるいは未置換型の脂肪酸あるいは脂肪酸混合物から誘導することができる。特に、そのようなグリセリド類は、モノ、ジ、あるいはトリ型のC6-30脂肪酸グリセリド、さらにモノ、ジ、あるいはトリ型のC8-24脂肪酸グリセリド、特にモノ、ジ、あるいはトリ型のC12-22 脂肪酸グリセリドを含む。また、グリセリドエステル類、すなわち2つあるいは3つの異なる脂肪酸を有するジグリセリドエステルあるいはトリグリセリドエステルも混合して含められる。モノ、ジ、あるいはトリ型のグリセリド類の混合物は、油類あるいは脂質類の分画から加水分解によって得られる脂肪酸の分画から誘導される工業的な混合物を含む。後者の例は、C12-18 脂肪酸とモノ、ジ、あるいはトリ型のグリセリド類との工業的な混合物である。
【0027】
グリセリド油の例は、パルミチン酸、パルミック酸(palmic)、オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、あるいはこれらの混合物から誘導されたモノ、ジ、あるいはトリ型のグリセリド類である。
【0028】
これらのうち特定の対象は、トリグリセリド混合物を含むトリグリセリド類であり、また混合エステル類、すなわち異なる脂肪酸とグリセリンとのトリエステル類をも含む。例は、トリステアリン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、トリベヘニン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリルである。
【0029】
対象のモノグリセリド類あるいはジグリセリド類は、モノあるいはジ型のC12-24 脂肪酸グリセリド類、特にモノあるいはジ型のC16-20 脂肪酸グリセリド類、例えばモノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、ジラウリン酸グリセリル、パルミン酸グリセリル、ジパルミン酸グリセリルである。
【0030】
上記乳剤における油相は脂肪酸のアルキルエステル類をも含有してもよい。ここで、後者のアルキル基は、直鎖状あるいは枝分かれ鎖状、飽和あるいは不飽和、置換あるいは未置換型であってもよく、1個から30個までの炭素原子、特に1個から22個までの炭素原子を有してもよい。上記アルキルエステル類における脂肪酸は、直鎖状あるいは枝分かれ鎖状、飽和あるいは不飽和、置換あるいは未置換型のC6-30脂肪酸あるいは脂肪酸混合物、特にC6-24脂肪酸、さらにC8-22脂肪酸、さらにC12-18 脂肪酸であってもよい。上記エステル類におけるアルキル基は、脂肪族アルコール並びにその混合物、特にC1-24脂肪族アルコール、さらにC6-22脂肪族アルコール、さらにC8-18脂肪族アルコールから好適に誘導される。これらのエステル類に使用される脂肪族アルコール混合物は、例えば脂質あるいは油類から誘導されたメチルエステル類の工業的な混合物を高圧加水分解することによって得ることができる。
【0031】
上記エステル型の油性成分の例は、次のようなオレイン酸デシル、ココ・カプリル酸/カプリン酸、ラウリン酸ヘキシル、イソステアリン酸ミリスチル、オレイン酸ミリスチル、イソステアリン酸セチル、オレイン酸セチル、ステアリン酸セチル、ベヘニン酸セチル、パルミチン酸セチル、ベヘニン酸セテアリル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ベヘニン酸イソステアリル、ミリスチン酸オレイル、イソステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、パルミチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、イソステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ベヘニン酸オレイル、イソステアリン酸エルシル、オレイン酸エルシル、ステアリン酸パルミチル、ヘプタン酸ステアリル、オクタン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸ステアリル、オレイン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、イソステアリン酸ミリスチル、オレイン酸ミリスチル、ベヘニン酸ベヘニル、イソステアリン酸ベヘニル、オレイン酸ベヘニルである。
【0032】
上記エステル型の油性成分の対象は、分岐状C1-12アルカノール類、特に2−エチルヘキサノール(例えば商品名セチオール(Cetiol))868で市販された後者のステアラート)を有する直鎖型C6-22脂肪酸由来のエステル類;直鎖状C1-12アルカノール類を有する分岐型C6-22脂肪酸由来のエステル類;直鎖状あるいは分岐状C6-22脂肪酸を有するC12-30 ヒドロキシ脂肪酸由来のエステル類;多官能アルコール類(例えばプロピレングリコール、2量体ジオールあるいは3量体トリオール)あるいはゲルベ(Guerbet)アルコール類を有する直鎖型あるいは分岐型の脂肪酸由来のエステル類;芳香族カルボン酸、特に安息香酸を有するC6-22脂肪族アルコール類またはゲルベアルコール類由来のエステル類;1個から22個までの炭素原子を有する直鎖状あるいは分岐状のアルコール類を有するC2-12ジカルボン酸(例えばマレイン酸ジオクチル)由来のエステル類;ポリアルコール類(例えばプロピレングリコール、2量体ジオールあるいは3量体トリオール)あるいはゲルベアルコール類を有する直鎖型あるいは分岐型の脂肪酸で構成されるエステル類である。この明細書において使用されるように、ゲルベアルコール類は、6個から18個まで、特に8個から10個までの炭素原子を有する脂肪族アルコール系であってもよい。
【0033】
使用可能な他の油性成分は、脂肪族アルコール類、特に全ての飽和あるいは不飽和、直鎖状あるいは分岐状の脂肪族アルコール類およびこれらの混合物を含むものである。脂肪族アルコール類は、例えばミリスチルアルコール、1−ペンタデカノール、セチルアルコール、1−ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、1−ノナデカノール、アラキジルアルコール、1−ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール、ブラシジルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール、ミリチルアルコール、ラウリルアルコール、カプリルアルコール、カプリニルアルコール、セチルアルコール、パームオレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキジルアルコール、ガドレイルアルコール、エルシルアルコール、およびセテアリルアルコール、C12/13 脂肪族アルコール並びにゲルベアルコール類のような上記混合物等の天然の脂質類、油類あるいはワックス類から誘導された例えばC12-50 脂肪族アルコール類、特にC12-24 脂肪族アルコール類、さらにC16-22 脂肪族アルコール類を含むものである。
【0034】
脂肪族アルコールの混合物も明らかに使用可能であり、この混合物は、上述した天然の油類あるいは脂質類等の自然に生じる油類あるいは脂質類から誘導された脂肪酸分画の還元により得られた対応の脂肪族アルコール分画を含むものである。
【0035】
他の油性成分は、脂肪酸類、特にC14-40 脂肪酸と、ヒドロキシ脂肪族アルコール類、特にC12-30 脂肪族アルコールを含むものである。使用可能な他の油性成分は脂肪族系あるいは芳香族系のいずれかの鉱油類、パラフィン油類および合成油類およびこれらの混合物を含むものである。
【0036】
添加可能な他の油性成分は、6個から18個まで、特に8個から10個までの炭素原子を有する脂肪族アルコール類系とすることが可能なゲルベアルコール類である。
【0037】
さらに他の油性成分は、炭化水素類であり、この炭化水素類は、例えばスクアラン、スクアレン、パラフィン油類、イソヘキサデカン、イソエイコサンあるいはポリデセン並びにジアルキルシクロヘキサン類を含むものである。
【0038】
さらに他の油性成分は、例えば環状シリコーン類、ジアルキルアリールシロキサン類あるいはアルキルアリールシロキサン類、例えばシクロメチコン、ジメチルポリシロキサンおよびメチルフェニルポリシロキサン、並びにこれらのアルコキシル化されかつ四元化された同族体等のシリコーン油類である。適切な不揮発性シリコーン油類は、例えばポリアルキルシロキサン類、ポリアルキルアリールシロキサン類およびポリエーテルシロキサン・共重合体類である。特に適切なシリコーン油は、両分子末端にトリメチルシロキシ基を有するジメチルポリシロキサン、両分子末端にトリメチルシロキシ基を有するメチルフェニルポリシロキサン、両分子末端にトリメチルシロキシ基を有するメチルフェニルシロキサンとジメチルシロキサンとの共重合体、環状ジメチルシロキサンあるいは環状メチルフェニルシロキサンとすることができる。
【0039】
好適なシリコーン油類は、環状ジメチルシリコーン類、すなわちシクロメチコン、例えばテトラシクロメチコン、ペンタシクロメチコンと、直鎖状ジメチルシリコーン類、すなわちジメチコン類、およびこれらの全ての混合物を含むものである。
【0040】
上記油相は、一定量の、脂質類およびワックス類等の固形あるいは半固形の親油性成分をも含有することが可能であり、これらの成分は大気温度以上、特に25℃以上で液状である材料である。脂質類は天然物由来の物質あるいは合成物質であるトリグリセリドを含むものである。ワックス類は合成あるいは天然のワックスを含むものである。天然ワックスは、木蝋、オーリクリー蝋、モンタン蝋、カスター蝋、カルナウバ蝋、カンデリラ蝋、蜜蝋、セレシン蝋および臭蝋を含むものである。合成ワックスは、パラフィン、ペトロラタム、ポリアルキレングリコールワックス、例えばポリエチレンワックス等の石油系ワックスを含むものである。
【0041】
ワックス類は、油類のような上述した材料の高級同族体、例えば高級エステル類、高級モノ、ジ、あるいはトリ型のグリセリド類、高級アルカノール類(特に高級脂肪族アルコール類)、高級アルカンジオール類(特にヒドロキシ脂肪族アルコール類)、高級脂肪酸類である材料をも包含するものである。他の有用な成分としては、シリコーンワックス類を記述することができる。
【0042】
水相
この発明の水中油型乳剤における水相は純水としてもよいが、通常は1つまたはそれ以上の親水性成分を含有してもよい。後者の親水性成分は、低級アルカノール類、多価アルコール類、水溶性活性成分、保存剤および保湿剤、キレート剤等とすることができる。
【0043】
乳化剤
この発明の水中油型乳剤は、水中油型乳剤を生成するのに適した1つまたはそれ以上の乳化剤を追加して含有するものである。これらの乳化剤は、陰イオン系、陽イオン系、両性系あるいは非イオン系の乳化剤およびこれらの混合物としてもよい。非イオン系乳化剤が好適である。
【0044】
適切な陰イオン系乳化剤は脂肪酸石鹸剤、例えばナトリウム、カリウムおよびトリエタノールアミン系の石鹸剤を含むものであり、上記脂肪酸の部分は10個から20個までの炭素原子を含有してもよい。他の適切な陽イオン系乳化剤は、アルキルスルホナート類、アルキルスルファート類、アルキルアリールスルホナート類、アルキルポリエトキシエーテルスルホナート類、アルキルフェノールポリエトキシエーテルスルホナート類、スルホコハク酸のモノ、あるいはジエステル類、特にこれらのアルカリ金属塩類、アンモニウム塩類あるいは置換型アンモニウム塩類を含むものである。アルキル基は10個から30個までの炭素原子であってよく、ポリエトキシル化した陰イオン系乳化剤は1個から50個まで、特に2個から25個までのエチレンオキシド単位を含有してもよい。
【0045】
適切な陽イオン系乳化剤は四級のアンモニウム塩類、モルホリニウム塩類およびピリジニウム塩類、特にアルキル基が10個から30個までの炭素原子となる可能性があるアルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物等のテトラアルキルアンモニウムハロゲン化物である。
【0046】
特定の非イオン系乳化剤は、
(1)2モルから50モルまでのエチレンオキシドおよび/または0モルから20モルまでのプロピレンオキシドを、8個から40個までの炭素原子を有する直鎖状脂肪族アルコール類、12個から40個までの炭素原子を有する脂肪酸類、および残余のアルキル基中に8個から15個までの炭素原子を有するアルキルフェノール類に付加した付加生成物;
(2)1モルから50モルまでのエチレンオキシドとグリセリンとの付加生成物のC12/18 脂肪酸モノエステルおよびジエステル;
(3)6個から22個までの炭素原子を有する飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸と上記エチレンオキシド付加生成物とのグリセリンモノエステルおよびジエステル、ソルビタンモノエステルおよびジエステル;
(4)残余のアルキル基中に8個から22個までの炭素原子を有するアルキルモノグリコシドおよびアルキルオリゴグリコシドおよびこれらのエトキシル化同族体
(5)7モルから60モルまでのエチレンオキシドを、カスター油および/または硬化したカスター油に付加した付加生成物;
(6)多価アルコール、特にポリグリセリンのエステル類、例えば多価アルコール・ポリ12−ヒドロキシステアラート、ポリグリセリン・ポリリシノレート、ポリグリセリン・ジイソステアラートあるいはポリグリセリン・ダイマラート。また、上記物質の数種類の化合物の混合物が適切である。
(7)2モルから15モルまでのエチレンオキシドを、カスター油および/または硬化したカスター油に付加した付加生成物;
(8)直鎖状、分岐状、不飽和あるいは飽和のC6-22脂肪酸類、リシノール酸並びに12−ヒドロキシステアリン酸、およびグリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリトリット、ジペンタエリトリット、糖アルコール類(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド類(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)、並びにポリグルコシド類(例えばセルロース)あるいは、例えばステアリン酸/クエン酸グリセリルおよびステアリン酸/乳酸グリセリル等のエステル混合物由来の部分エステル類;
(9)羊毛脂アルコール類;
(10)ポリシロキサン・ポリアルキル・ポリエーテル・共重合体類およびこれらの誘導体;
(11)ペンタエリトリット、脂肪酸および脂肪族アルコール類由来のエステル混合物および/または6個から22個までの炭素原子を有しかつメチルグルコースおよび多価アルコール類を有する脂肪酸のエステル混合物、それぞれグリセリンまたはポリグリセリン;
(12)エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロック共重合体を含むポリアルキレングリコール類を含むものである。
【0047】
エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと、脂肪族アルコール類、脂肪酸類、アルキルフェノール類、グリセリン脂肪酸・モノエステル、グリセリン脂肪酸・ジエステル並びにソルビタン脂肪酸・モノエステル、ソルビタン脂肪酸・ジエステル、あるいはグリセリンカスター油・モノエステル、グリセリンカスター油・ジエステル並びにソルビタンカスター油・モノエステル、ソルビタンカスター油・ジエステルとの付加生成物は公知であり、製品化されている。通常は、付加反応が行われた場合に、平均アルコキシル化度がエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと基質との開始量の比に対応するような同族体の混合物が存在する。
【0048】
適切な両性イオン系乳化剤の例は、アルキル基が6個から16個までの炭素原子を有するアルキルジメチルアミンオキシドを含むものである。
【0049】
上記乳剤は約1%から約10%まで、好ましくは約2%から約5%までの乳化剤を含有してもよい。
【0050】
活性成分
この発明の乳剤は皮膚塗布用に活性成分を含有してもよい。活性成分の例は、例えば抗菌剤等の抗微生物剤、抗かび剤、抗炎症剤、抗刺激化合物、痒み止め剤、保湿剤、皮膚の手入れ成分、植物抽出物、ビタミン類およびこれらに類似したものを含むものである。このような成分の例は、PVP(ポリビニルピロリドン)と過酸化水素との複合体、植物抽出物、ビサボロール、パンテノール、トコフェロール等の抗炎症剤、抗刺痛剤、抗刺激剤、抗ふけ剤、老化防止剤、例えばレチノール、メリビオース等を含むものである。他の適切な活性成分は、例えばアラントイン、アロエ・バルバデンシス(barbadensis)、マカラスムギ、β―カロテン、ビサボロール、局方ボラーゴ(Borago)、カミツレレクチータ(recutita)、ジクロロフェニルイミダゾールジオキサラン、エチルパンテノール、ファルネソール、フェルラ酸、イチョウ、ヘリオトロピン、小麦蛋白質加水分解物、トショウ、乳蛋白質、ラクトース、リナロール、リシン、マンニトール、セイヨウハッカ、メントール、乳酸メンチル、オラフラー(olaflur)、イネ、パンテノール、アーモンドダルシス(dulcis)、パルミン酸レチニル、トウゴマ、マンネンロウ、サリチル酸、カルボキシメチルβ−グルカンナトリウム、ココイルアミノ酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、パルミトイルプロリンナトリウム、タチジャコウソウ、トコフェロール、酢酸トコフェリル、チロシン、バリン等である。
【0051】
上記活性成分は、その成分の性質および用途に応じて種々の濃度で存在することができるが、通常は、乳剤の全重量に対して、0.01%から10%(重量/重量)までの範囲、好ましくは0.1%から7%(重量/重量)までの範囲、およびより好ましくは1%から5%(重量/重量)までの範囲の量で存在する。
【0052】
この発明による乳剤は、制汗剤あるいは消臭剤として使用可能であり、上記乳剤の一方あるいは両方の相は、消臭特性および/または制汗特性を有する活性成分を含有するものである。この目的に使用可能な活性成分は、例えば、アルミニウム・クロロヒドラート類、アルミニウム・ジルコニウム・クロロヒドラート並びに亜鉛塩等の制汗剤である。このような他の薬剤は、アルミニウム・ヒドロキシラクタート類並びに酸アルミニウム/ジルコニウム塩類を含むものである。特に適切なクロロヒドラートは、[Al2 (OH)5 Cl]−2,5H2 Oの式で表される化合物である。さらに、このような薬剤は、アルミニウム・ジルコニウム・テトラクロロヒドロキシ錯体である。エステラーゼ阻害剤は、他の消臭剤として、すなわちクエン酸トリメチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリブチルおよび特にクエン酸トリエチル等のクエン酸トリアルキル等の薬剤として添加することができる。他のエステラーゼ阻害剤は、例えば硫酸ラノステリン、硫酸コレステリン、硫酸カンペステリン、硫酸スチグマステリンおよび硫酸シトステリン等の硫酸ステロール、あるいはリン酸ラノステリン、リン酸コレステリン、リン酸カンペステリン、リン酸スチグマステリンおよびリン酸シトステリン等のリン酸ステロール、例えばグルタール酸、グルタール酸モノエチルエステル、グルタール酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸、マロン酸ジエチルエステル等のジカルボン酸およびそのエステル類、例えばクエン酸、マロン酸、酒石酸あるいは酒石酸ジエチルエステル等のヒドロキシ炭酸およびそのエステル類である。
【0053】
細菌類の成長条件に影響を与え、発汗作用で腐敗を進める細菌類を根絶するか、あるいはその成長を妨害する抗菌性の活性成分もまた、油相および/または水相に存在することができる。このような成分の例は、フェノキシエタノール、グルコン酸クロロヘキシジンおよび5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)−フェノールである。
【0054】
この発明による乳剤は、日焼け止め噴霧剤の形態をとる場合に、日焼け止め用途で使用可能である。これらの製品では、油相および/または水相は、例えば紫外線照射を吸収することが可能であり、長波長側の照射のような吸収エネルギがない状態にする有機物質である1つまたはそれ以上の日焼け止めフィルタ剤を含有している。
【0055】
UVB(中波長紫外線)フィルタ剤は油溶性あるいは水溶性とすることができる。油溶性物質としては、例えば:
・3−ベンジリデンカンファー;3−ベンジリデンノルカンファーおよびその誘導体、例えば3−(4−メチルベンジリデン)カンファー
・4−アミノ安息香酸誘導体;4−(ジメチルアミノ)安息香酸−2−エチルヘキシルエステル類、4−(ジメチルアミノ)安息香酸−2−オクチルエステル類および4−(ジメチルアミノ)安息香酸アミルエステル類
・シンナモン酸エステル類;特に4−メトキシシンナモン酸−2−エチルヘキシルエステル、4−メトキシシンナモン酸プロピルエステル、4−メトキシシンナモン酸イソアミルエステル、2−シアノ−3,3−フェニルシンナモン酸−2−エチルヘキシルエステル(オクトクリレン)
・サリチル酸エステル類;サリチル酸−2−エチルヘキシルエステル、サリチル酸−4−イソプロピルベンジルエステル、サリチル酸ホモメンチルエステル
・ベンゾフェノン誘導体類;特に2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
・ベンザルマロン酸エステル類;特に4−メトキシベンズマロン酸ジ−2−エチルヘキシルエステル
・トリアジン誘導体類;例えば2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシロキシ)−1,3,5−トリアジンおよびオクチルトリアゾン
・トリパン−1,3−ジオン類;例えば1−(4−第3ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン
・ケトトリクロロ(5,2,1,0)デカン誘導体類
を記述することができる。
【0056】
水溶性紫外線フィルタ剤は、例えば:
・2−フェニルベンジミダゾール−5−スルホン酸およびそのアルカリ塩、アルカリ土類塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩およびグルカアンモニウム塩
・ベンゾフェノンスルホン酸誘導体類;特に2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびその塩類
・3−ベンジリデンカンファースルホン酸誘導体類;例えば4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)ベンゾルスルホン酸および2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデン)スルホン酸およびその塩類
である。
【0057】
使用可能である典型的なUVA(長波長紫外線)フィルタ剤は、例えば1−(4’−第3ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−第3−ブチル−4’−メトキシベンゾイルメタン(パーソル:Parsol(商品名))、あるいは1−フェニル−3−(4’−イソプロピルフェニル)プロパン−1,3−ジオン等のベンゾイルメタン誘導体類である。UVA(長波長紫外線)フィルタ剤とUVB(中波長紫外線)フィルタ剤との混合物も明らかに使用可能である。
【0058】
特定の対象はいわゆる広周波数帯域フィルタ剤である。このようなフィルタ剤の1つのタイプは水溶性フィルタ剤、さらにベンゾトリアゾール類、特に2,2’−メチレン−ビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール)[INCI:ビスオクチルトリアゾール]として公知であり、チバ(CIBA)ケミカルズ社から商品名チノソルブ(Tinosorb)Mで市販されているベンゾトリアゾール誘導体である。他の有用なベンゾトリアゾール誘導体は、INCI名、ドロメトリゾールトリシロキサンによっても示されている2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−[2−メチル−3−[1,3,3,3−テトラメチル−1[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル]−フェノール(ケース番号:155633−54−8)であり、商品名メキソリル(Mexoryl)XLでキメックス社から入手可能である。これらのベンゾトリアゾール誘導体はpH>4.5で水相中に容易に組み込むことが可能である。
【0059】
他の有用な水溶性紫外線フィルタ剤は、INCI名:テレフタリジンジカンファースルホン酸(ケース番号:90457−82−2)によって示され、例えば商品名メキソリル(Mexoryl)SXでキメックス社から入手可能である3,3’−(1,4−フェニレンジメチレン)ビス(7,7−ジメチル−2−オキソ−ビシクロ−[2.2.1]ヘプト−1−イル)メタンスルホン酸およびそのナトリウム塩、カリウム塩、あるいはそのトリエタノールアンモニウム塩、およびそのスルホン酸等、スルホン酸化された紫外線フィルタ剤である。
【0060】
油溶性の広周波数帯域フィルタ剤は、非対称形に置換されたトリアジン誘導体類である。特定の対象は、チバ(CIBA)ケミカルズ社から商品名チノソルブ(Tinosorb)Sで市販されている2,4−ビス−{[4−(2−エチル−ヘキシロキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(INCI:アニソトリアジン)である。
【0061】
他の有利な水溶性紫外線フィルタ剤は、INCI名:テレフタリジンジカンファースルホン酸(ケース番号:90457−82−2)によって示され、例えば商品名メキソリル(Mexoryl)SXでキメックス社から入手可能である3,3’−(1,4−フェニレンジメチレン)ビス(7,7−ジメチル−2−オキソ−ビシクロ−[2.2.1]ヘプト−1−イル)メタンスルホン酸並びにそのナトリウム塩、カリウム塩、あるいはそのトリエタノールアンモニウム塩である。
【0062】
この発明に従う特定の実施の形態は噴霧可能な水中油型乳剤であり、この乳剤は、SPF≧40、特にSPF≧50、あるいはSPF≧60の日焼け止め指数を有し、15%から40%まで、特に20%から30%までの油相を含有する日焼け止め製剤であって、この製剤は(a)上記油相中に、5%から30%まで、特に10%から30%まで、さらに10%から30%まで、またさらに10%から20%までの量で含まれる親油性紫外線フィルタ剤と、(b)0.1%から10%まで、特に0.2%から5%まで、さらに0.3%から3%までのアルキルグリコール、好ましくはカプリリルグリコールを含むものである。
【0063】
この発明の他の実施の形態は噴霧可能な水中油型乳剤であり、この乳剤は、SPF≧40、特にSPF≧50、あるいはSPF≧60の日焼け止め指数を有し、15%から40%まで、特に20%から30%までの油相を含有する日焼け止め製剤であって、(a)上記油相中に、5%から30%まで、特に10%から30%まで、さらに10%から30%まで、またさらに10%から20%までの量で含まれる親油性紫外線フィルタ剤と、(b)1%から10%まで、特に1%から5%まで、さらに2%から5%までの親水性紫外線フィルタ剤と、(c)0.1%から10%まで、特に0.2%から5%まで、さらに0.3%から3%までのアルキルグリコール、好ましくはアルキルグリコールが少なくとも0.3%の場合にカプリリルグリコールを含むものである。
【0064】
この発明の他の実施の形態は噴霧可能な水中油型乳剤であり、この乳剤は、SPF≧40、特にSPF≧50の日焼け止め指数を有し、15%から40%まで、特に20%から30%までの油相を含有する日焼け止め製剤であって、(a)上記油相中に、5%から30%まで、特に10%から30%まで、さらに10%から30%まで、またさらに10%から20%までの量で含まれる親油性紫外線フィルタ剤と、(b)1%から10%まで、特に1%から5%まで、さらに2%から5%までの親水性紫外線フィルタ剤と、(c)0.5%から15%まで、特に1%から10%まで、さらに1%から5%までの無機顔料、特に二酸化チタンあるいは被覆二酸化チタンと、(d)0.1%から10%まで、特に0.2%から5%まで、さらに0.3%から3%までのアルキルグリコール、好ましくはカプリリルグリコールを含むものである。
【0065】
この発明の他の実施の形態は噴霧可能な水中油型乳剤であり、この乳剤は、SPF≧40、特にSPF≧50の日焼け止め指数を有し、15%から40%まで、特に20%から30%までの油相を含有する日焼け止め製剤であって、(a)上記油相中に、5%から30%まで、特に10%から30%まで、さらに10%から30%まで、またさらに10%から20%までの量で含まれる親油性紫外線フィルタ剤と、(b)1%から10%まで、特に1%から5%まで、さらに2%から5%までの親水性紫外線フィルタ剤と、(c)0.5%から15%まで、特に1%から10%まで、さらに1%から5%までの無機顔料、特に二酸化チタンあるいは被覆二酸化チタンと、(d)0.1%から15%まで、特に0.5%から10%まで、さらに1%から10%までのラテックス粒子、特に中空状ラテックス粒子と、(e)0.1%から10%まで、特に0.2%から5%まで、さらに0.3%から3%までのアルキルグリコール、好ましくはカプリリルグリコールを含むものである。
【0066】
SPF≧40、特にSPF≧50の日焼け止め指数を有する噴霧用製剤は、好ましくはベンゾトリアゾールおよび非対称形に置換されたトリアジン誘導体の双方、特に、商品名チノソルブ(Tinosorb)Mおよび商品名チノソルブ(Tinosorb)Sの双方を含有するものである。
【0067】
上述した溶解性の紫外線フィルタ物質とは異なり、不溶性の日焼け止め用顔料、すなわち微細に分散された金属酸化物類あるいは金属塩類も添加可能である。特に適切な金属酸化物の例は、酸化亜鉛および二酸化チタン並びに鉄、ジルコニウム、シリコン、マンガン、アルミニウムおよびセリウムの各酸化物、並びにこれらの混合物である。使用可能な塩類は、ケイ酸塩(滑石)、硫酸バリウムあるいはステアリン酸亜鉛を含むものである。これらの顔料の粒径は十分に小さいものであり、例えば100nm未満、特に5nmと50nmとの間、さらに15nmと30nmとの間とされる。上記粒子は球形状とすることができるが、楕円形状あるいはこれに類似した形状等の他の形状を有することもできる。上記顔料の表面は、例えば親水化処理されるか、あるいは疎水性となるように作製される。典型例は、二酸化チタン、例えば二酸化チタンT805(デグッサ(Degussa)社より入手可能)あるいはユーソレックス(Eusolex:登録商標)T2000(メルク(Merck)社)で被覆されている。シリコーン、特にトリアルコキシオクチルシランあるいはシメチコンは、疎水性被覆剤として使用可能である。いわゆるマイクロあるいはナノレベルの顔料は日焼け止め製品での使用に関して、特に魅力的である。
【0068】
添加可能な他の成分は、ラテックス粒子、特に100nmから400nmまでの平均粒径を有するラテックス粒子である。特定の対象は、欧州特許出願公開第761,201号に対応する米国特許第5,663,213号に記述されている中空状ラテックス粒子である。スチレン/アクリラート共重合体から形成されかつローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)社から商品名「アリアンスサンスフィア(Alliance SunSphere)」で入手可能であるラテックス粒子は特に好適である。これらの市販された製品は、通常、約25%から約27%までの「活性成分」(すなわち純粋のラテックス)の含有量を有しており、この発明の乳剤で使用される場合には、市販製品の量は、乳剤中に存在するラテックス粒子の量による作用において再計算される必要がある。
【0069】
上述された第1の耐光性フィルタ剤の両方の群とは異なり、第2の耐光性因子も使用可能である。これらの耐光性因子は、抗酸化剤の分類に属しており、その活性は日光照射によって皮膚への透過時に生じる光化学過程の遮断あるいは減少に基づいている。
【0070】
第2の耐光性因子の典型例は、例えばグリシン、ヒスチジン、チロシンおよびトリプトファン並びにアミノ酸誘導体を含むアミノ酸類;イミダゾール類(例えばウロカニン酸)およびこれらの誘導体;D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびこれらの誘導体(例えばアンセリン)等のペプチド類である。使用可能な他の薬剤は、カロチノイド類、カロテン類(例えばα−カロテン、β−カロテンおよびリコピン)およびこれらの誘導体;クロロゲン酸およびこの誘導体;リポ酸およびこの誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、金チオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール類(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスタミンおよびグリコシルエステル類、N−アセチルエステル類、メチルエステル類、エチルエステル類、プロピルエステル類、アミルエステル類、ブチルエステル類、およびラウリルエステル類、パルミトイルエステル類、オレイルエステル類、γ−リノレイルエステル類、コレステリルエステル類およびグリセリルエステル類)およびこれらの塩類である。他の例は、ジラウリルチオジプロピオナート、ジステアリルチオプロピオナート、チオジプロピオン酸およびこれらの誘導体(例えばエステル類、エーテル類、ペプチド類、脂質類、ヌクレオチド類、ヌクレオシド類および塩類)、スルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタチオンスルホキシミン、ヘキサチオンスルホキシミンおよびヘプタチオンスルホキシミン)である。これらの第2の薬剤は、通常は、非常に低い濃度(例えば1kg当たりピコモルからマイクロモルまで)で処方される。
【0071】
他の第2の薬剤(通常は上述したように低濃度で使用)は、キレート剤(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸類、パルミエート酸(palmeate acid)、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、胆汁色素、ビリベルジン、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)、エチレングリコースビス(2−アミノエチルエーテル)4酢酸(EGTA)およびこれらの誘導体、例えばγ−リノレイン酸、リノール酸、オレイン酸、葉酸およびこれらの誘導体等の不飽和脂肪酸およびその誘導体;ユビキノン類およびユビキノール類およびこれらの誘導体、ビタミンCおよびその誘導体(例えばアスコルビン酸パルミタート、アスコルビン酸マグネシウムホスファート、アスコルビン酸アセタート)、トコフェロールおよびその誘導体(例えばビタミンEアセタート)、ビタミンAおよびその誘導体(例えばビタミンAパルミタート)、安息香酸、ルチン酸およびその誘導体の安息香酸コニフェリル、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリジングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク脂酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチルフェノン、ウレイン酸およびこれらの誘導体、マンノースおよびその誘導体、ジスムターゼ超酸化物、亜鉛および酸化亜鉛、硫酸亜鉛等の亜鉛誘導体、セレニウムおよびその誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(例えば酸化スチルベン、トランス酸化スチルベン)、およびこれら紫外線フィルタ剤の全ての適切な誘導体である。
【0072】
この発明の噴霧可能な乳剤は、自己日焼け噴霧剤としても使用可能である。この場合には、ジヒドロキシアセトンの添加が可能である。
【0073】
油相および/または水相は、乳剤の全量に対して、1%(重量/重量)から20%(重量/重量)まで、好ましくは5%(重量/重量)から15%(重量/重量)まで、および、より好ましくは5%(重量/重量)から10%(重量/重量)までの量で存在することが可能な1つまたはそれ以上の保湿剤をも含有することができる。
【0074】
適切な保湿剤は、例えばアミノ酸類、ピロリドン炭酸、乳酸およびその塩、ラクチトール、尿素および尿素誘導体、ウレイン酸、グルコサミン、クレアチニン、コラーゲン、キトサンあるいはキトサン塩/キトサン誘導体の加水分解物、および特にエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、エリトリット、1,2,6−ヘキサントリオール、PEG−4、PEG−6、PEG−8、PEG−10、PEG−12、PEG−14、PEG−16、PEG−18、PEG−20、PEG−135、PEG−150等のポリエチレングリコール等のポリオールおよびポリオール誘導体、糖質および糖質誘導体(例えば、フルクトース、グルコース、マルトース、マルチトール、マンニット、ソルビット、ソルビチルシランジオール、スクロース、トレハロース、キシロース、キシリット、グルクロン酸およびその塩)、エトキシル化ソルビトール、蜂蜜および水素化蜂蜜、水素化デンプン加水分解物、並びに水素化コムギ蛋白質、加水分解型乳蛋白質、レシチン、ピタントリオール、ヒアルロン酸およびその塩、およびPEG−20酢酸共重合体である。特に好適な保湿剤はグリセリン、ジグリセリンおよびトリグリセリンである。
【0075】
この発明の乳剤は、合成の芳香物質あるいは花部(ユリ、ラベンダー、ローズ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)、茎部および葉部(ゼラニウム、パッチュリ、プチグレン)、果実(アニス、コリアンダー、キャラウェー、カデ)、樹皮部(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根部(マチス、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アイリス、カルマス)、材部(パイン、サンダルウッド、グアヤク、シダー、ローズ)、薬草部および草本部(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針状葉部および枝部(スプルース、モミ、パイン、マウンテンパイン)、樹脂部およびバーム部(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、オリバナム)から抽出された天然の芳香物質の混合物とすることができる香油を含有してもよい。
【0076】
この発明の乳剤は、1つまたはそれ以上の保存剤を含有してもよい。保存剤は、実質的に微生物分解を防止するのに有用である。保存剤の例は、フェノキシエタノール、カルバミン酸ヨードプロピルブチル(IPBC)、安息香酸ナトリウム、メチルパラベン、エチルパラベンおよびプロピルパラベン等のパラベン類を含むものである。保存剤の他の例は、以下、「化粧品ハンドブック」と呼ばれる国際化粧成分事典およびハンドブックであるウェニンガー・エンド・マクイーエン(Wenninger and McEwen)(CTFA、7版、1997年)の1654頁から1655頁までに掲載されている。上記組成物は約0.01重量%から約10重量%まで(より好ましくは約0.5重量%から約5重量%まで)の保存剤を含有してもよい。
【0077】
抗酸化剤および/またはキレート剤も、上記組成物の保存性および安定性を高めるのに使用可能である。抗酸化化合物およびその誘導体は、スルフヒドリル化合物およびこれらの誘導体(例えば異性重亜硫酸ナトリウムおよびN−アセチルシステイン)等の水溶性抗酸化剤、リポ酸、ジヒドロリポ酸、レスベラトロール、アセチルシステインあるいはラクトフェリン、アスコルビン酸およびアスコルビン酸誘導体(例えばアスコルビン酸パルミタート、アスコルビン酸ポリペプチド)を含むが、これらに限定されるものではない。油溶性の抗酸化剤は、ブチルヒドロキシトルエン、レチノイド類(例えば、レチノールおよびレチニルパルミタート)、トコフェロール(例えば酢酸トコフェロール)、トコトリエノール類およびユビキノンを含むが、これらに限定されるものではない。抗酸化剤を含有する天然抽出物は、フラボノイド類およびイソフラボノイド類およびこれらの誘導体(例えばゲニステインおよびジアデゼイン)を含有する抽出物、レスベラトロールおよびこれに類似したものを含有する抽出物を含むものである。このような天然抽出物の例は、ブドウ種子、緑茶、パイン樹皮、プロポリスおよび豆果の抽出物を含むものである。抗酸化剤の他の例は、上記化粧品ハンドブックの1612頁から1613頁までに見出される。この発明の組成物は、上記抗酸化剤を、この組成物の約0.001重量%から約20重量%まで(例えば、約0.01重量%から約10重量%まで)の量で含めることができる。
【0078】
キレート剤も、例えばこの発明の乳剤の安定化を支援するために添加することができる。キレート剤の例は、エチレンジアミン4酢酸およびその誘導体(例えばエチレンジアミン4酢酸2ナトリウムおよびエチレンジアミン4酢酸2カリウム)、イニフェリン(Iniferine:商品名)、ラクトフェリンおよびクエン酸を含むものである。キレート剤の他の例は、上記化粧品ハンドブックの1626頁に掲載されている。この発明の乳剤は、上記キレート剤を、上記組成物の約0.001重量%から約20重量%まで(例えば、約0.01重量%から約10重量%まで)の量で含めることができる。
【0079】
この発明の乳剤は、水中油型乳剤を製造するための次のような公知方法で製造される。一般に、油相と水相は分離して製造されるとすぐに、油相が水相に添加されるか、逆に水相が油相に添加され、すぐに激しく撹拌して、乳化剤を作製する。所望なら、付加成分が乳化剤に添加されてもよい。所望なら、乳化過程は、高い温度、例えば50℃以上あるいは70℃以上の温度で行われてもよい。
【0080】
この発明の噴霧可能な乳化剤は、高含有量の脂質が必要とされる場合、例えば相対的に高い含有量の親油性活性成分を有する乳剤、例えば高いSPF(日焼け止め指数)を有する日焼け止め用製剤、あるいは射出油を意図した噴霧剤の場合に使用可能である。
【0081】
次の実施例はこの発明を示すために与えられており、この発明を実施例に限定するものではない。
【表1】

【0082】
この発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
(1)少なくとも15%の油相を含み、その製剤は少なくとも0.1%のアルキルグリコールを含有する、噴霧可能な水中油型乳剤。
(2)少なくとも5%の親油性の活性成分を含む、実施態様(1)記載の噴霧可能な水中油型乳剤。
(3)少なくとも5%の紫外線フィルタ剤を含む噴霧可能な日焼け止め製剤であり、少なくとも15%の油相を含み、その製剤剤は少なくとも0.3%のアルキルグリコールを含有する、実施態様(2)記載の噴霧可能な水中油型乳剤。
(4)SPF≧40、より好ましくはSPF≧50、あるいはさらに好ましくはSPF≧60の日焼け止め指数を有する、実施態様(3)記載の噴霧可能な水中油型乳剤。
(5)少なくとも20%、さらに少なくとも25%、またさらに少なくとも30%の油相を含有する、実施態様(1)から実施態様(4)のいずれか1項に記載の噴霧可能な水中油型乳剤。
【0083】
(6)少なくとも0.3%のアルキルグリコールを含有し、さらに少なくとも0.3%のアルキルグリコールを含有する、実施態様(1)から実施態様(5)のいずれか1項に記載の噴霧可能な水中油型乳剤。
(7)15%から40%まで、特に20%から30%までの油相を含有し、さらに0.1%から10%まで、特に0.2%から5%まで、さらに0.3%から3%までのアルキルグリコールを含む、実施態様(1)記載の噴霧可能な水中油型乳剤。
(8)15%から40%まで、特に20%から30%までの油相を含有し、(a)上記油相中に、5%から30%まで、特に10%から30%まで、さらに10%から30%まで、またさらに10%から20%までの量で含まれる1つまたはそれ以上の親油性活性成分と、(b)0.1%から10%まで、特に0.2%から5%まで、さらに0.3%から3%までのアルキルグリコール、好ましくはカプリリルグリコールを含む、実施態様(1)記載の噴霧可能な水中油型乳剤。
(9)日焼け止め製剤であり、15%から40%まで、特に20%から30%までの油相を含有し、(a)上記油相中に、5%から30%まで、特に10%から30%まで、さらに10%から30%まで、またさらに10%から20%までの量で含まれる親油性紫外線フィルタ剤と、(b)0.1%から10%まで、特に0.2%から5%まで、さらに0.3%から3%までのアルキルグリコール、好ましくはカプリリルグリコールを含む、実施態様(1)記載の噴霧可能な水中油型乳剤。
(10)アルキルグリコールはカプリリルグリコールである、実施態様(1)から実施態様(9)のいずれか1項に記載の噴霧可能な水中油型乳剤。
【0084】
(11)SPF≧40、特にSPF≧50の日焼け止め指数を有し、15%から40%まで、特に20%から30%までの油相を含有し、(a)上記油相中に、5%から30%まで、特に10%から30%まで、さらに10%から30%まで、またさらに10%から20%までの量で含まれる親油性紫外線フィルタ剤と、(b)1%から10%まで、特に1%から5%まで、さらに2%から5%までの親水性紫外線フィルタ剤と、(c)0.1%から10%まで、特に0.2%から5%まで、さらに0.3%から3%までのアルキルグリコール、好ましくはアルキルグリコールが少なくとも0.3%の場合にカプリリルグリコールを含む、実施態様(1)記載の噴霧可能な水中油型乳剤。
(12)(a)上記油相中に、5%から30%まで、特に10%から30%まで、さらに10%から30%まで、またさらに10%から20%までの量で含まれる親油性紫外線フィルタ剤と、(b)1%から10%まで、特に1%から5%まで、さらに2%から5%までの親水性紫外線フィルタ剤と、(c)0.5%から15%まで、特に1%から10%まで、さらに1%から5%までの無機顔料、特に二酸化チタンあるいは被覆二酸化チタンと、(d)0.1%から10%まで、特に0.2%から5%まで、さらに0.3%から3%までのアルキルグリコール、好ましくはカプリリルグリコールを含む、実施態様(11)記載の噴霧可能な水中油型乳剤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも15%の油相を含み、その製剤は少なくとも0.1%のアルキルグリコールを含有する、噴霧可能な水中油型乳剤。
【請求項2】
少なくとも5%の親油性の活性成分を含む、請求項1記載の噴霧可能な水中油型乳剤。
【請求項3】
少なくとも5%の紫外線フィルタ剤を含む噴霧可能な日焼け止め製剤であり、少なくとも15%の油相を含み、その製剤は少なくとも0.3%のアルキルグリコールを含有する、請求項2記載の噴霧可能な水中油型乳剤。
【請求項4】
SPF≧40、より好ましくはSPF≧50、あるいはさらに好ましくはSPF≧60の日焼け止め指数を有する、請求項3記載の噴霧可能な水中油型乳剤。
【請求項5】
少なくとも20%、さらに少なくとも25%、またさらに少なくとも30%の油相を含有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の噴霧可能な水中油型乳剤。
【請求項6】
少なくとも0.3%のアルキルグリコールを含有し、さらに少なくとも0.3%のアルキルグリコールを含有する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の噴霧可能な水中油型乳剤。
【請求項7】
15%から40%まで、特に20%から30%までの油相を含有し、さらに0.1%から10%まで、特に0.2%から5%まで、さらに0.3%から3%までのアルキルグリコールを含む、請求項1記載の噴霧可能な水中油型乳剤。
【請求項8】
15%から40%まで、特に20%から30%までの油相を含有し、(a)上記油相中に、5%から30%まで、特に10%から30%まで、さらに10%から30%まで、またさらに10%から20%までの量で含まれる1つまたはそれ以上の親油性活性成分と、(b)0.1%から10%まで、特に0.2%から5%まで、さらに0.3%から3%までのアルキルグリコール、好ましくはカプリリルグリコールを含む、請求項1記載の噴霧可能な水中油型乳剤。
【請求項9】
日焼け止め製剤であり、15%から40%まで、特に20%から30%までの油相を含有し、(a)上記油相中に、5%から30%まで、特に10%から30%まで、さらに10%から30%まで、またさらに10%から20%までの量で含まれる親油性紫外線フィルタ剤と、(b)0.1%から10%まで、特に0.2%から5%まで、さらに0.3%から3%までのアルキルグリコール、好ましくはカプリリルグリコールを含む、請求項1記載の噴霧可能な水中油型乳剤。
【請求項10】
アルキルグリコールはカプリリルグリコールである、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の噴霧可能な水中油型乳剤。

【公開番号】特開2006−151901(P2006−151901A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2004−346947(P2004−346947)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(500252718)ジョンソン・アンド・ジョンソン・コンシューマー・フランス・エスアーエス (9)
【氏名又は名称原語表記】Johnson and Johnson Consumer France, SAS.
【住所又は居所原語表記】1 Rue Camille Desmoulins, 92787 Issy−les−Moulineaux, CEDEX 9, France
【Fターム(参考)】