説明

四環アミノ化合物および四環カルボキサミド化合物およびこれらの使用法

本発明は、四環アミノ化合物および四環カルボキサミド化合物、有効量の四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を含む組成物、および炎症性疾患、再灌流傷害、糖尿病、糖尿病性合併症、臓器移植に起因する再酸素化障害、虚血性状態、パーキンソン病、腎不全、血管疾患、心血管疾患、または癌を治療または予防するための方法であって、それを必要とする被験体に有効量の四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を投与する工程を含む方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その全文を本願に援用する2005年2月25日に出願された米国特許仮出願第60/656636号の利益を主張するものである。
本発明は、四環アミノ化合物および四環カルボキサミド化合物、有効量の四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を含む組成物、ならびに炎症性疾患、再灌流傷害、糖尿病、糖尿病性合併症、臓器移植に起因する再酸素化障害、虚血性状態、パーキンソン病、腎不全、血管疾患、心血管疾患、または癌を治療または予防するための方法であって、それを必要とする被験体に有効量の四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を投与する工程を含む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関節炎、大腸炎、および自己免疫性糖尿病などの炎症性疾患は通常、再灌流傷害に付随する障害、例えば発作および心臓麻痺とは異なる障害として現れ、異なる実体として臨床的に現れる可能性がある。しかしながら、これら2つのタイプの障害の間に共通する発症機序が存在する可能性がある。特に、炎症性疾患および再灌流傷害は前炎症性サイトカインおよびケモカインの合成を誘発する可能性があり、これが今度は一酸化窒素および超酸化物などの細胞毒性のフリーラジカルの生成につながる可能性がある。NOおよび超酸化物は反応してペルオキシ亜硝酸(ONOO)を形成することができる(スザボら(Szabo et al.)、Shock 6:79〜88ページ、1996年)。
【0003】
炎症性疾患および再灌流傷害で観察されるONOO誘発性の細胞壊死には、核内酵素ポリ(ADPリボース)シンセターゼ(PARS)の活性化が関与する。PARSの活性化は、炎症および再灌流傷害で観察される細胞媒介性の死における重要な段階であると考えられる(スザボら(Szabo et al.)、Trends Pharmacol.Sci.19:287〜98ページ、1998年)。
【0004】
いくつかのPARS阻害剤が当該技術で述べられてきた。例えばバナシクら(Banasik et al.)、J.Biol.Chem.、267:1569〜75ページ、およびバナシクら(Banasik et al.)、Mol.Cell.Biochem.、138:185〜97ページ、1994年;国際公開第00/39104号パンフレット、国際公開第00/39070号パンフレット、国際公開第99/59975号パンフレット、国際公開第99/59973号パンフレット、国際公開第99/11649号パンフレット、国際公開第99/11645号パンフレット、国際公開第99/11644号パンフレット、国際公開第99/11628号パンフレット、国際公開第99/11623号パンフレット、国際公開第99/11311号パンフレット、国際公開第00/42040号パンフレット;ザングら(Zhang et al.)、Biochem.Biophys.Res.Commun.、278:590〜98ページ、2000年;ホワイトら(White et al.)、J.Med.Chem.、43:4084〜4097ページ、2000年;グリフィンら(Griffin et al.)、J.Med.Chem.、41:5247〜5256ページ、1998年;シンクウィンら(Shinkwin et al.)、Bioorg.Med.Chem.、7:297〜308ページ、1999年;およびソリアーノら(Soriano et al.)、Nature Medicine、7:108〜113ページ、2001年を参照されたい。PARS阻害剤の投与に付随する副作用はミランら(Milan et al.)、Science、223:589〜591ページ、1984年で検討された。
【0005】
イソキノリン化合物が以前に当該技術分野で検討された。例えば、細胞毒性の非カンプトセシントポイソメラーゼIがクシュマンら(Cushman et al.)、J.Med.Chem.、43:3688〜3698ページ、2300年およびクシュマンら(Cushman et al.)、J.Med.Chem.、42:446〜57ページ、1999年に報告されており、インデノ[1,2−c]イソキノリンが抗腫瘍薬剤としてクシュマンら(Cushman et al.)の国際公開第00/21537号パンフレットに、腫瘍抑制剤としてフルバータら(Hrbata et al.)の国際公開第93/05023号パンフレットに報告されている。
【0006】
イソキノリン化合物の合成が報告されている。例えば、ワウゾネクら(Wawzonek et al.)、Org.Prep.Proc.Int.、14:163〜8ページ、1982年;ワウゾネクら(Wawzonek et al.)、Can.J.Chem.、59:2833ページ、1981年;アンドイら(Andoi et al.)、Bull.Chem.Soc.Japan、47:1014〜17ページ、1974年;ドゥセムンドら(Dusemund et al.)、Arch.Pharm(Weinheim、Ger)、317:381〜2ページ、1984年;およびラルら(Lal et al.)、Indian J.Chem.、Sect.B、38B:33〜39ページ、1999年を参照されたい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、当該技術では、炎症性疾患、再灌流傷害、糖尿病、糖尿病性合併症、臓器移植に起因する再酸素化障害、虚血性阻止状態、パーキンソン病、腎不全、血管疾患、心血管疾患、または癌を治療または予防するために有用な化合物が依然として必要とされている。
【0008】
本願の第2節(背景技術)におけるどのような参考文献の引用も、参考文献が従来技術であると是認するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様では、本発明は式(I)の化合物およびその薬学的に許容可能な塩を提供し、
【0010】
【化1】

式中、
、R、RおよびR基のうちの1つは−NH(CH−N(R)(R)であり、残りの基は同時に−Hであり;
およびRは独立して−H、−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルであり、ここで該−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルは非置換であるかまたは−ハロ、−OHまたは−N(Z)(Z)のうちの1つまたは複数で置換されており、ここでZおよびZは独立して−Hまたは−C〜Cアルキルであり、該−C〜Cアルキルは非置換であるかまたは−ハロ、−ヒドロキシまたは−NHのうちの1つまたは複数で置換されており;またはN、ZおよびZは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−N(R、−COOH、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり;またはN、RおよびRは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ置換されたC〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ハロ置換されたフェニル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−(O−C〜Cアルキル)置換されたフェニル、シアノ置換されたフェニル、−N(R、−(C〜Cアルキレン)−N(R、−COOH、−(C〜Cアルキレン)−COOH、−(C〜Cアルキレン)−C(O)O−C〜Cアルキル、−(C〜Cアルキレン)−C(O)NH−C〜Cアルキル、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり、ならびに
nは2から6の範囲の整数である。
【0011】
別の態様では、本発明は式(II)の化合物およびその薬学的に許容可能な塩を提供し、
【0012】
【化2】

式中、
、R、RおよびR基のうちの1つは−C(O)NH(CH−N(R)(R)であり、残りの基は同時に−Hであり;
およびRは独立して−H、−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルであり、ここで該−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルは非置換であるかまたは−ハロ、−OHまたは−N(Z)(Z)のうちの1つまたは複数で置換されており、ここでZおよびZは独立して−Hまたは−C〜Cアルキルであり、該−C〜Cアルキルは非置換であるかまたは−ハロ、−ヒドロキシまたは−NHのうちの1つまたは複数で置換されており;またはN、ZおよびZは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−N(R、−COOH、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NHのうちの1つから3つで置換されており、またはN、RおよびRは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ置換されたC〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ハロ置換されたフェニル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−(O−C〜Cアルキル)置換されたフェニル、シアノ置換されたフェニル、−N(R、−(C〜Cアルキレン)−N(R、−COOH、−(C〜Cアルキレン)−COOH、−(C〜Cアルキレン)−C(O)O−C〜Cアルキル、−(C〜Cアルキレン)−C(O)NH−C〜Cアルキル、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり、ならびに
nは2から6の範囲の整数である。
【0013】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩(「四環アミノ化合物」)および式(II)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩(「四環カルボキサミド化合物」)は、炎症性疾患、再灌流傷害、糖尿病、糖尿病性合併症、臓器移植に起因する再酸素化障害、虚血性状態、パーキンソン病、腎不全、血管疾患、心血管疾患、または癌(各々は「状態」である)を治療または予防するのに有用である。
【0014】
状態を治療または予防するための方法も本発明によって提供され、この方法は、そのような治療または予防を必要とする被験体に有効量の四環アミノ化合物を投与する工程を含む。
【0015】
本発明はさらに、有効量の四環アミノ化合物および生理学的に受容可能な担体またはビヒクルを含む組成物を提供する。
状態を治療または予防するための方法も本発明によって提供され、この方法は、そのような治療または予防を必要とする被験体に有効量の四環カルボキサミド化合物を投与する工程を含む。
【0016】
本発明は、有効量の四環カルボキサミド化合物および生理学的に受容可能な担体またはビヒクルを含む組成物を提供する。
本発明の詳細は、付随する下記の説明の中で述べられる。
【0017】
本願に述べられるものと類似した、または同等のいずれの方法および材料も本発明の実施または試験で使用されることができるが、ここでは例示的な方法および材料を記載する。本発明の他の特徴、目的、および利点はこの説明および特許請求の範囲から明らかであろう。本願に引用されたすべての特許および刊行物を本願に援用する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
1 定義および略語
以下の定義は、四環アミノ化合物および四環カルボキサミド化合物に関して使用される。
【0019】
本願で使用される「−C〜Cアルキル」という用語は、1から5個の炭素原子を有する直鎖または分枝非環式炭化水素を指し、炭化水素の水素原子のうちの1つが一重結合で置換されている。代表的な直鎖−C〜Cアルキルは、−メチル、−エチル、−n−プロピル、−n−ブチル、および−n−ペンチルを含む。代表的な分枝−C〜Cアルキルは、−イソプロピル、−sec−ブチル、−イソブチル、−tert−ブチル、−イソペンチル、−ネオペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、および1,2−ジメチルプロピルを含む。
【0020】
本願で使用される「−C〜Cアルキル」という用語は、1から6個の炭素原子を有する直鎖または分枝非環式炭化水素を指し、炭化水素の水素原子のうちの1つが一重結合で置換されている。代表的な直鎖−C〜Cアルキルは、−メチル、−エチル、−n−プロピル、−n−ブチル、−n−ペンチル、および−n−ヘキシルを含む。代表的な分枝−C〜Cアルキルは、−イソプロピル、−sec−ブチル、−イソブチル、−tert−ブチル、−イソペンチル、−ネオペンチル、1−メチルブチル、−イソヘキシル、−ネオヘキシル、−2−メチルブチル、−3−メチルブチル、−1,1−ジメチルプロピル、および−1,2−ジメチルプロピルを含む。
【0021】
本願で使用される「−C〜C10アルキル」という用語は、1から10個の炭素原子を有する直鎖または分枝非環式炭化水素を指し、炭化水素の水素原子のうちの1つが一重結合で置換されている。代表的な直鎖−C〜C10アルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、イソヘキシル、イソヘプチル、イソオクチル、イソノニル、およびイソデシルを含む。
【0022】
本願で使用される「−C〜Cアルキレン」という用語は、1から5個の炭素原子を有する直鎖または分枝非環式炭化水素を指し、炭化水素の水素原子のうちの2つが一重結合で置換されている。代表的な−C〜Cアルキレン基は、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、およびペンチレンを含む。他の−C〜Cアルキレン基は、−CH(CH)−、−CHCH(CH)−、−CHCHCH(CH)−、−CHCH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−CHCHCHCH(CH)−、−CHCHCH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)CH−、および−CH(CH)CHCH(CH)−を含む。
【0023】
「3から7員の窒素含有単環式複素環」は、単環の3から7員の芳香族または非芳香族の単環シクロアルキル基を指し、シクロアルキル基の環炭素原子のうちの1つが窒素原子で置換されており、シクロアルキル基の残りの環炭素原子のうちの0〜4個が独立してN、OまたはS原子で置換されていてもよい。3から7員の窒素含有単環式複素環は、窒素、硫黄、または炭素原子を介して結合することができる。3から7員の窒素含有単環式複素環の代表例は、限定はされないが、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリル、オキサジニル、チアジニル、ジアジニル、トリアジニル、テトラジニル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピロリジニル、イソキサゾリル、ピリジニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリミジニル、およびモルホリニルを含む。一実施形態では、3から7員の窒素含有単環式複素環は、−C〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−N(R、−COOH、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOから独立して選択される3個以下の基で置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルである。
【0024】
「ハロ」は−F、−Cl、−Br、または−Iである。
「被験体」は、哺乳動物、例えばヒト、マウス、ラット、テンジクネズミ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、またはヒト以外の霊長類、例えばサル、チンパンジー、ヒヒ、またはアカゲザルなどである。一実施形態において、被検体は人である。
【0025】
代表的な「薬学的に許容可能な塩」は、例えば酢酸塩、アムソネート(4,4−ジアミノスチルベン−2,2−ジスルホネート)、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酒石酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、エデト酸カルシウム、ショウノウスルホン酸塩、カンシル酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、クラブラリエート、ジヒドロクロリド、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フィウナレート、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオネート、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩(1,1−メテン−bis−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸塩、エインボネート)、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ピクリン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、スラメート、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオダイド、吉草酸塩などの水溶性および不水溶性の塩を含む。水和物は、薬学的に許容可能な塩の別の例である。
【0026】
一実施形態では、薬学的に許容可能な塩はメシル酸塩である。
他の実施形態では、薬学的に許容可能な塩はショウノウスルホン酸塩である。
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物に関して使用されるときの「有効量」は、状態を治療または予防するのに有効な量である。
【0027】
他の抗癌剤に関して使用されるときの「有効量」は、単独でまたは四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物と組み合わせて癌を治療または予防するのに有効な量である。「〜と組み合わせて」は、同じ組成物の中、および別々の組成物の中での投与を含む。後者の例では、抗癌剤は、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物がその予防効果または治療効果を発揮している時間中に投与され、または逆の場合も同様である。
【0028】
2 式(I)の四環アミノ化合物
本発明は式(I)に記載の四環アミノ化合物およびその薬学的に許容可能な塩を提供し、
【0029】
【化3】

式中、
、R、RおよびRは式(I)の化合物に関して上記の通り規定される。
【0030】
一実施形態では、Rは−NH(CH−N(R)(R)であり、R、RおよびRは各々水素である。
他の実施形態では、Rは−NH(CH−N(R)(R)であり、R、RおよびRは各々水素である。
【0031】
他の実施形態では、Rは−NH(CH−N(R)(R)であり、R、RおよびRは各々水素である。
さらに別の実施形態では、Rは−NH(CH−N(R)(R)であり、R、RおよびRは各々水素である。
【0032】
他の実施形態では、nは2である。
さらに別の実施形態では、nは3である。
さらに別の実施形態では、nは4である。
【0033】
さらなる実施形態では、nは5である。
別の実施形態では、nは6である。
別の実施形態では、N、RおよびRは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−N(R、−COOH、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、ベンジル、または−C〜C10アルキルである。
【0034】
様々な実施形態では、−N(R)(R)は、
【0035】
【化4】

である。
【0036】
式(I)の四環アミノ化合物の具体的な例は、下記の式(Ia)の化合物および薬学的に許容可能なその塩を含む。
【0037】
【化5】

【0038】
【表1】

式(I)の四環アミノ化合物の他の具体的な例は、下記の式(Ib)の化合物および薬学的に許容可能なその塩を含む。
【0039】
【化6】

【0040】
【表2】

式(I)の四環アミノ化合物の他の具体的な例は、下記の式(Ic)の化合物および薬学的に許容可能なその塩を含む。
【0041】
【化7】

【0042】
【表3】

式(I)の四環アミノ化合物の他の具体的な例は、下記の式(Id)の化合物および薬学的に許容可能なその塩を含む。
【0043】
【化8】

【0044】
【表4】

3 式(II)の四環カルボキサミド化合物
本発明は式(II)に記載の四環カルボキサミド化合物およびその薬学的に許容可能な塩を提供し、
【0045】
【化9】

式中、
、R、RおよびRは式(II)の化合物に関して上記の通り規定される。
【0046】
一実施形態では、Rは−C(O)NH−(CH−N(R)(R)であり、R、RおよびRは各々水素である。
他の実施形態では、Rは−C(O)NH−(CH−N(R)(R)であり、R、RおよびRは各々水素である。
【0047】
他の実施形態では、Rは−C(O)NH−(CH−N(R)(R)であり、R、RおよびRは各々水素である。
さらに別の実施形態では、Rは−C(O)NH−(CH−N(R)(R)であり、R、RおよびRは各々水素である。
【0048】
他の実施形態では、nは2である。
さらに別の実施形態では、nは3である。
さらに別の実施形態では、nは4である。
【0049】
さらなる実施形態では、nは5である。
別の実施形態では、N、RおよびRは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−N(R、−COOH、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルである。
【0050】
様々な実施形態では、−N(R)(R)は、
【0051】
【化10】

である。
【0052】
式(II)の四環カルボキサミド化合物の具体的な例は、下記の式(IIa)の化合物および薬学的に許容可能なその塩を含む。
【0053】
【化11】

【0054】
【表5】

式(II)の四環カルボキサミド化合物の他の具体的な例は、下記の式(IIb)の化合物および薬学的に許容可能なその塩を含む。
【0055】
【化12】

【0056】
【表6】

式(II)の四環カルボキサミド化合物の他の具体的な例は、下記の式(IIc)の化合物および薬学的に許容可能なその塩を含む。
【0057】
【化13】

【0058】
【表7】

式(II)の四環カルボキサミド化合物の他の具体的な例は、下記の式(IId)の化合物および薬学的に許容可能なその塩を含む。
【0059】
【化14】

【0060】
【表8】

4 四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を作製するための方法
四環アミノ化合物および四環カルボキサミド化合物を作製するのに有用な方法は下記の実施例で述べられ、スキーム1〜4に一般化される。
【0061】
【化15】

ここで、各々のXは独立して−Clまたは−Brであり、n、RおよびRは式(I)の化合物に関して上記の通り規定される。
【0062】
ホモフタル酸無水物1を、塩基、例えばアミン塩基の存在下で式2のニトロベンゼン化合物と結合させて、式3の四環ニトロ中間体を得ることができる。3のニトロ基を、例えばプラチナもしくはパラジウム触媒による触媒水素化を使用して還元して、式4のアミノ化合物を得ることができる。次いで式4の化合物を、化学量論的に過剰な式5の酸ハロゲン化物と反応させて、式6のアミノ化合物を得ることができる。次いで6の塩素または臭素原子を、式NH(R)(R)のアミンで置換して、式7のアミノ化合物を得ることができる。最後に、式7の化合物のアミド部分を、水素化アルミニウムリチウムを使用して還元して、式(I)の四環アミノ化合物を得ることができる。
【0063】
【化16】

ここで、Rはメチルまたはエチルであり、n、RおよびRは式(II)の化合物に関して上記の通り規定される。
【0064】
ホモフタル酸無水物1を、塩基、例えばアミン塩基の存在下で式2のフェニルエステル化合物と結合させて、式3の四環ニトロ中間体を得ることができる。3のエステル基を、塩基性または酸性の条件下で加水分解して、式4のカルボン酸を得ることができる。次いで式3または式4の化合物を、式5のジアミノアルキル化合物(これは市販入手可能であり、または有機合成の技術者によく知られている方法を使用してジハロアルキル化合物を様々なアミンと反応させることによって調製されることが可能である)と結合させて、式(II)の四環カルボキサミド化合物を得ることができる。
【0065】
【化17】

ここで、n、RおよびRは式(IIc)の化合物に関して上記の通り規定される。
【0066】
式(IIc)の化合物をスキーム3の一般的手順に従って作製することができる。ブロモカルボン酸1を還流条件下でメタノールおよび硫酸と反応させて、ブロモエステル2を得ることができる。ブロモエステル2を、例えばPd(OAc)およびK[Fe(CN)]を使用してシアノエステル3に変換することができる。化合物3をN−ブロモスクシンアミドおよび過酸化ベンゾイルで処理することによりブロモベンジル化合物4が得られる。化合物4をアセトニトリル中のホモフタル酸無水物と反応させることにより縮合環構造の化合物5が得られる。化合物5のエステルを加水分解し、続いて結合剤および所望のアミンを添加することにより式(IIc)の四環カルボキサミド化合物が得られる。
【0067】
【化18】

ここで、n、RおよびRは式(IId)の化合物に関して上記の通り規定される。
【0068】
式(IId)の化合物をスキーム4の一般的手順に従って作製することができる。ブロモカルボン酸1を還流条件下でメタノールおよび硫酸と反応させて、ブロモエステル2を得ることができる。ブロモエステル2を、例えばPd(OAc)およびK[Fe(CN)]を使用してシアノエステル3に変換することができる。化合物3をN−ブロモスクシンイミドおよび過酸化ベンゾイルで処理することによりブロモベンジル化合物4が得られる。化合物4をアセトニトリル中のホモフタル酸無水物と反応させることにより縮合環構造の化合物5が得られる。化合物5のエステルを加水分解し、続いて結合剤および所望のアミンを添加することにより式(IId)の四環カルボキサミド化合物が得られる。
【0069】
5 四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物の使用
本発明によると、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は、状態の治療または予防を必要とする被験体に投与される。
【0070】
5.1 炎症性疾患の治療または予防
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用して炎症性疾患を治療することができる。炎症性疾患は身体組織の炎症がある場合に生じる可能性がある。この炎症性疾患は、局所性の炎症反応および全身性の炎症を含む。四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用して治療可能または予防可能な炎症性疾患の例は、限定はされないが、臓器移植拒絶反応;関節炎、関節リウマチ、変形性関節症、および骨吸収の増大に付随する骨疾患を含めた関節の慢性炎症性疾患;回腸炎、潰瘍性大腸炎、バレット症候群、クローン病などの炎症性腸疾患;喘息、成人呼吸窮迫症候群、および慢性閉塞性気道疾患などの炎症性肺疾患;角膜ジストロフィ、トラコーマ、オンコセルカ症、ブドウ膜炎、交感性眼炎、および眼内炎を含めた眼の炎症性疾患;歯肉炎および歯周炎を含めた歯肉の慢性炎症性疾患;結核;ハンセン病;尿毒性合併症、糸球体腎炎、およびネフローゼを含めた腎臓の炎症性疾患;硬化性皮膚炎、乾癬、および湿疹を含めた皮膚の炎症性疾患;神経系の慢性脱髄疾患、多発性硬化症、エイズに関連する神経変性、およびアルツハイマー病を含めた中枢神経系の炎症性疾患、感染性髄膜炎、脳脊髄炎、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、およびウィルス性または自己免疫性の脳炎;ならびに子癇前症、慢性肝不全、および脳および脊髄の損傷を含めた重大な炎症要素を有し得る様々な他の疾患を含む。炎症性疾患はまた、グラム陽性もしくはグラム陰性のショック、出血性もしくはアナフィラキシー性ショック、または前炎症性サイトカインに反応して癌の化学療法によって誘発されるショック、例えば前炎症性サイトカインに付随するショックによって例示される身体の全身性炎症である可能性がある。そのようなショックは、例えば癌の治療で投与される化学療法薬によって誘発される可能性がある。
【0071】
一実施形態では、炎症性疾患は関節の炎症性疾患、歯肉の慢性炎症性疾患、炎症性腸疾患、炎症性肺疾患、中枢神経系の炎症性疾患、眼の炎症性疾患、グラム陽性ショック、グラム陰性ショック、出血性ショック、アナフィラキシー性ショック、外傷性ショックまたは化学療法性ショックである。
【0072】
5.2 再灌流傷害の治療または予防
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用して再灌流傷害を治療することができる。再灌流傷害は、虚血の後に血管内の血流が再開される過程を指し、例えば血管の狭窄または閉塞の後に続いて起こる。再灌流傷害は、心筋梗塞、発作などの自然発生的症状発現の後に続いて、または血管内の血流が意図的または非意図的に遮断される外科的処置の間に起こる可能性がある。四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用して治療可能または予防可能な再灌流傷害の例は、限定はされないが、腸の再灌流傷害、心筋の再灌流傷害、および心肺バイパス手術、大動脈瘤治療手術、頚動脈血管内膜切除術、または出血性ショックに起因する再灌流傷害を含む。
【0073】
一実施形態では、再灌流傷害は心肺バイパス手術、大動脈瘤治療手術、頚動脈血管内膜切除術、または出血性ショックに起因する。
5.3 臓器移植に起因する再酸素化障害の治療または予防
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用して臓器移植に起因する再酸素化障害を治療または予防することができる。四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用して治療可能または予防可能な再酸素化障害の例は、限定はされないが、以下の臓器、心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、腸、および角膜の移植を含む。
【0074】
一実施形態では、臓器移植に起因する再酸素化障害は臓器の移植中に起こる。
5.4 虚血性状態の治療または予防
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用して虚血性状態を治療または予防することができる。四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用して治療可能または予防可能な虚血性状態の例は、限定はされないが、安定狭心症、不安定狭心症、心筋虚血、肝臓虚血、腸間膜動脈虚血、虚血性心疾患、腸虚血、重篤四肢虚血、慢性の重篤四肢虚血、脳虚血、急性心虚血、および中枢神経系の虚血性疾患、例えば発作または脳虚血などを含む。
【0075】
一実施形態では、虚血性状態は心筋虚血、安定狭心症、不安定狭心症、発作、虚血性心疾患、または脳虚血である。
5.5 腎不全の治療または予防
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用して腎不全を治療または予防することができる。
【0076】
一実施形態では、腎不全は慢性の腎不全である。
他の実施形態では、腎不全は急性の腎不全である。
5.6 血管疾患の治療または予防
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用して心血管疾患以外の血管疾患を治療または予防することができる。四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用して治療可能または予防可能な血管疾患の例は、限定はされないが、末梢動脈閉塞、閉塞性血栓血管炎、レイノー病および現象、肢端チアノーゼ、肢端紅痛症、静脈血栓症、拡張蛇行静脈、動静脈フィステル、リンパ水腫、および脂肪性浮腫を含む。
【0077】
5.7 心血管疾患の治療または予防
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用して心血管疾患を治療または予防することができる。四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用して治療可能または予防可能な心血管疾患の例は、限定はされないが、慢性の心不全、アテローム性動脈硬化症、鬱血性心不全、高コレステロール血症、循環系のショック、心筋症、心臓移植、心筋梗塞、および例えば動脈細動、上室性頻拍症、心房粗動、および発作性心房頻拍症などの心不整脈を含む。
【0078】
一実施形態では、心血管疾患は慢性の心不全である。
他の実施形態では、心血管疾患は心不整脈である。
さらに別の実施形態では、心不整脈は動脈細動、上室性頻拍症、心房粗動、または発作性心房頻拍症である。
【0079】
5.8 糖尿病または糖尿病性合併症の治療または予防
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用して糖尿病またはその合併症を治療または予防することができる。四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用して治療可能または予防可能な糖尿病の例は、限定はされないが、I型の糖尿病(インスリン依存性糖尿病)、II型の糖尿病(インスリン非依存性糖尿病)、妊娠性糖尿病、自己免疫性糖尿病、異常インスリン症、膵臓病に起因する糖尿病、他の内分泌疾患(例えばクッシング症候群、末端肥大症、褐色細胞腫、グルカゴン産生腫瘍、原発性アルドステロン症、またはソマトスタチン産生腫瘍など)に付随する糖尿病、A型のインスリン抵抗性症候群、B型のインスリン抵抗性症候群、リパトロフィ糖尿病、およびベータ細胞毒素により誘発される糖尿病を含む。
【0080】
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用して糖尿病の合併症を治療または予防することもできる。四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用して治療可能または予防可能な糖尿病の合併症の例は、限定はされないが、糖尿病性の白内障、緑内障、網膜症、腎障害(例えばミクロアルブミン尿症および進行性の糖尿病性腎障害など)、多発性神経障害、足の壊疽、免疫複合体の脈管炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、アテローム動脈硬化性の冠状動脈疾患、末梢動脈疾患、非ケトン性高血糖性高浸透圧性昏睡、単発神経炎、自律性ニューロパシー、足の潰瘍、関節の不具合、および皮膚または粘膜の合併症(例えば感染症、脛の斑点、カンジダ菌感染または糖尿病性リポイド類壊死症)、高脂質血症、高血圧、インスリン抵抗性症候群、冠状動脈疾患、網膜症、糖尿病性神経障害、多発性神経障害、単発神経炎、自律性ニューロパシー、足の潰瘍、関節の不具合、真菌感染、心筋症、および細菌感染を含む。
【0081】
5.9 パーキンソン病の治療または予防
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用してパーキンソン病を治療または予防することができる。
【0082】
5.10 癌の治療または予防
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用して癌を治療または予防することができる。
【0083】
本発明は、癌を治療または予防するための方法であって、そのような治療または予防を必要とする被験体に(i)有効量の四環アミノ化合物および(ii)有効量の他の抗癌剤を投与する工程を含む方法を提供する。
【0084】
本発明はさらに、癌を治療または予防するための方法であって、そのような治療または予防を必要とする被験体に(i)有効量の四環カルボキサミド化合物および(ii)有効量の他の抗癌剤を投与する工程を含む方法を提供する。
【0085】
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用して治療可能または予防可能な癌の例は、限定はされないが、以下で表1に開示される癌およびその転移を含む。
【0086】
【表9】



一実施形態では、癌は肺癌、乳癌、結腸直腸癌、前立腺癌、白血病、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚癌、脳腫瘍、中枢神経系の癌、卵巣癌、子宮癌、胃癌、膵臓癌、食道癌、腎臓癌、肝臓癌、または頭部および頸部の癌である。
【0087】
他の実施形態では、癌は転移癌である。
さらに別の実施形態では、治療を必要とする被験体は癌の治療を以前に受けたか、または現在受けている。この治療は、限定はされないが、先行する化学療法、放射線治療、手術、または癌ワクチンの投与などの免疫療法を含む。
【0088】
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物はまた、ウィルスによって引き起こされる癌の治療または予防にとって有用である。そのようなウィルスは、子宮頸癌につながる可能性があるヒトパピローマウィルス(例えばヘルナンデス、アビラら(Hernandez−Avila et al.)、Archives of Medical Research(1997年)28:265〜271ページ参照);リンパ腫につながる可能性があるエプスタインバーウィルス(EBV)(例えばヘルマンら(Herrmann et al.)、J Pathol(2003年)199(2):140〜5ページ参照);肝癌につながる可能性があるB型またはC型肝炎ウィルス(例えばエル、セラグ(El−Serag)、J Clin Gastroenterol(2002年)35(5 Suppl2):S72〜8ページ参照);T細胞性白血病につながる可能性があるヒトT細胞性白血病ウィルス(HTLV)−I(例えばモルトロイら(Mortreux et al.)、Leukemia(2003年)17(1):26〜38ページ参照);カポジ肉腫につながる可能性があるヒト・ヘルペス・ウィルス−8感染(例えばカドーら(Kadow et al.)、Curr Opin Investig Drugs(2002年)3(11):1574〜9ページ参照);および免疫不全の結果として癌につながる可能性があるヒト免疫不全ウィルス(HIV)感染(例えばダル・マソら(Dal Maso et al.)、Lancet Oncol(2003年)4(2):110〜9ページ参照)を含む。
【0089】
5.10.1 癌の予防法
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を投与して、限定はされないが、表1に記載された癌を含めた癌の進行を阻止することもできる。そのような予防的使用は、異常増殖、化生、またはより詳細には異形成からなる非腫瘍細胞増殖が起こった場合を含む。
【0090】
場合によって、または異常増殖、化生、または異形成として特徴付けられる異常な細胞成長の存在に加えて、被験体からの細胞サンプルがインビボまたはインビトロで示す転換表現型または悪性の表現型の1つまたは複数の特徴の存在は、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物の予防または治療のための投与の望ましさを示すことができる。転換表現型のそのような特徴は、形態学的変化、緩慢な基層の付着、接触阻止の喪失、固定依存性の喪失、プロテアーゼ放出、増大した糖質輸送、低下した血清要求性、胎児性抗原の発現、250000ダルトンの細胞表面タンパク質の消失などを含む(また、上記と同じ文献の84〜90ページ、転換表現型または悪性の表現型に付随する特徴について参照されたい)。
【0091】
特定の実施形態では、白斑症、良性に見える上皮の増殖性もしくは異常形成病変またはボーエン病、上皮内癌が本方法に従って治療可能または予防可能である。
他の実施形態では、線維嚢胞性疾患(嚢胞性過形成、乳腺異形成、特に腺症(良性の上皮異常増殖))が本方法に従って治療可能または予防可能である。
【0092】
他の実施形態では、悪性腫瘍に関して以下の素因のうちの1つまたは複数を有する被験体を、有効量の四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物の投与によって治療することができる:悪性腫瘍に付随する染色体転座(例えば慢性の骨髄性白血病に関するフィラデルフィア染色体;濾胞性リンパ腫に関するt(14;18));家族性ポリープ症またはガードナー症候群;良性の単クローン性免疫グロブリン血症;メンデル性(遺伝学的)遺伝パターンを示す癌または前癌疾患(例えば結腸の家族性ポリープ症、ガードナー症候群、遺伝性外骨腫症、多内分泌腺腫症、アミロイド産生および褐色細胞腫を伴う甲状腺髄様癌、ポイツ・ジェガース症候群、フォンレックリングハウゼンの神経線維腫症、網膜芽細胞腫、頚動脈球腫瘍、皮膚黒色癌、眼内黒色癌、色素性乾皮症、毛細血管拡張性運動失調症、チェディアック−東症候群、色素欠乏症、ファンコーニ再生不良性貧血、およびブルーム症候群)を有する個人と1親等;および発癌物質への曝露(例えば喫煙、受動喫煙曝露、およびある種の化学物質の吸入または接触)。
【0093】
5.10.2 癌治療のための併用化学療法
一態様では、癌を治療または予防するための本方法は他の抗癌剤を投与する工程をさらに含むことができる。
【0094】
一実施形態では、本発明は、癌を治療または予防するための方法であって、それを必要とする被験体への有効量の(i)四環アミノ化合物および(ii)他の抗癌剤を投与する工程を含む方法を提供する。
【0095】
他の実施形態では、本発明は、被験体の癌を治療または予防するための方法であって、それを必要とする被験体への有効量の(i)四環カルボキサミド化合物および(ii)他の抗癌剤を投与する工程を含む方法を提供する。
【0096】
これらの(i)四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および(ii)他の抗癌剤は同時に投与されてもよい。この実施形態では、これらの(i)四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および(ii)他の抗癌剤は同一の組成物の中で投与されることができ、または同一もしくは異なる投与経路を経由して異なる組成物から投与されることもできる。
【0097】
他の実施形態では、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は他の抗癌剤がその予防または治療効果を発揮している時間中に投与され、またはその逆も同様である。
一実施形態では、四環アミノ化合物または他の抗癌剤は、そのような薬剤が癌の治療のための単独療法として使用される場合に通常採用される用量で投与される。
【0098】
他の実施形態では、四環カルボキサミド化合物または他の抗癌剤は、そのような薬剤が癌の治療のための単独療法として使用される場合に通常採用される用量で投与される。
一実施形態では、四環アミノ化合物または他の抗癌剤は、そのような薬剤が癌の治療のための単独療法として使用される場合に通常採用される用量より低い用量で投与される。
【0099】
他の実施形態では、四環カルボキサミド化合物または他の抗癌剤は、そのような薬剤が癌の治療のための単独療法として使用される場合に通常採用される用量より低い用量で投与される。
【0100】
一実施形態では、四環アミノ化合物および他の抗癌剤は相乗的に作用し、そのような薬剤が癌の治療のための単独療法として使用される場合に通常採用される用量より低い用量で投与される。
【0101】
他の実施形態では、四環カルボキサミド化合物および他の抗癌剤は相乗的に作用し、そのような薬剤が癌の治療のための単独療法として使用される場合に通常採用される用量より低い用量で投与される。
【0102】
投与される四環アミノ化合物または他の抗癌剤の用量ならびに投与計画は、限定はされないが、治療される癌、被験体の総合的健康状態、および投与する医師の判断力を含めた様々なパラメータによって決められることができる。
【0103】
投与される四環カルボキサミド化合物または他の抗癌剤の用量ならびに投与計画は、限定はされないが、治療される癌、被験体の総合的健康状態、投与する医師の判断力を含めた様々なパラメータによって決められることができる。
【0104】
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は、他の抗癌剤の投与の前(例えば5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間前)、同時、または後(例えば5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間後)にそれを必要とする患者に投与されることができる。様々な実施形態で、(i)四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および(ii)他の抗癌剤は、1分間隔、10分間隔、30分間隔、1時間未満の間隔、1時間間隔、1時間から2時間間隔、2時間から3時間間隔、3時間から4時間間隔、4時間から5時間間隔、5時間から6時間間隔、6時間から7時間間隔、7時間から8時間間隔、8時間から9時間間隔、9時間から10時間間隔、10時間から11時間間隔、11時間から12時間間隔、24時間以下の間隔、または48時間以下の間隔で投与される。一実施形態では、(i)四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および(ii)他の抗癌剤は3時間以内に投与される。他の実施形態では、(i)四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および(ii)他の抗癌剤は1分から24時間間隔で投与される。
【0105】
一実施形態では、有効量の四環アミノ化合物と有効量の他の抗癌剤が同一の組成物の中に存在する。一実施形態では、この組成物は経口投与にとって有用である。他の実施形態では、この組成物は静脈内投与に有用である。
【0106】
一実施形態では、有効量の四環カルボキサミド化合物と有効量の他の抗癌剤が同一の組成物中に存在する。一実施形態では、この組成物は経口投与にとって有用である。他の実施形態では、この組成物は静脈内投与に有用である。
【0107】
(i)四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および(ii)他の抗癌剤を投与することによって治療または予防することができる癌は、限定はされないが、表1ですでに記載した癌のリストを含む。
【0108】
一実施形態では、癌は脳腫瘍である。
特定の実施形態では、この脳腫瘍は毛様細胞性星状細胞腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、多形性膠芽腫、または転移性脳腫瘍である。
【0109】
一実施形態では、癌はメラノーマである。
特定の実施形態では、このメラノーマは転移性メラノーマである。
これらの(i)四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および(ii)他の抗癌剤は、付加的に、または相乗的に作用することができる。(i)四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および(ii)他の抗癌剤の相乗的組合せは、これらの薬剤の一方または両方の一層低い用量の使用、および/または癌を持っている被験体への薬剤の一層少ない頻度の投与を許容することができる。(i)四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および(ii)他の抗癌剤のうちの一方または両方の一層低い用量を使用する能力、および/または一層少ない頻度で薬剤を投与する能力は、癌の治療において薬剤の有効性を減少させることなく被験体への薬剤の投与に付随するいずれの毒性も低減することを可能にする。付け加えると、相乗効果は結果として癌の治療におけるこれらの薬剤の向上した有効性、および/またはどちらかの薬剤単独の使用に付随する有害または望ましくない副作用の低減につながる可能性がある。
【0110】
一実施形態では、(i)四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および(ii)1つまたは複数の他の抗癌剤は、そのような薬剤が癌の治療のための単独療法として使用されるときに通常採用される用量で投与されるときに相乗的に作用する。他の実施形態では、(i)四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および(ii)1つまたは複数の他の抗癌剤は、そのような薬剤が癌の治療のための単独療法として使用されるときに通常採用される用量より低い用量で投与されるときに相乗的に作用する。
【0111】
一実施形態では、有効量の(i)四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および(ii)有効量の他の抗癌剤は、この他の抗癌剤に対する癌の抵抗性を抑制する。一実施形態では癌は腫瘍である。
【0112】
本発明の方法および組成物に有用である適切な他の抗癌剤は、限定はされないが、テモゾロマイド、トポイソメラーゼI阻害剤、プロカルバジン、ダカルバジン、ゲムシタビン、カペシタビン、メトトレキセート、タキソール、タキソテール、メルカプトプリン、チオグアニン、ヒドロキシウレア、シタラビン、シクロホスファミド、イホスファミド、ニトロソウレア、シスプラチン、カルボプラチン、マイトマイシン、ダカルバジン、プロカルビジン、エトポシド、テニポシド、カンパテシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ミトキサントロン、L−アスパラギナーゼ、ドキソルビシン、エピルビシン、5−フルオロウラシル、ドセタキセルおよびパクリタキセルなどのタキサン類、ロイコボリン、レバミゾール、イリノテカン、エストラムスチン、エトポシド、ナイトロジェンマスタード、BCNU、カルムスチンおよびロムスチンなどのニトロソウレア類、ビンブラスチン、ビンクリスチンおよびビンオレルビンなどのビンカアルカロイド類、シスプラチン、カルボプラチンおよびオキサリプラチンなどのプラチナ錯体、メシル酸イマチニブ、ヘキサメチルメラミン、トポテカン、チロシンキナーゼ阻害剤、チルホスチン、ハービマイシンA、ゲニステイン、エルブステイン、およびラベンダスチンAを含む。
【0113】
一実施形態では、限定はされないが、他の抗癌剤は表2に挙げられた薬物である。
【0114】
【表10】





本発明の組成物および方法に使用可能な他の追加的な抗癌剤は、限定はされないが以下を含む:アシビシ、アクラルビシン、塩酸アコダゾール(acodazole hydrochloride、アクロニン、アドゼレシン、アルデスロイキン、アルトレタミン、アンボマイシン(ambomycin)、酢酸アメタントロン、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、アントラマイシン、アスパラギナーゼ、アスペルリン、アザシチジン、アゼテパ(azetepa)、アゾトマイシン(azotomycin)、バチマスタト(batimastat)、ベンゾデパ、ビカルタミド、塩酸ビサントレン、ビスナフィドジメシラート、ビゼレシン、硫酸ブレオマイシン、ブレキナルナトリウム、ブロピリン、ブスルファン、カクチノマイシン、カルステロン、カラセミド、カルベチマー、カルボプラチン、カルムスチン、塩酸カルビシン(carubicin hydrochloride)、カルゼレシン、セデフィンゴール、クロランブシル、シロレマイシン(cirolemycin)、シスプラチン、クラドリビン、クリスナトールメシラート、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、塩酸ダウノルビシン、デシタブイン、デキソルマブラチン、デザグアニン、デザグアニンメシラート、ジアジコン、ドセタキセル、ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシン、ドロロキシフェン、クエン酸ドロロキシフェン、プロピオン酸ドロモスタノロン、ズアゾマイシン(duazomycin)、エダトレキサート、塩酸エフロルニチン、エルサミトルシン(elsamitrucin)、エンロプラチン、エンプロマート、エピプロピジン、塩酸エピルビシン、エルブロゾール(erbulozole)、塩酸エソルビシン(esorubicin hydrochloride)、エストラムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウム、エタニダゾール、エトポシド、リン酸エトポシド、エトプリン(etoprine)、塩酸ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フロクスウリジン、リン酸フルダラビン、フルオロウラシル、フルロシタビン、ホスキドン、ホストリエシンナトリウム、塩酸ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、塩酸イダルビシン、イホスファミド、イルモホシン、インターロイキン2(組み換え型インターロイキン2またはrIL2を含む)、インターフェロンα−2α、インターフェロンα−2β、インターフェロンα−n1、インターフェロンα−n3、インターフェロンβ−Iα、インターフェロンγ−Iβ、イプロプラチン、塩酸イリノテカン、酢酸ランレオチド、レトロゾール、酢酸ロイプロリド、塩酸リアロゾール、ロメトレキソールナトリウム、ロムスチン、塩酸ロソキサントロン、マソプロコール、メイタンシン、塩酸メクロレタミン、酢酸メゲストロール、酢酸メレンゲストロール、メルファラン、メノガリル、メルカプトプリン、メトトレキセート、メトトレキセートナトリウム、メトプリン(metoprine)、メツレデパ、ミチンドミド、ミトカルシン(mitocarcin)、ミトクロミン(mitocromin)、マイトジリン、ミトマルシン(mitomalcin)、マイトマイシン、ミトスペル(mitosper)、ミトーテン、塩酸ミトキサントロン、ミコフェノール酸、ノコダゾール、ノガラマイシン、オルマプラチン、オキシスラン、パクリタキセル、ペガスパルガーゼ、ペリオマイシン(peliomycin)、ペンタムスチン(pentamustine)、硫酸ペプロマイシン、ペルホスファミド、ピポブロマン、ピポスルファン、塩酸ピロキサントロン、プリカマイシン、プロメスタン、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニマスチン、塩酸プロカルバジン、ピューロマイシン、塩酸ピューロマイシン、ピラゾフリン、リボプリン、ログレチミド、サフィンゴール、塩酸サフィンゴール、セムスチン、シムトラゼン、スパルフォセートナトリウム、スパルソマイシン、塩酸スピロゲルマニウム、スピロムスチン、スピロプラチン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、スロフェヌル、タリソマイシン、テコガランナトリウム、テガフール、塩酸テロキサントロン、テモポルフィン、テニポシド、テロキソロン、テストラクトン、チアミプリン(thiamiprine)、チオグアニン、チオテパ、チアゾフリン、チラパザミン、クエン酸トレミフェン、酢酸トレストロン(trestolone acetate)、リン酸トリシリビン、トリメトレキサート、グルクロン酸トリメトレキサート、トリポレリン、塩酸ツブロゾール、ウラシルマスタード、ウレデパ、バプレオチド、ベルテポルフィン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、ビンデシン、硫酸ビンデシン、硫酸ビネピジン、硫酸ビングリシナート、硫酸ビンレウロシン、酒石酸ビノレルビン、硫酸ビンロシジン(vinrosidine sulfate)、硫酸ビンゾリジン(vinzolidine sulfate)、ボロゾール、ゼニプラチン、ジノスタチン、塩酸ゾルビシン(zorubicin hydrochloride)。
【0115】
本発明の組成物および方法に使用可能なさらなる抗癌剤は、限定はされないが以下を含む:20−epi−1,25ジヒドロキシビタミンD3、5−エチニルウラシル、アビラテロン、アクラルビシン、アシルフルベン、アデシペノール(adecypenol)、アドゼレシン、アルデスロイキン、ALL−TKアンタゴニスト、アルトレタミン、アンバムスチン、アミドックス(amidox)、アミホスチン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンドログラホリド、血管形成阻害剤、アンタゴニストD、アンタゴニストG、テベレリクス、抗活性化形態形成タンパク質1、抗アンドロゲン物質(前立腺癌)、抗エストロゲン薬、抗新生物薬、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アフィディコリングリシネート、アポトーシス遺伝子モジュレーター、アポトーシス調節因子、アプリン酸、ara−CDP−DL−PTBA、アルギニンデアミナーゼ、アスラクリン(asulacrine)、アタメスタン、アトリムスチン、アキシナスタチン1(axinastatin 1)、アキシナスタチン2(axinastatin 2)、アキシナスタチン3(axinastatin 3)、アザセトロン、アザトキシン(azatoxin)、アザチロシン、バッカチンIII誘導体(baccatin III derivatives)、バラノール(balanol)、バチマスタット、BCR/ABLアンタゴニスト、ベンゾクロリン、ベンゾイルスタウロスポリン、βラクタム誘導体、β−アレチン、ベタクラマイシンB(betaclamycin B)、ベツリン酸、bFGF阻害剤、ビカルタミド(bicalutamide)、ビサントレン、ビスアジリジニルスペルミン(bisaziridinylspermine)、ビスナフィド(bisnafide)、ビストラテンA、ビゼレシン、ブレフレート、ブロピリミン、ブドチタン、ブチオニンスルホキシミン、カルシポトリオール、カルフォスチンC、カンプトセシン誘導体、キャナリーポックスIL−2、カルボキサミド−アミノ−トリアゾール、カルボキシアミドトリアゾール、CaRest M3、CARN 700、軟骨由来阻害剤、カルゼレシン、カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS)、カスタノスペルミン、セクロピンB、セトロレリクス、クロリン、クロロキノキサリンスルホンアミド、シカプロスト、シスポルフィリン、クラドリビン、クロミフェン類似体、クロトリマゾール、コリスマイシンA(collismycin A)、コリスマイシンB(collismycin B)、コンブレタスタチンA4、コンブレタスタチン類似体、コナゲニン、クランベシジン816(crambescidin 816)、クリスナトール、クリプトフィシン8、クリプトフィシンA誘導体、キュラシンA(curacin A)、シクロペンタアントラキノン(cyclopentanthraquinones)、シクロプラタム(cycloplatam)、シペマイシン(cypemycin)、シタラビンオクホスファート、細胞溶解因子、サイトスタチン、ダクリキシマブ(dacliximab)、デシタブイン、デヒドロジデムニンB(dehydrodidemnin B)、デスロレリン、デキサメタゾン、デキシホスフアミド(dexifosfamide)、デキスラゾキサン、デクスベラバミル、ジアジコン、ディデムニンB、ジドックス(didox)、ジエチルノルスペルミン、ジヒドロ−5−アシチジン(dihydro−5−acytidine)、ジヒドロタキソール、ジオキサマイシン(dioxamycin)、ジフェニルスピロムスチン、ドセタキセル、ドコサノール、ドラセトロン、ドキシフルリジン、ドロロキシフェン、ドロナビノール、デュオカルマイシンSA、エブセレン、エコムスチン、エデルホシン、エドレコロマブ、エフロミチン(eflomithine)、エレメン、エミテフル、エピルビシン、エプリステリド、エストラムスチン類似体、エストロゲンアゴニスト、エストロゲンアンタゴニスト、エタニダゾール、リン酸エトポシド、エクセメスタン、ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチム、フィナステリド、フラボピリドール、フレゼラスチン、フルアステロン(fluasterone)、フルダラビン、塩酸フルオロダウノルニシン(fluorodaunorunicin hydrochloride)、ホルフェニメクス、ホルメスタン、ホストリエシン、ホテムスチン、ガドリニウムテキサフィリン(gadolinium texaphyrin)、硝酸ガリウム、ガロシタビン、ガニレリクス、ゼラチナーゼ阻害剤、ゲムシタビン、グルタチオン阻害剤、ヘプスルファム(hepsulfam)、ヘレグリン、ヘキサメチレンビスアセトアミド、ヒペリシン、イバンドロン酸、イダルビシン、イドキシフェン、イドラマントン、イルモホシン、イロマスタット、イミダゾアクリドン(imidazoacridones)、イミキモド、免疫賦活ペプチド、インスリン様成長因子−1レセプター阻害剤、インターフェロンアゴニスト、インターフェロン、インターロイキン、イオベングアン、ヨードドキソルビシン、イポメアノール,4−、イロプラクト(iroplact)、イルソグラジン、イソベンガゾール(isobengazole)、イソホモハリコンドリンB(isohomohalicondrin B)、イタセトロン、ジャスプラキノリド(jasplakinolide)、カハラリドF(kahalalide F)、ラメラリン−Nトリアセテート、ランレオチド、レイナマイシン、レノグラスチム、硫酸レンチナン、レプトルスタチン(leptolstatin)、レトロゾール、白血病抑制因子、白血球αインターフェロン、ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン、リュープロレリン、レバミゾール、リアロゾール、直鎖ポリアミン類似体、親油性二糖類ペプチド、親油性白金複合体、リッソクリンアミド7(lissoclinamide 7)、ロバブラチン、ロンブリシン、ロメトレキソール、ロニダミン、ロソキサントロン、ロバスタチン、ロキソリビン、ルルトテカン(lurtotecan)、ルテチウムテクサフィリン、リソフィリン(lysofylline)、細胞溶解性ペプチド、マイタンシン、マンノスタチンA、マリマスタット、マソプロコール、マスピン、マトリライシン阻害剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、メノガリル、メルバロン(merbarone)、メテレリン、メチオニネース、メトクロプラミド、MIF阻害剤、ミフェプリストーン、ミルテフォシン、ミリモスチム、ミスマッチ二本鎖RNA、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン類似体、ミトナフィド、マイトトキシン線維芽細胞成長因子−サポリン、ミトキサントロン、モファロテン、モルグラモスチム、モノクローナル抗体ヒト絨毛性生殖腺刺激ホルモン、モノホスホリルリピドA+ミオバクテリウム細胞壁sk(monophosphoryl lipid A+myobacterium cell wall sk)、モピダモール、多剤耐性遺伝子阻害剤、多発性腫瘍抑制遺伝子1ベースの療法剤、マスタード抗癌剤、ミカペルオキシドB(mycaperoxide B)、ミコバクテリア細胞壁抽出物、ミリアポロン(myriaporone)、N−アセチルジナリン(N−acetyldinaline)、N−置換ベンズアミド、ナファレリン、ナグレスチプ(nagrestip)、ナロキソン+ペンタゾシン、ナパビン(napavin)、ナフテルピン(naphterpin)、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ネモルビシン(nemorubicin)、ネリドロン酸、中性エンドペプチダーゼ、ニルタミド、ニサマイシン(nisamycin)、酸化窒素モジュレーター、窒素酸化物抗酸化剤、ニトルリン(nitrullyn)、06−ベンジルグアニン、オクトレオチド、オキセノン(okicenone)、オリゴヌクレオチド、オナプリストン、オンダンセトロン、オンダンセトロン、オラシン(oracin)、経口用サイトカイン誘導剤、オルマプラチン、オサテロン、オキサリプラチン、オギザウノマイシン、パクリタキセル、パクリタキセル類似体、パクリタキセル誘導体、パラウアミン(palauamine)、パルミトイルリゾキシン(palmitoylrhizoxin)、パミドロン酸、パナキシトリオール(panaxytriol)、パノミフェン、パラバクチン、パゼリプチン、ペガスパルガーゼ、ペルデシン、ペントサンポリサルフェートナトリウム、ペントスタチン、ペントロゾール(pentrozole)、ペルフルブロン、ペルホスファミド、ペリリルアルコール、フェナジノマイシン、酢酸フェニル、ホスファターゼ阻害剤、ピシバニール、塩酸ピロカルピン、ピラルビシン、ピリトレキシム、プルアセチンA(placetin A)、プルアセチンB(placetin B)、プラスミノーゲン活性化因子インヒビター、白金複合体、白金複合体群、白金トリアミン錯体、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニゾン、プロピルビス−アクリドン、プロスタグランジンJ’2、プロテアソーム阻害剤、プロテインAベースの免疫調節剤、プロテインキナーゼC阻害剤、プロテインキナーゼC阻害剤(微細藻類)、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤、プルプリン、ピラゾロアクリジン、ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン複合体、rafアンタゴニスト、ラルチトレキセド、ラモセトロン、rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、ras阻害剤、ras−GAP阻害剤、脱メチル化レテリプチン、レニウムRe186エチドロン酸、リゾキシン、リボザイム、RIIレチンアミド、ログレチミド、ロヒツキン(rohitukine)、ロムルチド、ロキニメクス、ルビギノンB1(rubiginone B1)、ルボキシル(ruboxyl)、サフィンゴール、サイントピン(saintopin)、SarCNU、サルコフィトールA(sarcophytol A)、サルグラモスチム、Sdi I模倣体、セムスチン、老化誘導阻害剤1、センスオリゴヌクレオチド、シグナル伝達阻害剤、シグナル伝達モジュレーター、単鎖抗原結合蛋白質、シゾフィラン、ソブゾキサン、ボロカプタートナトリウム、フェニル酢酸ナトリウム、ソルベロール(solverol)、ソマトメジン結合タンパク質、ソネルミン(sonermin)、スパルホス酸、スピカマイシンD、スピロムスチン、スプレノペンチン(splenopentin)、スポンギスタチン1(spongistatin 1)、スクアラミン、幹細胞阻害剤、幹細胞分割阻害剤、スチピアミド(stipiamide)、ストロメリシン阻害剤、スルフィノシン(sulfinosine)、超活性血管作用性小腸ペプチドアンタゴニスト、スラジスタ(suradista)、スラミン、スワインソニン、合成グリコサミノグリカン、タリムスチン、タモキシフェンメチオジド、タウロムスチン、タザロテン、テコガランナトリウム、テガフール、テルラピリリウム(tellurapyrylium)、テロメラーゼ阻害剤、テモポルフィン、テモゾロマイド、テニポシド、テトラクロロデカオキサイド、テトラゾミン(tetrazomine)、タリブラスチン(thaliblastine)、チオコラリン(thiocoraline)、トロンボポエチン、トロンボポエチン模倣体、サイマルファシン、チモポエチン受容体アゴニスト、チモトリナン、甲状腺刺激ホルモン、スズエチルエチオプルプリン(tin ethyl etiopurpurin)、チラパザミン、二塩化チタノセン、トプセンチン(topsentin)、トレミフェン、全能性幹細胞因子、翻訳阻害剤、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリシリビン、トリメトレキサート、トリプトレリン、トロピセトロン、ツロステリド、チロシンキナーゼ阻害剤、チルホスチン、UBC阻害剤、ウベニメクス、泌尿生殖洞由来増殖阻害因子、ウロキナーゼレセプ

ターアンタゴニスト、バプレオチド、バリオリンB(variolin B)、ベクター系(赤血球遺伝子治療)、ベラレソール、ベラミン(veramine)、ベルジン(verdin)、ベルテポルフィン、ビノレルビン、ビンキサルチン、バイタクシン、ボロゾール、ザノテロン(zanoterone)、ゼニプラチン、ジラスコルブ、および、ジノスタチンスチマラマー。
【0116】
一実施形態では、この他の抗癌剤はインターフェロンαである。
他の実施形態では、この他の抗癌剤はインターロイキン2である。
一実施形態では、この他の抗癌剤はナイトロジェンマスタード、ニトロソウレア、スルホン酸アルキル、トリアゼンなどのアルキル化剤、または白金含有薬剤である。
【0117】
一実施形態では、この他の抗癌剤はトリアゼンアルキル化剤である。
特定の実施形態では、この他の抗癌剤はテモゾロマイドである。
テモゾロマイドは、約60mg/m(被験体の体表面積)から約250mg/mおよび約100mg/mから約200mg/mの範囲の用量で被験体に投与可能である。特定の実施形態では、テモゾロマイドの用量は、約10mg/m、約1mg/m、約5mg/m、約10mg/m、約20mg/m、約30mg/m、約40mg/m、約50mg/m、約60mg/m、約70mg/m、約80mg/m、約90mg/m、約100mg/m、約110mg/m、約120mg/m、約130mg/m、約140mg/m、約150mg/m、約160mg/m、約170mg/m、約180mg/m、約190mg/m、約200mg/m、約210mg/m、約220mg/m、約230mg/m、約240mg/m、または約250mg/mである。
【0118】
特定の実施形態では、テモゾロマイドは経口投与される。
一実施形態では、テモゾロマイドは約150mg/mから約200mg/mの範囲の用量で被験体に経口投与される。
【0119】
他の実施形態では、テモゾロマイドは1日に1回、約150mg/mから約200mg/mの範囲の用量で被験体に5日間連続で経口投与される。
特定の実施形態では、テモゾロマイドは1〜5日目に1日に1回、約150mg/mから約200mg/mの範囲の用量で被験体に5日間連続で経口投与され、次いで再び28〜32日目に1日に1回、約150mg/mから約200mg/mの範囲の用量で5日間連続で経口投与され、次いで55〜59日目に再び1日に1回、約150mg/mから約200mg/mの範囲の用量で5日間連続で経口投与される。
【0120】
特定の実施形態では、この他の抗癌剤はプロカルバジンである。
プロカルバジンは、約50mg/m(被験体の体表面積)から約100mg/mおよび約60mg/mから約100mg/mの範囲の用量で被験体に投与可能である。特定の実施形態では、プロカルバジンの用量は、約10mg/m、約1mg/m、約5mg/m、約10mg/m、約20mg/m、約30mg/m、約40mg/m、約50mg/m、約60mg/m、約70mg/m、約80mg/m、約90mg/m、約100mg/m、約110mg/m、約120mg/m、約130mg/m、約140mg/m、約150mg/m、約160mg/m、約170mg/m、約180mg/m、約190mg/m、約200mg/m、約210mg/m、約220mg/m、約230mg/m、約240mg/m、約250mg/m、約260mg/m、約270mg/m、約280mg/m2、約290mg/m、約300mg/m、約310mg/m、約320mg/m、約330mg/m、約340mg/m、約350mg/m、約360mg/m、約370mg/m、約380mg/m、約390mg/m、約400mg/m、約410mg/m、約420mg/m、約430mg/m、約440mg/m、約450mg/m、約460mg/m、約470mg/m、約480mg/m、約490mg/m、または約500mg/mである。
【0121】
特定の実施形態では、プロカルバジンは静脈内投与される。
一実施形態では、プロカルバジンは約50mg/mから約100mg/mの範囲の用量で被験体に静脈内投与される。
【0122】
他の実施形態では、プロカルバジンは1日に1回、約50mg/mから約100mg/mの範囲の用量で被験体に5日間連続で静脈内投与される。
特定の実施形態では、プロカルバジンは1〜5日目に1日に1回、約50mg/mから約100mg/mの範囲の用量で被験体に5日間連続で静脈内投与され、次いで再び28〜32日目に1日に1回、約50mg/mから約100mg/mの範囲の用量で5日間連続で静脈内投与され、次いで55〜59日目に再び1日に1回、約50mg/mから約100mg/mの範囲の用量で5日間連続で静脈内投与される。
【0123】
他の実施形態では、プロカルバジンは約50mg/mから約100mg/mの範囲の用量で被験体に1回静脈内投与される。
特定の実施形態では、この他の抗癌剤はダカルバジンである。
【0124】
ダカルバジンは、約60mg/m(被験体の体表面積)から約250mg/mおよび約150mg/mから約250mg/mの範囲の用量で被験体に投与可能である。特定の実施形態では、ダカルバジンの用量は、約10mg/m、約1mg/m、約5mg/m、約10mg/m、約20mg/m、約30mg/m、約40mg/m、約50mg/m、約60mg/m、約70mg/m、約80mg/m、約90mg/m、約100mg/m、約110mg/m、約120mg/m、約130mg/m、約140mg/m、約150mg/m、約160mg/m、約170mg/m、約180mg/m、約190mg/m、約200mg/m、約210mg/m、約220mg/m、約230mg/m、約240mg/m、約250mg/m、約260mg/m、約270mg/m、約280mg/m、約290mg/m、約300mg/m、約310mg/m、約320mg/m、約330mg/m、約340mg/m、約350mg/m、約360mg/m、約370mg/m、約380mg/m、約390mg/m、約400mg/m、約410mg/m、約420mg/m、約430mg/m、約440mg/m、約450mg/m、約460mg/m、約470mg/m、約480mg/m、約490mg/m、または約500mg/mである。
【0125】
特定の実施形態では、ダカルバジンは静脈内投与される。
一実施形態では、ダカルバジンは約150mg/mから約250mg/mの範囲の用量で被験体に静脈内投与される。
【0126】
他の実施形態では、ダカルバジンは1日に1回、約150mg/mから約250mg/mの範囲の用量で被験体に5日間連続で静脈内投与される。
特定の実施形態では、ダカルバジンは1〜5日目に1日に1回、約150mg/mから約250mg/mの範囲の用量で被験体に5日間連続で静脈内投与され、次いで再び28〜32日目に1日に1回、約150mg/mから約250mg/mの範囲の用量で5日間連続で静脈内投与され、次いで55〜59日目に再び1日に1回、約150mg/mから約250mg/mの範囲の用量で5日間連続で静脈内投与される。
【0127】
一実施形態では、ダカルバジンは約150mg/mから約250mg/mの範囲の用量で被験体に1回静脈内投与される。
一実施形態では、この他の抗癌剤はエトポシド、テニポシド、トポテカン、イリノテカン、9−アミノカンプトテシン、カンプトテシン、またはクリスナトールなどのトポイソメラーゼI阻害剤である。
【0128】
特定の実施形態では、この他の抗癌剤はイリノテカンである。
イリノテカンは、約50mg/m(被験体の体表面積)から約150mg/mおよび約75mg/mから約150mg/mの範囲の用量で被験体に投与可能である。特定の実施形態では、イリノテカンの用量は、約10mg/m、約1mg/m、約5mg/m、約10mg/m、約20mg/m、約30mg/m、約40mg/m、約50mg/m、約60mg/m、約70mg/m、約80mg/m、約90mg/m、約100mg/m、約110mg/m、約120mg/m、約130mg/m、約140mg/m、約150mg/m、約160mg/m、約170mg/m、約180mg/m、約190mg/m、約200mg/m、約210mg/m、約220mg/m、約230mg/m、約240mg/m、約250mg/m、約260mg/m、約270mg/m、約280mg/m、約290mg/m、約300mg/m、約310mg/m、約320mg/m、約330mg/m、約340mg/m、約350mg/m、約360mg/m、約370mg/m、約380mg/m、約390mg/m、約400mg/m、約410mg/m、約420mg/m、約430mg/m、約440mg/m、約450mg/m、約460mg/m、約470mg/m、約480mg/m、約490mg/m、または約500mg/mである。
【0129】
特定の実施形態では、イリノテカンは静脈内投与される。
一実施形態では、イリノテカンは約50mg/mから約150mg/mの範囲の用量で被験体に静脈内投与される。
【0130】
他の実施形態では、イリノテカンは1日に1回、約50mg/mから約150mg/mの範囲の用量で被験体に5日間連続で静脈内投与される。
特定の実施形態では、イリノテカンは1〜5日目に1日に1回、約50mg/mから約150mg/mの範囲の用量で被験体に5日間連続で静脈内投与され、次いで再び28〜32日目に1日に1回、約50mg/mから約150mg/mの範囲の用量で5日間連続で静脈内投与され、次いで55〜59日目に再び1日に1回、約50mg/mから約150mg/mの範囲の用量で5日間連続で静脈内投与される。
【0131】
一実施形態では、本発明は、有効量の(i)四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および(ii)1つまたは複数の他の抗癌剤の投与を提供する。
一実施形態では、(i)四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および(ii)1つまたは複数の他の抗癌剤は、そのような薬剤が癌の治療のための単独治療として使用される場合に通常採用される用量で投与される。
【0132】
他の実施形態では、(i)四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および(ii)1つまたは複数の他の抗癌剤は相乗的に作用し、そのような薬剤が癌の治療のための単独治療として使用される場合に通常採用される用量より少ない用量で投与される。
【0133】
投与される(i)四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および(ii)1つまたは複数の他の抗癌剤の用量ならびに投与計画は、限定はされないが、治療される癌、患者の総合的健康状態、投与する医師の判断力を含めた様々なパラメータによって決められることがえきる。
【0134】
一実施形態では、この他の抗癌剤はO−6−ベンジルグアニンである。
他の実施形態では、この他の抗癌剤はO−6−ベンジルグアニンおよびテモゾロマイドである。
【0135】
他の実施形態では、この他の抗癌剤はO−6−ベンジルグアニンおよびプロカルバジンである。
さらに別の実施形態では、この他の抗癌剤はO−6−ベンジルグアニンおよびデカルバジンである。
【0136】
5.10.3 癌の複合治療
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は、限定はされないが、手術、放射線治療、または癌ワクチンなどの免疫療法を含めた1つまたは複数の追加的な抗癌治療を受けたことがあるかまたは現在受けている被験体に投与可能である。
【0137】
一実施形態では、本発明は、癌を治療または予防するための方法であって、それを必要とする被験体に(a)癌を治療または予防するのに有効な四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物のある量、および(b)限定はされないが手術、放射線治療、または癌ワクチンなどの免疫療法を含めた他の抗癌治療を投与する工程を含む方法を提供する。
【0138】
一実施形態では、この他の抗癌治療は放射線治療である。
他の実施形態では、この他の抗癌治療は手術である。
さらに他の実施形態では、この他の抗癌治療は免疫療法である。
【0139】
特定の実施形態では、癌を治療または予防するための本方法は、(i)有効量の四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および(ii)放射線治療を投与する工程を含む。この放射線治療は、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物と同時に、その前に、または後に、一実施形態では四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物の投与の少なくとも1時間、5時間、12時間、1日、1週間、1カ月前、または後に、他の実施形態ではその数カ月(例えば最長で3カ月)前、または後に投与可能である。
【0140】
この他の抗癌治療が放射線治療であるとき、治療される癌のタイプに応じていずれの放射線治療プロトコールが使用可能である。例えば、限定する方式ではないが、X線放射が投与される可能性がある。特に、深層の腫瘍については高エネルギーのメガボルト(1MeVのエネルギーを上回る放射)が使用される可能性があり、皮膚癌については電子ビームおよび常用電圧のX線放射が使用される可能性がある。ラジウム、コバルト、および他の元素の放射活性同位元素などのガンマ線を発射する放射性同位元素が投与されること可能性がある。
【0141】
付け加えると、本発明は、化学療法または放射線治療が治療される被験体に結果として負の副作用を与える場合に、化学療法または放射線治療の代替策として四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用する癌の治療の方法を提供する。治療される被験体は場合によっては手術、放射線治療、または免疫療法などの他の抗癌治療で治療される可能性がある。
【0142】
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物はまた、限定はされないが、例えば白血病およびリンパ腫を含めたある種の癌の治療についてはインビトロまたは生体外で使用可能であり、そのような治療は自家造血幹細胞移植を含む。これは、被験体の自家造血幹細胞が採取され、すべての癌細胞を取り除く処理を含むことができ、その後、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および/または放射の投与を介して被験体の残りの骨髄細胞集団が根絶され、得られた幹細胞が被験体に注ぎ戻される。これに続いて対症療法を提供することができ、その間に骨髄機能が再生され、被験体が回復する。
【0143】
6 本発明の治療的/予防的投与および組成物
その活性に起因して、四環アミノ化合物および四環カルボキサミド化合物は、獣医薬およびヒトの医薬に都合良く有用である。上述されたように、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は、それを必要とする被験体の状態を治療または予防するために有用である。
【0144】
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は、被験体の状態を治療または予防するのに有効な量で投与可能である。
被験体に投与されるとき、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は、生理学的に受容可能な担体またはビヒクルを含む組成物の成分として投与可能である。四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を含むこの組成物は経口投与されることができる。四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は、任意の他の都合の良い経路で、例えば輸液もしくはボーラス注射によって、上皮もしくは皮膚と粘膜(例えば口腔、直腸、および腸の粘膜)との内面を通じた吸収によって投与されることもでき、他の生物学的に活性な薬剤と共に投与されることもできる。投与は、全身または局所でもよい。様々な送達系、例えば、リポソーム、微粒子、マイクロカプセル、カプセル中への封入が知られており、投与可能である。
【0145】
投与の方法は、限定はされないが、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、経口、舌下、脳内、膣内、経皮、直腸、吸入によって、または局所、特に耳、鼻、眼、または皮膚への投与を含む。いくつかの例では、投与は結果として血流中への四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物の放出につながるであろう。
【0146】
一実施形態では、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は経口投与される。
他の実施形態では、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を局所的に投与することが望ましい可能性がある。これは、例えば、限定する方式ではないが、手術中の局所的な注入、例えば手術後の創傷包帯と併せた局所的塗布によって、注射によって、カテーテルによって、坐剤または浣腸によって、または移植物によって達成されることが可能であり、前記移植物はシアラスティック膜などの膜、または繊維を含めた多孔質、非孔質、またはゼラチン質の材料である。
【0147】
ある実施形態では、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を中枢神経系または胃腸管の中に、脳室内、髄腔内、および硬膜外注入、および浣腸を含めたいずれかの適切な経路によって導入することが望ましい可能性がある。脳室内注入は、例えばオマヤレザバーなどの貯蔵器に取り付けられた脳室内カテーテルによって容易に可能である。
【0148】
例えばネブライザの吸入器およびエアゾール化剤を伴う製剤の使用によって、またはフルオロカーボンのオール、合成の肺表面活性剤の中での灌流を介して、肺内投与が採用されることができる。ある実施形態では、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は従来の結合剤およびトリグリセリド類などのビヒクルを伴って、坐剤として調剤されることができる。
【0149】
他の実施形態では、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は、小胞、特にリポソームとして送達することもできる(ランガー(Langer)、Science 249:1527〜1533ページ(1990年)およびTreat or preventら、Liposomes in Therapy of Infectious Disease and Cancer 317〜327および353〜365ページ(1989年)参照)。
【0150】
さらに別の実施形態では、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は、制御放出系または持続放出系として送達することもできる(例えばグッドソン(Goodson)、Medical Applications of Controlled Release、supra、vol.2、pp.115〜138(1984年)参照)。ランガー(Langer)、Science 249:1527〜1533ページ(1990年)の総説で考察された他の制御または持続放出系を使用することもできる。一実施形態では、ポンプを使用することができる(ランガー(Langer)、Science 249:1527〜1533ページ(1990年);セフトン(Sefton)、CRC Crit.Biomed.Eng.14:201ページ(1987年);ブッフバルドら(Buchwald et al.)、Surgery 88:507ページ(1980年);およびソーデックら(Saudek et al.)、N.Engl.J Med.321:574ページ(1989年))。他の実施形態では、ポリマー材料を使用することもできる(Medical Applications of Controlled Release(ランガー(Langer)およびワイズ(Wise)eds.、1974年);Controlled Drug Bioavailability、Drug Product Design and Performance(スモーレン(Smolen)およびボール(Ball)eds.、1984年);レンジャー(Ranger)およびペッパス(Peppas)、J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.2:61ページ(1983年);レビーら(Levy et al.)、Science 228:190ページ(1935年);デューリングら(During et al.)、Ann.Neural.25:351ページ(1989年);およびホワードら(Howard et al.)、J.Neurosurg.71:105ページ(1989年)参照)。
【0151】
さらに別の実施形態では、制御または持続放出系は、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物の標的の近傍、例えば脊柱、脳、皮膚、肺、または胃腸管に置かれることができ、したがって全身用量のわずかしか必要としない。
【0152】
本組成物は、場合によっては被験体への適切な投与のための形態を提供するように薬学的に許容可能なビヒクルの適切な量を含むこともできる。
そのような医薬品ビヒクルは、水、および石油、動物性、植物性、または合成由来の油を含む油、例えばピーナッツ油、大豆油、鉱油、胡麻油などといった液体であってもよい。医薬品ビヒクルは、生理食塩水、アラビアゴム、ゼラチン、デンプン糊、タルク、ケラチン、コロイド状シリカ、尿素などであってもよい。付け加えると、助剤、安定化剤、増量剤、滑沢剤、および着色剤を使用することもできる。一実施形態では、薬学的に許容可能なビヒクルは、被験体に投与されるときに無菌である。四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物が静脈内投与される場合、水は特に有用なビヒクルである。生理食塩水溶液および水性デキストロースおよびグリセロールの溶液は、特に注射可能な溶液に液体ビヒクルとして使用されることができる。適切な医薬品としてのビヒクルはまた、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどを含む。所望であれば、本組成物は少量の湿潤剤または乳化剤、またはpH緩衝剤を含むこともできる。
【0153】
本組成物は溶液、懸濁液、エマルジョン、錠剤、丸薬、小粒、カプセル、液体含有カプセル、粉末、持続放出製剤、坐剤、エマルジョン、エアゾール、スプレー、懸濁液、または使用に適した任意の他の形態をとることが可能である。一実施形態では、本組成物はカプセルの形態である(例えば米国特許第5698155号明細書参照)。適切な医薬品ビヒクルの他の例は、本願明細書に援用するRemington’s Pharmaceutical Science 1447〜1676ページ(アルフォンソ(Alfonso)アール・ジェナロ(R.Gennaro)eds.、19th ed.1995年)に記述されている。
【0154】
一実施形態では、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は、ヒトへの経口投与に適した組成物として常法に従って製剤される。経口送達用の組成物は、例えば錠剤、トローチ剤、水性もしくは油性の懸濁液、顆粒、粉末、エマルジョン、カプセル、シロップ、またはエリキシル剤の形であってもよい。経口投与される組成物は、医薬品として快い製剤を提供するために1つまたは複数の薬剤、例えば、フルクトース、アスパルテーム、またはサッカリンなどの甘味料;ペパーミント、ウィンターグリーン油、またはサクランボなどの香料添加剤;着色剤;および保存剤を含むこともできる。さらに、錠剤または丸薬の形では、本組成物は胃腸管内での分解および吸収を遅らせ、それによって引き延ばされた期間にわたって持続作用を提供するためにコーティングされることができる。浸透活性を駆動する四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を取り巻く選択透過性の膜も、経口投与組成物にとって適している。これら後者のプラットホームでは、カプセルを取り巻く環境からの流体は駆動化合物によって吸収され、これが膨らむことで隙間を通して薬剤または薬剤組成物を移動させる。これらの送達プラットホームは、即時放出型の製剤の急増プロファイルとは逆に基本的にゼロ次の送達プロファイルを提供することができる。モノステアリン酸グリセロールまたはステアリン酸グリセロールなどの時間遅延物質を使用することもできる。経口組成物は、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、および炭酸マグネシウムなどの標準的なビヒクルを含むこともできる。一実施形態では、ビヒクルは医薬品グレードである。
【0155】
他の実施形態では、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は静脈内投与のために製剤可能である。通常では、静脈内投与のための組成物は無菌で等張の水性緩衝液を含む。必要であれば、この組成物は溶解補助剤を含むこともできる。静脈内投与のための組成物は、場合によっては、注射の部位の痛みを少なくするためにリグノカインなどの局所麻酔剤を含むことができる。概して、これらの成分は別々、または単位投与形態の中に一緒に混合されるかどちらかで、例えば、活性薬剤の量を表示したアンプルまたはサシェなどの密封容器内の乾燥した真空凍結乾燥粉末または無水濃縮物として供給される。四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を注入によって投与すべき場合、これらは例えば、無菌の医薬品グレードの水または生理食塩水を含む輸液ボトルで投薬されることができる。四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物が注射によって投与される場合、注射のための滅菌水または生理食塩水のアンプルは投与の前にこれらの成分が混合され得るように提供されることができる。
【0156】
四環アミノ化合物および四環カルボキサミド化合物は、制御放出もしくは持続放出手段によって、または当業者によく知られている送達デバイスによって投与されることができる。例は、限定はされないが、各々を本願に援用される米国特許第3845770号明細書;第3916899号明細書;第3536809号明細書;第3598123号明細書;第4008719号明細書;第5674533号明細書;第5059595号明細書;第5591767号明細書;第5120548号明細書;第5073543号明細書;第5639476号明細書;第5354556号明細書;および第5733556号明細書に記述されたものを含む。そのような投与形態は、異なる比で所望の放出プロファイルを提供するために、例えばヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマー・マトリックス、ゲル、透過膜、浸透系、多層コーティング、微粒子、リポソーム、ミクロスフィア、またはこれらの組合せを使用して1つまたは複数の活性成分の制御もしくは持続放出を提供するように使用されることができる。本願に述べられたものも含めて当業者に知られている適切な制御もしくは持続放出製剤は、本発明の活性成分との使用のために容易に選択されることが可能である。したがって本発明は、限定はされないが、錠剤、カプセル、ジェルキャップ、制御もしくは持続放出に適したカプレットなどの経口投与に適した単一の単位投与形態を包含する。
【0157】
一実施形態では、制御もしくは持続放出組成物は、最小限の時間で状態を治療または予防するための最少量の四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を含む。制御もしくは持続放出組成物の利点は、薬物の活性の延長、服用頻度の減少、および被験体のコンプライアンスの向上を含む。付け加えると、制御もしくは持続放出組成物は、作用の開始の時間、または四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物の血中レベルなどの他の特性に好都合に影響を与えることができ、したがって有害な副作用の発生を低減することが可能である。
【0158】
制御もしくは持続放出組成物は、所望の治療または予防効果を即座に生み出す四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物のある量を初期に放出し、治療もしくは予防効果のこのレベルを引き延ばされた期間にわたって維持するために四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物の別の量を徐々にかつ連続的に放出することができる。体内の四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物の一定のレベルを維持するために、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は、代謝されて身体から排泄される四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物の量を置き換えるであろう速度で投与形態から放出されることができる。活性成分の制御または持続放出は、限定はされないが、pHの変化、温度の変化、酵素類の濃度もしくは利用可能性、水分の濃度もしくは利用可能性、または他の生理学的条件もしくは化合物を含めた様々な条件によって刺激されることができる。
【0159】
状態の治療または予防に有効な四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物の量は、標準的な臨床技術によって判定可能である。付け加えると、最適の用量範囲の確認を補助するために、場合によってはインビボまたはインビトロアッセイを採用することもできる。採用されるべき正確な用量は投与の経路および治療される状態の重篤度によって決められることができ、例えば公表されている臨床的研究の観点で、施術者の判断および各々の被験体の状況に従って決定されることができる。しかしながら、適切な有効用量は、約4時間ごとに約10マイクログラムから約5グラムの範囲であるが、これらは通常では4時間ごとに約500mg以下である。一実施形態では、有効用量は4時間ごとに約0.01mg、0.5mg、約1mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、約1g、約1.2g、約1.4g、約1.6g、約1.8g、約2.0g、約2.2g、約2.4g、約2.6g、約2.8g、約3.0g、約3.2g、約3.4g、約3.6g、約3.8g、約4.0g、約4.2g、約4.4g、約4.6g、約4.8g、および約5.0gである。限定はされないが、約2時間ごと、約6時間ごと、約8時間ごと、約12時間ごと、約24時間ごと、約36時間ごと、約48時間ごと、約72時間ごと、約毎週、約隔週、約3週間ごと、約毎月、および約隔月を含む様々な時間的期間にわたって同等の用量を投与することもできる。本願で述べられる有効用量は投与される合計量を指し、すなわち複数の四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物が投与される場合、有効用量は投与される合計の量に相当する。
【0160】
組成物は通常の混合法、造粒法、またはコーティング法それぞれに従って調製されることが可能であり、本組成物は重量または体積で、一実施形態では約0.1%から約99%;他の実施形態では約1%から約70%の四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を含むことができる。
【0161】
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を使用する投与計画は、被験体のタイプ、種、年齢、体重、性別、病状;治療される状態の重篤度;投与の経路;被験体の腎臓または肝臓の機能;および採用される特定の四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を含めた多様な要因に従って選択されることができる。当業者は、状態を治療または予防するために有用な薬の有効量を容易に決定することが可能である。
【0162】
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は、1回の日用量で投与可能であり、または合計の1日の用量が1日に2回、3回、または4回の分割用量で投与可能である。さらに、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は適切な鼻腔用ビヒクルの局所使用を介して鼻腔内の形態で、または当業者によく知られている経皮用皮膚貼布のそれらの形態を使用して経皮経路を介して投与可能である。経皮送達系の形で投与するために、投与を、投与計画全体を通じて断続的ではなく連続的なものとすることができる。他の例示的な局所用製剤は、クリーム、軟膏、ローション、エアゾール・スプレー、およびゲルを含み、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物の濃度は、w/wまたはw/vで約0.1%から約15%の範囲にわたる。
【0163】
一実施形態では、本組成物は、(i)四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および(ii)他の抗癌剤のある量を含み、これらが一緒になって癌を治療または予防するのに有効である。他の実施形態では、(i)四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および(ii)他の抗癌剤の量は、組成物の重量で、組み合わされた併用化学療法薬剤の少なくとも0.01%である。経口投与のために意図されるとき、この量は組成物の重量で約0.1%から約80%に変わることができる。いくつかの経口組成物は組成物の重量で、約4%から約50%の(i)四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および(ii)他の抗癌剤の組み合わせた量を含むこともできる。本発明の他の組成物は、非経口投与単位が組成物の重量で約0.01%から約2%含むように調製される。
【0164】
四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は、ヒトで使用される前に望ましい治療的または予防的活性に関してインビボまたはインビトロで分析されることが可能である。安全性および効果を示すために、動物モデル系を使用することが可能である。
【0165】
それを必要とする被験体の状態を治療または予防するための本方法はさらに、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を投与される被験体に他の予防的または治療薬を投与する工程を含むことができる。一実施形態では、他の予防的または治療薬は有効な量で投与される。他の予防的または治療薬は、限定はされないが、抗炎症薬剤、抗腎不全薬剤、抗糖尿病薬剤、抗心血管疾患薬剤、制吐剤、造血コロニー刺激因子、抗不安薬、および鎮痛薬を含む。
【0166】
一実施形態では、他の予防的または治療薬は、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物のいずれかの考えられ得る副作用を低減するのに有用な薬剤である。そのような考えられ得る副作用は、限定はされないが、悪心、嘔吐、頭痛、低白血球数、低赤血球数、低血小板数、頭痛、発熱、倦怠感、筋肉痛、全身痛、骨痛、注射部分の痛み、下痢、神経障害、痒み、口の糜爛、脱毛、不安または憂鬱を含む。
【0167】
一実施形態では、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は、抗炎症薬剤の前、同時、または後に投与され、または互いに同じ日、または1時間、2時間、12時間、24時間、48時間、もしくは72時間以内に投与されることができる。
【0168】
他の実施形態では、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は、抗腎不全薬剤の前、同時、または後に投与され、または互いに同じ日、または1時間、2時間、12時間、24時間、48時間、もしくは72時間以内に投与されることができる。
【0169】
さらに別の実施形態では、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は、抗糖尿病薬剤の前、同時、または後に投与され、または互いに同じ日、または1時間、2時間、12時間、24時間、48時間、もしくは72時間以内に投与されることができる。
【0170】
さらに別の実施形態では、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は、抗心血管疾患薬剤の前、同時、または後に投与され、または互いに同じ日、または1時間、2時間、12時間、24時間、48時間、もしくは72時間以内に投与されることができる。
【0171】
さらなる実施形態では、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は、抗制吐薬剤の前、同時、または後に投与され、または互いに同じ日、または1時間、2時間、12時間、24時間、48時間、もしくは72時間以内に投与されることができる。
【0172】
他の実施形態では、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は、造血コロニー刺激因子の前、同時、または後に投与され、または互いに同じ日、または1時間、2時間、12時間、24時間、48時間、72時間、1週間、2週間、3週間、もしくは4週間以内に投与されることができる。
【0173】
さらなる実施形態では、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は、オピオイドまたは非オピオイド鎮痛薬の前、同時、または後に投与され、または互いに同じ日、または1時間、2時間、12時間、24時間、48時間、72時間、1週間、2週間、3週間、もしくは4週間以内に投与されることができる。
【0174】
さらに別の実施形態では、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物は、抗不安薬の前、同時、または後に投与し、または互いに同じ日、または1時間、2時間、12時間、24時間、48時間、もしくは72時間以内に投与されることができる。
【0175】
他の予防的または治療薬の有効量は当業者によく知られている。しかしながら、他の予防的または治療薬の最適有効量範囲を判定することは、十分当業者の範囲内にある。他の予防的または治療薬が被験体に投与される場合の本発明の一実施形態では、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物の有効量は、他の予防的または治療薬が投与されない場合のその有効量より少ない。この場合、理論に縛られることなく、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および他の予防的または治療薬は、状態を治療または予防するために相乗的に作用すると考えられる。
【0176】
本発明の方法で有用な抗炎症薬剤は、限定はされないが、コルチゾール、コルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、6α−メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、およびデキサメタゾンなどの副腎皮質ステロイド;アスピリン、アセトアミノフェン、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ジクロフェナク、ケトロラック、イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、オキサプロジン、メフェナム酸、メクロフェナミン酸、ピロキシカム、メロキシカム、ナブメトン、ロフェコキシブ、セレコキシブ、エトドラク、およびニメスリドなどの非ステロイド系抗炎症薬剤(NSAID)を含む。
【0177】
本発明の方法で有用な抗腎不全薬剤は、限定はされないが、カプトプリル、エナラプリラト、リシノプリル、ベナゼプリル、フォシノプリル、トランドラプリル、キナプリル、およびラミプリルなどのACE(アンギオテンシン変換酵素)阻害剤;マンニトール、グリセリン、フロセミド、トレセミド、トリパミド、クロロチアジド、メチクロチアジド、インダパミド、アミロリド、およびスピロノラクトンなどの利尿薬;ならびにクロフィブラート、ゲムフィブロジル、フェノフィブラート、シプロフィブラート、およびベザフィブラートなどのフィブリック酸薬剤を含む。
【0178】
本発明の方法で有用な抗糖尿病薬剤は、限定はされないが、グルカゴン;ソマトスタチン;ジアゾキシド;トルブタミド、アセトヘキサミド、トラザミド、クロロプロパミド、グリベンクラミド、グリピジド、グリクラジド、およびグリメピリドなどのスルホニル尿素;レパグリニド、およびナテグリニドなどのインスリン分泌促進薬;メトホルミンおよびフェンホルミンなどのビグアニド類;ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、およびトログリタゾンなどのチアゾリジンジオン類;アカルボースおよびミグリトールなどのα−グルコシダーゼ阻害剤を含む。
【0179】
本発明の方法で有用な抗心血管疾患薬剤は、限定はされないが、カルニチン;チアミン;アトロピン、スコポラミン、ホマトロピン、トロピカミド、ピレンジピン、イプラトロピウム、チオトロピウム、およびトルテロジンなどのムスカリン受容体拮抗薬を含む。
【0180】
本発明の方法で有用な制吐剤は、限定はされないが、メトクロプロミド、ドンペリドン、プロクロルペラジン、プロメタジン、クロルプロマジン、トリメトベンズアミド、オンダンセトロン、グラニセトロン、ヒドロキシジン、アセチルロイシンモノエタノールアミン、アリザプリド、アザセトロン、ベンズキナミド、ビエタナウチン、ブロモプリド、ブクリジン、クレボプリド、シクリジン、ジメンヒドリナート、ジフェニドール、ドラセトロン、メクリジン、メタラタル、メトピマジン、ナビロン、オキシペムジル、ピパマジン、スコポラミン、スルピリド、テトラヒドロカナビノール、チエチルペラジン、チオプロペラジン、トロピセトロン、およびこれらの混合物を含む。
【0181】
本発明の方法で有用な造血コロニー刺激因子は、限定はされないが、フィルグラスチム、サルグラモスチム、モルグラモスチム、およびエポエチンαを含む。
本発明の方法で有用なオピオイド鎮痛薬は、限定はされないが、モルヒネ、ヘロイン、ハイドロモルヒネ、ハイドロコドン、オキシモルヒネ、オキシコドン、メトポン、アポモルヒネ、ノルモルヒネ、エトルフィン、ブプレノルフィン、メペリジン、ロペルミド、アニレリジン、エトヘプタジン、ピミニジン、ベータプロジン、ジフェノキシレート、フェンタニル、スフェンタニル、アルフェンタニル、レミフェンタニル、レボルファノール、デキストロメトルファン、フェナゾシン、ペンタゾシン、シクラゾシン、メタドン、イソメタドン、およびプロポキシフェンを含む。
【0182】
本発明の方法で有用な非オピオイド鎮痛薬は、限定はされないが、アスピリン、セレコキシブ、ロフェコキシブ、ジクロフィナック、ジフルシナール、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、インドメタシン、ケトロラック、メクロフェナメート、メファナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、ピロキシカム、およびスリンダクを含む。
【0183】
本発明の方法で有用な抗不安薬は、限定はされないが、ブスピロン、およびベンゾジアゼピン類、例えばジアゼパム、ロラゼパム、オキサザパム、クロラゼペート、クロナゼパム、クロルジアゼポキシドおよびアルプラゾラムを含む。
【0184】
7 キット
本発明は、被験体への四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物の投与を簡易化することが可能なキットを包含する。
【0185】
本発明の通常のキットは、四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物の単位投与形態を含む。一実施形態では、単位投与形態は、有効量の四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および生理学的に受容可能な担体またはビヒクルを含む無菌であることが可能な容器である。このキットはさらに、状態を治療または予防するための四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物の使用法を指示するラベルまたは印刷された使用説明書を含む。このキットはまた、他の予防的または治療薬の単位投与形態、例えば有効量の他の予防的または治療薬を入れた容器をさらに含むこともできる。一実施形態では、このキットは、有効量の四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物および有効量の他の予防的または治療薬を含んだ容器を含む。他の予防的または治療薬の例は、限定はされないが、上記でリストアップされたものを含む。
【0186】
本発明のキットはさらに、単位投与形態を投与するために有用な装置を含む。そのような装置の例は、限定はされないが注射器、点滴バッグ、貼布、吸入器、および浣腸剤バッグを含む。
【0187】
本発明が以下の実施例でさらに説明されるが、これらは特許請求の範囲に述べられる本発明の範囲を限定するものではない。以下の実施例は、状態を治療または予防するための四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物の有用性を実証することが可能である。
【実施例1】
【0188】
a)一般的方法
プロトン核磁気共鳴(H NMR)スペクトルをバリアン(Varian)社の300MHz分光光度計から得るとともに、化学シフトを100万分の1、δで報告する。薄層クロマトグラフィー、TLCを、シリカゲル60F−254で予備コーティングされたTLCプレート上で実施し、準備段階のTLCを、予備コーティングされたWhatman60A TLCプレート上で実施した。すべての中間産物および最終化合物の特性をH NMRに基づいて決定した。
【0189】
b)メチル5,6−ジヒドロ−5−オキソ−11−H−インデノ[1,2−c]イソキノリン−10−カルボン酸塩(17a)
【0190】
【化19】

アセトニトリル(150ml)中のメチル2−ブロモメチル−3−シアノベンゾエート(14.1g、55.5mmol)およびホモフタル酸無水物(22.5g、138.8mmol)の混合物を室温で攪拌し、この混合物にアセトニトリル(100ml)中のトリエチルアミン(23.2ml)の溶液を1時間にわたって滴下した。添加完了後に、得られた懸濁液を4時間還流した。次いでこの反応混合物を室温まで冷却して濾過した。濾過した固体をアセトニトリル(100ml)およびエタノール(2×100ml)で完全に洗浄し、50℃の真空下で乾燥させた。化合物17aを81%の収率(13.1g)で得た。H NMR(DMSO−d):δ12.21(s,1H);8.20(m,2H);7.83(d,J=7.5Hz,1H);7.71(m,2H);7.47(m,2H);4.07(s,2H);3.89(s,3H)。
【0191】
c)メチル5,6−ジヒドロ−5−オキソ−11−H−インデノ[1,2−c]イソキノリン−9−カルボン酸塩(18a)
【0192】
【化20】

化合物18aをメチル3−ブロモメチル−4−シアノベンゾエートから65%の収率で調製した。メチル5,6−ジヒドロ−5−オキソ−11−H−インデノ[1,2−c]イソキノリン−10−カルボン酸塩(17a)を調製するための手順に従って反応を実施した。H NMR(DMSO−d):δ12.35(s,1H);8.25(d,J=8.1Hz,1H);8.11(s,1H);8.06(d,J=7.8Hz,1H);7.98(d,J=8.1Hz,1H);7.75(m,2H);7.49(m,1H);3.95(s,2H);3.85(s,3H)。
【0193】
d)5,6−ジヒドロ−5−オキソ−11−H−インデノ[1,2−c]イソキノリン−10−カルボン酸(18b)
【0194】
【化21】

メタノールおよび1M NaOH溶液の混合物中の化合物18aの懸濁液を1時間還流した。追加の水を添加し、得られた混合物をさらに1時間還流した。得られた透明の溶液を室温まで冷却し、1M HCl溶液を攪拌しながら添加した。得られた固体を濾過し、水とメタノールで洗浄し、乾燥させて化合物18bを得た。H NMR(DMSO−d):δ12.38(s,1H);8.25(d,J=7.8Hz,1H);8.11(s,1H);8.04(d,J=8.1Hz,1H);7.97(d,J=8.1Hz,1H);7.76(d,J=3.6Hz,2H);7.51(m,1H);3.97(s,2H)。
【0195】
e)5,6−ジヒドロ−5−オキソ−11−H−インデノ[1,2−c]イソキノリン−9−カルボン酸
【0196】
【化22】

上記の化合物を、化合物17aの代わりに化合物18aを使用した以外は、5,6−ジヒドロ−5−オキソ−11−H−インデノ[1,2−c]イソキノリン−10−カルボン酸(18b)を調製するための手順に従って作製した。H NMR(DMSO−d):δ12.34(s,1H);8.24(d,J=8.1Hz,1H);8.20(d,J=7.5Hz 1H);7.88(d,J=7.8Hz,1H);7.77(m,2H);7.54(d,J=7.8Hz,2H);7.49(d,J=8.1Hz,1H);4.18(s,2H)。
【0197】
f)カルボン酸へのアミンの結合のための一般的手順:
ジオキサン中のC−またはC10−COOHおよびカルボジイミドの懸濁液を室温で10分間攪拌した。該当するアミンを添加し、反応混合物を室温で一晩攪拌した。得られた固体を濾過し、ジオキサンで洗浄し、真空オーブン内で3時間乾燥させた。以下の化合物は式(IIc)および(IId)の四環カルボキサミド化合物の合成の具体例である。
【0198】
【化23】

【0199】
【表11】

化合物14a:
H NMR(DMSO−d):δ8.25(d,J=8.1Hz,1H);8.09(s,1H);7.97(q,J=7.9Hz,2H);7.76(d,J=3.9Hz,2H);7.48(m,1H);3.94(s,2H);3.56(t,J=4.7Hz,4H);2.77(t,J=6.0Hz,2H);2.40〜2.33(m,6H)。
【0200】
化合物14b:
H NMR(DMSO−d):δ8.24(d,J=8.1Hz,1H);8.07(s,1H);7.92(m,2H);7.75(d,J=3.6Hz,2H);7.46(m,1H);3.91(s,2H);3.54(t,J=4.5Hz,4H);2.73(t,J=6.9Hz,2H);2.31(m,6H);1.62(t,J=6.9Hz,2H)。
【0201】
化合物13b:
H NMR(DMSO−d):δ8.23(d,J=8.1Hz,1H);8.06(s,1H);7.90(m,2H);7.73(m,2H);7.45(m,1H);3.89(s,2H);2.71(t,J=6.9Hz,4H);2.23(t,J=6.6Hz,2H);2.09(s,6H);1.59(t,J=6.9Hz,2H)。
【0202】
化合物16a:
H NMR(DMSO−d):δ8.23(d,J=8.1Hz,1H);8.03(d,J=7.5Hz,1H);7.80(d,J=7.8Hz,1H);7.74(m,2H);7.47〜7.36(m,2H);4.15(s,2H);3.54(m,4H);2.78(t,J=6.0Hz,2H);2.41〜2.30(m,6H)。
【0203】
化合物16b:
H NMR(DMSO−d):δ8.22(d,J=7.8Hz,1H);7.98(d,J=7.2Hz,1H);7.79(d,J=7.2Hz,1H);7.71(m,2H);7.42(m,1H);7.34(t,J=7.8Hz,1H);4.14(s,2H);2.82(t,J=6.9Hz,2H);2.29(m,6H);1.70(t,J=6.6Hz,2H)。
【0204】
化合物15a:
H NMR(DMSO−d):δ8.22(d,J=8.1Hz,1H);8.03(d,J=7.2Hz,1H);7.80(d,J=7.8Hz,1H);7.73(m,2H);7.44(m,1H);7.37(t,J=8.1Hz,1H);4.14(s,2H);2.79(t,2H);2.36(t,J=6.0Hz,2H);2.14(s,6H)。
【0205】
化合物15b:
H NMR(DMSO−d):δ8.24(d,J=7.8Hz,1H);8.01(d,J=7.2Hz,1H);7.80(d,J=8.1Hz,1H);7.73(d,J=3.3Hz,2H);7.44(m,1H);7.37(t,J=7.5Hz,1H);4.15(s,2H);2.77(t,J=6.9Hz,2H);2.26(t,J=6.9Hz,2H);2.10(s,6H);1.63(t,J=6.9Hz,2H)。
【実施例2】
【0206】
g)例示的な四環アミノ化合物および四環カルボキサミド化合物の、インビトロPARS活性に対する影響
PARSを阻害し、ペルオキシ亜硝酸塩によって誘発される細胞毒性を阻止するための例示的な四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物の能力を、ビラグら(Virag et al.)、Br.J.Pharmacol.1999年、126(3):769〜77ページ;およびImmunology 1998年、94(3):345〜55ページに述べられた方法を使用して実証することが可能である。
【0207】
h)細胞防護分析:
未処理のマウスマクロファージを、例示的な四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物で15分間処理した後、ペルオキシ亜硝酸塩(750μM)を加えさらに15分間処理した。PARS活性の測定のために、培地を除去し、0.01%のジギトニンおよびH−NAD(0.5μCi ml−1、緩衝液中のNADの終濃度は20nM/Lである)を含む0.5mlのHEPES(pH7.5)で置換し、20分間置いた。次いでウェルから細胞を擦り取り、200μlの50%(w/v)氷冷トリクロロ酢酸(TCA)を含むエッペンドルフチューブ内に入れた。その後、これらのチューブを4℃に置いた。4時間後、これらのチューブを1800×gで10分間遠心分離し、上清液を除去した。沈殿物を500μlの氷冷5%TCAで2回洗浄した。沈殿物を、2%のSDSを含む250μlのNaOH(0.1M)中で37℃にて一晩可溶化し、次いで組入れられた放射活性をWallacシンチレーションカウンタを使用して測定することによってPARS活性を求めた。可溶化したタンパク質(250μl)を、計数前に5mlのシンチラント(フィッシャーサイエンティフィック(Fisher Scientific)社のScintiSafe Plus)と10分間混合した。用量反応曲線からEC50値を算出した。
【0208】
表1:例示的なイソキノリン化合物の細胞防護に対する阻害作用
【0209】
【化24】

【0210】
【表12】

【実施例3】
【0211】
i)四環アミノ化合物および四環カルボキサミド化合物の、細胞死のインビトロモデルにおける影響
インビトロの酸化剤刺激胸腺細胞アッセイ(ビラグら(Virag et al.)、Immunology 94(3):345〜55ページ、1998年に詳しく述べられている)を使用して、例示的な四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物を、細胞の生存力の酸化剤誘発型抑制を阻止する能力について試験することが可能であり、それ自体でこの分析は虚血器官における再灌流に関連する細胞死のインビトロのモデルを表わす。
【実施例4】
【0212】
j)四環アミノ化合物および四環カルボキサミド化合物の炎症性疾患のインビボモデルに対する影響
炎症性疾患における化合物の有効性を実証するために、動物における再灌流傷害および炎症性疾患、例えば敗血症性ショックおよび全身性炎症反応症候群などを引き起こすことに関与していると報告されている、(パリロ(Parrillo)、N.Engl.J.Med.、328:1471〜1478ページ(1993年)およびランピング(Lamping)、J.Clin.Invest.101:2065〜2071ページ(1998年)参照)細菌性のリポ多糖類(LPS)によって誘発される全身性炎症モデルを使用して、例示的な四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物による影響を判定することができる。
【実施例5】
【0213】
k)四環アミノ化合物および四環カルボキサミド化合物の、再灌流傷害のインビボモデルに対する影響の判定
虚血性および再灌流された腸のマウス・モデルにおける例示的な四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物の有効性を、リオードら(Liaudet et al.)、Shock 2000年、14(2):134〜41ページに述べられた方法に従って判定することができる。
【0214】
別のセットの実験では、中大脳動脈閉塞/再灌流のラット・モデルにおける例示的な四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物による影響を、アブデルカリムら(Abdelkarim et al.)、Int J Mol Med.2001年、7(3):255〜60ページに述べられるように分析することができる。
【実施例6】
【0215】
l)四環アミノ化合物および四環カルボキサミド化合物の、糖尿病のインビボモデルにおける影響
PARS阻害剤およびPARS欠乏は、糖尿病の進展および糖尿病性合併症の発生率を減少させることが知られている。糖尿病モデルにおける例示的な四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物の有効性を実証するために、糖尿病の、単一の高用量ストレプトゾトシンのモデルを、マブレイら(Mabley et al.)、Br J Pharmacol.2001年、133(6):909〜9ページ;およびソリアーノら(Soriano et al.)、Nat Med.2001年、7(1):108〜13ページに記載の通り実施して使用することができる。簡潔に述べると、ビヒクル(対照区)、または例示的な四環アミノ化合物または四環カルボキサミド化合物で腹腔内処理(3mg/kg)されたマウスに160mg/kgのストレプトゾトシンを注射し、3日後、血糖測定器を使用して血糖値を求める。
【0216】
本発明は、本発明の少数の態様の具体例として意図される実施例に開示された特定の実施形態による範囲に限定されず、機能的に同等であるいずれの実施形態も本発明の範囲内にある。実に、本願に示されて説明されたものに加えて本発明の様々な改変形態が当業者に明らかになるであろうがこれらは添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。
【0217】
多数の参考文献が引用されてきたが、これらの全開示を本願に援用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下式を有する化合物または薬学的に許容可能なその塩であって、
【化1】

式中、
、R、RおよびR基のうちの1つは−NH(CH−N(R)(R)であり、残りの基は同時に−Hであり、
およびRは独立して−H、−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルであり、ここで該−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルは非置換であるかまたは−ハロ、−OHまたは−N(Z)(Z)のうちの1つまたは複数で置換されており、ここでZおよびZは独立して−Hまたは−C〜Cアルキルであり、該−C〜Cアルキルは非置換であるかまたは−ハロ、−ヒドロキシまたは−NHのうちの1つまたは複数で置換されており;またはN、ZおよびZは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−N(R、−COOH、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり;またはN、RおよびRは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ置換されたC〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ハロ置換されたフェニル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−(O−C〜Cアルキル)置換されたフェニル、シアノ置換されたフェニル、−N(R、−(C〜Cアルキレン)−N(R、−COOH、−(C〜Cアルキレン)−COOH、−(C〜Cアルキレン)−C(O)O−C〜Cアルキル、−(C〜Cアルキレン)−C(O)NH−C〜Cアルキル、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり、ならびに
nが2から6の範囲の整数である、化合物または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項2】
が−NH(CH−N(R)(R)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が−NH(CH−N(R)(R)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
が−NH(CH−N(R)(R)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
が−NH(CH−N(R)(R)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
およびRが各々C〜Cアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
およびRが各々メチルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
nが2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
nが3である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
、R、およびこれらが結合している窒素原子が一緒になってモルホリノ基を形成している、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
下式を有する化合物または薬学的に許容可能なその塩であって、
【化2】

式中、
、R、RおよびR基のうちの1つは−C(O)NH(CH−N(R)(R)であり、残りの基は同時に−Hであり、
およびRは独立して−H、−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルであり、ここで該−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルは非置換であるかまたは−ハロ、−OHまたは−N(Z)(Z)のうちの1つまたは複数で置換されており、ここでZおよびZは独立して−Hまたは−C〜Cアルキルであり、該−C〜Cアルキルは非置換であるかまたは−ハロ、−ヒドロキシまたは−NHのうちの1つまたは複数で置換されており;またはN、ZおよびZは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−N(R、−COOH、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり;またはN、RおよびRは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ置換されたC〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ハロ置換されたフェニル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−(O−C〜Cアルキル)置換されたフェニル、シアノ置換されたフェニル、−N(R、−(C〜Cアルキレン)−N(R、−COOH、−(C〜Cアルキレン)−COOH、−(C〜Cアルキレン)−C(O)O−C〜Cアルキル、−(C〜Cアルキレン)−C(O)NH−C〜Cアルキル、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり、ならびに
nは2から6の範囲の整数である、化合物または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項12】
が−C(O)NH(CH−N(R)(R)である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
が−C(O)NH(CH−N(R)(R)である、請求項11に記載の化合物
【請求項14】
が−C(O)NH(CH−N(R)(R)である、請求項11に記載の化合物
【請求項15】
が−C(O)NH(CH−N(R)(R)である、請求項11に記載の化合物
【請求項16】
およびRが各々C〜Cアルキルである、請求項11に記載の化合物。
【請求項17】
およびRが各々メチルである、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
nが2である、請求項11に記載の化合物。
【請求項19】
nが3である、請求項11に記載の化合物。
【請求項20】
、R、およびこれらが結合している窒素原子が一緒になってモルホリノ基を形成している、請求項11に記載の化合物。
【請求項21】
下記構造を有する請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容可能なその塩。
【化3】

【請求項22】
下記構造を有する請求項11に記載の化合物、または薬学的に許容可能なその塩。
【化4】

【請求項23】
生理学的に受容可能な担体またはビヒクル、および請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を含む組成物。
【請求項24】
生理学的に受容可能な担体またはビヒクル、および請求項11に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を含む組成物。
【請求項25】
癌を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項26】
癌を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項11に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項27】
前記癌が肺癌、乳癌、結腸直腸癌、前立腺癌、白血病、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚癌、脳腫瘍、中枢神経系の癌、卵巣癌、子宮癌、胃癌、膵臓癌、食道癌、腎臓癌、肝臓癌、または頭部および頸部の癌である、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記癌が肺癌、乳癌、結腸直腸癌、前立腺癌、白血病、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚癌、脳腫瘍、中枢神経系の癌、卵巣癌、子宮癌、胃癌、膵臓癌、食道癌、腎臓癌、肝臓癌、または頭部および頸部の癌である、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
有効量の他の抗癌剤を投与する工程をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
有効量の他の抗癌剤を投与する工程をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記他の抗癌剤がテモゾロマイド、プロカルバジン、ダカルバジン、インターロイキン2、イリノテカン、またはこれらの組合せである、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記他の抗癌剤がテモゾロマイド、プロカルバジン、ダカルバジン、インターロイキン2、イリノテカン、またはこれらの組合せである、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記癌が脳腫瘍またはメラノーマである、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
前記脳腫瘍が転移性脳腫瘍または神経膠種である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記神経膠種が毛様細胞性星状細胞腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、または多形性膠芽腫である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記癌が脳腫瘍またはメラノーマである、請求項28に記載の方法。
【請求項37】
前記脳腫瘍が転移性脳腫瘍または神経膠種である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記神経膠種が毛様細胞性星状細胞腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、または多形性膠芽腫である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
腎不全を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項40】
腎不全を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項11に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項41】
前記腎不全が慢性腎不全または急性腎不全である、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記腎不全が慢性腎不全または急性腎不全である、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
再灌流傷害を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項44】
再灌流傷害を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項11に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項45】
前記再灌流傷害が発作または心筋梗塞である、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記再灌流傷害が発作または心筋梗塞である、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
炎症性疾患を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項48】
炎症性疾患を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項11に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項49】
前記炎症性疾患が関節の炎症性疾患、歯肉の慢性炎症性疾患、炎症性腸疾患、炎症性肺疾患、中枢神経系の炎症性疾患、眼の炎症性疾患、グラム陽性ショック、グラム陰性ショック、出血性ショック、アナフィラキシー性ショック、外傷性ショックまたは化学療法性ショックである、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記炎症性疾患が関節の炎症性疾患、歯肉の慢性炎症性疾患、炎症性腸疾患、炎症性肺疾患、中枢神経系の炎症性疾患、眼の炎症性疾患、グラム陽性ショック、グラム陰性ショック、出血性ショック、アナフィラキシー性ショック、外傷性ショックまたは化学療法性ショックである、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
糖尿病を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項52】
糖尿病を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項11に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項53】
前記糖尿病がI型糖尿病またはII型糖尿病である、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記糖尿病がI型糖尿病またはII型糖尿病である、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
虚血性状態を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項56】
虚血性状態を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項11に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項57】
前記虚血性状態が心筋虚血、安定狭心症、不安定狭心症、発作、虚血性心疾患、または脳虚血である、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記虚血性状態が心筋虚血、安定狭心症、不安定狭心症、発作、虚血性心疾患、または脳虚血である、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
臓器移植に起因する再酸素化障害を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項60】
臓器移植に起因する再酸素化障害を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項11に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項61】
パーキンソン病を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項62】
パーキンソン病を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項11に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項63】
血管疾患を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項64】
血管疾患を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項11に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項65】
前記血管疾患が末梢動脈閉塞、閉塞性血栓血管炎、レイノー病および現象、肢端チアノーゼ、肢端紅痛症、静脈血栓症、拡張蛇行静脈、動静脈フィステル、リンパ水腫、または脂肪性浮腫である、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
前記血管疾患が末梢動脈閉塞、閉塞性血栓血管炎、レイノー病および現象、肢端チアノーゼ、肢端紅痛症、静脈血栓症、拡張蛇行静脈、動静脈フィステル、リンパ水腫、または脂肪性浮腫である、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
糖尿病性合併症を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項68】
糖尿病性合併症を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項11に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項69】
心血管疾患を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項70】
心血管疾患を治療するための方法であって、それを必要とする被験体に請求項11に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を投与する工程を含む方法。
【請求項71】
前記心血管疾患が慢性心不全、動脈細動、上室性頻拍症、心房粗動、または発作性心房頻拍症である、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記心血管疾患が慢性心不全、動脈細動、上室性頻拍症、心房粗動、または発作性心房頻拍症である、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
有効量のテモゾロマイド、生理学的に受容可能な担体またはビヒクル、および下式を有する化合物または薬学的に許容可能なその塩であって、
【化5】

式中、
、R、RおよびR基のうちの1つは−NH(CH−N(R)(R)であり、残りの基は同時に−Hであり、
およびRは独立して−H、−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルであり、ここで該−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルは非置換であるかまたは−ハロ、−OHまたは−N(Z)(Z)のうちの1つまたは複数で置換されており、ここでZおよびZは独立して−Hまたは−C〜Cアルキルであり、該−C〜Cアルキルは非置換であるかまたは−ハロ、−ヒドロキシまたは−NHのうちの1つまたは複数で置換されており;またはN、ZおよびZは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−N(R、−COOH、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり;またはN、RおよびRは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ置換されたC〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ハロ置換されたフェニル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−(O−C〜Cアルキル)置換されたフェニル、シアノ置換されたフェニル、−N(R、−(C〜Cアルキレン)−N(R、−COOH、−(C〜Cアルキレン)−COOH、−(C〜Cアルキレン)−C(O)O−C〜Cアルキル、−(C〜Cアルキレン)−C(O)NH−C〜Cアルキル、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり、ならびに
nが2から6の範囲の整数である、化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を含む組成物。
【請求項74】
有効量のプロカルバジン、生理学的に受容可能な担体またはビヒクル、および下式を有する化合物または薬学的に許容可能なその塩であって、
【化6】

式中、
、R、RおよびR基のうちの1つは−NH(CH−N(R)(R)であり、残りの基は同時に−Hであり、
およびRは独立して−H、−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルであり、ここで該−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルは非置換であるかまたは−ハロ、−OHまたは−N(Z)(Z)のうちの1つまたは複数で置換されており、ここでZおよびZは独立して−Hまたは−C〜Cアルキルであり、該−C〜Cアルキルは非置換であるかまたは−ハロ、−ヒドロキシまたは−NHのうちの1つまたは複数で置換されており;またはN、ZおよびZは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−N(R、−COOH、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり;またはN、RおよびRは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ置換されたC〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ハロ置換されたフェニル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−(O−C〜Cアルキル)置換されたフェニル、シアノ置換されたフェニル、−N(R、−(C〜Cアルキレン)−N(R、−COOH、−(C〜Cアルキレン)−COOH、−(C〜Cアルキレン)−C(O)O−C〜Cアルキル、−(C〜Cアルキレン)−C(O)NH−C〜Cアルキル、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり、ならびに
nが2から6の範囲の整数である、化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を含む組成物。
【請求項75】
有効量のダカルバジン、生理学的に受容可能な担体またはビヒクル、および下式を有する化合物または薬学的に許容可能なその塩であって、
【化7】

式中、
、R、RおよびR基のうちの1つは−NH(CH−N(R)(R)であり、残りの基は同時に−Hであり、
およびRは独立して−H、−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルであり、ここで該−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルは非置換であるかまたは−ハロ、−OHまたは−N(Z)(Z)のうちの1つまたは複数で置換されており、ここでZおよびZは独立して−Hまたは−C〜Cアルキルであり、該−C〜Cアルキルは非置換であるかまたは−ハロ、−ヒドロキシまたは−NHのうちの1つまたは複数で置換されており;またはN、ZおよびZは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−N(R、−COOH、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり;またはN、RおよびRは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ置換されたC〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ハロ置換されたフェニル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−(O−C〜Cアルキル)置換されたフェニル、シアノ置換されたフェニル、−N(R、−(C〜Cアルキレン)−N(R、−COOH、−(C〜Cアルキレン)−COOH、−(C〜Cアルキレン)−C(O)O−C〜Cアルキル、−(C〜Cアルキレン)−C(O)NH−C〜Cアルキル、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり、ならびに
nが2から6の範囲の整数である、化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を含む組成物。
【請求項76】
有効量のイリノテカン、生理学的に受容可能な担体またはビヒクル、および下式を有する化合物または薬学的に許容可能なその塩であって、
【化8】

式中、
、R、RおよびR基のうちの1つは−NH(CH−N(R)(R)であり、残りの基は同時に−Hであり、
およびRは独立して−H、−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルであり、ここで該−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルは非置換であるかまたは−ハロ、−OHまたは−N(Z)(Z)のうちの1つまたは複数で置換されており、ここでZおよびZは独立して−Hまたは−C〜Cアルキルであり、該−C〜Cアルキルは非置換であるかまたは−ハロ、−ヒドロキシまたは−NHのうちの1つまたは複数で置換されており;またはN、ZおよびZは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−N(R、−COOH、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり;またはN、RおよびRは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ置換されたC〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ハロ置換されたフェニル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−(O−C〜Cアルキル)置換されたフェニル、シアノ置換されたフェニル、−N(R、−(C〜Cアルキレン)−N(R、−COOH、−(C〜Cアルキレン)−COOH、−(C〜Cアルキレン)−C(O)O−C〜Cアルキル、−(C〜Cアルキレン)−C(O)NH−C〜Cアルキル、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり、ならびに
nが2から6の範囲の整数である、化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を含む組成物。
【請求項77】
有効量のインターロイキン2、生理学的に受容可能な担体またはビヒクル、および下式を有する化合物または薬学的に許容可能なその塩であって、
【化9】

式中、
、R、RおよびR基のうちの1つは−NH(CH−N(R)(R)であり、残りの基は同時に−Hであり、
およびRは独立して−H、−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルであり、ここで該−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルは非置換であるかまたは−ハロ、−OHまたは−N(Z)(Z)のうちの1つまたは複数で置換されており、ここでZおよびZは独立して−Hまたは−C〜Cアルキルであり、該−C〜Cアルキルは非置換であるかまたは−ハロ、−ヒドロキシまたは−NHのうちの1つまたは複数で置換されており;またはN、ZおよびZは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−N(R、−COOH、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり;またはN、RおよびRは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ置換されたC〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ハロ置換されたフェニル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−(O−C〜Cアルキル)置換されたフェニル、シアノ置換されたフェニル、−N(R、−(C〜Cアルキレン)−N(R、−COOH、−(C〜Cアルキレン)−COOH、−(C〜Cアルキレン)−C(O)O−C〜Cアルキル、−(C〜Cアルキレン)−C(O)NH−C〜Cアルキル、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり、ならびに
nが2から6の範囲の整数である、化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を含む組成物。
【請求項78】
有効量のテモゾロマイド、生理学的に受容可能な担体またはビヒクル、および下式を有する化合物または薬学的に許容可能なその塩であって、
【化10】

式中、
、R、RおよびR基のうちの1つは−C(O)NH(CH−N(R)(R)であり、残りの基は同時に−Hであり、
およびRは独立して−H、−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルであり、ここで該−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルは非置換であるかまたは−ハロ、−OHまたは−N(Z)(Z)のうちの1つまたは複数で置換されており、ここでZおよびZは独立して−Hまたは−C〜Cアルキルであり、該−C〜Cアルキルは非置換であるかまたは−ハロ、−ヒドロキシまたは−NHのうちの1つまたは複数で置換されており;またはN、ZおよびZは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−N(R、−COOH、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり;またはN、RおよびRは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ置換されたC〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ハロ置換されたフェニル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−(O−C〜Cアルキル)置換されたフェニル、シアノ置換されたフェニル、−N(R、−(C〜Cアルキレン)−N(R、−COOH、−(C〜Cアルキレン)−COOH、−(C〜Cアルキレン)−C(O)O−C〜Cアルキル、−(C〜Cアルキレン)−C(O)NH−C〜Cアルキル、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり、ならびに
nが2から6の範囲の整数である、化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を含む組成物。
【請求項79】
有効量のプロカルバジン、生理学的に受容可能な担体またはビヒクル、および下式を有する化合物または薬学的に許容可能なその塩であって、
【化11】

式中、
、R、RおよびR基のうちの1つは−C(O)NH(CH−N(R)(R)であり、残りの基は同時に−Hであり、
およびRは独立して−H、−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルであり、ここで該−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルは非置換であるかまたは−ハロ、−OHまたは−N(Z)(Z)のうちの1つまたは複数で置換されており、ここでZおよびZは独立して−Hまたは−C〜Cアルキルであり、該−C〜Cアルキルは非置換であるかまたは−ハロ、−ヒドロキシまたは−NHのうちの1つまたは複数で置換されており;またはN、ZおよびZは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−N(R、−COOH、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり;またはN、RおよびRは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ置換されたC〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ハロ置換されたフェニル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−(O−C〜Cアルキル)置換されたフェニル、シアノ置換されたフェニル、−N(R、−(C〜Cアルキレン)−N(R、−COOH、−(C〜Cアルキレン)−COOH、−(C〜Cアルキレン)−C(O)O−C〜Cアルキル、−(C〜Cアルキレン)−C(O)NH−C〜Cアルキル、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり、ならびに
nが2から6の範囲の整数である、化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を含む組成物。
【請求項80】
有効量のダカルバジン、生理学的に受容可能な担体またはビヒクル、および下式を有する化合物または薬学的に許容可能なその塩であって、
【化12】

式中、
、R、RおよびR基のうちの1つは−C(O)NH(CH−N(R)(R)であり、残りの基は同時に−Hであり、
およびRは独立して−H、−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルであり、ここで該−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルは非置換であるかまたは−ハロ、−OHまたは−N(Z)(Z)のうちの1つまたは複数で置換されており、ここでZおよびZは独立して−Hまたは−C〜Cアルキルであり、該−C〜Cアルキルは非置換であるかまたは−ハロ、−ヒドロキシまたは−NHのうちの1つまたは複数で置換されており;またはN、ZおよびZは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−N(R、−COOH、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり;または−NOであり、ここでは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり;またはN、RおよびRは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ置換されたC〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ハロ置換されたフェニル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−(O−C〜Cアルキル)置換されたフェニル、シアノ置換されたフェニル、−N(R、−(C〜Cアルキレン)−N(R、−COOH、−(C〜Cアルキレン)−COOH、−(C〜Cアルキレン)−C(O)O−C〜Cアルキル、−(C〜Cアルキレン)−C(O)NH−C〜Cアルキル、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり、ならびに
nが2から6の範囲の整数である、化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を含む組成物。
【請求項81】
有効量のイリノテカン、生理学的に受容可能な担体またはビヒクル、および下式を有する化合物または薬学的に許容可能なその塩であって、
【化13】

式中、
、R、RおよびR基のうちの1つは−C(O)NH(CH−N(R)(R)であり、残りの基は同時に−Hであり、
およびRは独立して−H、−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルであり、ここで該−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルは非置換であるかまたは−ハロ、−OHまたは−N(Z)(Z)のうちの1つまたは複数で置換されており、ここでZおよびZは独立して−Hまたは−C〜Cアルキルであり、該−C〜Cアルキルは非置換であるかまたは−ハロ、−ヒドロキシまたは−NHのうちの1つまたは複数で置換されており;またはN、ZおよびZは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−N(R、−COOH、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり;またはN、RおよびRは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ置換されたC〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ハロ置換されたフェニル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−(O−C〜Cアルキル)置換されたフェニル、シアノ置換されたフェニル、−N(R、−(C〜Cアルキレン)−N(R、−COOH、−(C〜Cアルキレン)−COOH、−(C〜Cアルキレン)−C(O)O−C〜Cアルキル、−(C〜Cアルキレン)−C(O)NH−C〜Cアルキル、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり、ならびに
nが2から6の範囲の整数である、化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を含む組成物。
【請求項82】
有効量のインターロイキン2、生理学的に受容可能な担体またはビヒクル、および下式を有する化合物または薬学的に許容可能なその塩であって、
【化14】

式中、
、R、RおよびR基のうちの1つは−C(O)NH(CH−N(R)(R)であり、残りの基は同時に−Hであり、
およびRは独立して−H、−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルであり、ここで該−C〜Cアルキル、−フェニル、またはベンジルは非置換であるかまたは−ハロ、−OHまたは−N(Z)(Z)のうちの1つまたは複数で置換されており、ここでZおよびZは独立して−Hまたは−C〜Cアルキルであり、該−C〜Cアルキルは非置換であるかまたは−ハロ、−ヒドロキシまたは−NHのうちの1つまたは複数で置換されており;またはN、ZおよびZは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−N(R、−COOH、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり;またはN、RおよびRは一緒になって、3から7員の窒素含有単環式複素環を形成しており、該複素環は非置換であるかまたは−C〜Cアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ置換されたC〜Cアルキル、−ハロ、−ハロ置換されたC〜Cアルキル、ハロ置換されたフェニル、ヒドロキシ、−O−C〜Cアルキル、−(O−C〜Cアルキル)置換されたフェニル、シアノ置換されたフェニル、−N(R、−(C〜Cアルキレン)−N(R、−COOH、−(C〜Cアルキレン)−COOH、−(C〜Cアルキレン)−C(O)O−C〜Cアルキル、−(C〜Cアルキレン)−C(O)NH−C〜Cアルキル、−C(O)O−(C〜Cアルキル)、−OC(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)NH、または−NOのうちの1つから3つで置換されており、ここでRは出現するごとに独立して−H、−ベンジル、または−C〜C10アルキルであり、ならびに
nが2から6の範囲の整数である、化合物または薬学的に許容可能なその塩の有効量を含む組成物。

【公表番号】特表2008−531562(P2008−531562A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557054(P2007−557054)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/005291
【国際公開番号】WO2006/093667
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(504080179)イノテック ファーマシューティカルズ コーポレイション (24)
【Fターム(参考)】